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Patent Searching and Data


Title:
DEVICE AND METHOD FOR STYLING HAIR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028237
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a device and a method for styling of hair capable of reducing damage to hair, keeping the elasticity and the texture of hair, and holding hair style for a long period. The device comprises an arm body (2) constituted by connection of an arm (2A) and an arm (2B) to each other, a vibration means (3), and a vibration body (9). The arm body (2) is so constituted as to be capable of holding and releasing the hair. The vibration generated by the vibration means (3) has a predetermined frequency of 1 to 20,000 Hz. The vibration body (9) is so constituted as to be capable of sliding along the longitudinal directions of the arms (2A, 2B), and transmitting the vibration from the vibration means onto the hair held by the arm body (2) while sliding.

Inventors:
TAKEHANA MIKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058271
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
April 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KIKUBOSHI CORP (JP)
TAKEHANA MIKI (JP)
International Classes:
A45D1/00; A45D7/02; A45D7/06
Foreign References:
JP2000079013A2000-03-21
JP2006239388A2006-09-14
JPH08299046A1996-11-19
JPH09262120A1997-10-07
JPH09262119A1997-10-07
JPH09262121A1997-10-07
JPH09262123A1997-10-07
Other References:
See also references of EP 2183992A4
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kazuhira (No.8 Kikuboshi Tower Building20-18, Asakusabashi 3-chom, Taito-ku Tokyo, JP)
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Claims:
 軟化剤を塗布或いはスプレーして軟化処理した後の毛髪に、又は、毛髪処理剤を塗布した後の毛髪に、所望の形状を付与する毛髪形状の処理装置であって、
 一方のアームと他方のアームとが、連結機構を介して、回動自在に連結されて構成されるアーム体と、
 前記一方又は他方のアーム、或いは、前記装置本体に配設され、かつ、所定周波数の振動を発生させる振動手段と、
 前記一方又は他方のアームに配設され、かつ、前記振動手段の発生する振動を前記毛髪に伝達可能に構成される振動体と、を備え、
 前記アーム体は、前記連結機構の回動により前記毛髪を保持解放可能に構成されてなり、
 前記振動手段が発生させる振動は、1~20000Hzの所定周波数からなり、
 前記振動体は、前記一方又は他方のアームの長さ方向に沿って摺動可能、かつ、前記アーム体の保持した前記毛髪に摺動しながら前記振動手段からの振動を伝達可能に構成されてなる毛髪形状の処理装置。
 前記装置本体は手で把持可能な第1把持体として構成され、
 前記アーム体の、前記一方のアームには、手で把持可能な第2把持体が、一体又は連結して設けられ、
 前記第1把持体と前記第2把持対との開閉により、前記一方のアームと前記他方のアームとが、連結機構を介して回動するアーム体として構成される前記請求項1に記載の毛髪形状の処理装置。
 前記振動手段の振動の振幅が、0.001mm~10mmの範囲内である請求項1又は2に記載の毛髪形状の処理装置。
 前記振動手段の周波数が、切り替え可能に構成されている請求項1~3のいずれか1項に記載の毛髪形状の処理装置。
 前記毛髪形状の処理装置が、ヘアアイロンである請求項1~4のいずれか1項に記載の毛髪形状の処理装置。
 前記請求項5のヘアアイロンであって、
 前記一方と他方のアームの、いずれにも前記振動体が配設されてあり、
 前記振動手段によって発生させた振動が、前記振動体のいずれか一方又は両方又は交互に、付与されている請求項5に記載の毛髪形状の処理装置。
 前記振動体のいずれか一方又は両方には、前記毛髪と接触する接触面が設けられ、
 前記接触面は、緩やかな波状が繰り返し形成される面処理が施されている請求項6記載の毛髪形状の処理装置。
 前記毛髪処理装置の、毛髪に接触する部分が弾性材料で構成されている請求項1~7のいずれか1項に記載の毛髪形状の処理装置。
 軟化剤を塗布或いはスプレーして軟化処理した後の毛髪、又は、毛髪処理剤を塗布した後の毛髪に、所望の形状を付与する毛髪形状の処理方法であって、
 前記毛髪を潰さない程度に保持しながら、前記毛髪に対して1Hz~20000Hzの所定周波数の振動を与えることにより、前記毛髪に往復回転運動を繰り返しさせる毛髪形状処理方法。
 前記毛髪形状処理方法であって、毛髪に付与する前記振動の振幅が、0.001mm~10mmの範囲内である請求項9に記載の毛髪形状処理方法。
 前記毛髪形状の処理方法に適したヘアアイロンを用いて、毛髪形状の処理を行う請求項9又は10に記載の毛髪形状の処理方法。
 前記毛髪形状処理方法であって、毛髪に接触する部分が弾性材料で構成されている請求項9~11のいずれか1項に記載の毛髪形状処理方法。
Description:
毛髪形状の処理装置とその処理 法

 本発明は、毛髪形状の処理装置とその処 方法に関するものである。

 従来、ストレートパーマやウェーブパー 等の毛髪に所望の形状を付与する処理(パー マ処理)技術は、洗髪を行って清潔にした毛 全体に、第1液(軟化剤或いは還元剤、又はコ ールド液ともいう。)等を塗布或いはスプレ して軟化処理を施す前または後に、毛髪全 を複数に分割し、その分割した毛髪に熱処 やコーミング処理を行い、或いはクリーム の物質を塗布し、又はウェーブパーマの場 には分割した毛髪にヘアロッドを巻く等し 次に、第2液(硬化剤或いは酸化剤、又はコー ルド液ともいう。)を塗布或いはスプレーし 硬化処理を施し、所定の時間経過後にヘア ッドが巻かれている場合には取り外して、 終的に温湯リンス処理等を施すことにより われている。

 すなわち、従来のパーマ処理、或いは、 リートメント処理等の毛髪形状の処理技術 、毛髪をロッド等に巻きつけた後に、第1液 (還元剤)を塗布し、毛髪のシスチン結合を切 、ロッド等で変形した状態で、パーマ第2液 (酸化剤)で結合させる、いわゆる化学的な処 のみによるものであった。このため、スト ートパーマ、ウェーブパーマ或いはトリー メント等の毛髪の形状保持効果は、非常に 命なものであった。これは、毛髪の深部に でパーマ液が十分に浸透しない結果、シス ン結合がうまく切れなかったり、施術時に 髪を傷めてしまいシスチン結合自体が弱く ったり、してしまうなどの原因が考えられ 。

 そこで、上記のコールド液等による毛髪 形状保持効果を長く保持可能にするために 例えば、パーマ処理を行う個々人の毛髪の 質に応じてコールド液のpH度等を種々に調 する試みもなされているが、未だに十分な 状保持効果を得るに至っていないのが実情 ある。

 ところで、毛髪の主成分のケラチンを構 しているポリペプチド鎖(主鎖)は、毛髪の の方向に多数が並び、隣りあった主鎖は、 スチン結合、塩結合、水素結合等の側鎖に って繋がって網目構造を作っていると考え れており、この結合によって、毛髪は弾力 に富み、折り曲げても手を離せば直ちにも の形に戻る復元力を持っていると考えられ いる。

 この復元力を付与しているシスチン結合 塩結合、水素結合等の側鎖を切断すること より復元力を弱めること、これがパーマ第1 液の毛髪への作用であり、一方、曲げられた 新しい位置で側鎖の結合を復元させることが 第2液の作用であって、この一連の反応によ て持続性のあるウェーブ等が形成されると えられている。勿論、癖毛を真直に延ばす 毛矯正や、ウェーブ毛髪をストレート毛髪 する原理も同じである。

 また、毛髪形状の処理過程においては、 述の毛髪処理に併せて、毛髪に一定の時間 一定の温度を加える熱処理(物理的処理)を すことも、一般的に行われている。これは 髪を構成するメデュラ、コルティクス、マ リックス、キューティクル等が有する熱可 性といった特性を有効に利用して形状変形 せるものであり、前述した薬剤(化学的処理) の毛髪への作用との相乗効果を狙ったもので ある。

 しかしながら、前述したパーマ処理等の 髪形状の処理方法は、薬剤や熱を利用する のであるため、例えば、薬剤を利用した毛 形状の処理では、薬剤の用法及び用量を厳 して注意深く取り扱わなければならない。 た、第1液によりケラチンにおけるシスチン 結合の再生が不可能なまでに進行すると、毛 髪へのダメージが大きくなり、一方、第2液 よる処理が完全でないと毛髪が傷み、しか 所定の毛髪形状に処理ができない問題があ 。

 上述した問題に対して、特許文献1には、 薬剤や熱を使用することなく、毛髪に超音波 振動を与えることで毛髪の形状を処理する方 法及びその装置が開示されている。また、特 許文献2には、超音波振動とコールド液とを 用する方法が開示されている。更に、特許 献3~5には、超音波振動を利用したヘアセッ 器等が開示されている。

 しかしながら、特許文献1~5では、毛髪の 状等の特性に対応した超音波振動を与える とができず、毛髪にダメージを与えるおそ があり、毛髪の弾力と風合いを維持するの 十分ではなかった。さらに、毛髪の形状等 特性に対応していないため、長期間にわた て毛髪形状を保持できなかった。したがっ 、毛髪形状の処理装置及びその処理方法と ては十分ではなかった。

特開平8-299046号公報

特開平9-262120号公報

特開平9-262119号公報

特開平9-262121号公報

特開平9-262123号公報

 本発明は、上述した従来技術の問題点に みてなされたものであり、その目的とする ころは、軟化剤を塗布或いはスプレーして 化処理した後の毛髪に対し、毛髪の形状等 特性に対応した振動を与えることにより、 髪に与えるダメージができるだけ少なくな だけでなく、毛髪の弾力と風合いを維持で るとともに、長期間にわたって毛髪形状を 持できる、毛髪形状の処理装置及びその処 方法を提供することにある。

 本発明により、以下の毛髪形状の処理装 及びその処理方法が提供される。

[1] 軟化剤を塗布或いはスプレーして軟化 理した後の毛髪に、又は、毛髪処理剤を塗 した後の毛髪に、所望の形状を付与する毛 形状の処理装置であって、一方のアームと 方のアームとが、連結機構を介して、回動 在に連結されて構成されるアーム体と、前 一方又は他方のアーム、或いは、前記装置 体に配設され、かつ、所定周波数の振動を 生させる振動手段と、前記一方又は他方の ームに配設され、かつ、前記振動手段の発 する振動を前記毛髪に伝達可能に構成され 振動体と、を備え、前記アーム体は、前記 結機構の回動により前記毛髪を保持解放可 に構成されてなり、前記振動手段が発生さ る振動は、1~20000Hzの所定周波数からなり、 記振動体は、前記一方又は他方のアームの さ方向に沿って摺動可能、かつ、前記アー 体の保持した前記毛髪に摺動しながら前記 動手段からの振動を伝達可能に構成されて る毛髪形状の処理装置。

[2] 前記装置本体は手で把持可能な第1把持 体として構成され、前記アーム体の、前記一 方のアームには、手で把持可能な第2把持体 、一体又は連結して設けられ、前記第1把持 と前記第2把持体との開閉により、前記一方 のアームと前記他方のアームとが、連結機構 を介して回動するアーム体として構成される [1]に記載の毛髪形状の処理装置。

[3] 前記振動手段の振動の振幅が、0.001mm~10 mmの範囲内である[1]又は[2]に記載の毛髪形状 理方法。

[4] 前記振動手段の周波数が、切り替え可 に構成されている[1]~[3]のいずれかに記載の 毛髪形状の処理装置。

[5] 前記毛髪形状の処理装置が、ヘアアイ ンである[1]~[4]のいずれかに記載の毛髪形状 の処理装置。

[6] 前記[5]のヘアアイロンであって、前記 方と他方のアームの、いずれにも前記振動 が配設されてあり、前記振動手段によって 生させた振動が、前記振動体のいずれか一 又は両方又は交互に、付与されている[5]に 載の毛髪形状の処理装置。

[7] 前記振動体のいずれか一方又は両方に 、前記毛髪と接触する接触面が設けられ、 記接触面は、緩やかな波状が繰り返し形成 れる面処理が施されている[6]記載の毛髪形 の処理装置。

[8] 前記毛髪処理装置の、毛髪に接触する 分が弾性材料で構成されていることを特徴 する[1]~[7]のいずれかに記載の毛髪形状の処 理装置。

[9] 軟化剤を塗布或いはスプレーして軟化 理した後の毛髪、又は、毛髪処理剤を塗布 た後の毛髪に、所望の形状を付与する毛髪 状の処理方法であって、前記毛髪を潰さな 程度に保持しながら、前記毛髪に対して1Hz~ 20000Hzの所定周波数の振動を付与することに り、前記毛髪に往復回転運動を繰り返しさ る毛髪形状処理方法。

[10] 前記毛髪形状処理方法であって、毛髪 に付与する前記振動の振幅が、0.001mm~10mmの範 囲内である[9]に記載の毛髪形状処理方法。

[11] 前記毛髪形状の処理方法に適したヘア アイロンを用いて、毛髪形状の処理を行う[9] 又は[10]に記載の毛髪形状の処理方法。

[12] 前記毛髪形状処理方法であって、毛髪 に接触する部分が弾性材料で構成されている [9]~[11]のいずれかに記載の毛髪形状処理方法

 本発明によれば、ストレートパーマやウ ーブパーマ等のパーマ処理において、第1液 (軟化剤)の効果を十分に発揮させて、従来の ーマ処理においては行われ難かった毛髪の ラチンにおけるシスチン結合、塩結合、水 結合等の切断を、その細部にまで及ぼすこ が可能となる。また、毛髪形状の付与処理 スムーズに行うことができ、処理時間を短 することができる。また、硬化処理後は、 髪の細部にまで形状付与されることにより 毛髪の細部に至るケラチンのシスチン結合 が復元されるため、長期にわたって、処理 の毛髪形状が保持される。更に、従来のウ ーブパーマ等では行えなかった繊細な形状 処理を行うことでき、優美な或いは個性的 形状を毛髪に付与可能となる。

本発明の毛髪形状の処理装置の実施形 1を示す模式図であって、斜視図である。 本発明の毛髪形状の処理装置の実施形 2を示す模式図であって、斜視図である。 本発明の毛髪形状の処理装置の実施形 態を示す部分拡大図であって、振動体とその 周辺部材との配置関係を表した模式図である 。 本発明の毛髪形状の処理装置の実施形 態を示す部分拡大図であって、図10Aの模式図 を、さらに拡大した模式図である。 本発明の毛髪形状の処理装置の実施形 態を示す部分拡大図であって、毛髪形状の処 理が行われる状態を表す模式図である。 本発明の毛髪形状の処理装置の実施形 態を示す部分拡大図であって、毛髪形状の処 理が行われる状態を表す模式図である。 本発明の毛髪形状の処理装置の実施形 態を示す部分拡大図であって、毛髪形状の処 理が行われる状態を表す模式図である。 本発明の毛髪形状の処理装置の実施形 態を示す部分拡大図であって、毛髪形状の処 理が行われる状態を表す模式図である。 本発明の毛髪形状の処理装置の実施形 態を示す部分拡大図であって、毛髪形状の処 理が行われる状態を表す模式図である。 本発明の毛髪形状の処理装置の実施形 態を示す部分拡大図であって、毛髪を保持し た際の、毛髪の形状を示す模式図である。 従来の毛髪形状の処理装置の実施形態 を示す部分拡大図であって、毛髪を保持した 際の、毛髪の形状を示す模式図である。 本発明の毛髪形状の処理装置の実施形 3を示す模式図であって、アーム体が把持体 を兼ねている毛髪形状の処理装置の斜視図で ある。 回転運動を往復運動に変換するカム機 の模式図である。 本発明の毛髪形状の処理装置の実施形 2を示す模式図であって、斜視図である。 本発明の毛髪形状の処理装置の実施形 4を示す模式図であって、振動体にヒーター を組み込んだ毛髪形状の処理装置が毛髪を保 持した状態を表す模式図である。 本発明の毛髪形状の処理方法に用いら れる処理装置の実施形態の斜視図である。 本発明の毛髪形状の処理装置の実施形 態5を示す模式図であって、アーム対に突起 凹部を設けた毛髪形状の処理装置を表す模 図である。

符号の説明

1、11、21、31、41:ヘアアイロン、2:アーム体 、2A:一方のアーム、2B:他方のアーム、3:振動 段、4A:装置本体(第1把持体)、4B:第2把持体、 5:連結機構、6:セラミックアクチュエータ、7: 電源コード、8:リベット部、9:振動体、10:カ 機構、11:連結構造、11a:連結部、11b:L字部、12 :開口部、12a、12b:開口端部、13:凹部、14a、14b: 当接端、16:振動体保持部、20A:上アーム、20B: アーム、31:ヘアアイロン、22:モータ、23:偏 カム、24:カム、25:振動伝達体、26:毛髪、33Y: 矢印、34Y:矢印、37:黒点、40:振動吸収体(防振 置)、47:突起a、47b:凹部、49:振動体組込みヒ ター。

 以下、本発明の毛髪形状の処理装置を実 するための最良の形態について、図面を参 しながら具体的に説明する。但し、本発明 その発明特定事項を備える毛髪形状の処理 置を広く包含するものであり、以下の実施 態に限定されるものではない。

[1]本発明の毛髪形状の処理装置の構成:
 本発明の毛髪形状の処理装置は、軟化剤を 布或いはスプレーして軟化処理した後の毛 に、又は、毛髪処理剤を塗布した後の毛髪 、に対し、所望の形状を付与できるように 成されている。図1に示されるように、本発 明の毛髪形状の処理装置1は、一方のアーム2A と他方のアーム2Bとが、連結機構5を介して、 回動自在に連結されて構成されるアーム体2 、前記一方又は他方のアーム2A、2B、或いは 前記装置本体4A、に配設され、かつ、所定 波数の振動を発生させる、振動手段3と、前 一方又は他方のアーム2A、2B、に配設され、 かつ、前記振動手段3の発生する振動を前記 髪に伝達可能に構成される、振動体9と、を えている。前記アーム体2は、前記連結機構 5の回動により前記毛髪を保持解放可能に構 されている。前記振動手段3が発生させる振 は、1~20000Hzの所定周波数からなる。前記振 体3は、前記一方又は他方のアーム2A、2Bの さ方向に沿って摺動可能、かつ、前記アー 体2の保持した前記毛髪に、摺動しながら前 振動手段3からの振動を伝達可能、に構成さ れている。

[1-1]本発明の処理する毛髪:
 本発明の毛髪形状の処理装置1は、軟化剤を 塗布或いはスプレーして軟化処理した後の毛 髪、又は、毛髪処理剤を塗布した後の毛髪( 下、適宜「軟化等処理後の毛髪」という)に 適に用いることが出来る。すなわち、本発 の毛髪形状の処理装置は頭髪の形状の処理 好適に用いられるものである。この軟化等 理の方法としては、先ず洗髪を行った後に 第1液(軟化剤)を、丁寧に塗布或いはスプレ することで行われる。なお、本発明の毛髪 状の処理装置は、前述のように、軟化等処 後の毛髪に好適に用いることができるが、 れらの軟化等処理後の毛髪に限定されるも ではなく、軟化等処理をしない毛髪に使用 ても優れた効果を奏することは言うまでも い。

[1-2]振動手段:
 本実施形態が備える振動手段3は、振動体9 振動させて、前記軟化処理後の毛髪に対し 、振動を与える(付与する)、いわば動力源と の機能を有するものである。図1では、振動 段3は、装置本体4Aに配置されているが、こ 配置場所は装置本体に限られるものではな 、たとえば、アーム体2に備えられてもよい

 振動手段3としては、例えば、小型モータ 或いは偏平モータといった電動モータや、電 磁アクチュエータ或いはセラミックアクチュ エータ等が挙げられ、家庭用電源に電源コー ド7を介して接続可能なものが含まれる。セ ミックアクチュエータ等で振動手段3を構成 る場合には、電気エネルギーを機械的な直 運動のエネルギーに直接変換可能であるた 、エネルギー効率がよくなり、省電力化を ることが可能となる。振動手段の作動開始 了は、公知の電源スイッチ等を設けて行わ る。なお、振動手段として電動モータのよ な回転運動出力のものを使用する場合は、 えば、図7に示されるように、カム機構10を いて直進運動に変換し、後述する振動体を 動させて構成してもよい。このように構成 れる振動手段は、その重量があまりにも大 くなると、毛髪形状の処理作業に負担がか るおそれがあるため、可能な限り軽量なも であることが好ましい。

 振動手段3は、1Hz~20000Hzの所定周波数の振 を発生可能に構成される。このように振動 段を構成することにより、例えば、最小値 らなる所定周波数の振動であれば、アーム2 Bの長手方向からの振動を受けた軟化処理後 毛髪は、回転運動にはならないとしても、 ーム体2に保持されながら、少なくとも毛髪 らの外周に沿って、アーム2B(振動体9)上を がりながら往復運動を繰り返す。さらに、 えば、所定周波数内で適用周波数を大きく れば、その周波数の振動により、毛髪の外 に沿って、往復回転運動を繰り返すことが きる。しかるに、振動手段を、1Hz~20000Hzの所 定周波数の振動を発生可能に構成することに より、従来のパーマ処理においては行われ難 かった毛髪のケラチンにおけるシスチン結合 、塩結合、氷素結合等の切断を、その細部に まで及ぼすことができる。さらに、毛髪形状 の付与処理をスムーズに行うことができ、処 理時間を短縮することができる。したがって 、毛髪は損傷を受けず、柔らかい円形断面を 維持できるのである。

 また、振動手段3が発生させる振動は、10H z~100Hzの範囲内の周波数の振動であることが ましい。これは、超音波振動よりも10Hz~100Hz 範囲内の周波数からなる低周波振動の方が より振幅を大きく取れるからである。この うな低周波振動を、図1のように、アーム2B 長手方向に沿って毛髪の側面方向から毛髪 与えると、確実に、毛髪に往復回転運動を り返しさせることができる。したがって、 髪は損傷を受けず柔らかい円形断面を維持 きるのである。さらに、理由として定かで ないが、所定方向からの振動を付与しなが 、毛髪形状の処理を行うと、第1液の毛髪へ の浸透が助けられ、毛髪を軟化させるといっ た第1液の効果が高められるため、毛髪形状 処理として好ましいと考えられる。このよ に、振動手段の周波数を所望の数値範囲内 することで、毛髪の弾力性と風合いを保つ とが可能となる。

 また、振動手段の周波数が、切り替え可 に構成されることが好ましい。毛髪の固さ 太さ等は個人差があるため、前述した所定 周波数を、切り替え可能に構成することに り、個々の毛髪の特性に合わせて毛髪の形 処理を行えるから、好ましい形態の一つで る。

 また、前記振動手段の振動の振幅が、0.00 1mm~10mmの範囲内であることが好ましく、さら 、0.2mm~1mmの範囲内であることが好ましい。 般的に、人の毛髪の太さは、0.06~0.1mmであり 、毛髪の周長は、0.19~0.31mmである。すなわち 毛髪が往復回転運動を繰り返し行う場合に 、前記所定範囲内の振幅で行われるため、 髪が、過度に右回転のみ又は左回転のみに ること、或いは、過度に回転し過ぎること に起因して損傷を受けず、柔らかい円形断 を維持できる。したがって、毛髪は弾力性 風合いを保つことができる。なお、一定方 の振動を与え(付与し)ながら、毛髪形状の 理を行うことにより、第1液の毛髪への浸透 助けられ、毛髪を軟化させるといった第1液 の効果が高められると考えられるため、前述 のように振動手段の振動を構成することは好 ましい形態の一つである。

 なお、毛髪の1回転分の周長は、0.19~0.31mm あり、2回転分の毛髪の周長は、0.38~0.63mmで り、3回転分の毛髪の周長は、0.57~0.94mmであ 。したがって、前述の振幅が0.001mm以下では 、毛髪が回転しないか、或いは、回転しづら いため、好ましくなく、振幅が10mmを超える 30~50回転分に相当し、毛髪が切れるおそれが あるから、好ましくない。

[1-3]アーム体:
 本実施形態が備えるアーム体2は、一方のア ーム2Aと他方のアーム2Bからなり、一方のア ム2Aと、他方のアーム2Bとは、連結機構5によ り回動自在に連結される。さらに、一方のア ーム2Aと他方のアーム2Bとが、毛髪を保持可 な程度に、回動自在に構成されている。こ で、毛髪処理を行う際に一方と他方のアー 同士が激しく接触してしまうと、その互い アームに挟まれた毛髪は潰れてしまうおそ があるため、一方と他方のアームが激しく 触することは好ましくない。したがって、 実施形態では、一方のアームと他方のアー の接触、又は、一方と他方のアームのいず か一方に配設された振動体と他方のアーム の接触、又は、いずれのアームにも配設さ た振動体同士の接触は、毛髪を保持できる 度に接触することが好ましい。

 アーム体の形状としては、例えば、円柱 、矩形状、棒状等が挙げられるが、これら 形状に限られず、毛髪を保持解放し易く、 えて、連結機構5を介して回動し易い形状で あることが望ましい。また、アーム体2は、 1に示される振動体9が配設され、さらに、図 3に示される振動伝達体25等が配設される場合 には、中空形状に形成されることが好ましい が、このような中空形状に限らず、振動体を 配設し易い形状、又は、振動体を配設した際 に毛髪に振動を付与し易い形状、さらには、 他の周辺部材を配設し易い形状等であるなら ば、本実施形態に備えられるアーム体に含ま れる。

 アーム体は、チタン合金、ジェラルミン アルミニウム合金、鋼などの公知の金属材 等から形成されるが、これらの材料に限ら 、軽量で、振動に強く、耐久性あるものか 形成してもよい。さらに、上述の性質を有 る上に、耐熱性に優れた材料から形成され ことが好ましい。

[1-3-1]連結機構:
 アーム体は、図1に示されるように、連結機 構5を介して、回動自在に連結されて構成さ る。すなわち、一方のアーム体2Aと、他方の アーム体2Bとが、リベット部8を基軸として、 回動自在に連結される構成をとり、図1の紙 方向でいえば、上下にアームが回動できる うに構成される。ただし、このような連結 構に限定されるものではなく、アーム体の 動自在が可能な公知の連結構造も、本実施 態の備える連結機構に含まれる。この連結 構5を介して、一方のアーム体2Aと、他方の ーム体2Bとを自在に回動させることで、一方 のアーム体2Aと、他方のアーム体2Bとにより 毛髪の保持解放をスムーズに行うことがで るようになる。

 ここで、アーム体がどのように毛髪を保 するかは、毛髪形状の処理装置にとっては 重要な問題である。例えば、強く押圧(強圧 )して毛髪を挟み込み、さらに、その強圧し まま、毛髪の形状を処理するものでは、強 した段階で既に毛髪の断面が潰れた状態と り、その潰れた毛髪に追い打ちをかけるよ に、毛髪形状の処理が加えられるため、二 三重のダメージを毛髪に与えてしまうこと なる。換言すれば、仮にアーム体が毛髪に し、所望の方向から所望の振動を与えるこ が可能に構成されても、押圧されてダメー を受けた毛髪が、さらに、毛髪処理の工程 継続して強圧され続けることになるから、 髪は回転するどころか毛髪の周方向への転 りもできなくなり、また、仮に回転しても 髪は、さらに潰れてしまうおそれが極めて くなる。結局のところ、毛髪に二重三重の メージを与えてしまうため、これでは、毛 の弾力も風合いも維持できない。そこで、 実施形態では、一方のアーム2Aと他方のアー ム2Bとが、連結機構5を介して、毛髪を潰さな いように、2つのアームで優しく保持すると もに、2つのアーム上で毛髪を保持しながら 毛髪を自らの周方向へ転がらせ、さらには 毛髪に往復回転運動させるように構成され いる。

[1-3-2]アーム体のその他の構成:
 なお、アーム体に、前述の振動手段が配設 れることも好ましい。たとえば、図2に示さ れる毛髪形状の処理装置21のように、アーム 2のアーム2Bに、セラミックアクチュエータ6 等の前記振動手段を配設することにより、振 動体までの振動伝達距離を短くできるため、 所望の振動を確実に毛髪に与える(伝達する) とができる。すなわち、毛髪への振動伝達 ロスが小さくなり、付与する振動の調整を 確実かつスムーズに行えるため、好ましい 態の一つといえる。

 また、アーム体には、回動(一方のアーム と他方のアームの開閉)を容易にするばね等 付勢部材等が配設されることが好ましい。 髪の保持をスムーズに行え、毛髪処理をス ーズに行うことができるからである。

 さらに、一方のアームと他方のアームと 毛髪を保持した際に、一方と他方のアーム らの過度の押圧によるダメージがないよう 図11に示されるような、突起47aをアーム2Bに 設け,また、凹部47bをアーム2Aに設けて構成す ることも好ましい。このように構成されるこ とにより、一方と他方のアームが互いに相手 (一方又は他方のアーム)を過度に押圧しそう なっても、過度の押圧がなされる前に、前 の突起47aと凹部47bとが、ストッパーとして 役割を果たすため、過度の押圧を防ぐこと できる。したがって。毛髪への押圧が避け れるのである。

[1-4]振動体:
 振動体は、図1、3に示されるように、アー 体2の長手方向に沿って配設される、平板部 として構成される。ただし、振動体9は、こ のような平板部材に限定されるものではなく 、アーム2B(又は、アーム2A)の長手方向に沿っ て、アーム体2により保持された毛髪の側面 ら、振動を与えることができる形状等であ ば、本実施形態が備える振動体に適したも といえ、そのような部材から本実施形態の える振動体を形成してもよい。

 振動体9は、振動手段3によって発生した 動を受けて、アーム2A、2Bの長手方向に沿っ 摺動するとともに、その摺動によって生じ 振動を、毛髪に対して与える(伝達する)。 のように振動体9を構成することにより、毛 に往復回転運度を行わせて、毛髪のダメー をなくし柔らかい円形断面を維持した毛髪 状の処理を行うことができる。

 ここで、図3A、Bに示される、振動体9とそ の周辺部材との配置関係を表した模式図を用 いて説明する。ただし、同図は、振動体9と の周辺部材の関係をわかりやすく説明する めに図示されたものであり、アーム体2の連 機構5や、リベット部8等の部材は省略され いる。図3A、Bに示されるように、動力部で るモータ22(振動発生手段)が振動を発生させ と、その振動は、偏芯カム23、カム24、振動 伝達体25を介して、振動体9に伝達される。こ の振動の伝達を受けた振動体9は、アーム2Bの 長手方向に沿って摺動し、この振動体の摺動 により、毛髪に対して、アーム2A、2B、の長 方向に沿った振動を伝達できる。なお、振 体とその周辺部材との関係については、後 の振動体とその周辺部材の関係([1-5])の中で 更に詳しく説明する。

 さらに、振動体がどのように摺動し、そ 振動体の摺動がどのように毛髪に対して、 動として伝達されるか、更には、毛髪がど ように往復回転運動を行われるかを、図4を 用いて説明する。なお、図4は、アーム2A及び 2Bからなるアーム体2、を備える毛髪形状の処 理装置(ヘアアイロン)を用いて、毛髪が形状 理される様子を、模式的に示したものであ 。図4A、Bには、アーム2Bに配設された振動 9が、振動体9に描かれた矢印33Yの向き方向( ーム2Bの先端方向)へ移動する様子が表され いる。振動体9が前述の矢印33Yの向き方向(ア ーム2Bの先端方向)へ移動すると、円状に見立 てた毛髪26が、振動体9との接地点(同図では 黒点37)よりも、アーム2A方向(35Yの矢印方向) 移動(回転)する。そして、その上記図4Bの工 程後、図4C、Dに示されるように、アーム2Bに 設された振動体9が、今度は振動体9に描か た矢印34Yの向き方向(他方のアーム2Bの先端 反対方向)に移動し、その移動に伴い、毛髪 アーム2B方向に移動(回転)する。さらに、そ の図4C及びDの工程後の、図4Eに示されるよう 、振動体がアーム2Bの先端方向に移動し、 び、図4Aからの一連の工程が行われる。この ように、振動体9は、アーム2B上に沿って、ア ームの左右方向(長手方向)に繰り返し移動(摺 動)するため、アーム2A及び2Bに保持された毛 は、振動体の移動に合わせて、右回転又は 回転を交互に繰り返す。すなわち、往復回 運動が繰り返し行われるのである。したが て、アーム2A,2Bに保持された毛髪は、アー 2Bに配設された振動体9によって、アームの 手方向に沿って生じた振動を繰り返し受け あたかも「のし棒」を転がすような往復回 をする。そのため、本実施形態の毛髪形状 処理装置は、毛髪が有する円形の断面形状 形成維持しながら、柔らかく毛髪処理でき のである。

 このように、本実施形態が備える振動体 より毛髪形状の処理を行えば、過剰な接触 を与えないため、図5Aの模式図に示される うな、毛髪の断面の円形形状を維持できる 他方、従来の振動体では、毛髪が回転せず 剰な接触圧を与えていたため、図5Bの模式図 に示されるような、毛髪の断面の円形形状を 維持できず、弾力性と風合いを保つことがで きない。

 なお、上述した図4では、矢印を付した他 方のアーム2Bにのみ振動体9を配設し、その振 動体を振動(摺動)させているが、アーム2Aに 動体を配してもよいし、さらに、一方と他 の両方のアームに振動体を配設してもよい 両方のアームに振動体を配設した場合には その振動体の一方に、他方と異なる逆方向 振動を与えるよう振動体を構成し、毛髪形 の処理を行ってもよい。このように、両方 アームに振動体を配設する場合には、上側 アーム(一方のアーム)と下側のアーム(他方 アーム)とに、前述のような、あたかも「の 棒」が2つついた状態となるため、その両方 のアーム間に保持された毛髪は、さらに確実 に往復回転でき、より好ましい形態といえる 。ただし、毛髪は振動体の振幅に応じた回転 をするが、回転数が多いと毛髪が切れたり、 損傷が生じたりするため、振動体の振幅は毛 髪が所定の回転以内となるように振動付与す ることが好ましい。

[1-5]振動体とその周辺部材の関係:
 図3を参照しながら、振動体の構成とその周 辺部材との構成、及び、その関係について説 明する。図3は、毛髪形状の処理装置1の一部 大断面図であり、説明の便宜上、一方のア ムを省略して図示したものである。図3に示 されるように、毛髪形状の処理装置1は、装 本体4Aを第1把持体として構成することも好 しい形態の一つである。さらに、図3には図 されていないが、図1に示されるように、ア ーム2Aに、手で把持可能な第2把持体を、一体 又は連結して設けるとともに、さらに、装置 本体である第1把持体と、前述の第2把持体と 、手で互いに近づけたり遠ざけたりするこ により、一方のアーム2Aと他方のアーム2Bと が、連結機構5を介して(リベット部8を基軸と して)自在に回動するように構成されること 好ましい。アーム体に毛髪の保持解放作業 スムーズに行わせることができるからであ 。

 ここで、図3に示される毛髪形状の処理装 置1では、装置本体4Aに、動力源となる振動発 生手段3であるモータ22が配され、他方のアー ム2Bには振動体9が配されている。さらに、振 動体9の、毛髪を保持する面とは反対側の面 に、振動体9と振動伝達体25とを連結する連 部11aが設けられ、また、振動伝達体25の一部 を構成するとともに、連結部11aを介して、振 動伝達体25の振動を振動体に伝達する継ぎ手 して、L字部11bが設けられている。この連結 部11aとL字部11bとが、連結構造11を構成する。

 この連結構造11により、振動伝達体25、偏 芯カム23及びカム24からなるカム機構10を介し て、振動手段3の発生した振動が、振動体9に 達され、さらに、振動体9から毛髪に、その 振動が伝達される。換言すれば、振動伝達体 25が、カム機構48を介して、モータ22からの振 動を受けると、装置本体4A、及び、装置本体4 Aの延長上にある、他方のアーム2Bの長手方向 に沿って、振動伝達体25は摺動(振動)を繰り す。そして、その連結構造11を介して、振動 体9に、その振動が伝達される。さらに、そ 振動を受けた振動体9は、毛髪に対して振動 伝達するのである。

 また、図3に示されるように、アーム2Bに 、開口部12が形成される。その開口部12には 、その一方の端部であって、アーム2Bの長手 向、かつ、アーム2Bの先端側に、開口端部12 aが形成される。開口部12の他方の端部であっ て、アーム2Bの長手方向、かつ、装置本体4a に、開口端部12bが形成される。

 この開口部12を形成するのは、振動伝達 25が、アーム2B及び装置本体4Aの長手方向に って摺動し、その摺動に伴い、連結構造11を 構成するL字部11bが、アーム2Bの長手方向に沿 って、開口端部12aと12bの間を摺動するからで ある。ここで、L字部11bの摺動は、開口端部12 aと12bのそれぞれの端部に当接しないように 成されることが好ましく、仮に、当接する しても、接触するかしないかの程度の当接 あることが好ましい。開口端部12aと12bとに L字部11bが直撃すると、振動手段3の振動を、 的確に振動体9に伝達しにくくなり、毛髪が 実に回転往復運動を繰り返しづらくなるか である。

 また、L字部11bが、開口端部12a、12bに接触 するかしないかの程度の当接が行われる場合 には、振動伝達体25は、開口部12の長さ寸法 だけ、すなわち、上記開口端部12aと12bとの さ寸法分だけ、摺動できるように構成され ことが好ましい。また、連結構造11により連 結された振動体9は、振動伝達体25が、開口端 部12aと12bとの距離寸法分だけしか摺動できな いため、連結構造11の連結部11aにより連結さ た振動体9の摺動も、開口端部12aと12bとの距 離(長さ)寸法分だけ、摺動可能に構成される とが好ましい。

 なお、振動体9が、アーム2Bの先端に向か て移動する場合の、アーム2B側への最大移 は、連結構造11のL字部11bが、開口端部12aと 当接時に行われ、振動体9が、装置本体4Aに かって移動する場合の、装置本体4A側への最 大移動は、前記連結構造11のL字部11bが、開口 端部12bとの当接時に行われる。すなわち、振 動体9は、アーム2B側への最大移動と、装置本 体4A側への最大移動との間を摺動可能に構成 れることになる。

 また、開口端部12aと12bとの端部に、連結 造11のL字部11bが当接する場合には、L字部11b (または、開口端部12a、12b)は、いわばストッ ーとしての役割を果たすため、いずれの端 にも過度の負担(衝撃)がかからないように 開口端部12aと12b、及び、連結構造11は、耐圧 性、耐摩擦性、耐熱性等の強度がある素材か ら形成されることが好ましい。

 さらに、図3A、Bに示されるように、アー 2Bの長さ方向に形成された凹部13の凹部間を 、振動体9が、アーム2Bの長さ方向に沿って摺 動可能に構成されることも好ましい。ただし 、このような構成に限らず、たとえば、凹部 を設けずに、アーム2B上に振動体を摺動可能 ように構成してもよい。また、同図に示さ るように、凹部を形成した場合に、アーム2 Bの先端方向にある、凹部の一方の端部に、 接端14aを設けることが好ましく、さらに、 置本体である第1把持体4A側にある、凹部の 部に、当接端14bを設けることが好ましい。 動体9の摺動を、その凹部内に留め、毛髪に える振動をコントロールし易くするためで る。なお、所望以上の振動体の摺動が行わ ると、毛髪に必要以上の振動を与えるおそ があるため、所望内の摺動が行われるよう コントロールされることが好ましい。また 振動体の長手方向の寸法調整を調整して形 することが好ましく、さらに、このような 接端14aと、当接端14bとを、凹部を設ける場 には、振動伝達体25の長さ寸法を、当接端14 aと当接端14bとに過度に負担がかからないよ に調節して形成することが好ましい。また 振動体保持部16を設けることで、当接端を備 えた部材をアーム2Bにとりつけることにより アーム2Bに凹部を簡単に形成できるため好 しい。

 また、図3A、Bでは、振動体は、前記連結 造11により下支えされ、凹部13に当接しない 構成を採用しているが、この構成に限らず、 振動体が凹部13に当接(接触)しながら、摺動 能に構成してもよい。振動体が凹部13に当接 (接触)しながら摺動する場合には、振動体、 び、振動体当接(接触)する凹部の当接(接触) 箇所には、耐摩擦性に優れた部材から構成さ れることが好ましい。

 また、振動体が配設された凹部を被覆す ことにより、振動体と、凹部の当接端14aと 当接端14bとの間に毛髪が入らないように形 することも好ましい形態といえる。この被 する部材としてはゴム等が挙げられるが、 力性があり、振動伝達性があれば、そのよ な素材から凹部を被覆してもよい。

[1-6]ヘアアイロンの構成:
 毛髪形状の処理装置がヘアアイロンとして 成されることは、好ましい実施形態の一つ ある。さらに、好ましいヘアアイロンの形 としては、例えば、前記アーム2A、2Bの、い ずれにも振動体9が配設され、振動手段3によ て発生させた振動が、振動体9のいずれか一 方又は両方、又は、交互に、付与されて構成 されることが、好ましい。このように構成さ れることにより、確実に、毛髪を回転させる ことができ、本願の効果を奏することができ るからである。

 なお、図1に示されるようなアイロンの形 態に限らず、例えば、図6に示されるような いわゆる二股状のアームを有するアイロン あっても、本実施形態の毛髪形状の処理装 に含まれることは言うまでもない。図6に示 れるヘアアイロン31では、一方のアーム20A 他方のアーム20Bとが、リベット8Aにより回動 自在に連結されている。したがって、リベッ ト8Aにより、この上下アーム(アーム20Aとアー ム20B)は回動し、ヘアアイロン31は、アーム20A をアーム20Bに近づける(又は、アーム20Bをア ム20Aに近づける)ことで、毛髪を保持できる さらに、近づけたアーム20Aを、アーム20Bか 遠ざける(又は、近づけたアーム20Bをアーム 20Aから遠ざける)と、保持した毛髪をアーム ら離すことができる。

 さらに、振動及びその振幅の大きさを制 できるように、コントロールスイッチを設 ることや、ヘアアイロン自体を共振させ、 いは毛髪に直接に接するアーム2A、2Bを共振 させ、かつ、振幅を増大させて用いることが できるように、また、その共振周波数を変化 させることができるように、周波数の切替え スイッチを設けることも好ましい。アーム2A 2Bの共振周波数を変化させることは、アー 2A・2Bの厚みや幅、形状を変えることによっ も行うことができる。

 また、ヘアアイロンの、毛髪に接触する 分をゴムなどの弾性材料等から構成するこ が好ましい。毛髪との接触圧を低下させる とができ、毛髪は損傷を受けず、柔らかい 形断面を維持できるから望ましい。

 さらに、振動体のいずれか一方、又は、 方に、前記毛髪と接触する接触面を、緩や な波状が繰り返し形成されていることも好 しい形態の一つといえる。毛髪との接触圧 低下させるだけでなく、毛髪の形状を円形 し易いからである。また、緩やかな波状の 処理が施されていることで、毛髪は損傷を けず、柔らかい円形断面を維持できるから ましい。

[1-6-1]ヘアアイロンの把持体:
 図1に示されるように、把持体4Aに振動手段3 が配設する場合には、防振装置を配設される ことが好ましい。ヘアアイロン1A自体が振動 ると、把持体4A、4Bを握る人間の手にも振動 が伝わることになるから、この手への振動伝 達を抑制するためである。例えば、図8に示 れるように、防振装置として動吸振器など 振動吸収体40を把持体4Aに配設した、ヘアア ロン41として構成することが好ましい。

 把持体は、チタン合金、ジェラルミン、 ルミニウム合金、鋼などの金属材料からな 、円柱状のものを切削加工によって形成さ ることが好ましい。また、把持体が装置本 である場合には、振動手段3が組み込まれる (配設される)ことが多いため、その場合には 中空形状に形成されることが好ましい。た し、上述のような金属材料に限られるもの はなく、また、円柱状の形状等に限られる のでもない。しかるに、耐震性、軽量性等 優れ、さらに耐熱性も併せ持つ素材であれ 、そのような素材から把持体を形成しても い。また、手に持ち易く、操作性に優れた 状であり、また、前述の振動手段等の構成 材配設し易い形状であれば、ヘアアイロン 把持体を形成するのに好ましい形態といえ 。なお、既述のように、把持体は、軽量な のを採用することが好ましい。あまりにも 量があると、毛髪形状の処理の作業に支障 生じるためである。

[1-6-2]ヘアアイロンのその他の構成:
 図9に示されるように、上下アーム(一方と 方のアーム)に振動体組込みヒーター49を内 させる等して、ヘアアイロン1に、毛髪26に を付与する手段を備えることも好ましい。 のように、アーム2A・2Bを直接加熱する場合 は、60~200℃で温度が制御できるようにする とが好ましい。

[1-7]毛髪形状の処理装置の使用方法:
 図10に示されるように、第2把持体4Bと第1把 体4Aと手で離し、一方のアーム2Aと他方のア ーム2Bを開く。アーム2Bに軟化処理後の毛髪 巻きつけ、さらに、アーム2Bの振動体が配設 されている箇所に当接させる。把持体4Bと装 本体4Aである把持体とを手で近づけ、アー 2Aとアーム2Bを回動(開閉)させ、アーム体に 髪を保持させる。毛髪形状の処理装置1の電 を入れて、毛髪に振動を与える。アーム2B 振動体9に当接させる毛髪を変える場合には 再び、把持体4Bと、装置本体4Aである把持体 とを、手で遠ざけ(離し)、アーム2Aとアーム2B を離れるように回動させて(開いて)、一方又 他方に当接する毛髪の位置を調整し、上述 た工程を繰り返す。なお、アーム2Bに、毛 を巻きつける場合には、巻きつけの厚み等 むらがあると、十分な効果を得られない場 もあるため、むらなく振動体に当接できる うに巻きつけることが望ましい。

[2]毛髪形状の処理方法:
 以下、本発明の毛髪形状の処理方法を実施 るための最良の形態について、図面を参照 ながら具体的に説明する。但し、本発明は の発明特定事項を備える毛髪形状の処理装 を広く包含するものであり、以下の実施形 に限定されるものではない。

[2-1]本発明の毛髪形状の処理方法の構成:
 本発明の毛髪形状処理方法は、前述した毛 形状の処理装置を好適に用いることができ ものであり、その構成としては、軟化剤を 布或いはスプレーして軟化処理した後の毛 、又は、毛髪処理剤を塗布した後の毛髪、 、所望の形状を付与できるように構成され 。この軟化処理後の毛髪を潰さない程度に 持ながら、毛髪に対して1Hz~20000Hzの所定周 数の振動を与えることにより、前記毛髪に 復回転運動を繰り返しさせることを特徴と るものである。

[2-2]本発明の対象となる毛髪:
 本発明の毛髪形状処理方法を用いて、所望 形状を付与する毛髪は、軟化剤を塗布或い スプレーして軟化処理した後の毛髪、又は 毛髪処理剤を塗布した後の毛髪である(以下 、適宜「軟化処理後の毛髪」という)。すな ち、本発明の毛髪形状処理方法は、頭髪の 状の処理に用いられるものであり、毛髪に 化剤を塗布或いはスプレーして、軟化処理 施した毛髪に対して、用いられるものであ 。この軟化処理の方法としては、先ず洗髪 行った後に、第1液(軟化剤)を、丁寧に塗布 いはスプレーすることで行われる。

[2-2-1]毛髪軟化剤(毛髪処理剤):
 毛髪軟化剤(毛髪処理剤)としては、例えば 毛染め剤、トリートメント剤、セットロー ョン剤等をいい、更に具体的には、ヘアマ キュア剤、ヘアトリートメント剤、ヘアス イリング剤、ヘアリンス剤、ヘアクリーム 、ヘアムース剤、ヘアジェル剤、ヘアパッ 剤等がある。

[2-3]所望の形状:
 本発明の毛髪形状処理方法を用いて、付与 得る所望の形状には特に限定はないが、軟 剤を塗布或いはスプレーして軟化処理した の毛髪に、又は、毛髪処理剤を塗布した後 毛髪に対して、例えば、ウェーブパーマ、 トレートパーマ等のヘアスタイルを施す、 髪形状処理に好適に用いることができる。

[2-3-1]ウェーブパーマ:
 ここで、ウェーブパーマを施す場合の一つ 方法としては、洗髪し、更に第1液を用いて 軟化させた毛髪をコーミングしながら一定量 ほどを握り取り、その毛髪の束を生え際から 毛先まで揃え、例えば、ヘアアイロンで毛髪 に一定方向のウェーブ(カール)を付けたり、 え際から毛先まで略均一のテンションが掛 るようヘアロッドに巻き付けることで、所 の形状に処理する方法がある。

[2-3-2]ストレートパーマ:
 ストレートパーマを施す場合の一つの方法 しては、洗髪後に、コーミングして一定量 ど握り取った毛髪の束を、生え際から毛先 で揃え、しかる後に第1液を塗布或いはスプ レーして毛髪を軟化させ、次に、コーミング しながら一定量ほど握り取った毛髪の束を、 生え際から毛先まで揃え、例えば、ヘアアイ ロンでストレートとなるように処理する方法 がある。

[2-4]振動の付与方法:
 本実施形態の毛髪形状処理方法は、前記毛 を潰さない程度に保持ながら、毛髪に対し 1Hz~20000Hzの所定周波数の振動を付与するこ により、前記毛髪に往復回転運動を繰り返 させることが好ましい。前記毛髪を潰さな 程度に保持するのは、毛髪を潰すように押 すると、毛髪にダメージを与えてしまうた 、望ましくないからである。また、軟化処 後の毛髪に対して、1Hz~20000Hzの所定周波数の 振動を与える(付与する)ことにより、毛髪に 復回転運動を繰り返し行わせることができ 。換言すれば、往復回転運動を繰り返し行 せることができるような振動は、毛髪の長 方向に対して、ほぼ平行かつ交差方向から 振動を受けた場合である。さらに具体的に 明すれば、前述の毛髪形状の処理装置を用 た場合には、アームの長手方向に沿って毛 の側面に振動を与える(付与する)場合には 往復回転運動を繰り返し行わせることがで る。ここで、この往復回転運動には、回転 1回未満のものも含まれる。前述の最小値か なる所定周波数の振動であれば、回転運動 はならないとしても、少なくとも毛髪の外 に沿って転がりながら往復運動し、毛髪に 傷を与えず、柔らかい円形断面を維持でき ためである。ただし、より好ましいのは、 復回転運動が一回以上行われることであり そのような往復回転運動が行われることで 所望の毛髪形状に処理し易くなり、本願の 果を奏するからである。したがって、所定 波数内での適用周波数を大きくとれば、そ 周波数の振動により、毛髪の外周に沿って 往復回転運動を繰り返すことになるから、 望の毛髪形状の処理を可能としながら、毛 には損傷を与えず、柔らかい円形断面を維 できるため、望ましい。

 また、本実施形態の毛髪形状処理方法は 10Hz~100Hzの範囲内の周波数の振動であること が好ましい。これは、超音波振動よりも、10H z~100Hzの範囲内の周波数の振動、すなわち、 周波振動の方が、振幅を大きく取れるため ある。換言すれば、このような低周波振動 、たとえば、前述の毛髪処理装置を用いて 髪に与える(付与する)場合には、アームの長 手方向に沿って毛髪の側面から与える(付与 る)ことができるため、その大きな振幅を受 た毛髪は、確実に、毛髪の外周方向に沿っ 転がり、さらには往復回転運動を繰り返す したがって、毛髪は損傷を受けずに柔らか 円形断面を維持できるから、好ましい。ま 、このように構成されることにより、従来 同じ時間或いはそれよりも短い時間で毛髪 状の処理を行っても、第1液の毛髪への浸透 、作用を、より細部にまで及ぼすことができ る。その結果、従来よりも、繊細な形状付与 を行うことができるようになり、しかも、付 与された形状が長期間保持されることとなる 。なお、この理由として定かではないが、所 定方向からの振動を付与しながら、毛髪形状 の処理を行うことにより、第1液の毛髪への 透が助けられ、毛髪を軟化させるといった 1液の効果が高められるためと考えられる。 のように振動手段の周波数を所望の数値範 内にすることで、毛髪の弾力性と風合いを つことが可能となる。

 また、本実施形態の毛髪形状処理方法は 毛髪に付与する振動の振幅が、0.001mm~10mmの 囲内であることが、好ましい。さらに、0.2m m~1mmの範囲内であることがより好ましい。一 的に、人の毛髪の太さは、0.06~0.1mmであり、 毛髪の周長は、0.19~0.31mmである。すなわち、 髪が往復回転運動を繰り返し行う場合にも 前記所定範囲内の振幅で行われるため、毛 が、過度に、右回転のみ又は左回転のみに ること、或いは、過度に回転し過ぎること に起因する損傷を受けず、柔らかい円形断 を維持できる。したがって、毛髪は弾力性 風合いを保つことができる。

 なお、毛髪の1回転分の周長は、0.19~0.31mm あり、2回転分の毛髪の周長は、0.38~0.63mmで り、3回転分の毛髪の周長は、0.57~0.94mmであ 。したがって、前述の振幅が0.001mm以下では 、毛髪が回転しないか、或いは、回転しづら いため、好ましくなく、振幅が10mmを超える 30~50回転分に相当し、毛髪が切れるおそれが あるから、好ましくない。

 さらに、本実施形態に好適な前述の毛髪 理装置を用いて、毛髪処理を行う場合には 上記振動は、振動体を介してアームの長さ 向に沿って、毛髪に与えられることから、 髪は、往復回転運動を繰り返し、振動手段 作動を終了した後は、回転運動により生じ 毛髪のねじれが少ない。このことを具体的 説明すると、図6に示されるように、毛髪断 面を正面視した場合には、前記振動を与える (付与する)毛髪は、右回転も左回転も交互に り返し行われるため、毛髪が、右回転方向 け又は左回転方向だけに偏り、いわゆるね れ過ぎてしまうおそれがない。しかるに、 髪形状の処理装置の使用終了後に、左右の ずれか一方向にねじれた状態のままの毛髪 少なくできる。なお、理由は定かではない 、一定方向の振動を与え(付与し)ながら処 を行うことにより、第1液の毛髪への浸透が けられ、毛髪を軟化させるといった第1液の 効果が高められるためとも考えられる。

 このように、本発明の毛髪形状の処理方 を行った場合には、一回の処理による、毛 の形状が保持された期間は、通常の生活で 3ヶ月であり、その間は、ほぼそのままの形 状で保持された。また、多少の型崩れを許容 した場合には、約5ヶ月まで形状保持の効果 認められた。他方、振動を与えずに同様の 理を行った場合には、約2ヶ月程度しか、保 できず、多少の型崩れを許容したとしても せいぜい約3ヶ月程度しか形状保持の効果は 認められなかった。

 ここで、前述のように、硬化処理後は、 期にわたって、処理後の毛髪形状が保持さ る理由については、定かではない。しかし 毛髪の細部にまで形状付与されることによ 、毛髪の細部に至るケラチンのシスチン結 等が復元されるため、さらに、具体的に言 ば、毛髪に対して、所望方向からの振動を 与しながら処理を行うことにより、第1液の 毛髪への浸透が助けられ、第1液の効果が高 られること、また超音波振動よりも、低周 とすることで振幅を大きく取れること、加 て、毛髪の側面から振動を受けるため、損 を受けずに円形断面を維持でき、弾力性と 合いを保つことが可能となることも一因と えられる。

 また、理美容師がパーマ処理を行う場合 、無意識のうちにヘアアイロン等のアーム 部分で毛髪をしごいたり、引っ張ったり、 いは軽く叩いたりする行為において、ヘア イロン等に加えられる振動の周波数が、超 波領域といった高い周波数帯に及ぶことは え難く、従って、あくまで推測の域を出る のではないが、本発明における周波数帯で 処理は、あたかも理美容師の行為を代用す かのように作用しており、その結果に起因 るところもあるとも考えられる。

 また、上述したように、所定の振動の付 という物理的な処理によって、第1液の毛髪 への浸透が助けられ、第1液の効果が高めら るであろうことを考慮すると、本発明は、 アマニキュアやトリートメント剤等の塗布 いった毛髪の処理にも優れた効果を奏する とが期待される。

 そこで、一人の毛髪(頭髪)にヘアマニキ アを塗布して、一部の毛髪の束については 動を与えずに、一方、別の一部の毛髪の束 ついては振動を与えつつ、それぞれ同時間 ど同形状のヘアアイロンを用いて処理した ころ、一定方向の振動を与えた場合に、毛 の艶がよくなることが確認された。

 即ち、所定の周波数の振動を加えながら トリートメント剤等が塗布された毛髪を処 した場合や、トリートメント剤等を毛髪に 布しながら所定の周波数の振動を加えて処 した場合には、トリートメント剤が毛髪の 部にまで浸透し、その効果を十分に発揮さ ると共に、処理時間を短くすることが可能 なる。これにより、処理された毛髪の性状 長く保持されるという効果も期待される。

[2-4]本実施形態に適したヘアアイロンによる 髪形状の処理方法:
 前記毛髪形状の処理方法に適したヘアアイ ンを用いて、毛髪形状の処理を行うことが ましい。本実施形態に好適なアイロンとし は、前述した[1-5]ヘアアイロンを用いるこ が好ましい。

 なお、ヘアアイロンによる毛髪形状の処 に際しては、振動を与える前、与えながら あるいは与えた後の、少なくともいずれか 時点で、毛髪に一定温度の熱を与える方法 採用することも好ましい。この熱の付与に り、毛髪の可塑性が高められ、振動のみを えた場合と比較して、より短時間に毛髪に 望の形状を付与することが可能となる。

 また、ヘアアイロンの一方と他方のアー に配した振動板を摺動させて、毛髪に振動 与える(付与する)場合には、大きく分けて 一方のアームのみを振動させる方法、両方 アームを振動させる方法、双方のアームを 互に振動させる方法の3種類の方法があり、 発明においては、毛髪の処理形状に合わせ 、これらのいずれの方法を用いてもよい。

 なお、本実施形態に用いることができる アアイロンには、その一方と他方の(上下) ームの形状によって平アイロン或いは丸ア ロン等といった種々の形態のものがあるが 本発明は、その形態による制限を受けるも ではない。また、ヘアアイロンの選定は、 髪と使用目的に相応しい形態(幅、太さ、形 )を有するものを選定することが好ましい。

 このように、本毛髪形状の処理方法によ 、従来のパーマ処理と比較して、より細部 で微細に切断されたシスチン結合等が、第2 液の作用によって復元される。こうして、毛 髪の細部にまで付与された形状が保持される こととなるため、その後の洗髪等を繰り返す ことによっても、形状が崩れ難く、長期の形 状保持が図られる。

 上述の通り、本発明によれば、ストレー パーマやウェーブパーマ等のパーマ処理に いて、第1液(軟化剤)の効果を十分に発揮さ て、その細部にまで及ぼすことが可能とな 。また、毛髪形状の付与処理をスムーズに うことができ、処理時間を短縮することが きる。また、硬化処理後は、毛髪の細部に で形状付与されることにより、毛髪の細部 至るケラチンのシスチン結合等が復元され ため、長期にわたって、処理後の毛髪形状 保持される。更に、従来のウェーブパーマ では行えなかった繊細な形状の処理を行う とでき、優美な或いは個性的な形状を毛髪 付与可能となる。