Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
DOPE FOR OPTICAL FILM AND PRODUCTION METHOD THEREFOR, OPTICAL FILM, POLARIZING PLATE, AND METHOD FOR PRODUCING OPTICAL FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175580
Kind Code:
A1
Abstract:
This dope for an optical film contains a matrix resin, coated fine particles, and a solvent. The coated fine particles each have: a copolymer fine particle which has a refractive index difference from the matrix resin of 0.01 or less and an average particle diameter R1 of 0.01-0.4 μm; and a coating layer which contains a matrix resin coating at least a part of the surface of the copolymer fine particle. In the dope, when the average particle diameter of the coated fine particles measured by a dynamic light scattering method is denoted by R2, R2/R1 is 2-10.

Inventors:
REN RIEKO
SHIMADA HIKARU
SHIMIZU KAZUKO
Application Number:
PCT/JP2020/007859
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 26, 2020
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
KONICA MINOLTA INC (JP)
International Classes:
G02B5/30; C08J5/18
Foreign References:
JP2010024338A2010-02-04
JP2018513253A2018-05-24
JP2009030001A2009-02-12
Attorney, Agent or Firm:
WASHIDA & ASSOCIATES (JP)
Download PDF:
Claims:
\¥0 2020/175580 63 卩(:171? 2020 /007859

請求の範囲

[請求項 1] マトリクス樹脂と、

前記マトリクス樹脂との屈折率の差が〇. 〇 1以下であり、 かつ平 均粒子径[¾ 1が〇. 0 1〜〇. 4 である共重合体微粒子と、 その 表面の少なくとも一部を被覆し、 前記マトリクス樹脂を含む被覆層と を有する被覆微粒子と、

溶媒とを含む光学フィルム用のドープであって、 前記ドープ中において、 動的光散乱法により測定される前記被覆微 粒子の平均粒子径を 2としたとき、

光学フィルム用のドープ。

[請求項 2] 前記マトリクス樹脂は、 (メタ) アクリル系樹脂、 または極性基を 有するシクロオレフィン系樹脂である、

請求項 1 に記載の光学フィルム用のドープ。

[請求項 3] 前記共重合体微粒子は、 (メタ) アクリル酸エステル類に由来する 構造単位を含む共重合体である、

請求項 1 または 2に記載の光学フィルム用のドープ。

[請求項 4] 前記被覆層は、 2以上のエチレン性不飽和結合を有する架橋性化合 物に由来する構造単位を含む架橋重合体をさらに含む、 請求項 1〜 3のいずれか一項に記載の光学フィルム用のドープ。

[請求項 5] 糖エステル化合物、 数平均分子量 1 0 0 0〜 6 0 0 0 0のセルロー スジアセテート、 およびアクリル酸メチル系オリゴマーからなる群よ り選ばれる分散化合物をさらに含む、

請求項 1〜 3のいずれか一項に記載の光学フィルム用のドープ。

[請求項 6] 1) マトリクス樹脂の一部と、 前記マトリクス樹脂との屈折率の差 が 0 . 0 1以下であり、 かつ平均粒子径[¾ 1が〇. 0 1〜〇. 4 ^ 01 である共重合体微粒子と、 第 1溶媒とを含む微粒子分散液を準備する 工程と、

2) 前記微粒子分散液と、 前記マトリクス樹脂の残部と、 第 2溶媒 \¥0 2020/175580 64 卩(:171? 2020 /007859

とを混合して、 ドープを得る工程と、 を含み、

前記 1) の工程において、

前記第 1溶媒の溶解度パラメータ (3 値) を 3 1、 前記マトリ クス樹脂の 3 値を 3 2、 前記共重合体微粒子の 3 値を 3 3と したとき、 下記式 ( 1) を満たし、

式 (1) : 3 1 £ 3 2、 または、

かつ

下記要件 (丨) 〜 (丨 丨 丨) の少なくとも一つを満たす、 光学フィルム用のドープの製造方法。

( I) 前記 3 1が、 1 6 . 5以下である

( \ \) 前記微粒子分散液における前記マトリクス樹脂の含有量が 、 前記共重合体微粒子 1 〇〇質量部に対して 1 6 5質量部以上である

( \ \ \) 前記微粒子分散液を調製するときの温度が、 4 0 °〇以上 である

[請求項 7] 1) マトリクス樹脂との屈折率の差が 0 . 0 1以下であり、 かつ平 均粒子径 1が〇. 0 1〜〇. 4 である共重合体微粒子と、 分散 化合物と、 溶媒とを含む微粒子分散液を準備する工程と、

2) 前記微粒子分散液と、 前記マトリクス樹脂と、 溶媒とを混合し て、 ドープを得る工程とを含み、

前記分散化合物は、 糖エステル化合物、 数平均分子量 1 0 0 0〜 6 0 0 0 0のセルロースジアセテートおよびアクリル酸メチル系オリゴ マーからなる群より選ばれる一以上であり、 かつ

前記分散化合物の含有量は、 前記共重合体微粒子 1 〇〇質量部に対 して 1 0 0〜 1 5 0 0質量部である、

光学フィルム用のドープの製造方法。

[請求項 8] 1) マトリクス樹脂との屈折率の差が 0 . 0 1以下であり、 かつ平 均粒子径 1が〇. 0 1〜〇. 4 である共重合体微粒子と、 溶媒 とを含む微粒子分散液を準備する工程と、 \¥0 2020/175580 65 卩(:171? 2020 /007859

2) 前記微粒子分散液と、 前記マトリクス樹脂と、 溶媒とを混合し て、 ドープを得る工程とを含み、

前記 1) の工程において、 前記微粒子分散液は、 2以上のエチレン 性不飽和結合を有する架橋性化合物を含むか、 または 前記 2) の工程において、 前記架橋性化合物をさらに混合し、 前記架橋性化合物の含有量は、 前記共重合体微粒子に対して 1 〇〇 質量部に対して 5 0〜 1 5 0 0質量部である、

光学フィルム用のドープの製造方法。

[請求項 9] 前記マトリクス樹脂は、 (メタ) アクリル系樹脂、 または極性基を 有するシクロオレフィン系樹脂である、

請求項 6〜 8のいずれか一項に記載の光学フィルム用のドープの製 造方法。

[請求項 10] 前記共重合体微粒子は、 (メタ) アクリル酸エステル類に由来する 構造単位を含む共重合体である、

請求項 6〜 9のいずれか一項に記載の光学フィルム用のドープの製 造方法。

[請求項 1 1 ] マトリクス樹脂と、 前記マトリクス樹脂との屈折率の差が〇. 〇 1 以下である共重合体微粒子とを含む光学フィルムであって、

前記光学フィルムの切断面を丁日 IV!観察して測定される、 前記共重 合体微粒子の平均粒子径 8 1’ は、 〇. 0 1〜〇. 4 であり、 前記光学フィルムを、 当該フィルム: メチレンクロライ ド:エタノ —ル = 1 5 : 8 0 : 5 (質量比) となるように溶解させた溶液におい て、 前記共重合体微粒子の表面の少なくとも一部は、 前記マトリクス 樹脂で被覆されており、

前記溶液中において、 動的光散乱法で測定される、 表面の少なくと も一部が前記樹脂で被覆された前記共重合体微粒子の平均粒子径を 8 2, としたとき、 [¾ 2, / [¾ 1, が 2〜 1 0である、 光学フィルム。 \¥0 2020/175580 66 卩(:171? 2020 /007859

[請求項 12] 前記マトリクス樹脂は、 (メタ) アクリル系樹脂、 または極性基を 有するシクロオレフィン系樹脂である、

請求項 1 1 に記載の光学フィルム。

[請求項 13] 前記光学フィルムの内部ヘイズは、 〇. 0 3 %以下である、

請求項 1 1 または 1 2に記載の光学フィルム。

[請求項 14] 前記光学フィルムの引張弾性率は、 1 8 0 0 IV! 3以上である、 請求項 1 1〜 1 3のいずれか一項に記載の光学フィルム。

[請求項 15] 前記共重合体微粒子の含有量は、 前記マトリクス樹脂に対して〇.

7〜 8質量%である、

請求項 1 1〜 1 4のいずれか一項に記載の光学フィルム。

[請求項 16] 偏光子と、

前記偏光子の少なくとも一方の面に配置された、 請求項 1 1〜 1 5 のいずれか一項に記載の光学フィルムとを含む、

偏光板。

[請求項 17] 請求項 1〜 5のいずれか一項に記載の光学フィルム用のドープを、 支持体上に流延した後、 乾燥および剥離して膜状物を得る工程を含む \

光学フィルムの製造方法。

[請求項 18] 前記膜状物を巻き取り、 口ール状の光学フィルムを得る工程をさら に含む、

請求項 1 7に記載の光学フイルムの製造方法。

Description:
\¥0 2020/175580 1 卩(:17 2020 /007859 明 細 書

発明の名称 :

光学フィルム用のドープおよびその製造方 法、 光学フィルム、 偏光板、 な らびに光学フィルムの製造方法

技術分野

[0001 ] 本発明は、 光学フィルム用のドープおよびその製造方法 、 光学フィルム、 偏光板、 ならびに光学フィルムの製造方法に関する。

背景技術

[0002] 液晶表示装置や有機日 !_表示装置などの表示装置は、 偏光板保護フィルム などの光学フィルムを有する。 そのような光学フィルムとしては、 優れた透 明性や寸法安定性、 低吸湿性を有することから、 シクロオレフィン系樹脂や (メタ) アクリル系樹脂を主成分として含むフィルム が用いられることがあ る。

[0003] これらのフィルムは、 滑り性を付与するために、 通常、 シリカ粒子などの 微粒子 (マッ ト剤) を含む。 しかしながら、 微粒子を含むフィルムは、 内部 ヘイズが増大しやすく、 透明性が損なわれやすい。 そこで、 フィルムの内部 ヘイズを増大させることなく、 滑り性を付与するフィルムとして、 種々のも のが提案されている。

[0004] 例えば、 特許文献 1 には、 環状オレフィン系樹脂と、 微粒子とを含み、 環 状オレフィン系樹脂と微粒子との屈折率差の 絶対値を△ n、 微粒子の平均粒 子径を「としたとき、 △ n 「が〇. 0 5以下に調整された環状オレフィン 系樹脂フィルムが開示されている。 特許文献 2には、 基層と、 表層とを含む 多層構造からなり、 かつ表層のみが、 八门 「が〇. 0 5以下を満たす微粒 子を含む環状オレフィン系樹脂フィルムが開 示されている。 このように、 △ 门 を所定の範囲に調整することで、 内部ヘイズを増大させることなく、 良好な滑り性を付与できるとされている。

先行技術文献 \¥0 2020/175580 2 卩(:17 2020 /007859 特許文献

[0005] 特許文献 1 :特開 2 0 0 7 _ 1 1 2 9 6 7号公報

特許文献 2 :特開 2 0 0 7 - 2 6 1 0 5 2号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] しかしながら、 特許文献 1のフィルムは、 内部ヘイズを十分に低減できる ものではなかった。 また、 特許文献 2のフィルムは、 内部ヘイズを低減でき るものの、 滑り性を十分に高めうるものではなく、 貼り付きを抑制できるも のではなかった。

[0007] すなわち、 シクロオレフィン系樹脂や (メタ) アクリル系樹脂は、 従来の 光学フィルムに用いられるセルロースエステ ル系樹脂などと比べて弾性率が 低いため、 口ール状に巻き取った状態では貼り付きが生 じやすい。 それによ り、 光学フィルムの幅方向の厚みムラが生じ、 ブラックバンド (長手方向に 形成される帯状のスジ) などの貼り付き故障が生じやすいという問題 があっ た。

[0008] 本発明は、 上記事情に鑑みてなされたものであり、 内部ヘイズを増大させ ることなく、 十分な滑り性を有し、 例えば口ール状に巻き取った際の貼り付 き故障を抑制できる光学フィルムを付与しう る、 光学フィルム用のドープお よびその製造方法、 光学フィルム、 偏光板ならびに光学フィルムの製造方法 を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009] 上記課題は、 以下の構成によって解決することができる。

[0010] 本発明の光学フィルム用のドープは、 マトリクス樹脂と、 被覆微粒子と、 溶媒とを含み、 被覆微粒子は、 前記マトリクス樹脂との屈折率の差が 0 . 0 1以下であり、 かつ平均粒子径[¾ 1が〇. 0 1〜〇. 4 である共重合体 微粒子と、 その表面の少なくとも一部を被覆し、 前記マトリクス樹脂を含む 被覆層とを有し、 前記ドープ中において、 動的光散乱法により測定される前 \¥02020/175580 3 卩(:171? 2020 /007859

記被覆微粒子の平均粒子径を したとき、

[0011] 本発明のドープの製造方法は、 1) マトリクス樹脂の一部と、 前記マトリ クス樹脂との屈折率の差が 0. 01以下であり、 かつ平均粒子径[¾ 1が〇. 01〜〇. 4 である共重合体微粒子と、 第 1溶媒とを含む微粒子分散液 を準備する工程と、 2) 前記微粒子分散液と、 前記マトリクス樹脂の残部と 、 第 2溶媒とを混合して、 ドープを得る工程とを含み、

前記 1) の工程において、

前記第 1溶媒の溶解度パラメータ (3 値) を 3 1、 前記マトリクス樹 脂の 3 値を 3 2、 前記共重合体微粒子の 3 値を 3 3としたとき、 下 記式 ( 1) を満たし、

式 (1) : 3 1 £3 2、 または、

かつ

下記要件 (丨) 〜 (丨 丨 丨) の少なくとも一つを満たす。

( I) 前記 3 1が、 1 6. 5以下である

( \ \) 前記微粒子分散液における前記マトリクス樹 脂の含有量が、 前記 共重合体微粒子 1 〇〇質量部に対して 1 65質量部以上である

( I I 丨) 前記微粒子分散液を調製するときの温度は、 40 ° 〇以上である [0012] 本発明のドープの製造方法は、 1) マトリクス樹脂との屈折率の差が〇.

01以下であり、 かつ平均粒子径[¾ 1が〇. 01〜〇. 4 である共重合 体微粒子と、 分散化合物と、 溶媒とを含む微粒子分散液を準備する工程と 、 2) 前記微粒子分散液と、 前記マトリクス樹脂と、 溶媒とを混合して、 ドー プを得る工程とを含み、 前記分散化合物は、 糖エステル化合物、 数平均分子 量 1 000〜 60000のセルロースジアセテートおよびアクリ 酸メチル 系オリゴマーからなる群より選ばれる一以上 であり、 かつ前記分散化合物の 含有量は、 前記共重合体微粒子 1 〇〇質量部に対して 1 00〜 1 500質量 部である。

[0013] 本発明のドープの製造方法は、 1) マトリクス樹脂との屈折率の差が〇. \¥0 2020/175580 4 卩(:171? 2020 /007859

0 1以下であり、 かつ平均粒子径[¾ 1が〇. 0 1〜〇. 4 である共重合 体微粒子と、 溶媒とを含む微粒子分散液を準備する工程と 、 2) 前記微粒子 分散液と、 前記マトリクス樹脂と、 溶媒とを混合して、 ドープを得る工程と を含み、 前記 1) の工程において、 前記微粒子分散液は、 2以上のエチレン 性不飽和結合を有する架橋性化合物を含むか 、 または前記 2) の工程におい て、 前記架橋性化合物をさらに混合し、 前記架橋性化合物の含有量は、 前記 共重合体微粒子に対して 1 0 0質量部に対して 5 0〜 1 5 0 0質量部である

[0014] 本発明の光学フィルムは、 マトリクス樹脂と、 前記マトリクス樹脂との屈 折率の差が 0 . 0 1以下である共重合体微粒子とを含む光学フ ルムであっ て、 前記光学フィルムの切断面を丁日 IV!観察して測定される、 前記共重合体 微粒子の平均粒子径[¾ 1’ は、 〇. 0 1〜〇. 4 であり、 前記光学フィ ルムを、 当該フィルム: メチレンクロライ ド:エタノール = 1 5 : 8 0 : 5 (質量比) となるように溶解させた溶液において、 前記共重合体微粒子の表 面の少なくとも一部は、 前記マトリクス樹脂で被覆されており、 前記溶液中 において、 動的光散乱法で測定される、 表面の少なくとも一部が前記マトリ クス樹脂で被覆された前記共重合体微粒子の 平均粒子径を 2’ としたとき

[0015] 本発明の偏光板は、 偏光子と、 前記偏光子の少なくとも一方の面に配置さ れた、 本発明の光学フィルムとを含む。

[0016] 本発明の光学フィルムの製造方法は、 本発明の光学フィルム用のドープを 、 支持体上に流延した後、 乾燥および剥離して膜状物を得る工程を含む 。 発明の効果

[0017] 本発明によれば、 内部ヘイズを増大させることなく、 十分な滑り性を有し 、 口ール状に巻き取った際の貼り付き故障など を抑制できる光学フィルムを 付与しうる、 光学フィルム用のドープおよびその製造方法 、 光学フィルム、 偏光板ならびに光学フィルムの製造方法を提 供することができる。

図面の簡単な説明 \¥0 2020/175580 5 卩(:171? 2020 /007859

[0018] [図 1 ]図 1は、 と、 内部ヘイズとの関係の一例を示すグラフであ る 発明を実施するための形態

[0019] 光学フィルムの滑り性を十分に高めるために は、 フィルム表面の凹凸の数 を増やして、 フィルム同士の接触面積を減らすことが有効 であり ;そのため には、 微粒子を小粒径化して微粒子の数を増やした り、 微粒子の添加量を多 く したりすることが有効である。 しかしながら、 小粒径化や増量を行うと、 微粒子の凝集が生じやすいため、 得られるフィルムの内部ヘイズが増大しや すいだけでなく、 流延後のドープ (塗膜) を剥離する際に、 微粒子の脱落が 発生しやすい。 微粒子の脱落は、 微粒子が凝集することで、 微粒子の総表面 積が減少して、 マトリクス樹脂との接触面積が減少したこと によって生じや すいと考えられる。

つまり、 微粒子の凝集により、 フィルムの内部ヘイズが増大するだけでな く ;微粒子の脱落により、 フィルムに残る微粒子の量も少なくなるため 、 十 分な数の凹凸を形成することができず、 十分な滑り性を得ることができない

[0020] これに対し、 本発明者らは、 ドープの段階で、 微粒子の 1個 1個を樹脂で 被覆することで、 微粒子の凝集を抑制し、 かつ樹脂と微粒子の分子間結合を 高めることで、 剥離時の微粒子の脱落を抑制できることを見 出した。 つまり 、 ドープ中で、 微粒子の表面に樹脂が吸着または保護してい ること、 すなわ ち、 動的光散乱法で測定される平均粒子径が大き くなっていることが好まし い。 樹脂で被覆された微粒子は凝集しにくく、 良好に分散しうる。 そのため 、 フィルムの内部ヘイズを増大させにくいだけ でなく、 フィルム表面に十分 な数の凹凸を形成することができ、 十分な滑り性を付与することができる。 そこで、 本発明者らは、 微粒子の表面の被覆量について検討した。

[0021 ] 図 1は、 と、 フィルムの内部ヘイズとの関係の一例を示す グラ フである。

[0022] 図 1 に示されるように、 1が 2以上であると、 共重合体微粒子の \¥0 2020/175580 6 卩(:171? 2020 /007859

表面を、 樹脂で十分に覆うことができる。 そのため、 得られるフィルムの内 部ヘイズを十分に低減できる。 ただし、

りすぎると、 共重合体微粒子の表面を覆う樹脂が多くなり すぎるため、 フィ ルムの機械的強度 (弾性率) が低下しやすい。 フィルムの機械的強度 (弾性 率) が低下すると、 前述のように、 フィルム同士の貼り付きを生じやすく、 それにより、 ブラックバンドなどの貼り付き故障を生じや すい。 本発明者ら は、 内部ヘイズを十分に低減しつつ、 フィルムの機械的強度 (弾性率) を低 下させない程度に、 共重合体微粒子の表面を樹脂で覆うことを見 出した。

[0023] すなわち、 本発明のドープは、 マトリクス樹脂と、 共重合体微粒子の少な くとも一部の表面が樹脂で被覆された被覆微 粒子と、 溶媒とを含む。 そして 、 共重合体微粒子の平均粒子径を 1、 ドープ中において、 動的光散乱法に より測定される被覆微粒子の平均粒子径を 2としたとき、 2 / 1が 2

〜 1 0の範囲内となるように調整されている。 それにより、 内部ヘイズを増 大させることなく、 良好な滑り性を有し、 かつ機械的強度 (弾性率) も損な われないため、 貼り付き故障を高度に抑制できるフィルムを 得ることができ る。

[0024] 1 . ドープ

本発明のドープは、 マトリクス樹脂と、 被覆微粒子と、 溶媒とを含む。

[0025] 1 - 1 . マトリクス樹脂

マトリクス樹脂は、 通常、 熱可塑性樹脂でありうる。 中でも、 溶液製膜法 で製膜でき、 かつ良好な透明性と、 低い吸湿性とを有する光学フィルムが得 られやすい観点などから、 (メタ) アクリル系樹脂、 極性基を有するシクロ オレフィン系樹脂またはセルロースアセテー トプロビオネートが好ましい。

[0026] ( (メタ) アクリル系樹脂)

(メタ) アクリル系樹脂は、 (メタ) アクリル酸エステルの単独重合体、 または (メタ) アクリル酸エステルとそれと共重合可能な共 重合モノマーと の共重合体である。 なお、 (メタ) アクリルとは、 アクリルまたはメタクリ ルを意味する。 (メタ) アクリル酸エステルは、 メタクリル酸メチルである \¥0 2020/175580 7 卩(:171? 2020 /007859

ことが好ましい。

[0027] すなわち、 (メタ) アクリル系樹脂は、 メタクリル酸メチルに由来する構 造単位を含み、 それと共重合可能なメタクリル酸メチル以外 の共重合モノマ - (以下、 単に 「共重合モノマー」 という) に由来する構造単位をさらに含 みうる。

[0028] 共重合モノマーは、 特に制限されないが、 溶液製膜時の乾燥性を高めやす くする観点では、 環構造を有する共重合モノマーを含むことが 好ましい。 環 構造の例には、 脂環、 芳香環およびイミ ド環が含まれる。 そのような環構造 を有する共重合モノマーは、 分子の自由体積が大きいことから、 溶液製膜エ 程において、 膜状物の樹脂マトリクス中で、 溶媒分子を移動させるための隙 間 (空間) を形成しやすい。 それにより、 溶媒の除去性、 すなわち、 乾燥性 を高めることができる。

[0029] 環構造を有する共重合モノマーの例には、

(メタ) アクリル酸ジシクロペンタニル、 (メタ) アクリル酸イソボルニ ル、 (メタ) アクリル酸アダマンチル、 (メタ) アクリル酸シクロヘキシル 、 六員環ラクトン (メタ) アクリル酸エステルなどの脂環を有する (メタ) アクリル酸エステル;

ビニルシクロヘキサンなどの脂環を有するビ ニル類;

スチレン、 〇—メチルスチレン、 01—メチルスチレン、 _メチルスチレ ン、 《—メチルスチレンなどの芳香環を有するビ ニル類;および

1\1—フエニルマレイミ ド、 1\1—エチルマレイミ ド、 1\1—プロピルマレイミ ド、 1\1—シクロヘキシルマレイミ ド、 1\1—〇—クロロフエニルマレイミ ドな どのマレイミ ド類 (イミ ド環を有する化合物) が含まれる。

[0030] 中でも、 環構造を有する共重合モノマーは、 芳香環を有する共重合モノマ - (例えば芳香環を有するビニル類) 、 またはイミ ド環を有する共重合モノ マー (例えばマレイミ ド類) であることが好ましい。 これらのモノマーは、 (メタ) アクリル系樹脂のガラス転移温度を高めやす い。

[0031 ] 共重合モノマーに由来する構造単位は、 環構造を有する共重合モノマーに \¥0 2020/175580 8 卩(:171? 2020 /007859

由来する構造単位以外の他の共重合モノマ ーに由来する構造単位をさらに含 んでもよい。

[0032] 他の共重合モノマーの例には、 環構造を有しない共重合モノマー、 すなわ ち、

(メタ) アクリル酸エチル、 (メタ) アクリル酸プロピル、 (メタ) アク リル酸プチル、 (メタ) アクリル酸 2 -ヒドロキシエチル、 (メタ) アクリ ル酸ヘキシル、 (メタ) アクリル酸 2 -エチルヘキシル、 (メタ) アクリル 酸门ーオクチルなどの炭素原子数 2〜 2 0の (メタ) アクリル酸アルキルエ ステル;

(メタ) アクリロニトリルなどの不飽和二トリル類;

(メタ) アクリル酸、 クロトン酸、 (メタ) アクリル酸などの不飽和カル ボン酸類;

酢酸ビニル、 エチレンやプロピレンなどのオレフイン類;

塩化ビニル、 塩化ビニリデン、 フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル 類;

(メタ) アクリルアミ ド、 メチル (メタ) アクリルアミ ド、 エチル (メタ ) アクリルアミ ド、 プロピル (メタ) アクリルアミ ドなどの (メタ) アクリ ルアミ ド類が含まれる。 これらは、 単独で用いてもよいし、 2種以上を併用 してもよい。

[0033] (メタ) アクリル系樹脂が、 環構造を有する共重合モノマーに由来する構 造単位を含む場合、 その含有量は、 (メタ) アクリル系樹脂を構成する全構 造単位に対して 1 〇〜 4 0質量%であることが好ましく、 1 〇〜 3 0質量% であることがより好ましい。 環構造を有する共重合モノマーに由来する構 造 単位の含有量が 1 0質量%以上であると、 (メタ) アクリル系樹脂のガラス 転移温度を高めやすいため、 溶液製膜時の乾燥温度を高めやすいだけでな く 、 膜状物中に環構造に由来して、 溶媒が移動できる空間を形成しやすいため 、 乾燥性も高めやすい。 また、 環構造を有する共重合モノマーに由来する構 造単位の含有量が 4 0質量%以下であると、 (メタ) アクリル系樹脂を含む 膜状物が脆くなりすぎない。

[0034] (メタ) アクリル系樹脂のモノマーの種類や組成は、 1 H_NMRにより特 定することができる。

[0035] (メタ) アクリル系樹脂のガラス転移温度 (T g) は、 90 ° C以上である ことが好ましい。 (メタ) アクリル系樹脂の T gが 90 ° C以上であると、 光 学フィルムの耐熱性を高めうるだけでなく、 溶液製膜時の乾燥温度を高める ことができるため、 乾燥性を高めやすい。 溶液製膜時の乾燥温度をより高め やすく し、 かつ光学フィルムの靱性を損ないにくくする 観点では、 (メタ) アクリル系樹脂の T gは、 1 00〜 1 50°Cであることがより好ましい。

[0036] (メタ) アクリル系樹脂のガラス転移温度 (T g) は、 DSC (D i f f e r e n t i a l S c a n n i n g Co l o r i me t r y : 差走査熱 量法) を用いて、 J I S K 7 1 2 1 -201 2または A S TM D 34 1 8-82に準拠して測定することができる。

[0037] (メタ) アクリル系樹脂のガラス転移温度 (T g) は、 モノマー組成によ つて調整することができる。 (メタ) アクリル系樹脂のガラス転移温度 (T g) を高めるためには、 例えば環構造を有する共重合モノマーに由来 する構 造単位の含有量を多くすることが好ましい。

[0038] (メタ) アクリル系樹脂の重量平均分子量 (Mw) は、 40万〜 300万 であることが好ましい。 メタクリル系樹脂の重量平均分子量が上記範 囲であ ると、 フィルムに十分な機械的強度 (靱性) を付与しつつ、 製膜性や乾燥性 も損なわれにくい。 (メタ) アクリル系樹脂の重量平均分子量は、 上記観点 から、 50万〜 200万であることがより好ましい。

[0039] (メタ) アクリル系樹脂の重量平均分子量 (Mw) は、 ゲルパーミエーシ ヨンクロマトグラフィー (G PC) によりポリスチレン換算にて測定するこ とができる。 具体的には、 東ソー社製 H LC 8220 G PC) 、 カラム (東 ソー社製 TS K-GE L G 6000 HXL-G 5000 HXL-G 500 0 HXL— G 4000 HXL— G 3000 HXL 直列) を用いて測定するこ とができる。 測定条件は、 後述する実施例と同様としうる。 \¥0 2020/175580 10 卩(:171? 2020 /007859

[0040] (極性基を有するシクロオレフィン系樹脂)

極性基を有するシクロオレフィン系樹脂は、 特に制限されないが、 極性基 を有するノルボルネン骨格含有モノマーに由 来する構造単位を含む重合体で あることが好ましい。

[0041 ] 極性基を有するノルボルネン骨格含有モノマ ーは、 式 (八_ 1) または ( 八一 2) で表されるモノマーであることが好ましく、 樹脂が有する極性基を フィルム表面に局在化させやすくする観点で は、 式 (八一 2) で表されるモ ノマーであることがより好ましい。

[0042] [化 1 ]

[0043] 式 (八_ 1) 中、 それぞれ独立に水素原子、 炭素原子数 1〜

3 0の炭化水素基、 または極性基を表す。 ただし、 の少なくとも一 つは極性基である。 また、 および が水素原子であり、 かつ および 4が水素原子以外の基である場合を除く。

[0044] 極性基は、 酸素原子、 硫黄原子および窒素原子などの電気陰性度の 高い原 子によって分極が生じている官能基をいう。 そのような極性基の例には、 力 ルボキシ基、 ヒドロキシ基、 アルコキシカルボニル基、 アリールオキシカル ボニル基、 アミノ基、 アミ ド基、 シアノ基、 およびこれらの基がアルキレン 基などの連結基を介して結合した基などが含 まれる。 中でも、 カルボキシ基 、 ヒドロキシ基、 アルコキシカルボニル基またはアリールオキ シカルボニル 基が好ましく、 溶液製膜時の溶解性を確保する観点では、 アルコキシカルボ ニル基およびアリールオキシカルボニル基が より好ましい。

[0045] は、 〇〜 2の整数を表す。

[0046] \¥0 2020/175580 1 1 卩(:171? 2020 /007859

[化 2] 式(八一 2>

[0047] 式 (八_ 2) 中、 水素原子、 炭素原子数 1〜 5の炭化水素基、 また は炭素原子数 1〜 5のアルキル基を有するアルキルシリル基を す。 中でも 、 炭素原子数 1〜 3の炭化水素基が好ましい。

[0048] は、 極性基を示す。 極性基の例には、 前述と同様のものが含まれる。 中 でも、 カルボキシ基、 ヒドロキシ基、 アルコキシカルボニル基、 アリールオ キシカルボニル基、 アミノ基、 アミ ド基、 またはシアノ基が好ましく、 カル ボキシ基、 ヒドロキシ基、 アルコキシカルボニル基およびアリールオキ シカ ルボニル基がより好ましく、 溶液製膜時の溶解性を確保する観点では、 アル コキシカルボニル基またはアリールオキシカ ルボニル基がさらに好ましい。

[0049] は、 〇〜 2の整数を表す。

[0050] 式 (八一 1) または (八一 2) で表されるモノマーの例には、 以下のもの が含まれる。

\¥0 2020/175580 12 卩(:171? 2020 /007859

[化 3]

[0051 ] 極性基を有するシクロオレフィン系樹脂は、 必要に応じて上記極性基を有 するノルボルネン骨格含有モノマーと共重合 可能な共重合モノマー (以下、 「共重合モノマー」 という) に由来する構造単位をさらに含んでもよい。

[0052] 共重合モノマーの例には、 極性基を有しないノルボルネン骨格含有モノ マ \¥0 2020/175580 13 卩(:171? 2020 /007859

- :極性基を有するノルボルネン骨格含有モノ ーと開環共重合可能な共重 合モノマー;および極性基を有するノルボル ネン骨格含有モノマーと付加共 重合可能な共重合モノマーが含まれる。

[0053] 開環共重合可能な共重合モノマーの例には、 シクロブテン、 シクロペンテ ン、 シクロヘプテン、 シクロオクテン、 ジシクロペンタジェンなどの、 ノル ボルネン骨格を有しないシクロオレフィンが 含まれる。

[0054] 付加共重合可能な共重合モノマーの例には、 不飽和二重結合含有化合物、 ビニル系環状炭化水素単量体、 (メタ) アクリル酸ェステルが含まれる。 不 飽和二重結合含有化合物の例には、 炭素原子数 2〜 1 2 (好ましくは 2〜 8 ) のオレフィン系化合物であり、 その例には、 ェチレン、 プロピレン、 ブテ ンが含まれる。 ビニル系環状炭化水素単量体の例には、 4—ビニルシクロべ ンテン、 2—メチルー 4—イソプロべニルシクロペンテン等のビニ シクロ ペンテン系単量体が含まれる。 (メタ) アクリル酸ェステルの例には、 (メ 夕) アクリル酸メチル、 (メタ) アクリル酸 2 -ェチルヘキシル、 (メタ) アクリル酸シクロヘキシルなどの炭素原子数 1〜 2 0の (メタ) アクリル酸 アルキルェステルが含まれる。

[0055] 中でも、 極性基を有するシクロオレフィン系樹脂は、 式 (八一 1) または (八 _ 2) で表されるモノマーの単独重合体または共重 合体であることが好 ましく、 例えば以下のものが挙げられる。

(1) 極性基を有するノルボルネン骨格含有モノマ ーの開環重合体

(2) 極性基を有するノルボルネン骨格含有モノマ ーと共重合性単量体と の開環共重合体

(3) 上記 (1) または (2) の開環 (共) 重合体の水素添加 (共) 重合 体

(4) 上記 (1) または (2) の開環 (共) 重合体をフリーデル · クラフ ツ反応により環化した後、 水素添加した (共) 重合体

(5) 極性基を有するノルボルネン骨格含有モノマ ーと不飽和二重結合含 有化合物との飽和重合体 \¥0 2020/175580 14 卩(:171? 2020 /007859

(6) 極性基を有するノルボルネン骨格含有モノマ ーの付加型 (共) 重合 体及びその水素添加 (共) 重合体

( 7) 極性基を有するノルボルネン骨格含有モノマ ーとメタクリレート、 又はアクリレートとの交互共重合体

[0056] 中でも、 (1) 〜 (3) が好ましく、 (3) がより好ましい。 すなわち、 シクロオレフィン系樹脂は、 式 (巳一 1) で表される構造単位または式 (巳 - 2) で表される構造単位を含む重合体であること が好ましい。 式 (巳_ 1 ) で表される構造単位は、 前述の式 (八_ 1) で表されるモノマーに由来し ;式 (巳_ 2) で表される構造単位は、 前述の式 (八_ 2) で表されるモノ マーに由来する。 このようなシクロオレフィン系樹脂は、 式 (巳一 2) で表 される構造単位を含む重合体、 または式 (巳_ 1) で表される構造単位と式 (6 - 2) で表される構造単位の両方を含む重合体であ ることが好ましい。 シクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度が 高く、 かつ透明性の高い優れた ものとなるからである。

[0057] [化 4]

[0058] 式 (巳一 1) 中の Xは、 一〇1 ~ 1 =〇1 _ 1—または一〇1 ~ 1 2 〇1 _ 1 2 —を表す。 式 (巳一 1) および は、 式 (八一 1) および と それぞれ同義である。

[0059] \¥0 2020/175580 15 卩(:171? 2020 /007859

[化 5] 式(日一 2)

[0060] 式 (巳一 2) 中の Xは、 一〇 1 ~ 1 =〇 1 ~ 1—または一〇 1 ~ 1 2 〇 1 ~ 1 2 —を表す。 式 (巳一 2) 中の および は、 式 (八一 2) 中の [¾ 5 、 および と それぞれ同義である。

[0061 ] 極性基を有するノルボルネン骨格含有モノマ ーに由来する構造単位の含有 童 (好ましくは式 (巳 _ 1) で表される構造単位と式 (巳 _ 2) で表される 構造単位の総量) は、 シクロオレフィン系樹脂を構成する全構造単 位に対し て 5 0〜 1 0 0質量%としうる。

[0062] 極性基を有するシクロオレフィン系樹脂の重 量平均分子量 は、 2 万〜 3 0万であることが好ましい。 極性基を有するシクロオレフィン系樹脂 の重量平均分子量 (IV! \«) が上記範囲内であると、 フィルムに十分な機械的 強度を付与しつつ、 製膜性が損なわれにくい。 極性基を有するシクロオレフ ィン系樹脂の重量平均分子量 (1\/1 ) は、 上記観点から、 4万〜 2 0万であ ることがより好ましい。 重量平均分子量 (1\/1 ) は、 前述と同様の方法で測 定することができる。

[0063] 極性基を有するシクロオレフィン系樹脂のガ ラス転移温度 (丁 9) は、 通 常 1 1 0 °〇以上であり、 1 1 〇〜 3 5 0 °〇であることが好ましく、 1 2 0〜 2 5 0 °〇であることがより好ましく、 1 2 0〜 2 2 0 °〇であることが特に好 ましい。 ガラス転移温度 (丁 9) が 1 1 0 ° 〇以上であると、 高温条件下での 使用や、 コーティング、 印刷などの二次加工による変形が抑制される ため好 ましい。 また、 ガラス転移温度 (丁 9) が 3 5 0 ° 〇以下であると、 成形加工 や成形加工時の熱による樹脂劣化が抑制され るため好ましい。 \¥0 2020/175580 16 卩(:171? 2020 /007859

[0064] (セルロースアセテートプロピオネート)

セルロースアセテートプロビオネートは、 セルロースを、 酢酸とプロピオ ン酸でエステル化させた化合物である。

[0065] セルロースアセテートプロビオネートのアシ ル基の総置換度 (アセチル基 の置換度とプロピオニル基の置換度の合計) は、 2〜 3であることが好まし く、 2 . 2 ~ 2 . 6であることがより好ましい。

[0066] 良好な耐熱性を確保しつつ、 吸湿性を低くする観点から、 アセチル基の置 換度は、 1 . 2 ~ 2 . 9 5であることが好ましく、 プロビオネート基の置換 度は、 〇. 1 ~ 2 . 0であることが好ましい。 セルロースエステルのアシル 基の置換度は、 八3丁1\/1 _ 0 8 1 7 - 9 6に規定の方法で測定することがで きる。

[0067] セルロースアセテートプロビオネートのガラ ス転移温度 (丁 9) は、 通常 、 1 4 0〜 2 0 0 °〇であることが好ましく、 1 6 0〜 1 9 0 °〇であることが より好ましい。 ガラス転移温度は、 前述と同様の方法で測定することができ る。

[0068] セルロースアセテートプロビオネートの重量 平均分子量は、 一定以上の機 械的強度を得るためには、 1 〇万〜 5 0万であることが好ましく、 1 5万〜 3 0万であることがより好ましい。 重量平均分子量 (1\/1 ) は、 前述と同様 の方法で測定することができる。

[0069] 中でも、 吸湿性が低いことなどから、 (メタ) アクリル系樹脂または極性 基を有するシクロオレフィン系樹脂が好まし い。

[0070] ドープの樹脂濃度 (ドープに対するマトリクス樹脂の含有量) は、 2 5質 量%以上であることが好ましい。 ドープの樹脂濃度が 2 5質量%以上である と、 マトリクス樹脂の濃度が適度に高いため、 共重合体微粒子の表面にマト リクス樹脂が付着した状態で安定に存在しや すい。 ドープの樹脂濃度は、 上 記観点、 および膜厚の均一なフィルムを得やすくする 観点から、 3 0〜 4 0 質量%であることがより好ましい。

[0071 ] 1 _ 2 . 被覆微粒子 \¥0 2020/175580 17 卩(:171? 2020 /007859

被覆微粒子は、 ドープ中において、 共重合体微粒子の表面の少なくとも一 部が、 樹脂で覆われた粒子 (樹脂が吸着した粒子) である。 すなわち、 被覆 微粒子は、 共重合体微粒子と、 その表面の少なくとも一部を覆う被覆層とを 有する。

[0072] (共重合体微粒子)

共重合体微粒子は、 マトリクス樹脂との屈折率差が〇. 〇 1以下である共 重合体からなる微粒子である。 そのような共重合体微粒子は、 得られる光学 フィルムの透明性を損ないにくく、 かつ良好な滑り性を付与しうる。

[0073] マトリクス樹脂と共重合体微粒子の屈折率は 、 それぞれ波長 5 5 0 n mの 光の屈折率でありうる。 波長 5 5 0 n の光の屈折率は、 例えば、 各成分を 単独で含むサンプルフィルムを作製し、 当該サンプルフィルムの波長 5 5 0

することにより求めることができる。

[0074] 共重合体微粒子は、 屈折率差が上記範囲を満たすものであればよ く、 特に 制限されないが、 その例には、 (メタ) アクリル酸ェステル類、 イタコン酸 ジェステル類、 マレイン酸ジェステル類、 ビニルェステル類、 オレフィン類 、 スチレン類、 (メタ) アクリルアミ ド類、 アリル化合物、 ビニルェーテル 類、 ビニルケトン類、 ビニル異節環化合物、 不飽和二トリル類、 不飽和モノ マー類、 不飽和カルボン酸類および多官能モノマー類 からなる群より選ばれ る 2以上に由来する構造単位を含む共重合体で りうる。

[0075] (メタ) アクリル酸ェステル類の例には、 (メタ) アクリル酸メチル、 ( メタ) アクリル酸ェチル、 (メタ) アクリル酸プロピル、 (メタ) アクリル 酸プチルなどが含まれる。 イタコン酸ジェステル類の例には、 イタコン酸ジ メチル、 イタコン酸ジェチル、 イタコン酸ジプロピルなどが含まれる。 マレ イン酸ジェステル類の例には、 マレイン酸ジメチル、 マレイン酸ジェチル、 マレイン酸ジプロピルなどが含まれる。 ビニルェステル類の例には、 ビニル アセテ _ 卜、 ビニルプロピオネ _ 卜、 ビニルブチレ _ 卜、 ビニルイソブチレ —卜、 ビニルカプロェート、 ビニルクロロアセテート、 ビニルメ トキシアセ \¥0 2020/175580 18 卩(:171? 2020 /007859

テート、 ビニルフェニルアセテート、 安息香酸ビニル、 サリチル酸ビニルな どが含まれる。 オレフィン類の例には、 ジシクロペンタジェン、 ェチレン、 プロピレン、 1 -ブテン、 1 -ペンテン、 塩化ビニル、 塩化ビニリデン、 イ ソプレン、 クロロプレン、 ブタジェン、 2 , 3—ジメチルブタジェンなどが 含まれる。 スチレン類の例には、 スチレン、 メチルスチレン、 ジメチルスチ レン、 トリメチルスチレン、 ェチルスチレン、 イソプロピルスチレン、 クロ ルメチルスチレン、 メ トキシスチレン、 アセトキシスチレン、 クロルスチレ ン、 ジクロルスチレン、 ブロムスチレン、 トリフルオロメチルスチレン、 ビ ニル安息香酸メチルェステル、 ジビニルベンゼンなどが含まれる。 (メタ) アクリルアミ ド類の例には、 (メタ) アクリルアミ ド、 メチル (メタ) アク リルアミ ド、 ェチル (メタ) アクリルアミ ド、 プロピル (メタ) アクリルア ミ ド、 プチル (メタ) アクリルアミ ド、 6 「 1:—プチル (メタ) アクリル アミ ド、 フェニル (メタ) アクリルアミ ド、 ジメチル (メタ) アクリルアミ ド、 メチレンビスアクリルアミ ドなどが含まれる。 アリル化合物の例には、 酢酸アリル、 カプロン酸アリル、 ラウリン酸アリル、 安息香酸アリルなどが 含まれる。 ビニルェーテル類の例には、 メチルビニルェーテル、 プチルビニ ルェーテル、 ヘキシルビニルェーテル、 メ トキシェチルビニルェーテル、 ジ メチルアミノェチルビニルェーテルなどが含 まれる。 ビニルケトン類の例に は、 メチルビニルケトン、 フェニルビニルケトン、 メ トキシェチルビニルケ トンなどが含まれる。 ビニル異節環化合物の例には、 ビニルピリジン、 1\1 _ ビニルイミダゾール、 1\1 _ビニルオキサゾリ ドン、 1\1 _ビニルトリアゾール 、 1\!—ビニルピロリ ドンなどが含まれる。 不飽和二トリル類の例には、 アク リロニトリル、 メタクリロニトリルなどが含まれる。 不飽和カルボン酸類の 例には、 (メタ) アクリル酸、 イタコン酸、 イタコン酸モノェステル、 マレ イン酸、 マレイン酸モノェステルなどが含まれる。 多官能化合物 (架橋性化 合物) は、 2以上のェチレン性不飽和結合を有する化合 であり、 その例に は、 アリル (メタ) アクリレート、 ェチレングリコールジ (メタ) アクリレ —卜、 ジェチレングリコール (メタ) アクリレート、 トリェチレングリコー \¥0 2020/175580 19 卩(:171? 2020 /007859

ルジ (メタ) アクリレート、 トリメチルロールプロパントリ (メタ) アクリ レート、 ジプロピレングリコールジ (メタ) アクリレート、 ポリエチレング リコールジ (メタ) アクリレート、 ジビニルベンゼンなどが含まれる。

[0076] 中でも、 マトリクス樹脂との親和性が高く、 かつ屈折率を上記範囲に調整 しやすい観点から、 (メタ) アクリル酸エステル類、 ビニルエステル類、 ス チレン類、 およびオレフィン類からなる群より選ばれる 構造単位を含む共重 合体が好ましく、 (メタ) アクリル酸エステル類とスチレン類に由来す る構 造単位とを含む共重合体がより好ましく、 (メタ) アクリル酸エステル類に 由来する構造単位と、 スチレン類に由来する構造単位と、 多官能モノマーに 由来する構造単位とを含む共重合体がさらに 好ましい。

[0077] 共重合体微粒子のガラス転移温度 (丁 9) は、 8 0 °〇以上であることが好 ましい。 共重合体微粒子のガラス転移温度 (丁 9) は、 前述と同様に、 」 丨 3 < 7 1 2 1 - 2 0 1 2または八 3丁1\/1 0 3 4 1 8 - 8 2に準拠して測 定することができる。

[0078] 共重合体微粒子の平均粒子径[¾ 1は、 〇. 0 1〜〇. 4 である。 平均 粒子径[¾ 1が 0 . 0 1 以上であると、 得られるフィルムの表面に適度な 大きさの凹凸を形成しうるため、 滑り性を付与しやすく、 〇. 4 以下で あると、 フィルムの内部ヘイズの増大を抑制しやすい 。 共重合体微粒子の平 均粒子径 8 1は、 上記観点から、 0 . 0 7〜〇. 2 8 であることがより 好ましい。

[0079] 共重合体微粒子の平均粒子径[¾ 1は、 以下の手順で測定することができる

1) ドープを、 樹脂濃度が 2 0質量%となるように、 当該ドープの主溶媒 (最も含有量が多い溶媒) で 5倍程度に希釈する。

2) 得られた希釈液を、 微粒子が重ならないようにプレパラート上に 薄く 塗布した後、 3巳1\/1観察を行い、 任意の粒子 1 0 0個の微粒子について、 粒 子径を測定する。 なお、 粒子径は、 3巳 IV!撮影によって得た粒子 1 0 0個の 円相当径として特定される。 \¥0 2020/175580 20 卩(:171? 2020 /007859

円相当径は、 撮影によって得られた粒子の投影面積を、 同じ面積を持つ円 の直径に換算することによって求める。 この際、 倍率 5 0 0 0倍の 3巳1\/1観 察によって観察される粒子を、 平均粒子径の算出に使用する。 そして、 得ら れた粒子径の平均値を 「平均粒子径[¾ 1」 とする。

[0080] (被覆層)

被覆層は、 共重合体微粒子の表面の少なくとも一部に形 成された、 マトリ クス樹脂を含む層である。 このような被覆層を有する共重合体微粒子 (被覆 微粒子) は、 溶媒中で凝集しにくく、 高度に分散しうる。 すなわち、 被覆層 は、 保護コロイ ドとして機能しうる。

[0081 ] 被覆層は、 マトリクス樹脂のほかにも、 2以上のエチレン性不飽和結合を 有する架橋性化合物 (以下、 「架橋性化合物」 という) に由来する構造単位 を含む架橋重合体をさらに含んでもよい。 そのような架橋重合体は、 共重合 体粒子の表面に吸着しやすいだけでなく、 共重合体粒子とマトリクス樹脂と の親和性を高めやすい。 それにより、 被覆層で覆われた共重合体微粒子は、 マトリクス樹脂が溶解した溶媒中で、 凝集を生じることなく、 より高度に分 散しうる。

[0082] 架橋性化合物は、 多官能 (メタ) アクリレート化合物であることが好まし い。 得られる架橋重合体は、 共重合体微粒子との良好な親和性を有し、 かつ オキシアルキレン構造に由来する適度な親水 性を有し、 溶媒とも良好な親和 性を有するからである。 それにより、 共重合体微粒子の表面が架橋性化合物 の架橋重合体で覆われた被覆微粒子が形成さ れる。

[0083] 多官能 (メタ) アクリレート化合物は、 分子内にオキシアルキレン構造を

1つだけ有するものであってもよいし、 2以上有するものであってもよい。 そのような多官能 (メタ) アクリレート化合物の例には、 エチレングリコー ルジメタクリレート、 ジエチレングリコール (メタ) アクリレート、 トリエ チレングリコールジ (メタ) アクリレート、 トリメチルロールプロパントリ (メタ) アクリレート、 ポリエチレングリコールジ (メタ) アクリレートな どが含まれる。 中でも、 共重合体粒子との親和性を得やすくする観点 から、 \¥0 2020/175580 21 卩(:17 2020 /007859

架橋性化合物としての多官能 (メタ) アクリレート化合物は、 共重合体粒子 を構成する多官能 (メタ) アクリレート化合物と同じであることが好ま しい

[0084] 架橋重合体は、 必要に応じて他の共重合モノマーに由来する 構造単位をさ らに含んでもよい。 他の共重合モノマーの例には、 (メタ) アクリル酸メチ ルなどの単官能 (メタ) アクリレート化合物が含まれる。

[0085] 架橋重合体の含有量は、 共重合体微粒子 1 0 0質量部に対して 1 5〜 6 0 質量部であることが好ましい。 架橋重合体の含有量が 1 5質量部以上である と、 マトリクス樹脂と共重合体微粒子との親和性 を高めやすいため、 共重合 体微粒子の表面にマトリクス樹脂を吸着させ やすい。 それにより、 共重合体 微粒子の分散性を高めやすく、 得られるフィルムの表面に十分な量の凸凹を 形成しやすい。 一方、 架橋重合体の含有量が 6 0質量部以下であると、 フィ ルムの内部ヘイズの増大を抑制しやすい。 架橋重合体の含有量は、 上記観点 から、 共重合体微粒子 1 0 0質量部に対して 2 5〜 5 5質量部であることが より好ましい。

[0086] 前述の通り、 共重合体微粒子をドープ中で凝集させること なく、 高度に分 散させる観点から、 共重合体微粒子の表面が、 _定量以上の被覆層で覆われ ていることが好ましい。 具体的には、 ドープ中において、 動的光散乱法によ り測定される被覆微粒子の平均粒子径を 2としたとき、 2 / 1が 2〜

1 0となるように調整されている。 共重合体 微粒子の表面が十分な量の被覆層で覆われて いるため、 ドープ中で共重合体 微粒子を良好に分散させることができる。 それにより、 共重合体微粒子の凝 集を抑制することができ、 得られるフィルムの内部ヘイズを低減できる 。 ま た、 被覆層が厚すぎないため、 得られるフ ィルムの機械的強度 (弾性率) の低下を抑制できる。 は、 上記観 点から、 3〜 1 0であることがより好ましい。

[0087] 以下の方法で測定することができる。

1) ドープ中の被覆微粒子の平均粒子径[¾ 2を、 動的光散乱法、 具体的に は、 ゼータ電位 ·粒径 ·分子量測定システム E L S Z— 2 0 0 0 Z Sを用い て、 粒子のブラウン運動に起因する散乱光から測 定する。

2) 上記 1) で得られた被覆微粒子の平均粒子径 R 2、 および上記測定し た共重合体微粒子の平均粒子径 R 1から、 R 2 / R 1 を算出する。

[0088] R 2 / R 1は、 樹脂の被覆量によって調整することができる 。 具体的には

、 1) 微粒子分散液にマトリクス樹脂を含有させ、 溶解度パラメータ (S P 値、 So lub i l i ty Parameter) が所定の関係を満たす分散溶媒を選択した上 で 、 当該分散溶媒の S P値、 マトリクス樹脂の含有量および分散温度の少 なく とも一つを調整するか; 2) 微粒子分散液中の分散性化合物の含有量を調 整 するか; または 3) 微粒子分散液またはドープ中の架橋性化合物 の含有量を 調整すること、 などによって、 樹脂の被覆量を調整することができる。 R 2 / R 1 を一定以上とするためには、 1) において微粒子分散液にマトリクス 樹脂を含有させ、 S P値が所定の関係を満たす分散溶媒を選択し 上で、 当 該マトリクス樹脂の添加量を多くするか、 分散溶媒の S P値を低くするか、 または分散温度を高くすることが好ましく ; 2) における分散化合物の含有 量や 3) における架橋性化合物の含有量を多く したりすることが好ましい。

[0089] 被覆微粒子の含有量は、 共重合体微粒子のマトリクス樹脂に対する含 有量 が 0 . 7〜 8質量%となるように設定されることが好ま い。 共重合体微粒 子のマトリクス樹脂に対する含有量が 0 . 7質量%以上であると、 得られる フィルムの表面に十分な量の凸凹を形成しや すいため、 滑り性を十分に高め ることができる。 共重合体微粒子のマトリクス樹脂に対する含 有量が 8質量 %以下であると、 フィルムの内部ヘイズの増大を抑制しやすい 。 被覆微粒子 の含有量は、 上記観点から、 共重合体微粒子のマトリクス樹脂に対する含 有 量が 1〜 6質量%となる量であることがより好ましい

[0090] 1 - 3 . 溶媒

溶媒は、 少なくともマトリクス樹脂を溶解させうる有 機溶媒 (良溶媒) を 含む。 良溶媒の例には、 メチレンクロライ ドなどの塩素系有機溶媒や;酢酸 メチル、 酢酸エチル、 アセトン、 テトラヒドロフランなどの非塩素系有機溶 \¥0 2020/175580 23 卩(:171? 2020 /007859

媒が含まれる。 中でも、 メチレンクロライ ドが好ましい。

[0091 ] 溶媒は、 貧溶媒をさらに含んでいてもよい。 貧溶媒の例には、 炭素原子数

1〜 4の直鎖または分岐状の脂肪族アルコールが まれる。 ドープ中のアル コールの比率が高くなると、 膜状物がゲル化しやすく、 金属支持体からの剥 離が容易になりやすい。 炭素原子数 1〜 4の直鎖または分岐状の脂肪族アル コールとしては、 メタノール、 エタノール、 _プロパノール、 丨 3〇—プ ロパノール、 ブタノール、 3 6 0—ブタノール、 6 「 1: _ブタノール を挙げることができる。 これらのうちドープの安定性、 沸点も比較的低く、 乾燥性もよいことなどからエタノールが好ま しい。

[0092] ドープは、 共重合体微粒子を分散させやすくする観点か ら、 分散化合物を さらに含んでもよい。 分散化合物の例には、 糖エステル化合物、 セルロース ジアセテート、 およびアクリル酸メチル系オリゴマーなどが 含まれる。

[0093] 1 - 4 . 分散化合物

(糖エステル化合物)

糖エステル化合物は、 単糖、 二糖または三糖の〇 1 ~ 1基の全部または一部を エステル化した化合物である。 そのような糖エステル化合物は、 下記式 ( 八) で表される化合物であることが好ましい。

[化 6] 式 ( )

[0094] 式 ( ) は、 置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基 、 または置換もしくは無置換のアリールカルボ ニル基を表わす。 は、 互いに同じであっても、 異なってもよい。 \¥0 2020/175580 24 卩(:171? 2020 /007859

[0095] 置換もしくは無置換のアルキルカルボニル基 は、 炭素原子数 2以上の置換 もしくは無置換のアルキルカルボニル基であ ることが好ましい。 置換もしく は無置換のアルキルカルボニル基の例には、 メチルカルボニル基 (アセチル 基) 、 エチルカルボニル基などが含まれる。 アルキル基が有する置換基の例 には、 フエニル基などのアリール基が含まれる。

[0096] 置換もしくは無置換のアリールカルボニル基 は、 炭素原子数 7以上の置換 もしくは無置換のアリールカルボニル基であ ることが好ましい。 アリールカ ルボニル基の例には、 フエニルカルボニル基が含まれる。 アリール基が有す る置換基の例には、 メチル基などのアルキル基が含まれる。

[0097] 式 の例には、 以下のものが含まれる。

[化 7]

[0098] 糖エステル化合物の平均置換度は、 3〜 6であることが好ましい。 糖エス テル化合物の平均置換度は、 原料となる糖の〇 1 ~ 1基の総数のうちエステル化 された平均割合を示す。

[0099] (低分子量セルロースジアセテート)

低分子量セルロースジアセテートは、 セルロースのエステル化物であり、 アセチル基置換度がアシル基総置換度と一致 し、 かつアセチル基置換度が 2 . 〇〜 2 . 5の範囲である化合物でありうる。

[0100] 低分子量セルロースジアセテートの数平均分 子量 (M n) は、 1 0 0 0〜 60000程度であることが好ましい。 低分子量セルロースジアセテートの 数平均分子量が 1 000以上であると、 分散化合物として良好に機能させや すく、 60000以下であると、 微粒子分散液やドープへの分散性が損なわ れにくく、 内部ヘイズも増大しにくい。

[0101] 低分子量セルロースジアセテートの数平均分 子量 (Mn) は、 高速液体ク ロマトグラフィーを用い測定できる。 測定条件は、 以下の通りである。

(測定条件)

溶媒: メチレンクロライ ド

カラム: S h o d e x K806、 K805、 K803G (昭和電工 (株 ) 製を 3本接続して使用した)

カラム温度: 25 ° C

試料濃度: 〇. 1質量%

検出器: R I Mo d e l 504 ( G Lサイエンス社製)

ポンプ: L 6000 (日立製作所 (株) 製)

流量: 1. 0 m I / m i n

校正曲線:標準ポリスチレン S T K s t a n d a r d ポリスチレン ( 東ソー (株) 製) Mw= 1 000000〜 500までの 1 3サンプルによる 校正曲線を使用した。 1 3サンプルは、 ほぼ等間隔に用いることが好ましい

[0102] (アクリル酸メチル系オリゴマー)

アクリル酸メチル系オリゴマーは、 アクリル酸メチル (MA) に由来する 構造単位を含む低分子重合体である。 アクリル酸メチルに由来する構造単位 の含有量は、 低分子重合体を構成する全構造単位に対して 80質量%以上で あることが好ましく、 1 00質量%であってもよい。

[0103] アクリル酸メチル系オリゴマーは、 必要に応じて他の共重合モノマーに由 来する構造単位をさらに含んでもよい。 そのような共重合モノマーの例には 、 メタクリル酸メチル (MMA) やメタクリル酸ヒドロキシエチル (H EM A) などの、 アクリル酸メチル以外のアクリル酸アルキル エステルが含まれ \¥0 2020/175580 26 卩(:171? 2020 /007859

る。

[0104] アクリル酸メチル系オリゴマーの分子量は、 2 0 0〜 1 0 0 0 0であるこ とが好ましい。 アクリル酸メチル系オリゴマーの分子量が 2 0 0以上である と、 分散化合物として良好に機能させやすく、 1 0 0 0 0以下であると、 微 粒子分散液やドープへの分散性が損なわれに くく、 内部ヘイズも増大しにく い。

[0105] そのようなアクリル酸メチル系オリゴマーと しては、 綜研化学社製リ IV! IV!

1 0 0 1や、 ダイカラック 8 0 8 0などの、 市販のアクリル酸オリゴマーを 用いることができる。

[0106] 分散化合物の含有量は、 共重合体微粒子 1 0 0質量部に対して 1 0 0〜 1

5 0 0質量部であることが好ましい。 分散化合物の含有量が 1 0 0質量部以 上であると、 マトリクス樹脂と共重合体微粒子との親和性 を高めやすいため 、 共重合体微粒子の表面にマトリクス樹脂を吸 着させやすい。 それにより、 共重合体微粒子の分散性を高めやすく、 得られるフィルムの表面に十分な量 の凸凹を形成しやすい。 一方、 分散化合物の含有量が 1 5 0 0質量部以下で あると、 フィルムの内部ヘイズの増大を抑制しやすい 。 分散化合物の含有量 は、 上記観点から、 共重合体微粒子 1 〇〇質量部に対して 1 5 0〜 1 4 0 0 質量部であることがより好ましい。

[0107] 1 - 5 . 他の成分

また、 ドープは、 必要に応じて上記以外の他の成分をさらに含 んでもよい 。 他の成分の例には、 ゴム粒子、 紫外線吸収剤、 酸化防止剤などが含まれる 。 特に、 マトリクス樹脂が (メタ) アクリル樹脂である場合、 得られるフィ ルムに可撓性を付与するために、 ドープは、 ゴム粒子をさらに含むことが好 ましい。

[0108] (ゴム粒子)

ゴム粒子は、 ゴム状重合体 (架橋重合体) を含むグラフト共重合体である

[0109] ゴム状重合体の例には、 ブタジエン系架橋重合体、 (メタ) アクリル系架 \¥0 2020/175580 27 卩(:171? 2020 /007859

橋重合体、 およびオルガノシロキサン系架橋重合体が含 まれる。 中でも、 メ タクリル系樹脂との屈折率差が小さく、 光学フィルムの透明性が損なわれに くい観点では、 (メタ) アクリル系架橋重合体が好ましく、 アクリル系架橋 重合体 (アクリル系ゴム状重合体) がより好ましい。

[01 10] すなわち、 ゴム粒子は、 アクリル系ゴム状重合体 (3) を含むアクリル系 グラフト共重合体であることが好ましい。 アクリル系ゴム状重合体 (8) を 含むアクリル系グラフト共重合体は、 アクリル系ゴム状重合体 (3) を含む コア部と、 それを覆うシェル部とを有するコアシェル型 の粒子であってもよ い。 コアシェル型の粒子は、 アクリル系ゴム状重合体 (3) の存在下で、 メ タクリル酸エステルを主成分とするモノマー 混合物 (13) を少なくとも 1段 以上重合して得られる多段重合体である。 重合は、 乳化重合法で行うことが できる。

[01 1 1 ] アクリル系ゴム状重合体 (3) について :

アクリル系ゴム状重合体 (3) は、 アクリル酸エステルを主成分とする架 橋重合体である。

[01 12] アクリル系ゴム状重合体 (3) は、 アクリル酸エステルと、 それと共重合 可能な任意のモノマーとを含むモノマー混合 物 (3’ ) 、 および、 1分子あ たり 2以上の非共役な反応性二重結合 (ラジカル重合性基) を有する多官能 性モノマーを重合させて得られる架橋重合体 である。 アクリル系ゴム状重合 体 (3) は、 これらのモノマーを全部混合して重合させて 得てもよいし、 モ ノマー組成を変化させて 2回以上で重合させて得てもよい。

[01 13] アクリル酸エステルは、 アクリル酸メチル、 アクリル酸プチルなどのアル キル基の炭素数 1〜 1 2のアクリル酸アルキルエステルであること 好まし い。 アクリル酸エステルは、 1種類であってもよいし、 2種類以上であって もよい。 ゴム粒子のガラス転移温度を一 1 5 °〇以下にする観点では、 アクリ ル酸エステルは、 少なくとも、 炭素数 4〜 1 0のアクリル酸アルキルエステ ルを含むことが好ましい。

[01 14] アクリル酸エステルの含有量は、 モノマー混合物 (3’ ) 1 0 0質量%に \¥0 2020/175580 28 卩(:171? 2020 /007859

対して 5 0〜 1 0 0質量%であることが好ましく、 6 0〜 9 9質量%である ことがより好ましく、 7 0〜 9 9質量%であることがさらに好ましい。 アク リル酸エステルの含有量が 5 0重量%以上であると、 フィルムに十分な靱性 を付与しやすい。

[01 15] 共重合可能なモノマーの例には、 メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸 エステル;スチレン、 メチルスチレンなどのスチレン類; アクリロニトリル 、 メタクリロニトリルなどの不飽和二トリル類 などが含まれる。

[01 16] 多官能性モノマーの例には、 アリル (メタ) アクリレート、 トリアリルシ アヌレート、 トリアリルイソシアヌレート、 ジアリルフタレート、 ジアリル マレート、 ジビニルアジべ一卜、 ジビニルベンゼン、 エチレングリコールジ (メタ) アクリレート、 ジエチレングリコール (メタ) アクリレート、 トリ エチレングリコールジ (メタ) アクリレート、 トリメチルロールプロパント リ (メタ) アクリレート、 テトロメチロールメタンテトラ (メタ) アクリレ —卜、 ジプロピレングリコールジ (メタ) アクリレート、 ポリエチレングリ コールジ (メタ) アクリレートが含まれる。

[01 17] 多官能性モノマーの含有量は、 モノマー混合物 (3’ ) の合計 1 0 0質量 %に対して〇. 0 5〜 1 0質量%であることが好ましく、 〇. 1〜 5質量% であることがより好ましい。 多官能性モノマーの含有量が〇. 0 5質量%以 上であると、 得られるアクリル系ゴム状重合体 (3) の架橋度を高めやすい ため、 得られるフィルムの硬度、 剛性が損なわれすぎず、 1 0質量%以下で あると、 フィルムの靱性が損なわれにくい。

[01 18] モノマー混合物 (13) について :

モノマー混合物 (1〇) の重合体は、 アクリル系ゴム状重合体 (3) に対す るグラフト成分である。 モノマー混合物 (匕) は、 メタアクリル酸エステル を主成分として含む。

[01 19] メタクリル酸エステルは、 メタクリル酸メチルなどのアルキル基の炭素 数

1〜 1 2のメタクリル酸アルキルエステルであるこ が好ましい。 メタクリ ル酸エステルは、 1種類であってもよいし、 2種類以上であってもよい。 \¥0 2020/175580 29 卩(:171? 2020 /007859

[0120] メタクリル酸エステルの含有量は、 モノマー混合物 (13) 1 0 0質量%に 対して 5 0質量%以上であることが好ましい。 メタクリル酸エステルの含有 量が 5 0質量%以上であると、 得られるフィルムの硬度、 剛性を低下させに くく しうる。 また、 メチレンクロライ ドなどの溶媒との親和性を高める観点 では、 メタクリル酸エステルの含有量は、 モノマー混合物 (匕) 1 0 0質量 %に対して 7 0質量%以上であることがより好ましく、 8 0質量%以上であ ることがさらに好ましい。

[0121 ] モノマー混合物 (匕) は、 必要に応じて他のモノマーをさらに含んでも よ い。 他のモノマーの例には、 アクリル酸メチル、 アクリル酸エチル、 アクリ ル酸门ーブチルなどのアクリル酸エステル; (メタ) アクリル酸ベンジル、 (メタ) アクリル酸ジシクロペンタニル、 (メタ) アクリル酸フェノキシエ チルなどの脂環式構造、 複素環式構造または芳香族基を有する (メタ) アク リル系モノマー類 (環構造含有 (メタ) アクリル系モノマー) が含まれる。

[0122] アクリル系グラフト共重合体について :

アクリル系グラフト共重合体におけるグラフ ト率 (アクリル系ゴム状重合 体 (3) に対するグラフト成分の質量比) は、 1 〇〜 2 5 0 %であることが 好ましく、 2 5〜 2 0 0 %であることがより好ましく、 4 0〜 2 0 0 %であ ることがより好ましく、 6 0〜 1 5 0 %であることがさらに好ましい。 グラ フト率が 1 0 %以上であると、 シェル部の割合が少なくなりすぎないため、 フィルムの硬度や剛性が損なわれにくい。 アクリル系グラフト共重合体のグ ラフト率が 2 5 0 %以下であると、 アクリル系ゴム状重合体 (3) の割合が 少なくなりすぎないため、 フィルムの靱性や脆性改善効果が損なわれに くい

[0123] アクリル系グラフト共重合体のグラフト率は 、 以下の方法で測定される。

1) アクリル系グラフト共重合体 2 9を、 メチルエチルケトン 5 0 丨 に 溶解させ、 遠心分離機 (日立エ機 (株) 製、 〇 6 0巳) を用い、 回転数 3 0 0 0 0 「 01、 温度 1 2 ° 〇にて 1時間遠心し、 不溶分と可溶分とに分離す る (遠心分離作業を合計 3回セッ ト) 。 \¥0 2020/175580 30 卩(:171? 2020 /007859

2) 得られた不溶分の重量を下記式に当てはめて 、 グラフト率を算出する グラフト率 (%) = [ { (メチルエチルケトン不溶分の重量) 一 (アクリ ル系ゴム状重合体 (3) の重量) } / (アクリル系ゴム状重合体 (3) の重 量) ] X 1 0 0

[0124] 物性について :

ゴム粒子の平均粒子径は、 1 0 0〜 4 0 0 n mであることが好ましく、 1 であることがより好ましい。 平均粒子径が 1 0 0 n 以上 であると、 フィルムに十分な靱性を付与しやすく、 4 0 0 n 以下であると 、 フィルムの透明性が低下しにくい。

[0125] ゴム粒子のガラス転移温度 (丁 9) は、 一 1 0 °〇以下であることが好まし い。 ゴム粒子のガラス転移温度 (丁 9) が一 1 0 °〇以下であると、 フィルム に十分な靱性を付与しやすい。 ゴム粒子のガラス転移温度 (丁 9) は、 一 1 5 °〇以下であることがより好ましく、 一2 0 °〇以下であることがさらに好ま しい。 ゴム粒子のガラス転移温度 (丁 9) は、 前述と同様の方法で測定され る。

[0126] ゴム粒子のガラス転移温度 (丁 9) は、 例えばコア部やシェル部を構成す るモノマー組成、 コア部とシェル部の質量比 (グラフト率) などによって調 整することができる。 ゴム粒子のガラス転移温度 (丁 9) を低くするために は、 後述するように、 例えばコア部のアクリル系ゴム状重合体 (3) を構成 するモノマー混合物 (3’ ) における、 アルキル基の炭素原子数が 4以上の アクリル酸エステル/共重合可能なモノマー 合計の質量比を多くする (例 えば 3以上、 好ましくは 4以上 1 0以下とする) ことが好ましい。

[0127] ゴム粒子の含有量は、 マトリクス樹脂に対して〇〜 3 0質量%であること が好ましく、 2〜 2 0質量%であることがより好ましい。 ゴム粒子の含有量 が 2質量%以上であると、 得られるフィルムに十分な靱性を付与しやす く、

3 0質量%以下であると、 内部ヘイズの増大を抑制しやすい。

[0128] 2 . ドープの製造方法 \¥0 2020/175580 31 卩(:171? 2020 /007859

本発明のドープは、 任意の方法で製造することができる。 本発明のドープ の製造方法は、 例えば 1) 共重合体微粒子と、 溶媒とを含む微粒子分散液を 得る工程と、 2) 得られた微粒子分散液と、 マトリクス樹脂と、 溶媒とを混 合してドープを得る工程とを含む。 そして、 共重合体微粒子の表面が樹脂で 被覆された被覆微粒子を生成しやすくする観 点から、 下記方法八〜〇のいず れかの工程を行うことが好ましい。

方法 : 1) の工程の微粒子分散液にマトリクス樹脂を添 加し、 値が 所定の関係を満たす分散溶媒を選択し、 かつ分散溶媒の 3 値、 マトリクス 樹脂の添加量または分散温度を調整する

方法巳 : 1) の工程の微粒子分散液に、 分散化合物を添加する 方法(3 : 1) の工程の微粒子分散液または 2) の工程のドープに、 架橋性 化合物を添加する

[0129] (方法八について)

本発明のドープは、 八 1) マトリクス樹脂の一部と、 共重合体微粒子と、 第 1溶媒とを含む微粒子分散液を準備する工程 、 2) 得られた微粒子分 散液と、 マトリクス樹脂の残部と、 第 2溶媒とを混合して、 ドープを得るエ 程とを経て製造されうる。

[0130] 八 1) の工程について

マトリクス樹脂の一部と、 共重合体微粒子と、 第 1溶媒とを含む微粒子分 散液を準備する。 この微粒子分散液では、 共重合体微粒子の表面は、 マトリ クス樹脂の一部で覆われている。 そのような微粒子分散液は、 例えばマトリ クス樹脂の一部と、 共重合体微粒子と、 第 1溶媒とを混合して得ることがで きる。

[0131 ] 混合および分散は、 任意の方法で行うことができる。 例えば、 各成分をデ ィゾルバーで撹拌混合した後、 マイルダー分散機で分散させてもよい。

[0132] マトリクス樹脂は、 上記マトリクス樹脂である。

[0133] 共重合体微粒子は、 上記共重合体微粒子である。

[0134] 第 1溶媒は、 上記ドープに含まれる溶媒と同様のものを用 いることができ \¥0 2020/175580 32 卩(:17 2020 /007859

る。

[0135] そして、 第 1溶媒の 3 値を 3 1、 マトリクス樹脂の 3 値を 3 2、 共重合体微粒子の 3 値を 3 3としたとき、 下記式 ( 1 ) を満たすことが 好ましい。

式 ( 1 ) : 3 1 £ 3 2、 または、

[0136] 式 ( 1 ) は、 第 1溶媒と、 マトリクス樹脂または共重合体微粒子と、 の 3 が小さいことを意味する。 それにより、 共重合体粒子と第 1 溶媒、 およびマトリクス樹脂と第 1溶媒との間の親和性をいずれも高くする ことができる。

[0137] 各成分の 3 値は、 その化学構造から、 市販の画像解析ソフ ト、 例えば 3 〇 I 9 「 6 3 3により算出することができる。 また、 分散溶媒が 2種類以上 の溶媒を含む場合、 各溶媒の 3 値の 2乗に含有割合 (質量%) を乗じたも のの和 (すなわち、 2乗平均) として求めることができる。 例えば、 分散溶 媒が、 溶媒 3と溶媒 13とを含む場合、 分散溶媒の 3 値 = (溶媒 3の含有 割合 (質量%) X (溶媒 3の 3 値) 2 +溶媒 13の含有割合 (質量%) X (溶 2 ) として求めることができる。

[0138] さらに、 微粒子分散液は、 下記要件 (丨) 〜 (丨 丨 丨) の少なくとも一つ を満たすことが好ましい。

( 丨 ) 第 1溶媒の 3 値 (3 1 ) が、 1 6 . 5以下である

( \ \ ) 微粒子分散液におけるマトリクス樹脂の含有 量が、 共重合体微粒 子 1 0 0質量部に対して 1 6 5質量部以上である

( I I 丨 ) 微粒子分散液を調製するときの温度が 4 0 °〇以上である

[0139] ( I ) について :

要件 ( 丨 ) は、 第 1溶媒の疎水性が高いことを意味する。 それにより、 共 重合体微粒子やマトリクス樹脂と、 第 1溶媒との親和性がより高くなるため 、 共重合体微粒子が、 マトリクス樹脂が溶解した第 1溶媒中で安定に分散し やすい。 それにより、 共重合体粒子の表面に、 マトリクス樹脂が付着しやす くすることができる。 \¥02020/175580 33 卩(:171? 2020 /007859

[0140] 3 1が 1 6. 5以下となるような第 1溶媒は、 3 1が 1 6. 5以下の 溶媒を少なくとも含むか、 または 3 値が相対的に高い高極性溶媒 (好まし と、 3 値が相対的に低い低極性溶媒 (好まし くは 3 値が 1 8以下の溶媒) とを含むことが好ましい。 高極性溶媒の例に は、 エタノール (3 値: 25. 2) 、 メチレンクロライ ド (3 値: 1 9 . 4) が含まれる。 低極性溶媒の例には、 ジエチルエーテル (3 値: 1 5 1) 、 四塩化炭素 (3 値: 1 7. 6) 、 シクロヘキサン (3 値: 1 6 . 8) が含まれる。

[0141] 第 1溶媒の 3 1 を 1 6. 5以下にするためには、 高極性溶媒と低極性溶 媒の含有比率を調整することが好ましい。 例えば、 高極性溶媒と低極性溶媒 の質量比は、 低極性溶媒:高極性溶媒 =55 : 45〜 95 : 5 (質量比) で あることが好ましく、 70 : 30〜 85 : 1 5 (質量比) であることがより 好ましい。

[0142] ( I I) について :

要件 (丨 丨) は、 微粒子分散液中のマトリクス樹脂の含有量が 適度に多い ため、 共重合体粒子の表面に、 マトリクス樹脂が付着しやすくすることがで きる。 微粒子分散液におけるマトリクス樹脂の含有 量は、 共重合体微粒子 1 00質量部に対して 1 50〜 500質量部であることがより好ましく、 1 6 5〜 400質量部であることがさらに好ましい。

[0143] ( I I I) について :

要件 (丨 丨 丨) は、 微粒子分散液を調製する際に、 加温する。 具体的には 、 40°〇以上、 好ましくは 40〜 80°〇に加温する。 それにより、 共重合体 粒子の表面へのマトリクス樹脂の付着を促進 することができる。

[0144] このように、 式 (1) を満たし、 かつ要件 (丨) ~ (丨 丨 丨) の少なくと も一つを満たすように分散させることで、 共重合体微粒子の表面に、 マトリ クス樹脂を適度に付着させることができる。 もちろん、 要件 (丨) 〜 () )

I) の 2以上を組み合わせてもよい。

[0145] 八 2) の工程について \¥0 2020/175580 34 卩(:171? 2020 /007859

上記 1) で得られた微粒子分散液と、 マトリクス樹脂の残部と、 第 2溶 媒とを混合して、 ドープを得る。

[0146] 第 2溶媒は、 上記ドープに含まれる溶媒と同様のものを用 いることができ る。 第 2溶媒と第 1溶媒の組成は、 同じであってもよいし、 異なっていても よい。

[0147] 混合は、 例えば溶解釜内で行うことができる。 本工程における混合により 、 共重合体粒子の表面に、 マトリクス樹脂をさらに付着させることがで きる 。 それにより、 1が上記範囲を満たすような被覆微粒子を生 する ことができる。

[0148] (方法巳について)

本発明のドープは、 巳 1) 共重合体微粒子と、 分散化合物と、 溶媒とを含 む微粒子分散液を準備する工程と、 巳 2) 微粒子分散液と、 マトリクス樹脂 と、 溶媒とを混合して、 ドープを得る工程とを経て製造されてもよい 。

[0149] 巳 1) の工程について

共重合体微粒子と、 分散化合物と、 溶媒とを含む微粒子分散液を準備する 。 具体的には、 共重合体微粒子と、 分散化合物と、 溶媒とを混合して、 微粒 子分散液を得ることができる。

[0150] 分散化合物は、 上記分散化合物である。 このように、 微粒子分散液の調製 時に分散化合物を添加することで、 共重合体微粒子を、 溶媒中で良好に分散 させた状態で、 その表面にマトリクス樹脂を付着させやすく することができ る。 分散化合物の含有量は、 前述の通りである。

[0151 ] 巳 2) の工程について

得られた微粒子分散液と、 マトリクス樹脂と、 溶媒とを混合して、 ドープ を得る。

[0152] 得られた微粒子分散液を用いることで、 本工程においても、 共重合体微粒 子の表面にマトリクス樹脂をさらに付着させ ることができる。 それにより、 共重合体微粒子の表面を、 被覆層で十分に覆う (または保護する) ことがで きるため、 分散安定性を高度に高めることができる。 \¥0 2020/175580 35 卩(:171? 2020 /007859

[0153] (方法〇について)

本発明のドープは、 0 1) 共重合体微粒子と、 溶媒とを含む微粒子分散液 を準備する工程と、 0 2) 微粒子分散液と、 マトリクス樹脂と、 溶媒とを混 合して、 ドープを得る工程とを含み、 かつ 0 1) の工程における微粒子分散 液が、 架橋性化合物を含むか、 または 0 2) の工程において、 架橋性化合物 をさらに混合することが好ましい。 それにより、 共重合体微粒子の表面に架 橋性化合物の架橋重合体を形成しやすく し、 かつマトリクス樹脂との親和性 も局めやすい。 架橋性化合物は、 上記架橋性化合物である。

[0154] なお、 架橋性化合物の架橋反応を促進させる観点か ら、 0 1) の工程にお ける混合および分散、 または 0 2) の工程における混合および分散は、 例え ば 4 0 °〇以上、 好ましくは 5〇〜 8 0 °〇に加温して行うことが好ましい。

[0155] 架橋性化合物の添加量は、 共重合体微粒子 1 0 0質量部に対して 5 0〜 1

5 0 0質量部であることが好ましい。 架橋性化合物の含有量が 5 0質量部以 上であると、 共重合体微粒子の表面に架橋性化合物の架橋 重合体を十分に形 成しやすく、 マトリクス樹脂との親和性を高めやすい。 1 5 0 0質量部以下 であると、 共重合体微粒子の表面に当該架橋重合体が過 剰に形成されること によるフィルムの弾性率の低下を抑制しうる 。 架橋性化合物の添加量は、 上 記観点から、 共重合体微粒子 1 〇〇質量部に対して 1 5 0〜 1 4 0 0質量部 であることがより好ましい。

[0156] 3 . 光学フィルムの製造方法

本発明の光学フィルムの製造方法は、 比較的分子量が高い樹脂を用いるこ とができ、 使用できる材料の制限が少ない観点から、 溶液製膜法 (キャスト 法) が好ましい。

[0157] すなわち、 本発明の光学フィルムは、 1) 前述の光学フィルム用のドープ を準備する工程と、 2) 得られたドープを支持体上に流延し、 乾燥および剥 離して膜状物を得る工程とを経て製造されう る。 本発明の光学フィルムの製 造方法は、 3) 得られた膜状物をさらに乾燥させる工程と、 4) 得られた膜 状物を巻き取り、 口ール状の光学フィルムを得る工程をさらに 含むことが好 \¥0 2020/175580 36 卩(:171? 2020 /007859

ましい。

[0158] 1) の工程について

前述の光学フィルム用のドープを準備する。 具体的には、 上記ドープの製 造方法、 すなわち、 方法八〜〇のいずれかの方法でドープを得る ことができ る。

[0159] 2) の工程について

次いで、 得られたドープを、 支持体上に流延する。 ドープの流延は、 流延 ダイから吐出させて行うことができる。

[0160] 次いで、 支持体上に流延されたドープ中の溶媒を適度 に蒸発させた後 (乾 燥させた後) 、 支持体から剥離して、 膜状物を得る。

[0161 ] 支持体から剥離する際のドープの残留溶媒量 (剥離時の膜状物の残留溶媒 量) は、 例えば 2 5質量%以上であることが好ましく、 3 0〜 3 7質量%で あることがより好ましく、 3 0〜 3 5質量%であることがさらに好ましい。 剥離時の残留溶媒量が 2 5質量%以上であると、 剥離後の膜状物から溶媒を 一気に揮発させやすい。 また、 剥離時の残留溶媒量が 3 7質量%以下である と、 剥離による膜状物が伸びすぎるのを抑制でき る。

[0162] 剥離時のドープの残留溶媒量は、 下記式で定義される。 以下においても同 様である。

ドープの残留溶媒量 (質量%) = (ドープの加熱処理前質量ードープの加 熱処理後質量) /ドープの加熱処理後質量 X 1 〇〇

なお、 残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、 1 4 0 ° 〇 1 5分の加熱処 理をいう。

[0163] 剥離時の残留溶媒量は、 支持体上でのドープの乾燥温度や乾燥時間、 支持 体の温度などによって調整することができる 。

[0164] 3) の工程について

本工程では、 得られた膜状物を乾燥させる。

[0165] 乾燥は、 一段階で行ってもよいし、 多段階で行ってもよい。 また、 乾燥は 、 必要に応じて延伸しながら行ってもよい。 \¥0 2020/175580 37 卩(:171? 2020 /007859

[0166] 延伸は、 求められる光学特性に応じて行えばよく、 少なくとも一方の方向 に延伸することが好ましく、 互いに直交する二方向に延伸 (例えば、 膜状物 の幅方向 (丁 0方向) と、 それと直交する搬送方向 (IV! 0方向) の二軸延伸 ) してもよい。

[0167] 延伸倍率は、 光学フィルムを、 例えば I 3用の位相差フィルムとして用 いる観点では、 1 . 〇 1〜 2倍とすることができる。 延伸倍率は、 (延伸後 のフィルムの延伸方向大きさ) / (延伸前のフィルムの延伸方向大きさ) と して定義される。 なお、 二軸延伸を行う場合は、 丁 0方向と IV! 0方向のそれ それについて、 上記延伸倍率とすることが好ましい。

[0168] なお、 光学フィルムの面内遅相軸方向 (面内において屈折率が最大となる 方向) は、 通常、 延伸倍率が最大となる方向である。

[0169] 延伸時の乾燥温度 (延伸温度) は、 熱可塑性樹脂のガラス転移温度を丁 9 としたとき、 (丁 9 - 6 5) °〇~ (丁 9 + 6 0) °〇であることが好ましく、 (丁 9 - 5 0) °〇~ (丁 9 + 5 0) °〇であることがより好ましく、 (丁 9 - 3 0) °〇~ (丁 9 + 5 0) °〇であることがさらに好ましい。 延伸温度が (丁 9 - 6 5) ° 〇以上であると、 溶媒を適度に揮発させやすいため、 延伸張力を 適切な範囲に調整しやすく、 (丁 9 + 6 0) ° 〇以下であると、 溶媒が揮発し すぎないため、 延伸性が損なわれにくい。 熱可塑性樹脂が (メタ) アクリル 系樹脂である場合、 延伸温度は、 例えば 9 0 ° 〇以上としうる。

[0170] 延伸温度は、 (3) テンター延伸機などのように非接触加熱型で 乾燥させ る場合は、 延伸機内温度または熱風温度などの雰囲気温 度、 (13) 熱口ーラ —などの接触加熱型で乾燥させる場合は、 接触加熱部の温度、 あるいは (〇 ) 膜状物 (被乾燥面) の表面温度のいずれかの温度として測定する ことがで きる。 中でも、 (3) 延伸機内温度または熱風温度などの雰囲気温 度を測定 することが好ましい。

[0171 ] 延伸開始時の膜状物中の残留溶媒量は、 剥離時の膜状物中の残留溶媒量と 同程度であることが好ましく、 例えば 2 0〜 3 0質量%であることが好まし く、 2 5〜 3 0質量%であることがより好ましい。 \¥0 2020/175580 38 卩(:171? 2020 /007859

[0172] 膜状物の丁 0方向 (幅方向) の延伸は、 例えば膜状物の両端をクリップや ピンで固定し、 クリップやピンの間隔を進行方向に広げる方 法 (テンター法 ) で行うことができる。 膜状物の 方向の延伸は、 例えば複数の口ールに 周速差をつけ、 その間で口ール周速差を利用する方法 (口ール法) で行うこ とができる。

[0173] 残留溶媒量をより低減させる観点から、 延伸後に得られた膜状物をさらに 乾燥 (後乾燥) させることが好ましい。 例えば、 延伸後に得られた膜状物を 、 口ールなどで (一定の張力を付与した状態で) 搬送しながらさらに乾燥さ せることが好ましい。

[0174] このときの乾燥温度 (延伸しない場合の乾燥温度または延伸後の 乾燥温度 ) は、 熱可塑性樹脂のガラス転移温度を丁 9としたとき、 (丁 9— 3 0) 〜 (丁 9 + 3 0) °〇であることが好ましく、 (丁 9— 2 0) ~丁 9 ° 〇であるこ とがより好ましい。 乾燥温度が (丁 9 _ 3 0) ° 〇以上、 好ましくは (丁 9 — 2 0) ° 〇以上であると、 延伸後の膜状物から溶媒の揮発速度を高めや すいた め、 乾燥効率を高めやすい。 乾燥温度が (丁 9 + 3 0) °〇以下、 好ましくは 丁 9 ° 〇以下であると、 膜状物が伸びることによるトタン状の変形な どを高度 に抑制しうる。 乾燥温度は、 前述と同様に、 (3) 延伸機内温度または熱風 温度などの雰囲気温度を測定することが好ま しい。

[0175] 4) の工程について

得られた光学フィルムを、 巻き取り機を用いて、 フィルムの長さ方向 (幅 方向に対して垂直な方向) に巻き取る。 それにより、 巻き芯の周りに口ール 状に巻き取られた光学フィルム、 すなわち、 光学フィルムの口ール体を得る ことができる。

[0176] 巻き取り方法は、 特に制限されず、 定トルク法、 定テンション法、 テーパ —テンション法などでありうる。

[0177] 光学フィルムを巻き取る際の、 巻き取り張力は、 5 0〜 1 7 0 1\1程度とし うる。 巻き取り長さは、 特に制限されず、 3 0 0 0 以上、 好ましくは 3 5 0 0〜 8 0 0〇 でありうる。 このように、 巻き取り長さが長いほど、 前述 \¥0 2020/175580 39 卩(:17 2020 /007859

の貼り付き故障が生じやすい。 そのような場合であっても、 本発明の光学フ ィルムは良好な滑り性を有するため、 貼り付き故障を抑制することができる

[0178] 得られる光学フィルムは、 良好な滑り性を有する。 そのため、 例えばアン チブロッキング塗布層などの表面加工が施さ れたり、 共流延で積層構造にし て表層に微粒子を局在させたり、 フィルム間にプロテクトフィルムが配置さ れたりしなくても、 フィルム同士の貼り付きを良好に抑制しうる 。

[0179] このようにして得られる光学フィルムは、 液晶表示装置や有機巳 !_表示装 置などの表示装置における光学部材として用 いられる。 光学部材の例には、 偏光板保護フィルム (位相差フィルムや輝度向上フィルムなどを 含む) 、 透 明基板、 光拡散フィルムが含まれる。 中でも、 本発明の光学フィルムは、 偏 光板保護フィルムとして用いられることが好 ましい。

[0180] 4 . 光学フィルム

4 - 1 . 光学フィルムの構成

本発明の光学フィルムは、 上記光学フィルムの製造方法によって得られ る ものであり、 マトリクス樹脂と、 共重合体微粒子とを含む。

[0181 ] マトリクス樹脂は、 上記マトリクス樹脂である。

[0182] 共重合体微粒子は、 上記共重合体微粒子である。 すなわち、 光学フィルム 中の共重合体微粒子の平均粒子径8 1’ は、 〇. 0 1〜〇. 4 であるこ とが好ましく、 〇. 0 7〜〇. 2 8 であることがより好ましい。

[0183] 光学フィルム中の共重合体微粒子の平均粒子 径[¾ 1’ は、 以下の方法で測 定することができる。 まず、 光学フィルムを切断し、 得られる切断面を丁巳 IV!観察する。 そして、 任意の粒子 1 0 0個の微粒子について、 粒子径を測定 する。 粒子径は、 前述と同様に、 丁巳1\/1撮影によって得た粒子 1 0 0個の円 相当径として測定する。 そして、 得られた粒子径の平均値を 「平均粒子径[¾ 1, 」 とする。 なお、 丁巳 IV!画像において、 明度が視野の平均明度 X 1 5 0 %以上の部分を、 粒子と判断する。

[0184] また、 光学フィルムを溶媒に溶解させた溶液におい ては、 共重合体微粒子 \¥0 2020/175580 40 卩(:171? 2020 /007859

は、 表面の少なくとも一部がマトリクス樹脂など で被覆された状態で (すな わち、 被覆微粒子として) 存在しうる。 すなわち、 光学フィルムを、 当該フ ィルム : メチレンクロライ ド : エタノール = 1 5 : 8 0 : 5 (質量比) とな るように溶解させた溶液中において、 動的光散乱法で測定される、 表面の少 なくとも一部が樹脂で被覆された状態の共重 合体微粒子 (被覆微粒子) の平 均粒子径を 2’ としたとき、 / [¾ 1’ は、 2〜 1 0であり、 好まし くは 3〜 1 0である。

[0185] すなわち、 光学フィルム中の共重合体微粒子の平均粒子 径[¾ 1’ は、 ドー プから測定される共重合体微粒子の平均粒子 径[¾ 1 と対応しており (ほぼ同 じであり) ;光学フィルムを溶媒に溶解させて測定され る被覆微粒子の平均 粒子径[¾ 2’ は、 ドープ中の被覆微粒子の平均粒子径[¾ 2と対応している ( ほぼ同じである) 。 すなわち、 光学フィルムの 2’ / [¾ 1’ は、 ドープの と対応している (ほぼ同じである) 。

[0186] また、 マトリクス樹脂の含有量は、 光学フィルムに対して 6 0質量%以上 であることが好ましく、 7 0質量%以上であることがより好ましく、 8 0質 量%以上であることがさらに好ましい。

[0187] 光学フィルムの組成は、 上記ドープの固形分組成と同じである。 したがつ て、 共重合体微粒子の含有量は、 マトリクス樹脂に対して〇. 7〜 8質量% であることが好ましい。 共重合体微粒子の含有量が〇. 7質量%以上である と、 光学フィルムの表面に十分な量の凸凹を形成 しやすいため、 滑り性を十 分に高めることができ、 8質量%以下であると、 光学フィルムの内部ヘイズ の増大を抑制しやすい。 共重合体微粒子の含有量は、 上記観点から、 マトリ クス樹脂に対して 1〜 6質量%であることがより好ましい。

[0188] 光学フィルムは、 上記分散化合物や上記架橋重合体をさらに含 んでもよい

[0189] また、 光学フィルムは、 上記ゴム粒子などの他の成分をさらに含んで もよ い。 また、 光学フィルムは、 残留溶媒などをさらに含んでもよい。

[0190] (残留溶媒) \¥0 2020/175580 41 卩(:171? 2020 /007859

光学フィルムは、 後述するように溶液製膜法により製造される ことから、 溶液製膜法で用いられるドープの溶媒に由来 する残留溶媒を含んでいてもよ い。

[0191 ] 残留溶媒量は、 光学フィルムに対して 7 0 0 以下であることが好ま しく、 3 0〜 7 0 0 であることがより好ましい。 残留溶媒の含有量は 、 後述する光学フィルムの製造工程における、 支持体上に流延させたドープ の乾燥条件によって調整されうる。

[0192] 光学フィルムの残留溶媒量は、 ヘッ ドスぺースガスクロマトグラフィーに より測定することができる。 へッ ドスペースガスクロマトグラフィー法では 、 試料を容器に封入し、 加熱し、 容器中に揮発成分が充満した状態で速やか に容器中のガスをガスクロマトグラフに注入 し、 質量分析を行って化合物の 同定を行いながら揮発成分を定量するもので ある。 へッ ドスべース法では、 ガスクロマトグラフにより、 揮発成分の全ピークを観測することを可能に す るとともに、 電磁気的相互作用を利用した分析法を用いる ことによって、 高 精度で揮発性物質やモノマーなどの定量も併 せて行うことができる。

[0193] 4 - 2 . 光学フィルムの物性

(内部ヘイズ)

光学フィルムは、 透明性が高いことが好ましい。 光学フィルムのヘイズは 、 〇 . 0 3 %以下であることが好ましく、 0 . 0 2 %以下であることがより 好ましく、 〇. 0 1 %以下であることが特に好ましい。 内部ヘイズは、 試料

、 スガ試験機) で、 」 丨 — 6 7 1 4に従って測定することができる。

[0194] 光学フィルムの内部ヘイズは、 共重合体粒子の含有量や 2’ / [¾ 1’ ( または によって調整することができる。 光学フィルムの内部へ イズを一定以下とするためには、 例えば共重合体粒子の含有量は一定以下と することが好ましく、 / [¾ 1’ は一定以上 (2以上、 好ましくは 3以 上) とすることが好ましい。

[0195] (引張弾性率) \¥02020/175580 42 卩(:171? 2020 /007859

光学フィルムの引張弾性率は、 1 8001\/1 3以上であることが好ましい 。 光学フィルムの引張弾性率が 1 8001\/1 3以上であると、 光学フィルム 同士の貼り付きを抑制しやすいため、 それによる貼り付き故障を抑制しやす い。 光学フィルムの引張弾性率は、 上記観点から、 1 800〜 50001\/1 3であることがより好ましい。

[0196] 光学フィルムの引張弾性率は、 /[¾ 1’ (または によ つて調整することができる。 光学フィルムの引張弾性率を一定以上とする た めには、 例えば /[¾ 1’ は一定以下 (1 0以下) とすることが好まし い。

[0197] 光学フィルムの引張弾性率は、 」 丨 3 < 7 1 27に準拠して、 オリエン テック社製テンシロン 丁〇一 1 225八を用いて測定することができる。 測定条件は、 23°C50%RH下、 チャック間距離 5 とすることがで きる。

[0198] (位相差 [¾〇および [¾ 1:)

光学フィルムは、 例えば丨 3モード用の位相差フィルムとして用いる観 点では、 測定波長 550 n m、 23 ° C55%RHの環境下で測定される面内 方向の位相差 8〇は、 〇〜 1 01·!〇!であることが好ましく、 〇〜 5 〇!であ ることがより好ましい。 光学フィルムの厚み方向の位相差 1:は、 一20〜 20 n であることが好ましく、 一 1 0〜 1 0 n であることがより好まし い。

[0199] [¾〇および は、 それぞれ下記式で定義される。

式 (28) : [¾〇= (1^父— 11 7) X 01

式 (21〇) : [¾ = ( (1^父十 1·^) / 2— 1^ 2.) X ¢1

(式中、

父は、 フィルムの面内遅相軸方向 (屈折率が最大となる方向) の屈折率 を表し、

Vは、 フィルムの面内遅相軸に直交する方向の屈折 率を表し、 门 は、 フィルムの厚み方向の屈折率を表し、 dは、 フィルムの厚み (n m) を表す。 )

[0200] 光学フィルムの面内遅相軸とは、 フィルム面において屈折率が最大となる 軸をいう。 光学フィルムの面内遅相軸は、 自動複屈折率計アクソスキャン ( A X〇 S c a n Mu e l l e r Ma t r i x P o l a r i me t e r : アクソメ トリックス社製) により確認することができる。

[0201] R〇および R tは、 以下の方法で測定することができる。

1) 光学フィルムを 23 °C 55 %R Hの環境下で 24時間調湿する。 この フィルムの平均屈折率をアッベ屈折計で測定 し、 厚み dを市販のマイクロメ —ターを用いて測定する。

2) 調湿後のフィルムの、 測定波長 550 n mにおけるリターデーシヨン [¾〇および[¾ 1:を、 それぞれ自動複屈折率計アクソスキャン (Ax o S e a n Mu e l l e r Ma t r i x P o l a r i me t e r : アクソメ トリッ クス社製) を用いて、 23 ° C55%R Hの環境下で測定する。

[0202] 光学フィルムの位相差 R〇および R tは、 例えばマトリクス樹脂の種類や 延伸条件によって調整することができる。 光学フィルムの位相差 R〇および R tを低くするためには、 例えば延伸によって位相差が出にくいマトリ クス 樹脂を選択する (例えば負の複屈折を有するモノマー由来の 構造単位と、 正 の複屈折を有するモノマー由来の構造単位と で位相差を相殺できるようなモ ノマー比率を有する樹脂を選択する) ことが好ましい。

[0203] (厚み)

光学フィルムの厚みは、 例えば 5〜 1 O O^m、 好ましくは

としうる。

[0204] 5. 偏光板

本発明の偏光板は、 偏光子と、 本発明の光学フィルムと、 それらの間に配 置された接着層とを有する。

[0205] 5 - 1. 偏光子

偏光子は、 一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり 、 ポリビニルアル コール系偏光フイルムである。 ポリビニルアルコール系偏光フイルムには、 \¥02020/175580 44 卩(:171? 2020 /007859

ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素 を染色させたものと、 二色性染料 を染色させたものとがある。

[0206] ポリビニルアルコール系偏光フィルムは、 ポリビニルアルコール系フィル ムを一軸延伸した後、 ヨウ素または二色性染料で染色したフィルム (好まし くはさらにホウ素化合物で耐久性処理を施し たフィルム) であってもよいし ;ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素 たは二色性染料で染色した後 、 一軸延伸したフィルム (好ましくは、 さらにホウ素化合物で耐久性処理を 施したフィルム) であってもよい。 偏光子の吸収軸は、 通常、 最大延伸方向 と平行である。

[0207] 例えば、 特開 2003— 2481 23号公報、 特開 2003— 34232

2号公報等に記載のエチレン単位の含有量 1〜 4モル%、 重合度 2000〜 4000、 けん化度 99. 〇〜 99. 99モル%のエチレン変性ポリビニル アルコールが用いられる。

[0208] 偏光子の厚みは、 5〜 3〇 であることが好ましく、 偏光板を薄型化す るため等から、 5〜 2〇 であることがより好ましい。

[0209] 5-2. 光学フィルム

本発明の光学フィルムは、 偏光子の少なくとも一方の面 (少なくとも液晶 セルと対向する面) に配置されている。 光学フィルムは、 偏光板保護フィル ムとして機能しうる。

[0210] 本発明の光学フィルムが偏光子の一方の面の みに配置されている場合、 偏 光子の他方の面には、 他の光学フィルムが配置されうる。 他の光学フィルム の例には、 市販のセルロースエステルフィルム (例えば、 コニカミノルタタ ック<〇811乂、 <〇511乂、 [<〇411乂、

[<〇4巳[¾、

丫、 <〇611丫、 [<〇411丫、 <〇411巳、 [<〇811巳、 <〇811丫一1 ~ 1八 、 [<〇211八、 [<〇411八、 [<〇611八、 [<〇811八、 <〇21)八1 ~ 1、 411八1 ~ 1、 <〇61)八1 ~ 1、 以上コニカミノルタ (株) 製、 フジタック丁40 II 、 フジタック丁 60 II 、 フジタック丁 80 II 、 フジタック丁 080 U L、 フジタック TD60U L、 フジタック TD40U L、 フジタック RO 2、 フジタック R 06、 以上富士フィルム (株) 製) などが含まれる。

[0211] 他の光学フィルムの厚みは、 例えば 5〜 1 00 Mm、 好ましくは 40〜 8

0 M mでありうる。

[0212] 5-3. 接着層

接着層は、 光学フィルム (または他の光学フィルム) と偏光子との間に配 置されている。 接着層の厚みは、 例えば 0. 01 ~ 1 O^m、 好ましくは 0 . 〇 3〜 5 M m程度でありうる。

[0213] 5-4. 偏光板の製造方法

本発明の偏光板は、 偏光子と本発明の光学フィルムを、 接着剤を介して貼 り合わせて得ることができる。 接着剤は、 完全ケン化型ポリビニルアルコー ル水溶液 (水糊) 、 または活性エネルギー線硬化性接着剤であり うる。 活性 エネルギー線硬化性接着剤は、 光ラジカル重合を利用した光ラジカル重合型 組成物、 光カチオン重合を利用した光カチオン重合型 組成物、 またはそれら の併用物のいずれであってもよい。

[0214] 6. 液晶表示装置

本発明の液晶表示装置は、 液晶セルと、 液晶セルの一方の面に配置された 第 1偏光板と、 液晶セルの他方の面に配置された第 2偏光板とを含む。

[0215] 液晶セルの表示モードは、 例えば STN (Super-Twisted Nematic) 、 T N

(Twisted Nematic) 、 0 C B (Optically Compensated Bend) 、 HAN (Hy bridaUgned Nematic) 、 V A (Vertical AUgnment、 MV A (Mult i-domai n Vertical Alignment) % P V A (Patterned Vertical Alignment) ) s I P S (In-Plane-Switching) などでありうる。 中でも、 V A (MV A, P V A ) モードおよび丨 PSモードが好ましい。

[0216] 第 1および第 2偏光板のうち一方または両方が、 本発明の偏光板である。

本発明の偏光板は、 本発明の光学フィルムが液晶セル側となるよ うに配置さ れることが好ましい。

実施例 [0217] 以下、 実施例により本発明を具体的に説明するが、 本発明はこれらに限定 されるものではない。

[0218] 1. ドープの材料

( 1) マトリクス樹脂

樹脂 A : J S R社製 G 781 0 (式 (B- 2) で表される構造単位を含む シクロオレフィン樹脂、 屈折率 1. 5 1、 重量平均分子量 1 4万、 ガラス転 移温度 1 70°〇

樹脂 B : メタクリル酸メチル/ N—フエニルマレイミ ド共重合体 (MMA /N-P hM=85/1 5質量比) 、 屈折率 1. 50、 重量平均分子量 50 万、 ガラス転移温度 1 20 ° C

樹脂 C :セルロースアセテートプロビオネート (アセチル基置換度 1. 5 /プロピオニル基置換度 0. 9/総置換度 2. 4のセルロースアシレート、 屈折率 1. 48、 重量平均分子量 20万、 ガラス転移温度 1 80°C)

[0219] 樹脂 A〜 Cの屈折率、 ガラス転移温度 (T g) および重量平均分子量 (M w) は、 以下の方法でそれぞれ測定した。

[0220] 〔屈折率〕

上記樹脂からなるフィルムを作製し、 当該フィルムの波長 550 n mにお ける屈折率を、 堀場製分光エリプソメータ _U VS E Lを用いて測定した。

[0221] 〔ガラス転移温度 (T g) 〕

樹脂のガラス転移温度を、 DSC (D i f f e r e n t i a l S c a n n i n g Co l o r i me t r y :示差走査熱量法) を用いて、 J I S K 7 1 2 1 -201 2に準拠して測定した。

[0222] 〔重量平均分子量 (Mw) 〕

樹脂の重量平均分子量 (Mw) を、 ゲル浸透クロマトグラフィー (東ソー 社製 H LC 8220 G PC) 、 カラム (東ソー社製 TS K-GE L G 6 000 HXL-G 5000 HXL-G 5000 HXL-G 4000 HXL- G 3000 HXL 直列) を用いて測定した。 試料 20±0. 5 m gをテト ラヒドロフラン 1 0 m I に溶解し、 0. 45 mmのフィルターで濾過した。 \¥02020/175580 47 卩(:171? 2020 /007859

この溶液をカラム (温度 40 ° 〇) に 1 〇〇 丨注入し、 検出器 丨温度 40 で測定し、 スチレン換算して、 重量平均分子量を求めた。

[0223] (2) 微粒子

微粒子巳 1 : メタクリル酸メチル (1\/11\/1八) /スチレン (31:) /エチレ ングリコールジメタクリレート (巳〇01\/1八) 共重合体粒子 (屈折率 1. 5 1、 平均粒子径〇. 1 4 )

微粒子巳 2 : アクリル酸プチル (巳八) /スチレン (31) /エチレング リコールジメタクリレート (巳〇01\/1八) 共重合体粒子 (屈折率 1. 48、 平均粒子径〇. 1 8 )

微粒子八 1 :シリカ粒子 (屈折率 1. 45、 平均粒子径〇. 1 5 ) なお、 微粒子の屈折率は、 前述と同様の方法で測定した。

[0224] (3) ゴム粒子

ゴム粒子 1 : アクリル酸プチル由来の構造単位とメタクリ ル酸メチル由 来の構造単位とを含む共重合体 (アクリル酸プチル/メタクリル酸メチル = 85/1 5質量比) のゴム粒子、 ガラス転移温度一 30°〇、 平均粒子径 20 0 〇1)

[0225] (4) 分散化合物

分散化合物 :下記式で表される糖エステル化合物

[化 8]

分散化合物巳 :下記式で表されるアクリル酸メチル系オリ ゴマー \¥02020/175580 48 卩(:17 2020 /007859

[化 9]

〇㈠

! !〇

平均分子量 1\/)11=400

〇入 0

分散化合物 0 :低分子量ジアセチルセルロース (数平均分子量 M n : 20 00、 アセチル置換度 (アシル基総合置換度) : 2. 4)

[0226] (5) 架橋性化合物

エチレングリコールジメタクリレート (巳〇01\/1八)

[0227] (6) 溶媒

メチレンクロライ ド (IV!〇) (3 値: 1 9. 4)

エタノール (E t〇H) (3 値: 25. 2)

ジエチルエーテル (3 値: 1 5. 1)

四塩化炭素 (3 値: 1 7. 6)

シクロヘキサン (3 値: 1 6. 8)

[0228] 2. ドープの調製、 光学フィルムの作製および評価

2— 1. 試験 1 (方法八)

<光学フィルム 1 01の作製>

(微粒子分散液 1の調製)

下記成分を、 ディゾルバーで 50分間撹拌混合した後、 マイルダー分散機 (大平洋機エ株式会社製) を用いて 1 500 「 条件下で分散させて、 微 粒子分散液 1 を得た。

微粒子八 1 : 1質量部

シクロヘキサン: 1 00質量部

樹脂八 (マトリクス樹脂) : 3質量部

[0229] (ドープ 1の調製) \¥02020/175580 49 卩(:171? 2020 /007859

次いで、 下記組成のドープを調製した。 まず、 加圧溶解タンクにメチレン クロライ ドを添加した後、 樹脂八 (マトリクス樹脂) を撹拌しながら投入し た。 次いで、 これに、 上記調製した微粒子分散液をさらに投入して 、 60 ° 〇 に加熱し、 撹拌しながら、 完全に溶解させた。 加熱温度は、 室温から 5 ° 〇/ 111 I で昇温し、 30分間で溶解した後、 3°0/|11 丨 で降温した。 これを 、 (株) ロキテクノ製の 31~1 1 50を使用して、 濾過流量 3001_/ 2 II、 濾圧 1. 〇 1 0 6 3にて濾過し、 ドープ 1 を得た。

樹脂八 (マトリクス樹脂) : 1 00質量部

メチレンクロライ ド: 1 50質量部

エタノール: 20質量部

微粒子分散液 1 : 1 50質量部

[0230] (製膜)

得られたドープを、 無端べルト流延装置のステンレスベルト支持 体上に均 —に流延した。 ステンレスベルトの温度は 28 ° 〇、 ステンレスベルトの搬送 速度は 20〇!/〇! 丨 とした。 次いで、 ステンレスベルト支持体上で、 流延 (キャスト) した膜状物中の残留溶媒量が 25質量%になるまで溶剤を蒸発 させた後、 ステンレスベルト支持体上から剥離して、 膜状物を得た。

次いで、 得られた膜状物を、 テンターにて (丁 9 - 1 5) ° 〇 (丁 9は、 樹 脂八の丁 9を示す) の条件下で幅方向に 1. 2倍延伸した。

次いで、 延伸した膜状物を口ールで搬送しながら、 (丁 9 _ 1 0) ° 〇 (丁 9は、 樹脂八の丁 9を示す) で、 前述のへツ ドスべースガスクロマトグラフ ィーにより測定される残留溶媒量が 30〜 600質量 の範囲内となる までさらに乾燥させた後、 テンタークリツプで挟んだ端部をレーザーカ ツタ —でスリツ トして巻き取り、 長さ 3900〇1、 膜厚 40 〇1の光学フィルム 1 01 を得た。

[0231] <光学フィルム 1 02の作製>

(微粒子分散液 2の調製)

下記組成となるように変更した以外は微粒子 分散液 1 と同様にして微粒子 \¥0 2020/175580 50 卩(:171? 2020 /007859

分散液 2を得た。

微粒子巳 1 : 1質量部

メチレンクロライ ド: 1 0 0質量部

[0232] (ドープ 2の調製および製膜)

得られた微粒子分散液 2を用いた以外はドープ 1 と同様にしてドープ 2を 得た。 得られたドープ 2を用いた以外は光学フィルム 1 0 1 と同様にして光 学フィルム 1 0 2を得た。

[0233] <光学フィルム 1 0 3の作製 >

(微粒子分散液 3の調製)

下記組成に変更した以外は微粒子分散液 2と同様にして微粒子分散液 3を 得た。

微粒子巳 1 : 3質量部

メチレンクロライ ド: 9 4質量部

エタノール: 6質量部

[0234] (ドープ 3の調製)

次いで、 下記組成に変更した以外はドープ 2と同様にしてドープ 3を得た 樹脂 : 1 0 0質量部

メチレンクロライ ド: 1 9 6質量部

エタノール : 1 3質量部

微粒子分散液 3 : 5 0質量部

[0235] (製膜)

得られたドープ 3を用いた以外は光学フィルム 1 0 2と同様にして光学フ ィルム 1 0 3を得た。

[0236] <光学フィルム 1 0 4の作製 >

(微粒子分散液 4の調製)

下記組成に変更した以外は微粒子分散液 1 と同様にして微粒子分散液 4を 得た。 \¥0 2020/175580 51 卩(:171? 2020 /007859

微粒子巳 1 : 3質量部

メチレンクロライ ド: 9 4質量部

樹脂 : 3質量部

[0237] (ドープ 4の調製および製膜)

得られた微粒子分散液 4を用いた以外はドープ 3と同様にしてドープ 4を 得た。 得られたドープ 4を用いた以外は光学フィルム 1 0 3と同様にして光 学フィルム 1 0 4を得た。

[0238] <光学フィルム 1 2 0の作製>

微粒子分散液 4の調製において、 樹脂 を 4 . 5質量部に変更した以外は 光学フィルム 1 0 4と同様にして光学フィルム 1 2 0を得た。

[0239] <光学フィルム 1 0 5〜 1 0 9の作製>

微粒子分散液の分散溶媒の組成およびドープ の樹脂濃度を表 1 に示される ように変更した以外は光学フィルム 1 0 4と同様にして光学フィルムを得た

[0240] <光学フィルム 1 1 0、 1 1 1の作製>

微粒子分散液の樹脂の含有量を表 1 に示されるように変更した以外は光学 フィルム 1 0 4と同様にして光学フィルムを得た。

[0241 ] <光学フィルム 1 1 2〜 1 1 3の作製>

微粒子分散液の微粒子の含有量を表 1 に示されるように変更した以外は光 学フィルム 1 1 1 と同様にして光学フィルムを得た。

[0242] <光学フィルム 1 1 4の作製>

マトリクス樹脂の種類を表 1 に示されるように変更し、 かつ表 1 に示され る量のゴム粒子をさらに添加した以外は光学 フィルム 1 1 1 と同様にして光 学フィルムを得た。

[0243] <光学フィルム 1 1 5〜 1 1 6の作製>

微粒子分散液の分散溶媒の組成を表 1 に示されるように変更した以外は光 学フィルム 1 1 1 と同様にして光学フィルムを得た。

[0244] <光学フィルム 1 1 7〜 1 1 9の作製> \¥02020/175580 52 卩(:171? 2020 /007859

微粒子分散液を調製するときの温度 (分散温度) を表 1 に示されるように 変更した以外は光学フィルム 1 04と同様にして光学フィルム 1 1 7および 1 1 8を得た。 また、 微粒子分散液を調製するときの温度を表 1 に示される ように変更した以外は光学フィルム 1 1 4と同様にして光学フィルム 1 1 9 を得た。

[0245] <評価 >

光学フィルム 1 01〜 1 20の作製に用いたドープにおける、 ( 1 - 1 ) 微粒子の平均粒子径 1、 (1 -2) 被覆微粒子の平均粒子径 2、 および (1 -3) 分散溶媒の 3 値および△ 3 を、 以下の方法で測定した。

[0246] ( 1 - 1 ) 微粒子の平均粒子径[¾ 1

微粒子の平均粒子径[¾ 1は、 以下の手順で測定した。

1 ) 得られたドープを、 樹脂濃度が 20質量%となるように、 各ドープの 主溶媒 (最も含有量が多い溶媒) で 5倍程度に希釈した。

2) 得られた希釈液を、 微粒子が重ならないようにプレパラート上に 薄く 塗布した後、 3巳1\/1観察を行い、 任意の粒子 1 00個の微粒子について、 粒 子径を測定した。 得られた粒子径の平均値を 「平均粒子径[¾ 1」 とした。

[0247] (1 -2) 被覆微粒子の平均粒子径 2

被覆微粒子の平均粒子径[¾ 2は、 動的光散乱法、 具体的には、 ゼータ電位 -粒径 ·分子量測定システム巳 !_32_200023を用いて、 粒子のブラ ウン運動に起因する散乱光から測定した。

[0248] (1 -3) 分散溶媒の 3 値、 および

各成分の 3 値は、 その化学構造から、 市販の画像解析ソフト 3〇 丨 9 「 633により算出した。 また、 また、 分散溶媒が 2種類以上の溶媒を含む場 合、 前述の通り、 各溶媒の 3 値の 2乗にその含有割合 (質量%) を乗じた ものの和 (すなわち、 2乗平均) として求めた。

[0249] 次いで、 得られた光学フィルム 1 01〜 1 20における、 (2- 1 ) 微粒 子の平均粒子径[¾ 1’ 、 (2-2) 被覆微粒子の平均粒子径[¾ 2’ 、 および (2-3) 弾性率を、 以下の方法で測定した。 \¥02020/175580 53 卩(:171? 2020 /007859

[0250] (2 - 1) 微粒子の平均粒子径 1’

得られた光学フィルムを切断し、 切断面を丁巳 IV!観察した。 そして、 任意 の微粒子 1 〇〇個の粒子径の円相当径をそれぞれ測定し 、 それらの平均値を 「平均粒子径[¾ 1’ 」 とした。

[0251] (2-2) 被覆微粒子の平均粒子径 2’

得られた光学フィルムを、 メチレンクロライ ドとエタノールの混合溶媒に 、 フィルム: メチレンクロライ ド:エタノール = 1 5 : 80 : 5 (質量比) となるように溶解させて、 溶液を得た。 得られた溶液における微粒子の平均 粒子径[¾ 2’ を、 前述の (1 —2) と同様にして測定した。

[0252] (2-3) 弾性率

得られた光学フィルムの引張弾性率を、 」 丨 3 < 7 1 27に準拠して、 オリエンテック社製テンシロン 丁〇一 1 225八を用いて測定した。 測定 条件は、 23°C50%RH下、 チャック間距離 した。

1 8001\/1 3以上であれば良好と判断し、 20001\/1 3以上であれば 特に良好と判断した。

[0253] また、 得られた光学フィルム 1 01〜 1 20の、 (2-4) 内部ヘイズ、 (2-5) 貼り付き故障 (貼り付き面積、 故障部分の長さ) 、 および (2— 6) 生産長さを、 以下の方法で評価した。

[0254] (2-4) 内部ヘイズ

得られた光学フィルムの丁 0方向 5点、 すなわち、 フィルムの丁 0方向の 中央部、 端部 (両端からそれぞれ全幅の 5%の位置) 2点、 中央部と端部の 中間部 2点を、 方向に 1 00 ごとにサンプリングし、 5001X5001 の大きさのサンプルを得た。 このサンプルを、 25 ° 〇、 相対湿度 60%にて 24時間調湿後、 ヘイズメーター ( 01 ~ 1 2000 : 日本電色工業 (株) 製 ) を用いて各サンプルのヘイズを測定し、 それらの平均値をヘイズ値とした 内部ヘイズが〇. 03%以下であれば良好と判断し、 〇. 02%以下であ れば特に良好と判断した。 \¥0 2020/175580 54 卩(:171? 2020 /007859

[0255] (2 - 5) 貼り付き故障

(貼り付き面積率)

光学フィルムを所定の大きさにカツ トして、 2つのフィルムを得た。 一方 のフィルムの一方の面 (八面) と、 他方のフィルムの他方の面 (巳面) とを 接触させて、 6 IV! 8で 3 0分間の荷重を掛けた。 その後、 荷重を除去し、 荷重を掛けた部分の総面積に対する貼り付い た部分の面積の比率 (貼り付き 面積率) を画像解析ソフトにより測定した。

貼り付き面積率が 1 〇%以下であれば良好と判断した。

[0256] (貼り付き故障長さ)

光学フィルムのうち、 貼り付きが生じた部分の長さ (IV! 0方向の長さ) を 、 「貼り付き故障長さ」 とした。

貼り付き故障長さが 1 0 0 以下であれば良好と判断した。

[0257] (2 - 6) 生産長

光学フィルムの製造工程において、 製膜開始から、 微粒子の脱落によりべ ルトの清掃が必要となるまでに製膜した光学 フィルムの長さを、 「生産長さ 」 とした。

生産長さが長いほど、 微粒子の凝集による脱落が生じにくいこと、 すなわ ち微粒子の分散性が良好であり、 好ましい。

[0258] 光学フイルム 1 0 1〜 1 2 0に用いたドープ構成、 フイルム構成および評 価結果を表 1 に示す。

[0259]

\¥02020/175580 55 卩(:17 2020 /007859

[表 1]

[0260] 表 1 に示されるように、 樹脂を含み、 かつ分散溶媒の組成が前述の式 (1 ) を満たす微粒子分散液を用いて得られたドー プ 5〜 1 9は、 2/ 1が \¥0 2020/175580 56 卩(:171? 2020 /007859

所定の範囲に調整されており、 微粒子が良好に分散していることがわかった 。 そして、 得られる光学フィルム 1 0 5〜 1 1 9は、 いずれも内部ヘイズが 低く、 かつ貼り付き故障が抑制されることがわかる 。

[0261 ] これに対して、 樹脂を含まず、 かつ分散溶媒の組成が前述の式 ( 1) を満 たさない微粒子分散液を用いたドープ 1〜 3および樹脂の含有量が少ない微 粒子分散液を用いたドープ 4および 3 6は、 いずれも

なり、 微粒子が良好に分散していなかった。 そして、 得られる光学フィルム 1 0 1〜 1 0 4および 1 2 0は、 いずれも内部ヘイズが高く、 かつ貼り付き 故障が生じることがわかる。

[0262] 2 - 2 . 試験 2 (方法巳)

<光学フィルム 2 0 1の作製>

(微粒子分散液の調製)

微粒子分散液の組成を下記のように変更した 以外は微粒子分散液 3と同様 にして、 微粒子分散液を調製した。

微粒子巳 1 : 3質量部

メチレンクロライ ド: 8 2質量部

エタノール: 5質量部

分散化合物 : 1 0質量部

[0263] 得られた微粒子分散液を用いた以外は光学フ ィルム 1 0 3と同様にして光 学フィルム 2 0 1 を得た。

[0264] <光学フィルム 2 0 2〜 2 0 4の作製>

分散化合物の含有量を、 表 2に示されるように変更した以外は光学フィ ム 2 0 1 と同様にして光学フィルムを得た。

[0265] <光学フィルム 2 0 5および 2 0 6の作製>

微粒子の含有量を、 表 2に示されるように変更した以外は光学フィ ム 2 0 1 と同様にして光学フィルムを得た。

[0266] <光学フィルム 2 0 7および 2 0 8の作製>

マトリクス樹脂の種類を、 表 2に示されるように変更した以外は光学フィ \¥0 2020/175580 57 卩(:171? 2020 /007859

ルム 2 0 2と同様にして光学フィルムを得た。

[0267] <光学フィルム 2 0 9および 2 1 0の作製 >

分散化合物の種類および含有量を、 表 2に示されるように変更した以外は 光学フィルム 2 0 2と同様にして光学フィルムを得た。

[0268] <評価 >

得られた光学フィルム 2 0 1〜 2 1 0の作製に用いたドープにおける、 ( 1 - 1) 微粒子の平均粒子径[¾ 1、 および ( 1 _ 2) 被覆微粒子の平均粒子 径8 2を、 前述と同様にして測定した。 また、 得られた光学フィルム 2 0 1 〜 2 1 0における、 (2 - 1) 微粒子の平均粒子径[¾ 1’ 、 および (2 - 2 ) 被覆微粒子の平均粒子径[¾ 2’ を、 前述と同様にして測定した。 さらに、 得られた光学フィルム 2 0 1〜 2 1 0の、 内部ヘイズ、 貼り付き故障 (貼り 付き面積、 故障部分の長さ) 、 および生産長さを、 前述と同様にして評価し た。

[0269] 光学フィルム 2 0 1〜 2 1 0に用いたドープ構成、 フィルム構成および評 価結果を、 表 2に示す。 なお、 対比のために、 光学フィルム 1 0 3のドープ 構成、 フィルム構成および評価結果も併せて、 表 2に示す。

[0270]

[0271 ] 表 2に示されるように、 分散化合物を含む微粒子分散液を用いて得ら れた ドープ 2 0〜 2 2および 2 4〜 2 9は、 1が所定の範囲に調整され \¥0 2020/175580 59 卩(:171? 2020 /007859

ており、 微粒子が良好に分散していることがわかった 。 そして、 得られる光 学フィルム 2 0 1〜 2 0 3および 2 0 5〜 2 1 0は、 いずれも内部ヘイズが 低く、 かつ貼り付き故障が抑制されることがわかる 。

[0272] これに対して、 分散化合物を含まない微粒子分散液を用いた ドープ 3は、

2 / 1が 2未満となり、 微粒子が良好に分散していないことがわかる 。 そして、 得られる光学フィルム 1 0 3は、 内部ヘイズが高く、 かつ貼り付き 故障が生じることがわかる。

[0273] また、 分散化合物の含有量が多すぎる微粒子分散液 を用いたドープ 2 3は 、 そして、 得られる光学フィル ム 2 0 4は、 内部ヘイズは低いものの、 引張弾性率が低くなり、 フィルムの 強度が著しく低下することがわかる。 それにより、 貼り付き故障が生じるこ とがわかる。

[0274] 2 - 3 . 試験 3 (方法〇)

<光学フィルム 3 0 1の作製>

(微粒子分散液の調製)

微粒子分散液の組成を下記のように変更した 以外は微粒子分散液 3と同様 にして、 微粒子分散液を調製した。

微粒子巳 1 : 3質量部

メチレンクロライ ド: 8 2質量部

エタノール: 5質量部

巳◦ 0 IV! (架橋性化合物) : 5質量部

[0275] 得られた微粒子分散液を用い、 かつドープを 6 0 ° 〇に加温した以外は光学 フィルム 1 0 3と同様にして光学フィルム 3 0 1 を得た。

[0276] <光学フィルム 3 0 2〜 3 0 4の作製>

架橋性化合物の含有量を、 表 3に示されるように変更した以外は光学フィ ルム 3 0 1 と同様にして光学フィルムを得た。

[0277] <光学フィルム 3 0 5および 3 0 6の作製>

マトリクス樹脂の種類を、 表 3に示されるように変更した以外は光学フィ \¥0 2020/175580 60 卩(:171? 2020 /007859

ルム 3 0 2と同様にして光学フィルムを得た。

[0278] <評価 >

得られた光学フィルム 3 0 1〜 3 0 6の作製に用いたドープにおける、 ( 1 - 1) 微粒子の平均粒子径[¾ 1、 および ( 1 _ 2) 被覆微粒子の平均粒子 径8 2を、 前述と同様にして測定した。 また、 得られた光学フィルム 3 0 1 〜 3 0 6における、 (2 - 1) 微粒子の平均粒子径[¾ 1’ 、 および (2 - 2 ) 被覆微粒子の平均粒子径[¾ 2’ を、 前述と同様にして測定した。 さらに、 得られた光学フィルム 3 0 1〜 3 0 6の、 内部ヘイズ、 貼り付き故障 (貼り 付き面積、 故障部分の長さ) 、 および生産長さを、 前述と同様の方法で評価 した。

[0279] 光学フィルム 3 0 1〜 3 0 6に用いたドープ構成、 フィルム構成および評 価結果を、 表 3に示す。 なお、 対比のために、 光学フィルム 1 0 3のドープ 構成、 フィルム構成および評価結果も併せて、 表 3に示す。

[0280]

[0281 ] 表 3に示されるように、 架橋性化合物を含む微粒子分散液を用いて得 られ \¥0 2020/175580 62 卩(:171? 2020 /007859

たドープ 3 0〜 3 2、 3 4および 3 5は、 が所定の範囲に調整さ れており、 微粒子が良好に分散していることがわかる。 そして、 得られる光 学フィルム 3 0 1〜 3 0 3、 3 0 5および 3 0 6は、 いずれも内部ヘイズが 低く、 かつ貼り付き故障が抑制されることがわかる 。

[0282] これに対して、 架橋性化合物を含まない微粒子分散液を用い たドープ 3は 、 2 / 1が 2未満となり、 微粒子が良好に分散していないことがわかる

。 そして、 得られる光学フィルム 1 0 3は、 内部ヘイズが高く、 かつ貼り付 き故障が生じることがわかる。

[0283] また、 架橋性化合物の含有量が多すぎる微粒子分散 液を用いたドープ 3 3 は、 そして、 得られる光学フィ ルム 3 0 4は、 内部ヘイズは低いものの、 弓 I張弾性率が低くなり、 フィルム の強度が著しく低下することがわかる。 それにより、 貼り付き故障が生じる ことがわかる。

[0284] 本出願は、 2 0 1 9年 2月 2 7日出願の特願 2 0 1 9 - 3 4 6 4 0に基づ く優先権を主張する。 当該出願明細書に記載された内容は、 すべて本願明細 書に援用される。

産業上の利用可能性

[0285] 本発明によれば、 内部ヘイズを増大させることなく、 例えば口ール状に巻 き取った際の貼り付き故障を抑制できる十分 な滑り性を有する光学フィルム を付与しうるドープ、 それを用いて得られる光学フィルム、 光学フィルムの 製造方法および偏光板を提供することを提供 することができる。