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Patent Searching and Data


Title:
DOOR PANEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041149
Kind Code:
A1
Abstract:
A door panel, despite its light weight, has sufficient strength. The door panel (20) has an outer plate (21), an inner plate (23), and a foamed material (24) placed in a space (22) between the plates. The inner plate (23) is press-formed in a projection-depression pattern. A joint section (27) of the inner plate (23) is joined to the inner surface of the outer plate (21) to form the space (22) between a projection (29) and the outer plate (21). The outer plate (21) has a thickness 1.2 - 5.0 times the thickness of the inner plate (23). The peripheral edges of the outer plate (21) are folded back and crushed so as to wrap around the peripheral edges of the inner plate (23), and this forms a hemmed section (33).

Inventors:
UTO RYOJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062738
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
July 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
CATERPILLAR JAPAN LTD (JP)
UTO RYOJI (JP)
International Classes:
E02F9/00; B60J5/00; B62D25/10; E06B3/70
Foreign References:
JPH09228412A1997-09-02
JPS482631U1973-01-12
JP2003226926A2003-08-15
JPH09228412A1997-09-02
JP3457804B22003-10-20
Other References:
See also references of EP 2196583A4
Attorney, Agent or Firm:
KABASAWA, Joo et al. (1-22 Shinjuku 3-chome,Shinjuku-k, Tokyo 22, JP)
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Claims:
 外側板と、
 外側板の内側面に固定されるとともに外側板との間に空間を形成する外側板より薄い板厚の内側板と、
 外側板と内側板との間の空間に充填された発泡材と
 を具備したことを特徴とするドアパネル。
 内側板は、
 凹状に成形されて外側板に接合された接合部と、
 接合部に対し膨出成形された凸部と
 を具備したことを特徴とする請求項1記載のドアパネル。
 内側板の周縁部を包みこむように外側板の周縁部を折返し押しつぶして形成されたヘミング加工部
 を具備したことを特徴とする請求項1または2記載のドアパネル。
 外側板は、内側板の1.2~5.0倍の板厚を有する
 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のドアパネル。
 外側板および内側板は、亜鉛メッキ鋼板を用いて成形された
 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のドアパネル。
 内側板は、
 接着剤により外側板に接着された接合部であって外側板のヘミング加工部に近接した位置から立上るように膨出成形された補強変形部
 を備えたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか記載のドアパネル。
Description:
ドアパネル

 本発明は、外側板と内側板を備えたドア ネルに関する。

 図28は、作業機械としての油圧ショベル10 を示し、下部走行体11に上部旋回体12が旋回 能に設けられ、この上部旋回体12上にキャブ 13、作業装置14、エンジンなどの動力装置15が 搭載されている。動力装置15は、上部カバー1 6およびサイドドア17,18などにより覆われてい る。サイドドア17,18は、後述するヒンジによ 開閉自在に取付けられ、ラッチ装置19によ 閉じ状態が保持される。

 従来、自動車の技術分野で用いられてい 2枚の金属板を組合わせたドア構造は、外側 板の折り曲げ加工(へミング仕上げ)により内 板を抱え込む構造であるから、抱え込む外 板の板厚が薄く、内側板の板厚がより厚く ることが一般的である。この構造を作業機 のサイドドア17,18などのドアパネルに適用 ると、外側からの衝撃に対して耐えられな 。

 作業機械の外側板をへミング加工して内 板を抱え込む構造にしたカバー体構造があ 。その外側板は、内側板と等厚の板材を用 ている(例えば、特許文献1参照)。

 また、作業機械において、カバー本体の内 に、遮音材や吸音材を内張り部材として装 したエンジンカバーがある(例えば、特許文 献2参照)。

特開平9-228412号公報(第3頁、図7-8)

特許第3457804号公報(第2頁、図1)

 特許文献1に記載のカバー体構造は、外側 板と内側板とが等厚であるから、軽量化を図 って共に薄板とした場合は、外側からの衝撃 により簡単に凹むなどの問題があり、また、 これを防止するため共に厚板とした場合は、 重量増加とコスト増加の問題がある。

 特許文献2に記載のエンジンカバーは、カ バー本体のみで十分な強度を確保する必要が あり、カバー本体が重くなるとともに、強度 確保が容易でない。

 本発明は、このような点に鑑みなされた ので、軽量化を図りながら十分な強度を得 ことができるドアパネルを提供することを 的とする。

 請求項1に記載された発明は、外側板と、 外側板の内側面に固定されるとともに外側板 との間に空間を形成する外側板より薄い板厚 の内側板と、外側板と内側板との間の空間に 充填された発泡材とを具備したドアパネルで ある。

 請求項2に記載された発明は、請求項1記 のドアパネルにおける内側板が、凹状に成 されて外側板に接合された接合部と、接合 に対し膨出成形された凸部とを具備したも である。

 請求項3に記載された発明は、請求項1ま は2記載のドアパネルにおいて、内側板の周 部を包みこむように外側板の周縁部を折返 押しつぶして形成されたヘミング加工部を 備したものである。

 請求項4に記載された発明は、請求項1乃 3のいずれか記載のドアパネルにおける外側 が、内側板の1.2~5.0倍の板厚を有するもので ある。

 請求項5に記載された発明は、請求項1乃 4のいずれか記載のドアパネルにおける外側 および内側板が、亜鉛メッキ鋼板を用いて 形されたものである。

 請求項6に記載された発明は、請求項3乃 5のいずれか記載のドアパネルにおける内側 が、接着剤により外側板に接着された接合 であって外側板のヘミング加工部に近接し 位置から立上るように膨出成形された補強 形部を備えたものである。

 請求項1に記載された発明によれば、外側 板とこの外側板より薄い内側板とで形成され た中空の閉断面構造により軽量化を図ること ができるとともに、内側板とこれにより厚い 外側板とで形成された十分な高さをもった中 空の閉断面構造により、外側からの衝撃に対 して十分な強度を確保できる強固なドアパネ ルを安価に提供でき、さらに、発泡材により 、ドアパネル自体から発生する音を効果的に 減衰させることができ、すなわち音の減衰効 果が高く、低騒音化を図ることができる。

 請求項2に記載された発明によれば、内側 板の凹状に成形された接合部に対して凸部を 膨出成形することで、内側板は、外側板より 薄い板厚であっても凹凸構造により剛性を増 すように成形して、強度を上げることができ る。

 請求項3に記載された発明によれば、内側 板の周縁部を包みこむように外側板の周縁部 を折返し押しつぶして形成されたヘミング加 工部により、内側板より板厚の厚い外側板で あっても、一定形状のヘミング加工部を得る ことができ、安定した品質の折返結合部を得 ることができる。

 請求項4に記載された発明によれば、外側 板の板厚を内側板の1.2~5.0倍にしたので、外 からの衝撃に対して十分な強度を確保でき 。

 請求項5に記載された発明によれば、外側 板および内側板を亜鉛メッキ鋼板を用いて成 形することにより、ドアパネル内部の防錆を 強化することができる。

 請求項6に記載された発明によれば、柱や 梁のような立体的な断面構造の補強変形部を 、強度が高い外側板のヘミング加工部に近接 した位置から立上るように膨出成形したので 、へミング加工部から解放された接合部のよ うな厚みをもたずに2枚の板が接着剤により 付いた部分の面積を最小にして、接着剤の けや温度変化による変形を最小限に抑制で るとともに、ドアパネルの外周部形状の反 を防止して形状精度を確保できる。

本発明に係るドアパネルの第1実施の形 態を示す断面図である。 同上ドアパネルの外面図である。 図2のIII-III線断面図である。 同上ドアパネルの外面側の斜視図であ 。 同上ドアパネルの内面側の斜視図であ 。 同上ドアパネルのヘミング加工部の断 図である。 同上ドアパネルのヘミング加工部の内 図である。 同上ドアパネルの内面側の拡大斜視図 ある。 同上ドアパネルの分解斜視図である。 同上ドアパネルの内部補強板の装着工 程を示す断面図であり、(a)は内側板内に内部 補強板を位置決めして接着した断面図であり 、(b)は外側板のへミング加工途中の周縁部内 に内側板および内部補強板を位置決めした断 面図であり、(c)は外側板をへミング加工して 内側板および内部補強板を接合固定した断面 図である。 同上ドアパネルの内側板に形成した段 差状の補強変形部を示す断面図である。 図11と対比させるために段差状の補強 形部がない場合を示す参考図である。 同上ドアパネルの内側板に形成した凹 曲面状の第1段目コーナ部および第2段目コー 部を示す斜視図である。 同上第1段目コーナ部および第2段目コ ナ部の凹曲面の曲率半径および中心を示す 視図である。 図14と対比させるために第1段目コーナ 部および第2段目コーナ部の凹曲面の曲率半 を等しく設定した場合の参考斜視図である 同上ドアパネルの内側板に形成した接 着剤溜め部を示す斜視図である。 同上ドアパネルの接着剤溜め部の断面 図である。 同上ドアパネルの水平方向断面図であ る。 図18の拡大断面図である。 同上ドアパネルを備えた作業機械の平 面図である。 本発明に係るドアパネルの第2実施の 態を示す外面側の斜視図である。 同上ドアパネルの内面側の斜視図であ る。 本発明に係るドアパネルの第3実施の 態を示す内面図である。 図23のII IV-II IV線断面図である。 図24の拡大断面図である。 本発明に係るドアパネルの第4実施の 態を示す断面図である。 同上ドアパネルの内面図である。 作業機械の概要を説明する斜視図であ る。

符号の説明

 21  外側板
 22  空間
 23  内側板
 24  発泡材
 27  接合部
 29  凸部
 33  ヘミング加工部
 34  接着剤
 56  補強変形部

 以下、本発明を、図1乃至図20に示された 1実施の形態、図21および図22に示された第2 施の形態、図23乃至図25に示された第3実施 形態、図26および図27に示された第4実施の形 態を参照しながら詳細に説明する。

 図20は、作業機械としての油圧ショベル10 を示し、下部走行体11に上部旋回体12が旋回 能に設けられ、この上部旋回体12上にキャブ 13、作業装置14、エンジンなどの動力装置15が 搭載されている。動力装置15は、上部カバー1 6およびサイドドア17などにより覆われている 。サイドドア17は、後述するヒンジにより開 自在に取付けられ、後述するラッチ装置に り閉じ状態が保持される。

 図1乃至図5は、一方のサイドドア17のドア パネル20を示し、図1および図3に示されるよ に、このドアパネル20は、外側板21と、この 側板21に対し凹凸状にプレス成形されて外 板21の内側面に凹部を固定されるとともに凸 部と外側板21との間に空間22を形成する内側 23と、これらの外側板21と内側板23との間の 間22に充填された発泡材24とを具備している

 外側板21は、内側板23の1.2~5.0倍の板厚に る。言い換えれば、内側板23は、外側板21よ 薄い板厚の鉄板、冷間圧延鋼板(SPCCなど)ま は亜鉛メッキ鋼板を用いる。例えば、外側 21を1.2mmの鉄板、冷間圧延鋼板または亜鉛メ ッキ鋼板とした場合、内側板23は、相反する 度と加工性とを満足するために、0.6mm、0.8mm などの薄い鉄板、冷間圧延鋼板または亜鉛メ ッキ鋼板を用いることが望ましく、これは金 型1回打ちに適するので、所定の強度が得ら るように以下に説明する種々の凹凸部をプ スにより成形する。

 従来の作業機械用サイドドアは、SPCCなど の冷間圧延鋼板を用いることが一般的である が、この種の多層構造ドアの場合は、結露な どにより内部の防錆が害される懸念があるの で、外側板21および内側板23を亜鉛メッキ鋼 を用いて成形することにより、ドアパネル20 の内部の防錆を強化する。

 発泡材24は、図1に示されるように内側板2 3の内面に貼付された未発泡状態のシート状 発泡素材24aを、外側板21と内側板23との間の 間22内で加熱して発泡させ、成形する。発 素材24aは、20倍程度の体積膨張率を有する高 発泡性のゴム系吸音材が望ましい。発泡素材 24aの加熱は、焼付塗装用加熱設備を用いて、 焼付塗装と同時に行なうことが望ましい。

 図2および図4に示されるように、外側板21 には、正6角形に形成された複数の通気穴25を 通気穴25各辺の結合部を介してハニカム状に 合させた通気穴集合部としてのハニカム状 気穴集合部26が、穴加工により複数組設け れている。

 図5に示されるように、内側板23は、凹状 成形されて外側板21に接合された凹部とし の接合部27,28と、これらの接合部27,28に対し 出成形された凸部29とを具備している。

 内側板23の接合部27は、外側板21のハニカ 状通気穴集合部26と対応して横方向に3列形 され、これらの接合部27には、外側板21のハ ニカム状通気穴集合部26より大きな通気用開 部30がそれぞれ穴加工により設けられてい 。

 すなわち、外側板21のハニカム状通気穴 合部26と、内側板23の凹部としての接合部27 開口された通気用開口部30は、1対1で対応し 複数組設けられているが、内側板23の通気 開口部30は、外側板21のハニカム状通気穴集 部26よりやや大きく形成されている。

 図6乃至図8に示されるように、外側板21の 周縁部31は、内側板23の周縁部32を包みこむよ うに折返して押しつぶすようにヘミング加工 する。すなわち、外側板21は、内側板23の周 部32を包みこむように折返し平坦に押しつぶ して形成された周縁部31により内側板23の周 部32を咬込み結合するへミング加工部33を備 ている。

 図6に示されるように、内側板23の少なく も周縁部32は、接着剤34により外側板21に接 され、この接着剤34によりへミング加工部33 において外側板21と内側板23とを接合すると もにシールする。接着剤34は、粘性と熱硬化 性を有するペーストタイプ構造用接着剤が望 ましい。

 図7および図8に示されるように、外側板21 の周縁部31にて外側板21の角部の折返し部分 および中間折曲部の折返し部分をそれぞれ 欠いて、角部切欠き溝35および中間折曲部切 欠き溝36が形成されている。外側板21の角部 欠き溝35と対応する内側板23の角部は、円弧 に成形されている。

 図9は、サイドドア17の分解斜視図であり 外側板21と、この外側板21に対し位置決めさ れて外側板21の内側面に固定された内側板23 の間で挟まれるようにして、ヒンジ取付用 内部補強板41が固定されている。

 この内部補強板41は、中央部に凹凸部が 返し形成された凹凸接合部42が設けられ、こ の凹凸接合部42の一端側および他端側にヒン 取付面部43,44がそれぞれ連続的に形成され これらのヒンジ取付面部43,44に隣接して、一 方の位置決め用嵌合部45および他方の位置決 用嵌合部46が凹溝状に形成されている。

 この内部補強板41に対し、内側板23のヒン ジ取付側の凸部29には、中央部に凹凸部が繰 し形成された凹凸接合部47が設けられ、こ 凹凸接合部47の一端側および他端側にヒンジ 取付窓48,49がそれぞれ開口され、これらのヒ ジ取付窓48,49に隣接して、一方の位置決め 嵌合部51および他方の位置決め用嵌合部52が 方へ突出する突起状に形成されている。

 内部補強板41は、一方の位置決め用嵌合 45と他方の位置決め用嵌合部46の大きさが異 る。同様に、内側板23は、一方の位置決め 嵌合部51と他方の位置決め用嵌合部52の大き が異なる。内部補強板41と内側板23の一方の 対応位置にそれぞれ設けられた一方の位置決 め用嵌合部45と位置決め用嵌合部51は、相互 凹凸嵌合し、内部補強板41と内側板23の他方 対応位置にそれぞれ設けられた他方の位置 め用嵌合部46と位置決め用嵌合部52は、相互 に凹凸嵌合する。

 この内部補強板41の位置決め嵌合時に、 部補強板41の凹凸接合部42が、接着剤の塗布 れた内側板23の凹凸接合部47の裏面に密着さ れるとともに、内部補強板41のヒンジ取付面 43,44が内側板23のヒンジ取付窓48,49に位置合 せされるので、これらのヒンジ取付窓48,49 通して、内部補強板41のヒンジ取付面部43,44 ヒンジ53,54をそれぞれ溶接付けして取付け 。

 図9に示されるように、外側板21および内 板23には、ラッチ装置を取付けるための取 穴55a,55bが設けられている。

 図10は、内部補強板41を組み込んだドアパ ネル20の製造方法を示し、(a)外側板21に対し 状に膨出成形された内側板23の凸部29内に内 補強板41を位置決めして凹凸接合部42,47間に 塗布された接着剤で接着する。外側板21と接 する内側板23および内部補強板41の接合部面 にも、熱硬化性の接着剤34が塗布されている (b)外側板21の周縁部31をへミング加工する途 中の折曲かつ開放状態で、この外側板21の周 部31内に接着剤塗布状態の内側板23を内部補 強板41を介し嵌着して外側板21に対し内側板23 および内部補強板41を位置決めする。(c)外側 21の周縁部31をへミング加工で内側板23の周 部32を挟んで折返すことにより、外側板21の 内側面に内側板23および内部補強板41を接合 定するとともにシールする。

 図11に示されるように、内側板23は、凹状 に形成されて外側板21に密着された接合部27 対し、凸部29が膨出成形されているが、この 凸部29の中間部に段差状の補強変形部56が形 されている。内側板23の接合部27は、接着剤3 4により外側板21に接着され、接合部27に対す 凸部29の立上り部分57は、連続的に円弧状に 形成されている。

 凸部29および補強変形部56は、図5および 8などに示されるように凹状の接合部27に沿 て無端状に形成されている。

 図12は、図11と対比させるために段差状の 補強変形部56がない場合を示す参考図であり 図11に示されるように補強変形部56によって 円弧状の立上り部分57が設置可能な場合は、 側板21に対し小さな角度θ1(<θ2)で立上が が、段差状の補強変形部56があるため、凸部 29を十分な高さH1(>H2)に設定することが可能 となる。

 図13に示されるように、内側板23の凸部29 、補強変形部56より接合部27側に位置する凹 曲面状の第1段目コーナ部61と、補強変形部56 介して形成された凹曲面状の第2段目コーナ 部62とを有し、第1段目コーナ部61の凹曲面と 2段目コーナ部62の凹曲面とが平面部を介す ことなく近接するように各コーナ部61,62の 曲面間で補強変形部56が最狭小に形成された 無平面部63を有する。

 このような無平面部63を形成するには、 14に示されるように、第2段目コーナ部62の凹 曲面の曲率半径Rを、第1段目コーナ部61の凹 面の曲率半径rより大きく設定し、かつ、第2 段目コーナ部62の凹曲面の中心P62を、第1段目 コーナ部61の凹曲面の中心P61よりコーナ内側 位置させることが望ましい。

 図15は、図14と対比させるための参考図で あり、第2段目コーナ部62aの凹曲面の曲率半 rを、第1段目コーナ部61の凹曲面の曲率半径r と等しく設定すると、各コーナ部61,62aの凹曲 面間で補強変形部56が最大に拡大する平面部6 4が形成されてしまう。

 図16に示されるように、内側板23は、外側 板21に接着剤34により接着された接合部27中に 、接着剤34を溜める接着剤溜め空間67を有す 接着剤溜め部68を備えている。

 この内側板23の接着剤溜め部68は、外側板 21の通気穴25と合致する場所に設けられた通 用開口部30に沿って、縦方向の接合部27中に 続凸状に設けられている。

 図17に示されるように、この接着剤溜め 68の接着剤溜め空間67は、高さh/幅w=1/2~1/4に 成されたほぼ円弧状の断面であり、接着剤 め部68が接合部27から立上がる立上部69の断 形状は、凹状の円弧断面に形成されている

 図5に示されるように、内側板23は、接合 27,28に対し膨出成形された凸部29を備えてい るが、その凸部29の中でも、通気用開口部30 上下部には、外側板21に連続的に接着された 横方向の接合部27に沿って連続的に膨出成形 れた突状の補強用凸部29aが設けられ、さら 図18に示されるように、この補強用凸部29a 横断する方向に凹状に強化用凹部70が形成さ れている。

 図19に示されるように、この強化用凹部70 の深さDは、補強用凸部29aの全高Hの1/3~1/2に設 定する。外側板21と内側板23の補強用凸部29a の間には、発泡材24が充填されている。

 次に、このドアパネル20の製造工程を説 する。

 図1に示されるように内側板23の凸部29内 、または図示しないが外側板21の内側面に、 発泡素材24aを貼付し、図10(a)に示されるよう 内側板23の一側の凸部29内にヒンジ取付用の 内部補強板41を接合し、さらに、内側板23の 部としての接合部27および内部補強板41に、 側板21との接着に必要な熱硬化性の接着剤34 を塗布し、図10(b)に示されるように外側板21 内側板23とを位置決めして重ね合わせ、図10( c)に示されるように外側板21の周縁部31をへミ ング加工で内側板23の周縁部32を挟んで折返 、折つぶすことにより、外側板21の内側面に 内側板23および内部補強板41を接合する。

 そして、焼付塗装用加熱設備の加熱によ 、接着剤34を硬化させて外側板21に内側板23 よび内部補強板41を接着し、さらに、図1に されるように焼付塗装用加熱設備の加熱に り発泡素材24aを発泡させて、空間22内に発 材24を充填し、さらに、焼付塗装用加熱設備 の加熱により、外側板21および内側板23の外 面に予め吹付けられた塗料を焼付ける。

 例えば、接着剤34の熱硬化は、150℃で5分 の加熱をし、発泡材24の発泡は、150℃で20分 間の加熱をし、焼付塗装は、180℃~200℃で20分 間の加熱をする。これらの加熱は、既存の焼 付塗装用加熱設備を用いて行なうことができ る。

 最後に、図5に示されるように、内側板23 ヒンジ取付窓48,49を通して、内部補強板41の ヒンジ取付面部43,44にヒンジ53,54をそれぞれ 肉溶接などで溶接付けして取付けるととも 、外側板21および内側板23の取付穴55a,55bにラ ッチ装置19を取付ける。

 次に、図1乃至図20に示された第1実施の形 態の効果を説明する。

 図1に示されるように、外側板21とこの外 板21より薄い内側板23とで形成された中空の 閉断面構造により軽量化を図ることができる とともに、内側板23とこれより厚い(内側板23 1.2~5.0倍の板厚を有する)外側板21とで形成さ れた十分な高さをもった中空の閉断面構造に より、外側からの衝撃に対して十分な強度を 確保できる強固なドアパネルを安価に提供で きる。

 さらに、外側板21と内側板23との間に充填 された発泡材24により振動を吸収して、ドア ネル自体から発生する音を効果的に減衰さ ることができ、すなわち音の減衰効果が高 、低騒音化を図ることができる。

 図3および図5に示されるように、内側板23 の凹状に成形された接合部27に対して凸部29 膨出成形することで、内側板23は、外側板21 り薄い板厚であっても、凹凸構造により剛 を増すように成形して、強度を上げること できる。

 図6および図7に示されるように、内側板23 の周縁部32を包みこむように外側板21の周縁 31を折返し押しつぶして形成されたヘミング 加工部により、内側板23より板厚の厚い外側 21であっても、一定形状のヘミング加工部33 を得ることができ、安定した品質の折返結合 部を得ることができる。

 すなわち、外側板21の周縁部により内側 23の周縁部を咬込み結合するへミング加工部 33は、内側板23の周縁部を包みこむように折 して平坦に押しつぶされたので、外側板21の 折曲げ加工部を円形断面に膨出させる従来の へミング仕上より、外側板21のへミング加工 33の形状を安定させ、均一な品質を保つこ ができる。

 このとき、外側板21の角部および中間折 部では外側板21の周縁部を折返す加工も容易 でないが、図7および図8に示されるように角 切欠き溝35により外側板21の角部の折返し部 分を切欠いたので、また中間折曲部切欠き溝 36により外側板21の中間折曲部の折返し部分 切欠いたので、外側板21の角部および中間折 曲部でも、外側板21の周縁部31を折返して平 に押しつぶす加工を容易にかつ正確にでき 。

 図6に示されるように、外側板21と内側板2 3とを、接着剤34による接着と、外側板21のへ ング加工部33とにより、確実に一体化でき 。

 図7に示されるように、外側板21の角部切 き溝35と対応する内側板23の角部を円弧状に 成形したので、内側板23の角部が外側板21の 部切欠き溝35から突出することを防止できる 。

 図8に示されるように、内側板23の通気用 口部30は、外側板21のハニカム状通気穴集合 部26より大きく設けられたので、外側板21の 側面に内側板23を一体化する際に製造上の公 差が生じても、すなわち、プレス成形品の形 状公差の大きさにより外側板21および内側板2 3の位置合わせが正確でなくても、外側板21の ハニカム状通気穴集合部26は、通気用開口部3 0の範囲内でずれるので、内側板23が外側板21 ハニカム状通気穴集合部26を塞ぐことを防 でき、外側板21および内側板23の通気用の開 面積が損なわれることがなく、所定の開口 積を確保できるとともに、外側板21および 側板23の位置合わせを容易にでき、製造時の 作業性も向上できる。

 複数組のハニカム状通気穴集合部26およ 通気用開口部30により、十分な通気用の開口 面積を確保できる。

 外側板21および内側板23の2重構造のドア ネルにおいて、内側板23の限られた通気用開 口部30に対し、外側板21にハニカム状に高密 に開口可能な通気穴25により、開口面積効率 の高いハニカム状通気穴集合部26を形成でき とともに、このハニカム状通気穴集合部26 、正6角形に形成された複数の通気穴25を通 穴各辺の結合部を介してハニカム状に集合 せたので、各通気穴25間の結合部強度を確保 しつつ、その結合部を細くして流体抵抗を小 さくすることが可能であり、通気穴25間の結 部が空気流れを阻害することに因る乱流の 生を、丸穴や4角穴を集合させた通気穴集合 部より低減できる。

 図9に示されるように、ドアパネル20の外 板21に対して内側板23が膨出された凸部29に 内側板23と外側板21との間で固定された内部 補強板41によって、凸部29での強度を補強で 、特に、この内部補強板41は、内側板23に対 凹凸嵌合により位置決めされたので、製造 に凹凸嵌合しておきさえすれば、正確に内 補強板41の位置を制御でき、最も効率的に 強が効いてくる位置に内部補強板41を正確に 位置決め固定することができる。

 すなわち、一方の位置決め用嵌合部45,51 凹凸嵌合と他方の位置決め用嵌合部46,52の凹 凸嵌合とにより、内側板23に対する長尺の内 補強板41の位置決めを容易かつ確実にでき 。

 一方の位置決め用嵌合部45,51と他方の位 決め用嵌合部46,52は大きさが異なるので、内 部補強板41の向きが異なると、内側板23の位 決め用嵌合部51,52と内部補強板41の位置決め 嵌合部45,46の位置合わせができなくなるこ から、方向性を有する内部補強板41を内側板 23内に正確に組込むことができる。

 内側板23に開口されたヒンジ取付窓48,49を 通して内部補強板41のヒンジ取付面部43,44に ンジ53,54を溶接付したので、内側板23にヒン 53,54を取付ける場合よりもヒンジ53,54の取付 強度を向上できる。

 図10に示されるように、外側板21の周縁部 31をへミング加工する途中の折曲かつ開放状 で外側板21の周縁部31内に接着剤塗布状態の 内側板23を内部補強板41を介し嵌着して位置 めし、外側板21の周縁部31をへミング加工で 側板23の周縁部32を挟んで折返すことにより 外側板21の内側面に内側板23および内部補強 41を固定したので、外側板21のへミング加工 中の周縁部31を内側板23の位置決めに有効利 用しながら、外側板21に対し凹凸状に成形さ た内側板23の凸部29での強度を内部補強板41 より確保できるドアパネルの製造方法を提 できる。

 図11に示されるように、外側板21と内側板 23とで形成される中空の閉断面構造により十 な強度を確保できるとともに、内側板23は 外側板21に密着された接合部27に対し膨出成 された凸部29の中間部に補強変形部56を段差 状に形成したので、図12に示されるように単 凸部29を形成した内側板23より、さらなる強 度の向上を図ることができ、ドアパネル全体 の強度を向上できる。

 段差状に形成された補強変形部56により 凸部29の高さH1を稼ぐことにより、負荷方向 対する断面2次モーメントは高さH1の3乗に比 例するため、構造的に強度を強化しつつ、接 合部27に対し連続的に円弧状に形成された凸 29の立上り部分57では、外側板21に対する角 θ1を図12の角度θ2より小さくすることがで るので、内側板23の接合部27を接着剤34によ 外側板21に接着したときに発生した余分な接 着剤34が凸部29内に流出しても、凸部29の立上 り部分57と外側板21との間に十分な厚みの接 剤34を残留させて、接着剤34の凸部29内への 大を防止できるとともに、残留形状の厚い 化した接着剤34により、外側板21に対する内 板23の接着強度を高めることができる。

 図5に示されるように、接合部27と、この 合部27に沿って無端状に形成された凸部29お よび補強変形部56は、相互に補強し合って、 側板23の強度を全体にわたって向上させる とができる。

 図13および図14に示されるように、内側板 23は、外側板21に密着された凹状の接合部27に 対し膨出形成された凸部29の中間部に段差状 形成された補強変形部56を備え、この補強 形部56より接合部27側に位置する第1段目コー ナ部61の凹曲面と、補強変形部56を介して形 された第2段目コーナ部62の凹曲面とが、平 部を介することなく近接するように各コー 部61,62の凹曲面間で補強変形部56が最狭小に 成された無平面部63を有するので、図15に示 されるように第1段目コーナ部61の凹曲面と第 2段目コーナ部62aの凹曲面とを平面部64で離間 させる場合の不連続性を解消でき、外周縁部 を固定した板金材料から内側板23を圧延成形 るとき、図14に示されるように連続的な第2 目コーナ部62の凹曲面から第1段目コーナ部6 1の凹曲面へと板金材料が流れやすく、コー 部のプレス成形性を向上できる。

 図14に示されるように、第1段目コーナ部6 1の凹曲面の曲率半径rより大きな曲率半径Rを 有する第2段目コーナ部62の凹曲面は、第1段 コーナ部61の凹曲面より緩やかに開放された 曲面であるので、図15に示されるような拡大 れた平面部64を有する補強変形部56より、こ の第2段目コーナ部62の凹曲面での材料流れが 円滑になり、かつ、第2段目コーナ部62の凹曲 面の中心P62は、第1段目コーナ部61の凹曲面の 中心P61よりコーナ内側に位置するので、第2 目コーナ部62の凹曲面が第1段目コーナ部61の 凹曲面に近接して、内側板23を圧延成形する きの第2段目コーナ部62から第1段目コーナ部 61への材料流れが円滑になる。

 図16および図17に示されるように、外側板 21に接着剤34により接着された内側板23の接合 部27中に、接着剤34を溜める接着剤溜め空間67 を有する接着剤溜め部68を設けたので、外側 21に内側板23を押圧して密着させたとき、外 側板21と内側板23の接合部27との間から押出さ れた接着剤34は、接着剤溜め部68内の接着剤 め空間67に残留して、この接着剤34が硬化し ときの接合力を保持できる。

 縦方向の接合部27中に連続的に設けられ 接着剤溜め部68は、サイドドアとして用いる ときに上下方向の柱としても機能し、上下方 向の荷重に対する強度を向上できる。

 酷暑仕様で外側板21の通気穴25と合致する 場所に内側板23の通気用開口部30を設けた場 は、この通気用開口部30に沿って接合部27中 連続凸状に設けられた内側板23の接着剤溜 部68によって接着剤を残留させるので、少な い接着面積でも接着剤34による接合力を保持 て確実な強度向上を図ることができるとと に、通気用開口部30に沿って接合部27中に連 続凸状に設けられた内側板23の接着剤溜め部6 8により、接合部27の強度も向上して、開口部 の周辺での強度低下を防止できる。

 高さ/幅=1/2~1/4に形成されたほぼ円弧状断 の接着剤溜め空間67は、高さが抑えられた 平状の空間であるため、外側板21と内側板23 接合部27間から接着剤溜め空間67に押出され た接着剤34が、押出された箇所に留まって固 するので、接着剤34による接合力を確実に 持できる。

 図17に示されるように、凹状の円弧断面 形成された接着剤溜め部68の立上部69と、外 板21との間には、漸次拡大する僅かな隙間 形成されるので、この立上部69の隙間に接着 剤34が均一に留まりやすく、接着剤34による 合力を確実に保持できる。

 図5に示されるように、外側板21に連続的 接着された内側板23の接合部27に沿って、図 18に示されるように連続的に膨出成形された 状の補強用凸部29aにより、外側板21に接着 れた内側板23の強度を向上させる補強ができ るとともに、補強用凸部29aを横断する方向に 凹状に形成された強化用凹部70により、補強 凸部29aによる補強をより強固なものにする とができ、要するに、相互に交差する方向 の補強用凸部29aと強化用凹部70とで内側板23 に複雑な凹凸形状を付けることにより、内側 板23の補強をより強固なものにすることがで る。

 図19に示されるように、強化用凹部70の深 さDを補強用凸部29aの全高Hの1/3以上とするこ で、強化用凹部70が浅すぎる場合のプレス 形時のスプリングバックなどの成形不良を 止できるとともに、強化用凹部70の深さDを 強用凸部29aの全高Hの1/2以下とすることで、 化用凹部70が深すぎる場合の強度低下を防 できる。

 補強用凸部29aの全高Hの1/3~1/2に設定した さDを有する強化用凹部70は、補強用凸部29a 完全に分断することがないので、補強用凸 29aの全長にわたって一連の発泡材24を容易に 設置できる。

 次に、図21および図22は、本発明の第2実 の形態を示し、この実施の形態は、要する 、図1乃至図20に示された実施の形態におけ 酷暑対策用の外側板21のハニカム状通気穴集 合部26および内側板23の通気用開口部30を有さ ないサイドドア17であり、内側板23の接合部27 は、広い面積で外側板21の裏面に接着される で、強度は向上している。他の構造は、図1 乃至図20に示された実施の形態と同様である ら、同一符号を付して、その説明を省略す 。

 次に、図23乃至図25は、本発明の第3実施 形態を示し、この実施の形態は、要するに 図1乃至図22に示された実施の形態における 差状の補強変形部56を有さないサイドドア17 示し、他の構造は、図1乃至図22に示された 施の形態と同様であるから、同一符号を付 て、その説明を省略する。

 次に、図26および図27は、本発明の第4実 の形態を示し、この実施の形態は、要する 、上記第3実施の形態とは逆に、図1乃至図22 示された実施の形態における段差状の補強 形部56をへミング加工部33の近傍に近接させ て設置したサイドドア17を示す。

 すなわち、図23乃至図25に示された第3実 の形態のような作業機械用多層構造のサイ ドア17は、外周部を接着剤34により接着する ともに、外側板21の外周縁部のへミング加 曲げ(以下、「ヘム曲げ」という)によって結 合させ、このヘム曲げ部分で十分な接着面積 を確保するために、凸部29の立上り部分をヘ ング加工部33から十分に離間させたもので るが、このようなへミング加工部33から解放 された接合部27のような厚みをもたずに2枚の 板が接着剤34により貼り付いただけの部分の 積が大きな構造では、接着剤34のひけや温 変化による変形で外周部の形状が反りやす 、形状精度が確保し難いことが分かってき 。

 そこで、図26に示されるように、外側板21 のヘミング加工部33により外側板21に接着可 な内側板23の接合部27であってヘミング加工 33に近接した位置から立上るように内側板23 の補強変形部56を膨出成形する。要するに、 ミング加工部33の折返端縁部の際まで補強 形部56を膨出成形し、厚みを持たせた構造と する。

 これにより、柱や梁のような立体的な断 構造の補強変形部56を、曲げ長さが約10mm近 あって強度が高い外側板21のヘミング加工 33に近接した位置から立上るように膨出成形 したので、へミング加工部33から解放された 合部27のような厚みをもたずに2枚の板が接 剤34により貼り付いただけの部分の面積を 小にして、接着剤34のひけや温度変化による 変形を最小限に抑制できるとともに、ドアパ ネル20の外周部形状の反りを防止して形状精 を確保できる。

 また、図27に示されるように、このサイ ドア17は、外側板21の通気用開口部26aおよび 側板23の接合部27に開口された通気用開口部 30aが、外側板21および内側板23の一側枠部か 他側枠部にわたって横方向に大きく開口さ て酷暑に対処できる酷暑仕様となっている

 さらに、一側枠部のヒンジ取付部48a,49aに は、それぞれ1対のヒンジ取付穴48h,49hが設け れ、これらのヒンジ取付穴48h,49hを通して、 外側板21と内側板23との間に設けられた内部 強板(図示せず)に溶接された裏ナットに螺入 されるボルトにより、ヒンジ取付部48a,49a上 ヒンジ(図示せず)を取付けるようにする。

 本発明は、図20または図28に示された油圧 ショベルなどの作業機械のドアパネルに利用 可能である。