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Patent Searching and Data


Title:
DRESSER FOR ABRASIVE CLOTH
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/104224
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a dresser for an abrasive cloth, which has a smaller abrasive grain diameter than the conventional dresser and has an abrasive grain spacing regulated in a predetermined range depending upon the abrasive grain diameter to simultaneously meet a high level of pad grinding power and a pad flatness and, at the same time, is less likely to cause dropout of abrasive grains. The dresser comprises a plurality of abrasive grains fixed as a single layer on a surface of a metallic support material. The dresser is characterized in that the metallic support material on its surface on which the abrasive grains are fixed has a convex shape, the difference in height between the end part and the central part on the surface is not less than 3 µm and not more than 40 µm, and the center-to-center spacing between at least one set of adjacent abrasive grains is d ≤ L < 2d wherein d represents the diameter of the abrasive grains; L represents the center-to-center spacing between adjacent abrasive grains. The diameter (d) of the abrasive grains is preferably 3 µm ≤ d < 100 µm.

Inventors:
SAKAMOTO HIROAKI
KINOSHITA TOSHIYA
Application Number:
PCT/JP2008/003076
Publication Date:
August 27, 2009
Filing Date:
October 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON STEEL MATERIALS CO LTD (JP)
SAKAMOTO HIROAKI
KINOSHITA TOSHIYA
International Classes:
B24B53/12; B24B53/02; B24D3/00; B24D3/06; B24D7/00; B24D7/02; H01L21/304
Foreign References:
JP3072991U2000-11-07
JP2001105326A2001-04-17
JP2001025973A2001-01-30
JP2004130475A2004-04-30
JP2004098214A2004-04-02
Attorney, Agent or Firm:
WASHIDA, KIMIHITO (JP)
Koichi Washida (JP)
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Claims:
 金属製支持材の表面に複数個の砥粒が単層に固着されたドレッサーであって、
 前記金属製支持材の砥粒が固着される面の表面形状は凸状を成し、前記表面の端部と中心部の高さの差が3μm以上40μm以下であり、かつ、
 前記砥粒の粒径をd、隣り会う砥粒同士の中心間距離をLとした場合、少なくとも一組の隣り会う砥粒同士における前記Lは、d≦L<2dである研磨布用ドレッサー。
 前記金属製支持材の砥粒が固着される面の端部と中心部の高さの差は、5μm以上20μm以下である請求項1記載の研磨布用ドレッサー。
 前記砥粒の粒径dは、3μm≦d<100μmである請求項1または2記載の研磨布用ドレッサー。
 前記砥粒は、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化ケイ素、又は酸化アルミニウムの少なくとも1種である請求項1~3のいずれかに記載の研磨布用ドレッサー。
 前記砥粒は、前記金属製支持材の表面にろう付けにより固着されている請求項1~4のいずれかに記載の研磨布用ドレッサー。
 前記金属製支持材はステンレス鋼製である請求項1~5のいずれかに記載の研磨布用ドレッサー。
Description:
研磨布用ドレッサー

 本発明は、化学的かつ機械的平面研磨(Che mical Mechanical Planarization、以下CMPと略す)の工 程で、研磨布の平坦性を維持するため、およ び、目詰まりや異物除去を行うために使用さ れるドレッサーに関する。

 半導体ウェーハの表面を研磨する装置、 積回路を製造する途中の配線や絶縁層の表 を平坦化する装置、あるいは磁気ハードデ スク基板に使用されるAl板やガラス板の表 を平坦化する装置等ではCMP研磨が用いられ いる。このCMP研磨とは、例えば、ウレタン の研磨パッドが貼り付けられた回転基板に 微細な砥粒を含むスラリー液を供給しなが 、被研磨面を押し当てて、被研磨面を平坦 する方法である。当然のことながら、この 磨パッドの研磨能力は使用時間と共に低下 る。この低下を抑制するために、一定時間 に研磨パッド表層部を研削して研磨パッド 平坦性を維持しながら、常に新しい面が出 ようにドレッシングが行われる。このドレ シングに使用する部品をドレッサーと呼ぶ ドレッサーは、金属基板に砥粒を電着、あ いは、ろう付け等によって接合させて得ら る。

 CMP研磨においては、従来、被研磨面に発 するスクラッチ傷を無くすことが要求され いる。最近では、この要求に加えて、集積 路のライン/スペ-スの極狭化によるパター 露光装置の低焦点深度化、あるいは磁気ハ ドディスクの記録容量増加等に伴って、被 磨面のうねりを低減させるなど、平坦性へ 要求が益々高くなってきている。これらの 求に応えていくためには、ドレッシングに ってパッド表面を均一に研削してパッドの 坦性を維持することが必要とされる。さら は、ドレッシングには、パッドの目詰まり 異物を除去できる、パッド研削力も必要と れる。

 均一なパッド研削を目的としたドレッサ としては、以下のものが開示されている。 許文献1には、円盤状台金の表面に一片の長 さが0.2mm~10mmの正三角形のメッシュを想定し メッシュの各交点に5μm~1000μmの超砥粒を配 し固着させたドレッサーが開示されている 特許文献2には、砥粒を径の異なる複数の略 心円上に略等間隔で配置したドレッサーが 示されている。具体的に特許文献2には、ダ イヤモンド砥粒径が約1mmで、砥粒中心間距離 が3mmに配置されたドレッサーが開示されてい る。また、特許文献3には、ダイヤモンド脱 を防止しスクラッチ傷低減を目的としたド ッサーが開示されている。具体的に特許文 3は、円盤状の母材の一面に砥粒層を電着し ドレッサーであって、隣り会う砥粒同士の 心間隔を砥粒平均粒径の2~10倍としたドレッ サーを開示する。

 特許文献4には、ろう材の溶融温度の変動バ ラツキを抑制することによって、ろう付け温 度の低下が可能になり、その結果、金属製支 持材の変形が低減されたドレッサーが開示さ れている。特許文献5には、ろう材を所定の 成にすることによって、ろう材の溶融温度 変動バラツキが抑制され、その結果、ろう け温度の低下が可能になり、金属製支持材 変形が低減されたドレッサーが開示されて る。ただし、特許文献4、特許文献5には、金 属製支持材の表面形状は言及されていない。

特開2006-55944号公報

特開2000-141204号公報

特開2001-121418号公報

特開2006-305659号公報

特開2007-83352号公報

 前述したように、従来からパッド表面を 一に研削するドレッサーが開示されてはい ものの、パッド研削力とパッド平坦性はト ードオフの関係にあり、両者を同時に満た ことは困難であった。例えば、集積回路基 、Alやガラスの磁気ハードディスク基板の 産性を上げるためには、パッドを研削し常 新しい面を出すようにしなければならない そのためにはドレッサーのパッド研削レイ をある程度以上にする必要がある。しかし このような場合には、どうしてもパッド平 性が低下してしまう問題があった。特に、 気ハードディスク基板の平坦性の要求度合 は集積回路基板よりも高い。そのため、従 のドレッサーでは、平坦性を良くしようと ると、パッド研削力が低下し生産性が低下 るという問題が生じていた。

 本発明は、前述した課題を解決するため 、高いパッド研削力と優れたパッド平坦性 同時に満たすドレッサーを提供すること、 らには、砥粒脱落も抑制されたドレッサー 提供することを目的とする。

 本発明の要旨は、以下の通りである。
 (1)金属製支持材の表面に複数個の砥粒が単 に固着されたドレッサーであって、
 前記金属製支持材の砥粒が固着される面の 面形状は凸状を成し、前記表面の端部と中 部の高さの差が3μm以上40μm以下であり、か 、
 前記砥粒の粒径をd、隣り会う砥粒同士の中 心間距離をLとした場合、少なくとも一組の り会う砥粒同士における前記Lは、d≦L<2d ある研磨布用ドレッサー。
 (2)前記金属製支持材の砥粒が固着される面 端部と中心部の高さの差が、5μm以上20μm以 である請求項1記載の研磨布用ドレッサー。
 (3)前記砥粒の粒径dが、3μm≦d<100μm、であ る前項(1)または(2)記載の研磨布用ドレッサー 。
 (4)前記砥粒が、ダイヤモンド、立方晶窒化 ウ素、炭化ホウ素、炭化ケイ素、又は酸化 ルミニウムの少なくとも1種である前項(1)~(3 )いずれかに記載の研磨布用ドレッサー。
 (5)前記砥粒が前記金属製支持材の表面にろ 付けにより固着されている前項(1)~(4)のいず れかに記載の研磨布用ドレッサー。
 (6)前記金属製支持材がステンレス鋼製であ 前項(1)~(5)のいずれかに記載の研磨布用ドレ ッサー。

 本発明のドレッサーは、十分なパッド研 力を維持するとともに、優れたパッド平坦 の確保を可能とする。このためAlやガラス 磁気ハードディスク基板のCMP研磨のパッド ンディショナーに本発明のドレッサーを適 する場合、製品基板の平坦性が向上して優 た品質が達成されるとともに、高い生産性 維持できる効果を奏でる。

パッド研削レイトと砥粒固着面の高さ 差の関係を示す図 平坦性と砥粒固着面の高さの差の関係 示す図 パッド研削レイトと砥粒中心間距離の 係を示す図 平坦性と砥粒径の関係を示す図

 Alやガラスの磁気ハードディスク基板をCM P研磨する場合には、パッドの平坦性が特に 要となる。このため、ドレッサーに用いる 粒の粒径もできるだけ小さくすることが望 れている。しかし、砥粒径を小さくしてい と、ドレッサーのパッド研削力が低下して まう。そこで、本発明者は、パッド平坦性 パッド研削力を同時に満足するドレッサー 鋭意検討した。本発明者は、金属製支持材 表面に砥粒を固着させる際、金属製支持材 表面形状を変えるとともに、これらの表面 配置する砥粒の粒径、及び、砥粒の配置間 、配置パターンを変えた種々のドレッサー 準備した。そしてこれらのドレッサーにつ てパッド研削力の指標となるパッド研削レ ト、およびパッド平坦性を詳細に評価した 具体的には、ウレタン等の樹脂製パッドを 削する際の、パッド全面に亘るパッドの厚 減少量が詳細に調査された。

 本発明者は、これらの検討の中で、十分 パット研削レイトを保ち、かつ、パッド平 性を維持するためには、金属製支持材の砥 が固着される面(以下「砥粒固着面」ともい う)の表面形状を凸状とし、かつ固着される 粒の間隔を特定の範囲にすることが有効で ることを見出した。

 前記金属製支持材の砥粒固着面の表面形 の凸形状は、前記表面の端部と中心部の高 の差(以下単に「高さの差」ともいう)が3μm 上40μm以下である場合にパット研削レイト 向上し、かつ、パッド平坦性も確保される 特に、端部と中心部の高さの差の下限値が 要あって、この値が3μm未満では、パッド研 レイトが低下してしまう。この現象は、砥 が小さくなるほど顕著になる。金属製支持 の砥粒固着面の表面形状が凸状を成し、表 の端部と中心部の高さの差を3μm以上にする ことによって、パッドをCMP研磨する際にスラ リー液やパッド研削屑がドレッサー表面から 順調に排出されるようになる。高さの差が40 mを超えるとパッド平坦性が低下してしまう 高さの差が5μm以上30μm以下であれば、更に パッド研削レイト、平坦性に優れるように る。高さの差が5μm以上20μm以下であれば、 に、パッド研削レイト、平坦性に優れるの 好ましい。

 また、前記砥粒固着面の凸状の頂点は、前 砥粒固着面の中心にあることが好ましい。 状の形状は、略円錐状、略円錐台状、略角 状、略角錐台状であってもよい。略円錐状 は、円錐状または円錐がやや歪んだ形状を う。円錐がやや歪んだ形状とは、円錐状で ったものがパッドを研削すること等により や歪んだ形状になったものを含む。従って 円錐の断面傾斜は直線又は曲線であっても い。略円錐台状、略角錐状、略角錐台状に いても同様である。表面形状がフラット、 るいは、凹状になるとパッド研削レイトが 下するとともにパッド平坦性も低下してし う。前記砥粒固着面が、略円錐台状、また 略角錐台状である場合は、上面の直径と底 の直径との比が「1」:「2~20」であることが ましい。略角錐台状である場合、底面の形 は、八角形や二十角形等の多角形であるこ が好ましい。
 本発明においては、加工が容易であること ら、砥粒固着面の凸状の形状は、略円錐状 あることが好ましい。

 本発明者は、前記金属支持体に配置され 砥粒に関し、パッド研削レイトを上げるた には、砥粒1個あたりに付加される荷重を大 きくすれば良く、そのためには、砥粒間隔を 大きくし、全体の砥粒数を減らすことが良い とされてきた従来の考え方に全く相反する結 果を見出すに至った。

 パッド平坦性が磁気ハードディスク基板 どには要求されない場合に、パッドをCMP研 する場合は、ドレッサーに固着される砥粒 して120~200μm程度の比較的大きな砥粒が使用 でき、この場合には従来通りに砥粒間隔を大 きくした方がパッド研削レイトは高くなるこ とが知られていた。しかし、本発明者は、砥 粒径が100μm未満と小さくなる場合には、従来 の傾向とは反対に、砥粒間隔が大きくなると パッド研削レイトが低下してしまうことを見 出した。具体的には、砥粒径をd、隣り会う 粒同士の中心間距離をL(「砥粒中心間距離L ともいう)とした場合、少なくとも一組の隣 う砥粒同士における前記Lが、d≦L<2d、で る場合に高いパッド研削レイトが得られた 砥粒中心間距離Lが2d以上になるとパッド研 力が低下してしまう。中心間距離Lが砥粒径 dよりも小さい場合では、もはや単層の砥粒 配置できなくなる。前記の距離に配置され 砥粒数の割合がドレッサー全体の砥粒数の50 %以上であれば本発明の効果を得ることがで る。その割合が70%以上であれば更に好まし 。

 L≧2dにおいても、砥粒径dが小さくなれば 、平坦性が向上する傾向を示す。しかし、本 発明者は、砥粒径dと砥粒中心間距離Lを、d≦ L<2d、とすることによって、「L≧2dにおい 砥粒径を小さくすることによって得られる ッド平坦性向上効果」よりも格段に平坦性 良くなる効果を見出した。砥粒中心間距離L 、d≦L≦1.5d、であれば、パッド平坦性がさ に良くなる。この効果は、前述の通り、砥 径の大きさが100μm未満の場合に顕著に現れ 。しかし、砥粒径が3μm未満では、パッド研 削レイトが低下することがあるので、砥粒径 dは、3μm≦d<100μmであることが好ましい。 のような本発明のドレッサーを使用するこ によって、パッド研削力とパッド平坦性を 時に満たすことが可能となる。

 砥粒径dが50μm以下になるとパッド平坦性が らに良くなるためより好ましい。砥粒径dが 20μm以下であれば、パッド平坦性はさらに良 なる。ただし、砥粒のハンドリング性の観 で見れば、砥粒径が大きい方が取り扱いは 易である。
 砥粒径は任意の方法で測定した値として良 が、本発明においては、以下のとおりに測 した値の平均粒径とすることが好ましい。 粒径は、固着される前の砥粒、又は、固着 た砥粒を剥がして集めて測定してよい。こ 場合、砥粒径は、篩分級法、レーザー回折 、遠心沈降法、走査型電子顕微鏡(SEM)の直 観察法等により得られる数平均粒径とする とができる。固着した砥粒の粒径をそのま 測定する場合には、SEMによる直接観察法に り得られる円相当径から得られる数平均粒 とすることができる。

 砥粒の配置パタ-ンは、ランダム的であっ ても良く、規則的であっても良い。規則的に 配置する場合には、砥粒を三角形、四角形、 五角形、または六角形等、種々のパタ-ンに 置することが可能である。

 本発明の研磨布用ドレッサーを構成する 粒は、硬度が大きく、酸性あるいはアルカ 性のスラリーと反応しにくいものが好適で る。例えば、ダイヤモンド、立方晶窒化ホ 素、炭化ホウ素、炭化ケイ素、酸化アルミ ウム、酸化珪素、又は酸化セリウムからな 砥粒を用いてよい。中でも特に好ましいの 、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、炭化 ウ素、炭化ケイ素、又は酸化アルミニウム らなる砥粒である。これらの砥粒は一種類 単独で用いても良く、複数の砥粒を併用し も良い。これらの砥粒表面に、チタン、ジ コニウム、クロムから選ばれた少なくとも1 種を被覆したもの、または、炭化チタン、炭 化ジルコニウム、炭化クロムから選ばれた少 なくとも1種を被覆したものを用いることも 能である。通常は、個々の砥粒を単独で使 するが、大きさが同程度のものを2種類以上 合して使用することによって、パッドの平 性を維持した状態で、研削能力を上げるこ が可能になる。

 本発明によるドレッサーは、以下のよう 製造される。先ず、金属製支持材にろう材 仮付けする。金属製支持材は、砥粒同様に 酸性あるいはアルカリ性のスラリーとの反 が生じにくいステンレス鋼が好ましい。金 製支持材は、代表的なステンレスであるSUS3 04、SUS316、またはSUS430等が好適である。金属 支持材として炭素鋼等の一般構造用鋼の表 にNi等のめっきをしたものも使用可能であ 。

 また、金属製支持材の形状は、特に限定さ るものではなく、前述の通り、八角形、二 角形等の多角形の形状でも良い。しかしな ら金属製支持材自体が回転しながらパッド 研削するので、均一研削性を担保するため 、金属製支持材は円盤状であることが好ま い。
 金属製支持材の砥粒固着面の表面を凸状に 工する方法としては、機械加工を用いても いし、あるいは、支持材の周囲を押さえた 態で中心部を押して変形加工させても良い また、金属製支持材を熱処理して熱変形さ 、前記機械加工や前記変形加工と組み合わ て、所望の凸状に加工しても良い。前記凸 の加工は、砥粒を固着させた後に形成して 良い。金属製支持材の砥粒固着面の表面を 変形で凸形状にするためには、熱処理の冷 過程において、金属製支持材の砥粒固着面 の冷却速度を反対側よりも速くすれば良い 例えば、冷却過程において、金属製支持材 砥粒固着面の反対側の表面をアルミナなど 断熱効果を有する部材と接触させておけば い。

 ろう材は、BNi-2やBNi-5等のJIS規格材に代表さ れるNi-Cr-Fe-Si-B系、Ni-Si-B系、またはNi-Cr-Si-B系 が適用できる。ろう材が箔の場合には、スポ ット溶接で金属製支持材へ仮付けが可能であ る。ろう材が粉の場合には、例えば、セルロ ース系のバインダー等をろう粉と混練したも のを金属製支持材に塗布すれば良い。砥粒は 、ろう材の上に所定の間隔で単層に配列すれ ば良い。また、この場合、砥粒がずれないよ うに糊等で仮止めする。次に、10 -3 Pa程度に真空引きした後、ろう材が溶融する 度まで昇温する。バインダー、糊等は、昇 の途中で殆どが気化してしまう。ろう材を 融させる温度(「ろう付け温度」ともいう) 、ろう材の融点以上であって、できるだけ 温であることが好ましい。ろう付け温度は 高くても液相線温度+20℃程度以内が好まし 。この温度が高い場合には金属製支持材の による変形が大きくなるからである。ろう け温度における保持時間は、5~30分程度あれ 十分である。砥粒は、ろう付け以外に、Ni の電着によって、固定させることも可能で る。

 以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に 明する。
 (実施例1)
 平均粒径d(砥粒径)が15μm、および、70μmの二 種類のダイヤモンド砥粒を用いて、金属製支 持材の表面形状を変えたドレッサーを作製し 、パッド研削レイト、パッド平坦性を評価し た。使用した金属製支持材は、直径100mm、厚 4mmの円盤状SUS304ステンレスであり、砥粒固 面の表面形状を凸状(円錐状)、フラット状 凹状に機械加工した。このようにして表面 状を変えたドレッサーの表面端部と中心部 高さの差を以下のようにして測定した。先 、支持材の中心を通り互いに直交する二つ 軸を引く。これをx軸、y軸とし、中心を原点 にする。次にダイヤルゲ-ジを用いて、原点(0 ,0)の高さ、および端部では最エッジから1mm中 心部側へ入った部位、すなわち、(0,49)、(0,-49 )、(-49,0)、(49,0)の4点の高さを測定する。ドレ ッサーの表面端部と中心部の高さの差は、こ れらの周囲の4点の各高さと原点の高さの差 を求め、4点の平均値として算出した。

 砥粒固着面の形状の異なる前記金属製支 材を13枚用意した。それぞれの支持材に、 均粒径dが15μmのダイヤモンド砥粒を、隣り う砥粒中心間距離LがL=1.5dになるように正方 配置した。具体的には、片側の面に描いた 径35mmの円と半径48mmの円の間のド-ナツ状領 にダイヤモンド砥粒を配置した。その際、 -ナツ状領域を支持材中心から見て等角度で 6つのアーク形状に分割し、それぞれの隣り うしのア-ク形状領域に2mm幅で砥粒が無い部 を設けた。ダイヤモンド砥粒の配置パタ-ン は正方形配置とし、高さの異なる支持材毎に 前記Lが1.5dとなるようにダイヤモンド砥粒を 置して、13個のドレッサーを作製した。本 レッサーにおいては、前記正方形の一辺の さがLに相当する。

 実際のダイヤモンド砥粒は、以下のよう して配置した。先ず、ステンレス製支持材 ダイヤモンド配置領域にスポット溶接で箔 のろう材を仮付けする。次に、ダイヤモン が通り抜ける程度の穴を正方形配置した篩 作製し、その篩を支持材の上に置いて篩を してダイヤモンドを配置した。使用したろ 材は組成がNi-0.12%Fe-7.4%Cr-4.0%Si-3.0%B-0.5%P(mass%) の箔ろうで、ろう材の厚みは30μmである。ろ 材の上には、ダイヤモンド砥粒がずれない うに有機系接着剤を塗布した。その後、980 で真空中15分間ろう付け処理を施した。

 同様にして、砥粒固着面の形状の異なる 記金属製支持材を13枚用意し、この支持材 上に、平均粒径dが70μmのダイヤモンド砥粒 、隣り会う砥粒中心間距離LがL=1.5dになるよ に正方形配置されたドレッサーを、13個製 した。

 上記のようにして作製したドレッサーの 属製支持材の砥粒固着面の表面形状につい 、表1(15μmダイヤモンド砥粒)、および、表2( 70μmダイヤモンド砥粒)に示した。ドレッサー の表面端部と中心部の高さの差が3~40μmであ ドレッサーは実施例と、高さの差がこの範 以外にあるドレッサーは比較例と記載した No.1およびNo.21の比較例としたドレッサーで 、高さの差がマイナスになっているが、こ は表面が凹状になっていることを表してい 。

 作製したドレッサーを用いて、実際にパッ を研削し、研削後のパッド厚み減少量から ッドの研削レイト、及び、パッド平坦性を めた。パッドは発砲ポリウレタン製であり パッドの直径は250mmである。このパッドを 磨盤の上に貼り付けた。ドレッサーを、回 機構とパッドの半径方向に揺動する機構を えた装置に固定し、加圧機構によって1kgの 重を加えて、パッドに押し付けた。ドレッ ーの中心をパッド半径方向にパッド中心か 30mm~90mmの範囲で半径方向に揺動させた。パ ド回転数は90rpm、ドレッサー回転数は80rpm、 動は10往復/分とした。パッド回転方向とド ッサーの回転方向は同じである。研削全面 水の膜で覆われる程度に水を供給した。
 研削開始後5分が経過した時点で一端、研削 を中断して、互いに直交する2本の直径上に ってパッド厚みを測長顕微鏡で測定した。1 の直径を等間隔で10等分し、等分した部位 ほぼ真中付近を合計で20点測定し、平均値を 求めた。再び研削を続けて、15時間後に同様 測定を行った。パッド厚みの平均値から、 削開始後5分から15時間の研削時間の間にお る平均のパッド研削レイトを求めた。平坦 は、15時間後に測定した20点の値の中で最大 値から最小値を引いた値として求めた。

 表1及び表2の結果(図1及び図2)からわかるよ に、表面形状が凸状を成し、表面の端部と 心部の高さの差が3μm以上40μm以下であるNo.5 ~No.11、および、No.25~No.31のドレッサーでは、1 .9μm/分以上の優れたパッド研削レイトと0.8μm 以下の優れた平坦性が両立している。高さの 差が5μm以上30μm以下となるNo.7~No.10、および No.27~No.30のドレッサーでは、更に優れたパッ ト研削レイトと平坦性が得られた。
 高さの差が40μmを超えているNo.12、No.13、お び、No.32、33のドレッサーでは平坦性が0.95μ m以上と悪くなった。表面形状がフラット、 るいは、凹状であるNo.1、No.2、および、No.21 No.22のドレッサーでは、パッド研削レイト 1.0μm/分未満と低下し、表面が凹状になると ッド平坦性も劣化傾向を示した。

 (実施例2)
 直径100mm、厚み4mmの円盤状SUS304ステンレス 材を金属製支持材に用いた。この金属製支 材は、砥粒固着面の表面形状を凸状(円錐状) に機械加工したものであり、表面端部と中心 部の高さの差の実測値は17μmであった。高さ 測定は、実施例1と同様にして行った。各部 位の高さの差の最小値は16.1μm、最大値は17.8 mであった。この片側の面に描いた半径35mmの 円と半径48mmの円の間のド-ナツ状領域に平均 径が8μmのダイヤモンド砥粒を配置した。そ の際、ド-ナツ状領域を支持材中心から見て 角度で6つのアーク形状に分割し、それぞれ 隣りどうしのア-ク形状領域に2mm幅で砥粒が 無い部位を設けた。ダイヤモンド砥粒の配置 パタ-ンは正方形配置とし、それぞれのダイ モンド砥粒の配置間隔を変えたドレッサー 作製した。正方形の一辺の長さがLに相当す 。平均粒径dが8μmのダイヤモンド砥粒では 図3に示すとおり、Lを9μm~47μmの間で調整し ドレッサーを作製した。

 同様にして、dが12μm、48μm、70μm、95μmお び150μmの砥粒を配置したドレッサーをそれ れ作製した。その際、dが12μmの砥粒につい は、Lを12μm~120μmの間で調整したドレッサー を作製した。同様に、dが48μmの砥粒について は、Lを52μm~230μm間で調整したドレッサーを dが70μmの砥粒については、Lを73~320μmの間で 整したドレッサーを、dが95μmの砥粒につい は、Lを100~360μmの間で調整したドレッサー 、dが150μmの砥粒については、Lを157μm~410μm 間で調整したドレッサーをそれぞれ作製し 。ここで、例えば、dが12μmの場合、Lが12μm はほぼダイヤモンド砥粒が互いに接触して る状態となる。ダイヤモンド砥粒は、実施 1と同じようにして配置した。

 作製したドレッサーを用いて、実施例1と同 様にしてパッドを研削し、研削後のパッド厚 み減少量からパッドの研削レイト、及び、パ ッド平坦性を求めた。
 パッド研削レイト(μm/分)の結果を図3に示し た。図3からわかるように、平均粒径が8μmの イヤモンド砥粒を用いた場合、本発明範囲 ある砥粒中心間距離Lをd≦L<2dの範囲であ 9μm~16μmとすると、2.0μm/分の研削レイトが られた。しかし、L≧2dとする範囲では、Lが きくなるにつれて研削レイトは低下する傾 が見られた。
 平均粒径が12μmのダイヤモンド砥粒を用い 場合、本発明範囲である砥粒中心間距離Lをd ≦L<2dの範囲である12μm~23μmとすると、2.1μm /分の研削レイトが得られた。しかし、L≧2d する範囲では、Lが大きくなるにつれて研削 イトは低下する傾向が見られた。
 平均粒径dが48μmのダイヤモンド砥粒を用い 場合、本発明の範囲である砥粒中心間距離L をd≦L<2dの範囲である52μm~95μmとすると、2. 2μm/分の研削レイトが得られた。しかし、L≧ 2dとする範囲では、Lが大きくなるにつれて研 削レイトは低下する傾向が見られた。
 平均粒径dが70μmのダイヤモンド砥粒を用い 場合、本発明範囲である砥粒中心間距離Lを d≦L<2dの範囲である73μm~120μmとすると、2.4 m/分の研削レイトが得られた。しかし、L≧2d とする範囲では、Lが大きくなるにつれて研 レイトは低下する傾向が見られた。
 平均粒径dが95μmのダイヤモンド砥粒を用い 場合、本発明範囲である砥粒中心間距離Lを d≦L<2dの範囲である100μm~185μmとすると、2.6 μm/分の研削レイトが得られた。しかし、L≧2 dとする範囲では、Lが大きくなるにつれて研 レイトは低下する傾向が見られた。

 d=5~148μmのダイヤモンド砥粒をL=1.3d~4dの条 件で同様にろう付けして得たドレッサーを用 いて評価したパッド平坦性を図4に示した。 4からわかるように、砥粒中心間距離Lが本発 明範囲のd≦L<2dであるL=1.3d、L=1.9dである場 には、全ての砥粒径の範囲において、0.8μm 満の優れた平坦性が得られた。L<1.5dであ L=1.3dの場合にはさらに平坦性が良くなった

 さらに、L=1.3d、L=1.9dであって、かつ、砥 径dがd<100μmである場合には、L≧2dにおい 砥粒径が小さくなることによって得られる ッド平坦性向上分よりも格段に平坦性が良 なった。特に、d≦50μmとすると、0.6μm以下 優れたパッド平坦性が得られた。d≦20μmと ると、0.3μm以下のさらに優れたパッド平坦 が得られた。dを10μm未満とすると、0.2μm以 の更に優れた平坦性が得られた。ダイヤモ ド砥粒径が2μm(L=1.8d)ではパッド平坦性は0.04 μm以下と優れたものとなったが、パッド研削 レイトは1.6μm/分となった(図示せず)。

 一方、平均粒径dが150μmのダイヤモンド砥粒 を用いた場合、Lが大きくなるにつれて研削 イトは大きくなる傾向を示した(図3)。また 砥粒中心間距離Lが本発明範囲外のL=2.4d、L=4d である場合、全ての砥粒径の範囲において、 平坦性は0.9μm以上となった(図4)。
 以上の結果から、本発明のドレッサーを用 ることによって、十分なパッド研削力が維 されるとともに、優れたパッド平坦性の確 も可能となることが明らかである。

 (実施例3)
 直径100mm、厚み4mmの円盤状SUS304ステンレス 材を金属製支持材に用いた。この金属製支 材は、砥粒固着面の表面形状をフラットに 械加工したものであり、この片側の面に描 た半径35mmの円と半径48mmの円の間のド-ナツ 領域に平均粒径dが30μmのダイヤモンド砥粒 配置した。その際、ド-ナツ状領域を支持材 心から見て等角度で6つのアーク形状に分割 し、それぞれの隣りどうしのア-ク形状領域 2mm幅で砥粒が無い部位を設けた。ダイヤモ ド砥粒の配置パタ-ンは次のようにした。ダ ヤモンド砥粒配置領域に格子状にメッシュ 描き、その交点にダイヤモンド砥粒を配置 た。格子間隔が砥粒中心間距離Lに相当する 。その際、格子間隔を50μm(L=1.7d)と100μm(L=3.3d) の二つとし、両者を所定の割合でランダムに 配置させた。

 実際のダイヤモンド砥粒は、以下のように て配置した。先ず、ステンレス製支持材の イヤモンド配置領域にスポット溶接で箔状 ろう材を仮付けする。次に、ダイヤモンド 通り抜ける程度の穴を配置した篩を作製し その篩を支持材の上に置いて篩を通してダ ヤモンドを配置した。篩に穴を開ける場合 穴に位置決めは、間隔が50μmである格子と10 0μmである格子をランダムに配置させた格子 描き、それらの各格子点に穴を開けた。Lが5 0μmである格子辺の数をN50、100μmである数をN1 00とした場合、{N50/(N50+N100)}×100(%)が表1に示す ように設計した。
 使用したろう材、ダイヤモンド塗布、およ 、ろう付け処理は実施例1と同様である。ろ う付け後の各ドレッサーの表面形状を変える ために、支持材の周囲を押さえた状態で中央 部を押して変形させ、円錐状に加工した。実 施例1と同様に測定した表面端部と中心部の さの差の実測値は8μmであった。但し、前記 さの測定では、ろう付けしたダイヤモンド 粒の高さは含まれないように、砥粒固着面 表面を計測した。
 パッド研削レイト、パッド平坦性の評価は 施例1と同様に行った。
 結果を表3に示した。

 実施例No.121~127の結果から、少なくとも隣り 会う一組の砥粒同士のLが本発明範囲であるd L<2dを満たせば0.8μm以下の優れた平坦性が 得られることが明らかである。さらに、d≦L& lt;2dを満たす砥粒数の割合がドレッサー全体 砥粒数の50%以上であれば、0.7μm以下の優れ 平坦性が得られ、その割合が70%以上であれ 0.5μm以下のさらに優れた平坦性が得られる とも明らかである。なお、本発明において 、非常に多くの砥粒を用いているため、{N50 /(N50+N100)}×100の値は、「全砥粒数」における 50μmの間隔で配置された砥粒数」の割合と て良い。
 すなわち、前記砥粒が、一辺の長さがL、B 1 、B 2 、・・・B n の格子であって、それぞれがランダムに配置 された格子の交点に配置されている場合にお いては(nは正の整数)、長さLの格子辺の数をNL 、長さB 1 、B 2 、B 3 ・・・B n の格子辺の数をNB 1 、NB 2 、・・・NB n としたときに、NL/(NL+NB 1 +NB 2 +・・・+NB n )×100で算出されるXを、全砥粒数における、L mの間隔で配置された砥粒数の割合として良 。

 (実施例4)
 実施例3のNo.121のドレッサーにおいて、ダイ ヤモンド砥粒の代わりに、砥粒として、平均 粒径dが30μmの立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素 、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、前記炭ホ ウ素と炭化ケイ素を質量で50%ずつ混合したも の、および、酸化珪素を用いたドレッサーを それぞれ作製した。
 砥粒の配置方法、ろう付け方法、研削レイ 、および、パッド平坦性の評価方法は実施 1と同様である。結果を表4に示した。

 以上の結果から、立方晶窒化ホウ素、炭 ホウ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、 は酸化珪素の少なくとも1種の砥粒を用いる ことによって、優れたパッド平坦性が得られ ることが明らかとなった。特に優れた性能を 示したのは、立方晶窒化ホウ素、炭化ホウ素 、炭化ケイ素、又は酸化アルミニウムの少な くとも1種の砥粒を用いた場合であった。ま 、2種類の砥粒を混合して使用することによ て、パッドの平坦性を維持した状態で、研 能力を上げることが可能になることも明ら である。

 (実施例5)
 実施例3のNo.121と同様のドレッサーにおいて 、金属製支持材の砥粒固着面の表面形状を凸 状にする方法を以下のように変更してドレッ サーを作製した。実施例1と同様のろう付け 熱処理において、その冷却過程で、金属製 持材の砥粒固着面の反対側の表面にアルミ を接触させることで、砥粒固着面の表面形 を凸状(円錐状)に変形させ、更に、前記金属 支持材に応力をかけて前記凸形状を調整した 。実施例1と同様に測定した表面端部と中心 の高さの差の実測値は10μmであった。但し、 前記高さの測定では、ろう付けしたダイヤモ ンド砥粒の高さは含まれないように、砥粒固 着面の表面を計測した。
 砥粒の配置方法、研削レイト、および、パ ド平坦性の評価方法は実施例1と同様である 。評価の結果、研削レイトは、2.2μm/分であ 、平坦性は、0.31μmであり、十分な研削レイ と平坦性が得られることが明らかとなった

 本願は、2008年2月20日出願のJP2008-039218に づく優先権を主張する。当該出願明細書に 載された内容は、すべて本願明細書に援用 れる。




 
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