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Patent Searching and Data


Title:
DIE AND PRODUCTION METHOD FOR MOLDING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/154005
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a die which ensures a long lifetime when a molding is produced by slush die casting or semi-solid die casting. Also provided is a production method for molding. A die (82) is provided with a first groove (821) and a second groove (822).  The first groove extends from the central part to the outer circumferential part with a fixed length or width.  The second groove extends from the outer-circumferential-side end of the first groove and joins any part of the first groove.

Inventors:
YAMAMOTO SATOSHI (JP)
KAJIWARA MIKIO (JP)
DEGUCHI RYOHEI (JP)
OHKADO TOSHIO (JP)
SHIKAI SHUICHI (JP)
NISHIKAWA SUSUMU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/002807
Publication Date:
December 23, 2009
Filing Date:
June 19, 2009
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
KOGI CORP (JP)
YAMAMOTO SATOSHI (JP)
KAJIWARA MIKIO (JP)
DEGUCHI RYOHEI (JP)
OHKADO TOSHIO (JP)
SHIKAI SHUICHI (JP)
NISHIKAWA SUSUMU (JP)
International Classes:
B22D17/22; B22C9/06; B22D17/00
Foreign References:
JP2004017100A2004-01-22
JP2002219553A2002-08-06
JP2005036693A2005-02-10
Other References:
See also references of EP 2305398A4
Attorney, Agent or Firm:
Shinjyu Global IP (JP)
fresh green -- a global IP patent business corporation (JP)
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Claims:
 中央部から外周部へ一定の長さ又は一定の幅をもって延びる第1溝部(110,210,821)と、
 前記第1溝部の外周部側の終端から延び、前記第1溝部のいずれかの部分に合流する第2溝部(120,220,822,822A,822B,822C,822D)と
を備える金型(82,100,200)。
 前記第1溝部は、渦巻き形状を保持しながら一方向に向かって延びる渦巻き溝部であり、
 前記第2溝部は、前記渦巻き溝部の巻き終わり端から延び前記渦巻き溝部のいずれかの部分に合流する
請求項1に記載の金型。
 前記第2溝部を深さ方向に沿って見た場合における前記第2溝部の外周辺は、円弧である、
 請求項2に記載の金型。
 前記第2溝部を深さ方向に沿って見た場合における前記第2溝部の外周辺は、円弧と、前記渦巻き溝部の外周辺上の任意の点から延びる接線とから構成される、
 請求項2に記載の金型。
 前記第1溝部は、前記中央部から前記外周部へ放射状に延びる複数の溝部であり、
 前記第2溝部は、全ての第1溝部の外周部側の終端部分に合流する
請求項1に記載の金型。
 請求項1から5のいずれかに記載の金型を用いて半溶融ダイキャスト成形法又は半凝固ダイキャスト成形法により予備成形体(126)を製造する成形体製造方法。
 請求項1から5のいずれかに記載の金型を用いて半溶融ダイキャスト成形法又は半凝固ダイキャスト成形法により予備成形体(126)を製造する予備成形体製造工程と、
 前記予備成形体の前記第2溝部に対応する部分を除去する除去工程と
を備える成形体製造方法。
Description:
金型及び成形体製造方法

 本発明は、半溶融ダイキャスト成形法又 半凝固ダイキャスト成形法により成形体を 造するための金型に関する。また、本発明 、金型を用いて半溶融ダイキャスト成形法 は半凝固ダイキャスト成形法により成形体 製造する方法に関する。

 過去に「半溶融ダイキャスト成形法によ 予備成形体をニアネットシェイプ成形し、 の予備成形体を超精密仕上げ加工して目的 する成形体を得る」という成形体製造方法 提案されている(例えば、特開2005-36693号公 参照)。この製造方法を採用すれば、鋳造方 を採用するのに比べて高強度の成形体を製 することができる上、原材料費や、機械加 費、工具消耗品代を低減することができ、 らには研削廃材や加工廃液などの破棄物を 減することができる。

 しかし、半溶融ダイキャスト成形法や半凝 ダイキャスト成形法により成形品を製造す 場合において金型に中央部から外周部へと びる溝が存在すると、金型寿命として通常 められる成形品ショット数より大幅に少な 成形品ショット数で、外周部側の溝端部付 に亀裂が生じるという問題が生じた。
 本発明の課題は、半溶融ダイキャスト成形 又は半凝固ダイキャスト成形法により成形 を製造する場合において金型の長寿命化を 現することにある。

 第1発明に係る金型は、第1溝部及び第2溝部 備える。第1溝部は、中央部から外周部へ一 定の長さ又は一定の幅をもって延びている。 第2溝部は、第1溝部の外周部側の終端から延 、第1溝部のいずれかの部分に合流する。な お、湯口は第1溝部の中央部側の端部近傍に けられている。
 ところで、従来の第1溝部しか存在しない金 型が半溶融ダイキャスト成形や半凝固ダイキ ャスト成形に用いられた場合、金型に高温の 半溶融金属が加圧充填されると、第1溝部の 周部側の溝端近傍の溝壁(以下「外周端溝壁 という)を押す力が生じる。つまり、このと き、外周端溝壁には、引張荷重が負荷される ことになる。その一方、このような金型から 成形品が取り出されると、金型の温度は外周 側から低下していく。このとき、金型の中心 部と金型外周部との間に大きな温度差が発生 し、熱膨張による圧縮荷重が外周端溝壁に発 生する。したがって、このような金型では、 外周端溝壁に、加圧による引張荷重と熱膨張 による圧縮荷重とが交互に繰り返し負荷され 、その結果、外周端溝壁に大きな応力振幅が 発生することになる。そして、その応力振幅 が金型の材料の疲労限度を越えると、疲労破 壊が発生して外周端溝壁に亀裂が生じること になる。
 しかし、本発明に係る金型には、第2溝部が 形成されているため、外周端溝壁が存在しな い。つまり、この金型には、大きな応力振幅 が発生しない。このため、本発明に係る金型 は寿命が長くなる。
 なお、目的とする成形体を得るためには、 述したように、予備成形体から第2溝部に対 応する部分を切削等の手法により除去すれば よい。

 第2発明に係る金型は、第1発明に係る金型 あって、第1溝部は、渦巻き形状を保持しな ら一方向に向かって延びる渦巻き溝部であ 。第2溝部は、渦巻き溝部の巻き終わり端か ら延び渦巻き溝部のいずれかの部分に合流す る。なお、第2溝部の外周辺は円弧であるか 円弧と、渦巻き溝部の外周辺上の任意の点 ら延びる接線とから構成されるのが好まし 。また、この金型において、渦巻き溝部は 端面から一方向に延びていてもよいし、凹 (鏡板に相当する部分)から一方向に延びてい てもよい。
 この金型では、第1溝部が、渦巻き形状を保 持しながら一方向に向かって延びる渦巻き溝 部である。そして、第2溝部が、渦巻き溝部 巻き終わりから延び渦巻き溝部のいずれか 部分に合流する。このため、スクロール部 用の金型の寿命を長くすることができる。

 第3発明に係る金型は、第2発明に係る金型 あって、第2溝部を深さ方向に沿って見た場 における第2溝部の外周辺は、円弧である。
 金型に渦巻き溝部が形成されている場合に いて、第2溝部を深さ方向に沿って見た場合 における第2溝部の外周辺を円弧形状にする 、第2溝部の溝壁に、加圧による引張荷重お び熱膨張による圧縮荷重が負荷されること 防止することができる。このため、この金 は寿命が長くなる。

 第4発明に係る金型は、第2発明に係る金型 あって、第2溝部を深さ方向に沿って見た場 における第2溝部の外周辺は、円弧と、渦巻 き溝部の外周辺上の任意の点から延びる接線 とから構成される。
 金型に渦巻き溝部が形成されている場合に いて、第2溝部を深さ方向に沿って見た場合 における第2溝部の外周辺を円弧と、渦巻き 部の外周辺上の任意の点から延びる接線と ら構成すると、第2溝部の溝壁に、加圧によ 引張荷重および熱膨張による圧縮荷重が負 されることを防止することができる。この め、この金型は寿命が長くなる。

 第5発明に係る金型は、第1発明に係る金型 あって、第1溝部は、中央部から外周部へ放 状に延びる複数の溝部である。また、第2溝 部は、全ての第1溝部の外周部側の終端部分 合流する。
 この金型では、第1溝部が、中央部から外周 部へ放射状に延びる複数の溝部である。そし て、第2溝部が、全ての第1溝部の外周部側の 端部分に合流する。このため、放射状の補 リブ等を有する成形品用の金型の寿命を長 することができる。

 第6発明に係る成形体製造方法では、第1発 から第5発明のいずれかに係る金型を用いて 溶融ダイキャスト成形法又は半凝固ダイキ スト成形法により予備成形体が製造される
 ところで、従来の第1溝部しか存在しない金 型が半溶融ダイキャスト成形や半凝固ダイキ ャスト成形に用いられた場合、金型に高温の 半溶融金属が加圧充填されると、第1溝部の 周端溝壁を押す力が作用する。つまり、こ とき、外周端溝壁に引張荷重が負荷される とになる。その一方、このような金型から 形品が取り出されると、金型の温度は外周 から低下していく。このとき、金型の中心 と金型外周部との間に大きな温度差が発生 、熱膨張による圧縮荷重が外周端溝壁に発 する。したがって、このような金型では、 周端溝壁に、加圧による引張荷重と熱膨張 よる圧縮荷重とが交互に繰り返し負荷され その結果、外周端溝壁に大きな応力振幅が 生することになる。そして、その応力振幅 金型の材料の疲労限度を越えると、疲労破 が発生して外周端溝壁に亀裂が生じること なる。
 しかし、第1発明から第5発明に係る金型に 、第2溝部が形成されているため、外周端溝 が存在しない。つまり、この金型には、大 な応力振幅が発生しない。このため、本発 に係る金型は寿命が長くなる。したがって この成形体製造方法を利用すれば、金型費 抑制することができ、そのような成形体を く製造することができる。

 第7発明に係る成形体製造方法は、予備成形 体製造工程及び除去工程を備える。予備成形 体製造工程では、第1発明から第5発明のいず かに係る金型が用いられて半溶融ダイキャ ト成形法又は半凝固ダイキャスト成形法に り予備成形体が製造される。除去工程では 予備成形体の第2溝部に対応する部分が除去 される。
 ところで、従来の第1溝部しか存在しない金 型が半溶融ダイキャスト成形や半凝固ダイキ ャスト成形に用いられた場合、金型に高温の 半溶融金属が加圧充填されると、第1溝部の 周端溝壁を押す力が作用する。つまり、こ とき、外周端溝壁に引張荷重が負荷される とになる。その一方、このような金型から 形品が取り出されると、金型の温度は外周 から低下していく。このとき、金型の中心 と金型外周部との間に大きな温度差が発生 、熱膨張による圧縮荷重が外周端溝壁に発 する。したがって、このような金型では、 周端溝壁に、加圧による引張荷重と熱膨張 よる圧縮荷重とが交互に繰り返し負荷され その結果、外周端溝壁に大きな応力振幅が 生することになる。そして、その応力振幅 金型の材料の疲労限度を越えると、疲労破 が発生して外周端溝壁に亀裂が生じること なる。
 しかし、第1発明から第5発明に係る金型に 、第2溝部が形成されているため、外周端溝 が存在しない。つまり、この金型には、大 な応力振幅が発生しない。このため、本発 に係る金型は寿命が長くなる。したがって この成形体製造方法を利用すれば、金型費 抑制することができ、そのような成形体を く製造することができる。

 第1発明によれば、半溶融ダイキャスト成形 や半凝固ダイキャスト成形用の金型の寿命を 長くすることができる。
 第2発明によれば、スクロール部材用の金型 の寿命を長くすることができる。
 第3発明及び第4発明よれば、半溶融ダイキ スト成形や半凝固ダイキャスト成形用の金 の寿命を長くすることができる。
 第5発明によれば、放射状のリブ等を有する 成形品用の金型の寿命を長くすることができ る。
 第6発明に係る成形体製造方法を利用すれば 、金型の長寿命化を実現することができると 共に、金型費を抑制することができ、成形体 を安く製造することができる。
 第7発明に係る成形体製造方法を利用すれば 、金型の長寿命化を実現することができると 共に、金型費を抑制することができ、成形体 を安く製造することができる。

本発明の実施の形態に係る高低圧ドー 型スクロール圧縮機の縦断面図である。 本発明の実施の形態に係る高低圧ドー 型スクロール圧縮機に組み込まれる可動ス ロールの上面図である。 本発明の実施の形態に係る高低圧ドー 型スクロール圧縮機に組み込まれる可動ス ロールのV-V断面図である。 本発明の実施の形態に係る高低圧ドー 型スクロール圧縮機に組み込まれる可動ス ロールを製造するための金型及び半溶融ダ キャスト成形により成形された可動スクロ ルの基体の縦断面図である。 本発明の実施の形態に係る高低圧ドー 型スクロール圧縮機に組み込まれる可動ス ロールを製造するための金型のうち鏡板及 ラップ形成側の部分の底面図である。 可動スクロールを製造するための従来 金型のうち鏡板及びラップ形成側の部分の 面図である。 従来の金型で可動スクロールを成形し ときの温度実測値の時系列変化を表すグラ 図である。 従来の金型に半溶融金属を加圧投入し ときに生じる応力の解析結果を示す図であ 。 従来の金型において熱変形によって発 する応力の解析結果を示す図である。 従来の金型の温度をサーモビュワーを 用いて測定した結果を示す図である。 変形例(A)に係る鏡板及びラップ形成側 の金型部分の底面図である。 変形例(A)に係る鏡板及びラップ形成側 の金型部分の底面図である。 変形例(A)に係る鏡板及びラップ形成側 の金型部分の底面図である。 変形例(A)に係る鏡板及びラップ形成側 の金型部分の底面図である。 変形例(B)に係る金型部分の上面図であ る。 変形例(B)に係るハウジングを製造する ための金型のうち補強リブ形成側の部分の上 面図である。 変形例(B)に係るハウジングを製造する ための金型のV-V断面図である。 変形例(B)に係るハウジングの底面図で ある。 変形例(B)に係るハウジングのIII-III断 図である。

 以下、本発明の実施の形態に係る摺動部品 用いた圧縮機について、高低圧ドーム型ス ロール圧縮機を例に挙げて説明する。なお 本発明の実施の形態に係る高低圧ドーム型 縮機は、冷媒として二酸化炭素冷媒(CO 2 )やR410A等の高圧冷媒に耐え得るように設計さ れている。
 本発明の実施の形態に係る高低圧ドーム型 クロール圧縮機1は、蒸発器や、凝縮器、膨 張機構などと共に冷媒回路を構成し、その冷 媒回路中のガス冷媒を圧縮する役割を担うも のであって、図1に示されるように、主に、 筒状の密閉ドーム型のケーシング10、スクロ ール圧縮機構15、オルダムリング39、駆動モ タ16、下部主軸受60、吸入管19及び吐出管20か ら構成されている。以下、この高低圧ドーム 型スクロール圧縮機1の構成部品についてそ ぞれ詳述していく。

 <高低圧ドーム型スクロール圧縮機の構成 部品の詳細>
 (1)ケーシング
 ケーシング10は、密閉容器であって、主に 略円筒状の胴部ケーシング部11、椀状の上壁 部12及び椀状の底壁部13から構成されている 上壁部12は、胴部ケーシング部11の上端部に 接されている。底壁部13は、胴部ケーシン 部11の下端部に溶接されている。そして、こ のケーシング10には、主に、ガス冷媒を圧縮 るスクロール圧縮機構15と、スクロール圧 機構15の下方に配置される駆動モータ16とが 容されている。このスクロール圧縮機構15 駆動モータ16とは、ケーシング10内を上下方 に延びるように配置されるクランク軸17に って連結されている。そして、この結果、 クロール圧縮機構15と駆動モータ16との間に 、間隙空間18が生じる。

 (2)スクロール圧縮機構
 スクロール圧縮機構15は、図1に示されるよ に、主に、ハウジング23と、ハウジング23の 上方に密着して配置される固定スクロール24 、固定スクロール24に噛合する可動スクロ ル26とから構成されている。以下、このスク ロール圧縮機構15の構成部品についてそれぞ 詳述していく。
  a)ハウジング
 ハウジング23は、その外周面において周方 の全体に亘って胴部ケーシング部11に圧入固 定されている。つまり、胴部ケーシング部11 ハウジング23とは全周に亘って密着されて る。このため、ケーシング10の内部は、ハウ ジング23の下方の高圧空間28とハウジング23の 上方の低圧空間29とに区画されていることに る。また、このハウジング23には、上端面 固定スクロール24の下端面と密着するように 、固定スクロール24がボルト38により締結固 されている。また、このハウジング23には、 上面中央に凹設されたハウジング凹部31と、 面中央から下方に延設された軸受部32とが 成されている。そして、この軸受部32には上 下方向に貫通する軸受孔33が形成されており この軸受孔33にクランク軸17の主軸部17bが軸 受34を介して回転自在に嵌入されている。

  b)固定スクロール
 固定スクロール24は、図1に示されるように 主に、鏡板24aと、鏡板24aの鏡面から鏡面と 直交する方向に沿って下方に延びる渦巻き (インボリュート状)のラップ24bとから構成 れている。鏡板24aには、後述する圧縮室40に 連通する吐出穴41と、吐出穴41に連通する拡 凹部42とが形成されている。吐出穴41は、鏡 24aの中央部分において上下方向に延びるよ に形成されている。拡大凹部42は、鏡板24a 上面に水平方向に広がるように形成された 部である。
 そして、固定スクロール24の上面には、こ 拡大凹部42を塞ぐように蓋体44がボルト44aに り締結固定されている。そして、拡大凹部4 2に蓋体44が覆い被せられることによりスクロ ール圧縮機構15の運転音を消音させるマフラ 空間45が形成されている。なお、固定スク ール24と蓋体44とは、図示しないパッキンを して密着させることによりシールされてい 。

  c)可動スクロール
 可動スクロール26は、アウタードライブ型 可動スクロールであって、図1、図2及び図3 示されるように、主に、鏡板26aと、鏡板26a 鏡面26Pから鏡面26Pと略直交する方向に沿っ 上方に延びる渦巻き状(インボリュート状)の ラップ26bと、鏡板26aの下面から下方に延びク ランク軸17の偏心軸部17aの外側に嵌合する軸 部26cと、鏡板26aの両端部に形成される溝部2 6d(図3参照)とから構成されている。
 そして、この可動スクロール26は、溝部26d オルダムリング39(図1参照)が嵌め込まれるこ とによりハウジング23に支持される。また、 受部26cにはクランク軸17の偏心軸部17aが嵌 される。可動スクロール26は、このようにス クロール圧縮機構15に組み込まれることによ てクランク軸17の回転により自転すること くハウジング23内を公転する。そして、可動 スクロール26のラップ26bは固定スクロール24 ラップ24bに噛合させられており、両ラップ24 b,26bの接触部の間には圧縮室40が形成される そして、この圧縮室40では、可動スクロール 26の公転に伴い中心に向かって変位し、その 積が収縮していく。この高低圧ドーム型ス ロール圧縮機1では、このようにして圧縮室 40に入ったガス冷媒が圧縮される。

  d)その他
 また、このスクロール圧縮機構15には、固 スクロール24とハウジング23とに亘り、連絡 路46が形成されている。この連絡通路46は、 固定スクロール24に切欠形成されたスクロー 側通路47と、ハウジング23に切欠形成された ハウジング側通路48とから構成される。そし 、連絡通路46の上端、即ちスクロール側通 47の上端は拡大凹部42に開口し、連絡通路46 下端、即ちハウジング側通路48の下端はハウ ジング23の下端面に開口している。つまり、 のハウジング側通路48の下端開口は、連絡 路46の冷媒を間隙空間18に流出させる吐出口4 9となっている。
 (3)オルダムリング
 オルダムリング39は、可動スクロール26の自 転運動を防止するための部材であって、ハウ ジング23の上面に形成されているオルダム溝( 図示せず)に嵌め込まれている。なお、この ルダム溝は、長円形状の溝であって、ハウ ング23において互いに対向する位置に配設さ れている。

 (4)駆動モータ
 駆動モータ16は、直流モータであって、主 、ケーシング10の内壁面に固定された環状の ステータ51と、ステータ51の内側に僅かな隙 (エアギャップ通路)をもって回転自在に収容 されたロータ52とから構成されている。そし 、この駆動モータ16は、ステータ51の上側に 形成されているコイルエンド53の上端がハウ ング23の軸受部32の下端とほぼ同じ高さ位置 になるように配置されている。
 ステータ51には、ティース部に銅線が巻回 れており、上方及び下方にコイルエンド53が 形成されている。また、ステータ51の外周面 は、ステータ51の上端面から下端面に亘り つ周方向に所定間隔をおいて複数個所に切 形成されているコアカット部が設けられて る。そして、このコアカット部により、胴 ケーシング部11とステータ51との間に上下方 に延びるモータ冷却通路55が形成されてい 。

 ロータ52は、上下方向に延びるように胴部 ーシング部11の軸心に配置されたクランク軸 17を介してスクロール圧縮機構15の可動スク ール26に駆動連結されている。また、連絡通 路46の吐出口49を流出した冷媒をモータ冷却 路55に案内する案内板58が、間隙空間18に配 されている。
 (5)クランク軸
 クランク軸17は、図1に示されるように、略 柱状の一体成形部品であって、主に、偏心 部17a、主軸部17b、バランスウェイト部17c及 副軸部17dから成る。偏心軸部17aは、可動ス ロール26の軸受部26cに収容される。主軸部17 bは、ハウジング23の軸受孔33に軸受34を介し 収容される。副軸部17dは、下部主軸受60に収 容される。

 (6)下部主軸受
 下部主軸受60は、駆動モータ16の下方の下部 空間に配設されている。この下部主軸受60は 胴部ケーシング部11に固定されるとともに ランク軸17の下端側軸受を構成し、クランク 軸17の副軸部17dを収容している。
 (7)吸入管
 吸入管19は、冷媒回路の冷媒をスクロール 縮機構15に導くためのものであって、ケーシ ング10の上壁部12に気密状に嵌入されている 吸入管19は、低圧空間29を上下方向に貫通す と共に、内端部が固定スクロール24に嵌入 れている。
 (8)吐出管
 吐出管20は、ケーシング10内の冷媒をケーシ ング10外に吐出させるためのものであって、 ーシング10の胴部ケーシング部11に気密状に 嵌入されている。そして、この吐出管20は、 下方向に延びる円筒形状に形成されハウジ グ23の下端部に固定される内端部36を有して いる。なお、吐出管20の内端開口、即ち流入 は、下方に向かって開口されている。

 <高低圧ドーム型スクロール圧縮機の運転 動作>
 次に、高低圧ドーム型スクロール圧縮機1の 運転動作について簡単に説明する。駆動モー タ16が駆動されると、先ず、クランク軸17が 転し、可動スクロール26が自転することなく 公転運転を行う。すると、低圧のガス冷媒が 、吸入管19を通って圧縮室40の周縁側から圧 室40に吸引され、圧縮室40の容積変化に伴っ 圧縮され、高圧のガス冷媒となる。そして この高圧のガス冷媒は、圧縮室40の中央部 ら吐出穴41を通ってマフラー空間45へ吐出さ 、その後、連絡通路46、スクロール側通路47 、ハウジング側通路48、吐出口49を通って間 空間18へ流出し、案内板58と胴部ケーシング 11の内面との間を下側に向かって流れる。 して、このガス冷媒は、案内板58と胴部ケー シング部11の内面との間を下側に向かって流 る際に、一部が分流して案内板58と駆動モ タ16との間を円周方向に流れる。なお、この とき、ガス冷媒に混入している潤滑油が分離 される。一方、分流したガス冷媒の他部は、 モータ冷却通路55を下側に向かって流れ、モ タ下部空間にまで流れた後、反転してステ タ51とローター52との間のエアギャップ通路 、または連絡通路46に対向する側(図1におけ 左側)のモータ冷却通路55を上方に向かって れる。その後、案内板58を通過したガス冷媒 と、エアギャップ通路又はモータ冷却通路55 流れてきたガス冷媒とは、間隙空間18で合 して吐出管20の内端部36から吐出管20に流入 、ケーシング10外に吐出される。そして、ケ ーシング10外に吐出されたガス冷媒は、冷媒 路を循環した後、再度吸入管19を通ってス ロール圧縮機構15に吸入されて圧縮される。

 <摺動部品の製造方法>
 本発明の実施の形態に係る高低圧ドーム型 クロール圧縮機1において、クランク軸17、 ウジング23、固定スクロール24、可動スクロ ール26、オルダムリング39及び下部主軸受60は 摺動部品であり、これらの摺動部品は下記製 造方法により製造される。
 (1)原材料
 本発明の実施の形態において上記摺動部品 原材料となる鉄素材としては、C:2.2~2.5wt%、S i:1.8~2.2wt%、Mn:0.5~0.7wt%、P:<0.035wt%、S:<0.04wt %、Cr:0.00~0.50wt%、Ni:0.50~1.00wt%が添加されてい ビレットが採用される。なお、ここにいう 量割合は全量に対する割合である。また、 こに「ビレット」とは、一端、上記成分の 素材が溶融炉において溶融された後に、連 鋳造装置により円柱形状等に成形された最 成形前の素材を意味する。なお、ここで、C びSiの含有量は、引張強度及び引張弾性率 片状黒鉛鋳鉄より高くなること、及び複雑 形状の摺動部品基体を成形するのに適切な 動性を備えていることの両方を満足するよ に決定される。また、Niの含有量は、金属組 織の靭性を向上させて成形時の表面クラック を防止するのに適切な金属組成を構成するよ うに決定されている。

 (2)製造工程
 本発明の実施の形態に係る摺動部品は、半 融ダイキャスト成形工程、熱処理工程、仕 げ工程及び部分熱処理工程を経て製造され 。以下、各工程について詳述する。
  a)半溶融ダイキャスト成形工程
 半溶融ダイキャスト成形工程では、先ず、 レットを高周波加熱して半溶融状態とする 次いで、その半溶融状態のビレットを所定 金型に注入する際に、ダイキャストマシン 所定圧力を加えながらビレットを所望の形 に成形し摺動部品基体を得る。そして、摺 部品基体を金型内で急冷して凝固させると その摺動部品基体の金属組織は、全体的に 銑化したものとなる。なお、摺動部品基体 最終的に得られる摺動部品よりも若干大き 、この摺動部品基体は、後の仕上げ工程に いて加工代が取り除かれて最終的な摺動部 となる。

 なお、本発明の実施の形態において、可動 クロール26の基体126は図4及び図5に示される 金型80を用いて成形される。
 可動スクロール26の基体126を半溶融ダイキ スト成形するための金型80は、図4に示され ように、第1型部分81及び第2型部分82からな 。なお、湯口(図示せず)は鏡板相当部分のほ ぼ中心に配置されている。そして、第2型部 82には、図4及び図5に示されるように、鏡板2 6aの上部を形成するための凹部823と、ラップ2 6bを形成するための渦巻き溝部821と、渦巻き 部821の巻き終わり端から内周側の渦巻き溝 821に連通する連通溝部822とが形成されてい 。なお、渦巻き溝部821は、可動スクロール2 6の基体126を抜きやすくするために、底部(チ プ部分に対応する部分)から凹部823に向かう に従って幅が広がるように形成されている。 したがって、この金型80により形成される可 スクロール26の基体126では、ラップ相当部 はチップ相当部分から鏡板相当部分に向か に従って幅が広くなる。また、連通溝部822 よって形成される部分は、後の仕上げ工程 おいて除去されることになる。

  b)熱処理工程
 熱処理工程では、半溶融ダイキャスト成形 程後の摺動部品基体が熱処理される。この 処理工程において、摺動部品基体の金属組 は、白銑化組織からパーライト/フェライト 基地、塊状黒鉛から成る金属組織へと変化す る。なお、この白銑化組織の黒鉛化、パーラ イト化については熱処理温度、保持時間、冷 却速度などを調節することにより調節するこ とができる。例えば、Honda R&D Technical Rev iew の Vol.14 No.1 の論文「鉄の半溶融成形技 術の研究」にあるように、950℃で60分保持し 後に0.05~0.10℃/secの冷却速度で炉中にて徐冷 することにより、500MPa~700MPa程度の引張強度 HB150(HRB81(SAE J 417硬さ換算表からの換算値))~ HB200(HRB96(SAE J 417硬さ換算表からの換算値)) 度の硬度を有する金属組織を得ることがで る。このような金属組織はフェライト中心 あるために軟らかく被削性に優れるが、機 加工時に構成刃先を形成して刃具寿命を低 させる可能性がある。また、1000℃で60分保 した後に空冷し、さらに最初の温度より少 低い温度で所定時間保持した後に空冷する とにより、600MPa~900MPa程度の引張強度、HB200(H RB96(SAE J 417硬さ換算表からの換算値))~HB250(HR B105,HRC26(SAE J 417硬さ換算表からの換算値、 おHRB105は試験タイプの有効な実用範囲を超 るため参考値である))程度の硬度を有する金 属組織を得ることができる。このような金属 組織において、片状黒鉛鋳鉄と同等の硬度を 有するものは、片状黒鉛鋳鉄と同等の被削性 を有し、同等の延性・靭性を有する球状黒鉛 鋳鉄と比較すると被削性に優れている。また 、1000℃で60分保持した後に油冷し、さらに最 初の温度より少し低い温度で所定時間保持し た後に空冷することにより、800MPa~1300MPa程度 引張強度、HB250(HRB105,HRC26(SAE J 417硬さ換算 からの換算値、なおHRB105は試験タイプの有 な実用範囲を超えるため参考値である))~HB35 0(HRB122,HRC41(SAE J 417硬さ換算表からの換算値 なおHRB122は試験タイプの有効な実用範囲を えるため参考値である))程度の硬度を有す 金属組織を得ることができる。このような 属組織はパーライト中心であるために硬く 被削性に劣るが、耐摩耗性に優れている。 だし、硬すぎることによる摺動相手材への 撃性を有する可能性がある。

 なお、本発明の実施の形態において、この 処理工程では、摺動部品基体の硬度がHRB90(H B176(SAE J 417硬さ換算表からの換算値))よりも 高くHRB100(HB219(SAE J 417硬さ換算表からの換算 値))よりも低くなるような条件下で熱処理さ る。
  c)仕上げ工程
 仕上げ工程では、摺動部品基体が機械加工 れて摺動部品の完成となる。
 <金型損傷メカニズム>
 半溶融ダイキャスト成形や半凝固ダイキャ ト成形に、図6に示されるような従来の第2 部分を有する金型が用いられた場合の金型 傷メカニズムを参考までに以下に説明する なお、第1型部分は上述した第1型部分と全く 同一である。

 先ず、金型に高温の半溶融金属が加圧され がら投入されると、第2型部分82Aの渦巻き溝 部821Aの巻き終わり端(外周側の端)近傍の溝壁 (以下「外周端溝壁」という)を押す力が生じ 。つまり、このとき、外周端溝壁には、引 荷重が負荷されることになる。なお、図8に は、外周端溝壁に作用する引張応力を解析し た結果(コンター図)を示した。
 次に、充填された高温の半溶融金属からの 熱により金型の温度が急上昇し、数秒後に 形品が取り出されると、金型80の温度は外 側から低下していく。なお、図7には、金型 中央部の溝壁と外周端溝壁とにおける実測 度値の時系列変化図を示す。また、図10に 、金型の温度をサーモビュワーを用いて測 した結果を示す。
 そして、このように金型の中央部の溝壁と 周端溝壁との間に大きな温度差が発生する 、外周端溝壁には、熱膨張による圧縮荷重 作用する。なお、図9には、外周端溝壁に作 用する圧縮応力を解析した結果(コンター図) 示した。

 したがって、このような金型では、外終端 壁に、加圧による引張荷重と熱膨張による 縮荷重とが交互に繰り返し負荷され、その 果、外周端溝壁に大きな応力振幅が発生す ことになる。そして、その応力振幅が金型 材料の疲労限度を越えると、疲労破壊が発 して外周端溝壁に亀裂CRが生じることにな 。
 <金型の特徴>
 本実施の形態に係る金型80には連通溝部822 形成されている。このため、この金型82には 、従来の金型に存在していた外周端溝壁が存 在しない。したがって、この金型82では、一 の溝壁への応力集中を防ぐことができ、応 振幅の大きさを大幅に低減できる。よって 半溶融ダイキャスト成形や半凝固ダイキャ ト成形においてこのような金型を利用すれ 、応力振幅による金型負荷を軽減すること でき、引いては金型寿命を10倍以上延ばす とができる。

 <変形例>
 (A)
 先の実施形態に係る金型80では第2型部分82 連通溝部822が図5に示されるような形状とさ ていたが、連通溝部の形状については特に 定されず、例えば、は図11~図14に示される うな連通溝部822A,822B,822C,822Dが形成されても い。なお、応力解析(平均応力、応力振幅、 疲労限に対する安全率等を考慮)の結果、図13 及び図14に示されるような形状の連通溝部822C ,822Dが特に好ましい。図13では、底面視にお て渦巻き溝部821及び連通溝部822Cの外周辺が 弧に近い形状とされている。また、図14で 、底面視において連通溝部822Dの外周辺が円 と、渦巻き溝部821の外周辺上の点から延び 接線とから構成されている。

 (B)
 先の実施の形態では本発明が可動スクロー 26の成形金型に適用されたが、固定スクロ ルやハウジング等、他の部品の成形金型に 発明が適用されてもよい。例えば、平板部 の成形において図15に示されるような金型部 分100が用いられてもよい。なお、かかる場合 、符号110で示される溝部が成形品部分に対応 する溝部であり、符号120で示される溝部が連 通溝部であって機械加工等によって除去され る部分に対応する溝部である。また、例えば 、図18および図19に示されるような補強リブ25 1を有するハウジング250の成形において、図16 および図17に示されるような金型200が用いら てもよい。なお、かかる場合、符号210で示 れる溝部が補強リブ251に対応する溝部であ 、符号220で示される溝部が連通溝部であっ 機械加工等によって除去される部分に対応 る溝部である。

 (C)
 先の実施の形態では密閉型の高低圧ドーム スクロール圧縮機1が採用されたが、圧縮機 は、高圧ドーム型の圧縮機であっても低圧ド ーム型の圧縮機であってもよい。また、半密 閉形や開放型の圧縮機であってもよい。
 (D)
 先の実施の形態では鉄素材としてC:2.2~2.5wt% Si:1.8~2.2wt%、Mn:0.5~0.7wt%、P:<0.035wt%、S:<0.0 4wt%、Cr:0.00~0.50wt%、Ni:0.50~1.00wt%が添加されて るビレットが採用されたが、鉄素材の元素 合は、本発明の趣旨を損ねない限り、任意 決定することができる。

 (E)
 先の実施の形態では自転防止機構としてオ ダムリング39が採用されているが、自転防 機構としてピン、ボールカップリング、ク ンク等、いかなる機構が採用されてもよい
 (F)
 先の実施の形態ではスクロール圧縮機1が冷 媒回路内で用いられる場合を例に挙げたが、 用途に付いては空調用に限定するものではな く、単体もしくはシステムに組込まれて用い られる圧縮機や送風機、過給機、ポンプなど であってもよい。
 (G)
 先の実施の形態に係るスクロール圧縮機1に は潤滑油が存在したが、オイルレス若しくは オイルフリー(油があってもなくてもよい)タ プの圧縮機、送風機、過給機、ポンプであ てもよい。

 (H)
 先の実施の形態に係る高低圧ドーム型スク ール圧縮機1は、アウタードライブ型のスク ロール圧縮機であったが、本発明に係るスク ロール圧縮機はインナードライブ型のスクロ ール圧縮機であってもよい。
 (I)
 先の実施の形態に係る可動スクロール26で 切欠部がエンドミル等により形成されたが 図5に示される可動スクロール26の鏡板26aの 心部分の上面において切欠部(座ぐり部)が半 溶融ダイキャスト成形工程において予め形成 されてもよい。
 (J)
 先の実施の形態では、摺動部品の原材料と て鉄素材が用いられたが、本発明の趣旨を ねない限り、鉄以外の金属材料が用いられ もかまわない。

 本発明に係る金型は、半溶融ダイキャス 成形法又は半凝固ダイキャスト成形法によ 成形体を製造する場合において寿命が長い いう特徴があり、溶融ダイキャスト成形法 は半凝固ダイキャスト成形法により成形品 製造する場合において非常に有用である。

 82   金型の第2型部分(金型)
100,200   金型部分(金型)
110   成形品に対応する溝部(第1溝部)
210   補強リブに対応する溝部(第1溝部)
120,220   連通溝部(第2溝部)
126   可動スクロールの基体(予備成形体)
821   渦巻き溝部(第1溝部)
822,822A,822B,822C,822D   連通溝部(第2溝部)

特開2005-36693号公報