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Title:
DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157150
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a direct view display device including a display panel (10) and a translucent cover (14) arranged at the observer’s side.  The display panel (10) has a display region (10A) where a plurality of pixels are arranged and a brim region (10F) arranged outside of the display region.  A boundary extending in a first direction exists between the display region and the brim region.  The translucent cover is arranged to cross the boundary and has a lens portion (141) for refracting a part of the light emitted from the display region to the brim region side.  The lens portion refracts the light so as to obtain a substantially identical pitch of the lights emitted from the plurality of pixels in the display region on a plane vertical to the first direction.  The intersection line (1412) of the plane vertical to the first direction and an observer’s side surface (1411) of the lens portion is a curve other than an arc.  Thus, the display device can display an image having no distortion in which the brim region or the boundary when tiling is performed is hardly viewed, by using a simple structure as compared to the conventional technique.

Inventors:
WATANABE HISASHI
SHIBATA SATOSHI
Application Number:
PCT/JP2009/002710
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
June 15, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SHARP KK (JP)
WATANABE HISASHI
SHIBATA SATOSHI
International Classes:
G09F9/00; G02F1/1333; G02F1/1335
Domestic Patent References:
WO2008149449A12008-12-11
Foreign References:
JP2000056713A2000-02-25
JPH05188873A1993-07-30
JP2004524551A2004-08-12
JP2000305475A2000-11-02
JP2002099226A2002-04-05
Attorney, Agent or Firm:
OKUDA, SEIJI (JP)
Seiji Okuda (JP)
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Claims:
 複数の画素が配列された表示領域、および、前記表示領域の外側に設けられた額縁領域を有し、前記表示領域と前記額縁領域との間に第1の方向に延びる境界が存在する少なくとも1つの表示パネルと、
 前記少なくとも1つの表示パネルの観察者側に配置された少なくとも1つの透光性カバーと、
を備え、
 前記少なくとも1つの透光性カバーは、前記境界を跨ぐように配置されたレンズ部であって、前記表示領域から出射された光の一部を前記額縁領域の側に屈折させるレンズ部を有しており、
 前記レンズ部は、前記表示領域における複数の画素から出射された光の前記第1の方向に垂直な平面におけるピッチを略等しくするように前記光を屈折させ、前記第1の方向に垂直な平面と前記レンズ部の観察者側表面との交線は円弧ではない曲線である、直視型の表示装置。
 前記交線は、非球面関数によって規定される曲線である、請求項1に記載の表示装置。
 前記非球面関数の円錐定数kの値は0.38以上である、請求項2に記載の表示装置。
 前記非球面関数の円錐定数kの値は2.4以下である、請求項2または3に記載の表示装置。
 前記少なくとも1つの透光性カバーは、前記レンズ部以外の部分に、観察者側表面が前記少なくとも1つの表示パネルの表示面と略平行な面で形成される平板部を有する、請求項2に記載の表示装置。
 前記表示領域において、前記複数の画素は前記第1の方向に垂直な第2の方向に等間隔に配列されている、請求項5に記載の表示装置。
 前記レンズ部に入射する光を出す画素に供給される表示信号は、前記平板部に入射する光を出す画素に供給される表示信号と比較して、前記第2の方向に一様に圧縮されており、
 前記レンズ部に入射する光を出す画素に供給される前記表示信号の圧縮率をa(0<a<1)として、前記非球面関数の円錐定数kは、以下の式に略従う請求項6に記載の表示装置。
k=89.918a 4 -194.57a 3 +159.82a 2 -57.099a+7.1865
 前記レンズ部に入射する光の輝度は、前記平板部に入射する光の輝度よりも高い、請求項5から7のいずれかに記載の表示装置。
 前記少なくとも1つの表示パネルに向けて光を出射するバックライト装置をさらに備え、
 前記レンズ部に入射する光を出す画素に向けて前記バックライト装置から出射される光の強度は、前記平板部に入射する光を出す画素に向けて前記バックライト装置から出射される光の強度よりも高い、請求項5から8のいずれかに記載の表示装置。
 前記表示領域と前記額縁領域との間に前記第1の方向に垂直な第2の方向に延びる第2の境界が存在し、
 前記少なくとも1つの透光性カバーは前記第2の境界を跨ぐように配置された第2のレンズ部を有する、請求項1から9のいずれかに記載の表示装置。
 前記少なくとも1つの表示パネルは前記第1の方向または前記第1の方向に垂直な第2の方向に互いに隣接するように配列された2つ以上の表示パネルを含み、
 前記少なくとも1つの透光性カバーは前記第1の方向または前記第2の方向に互いに隣接するように配列された2つ以上の透光性カバーを含み、
 前記2つ以上の透光性カバーのレンズ部は、前記第1の方向または前記第2の方向に互いに隣接する、請求項10に記載の表示装置。
 2つの表示部を備える電子機器であって、
 前記2つの表示部の各々は請求項1から10のいずれかに記載の表示装置であり、
 前記2つの表示部のうち、一方の表示部が他方の表示部に相対的に回転可能に保持されている、電子機器。
 複数の画素が配列された表示領域、および、前記表示領域の外側に設けられた額縁領域を有する第1の表示部と、
 請求項1から10のいずれかに記載の表示装置を有し、前記第1の表示部の観察者側に配置されている第2の表示部と、
を備え、
 観察者側から見て、前記第2の表示部が前記第1の表示部に重なる位置および前記第2の表示部が前記第1の表示部と互いに隣接するとともに前記第2の表示部のレンズ部が前記第1の表示部の額縁領域に重なる位置の間を、前記第2の表示部がスライド可能となるよう、前記第2の表示部は保持されている電子機器。
 請求項1から10のいずれかに記載の表示装置を有し、前記第2の表示部の観察者側に配置されている第3の表示部を備え、
 観察者側から見て、前記第3の表示部が前記第2の表示部に重なる位置および前記第3の表示部が前記第2の表示部と互いに隣接するとともに前記第3の表示部のレンズ部が前記第2の表示部の額縁領域と重なる位置の間を、前記第3の表示部がスライド可能となるよう、前記第3の表示部は保持されている請求項13に記載の電子機器。
Description:
表示装置

 本発明は、表示装置、特に直視型の表示 置に関する。

 近年、テレビや情報表示用の表示装置に いて、複数の表示装置を配列する(タイリン グ技術ということがある)試みがなされてい 。このタイリング技術を用いることで、た えば、大画面の表示装置を擬似的に実現す ことが試みられている。しかしながら、タ リング技術を用いると、複数の表示装置の ぎ目が見えるという問題がある。

 液晶表示装置を例にこの問題を説明する

 液晶表示装置は、液晶表示パネルと、バ クライト装置、液晶表示パネルに各種の電 信号を供給する回路や電源およびこれらを 容する筐体を備えている。液晶表示パネル 、一対のガラス基板と、これらの間に保持 れた液晶層とを有する。一対のガラス基板 うち、一方には、カラーフィルタ層や対向 極が配置されており、他方には、TFTやバス インおよびこれらに信号を供給するための 動回路などが配置されている。また、液晶 示パネルは、複数の画素が配列された表示 域と、その周辺の額縁領域とを有している 額縁領域には、一対の基板を対向させ、液 層を密閉・保持するためのシール部や、画 を駆動するための駆動回路実装部等が設け れている。額縁領域には画素が配列されて ない。そのため、額縁領域は表示に寄与し い。

 複数の液晶表示パネルを配列することに って大画面を構成する場合、液晶表示パネ のうち額縁領域は表示に寄与しないため各 晶表示パネルの額縁領域には画像が表示さ ず、画像に継ぎ目が生じてしまう。この問 は液晶表示装置に限らず、PDP、有機EL表示 置、電気泳動表示装置など、直視型の表示 置に共通の問題である。

 特許文献1および2には、継ぎ目がない画 を表示する表示装置が開示されている。

 特許文献1および2に記載の表示装置は、 示パネルの観察者側に透光性カバーを備え いる。この透光性カバーのエッジ部分は、 察者側の表面が屈曲している。屈曲した部 はレンズとして機能するので、以下、「レ ズ部」ということにする。透光性カバーの ンズ部は、表示パネルの額縁領域と、表示 域のうち額縁領域に隣接する領域の一部と なるように設けられている。表示領域のう でレンズ部と重なる部分を「周辺表示領域 ということにする。周辺表示領域に配列さ た画素から出射された光は、レンズ部によ て額縁領域側へ屈折される。その結果、額 領域の前面にも画像が表示され、画面全体 して継ぎ目が無い画像が表示される。

特開平5-188873号公報

特表2004-524551号公報

 しかしながら、本発明者が特許文献1およ び2に記載されている技術を表示装置に適用 ると、以下のような課題が見つかった。

 特許文献2に示される表示装置は、表示パ ネルの前面に配置された透光性カバーのエッ ジ部の屈曲形状の断面が円弧状であるために 、以下の問題がある。

 図13に、エッジ部の屈曲形状の断面が円 状である透光性カバー914、924を有する表示 置900の光線追跡シミュレーションの結果を す。

 表示パネル910および920の前面(図13におい 上側の面)から、均一なピッチで出射した光 は、透光性カバー914、924のレンズ部9141、9241 より表示装置法線方向(図13において上方)に 屈折する。屈折する点のピッチは表示パネル 910と920の境界に進むに従って小さくなる。こ のため、出射光のピッチも表示パネル910と920 の境界に進むに従って小さくなる。このこと は、観察者が見た場合に、画像の歪みとして 視認され、表示不良となる。

 一方、特許文献1には、均一なピッチに配 置された点光源である電子ビームから出射さ れた光を、透明パネルによって均等なピッチ で観察者側へ出射することで、歪みが無い画 像を表示する方法が記載されている。しかし 特許文献1では、表示装置の各画素が微小な 光点であるCRTの場合の技術であるために、 発光点に対して最適な透明パネルの形状が 離散的な点で示されるに過ぎない。それに し、現在表示装置として広く使用されてい 液晶表示装置、PDP、有機EL表示装置、電気泳 動表示装置等は、各画素がTFTやバスラインを 除くほぼすべての領域に形成されるために、 点光源というよりもむしろ面光源に近い。従 って、特許文献1に記載の点光源に対する設 方法を液晶表示装置に適用しても、透明パ ルの最適な形状は得られなかった。

 例えば、特許文献1の方法の応用として、 液晶表示装置の各画素の中央点を点光源とみ なして、透光性カバーの形状を設計すること も考えられる。その場合、離散的に示された 点同士を、直線又は曲線により結んで透光性 カバーの形状を得ることになる。こうして得 られた透光性カバーは、各画素の中央点から 出射する光については、均一なピッチで観察 者側へ出射できるものの、画素の中央点以外 の領域から出射する光に対しては、ピッチが 均一であるとは限らず、ずれが生じる。つま り画像の歪みが発生する。

 本発明は、上記問題を解決するためにな れたものであり、表示パネルの額縁領域を え難くするとともに、歪みが無い画像を表 する直視型の表示装置を提供することを目 とする。また、複数の表示パネルをタイリ グした場合に、継ぎ目が見え難く歪みが無 画像を表示する直視型の表示装置を提供す ことを目的とする。

 本発明の直視型の表示装置は、複数の画 が配列された表示領域、および、前記表示 域の外側に設けられた額縁領域を有し、前 表示領域と前記額縁領域との間に第1の方向 に延びる境界が存在する少なくとも1つの表 パネルと、前記少なくとも1つの表示パネル 観察者側に配置された少なくとも1つの透光 性カバーと、を備え、前記少なくとも1つの 光性カバーは、前記境界を跨ぐように配置 れたレンズ部であって、前記表示領域から 射された光の一部を前記額縁領域の側に屈 させるレンズ部を有しており、前記レンズ は、前記表示領域における複数の画素から 射された光の前記第1の方向に垂直な平面に けるピッチを略等しくするように前記光を 折させ、前記第1の方向に垂直な平面と前記 レンズ部の観察者側表面との交線は円弧では ない曲線であることを特徴とする。

 ある実施形態において、前記交線は、非 面関数によって規定される曲線である。

 ある実施形態において、前記非球面関数 円錐定数kの値は0.38以上である。

 ある実施形態において、前記非球面関数 円錐定数kの値は2.4以下である。

 ある実施形態において、前記少なくとも1 つの透光性カバーは、前記レンズ部以外の部 分に、観察者側表面が前記少なくとも1つの 示パネルの表示面と略平行な面で形成され 平板部を有する。

 ある実施形態において、前記表示領域に いて、前記複数の画素は前記第1の方向に垂 直な第2の方向に等間隔に配列されている。

 ある実施形態において、前記レンズ部に入 する光を出す画素に供給される表示信号は 前記平板部に入射する光を出す画素に供給 れる表示信号と比較して、前記第2の方向に 一様に圧縮されており、前記レンズ部に入射 する光を出す画素に供給される前記表示信号 の圧縮率をa(0<a<1)として、前記非球面関 の円錐定数kは、以下の式に略従う。
k=89.918a 4 -194.57a 3 +159.82a 2 -57.099a+7.1865

 ある実施形態において、前記レンズ部に 射する光の輝度は、前記平板部に入射する の輝度よりも高い。

 ある実施形態において、本発明による表 装置は、前記少なくとも1つの表示パネルに 向けて光を出射するバックライト装置をさら に備え、前記レンズ部に入射する光を出す画 素に向けて前記バックライト装置から出射さ れる光の強度は、前記平板部に入射する光を 出す画素に向けて前記バックライト装置から 出射される光の強度よりも高い。

 ある実施形態において、前記表示領域と 記額縁領域との間に前記第1の方向に垂直な 第2の方向に延びる第2の境界が存在し、前記 なくとも1つの透光性カバーは前記第2の境 を跨ぐように配置された第2のレンズ部を有 る。

 ある実施形態において、前記少なくとも1 つの表示パネルは前記第1の方向または前記 1の方向に垂直な第2の方向に互いに隣接する ように配列された2つ以上の表示パネルを含 、前記少なくとも1つの透光性カバーは前記 1の方向または前記第2の方向に互いに隣接 るように配列された2つ以上の透光性カバー 含み、前記2つ以上の透光性カバーのレンズ 部は、前記第1の方向または前記第2の方向に いに隣接する。

 本発明による電子機器は、2つの表示部を 備える電子機器であって、前記2つの表示部 各々は上記の構成を有する表示装置であり 前記2つの表示部のうち、一方の表示部が他 の表示部に相対的に回転可能に保持されて る。

 あるいは、本発明による電子機器は、複 の画素が配列された表示領域、および、前 表示領域の外側に設けられた額縁領域を有 る第1の表示部と、上記の構成を有する表示 装置を有し、前記第1の表示部の観察者側に 置されている第2の表示部と、を備え、観察 側から見て、前記第2の表示部が前記第1の 示部に重なる位置および前記第2の表示部が 記第1の表示部と互いに隣接するとともに前 記第2の表示部のレンズ部が前記第1の表示部 額縁領域に重なる位置の間を、前記第2の表 示部がスライド可能となるよう、前記第2の 示部は保持されている。

 ある実施形態の電子機器は、上記の構成 有する表示装置を有し、前記第2の表示部の 観察者側に配置されている第3の表示部を備 、観察者側から見て、前記第3の表示部が前 第2の表示部に重なる位置および前記第3の 示部が前記第2の表示部と互いに隣接すると もに前記第3の表示部のレンズ部が前記第2 表示部の額縁領域と重なる位置の間を、前 第3の表示部がスライド可能となるよう、前 第3の表示部は保持されている。

 本発明によると、表示パネルの額縁領域 見え難く、歪みが無い画像を表示すること できる直視型の表示装置が提供される。ま 、複数の表示パネルをタイリングした場合 、継ぎ目が無く歪みが無い画像を表示する 視型の表示装置が提供される。

本発明による実施形態の表示装置100の 式的な断面図である。 透光性カバー24の模式的な斜視図であ 。 透光性カバー24のレンズ部241を模式的 示す図である。 透光性カバー24のレンズ部241を模式的 示す図である。 表示装置100の光線追跡シミュレーショ を説明する図である。 本発明による実施形態の表示装置のレ ズ部の形状を示すグラフ(実線)と比較例の 示装置のレンズ部の形状を示すグラフ(破線) である。 本発明による実施形態における、見か の画素ピッチδxのグラフである。 画像圧縮率a(横軸)に対する最適な円錐 数k(縦軸)のグラフである。 比較例における、見かけの画素ピッチ xのグラフである。 (a)および(b)は、本発明による実施形態 の電子機器200を示す図であり、(c)は、電子機 器200’を示す図であり、(a)は開状態を示し、 (b)および(c)は閉状態を示す。 本発明による実施形態の電子機器300を 示す図であり、(a)は表示部301、302が並ぶ場合 を示し、(b)は表示部302が表示部301に重なる場 合を示す。 本発明による実施形態の電子機器400を 示す図であり、(a)は表示部401、402、403が並ぶ 場合を示し、(b)は表示部401、402、403が重なる 場合を示す。 表示装置900の光線追跡シミュレーショ ンを説明する図である。

 以下、図面を参照して本発明による実施 態を説明するが、本発明は例示する実施形 に限定されるものではない。

 図1に、本発明による実施形態の直視型の 液晶表示装置100を模式的に示す。図1は液晶 示装置100の模式的な断面図である。以下で 、表示パネルとして液晶表示パネルを用い 液晶表示装置を例示するが、本発明による 施形態の表示装置に用いる表示パネルは、 れに限られない。表示パネルとして、たと ば、PDP用表示パネル、有機EL表示パネル、電 気泳動表示パネル等を用いることもできる。

 図1に示す液晶表示装置100は、2つの液晶 示パネル10および20を有している。ここでは 液晶表示パネル10、20が互いに隣接するよう に配置された液晶表示装置を例示する。なお 、液晶表示パネル10および20に代えて、液晶 示パネル10が筐体に収められた液晶表示ユニ ットと、液晶表示パネル20が筐体に収められ 液晶表示ユニットとが互いに隣接するよう 配置されたものを用いることもできる。

 液晶表示パネル10、20は、複数の画素が配 列された表示領域10A、20Aと表示領域10A、20Aの 外側にある額縁領域10F、20Fとを有する。表示 に寄与しない領域を総称して非表示領域30と することとする。非表示領域30には、額縁 域10F、20Fが含まれ、これらの間隙または接 部が存在する場合には、これら間隙や接続 も非表示領域30に含まれる。液晶表示パネル 10、20の表示領域10A、20Aには、第1の方向(液晶 表示パネル10、20の表示面19、29における法線 向)および第1の方向に垂直で表示パネル10、 20の表示面19、29に平行である第2の方向D2(液 表示パネル10、20の表示面19、29における水平 方向)にマトリクス状に複数の画素が配置さ ている。画素は、第1の方向と第2の方向それ ぞれに、等ピッチで配列されている。

 液晶表示パネル10は、上基板11および下基 板12を有し、上基板11と下基板12との間には液 晶層13が設けられている。上基板11には、例 ばカラーフィルタ層や対向電極が形成され おり、下基板12には、例えば透明電極がマト リクス状に形成されているほか、TFTやバスラ イン、これらに信号を供給するための駆動回 路等が設けられている。上基板の上方および 下基板の下方にはそれぞれ偏光板が配置され ている(偏光板については不図示)。また、液 表示パネル10の額縁領域10Fには、液晶層13を 上基板11と下基板12との間に保持しておくた のシール部16や、画素を駆動するための駆動 回路等が含まれる。下基板12の下方に配置さ た偏光板のさらに下方には、バックライト 置15が設けられている。液晶表示パネル20に は、液晶表示パネル10と同様に、上基板21、 基板22、液晶層23、偏光板、シール部26、バ クライト装置25が設けられている。ここでは 、バックライト装置15、25は、例えば、互い 平行な複数の蛍光管を備える直下型バック イト装置である。

 液晶表示パネル10、20の観察者側には、透 光性カバー14、24が配置されている。透光性 バー14、24は、レンズ部141、241と平板部142、2 42とを有する。レンズ部141、241と平板部142、2 42とは観察者側表面の形状が互いに異なる。

 レンズ部141は、液晶表示パネル10の、表 領域10Aと額縁領域10Fとの間の、第1の方向に びる境界を跨ぐように配置されている。レ ズ部241も同様に、液晶表示パネル20の、表 領域20Aと額縁領域20Fとの間の、第1の方向に びる境界を跨ぐように配置されている。言 換えると、レンズ部141は、額縁領域10Fの一 と、額縁領域10Fの一部に第2の方向に隣接す る、表示領域10A内の周辺表示領域10Dの一部と を含む領域の観察者側に配置されている。レ ンズ部241も同様に、額縁領域20Fの一部と、額 縁領域20Fの一部に第2の方向に隣接する、表 領域20A内の周辺表示領域20Dの一部とを含む 域の観察者側に配置されている。

 図2に、本実施形態の液晶表示装置100の透 光性カバー24の斜視図を示す。図2に示すよう に、レンズ部241の観察者側表面2411と、第1の 向(D1)に垂直な平面(図1における、紙面と平 な面)との交線2412は円弧ではない曲線であ 。レンズ部241の観察者側表面2411の形状につ ては後に詳述する。

 レンズ部141、241は第1の方向に延びる稜線 を有している。ここで、稜線の延びる方向を 液晶表示パネル10、20の画素列、すなわちカ ーフィルタ列と略垂直とすることによって モアレの発生を抑制することができる。

 平板部142、242は、表示領域10A、20Aのうち 周辺表示領域10D、20D以外の領域である中央 示領域10B、20Bの観察者側にある。平板部142 242の観察者側表面1421、2421は、液晶表示パ ル10、20の表示面19、29と略平行である。中央 表示領域10B、20Bに配列された画素から出て平 板部142、242に入射した光は、平板部142、242内 を液晶表示パネル10、20の表示面19、29に垂直 方向に直進し、観察者側に出射される。

 液晶表示パネル10、20の周辺表示領域10D、 20Dから出射された光は、レンズ部141、241に入 射し、レンズ部141、241の、額縁領域10F、20Fの 観察者側にある領域またはそれよりも外側( 晶表示パネル10と20の継ぎ目側)の領域から観 察者側に向けて出射される。レンズ部141、241 から出射される光は、表示面19、29に垂直な 向に屈折する。このようにして、液晶表示 ネル10、20の周辺表示領域10D、20Dから出射さ た光が屈折することにより、額縁領域10F、2 0Fの前面に画像が表示される。従って、額縁 域10Fおよび20Fが見え難くなる。また、タイ ングした場合に画像の継ぎ目として見える 表示領域30が視認されないようにすること できるため、本実施形態の表示装置のよう 表示パネルをタイリングした場合でも継ぎ が無い画像が表示される。

 次に、図3を参照して、透光性カバー24の ンズ部241の構成を説明するとともに、レン 部241によって歪みが無い画像が表示される とを説明する。なお、液晶表示パネル10上 配置される透光性カバー14のレンズ部141の形 状は、液晶表示パネル10と20との境界線に対 てレンズ部241と対称的である。言い換える 、レンズ部141は、レンズ部141とレンズ部241 が接する面に対して、レンズ部241と対称で る。従って、説明を省略する。

 図3に、液晶表示パネル20上に配置される 光性カバー24のレンズ部241のレンズ形状を 式的に示す。

 説明のため、図3に図示するように原点O X軸、Y軸を設定する。原点O、X軸、Y軸につい ては図2にも図示する。原点Oは透光性カバー2 4の液晶表示パネル20側(図3における下側)の面 における、レンズ部241と平板部242との境界線 (図2における240)上に設定する。X軸は原点Oを り第2の方向(D2)に延びる軸である。原点Oか 見てX軸方向レンズ部241側(図3における右側) をX軸の正、その反対側を負とする。Y軸は原 Oを通り液晶表示パネル20の表示面29に垂直 方向(図3における上下方向)に延びる軸であ 。原点Oから見て、Y軸方向透光性カバー24側( 図3における上側)をY軸の正、その反対側を負 とする。

 液晶表示パネル20においては、原点OよりX 軸の正側に周辺表示領域20Dがある。周辺表示 領域20Dの幅をL1、額縁領域20Fの幅をL2とする 、レンズ部241はX=0~L1+L2の領域に形成される

 ここで、画像圧縮率aをa=L1/(L1+L2)と定義す る。aは周辺表示領域20Dの幅L1および額縁領域 20Fの幅L2から決まる定数であり、0<a<1で る。

 画像圧縮率aを上記のように設定すること は、レンズ部241上には画像が1/a倍に拡大され て表示されることを意味する。また、周辺表 示領域20Dに形成する画像を、中央表示領域20B に形成する画像と比較して画像圧縮率aだけ 縮することを意味する。

 レンズ部241の観察者側表面2411とXY平面と 交線2412上の任意の点を(x、y)とする。X軸上 任意の点(ax、0)から出る光線61を考える。点 (ax、0)は周辺表示領域20D内の点とする(0<ax&l t;L1)。光線61はレンズ部241に入射し、点(x、y) 通って観察者側へ出射され、図3の光線61’ 示されるようにY軸に平行に進む。レンズ部 241は、このように、X軸上の点から出る光線 観察者側表面2411からY軸に平行(表示面29に垂 直な方向)に進むように、光線を屈折させる レンズ部241は、レンズ部241に入射した光線 、観察者側表面2411上における、x座標がその 入射した位置のx座標の1/a倍である点から出 させるように設計される。

 このように設計されたレンズ部241により 歪みが無い画像が表示されることを図4を参 照して説明する。図4は、図3同様の、レンズ 241の形状を模式的に示す図である。説明で 、各画素から出射される光線は、その中心 ら出射される光線で代表する。

 X軸上のある点(ax1、0)を中心とする画素は 、光線611を出射する。光線611を出す画素にX の正側に隣接する画素から出る光線を612と 、光線612はX軸上の点(ax2、0)から出るとする( 0<ax1<ax2<L1)。光線611はレンズ部241に入 し、屈折し、交線2412上の点(x1、y1)を通って 察者側へ出射され、Y軸に平行に進む(光線61 1’)。同様に光線612はレンズ部241に入射し、 折し、交線2412上の点(x2、y2)を通って観察者 側へ出射され、Y軸に平行に進む(光線612’)。 ここで、(x1、y1)、(x2、y2)は、それぞれ、交線 2412上の、X座標がx1、x2の点である(0<x1<x2& lt;L1+L2)。

 光線611と光線612とのX軸方向(第2の方向D2) 間隔はax2-ax1=a*(x2-x1)であり、光線611’と光 612’とのX軸方向の間隔はx2-x1である(*は乗算 を表す)。すなわち、周辺表示領域20D内の互 に隣接する画素から出る光線の間隔は、各 線がレンズ部241を透過して、1/a倍に拡大さ る。

 このことは、周辺表示領域20D内の任意の 素についていえる。X軸方向に隣り合う、い ずれの画素から出射された光線どうしのX軸 向の間隔も、一様に1/a倍に拡大される。言 換えると、レンズ部241は、表示領域20Aのう 周辺表示領域20D内の複数の画素から出射さ た光の第2の方向D2におけるピッチ(すなわち 第1の方向D1に垂直な平面におけるピッチ)を 略等しくするように光を屈折させる。本実施 形態の液晶表示装置100のように、画素が第2 方向(D2)、すなわちX軸方向に等間隔に配列さ れている場合、レンズ部241を透過して観察者 側に出射される全ての光線のX軸方向の間隔 等しくなる。すなわち、本実施形態の液晶 示装置100において、周辺表示領域20D内にあ 画素から出る光は、レンズ部241を通って均 なピッチ(等間隔)で出射される。したがって 、本実施形態の液晶表示装置100では、周辺表 示領域20Dに配列された画素によって形成され る画像は、レンズ部241を通って、X軸方向(す わち、第2の方向、D2)に歪み無く1/a倍に拡大 される。

 図5に、本実施形態の液晶表示装置100によ る、液晶表示パネル10、20から出て透光性カ ー14、24を透過する光の光線追跡シミュレー ョンの結果を示す。なお、図5に示す液晶表 示装置100は図1を参照して説明した液晶表示 置100と同じ構成を有する。

 図5に示すように、液晶表示パネル10、20 中央表示領域10B、20Bに配列された画素から る光は、平板部142、242に入射し、平板部142 242内を液晶表示パネル10、20の表示面19、29に 垂直な方向に直進して観察者側に出射され、 表示面19、29に垂直な方向に進む。周辺表示 域10D、20Dに配列された画素から出る光は、 ンズ部141、241に入射し、外側(液晶表示パネ 10と20との境界線B1側)へ屈折して観察者側に 出射され、表示面19、29に垂直な方向に進む このようにして、液晶表示パネル10、20の周 表示領域10D、20Dから出射された光が屈折す ことにより、額縁領域10F、20Fの前面に画像 表示される。このことにより、額縁領域10F 20Fが見え難くなる。このことにより、タイ ングした場合に画像の継ぎ目として見える 表示領域30が視認されないようにすること できるため、本実施形態の表示装置のよう 表示パネルをタイリングした場合でも、継 目が無い画像を表示することができる。

 また、図5に示すように、レンズ部141、241 から観察者側へ出射される光は第2の方向(D2) ピッチが等しい。また、周辺表示領域10D、2 0Dに形成される画像が画像圧縮率aで圧縮され た場合、レンズ部141、241から観察者側へ出射 される光と平板部142、242から観察者側へ出射 される光のピッチは等しい。そのため、画面 全体に亘って歪みが無い画像が表示される。

 このように、液晶表示装置100は、継ぎ目 無く歪みが無い画像を表示する。

 上記では1つの画素から出る光のうち画素 の中心から出る光について言及したが、上記 のことは周辺表示領域内の1つの画素内から る任意の2つの光線や、任意の2つの画素から 出る光線についても同様のことがいえる。周 辺表示領域内のある1つの画素から出る任意 2つの光線の第2の方向の間隔はレンズ部を透 過して1/a倍に拡大される。また、周辺表示領 域内の任意の2つの画素から出る光線の間隔 レンズ部を透過して1/a倍に拡大される。

 先述のように、周辺表示領域20Dにおいて 成される画像は、中央表示領域20Bにて形成 れる画像と比較して画像圧縮率aだけ圧縮さ れている。中央表示領域20Bにて形成される画 像は平板部242を透過し、拡大も圧縮もされる ことなく観察者側に表示される。周辺表示領 域20Dに形成される画像はレンズ部241を透過し 、1/a倍に拡大されて観察者側に表示される。 このことで、液晶表示装置100には歪みが無い 画像が表示されることとなる。

 周辺表示領域20D内に形成される画像を1/a に拡大するようなレンズ部241の形状を以下 ように求めることができる。なお、上述し ように、特許文献1の方法の応用として、液 晶表示装置の各画素の中央点を点光源とみな して、透光性カバーの形状を設計する場合、 離散的に示された点同士を、直線又は曲線に より結んで透光性カバーの形状を得ることに なる。こうして得られた透光性カバーは、各 画素の中央点から出射する光については、均 一なピッチで観察者側へ出射できるものの、 画素の中央点以外の領域から出射する光に対 しては、ピッチが均一であるとは限らず、ず れが生じる。つまり画像の歪みが発生する。 従って、液晶表示装置のような面光源に近い 画素を有する表示装置においても出射光を等 ピッチとするためには、面光源から出射され る任意の光線が等ピッチで出射される必要が ある。面光源から出射される光を等ピッチで 出射する透光性カバーの最適な形状を得るた めには、透光性カバーの形状を連続的な関数 として表す必要がある。以下では図3を参照 て、レンズ部の最適な形状を表す関数の算 方法を説明する。

 X軸上の点(ax、0)から出る光61はレンズ部24 1に入射する。光線61はレンズ部241の観察者側 表面2411のXY平面との交線2412上の点(x、y)を通 てY軸に平行に進む(光線61’)。光線61’は、 点(x、y)においてスネルの法則に従い屈折す 。

 入射角をθ、屈折角をθ’、レンズ部241の屈 折率をnとすると、以下の式(1)が成り立つ。
  sinθ’=nsinθ   (1)

 交線2412(X=0~L1+L2)を表す式をf(x)とする。交線 2412上の任意の点(x、y)における接線62の傾き 、f(x)の導関数であるf’(x)で表され、以下の 式(2)が成り立つ。
  f’(x)=-tanθ’   (2)

 X軸上の点(ax、0)から出る光線61の傾きは以 のように表すことができる。
  tan(90°+θ-θ’)   (3)

 光線61はX軸上の点(ax、0)と交線2412上の点(x y)を通るので、光線61の傾きは、以下のよう 表すことができる。
  y/x(1-a)   (4)

 上記式(3)と式(4)が、X=0~L1+L2の領域におい 等しくなるように、関数f(x)を算出すればよ い。

 関数f(x)として、以下の非球面関数を用いた 場合の結果を示す。
  f(x)=h-cx 2 /(1+(1-(1+k)c 2 x 2 ) 1/2 )+A 4 x 4 +A 6 x 6 +A 8 x 8 +A 10 x 10 +・・・   (5)
f(x)の導関数f’(x)は式(5)を微分して、以下の (6)で表される。
  f'(x)=cx/(1-(1+k)c 2 x 2 ) 1/2 +4A 4 x 3 +6A 6 x 5 +8A 8 x 7 +10A 10 x 9 +・・・   (6)
 ここで、
  c:レンズ部241の曲率(曲率半径の逆数)
  h:平板部242の厚さ
  k:円錐定数(「コーニック定数」又は「conic  constant」ともいう。)
である。

 なお、各パラメータは以下の通り設定した
  周辺表示領域20Dの幅L1:12mm
  額縁領域20Fの幅L2:3mm
  画像圧縮率a:0.8
  平板部242の厚さh:13mm
  曲率半径(レンズ部241の曲率cの逆数、1/c):2 3mm
  レンズ部241の屈折率n:1.49(アクリル樹脂)

 結果は以下の通りである。
  k=1.15
  A 4 =-7.86*10 -7
  A 6 =1.89*10 -8
  A 8 =-1.62*10 -10
  A 10 =4.95*10 -13

 こうして得られたレンズ形状を図6に示す 。図6は、非球面関数f(x)を用いて求められた 線2412のグラフである(図6における実線)。

 液晶表示パネル20における画素のX軸方向 ピッチを0.1mmとし、周辺表示領域20DにX軸方 に画像圧縮率aだけ圧縮した画像を形成した とする。図6に示された形状を有するレンズ 241を通して周辺表示領域20Dおよび額縁領域20 Fに形成された画像を見た場合の見かけの画 ピッチδxを、図7に示す。

 図7から、周辺表示領域20D(X=0~12mm)および 縁領域20F(X=12~15mm)内において、見かけの画素 ピッチは、ほぼ0.1mmに均一に拡大されて表示 れていることがわかる。

 中央表示領域20Bに形成される画像の画素 ッチは0.1mmであり、中央表示領域20Bから出 平板部242を透過する画像の見かけの画素ピ チも0.1mmである。したがって、本実施形態の 液晶表示装置100は、画面全体において歪みが 無い均一な画像を表示できる。

 式(5)のf(x)で示される非球面関数のグラフ の形状は、円錐定数kの値によって決まる。 たがって、非球面関数の式(5)においては円 定数kの値が重要である。検討の結果、画像 縮率aの値に対して、最適な円錐定数kがほ 一意に決まることが分かった。

 図8は画像圧縮率a(横軸)に対する最適な円錐 定数k(縦軸)のグラフである。図8のグラフは 以下のように各パラメータを設定し、下記8 りの画像圧縮率aに対して円錐定数kを算出 た結果から得られる。
  周辺表示領域20Dの幅L1:12mm
  額縁領域20Fの幅L2:3mm
  画像圧縮率a:0.40、0.51、0.60、0.67、0.74、0.81 、0.86、0.89
  平板部242の厚さh:13mm
  曲率半径(レンズ部241の曲率cの逆数、1/c):2 3mm
  レンズ部241の屈折率n:1.49(アクリル樹脂)

 図8のグラフの近似曲線の式は以下の通りで ある。
  k=89.918a 4 -194.57a 3 +159.82a 2 -57.099a+7.1865 (7)

 上式(7)に従って、円錐定数kを算出してレ ンズ部241を設計し、透光性カバー24を形成す ば、歪みが無い画像を表示する表示装置が 現される。

 なお、透光性カバーは、たとえばアクリ 樹脂を用いて射出成形により製造される。 られた透光性カバーの表面形状は、製造誤 によりその円錐定数kが式(7)に厳密に従わな いことがある。しかし、円錐定数kが式(7)に ね従う非球面となっていれば、十分な効果 得られる。効果が得られる範囲は主観評価 よって決められ得る。

 次に画像圧縮率aおよび式(7)により画像圧 縮率aから算出される円錐定数kの値の好まし 範囲について説明する。

 画像圧縮率が低い場合(例えばa<0.7)では 、1/aの値が大きくなり、各画素は大きく拡大 される。このため、画素と画素の間にあるブ ラックマトリクスが目立って見えてしまうこ とがあり、表示不良となる場合が多い。

 また画像圧縮率が高い場合(例えばa>0.9) では、額縁領域の幅に対して大きいレンズ部 が必要となるために、あまり好ましくない。

 例えば画像圧縮率a=0.95の場合では、画像 縮率の定義式からa=L1/(L1+L2)=0.95となり、レ ズ部の幅(L1+L2)は額縁領域の幅L2の20倍である 。上記の例のように額縁領域の幅L2が3mmであ ば、レンズ部の幅L1+L2が60mmのレンズ部を作 しなければならない。例えば携帯電話用の 示装置等では、装置の幅が60mm以下である場 合が多く、レンズ部の幅L1+L2が60mmのレンズ部 材を配置できない。

 したがって、画像圧縮率aは0.7~0.9程度が ましい。式(7)を用いて、画像圧縮率a=0.7、0.9 における円錐定数kは、それぞれk≒0.38、2.4と 算出される。よって、円錐定数kの好ましい 囲は、0.38以上2.4以下である。

 もちろん、上記範囲外でも、本発明の効 が失われるものではない。

 なお、画像圧縮率aは0<a<1の範囲であ ため、円錐定数kの値は0<k<5.26の範囲に る。このkの範囲は、式(7)よりa=0、1におけ kを算出することで求められる。

 次に、画像の圧縮方法について説明する

 本実施形態では、画像を圧縮する方法と て、画素ピッチは一定とし、信号処理によ て周辺表示領域20Dに圧縮画像を形成する方 が採られている。すなわち、周辺表示領域2 0Dに配列された画素に供給される表示信号を 第2の方向(D2、X軸方向)に一様にa倍に圧縮す る。このことにより、周辺表示領域20Dに配列 された画素によってX軸方向にa倍に圧縮され 画像を形成する。この方法は例えばソフト ェアで実現される。

 画像を圧縮する方法としては、例えば画 ピッチを第2の方向に変化させる方法がある 。周辺表示領域の画素ピッチを中央表示領域 の画素ピッチより狭くし、信号処理を行なう ことなく圧縮画像を形成する方法である。こ の方法は特別な信号処理が不要であるものの 、予め専用の表示パネルを製造する必要があ る、汎用性に劣る、また、コストが掛かる、 等の問題がある。本実施形態の表示装置では 、表示領域全体に亘って画素を等間隔に配列 するため、上記の問題がない簡易な構造であ る、という利点を有する。

 また、画素を等間隔に配列し、表示信号 第2の方向に異なる圧縮比で圧縮し、周辺表 示領域に圧縮された画像を形成する方法もあ る。本実施形態の表示装置では、レンズ部の 形状が画像を第2の方向に均一に拡大するよ 設計されているため、表示信号も第2の方向 一定の圧縮率で圧縮すればよく、信号処理 簡単に行なえるという利点も有する。

 続いて、輝度の均一化について説明する

 液晶表示パネル20から出射される光のう 、レンズ部241に入射する光はレンズ部241に って拡大されるので、その拡大率(1/a)に応じ て輝度が低下する。従って、レンズ部241上に 表示される画像と平板部242上に表示される画 像との間に輝度差が発生する。

 このような輝度差は、レンズ部241に入射 る光の輝度を平板部242に入射する光の輝度 りも相対的に高めることにより改善できる このことは、周辺表示領域から出射される の輝度を、中央表示領域から出射される光 輝度よりも相対的に高めることで実現され 。

 液晶表示装置100では、中央表示領域から出 される光の輝度を高くする方法として、以 の2つの方法が考えられる。
  方法a:平板部に入射する光を出す画素の透 過率を下げる。
  方法b:レンズ部に向けて出射される光の輝 度を平板部に向けて出射される光の輝度より も高くする。

 方法aは、画素に供給する電圧を調整する ことによって容易に実現できる。方法bは、 えば、バックライト装置25として冷陰極管が 配列されている場合、周辺表示領域20Dに対応 して配置された冷陰極管群を他の冷陰極管( 央表示領域20Bに対応して配置された冷陰極 )よりも明るく点灯させればよい。また、バ クライト装置として、発光ダイオード(LED) 並べて配置されている場合でも同様の方法 実現できる。もちろん上記の方法aおよびbを 組み合わせて、輝度の均一化を行ってもよい 。

 また表示パネルが、プラズマ表示パネル( PDP)や有機EL表示パネル(OLED)のような自発光型 の表示パネルである場合には、平板部に入射 する光を出す画素の輝度を相対的に小さくす ればよい。

 上述の説明では、本実施形態の液晶表示 置100の透光性カバー14、24には、第1の方向 延びる境界を跨ぐように配置されたレンズ 141、241が設けられているが、レンズ部の位 はこれに限られない。たとえば、第2の方向 延びる第2の境界を跨ぐように配置されたさ らなるレンズ部(第2のレンズ部)が透光性カバ ーに設けられてもよい。たとえば矩形の表示 パネルと、矩形の透光性カバーとを備える表 示装置において、透光性カバーが第2の境界 跨ぐように配置された第2のレンズ部をさら 有していれば、表示パネルの全周の額縁領 にレンズ部を配置することができ、表示パ ルの全周の額縁領域を見え難くすることが きる。

 また、上述の説明では、本実施形態の液 表示装置100は2つの液晶表示パネル10、20を するが、本発明による表示装置は表示パネ を1つだけ有するものであってもよく、たと ば表示パネルを1つ備え、表示パネルの観察 者側に透光性カバーが1つ配置されていても い。このような表示装置でも、額縁領域が え難く、歪みが無い画像を表示することが きる。また、本発明に係る表示装置は3つ以 の表示パネルを有していてもよい。たとえ 、表示パネルを第1の方向に3つ以上配列し 表示パネルの観察者側に、表示領域と額縁 域との間に第2の方向に延びる境界を跨ぐよ に設けられたレンズ部を有する透光性カバ を配置してもよい。また、表示パネルを第2 の方向に3つ以上配列し、表示パネルの観察 側に、表示領域と額縁領域との間に第1の方 に延びる境界を跨ぐように設けられたレン 部を有する透光性カバーを配置してもよい また、表示パネルを第1の方向および第2の 向に互いに隣接するように、マトリクス状 複数配列し、表示パネルの観察者側に、表 領域と額縁領域との間に第1の方向に延びる 界を跨ぐように設けられたレンズ部および 示領域と額縁領域との間に第2の方向に延び る境界を跨ぐように設けられたレンズ部を有 する透光性カバーを配置してもよい。いずれ の場合でも、継ぎ目が見え難く歪みが無い画 像を表示することができる。

 また、本実施形態の液晶表示装置100の透 性カバー24はアクリル樹脂にて作製するこ ができるが、もちろんこれに限られるもの はなく、ポリカーボネート等の透明樹脂や ラスなど、透光性の材料であれば用いるこ ができる。

 また、本実施形態の表示パネルは液晶表 パネルであったが、表示パネルは液晶表示 ネルに限られない。また、バックライトを さない自発光型の表示装置にも適用可能で る。

 本発明に従うと、従来の画素が点光源と なせるような表示装置とは異なり、面光源 近い比較的大きい画素を有する複数の表示 ネルを配列した表示装置においても、継ぎ が見え難く、歪みが無い良好な表示を行う とが可能となる。

 次に、本実施形態の比較例を示す。

 レンズ部の観察者側表面と、第1の方向に 垂直な平面との交線の形状を、非球面関数で 規定される曲線ではなく、円弧状の曲線とし たこと以外は上記実施形態の表示装置と同じ とした表示装置を比較例とする。

 各パラメータは以下の通り本実施形態の液 表示装置100と同様に設定した。
  周辺表示領域20Dの幅L1:12mm
  額縁領域20Fの幅L2:3mm
  画像圧縮率a:0.8
  平板部242の厚さh:13mm
  曲率半径:23mm

 なお、上記の非球面関数の式(5)において、 下のとおりパラメータを設定すると、その ま円弧状のレンズ部の形状を算出する式と る。
  k=0
  A 4 =0
  A 6 =0
  A 8 =0
  A 10 =0

 こうして得られた交線の形状を図6のグラ フに破線で示す。また、比較例における、図 7同様の見かけの画素ピッチδxについても図9 示す。

 図9から、額縁領域20Fに近づく(Xが大きく る)に従って、見かけの画素ピッチδxが0.1mm らずれていくことがわかる。

 見かけの画素ピッチがX軸方向に変化する ことから、透光性カバーの観察者側に表示さ れる画像は、歪みが大きい画像となり、表示 不良となる。

 次に、図10~図12を参照して、本発明によ 実施形態の表示装置を用いた電子機器の種 の具体例を示す。

 図10に示す電子機器200は、2つの表示部201 202を備える。表示部201は表示パネル210と透 性カバー214とを有し、表示部202は表示パネ 220と透光性カバー224とを有する。表示部201 表示部202に相対的に回転可能にヒンジ70に って保持されている。表示パネル210、220や 光性カバー214、224は、それぞれ、先述の本 施形態の表示装置100の表示パネルや透光性 バーと同様の構成を有する。

 電子機器200は、ヒンジ70によって、図10(a) に示すように表示部201、202の表示面が隣接す るように並ぶ開状態と、図10(b)に示すように 示部201が表示部202に対して相対的に重なる 状態とを取りうる。開状態(図10(a))では、透 光性カバー214のレンズ部2141と透光性カバー22 4のレンズ部2241とが第2の方向(D2)に互いに隣 するように並ぶため、電子機器200は継ぎ目 見え難く歪みが無い画像を表示することが きる。一方閉状態(図10(b))では、表示部201の 面(表示パネル210の背面)が表示部202の背面( 示パネル220の背面)に対向し、表示部201が画 像を表示する方向と表示部202が画像を表示す る方向が互いに反対となるように表示部201と 表示部202とが重なる。この閉状態では電子機 器200はコンパクトに携帯することができる。

 上記の電子機器200において、ヒンジ70の 転中心は、表示部201の背面および表示部202 背面の延長面上にあるが、ヒンジ70の回転中 心は透光性カバー214および224の観察者側最表 面の延長面上にあってもよい。図10(c)にヒン 70’の回転中心75が透光性カバー214および224 の観察者側表面の延長面上にある電子機器200 ’の閉状態の模式的な断面図を示す。図10(c) 示すように、電子機器200’は、閉状態では 光性カバー214、224を内側にして折りたたま 、表示部201の透光性カバー214側と表示部202 透光性カバー224側とが対向する。電子機器2 00’は、閉状態において表示装置の表示を視 することができないが、携帯時に透光性カ ーの傷や汚れを防止できる点で好ましい。

 図11に示す電子機器300は、2つの表示部301 302を備える。表示部301は表示パネル310を有 、表示部302は表示パネル320と透光性カバー3 24とを有する。透光性カバー324は表示パネル3 20の観察者側に配置されている。表示部302は 示部301の観察者側に配置され、表示部302は 示部301上を第2の方向D2にスライドする構成 ある。表示パネル310、320や透光性カバー324 、それぞれ、先述の本実施形態の液晶表示 置100の表示パネルや透光性カバーと同様の 成を有する。

 表示部302は、観察者側から見て、表示部3 01と第2の方向に互いに隣接する位置(図11(a)) よび表示部301に重なる位置(図11(b))との間を ライド可能となるように保持されている。 11(a)に示されるように表示部302が、表示部30 1と第2の方向D2に互いに隣接する位置にある 合、表示部301の額縁領域310Fに透光性カバー3 24のレンズ部3241が重なる。従って、額縁領域 310Fは視認されない。また、図11(a)に示すよう に、レンズ部3241は、表示パネル320の周辺表 領域内の画素から出射された光を屈折させ 。従って、レンズ部3241上に画像が表示され 。このことにより、電子機器300は継ぎ目が い画像を表示することができる。また、図1 1(b)に示すように表示部302が表示部301に重な 位置にある場合、電子機器300はコンパクト 携帯することができる。

 図12に示す電子機器400は、3つの表示部401 402、403を備える。表示部401は表示パネル410 有し、表示部402は表示パネル420と透光性カ ー424とを有し、表示部403は表示パネル430と 光性カバー434とを有する。透光性カバー424 表示パネル420の観察者側に配置され、透光 カバー434は表示パネル430の観察者側に配置 れている。表示部402は表示部401の観察者側 配置され、表示部403は表示部402の観察者側 配置されている。表示パネル410、420、430や 光性カバー424、434は、それぞれ、先述の本 施形態の表示装置100の表示パネルや透光性 バーと同様の構成を有する。

 表示部401、402は、それぞれ図11に示した 子機器300の表示部301、302と同様の構成を有 る表示部である。表示部402は、電子機器300 表示部302と同様に、表示部401上を第2の方向 スライド可能となるように保持されている 電子機器400は電子機器300と同様の構成を有 る電子機器の観察者側に表示部をさらに一 備える構成である。表示部403は、電子機器3 00の表示部302と同様に、表示部402上を第2の方 向D2にスライド可能となるように保持されて る。

 表示部403は、観察者側から見て、表示部4 02に第2の方向に互いに隣接する位置(図12(a)) よび表示部402に重なる位置(図12(b))との間を ライド可能である。図12(a)に示すように、 示部403が表示部402に隣接する位置にあり、 示部402と表示部401とが隣接しているとき、 示パネル420の額縁領域420Fに透光性カバー434 レンズ部4341が重なり、表示パネル410の額縁 領域410Fに透光性カバー424のレンズ部4241が重 る。このとき、上述した電子機器300(図11)と 同様に、額縁領域410Fおよび420Fは視認されな 。また、レンズ部4241および4341上には、画 が表示される。このことにより、電子機器40 0は表示面全体に亘って継ぎ目が無い画像を 示することができる。また、表示部403が表 部402に重なる位置にあり、表示部402が表示 401に重なるとき(図12(b))、電子機器400はコン クトに携帯することができる。

 電子機器400のようなスライド型の電子機 として、電子機器400の表示部403の観察者側 、表示部403と同様の構成を有する少なくと 1つの表示部をさらに備えていてもよい。こ のような電子機器でも、さらなる表示部が上 記のようにスライド可能な構成とすれば、表 示部が互いに隣接するように並ぶ場合には継 ぎ目が無い画像を表示することができ、表示 部が重なる場合にはコンパクトに携帯するこ とができる。このように、表示パネルを多段 に積層することにより、大画面と携帯性とを 向上させた表示装置または電子機器も可能で ある。

 上述したように、本発明によると従来よ も簡便な構造で、表示パネルの額縁領域あ いはタイリングした場合の継ぎ目が見え難 、歪みが無い画像を表示する表示装置を提 することができる。また、本発明による表 装置は、マトリクス状に繋げて大画面を実 する表示装置に適用できるとともに、携帯 て用いるコンパクトな電子機器にも適用で る。

 本発明は、テレビや情報表示用の表示装 として好適に用いられる。

  10、20 液晶表示パネル
  10A、20A 表示領域
  10B、20B 中央表示領域
  10D、20D 周辺表示領域
  10F、20F 額縁領域
  14、24 透光性カバー
  15、25 バックライト装置
  16、26 シール部
  19、29 表示パネルの表示面
  61、61’、611、611’、612、612’ 光線
  62 接線
  100 液晶表示装置
  141、241 レンズ部
  142、242 平板部
  240 レンズ部241と平板部242との境界線
  1411、2411 レンズ部の観察者側表面
  1412、2412 交線
  1421、2421 平板部の観察者側表面
  B1 液晶表示パネル10と液晶表示パネル20と の境界線
  D1 第1の方向
  D2 第2の方向