石塚 博 (〒63 東京都品川区荏原六丁目19番2号 Tokyo, 1420063, JP)
KOMATSU, Naoki (Shiga University of Medical Science Seta Tsukinowa-cho, Otsu-sh, Shiga 92, 5202192, JP)
小松 直樹 (〒92 滋賀県大津市瀬田月輪町滋賀医科大学 医学部生命科学講座内 Shiga, 5202192, JP)
MORITA, Youichi (1741, Tatsuta-cho Moriyama-sh, Shiga 14, 5240214, JP)
森田 陽一 (〒14 滋賀県守山市立田町1741 Shiga, 5240214, JP)
石塚 博 (〒63 東京都品川区荏原六丁目19番2号 Tokyo, 1420063, JP)
KOMATSU, Naoki (Shiga University of Medical Science Seta Tsukinowa-cho, Otsu-sh, Shiga 92, 5202192, JP)
小松 直樹 (〒92 滋賀県大津市瀬田月輪町滋賀医科大学 医学部生命科学講座内 Shiga, 5202192, JP)
MORITA, Youichi (1741, Tatsuta-cho Moriyama-sh, Shiga 14, 5240214, JP)
森田 陽一 (〒14 滋賀県守山市立田町1741 Shiga, 5240214, JP)
| (1) 一次粒子径が50nm以下のダイヤモンド粒子を含有するダイヤモンド微細粉において、ダイヤモンド粒子表面に親水性官能基を結合乃至付着させて表面親水性とする工程、 (2) 表面親水性ダイヤモンドを水中に分散させてスラリー化する工程、 (3) スラリーを、4×10 3 G以上の加速度及び加速度と遠心力負荷時間との積(以下「遠心負荷積」と言う) 200×10 3 G・分以上(但しGは重力の加速度)にて超遠心分離操作に供し、比較的粒径の大きな粒子を沈降させて分離する工程、及び (4) スラリー中に陽イオンを添加することにより、スラリー中に懸濁している微細粒子を捕集する工程、 を含み、 粒度別検出に基づく粒度分布ヒストグラムにおいて、中央値D 50 が20nm以下であり、さらにD 50 に対するD 10 及びD 90 の比が一定範囲にある ダイヤモンド微細粉の捕集方法。 |
| 前記粒度別検出がマイクロトラックUPA150による、請求項1に記載の方法。 |
| 上記超遠心分離操作において、遠心負荷積が1000×10 3 G・分以上である、請求項1に記載の方法。 |
| 上記超遠心分離操作において、D 50 値が10nm以下である、請求項1又は2に記載の方法。 |
| 前記ダイヤモンド微細粉が、静的超高圧下で非ダイヤモンド炭素からの転換によって合成された単結晶質ダイヤモンドである、請求項1に記載の方法。 |
| 前記ダイヤモンド微細粉が、動的超高圧下で非ダイヤモンド炭素からの転換によって合成され、解砕されたダイヤモンドである、請求項1に記載の方法。 |
| 前記ダイヤモンド微細粉が、動的超高圧下で爆薬に含有された炭素化合物からの転換によって合成され、解砕されたダイヤモンドである、請求項1に記載の方法。 |
| サブミクロン級ダイヤモンド微細粉であって、マイクロトラックUPA粒度測定器による測定値において、D 50 値粒径が20nm以下であり、かつD 50 値に対するD 10 値およびD 90 値の比がそれぞれ0.6以上及び1.8以下であることを特徴とする、ダイヤモンド微細粉。 |
| 前記測定値において最大の検出頻度を呈する粒度フラクションが全体の15%以上である、請求項8に記載のダイヤモンド微細粉。 |
| 前記ダイヤモンド微細粉を構成する粒子の表面が水素で終端され、かつフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)による該粉末の吸収スペクトル図形において、2800~3000cm -1 付近で観察されるCH伸縮に帰属する吸収ピークの高さが、3000~3600cm -1 付近で観察されるOH伸縮に帰属する吸収ピークの高さ以上である、請求項8に記載のダイヤモンド微細粉。 |
| 前記ダイヤモンド微細粉の1バッチを構成するダイヤモンド粒子において、表面の炭素原子が塩素で終端され、1バッチの微細粉に対する塩素の比率が0.2質量%以上である、請求項8に記載のダイヤモンド微細粉。 |
| 前記ダイヤモンド微細粉を構成するダイヤモンド粒子において、表面の炭素原子がアミノ基(アンモニア)で終端され、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)による該粉末の吸収スペクトル図形において、NH 2 伸縮に帰属する1600cm -1 付近の吸収ピークを呈する、請求項8に記載のダイヤモンド微細粉。 |
| 静的超高圧高温下にて合成された単結晶質ダイヤモンドの粉砕によって得られる、単結晶質ダイヤモンド微細粒子を一次粒子の状態で水系媒質に懸濁含有せしめてなるスラリーであって、 該ダイヤモンド微細粒子が専ら、マイクロトラックUPA粒度測定器による測定において、D 50 値が20nm以下、かつD 50 値に対するD 10 値およびD 90 値の比がそれぞれ0.6以上及び1.8以下である ダイヤモンドスラリー。 |
| 前記測定値において最大の検出頻度を呈する粒度フラクションが全体の15%以上である、請求項13に記載のダイヤモンドスラリー。 |
本発明はナノメートル級ダイヤモンド、 に高精度で整粒された平均粒度20nm以下のダ イヤモンド微細粉、及び、かかる粒度の微細 な、実質的に単結晶質のダイヤモンドを捕集 する方法、並びに、該微細粉を分散したスラ リーに関する。
精密加工技術の急速な発展に伴い、精密 磨加工の分野では粒径100nm以下の微粉ダイ モンドが砥粒として使われ始め、さらに細 な砥粒も要求されていることから、数年の ちに10nm級のダイヤモンドも求められると予 される。またナノメートル級のダイヤモン 微細粉については、潤滑材や、医療面にお る検査・治療薬の担体としての利用も検討 れている。
粒度100nm以下のダイヤモンドとしては、 ラファイトに超高圧力・高温を負荷して転 ・合成したダイヤモンドからの粉砕粉と、 素成分含有量の多い高性能爆薬の爆発に伴 超高圧力・高温によって、爆薬中に含まれ 炭素成分から転化したダイヤモンドとが知 れている。
グラファイト起源のダイヤモンドにはさ に、油圧による静的超高圧力で合成された 結晶質ダイヤモンドと、爆薬を用いた動的 高圧力で合成された多結晶質ダイヤモンド( デュポンタイプダイヤモンドとも呼ばれる) があり、前者の合成方法では直径0.5mmを超え る合成ダイヤモンド粒も得ることができる。 後者の方法では、超高圧力の負荷時間がμ秒 オーダーであることから結晶成長は期待し ず、10~30nm級の球状晶が融着し合って、見掛 上100nm以上の二次粒子となっている場合が多 。一方爆薬起源のダイヤモンドはデトネー ョンダイヤと呼ばれ、一次粒子径は、4~10nm あるが、通常は複数個が強く凝集し合った1 00nm以上の二次粒子の多結晶体となっている
上述のグラファイト起源のダイヤモンド ついては粉砕により、爆薬起源のダイヤモ ドについては粒子表面の化学処理により、1 0nm以下の粒子として水中で懸濁状態とするこ とが可能である。しかしこのような懸濁液か ら10nm以下、或いは20nm以下の粒子だけを取り す試みは行われていなかった。
本発明者らは単結晶質ダイヤモンドを粉砕
、平均粒度50nm以下の粒子を得る技術を完成
し、先に特許出願した。しかしTEM観察によれ
ば、上記の捕集ダイヤモンド中には一次粒径
が20nm以下、さらには10nm以下の粒子も多数含
れていることが認められる。粉砕技術の進
に伴い、これらを分離して捕集する技術の
立が課題となっていた。
従って本発明の主な目的の一つは、一次粒 が更に細かいダイヤモンド微細粉を捕集し より小さな平均粒度のナノメートル級、特 UPA150による中央値D 50 が20nm以下の、高精度で整粒されたダイヤモ ド微細粉として回収することである。
本発明は幾つかの側面を有するが、先ず第
の側面において、次の各工程を含む、中央
D 50
が20nm以下であり、さらにD 50
に対するD 10
及びD 90
の比が一定範囲にあるダイヤモンド微細粉の
捕集方法を要旨とする。
(1) 一次粒子径が50nm以下のダイヤモンド粒子
を含有するダイヤモンド微細粉において、ダ
イヤモンド粒子表面に親水性官能基を結合乃
至付着させて表面親水性とする工程、
(2) 表面親水性ダイヤモンドを水中に分散さ
てスラリー化する工程、及び
(3) スラリーを、4×10 3
G以上の加速度及び加速度と遠心力負荷時間
の積(以下「遠心負荷積」と言う) 200×10 3
G・分以上(但しGは重力の加速度)にて超遠心
離操作に供し、比較的粒径の大きな粒子を
降させて分離する工程、及び
(4) スラリー中に陽イオンを添加することに
り、スラリー中に懸濁している微細粒子を
集する工程。
前記方法によって、本発明の別の側面を構 する、次の粒度特性を有するナノメートル のダイヤモンド微細粉が達成される。即ち 発明のダイヤモンド微細粉はD 50 値粒径が20nm以下であり、D 50 値に対するD 10 値およびD 90 値の比は、それぞれ0.6以上及び1.8以下である 。
本発明において原料として使用するダイ モンド粉は、静的超高圧高温下にて非ダイ モンド炭素、典型的にはグラファイトから 換・合成され、粉砕操作により微細化され 、サブミクロン級単結晶質ダイヤモンドが 適に利用できる。
本発明のダイヤモンド微細粉の製造方法 おいて、原料ダイヤモンドは先ず、例えば1 50℃以上、特に250℃以上の浴温度に加熱され 濃硫酸又は発煙硫酸浴中へ浸漬処理するこ によって、ダイヤモンド粒子の表面に親水 官能基を結合乃至吸着させる。この際、浴 は硝酸、過塩素酸、クロム酸、過マンガン 、硝酸塩等の酸化剤を1種以上含有させて、 効率を上げることができる。
親水性付与のための手法としては、また 酸素含有雰囲気中でダイヤモンド微細粉を3 00℃以上の処理温度に加熱し、ダイヤモンド 子の表面に親水性官能基を結合乃至吸着さ る手法も利用できる。
上述のように親水性化したダイヤモンド微 粒子は水系媒質中に分散・懸濁してスラリ とし、4×10 3 G以上の加速度の負荷にて超遠心操作に供し 整粒する。この操作において、比較的粒径 大きな粒子は沈降し、スラリーから分離さ る。負荷時間は、加速度と遠心分離機の運 による遠心力負荷時間(分)との積(以下「遠 負荷積」と言う)が 200×10 3 G・分以上となるように設定するのがよい。
本発明においては、懸濁液からD 50 中央値粒径が20nm以下のダイヤモンド粒子を 形物として捕集する方法に超遠心技術を用 ている。超遠心分離技術はこれまでにDNAや ィルスなどの分離に用いられているが、本 明者等はこの手法が20nm以下のダイヤモンド 捕集にも適用可能であることを知見し、精 分級技術を10nm領域にまで広げることに成功 したものである。
本発明者らの実験では、媒質(水)温度20℃、 遠心力負荷時間を一定の10分とした遠心分離 作例において、加速度と回収ダイヤモンド 平均粒径D 50 値との間に、5.43×10 3 G-26.3nm、48.9×10 3 G-14.4nm、136×10 3 G10.0nm、266×10 3 G-6.6nm、440×10 3 G-5.4nmの相関を得た。一方加速度を136×10 3 Gの一定値とした例では、5分-14nm、10分-10nm、2 0分-6nm、40分-4nmという、D 50 値の操作時間依存性を得た。
即ち本発明においては、一定加速度値にお て遠心力負荷時間(操作時間)を変えること よっても、懸濁液から回収されるダイヤモ ドの粒径を変えることが可能である。従っ 平均粒径D 50 値(nm)が20nm以下のダイヤモンド微細粉の捕集 るための条件としては、加速度と負荷時間( 分)との積として200×10 3 G・分以上、平均粒径D 50 値(nm)10nm以下について1000×10 3 G・分以上と規定することができる。但し遠 分離のための加速度は工業規模の処理能力 保の点から、4×10 3 G以上が必要である。
遠心分離条件の設定に際して、操業時間 短縮を図るために加速度を過度に大きくす ことは装置の設計・製作を困難にし、また 転操作や装置の保守を困難にするので、好 しくない。一方比較的小さな加速度を有す 既存の遠心分離設備を用いて、数時間を超 る長時間運転を実施することも、工業操作 して適切ではない。従って遠心分離装置設 においては設備コストと運転コストとの兼 合いを図ることが重要になる。
整粒されたダイヤモンド微細粉のスラリ からの回収は、かかる微細粉を懸濁したス リーに陽イオンを添加することによって行 。
本発明におけるダイヤモンド微細粉の粒 分布測定には、10nm以下のサイズ測定に関し て再現性が良好なマイクロトラック社製のUPA 150を用いる。なお粒度分布値は、TEM像写真の 画像解析による粒度分布との対比で確認でき 、またTEM像自体の倍率の確認は、ダイヤモン ドの格子像おいて、単位長さ中に含まれる格 子本数の読み取りで行うことができる。
粒度分布は、UPA150での測定に基づく粒径別 出頻度のヒストグラムで表示し、D 50 値(中央値)を便宜上平均値と称する。さらに 布幅を示す指標として、このヒストグラム おける10%値および90%値をそれぞれD 10 及びD 90 として表示する。本発明において得られる微 粉ダイヤモンドは、精密遠心分離の結果とし て、粒度分布ヒストグラムにおいてD 10 /D 50 の比率が0.6よりも大であり、同時にD 90 /D 50 の比率が1.8以下となる。
本発明における粒度分布ヒストグラムは、 イクロトラック社の動的光散乱遠心粒度分 測定器により粒径別に検出された粒子の頻 の累計に基づくもので、第2チャンネルの粒 径を5.500μm、チャンネル間の粒径比率を2の4 根の逆数としている。各チャンネルに検出 れた粉体の部分をフラクションと呼ぶ。粉 についてのD 50 中央値、D 10 値及びD 90 値は、検出された粒子の累積パーセント値が それぞれ50%、10%及び90%となる粒径として算出 される。
かかる粒度測定システムにおいて、本発明 ダイヤモンド微細粉についてはD 50 の値が20nm以下と小さいにも拘わらず、粒径 狭い範囲(少数のチャンネル)内に集中的に検 出され、特に粉体の代表的粒径であるD 50 値の粒子を含むチャンネルには最大割合(頻 )の粒子が検出され、フラクションは全体の1 5%以上とすることも可能である。
本発明で得られるダイヤモンド微細粉は 主に超精密研磨材としての利用を主眼とし いるが、この他にも耐磨耗材料として、ま 潤滑分野における用途も期待される。この 、研磨材用の微細粉調製のためには、原料 しては、結晶化度が高く、静的超高圧下で ダイヤモンド炭素から転換合成された、鋭 エッジを持つ単結晶質ダイヤモンド粉砕粉 適している。
本発明の方法は、爆薬のデトネーション よる超高圧下で合成される、いわゆる多結 質ダイヤモンドにも適用できる。このタイ のダイヤモンドは、合成時の圧力負荷時間 μ秒オーダーの短時間であることから、一 粒子の粒径は数nmから20nm程度であって、結 内には多量の欠陥があり、表面エネルギー 小さく保つために外形は一般に球状を呈し かつ粒子同士が強く凝集し合って100nm以上の 二次粒子を形成している。凝集は化学処理に より解砕可能であることから、幾つかの用途 が期待できる。上記の構造や形状は研磨材と しては最適と言えないが、耐磨耗材料、潤滑 材料としては利用可能である。
いずれの用途においても、超音波により は化学的に一旦一次粒子に解砕して、本発 の分離操作に供する。得られる高精度微細 の利用により、各用途において再現性の良 な効果の発現を期することができる。
このような本発明のダイヤモンド微細粉 、親水性を付与した状態で水系の媒質中に 濁して、或は以下に述べるようにダイヤモ ド粒子の表面を水素で終端し、親油性を付 して油系媒質中に分散して、それぞれ専ら かる微細粉を含有する高精度整粒サブミク ン級のスラリーとすることができる。
本発明のダイヤモンド微細粉は親油性スラ ーの調製にも利用できる。この場合、ダイ モンドの微細粉構成粒子の表面を水素で終 する。この際、終端の程度は、フーリエ変 赤外分光光度計(FTIR)による該粉末の吸収ス クトル図形において、2800~3000cm -1 付近で観察されるCH伸縮に帰属する吸収ピー の高さが、3000~3600cm -1 付近で観察されるOH伸縮に帰属する吸収ピー の高さ以上となるまで行う。
ダイヤモンド微細粉の塩素による終端は、
えば次の手法により実施できる。即ち、整
されたダイヤモンド微細粉を封鎖された容
内に保持し、容器内に塩素ガスを流入させ
ダイヤモンド粒子間に通してダイヤモンド
子と接触させる。この際容器内空間の温度
150~500℃ に保持してダイヤモンド微粉と塩
ガスとの接触により粒子の表面に塩素を化
吸着させる。結合させる塩素の量は1バッチ
のダイヤモンド微細粉に対して0.2質量%以上
するのが適切である。上記塩素終端処理に
立ち、予め水素終端化処理を施しておくこ
も有効である。
本発明で得られるダイヤモンド微細粉は ナノメートル級粒子に共通な性質として、 面が極めて活性なため、特に乾燥状態では 理的又は化学的な力により強く結合して強 な凝集体となり易く、これは通常の超音波 射によっては解砕が困難である。従ってこ ダイヤモンド微細粉は水中に分散させてス リーの形で保存することが望ましい。
一方ダイヤモンド微細粉の新しい用途と て、各種の有機物と組み合わせて、研磨工 、耐摩耗材料、或いは医療用薬剤坦持材料 して、検査・治療への応用も試みられてい 。これらの用途においては、ダイヤモンド 子表面に付与されている親水性官能基を、 素、塩素、アミンを初めとする各種の官能 で置換すると有機物との化学結合が期待で るので好都合であり、この目的に供するた に、ダイヤモンド粒子の表面に種々の原子 官能基を付ける操作が実施される。
例えば有機溶剤中へ水素終端したダイヤモ ドを分散させ、樹脂原料と混合することに り、微粉ダイヤモンドが均一に分散した合 樹脂の製作が可能である。一方アンモニア 流中で加熱し、ダイヤモンド表面にアミノ を結合させておくと、アミノ基を介して、 剤効果を有する化合物をダイヤモンド表面 結合させることができる。アミノ基を結合 たダイヤモンドは、フーリエ変換赤外分光 度計(FTIR)による該粉末の吸収スペクトル図 において、NH 2 伸縮に帰属する1600cm -1 付近の吸収ピークを呈することで特徴付けら れる。
ダイヤモンド微細粉の水素終端処理は、 心分離を経たスラリー中に懸濁しているダ ヤモンド微細粒子を補集して空気中で乾燥 た後、水素気流中で600~800℃に加熱する方法 が簡便である。
得られた水素終端微粉ダイヤモンドを出発 料とし、これに例えば、酢酸と過酸化ベン イルとを加えて加熱することによりCH 3 COO-及びPh-COO-を導入してエステルを生成する 次にこのエステルに水酸化ナトリウム水溶 を加えて120℃に加熱保持することによって セチル基等を加水分解すると、水酸基で表 修飾されたダイヤモンド微細粉が得られる
上記酢酸の代わりの溶媒として、蟻酸、 ロピオン酸、酪酸、吉草酸も用いることが き、またラジカル開始剤として、過酸化ベ ゾイルの代わりに過酢酸、AIBN(アゾビスイ ブチロニトリル)等も用いることができる。
一方、前記の水素終端ダイヤモンド微細 をアセトニトリル中で、過酸化ベンゾイル 加えて加熱する操作によって、ダイヤモン 粒子表面にシアノメチル基を導入すること 可能である。
静的超高圧力下で合成された単結晶質ダ ヤモンドのボールミル粉砕粉を原料として い、ダイヤモンド微細粉の調製を行った。 ず原料の粉砕ダイヤモンド粉を塩酸-硝酸混 液中で加熱して、主に粉砕ボールに由来する 金属不純物を溶解除去した。次いで容量比9:1 の濃硫酸-濃硝酸混液中で約300℃に加熱して 非ダイヤモンドカーボンを分解すると同時 、ダイヤモンド表面に親水性官能基を付着 せた。
前記酸処理から回収したダイヤモンド粉 十分に水洗後、脱イオン水中における水簸 作によって粒径150nm以上のフラクションを き、次いで3段の遠心分離操作を経て、粒径5 0nm以上のフラクションを沈降成分として分離 した。
上記操作で得られた懸濁液をベックマン・ ールター(Beckman Coulter K.K.)社製のOptima TL型 超遠心分離機に装填し、分離操作を行った。 遠心力負荷時間は10分間の一定とし、回転数 10千回転/分(加速度5.4×10 3 G)から100千回転/分(加速度543×10 3 G)の間で変動させた。回収された懸濁液中の イヤモンドについてUPA150により粒度測定を い、負荷遠心力とD 50 粒度との間の相関を求めた。結果を表1及び 1のグラフに示す。
図1からD 50 値が20nm以下のダイヤモンド微細粉の補集が 能な条件として約22千回転(加速度26×10 3 G)が読み取られ、遠心負荷時間の積として260 10 3 G・分が得られた。また10nm以下のダイヤモン 補集可能条件の推定値は約54千回転(加速度1 57×10 3 G)、即ち遠心負荷積として1570×10 3 G・分が見積もられた。
一方50千回転/分(加速度136×10 3 G)の操作条件で得られたスラリー中のダイヤ ンド微細粉の粒度分布は、D 50 値が10.9nm、D 10 値及びD 90 値がそれぞれ7.9及び16.8nmであった。
同一の遠心分離機を用いて、回転数を50千 転/分(加速度136×10 3 G)に固定し、5分間から40分間の運転時間(遠心 負荷時間)の間で変えた操作例における、懸 液中のダイヤモンドの粒径変化を図2に示す この図から50千回転/分(加速度136×10 3 G)の操作条件を40分間維持することによって D 50 値が約4nmのダイヤモンドが得られることが分 かる。
原料のダイヤモンドとして、天然黒鉛に 30GPaの衝撃圧力を負荷して得られた、平均 径180nmの水簸分級多結晶質ダイヤモンドを用 いた。このタイプのダイヤモンドは、一次粒 子が融着状態で強固な二次粒子を形成してい ることが分かっているので、遊星ボールミル を用いて粉砕した。
粉砕粉は実施例1と同様の塩酸-硝酸混液な びに濃硫酸-濃硝酸混液処理に供して、混入 属不純物、並びに粉砕によって露出した非 イヤモンドカーボンを分解・除去した。脱 オン水を用いて十分に水洗し、得られた懸 液を遠心沈降管へ仕込み、50千回転(136×10 3 G)10分間の運転を行ったところ、懸濁液中の イヤモンドのUPA150による測定において、D 50 値が11.0nm、D 10 値及びD 90 値がそれぞれ7.9nm及び16.8nmとの結果を得た。
微粉ダイヤモンドの原料として、ロシア製 デトネーションダイヤを用いた。購入品は い凝集状態を反映して、UPAの測定によるD 50 値で2.9μmの値を示していた。この原料粉に硝 酸カリを加え、濃硫酸中で煮沸した後、十分 に水洗して凝集を解き、ベックマン・コール ター社製のOptima TL型超遠心分離機を用いて50 千回転(136×10 3 G)20分間の運転を行い、遠心力負荷に供した 懸濁液中に含まれるダイヤモンド粒子のUPA15 0測定において、D 50 値が6.0nm、D 10 値及びD 90 値がそれぞれ3.1nm及び10.7nmの結果を得た。
実施例1の方法による精製処理及び50千回転/ 分の遠心分離操作を経て得られた、D 50 値10.9nmのダイヤモンド微細粉を含むスラリー に、少量の硝酸を加えてダイヤモンドを凝集 沈降させ、空気中120℃での加熱により乾燥粉 とした。
上記乾燥粉を磁性ボートに入れ、水素気流 で700℃の加熱処理を施し、水素終端ダイヤ ンドとした。このダイヤモンドの赤外吸収 析により、水素中450℃付近から水酸基に帰 する3000~3600cm -1 付近の吸収が弱くなることが認められ、代わ りに2800~3000cm -1 付近で観察されるCH伸縮帰属の強い吸収が観 された。550℃付近の加熱において、上記水 基帰属とCH帰属との吸収ピーク高さがほぼ しくなり、700℃、1時間の水素中加熱によっ 、水酸基帰属の上記赤外吸収ピークは消失 、ダイヤモンド粒子表面の水素終端処理反 はほぼ完結したと認められた。この水素終 ダイヤモンドはメチル・エチルケトン中に 0.4質量%、懸濁状態を保持させることが可能 であった。
上記の水素終端ダイヤモンドの一部を分取 、塩素ガス中で250℃に保って処理した。こ ダイヤモンドの質量増加並びに蛍光X線分析 によって、約3.5%の塩素が表面水素と置換し いることを確認した。次いでアンモニアガ 中で450℃に保持した後赤外吸収分析を行い 1600cm -1 付近の吸収ピークから、表面にアミンが結合 していることを確かめた。
前記方法によって表面を水素終端したD 50 値9.1nmの単結晶質ダイヤモンド微細粉を乾燥 、その2.0gを100mlの酢酸中へ入れ、さらに過 化ベンゾイル2gを加え、超音波照射下、75℃ で1時間反応させ、表面の水素原子をアセチ 基で置換した。
上述のとおりアセチル基で表面修飾した イヤモンド微細粉1.8gに25%水酸化ナトリウム 水溶液100mlを加え、120℃に3時間保持して反応 させ、アセチル基を水酸基に加水分解させた 。この結果、水酸基で表面修飾された微粉ダ イヤモンド1.6gを得た。
本発明のダイヤモンド微細粉は超精密研磨 材として、また耐磨耗材料や潤滑材料等とし ての用途にも利用可能である。
