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Title:
DISPLAY AND VIEW ANGLE CONTROL ELEMENT EMPLOYED THEREIN
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011199
Kind Code:
A1
Abstract:
A display which can be shaded such that the display on an image display cannot be viewed from a visual angle of wide range in the oblique direction, and a view angle control element employed therein. In a liquid crystal panel (2) for controlling visual angle, when light of predetermined wavelength region enters with a polar angle φH or above under a state of narrow visual angle, a liquid crystal cell (21) provides a phase difference so that the light is blocked not to pass through a polarizing plate (22). In a liquid crystal panel (3) for controlling visual angle, a liquid crystal cell (31) provides a phase difference to the light entered with a polar angle φL or above out of light that passed through the polarizing plate (22), under a state of narrow visual angle, so that the light is blocked not to pass through a polarizing plate (32). Consequently, the light with a polar angle φL or above is shaded as a whole and a wide range narrow visual angle state is achieved.

Inventors:
SAKAI TAKEHIKO
CHIBA DAI
MORISHITA KATSUHIKO
KATAOKA YOSHIHARU
TSUKAMURA CHIKANORI
Application Number:
PCT/JP2008/061199
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
June 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHARP KK (JP)
SAKAI TAKEHIKO
CHIBA DAI
MORISHITA KATSUHIKO
KATAOKA YOSHIHARU
TSUKAMURA CHIKANORI
International Classes:
G09F9/00; G02B5/30; G02F1/1333; G02F1/1335; G02F1/1347
Foreign References:
JP2006106439A2006-04-20
JP2005316470A2005-11-10
JP2007155817A2007-06-21
JP2007052260A2007-03-01
Attorney, Agent or Firm:
IKEUCHI SATO & PARTNER PATENT ATTORNEYS (OAP TOWER8-30, Tenmabashi 1-chome,Kita-k, Osaka-shi Osaka 26, JP)
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Claims:
 画像を表示する画像表示装置と、前記画像表示装置に積層され、当該画像表示装置の視野角を制御する視野角制御素子とを備えたディスプレイであって、
 前記視野角制御素子が、
 複屈折性を有する光学素子と、前記光学素子の出射側に配置された出射側偏光板を含む少なくとも1枚の偏光板とを備え、所定の波長域の光が第1の角度以上で入射した際に、前記光学素子が位相差を与えることにより、前記所定の波長域の光が前記出射側偏光板を透過しないよう遮蔽する第1の遮蔽層と、
 複屈折性を有する光学素子と、前記光学素子の出射側に配置された出射側偏光板を含む少なくとも1枚の偏光板とを含み、前記所定の波長域の光が前記第1の角度よりも小さい第2の角度以上で入射した際に、前記光学素子が位相差を与えることにより、前記所定の波長域の光が前記出射側偏光板を透過しないよう遮蔽する少なくとも一層の補助遮蔽層とを含み、
 前記第1の遮蔽層および補助遮蔽層によって、前記所定の波長域の光であって、前記視野角制御素子へ前記第2の角度以上で入射した光が遮蔽されることを特徴とするディスプレイ。
 前記第1の遮蔽層の光学素子が液晶パネルであり、
 前記補助遮蔽層の光学素子が液晶パネルである、請求項1に記載のディスプレイ。
 前記第1の遮蔽層の光学素子が位相差板であり、
 前記補助遮蔽層の光学素子が液晶パネルである、請求項1に記載のディスプレイ。
 前記第1の遮蔽層の光学素子が位相差板であり、
 前記補助遮蔽層の光学素子が位相差板である、請求項1に記載のディスプレイ。
 前記第1の遮蔽層の光学素子を挟んで配置されている偏光板の偏光吸収軸が略平行であり、前記第1の遮蔽層および補助遮蔽層の光学素子のリタデーションをR、前記各層において遮蔽される光の波長をλ、nを0以上の整数とすると、
   nλ/2-λ/4 < R < nλ/2+λ/4
が満たされる、請求項1~4のいずれか一項に記載のディスプレイ。
 前記第1の遮蔽層の光学素子を挟んで配置されている偏光板の偏光吸収軸が略直交しており、前記第1の遮蔽層および補助遮蔽層の光学素子のリタデーションをR、前記各層において遮蔽される光の波長をλ、nを0以上の整数とすると、
   nλ-λ/4 < R < nλ+λ/4
が満たされる、請求項1~4のいずれか一項に記載のディスプレイ。
 前記表示装置が透過型液晶表示装置であり、バックライトをさらに備えた、請求項1~6のいずれか一項に記載のディスプレイ。
 前記視野角制御素子が、前記バックライトと前記透過型液晶表示装置との間に配置された、請求項7に記載のディスプレイ。
 前記視野角制御素子が、前記透過型液晶表示装置の前面に配置された、請求項7に記載のディスプレイ。
 前記表示装置が、反射型液晶表示装置または半透過型液晶表示装置であり、
 前記視野角制御素子が、前記透過型液晶表示装置の前面に配置された、請求項1~6のいずれか一項に記載のディスプレイ。
 前記表示装置が、自発光型表示装置であって、
 前記視野角制御素子は、前記自発光型表示装置の前面に配置された、請求項1~6のいずれか一項に記載のディスプレイ。
 画像を表示する画像表示装置に積層され、当該画像表示装置の視野角を制御する視野角制御素子であって、
 複屈折性を有する光学素子と、前記光学素子の出射側に配置された出射側偏光板を含む少なくとも1枚の偏光板とを備え、所定の波長域の光が第1の角度以上で入射した際に、前記光学素子が位相差を与えることにより、前記所定の波長域の光が前記出射側偏光板を透過しないよう遮蔽する第1の遮蔽層と、
 複屈折性を有する光学素子と、前記光学素子の出射側に配置された出射側偏光板を含む少なくとも1枚の偏光板とを含み、前記所定の波長域の光が前記第1の角度よりも小さい第2の角度以上で入射した際に、前記光学素子が位相差を与えることにより、前記所定の波長域の光が前記出射側偏光板を透過しないよう遮蔽する少なくとも一層の補助遮蔽層とを含み、
 前記第1の遮蔽層および補助遮蔽層によって、前記所定の波長域の光であって、前記視野角制御素子へ前記第2の角度以上で入射した光が遮蔽されることを特徴とする視野角制御素子。
Description:
ディスプレイおよびそれに用い れる視野角制御素子

 本発明は、ディスプレイの視野角を広視 角と狭視野角との間で切替えられる視野角 御素子と、それを用いたディスプレイに関 るものである。

 ディスプレイは、一般的には、どの視角 ら見ても鮮明な画像を見ることができるよ に、可能な限り広い視野角を有することが められている。特に、最近広く普及してい 液晶ディスプレイは、液晶そのものが視角 存性を有することから、広視野角化に関し 様々な技術開発がなされてきた。しかしな ら、使用環境によっては、使用者本人にし 表示内容が視認できないよう、視野角が狭 方が好都合であることもある。特に、ノー 型パーソナルコンピュータ、携帯型情報端 (PDA)、または携帯電話等は、電車や飛行機 など、不特定多数の人間が存在し得る場所 使用される可能性も高い。そのような使用 境においては、機密保持やプライバシー保 等の観点から、近傍の他人から表示内容を かれたくないので、ディスプレイの視野角 狭いことが望ましい。このように、近年、1 のディスプレイの視野角を、使用状況に応 て広視野角と狭視野角との間で切替えたい いう要求が高まっている。なお、この要求 、液晶ディスプレイに限らず、任意のディ プレイに対して共通の課題である。

 このような要求に対して、画像を表示す 表示装置に加えて位相差制御用装置を備え 位相差制御用装置に印加する電圧を制御す ことによって視野角特性を変化させようと る技術が提案されている(例えば、特許第332 2197号公報)。特許第3322197号公報では、位相差 制御用液晶表示装置で用いる液晶モードとし て、カイラルネマティック液晶、ホモジニア ス液晶、ランダム配向のネマティック液晶な どが例示されている。

 また、表示用液晶パネル上部に、視野角 御用液晶パネルを設け、これらのパネルを2 枚の偏光板で挟持し、視野角制御用液晶パネ ルへの印加電圧を調整することによって、視 野角制御を行う構成も従来開示されている( えば、特開平10-268251号公報、特開2005-316470号 公報)。特開平10-268251号公報では、視野角制 用液晶パネルの液晶モードはツイストネマ ィック方式である。特開2005-316470号公報には 、平行な透過軸を有する2枚の偏光板の間に 野角制御用液晶パネルを備えた構成が開示 れている。

 上記した従来の視野角制御用液晶パネル 、いずれも、液晶パネルの位相差を利用し 視野角制御を行うものである。しかしなが 、液晶パネルの屈折率異方性が視野角によ て異なることから、液晶パネルで生じる位 差(リタデーション)は視野角に依存するの 、1枚の視野角制御用液晶パネルによって広 囲な視角範囲を同時に遮光することは難し 。

 本発明は、この問題を鑑み、斜め方向の 範囲な視角から画像表示装置の表示が見え いように遮光することができるディスプレ と、これに用いられる視野角制御素子とを 供することを目的としている。

 上記の目的を達成するために、本発明に かるディスプレイは、画像を表示する画像 示装置と、前記画像表示装置に積層され、 該画像表示装置の視野角を制御する視野角 御素子とを備えたディスプレイであって、 記視野角制御素子が、複屈折性を有する光 素子と、前記光学素子の出射側に配置され 出射側偏光板を含む少なくとも1枚の偏光板 とを備え、所定の波長域の光が第1の角度以 で入射した際に、前記光学素子が位相差を えることにより、前記所定の波長域の光が 記出射側偏光板を透過しないよう遮蔽する 1の遮蔽層と、複屈折性を有する光学素子と 前記光学素子の出射側に配置された出射側 光板を含む少なくとも1枚の偏光板とを含み 、前記所定の波長域の光が前記第1の角度よ も小さい第2の角度以上で入射した際に、前 光学素子が位相差を与えることにより、前 所定の波長域の光が前記出射側偏光板を透 しないよう遮蔽する少なくとも一層の補助 蔽層とを含み、前記第1の遮蔽層および補助 遮蔽層によって、前記所定の波長域の光であ って、前記視野角制御素子へ前記第2の角度 上で入射した光が遮蔽されることを特徴と る。

 また、上記の目的を達成するために、本 明にかかる視野角制御素子は、画像を表示 る画像表示装置に積層され、当該画像表示 置の視野角を制御する視野角制御素子であ て、複屈折性を有する光学素子と、前記光 素子の出射側に配置された出射側偏光板を む少なくとも1枚の偏光板とを備え、所定の 波長域の光が第1の角度以上で入射した際に 前記光学素子が位相差を与えることにより 前記所定の波長域の光が前記出射側偏光板 透過しないよう遮蔽する第1の遮蔽層と、複 折性を有する光学素子と、前記光学素子の 射側に配置された出射側偏光板を含む少な とも1枚の偏光板とを含み、前記所定の波長 域の光が前記第1の角度よりも小さい第2の角 以上で入射した際に、前記光学素子が位相 を与えることにより、前記所定の波長域の が前記出射側偏光板を透過しないよう遮蔽 る少なくとも一層の補助遮蔽層とを含み、 記第1の遮蔽層および補助遮蔽層によって、 前記所定の波長域の光であって、前記視野角 制御素子へ前記第2の角度以上で入射した光 遮蔽されることを特徴とする。

 本発明によれば、斜め方向の広範囲な視 から画像表示装置の表示が見えないように 光することができるディスプレイと、これ 用いられる視野角制御素子とを提供できる

図1は、本発明の第1の実施形態にかか ディスプレイの概略構成を示す断面図であ 。 図2は、第1の実施形態にかかるディス レイにおいて視野角制御用液晶パネルを狭 野角状態とした場合の光学特性を示す模式 である。 図3(a)および図3(b)は、第1の実施形態に かるディスプレイの変形例の概略構成を示 断面図である。 図4は、第1の実施形態にかかるディス レイの変形例の概略構成を示す断面図であ 。 図5は、本発明の第2の実施形態にかか ディスプレイの概略構成を示す断面図であ 。 図6は、第2の実施形態にかかるディス レイにおいて視野角制御用液晶パネルを狭 野角状態とした場合の光学特性を示す模式 である。 図7は、本発明の第3の実施形態にかか ディスプレイの概略構成を示す断面図であ 。 図8は、第3の実施形態にかかるディス レイの光学特性を示す模式図である。 図9は、第1の実施形態にかかるディス レイの変形例の概略構成を示す断面図であ 。

 本発明の一実施形態にかかるディスプレ は、画像を表示する画像表示装置と、前記 像表示装置に積層され、当該画像表示装置 視野角を制御する視野角制御素子とを備え ディスプレイであって、前記視野角制御素 が、複屈折性を有する光学素子と、前記光 素子の出射側に配置された出射側偏光板を む少なくとも1枚の偏光板とを備え、所定の 波長域の光が第1の角度以上で入射した際に 前記光学素子が位相差を与えることにより 前記所定の波長域の光が前記出射側偏光板 透過しないよう遮蔽する第1の遮蔽層と、複 折性を有する光学素子と、前記光学素子の 射側に配置された出射側偏光板を含む少な とも1枚の偏光板とを含む。このディスプレ イにおいては、前記所定の波長域の光が前記 第1の角度よりも小さい第2の角度以上で入射 た際に、前記光学素子が位相差を与えるこ により、前記所定の波長域の光が前記出射 偏光板を透過しないよう遮蔽する少なくと 一層の補助遮蔽層とを含み、前記第1の遮蔽 層および補助遮蔽層によって、前記所定の波 長域の光であって、前記視野角制御素子へ前 記第2の角度以上で入射した光が遮蔽される

 上記の構成によれば、第1の遮蔽層および 補助遮蔽層との組み合わせによって、前記所 定の波長域の光であって、前記視野角制御素 子へ前記第2の角度以上で入射した光が遮蔽 れるので、斜め方向から見た場合に広範囲 視角から画像表示装置の表示が見えないよ に遮光することが可能なディスプレイを提 できる。

 上記のディスプレイにおいて、例えば、 記第1の遮蔽層の光学素子は液晶パネルであ り、前記補助遮蔽層の光学素子は液晶パネル である。あるいは、前記第1の遮蔽層の光学 子が位相差板であり、前記補助遮蔽層の光 素子が液晶パネルである構成であっても良 。または、前記第1の遮蔽層の光学素子が位 差板であり、前記補助遮蔽層の光学素子が 相差板である構成も可能である。

 上記のディスプレイにおいて、前記第1の遮 蔽層の光学素子を挟んで配置されている偏光 板の偏光吸収軸が略平行であり、前記第1の 蔽層および補助遮蔽層の光学素子のリタデ ションをR、前記各層において遮蔽される光 波長をλ、nを0以上の整数とすると、
   nλ/2-λ/4 < R < nλ/2+λ/4
が満たされることが好ましい。

 あるいは、上記のディスプレイにおいて、 記第1の遮蔽層の光学素子を挟んで配置され ている偏光板の偏光吸収軸が略直交しており 、前記第1の遮蔽層および補助遮蔽層の光学 子のリタデーションをR、前記各層において 蔽される光の波長をλ、nを0以上の整数とす ると、
   nλ-λ/4 < R < nλ+λ/4
が満たされる構成としても良い。

 本発明の一実施形態にかかるディスプレ において、前記表示装置が透過型液晶表示 置であり、バックライトをさらに備えた構 とすることができる。この場合、前記視野 制御素子が、前記バックライトと前記透過 液晶表示装置との間に配置された構成とし も良いし、前記視野角制御素子が、前記透 型液晶表示装置の前面に配置された構成と ても良い。

 また、本発明の一実施形態にかかるディ プレイにおいて、前記表示装置が、反射型 晶表示装置または半透過型液晶表示装置で り、前記視野角制御素子が、前記透過型液 表示装置の前面に配置された構成としても い。あるいは、前記表示装置が自発光型表 装置であって、前記視野角制御素子は、前 自発光型表示装置の前面に配置された構成 しても良い。

 また、本発明の一実施形態にかかる視野 制御素子は、画像を表示する画像表示装置 積層され、当該画像表示装置の視野角を制 する視野角制御素子であって、複屈折性を する光学素子と、前記光学素子の出射側に 置された出射側偏光板を含む少なくとも1枚 の偏光板とを備え、所定の波長域の光が第1 角度以上で入射した際に、前記光学素子が 相差を与えることにより、前記所定の波長 の光が前記出射側偏光板を透過しないよう 蔽する第1の遮蔽層と、複屈折性を有する光 素子と、前記光学素子の出射側に配置され 出射側偏光板を含む少なくとも1枚の偏光板 とを含む。この視野角制御素子において、前 記所定の波長域の光が前記第1の角度よりも さい第2の角度以上で入射した際に、前記光 素子が位相差を与えることにより、前記所 の波長域の光が前記出射側偏光板を透過し いよう遮蔽する少なくとも一層の補助遮蔽 とを含み、前記第1の遮蔽層および補助遮蔽 層によって、前記所定の波長域の光であって 、前記視野角制御素子へ前記第2の角度以上 入射した光が遮蔽される。

 以下、本発明のより具体的な実施形態に いて、図面を参照しながら説明する。ただ 、以下で参照する各図は、説明の便宜上、 発明の実施形態の構成部材のうち、本発明 説明するために必要な主要部材のみを簡略 して示したものである。従って、本発明に かるディスプレイは、本明細書が参照する 図に示されていない任意の構成部材を備え る。また、各図中の部材の寸法は、実際の 成部材の寸法および各部材の寸法比率等を 実に表したものではない。

 [第1の実施形態]
 図1は、本発明の第1の実施形態にかかる液 ディスプレイ100の概略構成を示す断面図で る。図1に示すように、液晶ディスプレイ100 、画像を表示する表示用液晶パネル1(表示 置)の前面に、2枚の視野角制御用液晶パネル 2および視野角制御用液晶パネル3を備えてい 。すなわち、液晶ディスプレイ100は、合計3 枚の液晶パネルを備えている。本実施形態に おける表示用液晶パネル1は透過型であり、 の背面に、3波長光源を用いたバックライト4 が配置されている。図1に示す液晶ディスプ イ100においては、視野角制御用液晶パネル2 視野角制御用液晶パネル3とは、表示用液晶 パネル1の前面(観察者側)に配置されている。

 液晶ディスプレイ100は、視野角制御用液 パネル2および視野角制御用液晶パネル3に ける液晶をスイッチング動作させることに り、表示用液晶パネル1の画像が視認できる 野角が広い状態(広視野角)と、視野角が狭 状態(狭視野角)との間で、表示状態を切替え ることができる。狭視野角状態は、他人に表 示用液晶パネル1の画像を見られたくない場 に特に好適に用いられ、広視野角状態は、 常の使用時や、表示用液晶パネル1の画像を 数人で同時に見たい場合等に好適に用いら る。

 表示用液晶パネル1は、一対の透光性基板 間に液晶を挟持した液晶セル11と、液晶セル1 1の表裏に設けられた偏光板12,13とを有する。 液晶セル11の液晶モードやセル構造は任意で る。また、表示用液晶パネル1の駆動モード も任意である。すなわち、表示用液晶パネル 1としては、文字や画像あるいは動画を表示 きる任意の液晶パネルを用いることができ 。従って、図1においては表示用液晶パネル1 の詳細な構造を図示せず、その説明も省略す る。また、表示用液晶パネル1は、カラー表 可能なパネルであっても良いし、モノクロ 示専用のパネルであっても良い。さらに、 ックライト4の構成にも何ら限定がなく、公 の任意のバックライトを用いることができ ので、バックライト4の詳細な構造の図示お よび説明も省略する。

 視野角制御用液晶パネル2は、液晶セル21と 液晶セル21において表示用液晶パネル1とは 対側の主面に積層された偏光板22とを有し いる。液晶セル21は、狭視野角状態において 、表示用液晶パネル1の偏光板12および偏光板 22との組み合わせにより、0°~360°の方位角の なくとも一部の角度範囲において、波長λ 所定の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )にある光を、極角φがφ H 以上の方向へ透過しないよう遮蔽する特性を 有する。なお、極角とは、透過光の進行方向 が液晶ディスプレイ100の法線に対してなす角 度である。液晶セル21としては、狭視野角状 において上記の特性を実現できることを条 として、任意の液晶モードの液晶セルを用 ることができる。φ H の値は任意に設定できるが、本実施形態にお いては、例えば60°である。なお、視野角制 用液晶パネル2は、広視野角状態においては φ H よりも大きい極角からも表示用液晶パネル1 表示を視認でき、最も好ましくは、90°にで るだけ近い極角の視角からも表示用液晶パ ル1の表示を視認できる特性を有することが 好ましい。

 視野角制御用液晶パネル3は、液晶セル31と 液晶セル31において表示用液晶パネル1とは 対側の主面に積層された偏光板32とを有し いる。液晶セル31は、狭視野角状態において 、視野角制御用液晶パネル2の偏光板22と偏光 板32との組み合わせにより、0°~360°の方位角 うち上記の角度範囲において、波長λが所 の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )にある光を、極角φがφ L 以上の方向へ透過しないよう遮蔽する特性を 有する。液晶セル31としては、狭視野角状態 おいて上記の特性を実現できることを条件 して、任意の液晶モードの液晶セルを用い ことができる。φ L の値は任意に設定できるが、本実施形態にお いては、例えば30°である。なお、視野角制 用液晶パネル3は、広視野角状態においては φ L ないしφ H よりも大きい極角からも表示用液晶パネル1 表示を視認でき、最も好ましくは、90°にで るだけ近い極角の視角からも表示用液晶パ ル1の表示を視認できる特性を有することが 好ましい。

 なお、上記のλ 1 2 の値は、液晶ディスプレイ100に求められる視 野角特性に応じて任意に設定すれば良いが、 λ 1 ≦λ≦λ 2 の範囲に、RGBの3原色のピーク波長の少なく も1つを含む範囲であることが好ましい。特 、緑色(G)のように、人間の視覚において感 が高い波長域が、上述の所定の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )に含まれることが好ましい。なお、以下の 体例はあくまでも一例に過ぎないが、例え 、λ 1 =450nm、λ 2 =650nmとすれば、主として緑色の波長域の光に ついて、狭視野角状態を実現することができ る。また、λ 1 =350nm、λ 2 =550nmとすれば、主として青色の波長域の光に ついて、狭視野角状態を実現することができ る。また、λ 1 =550nm、λ 2 =750nmとすれば、主として赤色の波長域の光に ついて、狭視野角状態を実現することができ る。

 液晶ディスプレイ100において、偏光板12,2 2,32は、それらの偏光吸収軸が一致するよう 、いわゆるパラレルニコルに配置されてい 。表示用液晶パネル1の偏光板13は、液晶セ 11の液晶モードや表示用液晶パネル1が備え るその他の光学部材(例えば各種の位相差板) の特性に応じて、偏光板12に対してパラレル コルであっても良いし、クロスニコルであ ても良い。

 図2は、視野角制御用液晶パネル2と視野角 御用液晶パネル3とを共に狭視野角状態とし 場合の、液晶ディスプレイ100の光学特性を す模式図である。なお、図2において、模式 的に示した光L1,L2,L3は、いずれも、波長λが 定の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )にある。また、図2においては、偏光板13お びバックライト4の図示を省略した。図2に示 すように、視野角制御用液晶パネル2と視野 制御用液晶パネル3とを共に狭視野角状態と た場合、正面方向(極角φ=0°)に進行する光L1 は、視野角制御用液晶パネル2および視野角 御用液晶パネル3を透過して、観察者に視認 れる。一方で、極角φがφ L ≦φ≦φ H の範囲の方向に進行する光L2は、視野角制御 液晶パネル2を透過するが、視野角制御用液 晶パネル3を透過できずに遮蔽される。また 極角φがφ H よりも大きい方向に進行する光L3は、視野角 御用液晶パネル2を透過できずに遮蔽される 。これにより、視野角制御用液晶パネル2お び視野角制御用液晶パネル3を狭視野角状態 した場合、所定の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域の光は、極角φがφ L 以上の斜め方向に対しては透過できずに遮蔽 され、観察者には視認されない。この結果、 視野角制御用液晶パネル2および視野角制御 液晶パネル3を狭視野角状態とした場合、極 φがφ L 以上の斜め方向からの覗き見を防止すること ができる。

 以上の光学特性を実現するためには、視 角制御用液晶パネル2および視野角制御用液 晶パネル3を狭視野角状態としたときに、以 の(1)~(4)の条件が満たされていることが必要 ある。なお、ここでは、上述のとおり、偏 板12,22,32は、それらの偏光吸収軸が一致す ように、いわゆるパラレルニコルに配置さ ているものとする。

 (1)正面方向(極角φ=0°)に対する液晶セル21の リタデーション値R 21 φ 0 が、nをそれぞれ0以上の整数とした場合、所 の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域成分について下記の条件式(f1)を満 すように、液晶セル21において液晶分子の 動が制御されていること。なお、下記の条 式(f1)および以降に示す各条件式において、n は同一の値であっても良いし、互いに異なる 値であっても良い。

   nλ-λ/4 < R 21 φ 0  < nλ+λ/4  ・・・(f1)
 すなわち、上記の(f1)の条件が満たされれば 、偏光板12を透過して液晶セル21に入射した 線偏光の振動面は、液晶セル21を通過する際 に約180°回転するので、偏光板22を透過する とができる。

 (2)正面方向(極角φ=0°)に対する液晶セル31の リタデーション値R 31 φ 0 が、nをそれぞれ0以上の整数とした場合、所 の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域成分について下記の条件式(f2)を満 すように、液晶セル31において液晶分子の 動が制御されていること。

   nλ-λ/4 < R 31 φ 0  < nλ+λ/4  ・・・(f2)
 すなわち、上記の(f2)の条件が満たされれば 、偏光板22を透過して液晶セル31に入射した 線偏光の振動面は、液晶セル31を通過する際 に約180°回転するので、偏光板32を透過する とができる。

 (3)極角φ≧φ H の方向に対する液晶セル21のリタデーション R 21 φ H が、所定の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域成分について下記の条件式(f3)を満 すように、液晶セル21において液晶分子の 動が制御されていること。

   nλ/2-λ/4 < R 21 φ H  < nλ/2+λ/4  ・・・(f3)
 上記の(f3)の条件が満たされれば、偏光板12 透過して極角φ≧φ H で液晶セル21に入射した直線偏光は、液晶セ 21を通過する際にその振動面が約90°回転す ので、偏光板22を透過することができない

 (4)極角φ≧φ L の方向に対する液晶セル31のリタデーション R 31 φ L が、所定の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域成分について下記の条件式(f4)を満 すように、液晶セル31において液晶分子の 動が制御されていること。

   nλ/2-λ/4 < R 31 φ L  < nλ/2+λ/4  ・・・(f4)
 上記の(f4)の条件が満たされれば、偏光板22 透過して極角φ≧φ L で液晶セル31に入射した直線偏光は、液晶セ 31を通過する際にその振動面が約90°回転す ので、偏光板32を透過することができない これにより、視野角制御用液晶パネル2で遮 されなかったφ L ≦φ≦φ H の範囲の光を、視野角制御用液晶パネル3に いて遮蔽することができる。

 なお、図1に示した液晶ディスプレイ100に おいて、偏光板12に対して偏光板22をクロス コルに配置しても良い。その場合は、上記 式(f1)においてnλの項をnλ/2に置き換えると に、式(f3)において、nλ/2の項をnλに置き換 れば良い。

 また、偏光板22に対して偏光板32をクロス ニコルに配置しても良い。その場合は、上記 の式(f2)において、nλの項をnλ/2に置き換える と共に、式(f4)において、nλ/2の項をnλに置き 換えれば良い。

 また、より良好な狭視野角特性を得るた には、上記の式(f3)、(f4)におけるλ/4の項を 例えば、λ/8に設定すること、あるいは、よ りゼロに近い小さな値に設定することが好ま しい。

 以上のように、本実施形態にかかる液晶デ スプレイ100によれば、所定の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域成分については、視野角制御用液 パネル2と視野角制御用液晶パネル3とを狭視 野角状態とすることにより、視野角制御用液 晶パネル2において遮蔽されない光(すなわち 極角がφ H 未満の方向に透過する光)のうち、極角がφ L 以上の光を、第3の視野角制御用液晶パネル3 よって確実に遮光することができる。これ より、極角がφ L 以上の斜め方向へ出射する光の全てを遮光で きる。この結果、斜め方向の視角から見た場 合に表示用液晶パネル1の表示内容が全く見 ない狭視野角状態を実現することができる

 なお、視野角制御用液晶パネル2を狭視野角 状態とし、視野角制御用液晶パネル3を広視 角状態とすれば、視野角制御用液晶パネル3 φ L ≦φの範囲の光を遮光せずに透過させ、視野 制御用液晶パネル2によってφ≧φ H の範囲のみが遮光される。これにより、φ L ≦φ≦φ H の範囲においても表示用液晶パネル1の表示 見える状態とすることができる。すなわち 本実施形態にかかる液晶ディスプレイ100に れば、視野角制御用液晶パネル2と視野角制 用液晶パネル3とを共に狭視野角状態とすれ ば、φ≧φ L の範囲を遮光する広範囲な狭視野角状態を実 現でき、視野角制御用液晶パネル2を狭視野 状態とし、かつ、視野角制御用液晶パネル3 広視野角状態とすれば、φ≧φ H の範囲のみを遮光する狭範囲の狭視野角状態 を実現できる。

 なお、上記の具体例では、バックライト4の 光源が3波長光源である例を示したが、4波長 源を用いても良い。また、3波長光源または 4波長光源以外の光源を用いることも可能で る。ただし、3波長光源や4波長光源等のよう に、特定の波長に輝度ピークを有する光源を バックライトに用いる場合は、上述の所定の 範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )が、当該輝度ピークの波長を含むことが好 しい。特に、緑色(G)のように、人間の視覚 おいて感度が高い波長域が、上述の所定の 囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )に含まれることが好ましい。

 また、本実施形態では、図1に示したよう に、偏光板12が、表示用液晶パネル1の出射側 偏光板と、視野角制御用液晶パネル2の入射 偏光板とを兼ねた構成を例示した。また、 1の構成においては、偏光板22が、視野角制 用液晶パネル2の出射側偏光板と、視野角制 用液晶パネル3の入射側偏光板とを兼ねてい る。しかし、図3(a)に示すように、偏光板12の 上層に、視野角制御用液晶パネル2の入射側 光板としての偏光板23をさらに備えた液晶デ ィスプレイ101も、本発明の一実施形態である 。さらに、図3(b)に示すように、偏光板22の上 層に、視野角制御用液晶パネル3の入射側偏 板としての偏光板33をさらに備えた液晶ディ スプレイ102も、本発明の一実施形態である。 ただし、図1に示した液晶ディスプレイ100の が、図3(a)および図3(b)に示した液晶ディスプ レイ101,102よりも、偏光板の数が少なくて済 という利点がある。

 さらに、本実施形態では、表示用液晶パ ル1に近い側に視野角制御用液晶パネル2が 置され、その前面(観察者側)に視野角制御用 液晶パネル3が配置された構成を例示した。 かし、例えば、図4に示すように、視野角制 用液晶パネル2と視野角制御用液晶パネル3 の積層順序が図1に示した構成とは逆である 晶ディスプレイ103も、本発明の一実施形態 ある。

 また、本実施形態では、視野角制御用液 パネルを2枚備えた構成を例示したが、遮蔽 する極角の範囲をより細かく分けるために、 視野角制御用液晶パネルを3枚以上備えた構 としても良い。例えば、視野角制御用液晶 ネルを3枚備え、第1の視野角制御用液晶パネ ルによって極角φ≧30°の範囲を遮光し、第2 視野角制御用液晶パネルによって極角φ≧50 の範囲を遮光し、第3の視野角制御用液晶パ ルによって極角φ≧70°の範囲を遮光するよ にしても良い。

 また、例えば、上述の実施形態では、所定 波長域λ 1 ≦λ≦λ 2 の範囲について、少なくとも2枚の視野角制 用液晶パネルの組を用いて所定の極角以上 範囲を遮光する構成について説明したが、 のような視野角制御用液晶パネルの組を、 いに異なる波長範囲について複数組設ける とにより、全体として、より広い波長域の について狭視野角を実現できるように構成 ても良い。例えば、青色の波長域の光につ て、極角φ≧φ H の範囲およびφ≧φ L の範囲をそれぞれ遮光する光学特性を有する 視野角制御用液晶パネル2,3と、緑色の波長域 の光について、極角φ≧φ H の範囲およびφ≧φ L の範囲をそれぞれ遮光する光学特性を有する 視野角制御用液晶パネル2,3と、赤色の波長域 の光について、極角φ≧φ H の範囲およびφ≧φ L の範囲をそれぞれ遮光する光学特性を有する 視野角制御用液晶パネル2,3とを備えた構成と しても良い。あるいは、青色の波長域の光に ついて、極角φ≧φ H の範囲およびφ≧φ L の範囲をそれぞれ遮光する光学特性を有する 視野角制御用液晶パネル2,3と、緑色の波長域 の光について、極角φ≧φ H の範囲およびφ≧φ L の範囲をそれぞれ遮光する光学特性を有する 視野角制御用液晶パネル2,3とを備えた構成と しても良い。あるいは、緑色の波長域の光に ついて、極角φ≧φ H の範囲およびφ≧φ L の範囲をそれぞれ遮光する光学特性を有する 視野角制御用液晶パネル2,3と、赤色の波長域 の光について、極角φ≧φ H の範囲およびφ≧φ L の範囲をそれぞれ遮光する光学特性を有する 視野角制御用液晶パネル2,3とを備えた構成と しても良い。

 さらに、本実施形態では、視野角制御用液 パネル2と視野角制御用液晶パネル3との組 合わせによって、0°~360°の方位角の少なく も一部において、φ L 以上の極角における視野を遮蔽する構成とし た。すなわち、必ずしも0°~360°の全方位角に おいて狭視野角状態を実現できないのは、液 晶パネル21,31の液晶モードによっては、液晶 屈折率異方性が方位角に依存する場合があ からである。従って、方位角においてより い範囲で狭視野角状態を遮蔽するために、 野角制御用液晶パネル2と視野角制御用液晶 パネル3との組を、例えば向きを変えて、2組 上積層した構成としても良い。

 [第2の実施形態]
 本発明にかかる第2の実施形態について、以 下に説明する。なお、第1の実施形態におい 説明した構成と同様の機能を有する構成に いては、第1の実施形態と同じ参照符号を付 し、その詳細な説明を省略する。

 図5は、第2の実施形態にかかる液晶ディ プレイ200の概略構成を示す断面図である。 5に示すように、液晶ディスプレイ200は、表 用液晶パネル1の前面(観察者側)に、視野角 御用液晶パネル2の代わりに、視野角制御フ ィルム5を備えている。視野角制御フィルム5 、位相差板51および偏光板52から構成されて いる。視野角制御フィルム5の前面には、視 角制御用液晶パネル3が配置されている。

 視野角制御フィルム5の位相差板51は、第1の 実施形態における液晶セル21の狭視野角状態 同じ光学特性を有する。このような位相差 51としては、例えば、ネガティブCプレート( nx=ny>nz)を用いることができる。すなわち、 所定の波長範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の光が、極角がφ H 以上の方向に偏光板12を透過した後に偏光板5 2を透過しないようにするためには、この方 に透過する光に対するリタデーション値が ぼλ/2であるネガティブCプレートを、位相差 板51として用いれば良い。

 液晶ディスプレイ200において、偏光板12,5 2,32は、それらの偏光吸収軸が一致するよう 、いわゆるパラレルニコルに配置されてい 。偏光板13は、液晶セル11の液晶モードや表 用液晶パネル1が備え得るその他の光学部材 (例えば各種の位相差板)の特性に応じて、偏 板12に対してパラレルニコルであっても良 し、クロスニコルであっても良い。

 図6は、視野角制御用液晶パネル3を狭視野 状態としたときの、液晶ディスプレイ200の 学特性を示す模式図である。なお、図6にお ては、偏光板13およびバックライト4の図示 省略した。図6に示すように、液晶ディスプ レイ200において視野角制御用液晶パネル3を 視野角状態とした場合、第1の実施形態の液 ディスプレイ100と同様に(図2参照)、正面方 (極角φ=0°)に進行する光L1は、視野角制御フ ィルム5および視野角制御用液晶パネル3を透 して、観察者に視認される。一方で、極角 がφ L ≦φ≦φ H の範囲の方向に進行する光L2は、視野角制御 ィルム5を透過するが、視野角制御用液晶パ ネル3を透過できずに遮蔽される。また、極 φがφ H よりも大きい方向に進行する光L3は、視野角 御フィルム5を透過できずに遮蔽される。こ れにより、視野角制御用液晶パネル3を狭視 角状態とした場合、所定の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域の光は、極角φがφ L 以上の斜め方向に対しては透過できずに遮蔽 され、観察者には視認されない。この結果、 視野角制御用液晶パネル3を狭視野角状態と た場合、極角φがφ L 以上の斜め方向からの覗き見を防止すること ができる。

 以上の光学特性を実現するためには、以 の(1)~(4)の条件が満たされていることが必要 である。なお、以下の(2)および(4)の液晶セル 31のリタデーションに関する条件は、第1の実 施形態と全く同じである。なお、ここでは、 上述のとおり、偏光板12,52,32は、それらの偏 吸収軸が一致するように、いわゆるパラレ ニコルに配置されているものとする。

 (1)正面方向(極角φ=0°)に対する位相差板51の リタデーション値R 51 φ 0 が、nをそれぞれ0以上の整数とした場合、所 の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域成分について下記の条件式(f5)を満 すこと。なお、下記の条件式(f5)および以降 に示す各条件式において、nは同一の値であ ても良いし、互いに異なる値であっても良 。

   nλ-λ/4 < R 51 φ 0  < nλ+λ/4  ・・・(f5)
 すなわち、上記の(f5)の条件が満たされれば 、偏光板12を透過して位相差板51に入射した 線偏光の振動面は、位相差板51を通過する際 に約180°回転するので、偏光板52を透過する とができる。

 (2)正面方向(極角φ=0°)に対する液晶セル31の リタデーション値R 31 φ 0 が、nをそれぞれ0以上の整数とした場合、所 の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域成分について下記の条件式(f2)を満 すように、液晶セル31において液晶分子の 動が制御されていること。

   nλ-λ/4 < R 31 φ 0  < nλ+λ/4  ・・・(f2)
 すなわち、上記の(f2)の条件が満たされれば 、偏光板52を透過して液晶セル31に入射した 線偏光の振動面は、液晶セル31を通過する際 に約180°回転するので、偏光板32を透過する とができる。

 (3)極角φ≧φ H の方向に対する位相差板51のリタデーション R 21 φ H が、所定の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域成分について下記の条件式(f6)を満 すこと。

   nλ/2-λ/4 < R 51 φ H  < nλ/2+λ/4  ・・・(f6)
 上記の(f6)の条件が満たされれば、偏光板12 透過して極角φ≧φ H で位相差板51に入射した直線偏光は、位相差 51を通過する際にその振動面が約90°回転す ので、偏光板52を透過することができない

 (4)極角φ≧φ L の方向に対する液晶セル31のリタデーション R 31 φ L が、所定の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域成分について下記の条件式(f4)を満 すように、液晶セル31において液晶分子の 動が制御されていること。

   nλ/2-λ/4 < R 31 φ L  < nλ/2+λ/4  ・・・(f4)
 上記の(f4)の条件が満たされれば、偏光板52 透過して極角φ≧φ L で液晶セル31に入射した直線偏光は、液晶セ 31を通過する際にその振動面が約90°回転す ので、偏光板32を透過することができない これにより、視野角制御フィルム5で遮蔽さ なかったφ L ≦φ≦φ H の範囲の光を、視野角制御用液晶パネル3に いて遮蔽することができる。

 なお、図5に示した液晶ディスプレイ200に おいて、偏光板12に対して偏光板52をクロス コルに配置しても良い。その場合は、上記 式(f5)においてnλの項をnλ/2に置き換えると に、式(f6)において、nλ/2の項をnλに置き換 れば良い。

 また、偏光板52に対して偏光板32をクロス ニコルに配置しても良い。その場合は、上記 の式(f2)において、nλの項をnλ/2に置き換える と共に、式(f4)において、nλ/2の項をnλに置き 換えれば良い。

 また、より良好な狭視野角特性を得るた には、上記の式(f6)、(f4)におけるλ/4の項を 例えば、λ/8に設定すること、あるいは、よ りゼロに近い小さな値に設定することが好ま しい。

 以上のように、本実施形態にかかる液晶デ スプレイ200によれば、所定の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域成分について、極角がφ L 以上の方向へ進む光を確実に遮光することが できる。これにより、極角がφ L 以上の斜め方向の視角から見た場合に表示用 液晶パネル1の表示内容が全く見えない狭視 角状態を実現することができる。

 なお、本実施形態にかかる液晶ディスプレ 200によれば、視野角制御フィルム5によって φ≧φ H の範囲は常に遮光される。従って、視野角制 御用液晶パネル3を広視野角状態とすれば、 野角制御用液晶パネル3がφ L ≦φの範囲の光を遮光せずに透過させ、視野 制御フィルム5によってφ≧φ H の範囲のみが遮光される。これにより、φ L ≦φ≦φ H の範囲においても表示用液晶パネル1の表示 見える状態とすることができる。すなわち 本実施形態にかかる液晶ディスプレイ100に れば、視野角制御用液晶パネル3を狭視野角 態とすれば、φ≧φ L の範囲を遮光する広範囲な狭視野角状態を実 現でき、視野角制御用液晶パネル3を広視野 状態とすれば、φ≧φ H の範囲のみを遮光する狭範囲の狭視野角状態 を実現できる。

 また、本実施形態においても、第1の実施 形態と同様に、バックライト4として、3波長 源の代わりに4波長光源やその他の任意の光 源を有するバックライトを用いることが可能 である。

 また、本実施形態では、偏光板12が、表 用液晶パネル1の出射側偏光板と、視野角制 フィルム5の入射側偏光板とを兼ねた構成を 例示した。しかし、第1の実施形態において 3(a)および図3(b)に示した液晶ディスプレイ101 ,102と同様に、偏光板12の上層または偏光板52 上層に、偏光板をさらに備えた構成として 良い。

 さらに、本実施形態においても、視野角 御フィルム5と視野角制御用液晶パネル3と 積層順序が逆であっても良い。

 また、本実施形態では、視野角制御用液 パネルと視野角制御フィルムとを1枚ずつ備 えた構成を例示したが、遮蔽する極角の範囲 をより細かく分けるために、視野角制御用液 晶パネルまたは視野角制御フィルムを合計3 以上備えた構成としても良い。

 さらに、本実施形態では、視野角制御フィ ム5と視野角制御用液晶パネル3との組み合 せによって、0°~360°の方位角の少なくとも 部において、φ L 以上の極角における視野を遮蔽する構成とし た。すなわち、必ずしも0°~360°の全方位角に おいて狭視野角状態を実現できないのは、液 晶パネル31の液晶モードによっては、液晶の 折率異方性が方位角に依存する場合がある らである。従って、方位角においてより広 範囲で狭視野角状態を遮蔽するために、視 角制御フィルム5と視野角制御用液晶パネル 3との組を、例えば向きを変えて、2組以上積 した構成としても良い。

 [第3の実施形態]
 本発明にかかる第3の実施形態について、以 下に説明する。なお、前述の各実施形態にお いて説明した構成と同様の機能を有する構成 については、それらの実施形態と同じ参照符 号を付記し、その詳細な説明を省略する。

 図7は、第3の実施形態にかかる液晶ディ プレイ300の概略構成を示す断面図である。 7に示すように、液晶ディスプレイ300は、表 用液晶パネル1の前面(観察者側)に、第2の実 施形態で説明した視野角制御フィルム5を備 ている。液晶ディスプレイ300は、視野角制 フィルム5の前面に、さらに、視野角制御フ ルム6を備えている。視野角制御フィルム6 、位相差板61および偏光板62から構成されて る。

 視野角制御フィルム6の位相差板61は、第1の 実施形態における液晶セル31の狭視野角状態 同じ光学特性を有する。このような位相差 61としては、例えば、ネガティブCプレート( nx=ny>nz)を用いることができる。すなわち、 所定の波長範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の光が、極角がφ L 以上の方向に偏光板52を透過した後に偏光板6 2を透過しないようにするためには、この方 に透過する光に対するリタデーション値が ぼλ/2であるネガティブCプレートを、位相差 板61として用いれば良い。

 液晶ディスプレイ300において、偏光板12,5 2,62は、それらの偏光吸収軸が一致するよう 、いわゆるパラレルニコルに配置されてい 。偏光板13は、液晶セル11の液晶モードや表 用液晶パネル1が備え得るその他の光学部材 (例えば各種の位相差板)の特性に応じて、偏 板12に対してパラレルニコルであっても良 し、クロスニコルであっても良い。

 図8は、液晶ディスプレイ300の光学特性を示 す模式図である。なお、図8においては、偏 板13およびバックライト4の図示を省略した 図8に示すように、液晶ディスプレイ300にお ては、第1の実施形態の液晶ディスプレイ100 と同様に(図2参照)、正面方向(極角φ=0°)に進 する光L1は、視野角制御フィルム5および視 角制御フィルム6を透過して、観察者に視認 される。一方で、極角φがφ L ≦φ≦φ H の範囲の方向に進行する光L2は、視野角制御 ィルム5を透過するが、視野角制御フィルム 6を透過できずに遮蔽される。また、極角φが φ H よりも大きい方向に進行する光L3は、視野角 御フィルム5を透過できずに遮蔽される。こ れにより、所定の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域の光は、極角φがφ L 以上の斜め方向に対しては透過できずに遮蔽 され、観察者には視認されない。この結果、 極角φがφ L 以上の斜め方向からの覗き見を防止すること ができる。

 以上の光学特性を実現するためには、以 の(1)~(4)の条件が満たされていることが必要 である。なお、以下の(1)および(3)の位相差板 51のリタデーションに関する条件は、第2の実 施形態と全く同じである。なお、ここでは、 上述のとおり、偏光板12,52,62は、それらの偏 吸収軸が一致するように、いわゆるパラレ ニコルに配置されているものとする。

 (1)正面方向(極角φ=0°)に対する位相差板51の リタデーション値R 51 φ 0 が、nをそれぞれ0以上の整数とした場合、所 の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域成分について下記の条件式(f5)を満 すこと。なお、下記の条件式(f5)および以降 に示す各条件式において、nは同一の値であ ても良いし、互いに異なる値であっても良 。

   nλ-λ/4 < R 51 φ 0  < nλ+λ/4  ・・・(f5)
 すなわち、上記の(f5)の条件が満たされれば 、偏光板12を透過して位相差板51に入射した 線偏光の振動面は、位相差板51を通過する際 に約180°回転するので、偏光板52を透過する とができる。

 (2)正面方向(極角φ=0°)に対する位相差板61の リタデーション値R 61 φ 0 が、nをそれぞれ0以上の整数とした場合、所 の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域成分について下記の条件式(f7)を満 すこと。

   nλ-λ/4 < R 61 φ 0  < nλ+λ/4  ・・・(f7)
 すなわち、上記の(f7)の条件が満たされれば 、偏光板52を透過して位相差板61に入射した 線偏光の振動面は、位相差板61を通過する際 に約180°回転するので、偏光板62を透過する とができる。

 (3)極角φ≧φ H の方向に対する位相差板51のリタデーション R 21 φ H が、所定の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域成分について下記の条件式(f6)を満 すこと。

   nλ/2-λ/4 < R 51 φ H  < nλ/2+λ/4  ・・・(f6)
 上記の(f6)の条件が満たされれば、偏光板12 透過して極角φ≧φ H で位相差板51に入射した直線偏光は、位相差 51を通過する際にその振動面が約90°回転す ので、偏光板52を透過することができない

 (4)極角φ≧φ L の方向に対する位相差板61のリタデーション R 61 φ L が、所定の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域成分について下記の条件式(f8)を満 すこと。

   nλ/2-λ/4 < R 61 φ L  < nλ/2+λ/4  ・・・(f8)
 上記の(f8)の条件が満たされれば、偏光板52 透過して極角φ≧φ L で位相差板61に入射した直線偏光は、位相差 61を通過する際にその振動面が約90°回転す ので、偏光板62を透過することができない これにより、視野角制御フィルム5で遮蔽さ なかったφ L ≦φ≦φ H の範囲の光を、視野角制御フィルム6におい 遮蔽することができる。

 なお、図7に示した液晶ディスプレイ300に おいて、偏光板12に対して偏光板52をクロス コルに配置しても良い。その場合は、上記 式(f5)においてnλの項をnλ/2に置き換えると に、式(f6)において、nλ/2の項をnλに置き換 れば良い。

 また、偏光板52に対して偏光板62をクロス ニコルに配置しても良い。その場合は、上記 の式(f7)において、nλの項をnλ/2に置き換える と共に、式(f8)において、nλ/2の項をnλに置き 換えれば良い。

 また、より良好な狭視野角特性を得るた には、上記の式(f6)、(f8)におけるλ/4の項を 例えば、λ/8に設定すること、あるいは、よ りゼロに近い小さな値に設定することが好ま しい。

 以上のように、本実施形態にかかる液晶デ スプレイ300によれば、所定の範囲(λ 1 ≦λ≦λ 2 )の波長域成分について、極角がφ L 以上の方向へ進む光を確実に遮光することが できる。これにより、極角がφ L 以上の斜め方向の視角から見た場合に表示用 液晶パネル1の表示内容が全く見えない狭視 角状態を実現することができる。

 また、本実施形態においても、第1の実施 形態と同様に、バックライト4として、3波長 源の代わりに4波長光源やその他の任意の光 源を有するバックライトを用いることが可能 である。

 また、本実施形態では、偏光板12が、表 用液晶パネル1の出射側偏光板と、視野角制 フィルム5の入射側偏光板とを兼ねた構成を 例示した。しかし、第1の実施形態において 3(a)および図3(b)に示した液晶ディスプレイ101 ,102と同様に、偏光板12の上層または偏光板52 上層に、偏光板をさらに備えた構成として 良い。

 さらに、本実施形態においても、視野角 御フィルム5と視野角制御フィルム6との積 順序が逆であっても良い。

 また、本実施形態では、視野角制御フィ ムを2枚ずつ備えた構成を例示したが、遮蔽 する極角の範囲をより細かく分けるために、 視野角制御フィルムを合計3枚以上備えた構 としても良い。

 以上、本発明についていくつかの実施形 を説明したが、本発明は、上記の具体例の に限定されず、発明の範囲内で種々の変更 可能である。

 例えば、第1~第3の実施形態では、表示用 晶パネル1の前面のみに視野角制御素子を備 えた構成を例示した。しかし、表示用液晶パ ネル1の前面および背面の両方に視野角制御 子を備えた構成としても良い。例えば、図9 、第1の実施形態にかかる液晶ディスプレイ 100のさらなる変形例としての液晶ディスプレ イ104の構成を示す。図1と図9とを比較するこ から分かるように、液晶ディスプレイ100と 晶ディスプレイ104とは、表示用液晶パネル1 と視野角制御用液晶パネル2との積層順序が になっている。すなわち、図9に示すように 液晶ディスプレイ104は、バックライト4と表 示用液晶パネル1との間に、視野角制御用液 パネル2が配置された構成である。液晶ディ プレイ104において、表示用液晶パネル1は、 半透過型液晶パネルであっても良い。

 なお、液晶ディスプレイ104は、バックラ ト4と視野角制御用液晶パネル2との間に、 線偏光板23を備えている。すなわち、図1に した液晶ディスプレイ100の場合は、表示用 晶パネル1の偏光板12が、視野角制御用液晶 ネル2への光入射側に設けられた偏光板とし 機能するが、図9に示す液晶ディスプレイ104 の場合は、バックライト4側に直線偏光板を ける必要があるからである。ただし、図9に した液晶ディスプレイ104において、表示用 晶パネル1の入射側偏光板としての偏光板13 、省略可能である。なお、図9に示した液晶 ディスプレイ104において、視野角制御用液晶 パネル2または視野角制御用液晶パネル3の代 りに、第2の実施形態にかかる視野角制御フ ィルム5または第3の実施形態にかかる視野角 御フィルム6を備えた構成としても良い。

 また、上記の説明では、表示装置の具体 として、透過型液晶パネルを挙げたが、表 装置はこれに限定されない。例えば、反射 または半透過型の液晶表示パネルを表示装 として用いることもできる。また、液晶表 パネルのような非発光型表示装置に限らず 例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、プラズマディ プレイ、有機EL(Electronic Luminescence)素子、無 EL素子、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ 蛍光表示管(Vacuum Fluorescent Display)、電界放 ディスプレイ(Field Emission Display)、表面電界 ディスプレイ(Surface-conduction Electron-emitter Dis play)等の自発光型表示装置を用いることもで る。

 なお、上記の第1または第2の実施形態に いて、ディスプレイの表示状態が狭視野角 あるときに、ユーザにその旨を知らせるた のメッセージ、画像、またはアイコン等を 表示装置の画面に表示するようにしても良 。

 また、上記の第1または第2の実施形態に いて、表示装置で表示される画像の内容に じて視野角制御装置の駆動回路が動作し、 視野角と広視野角とを自動的に切替えるよ にしても良い。例えば、ディスプレイがイ ターネットのウェブページを見るために用 られる場合、ウェブページの内容に応じて ページに関連付けられたソフトウェアフラ グを参照し、他人から見られないことが好 しい内容である場合等に、狭視野角の表示 態に自動的に切替えるようにしても良い。 た、ブラウザが暗号化モードで起動された 合に、狭視野角の表示状態へ切替えるよう しても良い。

 また、ディスプレイが、データ入力装置 一部である場合、またはデータ入力装置と 連し、入力されているデータタイプまたは 力されようとするデータタイプが機密性を するものである場合等に、ディスプレイの 示状態を狭視野角に切替えるよう調整する とも可能である。例えば、ユーザが何らか 個人識別番号を入力したとき等に、ディス レイが自動的に狭視野角に切替わるように れば良い。

 なお、上記の第1または第2の実施形態に いて、視野角制御装置は、表示装置から取 外しが可能なモジュールまたはカバーとし 形成されても良い。そのような取り外し可 なモジュールは、表示装置に取り付けられ ときに、表示装置に電気的に接続されるこ によって、適切な電力と制御信号を得るこ ができる。

 また、上記の第1または第2の実施形態に いて、ディスプレイの周囲光を測定する光 センサ(アンビエントセンサ)をさらに備え、 光学センサの測定値が所定の閾値を下回ると きに、ディスプレイの表示状態を狭視野角と することも好ましい。

 なお、第3の実施形態にかかる液晶ディス プレイ300は、常時、狭視野角状態となってお り、第1または第2の実施形態の液晶ディスプ イのように広視野角状態と狭視野角状態と 切り替えることは不可能である。しかし、 1または第2の実施形態に比べて、装置構成 簡単であること、表示装置全体を薄くかつ 量に形成できること、透過率が高いこと、 の利点を有する。従って、用途に応じて、 1~第3の実施形態を使い分けることが好まし 。

 例えば、携帯電話機やモバイルPC等のよ に、周囲の状況に応じて広視野角状態と狭 野角状態とを切り替えて使用したい表示装 の場合は、第1または第2の実施形態を適用す ることが好ましい。一方、例えば現金自動預 け払い機(ATM)用表示パネルのように、常時、 め後ろからの他人の覗き見を防止すること 望ましい表示装置には、第3の実施形態を適 用することが考えられる。また、車載モニタ に対しては、第3の実施形態を適用すること より、車両のフロントガラスやサイドガラ へモニタ画面が映り込むことを防止できる さらに、第3の実施形態で説明した視野角制 フィルム5と視野角制御フィルム6との積層 ィルムの用途は、表示装置に限定されない 例えば、車両や建物の窓ガラスや、衝立等 様々な物品に貼り付けて、外からの視線を 蔽するために用いることが考えられる。

 また、本発明にかかるディスプレイおよ 視野角制御素子の用途は多岐に亘る。例え 、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯 情報端末(PDA)、携帯型ゲーム機、または携 電話等のディスプレイに適用されるだけで く、ATM、公共の場に設置される情報端末、 売機、および車載用ディスプレイ等、様々 機器のディスプレイに適用される。

 また、本発明にかかる視野角制御素子は ディスプレイに組み込まれた状態で実施さ ることもあるが、ディスプレイの部品とし 、視野角制御素子単体で製造され、流通す 可能性もある。

 本発明は、広視野角と狭視野角とを切替 ることにより様々な使用環境や用途に適応 能なディスプレイと、これに用いられる視 角制御素子として、産業上利用可能である