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Patent Searching and Data


Title:
DIRECT-ACTING GUIDE DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028328
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a direct-acting guide device, which is enabled to have a superhigh action precision by suppressing the waving phenomena. The direct-acting guide device (10) comprises a track rail (11) having a rolling-element running groove (12) formed therein, a moving block (21) having a loading rolling-element groove (22) formed therein to confront the rolling-element running groove (12), and a plurality of balls (31) disposed to roll in a loading rolling way (16) which is constituted of the rolling-element running groove (12) and the loading rolling-element groove (22), whereby the moving block (21) can reciprocate in the longitudinal direction of the track rail (11). The direct-acting guide device (10) has plural sets of plural-row ball-circulating rows, each set of which has a plurality of ball-circulating rows formed by the balls (31) to roll in series and in which two ball-circulating rows are formed adjacent to each other. The two ball-circulating rows constituting the plural-row ball-circulating rows are connected inbetween by a retainer.

Inventors:
TAKAHASHI TORU (JP)
NOBUKUNI MITSUHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064441
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
August 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
THK CO LTD (JP)
TAKAHASHI TORU (JP)
NOBUKUNI MITSUHIRO (JP)
International Classes:
F16C29/06
Foreign References:
JPH05126149A1993-05-21
JP2000130434A2000-05-12
JP2001074048A2001-03-23
JP2000320553A2000-11-24
JPH07317762A1995-12-08
JP2000055047A2000-02-22
Attorney, Agent or Firm:
ISHIKAWA, Yasuo (17-11 Shiba 2-chome,Minato-k, Tokyo 14, JP)
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Claims:
 長手方向に沿って転動体転走溝が形成される軌道レールと、
 前記転動体転走溝に対向する負荷転動体転走溝が形成される移動ブロックと、
 前記転動体転走溝と前記負荷転動体転走溝とによって構成される負荷転走路内に転動自在に設置される複数のボールと、
 を有することにより、前記移動ブロックが前記軌道レールの長手方向で往復運動自在とされる直動案内装置であって、
 前記複数のボールが連なり転走することによって形成されるボール循環列を複数列有するとともに、当該ボール循環列が2列隣り合うことによって形成される1組の複列ボール循環列を複数組有し、
 前記複列ボール循環列を構成する2列のボール循環列が、その列間をリテーナで連結されることによってボール循環の同期がとられていることを特徴とする直動案内装置。
 請求項1に記載の直動案内装置において、
 前記移動ブロックは、
 前記負荷転動体転走溝と当該負荷転動体転走溝に略平行な無負荷転走路が形成される移動ブロック本体部と、
 前記負荷転走路と前記無負荷転走路の端同士を連通する方向転換路が形成されるとともに前記移動ブロック本体部の両端にそれぞれ装着される一対の側蓋体と、
 を備え、
 負荷転走路、無負荷転走路及び一対の方向転換路によって形成される無限循環路が、前記リテーナと接触しないように構成されていることを特徴とする直動案内装置。
 請求項2に記載の直動案内装置において、
 前記無負荷転走路及び前記一対の方向転換路は、ボールの転走方向に対して垂直方向の断面で見たときに、長円形にて形成されていることを特徴とする直動案内装置。
 請求項2に記載の直動案内装置において、
 前記リテーナは、ボール循環列の側部にボール循環列に沿って延びる補強部が形成されていることを特徴とする直動案内装置。
 請求項4に記載の直動案内装置において、
 前記無負荷転走路及び前記一対の方向転換路は、ボールの転走方向に対して垂直方向の断面で見たときに、前記ボールの表面を案内するように突起部が形成されていることを特徴とする直動案内装置。
 請求項3又は5に記載の直動案内装置において、
 前記無負荷転走路は、一対の半割部材を組み合わせることによって形成されることを特徴とする直動案内装置。
 請求項2~6のいずれか1項に記載の直動案内装置において、
 前記一対の側蓋体は、前記複数のボールが前記負荷転走路と前記方向転換路との境界を移動するときにボールを掬い上げる掬い部を備えており、
 前記掬い部は、同期して循環する2列のボール循環列の両外側のみを掬うように形成されていることを特徴とする直動案内装置。
 請求項7に記載の直動案内装置において、
 前記掬い部は、舟形形状にて構成されていることを特徴とする直動案内装置。
 請求項1~8のいずれか1項に記載の直動案内装置において、
 前記無限循環路が8条設けられていることを特徴とする直動案内装置。
Description:
直動案内装置

 本発明は、直動案内装置に係り、特に、 ェービング現象の発生を抑制することによ て運動精度の向上を図った直動案内装置に するものである。

 機械の直線運動を転動体の回転を通じて 内する直動案内装置は、現在、あらゆる分 の機械装置で使用されるものである。かか 直動案内装置にあっては、これまで運動精 (位置決め精度、追従精度、走行精度など) 向上を図るために様々な改良が施されてき おり、例えば下記表1に示されるように、300m m当たりの真直精度では0.5μm~1.0μm、ウェービ グ精度では0.05μm~0.1μmを満足する精密直動 内装置が実現するに至っている。

 これらの改良は、例えば無限循環するボ ルが無負荷域から負荷域に移動する際の転 り運動をスムーズなものとするために、当 箇所に設けられるクラウニング形状を最適 するなどといった、改良技術の積み重ねに って成されてきた経緯がある。

 しかしながら、近時の産業界にあっては さらなる直動案内装置の高精度化を要望さ ており、例えば300mm当たりの真直精度では0. 1μm~0.5μm、ウェービング精度では0.01μm~0.05μm どといった運動精度を満足する、超精密直 案内装置を実現することが求められている( 下記表2参照)。また、この超精密直動案内装 を実現した場合の更なる目標としては、下 表2で示される超々精密の直動案内装置の実 現が期待されている。そして、このような超 精密直動案内装置等を実現する際に乗り越え なければならない技術障壁として、ウェービ ング現象の極小化を図るという課題が存在し ていた。

 すなわち、ウェービング現象とは、転動 の転走溝に対する周期的な相対位置のずれ 起因する移動ブロックの姿勢変化や振動(脈 動)のことであるが、これまでウェービング 象を最小限に抑えるためには、移動ブロッ の転走溝の両端部、すなわち転走溝の無負 域と負荷域との境界位置に形成されたクラ ニングと密接な関係があり、このクラウニ グの形状を最適化することによってウェー ングの極小化を図ろうとする試みが成され きた。

 ただし、クラウニング形状の最適化とい 観点からの改良だけでは、産業界が要求す 超精密直動案内装置を実現することは難し 、新たな観点からの改良技術を創案するこ が求められていた。

 本発明は、上述した課題の存在に鑑みて されたものであって、その目的は、ウェー ング現象を抑制することによって、産業界 要求する超精密な直動案内装置を提供する とにある。

 本発明に係る直動案内装置は、長手方向 沿って転動体転走溝が形成される軌道レー と、前記転動体転走溝に対向する負荷転動 転走溝が形成される移動ブロックと、前記 動体転走溝と前記負荷転動体転走溝とによ て構成される負荷転走路内に転動自在に設 される複数のボールと、を有することによ 、前記移動ブロックが前記軌道レールの長 方向で往復運動自在とされる直動案内装置 あって、前記複数のボールが連なり転走す ことによって形成されるボール循環列を複 列有するとともに、当該ボール循環列が2列 隣り合うことによって形成される1組の複列 ール循環列を複数組有し、前記複列ボール 環列を構成する2列のボール循環列が、その 間をリテーナで連結されることによってボ ル循環の同期がとられていることを特徴と る。

 本発明に係る直動案内装置において、前 移動ブロックは、前記負荷転動体転走溝と 該負荷転動体転走溝に略平行な無負荷転走 が形成される移動ブロック本体部と、前記 荷転走路と前記無負荷転走路の端同士を連 する方向転換路が形成されるとともに前記 動ブロック本体部の両端にそれぞれ装着さ る一対の側蓋体と、を備え、負荷転走路、 負荷転走路及び一対の方向転換路によって 成される無限循環路が、前記リテーナと接 しないように構成することが好適である。

 また、本発明に係る直動案内装置におい 、前記無負荷転走路及び前記一対の方向転 路は、ボールの転走方向に対して垂直方向 断面で見たときに、長円形にて形成されて ることが好適である。

 さらに、本発明に係る直動案内装置にお て、前記リテーナは、ボール循環列の側部 ボール循環列に沿って延びる補強部が形成 れていることが好適である。

 また、本発明に係る直動案内装置におい 、前記無負荷転走路及び前記一対の方向転 路は、ボールの転走方向に対して垂直方向 断面で見たときに、前記ボールの表面を案 するように突起部が形成されていることが 適である。

 さらに、本発明に係る直動案内装置にお て、前記無負荷転走路は、一対の半割部材 組み合わせることによって形成することが きる。

 またさらに、本発明に係る直動案内装置 おいて、前記一対の側蓋体は、前記複数の ールが前記負荷転走路と前記方向転換路と 境界を移動するときにボールを掬い上げる い部を備えており、前記掬い部は、同期し 循環する2列のボール循環列の両外側のみを 掬うように形成することができる。

 さらにまた、本発明に係る直動案内装置 おいて、前記掬い部は、舟形形状にて構成 ることができる。

 また、本発明に係る直動案内装置では、 記無限循環路が8条設けられていることとす ることができる。

 本発明によれば、ウェービング現象を抑 することが可能となるので、産業界が要求 る超精密な直動案内装置を提供することが きる。

第1の実施形態に係る直動案内装置の概 略構成を説明するための部分破断斜視図であ る。 図1の要部拡大図である。 図1で示した第1の実施形態に係る直動 内装置の半縦断面図である。 図3の要部拡大図である。 第1の実施形態に係る直動案内装置の 形例を説明するための要部拡大図である。 第1の実施形態に係る直動案内装置の 形例に用いられるリテーナの正面図である 図4Bにおけるリテーナの側面図である 第1の実施形態に係る複列ボール循環列 が無負荷域から負荷域へ移動する様子を示し た概略図である。 図5の要部拡大図である。 ボールが掬い部によって掬い上げられ 様子を示す図である。 掬い部の変形例を説明するための図で ある。 図7で示した掬い部の構成を説明するた めの斜視図である。 方向転換路を転走する複列ボール循環 の様子を示す図である。 第1の実施形態に係る直動案内装置の 様な変形例を示す概略図である。 ISO規格が規定する直動案内装置(Series  1)の形状を示す図であり、その寸法は表3にて 示されている。 ISO規格が規定する直動案内装置(Series  2)の形状を示す図であり、その寸法は表4にて 示されている。 ISO規格が規定する直動案内装置(Series  3)の形状を示す図であり、その寸法は表5にて 示されている。 数値解析で定義された直動案内装置の 座標系を示す図である。 型番 # 15において負荷転動体転走溝長さ基準値l t を変化させたときのボール径とウェービング 値との関係を示す図である。 型番 # 25において負荷転動体転走溝長さ基準値l t を変化させたときのボール径とウェービング 値との関係を示す図である。 型番 # 45において負荷転動体転走溝長さ基準値l t を変化させたときのボール径とウェービング 値との関係を示す図である。 型番 # 55において負荷転動体転走溝長さ基準値l t を変化させたときのボール径とウェービング 値との関係を示す図である。 型番 # 65において負荷転動体転走溝長さ基準値l t を変化させたときのボール径とウェービング 値との関係を示す図である。 型番 # 25、負荷転動体転走溝長さ基準値l t =100のときに、外部荷重を0.10Cから0.50Cで変化 せた場合のボール径とウェービング値との 係を示す図である。 図15で示した数値解析結果の波形を拡 することによって、更なるウェービング値 ボール径との関係を明らかにした図である 図16で示した数値解析結果の波形を拡 することによって、更なるウェービング値 ボール径との関係を明らかにした図である 図17で示した数値解析結果の波形を拡 することによって、更なるウェービング値 ボール径との関係を明らかにした図である 図18で示した数値解析結果の波形を拡 することによって、更なるウェービング値 ボール径との関係を明らかにした図である 図19で示した数値解析結果の波形を拡 することによって、更なるウェービング値 ボール径との関係を明らかにした図である 表7で示した解析結果をタイプごとに 較するために折れ線グラフで表した図であ 。 第2の実施形態に係る直動案内装置の 観斜視図である。 第2の実施形態に係る直動案内装置の 断面図である。 第1の実施形態と第2の実施形態を組み わせた構成の直動案内装置を例示する図で る。

符号の説明

 10 直動案内装置、11 軌道レール、12 転 体転走溝、13 ボルト取付孔、16 負荷転走 、21 移動ブロック、22 負荷転動体転走溝、 23 移動ブロック本体部、24 側蓋体、25 雌ね じ、26 無負荷転走路、27 リターンピース、3 1 ボール、35 リテーナ、35a 間挿部、35b 連 部、36 方向転換路、37 空間、38a,38b 半割 材、39 掬い部、50 直動案内装置、51 軌道 ール、52 移動ブロック、60 直動案内装置、 61 軌道レール、61a 転動体転走溝、61b ボル 取付孔、62 ボール、63 移動ブロック、64  動ブロック本体部、64a 負荷転動体転走溝 64b 上面、64c 雌ねじ、66 側蓋体、67 負荷 走路、68 方向転換路、70 無負荷転走路、80 直動案内装置。

[発明者の着想]
 筆頭発明者の調査・研究によって、軌道レ ルと、この軌道レールに組み付けられる移 ブロックとで構成される直動案内装置にお ては、上下方向のウェービングに比較して 右方向のウェービングが平均値で倍以上悪 することが確認された。そして、この現象 発生させる原因として、筆頭発明者は、ボ ルが無負荷域から負荷域へと移動する際の イミングのアンバランスにあるのではない との着想を得るに至った。

 すなわち、一般的な水平使用の直動案内 置を想定した場合、上下方向の安定度に寄 する軌道レールの上側に位置するボール循 列には、常にラジアル荷重が作用している とが知られている。そして、軌道レールの 側に位置するボール循環列が2列の場合を考 えると、移動ブロックをこじらずにボールを 弾性変形させるためには、左右2列のボール 置が揃った形で無負荷域から負荷域へと移 するのが最も効率的であり、その結果、2列 ボール位置は自ずと揃った状態を維持しよ とすることが考えられる。

 一方、軌道レールの左右方向に位置する ール循環列を考えた場合、移動ブロックの 右方向のボール循環列には、軌道レールの 側のような規制力が働かない。したがって 軌道レールの左右方向に位置するボール循 列では、ボールが無負荷域から負荷域へと 動する際のタイミングが揃わず、その現象 ウェービングを増大させる一因であると考 られたのである。

 そこで、発明者らは、軌道レールの左右 向に位置するボール循環列において、無負 域から負荷域へと移動するボールのタイミ グを揃えるための改良を施した新たな直動 内装置を具体化した。以下に、筆頭発明者 見出した上述の好適な条件を満足する直動 内装置の第1の実施形態について、図面を用 いて説明する。なお、以下の第1の実施形態 、各請求項に係る発明を限定するものでは く、また、第1の実施形態の中で説明されて る特徴の組み合わせの全てが発明の解決手 に必須であるとは限らない。

[直動案内装置の具体例]
 図1は、第1の実施形態に係る直動案内装置 概略構成を説明するための部分破断斜視図 ある。第1の実施形態に係る直動案内装置10 、長手方向に沿って転動体転走溝12が形成さ れる軌道レール11と、この転動体転走溝12に 向する負荷転動体転走溝22が形成される移動 ブロック21と、転動体転走溝12と負荷転動体 走溝22とによって構成される負荷転走路16内 転動自在に設置される複数のボール31とを することにより、移動ブロック21が軌道レー ル11の長手方向で往復運動自在とされる装置 ある。

 軌道レール11は概略矩形の断面を有する 尺の部材であり、その左右両側面にボール31 を受け入れ可能な転動体転走溝12が軌道レー 11の長手方向に沿って形成されている。ま 、第1の実施形態に係る直動案内装置10の場 、軌道レール11の左右両側面にそれぞれ2条 つ、合計4条の転動体転走溝12が形成されて る。軌道レール11には、その長手方向に適宜 間隔をおいて複数のボルト取付孔13が形成さ ており、これらボルト取付孔13に螺着され ボルト(不図示)によって、軌道レール11が所 の取付面、例えば工作機械のベッドの上面 固定される。なお、図示の軌道レール11は 線状であるが、一定の曲率を持った曲線状 レールが使用されることもある。

 一方、移動ブロック21は、鋼等の強度の い材料にて構成された移動ブロック本体部23 と、その移動ブロック本体部23の両端にボル (不図示)にて固定される一対の側蓋体24,24と を備えている。

 移動ブロック本体部23には、軌道レール11 の転動体転走溝12とそれぞれ対向する負荷転 体転走溝22が設けられている。これら転動 転走溝12と負荷転動体転走溝22との組み合わ によって、軌道レール11と移動ブロック21と の間に負荷転走路16が形成される。移動ブロ ク本体部23の上面には複数(図1では6本)の雌 じ25が形成されており、これらの雌ねじ25を 利用することによって、移動ブロック21が所 の取付面、例えば工作機械のサドルやテー ルの下面に固定される。

 また、移動ブロック本体部23には、負荷 動体転走溝22に対して略平行な無負荷転走路 26が形成されている。一方、移動ブロック本 部23の両端に固定される一対の側蓋体24,24に は、側蓋体24に埋め込み設置されたリターン ース27によって形成された方向転換路36がそ れぞれ形成されており、これら方向転換路36 負荷転走路16と無負荷転走路26の端同士を連 通することによって、無限循環路が形成され る。すなわち、移動ブロック本体部23への一 の側蓋体24,24の装着によって、方向転換路36 が負荷転走路16と無負荷転走路26とを連通し 無限循環路を形成している。第1の実施形態 係る直動案内装置10は、以上のような構成 備えているので、移動ブロック21が軌道レー ル11の長手方向で往復運動自在となっている

 以上のような基本構成を有する第1の実施 形態に係る直動案内装置10では、上述したよ に複数のボール31が連なり転走することに って形成されるボール循環列が4列形成され のであるが、この4列のボール循環列は2列 つが隣り合うように構成されており、合計 2組の複列ボール循環列を構成している。

 そして、第1の実施形態に係る直動案内装 置10の最も特徴的な構成として、2組の複列ボ ール循環列のそれぞれは、図2乃至図4におい より詳細に示すように、複列ボール循環列 構成する2列のボール循環列が、その列間を リテーナ35で連結されていることが挙げられ 。したがって、第1の実施形態では、リテー ナ35の作用によって2列のボール循環列の間で ボール循環の同期がとられ、無負荷域である 方向転換路36から負荷域である負荷転走路16 と移動するボール31のタイミングを揃えるこ とが可能となっているのである。

 なお、図2乃至図4に示されるように、リ ーナ35は、個々のボール31間にあってボール3 1の保持を行う間挿部35aと、複数の間挿部35a 連結することによって複列ボール循環列を 現する連結部35bとから構成されている。間 部35aは、ボール31の径よりも小さい外径を有 するように形成されており、また、連結部35b についても、図3及び図4において明らかな通 、上下2列に並ぶボール31の径に対して左右 にはみ出さないように配置されている。

 一方、上記リテーナ35を有する複列ボー 循環列は、無負荷転走路26及び一対の方向転 換路36,36内を無負荷の状態で循環するのであ が、この複列ボール循環列の経路である無 荷転走路26及び一対の方向転換路36,36は、ボ ール31の転走方向に対して垂直方向の断面で たときに、長円形にて形成されていること 特徴としている。複列ボール循環列の経路 断面長円形で形成することによって、リテ ナ35は、無限循環路の無負荷域全てにおい 他部材との接触が回避され、スムーズな無 循環が実現するのである。

 さらに、断面長円形で形成された経路と 列ボール循環列との間には、中央部分に空 37が形成されており、この空間37がグリース ポケットとしての機能を発揮するので、複列 ボール循環列は好適な潤滑状態を常時維持す ることが可能となっている。

 なお、無負荷転走路26については、移動 ロック本体部23に円筒形の孔を形成し、この 孔に筒状の部材を埋め込み設置することによ って形成することが可能である。このとき、 筒状の部材は、図3及び図4に示される一対の 割部材38a,38bを組み合わせることによって簡 易に形成可能であり、かかる構成の採用によ って無負荷転走路26の加工が容易となり、製 コスト上のメリットを享受することができ 。

 なお、リテーナ35は、図4B及び図4Cに例示 れているように、ボール循環列の左右側部 補強部35Cを形成することが可能である。こ 補強部35cについて、図4A乃至図4Cを用いて説 明を行う。ここで、図4Aは、第1の実施形態に 係る直動案内装置の変形例を説明するための 要部拡大図であり、図4Bは、第1の実施形態に 係る直動案内装置の変形例に用いられるリテ ーナの正面図であり、図4Cは、図4Bにおける テーナの側面図である。

 図4Cに例示されているように、補強部35c 、ボール31の中心から若干下方向にオフセッ トして形成されている。このように補強部35C をボールの転走方向に沿って形成すれば、リ テーナ35の曲げ強度の向上及び、ボール31の 持強度の向上を図ることができる。

 また、リテーナ35に補強部35Cを形成した 合には、図4Aに例示するように、一対の半割 部材38a、38bにボールガイド壁38c、38d及び逃げ 溝38eを形成することができる。このように、 無負荷転走路にボールガイド壁38c、38dを形成 すれば、ボール循環列毎にボール31を案内す ことができるので、リテーナ35の過度の変 を防止することができる。また、リテーナ35 は、移動ブロック21内部に充填された潤滑剤 長期にわたり接触し、又は引っ張り荷重を り返し受けること、及びその他の要因によ 経年変化等によって、若干の変形を生ずる 合がある。そのような変形が生じた場合で っても、ボールガイド壁38c、38dによってボ ル31の移動軌跡を一定に保つことができ、 期間にわたって安定したボール31の循環を達 成することができる。

 さらに、第1の実施形態に係る直動案内装 置10は、ボール循環経路での無負荷域と負荷 との境界の構成、すなわち、方向転換路36 負荷転走路16との境界部分の構成に有意な特 徴を備えている。この有意な特徴について、 図5乃至図9を用いて説明を行う。ここで、図5 は、第1の実施形態に係る複列ボール循環列 無負荷域から負荷域へ移動する様子を示し 概略図であり、図6は、図5の要部拡大図であ る。また、図7は、ボールが掬い部によって い上げられる様子を示す図であり、図7Aは、 掬い部の変形例を説明するための図であり、 図8は、図7で示した掬い部の構成を説明する めの斜視図である。さらに、図9は、方向転 換路を転走する複列ボール循環列の様子を示 す図である。

 図5及び図6に示すように、移動ブロック21 を構成する一対の側蓋体24,24には、複数のボ ル31が負荷転走路16と方向転換路36との境界 移動するときにボール31を掬い上げるため 掬い部39が形成されている。この掬い部39は 同期して循環する2列のボール循環列の両外 側のみを掬うように形成されていることから 、この領域においてもリテーナ35と他部材と 接触が回避されている。また、掬い部39は 図7及び図8からも明らかな通り、舟形形状に て構成されていることから、ボール31は負荷 走路16と方向転換路36との境界を移動するに したがって徐々に掬い上げられ、非常にスム ーズな循環移動をすることが可能となってい る。その後、掬い部39を通過した複列ボール 環列は、図9に示すように、カーブを描いて 方向転換路36内を循環し、負荷転走路16(ある は無負荷転走路26)へと送り出されることと る。

 なお、リテーナ35については、図3に示さ るように、複列ボール循環列が負荷転走路1 6を循環する際にも他部材と接触することが い。つまり、リテーナ35は、無限循環路の全 てにおいて他部材との接触が回避されており 、このことから複列ボール循環列のスムーズ な無限循環が実現している。

 以上、本発明の好適な第1の実施形態につ いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記 第1の実施形態に記載の範囲には限定されな 。上記第1の実施形態には、多様な変更又は 良を加えることが可能である。

 例えば、図1乃至図9で説明した第1の実施 態に係る直動案内装置10は、左右に2条ずつ 計4条のボール循環列を有するものであり、 左右に1組ずつ合計2組の複列ボール循環列を するものであった。しかしながら、このボ ル循環列の列数や複列ボール循環列の組数 ついては種々の形態変更が可能であり、図1 0で例示するように、合計8条のボール循環列 形成することによって、軌道レール51上面 2組、左右に1組ずつ合計4組の複列ボール循 列を有する直動案内装置50としてもよい。こ れらボール循環列の列数や複列ボール循環列 の組数については、2列のボール循環列の間 ボール循環の同期をとることと、リテーナ35 が無限循環路の全域において他部材と接触し ないことを条件として、任意に変更可能であ る。かかる構成の採用によってさらに移動ブ ロック52の往復運動は安定性を増し、ウェー ングの抑制を図ることが実現する。

 また、図7Aに例示するように、ボール循 列の各々について船形形状の掬い部39a、39b 形成することもできる。このようにボール 環列の各々について船形形状の掬い部39a、39 bを形成すれば、ボール循環列毎にボールを うため、ボールを掬う位置がほとんど変化 ることがなく、掬い部39a、39bでのボール循 列のボール姿勢が安定し、無限循環するボ ルが負荷域から無負荷域に移動する箇所で ボールの出入りの影響を小さく出来る方向 なるので、移動ブロックの姿勢変動や振動( 動)を極小化することができる。また、掬い 部の形状は、上述したように船形形状に形成 した場合に限定されず、従来から用いられて いたように、リップ形状でボールを掬う形状 としても構わない。

[さらなる改善のための着想]
 さらに筆頭発明者は、今回初めて、直動案 装置に用いられるボールの径を小さくする とによって、ウェービング現象を抑制する とができるのではないかとの着想を得るに った。なぜなら、ボールを小径化すること よって剛性は高くなるので、運動精度の向 に寄与するのではないかと考えたからであ 。また、ボールを小径化することは、ボー 1個当たりに対する荷重あるいは面圧を下げ る方向となり、さらに、クラウニング形状が 設けられた箇所、すなわち無限循環するボー ルが無負荷域から負荷域に移動する箇所での ボールの出入りの影響を小さくできる方向と なるので、移動ブロックの姿勢変動や振動( 動)を極小化できると考えられる。

 ただし、直動案内装置に関わる従来の設 者は、ボールを小径化すると直動案内装置 定格荷重が小さくなってしまうので、ボー の径を小さくするという設計思想自体を持 ことはなかった。したがって、従来技術で 、クラウニング形状が設けられた箇所にお るボールの通過振動を抑制するためには、 えば、移動ブロックの長さを大きくするこ によって従来の径を持ったボールの設置数 多くし、運動精度の向上を図ろうとする試 などが行われていた(例えば、特開2000-46052 公報参照)。

 しかしながら、移動ブロックの長さを大き することは、図11乃至図13、及びこれら図11 至図13に対応する表3乃至表5によって示され るISO規格(ISO/CD 12090-1 及び ISO/CD 12090-2)の移 動ブロック長さB MAX を逸脱するものであり、ユーザにと
っては使用条件が大きく制約されるという問 題を有していた。

 そこで筆頭発明者は、移動ブロックが上 ISO規格に準拠するブロック長を有し、且つ 直動案内装置に要求される定格荷重を維持 ながらも剛性を向上させることのできる直 案内装置を得るべく、最適なボール径を見 そうと努力したのである。次に、筆頭発明 が行った独自の数値解析の内容について、 細に説明を行うこととする。

[ボール小径化についての着想の検証(数値解 )]
 図14に、数値解析で定義された直動案内装 の座標系を示す。数値解析で想定する外部 重は、図14に示すように直動案内装置の中心 にとられた座標原点に作用するものとし、そ の座標原点におけるウェービング値を算出す ることとした。また、z軸方向、つまり鉛直 向ウェービングに焦点をあてて解析を行う ととした。

 さらに、数値解析では、5種類の型番( # 15, # 25, # 45, # 55, # 65であり、それぞれの数字が軌道レールの幅 向寸法(単位mm)を示している)を対象にボー 径と移動ブロックの負荷転動体転走溝長さ 変化させて、各々のボール径、移動ブロッ の負荷転動体転走溝長さに対して最適なク ウニング形状を付与させたときのウェービ グ値を算出した。このときの外部荷重は0.1C 純ラジアル荷重であり、最適クラウニング さはクラウニングを付与しない状態で0.1Cの 純ラジアル荷重を作用させたときの最大ボー ル弾性変形量の値とした。また、クラウニン グ形状は、直線クラウニングとしている。数 値解析の解析条件の詳細を表6に示す。

 以上の条件での数値解析を実施した結果、 15乃至図19に示すような解析結果を得た。こ こで、図15乃至図19は、各型番( # 15, # 25, # 45, # 55, # 65)において負荷転動体転走溝長さ基準値l t を変化させたときのボール径とウェービング 値との関係を示す図である。なお、図15乃至 19中において製品A,製品Bと表記されるもの 、出願人が製造販売している従来の直動案 装置の製品シリーズを例示するものであり かかる製品シリーズごとで従来から使用さ ているボール径(D a )を縦方向の線分を引くことによって参考値 して示している。

 そして、図15乃至図19で示される数値解析結 果から分かったことは、いずれの負荷転動体 転走溝長さ基準値l t であっても、ボール径が小さくなれば小さく なるほどウェービング値が小さくなるという ことである。

 また、上記知見を得たことから、さらに直 案内装置に加わる外部荷重の違いによる影 を把握するために、型番 # 25、負荷転動体転走溝長さ基準値l t =100のときに、外部荷重を0.10Cから0.50Cで変化 せた場合のボール径とウェービング値との 係を求めた。その解析結果が、図20に示さ ている。図20から分かるとおり、外部荷重が 大きければ大きいほどウェービング値が大き くなることは予想されたことであったが、一 方で、どのような大きさの外部荷重であって も、ボール径が小さくなれば小さくなるほど ウェービング値が小さくなるという傾向に変 わりはないことが明らかとなった。

 以上の結果を得たことから、筆頭発明者 、ウェービング精度が0.01μm~0.05μmの超精密 動案内装置、あるいはウェービング精度が0 .01μm以下の超々精密直動案内装置を想定した 場合の最適なボール径を求めるために、図15 至図19で示した数値解析結果の波形を拡大 、ウェービング値が0.05μm以下となっている 合のウェービング値とボール径との関係を めることとした。その結果を、図21乃至図25 に示す。

 そして、図21乃至図25で示される解析結果 から、図21乃至図25の波形は、図中の縦方向 破線で示される箇所が変化点となり、この 線より左側のボール径が大きい方でウェー ング値の変化が大きく(すなわち、ボール径 径化の影響が大きいことを示している)、破 線より右側ではウェービング値の変化が小さ いことが分かった(すなわち、破線の値より ール径を小さくしてもウェービング値の抑 には影響が少ない)。

 さらに、図21乃至図25で示される解析結果か ら分かったこととして、型番 # 15の場合はボール径が1.5mmより小さくなると ェービング値が安定して小さくなり、型番 # 25の場合はボール径が3.0mmより小さくなると ェービング値が安定して小さくなり、型番 # 45の場合はボール径が4.5mmより小さくなると ェービング値が安定して小さくなり、型番 # 55の場合はボール径が5.7mmより小さくなると ェービング値が安定して小さくなり、型番 # 65の場合はボール径が6.5mmより小さくなると ェービング値が安定して小さくなるという とが挙げられる。

 この結果をボールの直径と軌道レールの幅 の関係として整理すると、型番 # 15の場合はボールの直径が軌道レールの幅の1 /10となったときに上記変化点が現れ、型番 # 25の場合はボールの直径が軌道レールの幅の1 /8.33となったときに上記変化点が現れ、型番 # 45の場合はボールの直径が軌道レールの幅の1 /10となったときに上記変化点が現れ、型番 # 55の場合はボールの直径が軌道レールの幅の1 /9.65となったときに上記変化点が現れ、型番 # 65の場合はボールの直径が軌道レールの幅の1 /10となったときに上記変化点が現れることが 明らかとなった。しかもこれらの結果は、全 ての型番を総合しても、その変化点が0.008μm~ 0.002μm以下のウェービング値を満足するもの あり、ボールの直径が軌道レールの幅の1/10 以下となるように直動案内装置を構成すれば ウェービング精度が0.01μm以下の超々精密直 案内装置を実現できることを示している。

 なお、図21乃至図25で示される解析結果か ら、ボール径の下限値については小さければ 小さいほどウェービング値を抑制する方向に なることが明らかであり、製造技術上の制約 が存在しなければ、ボール径は限りなく0(ゼ )に近い値であればあるほど良いことが予想 される。ただし、現時点での製造技術を鑑み ると、現実的なボール直径の下限値は、0.7mm~ 0.5mm程度であるとすることができる。

[実用化への更なる改良]
 さらに、筆頭発明者は、ボール径を小径化 ることによる定格荷重の低下に対する対策 して、無限循環路の条数Lを増加させること を着想し、その効果を検証することとした。

 具体的な検証方法としては、下記表7に示 すように、出願人が従来から製造販売してい るSNS45という製品シリーズの直動案内装置を い、従来品であるSNS45と、SNS45のボールを小 径化したもの(すなわち、ボールの直径が軌 レールの幅の1/10以下となるようにしたもの あり、無限循環するボールの条数は4条であ る)、及びSNS45でボールを小径化するとともに 無限循環するボールの条数を8条としたもの という3つのタイプの製品を想定した。そし 、それぞれのタイプの製品ごとに、基本動 格荷重(Basic dynamic load rating)、ウェービン 値(Waving amplitude)、及びラジアル方向変位(Ra dial displacement)を解析ソフトによって算出し 。その解析結果を、表7及び図26に示す。な 、図26は、表7で示した解析結果をタイプご に比較するために折れ線グラフで表した図 ある。

 その結果、従来品であるSNS45と、SNS45のボ ールを小径化したものとを比べると、SNS45の ールを小径化したものは、ウェービング値 ラジアル方向変位が低下(改善)しているも の、基本動定格荷重も同時に低下(悪化)して おり、直動案内装置としての案内能力の低下 が危惧される。

 しかし、SNS45でボールを小径化するとと に無限循環するボールの条数を8条としたも については、SNS45のボールを小径化したの のものと比較して、さらにウェービング値 ラジアル方向変位が低下(改善)しながらも、 基本動定格荷重が非常に向上(良化)している この解析結果から、本発明品である「小径 ール」と「8条」を組み合わせた形式の直動 案内装置は、従来と同程度の運動案内機能( 本動定格荷重)を維持しながらも、運動精度 飛躍的に向上するという、非常に有意な効 を発揮できることが明らかとなった。

 なお、無限循環するボールの条数につい は、バランスのとれた安定走行可能な直動 内装置を得ることを考慮して、無限循環す ボールの条数をL=4×N(Nは2以上の自然数)とな るように構成することが好適であると考えら れる。ただし、条数Lの現実的な値について 、上記数式を満足するものであれば良いの あるが、ISO準拠の直動案内装置を想定した 合の値として、条数Lを8とすることが好まし い。

 以上の内容をまとめると、直動案内装置 用いられるボールの小径化、具体的にはボ ルの直径が軌道レールの幅の1/10以下となる ように構成することによって、ウェービング の発生を極小化できることが明らかとなった 。

 また、無限循環するボールの条数の多条 、具体的にはボールの条数LをL=4×N(Nは2以上 の自然数)となるように構成することによっ 、直動案内装置に用いられるボールの個数 増加し、ボールの小径化によって危惧され 定格荷重の低下を防止することが可能とな た。さらに、ボールの条数の多条化には、 ェービングの発生を抑制する効果があるこ も明らかとなった(図26参照)。

 なお、「ボールの小径化」と「条数の多 化」は、いずれも直動案内装置に設置され ボールの個数が増加することにつながるの 、ボール1個当たりに対する荷重あるいは面 圧を下げるといった有意な構成を取り得るこ とを示しており、かかる構成の効果によって 、直動案内装置における運動精度の向上(例 ば、移動ブロックの姿勢変動や振動(脈動)の 極小化)が実現する。また、「ボールの小径 」と「条数の多条化」は、ISO準拠の移動ブ ック長を維持しながらも上述したボール設 個数を増加させることにつながるので、「 ールの小径化」と「条数の多条化」との相 効果によって、直動案内装置における運動 度の向上が実現している。ちなみに、「ボ ルの小径化」は、移動ブロックの体積増加 も寄与するので、移動ブロックの剛性が向 し、かかる点からも直動案内装置の運動精 向上が実現されている。

[さらに改良された直動案内装置の具体例]
 次に、筆頭発明者の見出した上述の好適な 件を満足する、さらに改良された直動案内 置の第2の実施形態について、図面を用いて 説明する。なお、以下の第2の実施形態は、 請求項に係る発明を限定するものではなく また、第2の実施形態の中で説明されている 徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に 須であるとは限らない。

 図27及び図28は、第2の実施形態に係る直 案内装置の一形態を示しており、特に、図27 は第2の実施形態に係る直動案内装置の外観 視図であり、図28は第2の実施形態に係る直 案内装置の縦断面図である。そして、第2の 施形態に係る直動案内装置60は、軌道レー 61と、その軌道レール61に複数のボール62… 介して移動自在に取り付けられた移動ブロ ク63とを備えている。

 軌道レール61は概略矩形の断面を有する 尺の部材であり、その上面及び両側面には ール62を受け入れ可能な転動体転走溝61aが軌 道レール61の長手方向に沿って形成されてい 。また、第2の実施形態に係る直動案内装置 の場合、軌道レール61の上面に4条、軌道レー ル61の両側面にそれぞれ2条ずつの転動体転走 溝61aが形成されており、合計で8条の転動体 走溝61aが軌道レール61の全長に亘って形成さ れている。軌道レール61には、その長手方向 適宜間隔をおいて複数のボルト取付孔61bが 成されている。これらボルト取付孔61bに螺 されるボルト(不図示)により、軌道レール61 が所定の取付面、例えば工作機械のベッドの 上面に固定される。なお、図示の軌道レール 61は直線状であるが、一定の曲率を持った曲 状のレールが使用されることもある。

 移動ブロック63は、鋼等の強度の高い材 にて構成された移動ブロック本体部64と、そ の移動ブロック本体部64の両端にボルト(不図 示)にて固定される一対の側蓋体66,66とを備え ている。

 移動ブロック本体部64には、軌道レール61 の転動体転走溝61aとそれぞれ対向する8条の 荷転動体転走溝64aが設けられている。これ 転動体転走溝61aと負荷転動体転走溝64aとの み合わせにより、軌道レール61と移動ブロッ ク63との間に8条の負荷転走路67が形成される 移動ブロック本体部64の上面64bには複数(図2 7では4本)の雌ねじ64cが形成されており、これ らの雌ねじ64cを利用することによって、移動 ブロック63が所定の取付面、例えば工作機械 サドルやテーブルの下面に固定される。

 また、移動ブロック本体部64には、8条の 荷転動体転走溝64aに対して略平行な無負荷 走路70が形成されている。一方、移動ブロ ク本体部64の両端に固定される一対の側蓋体 66,66には、負荷転走路67と無負荷転走路70の端 同士を連通する方向転換路68が8条ずつ形成さ れており、移動ブロック本体部64への装着に ってこれら8条の方向転換路68が負荷転走路6 7と無負荷転走路70とを連通し、8条の無限循 路を形成する。第2の実施形態に係る直動案 装置60は、以上のような構成を備えている で、移動ブロック63が軌道レール61の長手方 で往復運動自在となっている。

 そして、上述した第2の実施形態に係る直動 案内装置60においては、ボール62の直径が軌 レール61の幅の1/10以下となるように構成さ ており、且つ、移動ブロック63がISO準拠のブ ロック長B MAX を有して構成されている。ボール62の小径化 行われた上記構成を備えることによって、 2の実施形態に係る直動案内装置60は、ウェ ビング現象を最小限に抑制することが可能 なり、運動精度の向上が図られている。

 また、第2の実施形態に係る直動案内装置 60では、負荷転走路67、無負荷転走路70及び一 対の方向転換路68,68によって形成される無限 環路の条数Lが8となるように構成されてい 。第2の実施形態に係る直動案内装置60は、 ェービング現象の極小化のためにボール62の 直径が軌道レール61の幅の1/10以下となるよう に構成されているのであるが、この構成は、 直動案内装置60の定格荷重を低下させてしま 虞がある。そこで、無限循環路の条数、す わち無限循環するボール62の条列の数を8条 することによって、定格荷重を向上させ、 ール62の小径化による影響を排除したので る。かかる構成の採用によって、超々精密 呼ばれるクラスの運動精度を得ながらも、 来の直動案内装置と同等の定格荷重を維持 た直動案内装置60を実現することができた。

 さらに、第2の実施形態に係る直動案内装 置60は、移動ブロック63の外形寸法をISO規格 準拠したものとしながらもボール62の小径化 が行われているので、移動ブロック本体部64 に対して負荷転走路67及び無負荷転走路70が 占める割合が少なくてすみ、ゆえに移動ブロ ック本体部64の剛性が向上するという効果を 発揮することができる。

 またさらに、第2の実施形態に係る直動案 内装置60によれば、移動ブロック63の長さをIS O規格に準拠したものとすることができるの 、広い汎用性が有る。

 以上、本発明の好適な第2の実施形態につ いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記 第2の実施形態に記載の範囲には限定されな 。上記第2の実施形態には、多様な変更又は 良を加えることが可能である。

 例えば、図27及び図28で示した第2の実施 態に係る直動案内装置60は、無限循環路の条 数Lが8となるように構成されていたが、負荷 走路67、無負荷転走路70及び一対の方向転換 路68,68によって形成される無限循環路の条数L については、L=4×N(Nは2以上の自然数)なる数 を満足するように構成されていれば良い。 体的には、条数Lは、12や16等であっても良い 。

 さらに、図29において示すように、上述 た第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わ せた構成の直動案内装置80を実現することも 能である。なお、図29には現れていないが 第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせ た直動案内装置80には、リテーナ35を好適に い上げる掬い部39を設けることも可能である 。かかる構成の直動案内装置80によって、ウ ービングの極小化を図ることが可能となる その様な変更又は改良を加えた形態も本発 の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請 の範囲の記載から明らかである。