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Title:
DISPLACEMENT CONTROL VALVE FOR VARIABLE DISPLACEMENT COMPRESSOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011251
Kind Code:
A1
Abstract:
A displacement control valve for a variable displacement compressor, in which a solenoid portion is reduced in size and weight without a change in the area of a valve body seal. The displacement control valve has a valve housing (301), a valve body (304), and a solenoid unit (315). The valve housing (301) has a valve hole (302) communicating with a discharge chamber (142) of the variable displacement compressor (100) in a vehicle air conditioning system, a valve chamber (303) communicating with the valve hole (302) and also communicating with a crank chamber (105) of the compressor (100), and a first pressure-sensing chamber (306) separated from the valve chamber (303) and communicating with a suction chamber (140) of the compressor (100). The valve body (304) has a large-diameter section (304a) for opening and closing the valve hole (302), subjected to the pressure of the discharge chamber (142), and also subjected, on the first pressure-sensing chamber (306) side, to the pressure of the suction chamber (140). The solenoid unit (315) applies force to the valve body (304), which force acts against the pressure of the discharge chamber (142). The displacement control valve further has a second pressure-sensing chamber (309) communicating with either the suction chamber (140) or the crank chamber (105), and also has a rod (304b) for causing the pressure of the second pressure-sensing chamber (309) to act on the valve body (304).

Inventors:
TAGUCHI YUKIHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062344
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
July 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SANDEN CORP (JP)
TAGUCHI YUKIHIKO (JP)
International Classes:
F04B27/14; F04B49/00
Foreign References:
JP2000018172A2000-01-18
JP2003301772A2003-10-24
JP2001132650A2001-05-18
JP2006220050A2006-08-24
JP2005076514A2005-03-24
Attorney, Agent or Firm:
NAGATO, Kanji (8-1 Shinbashi 5-chome,Minato-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 吐出室,吸入室及び制御圧力室を具備し前記制御圧力室の圧力の変化に基づいて吐出容量を変化させる可変容量圧縮機の容量制御弁であって、
 前記吐出室と連通する弁孔と、この弁孔と連通し且つ前記制御圧力室と連通する弁室と、この弁室と区画され且つ前記吸入室と連通する第一感圧室を具備したバルブハウジングと、
 前記弁室と第一感圧室との間の区画部分で支持されていると共に前記弁室内に位置する一端側に形成されて前記弁孔を開閉して前記吐出室の圧力を受ける第一受圧面を有し且つ前記第一感圧室側に位置する他端側に形成されて前記吸入室の圧力を受ける第二受圧面を有する弁体と、
 前記弁体に電磁力を作用させて前記吐出室の圧力による力と対向する方向の力を付与するソレノイドを備えた容量制御弁において、
 前記吸入室又は制御圧力室と連通する第二感圧室を設けると共に、この第二感圧室の圧力を第三受圧面で受けてこの圧力による力を前記弁体の一端側に作用させる伝達部を設けたことを特徴とする可変容量圧縮機の容量制御弁。
 第二感圧室の圧力を受ける前記伝達部における第三受圧面の面積は、前記弁体の第一受圧面で弁孔を閉塞した状態において規定されるシール面積よりも小さく設定してある請求項1に記載の可変容量圧縮機の容量制御弁。
 前記吸入室の圧力を受ける前記弁体の第二受圧面の面積は、前記弁室と第一感圧室との間の区画部分で支持される弁体の断面積に基づいて規定される面積であって、前記伝達部における第三受圧面の面積は、前記弁体の第二受圧面の面積よりも小さく設定してある請求項1又は2に記載の可変容量圧縮機の容量制御弁。
 第二感圧室に連なる挿通孔に挿通可能に支持され且つ弁体の一端側に設けられたロッドを前記伝達部とした請求項1乃至3の何れかに記載の可変容量圧縮機の容量制御弁。
 第二感圧室の圧力を受ける第三受圧面の面積は、第二感圧室に連なる挿通孔に挿通可能に支持されたロッドの断面積である請求項4に記載の可変容量圧縮機の容量制御弁。
 前記ロッドは、第二感圧室に連なる挿通孔に挿通可能に支持された部分及び前記弁孔内に位置する部分を具備し、前記弁孔内に位置する部分の断面積は、前記第三受圧面の面積よりも小さく設定してある請求項5に記載の可変容量圧縮機の容量制御弁。
 前記伝達部に対して前記弁体に向かう方向の力を与える付与手段を備えている請求項1乃至6の何れかに記載の可変容量圧縮機の容量制御弁。
 前記付与手段から伝達部に与える前記弁体に向かう方向の力を調整する調整部材を備えている請求項7に記載の可変容量圧縮機の容量制御弁。
 前記弁体及び前記伝達部としてのロッドが同軸を成し、前記弁室と第一感圧室との間の区画部分における弁体支持孔及び第二感圧室に連なる挿通孔は、前記弁体及びロッドをそれぞれ僅かな隙間をもって支持すると共に、前記弁体及びロッドが前記隙間の範囲で傾いた状態において前記弁体及びロッドにそれぞれ一点を当接させて支持する請求項4乃至8の何れかに記載の可変容量圧縮機の容量制御弁。
 吐出室,制御圧力室であるクランク室,吸入室及びシリンダボアが内部に区画形成されたハウジングと、前記シリンダボアに配設されたピストンと、前記ハウジングに回転可能に支持された駆動軸と、前記クランク室に収容されて前記駆動軸の回転を前記ピストンの往復運動に変換する変換機構を備えた可変容量圧縮機において、
 前記吐出室及びクランク室が請求項1乃至9の何れかに記載した容量制御弁の弁孔及び弁室とそれぞれ連通していると共に、前記吸入室又はクランク室が前記容量制御弁の第二感圧室と連通していることを特徴とする可変容量圧縮機。
 空調システムの冷凍サイクルを構成すべく冷媒が循環する循環路に、請求項10に記載した可変容量圧縮機を放熱器,膨張器及び蒸発器とともに設置し、前記可変容量圧縮機におけるクランク室の制御圧力の変化に基づいて容量を変化させる可変容量圧縮機の容量制御システムにおいて、
 前記冷凍サイクルの前記可変容量圧縮機の吐出室から前記膨張器に至る領域における前記冷媒の圧力を吐出圧力とすると共に、前記冷凍サイクルの前記膨張器から前記可変容量圧縮機の吸入室に至る領域における前記冷媒の圧力を吸入圧力とし、
 前記冷凍サイクルに関連する1つ以上の外部情報を検知する外部情報検知手段と、前記外部情報検知手段によって検知された外部情報に基づいて前記吐出室側の吐出圧力と吸入室側の吸入圧力との目標差圧を設定する目標差圧設定手段とを備え、
 前記吐出室側の吐出圧力と吸入室側の吸入圧力との圧力差を目標差圧に近づけるべく、前記可変容量圧縮機における容量制御弁のソレノイドへの通電量を調整して吐出容量を変化させることを特徴とする可変容量圧縮機の容量制御システム。
 空調システムの冷凍サイクルを構成すべく冷媒が循環する循環路に、請求項10に記載した可変容量圧縮機を放熱器,膨張器及び蒸発器とともに設置し、前記可変容量圧縮機におけるクランク室の制御圧力の変化に基づいて容量を変化させる可変容量圧縮機の容量制御システムにおいて、
 前記冷凍サイクルの前記可変容量圧縮機の吐出室から前記膨張器に至る領域における前記冷媒の圧力を吐出圧力とすると共に、前記冷凍サイクルの前記膨張器から前記可変容量圧縮機の吸入室に至る領域における前記冷媒の圧力を吸入圧力とし、
 前記吐出圧力を検知する吐出圧力検知手段と、前記冷凍サイクルに関連する1つ以上の外部情報を検知する外部情報検知手段と、前記外部情報検知手段によって検知された外部情報に基づいて前記吸入圧力の目標圧力を設定する目標圧力設定手段とを備え、
 前記吐出圧力検知手段により検知された吐出圧力と前記目標圧力設定手段により設定された目標圧力とに基づいて、前記可変容量圧縮機における容量制御弁のソレノイドへの通電量を調整して吐出容量を変化させることを特徴とする可変容量圧縮機の容量制御システム。
Description:
可変容量圧縮機の容量制御弁

 本発明は、空調システム、とくに車両用 調システムに適用される可変容量圧縮機の 量制御弁に関するものである。

 例えば、車両用空調システムに用いられる 復動型の可変容量圧縮機は、吐出室、クラ ク室、吸入室及びシリンダボアが内部に区 形成されたハウジングと、このハウジング シリンダボアに配設されたピストンと、ハ ジング内に回転可能に支持されてエンジン 動力源として回転する駆動軸と、この駆動 の回転をピストンの往復運動に変換する変 機構を備えており、このピストンが駆動軸 回転力を得て往復運動することで、吸入室 らシリンダボア内への作動流体の吸入が成 れると共に、この吸入した作動流体の圧縮 び圧縮された作動流体の吐出室への吐出が されるようになっている。
 この往復動型の可変容量圧縮機において、 ストンのストローク長、即ち、圧縮機の吐 容量は、クランク室の圧力(制御圧力)を変 させることで可変となっており、吐出容量 制御する容量制御弁は、吐出室とクランク とを連通する給気通路に配置され、一方、 ランク室と吸入室とを連通する抽気通路に 絞りが配置されている。

 容量制御弁は制御装置によって制御される うになっていて、この制御装置は、吐出室 圧力(吐出圧力)と吸入室の圧力(吸入圧力)と の間の圧力差(差圧)が目標値に近づくように 吐出容量をフィードバック制御するものと っている(例えば、特許文献1参照)。
 ここで、上記容量制御弁は、吐出室と連通 る弁孔を開閉する弁体と、この弁体に電磁 を作用させて吐出室の圧力による力と対向 て閉弁方向の力を付与するソレノイドと、 体に開弁方向の力を常時付与するばねを具 しているが、弁体に作用する力は、吐出圧 をPd、吸入圧力Psとし、弁孔の断面積と実質 的に等しい弁体シール面積をSv(吐出圧力が作 用する弁体の受圧面積)、ばねから弁体に常 付与される開弁方向の力をfs、ソレノイドの 電磁力をF(I)とすると、式(1)で示され、この (1)を変形すると式(2)となる。

fs+Sv・Pd-Sv・Ps-F(I)=Sv・(Pd-Ps)+fs-F(I)=0
                                      式(1)

Pd-Ps=(1/Sv)・F(I)-(fs/Sv)             式( 2)

 上記弁孔の断面積は、容量制御弁が流し得 作動流体の最大流量を想定して決定される 、この弁孔の断面積を決定するということ 、弁体シール面積Sv、即ち、感圧面積を設 することとなり、したがって、これに基づ て必要な最大圧力差を想定して必要な電磁 が決定される。

特開2001-132650号公報

 近年において、車両の燃費改善や、可変容 圧縮機の装着スペースの狭小化に対応する えで、可変容量圧縮機を小型で且つ軽量な のとすることが重要な技術課題となってお 、これに伴って、容量制御弁の小型軽量化 求められている。
 容量制御弁の場合、駆動ユニットであるソ ノイドの部分が容積及び重量のいずれの面 おいても大きな割合を占めており、したが て、ソレノイドの部分を小型軽量化するこ が容量制御弁の小型軽量化に大きく寄与す ことになる。
 ところが、上記した車両用空調システムに いられる可変容量圧縮機の容量制御弁にお て、必要な最大圧力差を変えずにソレノイ の部分の小型軽量化を実現するためには、 (2)から判るように、1/Svの値を大きくする、 即ち、弁体シール面積Sv(弁孔の断面積)を小 くすれば事足りるが、弁孔の断面積を小さ すると、容量制御弁が流し得る作動流体の 大流量が減ってしまうという問題を有して り、この問題を解決することが従来の課題 なっていた。

 本発明は、上記した課題を解決するために されたもので、例えば、車両用空調システ における往復動型の可変容量圧縮機に用い 場合において、流し得る作動流体の最大流 を想定するうえで重要なポイントとなる弁 シール面積を変えることなく、ソレノイド 部分の小型軽量化を実現することが可能で る可変容量圧縮機の容量制御弁を提供する とを目的としている。
 上述した目的を達成するべく本発明に係る 変容量圧縮機の容量制御弁は、吐出室,吸入 室及び制御圧力室を具備し前記制御圧力室の 圧力の変化に基づいて吐出容量を変化させる 可変容量圧縮機の容量制御弁であって、前記 吐出室と連通する弁孔と、この弁孔と連通し 且つ前記制御圧力室と連通する弁室と、この 弁室と区画され且つ前記吸入室と連通する第 一感圧室を具備したバルブハウジングと、前 記弁室と第一感圧室との間の区画部分で支持 されていると共に前記弁室内に位置する一端 側に形成されて前記弁孔を開閉して前記吐出 室の圧力を受ける第一受圧面を有し且つ前記 第一感圧室側に位置する他端側に形成されて 前記吸入室の圧力を受ける第二受圧面を有す る弁体と、前記弁体に電磁力を作用させて前 記吐出室の圧力による力と対向する方向の力 を付与するソレノイドを備えた容量制御弁に おいて、前記吸入室又は制御圧力室と連通す る第二感圧室を設けると共に、この第二感圧 室の圧力を第三受圧面で受けてこの圧力によ る力を前記弁体の一端側に作用させる伝達部 を設けたことを特徴とする。

 前記可変容量圧縮機の容量制御弁によれば 例えば、車両用空調システムにおける往復 型の可変容量圧縮機に用いた場合において 吸入室又は制御圧力室と連通する第二感圧 の圧力を受けて弁体の一端側に作用させる 達部の断面積を弁体シール面積に近づける けで、流し得る作動流体の最大流量を想定 る際にキーとなる弁体シール面積を変えず ソレノイドの部分の小型軽量化を実現する とができる。
 具体的な態様において、本発明の容量制御 は、第二感圧室の圧力を受ける前記伝達部 おける第三受圧面の面積は、前記弁体の第 受圧面で弁孔を閉塞した状態において規定 れるシール面積よりも小さく設定してある

 この構成の圧力制御弁によれば、弁体の第 受圧面で弁孔を閉塞した状態において規定 れるシール面積に対して、第二感圧室の圧 を受ける伝達部の第三受圧面の面積を小さ 設定することで、吐出圧力を開弁方向に作 させることができ、吐出圧力の増大に対し 吐出容量を減少させる方向の動作を行わせ ことが可能である。
 別の具体的な態様において、本発明の容量 御弁は、前記吸入室の圧力を受ける前記弁 の第二受圧面の面積は、前記弁室と第一感 室との間の区画部分で支持される弁体の断 積に基づいて規定される面積であって、前 伝達部における第三受圧面の面積は、前記 体の第二受圧面の面積よりも小さく設定し ある。
 この構成の容量制御弁によれば、弁室と第 感圧室との間の区画部分で支持される弁体 断面積に基づいて規定される第二受圧面の 積に対して、伝達部における第三受圧面の 積を小さく設定することで、吸入圧力を閉 方向に作用させることができ、吸入圧力の 大に対して吐出容量を増大させる方向の動 を行わせることが可能である。

 また別の具体的な態様において、本発明の 量制御弁は、第二感圧室に連なる挿通孔に 通可能に支持され且つ弁体の一端側に設け れたロッドを前記伝達部としている。
 この構成の容量制御弁によれば、弁体の一 側に設けられたロッドを伝達部としている で、伝達部の構造の簡略化が図られるのに えて、弁体及び伝達部としてのロッドが、 室と第一感圧室との間の区画部分及び第二 圧室に連なる挿通孔でそれぞれ支持されて るので、弁体の安定度を向上させることが きる。
 さらに具体的な態様において、本発明の容 制御弁は、第二感圧室の圧力を受ける第三 圧面の面積は、第二感圧室に連なる挿通孔 挿通可能に支持されたロッドの断面積であ 。
 この構成の容量制御弁によれば、第二感圧 に連なる挿通孔に支持されたロッドの断面 を第二感圧室の圧力を受ける第三受圧面の 積としているので、第三受圧面を簡単に形 することができる。

 また別の具体的な態様において、本発明の 量制御弁は、前記ロッドは、第二感圧室に なる挿通孔に挿通可能に支持された部分及 前記弁孔内に位置する部分を具備し、前記 孔内に位置する部分の断面積は、前記第三 圧面の面積よりも小さく設定してある。
 この構成の容量制御弁によれば、ロッドの 孔内に位置する部分の断面積を第三受圧面 面積よりも小さく設定しているので、流体 路としての弁孔の流路面積を確保しつつ、 レノイドに供給する電流の変化に対する吐 圧力と吸入圧力との差圧の傾きを大きくす ことができる。
 また好適な態様において、本発明の容量制 弁は、前記伝達部に対して前記弁体に向か 方向の力を与える付与手段を備えている。
 この構成の容量制御弁によれば、ソレノイ を消磁した状態において、弁体を開放方向 迅速に移動させることができる。

 別の好適な態様において、本発明の容量制 弁は、前記付与手段から伝達部に与える前 弁体に向かう方向の力を調整する調整部材 備えている。
 この構成の容量制御弁によれば、付与手段 ら伝達部に与える力の調整を行うことがで る。
 さらに別の好適な態様において、本発明の 量制御弁は、前記弁体及び前記伝達部とし のロッドが同軸を成し、前記弁室と第一感 室との間の区画部分における弁体支持孔及 第二感圧室に連なる挿通孔は、前記弁体及 ロッドをそれぞれ僅かな隙間をもって支持 ると共に、前記弁体及びロッドが前記隙間 範囲で傾いた状態において前記弁体及びロ ドにそれぞれ一点を当接させて支持してい 。

 この構成の容量制御弁によれば、弁体と弁 支持孔との隙間及びロッドと第二感圧室に なる挿通孔との隙間によって生じる弁体の きを少なく抑えることができるうえ、例え 体が傾いたとしても円滑に動作させること 可能である。
 別の態様において、本発明の可変容量圧縮 は、吐出室,制御圧力室であるクランク室, 入室及びシリンダボアが内部に区画形成さ たハウジングと、前記シリンダボアに配設 れたピストンと、前記ハウジングに回転可 に支持された駆動軸と、前記クランク室に 容されて前記駆動軸の回転を前記ピストン 往復運動に変換する変換機構を備えた可変 量圧縮機において、前記吐出室及びクラン 室が前記のように構成された容量制御弁の 孔及び弁室とそれぞれ連通していると共に 前記吸入室又はクランク室が前記容量制御 の第二感圧室と連通している。
 この構成の可変容量圧縮機によれば、容量 御弁の小型軽量化が実現可能になるのに伴 て、圧縮機自体の小型軽量化をも実現する とができる。

 また別の態様において、本発明の可変容量 縮機の容量制御システムは、空調システム 冷凍サイクルを構成すべく冷媒が循環する 環路に、前記のように構成された可変容量 縮機を放熱器,膨張器及び蒸発器とともに設 置し、前記可変容量圧縮機におけるクランク 室の制御圧力の変化に基づいて容量を変化さ せる可変容量圧縮機の容量制御システムにお いて、前記冷凍サイクルの前記可変容量圧縮 機の吐出室から前記膨張器に至る領域におけ る前記冷媒の圧力を吐出圧力とすると共に、 前記冷凍サイクルの前記膨張器から前記可変 容量圧縮機の吸入室に至る領域における前記 冷媒の圧力を吸入圧力とし、前記冷凍サイク ルに関連する1つ以上の外部情報を検知する 部情報検知手段と、前記外部情報検知手段 よって検知された外部情報に基づいて前記 出室側の吐出圧力と吸入室側の吸入圧力と 目標差圧を設定する目標差圧設定手段とを え、前記吐出室側の吐出圧力と吸入室側の 入圧力との圧力差を目標差圧に近づけるべ 、前記可変容量圧縮機における容量制御弁 ソレノイドへの通電量を調整して吐出容量 変化させるものである。
 この構成の可変容量圧縮機の容量制御シス ムでは、容量制御弁の弁体シール面積を変 ずにソレノイドの部分の小型軽量化を実現 たうえで、吐出圧力と吸入圧力との圧力差 目標差圧設定手段で設定された目標差圧と るように吐出容量をフィードバック制御す ことが可能である。

 さらに別の態様において、本発明の可変容 圧縮機の容量制御システムは、空調システ の冷凍サイクルを構成すべく冷媒が循環す 循環路に、前記のように構成された可変容 圧縮機を放熱器,膨張器及び蒸発器とともに 設置し、前記可変容量圧縮機におけるクラン ク室の制御圧力の変化に基づいて容量を変化 させる可変容量圧縮機の容量制御システムに おいて、前記冷凍サイクルの前記可変容量圧 縮機の吐出室から前記膨張器に至る領域にお ける前記冷媒の圧力を吐出圧力とすると共に 、前記冷凍サイクルの前記膨張器から前記可 変容量圧縮機の吸入室に至る領域における前 記冷媒の圧力を吸入圧力とし、前記吐出圧力 を検知する吐出圧力検知手段と、前記冷凍サ イクルに関連する1つ以上の外部情報を検知 る外部情報検知手段と、前記外部情報検知 段によって検知された外部情報に基づいて 記吸入圧力の目標圧力を設定する目標圧力 定手段とを備え、 前記吐出圧力検知手段に より検知された吐出圧力と前記目標圧力設定 手段により設定された目標圧力とに基づいて 、前記可変容量圧縮機における容量制御弁の ソレノイドへの通電量を調整して吐出容量を 変化させるものである。
 この構成の可変容量圧縮機の容量制御シス ムでは、吸入圧力が目標圧力設定手段によ て設定された目標圧力を維持するように、 出容量を制御することができ、吐出圧力の 低に対応して吸入圧力の制御範囲をスライ させることが可能であり、その結果、吸入 力又は制御圧力の制御範囲を拡大すること できる。

車両用空調システムの冷凍サイクルの 略構成を可変容量縮機の縦断面とともに示 説明図である。 図1の可変容量圧縮機における容量制御 弁の開弁状態を示す断面説明図である。 図1の可変容量圧縮機における容量制御 弁の閉弁状態を示す断面説明図である。 制御電流に対する目標吐出圧力と吸入 力との圧力差の関係を示すグラフである。 図1の可変容量圧縮機における容量制御 弁の他の構成例を示す第二感圧室部分の拡大 断面説明図である。 図1における可変容量圧縮機の他の実施 形態に係る容量制御弁を示す開弁状態の断面 説明図である。 図1における可変容量圧縮機の容量制御 弁を用いた他の容量制御システムの制御電流 に対する目標吸入圧力の関係を示すグラフで ある。

 以下、本発明に係る可変容量圧縮機の容量 御弁を図面に基づいて詳細に説明する。
 図1~図3は本発明に係る可変容量圧縮機の容 制御弁の一実施形態を示し、この実施形態 は、本発明に係る可変容量圧縮機の容量制 弁を車両用空調システムの冷凍サイクルに 用した場合を示している。
 図1に示すように、車両用空調システムの冷 凍サイクル10は、作動流体としての冷媒が循 する循環路12を備えている。この循環路12に は、可変容量圧縮機100、放熱器(凝縮器)14、 張器(膨張弁)16及び蒸発器18が冷媒の流動方 に沿って順次配置してあり、可変容量圧縮 100が作動して冷媒の吸入工程,吸入した冷媒 圧縮工程及び圧縮した冷媒の吐出工程から る一連のプロセスを行うと、循環路12を冷 が循環するようになっている。
 この場合、蒸発器18は、車両用空調システ の空気回路の一部も構成しており、蒸発器18 を通過する空気流は、蒸発器18内の冷媒によ て気化熱を奪われることで冷却される。

 この実施形態の容量制御システムAで用いら れる可変容量圧縮機100は斜板式のクラッチレ ス圧縮機であり、複数のシリンダボア101aを するシリンダブロック101を備えている。こ シリンダブロック101の一端にはフロントハ ジング102が連結されており、シリンダブロ ク101の他端には、バルブプレート103を介し リアハウジング(シリンダヘッド)104が連結さ れている。
 シリンダブロック101及びフロントハウジン 102で囲まれる内部はクランク室105として形 されており、このクランク室105内を縦断し 駆動軸106が配置されている。駆動軸106は、 じくクランク室105内に配置された環状の斜 107を貫通しており、斜板107は、駆動軸106に 定されたロータ108と連結部109を介してヒン 結合されている。従って、斜板107は、駆動 106に沿って移動しながら傾動可能である。

 駆動軸106のロータ108と斜板107との間に位置 る部分には、斜板107を最小傾角に向けて付 するコイルばね110が装着され、一方、斜板1 07を挟んで反対側の部分、即ち駆動軸106の斜 107とシリンダブロック101との間に位置する 分には、斜板107を最大傾角に向けて付勢す コイルばね111が装着されている。
 駆動軸106のフロントハウジング102側の端部 、フロントハウジング102に外側に向けて形 したボス部102aを貫通して外部に突出してお り、この駆動軸106の端部には、動力伝達装置 としてのプーリ112が連結されている。プーリ 112は、ボール軸受113を介してボス部102aに回 自在に支持されており、このプーリ112と外 駆動源としてのエンジン114との間にはベル 115が架け回されている。
 ボス部102aの内側には軸封装置116が配置され 、フロントハウジング102の内部と外部とを遮 断している。駆動軸106はラジアル方向及びス ラスト方向にベアリング117,118,119,120によって 回転自在に支持され、エンジン114からの動力 がプーリ112に伝達され、プーリ112の回転と同 期して回転可能である。

 上記シリンダボア101a内にはピストン130が配 置されており、ピストン130には、クランク室 105内に突出するテール部が一体に形成されて いる。テール部に形成された凹所130a内には 対のシュー132が配置されていて、これらの ュー132は斜板107の外周部に対して挟み込む うに摺接している。従って、シュー132を介 てピストン130と斜板107とは互いに連動する うになっており、駆動軸106の回転によって ストン130がシリンダボア101a内を往復動する うになっている。
 リアハウジング104には、吸入室140及び吐出 142が区画形成され、吸入室140は、バルブプ ート103に設けられた吸入孔103aを介してシリ ンダボア101aと連通可能となっている。吐出 142は、バルブプレート103に設けられた吐出 103bを介してシリンダボア101aと連通している 。なお、吸入孔103a及び吐出孔103bは、図示し い吸入弁及び吐出弁によってそれぞれ開閉 れる。

 シリンダブロック101の側部にはマフラ150が けられており、マフラケーシング152は、シ ンダブロック101に一体に形成されたマフラ ース101bに図示しないシール部材を介して接 合されている。マフラケーシング152及びマフ ラベース101bはマフラ空間154を形成していて マフラ空間154は、リアハウジング104、バル プレート103及びマフラベース101bを貫通する 出通路156を介して吐出室142と連通している
 マフラケーシング152には吐出ポート152aが形 成され、マフラ空間154には、吐出通路156と吐 出ポート152aとの間を遮るように逆止弁200が 置されている。具体的には、逆止弁200は、 出通路156側の圧力とマフラ空間154側の圧力 の圧力差に応じて開閉し、圧力差が所定値 り小さい場合閉作動し、圧力差が所定値よ 大きい場合開作動する。

 したがって吐出室142は、吐出通路156、マフ 空間154及び吐出ポート152aを介して循環路12 往路部分と連通可能であり、マフラ空間154 逆止弁200によって断続される。一方、吸入 140は、リアハウジング104に形成された吸入 ート104aを介して循環路12の復路部分と連通 ている。
 この可変容量圧縮機100の容量制御弁(電磁制 御弁)300は、リアハウジング104に収容されて り、容量制御弁300は給気通路160に配置され いる。給気通路160は、吐出室142とクランク 105との間を連通するように、リアハウジン 104からバルブプレート103を経てシリンダブ ック101にまで亘って形成されている。
 一方、吸入室140は、クランク室105と抽気通 162を介して連通している。抽気通路162は、 動軸106とベアリング119,120との間の隙間を含 めて、空間164及びバルブプレート103に形成さ れた固定オリフィス103cからなる。

 また、吸入室140は、リアハウジング104に形 された感圧通路166を通じて、給気通路160と 独立して容量制御弁300に接続されている。
 より詳述すれば、図2に示すように、容量制 御弁300は、弁ユニットと弁ユニットを開閉作 動させる駆動ユニットとからなる。弁ユニッ トは、円筒状の弁ハウジング301を有し、弁ハ ウジング301の一端側には弁孔302が形成されて いる。弁孔302は、入口ポート301a及び給気通 160の上流側部分を介して吐出室142と連通し 且つ、弁ハウジング301の内部に区画された 室303に開口している。
 弁室303内には、円柱状の弁体304が収容され いる。弁体304は、弁室303内を弁ハウジング3 01の軸線方向に移動可能であり、弁ハウジン 301の端面に当接することで弁孔302を閉塞可 である。すなわち、弁ハウジング301の端面 弁座として機能する。
 また、弁ハウジング301の外周面には出口ポ ト301bが形成され、出口ポート301bは、給気 路160の下流側部分を介してクランク室105と 通する。出口ポート301bも弁室303に開口して り、弁孔302、弁室303及び出口ポート301bを通 じて、吐出室142とクランク室105とは連通可能 となっている。

 さらに、弁ハウジング301の他端側には区画 材305を間にして弁室303と隣接する第1感圧室 306が形成されており、この第一感圧室306は、 感圧ポート307及び感圧通路166を介して吸入室 140と連通している。
 弁体304は、弁体本体である大径部(第一受圧 面,第二受圧面)304a及びこの大径部304aに一体 つ同軸に形成されて弁孔302側に突出する小 のロッド304bを有しており、大径部304aは区画 部材305に形成された挿通孔305aに摺動可能に 持されていると共に、小径のロッド304bは弁 ウジング301に弁孔302と連続して形成された 通孔301cに摺動可能に支持されている。
 つまり、弁体304を概ね両端部で支持するこ で、大径部304aと挿通孔305aとのクリアラン 及び小径のロッド304bと挿通孔301cとのクリア ランスによって生じる弁体304の傾きを少なく 抑え得るようにしており、例え弁体304が傾い たとしても、両挿通孔305a,301cのそれぞれにお いて一点で支える構造(二点支持構造)とする とで、弁体304のかじり付きを起こり難くし 、弁体304の動作が円滑に成されるようにし ある。

 なお、弁体304の大径部304aの第一受圧面は、 吐出室142の圧力を弁体304に作用させる伝達部 であり、図2において大径部304aの下端である その受圧面積は、大径部304aの下端が弁孔302 を閉じるように弁ハウジング301の端面に当接 したときのシール面積(ロッド304bがないと仮 したときに吐出圧力が作用する弁体304の受 面積:以下、Svと呼ぶ)からロッド304bの断面 (以下、Srと呼ぶ)を減じた値である。また弁 304の大径部304aの第二受圧面は、第一感圧室 306の圧力を弁体304に作用させる伝達部であり 、図2において大径部304aの上端面である。そ 受圧面積は、大径部304aの断面積に等しい。
 さらにまた、弁ハウジング301の一端部には 部301dが形成されており、この凹部301dには ャップ308が圧入固定されていて、弁ハウジ グ301の一端面及びキャップ308で閉塞される 部空間には第二感圧室309が形成されている
 この第二感圧室309には上記弁体304の小径の ッド304bが突出していて、この小径のロッド 304bには、第二感圧室309内に配置されたばね31 0からばねガイド311を介して常時開弁方向の が付与されている。この際、ばね310の端部 キャップ308に当接させており、ばね310から ッド304bに付与する力の調整は、凹部301dに対 するキャップ308の圧入量を変えることで成さ れるようにしてある。

 上記第二感圧室309は、キャップ308の中心に 成された連通孔308a及び感圧通路166を介して 吸入室140と連通しており、弁体304の小径のロ ッド304bは、第二感圧室309内の圧力を弁体304 作用させる伝達部であり且つ第三受圧面と て機能するものとなっている。 
 一方、駆動ユニットは弁ハウジング301の他 側に配置されたソレノイドユニット315であ て、弁ハウジング301に同軸的に連結された 筒状のソレノイドハウジング321と、このソ ノイドハウジング321の弁ハウジング301とは 対側の開口端を閉塞するエンドキャップ322 備えている。
 このソレノイドハウジング321の軸心上には 弁ハウジング301側で開口する有底の円筒状 成すスリーブ323が配置されており、このス ーブ323の開口端から中央にかけての部分に 固定コア324が収容されていると共に、スリ ブ323のエンドキャップ322側の閉塞端と固定 ア324との間に形成されたコア収容空間325に 可動コア326が軸方向に移動可能に収容され いる。

 固定コア324の軸心に位置する挿通孔324aには ソレノイドロッド327が摺動可能に設けられて いて、このソレノイドロッド327の弁室303に突 出する一端は弁体304の上端に当接され、コア 収容空間325に突出する他端は可動コア326に形 成された貫通孔に嵌合固定され、これにより 、可動コア326とソレノイドロッド327とは一体 的に動作するようになっている。
 ソレノイドハウジング321内におけるスリー 323の周囲には、ボビン328に巻回されてモー ドされて成るコイル329が配置されており、 レノイドハウジング321,エンドキャップ322, 定コア324及び可動コア326はいずれも磁性材 で形成されて磁気回路を構成し、一方、ス ーブ323は非磁性材料のステンレス系材料で 成されている。

 固定コア324には、フランジ部324bが設けられ ており、このフランジ部324bには、弁ハウジ グ301の第1感圧室306と固定コア324の挿通孔324a とを連通する連通孔324cが形成されていて、 のように、第1感圧室306,連通孔324c及び挿通 324aを通じて吸入室140と可動コア収容空間325 を連通させることで、吸入室140の圧力がソ ノイドロッド327及び弁体304に対して閉弁方 の力として作用するようにしてある。なお ソレノイドロッド327の上記一端を弁体304に 体的に連結することも可能である。
 このソレノイドユニット315には、可変容量 縮機100の外部に設けられた制御装置400Aが接 続され、制御装置400Aから制御電流Iが供給さ ると、電磁力F(I)を発生する。このソレノイ ドユニット315の電磁力F(I)は、可動コア326を 定コア324側に吸引して、弁体304に閉弁作動 行わせる。
 この容量制御弁300を有する可変容量圧縮機1 00を備えた車両用空調システムの冷凍サイク 10において、エンジン作動状態でエアコン 作動させない場合には、可変容量圧縮機100 容量制御弁300のソレノイドユニット315に対 て電流が流れないので、弁体304がばね310の 性力によって弁孔302から強制的に離間させ れて開弁状態となっており、吐出容量は最 となっている。

 このとき、逆止弁200には常時閉じる方向の が付与されているので、空調システム側へ 冷媒循環は遮断されており、その結果、最 の吐出容量で吐出室142に吐出された冷媒は 容量制御弁300を含む吐出室142とクランク室1 05との給気通路160を経てクランク室105に流入 、次いで、駆動軸106とベアリング119,120との 間の隙間,空間164及び固定オリフィス103cから る抽気通路162を介してクランク室105から吸 室140に戻る内部循環回路を循環するように っている。
 一方、エアコンを作動させた場合には、可 容量圧縮機100の容量制御弁300のソレノイド ニット315に対して電流が流れて、図3に示す ように、弁体304がばね310の弾性力に抗して弁 孔302に当接して閉弁状態となり、吐出室142と クランク室105との給気通路160が遮断されるこ とから、クランク室105内の圧力が低下して吸 入圧力と同等になる。
 これにより、斜板107の傾角が増してピスト 130のストロークが増大するので、吐出室142 圧力が高まり、逆止弁200の前後差圧が所定 を越えると、この逆止弁200が開弁して圧縮 媒が空調システム側へ流れることとなる。

 そして、このような可変容量圧縮機100の作 中において、制御装置400Aは、容量制御弁300 のソレノイドユニット315に対して制御電流I 供給して電磁力F(I)を発生させ、可変容量圧 機100の吐出容量を制御する。
 次に、上記した可変容量圧縮機100の容量制 弁300の制御特性について説明する。この容 制御弁300において、弁体304の一端側に位置 る第一受圧面としての大径部304aには吐出室 142の圧力(以下、吐出圧力Pdと呼ぶ)が作用し 一方、伝達部であり且つ第三受圧面として 小径のロッド304bには第二感圧室309の圧力(以 下、吸入圧力Psと呼ぶ)が作用すると共に弁体 304の他端側に位置する第二受圧面としての大 径部304aには第一感圧室306、つまり吸入室140 圧力(以下、吸入圧力Psと呼ぶ)が作用してお 、したがって、弁体304は感圧部材として機 する。 
 ここで、弁体304が弁孔302を閉じた時の弁体3 04のシール面積と、区画部材305の挿通孔305aに 支持された弁体304の大径部304aの断面積とを 等に形成すると、弁体304には、クランク室10 5の圧力(以下、クランク圧力と呼ぶ)は開方向 及び閉方向のいずれにも作用しない。
 したがって、この状況において弁体304に作 する力は、ばね310から小径部304bに常時付与 される開弁方向の力をfsとすると、式(3)で示 れ、この式(3)を変形すると式(4)となる。

fs+Sr・Ps+(Sv-Sr)・Pd-Sv・Ps-F(I)=0     式(3)

Pd-Ps=(1/(Sv-Sr))・F(I)-(fs/(Sv-Sr))
 (但し、Sr<Sv)                          式(4)

 式(4)は、吐出圧力Pdと吸入圧力Psとの圧力差 をソレノイドユニット315で発生する電磁力F(I )、即ち、電流Iで調整し得ることを示してい 。
 つまり、電流Iを増加させると、ソレノイド ユニット315で発生する電磁力F(I)は弁体304を 弁方向に移動させるべく作用するので、電 Iを増加させるに従って、吐出圧力Pdと吸入 力Psとの圧力差を大きく設定し得ることとな る。
 上記制御部400Aでは、外部情報検知手段から の種々の外部情報に基づいて、目標とする吐 出圧力Pdと吸入圧力Psとの圧力差(目標差圧δP) を設定するので、即ち、制御電流Iを設定す ので、吐出圧力Pdと吸入圧力Psとの圧力差が 標差圧δPになるように、吐出容量がフィー バック制御されることとなる。
 この際、制御電流Iをゼロとすると、ばね310 から小径部304bに常時付与されている力によ 、弁体304が開弁方向に動作して弁孔302が開 され、これにより、吐出ガスがクランク室10 5に導入されて吐出容量が最小に維持される ととなる。

 ここで、上記式(4)の右辺における電磁力F(I) には係数として1/(Sv-Sr)が乗ぜられている。つ まり、シール面積Svを変えなくてもロッド304b の断面積Srを変化させれば、電磁力F(I)の係数 を変えることができる。
 例えば、ロッド304bの断面積Srをシール面積S vに近づければ係数1/(Sv-Sr)が大きくなって、 レノイドユニット315に供給する電流の変化 対する吐出圧力Pdと吸入圧力Psとの圧力差の きが大きくなる。
 したがって、図4に示すように、従来の容量 制御システムにおける式(2)のグラフと比べて 、本実施形態の容量制御システムAにおける (4)のグラフでは、ソレノイドユニット315に 給する電流の変化に対する吐出圧力Pdと吸入 圧力Psとの圧力差の傾きを大きくすることが き、目標差圧δPを得るための電流値を式(2) グラフのIよりも小さいI‘で済ませること できる。
 これは、必要な最大圧力差を変えないこと すれば、ソレノイドユニット315で生じさせ 電磁力を小さく抑え得ることを意味してい ので、ソレノイドユニット315の小型軽量化 実現可能になる。

 この実施形態において、図5に部分的に示す ように、弁ハウジング301の挿通孔301cに支持 れているロッド304bの面積、即ち、第三受圧 の面積よりも、弁体304の弁孔302内に位置す 部分304cの断面積を小さく設定すると、流体 流路としての弁孔302の流路面積を確保するこ とができるので、ソレノイドユニット315に供 給する電流の変化に対する吐出圧力Pdと吸入 力Psとの差圧の傾きを大きくすることがで る。
 図6は、本発明に係る可変容量圧縮機の容量 制御弁の他の実施形態を示し、この実施形態 においても、本発明に係る可変容量圧縮機の 容量制御弁を車両用空調システムの冷凍サイ クルに採用した場合を示している。
 図6に示すように、この容量制御弁300Aにお て、キャップ308の中心に形成された連通孔30 8a及び給気通路160の下流側部分を介して第二 圧室309とクランク室105とを連通させており この場合も、弁体304の小径のロッド304bは、 第二感圧室309内の圧力を弁体304に作用させる 伝達部であり且つ第三受圧面として機能する ものとなっている。

 上記した容量制御弁300Aの制御特性について 説明する。この容量制御弁300Aにおいて、弁 304の一端側に位置する第一受圧面としての 径部304aには吐出室142の圧力(以下、吐出圧力 Pdと呼ぶ)が作用し、一方、伝達部であり且つ 第三受圧面としての小径のロッド304bには第 感圧室309の圧力(以下、クランク圧力Pcと呼 )が作用すると共に弁体304の他端側に位置す 第二受圧面としての大径部304aには第一感圧 室306の圧力、つまり吸入室140の圧力(以下、 入圧力Psと呼ぶ)が作用しており、したがっ 、弁体304は感圧部材として機能する。 
 ここで、弁体304が弁孔302を閉じた時の弁体3 04の受圧面積(シール面積Svと呼ぶ)と、区画部 材305の挿通孔305aに支持された弁体304の大径 304aの断面積とを同等に形成すると、弁体304 は、クランク室105のクランク圧力Pcが開方 に作用する。
 したがって、この状況において弁体304に作 する力は、弁体304のロッド304bの断面積をSr ばね310から小径部304bに常時付与される開弁 方向の力をfsとすると、式(5)で示され、この (5)においてPc=Ps+αとして変形すると、式(6) なる。

fs+Sr・Pc+(Sv-Sr)・Pd-Sv・Ps-F(I)=0     式(5)
Pc=Ps+αとおくと、

Pd-Ps=(1/(Sv-Sr))・F(I)-(fs+Sr・α)/(Sv-Sr)
 (但し、Sr<Sv)                          式(6)

 式(6)も、吐出圧力Pdと吸入圧力Psとの圧力差 をソレノイドユニット315で発生する電磁力F(I )、即ち、電流Iで調整し得ることを示してお 、電流Iを増加させるに従って、吐出圧力Pd 吸入圧力Psとの圧力差を大きく設定し得る ととなる。
 上記した先の実施形態と同じく、式(6)の右 における電磁力F(I)にも係数として1/(Sv-Sr)が 乗ぜられており、ロッド304bの断面積Srをシー ル面積Svに近づければ係数1/(Sv-Sr)が大きくな て、ソレノイドユニット315に供給する電流 変化に対する吐出圧力Pdと吸入圧力Psとの圧 力差の傾きが大きくなる。
 したがって、この実施形態においても、従 の容量制御システムと比べて、ソレノイド ニット315に供給する電流の変化に対する吐 圧力Pdと吸入圧力Psとの圧力差の傾きを大き くすることができ、目標差圧δPを得るための 電流値が小さくて済むこととなる。

 即ち、必要な最大圧力差を変えないことと れば、ソレノイドユニット315で生じさせる 磁力を小さく抑えることができ、その結果 ソレノイドユニット315の小型軽量化が実現 能である。
 上記した実施形態では、いずれも吐出室側 吐出圧力と吸入室側の吸入圧力との圧力差 目標差圧に近づけるべく、可変容量圧縮機1 00における容量制御弁300または300Aのソレノイ ドユニット315への通電量を調整して吐出容量 を変化させるように制御する場合を示したが 、これに限定されるものではなく、本発明は 、一端側に吐出圧力が作用すると共に、他端 側に吸入圧力が作用する、いわゆる感圧構造 の容量制御弁を使用する吐出量制御システム のすべてに適用することができる。

 他の容量制御システムとして、例えば、上 実施形態の説明で用いた図1に示すように、 吐出圧力Pdを検知するセンサ(吐出圧力検知手 段)500aと、冷凍サイクル10に関連する1つ以上 外部情報を検知する図示しない外部情報検 手段と、この外部情報検知手段によって検 された外部情報に基づいて吸入圧力Psの目 圧力を設定する目標圧力設定手段を有する 御装置400Bとを備え、センサ500aにより検知さ れた吐出圧力Pdと制御装置400Bの目標圧力設定 手段により設定された目標圧力とに基づいて 、可変容量圧縮機100における容量制御弁300の ソレノイドユニット315への通電量を調整して 吐出容量を変化させる容量制御システムBが る。
 この容量制御システムBは吸入圧力Psを制御 象としているので、冷媒不足により吸入圧 Psが低下したときには、吸入圧力Psを目標吸 入圧力に維持するように吐出容量が減らされ て、最終的には最小容量に移行する。その結 果、上記した容量制御弁300のように簡素な構 造であったとしても、冷媒不足時に吐出容量 が最大容量になることが回避されて可変容量 圧縮機100が保護されることとなる。
 加えて、上述した容量制御システムBは、吸 入圧力Psを制御対象としながら、吸入圧力Ps 制御範囲が広い。これは以下の理由による
 この容量制御弁300において、弁体304に作用 る力は、弁体304のロッド304bの断面積をSr、 ね310から小径部304bに常時付与される開弁方 向の力をfsとすると、上記した式(4)となる。

Ps=-(1/(Sv-Sr))・F(I)+Pd+(fs/(Sv-Sr))
 (但し、Sr<Sv)                          式(7)

 式(7)は、ソレノイドユニット315で発生する 磁力F(I)、即ち、電流Iと吐出圧力Pdとで吸入 圧力Psを調整し得ることを示している。
 このような関係に基づけば、目標吸入圧力 予め決定し、変動する吐出圧力Pdの情報が かれば、発生させるべき電磁力F(I)つまり制 電流Iの値を演算できる。そして、ソレノイ ドユニット315への通電量をこの演算された制 御電流Iに基づいて調整すれば、吸入圧力Psが 目標吸入圧力を維持するように弁体304が動作 し、クランク圧力Pcが調整される、即ち、吸 圧力Psが目標吸入圧力を維持するように吐 容量が制御される。
 このように吸入圧力Psを目標吸入圧力に維 するような制御では、図7に示すように、吐 圧力Pdの高低に応じて、吸入圧力PsをPdminか Pdmaxの範囲で制御可能である、即ち、任意 吐出圧力Pdhのときの吸入圧力Psの制御範囲を この吐出圧力Pdhよりも低い吐出圧力Pdlのとき の吸入圧力Psの制御範囲よりも高圧側にスラ ドさせることができる。

 また、この場合も、ロッド304bの断面積Srを ール面積Svに近づければ係数1/(Sv-Sr)が大き なって、小さな電磁力F(I)で、任意の吐出圧 Pdにおける目標吸入圧力の制御範囲を拡大 能であり、上記目標吸入圧力の制御範囲の ライドと、この制御範囲の拡大との相乗効 を発揮させることで、目標吸入圧力の制御 囲を大幅に拡大することができる。
 上記した実施形態において、弁体304が、大 部304a及びこの大径部304aに一体且つ同軸に 成された小径のロッド304bから成っている場 を示したが、大径部304a及びロッド304bが互 に別体を成すものとしてもよい。
 また、容量制御弁の弁体304に、吐出圧力及 吸入圧力の他にクランク室内の圧力を閉弁 向または開弁方向に作用させる構造として よく、さらに、上記した容量制御弁とは異 る構成として、例えば、小型のベローズを 圧部材として採用して、このベローズの一 側に弁体を連結して吐出圧力を受圧すると に、ベローズの内側に吸入圧力を作用させ ベローズの端面にソレノイドロッドを連結 る構成を採用することも可能である。

 さらにまた、第二感圧室309内に配置するば 310から小径部304bに付与する力を大きく設定 したうえで、ソレノイドロッドユニット315の 可動コア326に閉弁方向の力を付与する弾性体 を設置する構成とすることも可能である。
 さらにまた、上記した実施形態では、可変 量圧縮機100がクラッチレス圧縮機である場 を示したが、電磁クラッチを装着した可変 量圧縮機であってもよい。
 さらにまた、上記した実施形態では、可変 量圧縮機100が斜板式の往復動圧縮機である 合を示したが、揺動板式の可変容量圧縮機 あってもよいほか、電動モータを内蔵した 閉型可変容量圧縮機であってもよい。

 さらにまた、上記した実施形態における可 容量圧縮機100において、クランク室105内の 力を高めるべく流量を規制する抽気通路162 絞り要素として、バルブプレート103に形成 れた固定オリフィス103cを採用しているが、 これに限定されるものではなく、他の構成と して、例えば、可変の絞りや弁を採用して流 量を規制するようにしてもよい。
 さらにまた、本発明の可変容量圧縮機の容 制御弁は、車両用空調システム以外の室内 空調システムの冷凍サイクルや、冷凍・冷 庫等の冷凍装置の冷凍サイクル等、冷凍サ クル全般に適用可能であり、加えて、R134a 二酸化炭素を冷媒とする冷凍サイクルのみ らず、R134aや二酸化炭素以外の新規の冷媒を 使用する冷凍サイクルにも適用可能である。