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Title:
DRIED FOOD IMPROVER, AND METHOD FOR PRODUCTION OF DRIED FOOD AND METHOD FOR IMPROVEMENT OF PHYSICAL PROPERTIES OF DRIED FOOD BOTH USING THE DRIED FOOD IMPROVER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123098
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are an improver and an improvement method for preventing a dried food from cracking or damage after the dried food is produced. Also disclosed is a method for producing a dried food by using the improver or the improvement method. Soybean protein is composed of the major storage proteins glycinin and β-conglycinin. A soybean protein having a reduced glycinin content and a soybean dietary fiber are added to a dried food as improvers.

Inventors:
NISHIMURA, Takashi (Limited Hannan Factory, 1,Sumiyoshi-ch, Izumisano-shi Osaka 40, 5988540, JP)
西村 隆司 (〒40 大阪府泉佐野市住吉町1番地 不二製油株式会社 阪南事業所内 Osaka, 5988540, JP)
YOKOYAMA, Hitoshi (Limited Hannan Factory, 1,Sumiyoshi-ch, Izumisano-shi Osaka 40, 5988540, JP)
Application Number:
JP2008/055079
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FUJI OIL COMPANY, LIMITED (1-5 Nishishinsaibashi 2-chome, Chuo-ku Osaka-shi Osaka, 86, 5420086, JP)
不二製油株式会社 (〒86 大阪府大阪市中央区西心斎橋2丁目1番5号 Osaka, 5420086, JP)
NISHIMURA, Takashi (Limited Hannan Factory, 1,Sumiyoshi-ch, Izumisano-shi Osaka 40, 5988540, JP)
西村 隆司 (〒40 大阪府泉佐野市住吉町1番地 不二製油株式会社 阪南事業所内 Osaka, 5988540, JP)
International Classes:
A23L1/03; A21D2/18; A21D2/26; A21D13/08; A23L1/30
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Claims:
11S蛋白質含量が低減された大豆蛋白質、及び大豆食物繊維を含むことを特徴とする乾燥食品用改良材。
乾燥食品が、原料を混合、成形した後に加熱乾燥して得られるものであることを特徴とする請求項1記載の乾燥食品用改良材。
乾燥食品が小麦粉を実質的に含有しないものである請求項1記載の乾燥食品用改良材。
大豆蛋白質中の11S蛋白質含量が30重量%未満である請求項1記載の乾燥食品用改良材。
大豆蛋白質中の7S蛋白質含量が25重量%以上である請求項1記載の乾燥食品用改良材。
請求項1記載の乾燥食品用改良材を、原料中に配合し、混合、成形した後に、乾燥することを特徴とする乾燥食品の製造法。
食品の乾燥固形分重量に対して、大豆食物繊維含量として2~15重量%配合する請求項6記載の乾燥食品の製造法。
原料中に11S蛋白質含量が低減された大豆蛋白質、及び大豆食物繊維を含有させることを特徴とする乾燥食品の物性改良方法。
Description:
乾燥食品用改良材、これを使用 た乾燥食品の製造法及び乾燥食品の物性改 方法

 本発明は、乾燥食品改良材、これを使用 た乾燥食品の製造法及び乾燥食品の物性改 方法に関するものである。

 従来の小麦粉を主体とするクッキーなど 乾燥食品は、最近では栄養付加価値を高め ために、たん白質、食物繊維、ミネラル等 配合した乾燥食品が開発されている。特に 豆蛋白質は血清コレステロールの上昇抑制 はじめとする種々の生理的効果を有するこ が知られており、これを含有する素材を焼 菓子に添加することにより栄養的付加価値 高めることが提案されている。ただ大豆蛋 質を乾燥菓子に増量する場合には、1)食感 硬く、パサつき、歯切れ良い軽い食感が得 くい、2)咀嚼時に口中の水分が奪われ、水な しでは容易に飲み込めない、3)焼成後のひび れが発生しやすく、包装時や輸送中の衝撃 割れが多発する、などの問題点が提起され いる。これらの問題を解決する手段として 澱粉やトレハロースを添加することで、こ らの問題を解決する方法が特許文献1(特開 11-009176号公報)等において開示されている。

 また上記のクッキーなどの乾燥食品とは異 り、小麦粉などの菓子の骨格を構成する原 を必須とせずに、必要とする蛋白質素材、 タミン、ミネラル等の機能性素材と必要に り乾燥果肉、ナッツ類などの粒状素材を成 して得られる栄養バー等の乾燥食品は、機 素材を高度に配合することができるため、 軽に栄養摂取が可能である。
 この栄養バーは、焼き菓子のクッキー等の とく比較的水分が多い原料配合で生地を作 し、成形後に焼成などの加熱乾燥により水 を蒸発させて得られる成形後加熱タイプと 原料を混合後、成形前に予め加熱して水分 飛ばし、成形して製品とする成形前加熱タ プが代表的である。例えば、特許文献2(特 2005-130857号公報)では、大豆蛋白素材(豆乳、 離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、大豆粉末など) 、シロップ、乳脂肪を混合しつつ加熱してカ ラメル化した後、成形後にチョコレートコー ティングして得られる成形前加熱タイプの栄 養バーが開示されている。大豆蛋白素材は蛋 白質を補給する目的で多用されており、高蛋 白質の栄養バーの需要も高まりつつある。

(参考文献)

特開平11-009176号公報

特開2005-130857号公報

 クッキーなどの乾燥食品については上記の 術によって大豆蛋白質を従来よりも高度に 合することが可能となったが、依然として 成後のひび割れ防止や特に風味、食感、口 けの問題が完全に改善されているとは言え 、改善の余地を有する。
 また、栄養バーなどの乾燥食品は栄養機能 材を多く配合し、小麦粉を実質的に配合し い場合が多く、クッキーのように小麦粉の ルテンネットワークを利用した均質な生地 得にくいため、そのままでは脆い組織とな 製造後にひび割れや損壊が生じやすくなる 題が生ずる。この現象は特に吸水能及び保 能の高い大豆蛋白素材を高配合し、かつ成 後に加熱乾燥する成形後加熱タイプにおい はさらに顕著となる。これは、成形前加熱 イプでは生地を混合しつつ加熱するため生 中の水分が均一に蒸発するのに対し、成形 加熱タイプでは内部の水分が蒸発しにくく 大豆蛋白素材によって保水され、加熱後の 品に水分が内部に偏在する状態となるのが 因でないかと考えられる。

 上記実状に鑑み、本発明は、小麦粉を含 クッキー等の従来の乾燥食品、さらには栄 バー等の新しいタイプの乾燥食品を高蛋白 化したときの製造後のひび割れ、損壊を防 することのできる改良材・方法及びこれを いた乾燥食品の製造法を提供することを課 とする。

 本発明者らは上記課題に対し、それ自身 機能性素材としての栄養価値を有する大豆 白質素材そのものの乾燥食品に対する機能 着目し、多種多様な大豆蛋白質素材を配合 た場合の効果について検討した。そして鋭 研究の結果、乾燥食品中に大豆蛋白質を構 する主要な貯蔵蛋白質であるグリシニン(以 下11S蛋白質と略す。)とβ‐コングリシニン( 下7S蛋白質と略す。)のうち、11S蛋白質含量 低減させた大豆蛋白質と大豆食物繊維を改 材として配合することにより上記課題を解 できる知見を得、本発明を完成させた。

 すなわち、本発明は以下の通り、
1.11S蛋白質含量が低減された大豆蛋白質、及 大豆食物繊維を含むことを特徴とする乾燥 品用改良材、
2.乾燥食品が、原料を混合、成形した後に加 乾燥して得られるものであることを特徴と る前記1.記載の乾燥食品用改良材、
3.乾燥食品が小麦粉を実質的に含有しないも である前記1.記載の乾燥食品用改良材、
4.大豆蛋白質中の11S蛋白質含量が30重量%未満 ある前記1.記載の乾燥食品用改良材、
5.大豆蛋白質中の7S蛋白質含量が25重量%以上 ある前記1.記載の乾燥食品用改良材、
6.前記1.記載の乾燥食品用改良材を、原料中 配合し、混合、成形した後に、乾燥するこ を特徴とする乾燥食品の製造法、
7.食品の乾燥固形分重量に対して、大豆食物 維含量として2~15重量%配合する前記6.記載の 乾燥食品の製造法、
8.原料中に11S蛋白質含量が低減された大豆蛋 質、及び大豆食物繊維を含有させることを 徴とする乾燥食品の物性改良方法、を提供 るものである。

 本発明の乾燥食品用改良材をクッキー、 るいは栄養バー等の乾燥食品に原材料とし 配合することにより、シロップなどの結着 やチョコレートコーティングに頼ることな 、製造後のひび割れ、損壊が抑制された乾 食品を得ることができる。さらに、この種 乾燥食品に通常使用される小麦粉等の穀粉 使用せず、高たんぱく質であっても食感、 溶けが良好な乾燥食品を得ることができる

 本発明は高蛋白質の乾燥食品に特に適し 改良材を提供するものであり、該改良材は1 1S蛋白質含量が低減された大豆蛋白質、及び 豆食物繊維を含むことを特徴とする。また 本発明は上記改良材を使用した乾燥食品の 造法を提供するものである。また、本発明 乾燥食品の物性改良方法を提供するもので り、原料中に11S蛋白質含量が低減された大 蛋白質、及び大豆食物繊維を含有させるこ を特徴とする。以下、本発明について詳細 説明することとする。

 本発明において、乾燥食品は、原料の混 、成形、乾燥の工程を経て製造される加工 品である限り特に限定はされない。より詳 くは成形乾燥食品とも言うことができる。 燥工程はオーブン加熱、フライ加熱、マイ ロ波加熱、熱風乾燥等の各種手段を使用す ことができ、乾燥食品中の水分は15重量%以 のものが好ましい。そのような乾燥食品の としては、クッキー、ビスケット、クラッ ー、サブレ、プレッツェル、せんべい、お き、あられ、かりんとう等の焼き菓子類や プロテインバーなどのいわゆる栄養バー(nut rition bar)などの菓子タイプの食品が例示され るが、これらの例示に限定されるものではな い。

 該食品は、特に原料を混合、成形した後 焼成加熱やマイクロ波加熱等の加熱手段に り好ましくは水分を15重量%以下に加熱乾燥 せたタイプである場合に本発明の効果をよ 奏しやすい。この成形後乾燥タイプは生地 成形した後から水分を蒸発させるため、水 が不均一に蒸発する状況下では生地にひず が生じやすく、組織がもろくなり、製造後 ひび割れや損壊が生じやすくなるからであ 。一方、先にシロップなどの結着性の液体 料を他の原料と混合した後に煮詰めて水分 蒸発させ、液体原料を水アメ状にしたもの 粉原料と混ぜて成形し、そのまま製品とす 成形前乾燥タイプはかかる問題の発生が少 い。

 該食品は、通常クッキー等に使用される 麦粉等の穀粉を含むか否かは特に限定され 、いずれにおいても本発明の効果を奏する 、小麦粉が食品の乾燥固形分重量に対して 5重量%以下のもの、好ましくは1%以下のもの 、より好ましくは実質的に原料として含まな いものにおいてより効果を奏する。小麦粉を 生地中に含まない場合、食品の組織は小麦粉 のグルテンによって形成されないので、より もろい組織となりやすいためである。ここで 「小麦粉を実質的に含まない」という意味は 、食品中の小麦粉含量が0.1重量%以下、好ま くは0.01重量%以下であることを意味する。

 本発明の乾燥食品用改良材は、乾燥食品 使用される原材料であり、栄養機能的な改 しうる原材料、あるいは食品の物性を改良 うる原材料であり、その構成は少なくとも1 1S蛋白質含量が低減された大豆蛋白質及び大 食物繊維からなることを特徴とする。該改 材は1つの改良材として大豆蛋白質と大豆食 物繊維を含む場合と、2つの改良材の組合せ して大豆蛋白質と大豆食物繊維を別々に含 場合のいずれであってもよい。

 本発明の乾燥食品用改良材は大豆蛋白質 含むものである。具体的な例としては、大 食物繊維を含有する大豆蛋白質素材である 脂大豆粉、部分脱脂大豆粉、脱脂大豆粉、 豆スラリー(大豆粉を水に分散させたもの) 濃縮大豆蛋白(脱脂大豆を酸やアルコールで 浄し、ホエー成分を除去したもの)や、豆乳 、脱脂豆乳、分離大豆蛋白等の大豆食物繊維 が除かれた大豆蛋白質素材が挙げられる。こ れらは単独で或いは併用して改良材とするこ とができる。

 さらに大豆蛋白質素材は、大豆蛋白質当た の11S蛋白質含量が低減されたものであるこ が重要である。具体的には、大豆の育種や 伝子操作による種苗の産生に始まり、その 苗から大豆を栽培し、得られた大豆から各 大豆蛋白素材を調製するまでの何れか1以上 の課程において、11S蛋白質の一部又は全部を 除去する操作がなされた大豆蛋白素材である 。
 11S蛋白質の低減の程度は限定されるもので ないが、低減度合いが低すぎると本発明の 果が小さくなる。一般的には、大豆蛋白質 材中における大豆蛋白質当たりの11S蛋白質 量は30~40重量%程度であるが、本発明におい は大豆蛋白質中の11S蛋白質含量が30重量%未 、好ましくは25重量%未満、より好ましくは2 0重量%未満が適当である。
 また、大豆蛋白素材の11S蛋白質含量を低減 せた場合、7S蛋白質や脂質親和性蛋白質の 量が相対的に増加する。その中で大豆蛋白 材の大豆蛋白質あたりの7S蛋白質含量につい ては、特に制限はないが、通常は25重量%以上 が適当であり、好ましくは30重量%以上、さら に好ましくは35重量%以上が適当である。

 大豆蛋白質中の11S蛋白質含量が低減された 豆蛋白質素材を得る具体的な手段として、1 つは大豆から各種大豆蛋白質素材を調製する 課程の中で、7S蛋白質と11S蛋白質を分画する 術を利用する手段が挙げられる。すなわち 全脂大豆、脱脂大豆等の大豆蛋白質を含有 る出発原料から豆乳を抽出し、必要により 離大豆蛋白を調製した後、7S蛋白質と11S蛋 質に分画し、11S蛋白質含量が低減され、7S蛋 白質含量が増加した大豆蛋白素材を得る。こ うして得られた分画大豆蛋白素材をそのまま 本発明の改良材とするか、或いは未分画大豆 蛋白質素材に前記分画大豆蛋白素材を混合し て改良材とすることができる。
 7S蛋白質と11S蛋白質を分画する方法は、従 公知のものを特に制限なく用いることがで る。中でも工業的規模での製造を可能とす 特許文献A(国際公開WO2000/58492号公報)、B(国際 公開WO2002/28198号公報)、C(WO2004/043160号公報)な に記載の分画方法を利用することが好まし 。
 また、大豆蛋白質中の11S蛋白質含量が低減 れた大豆蛋白質素材を得る別の手段として 育種や遺伝子操作によって11S蛋白質の一部 は全部を欠損させた大豆種子(Breeding Science, 46,11,1996など)を出発原料として各種大豆蛋白 材を調製する手段も挙げられる。これらの 段は併用することも可能である。

 上記の大豆蛋白素材を改良材として乾燥 品へ配合する量は特に制限されるものでは い。もっとも、配合量が少なすぎると栄養 価値が小さくなる上、本発明の効果が得が くなるため、通常は乾燥食品の乾燥固形分 5重量%以上とすることが好ましく、10重量% 上がより好ましい。また、配合量が多すぎ と成形工程を行いにくくなるため、通常は 燥食品の乾燥固形分中40重量%以下とするこ が好ましく、好ましくは30重量%以下がより ましい。ただし、配合量が40重量%を超える 囲であるとしても成形が可能である限り当 範囲を排除するものではない。

 本発明の乾燥食品用改良材は大豆食物繊維 含むものである。大豆食物繊維は水溶性、 溶性を問わず、それぞれ単独で使用あるい 併用することができるが、オカラに代表さ る不溶性食物繊維を少なくとも使用するこ が望ましい。本発明の物性、食感の改良に 大豆蛋白質中の11S蛋白質の低減と不溶性大 食物繊維とのバランスが重要である。
 また、大豆食物繊維は上記の大豆蛋白素材 は別途の改良材として配合しても良いし、 記の大豆蛋白素材のうち、大豆食物繊維が まれるものを使用することでも代えられる 大豆食物繊維が含まれる大豆蛋白素材とし は、大豆粉、部分脱脂大豆粉、脱脂大豆粉 大豆スラリー、濃縮大豆蛋白などである。
 大豆食物繊維を改良材として乾燥食品へ配 する量は特に限定されるものではない。も とも、含量が少なすぎると本発明の効果が がたくなるため、通常は乾燥食品の乾燥固 分中2重量%以上とすることが好ましく、5重 %以上がより好ましい。また、含量が多すぎ ると生地の取扱が不適となったり、食感がパ サついたりするため、通常は食品の乾燥固形 分中15重量%以下とすることが好ましく、好ま しくは10重量%以下がより好ましい。ただし、 含量が15重量%を超える範囲であるとしても生 地の取扱に不便なく、食感に悪影響がない限 り当該範囲を排除するものではない。

 本発明の乾燥食品には上記の改良材以外 、通常この種の食品に使用される各種動植 性蛋白質素材を配合することができる。例 ば植物性蛋白質素材としては、大豆やそれ 外のえんどう豆等の豆類から調製した豆粉 分離蛋白質・豆乳・豆乳粉末や、小麦蛋白 、コーングルテンミール等があり、動物性 白質素材としては、牛乳、脱脂乳等の乳製 の他、カゼイン、アルブミン、グロブリン の乳蛋白質、ゼラチン、全卵、卵白、卵黄 全卵粉末等を例示することができる。これ は1種のみでなく2種以上を混合して用いる とができる。またこれらの蛋白質素材の酵 分解物であるペプチドやアミノ酸も使用で 、さらに微生物起源の蛋白質を併用しても い。

 さらにその他の乾燥食品の原料として、 麦粉等の穀粉、油脂類、糖類、塩類等をは め、澱粉、乳製品、卵製品、膨張剤、種々 食品添加物等、通常焼き菓子に用いられる 知のものを利用することができる。

 本発明の油脂類としては、動植物性油脂 びそれらの硬化油脂の単独又は2種以上の混 合物或いはこれらのものに種々の化学処理又 は物理処理を施したものが例示できる。かか る油脂としては、大豆油、綿実油、コーン油 、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、菜 種油、米ぬか油、ゴマ油、カポック油、ヤシ 油、パーム核油、カカオ脂、乳脂、ラード、 魚油、鯨油等の各種の動植物油脂及びそれら の硬化油、分別油、エステル交換油等の加工 油脂(融点10~40℃程度のもの)が例示できる。 体的にはマーガリン、ショートニングが例 できる。更に油脂の融点としては20~38℃のも のが生地の風味、加工適性という点で好まし い。糖類としては、蔗糖、麦芽糖、乳糖、ブ ドウ糖、果糖、キシロース、パラチノース、 トレハロース、ガラクトース、マンノース、 、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマル トオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ 糖等の糖類や、マルチトール、ラクチトール 、エリスリトール、キシリトール、パラチニ ット、マンニトール、ソルビトール等の糖ア ルコール類等の1種、または2種以上を添加す ことができる。

 また栄養強化(サプリメント)や増量等を 的としてカルシウム、鉄、マグネシウム等 ミネラル類;小麦ふすま等の不溶性食物繊維 ポリデキストロース、アップルファイバー 難消化性デキストリン、イヌリン、水溶性 豆多糖類等の水溶性食物繊維等の食物繊維 ;デキストリン類、ビタミン類等を加えるこ ともできる。

 また風味付与を目的とした醤油、味噌、 学調味料、風味物質(チーズ、チョコレート 、乾燥果実等)などや、着色を目的としたカ メル、天然着色料などや、その他乳化剤(蔗 脂肪酸エステル、レシチン、グリセリン脂 酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ 等)、安定剤、防腐剤などを添加することも できる。またドライフルーツなどを加えるこ とも栄養、風味、食感改善に望ましい。

 本発明の乾燥食品の製造例を示す。
 まず乾燥食品がビスケットの場合、小麦粉 本発明の乾燥食品用改良材である大豆蛋白 素材と大豆食物繊維を配合し、その他食用 脂と必要に応じてタピオカ澱粉などの澱粉 、食塩、乳製品、卵などを加えて混合、成 し、焼成(乾燥)して製品を得ることができ 。成形、焼成等の態様はビスケットの種類 応じて行うことができる。

 また、乾燥食品が栄養バーの場合、高蛋 質、高脂質、高食物繊維になるように、小 粉を実質的に配合せず、本発明の乾燥食品 改良材として大豆蛋白質素材と大豆食物繊 を配合し、その他食用油脂、難消化デキス リン、澱粉、砂糖、全卵、乾燥果実などを えて混合し、棒状に成型し、焼成(乾燥)し 製品を得ることができる。

 以上のように本発明の乾燥食品用改良材を 燥食品に原材料として配合することにより シロップなどの結着剤やチョコレートコー ィングに頼ることなく、製造後のひび割れ 損壊が抑制された乾燥食品を得ることがで る。還元すれば、原料中に11S蛋白質含量が 減された大豆蛋白質と大豆食物繊維を含有 せることによって乾燥食品の物性改良が可 となる。
 特に蛋白質を高度に含有する場合、さらに 小麦粉の配合量が少なくグルテンで強固な 織を形成し得ない原料配合である場合によ 有効である。
 また、得られる乾燥食品はぱさつきがなく ットリ感が付与され、また歯切れが良く、 溶けの良好な食感も付与される。さらに、 発明の改良材は大豆蛋白質を主成分とする で、それ自身が機能性素材としての役割を うことができ、他の結着剤のように機能性 分の含量を低下させることがなく、高濃度 機能性成分の配合に適する。

 尚、本発明において蛋白質の定量は、ケル ール法により行なうものとする。また、大 蛋白質の定量は、ELISA法により測定し、例 ば、Pepnel社のSoya protein assay kit等が利用で る。7S蛋白質,11S蛋白質の定量は、[J. Agric.  Food Chem.. 1987, 35, 200-205]に記載の方法等に り精製した7S蛋白質,11S蛋白質について、[J N utri Sci Vitaminol, 51, 34-39, 2005]に記載の方法 ポリクローナル抗体を作成し、これらを用 たエライザ法により測定するものとする。
 また、本発明において食物繊維の定量は、 訂日本食品標準成分表で用いられる酵素-重 量法(プロスキー変法)に従い、水溶性食物繊 及び不溶性食物繊維の総量で算出するもの し、プロスキー変法では測定できない低分 の水溶性食物繊維を含む場合には酵素-HPLC により定量し、プロスキー変法で算出した に水溶性食物繊維量として加算するものと る。

 以下、実施例により本発明の実施態様を具 的に説明する。ただし、本発明はこれらの 施例によって、その技術範囲が限定される のではない。なお実施例に使用している%や 比は断りのない限り、すべて重量当たりとす る。
 なお、以下の実施例に使用する分離大豆蛋 質には「ニューフジプロE」(不二製油(株)製 )を、乾燥オカラには(株)マルミ製のものを使 用し、7S蛋白質に富んだ分離大豆蛋白質は国 公開WO2002/28198号に記載される製法に準じて 製したものを使用した。

<試験例1> 分離大豆蛋白質と乾燥おから 配合した高栄養バー
 大豆蛋白素材として分離大豆蛋白質、大豆 物繊維として乾燥オカラを配合した高栄養 ーを以下のように製造した。

■比較例1
 分離大豆蛋白質「ニューフジプロE」(不二 油(株)製)(水分5%、蛋白質90%、脂質0%、炭水化 物0%、灰分5%)を13%、乾燥おから(水分6%、蛋白 24%、脂質14%、糖質8%、食物繊維44%、灰分4%) 17%、大豆油9%、マーガリン(水分15.5%、蛋白質 0.4%、脂質81.6%、炭水化物1.2%、灰分1.3%)を20%、 砂糖16%(水分0.8%、蛋白質0%、脂質0%、炭水化物 99.2%、灰分0%)、全卵(水分76.1%、蛋白質12.3%、 質10.3%、炭水化物0.3%、灰分1.0%)を15%、難消化 デキストリン(水分4.1%、蛋白質0%、脂質0%、炭 水化物95.9%、灰分0%)10%を30分間混練し、得ら た生地を棒状に成形後、170℃、20分間の条件 で焼成して高栄養バーを製造した。
 得られた高栄養バーの乾燥固形分中の成分 量は、蛋白質21.3%(内大豆蛋白質18.9%)、脂質3 5.1%、炭水化物41.5%となった。

■実施例1~3
 次に、比較例1の分離大豆蛋白質(7S蛋白質含 量/粗蛋白質含量が20%、11S蛋白質含量/粗蛋白 含量が40%)の一部を表1の通り、7S蛋白質に富 んだ分離大豆蛋白質(水分5%、蛋白質90%、灰分 5%、7S蛋白質含量/粗蛋白質が90%、11S蛋白質含 /粗蛋白質が2%、以下「分離7S蛋白質」と称 る。)に置換し、高栄養バーの乾燥固形分中 大豆蛋白質中の11S蛋白質含量を比較例1の40% から30%(実施例1)、20%(実施例2)、の10%(実施例3) と低下させて、他は比較例1と同様にして高 養バーを製造した。

 比較例1及び実施例1~3で得られた高栄養バ ーの品質評価を10名のパネラーでおこない、 成時のひび割れ、硬さ、食感、口溶け、風 について評価し、総合評価を◎、○、△、 の記号で表した。表1に評価結果を示した。

(表1)

 表1の結果より、大豆粗蛋白質含量中の11S 蛋白質含量が低下するにつれ、製品の品質が 改良された。特に焼成後のひび割れが改善さ れ、食感、口溶けについては、比較例1がパ つき、咀嚼時に口中の水分が奪われ、水な では容易に飲み込めなかったのに対し、実 例1~3はすべてしっとりとしていながら軽い 感で、咀嚼感も良好で水なしでも容易に飲 込むことができた。また、風味も比較例1で 大豆のこもった臭いが気になったが、実施 ではほとんど気にならなかった。

<試験例2>
■実施例4~8
 次に、実施例2の乾燥おから(水分6%、蛋白質 24%、脂質14%、糖質8%、食物繊維44%、灰分4%)の てまたは一部を表2の通りに難消化デキスト リンに置換し、高栄養バーの乾燥固形分中の 大豆食物繊維の含量を実施例2の17%から0%(実 例4)、2.1%(実施例5)、5.2%(実施例6)、10%(実施例 7)、14.3%(実施例8)と変化させて、他は比較例1 同様にして高栄養バーを製造した。

 比較例1及び実施例4~8で得られた高栄養バ ーの品質評価を10名のパネラーでおこない、 成時のひび割れ、硬さ、食感、口溶け、風 について評価し、総合評価を◎、○、△、 の記号で表した。表2に評価結果を示した。

(表2-1)

(表2-2)

 表2の結果より、実施例4の大豆食物繊維 量が0%では生地が柔らかすぎ、焼成後も固く なり、食感、風味、口溶けが悪かった。実施 例5の大豆食物繊維含量2.1%では生地、焼成後 成型性、焼成後のひび割れが改善され、食 、風味、口溶けに向上が認められた。実施 6、7の大豆食物繊維含量5%、10%では特に食感 がしっとりとしていながら軽く感じられ、咀 嚼感も良好で、水なしでも容易に飲み込むこ とができた。実施例8の大豆食繊維14.3%を超え ると焼成後のひび割れが逆に多くなる傾向と なり、食感もパサつき、口溶けも風味も低下 する傾向にあった。

<試験例3> 大豆粉を配合した高栄養バー
 大豆蛋白素材として大豆を微粉砕(粒度500メ ッシュパス)して得られる大豆粉を配合した 栄養バーを以下のように製造した。

■比較例2
 大豆粉(11S蛋白質含量/粗蛋白質含量が40%、7S 蛋白質含量/粗蛋白質含量が20%、水分6%、蛋白 質37%、脂質27%、糖質6%、食物繊維18%、灰分6%) 40%、マーガリン20%、砂糖15%、全卵15%、難消 デキストリン10%を30分間混練し、得られた 地を棒状に成形後、180℃、20分の条件で焼成 して高栄養バーを製造した。
 得られた高栄養バーの乾燥固形分中の成分 量は、蛋白質20.3%(内大豆蛋白質17.9%)、脂質3 4.7%、炭水化物41.6%となった。

■実施例9
 次に、比較例2の大豆粉を育種により大豆中 の大豆粗蛋白質当りの11S蛋白質含量が25%に低 下し、7S蛋白質含量が35%である大豆粉(水分6% 蛋白質35%、脂質29%、糖質7%、食物繊維18%、 分5%)に全部置換して、他は比較例2と同様に て高栄養バーを製造した。
 得られた高栄養バーの乾燥固形分中の成分 量は比較例2と同等であった。

 比較例2及び実施例9で得られた高栄養バ の品質評価を試験例1と同様にして行った。 3に評価結果を示した。

(表3)

 表3の結果より、実施例9の育種により大 粗蛋白質含量中の11S蛋白質含量が25%に低下 た大豆粉を使用した方が比較例2と比べ、製 の品質が改良された。すなわち、分離7S蛋 質を使用した実施例1~3と同様に優れた評価 あった。この結果より、育種により蛋白質 たりの11S蛋白質を低減し、大豆食物繊維が ともと含まれる大豆粉を使用した場合でも 分離大豆蛋白質及び大豆食物繊維を使用し 場合と同様の効果が得られることが確認で た。

<試験例4> 小麦粉と分離大豆蛋白質、大 食物繊維を使用したハードビスケット
 小麦粉(水分12%、蛋白質8%、炭水化物74%)40%、 分離大豆蛋白質17%、マーガリン15%、大豆食物 繊維10%、デキストリン6%、砂糖5%、全卵3%、卵 殻カルシウム1%、食塩0.5%、重曹0.5%、炭酸ア モニウム2%を比較例3とし、混練30分、焼成180 ℃、20分の条件でハードビスケットを製造し 。使用している分離大豆蛋白質(11S蛋白質含 量/粗蛋白質含量が40%)を、分離7S蛋白質(7S蛋 質含量/粗蛋白質が90%、11S蛋白質含量/粗蛋白 質が2%)に変え、ハードビスケットの乾燥固形 分中の大豆蛋白質中の11S蛋白質含量を比較例 3の40%から実施例10の30%、実施例11の20%、実施 12の10%と低下させて、生地の成形性、焼成 のひび割れ、硬さ、食感、口溶け、風味に いて評価した。評価は10名のパネラーでおこ なった。
表4に大豆粗蛋白質当りの11S蛋白質含量と評 結果を示す。

(表4)

 表4の結果より、実施例10、11、12と大豆粗 蛋白質含量中の11S蛋白質含量が低下するにつ れ、作業性、品質両面で改良され、実施例1~3 と同様に、小麦粉配合したハードビスケット においても効果的であることが確認できた。 食感、口溶け、風味も優れていた。

■実施例13
 実施例1と同じ分離7S大豆蛋白質、食物繊維 ビタミン、ミネラルを配合した高栄養かつ カロリーのクッキータイプの乾燥食品を製 した。
 以下の表5の配合にて、30分間混練し、得ら た生地を縦7cm×横3cm×厚み6mmの長方形に成型 後、オーブンにて160℃、10分間の条件で焼成 てクッキータイプの乾燥食品を製造した。
 得られた乾燥食品は噛み出しが硬めで口内 のホグレ感と口溶け感が良好であり、従来 この種の小麦粉を含有しない高蛋白質の乾 食品では得にくかった食感、口溶け感を有 ていた。

(表5)