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Patent Searching and Data


Title:
DIAPHRAGM FOR DIRECT LIQUID FUEL CELL AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081931
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a diaphragm for direct liquid fuel cells, which is composed of a quaternary ammonium-type anion exchange membrane. The quaternary ammonium-type anion exchange membrane is produced as follows: a polymerizable composition containing a styrene having a haloalkyl group, a crosslinking polymerizable monomer, a compound having an epoxy group and an effective amount of a polymerization initiator is brought into contact with a porous film, so that the pores of the porous film are filled with the polymerizable composition that is then polymerized therein; then a quaternary ammonium group is introduced into the bromoalkyl group; and then the counter ion of the quaternary ammonium group is ion-exchanged into a hydroxide ion. Also disclosed is a method for producing the quaternary ammonium-type anion exchange membrane.

Inventors:
ISOMURA, Takenori (1-1 Mikage-cho, Shunan-sh, Yamaguchi 48, 7458648, JP)
磯村 武範 (〒48 山口県周南市御影町1番1号 株式会社トクヤマ内 Yamaguchi, 7458648, JP)
FUKUTA, Kenji (1-1 Mikage-cho, Shunan-sh, Yamaguchi 48, 7458648, JP)
Application Number:
JP2008/073408
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
December 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
Tokuyama Corporation (1-1 Mikage-cho, Shunan-shi Yamaguchi, 48, 7458648, JP)
株式会社トクヤマ (〒48 山口県周南市御影町1番1号 Yamaguchi, 7458648, JP)
ISOMURA, Takenori (1-1 Mikage-cho, Shunan-sh, Yamaguchi 48, 7458648, JP)
磯村 武範 (〒48 山口県周南市御影町1番1号 株式会社トクヤマ内 Yamaguchi, 7458648, JP)
International Classes:
H01M8/02; C08F12/26; C08J5/22; H01B1/06; H01B13/00; H01M8/10
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hitoshi et al. (MAEDA & SUZUKI, 2FTokyodo Jinboucho 3rd Bldg., 1-17,Kandajinboucho 1-chome,Chiyoda-k, Tokyo 51, 1010051, JP)
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Claims:
 多孔質フィルムを母材とし、その空隙部に、架橋された陰イオン交換樹脂が充填された陰イオン交換膜であって、上記架橋された陰イオン交換樹脂は、主鎖または側鎖に、下記式(1)で示される陰イオン交換基含有基が結合してなる陰イオン交換樹脂を含む直接液体燃料型燃料電池用隔膜:
 但し、Aは、炭素数2~10の直鎖状、環状または分岐状アルキレン基、または炭素数5~7のアルコキシメチレン基であり、
 R 1 、R 2 およびR 3 は夫々独立に炭素数が1~8の直鎖状、環状または分岐状アルキル基であり、R 1 、R 2 およびR 3 のうちの2つは互いに共同して脂肪族炭化水素環を形成していてもよく、
 X - は、水酸化物イオン、炭酸イオンおよび重炭酸イオンからなる群から選択される陰イオンであり、
 Yは、前記陰イオン交換樹脂への結合手を示す。
 下記により定義される前記陰イオン交換膜の均一性指標が30%以下である請求項1記載の直接液体燃料型燃料電池用隔膜。
[1]前記陰イオン交換膜を絶乾する。
[2] 絶乾膜の中心部領域から5cm×5cmの正方形試料を切り出し、その重量(W0)を測定する。
[3] 該正方形試料をさらに5mm×5mmに小片に分割する。
[4] 各小片の重量を測定し、最大重量と最小重量とを求めその差(W1)を算出する。
[5] 各小片の平均重量(W0/100)に対する、最大重量と最小重量との差(W1)の比率(百分率)[W1/(W0/100)]×100を膜の均一性指標とする。
 40℃湿潤状態での交流インピーダンス法により測定した膜抵抗が0.005~1.2ω・cm 2 であり、且つ25℃におけるメタノール透過率が30~800g・m -2 ・hr -1 である請求項1記載の直接液体燃料型燃料電池用隔膜。
 40℃湿潤状態での交流インピーダンス法により測定した膜抵抗が0.01~0.2ω・cm 2 であり、且つ25℃におけるメタノール透過率が200~750g・m -2 ・hr -1 である請求項1記載の直接液体燃料型燃料電池用隔膜。
 下記式(2)で示されるハロゲン化炭化水素基含有スチレン、架橋性重合性単量体、酸トラップ剤および有効量の重合開始剤を含む重合性組成物を、多孔質フィルムと接触させて、該重合性組成物を多孔質フィルムの有する空隙部に充填させた後重合させ、次いで上記ハロゲン化炭化水素基に4級アンモニウム基を導入した後、4級アンモニウム基の対イオンを水酸化物イオンにイオン交換することを特徴とする直接液体燃料型燃料電池用隔膜の製造方法:
 但し、Aは、炭素数2~10の直鎖状、環状または分岐状アルキレン基、または炭素数5~7のアルコキシメチレン基であり、Zは、ハロゲン原子を表す。
 前記酸トラップ剤が、エポキシ基を有する化合物である請求項5に記載の直接液体燃料型燃料電池用隔膜の製造方法。
 前記重合を80℃以下で行う請求項5または6に記載の直接液体燃料型燃料電池用隔膜の製造方法。
Description:
直接液体燃料型燃料電池用隔膜 よびその製造方法

 本発明は、直接液体燃料型燃料電池用隔 およびその製造方法、詳しくは陰イオン交 膜からなる直接液体燃料型燃料電池用隔膜 よびその製造方法に関する。

 固体高分子型燃料電池は、イオン交換樹 等の固体高分子を電解質として用いた燃料 池であり、動作温度が比較的低いという特 を有する。該固体高分子型燃料電池は、図1 に示されるように、それぞれ外部と連通する 燃料流通孔2および酸化剤ガス流通孔3を有す 電池隔壁1内の空間を、固体高分子電解質膜 6の両面にそれぞれ燃料室側拡散電極4および 化剤室側ガス拡散電極5が接合した接合体で 仕切って、燃料流通孔2を通して外部と連通 る燃料室7、および酸化剤ガス流通孔3を通し て外部と連通する酸化剤室8が形成された基 構造を有している。そして、このような基 構造の固体高分子型燃料電池では、前記燃 室7に燃料流通孔2を通して水素ガスあるいは メタノール等からなる燃料を供給すると共に 酸化剤室8に酸化剤ガス流通孔3を通して酸化 となる酸素や空気等の酸素含有ガスを供給 、更に両方の拡散電極間に外部負荷回路を 続することにより次のような機構により電 エネルギーを発生させている。

 固体電解質膜6として陽イオン交換型電解 質膜を使用した場合には、燃料室側拡散電極 4において該電極内に含まれる触媒と燃料と 接触することにより生成したプロトン(水素 オン)が固体高分子電解質膜6内を伝導して 化剤室8に移動し、酸化剤室側ガス拡散電極5 で酸化剤ガス中の酸素と反応して水を生成す る。一方、燃料室側拡散電極4においてプロ ンと同時に生成した電子は外部負荷回路を じて酸化剤室側ガス拡散電極5へと移動する で上記反応のエネルギーを電気エネルギー して利用することができる。

 このような固体電解質膜として陽イオン 換型電解質膜を使用した固体高分子型燃料 池において、該陽イオン交換型電解質膜と ては、パーフルオロカーボンスルホン酸樹 膜が最も一般的に用いられている。しかし このようなパーフルオロカーボンスルホン 樹脂膜を用いた陽イオン交換型燃料電池で 、次のような問題が指摘されている。

(i)反応場が強酸性のため、貴金属触媒しか使 用できず、また、パーフルオロカーボンスル ホン酸樹脂膜も高価であり、コストダウンに 限界がある。
(ii)保水力が充分でないため水の補給が必要 なる。
(iii)物理的な強度が低いため薄膜化による電 抵抗の低減が困難である。
(iv)燃料にメタノール等の液体燃料を用いた 合に、液体燃料の透過性が高く、酸化剤室 ガス拡散電極に到達した液体燃料がその表 で酸素または空気と反応するため過電圧が 大し、出力電圧が低下する。

 そこで、このような問題、特に上記(i)の 題を解決するためにパーフルオロカーボン ルホン酸樹脂膜に替えて炭化水素系陰イオ 交換膜を用いることが検討されており、幾 か提案されている(特許文献1~3)。この場合 固体高分子型燃料電池において、電気エネ ギーが発生するための機構は、次のような 体高分子電解質膜6内を移動するイオン種が なるものになる。すなわち、燃料室側に水 あるいはメタノール等の液体燃料を供給し 酸化剤室側に酸素および水を供給すること より、酸化剤室側ガス拡散電極5において該 電極内に含まれる触媒と該酸素および水とが 接触して水酸化物イオンが生成する。この水 酸化物イオンは、上記炭化水素系陰イオン交 換膜からなる固体高分子電解質膜6内を伝導 て燃料室7に移動し、燃料室側拡散電極4で燃 料と反応して水を生成することになるが、こ れに伴って該燃料室側拡散電極4で生成した 子を外部負荷回路を通じて酸化剤室側ガス 散電極5へと移動させて、この反応のエネル ーを電気エネルギーとして利用するもので る。

 しかして、このような炭化水素系陰イオ 交換膜を用いれば、得られる直接液体燃料 燃料電池は、上記(i)の問題だけでなく、通 、(ii)~(iii)の問題についても大きく改善でき るものになり、さらに(iv)の問題も、通電時 は酸化剤室側から燃料室側に、直径が大き 水酸化物イオンが移動することになるため 相当に低減させることが可能になるのでは いかと期待されている。

 このような利点を有する炭化水素系陰イ ン交換膜からなる直接液体燃料型燃料電池 隔膜において、該陰イオン交換膜に用いら ている陰イオン交換基としては、その優れ イオン伝導性や該陰イオン交換膜を製造す ための原料の入手のし易さ等から、4級アン モニウム基が用いられるのが大変有利である (上記特許文献1~3)。ここで、こうした4級アン モニウム基を陰イオン交換基とする陰イオン 交換膜は、通常、クロロメチルスチレンなど のハロゲノアルキル基を有する重合性単量体 と架橋性重合性単量体とからなる重合性組成 物を、多孔質フィルムと接触させて、該重合 性組成物を多孔質膜の有する空隙部に充填さ せた後、ハロゲノアルキル基を有する架橋さ れた炭化水素系樹脂に重合硬化させ、次いで 上記ハロゲノアルキル基に4級アンモニウム を導入した後、4級アンモニウム基の対イオ を水酸化物イオンにイオン交換することに り製造させるのが一般的である。前記した ロゲノアルキル基を有する重合性単量体と ては、入手の容易さなどからクロロメチル チレンが専ら用いられる。

 直接液体燃料型燃料電池において、発電 能の高出力化を達成するには、隔膜の電気 導性が高いことや、前述の(iv)燃料透過率が 低いことに加え、耐熱性が高いことが要求さ れる。燃料電池で用いる電極触媒は、燃料電 池の作動温度が高いほど高活性となり、隔膜 の耐熱性が高いほど、燃料電池を高温で運転 することができるため、大きな電池出力を得 ることができる。そのため、隔膜には高い耐 熱性が要求される。しかしながら、前述のク ロロメチルスチレンを重合性単量体に用いた 隔膜を直接液体燃料型燃料電池用隔膜として 用いた場合、その耐熱性は不十分なものでし かなかった。この耐熱性向上のために、架橋 度を増大することなどが改善方法として挙げ られるが、隔膜の電気抵抗の増大が著しく、 実用的なものではなかった。

 なお、陰イオン交換樹脂において、耐熱 の向上という要求に対し、重合性単量体と て、炭素数が2以上のブロモアルキル基が結 合するブロモアルキルスチレンを用いる方法 が提案されている(例えば、特許文献4、5参照 )。この方法を用いると、クロロメチルスチ ンでは4級アンモニウム塩基が芳香環に短い チレン基しか介さずに結合しているために4 級アンモニウム塩基が脱離しやすいのに対し 、このブロモアルキルスチレンでは4級アン ニウム塩と芳香環の間に、炭素数2以上の長 アルキレン鎖が導入されているため、4級ア ンモニウム塩基が脱離しにくくなる。また、 クロロメチルスチレンとは異なり、反応性の 高い臭素基が導入されていることから、鎖長 の増大による反応性の低下が回避され、4級 ンモニウム塩基の導入に際してはクロロメ ルスチレンを用いた場合と同様、周知の方 によって行うことができる。しかしながら このブロモ長鎖アルキルスチレンを用いる 来技術においては、該陰イオン交換樹脂を いて陰イオン交換膜を製造することまでは われておらず、これにより得られた陰イオ 交換膜の用途についても何も言及されてい い。

特開平11-135137号公報

特開平11-273695号公報

特開2000-331693号公報

特開平9-208625号公報

特開2002-35607号公報

 以上から、陰イオン交換膜を用いた直接 体燃料型燃料電池用隔膜において、耐熱性 向上させて、高い温度で発電可能な高出力 ものとすることが大きな課題であった。

 また、本発明者等は、前述の如くにブロ 長鎖アルキルスチレンを用いて製造した陰 オン交換樹脂は、4級アンモニウム基の脱離 が抑制されるものであるため、この陰イオン 交換樹脂により陰イオン交換膜を製造し燃料 電池用隔膜として用いれば、該隔膜は、上記 課題に対して有効なのではないかと考え検討 してみた。上記のようなブロモ長鎖アルキル スチレンを用いて、多孔質フィルムを母材と する陰イオン交換膜を作成する際には、ブロ モ長鎖アルキルスチレン、架橋性重合性単量 体および有効量の重合開始剤を含む重合性組 成物を、多孔質フィルムと接触させて、該重 合性組成物を多孔質フィルムの有する空隙部 に充填させた後重合させ、次いで上記ブロモ アルキル基に4級アンモニウム基を導入する その結果は、この陰イオン交換膜は、耐熱 の点では前記燃料電池用隔膜に求められる 状を満足できる可能性が期待できる有用な のであったが、該隔膜はこの燃料電池用途 使用するには次の点で、さらに改良の余地 あるものであった。すなわち、この隔膜は 密性に劣り、前記した(iv)液体燃料の透過性 予想したほどに低減できず、結果として満 できるだけの高い電池出力が得難いもので った。このため該陰イオン交換膜に十分な 体燃料の非透過性を付与しようとすると、 厚をかなり厚くするか、或いはその架橋度 かなり増大させる等しなければならなかっ 。これらの場合、上記物性の改善に相反し 膜抵抗が大きく増加することが避けられず やはり高い電池出力を得ることを困難にし いた。

 このような膜の緻密性の低下の現象は、 来の、クロロメチルスチレンおよび架橋性 合性単量体を含む重合性組成物を重合させ 製造した陰イオン交換膜を直接液体燃料型 料電池隔膜として使用した場合にも有意に 生する知見を、本発明者等は有しているが( 特願2007-272576号)、クロロメチルスチレンに変 えて、上記ブロモアルキルスチレンを用いた 本発明の場合では、その低下は一層に激しく 深刻であった。

 この原因は、十分には明らかではないが ブロモ長鎖アルキル基を有する重合性単量 は、重合時に、重合熱や生成したラジカル よって上記ブロモ長鎖アルキル基の一部が 解することが考えられ(この分解が、クロロ メチルスチレンにおけるクロロメチル基の分 解よりもより激しい)、これにより副生した 素ガスや臭化水素ガスが、生成するイオン 換樹脂中で発泡し、膜の緻密性を大きく低 させるのではないかと予測される。このよ に発泡した膜は、表面の凹凸差が著しく、 面に電極を形成することが困難であるばか でなく、何とか電極を形成し得た場合であ ても、母材の孔に充填される樹脂量がばら くことに起因して、水によって湿潤すると ールしたり皺がよったりして(大きな変形が こり)電極が剥離してしまうため、もはや燃 料電池用隔膜として使用することはできない 。

 したがって、上記直接液体燃料型燃料電 用隔膜の耐熱性を向上させると共に、その の緻密性も良好なものにして、液体燃料の 過率が十分に低く、且つ膜抵抗も小さいも とすることが、前記高い電池出力を得るた には望ましく、これらの性状も両立させる とが、さらなる課題であった。

 本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意研究 行ってきた。その結果、これらの課題を良 に解決可能な前記燃料電池用の4級アンモニ ウム型炭化水素系陰イオン交換膜の開発に成 功し、本発明を提案するに至った。

 すなわち、本発明は、下記事項を要旨と て含む。

(1)多孔質フィルムを母材とし、その空隙部 に、架橋された陰イオン交換樹脂が充填され た陰イオン交換膜であって、上記架橋された 陰イオン交換樹脂は、主鎖または側鎖に、下 記式(1)で示される陰イオン交換基含有基が結 合してなる陰イオン交換樹脂を含む直接液体 燃料型燃料電池用隔膜:

 但し、Aは、炭素数2~10の直鎖状、環状また 分岐状アルキレン基、または炭素数5~7のア コキシメチレン基であり、
 R 1 、R 2 およびR 3 は夫々独立に炭素数が1~8の直鎖状、環状また は分岐状アルキル基であり、R 1 、R 2 およびR 3 のうちの2つは互いに共同して脂肪族炭化水 環を形成していてもよく、
 X - は、水酸化物イオン、炭酸イオンおよび重炭 酸イオンからなる群から選択される陰イオン であり、
 Yは、前記陰イオン交換樹脂への結合手を示 す。

(2)下記により定義される前記陰イオン交換膜 の均一性指標が30%以下である(1)記載の直接液 体燃料型燃料電池用隔膜。
[1] 前記陰イオン交換膜を絶乾する。
[2] 絶乾膜の中心部領域から5cm×5cmの正方形 料を切り出し、その重量(W0)を測定する。
[3] 該正方形試料をさらに5mm×5mmに小片に分 する。
[4] 各小片の重量を測定し、最大重量と最小 量とを求めその差(W1)を算出する。
[5] 各小片の平均重量(W0/100)に対する、最大 量と最小重量との差(W1)の比率(百分率)[W1/(W0/ 100)]×100を膜の均一性指標とする。

(3)40℃湿潤状態での交流インピーダンス法に り測定した膜抵抗が0.005~1.2ω・cm 2 であり、且つ25℃におけるメタノール透過率 30~800g・m -2 ・hr -1 である(1)記載の直接液体燃料型燃料電池用隔 膜。

(4)40℃湿潤状態での交流インピーダンス法に り測定した膜抵抗が0.01~0.2ω・cm 2 であり、且つ25℃におけるメタノール透過率 200~750g・m -2 ・hr -1 である(1)記載の直接液体燃料型燃料電池用隔 膜。

(5)下記式(2)で示されるハロゲン化炭化水素 基含有スチレン、架橋性重合性単量体、酸ト ラップ剤および有効量の重合開始剤を含む重 合性組成物を、多孔質フィルムと接触させて 、該重合性組成物を多孔質フィルムの有する 空隙部に充填させた後重合させ、次いで上記 ハロゲン化炭化水素基に4級アンモニウム基 導入した後、4級アンモニウム基の対イオン 水酸化物イオンにイオン交換することを特 とする直接液体燃料型燃料電池用隔膜の製 方法:

 但し、Aは、炭素数2~10の直鎖状、環状また 分岐状アルキレン基、または炭素数5~7のア コキシメチレン基であり、Zは、ハロゲン原 を表す。

(6)前記酸トラップ剤が、エポキシ基を有す る化合物である(5)に記載の直接液体燃料型燃 料電池用隔膜の製造方法。

(7)前記重合を80℃以下で行う(5)または(6)に 載の直接液体燃料型燃料電池用隔膜の製造 法。

 本発明の直接液体燃料型燃料電池用隔膜 、4級アンモニウム基を陰イオン交換基とす る、4級アンモニア型陰イオン交換膜であり がら、高い耐熱性を有している。したがっ 、80℃以上の高温でも安定して発電すること が可能であり、電極触媒の活性が向上し、従 来よりも高い電池出力を得ることができる。

 また、本発明によれば、多孔質フィルム 接触させる重合性組成物に酸トラップ剤を 有させることにより、重合時の膜の発泡が 制され、緻密であり、メタノール透過率が く且つ膜抵抗についても小さい4級アンモニ ウム型陰イオン交換膜も提供可能である。さ らに、上記4級アンモニウム型陰イオン交換 は、表面の凹凸が少なく厚さが均一である かりでなく、母材の全ての孔が陰イオン交 樹脂で填塞されているため水によって湿潤 てもカールしたり皺がよったりすることが い。しかして、この4級アンモニウム型陰イ ン交換膜に電極を容易に形成でき、形成さ た電極の剥離も起こり難い。さらに、この4 級アンモニウム型陰イオン交換膜を隔膜とし て使用した直接液体燃料型燃料電池は、燃料 であるアルコールのクロスオーバーが低い値 に抑制でき、且つ電池の内部抵抗も低いため 、高い電池出力が得られる。

 このようにして高い電池出力が得られる 発明の隔膜によれば、例えば、5~60μm(さら は7~30μm)の薄い膜厚においても実用的な高い 出力を得ることができ、燃料電池のコンパク ト化を可能にでき、携帯機器への搭載や複数 の燃料電池セルを積層して使用する態様等に おいて極めて有利になる。

固体高分子型燃料電池の基本構造を示 概念図である。 メタノール透過率測定セルの断面図で る。 メタノール透過率測定セルの平面図で る。

 図中の各符号は、以下を示す。
 1;電池隔壁
 2;燃料流通孔
 3;酸化剤ガス流通孔
 4;燃料室側拡散電極
 5;酸化剤室側ガス拡散電極
 6;固体高分子電解質(陰イオン交換膜)
 7;燃料室
 8;酸化剤室
 9;セパレータ
 10;ガス流路
 10a;流通ガスの入口
 10b;流通ガスの出口
 11;液体流路
 12;シリコーンゴム製ガスケット
 13;隔膜

 本発明の直接液体燃料型燃料電池用隔膜 おいて使用する陰イオン交換膜は、多孔質 ィルムを母材とし、その空隙部に、下記式( 1)で示される陰イオン交換基含有基を主鎖ま は側鎖に有する重合体単位を主重合単位と る、架橋された陰イオン交換樹脂が充填さ てなる。

 但し、Aは、炭素数2~10の直鎖状、環状また 分岐状アルキレン基、または炭素数5~7のア コキシメチレン基であり、好ましくは炭素 2~6の直鎖アルキレン基(-(CH 2 ) m -、mは2~6の整数)であり、
 R 1 、R 2 およびR 3 は夫々独立に炭素数が1~8の直鎖状、環状また は分岐状アルキル基であり、R 1 、R 2 およびR 3 のうちの2つは互いに共同して脂肪族炭化水 環を形成していてもよく、好ましくは夫々 立に炭素数が1~3のアルキル基であり、X - は、水酸化物イオン、炭酸イオンおよび重炭 酸イオンからなる群から選択される陰イオン であり、
 Yは、前記陰イオン交換樹脂への結合手を示 す。

 この陰イオン交換樹脂は、4級アンモニウム 基と芳香環との間に鎖長の長いアルキレン基 またはアルコキシメチレン基(上記式の「A」) が介在するため、4級アンモニウム基が芳香 に短いメチレン基しか介さずに結合してい 陰イオン交換樹脂よりも、該4級アンモニウ 基の結合状態が安定であり、その耐熱性に きく優れる。そして、さらに、この炭化水 系陰イオン交換樹脂は、母材である多孔質 ィルムの空隙部に充填されているため熱の 響が緩和され、該耐熱性の良さは一層に高 られている。かくして、上記構成の本発明 燃料電池用隔膜によれば、80℃以上の高温 も安定して発電することが可能になる。一 、「A」の鎖長が長くなるにつれて、単位重 当たりのイオン交換容量が減少し、陰イオ (X - )の伝導性が低下することがある。したがっ 、耐熱性の向上効果とイオン交換容量の低 による陰イオン(X - )の伝導性低下を勘案すれば、Aは好ましくは 素数2~6の直鎖アルキレン基(-(CH 2 ) m -、mは2~6の整数)であり、さらに好ましくは炭 素数3~5の直鎖アルキレン基である。

 また、4級アンモニウム基を構成するR 1 、R 2 およびR 3 は特に燃料電池用隔膜として使用した際に重 要になる水酸化物イオンの伝導性に優れ、樹 脂を製造する際の原料単量体の入手が容易で ある点等から、R 1 、R 2 およびR 3 としては、上記の中でも特に炭素数が1~3のア ルキル基が好ましい。炭素数が1~3のアルキル 基としては、具体的には、メチル基、エチル 基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げら れ、このうち上記効果が最も顕著に発揮でき ることからメチル基が好ましい。これらの炭 素数が1~3のアルキル基は、一個の4級アンモ ウム基を構成するR 1 、R 2 、およびR 3 において、各々同一であっても異なっていて もよいが、通常は同一である。

 また、陰イオン(X - )は、4級化後に水酸化物イオン型にイオン交 した直後は主として水酸化物イオンである 、経時的に大気中の炭酸ガスにより、炭酸 オンおよび重炭酸イオンに交換されること ある。しかしながら、燃料電池の作動を開 すると、炭酸イオンおよび重炭酸イオンは 水酸化物イオンにイオン交換されるため、 動の初期段階を除けば実用上の問題はない

 本発明で用いられる多孔質フィルムは、 多孔質フィルムの細孔の少なくとも一部が 裏を連通しているものであれば特に限定さ ず、通常イオン交換膜の基材として用いら ている素材および形態からなる公知のもの 制限なく使用できる。通常は、空隙部に充 される炭化水素系陰イオン交換樹脂との親 性の良さから、炭化水素系からなるものが 用される。ここで、炭化水素系とは、重合 が、実質的に炭素-フッ素結合を含まず、重 合体を構成する主鎖及び側鎖の結合の大部分 が、炭素-炭素結合で構成されている意味で り、詳細は後述する陰イオン交換樹脂での 化水素系の説明と同じである。

 こうした多孔質フィルムとしては、具体 には、例えば、ポリオレフィン系多孔質フ ルムとして、エチレン、プロピレン、1-ブ ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブ ン、4-メチル-1-ペンテン、5-メチル-1-ヘプテ 等のα-オレフィンの単独重合体または共重 体等のポリオレフィン系樹脂により製造さ たものが挙げられ、また、エンジニアリン プラスチック系多孔質フィルムとして、ポ カーボネート類、ポリアミド類、ポリアリ ート類、ポリイミド類、ポリアミドイミド 、ポリエーテルイミド類、ポリエーテルサ フォン類、ポリエーテルケトン類、ポリエ テルエーテルケトン類、ポリサルフォン類 ポリフェニレンサルファイド類等のエンジ アリングプラスチック樹脂により製造した のが例示される。これらのなかでも特に、 リエチレン又はポリプロピレン樹脂製のも が好ましく、ポリエチレン樹脂製のものが も好ましい。

 このような多孔質フィルムは、例えば特 平9-216964号公報、特開2002-338721号公報等に記 載の方法によって得ることもできるし、ある いは、市販品(例えば、旭化成「ハイポア」 宇部興産「ユーポア」・「ユーピレックス 、東燃タピルス「セテラ」、日東電工「エ セポール」、三井化学「ハイレット」等)と て入手することも可能である。

 多孔質フィルムの平均孔径は、得られる イオン交換膜の膜抵抗の小ささや機械的強 を勘案すると、一般には0.005~5.0μmであり、0 .01~1.0μmであることがより好ましく、0.015~0.4μ mであることが最も好ましい。また、ポリオ フィン系多孔質膜の空隙率は、上記平均孔 と同様の理由により、一般的には20~95%であ 、30~80%であることがより好ましく、30~50%で ることが最も好ましい。

 さらに、多孔質フィルムの膜厚は、一般 は5~200μmの範囲から採択され、膜抵抗のよ 小さい膜を得る観点等から5~60μmであるのが ましく、さらに、メタノール透過性の低さ バランスや必要な機械的強度を付与すると うことも加味すると7~30μmであるのが最も好 ましい。

 なお、本発明において、多孔質フィルムの 均孔径は、ASTM-F316-86に準拠し、ハーフドラ 法にて測定した値をいう。また、多孔質膜 空隙率は、多孔質膜の体積(Vcm 3 )と質量(Ug)を測定し、多孔質膜の材質の密度 X(g・cm -3 )として、下記の式により算出した値をいう
 空隙率=[(V-U/X)/V]×100[%]

 本発明で使用する陰イオン交換樹脂は、 記式(1)で示される陰イオン交換基含有基を 鎖または側鎖に有する重合体単位を主重合 位とすると共に、架橋されている。このよ に架橋されているため、樹脂の機械的強度 向上し、多孔質フィルムの空隙部への確実 充填保持が可能になる。また、直接液体燃 型燃料電池用隔膜として用いた際のメタノ ル等の液体燃料の透過性が低減される効果 発揮される。この陰イオン交換樹脂の架橋 、その樹脂の製造に、重合性基を2個以上有 する架橋性重合性単量体を用いてこれを重合 させて行うのが普通である。

 上記陰イオン交換樹脂において、主重合 位である、上記式(1)で示される陰イオン交 基含有基を主鎖または側鎖に有する重合体 位の含有割合は、通常、50質量%以上であり 65質量%以上であるのが、樹脂のイオン交換 量を向上させる観点から好ましい。また、 橋性重合性単量体に基づく単位の含有割合 、高すぎる場合、主重合単位に含まれる前 式(1)で示される陰イオン交換基含有基の含 割合が低下するため、イオン交換容量の減 を招き、また低すぎる場合においては、該 イオン交換樹脂が母材の空隙部に安定的に 持されないため、0.1~15質量%であることが好 ましく、0.5~5質量%であるのがより好ましい。

 なお、上記陰イオン交換樹脂は、上記式( 1)で示される陰イオン交換基含有基を主鎖ま は側鎖に有する重合体単位を主重合単位と 、架橋性重合性単量体等に基づき架橋され いれば、本発明の効果を大きく損なわない 囲、具体的には、49.9質量%以下の範囲、好 には34.5質量%以下の範囲で、他の単位を含ん でいても良い。このような他の単位は、上記 式(1)で示される陰イオン交換基含有基を主鎖 または側鎖に有する重合体単位を導入させる ために使用する重合性単量体、および架橋性 重合性単量体のそれぞれと共重合可能な他の 重合性単量体の使用に由来して導入される。 ただし、このように他の単位を導入する場合 であっても、陰イオン交換樹脂が炭化水素系 のものに維持されるようにすることが望まし い。

 ここで、陰イオン交換樹脂が炭化水素系 は、前記したとおり重合体が、実質的に炭 -フッ素結合を含まず、重合体を構成する主 鎖及び側鎖の結合の大部分(但し、前記式(1) 示される陰イオン交換基含有基における4級 ンモニウム塩基の部分は除く)が、炭素-炭 結合で構成されることを意味する。この場 、陰イオン交換樹脂の主鎖及び側鎖を構成 る結合の合間にエーテル結合、エステル結 、アミド結合、シロキサン結合等により酸 、窒素、珪素、硫黄、ホウ素、リン等の他 原子が極少量であれば介在していても良い また、上記主鎖及び側鎖に結合する原子は その全てが水素原子である必要はなく極少 であれば塩素、臭素、ヨウ素等の他の原子 又は他の原子を含む置換基により置換され いても良い。これら、炭素と水素以外の元 の量は、樹脂を構成する全元素(但し、前記 (1)で示される陰イオン交換基含有基におけ 4級アンモニウム塩基の部分の元素は除く) 10モル%以下、より好適には5モル%以下である のが好ましい。

 上記本発明で使用する陰イオン交換膜は 以上説明した各要件が満足される限りにお て如何なる方法により製造しても良いが、 常は次の方法で製造される。すなわち、下 式(2)で示されるハロゲン化炭化水素基含有 チレン、架橋性重合性単量体、酸トラップ および有効量の重合開始剤を含む重合性組 物を、多孔質フィルムと接触させて、該重 性組成物を多孔質フィルムの有する空隙部 充填させた後重合させ、次いで上記ハロゲ 化炭化水素基に4級アンモニウム基を導入し た後、4級アンモニウム基の対イオンを水酸 物イオンにイオン交換する方法である。

 但し、Aは、前記と同様であり、Zは、塩 、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子を表し 好ましくは臭素である。

 こうした製造方法において、上記式(2)で されるハロゲン化炭化水素基(A-Z)含有スチ ンは、具体的には、ブロモエチルスチレン ブロモプロピルスチレン、ブロモブチルス レン、ブロモペンチルスチレン、ブロモへ シルスチレンが挙げられ、このうちブロモ ロピルスチレン、ブロモブチルスチレン、 ロモペンチルスチレンが特に効果が高く、 手の容易性からブロモブチルスチレンを用 るのが最も好ましい。

 また、架橋性重合性単量体としては、特 制限されるものではないが、例えば、ジビ ルベンゼン類、ジビニルスルホン、ブタジ ン、クロロプレン、ジビニルビフェニル、 リビニルベンゼン類、ジビニルナフタレン ジアリルアミン、ジビニルピリジン類等の ビニル化合物が用いられる。

 前記式(2)で示されるハロゲン化炭化水素 含有スチレンおよび架橋性重合性単量体を む重合性組成物には、必要に応じて他に、 れらの重合性単量体と共重合可能な他の重 性単量体を配合させても良い。こうした他 単量体としては、例えば、スチレン、アク ロニトリル、メチルスチレン、アクロレイ 、メチルビニルケトン、ビニルビフェニル が用いられる。また、上記重合性組成物に 、可塑剤類を配合しても良い。こうした可 剤類としては、ジブチルフタレート、ジオ チルフタレート、ジメチルイソフタレート ジブチルアジペート、トリエチルシトレー 、アセチルトリブチルシトレート、ジブチ セバケート等が用いられる。

 ところで、この式(2)で示されるハロゲン 炭化水素基含有スチレンおよび架橋性重合 単量体を含む重合性組成物を、このまま用 て重合させて製造した陰イオン交換膜では 前記したように膜の緻密性が劣り、これを 接液体燃料型燃料電池隔膜として使用して 液体燃料の透過性が期待したほどに低減で ず、電池出力を十分に高められない問題が 生する。

 これに対して、上記重合性組成物に、酸 ラップ剤を配合すれば、得られる陰イオン 換膜は、膜抵抗を大きく損なうことがない 度で、膜の緻密性が良好に改善され、前記 たメタノールの非透過性と膜抵抗とが高度 バランスされたものになる。

 このように酸トラップ剤を配合すること より膜の緻密性が向上する原因は、十分に 明らかではないが、ハロゲン化長鎖炭化水 基を有する重合性単量体は、重合時に、重 熱や生成したラジカルによって上記ハロゲ 化長鎖炭化水素基の一部が分解することが えられる(この分解が、クロロメチルスチレ ンにおけるクロロメチル基の分解よりもより 激しい)。これにより副生したハロゲンガス ハロゲン化水素ガス、たとえば臭素ガスや 化水素ガスが、重合により生成する樹脂中 発泡し、生成するイオン交換樹脂の緻密性 大きく低下させるのではないかと予測され 。そして、上記の如くに、上記重合性組成 に酸トラップ剤を配合させた場合、ハロゲ 化炭化水素基含有スチレンの重合時に、前 臭素ガスや臭化水素ガスが副生しても、こ らは直ぐに上記酸トラップ剤に捕捉されて まい、膜の緻密性を低下させるような発泡 の悪影響を引き起こさなくなると推察され 。

 このような酸トラップ剤は、臭素ガスな のハロゲンガスや、臭化水素ガスなどのハ ゲン化水素ガスを化学的ないし物理的に吸 する性質を有し、重合性組成物中のハロゲ アルキル基に対して不活性である限り特に 定はされないが、前記重合性組成物を構成 る他の成分、具体的には主成分であるハロ ン化炭化水素基含有スチレンと相溶性を有 、ハロゲン等を吸収した後にも液状状態を 持する化合物が好ましく用いられる。もし は酸トラップ剤が固体であっても重合組成 中に存在する酸と反応することで可溶化す 化合物についても、好ましく用いることが きる。重合性組成物と相溶性の酸トラップ であれば、重合性組成物中に均一に分散す ため、ハロゲンの吸収を確実に行うことが きる。また、ハロゲン等を吸収した後にも 独で液状状態であれば、簡単な洗浄によっ 、重合後の陰イオン交換膜からハロゲン等 吸収した酸トラップ剤を除去できる。

 このような酸トラップ剤としては、たと ばエポキシ基を有する化合物、二級アミン 合物、一級アミン化合物等を使用すること でき、好ましくはエポキシ基を有する化合 が用いられる。

 エポキシ基を有する化合物(エポキシ化合 物)としては、エポキシ基を分子内に一個ま は複数個有する公知の化合物が制限なく使 できる。具体的には、ソルビトールポリグ シジルエーテル、ソルビタンポリグリシジ エーテル、ポリグリセロールポリグリシジ エーテル、ペンタエリスリトールポリグリ ジルエーテル、ジグリセロールポリグリシ ルエーテル、トリグリシジル-トリス(2-ヒド キシエチル)イソシアヌレート、グリセロー ルポリグリシジルエーテル、トリメチロール プロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシ ンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリ コールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサン オールジグリシジルエーテル、ポリエチレ グリコールジグリシジルエーテル、ポリプ ピレングリコールジグリシジルエーテル、 リテトラメチレングリコールジグリシジル ーテル、アリルグリシジルエーテル、2-エチ ルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグ リシジルエーテル、フェノール(エチレンオ サイド)グリシジルエーテル、p-t-ブチルフェ ニルグリシジルエーテル、ラウリルアルコー ル(エチレンオキサイド)グリシジルエーテル アジピン酸ジグリシジルエステル、o-フタ 酸グリシジルエステル、ハイドロキノンジ リシジルエーテル、ビスフェノールAジグリ ジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジ ルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエス テル、グリシジルフタルイミド、ジブロモフ ェニルグリシジルエーテル、ジブロモネオペ ンチルグリコールジグリシジルエーテル、エ ポキシ化大豆油やエポキシ化亜麻仁油などの エポキシ化植物油やこれらの誘導体、テルペ ンオキサイド、スチレンオキサイドやこれら の誘導体、エポキシ化α-オレフィン、エポキ シ化ポリマー等が挙げられる。このうち、エ チレングリコールジグリシジルエーテル等の 飽和多価アルコールのグリシジルエーテル化 物が特に好ましい。このようなエポキシ化合 物は、例えば特開平11-158486号公報記載の方法 によって得ることも出来るし、市販品(例え 、ADEKA「アデカサイザー」、花王「カボック ス」、共栄社化学「エポライト」、ダイセル 化学「サイクロマー」「ダイマック」、ナガ セケムテックス「デナコール」)として入手 ることも可能である。

 さらに、上記重合性組成物に配合させる 合開始剤としては、従来公知のものが特に 限なく使用される。前記した重合時の膜の 密性の低下をより防止するためには、重合 度は80℃以下、より好適には75℃以下の低温 であるのが好ましく、そのためには、上記重 合開始剤としては、10時間半減期温度が10~100 のものを用いるのが好ましく、20~80℃のも を用いるのがより好ましい。このような重 開始剤としては、オクタノイルパーオキシ 、ラウロイルパーオキシド、t-ブチルパーオ キシ-2-エチルヘキサノエート、ベンゾイルパ ーオキシド、t-ブチルパーオキシイソブチレ ト、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ヘキ シルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパ ーオキシド等が挙げられる。

 本発明において、重合性組成物を構成す 各成分の配合割合は、特に制限されるもの はなく広い範囲から採択可能であるが、ハ ゲン化炭化水素基含有スチレンの割合が低 場合、本発明の効果を十分に発揮できない れがあり、また、架橋性重合性単量体や重 開始剤の量が十分でない場合、重合が十分 進まなかったり、母材中に重合物である直 結合型陰イオン交換樹脂が安定的に充填さ なかったりする可能性があるため、以下の 合が好ましい。

 すなわち、重合性組成物中における、重 性単量体の合計量中において、ハロゲン化 化水素基含有スチレンが85~99.9質量%、より ましくは95~99.5質量%であり、架橋性重合性単 量体が0.1~15質量%であり、より好ましくは0.5~5 質量%であるのが好ましい。これらの重合性 量体と共重合可能な他の重合性単量体を含 させる場合、その配合割合は、重合性組成 中において、49.9質量%以下、好適には34.5質 %以下とするのが好ましい。

 また、上記重合性組成物における酸トラ プ剤の配合割合は、ハロゲン化炭化水素基 有スチレン100質量部に対して1~12質量部、よ り好適には3~8質量部であるのが好ましい。こ こで、酸トラップ剤の配合割合が1質量部よ 多いと、膜の緻密性が十分に高くなり、直 液体燃料型燃料電池用隔膜としてメタノー の非透過性が十分に高い膜になる。他方、 トラップ剤の配合割合が12質量部より少ない と、過剰の酸トラップ剤が陰イオン交換樹脂 からブリードアウトするようなことがほとん どなく、このブリードアウトにより多孔質膜 への該陰イオン交換樹脂の充填性が不十分に なり、やはりメタノールの非透過性が大きく 低下するようなことが抑制できる。

 また、重合開始剤の配合割合は、重合性 成物の重合反応が進行するに十分な量であ ば制限されないが、一般には、使用する重 性単量体の総量100質量部に対して1~10質量部 、より好ましくは2~5質量部が好適である。

 母材である多孔質フィルムの空隙部への 記重合性組成物の充填方法は、特に限定さ ない。例えば、重合性組成物を多孔質フィ ムに塗布やスプレーしたり、あるいは、該 孔質フィルムを重合性組成物中に浸漬した する方法などが例示される。

 斯様にして多孔質フィルムの空隙部に充 した重合性組成物を重合する方法としては 一般に膜をポリエステル等のフィルムに挟 で加圧下で常温から昇温する方法が好まし 。こうした重合条件は、関与する重合開始 の種類、重合性組成物の組成等によって左 されるものであり、特に限定されるもので なく適宜選択すれば良い。前記した重合時 膜の緻密性の低下をより防止するためには 重合温度は80℃以下、より好適には40~75℃以 下の低温であるのが好ましい。

 重合後得られる膜状物は、前記ハロゲン化 化水素基含有スチレンに由来して樹脂中に まれるハロゲン化炭化水素基に4級アンモニ ウム基を導入する。その4級化方法は、定法 従えばよいが、詳述すれば、重合後得られ 膜状物を、4級アンモニウム基の原料となるN R 1 R 2 R 3 {式中、それぞれ窒素原子に結合するR 1 、R 2 およびR 3 は、それぞれ前記式(1)におけるR 1 、R 2 およびR 3 と同義である。}で示される3級アミン、好ま くはトリメチルアミンやトリエチルアミン ジメチルアミノエタノールなどの3級アミン を含む溶液に、10時間以上含浸する方法が挙 られる。なお、炭素数4~8のアルキル基を有 る4級アンモニウム基を導入する場合には、 原料となる3級アミンの反応性が低いため、 液の溶媒としてアセトニトリル等の極性溶 を使用し、当該3級アミンのモル数を反応さ る膜中に含まれるハロゲノアルキル基のモ 量に対して2倍以上となるような条件下、60~ 90℃で含浸することが好ましい。

 このようにして得られた陰イオン交換膜 、通常、ハロゲノイオンを対イオンとする4 級アンモニウム基を有するが、当該陰イオン 交換膜は水酸化物イオン伝導型の燃料電池用 隔膜として用いることから、燃料電池の高出 力を得やすいという点で4級アンモニウム基 対イオンを水酸化物イオンにイオン交換す ことが好ましい。

 4級アンモニウム基の対イオンを水酸化物イ オンにイオン交換する方法としては、定法に 従えばよい。通常は、上記陰イオン交換膜を 、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム 水溶液等の水酸化アルカリ水溶液に浸漬する ことで行われる。水酸化アルカリ水溶液の濃 度は、特に限定はされず、一般には0.1~2mol・L -1 程度であり、また浸漬温度は5~60℃、浸漬時 は0.5~24時間程度である。4級化後に水酸化物 オン型にイオン交換した直後は、4級アンモ ニウム基の対イオンは主として水酸化物イオ ンであるが、経時的に大気中の炭酸ガスによ り、炭酸イオンおよび重炭酸イオンに交換さ れることがある。しかしながら、燃料電池の 作動を開始すると、炭酸イオンおよび重炭酸 イオンは、水酸化物イオンにイオン交換され るため、作動の初期段階を除けば実用上の問 題はない。

 以上の製造方法により、多孔質フィルム 母材とし、その空隙部に、前記式(1)で示さ る陰イオン交換基含有基を主鎖または側鎖 有する重合体単位を主重合単位とする、架 された陰イオン交換樹脂が充填された陰イ ン交換膜からなる、耐熱性に優れる本発明 直接液体燃料型燃料電池用隔膜が得られる すなわち、前記した式(2)で示されるハロゲ 化炭化水素基含有スチレン、架橋性重合性 量体、および有効量の重合開始剤に加えて 酸トラップ剤を含む重合性組成物を原料と て得られる陰イオン交換膜は、膜の均一性 緻密性が向上し、メタノールの非透過性と 抵抗とが高度にバランスされたものになる

 具体的には、下記により定義される前記 イオン交換膜の均一性指標は、好ましくは3 0%以下、さらに好ましくは20%以下、特に好ま くは10~1%の範囲にある。均一性指標が低い ど、多孔質フィルムにおける陰イオン交換 脂の充填が均一に行われたことを意味し、 よって湿潤してもてカールしたり皺がよっ りすることがない。

 均一性指標は下記の方法により決定される
[1] 前記陰イオン交換膜を絶乾する。膜の乾 は、水分が実質的に含有されない程度にま 行われる。膜の乾燥条件は、10Pa以下の減圧 下、30~70℃で6~24時間程度である。
[2] 絶乾膜の中心部領域から5cm×5cmの正方形 料を切り出し、その重量(W0)を測定する。膜 、通常は正方形状または長方形状であり、 心部領域とは、対角線の交点を示す。
[3] 該正方形試料をさらに5mm×5mmに小片に分 する。
[4] 各小片の重量を測定し、最大重量と最小 量とを求めその差(W1)を算出する。
[5] 各小片の平均重量(W0/100)に対する、最大 量と最小重量との差(W1)の比率(百分率)[W1/(W0/ 100)]×100を膜の均一性指標とする。

 また、上記の陰イオン交換膜を用いた燃料 池用隔膜は、好ましくは、40℃湿潤状態で 交流インピーダンス法により測定した膜抵 が0.005~1.2ω・cm 2 であり、且つ25℃におけるメタノール透過率 30~800g・m -2 ・hr -1 である。この場合、重合温度は、前記した80 以下の低温にするのが好ましい。また、使 する多孔質フィルムとしては、平均孔径が0 .001~1.0μmであり、空隙率が30~70%であり、膜厚 3~200μmのものを用いるのが好ましく、さら 、平均孔径が0.015~0.2μmであり、空隙率が30~50 %であり、膜厚が5~60μmのものを用いるのが好 しい。また、重合性組成物も、各成分が前 好ましい配合割合であるものを用いて実施 るのが、上記メタノールの非透過性と膜抵 とが高度にバランスされたものにする上で より効果的である。

 これらの好適条件の採択の結果、製造され 陰イオン交換膜は、40℃湿潤状態での交流 ンピーダンス法により測定した膜抵抗が、0. 005~0.5ω・cm 2 のものにすることもできより好ましく、さら には0.01~0.2ω・cm 2 のものにすることもでき最も好ましい。他方 、25℃におけるメタノール透過率は、200~750g m -2 ・hr -1 の範囲の低い値にすることもできより好まし い。

 なお、上記製造方法等により得られる、本 明で使用する陰イオン交換膜は、0.2~3mmol・g -1 、好適には0.5~2.5mmol・g -1 の陰イオン交換容量であるのが一般的である 。また、乾燥による水酸化物イオンの伝導性 の低下が生じ難いように含水率は、25℃にお て7%以上、好適には10~90%程度で保持されて り、乾燥による水酸化物イオンの伝導性の 下が生じ難いのが一般的である。

 上記製造された陰イオン交換膜は、必要 応じて洗浄、裁断などが行われ、定法に従 て直接液体燃料型燃料電池用の隔膜として いられる。

 本発明の隔膜が採用される直接液体燃料 燃料電池としては、前記した図1の基本構造 を有するものが一般的であるが、その他の公 知の構造を有する直接液体燃料型燃料電池に も勿論適用することができる。燃料の液体と しては、メタノールが最も一般的であり、本 発明の効果が最も顕著に発揮されるものであ るが、その他、エタノール、エチレングリコ ール、ジメチルエーテル、ヒドラジン等にお いても同様の優れた効果が発揮される。

 以下、本発明を更に詳細に説明するため 施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例 限定されるものではない。

 なお、実施例、比較例において燃料電池 膜の特性評価に用いた、陰イオン交換容量 含水率、膜抵抗、陰イオン交換基の耐久性 メタノール透過率、燃料電池出力電圧の各 定方法を以下に説明する。

 1)陰イオン交換容量および含水率
 陰イオン交換膜を、0.5mol・L -1 -NaCl水溶液に10時間以上浸漬し、塩化物イオ 型とした後、0.2mol・L -1 -NaNO 3 水溶液で硝酸イオン型に置換させ遊離した塩 化物イオンを、硝酸銀水溶液を用いて電位差 滴定装置(COMTITE-900、平沼産業株式会社製)で 量した(Amol)。次に、同じイオン交換膜を0.5mo l・L -1 -NaCl水溶液に25℃下で4時間以上浸漬し、イオ 交換水で十分水洗した後膜を取り出しティ シュペーパー等で表面の水分を拭き取り湿 時の重さ(Wg)を測定した。さらに膜を60℃で5 時間減圧乾燥させその重量を測定した(Dg)。 記測定値に基づいて、イオン交換容量およ 含水率を次式により求めた。

  陰イオン交換容量=A×1000/D[mmol・g -1 -乾燥重量]
  含水率=100×(W-D)/D[%]

 2)多孔質膜の平均孔径
 ASTM-F316-86に準拠し、ハーフドライ法にて測 した。

 3)多孔質膜の空隙率
 多孔質膜の体積(Vcm 3 )と質量(Ug)を測定し、多孔質膜の材質である リエチレンの樹脂密度を0.9(g・cm -3 )として、下記の式により算出した。

 空隙率=[(V-U/0.9)/V]×100[%]

 4)膜の均一性指標
 陰イオン交換膜を2Paの減圧下、50℃で12時間 乾燥した。絶乾膜の中心部領域から5cm×5cmの 方形試料を切り出し、その重量(W0)を測定し た。次いで、正方形試料をさらに5mm×5mmに小 に分割した。各小片の重量を測定し、最大 量と最小重量とを求めその差(W1)を算出した 。各小片の平均重量(W0/100)に対する、最大重 と最小重量との差(W1)の比率(百分率)[W1/(W0/10 0)]×100から膜の均一性指標を求めた。

 5)膜抵抗
 実施例または比較例に記載した方法によっ 調製した陰イオン交換膜を大気中、乾燥状 で24時間以上放置したものを40℃のイオン交 換水に湿潤させた後に切断し、横約6cm、縦2.0 cmの短冊状の陰イオン交換膜を準備した。次 で、線幅0.3mmの白金線5本を、横方向(陰イオ ン交換膜の横方向と同じ方向)に0.5cm間隔で、 何れも互いに平行で且つ縦方向(陰イオン交 膜の縦方向と同じ方向)に対して平行となる 線状に配置した絶縁基板を準備し、該絶縁 板の前記白金線を前記陰イオン交換膜に押 当てることにより測定用試料を作成した。

 上記測定用試料について、1本目と2本目 白金線間(白金線間隔=0.5cm)、1本目と3本目の 金線間(白金線間隔=1.0cm)、1本目と4本目の白 金線間(白金線間隔=1.5cm)および1本目と5本目 白金線間(白金線間隔=2.0cm)についてそれぞれ 交流インピーダンスを測定した。x軸に白金 間距離をとりy軸に交流インピーダンスをと て各測定値をプロットしたときに得られる ラフから抵抗極間勾配(S)を求めると共に、 記式に基づき膜抵抗(R)を求めた。このとき 交流インピーダンスは、測定用試料を40℃ 90%RHの恒温恒湿槽中で陰イオン交換膜表面に イオン交換水の水滴が存在する状態に保持し 、白金線間に1kHzの交流を印加したときの交 インピーダンスとして測定した。また、膜 (L)は陰イオン交換膜をイオン交換水で湿潤 せて測定した。

 R=2.0×L 2 ×S
   R :膜抵抗[ω・cm 2 ]
   L :膜厚[cm]
   S :抵抗極間勾配[ω・cm -1 ]

 なお、上記グラフにおいて、白金線間距 と交流インピーダンスとの間には直線関係( 比例関係)が成立ち、測定試料における白金 と陰イオン交換膜との間の接触による抵抗( 触抵抗)はy切片として評価され、グラフの きから膜の比抵抗を意味する抵抗極間勾配(S )を算出することができる。本測定では、膜 抗(R)は抵抗極間勾配(S)に基づいて求められ いるので、上記接触抵抗の影響は排除され いる。

 6)陰イオン交換基の耐久性
 対イオンを水酸化物イオン型にした陰イオ 交換膜を5cm角の寸法に切り出し、ポリテト フルオロエチレン製容器に入れ、90℃のオ ブン中、500時間保持し、陰イオン交換容量 測定した。加熱前の膜の陰イオン交換容量 対する過熱後の膜の陰イオン交換容量の割 からなる陰イオン交換容量保持率を求め、 イオン交換基の耐久性として評価した。

 7)メタノール透過率
 陰イオン交換膜を介して互いに隣接する2つ の流路に、それぞれメタノール水溶液および アルゴンガスを流通させ、流路出口における アルゴンガスに含まれるメタノール濃度から メタノール透過率を求めた。このとき、上記 濃度の測定は、図2及び図3に示す構造のメタ ール透過率測定セルを用いて行った。

 この測定セルは、図2に示されるように、 隔膜13を一対のセパレータ9で夫々ガスケット 12を介して挟持した構造を有している。各セ レータ9は図3に示されるように正方形の板 体であり、その一辺が10cmである。そして、 セパレータの裏側には、断面正方形の凹部 設けられており、その凹部の深さは1mmであ 、正方形の一辺が2.3mmである。このセパレ タを用いることにより、セルを組み立てた きに凹部と隔膜とで仕切られた空間よって 方体形状の流路が形成されるようになって る。すなわち、一方のセパレータの凹部と 膜とで仕切られた空間よってガス流路10を形 成され、他方のセパレータの凹部と隔膜とで 仕切られた空間で液流路11が形成される。ま 、図3に示されるように、それぞれの流路両 端、具体的には各セパレータにおける上記凹 部の両端部には正方形の対角線上に直径1mmの 断面円形の孔が設けられており、さらに図3 示されるように、ガス流路10においては、一 方の孔が流通ガス入口10aとなり、他方の孔が 流通ガス出口10bとなっている。同様に、図3 同一の構造である、もう一方のセパレータ 於いても液流路11の両端の2つの孔がそれぞ 流通液入口および流通液出口を形成してい 。さらに、ガスケット12は、シリコーンゴム 製であり、セルを組み立てたときに前記凹溝 を塞ぐことなくしかも流路からガスや液が漏 れないように設置されている。

 上記測定セルを用い、次のような手順で測 を行った。すなわち、まず、隔膜をカッタ で1辺の長さが4cmの正方形になるように裁断 し、該隔膜を、ガスケットを介してセパレー タで挟持することにより測定セルを組み立て た。このセルにおける陰イオン交換膜の接液 部の面積(=接ガス部の面積)は5cm 2 である。

 次いでチューブポンプを用い、流通液入り から30質量パーセント濃度のメタノール水 液を供給して2ml・min -1 の速度で液流路11を流通させると共に、流通 ス入口10aから圧力0.1MPaのG3グレードのアル ンガスを供給して300ml・min -1 の速度でガス流路10を流通させた。メタノー 水溶液およびアルゴンガスの流通開始から1 時間後に、流通ガス出口10b排出されるアルゴ ンガスをガスクロマトグラフ装置に導入し、 分析することにより、透過したメタノールの 量を定量した。

 この際、ガスクロマトグラフ装置に導入 るガスの体積は5mlの計量管を用いて行い、 測定ごとに一定量のガス量が分析できるよ にした。また、測定はすべて25℃、大気圧 で行った。

 アルゴンガスの流量がAml・min -1 である場合、分析する5mlのアルゴンガス中に 含まれるメタノール量は(5/A) min の時間に膜 を透過したメタノール量となる。したがって 、検出されたメタノール量がXgであり、セル おける陰イオン交換膜の接液部(接ガス部) 面積をBcm 2 とするとメタノール透過率[g・m -2 ・hr]は下記式により算出することができる。

 メタノール透過率= X /[(5/A/60)×B/10000]

 8)燃料電池出力電圧
 分子量3万、スチレン含量60重量%からなるク ロルメチルスチレン-スチレン共重合体をト メチルアミンで4級化した後、大過剰の0.5mol L -1 -NaOH水溶液中に懸濁して水酸化物イオンにイ ン交換した陰イオン交換樹脂のテトラヒド フラン溶液(樹脂濃度5重量%)と白金とルテニ ウム合金触媒(ルテニウム50mol%)50重量%担持の ーボンブラックとを混合したものを、ポリ トラフルオロエチレンで撥水化処理した厚 100μm、空孔率80%のカーボンペーパー上に、 媒が2mg・cm -2 となるように塗布し、80℃で4時間減圧乾燥し 、燃料室側拡散電極および酸化剤室側ガス拡 散電極をそれぞれ製造した。

 次に、測定する燃料電池隔膜の両面に上記 燃料室側拡散電極および酸化剤室側ガス拡 電極をそれぞれセットし、100℃、圧力5MPaの 加圧下で100秒間熱プレスした後、室温で2分 放置した。これを図1に示す構造の燃料電池 ルに組み込んで燃料電池セル温度50℃に設 し、燃料極側に10重量%メタノール水溶液を 酸化極側に大気圧の酸素を200ml・min. -1 で供給して発電試験を行ない、電流密度0A・c m -2 、0.1A・cm -2 におけるセルの端子電圧を測定した。

(実施例1~7)
 表1に示した組成表に従って、各種単量体等 を混合して重合性組成物を得た。得られた重 合性組成物400gを500mlのガラス容器に入れ、表 1に示した多孔質フィルムを20cm×20cmにカット て浸漬した。

 続いて、これらの多孔質膜を重合性組成 中から取り出し、100μmのポリエステルフィ ムを剥離材として多孔質膜の両側を被覆し 後、0.3MPaの窒素加圧下、表1に示した温度で 5時間加熱重合した。

 得られた膜状物を6重量%のトリメチルアミ と25重量%のアセトンを含む水溶液中に室温 16時間浸漬し、次いで大過剰の0.5mol・L -1 -NaOH水溶液中に懸濁して対イオンを臭化物イ ンから水酸化物イオンにイオン交換した後 イオン交換水で洗浄し燃料電池隔膜を得た

 これらの燃料電池隔膜の、陰イオン交換 量、含水率、膜の均一性指標、膜抵抗、陰 オン交換基の耐久性、メタノール透過率、 料電池出力電圧を各測定した。結果を表2に それぞれ示した。

(比較例1)
 実施例1においてブロモブチルスチレンをク ロロメチルスチレンに置き換えた以外は実施 例1と同じ操作を行い、燃料電池隔膜を得た

 この燃料電池隔膜の、陰イオン交換容量 含水率、膜の均一性指標、膜抵抗、陰イオ 交換基の耐久性、メタノール透過率、燃料 池出力電圧を各測定した。結果を表2に示し た。

(比較例2)
 実施例1においてエポキシ化合物(エチレン リコールジグリシジルエーテル、共栄社化 製エポライト40E)を添加しなかった以外は実 例1と同じ操作を行い、陰イオン交換膜を得 た。

 得られた陰イオン交換膜について、陰イ ン交換容量、含水率、膜の均一性指標、膜 抗、陰イオン交換基の耐久性、およびメタ ール透過率を測定した。なお、燃料電池出 電圧測定については、陰イオン交換膜が不 一であるため電極を接着することができず 測定することができなかった。結果を表2に 示した。