MOTOYOSHI KATSUYUKI (JP)
JPS60153214A | 1985-08-12 | |||
JPS61171215A | 1986-08-01 | |||
JPH06104935A | 1994-04-15 | |||
JP2006522508A | 2006-09-28 |
複数のルックアップテーブルの総和を出力とするデジタルフィルタであって、 入力データ系列として入力されたデータ読み出しアドレスに対し該アドレスに記憶されたLUTデータを出力する複数のルックアップテーブルと、 前記複数のルックアップテーブルの出力の総和を出力する加算部と、 デジタルフィルタに時刻順に入力される前記入力データ系列の時間順序を予め設定された規則に従って入れ換え、前記複数のルックアップテーブルのアドレス長に分割して出力するインターリーブ部と、 を備えたことを特徴とするデジタルフィルタ。 |
前記複数のルックアップテーブルにLUTデータを変更するためのLUTデータ制御情報を供給するLUTデータ制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のデジタルフィルタ。 |
伝送路によって生じる波形歪を送信側において事前に補償または緩和するプリコーディング装置であって、 それぞれに、入力データ系列として入力されたデータ読み出しアドレスに対し該アドレスに記憶されたLUTデータを出力する複数のルックアップテーブルの出力の総和を加算部で求め出力信号とし、さらに時刻順に入力される前記入力データ系列の時間順序を予め設定された規則に従って入れ換えて前記複数のルックアップテーブルのアドレス長に分割して出力するインターリーブ部を設けた複数のデジタルフィルタと、 前記複数のデジタルフィルタの出力データを組み合わせてプリコーディングされた出力信号を出力するデータ合成部と、 を備えたことを特徴とするプリコーディング装置。 |
外部からの伝送路情報に基づき各デジタルフィルタのそれぞれのルックアップテーブルにLUTデータを変更するためのLUTデータ制御情報を出力するLUTデータ制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載のプリコーディング装置。 |
伝送路と、前記伝送路を伝送させる送信データの前記伝送路によって生じる波形歪を送信側において事前に補償または緩和するプリコーディング装置を設けた送信器と、を備えた送信システムであって、 前記プリコーディング装置が、 それぞれに、送信データである入力データ系列として入力されたデータ読み出しアドレスに対し該アドレスに記憶されたLUTデータを出力する複数のルックアップテーブルの出力の総和を加算部で求め出力信号とし、さらに時刻順に入力される前記入力データ系列の時間順序を予め設定された規則に従って入れ換えて前記複数のルックアップテーブルのアドレス長に分割して出力するインターリーブ部を含む複数のデジタルフィルタと、 前記複数のデジタルフィルタの出力データを組み合わせてプリコーディングされた出力信号を出力するデータ合成部と、 を備えたことを特徴とする送信システム。 |
前記プリコーディング装置が、外部からの伝送路情報に基づき各デジタルフィルタのそれぞれのルックアップテーブルにLUTデータを変更するためのLUTデータ制御情報を出力するLUTデータ制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の送信システム。 |
前記伝送路が光伝送路であり、光伝送路における波長分散歪を補償対象とすることを特徴とする請求項5又は6に記載の送信システム。 |
この発明は、複数のルックアップテーブ で構成されたデジタルフィルタ、伝送路で じる波形歪みを送信側で事前に補償または 和する上記デジタルフィルタを使用したプ コーディング装置、さらにこのようなプリ ーディング装置を備えた送信システムに関 る。
伝送路の非線型歪を、送信側の電気領域 設置したデジタルフィルタで事前に補償す 光送信システムにおいて、デジタルフィル を複数のルックアップテーブル(LUT)を用い 構成する方式が知られている。たとえば下 特許文献1には、デジタルフィルタの入力デ タ系列を一連のNビット・ワードに変換し、 各Nビット・ワードをデジタルフィルタを構 するLUTのデータ読み出しアドレスとし、LUT ら読み出されたデータの総和をデジタルフ ルタ出力とする方式が開示されている。
このような構成は、フィルタの高速動作 可能になるという利点があるものの、一方 、LUTのサイズがアドレス長に対して指数関 的に増加するために、タップ長の大きなデ タルフィルタの実現が困難といった問題が る。これに対して特許文献1では、タップ長 よりも短いアドレス長を持つ複数のLUTを用い 、各LUTにデジタルフィルタの部分応答を格納 し、全てのLUTから読み出されたデータの総和 をデジタルフィルタの出力とすることで、タ ップ長が長い場合における回路規模の大幅な 増大を回避している。
ここで各LUTにデジタルフィルタの部分応 を格納するとは、デジタルフィルタ(FIR(Finit e Impulse Response)型)の積和演算を複数に分割 、分割した個々の部分を別々のLUTに格納す という意味である。4タップのFIRフィルタを2 個のLUTで実現する場合を例に説明すると、タ ップ値を[x1, x2, x3, x4]、タップ係数を[a1, a2 , a3, a4]とすると、そのフィルタ応答(積和演 算結果)はx1a1 + x2a2 + x3a3 + x4a4 となるが これは(x1a1 + x2a2) + (x3a3 + x4a4)のように前 半と後半の2つに分割することができる。そ ぞれの括弧の部分が部分応答になる。
しかしながら、複数のLUTで構成される従 のデジタルフィルタでは、入力データ系列 一連のNビット・ワードに分割しているため 、デジタルフィルタのタップ係数振幅(タッ 係数の振幅絶対値)の大きいタップが、タッ 上の限られた部分に集中している場合に、L UT総和出力の量子化精度を保証するために該 する個所のLUTが格納しているデータの量子 ビット数を大きくとらなければならない。 方で、あまり大きくないタップ係数振幅の ップがフィルタの一部に集中することなく ップ上に広範囲に分散している場合には、 々のLUTのデータ量子化ビット数は、タップ 数振幅の大きいタップが集中する場合に比 短かくてもよいが、全てのLUTが同程度のデ タ量子化ビット数を持つ必要がある。
図8、図9に光伝送路歪を補償するデジタ フィルタのタップ係数振幅の分布の例を示 。図8は光伝送路長が短い場合、図9は光伝送 路長が長い場合の例であり、それぞれ横軸が フィルタタップ、縦軸がタップ係数値を示す 。図8の例では、タップ係数の振幅絶対値が きいタップがフィルタの中央付近に集中し いる。図9の例では、フィルタタップの全体 わたって、タップ係数の振幅絶対値が大き タップ(但し図8の場合に比べて小さい)がフ ルタの一部分に偏ることなく、比較的一様 分散している。図8と図9の両方の状況に対 可能なデジタルフィルタを複数のLUTを用い 構成する場合、歪補償対象である伝送路の さによって、LUTの所要データビット幅が大 く変動する。
図10には光伝送路長とLUTデータ最大絶対 (振幅値)との関係を示す。図10に示すように 伝送路長が短い場合にはLUTデータ最大絶対 が大きくなるが、この理由は前述の通り、 ップ係数値が大きいタップが一部のLUTに偏 ためである。LUTデータビット長は、対応す 光伝送路長の範囲においてLUTデータが取り る最大値を基準に決定する必要があるため 図10の例では、たとえば伝送路長1以上に対 するためには、LUTデータビット長を8ビット 以上にしなければならない。
そのため、同一の構成で様々な形態のタ プ係数分布に対応したいときには、タップ 数振幅が集中する場合に合わせて個々のLUT データビット幅を大きめに取らなくてはな ない。このため、LUT本体やLUT出力の総和を 算する加算部の回路規模が増大するという 題があった。
この発明は上記のような問題点を解決する
めになされたものであり、デジタルフィル
のタップ係数振幅の分布パターンに係わら
、LUTデータ最大値を低く抑えることによっ
回路規模の低減を可能にしたデジタルフィ
タを提供することを目的とする。
さらにこのデジタルフィルタを使用して、L
UTデータ最大値を低く抑えることによって、
範な歪補償範囲と回路規模低減を両立した
プリコーディング装置、送信システムを提
することを目的とする。
この発明は、複数のルックアップテーブル
総和を出力とするデジタルフィルタであっ
、入力データ系列として入力されたデータ
み出しアドレスに対し該アドレスに記憶さ
たLUTデータを出力する複数のルックアップ
ーブルと、前記複数のルックアップテーブ
の出力の総和を出力する加算部と、デジタ
フィルタに時刻順に入力される前記入力デ
タ系列の時間順序を予め設定された規則に
って入れ換え、前記複数のルックアップテ
ブルのアドレス長に分割して出力するイン
ーリーブ部と、を備えたことを特徴とする
ジタルフィルタにある。
またこの発明は、上記デジタルフィルタを
用し、伝送路によって生じる波形歪を送信
において事前に補償または緩和するプリコ
ディング装置、さらにこのプリコーディン
装置を使用した送信システムに関するもの
ある。
この発明では、デジタルフィルタのタッ 係数振幅の分布パターンに係わらずにLUTデ タ最大値を低く抑えることができ、回路規 の低減が図れる。またこのデジタルフィル を使用してプリコーディング装置、送信シ テムを構成することで、広範な歪補償範囲 回路規模低減を両立させることができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1にかかるデジ
ルフィルタの構成図である。このデジタル
ィルタは後述するこの発明にかかるプリコ
ディング装置および光送信システムで使用
れる。図1において、デジタルフィルタ1は、
入力データ系列2を入力とする直並列変換部3
インターリーバ4、複数のLUT6-1~6-Nで構成さ
るルックアップテーブル部5、及びLUT6-1~6-Nの
出力を加算して出力信号8を出力するは加算
7が順に接続されている。またルックアップ
ーブル部5へLUTデータを変更するためのLUTデ
ータ制御情報10を供給するLUTデータ制御部9を
備える。なお、直並列変換部3とインターリ
バ4でインターリーブ部を構成するものとす
。
次に動作について説明する。デジタルフ ルタ1の入力データ系列2はバイナリ系列で る。この入力データ系列2は、直並列変換部3 によって並列展開される。入力データ系列2 デジタルフィルタ1の1タップに相当するビッ ト分のデータが更新されると、並列展開され たデータも更新される。直並列変換部3の出 はインターリーバ4に入力される。
インターリーバ4は、並列展開された入力デ
ータ系列の順序を与えられた、すなわち予め
設定された規則に従って入れ換えた結果を出
力する。一例として、インターリーバ4が下
式(1)に示す順序入れ換え規則に従う場合の
インターリーバ4の
入力データ系列X={x(0), x(1), x(2), ..., x(ML-1)}
出力データ系列Y={y(0), y(1), y(2), ..., y(ML-1)}
の関係を下記式(2)に示す。ただし式(1)におい
てa mod bは整数aを整数bで割ったときの剰余
表わし、[c]はcを超えない整数のうち、cに
も近いものを表わす。またLはデジタルフィ
タのタップ長を、Mは変調多値数を表す。
y(i)=x(j), j=8・(i mod 8)+[i/8] 式(1)
X={x(0), x(1), x(2), ..., x(ML-1)}
Y={x(0), x(8), x(16), ..., x(1), x(9), x(17),...,x(M
L-9), x(ML-1)}
式(2)
たとえばタップ長L=20、変調多値数M=2とする
と、インターリーバ4の入力は
X={x(0), x(1), x(2), ..., x(39)}
となり、インターリーバ4の出力は
Y={x(0), x(8), x(16), x(24), x(32), x(1), x(9), ...,
x(7), x(15), x(23), x(31), x(39)}
となる。LUT6-1の入力は{x(0), x(8), x(16), x(24),
x(32)}、LUT6-8の入力は{x(7), x(15), x(23), x(31),
x(39)}となる(LUTの個数は8個)。
ここで、M=2なので、次のデジタルフィルタ1
の出力に対応するインターリーバ4の入力は2
ット進んだもの、すなわちX={x(2), x(3), ...,
x(41)}となり、インターリーバ4の出力は
Y={x(2), x(10), x(18), x(26), x(34), x(3), x(11), ...
, x(9), x(17), x(25), x(33), x(41)}
となる。同様にLUT6-1の入力は{x(2), x(10), x(18)
, x(26), x(34)}、LUT6-8の入力は{x(9), x(17), x(25),
x(33), x(41)}となる。
また、通常のデジタルフィルタでは、情報
ット系列をシンボル値にマッピングしたも
を入力信号としているが、この発明のよう
LUTを用いる方式では、情報ビット系列その
のをフィルタ入力としている。この場合、L
UTに格納するデータは、入力の情報ビット系
をシンボルにマッピングした結果の部分積
値となる。
デジタルフィルタのタップ長Lは、通常のデ
ジタルフィルタにおいてシンボル数に換算し
たタップ長であり、変調多値数Mは、シンボ
マッピングにおいて、1シンボルにマッピン
される情報ビット数である。デジタルフィ
タのタップ長Lのシンボルに対して、LMビッ
の情報ビット入力が必要となる。
インターリーバ4の出力データ系列はルッ クアップテーブル部5に入力された後、LUT6-1~6 -Nのデータ読み出しアドレスに分割される。L UT6-1~6-Nから読み出しアドレスに対応した記憶 データが出力され、加算部7において加算さ 、デジタルフィルタ1の出力信号8となる。n 目のLUT6-nのアドレスビット長をA(n)とすると LUTの個数Nとタップ長Lの関係は下記式(3)の うになる。
次に、LUT6-1~6-Nに格納されるデータの作成 方法を説明する。LUT6-1~6-Nには、インターリ バ4での順序入れ換え規則による変換に対応 たデータが格納される。このデータはデジ ルフィルタの部分積和値を量子化したもの ので、格納データを作成する際には、まず 分積和値を求める。なお、デジタルフィル の部分積和値とは前述の部分応答と同じ意 で、FIRの積和演算結果は複数の積和に分割 きる。後述する式(5)の右辺の2つの積和項が 部分積和値となる。LUT格納データの作成手順 を以下に示す。
デジタルフィルタ1の入力データ系列2は イナリデータなので、これを必要に応じて ィルタ入力信号の形式に変換(シンボルマッ ング)する。タップ長L=16、変調多値数M=1、 ップ係数C={c(0), c(1),..., c(15)}とした場合の ジタルフィルタ1の出力は、下記の式(4)のよ になる。ただしS={s(0), s(1),..., s(15)}は入力 ータ系列をシンボルマッピングしたシンボ 系列である。
インターリーバ4の入力系列{x(0), x(1), x(2 ), x(3), x(4), x(5), x(6), x(7), x(8), x(9), x(10), x(11), x(12), x(13), x(14), x(15)}に対してインタ ーリーバ4の出力系列が{x(0), x(2), x(4), x(6), x(8), x(10), x(12), x(14), x(1), x(3), x(5), x(7), x (9), x(11), x(13), x(15)}となる場合、デジタル ィルタ1の出力は下記の式(5)の右辺に示すよ に部分積和値に分解される。
式(5)の右辺第1項、第2項それぞれについ 、sの取り得る全ての組み合わせに対する部 積和値を計算し、そのときのsに対応するx LUTのアドレスとし、また部分積和値を量子 した値をアドレスに対応するデータとする なお、上述の説明ではタップ長16、LUTの個数 2、またLUTのアドレスビット長を8とした場合 例を示したが、これらの値を変更した場合 も、上述の説明に準じた形で部分積和値を 算し、LUTデータを生成すればよい。またイ ターリーバ4における順序入れ換え規則を変 更した場合も同様である。
すなわち、M=1より、入力系列X={x(0),...,x(15 )}がシンボル系列S={s(0),...,s(15)}にマッピング れる。ここでXはビット系列(0,1)であるが、 ンボル系列は一般に複素数となる。デジタ フィルタ出力(フィルタ応答)はσc(n)s(n)=c(0)s( 0) + c(1)s(1) + c(2)s(2) + c(3)s(3) + c(4)s(4) + c (5)s(5) + c(6)s(6) + c(7)s(7) + c(8)s(8) + c(9)s(9) + c(10)s(10) + c(11)s(11) + c(12)s(12) + c(13)s(13) + c(14)s(14) + c(15)s(15)となる。しかしこれは 下のように2つの部分積和に分解することが できる([]内が部分積和)。
σc(n)s(n) =
[c(0)s(0) + c(2)s(2) + c(4)s(4) + c(6)s(6) + c(8)s
(8) + c(10)s(10) + c(12)s(12) + c(14)s(14)]
+ [c(1)s(1) + c(3)s(3) + c(5)s(5) + c(7)s(7) + c(
9)s(9) + c(11)s(11) + c(13)s(13) + c(15)s(15)]
前半の部分応答に対応するLUTはそのシン ル系列S={s(0), s(2),...,s(14)}に対応する情報ビ ット系列X1={x(0), x(2), ..., x(14)}をリードアド レスとする。X1の取り得る全ての値に対応す 部分積和を計算し、アドレスX1に対するLUT 納データ値とする。ここでX1の要素数が8な で、アドレスビット長も8bitとなる。後半の 分応答に対しても同様にLUTのデータを計算 る。入力ビット系列Xはインターリーブされ た後に2つのビット系列X1,X2に分割され、それ ぞれを前半、後半のLUTのアドレスビットとし てLUT出力を求める。そして2つのLUT出力が加 部7の入力となり、加算結果がデジタルフィ タ1の出力信号8となる。
上述の説明のように、入力データ系列2を インターリーバ4によって時間不連続の系列 変換した後にLUTアドレスビットに分割する とによって、元のデジタルフィルタのタッ 係数Cの分布や形状に依らずにLUT毎のデータ 大値を一様に低く抑えることが可能となり その結果としてLUT6-1~6-Nの容量や、加算部7 回路規模を従来のデジタルフィルタと比較 て小さくすることができる。以下ではこの に関して詳細を説明する。
図2に光伝送路長とLUTデータ最大絶対値( 幅値)の関係の一例を示す。図2において、横 軸は光伝送路長、縦軸はデジタルフィルタを 構成する複数のLUTに格納されるデータの中の 最大絶対値を示す(タップ長64、LUT個数8)。そ て図2中にはインターリーバ4による順序入 換え処理を行った場合を実線A、行わない場 の値を破線Bで重ねてプロットしている。LUT のデータビット長は、図2に示す最大振幅値 表現可能な長さにする必要があるが、最大 幅値が大きい場合にはLUTデータビット長も きく取らなければならないため、LUT6-1~6-Nの 量や加算部7の回路規模が増大してしまう。
図2の破線Bで示すように、インターリー 4による順序入れ換え処理を行わない場合に 、光伝送路長が短い場合にLUTデータ最大振 値が大きくなる。したがって、プリコーデ ング回路(デジタルフィルタ)を図2に示した ての伝送路長に対応させたい場合には、LUT データビット長を8ビット以上(2の補数表現 場合)とする必要がある。
一方、図2の実線Aで示すように、この実 の形態のようにインターリーバ4によって入 データ系列の順序入れ換え処理を行うと、L UTデータの最大振幅値はほぼ一様となり、か 従来と比べて低く抑えることができる。し がって、この実施の形態に示すプリコーデ ング回路を図2に示した全ての伝送路長に対 応させる場合には、LUTのデータビット長は6 ットあれば充分であり、従来のプリコーデ ング装置と比較してLUT6-1~6-Nや加算部7の回路 規模を小さくすることが可能となる。
なお、この実施の形態1にかかるデジタル フィルタの説明では、インターリーバ4にお る順序入れ換え規則として式(1)を仮定した 、この発明における順序入れ換え規則はこ に限定されるものではなく、入力データ系 の順序を入れ換えるものであればどのよう 規則でも適用可能である。
インターリーバ4における適切な入れ換え 順序、規則は、元となるタップ係数振幅絶対 値の集中/分散具合に依存する。そのため、 のタップ係数を見た上で適切なインターリ ブ規則を決める必要がある。上記の例のよ にタップ中央付近に振幅の大きな係数が集 する場合は、タップの端と中央が適度に混 するようにLUTアドレスを形成できるような 序入れ換え規則にすればよい。
また図3に示すように直並列変換部(S/P)3と インターリーバ4の順番を入れ替えても実施 能である。例として2種類のインターリーバ 示す。タップ長L=8、変調多値数M=1としてイ ターリーバ4の入力系列X={x(0), x(1), x(2), x(3 ), x(4), x(5), x(6), x(7)}に対して、出力{x(0), x (2), x(4), x(6), x(1), x(3), x(5), x(7)}又は出力{x (0), x(4), x(1), x(5), x(2), x(6), x(3), x(7)}とす 。ビット系列の順序を入れ替えるという機 自体は変わらず、入力(IN)に対する出力(OUT) マッピング規則が変わるだけである。
以上のように、この発明にかかるデジタル
ィルタによれば、デジタルフィルタのタッ
係数振幅値がタップの一部分に集中するよ
な場合であっても、インターリーバによる
力データ系列の順序並べ替えの効果によっ
ルックアップテーブル部の各LUTのデータビ
ト長を低く抑えられるので、回路規模や消
電力の低減、動作速度の向上、等の効果が
時に得られる。
またこのデジタルフィルタを用いた後述す
プリコーディング装置によれば、波形歪補
に関する広い伝送路長範囲での対応、回路
模や消費電力の低減、動作速度の向上、等
効果が同時に得られる。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2にかかるプリ
ーディング装置の構成図である。このプリ
ーディング装置は上述のこの発明にかかる
ジタルフィルタが使用されている。またこ
プリコーディング装置は、後述するこの発
にかかる光送信システムで使用される。図
、上記実施の形態と同一もしくは相当部分
基本的に同一符号で示す(以下同様)。図4の
リコーディング装置21において、デジタルフ
ィルタ1-1~1-4は送信データである入力データ
列11をそれぞれ入力する。デジタルフィルタ
1-1~1-4はそれぞれ上述のデジタルフィルタか
なる。LUTデータ制御部9aは外部からの伝送路
情報等からなる制御情報20に従ってデジタル
ィルタ1-1~1-4にLUTデータ制御情報13-1~13-4をそ
れぞれ出力して制御を行い、LUTデータの変更
を行う。ビット調整部14-1~14-4はデジタルフィ
ルタ1-1~1-4の出力をそれぞれ入力しビット丸
(ビット長を所望の長さに調整する)等のビッ
ト長調整を行う。並直列変換部(P/S)15-1はビッ
ト調整部14-1、14-2の出力を並直列変換(交互に
出力)してまとめ、並直列変換部(P/S)15-2はビ
ト調整部14-3、14-4の出力を並直列変換してま
とめる。並直列変換部(P/S)15-1の出力はデジタ
ルアナログ変換器(DAC)16-1、アナログフィルタ
17-1を介して直交変調部18へ送られる。並直列
変換部(P/S)15-2の出力はデジタルアナログ変換
器(DAC)16-2、アナログフィルタ17-2を介して直
変調部18へ送られる。直交変調部18ではこれ
の信号の直交変調を行い出力信号19として
力する。なお、ビット調整部14-1~14-4、並直
変換部(P/S)15-1,15-2、デジタルアナログ変換器
(DAC)16-1,16-2、アナログフィルタ17-1,17-2および
交変調部18がデータ合成部を構成する。
次に動作を説明する。LUTデータ制御部9a 、LUTデータ制御情報13-1~13-4によりデジタル ィルタ1-1~1-4のLUTデータの設定を行う。この きデジタルフィルタ1-1および1-3のLUTデータ 、デジタルフィルタ1-1~1-4からなるプリコー ディングフィルタのタップ係数の奇数サンプ ルから上述の式(5)に従って計算された部分積 和値の実部および虚部から生成される。一般 に、積和項の中のc,sは共に複素数なので、部 分積和値も複素数となる。またデジタルフィ ルタ1-2および1-4のLUTデータはプリコーディン グフィルタのタップ係数の偶数サンプルから 同様に生成される。
なお、プリコーディングフィルタのタッ 係数は、プリコーディングによって補償す 伝送路の特性や長さなどによって異なるの 、LUTデータはそれらに応じて適宜計算し、 ータを入れ替える。この動作は、制御情報2 0によって外部より制御、指示される。ここ デジタルフィルタ1-1~1-4は実施の形態1で示し たデジタルフィルタであるので、この実施の 形態に示すプリコーディング装置21は、様々 分布を持つ伝達関数を小さな回路規模や消 電力で補償することができる。
入力データ系列11はデジタルフィルタ1-1~1-4
入力される。デジタルフィルタ1-1~1-4の動作
は、実施の形態1におけるデジタルフィルタ1
同様である。デジタルフィルタ1-1および1-2
、プリコーディングフィルタの実部のフィ
タ応答を出力する。
デジタルフィルタ1-1~1-4の出力信号には、そ
のビット長を後段のDAC16-1、16-2の量子化ビッ
数に合わせるためにビット調整部14-1および
14-2においてビット丸め処理やビットシフト
理などが施される。その後、ビット調整部14
-1、14-2の出力は並直列変換部15-1によって2倍
ーバサンプルの実部出力信号に変換されてD
AC16-1に入力される。
同様にしてビット調整部14-3、14-4の出力は
直列変換部15-2によって2倍オーバサンプルの
虚部出力信号に変換されてDAC16-2に入力され
。
これらの信号はDAC16-1、16-2においてデジタ
-アナログ変換され、その後、アナログフィ
タ17-1および17-2を通って直交変調部18への入
力信号となる。直交変調部18では、プリコー
ィングされた複素信号を用いて変調処理を
い、出力信号19を出力する。
ここでは2倍オーバサンプル出力とするため
に偶数/奇数サンプルに分ける。4倍オーバサ
プルの場合は、4n,4n+1,4n+2,4n+3の4種類のサン
ルに分ける。オーバサンプル数の分だけデ
タを分ける必要がある。また、少なくとも2
つずつのデジタルフィルタからなることは、
この発明が複素数出力を前提としていること
から、複素数を出力とする上での必須条件と
なる。
すなわち、図4を例に挙げて説明すると、デ
ジタルフィルタ1-1は元のフィルタのタップ係
数の奇数サンプルの実部に基づいた信号を出
力するデジタルフィルタで、デジタルフィル
タ1-2は偶数サンプルの実部に基づいた信号を
出力するデジタルフィルタである。デジタル
フィルタ1-1と1-2の出力はビット丸め処理又は
ビットシフト処理後、並直列変換によって2
オーバサンプリング信号となる。並直列変
部15-1の出力は、2倍オーバサンプリング動作
をするフィルタの出力の実部に相当する。同
様に、デジタルフィルタ1-3,1-4の出力を並直
変換したものはフィルタ出力の虚部に相当
る。そしてフィルタ出力の実部と虚部はDAC16
-1、16-2、アナログフィルタ17-1、17-2でデジタ
-アナログ変換された後、直交変調部18の入
となる。なお、デジタルフィルタ1-1、1-2、1
-3、1-4は1倍オーバサンプリング動作をする。
なお、図4ではDAC16-1、DAC16-2が2倍オーバサ ンプリング動作の例を示したが、デジタルフ ィルタ1-1~1-4およびビット調整部14-1~14-4の並 数を増やすことで他のオーバサンプル比に 対応可能である。また、図4ではビット丸め のビット長調整後に並直列変換を行う構成 したが、これは図5に示すように並直列変換 の後段でビット調整部によるビット丸め処理 等を行ってもよい。
また、外部からの制御情報20に従ってLUT ータ制御部9aがLUTデータ制御情報13-1~13-4によ りデジタルフィルタ1-1~1-4のLUTデータの制御 行うことに関し、一例としてLUTデータ制御 9aは、伝送路の特性や長さに応じたLUTデータ を予め保持、格納している。外部からの制御 情報20は、伝送路の特性や長さに対応したイ デックス信号からなり、LUTデータ制御部9a インデックス信号に対応するLUTデータの内 を、LUTデータ制御情報13-1~13-4により各デジ ルフィルタ1-1~1-4に伝送し、LUTの内容を更新 る。LUTデータ制御部9aがLUTデータを保持し い場合は、実施の形態1で説明したようなLUT 計算をLUTデータ制御部9a内で行い、求めら たLUTデータの内容を各デジタルフィルタ1-1~1 -4に送る。
また、回路の高速化のために、デジタル ィルタ部分を並列パイプライン動作させる 合であってもこの実施の形態の効果は同様 得られる。その場合は図4においてパイプラ イン段数分だけデジタルフィルタを増やすだ けでよい。図6に2段パイプラインの場合のプ コーディング装置の構成図を示す。図6では 、入力ビット系列Xから2つの系列X1、X2を生成 する信号編集部30を備えると共に、2段パイプ ラインのためのデジタルフィルタ1-1~1-8、ビ ト調整部14-1~14-8、2つのビット調整部の出力 合成する並直列変換部(P/S)15a-1~15a-4を備えて いる。他の部分は基本的に図4のものと同じ ある。L=16、M=1の場合、入力ビット系列X={x(0) , x(1), ...,x(15), x(16)}から信号編集部30により 2つの系列X1={x(0), x(1), ...,x(15)}とX2={x(1), ..., x(15), x(16)}を生成する。系列X1に対して系列X 2は1シンボル分新しいデータとなる。系列X1 系列X2に対してそれぞれデジタルフィルタを 用意する。3段、4段・・・とパイプライン段 が増える場合も同様に、デジタルフィルタ ビット調整部、ビット調整部の出力を合成 る並直列変換部を増やすことで対応可能で る。
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3にかかる光送
システムの構成図である。図7の光送信シス
ムは、この発明によるプリコーディング装
21を光送信における伝送歪補償に適用した
送信システムである。そしてこのプリコー
ィング装置21にはこの発明によるデジタルフ
ィルタが使用されている。図7において、光
送路情報20aは図4の制御情報20に相当し、送
データ22は図4の入力データ系列11に相当する
。そして光送信システムは、光伝送路情報20a
に従って送信データ22に光伝送路24における
長分散歪などの伝送歪補償を行うプリコー
ィング装置21を設けた光送信器26、上記光伝
路24、光伝送路24を介して信号を受信する光
受信器25を備えている。光送信器26のプリコ
ディング装置21における直交変調部(図4~6参
)は、例えば出力側に電気-光変換部(図示省
)を含む光信号を出力するものからなる。ま
光受信器25の入力側には、光信号を電気信
に変換する光-電気変換部(図示省略)が備え
れている。
次に、図7の光送信システムの動作を説明す
る。送信データ22はプリコーディング装置21
入力される。送信データ22はプリコーディン
グ装置21においてシンボルマッピングされ、
伝送路24における伝送歪を補償するため、
伝送路情報20aに基いてプリコーディング処
され、光変調信号として出力される。プリ
ーディング装置21の出力信号は、光伝送路24
よって伝送歪を受け、光受信器25によって
調処理が行われる。
プリコーディング装置21のデジタルフィル
中のLUTは書き換え可能なメモリからなる。
送中に速い頻度でLUTを更新することは想定
れていないが、光伝送路24等の伝送経路の切
り替えより伝送路歪みの量が変化した場合は
、LUTを更新する。そのための光伝送路情報20a
は、例えば外部に計測手段(図示省略)が別途
って、この計測手段から送られてくる。光
送路情報20aとしては、例えば波長分散値と
ばれる伝送路パラメータからなる。
このように、この発明にかかるプリコー ィング装置及び光送信システムによれば、 通信などによる情報伝送において、幅広い 送路歪を小さな回路規模、消費電力の回路 補償可能であり、伝送信号の品質の向上が 能となる。
なお上記各実施の形態では、光伝送の場 について説明したが、この発明はこれに限 されず、電波や電磁波を伝送媒体とする有 、無線による通信等、その他の種類の通信 式の装置にも適用可能であり相当の効果を する。
この発明にかかるデジタルフィルタ、プ コーディング装置、光送信システムは多種 分野に適用可能である。