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Patent Searching and Data


Title:
DRIVE BELT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/139160
Kind Code:
A1
Abstract:
A drive belt (B) is constituted with a core wire (16) embedded in a belt body (10) that is formed of a rubber composition, with an intervening adhesive layer (17). The adhesive layer (17) comprises a thin film (18), which is disposed to surround the core wire, and which contains 1,3-butadiene monomer, 20 to 90 mol% of which is a 1,2-adduct with polybutadiene.

Inventors:
OHNO KIMICHIKA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/002097
Publication Date:
November 19, 2009
Filing Date:
May 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
BANDO CHEMICAL IND (JP)
OHNO KIMICHIKA (JP)
International Classes:
F16G1/08; C08F36/06; F16G5/06
Foreign References:
JP2007528477A2007-10-11
JP2006300104A2006-11-02
JP2007040363A2007-02-15
JPH07102121A1995-04-18
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hiroshi et al. (JP)
Hiroshi Maeda (JP)
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Claims:
 ゴム組成物で形成されたベルト本体に接着層を介して心線が埋設された伝動ベルトであって、
 上記接着層は、上記心線を囲うように設けられた1,3-ブタジエンモノマーの20~90モル%が1,2-付加したポリブタジエンである1,2-ポリブタジエンを含有する薄層を有する。
 請求項1に記載された伝動ベルトにおいて、
 上記薄層の層厚さが0.1~200μmである。
 ゴム組成物で形成されたベルト本体に接着層を介して心線が埋設された伝動ベルトであって、
 上記心線は、1,3-ブタジエンモノマーの20~90モル%が1,2-付加したポリブタジエンである1,2-ポリブタジエンを含有するゴム糊に浸漬した後に乾燥させる処理が施されている。
 請求項1乃至3のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
 上記1,2-ポリブタジエンがマレイン酸変性1,2-ポリブタジエン又は無水マレイン酸変性1,2-ポリブタジエンである。
 請求項4に記載された伝動ベルトにおいて、
 上記1,2-ポリブタジエンは、酸モノマーの含有量が4~25質量%である。
 請求項1乃至5のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
 上記ベルト本体の上記心線が埋設された部分を形成するゴム組成物の原料ゴムがエチレン-α-オレフィンエラストマーゴムである。
 請求項1乃至6のいずれかに記載された伝動ベルトにおいて、
 上記ベルト本体の上記心線が埋設された部分を形成するゴム組成物における1,2-ポリブタジエンの含有量が原料ゴム100質量部に対して30質量部以下である。
 請求項7に記載された伝動ベルトにおいて、
 上記ベルト本体の上記心線が埋設された部分を形成するゴム組成物には1,2-ポリブタジエンが含まれていない。
 請求項1乃至8のいずれかに記載された伝動ベルトを複数のプーリに巻き掛けたベルト伝動装置。
 ゴム組成物で形成されたベルト本体に接着層を介して心線が埋設された伝動ベルトの製造方法であって、
 心線を、1,3-ブタジエンモノマーの20~90モル%が1,2-付加したポリブタジエンである1,2-ポリブタジエンを含有するゴム糊に浸漬した後に乾燥させる処理を施す工程を備える。
Description:
伝動ベルト

 本発明は、ゴム組成物で形成されたベル 本体に接着層を介して心線が埋設された伝 ベルトに関する。

 自動車等の用途に用いられる伝動ベルト は、ゴム製のベルト本体に心線が埋設され また、場合によっては表面を被覆する補強 が設けられる。そのため、ゴム材料と繊維 料とを接着させる技術が不可欠である。

 例えば、特許文献1~4には、マレイン酸変 又は無水マレイン酸変性液状ポリブタジエ を含有する樹脂系接着剤により心線を接着 理することが開示されている。

 特許文献5~9には、ベルト本体と心線との 着力を向上させるために、ベルト本体を構 するゴム組成物にマレイン酸変性液状ポリ タジエンを含有させることが開示されてい 。

特開2007-154382号公報

特開2006-300267号公報

特開2005-519182号公報

特開2005-511904号公報

特開2007-40363号公報

特開2005-315415号公報

特開2006-161926号公報

特開2006-22917号公報

特開2001-173728号公報

 本発明は、ゴム組成物で形成されたベルト 体に接着層を介して心線が埋設された伝動 ルトであって、
 上記接着層は、上記心線を囲うように設け れた1,3-ブタジエンモノマーの20~90モル%が1,2 -付加したポリブタジエンである1,2-ポリブタ エンを含有する薄層を有する。

 本発明は、ゴム組成物で形成されたベルト 体に接着層を介して心線が埋設された伝動 ルトであって、
 上記心線は、1,3-ブタジエンモノマーの20~90 ル%が1,2-付加したポリブタジエンである1,2- リブタジエンを含有するゴム糊に浸漬した に乾燥させる処理が施されている。

実施形態1に係るVリブドベルトの斜視 である。 Vリブドベルトの横断面の部分拡大図で ある。 (a)及び(b)は実施形態1に係るVリブドベ トの製造方法を示す説明図である。 補機駆動ベルト伝動装置のプーリレイ ウトを示す図である。 実施形態2に係るVリブドベルトの斜視 である。 (a)及び(b)は実施形態2に係るVリブドベ トの製造方法を示す説明図である。 動的接着性評価の試験片を示す斜視図 ある。 動的接着性評価の試験方法を示す説明 である。 ベルト走行試験機のプーリレイアウト 示す図である。

 以下、実施形態を図面に基づいて詳細に 明する。

 (実施形態1)
 図1は、実施形態1に係るVリブドベルトBを示 す。このVリブドベルトBは、例えば、自動車 エンジンルーム内に設けられる補機駆動ベ ト伝動装置において用いられるものであり ベルト周長が700~3000mm、ベルト幅が10~36mm、 びベルト厚さが4.0~5.0mmに形成されている。

 実施形態1に係るVリブドベルトBは、ゴム のVリブドベルト本体10に、ベルト幅方向に ッチを有する螺旋を形成するように心線16 接着層17を介して埋設されている。そして、 接着層17は、心線16を囲うように設けられた1, 2-ポリブタジエンを含有する薄層18を有する ここで、本出願において「1,2-ポリブタジエ 」とは、1,3-ブタジエンモノマーの20~90モル% が1,2-付加したポリブタジエンをいう。また 1,2-ポリブタジエンにおける1,2-付加した1,3- タジエンモノマーのモル分率を「1,2-ビニル 有量」という。

 Vリブドベルト本体10は、ベルト外周側の さが例えば1.0~2.5mmに形成された断面横長矩 の帯状に構成された部分とベルト内周側の ーリ接触部分を構成する複数のVリブ13が垂 するように設けられた部分とを有する。複 のVリブ13は、各々がベルト長さ方向に延び 断面略逆三角形の突条に形成されていると に、ベルト幅方向に並設されている。各Vリ ブ13は、例えば、リブ高さが2.0~3.0mm、基端間 幅が1.0~3.6mmに形成されている。また、リブ は、例えば3~6個である(図1では、リブ数が6) 。Vリブドベルト本体10は、原料ゴムに種々の 配合剤が配合されたゴム組成物で形成されて いる。

 Vリブドベルト本体10を構成するゴム組成 の原料ゴムとしては、例えば、エチレン・ ロピレンゴム(EPR)やエチレンプロピレンジ ンモノマーゴム(EPDM)などのエチレン-α-オレ ィンエラストマーゴム、クロロプレンゴム( CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM) 水素添加アクリロニトリルゴム(H-NBR)等が挙 げられる。これらのうち、環境に対する配慮 や耐摩耗性、耐クラック性などの性能の観点 から、エチレン-α-オレフィンエラストマー ムが好ましい。原料ゴムは、単一種で構成 れていてもよく、また、複数種がブレンド れて構成されていてもよい。但し、原料ゴ は、1,2-ポリブタジエンを含有しない。

 Vリブドベルト本体10を構成するゴム組成 の配合剤としては、例えば、架橋剤(例えば 、硫黄、有機過酸化物)、老化防止剤、加工 剤、可塑剤、カーボンブラック(ヨウ素吸着 が40mg/g以下の大粒径カーボンブラックを含 )などの補強材、充填材、超高分子量ポリエ チレン粒子(重量平均分子量100万以上)、短繊 14等が挙げられる。

 Vリブドベルト本体10を構成するゴム組成 には、好ましくは原料ゴム100質量部に対し 30質量部以下、より好ましくは10質量部以下 の1,2-ポリブタジエンが含まれていてもよい のの、5質量部以下で実質的に1,2-ポリブタジ エンが含まれていない乃至1,2-ポリブタジエ が全く含まれていないことが最も好ましい

 なお、Vリブドベルト本体10を形成するゴ 組成物は、原料ゴムに配合剤が配合されて 練された未架橋ゴム組成物を加熱及び加圧 て架橋剤により架橋させたものである。

 上記のように、Vリブドベルト本体10を形 するゴム組成物には短繊維14が配合されて てもよいが、その短繊維14は、ベルト幅方向 に配向するように設けられていることが好ま しい。また、短繊維14のうち一部分は、プー 接触表面、つまり、Vリブ13表面に露出する 、Vリブ13表面に露出した短繊維14は、Vリブ1 3表面から突出していていることが好ましい なお、Vリブ13表面に短繊維が植毛された構 であってもよい。

 短繊維14としては、例えば、ナイロン短 維、アラミド短繊維、ポリエステル短繊維 ビニロン短繊維、綿短繊維等が挙げられる

 短繊維14は、例えば、レゾルシン・ホル リン・ラテックス水溶液(以下「RFL水溶液」 いう。)等に浸漬した後に加熱する接着処理 が施された長繊維を長さ方向に沿って所定長 に切断して製造される。短繊維14は、例えば 長さが0.2~5.0mm、繊維径が10~50μmである。

 短繊維14は、原料ゴム100質量部に対する 有量が例えば5~25質量部である。

 心線16は、例えば、撚り糸、組紐等で構 され、太さが2000~11000dtex、心線径が0.60~1.25mm ある。

 心線16を構成する繊維材料としては、例 ば、ポリエステル繊維(PET)、芳香族ポリアミ ド繊維(アラミド繊維)、ナイロン繊維、ガラ 繊維、炭素繊維、ポリケトン繊維、ポリエ レンナフタレート繊維(PEN)、ビニロン繊維 PBO繊維、綿糸等が挙げられる。

 心線16は、Vリブドベルト本体10に対する 着性を付与するため、成形加工前に接着処 が施されている。

 接着処理としては、第1処理(下地処理)、 2処理(RFL処理)、及び第3処理(ゴム糊処理)が げられる。この接着処理により、図2に示す ように、心線16を囲うように接着層17が設け れる。接着層17の層厚さは例えば1~10μmであ 。心線16には、少なくとも第3処理が施され おり、そのため接着層17は、1,2-ポリブタジ ンを含有する薄層18を有する。薄層18の層厚 は例えば0.1~200μmであることが好ましい。な お、第3処理は、第1処理及び/又は第2処理を した心線16に施されることが好ましく、その 場合、心線16と薄層18との間に下地及び/又はR FLの層が介在することとなる。

 近年、伝動ベルトはこれまでよりも高温 び高負荷の条件下で使用されることが多く それに伴い、心線とベルト本体との間に発 する剪断歪みや剪断応力も大きくなり、そ 結果、心線がベルト本体から剥離して飛び すといった破損が問題となる。しかしなが 、上記のように接着層17が1,2-ポリブタジエ を含有する薄層18を有することにより、耐 性を損なわずにVリブドベルト本体10と心線16 との高い接着性を得ることができる。

 以下、第1~第3処理について説明する。

 -第1処理(下地処理)-
 第1処理は、心線16を下地処理液に浸漬した に加熱する処理である。

 下地処理液は、例えば、下地処理剤を溶 に溶解させた溶液が挙げられる。

 下地処理剤としては、例えば、エポキシ 合物、イソシアネート化合物、ブロックイ シアネート化合物等が挙げられる。下地処 剤は、単一種で構成されていてもよく、ま 、複数種が混合されたもので構成されてい もよい。

 溶媒としては、例えば、水の他、トルエ やメチルエチルケトン(MEK)などの有機溶剤 が挙げられる。

 下地処理液には、その他に界面活性剤、 着性を向上させる成分等が含まれていても い。

 下地処理液の固形分濃度は、下地処理剤 種類によっても相異するが、例えば3~25質量 %である。下地処理液の粘度は例えば0.5~50cPで ある。

 第1処理における下地処理液への浸漬時間 は例えば0.5~5秒である。第1処理における加熱 温度は、下地処理剤の種類によっても相異す るが、例えば180~270℃である。第1処理におけ 加熱時間は、下地処理剤の種類によっても 異するが、例えば30秒~2分である。第1処理 おける加熱時の張力は、心線16を構成する繊 維材料の種類によっても相異するが、例えば 0.002~0.030N/dtexである。

 心線16に対する下地処理剤の固形分付着 は、心線16の乾燥質量に対して例えば1.0~7.0 量%の量である。

 この第1処理は、単数回施してもよく、ま た、複数回繰り返して施してもよい。

 -第2処理(RFL処理)-
 第2処理は、未接着処理の心線16或いは第1処 理を施した心線16をRFL水溶液に浸漬した後に 熱する処理である。

 RFL水溶液は、レゾルシン(R)及びホルマリ (F)の初期縮合物と、ラテックス(L)との混合 溶液である。

 ラテックス(L)としては、例えば、スチレ ・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合 ゴムラテックス、クロロスルフォン化ポリ チレンゴムラテックス、ニトリルゴムラテ クス、水素添加アクリロニトリルゴムラテ クス、エピクロルヒドリンゴムラテックス スチレンブタジエンゴムラテックス、クロ プレンゴムラテックス、塩素化ブタジエン ムラテックス、オレフィン-ビニルエステル 共重合体ゴムラテックス、天然ゴムラテック ス等が挙げられる。ラテックス(L)は、単一種 で構成されていてもよく、また、複数種が混 合されたもので構成されていてもよい。

 R/L(モル比)は、例えば1/1~1/4である。RF/L( 量比)は、例えば1/1.5~1/20である。

 RFL水溶液には、その他に界面活性剤、ZnO ブロックドイソシアネート等が含まれてい もよい。

 RFL水溶液の固形分濃度は例えば3~25質量% ある。RFL水溶液の粘度は例えば1~200cPである

 第2処理におけるRFL水溶液への浸漬時間は 例えば1~25秒である。第2処理における加熱温 は例えば150~280℃である。第2処理における 熱時間は例えば30秒~2分である。第2処理にお ける加熱時の張力は、心線16を構成する繊維 料の種類によっても相異するが、例えば0.00 2~0.040N/dtexである。

 心線16に対するRFLの固形分付着量は、心 16の乾燥質量に対して例えば0.5~8質量%の量で ある。

 この第2処理は、単数回施してもよく、ま た、複数回繰り返して施してもよいが、均一 な付着を得るためには2~3回繰り返すことが好 ましい。

 -第3処理(ゴム糊処理)-
 第3処理は、未接着処理の心線16或いは第1処 理及び/又は第2処理を施した心線16をゴム糊 浸漬した後に乾燥させる処理である。

 ゴム糊は、1,2-ポリブタジエンをトルエン やメチルエチルケトン(MEK)などの有機溶剤に 解させた溶液である。

 1,2-ポリブタジエンは、1,2-ビニル含有量 20~90モル%のポリブタジエンであるが、1,2-ビ ル含有量が60~90モル%であることがより好ま い。

 1,2-ポリブタジエンは、マレイン酸変性部 分を含むマレイン酸変性1,2-ポリブタジエン あってもよく、また、無水マレイン酸変性 分を含む無水マレイン酸変性1,2-ポリブタジ ンであってもよく、さらに、それらの両方 含むものであってもよい。この場合、酸モ マーの含有量(酸含有量)は4~25質量%であるこ とが好ましい。

 1,2-ポリブタジエンとしては、具体的には 、例えば、Sartomer Technology Company社製のRicon( 録商標)シリーズ及びRicobond(登録商標)シリ ズが挙げられる。

 ゴム糊の固形分における1,2-ポリブタジエ ンの含有量は例えば10~100質量%である。

 ゴム糊には、その他にゴム組成物等が含 れていてもよい。

 ゴム糊の固形分濃度は例えば3~25質量%で る。ゴム糊の粘度は例えば0.5~100cPである。

 第3処理におけるゴム糊への浸漬時間は例 えば0.2~5秒である。第3処理における乾燥温度 は例えば55~120℃である。第3処理における乾 時間は例えば30秒~21分である。第3処理にお る乾燥時の張力は、心線16を構成する繊維材 料の種類によっても相異するが、例えば0.002~ 0.030N/dtexである。

 心線16に対するゴム糊による固形分付着 は、心線16の乾燥質量に対して例えば0.5~10質 量%の量である。

 次に、実施形態1に係るVリブドベルトBの 造方法を、図3(a)及び(b)に基づいて説明する 。

 実施形態1に係るVリブドベルトBの製造で 、外周に、ベルト背面を所定形状に形成す 成形面を有する内金型と、内周に、ベルト 側を所定形状に形成する成形面を有するゴ スリーブとを用いる。

 まず、内金型の外周をVリブドベルト本体 10の心線16よりも外側部分を形成するための 架橋ゴムシート10a’を巻き付け、次いで、 の上に、心線16となる接着処理済糸16’を螺 状に巻き付けた後、さらにその上に、心線1 6よりも内側部分を形成するための未架橋ゴ シート10b’を巻き付ける。なお、未架橋ゴ シート10a’,10b’が短繊維14を含む場合、巻 方向に直交する方向に短繊維14が配向したも のを用いる。

 しかる後、内金型上の成形体にゴムスリ ブを被せてそれを成形釜にセットし、内金 を高熱の水蒸気などにより加熱すると共に 高圧をかけてゴムスリーブを半径方向内方 押圧する。このとき、原料ゴムが流動する 共に架橋反応が進行し、加えて、接着処理 糸16’のゴムへの接着反応も進行する。そ て、これによって、筒状のベルトスラブ(ベ ト本体プリフォーム)が成形される。

 そして、内金型からベルトスラブを取り し、それを長さ方向に数個に分割した後、 れぞれの外周を研磨切削してVリブ13、つま 、プーリ接触部分を形成する。このとき、 ーリ接触表面に露出する短繊維14は、プー 接触表面、つまり、Vリブ13表面から突出し 形態となっていてもよい。

 最後に、分割されて外周にVリブ13が形成 れたベルトスラブを所定幅に幅切りし、そ ぞれの表裏を裏返すことにより実施形態1に 係るVリブドベルトBが得られる。

 次に、上記VリブドベルトBを用いた自動 のエンジンルームに設けられる補機駆動ベ ト伝動装置40について説明する。

 図4は、その補機駆動ベルト伝動装置40の ーリレイアウトを示す。この補機駆動ベル 伝動装置40は、4つのリブプーリ及び2つの平 プーリの6つのプーリに巻き掛けられたサー ンタインドライブ方式のものである。

 この補機駆動ベルト伝動装置40のレイア トは、最上位置のパワーステアリングプー 41、そのパワーステアリングプーリ41の下方 配置されたACジェネレータプーリ42、パワー ステアリングプーリ41の左下方に配置された プーリのテンショナプーリ43と、そのテン ョナプーリ43の下方に配置された平プーリの ウォーターポンププーリ44と、テンショナプ リ43の左下方に配置されたクランクシャフ プーリ45と、そのクランクシャフトプーリ45 右下方に配置されたエアコンプーリ46とに り構成されている。これらのうち、平プー であるテンショナプーリ43及びウォーターポ ンププーリ44以外は全てリブプーリである。 して、VリブドベルトBは、Vリブ13側が接触 るようにパワーステアリングプーリ41に巻き 掛けられ、次いで、ベルト背面が接触するよ うにテンショナプーリ43に巻き掛けられた後 Vリブ13側が接触するようにクランクシャフ プーリ45及びエアコンプーリ46に順に巻き掛 けられ、さらに、ベルト背面が接触するよう にウォーターポンププーリ44に巻き掛けられ そして、Vリブ13側が接触するようにACジェ レータプーリ42に巻き掛けられ、最後にパワ ーステアリングプーリ41に戻るように設けら ている。

 (実施形態2)
 図5は、実施形態2に係るVリブドベルトBを示 す。なお、実施形態1と同一名称の部分は実 形態1と同一符号で示す。

 実施形態2に係るVリブドベルトBでは、Vリ ブドベルト本体10は、ベルト外周側の接着ゴ 層11とベルト内周側の圧縮ゴム層12との二重 層に構成されており、そのVリブドベルト本 10のベルト外周側表面に補強布15が貼設され また、接着ゴム層11に、ベルト幅方向にピ チを有する螺旋を形成するように心線16が接 着層17を介して埋設されている。そして、接 層17は、心線16を囲うように設けられた1,2- リブタジエンを含有する薄層18を有する。

 接着ゴム層11は、断面横長矩形の帯状に 成され、厚さが例えば1.0~2.5mmに形成されて る。接着ゴム層11は、原料ゴムに種々の配合 剤が配合されたゴム組成物で形成されている 。

 接着ゴム層11を構成するゴム組成物の原 ゴムとしては、例えば、エチレン・プロピ ンゴム(EPR)やエチレンプロピレンジエンモノ マーゴム(EPDM)などのエチレン-α-オレフィン ラストマーゴム、クロロプレンゴム(CR)、ク ロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素 加アクリロニトリルゴム(H-NBR)等が挙げられ 。これらのうち、環境に対する配慮や耐摩 性、耐クラック性などの性能の観点から、 チレン-α-オレフィンエラストマーゴムが好 ましい。原料ゴムは、単一種で構成されてい てもよく、また、複数種がブレンドされて構 成されていてもよい。

 接着ゴム層11を構成するゴム組成物の配 剤としては、例えば、架橋剤(例えば、硫黄 有機過酸化物)、老化防止剤、加工助剤、可 塑剤、カーボンブラック(ヨウ素吸着量が40mg/ g以下の大粒径カーボンブラックを含む)など 補強材、充填材等が挙げられる。

 なお、接着ゴム層11を形成するゴム組成 は、原料ゴムに配合剤が配合されて混練さ た未架橋ゴム組成物を加熱及び加圧して架 剤により架橋させたものである。

 圧縮ゴム層12は、プーリ接触部分を構成 る複数のVリブ13がベルト内周側に垂下する うに設けられている。これらの複数のVリブ1 3は、各々がベルト長さ方向に延びる断面略 三角形の突条に形成されていると共に、ベ ト幅方向に並設されている。各Vリブ13は、 えば、リブ高さが2.0~3.0mm、基端間の幅が1.0~3 .6mmに形成されている。また、リブ数は、例 ば3~6個である(図5では、リブ数が6)。圧縮ゴ 層12は、実施形態1のVリブドベルト本体10を 成するゴム組成物と同様のゴム組成物で形 されている。

 補強布15は、例えば、綿、ポリアミド繊 、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の糸 形成された平織、綾織、朱子織等に製織し 織布で構成されている。補強布15は、Vリブ ベルト本体10に対する接着性を付与するため に、成形加工前にRFL水溶液に浸漬して加熱す る接着処理及び/又はVリブドベルト本体10側 なる表面にゴム糊をコーティングして乾燥 せる接着処理が施されている。なお、補強 15の代わりにベルト外周側表面部分がゴム組 成物で構成されていてもよい。また、補強布 15は、編物で構成されていてもよい。

 次に、実施形態2に係るVリブドベルトBの 造方法を、図6(a)及び(b)に基づいて説明する 。

 実施形態2に係るVリブドベルトBの製造で 、外周に、ベルト背面を所定形状に形成す 成形面を有する内金型と、内周に、ベルト 側を所定形状に形成する成形面を有するゴ スリーブとを用いる。

 まず、内金型の外周を補強布15となる接 処理済布15’で被覆した後、その上に、接着 ゴム層11の外側部分11bを形成するための未架 ゴムシート11b’を巻き付け、次いで、その に、心線16となる接着処理済糸16’を螺旋状 に巻き付けた後、その上に、接着ゴム層11の 側部分11aを形成するための未架橋ゴムシー 11a’を巻き付け、さらにその上に、圧縮ゴ 層12を形成するための未架橋ゴムシート12’ を巻き付ける。なお、圧縮ゴム層12を形成す 未架橋ゴムシート12’が短繊維14を含む場合 、巻付方向に直交する方向に短繊維14が配向 たものを用いる。

 しかる後、内金型上の成形体にゴムスリ ブを被せてそれを成形釜にセットし、内金 を高熱の水蒸気などにより加熱すると共に 高圧をかけてゴムスリーブを半径方向内方 押圧する。このとき、原料ゴムが流動する 共に架橋反応が進行し、加えて、接着処理 糸16’及び接着処理済布15’のゴムへの接着 反応も進行する。そして、これによって、筒 状のベルトスラブ(ベルト本体プリフォーム) 成形される。

 そして、内金型からベルトスラブを取り し、それを長さ方向に数個に分割した後、 れぞれの外周を研磨切削してVリブ13、つま 、プーリ接触部分を形成する。このとき、 ーリ接触表面に露出する短繊維14は、プー 接触表面、つまり、Vリブ13表面から突出し 形態となっていてもよい。

 最後に、分割されて外周にVリブ13が形成 れたベルトスラブを所定幅に幅切りし、そ ぞれの表裏を裏返すことにより実施形態2に 係るVリブドベルトBが得られる。

 その他の構成、作用・効果は実施形態1と 同一である。

 (その他の実施形態)
 上記実施形態1及び2では、Vリブドベルドベ トBとしたが、特にこれに限定されるもので はなく、ローエッジ型のVベルト、歯付ベル 、平ベルト等であってもよい。

 (接着処理液)
 以下の接着処理液を調製した。各配合を表1 にも示す。

 <下地処理液>
 イソシアネート(住化バイエルウレタン社製  商品名:スミジュール44V20)160に対してトルエ ン840の質量割合で混合して得た溶液を下地処 理液として調整した。この下地処理液は、固 形分濃度が16質量%であり、粘度が0.84cPであっ た。

 <RFL水溶液>
 レゾルシン(R)9.2、37%ホルマリン(F)13.5、水酸 化ナトリウム(NaOH)0.5、2,3-ジクロロブタジエ (2,3-DCB)ゴムラテックス(東ソー社製 商品名:L H430)266.7、及び水710.1の質量割合で混合したRFL 水溶液を調整した。このRFL水溶液は、固形分 濃度が10質量%であり、粘度が10cPであった。

 なお、RFL水溶液の調整の際には、レゾル ン(R)、ホルマリン(F)及び水酸化ナトリウム( NaOH)を水に溶解させて水溶液を調整し、それ 2時間攪拌して縮合反応させ、それを2,3-ジ ロロブタジエン(2,3-DCB)ゴムラテックスに残 の水を混合したものに添加した。

 <ゴム糊1>
 マレイン酸変性1,2-ポリブタジエン(Sartomer T echnology Company社製 商品名:Ricobond1756、1,2-ビ ル含有量70モル%、酸含有量17質量%)150に対し トルエン850の質量割合で混合して得た溶液 ゴム糊1として調整した。このゴム糊1は、 形分濃度が15質量%であり、粘度が1.2cPであっ た。

 <ゴム糊2>
 1,2-ポリブタジエン(Sartomer Technology Company社 製 商品名:Ricon130、1,2-ビニル含有量28モル%、 酸含有量0質量%)150に対してトルエン850の質量 割合で混合して得た溶液をゴム糊2として調 した。このゴム糊2は、固形分濃度が15質量% あり、粘度が1.5cPであった。

 <ゴム糊3>
 1,2-ポリブタジエン(Sartomer Technology Company社 製 商品名:Ricon157、1,2-ビニル含有量70モル%、 酸含有量0質量%)150に対してトルエン850の質量 割合で混合して得た溶液をゴム糊3として調 した。このゴム糊3は、固形分濃度が15質量% あり、粘度が1.1cPであった。

 <ゴム糊4>
 マレイン酸変性1,2-ポリブタジエン(Sartomer T echnology Company社製 商品名:Ricobond1031、1,2-ビ ル含有量25モル%、酸含有量10質量%)150に対し トルエン850の質量割合で混合して得た溶液 ゴム糊4として調整した。このゴム糊4は、 形分濃度が15質量%であり、粘度が1.6cPであっ た。

 <ゴム糊5>
 1,4-ポリブタジエン(JSR社製 商品名:BR01、1,2- ビニル含有量4モル%以下、酸含有量0質量%)150 対してトルエン850の質量割合で混合して得 溶液をゴム糊5として調整した。このゴム糊 5は、固形分濃度が15質量%であり、粘度が4.0cP であった。

 (ゴム組成物)
 以下のゴム組成物A~Cを調製した。各配合を 2にも示す。

 <ゴム組成物A>
 EPDM(JSR社製 商品名:EP24)を原料ゴムとし、こ の原料ゴム100質量部に対して、酸化亜鉛(堺 学工業社製 商品名:亜鉛華1号)5質量部、ス アリン酸(日油社製 商品名:ビーズステアリ 酸 椿)1質量部、老化防止剤(大内新興化学 製 商品名:ノクラックMB)1質量部、FEFカーボ ブラック(東海カーボン社製 商品名:シース トSO)60質量部、オイル1(日本サン石油社製 商 品名:サンパー2280)10質量部、オイルサルファ (鶴見化学工業社製 商品名:オイル硫黄)0.5 量部、有機過酸化物架橋剤(日油社製 商品 :パークミルD)4質量部、共架橋剤(精工化学社 製 商品名:ハイクロスM)2質量部、及び短繊維 (帝人社製 商品名:テクノーラ、繊維長3mm、 着処理済)10質量部を配合・混練し、それを ム組成物Aとした。

 <ゴム組成物B>
 メタクリル酸亜鉛補強H-NBR(日本ゼオン社製 商品名:ゼオフォルテZSC2295CX)とH-NBR(日本ゼオ ン社製 商品名:Zetpol2020)とを前者/後者=70/30の 質量割合で混合したブレンドゴムを原料ゴム とし、この原料ゴム100質量部に対して、酸化 亜鉛(堺化学工業社製 商品名:亜鉛華1号)5質 部、ステアリン酸(日油社製 商品名:ビーズ テアリン酸 椿)1質量部、老化防止剤(大内 興化学社製 商品名:ノクラックMB)1質量部、F EFカーボンブラック(東海カーボン社製 商品 :シーストSO)40質量部、オイル2(旭電化工業 製 商品名:アデカサイザーRS107)10質量部、オ イルサルファー(鶴見化学工業社製 商品名: イル硫黄)0.5質量部、有機過酸化物架橋剤(日 油社製 商品名:パークミルD)4質量部、及び共 架橋剤(精工化学社製 商品名:ハイクロスM)2 量部を配合・混練し、それをゴム組成物Bと た。

 <ゴム配合C>
 原料ゴム100質量部に対してマレイン酸変性1 ,2-ポリブタジエン(Sartomer Technology Company社製  商品名:Ricobond1756)40質量部を配合し、且つ短 繊維を配合していないことを除いてゴム組成 物Aと同一のゴム組成物を配合・混練し、そ をゴム組成物Cとした。

 (試験評価用心線)
 以下の実施例1~8並びに比較例1~4の心線を作 した。各構成を表3にも示す。

 <実施例1>
 芳香族ポリアミド繊維(帝人社製 商品名:テ クノーラ)の1100dtex/1×3(下撚り数20回/10cm及び 撚り数20回/10cm)構成の撚り糸の心線に、上記 下地処理液を用いた第1処理(下地処理)、上記 RFL水溶液を用いた第2処理(RFL処理)、及び上記 ゴム糊1を用いた第3処理(ゴム糊処理)の接着 理を施したものを実施例1とした。

 第1処理では、下地処理液への浸漬時間を 1.2秒、加熱温度を245℃、加熱時間を60秒、及 加熱時の張力を0.005N/dtexとした。心線に対 る下地処理剤の固形分付着量は心線の乾燥 量に対して3.4質量%の量であった。

 第2処理では、RFL水溶液への浸漬時間を8 、加熱温度を230℃、加熱時間を60秒、及び加 熱時の張力を0.006N/dtexとした。また、第2処理 の処理回数を2回とした。心線に対するRFLの 形分付着量は心線の乾燥質量に対して5.4質 %の量であった。

 第3処理では、ゴム糊1への浸漬時間を1.2 、乾燥温度を100℃、乾燥時間を60秒、及び乾 燥時の張力を0.006N/dtexとした。心線に対する ム糊1による固形分付着量は心線の乾燥質量 に対して2.5質量%の量であった。

 <実施例2>
 第3処理においてゴム糊2を用いたことを除 て実施例1と同一の接着処理を施した心線を 製し、それを実施例2とした。心線に対する ゴム糊2による固形分付着量は心線の乾燥質 に対して3.0質量%の量であった。

 <実施例3>
 第3処理においてゴム糊3を用いたことを除 て実施例1と同一の接着処理を施した心線を 製し、それを実施例3とした。心線に対する ゴム糊3による固形分付着量は心線の乾燥質 に対して2.8質量%の量であった。

 <実施例4>
 第3処理においてゴム糊4を用いたことを除 て実施例1と同一の接着処理を施した心線を 製し、それを実施例4とした。心線に対する ゴム糊4による固形分付着量は心線の乾燥質 に対して4.5質量%の量であった。

 <実施例5>
 第2処理を施していないことを除いて実施例 1と同一の接着処理を施した心線を作製し、 れを実施例5とした。心線に対するゴム糊1に よる固形分付着量は心線の乾燥質量に対して 3.6質量%の量であった。

 <実施例6>
 第1及び第2処理を施していないことを除い 実施例1と同一の接着処理を施した心線を作 し、それを実施例6とした。心線に対するゴ ム糊1による固形分付着量は心線の乾燥質量 対して5.8質量%の量であった。

 <実施例7>
 ポリエステル繊維(帝人社製 商品名:テトロ ン)の1100dtex/1×3(下撚り数12回/10cm及び上撚り 12回/10cm)構成の撚り糸の心線を用いたことを 除いて実施例5と同一の接着処理を施した心 を作製し、それを実施例7とした。心線に対 る下地処理剤の固形分付着量は心線の乾燥 量に対して3.1質量%の量であった。心線に対 するゴム糊1による固形分付着量は心線の乾 質量に対して2.3質量%の量であった。

 <実施例8>
 ナイロン6,6繊維(旭化成社製 商品名:レオナ )の1400dtex/1×3(下撚り数15回/10cm及び上撚り数15 回/10cm)構成の撚り糸の心線を用いたことを除 いて実施例5と同一の接着処理を施した心線 作製し、それを実施例8とした。心線に対す 下地処理剤の固形分付着量は心線の乾燥質 に対して4.2質量%の量であった。心線に対す るゴム糊1による固形分付着量は心線の乾燥 量に対して4.1質量%の量であった。

 <比較例1>
 第3処理を施していないことを除いて実施例 1と同一の接着処理を施した心線を作製し、 れを比較例1とした。

 <比較例2>
 第3処理の代わりに第2処理を施したことを いて実施例7と同一の接着処理を施した心線 作製し、それを比較例2とした。心線に対す るRFLの固形分付着量は心線の乾燥質量に対し て4.8質量%の量であった。

 <比較例3>
 第3処理の代わりに第2処理を施したことを いて実施例8と同一の接着処理を施した心線 作製し、それを比較例3とした。心線に対す るRFLの固形分付着量は心線の乾燥質量に対し て5.5質量%の量であった。

 <比較例4>
 第3処理においてゴム糊5を用いたことを除 て実施例1と同一の接着処理を施した心線を 製し、それを比較例4とした。心線に対する ゴム糊5による固形分付着量は心線の乾燥質 に対して4.0質量%の量であった。

 (試験評価方法)
 <動的接着性評価>
 実施例1~8並びに比較例1~4のそれぞれの接着 理を施した心線について、ゴム組成物Aを被 着ゴムとして、図7に示すような1cm×1cm×2cmの 方体状のゴムブロック71の長尺側面の中心 心線72を貫通状態に設けて接着した試験片70 プレス成形した。

 実施例1~4並びに比較例1及び4のそれぞれ 接着処理を施した心線について、ゴム組成 Bを被着ゴムとして、同様の試験片をプレス 形した。

 実施例1の接着処理を施した心線について 、ゴム組成物Cを被着ゴムとして、同様の試 片をプレス成形した。なお、この実施例1の 線とゴム組成物Cとの組合せを比較例5とす 。

 そして、図8に示すように、上方に設けら れたロードセル81に下向きに開口するように り付けられたC字状のゴム固定治具82に、開 から心線が垂下するようにゴムブロック71 固定すると共に、下方に設けられたチャッ 83に心線72の先端を固定して試験片70をセッ した。130℃の温度雰囲気下で、チャック83に より心線72に対して荷重幅0~58.8N及び周波数10H zの荷重振動を与え、心線72がゴムブロック71 ら抜けるまでの振動回数を計測した。

 <ベルト走行評価>
 実施例1~6並びに比較例1及び4のそれぞれの 線を用い、Vリブドベルト本体をゴム組成物A で形成した実施形態1と同様の構成のVリブド ルトを作製した。なお、ベルト周長を1000mm ベルト幅を10.68mm、及びベルト厚さを4.8mmと 、そして、リブ数を3個とした。

 実施例1の心線を用い、接着ゴム層をゴム 組成物C及び圧縮ゴム層をゴム組成物Aでそれ れ形成し、補強布を設けない態様の実施形 2と同様の構成のVリブドベルトを作製した( 較例5)。なお、ベルト周長を1000mm、ベルト を10.68mm、及びベルト厚さを4.8mmとし、そし 、リブ数を3個とした。

 図9は、ベルト走行試験機90のプーリレイ ウトを示す。

 このベルト走行試験機90は、最下部に設 られたプーリ径120mmの駆動リブプーリ91と、 の上方に設けられたプーリ径120mmの従動リ プーリ92と、それらの上下方向の中間に設け られたプーリ径70mmのアイドラー平プーリ93と 、そのアイドラー平プーリ93の右側方に設け れた左右に可動なプーリ径55mmのテンション リブプーリ94と、を備えている。

 このベルト走行試験機90に、Vリブドベル Bを、リブ部が接触するように駆動リブプー リ91、従動リブプーリ92、及びテンションリ プーリ94のそれぞれに巻き掛け、また、ベル ト背面が接触するようにアイドラー平プーリ 93に巻き掛け、そして、従動リブプーリ92に11 .8kWの負荷をかけると共に、テンションリブ ーリ94に左方に834Nの張力を負荷して固定し 130℃の温度雰囲気下で、駆動リブプーリ91を 4900rpmの回転数で回転させてVリブドベルトBを 走行させ、心線がVリブドベルト本体から剥 して飛び出すまでの走行時間をベルト走行 命として計測した。なお、比較例5のみは接 ゴム層にクラックが発生した時点の走行時 をベルト走行寿命とした。

 また、未走行のVリブドベルトの初期強度 を測定すると共に、上記と同様の走行試験で 200時間(比較例4については72時間)ベルト走行 たVリブドベルトの強度を測定し、そして、 Vリブドベルトの初期強度に対するベルト走 後の強度の強度維持率を算出した。

 (試験評価結果)
 試験評価結果を表4に示す。

 表4によれば、動的接着性は、被着ゴムが ゴム組成物Aの場合、実施例1が20980回、実施 2が15230回、実施例3が16570回、実施例4が17420 、実施例5が16730回、実施例6が14170回、実施 7が58640回、及び実施例8が35120回であり、一 、比較例1が2460回、比較例2が9860回、比較例3 が9080回、及び比較例4が4110回であった。また 、被着ゴムがゴム組成物Bの場合、実施例1が4 6200回、実施例2が23340回、実施例3が27110回、 び実施例4が30190回であり、一方、比較例1が6 050回、及び比較例4が4920回であった。さらに 被着ゴムがゴム組成物Cの場合、比較例5が25 110回であった。

 ベルト走行寿命は、実施例1が1000時間、 施例2が513時間、実施例3が502時間、実施例4 678時間、実施例5が606時間、及び実施例6が453 時間であり、一方、比較例1が192時間、比較 4が72時間、及び比較例5が514時間であった。

 強度維持率は、実施例1が91%、実施例2が83 %、実施例3が88%、実施例4が84%、実施例5が85% 及び実施例6が80%であり、一方、比較例1が61% 、比較例4が63%、及び比較例5が55%であった。

 薄層の層厚さは、実施例1が2.1μm、実施例 2が1.5μm、実施例3が1.1μm、実施例4が1.8μm、実 施例5が1.8μm、及び実施例6が2.3μmであり、一 、比較例1が1.9μm、及び比較例4が1.7μmであ た。

 本発明は、ゴム組成物で形成されたベル 本体に接着層を介して心線が埋設された伝 ベルトについて有用である。

B Vリブドベルト
10 Vリブドベルト本体
16 心線
17 接着層
18 薄層




 
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