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Patent Searching and Data


Title:
DOUBLE REFRACTION MEASURING EQUIPMENT AND DOUBLE REFRACTION MEASURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026363
Kind Code:
A1
Abstract:
Double refraction measuring equipment requiring only three pieces of light intensity information and can measure the double refraction characteristics of a measured object through a relatively inexpensive arrangement of equipment. The double refraction measuring equipment is characterized by comprising a light source (1) emitting a light beam having a specific polarization state to the measured object, an optical system for extracting light beams in three predetermined polarization directions, respectively, for a light beam passed through the measured object, a quantity of light detection means (9) for detecting the quantities of light of the light beams in three predetermined polarization directions extracted by the optical system, respectively, and a double refraction amount calculation means (20) for calculating the magnitude and the azimuth of double refraction of the measured object by substituting the quantities of light of light beams detected by the quantity of light detection means into a predetermined function expression.

Inventors:
GOMI KENJI
Application Number:
PCT/JP2007/062019
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
June 14, 2007
Export Citation:
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Assignee:
UNIV TOKYO DENKI (JP)
GOMI KENJI
International Classes:
G01N21/23
Foreign References:
JPH01184444A1989-07-24
JP2006090820A2006-04-06
Other References:
SUZUKI H. ET AL.: "Atarashii Fukukussetsu Isosa Sokutei Sochi no Kaihatsu", THE JAPAN SOCIETY OF MECHANICAL ENGINEERS, 2006 NENJI TAIKAI KOEN RONBUNSHU, vol. 1, 15 September 2006 (2006-09-15), pages 879 - 880, XP003021379
GOMI K. ET AL.: "A New Measurement Technique of Low-Level Strain Retardation in Optoelectronic Materials", 1ST ELECTRONICS SYSTEMINTEGRATION TECHNOLOGY CONFERENCE, vol. 1, September 2006 (2006-09-01), pages 257 - 262, XP031008380
ROTH J.E. ET AL.: "Simplified method for polarization-sensitive optical conference tomography", OPTICS LETTERS, vol. 26, no. 14, 15 July 2001 (2001-07-15), pages 1069 - 1071, XP001103500
KOWA H. ET AL.: "Sekigaiko Yoko Zeeman Laser ni yoru Fukukussetsu Sokutei", JAPANESE JOURNAL OF OPTICS, vol. 19, no. 7, 1990, pages 56 - 63, XP003021380
Attorney, Agent or Firm:
MIYOSHI, Hidekazu et al. (2-8 Toranomon 1-chome,Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 被測定体に存在する1/4波長未満の複屈折の大きさ及びその方位角を測定する複屈折測定装置であって、
 前記被測定体に対して特定の偏光状態を有する光束を射出する光源と、
 前記被測定体を経た光束に対して、所定の3つの偏光方向の光束それぞれを抽出する光学系と、
 前記光学系の抽出した前記所定の3つの偏光方向の光束それぞれの光量を検出する光量検出手段と、
 前記光量検出手段により検出された前記被検光束の光量それぞれを所定の関数式に代入することで、前記被測定体の複屈折の大きさ及びその方位角を算出する複屈折量算出手段とを有することを特徴とする複屈折測定装置。
 前記光学系は、前記所定の3つの偏光方向それぞれのみを透過させる3種のアナライザを順次光路上に切り替えて設置することで前記所定の3つの偏光方向の光束それぞれを抽出するものであることを特徴とする請求項1に記載の複屈折測定装置。
 前記光学系は、前記被測定体を経た光束をその偏光状態を保存した状態で3つの被検光束に分割する光束分割手段と、前記3つの被検光束それぞれに対して所定の偏光方向の光束を同時に抽出する3つのアナライザとを有するものであることを特徴とする請求項1に記載の複屈折測定装置。
 被測定体に存在する1/4波長未満の複屈折の大きさ及びその方位角を測定する複屈折測定方法であって、
 前記被測定体に対して特定の偏光状態を有する光束を射出し、
 前記被測定体を経た光束を光学系に通して、所定の3つの偏光方向の光束それぞれを抽出し、
 前記光学系の抽出した前記所定の3つの偏光方向の光束それぞれの光量を検出し、
 検出した前記所定の3つの偏光方向の光束それぞれの光量を所定の関数式に代入することで、前記被測定体の複屈折の大きさ及びその方位角を算出することを特徴とする複屈折測定方法。
 前記所定の3つの偏光方向として、45°,0°,90°それぞれの軸を設定し、
 それぞれの軸方向に対する光量としてi 1 ,i 2 ,i 3 を得たときに、

若しくは、


にて、被測定体の複屈折の大きさγと方位角φを決定することを特徴とする請求項4に記載の複屈折測定方法。

 (a)測定目的とする被測定体若しくは任意の被測定体をテスト被測定体とし、当該テスト被測定体を、少なくとも180°光源の光軸まわりに回転させつつ複屈折の大きさと方位角を測定して複屈折の大きさの変動傾向とテスト被測定体の方位角との関係を求め、この変動傾向の原因となっている複屈折の大きさγ’と方位角φ’を推定し、それを相殺する複屈折を補償複屈折r’とし、
 (b)前記テスト被測定体の測定結果に前記補償複屈折r’をベクトル合成して複屈折の大きさの変動傾向と方位角との関係を再び求め、この関係から前記テスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏差を求め、
 (c)前記複屈折の大きさγ’及び方位角φ’を適宜に変えて、前記テスト被測定体の測定結果に当該変更後の複屈折の大きさγ’及び方位角φ’から求めた補償複屈折r’を再びベクトル合成して複屈折の大きさの変動傾向と方位角との関係を改めて求め、この関係から前記テスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏差を求め、
 (d)前記(c)の処理を繰り返して前記テスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏差が最小となる複屈折の大きさγ’及び方位角φ’を探索し、この探索の結果得られた複屈折を最終補償複屈折r”とし、
 (e)前記(d)の処理にて得られた最終補償複屈折r”をキャリブレーション値とし、
 (f)前記測定目的とする被測定体に対して前記複屈折の大きさγと方位角φを測定し、この測定結果から複屈折rを求め、
 (g)前記(f)の処理で得られた複屈折rに対して前記(d)の処理で得られた最終補償複屈折r”をベクトル合成して補償済み複屈折r real を求め、この補償済み複屈折r real のベクトル成分を、測定系の誤差を排除した被測定体の真の複屈折の大きさγ real と方位角φ real として得ることを特徴とする請求項4又は5に記載の複屈折測定方法。
Description:
複屈折測定装置及び複屈折測定 法

 本発明は、例えば、半導体結晶、光学素 、フラットディスプレイパネルなどの微小 複屈折の大きさ及びその方位角を測定する に有効な複屈折測定装置及び複屈折測定方 に関する。

 従来、位相シフト法を基礎とした複屈折 定装置として、論文「デジタル光弾性法の 状」、梅崎栄作、実験力学Vol.4、No.1、2004年 3月の図6、図7に紹介され、また、J. W. Hobbs, R. J. Greene and E. A. Patterson, "A Novel Instrum ent for Transient Photoelasticity", Experimental Mechan ics Vol. 43, No. 4, December 2003, pp. 403-409に記 載されたものが知られている。

 図12は、このような従来の複屈折測定装 の構成を示しており、光源1、エクスパンダ2 、ポラライザ3、円偏光させるための1/4波長 4、被測定体を設置する試料台5、4つの光束 分離するための3つのビームスプリッタ6A~6C そして、分離された4つの光束の光路上それ れに設置されている1/4波長板7-1~7-4、アナラ イザ8-1~8-4、そしてCCDカメラ等の2次元的光強 分布計測素子9-1~9-4、さらに必要に応じて分 離された光束を所望の方向に向かわせるため のミラー10から構成されている。尚、現実に 、2次元的強度分布計測素子9-1~9-4は1つにし 、ミラー10や錐体ミラーを利用することで1 所に設置された2次元的強度分布計測素子9 導光する構成にされている。

 ところが、このような従来の複屈折測定 置では、被測定体の複屈折特性を計測する めには4つの偏光方向における光量を必要と し、また、1/4波長板を4つの偏光方向の光路 れぞれの上に必ず必要としており、欠かす とができず、それ故に装置コストが嵩むと に部品点数が多くなる分だけ調整作業に多 な労力が要求される問題点があった。

 他方、レンズの波面収差の測定に位相シ ト法が採用されており、D. Malacara, "Optical  Shop Testing", Wiley Interscience, 1992 には、3位 方式が知られている。この公知の3位相方式 、偏光を利用してはない。干渉によって生 されたひとつの正弦波を時間的あるいは空 的に条件を変えて(例えばセンサの空間的配 置を利用する)、結果として位相がシフトす ように観測し、それらの観測波形から未知 1つの正弦波を求めるアルゴリズムである。 って、3方向の偏光方向を用いて、試料の複 屈折によって、円偏光から変換された1つの 光状態を求めるアルゴリズムを提案するも ではない。

 本発明は、このような従来の技術的課題 鑑みてなされたもので、3つの光強度情報し か必要とせず、そのため、比較的に安価な装 置構成で被測定体の複屈折特性が測定できる 複屈折測定装置及び複屈折測定方法を提供す ることを目的とする。

 本発明の1つの特徴は、被測定体に対して 特定の偏光状態を有する光束を射出する光源 と、前記被測定体を経た光束に対して、所定 の3つの偏光方向の光束それぞれを抽出する 学系と、前記光学系の抽出した前記所定の3 の偏光方向の光束それぞれの光量を検出す 光量検出手段と、前記光量検出手段により 出された前記被検光束の光量それぞれを所 の関数式に代入することで、前記被測定体 複屈折の大きさ及びその方位角を算出する 屈折量算出手段とを有する複屈折測定装置 ある。

 上記の複屈折測定装置においては、前記 学系は、前記所定の3つの偏光方向それぞれ のみを透過させる3種のアナライザを順次光 上に切り替えて設置することで前記所定の3 の偏光方向の光束それぞれを抽出するもの することができる。

 また上記の複屈折測定装置においては、 記光学系は、前記被測定体を経た光束をそ 偏光状態を保存した状態で3つの被検光束に 分割する光束分割手段と、前記3つの被検光 それぞれに対して所定の偏光方向の光束を 時に抽出する3つのアナライザとを有するも とすることができる。

 本発明の複屈折測定装置では、光源から 測定体に対して特定の偏光状態を有する光 を射出し、被測定体を経た光束に対して、 学系にて所定の3つの偏光方向の光束それぞ れを抽出し、光量検出手段にてこの光学系の 抽出した所定の3つの偏光方向の光束それぞ の光量を検出し、複屈折量算出手段におい 検出された被検光束の光量それぞれを所定 関数式に代入することで被測定体の複屈折 大きさ及びその方位角を算出する。これに って、本発明の複屈折測定装置では、光学 を3系統のみ必要とし、また所定の3つの偏光 方向の光束それぞれを抽出するためにそれぞ れの偏光方向のアナライザの前に1/4波長板を 設置することを必要とせず、装置構成を簡素 にして被測定体の複屈折特性を測定できる。

 本発明の別の特徴は、試料台上の被測定 に対して特定の偏光状態を有する光束を射 し、前記被測定体を経た光束を光学系に通 て、所定の3つの偏光方向の光束それぞれを 抽出し、前記光学系の抽出した前記所定の3 の偏光方向の光束それぞれの光量を検出し 検出した前記所定の3つの偏光方向の光束そ ぞれの光量を所定の関数式に代入すること 、前記被測定体の複屈折の大きさ及びその 位角を算出する複屈折測定方法にある。

 上記の複屈折測定方法においては、前記所 の3つの偏光方向として、45°,0°,90°それぞ の軸を設定し、それぞれの軸方向に対する 量としてi 1 ,i 2 ,i 3 を得たときに、

若しくは、


にて、被測定体の複屈折の大きさγと方位角 を決定するものとすることができる。

 本発明の複屈折測定方法では、その実施 ために採用する複屈折測定装置が光学系を3 系統のみ必要とし、また所定の3つの偏光方 の光束それぞれを抽出するためにそれぞれ 偏光方向のアナライザの前に1/4波長板を設 することを必要とせず、簡素な構成の装置 て被測定体の複屈折特性を測定できるよう なる。

 また、上記の複屈折測定方法においては 以下の方法で,測定系の誤差を排除した被測 定体の真の複屈折の大きさと方位角とを求め るものとすることができる。

 すなわち、
 (a)測定目的とする被測定体若しくは任意の 測定体をテスト被測定体とし、当該テスト 測定体を、少なくとも180°光源の光軸まわ に回転させつつ複屈折の大きさと方位角を 定して複屈折の大きさの変動傾向と当該テ ト被測定体の複屈折方位角との関係を求め この変動傾向の原因となっている複屈折の きさγ’と方位角φ’を推定して、それを相 する複屈折を補償複屈折r’とし、
 (b)前記テスト被測定体の測定結果に前記補 複屈折r’をベクトル合成して複屈折の大き さの変動傾向と方位角との関係を再び求め、 この関係から前記テスト被測定体の複屈折の 大きさの標準偏差を求め、
 (c)前記複屈折の大きさγ’及び方位角φ’を 適宜に変えて、前記テスト被測定体の測定結 果に当該変更後の複屈折の大きさγ’及び方 角φ’から求めた補償複屈折r’を再びベク ル合成して複屈折の大きさの変動傾向と方 角との関係を改めて求め、この関係から前 テスト被測定体の複屈折の大きさの標準偏 を求め、
 (d)前記(c)の処理を繰り返して前記テスト被 定体の複屈折の大きさの標準偏差が最小と る複屈折の大きさγ’及び方位角φ’を探索 し、この探索の結果得られた補償複屈折を最 終補償複屈折r”とし、
 (e)前記(d)の処理にて得られた最終補償複屈 r”をキャリブレーション値とし、
 (f)前記測定目的とする被測定体に対して前 複屈折の大きさγと方位角φを測定し、この 測定結果から複屈折rを求め、
 (g)前記(f)の処理で得られた複屈折rに対して 前記(d)の処理で得られた最終補償複屈折r” ベクトル合成して補償済み複屈折r real を求める。この補償済み複屈折r real のベクトル成分が、測定系の公差を排除した 被測定体の真の複屈折の大きさγ real と方位角φ real である。

 本発明の複屈折測定装置によれば、光学 を3系統のみ必要とし、また所定の3つの偏 方向の光束それぞれを抽出するためにそれ れの偏光方向のアナライザの前に1/4波長板 設置することを必要とせず、装置構成を簡 にして被測定体の複屈折特性を測定できる

 また、本発明の複屈折測定方法によれば 簡素な構成の複屈折測定装置にて被測定体 複屈折特性を測定できるようになる。

 さらに、本発明の複屈折測定方法におい 、まずテスト被測定体を用いて測定系の補 複屈折を求め、その補償ベクトルを被測定 の複屈折測定値から求めた測定値ベクトル 対してベクトル合成し、標準偏差が最小と るベクトルを用いて測定系の誤差を排除し 被測定体の真の複屈折の大きさと方位角を めることにより、測定系の公差に起因する 差を排除した精度の高い複屈折測定ができ 。

図1は、本発明の複屈折測定原理の説明 図。 図2は、楕円偏光の参照面跡の一例とそれを 定する3寸法d 1 ,d 2 ,d 3 との関係を示す説明図。 図3は、本発明の第1の実施の形態の複 折測定装置のブロック図。 図4は、上記本発明の第1の実施の形態 複屈折測定装置に用いる光源の3軸上それぞ での光強度の理論値を対比したグラフ。 図5は、本発明の複屈折測定装置による 複屈折測定方法において数4式、数5式の適用 場合分けを示す表1。 図6は、上記本発明の第1の実施の形態 複屈折測定装置による複屈折方位角の測定 果のグラフ。 図7は、本発明の第2の実施の形態の複 折測定装置のブロック図。 図8は、本発明の実施例の複屈折測定装 置のブロック図。 図9は、上記本発明の実施例による79nm 10nmの試料に対する位相差、方位角の測定結 の表2。 図10は、上記本発明の実施例において 1/4波長板を通して試料に入射する光束の1/4 長板の製品公差が原因で引き起こされる偏 状態を示す説明図。 図11は、上記本発明の実施例において 1/4波長板の公差による複屈折位相差の測定 の正弦波様の振動を示すグラフ。 図12は、従来例の複屈折測定装置のブ ック図。

 以下、本発明の実施の形態を図に基づい 詳説する。

 まず、本発明の複屈折測定技術の原理につ て説明する。本複屈折測定では、図1のよう に円偏光101を試料102へ入射させ、試料102から 出る楕円偏光103の扁平率および長軸の方位を 知ることで試料の微小な複屈折とその方位を 測定する。一般に2焦点の中点が座標系の原 と一致する楕円は、例えば図2のような3寸法 d 1 ,d 2 ,d 3 を指定すれば一意に決定される。この3寸法d 1 ,d 2 ,d 3 を得るためには、アナライザ(検光子)の主軸 位をそれぞれの寸法の方位に一致させ、該 ナライザを透過した光の強度を測定すれば い。そこで、本発明では、「3寸法」d 1 ,d 2 ,d 3 を「3光強度」i 1 ,i 2 ,i 3 と記述する。一般に、3光強度i 1 ,i 2 ,i 3 それぞれの方位は互いに異なれば任意でよい 。しかし、本発明では計算の合理性から図2 示したような0°,45°,90°の3方位とする。

 3光強度i 1 ,i 2 ,i 3 と試料の複屈折位相差γおよびその進相軸方 φとの関係は、Jones行列による計算法により 次のように記述できる。

 ここで,i 0 は偏光子を透過した光の振幅である。この式 をφおよびγについて解くと、
となる。ここで、数2式と数3式は後述するよ にφの値によって使い分けられる。したが て、測定された3光強度i 1 ,i 2 ,i 3 から試料の複屈折位相差γおよびその進相軸 位φを一意的に決定することができ、この とはとりもなおさず、試料の偏光状態を決 できるのである。

 (第1の実施の形態)図3は、本発明の第1の実 の形態の複屈折測定装置を示している。こ 複屈折測定装置は基本構成として、単色光 光源であるレーザ光源1、レーザ光源1からの 光束を特定の偏光軸に揃えるためのポラライ ザ3、ポラライザ3を通過した光束を円偏光さ るための1/4波長板4、被測定体を設置する試 料台5、所定の3軸方向として0°軸、45°軸、90 軸それぞれで停止して試料台5上の被測定体 通過した光束を解析する回転アナライザ8A そして回転アナライザ8Aを通過した光束を受 光し、光量(光強度)を取り出す受光素子とし のCCDカメラ9、このCCDカメラ9の出力i 1 ,i 2 ,i 3 を入力し、後述する所定のプログラムによる 演算処理にて被測定体の複屈折特性を算出す るコンピュータ20を備えている。尚、光源1に ついては、単色光の光源であればレーザ光源 に限らない。また、単色光源でなくても,適 なフィルターで単色に近くしてもよい。さ に、ここでも以下でも採用している受光素 としてのCCDカメラは、受光強度を計測でき 素子であれば特にCCDカメラに限らず採用で る。ただし、多スポットをまとめて、例え 各軸の25万スポットを一度に測定するために はCCDカメラ9を採用することができる。

 次に、上記構成の複屈折測定装置による 屈折測定方法について説明する。レーザ光 1は、例えばヘリウム・ネオンレーザを用い 、波長632.8nmのレーザを発光させる。尚、こ 光源の波長としては、被測定体が半導体結 の場合は赤外レーザを用いるなど、被測定 を透過する波長を選ぶ。

 そしてこのレーザ光に対してポラライザ3 にて偏光方向を揃えた後、1/4波長板4に通す とで円偏光光束を得る。そしてこの円偏光 束を試料台5上の被測定体に照射する。被測 体を通過した光は被測定体の応力分布に応 て楕円偏光を受ける。この楕円偏光を受け 光束は、所定の3軸方向それぞれで固定でき る回転アナライザ8Aに入射する。

 回転アナライザ8Aは3軸、0°、45°、90°軸に 固定できるものであり、例えば最初に0°軸 固定した状態で楕円偏光を受けた光束を入 させ、0軸方向の光束を通過させてCCDカメラ9 に到達させる。CCDカメラ9はこの回転アナラ ザ8Aからの光束を受光してその強度に応じた 信号i 2 をコンピュータ20に出力する。

 次に、回転アナライザ8Aを45°軸に固定し、 の状態で再度楕円偏光を受けた光束を入射 せ、45°軸方向の光束を通過させて受光素子 としてのCCDカメラ9に到達させる。CCDカメラ9 この回転アナライザ8Aからの光束を受光し その強度に応じた信号i 1 をコンピュータ20に出力する。

 同様に、回転アナライザ8Aを90°軸に固定し その状態で再度楕円偏光を受けた光束を入 させ、90°軸方向の光束を通過させて受光素 子としてのCCDカメラ9に到達させる。CCDカメ 9はこの回転アナライザ8Aからの光束を受光 てその強度に応じた信号i 3 をコンピュータ20に出力する。

 コンピュータ20では、CCDカメラ9からの45°軸 の光強度i 1 、0°軸の光強度i 2 、90°軸の光強度i 3 を用いて、次の数4式又は数5式を演算して、 測定体の複屈折の大きさγと方位角φを算出 する。

 本実施の形態で得られる光強度i 1 ,i 2 ,i 3 は数6式で記述される。

 ここで、i 0 はポラライザ3を経た後の光束の振幅、γは被 測定体に存在する複屈折の大きさ、φは被測 体に存在する複屈折の方位角である。この 6式をφ,γについて解くと、次の数7式、数8 が得られる。


 これら数7式、数8式は上記数4式、数5式と同 じものである。よって、コンピュータ20によ 、光強度i 1 ,i 2 ,i 3 を入力し、数4式又は数5式を演算することで 測定体に存在する複屈折の大きさγ、被測 体に存在する複屈折の方位角φを算出するこ とができるのである。

 数4式と数5式との使い分け方の詳細は次の りである。図4に、例えば10nmの複屈折位相差 を持つ被測定体から得られる光強度i 1 ,i 2 ,i 3 の理論計算結果を示す。縦軸は光強度i 1 ,i 2 ,i 3 の相対強度、横軸は被測定体の複屈折の方位 角φを示す。φ=±45°のとき、図4よりi 1 =(i 2 +i 3 )/2、したがって、このとき、数4式のγの右辺 は不定形となるゆえに数4式のγに代わりに、 数5式にてγを求める。

 ところで、数4式、数5式におけるφの式は逆 正接関数である。そのため、その値域は-45° φ≦45°となり、φの実際にとり得る値の全 とはならない。そこで本実施の形態では、φ の実際にとり得る値と関連づけるため、図5 表1に示すi 1 -(i 2 +i 3 )/2及び(i 2 -i 3 )の値の組み合わせを利用する。数4式のγと 5式のγとの使い分けも同表1に併せてまとめ ある。

 本実施の形態の複屈折測定装置及び方法 よれば、光束の3軸方向の光量(光強度)を1つ の光学系によって測定することができ、しか も試料台5以降には1/4波長板を必要としない で、図12に示した従来装置に比べて極めて簡 素な装置構成にして、被測定体に存在する微 小な複屈折の大きさ及びその方位角を精度良 く測定できる。

 図6のグラフは複屈折方位角の測定結果を 示している。これにより、精度良く被測定体 の複屈折方位角が測定できていることが分か る。

 (第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形 態の複屈折測定装置について、図7を用いて 明する。本実施の形態の複屈折測定装置は 3軸方向の光強度(光量)を同時に測定するこ で短い測定時間で被測定体の多スポットを とめて、例えば25万スポットを一度に測定す ることができ、広い面積の被測定体でもその 全面の複屈折特性を短時間の内に測定するも のである。

 図7に示すように、本実施の形態の複屈折測 定装置は、単色光源としてのレーザ光源1、 クスパンダ2、ポラライザ3、円偏光させるた めの1/4波長板4、被測定体を設置する試料台5 3つの光束に分離するための2つのビームス リッタ6A,6B、分離された3つの光束の光路上 れぞれに、0°、45°、90°の軸方向の偏光を通 過させるアナライザ8-1~8-3、2次元的光強度分 を計測するためのCCDカメラ9、そして、3つ 分離された光束をCCDカメラ9の方向に向かわ るために光路上の適所に設置されたミラー1 0-1~10~6、3つの偏光方向の光束それぞれを受光 して1箇所のCCDカメラ9に向けて出光させる四 錐ミラー11、そして、第1の実施の形態と同 にCCDカメラ9の光量検出信号i 1 ,i 2 ,i 3 を入力して所定の演算式に基づいて被測定体 の複屈折の大きさγ、方位角φを算出するコ ピュータ20から構成されている。

 次に、上記構成の複屈折測定装置による 屈折測定方法について説明する。レーザ光 1は、第1の実施の形態と同様に、例えばヘ ウム・ネオンレーザを用い、632.8nmのレーザ 発光させる。そしてエクスパンダ2にてレー ザ光束を広げた後にポラライザ3に入光させ 。ポラライザ3にて光束の偏光方向を揃え、 の後、1/4波長板4に通すことで円偏光光束を 得る。そしてこの円偏光光束を試料台5上の 測定体に照射する。被測定体を通過した光 被測定体の応力分布に応じて楕円偏光を受 る。この楕円偏光を受けた光束は、2つのビ ムスプリッタ6A,6Bにて3つの光束に分離され 。そしてビームスプリッタ6A,6Bにて分離さ た光束それぞれは、各光路上に設置された ナライザ8-1~8-3それぞれに入射する。

 アナライザ8-1~8-3はそれぞれ3軸、0°、45°、9 0°軸方向の光を通過させるものである。これ らのアナライザ8-1~8~3それぞれを通過した光 は光路上に設置されたミラー10-1~10~6により 射されて四角錐ミラー11の3側面それぞれに 光する。そしてこの四角錐ミラー11にて屈曲 反射された各軸の光束はCCDカメラ9に入光し ここで各軸の光強度に対応した電気信号に えられてからコンピュータ20に3軸方向の光 度(光量)信号i 1 ,i 2 ,i 3 として出力される。

 コンピュータ20では、第1の実施の形態と同 にCCDカメラ9からの45°軸の光強度i 1 、0°軸の光強度i 2 、90°軸の光強度i 3 を用いて、前述の数4式又は数5式を演算して 被測定体の複屈折の大きさγと方位角φを算 出する。

 尚、コンピュータ20による演算処理は、第1 実施の形態と共通であり、数4式と数5式と 、φの値によって使い分ける。すなわち、φ= ±45°のとき、図4よりi 1 =(i 2 +i 3 )/2、したがって、このとき数4式のγの右辺は 不定形となるゆえに、数4式のγに代わりに数 5式にてγを求める。

 また、本実施の形態でも、方位角φの実際 とり得る値と関連づけるため、図5の表1に示 すi 1 -(i 2 +i 3 )/2及び(i 2 -i 3 )の値の組み合わせを利用する。

 本実施の形態の複屈折測定装置及び方法 よれば、光束の3軸方向の光量(光強度)を同 に測定することができ、しかも試料台5以降 には1/4波長板を必要とせず、また、ビームス プリッタも従来よりも1台少ない2台だけ備え 簡素な構成の装置を用いて被測定体に存在 る微小な複屈折の大きさ及びその方位角を 精度に測定できる。

 尚、本発明にあって所定の3軸方向は実施 の形態にて例示したものに限らず、3つとも 度が異なる3軸方向を規定し、そのそれぞれ 方向にアナライザを設置することで同様の 屈折測定が可能である。また、四角錐ミラ は必要に応じて採用されるものであり、こ に代わる別の手段を採用することもできる

 さらに、上記の各実施の形態の複屈折測定 置を用いた複屈折測定方法においては、次 ようなキャリブレーションを行うことで、 定系の誤差を排除した被測定体のより精度 高い複屈折の大きさγ real と方位角φ real とを求めることができる。

 (a)測定目的とする被測定体若しくは任意 被測定体をテスト被測定体とし、当該テス 被測定体を、少なくとも180°光源の光軸ま りに回転させつつ複屈折の大きさと方位角 測定して複屈折の大きさの変動傾向と当該 スト被測定体の複屈折方位角との関係を求 、この変動傾向の原因となっている複屈折 大きさγ’と方位角φ’を推定して、それを 殺する複屈折を補償複屈折r’とする。

 (b)テスト被測定体の測定結果に補償複屈 r’をベクトル合成して複屈折の大きさの変 動傾向と方位角との関係を再び求め、この関 係からテスト被測定体の複屈折の大きさの標 準偏差を求める。

 (c)複屈折の大きさγ’及び方位角φ’を適 宜に変えて、テスト被測定体の測定結果に当 該変更後の複屈折の大きさγ’及び方位角φ から求めた補償複屈折r’を再びベクトル合 して複屈折の大きさの変動傾向と方位角と 関係を改めて求め、この関係からテスト被 定体の複屈折の大きさの標準偏差を求める

 (d)(c)の処理を繰り返してテスト被測定体 複屈折の大きさの標準偏差が最小となる複 折の大きさγ’及び方位角φ’を探索し、こ の探索の結果得られた補償複屈折を最終補償 複屈折r”とする。

 (e)(d)の処理にて得られた最終補償複屈折r ”をキャリブレーション値とする。

 (f)測定目的とする実際の被測定体に対し 複屈折の大きさγと方位角φを測定し、この 測定結果から複屈折rを求める。

 (g)(f)の処理で得られた実際の被測定体の複 折rに対して(d)の処理で得られた最終補償複 屈折r”をベクトル合成して補償済み複屈折r real を求める。この処理にて得られた補償済み複 屈折r real のベクトル成分が、測定系の公差を排除した 被測定体の真の複屈折の大きさγ real と方位角φ real である。

 本発明の複屈折測定装置の実施例を説明す 。図8に示す構成の複屈折測定装置を用いた 。この実施例の複屈折測定装置は、波長λ=632 .8nmのレーザ光源1、レーザ光源1からの光束を 特定の偏光軸に揃えるためのポラライザ3、 ラライザ3を通過した光束を円偏光させるた の1/4波長板4、被測定体を設置する試料台5 試料台5上の被測定体を通過した光束を3方に 分離する2体のビームスプリッタ6A,6B、このビ ームスプリッタ6A,6Bを通過した1方向の光束を 解析するアナライザ8、そしてアナライザ8を 過した光束の方向を反射によって変化させ ミラー10-3,10-4、このミラー10-4にて反射され た光束を受光して所定の方向に出射する四角 錐ミラー11、四角錐ミラー11から出る光束の 量(光強度)を計測して取り出すCCDカメラ9、 のCCDカメラ9の出力i 1 ,i 2 ,i 3 を入力し、後述する所定のプログラムによる 演算処理にて被測定体の複屈折特性を算出す るコンピュータ20にて構成した。尚、四角錐 ラー11については、1台のCCDカメラ9の所定の 区画に分離された3軸の光束それぞれを導光 るために採用したものであるが、必要に応 て採用されるものであり、また、これに代 る別の手段を採用することもできる。

 本実施例では、複屈折位相差が79[nm]及び1 0[nm]の水晶波長板を1枚ずつ被測定体試料とし て用いた。これは、大小いずれの複屈折でも 位相差γとその方位角φを精度良く測定でき か否かを確認するためである。試料の複屈 位相差の製品公差はそれぞれ、±3.5[nm]及び± 4.7[nm]であり、進相軸の方位角は、正方形の 晶波長板の対角線に一致することがわかっ いる。また、「進相軸の方位角」と「複屈 の方位角」とはここでは同義語として扱っ いる。同様に、「複屈折位相差」と「複屈 の大きさ」もここでは同義語として扱って る。

 本実施例を用いた実験では、試料台5上に設 置した試料である水晶波長板の進相軸を0°か ら360°まで+10°ずつレーザ光軸まわりに回転 せつつ3光強度i 1 ,i 2 ,i 3 を測定し、複屈折位相差γとその進相軸方位 φを数4式、数5式を用いて求めた。この一連 の操作を、上記の2種類の試料に対して1回ず 行う毎に、図8の装置を組み立て直すあるい は再調整するルーチンを繰り返した。そして 、先の3光強度i 1 ,i 2 ,i 3 値を、試料毎に計約110ずつ採取した。

 また、図8中に示したビームスプリッタが 複屈折測定に与える影響を評価するため、2 のビームスプリッタ6A,6Bを装置から取り外し た状態でも上述の実験を行い、比較の対象と した。

 これらの実験から、以下に述べる「位相 の正確さ」及び「方位角の正確さ」が実証 きたため、本発明複屈折測定装置の複屈折 定原理は十分正しいことが確認できた。

 「位相差の正確さ」
 図9に示す表2の2段目に2試料における複屈折 位相差の測定結果を、3段目に進相軸方位角 測定結果を、4段目に測定回数をそれぞれ示 ている。表2の1段目には、試料の厚さ及び 工公差の管理によって、製造元が保証した 屈折位相差を示す。したがって、試料はこ 公差内のある複屈折位相差を有するはずで る。

 表2の2段目内1行目に示したように、測定 れた2試料の複屈折位相差γの平均値は、い れも公差内の値であった。また、それぞれ 測定値の標準偏差は3.24[nm]及び2.62[nm]となっ た。表2の2段目内3行目の値は、ばらつきを軽 減する補正を行った結果である。これについ ては後述する。

 「方位角の正確さ」
 試料の進相軸方位角φの測定結果は、測定 φが10°ずつ増加しているか否かで評価した ゆえに、表2の3段目の測定値は10°に近いほ 正確であることを意味する。表2の3段目内1 目に示したように、測定された2試料の進相 方位角の平均値はいずれも10.1°であった。 た、それぞれの測定値の標準偏差は1.23°及 4.31°となった。表2の3段目内3行目の値は先 同様の補正の結果であり、詳細は次に述べ 。

 「ばらつきの原因、軽減方法及びその結果
 図8の装置中で、測定結果のばらつきに支配 的な影響を与える因子として、1/4波長板4に ける複屈折位相差の公差と、ビームスプリ タ6A,6Bが測定値に及ぼす影響とが考えられる 。後者については後述し、ここでは1/4波長板 4の公差が測定値に与える影響について説明 る。

 図8に示した装置の場合、被測定体に入射 する光は円偏光であることが望まれる。とこ ろが、1/4波長板4に微少な公差があるため、 際には図10(a)、(b)に示すような楕円偏光が入 射すると考えられる。図10(a)は1/4波長板4の複 屈折位相差が1/4波長未満のときの楕円偏光を 誇張して示し、図10(b)は逆に1/4波長板4の複屈 折位相差が1/4波長を越えるときの楕円偏光を 誇張して示している。符号Axは主軸を示して る。

 測定結果のばらつきは、この楕円偏光が 因と考えられる。例えば、図10(a)の楕円偏 が試料に入射した場合、測定される複屈折 相差は、試料の進相軸方位角に依存して真 を中心に正弦波様の振動をする。そして、 料の進相軸方位が0°のときに最小の複屈折 相差が測定され、90°のときには最大の複屈 位相差が測定される。次に、このことが、 ての実験結果に現れているかを確認する。

 図11に複屈折位相差が10[nm]の試料の代表 な測定結果を示す。横軸は試料を載せた試 台5の回転角を、縦軸は複屈折位相差の測定 果をそれぞれ示している。尚、試料台5の回 転角と試料の進相軸方位角とは一致させてあ る。複屈折位相差γの測定結果は、進相軸方 角がほぼ0°のときに最小値、90°のときに最 大値をとり、平均値は10.6[nm]であった。この の実験結果も、全てこれとほぼ同じ傾向で ったゆえ、1/4波長板4の公差が測定値のばら つきの一要因であると考えられる。

 「ばらつきの軽減方法」
 上述の原因により、ある一定の位相差と方 角を有する複屈折が常に測定値へベクトル 成され、図11のように測定値が正弦波様に 動したと考えられる。したがって、この変 を相殺する複屈折(以降、補償複屈折とする) を、測定値にベクトル合成すればよい。そこ で、補償複屈折の位相差と方位角を論理的に 推定し、実際にベクトル合成を行って標準偏 差が最小となる値を探索する。尚、ベクトル 合成の方法は、「高和・梅田、『赤外光横ゼ ーマンレーザーによる速屈折測定』、光学第 19巻第7号464~471ページ、1990年7月」に記載され た方法を利用した。

 1/4波長板4における複屈折位相差の公差は 、±3.5[nm]である。よって、補償複屈折の位相 差は3.5[nm]以下と推定される。図11より、試料 の方位角がほぼ0°のときに複屈折位相差の測 定値が最小となっていることから、補償複屈 折の方位角は0°と推定される。

 そこで、補償複屈折の方位角は0°として 表2に示した全ての実験結果の標準偏差が最 小となる補償複屈折の位相差を計算した。そ の結果、補償複屈折の位相差は3.5[nm]におい 全ての実験結果の標準偏差が最小となるこ がわかった。さらに、3.5[nm]以上でも試算し 標準偏差が最小とならないことを確認した

 「ばらつきの軽減の結果」
 表2の2段目には2試料の複屈折位相差を、3段 目には進相軸方位角をそれぞれ示している。 表2内の各段における3行目の斜体で記した値 ばらつきを軽減する補正を行った結果であ 。表2の2段目内3行目に示したように、補正 も2試料の複屈折位相差γの平均値は、いず も公差内の値であった。また、それぞれの 準偏差は、2.61[nm]及び1.11[nm]となり、補正前 と比較してそれぞれ19.4%及び57.6%減少した。

 表2の3段目内3行目に示したように、補正 の2試料の進相軸方位角の平均値はいずれも 10.0°であった。試料は10°ずつ回転させてい から、この補正後の値は理想的と言える。 た、それぞれの標準偏差は0.906°及び3.05°と り、補正前と比較してそれぞれ26.3%及び29.2% 減少した。

 以上により、次のように本発明の効果性が 認できた。機械的回転あるいは偏光面の電 的な旋回のいずれをも要さない新しい複屈 測定装置を利用して、位相差79.1nm及び10.0nm れぞれの試料の位相差γ及び進相軸方位角φ の測定をそれぞれ約110回行った。その結果、 3光強度i 1 ,i 2 ,i 3 から複屈折位相差γとその進相軸方位角φを める本測定装置が妥当であることが確認で た。

 また、測定結果のばらつきの特性を検討 た結果、1/4波長板4の公差が原因として妥当 であることが明らかとなった。そして、この 公差分の複屈折を実験結果に補ったところ、 最大57.6%、最小でも19.4%、標準偏差を低減で ることが確かめられた。

 他方、ビームスプリッタ6A,6Bが試料の複 折に与える影響を対照実験で確かめたが、 ームスプリッタによる悪影響は本実施例装 による実験では検出されなかった。

 この実験結果を、従来例である図12の複 折測定装置による測定結果と比較すると次 通りである。Hobbs等による論文では、その408 ページ右欄中程に誤差8.8%であると記されて る。この従来例の測定結果に比して,本発明 誤差は、表2の79.1nm試料の結果に示すように 、誤差3.3%((2.61/79.1)×100%で計算)と小さく有利 ある。Hobbs等の測定結果の誤差8.8%は、光弾 フリンジが多数現れるような強大な応力を 与して応力凍結した円盤の複屈折測定誤差 ある。これに対して、本発明の実施例の0.5 リンジ相当の試料(それが79.1nm試料である) 複屈折測定誤差は十分小さい。すなわち,位 差が小さく、したがってS/N比が悪い状況で より良い結果が出ている。よって、本発明 有効性は明らかである。




 
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