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Title:
DRIVING FORCE CONTROLLER AND DRIVING FORCE CONTROL METHOD OF WORKING VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/146846
Kind Code:
A1
Abstract:
Such problems as deterioration of work efficiency due to tire slip, lowering of durability due to damage of a tire, and increase in burden of tire exchange expense on the user are solved by preventing repetitive occurrence of tire slip under a situation with the risk of occurrence of tire slip, e.g. during excavation work. The working vehicleof the present invention includes a working machine by which engine power is transmitted as driving force to a tire through a transmission passage. In the driving force transmission passage of the working vehicle, a driving device varying means for varying the driving force transmitted to the tire freely is provided. A tire slip detection means detects the occurrence of tire slip. When tire slip is detected by the tire slip detection means, a driving force measuring means measures the driving force at the time when tire slip is detected. A driving force control means controls the driving force varying means such that the driving force becomes lower than that at the time when tire slip is detected.

Inventors:
SAITO, Yoshiaki (KOMATSU LTD. Mooka Plant 26 Matsuyama-cho, Mooka-shi Tochigi, 46, 3214346, JP)
Application Number:
JP2008/059818
Publication Date:
December 04, 2008
Filing Date:
May 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KOMATSU LTD. (2-3-6 Akasaka, Minato-ku Tokyo, 14, 1078414, JP)
株式会社小松製作所 (〒14 東京都港区赤坂2-3-6 Tokyo, 1078414, JP)
International Classes:
F16D48/02; F16H61/46; F16H61/472; F16H59/44
Foreign References:
JP2001146928A2001-05-29
JP2001115870A2001-04-24
JP2007049825A2007-02-22
JP2001116129A2001-04-27
JP2007127174A2007-05-24
JPH04100739A1992-04-02
JP2001146928A2001-05-29
JPH0658345A1994-03-01
JP2005146886A2005-06-09
JP2001115870A2001-04-24
Other References:
See also references of EP 2151594A4
Attorney, Agent or Firm:
KIMURA, Takahisa et al. (6F Sendai Building, 8-11 Minato 1-chome,Chuo-k, Tokyo 43, 1040043, JP)
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Claims:
作業機が備えられ、エンジンの動力が駆動力伝達経路を介してタイヤに駆動力として伝達される作業車両の駆動力制御装置であって、
 駆動力伝達経路に設けられ、タイヤに伝達される駆動力が変更自在の駆動力可変手段と、
 タイヤスリップが発生したことを検出するタイヤスリップ検出手段と、
 駆動力を計測する駆動力計測手段と、
 駆動力がタイヤスリップ検出時点の駆動力未満になるように、駆動力可変手段を制御する駆動力制御手段と
 を備えたこと
 を特徴とする作業車両の駆動力制御装置。
作業機が備えられ、エンジンの動力が駆動力伝達経路を介してタイヤに駆動力として伝達される作業車両の駆動力制御装置であって、
 駆動力伝達経路に設けられ、タイヤに伝達される駆動力が変更自在の駆動力可変手段と、
 タイヤスリップが発生したことを検出するタイヤスリップ検出手段と、
駆動力を計測する駆動力計測手段と
 タイヤスリップ検出手段でタイヤスリップが検出された場合に、タイヤスリップを抑制するように駆動力を低下させ、タイヤスリップ抑制後に、タイヤスリップ検出時点の駆動力未満の範囲で駆動力を復帰させるように、駆動力可変手段を制御する第1のタイヤスリップ防止制御手段と
 を特徴とする作業車両の駆動力制御装置。
作業機が備えられ、エンジンの動力が駆動力伝達経路を介してタイヤに駆動力として伝達される作業車両の駆動力制御装置であって、
 駆動力伝達経路に設けられ、タイヤに伝達される駆動力が変更自在の駆動力可変手段と、
 タイヤスリップが発生したことを検出するタイヤスリップ検出手段と、
駆動力を計測する駆動力計測手段と、
 タイヤスリップ検出手段でタイヤスリップが検出された場合に、タイヤスリップを抑制するように駆動力を低下させ、タイヤスリップ抑制後に、駆動力を復帰させるように、駆動力可変手段を制御する第2のタイヤスリップ防止制御手段と、
 第2のタイヤスリップ防止制御終了後に、タイヤスリップ検出時点の駆動力未満になるように、駆動力可変手段を制御するフォワード制御手段と
 を備えたこと
 を特徴とする作業車両の駆動力制御装置。
作業機が備えられ、エンジンの動力が駆動力伝達経路を介してタイヤに駆動力として伝達される作業車両の駆動力制御装置であって、
 駆動力伝達経路に設けられ、タイヤに伝達される駆動力が変更自在の駆動力可変手段と、
 タイヤスリップが発生したことを検出するタイヤスリップ検出手段と、
駆動力を計測する駆動力計測手段と
 タイヤスリップ検出手段でタイヤスリップが検出された場合に、タイヤスリップを抑制するように駆動力を低下させ、タイヤスリップ抑制後に、タイヤスリップ検出時点の駆動力未満の範囲で駆動力を復帰させるように、駆動力可変手段を制御する第1のタイヤスリップ防止制御手段と、
第1のタイヤスリップ防止制御終了後に、タイヤスリップ検出時点の駆動力未満になるように、駆動力可変手段を制御するフォワード制御手段と
 を備えたこと
 を特徴とする作業車両の駆動力制御装置。
駆動力可変手段は、
入力側と出力側の係合度合いが変更自在のモジュレーションクラッチであり、
 駆動力制御手段またはタイヤスリップ防止制御手段またはフォワード制御手段は、
タイヤスリップ検出時点の駆動力未満になるように、モジュレーションクラッチの係合度合いを制御するものであること
を特徴とする請求項1または2または3または4に記載の作業車両の駆動力制御装置。
駆動力伝達経路には、
エンジン出力軸に連結される油圧ポンプと、タイヤに連結される油圧モータと、油圧ポンプと油圧モータとを連通する閉回路とを含んで構成された静流体駆動式トランスミッション(HST;Hydrostatic Transmission)が設けられ、
駆動力可変手段は、
静流体駆動式トランスミッションの油圧ポンプおよび/または油圧モータの容量が変更自在の容量可変手段であり、
駆動力制御手段または第1または第2のタイヤスリップ防止制御手段またはフォワード制御手段は、
タイヤスリップ検出時点の駆動力未満になるように、容量可変手段を制御するものであること
を特徴とする請求項1または2または3または4に記載の作業車両の駆動力制御装置。
フォワード制御手段による制御の実行中に、タイヤスリップ検出手段でタイヤスリップが検出された場合には、フォワード制御手段による制御を中断するとともに、第1または第2のタイヤスリップ防止制御手段による制御に移行すること
 を特徴とする請求項3または4に記載の作業車両の駆動力制御装置。
作業機が特定の方向に操作された場合または作業車両の進行方向が逆方向に操作された場合に、フォワード制御手段による制御を終了させること
を特徴とする請求項3または4に記載の作業車両の駆動力制御装置。
作業機は、掘削用の作業機であって、駆動力制御手段による制御または第1または第2のタイヤスリップ防止制御手段による制御またはフォワード制御手段による制御は、掘削作業中に行なわれること
 を特徴とする請求項1または2または3または4に記載の作業車両の駆動力制御装置。
掘削用の作業機が備えられ、タイヤに駆動力が伝達されて掘削作業が行われる作業車両の駆動力制御方法であって、
 タイヤスリップを検出する行程と、
駆動力を計測する行程と、
 タイヤスリップ検出時点の駆動力未満になるように、駆動力を制御する行程と
が、掘削作業中に行なわれること
を特徴とする作業車両の駆動力制御方法。
Description:
作業車両の駆動力制御装置およ 駆動力制御方法

 本発明は、エンジンの動力が駆動力伝達 路を介してタイヤに駆動力として伝達され 作業車両に関する発明であり、特にタイヤ リップを防止するために駆動力を制御する 置および方法に関するものである。

ホイールローダのエンジンからタイヤまで の駆動力伝達経路には、トランスファー、モ ジュレーションクラッチ、トルクコンバータ 、前進クラッチ、後進クラッチ、各速度段ク ラッチを有したトランスミッション、アクス ルが設けられている。

 エンジンの出力(トルク)は、トランスフ ー、モジュレーションクラッチ、トルクコ バータ、トランスミッション、アクスルを してタイヤに伝達される。

 モジュレーションクラッチは、従来から ホイールローダ等の作業車両において、エ ジンとトルクコンバータとの間に設けられ 入力側と出力側の係合度合いを変更して、 ンジンからトルクコンバータに伝達される 力を変化させるために設けられている。モ ュレーションクラッチは、油圧クラッチで 成され、油圧(以下、モジュレーションクラ ッチ圧)の大きさを変化させることで、油圧 ラッチが接続動作(係合動作)し、ないしは切 断動作(非係合動作)する。

 ホイールローダは、Vシェープ運転で作業 が行われることが多い。Vシェープ運転とは 地山に前進して土砂を掘削し、掘削後に後 して、方向転換位置に達すると前進して土 をホッパやダンプトラックに積込むという 路を繰り返し往復する運転のことである。

 掘削時には、ホイールローダは加速しな ら掘削用の作業機を地山に向けて突入する 作が行なわれる。このときタイヤにかかる 荷は大きく、タイヤにはエンジンから大き 駆動力が伝達されている。

 したがって、このような掘削時には、タ ヤに伝達される駆動力が増大し、タイヤと 面との間でタイヤスリップが発生すること 多い。なお、路面の状態が均一でなく負荷 各タイヤで異なることから、4つのタイヤの うちいずれかの1つのタイヤでタイヤスリッ が発生する。さらに言えば、地山突入時に 、対地スリップ、つまり両輪スリップは殆 発生しない。左右両輪のうち片輪のみでタ ヤスリップが発生し他方の駆動輪は停止し いる。

タイヤスリップは、ホイールローダの作業 効率を損なうばかりではなく、高価な作業車 両用の大径タイヤに、トレッド部のカット貫 通などの甚大かつ深刻な損傷を与える。また 、このような甚大かつ深刻な損傷に至らなく てもタイヤの磨耗および損傷の進行が早くな る。このため、タイヤの耐久性の低下を招く とともにタイヤの交換に伴う費用負担がユー ザにとって深刻なものとなる。したがって、 タイヤスリップは、これを防止する必要があ る。

そこで、従来より、ホイールローダの作業 時に、モジュレーションクラッチの係合度合 いを制御することでタイヤスリップを防止す ることが行われている。

 特許文献1には、作業車両の左右の駆動輪 の回転数の差を算出し、算出した回転数差の 大きくなるほどモジュレーションクラッチ圧 を低下させてモジュレーションクラッチの係 合度合いを弱めてタイヤに伝達される駆動力 を低下させるという発明が記載されている。

 特許文献2には、4輪駆動の作業車両の前 左右の駆動輪の回転数差と後方左右の駆動 の回転数差に基づいてスリップを検出し、 リップを検出した場合に、トランスミッシ ンの油圧クラッチを半クラッチ状態にして タイヤに伝達される駆動力を低下させると う発明が記載されている。

 特許文献3には、作業機の位置や作業機シ リンダの油圧を検出して、掘削作業状態であ ると判断し、その場合のみスリップ制御を行 なうという発明が記載されている。

 特許文献4には、エンジンの回転数と、トラ ンスミッションの出力回転数に基づいてタイ ヤスリップを検出し、タイヤスリップを検出 した場合に、エンジンの出力特性を低トルク 特性に切り換えて、タイヤに伝達される駆動 力を低下させるという発明が記載されている 。

特開2001-146928号公報

特開平6-58345号公報

特開2005-146886号公報

特開2001-115870号公報

 上記特許文献1、2、4記載の発明は、いず もエンジンからタイヤ(駆動輪)に至るまで 駆動力伝達経路の各部の回転状態ないしは 速から、タイヤスリップ発生の有無を推定 、タイヤスリップが発生したと推定された 合には、モジュレーションクラッチ圧を低 させたり、エンジン特性を変化させたりし 、タイヤスリップを抑制する制御を行なう いうものである。したがってタイヤスリッ が発生していないと推定された場合には、 かるタイヤスリップを抑制する制御は解除 れて、一転してモジュレーションクラッチ を上昇させてモジュレーションクラッチ圧 元の状態まで復帰させたり、エンジン特性 元の特性に復帰させたりする制御が行なわ る。

 しかし、タイヤスリップは、本来、タイ に伝達される駆動力が、タイヤと路面との 着限界、つまり最大静止摩擦力を超えてタ ヤが空転する現象である。また、一旦滑り すと上記粘着限界より低い動摩擦力による 抗を路面から受ける。このため急激に路面 らの反力が低下してタイヤスリップを引き こす限界の駆動力が低下する。

  このようにタイヤスリップを引き起こ 駆動力にはヒステリシスがあるために、特 文献1、2、4記載の発明をそのまま適用する 、タイヤスリップを抑制する制御を行なう とでタイヤスリップ状態は一旦なくなるも の、モジュレーションクラッチ圧等を元の 態まで復帰させる制御を行なう過程で再度 タイヤスリップが発生してしまう。以後同 にタイヤスリップ抑制状態(非タイヤスリッ 状態)とタイヤスリップ状態とが交互に繰り 返されるというハンチングが発生する。

 すなわち、上記特許文献1記載の発明を例 にとると、タイヤスリップであると推定され ると、モジュレーションクラッチ圧を低下さ せてモジュレーションクラッチの係合度合い を弱めてタイヤに伝達される駆動力を低下さ せることで、一旦タイヤスリップは抑制され る。一旦タイヤスリップは抑制されるものの 、タイヤスリップ抑制後は、タイヤに伝達さ れる駆動力や動摩擦力とは無関係に、左右の 駆動輪の回転数差に応じてモジュレーション クラッチ圧が徐々に高められるのみである。 このため、モジュレーションクラッチ圧上昇 中に再度タイヤスリップを引き起こしてしま う。以後、モジュレーションクラッチ圧の低 下によるタイヤスリップの抑制と、モジュレ ーションクラッチ圧の上昇によるタイヤスリ ップ発生とが交互に繰り返される。

このため従来技術では、一時的にタイヤス リップが抑制されているとはいえ、掘削作業 が行なわれている全期間にわたり、タイヤス リップが繰り返し発生していることとなって いた。これは、結局、掘削作業中、タイヤス リップをし続けていることに等しい。

したがって、従来技術によっては、タイヤ スリップによる作業効率の低下という問題、 タイヤ損傷による耐久性低下およびユーザの タイヤ交換費用負担大という問題を解決する ことはできない。

また、上記特許文献3に記載の発明は、掘 作業中と判断した場合にスリップしている 判断する技術を開示している。しかし、具 的なスリップ制御には触れていない。

 本発明は、こうした実状に鑑みてなされ ものであり、掘削作業時などのタイヤスリ プが生じるおそれのある状況下でタイヤス ップを繰り返し発生させないようにするこ で、タイヤスリップによる作業効率の低下 いう問題、タイヤ損傷による耐久性低下お びユーザのタイヤ交換費用負担大という問 を解決するものである。


 第1発明は、
作業機が備えられ、エンジンの動力が駆動力 伝達経路を介してタイヤに駆動力として伝達 される作業車両の駆動力制御装置であって、
 駆動力伝達経路に設けられ、タイヤに伝達 れる駆動力が変更自在の駆動力可変手段と
 タイヤスリップが発生したことを検出する イヤスリップ検出手段と、
 駆動力を計測する駆動力計測手段と、
 駆動力がタイヤスリップ検出時点の駆動力 満になるように、駆動力可変手段を制御す 駆動力制御手段と
 を備えたこと
 を特徴とする。

第2発明は、
作業機が備えられ、エンジンの動力が駆動力 伝達経路を介してタイヤに駆動力として伝達 される作業車両の駆動力制御装置であって、
 駆動力伝達経路に設けられ、タイヤに伝達 れる駆動力が変更自在の駆動力可変手段と
 タイヤスリップが発生したことを検出する イヤスリップ検出手段と、
駆動力を計測する駆動力計測手段と
 タイヤスリップ検出手段でタイヤスリップ 検出された場合に、タイヤスリップを抑制 るように駆動力を低下させ、タイヤスリッ 抑制後に、タイヤスリップ検出時点の駆動 未満の範囲で駆動力を復帰させるように、 動力可変手段を制御する第1のタイヤスリッ プ防止制御手段と
 を特徴とする。

第3発明は、
作業機が備えられ、エンジンの動力が駆動力 伝達経路を介してタイヤに駆動力として伝達 される作業車両の駆動力制御装置であって、
 駆動力伝達経路に設けられ、タイヤに伝達 れる駆動力が変更自在の駆動力可変手段と
 タイヤスリップが発生したことを検出する イヤスリップ検出手段と、
駆動力を計測する駆動力計測手段と、
 タイヤスリップ検出手段でタイヤスリップ 検出された場合に、タイヤスリップを抑制 るように駆動力を低下させ、タイヤスリッ 抑制後に、駆動力を復帰させるように、駆 力可変手段を制御する第2のタイヤスリップ 防止制御手段と、
 第2のタイヤスリップ防止制御終了後に、タ イヤスリップ検出時点の駆動力未満になるよ うに、駆動力可変手段を制御するフォワード 制御手段と
 を備えたこと
 を特徴とする。

第4発明は、
作業機が備えられ、エンジンの動力が駆動力 伝達経路を介してタイヤに駆動力として伝達 される作業車両の駆動力制御装置であって、
 駆動力伝達経路に設けられ、タイヤに伝達 れる駆動力が変更自在の駆動力可変手段と
 タイヤスリップが発生したことを検出する イヤスリップ検出手段と、
駆動力を計測する駆動力計測手段と
 タイヤスリップ検出手段でタイヤスリップ 検出された場合に、タイヤスリップを抑制 るように駆動力を低下させ、タイヤスリッ 抑制後に、タイヤスリップ検出時点の駆動 未満の範囲で駆動力を復帰させるように、 動力可変手段を制御する第1のタイヤスリッ プ防止制御手段と、
第1のタイヤスリップ防止制御終了後に、タ ヤスリップ検出時点の駆動力未満になるよ に、駆動力可変手段を制御するフォワード 御手段と
 を備えたこと
 を特徴とする。

第5発明は、第1発明または第2発明または第3 明または第4発明において、
駆動力可変手段は、
入力側と出力側の係合度合いが変更自在のモ ジュレーションクラッチであり、
 駆動力制御手段または第1のタイヤスリップ 防止制御手段またはフォワード制御手段は、
タイヤスリップ検出時点の駆動力未満になる ように、モジュレーションクラッチの係合度 合いを制御するものであること
を特徴とする。

第6発明は、第1発明または第2発明または第3 明または第4発明において、
駆動力伝達経路には、
エンジン出力軸に連結される油圧ポンプと、 タイヤに連結される油圧モータと、油圧ポン プと油圧モータとを連通する閉回路とを含ん で構成された静流体駆動式トランスミッショ ン(HST;Hydrostatic Transmission)が設けられ、
駆動力可変手段は、
静流体駆動式トランスミッションの油圧ポン プおよび/または油圧モータの容量が変更自 の容量可変手段であり、
駆動力制御手段または第1のタイヤスリップ 止制御手段またはフォワード制御手段は、
タイヤスリップ検出時点の駆動力未満になる ように、容量可変手段を制御するものである こと
を特徴とする。

第7発明は、第3発明または第4発明において、
フォワード制御手段による制御の実行中に、 タイヤスリップ検出手段でタイヤスリップが 検出された場合には、フォワード制御手段に よる制御を中断するとともに、第1または第2 タイヤスリップ防止制御手段による制御に 行すること
 を特徴とする。

第8発明は、第3発明または第4発明において、
作業機が特定の方向に操作された場合または 作業車両の進行方向が逆方向に操作された場 合に、フォワード制御手段による制御を終了 させること
を特徴とする。

第9発明は、第1発明または第2発明または第3 明または第4発明において、
作業機は、掘削用の作業機であって、駆動力 制御手段による制御または第1または第2のタ ヤスリップ防止制御手段による制御または ォワード制御手段による制御は、掘削作業 に行なわれること
 を特徴とする。

第10発明は、
掘削用の作業機が備えられ、タイヤに駆動力 が伝達されて掘削作業が行われる作業車両の 駆動力制御方法であって、
 タイヤスリップを検出する行程と、
駆動力を計測する行程と、
タイヤスリップ検出時点の駆動力未満になる ように、駆動力を制御する行程と
が、掘削作業中に行なわれること
 を特徴とする。

第1発明は、図1に示すように、作業機2が備 えられ、エンジン10の動力が駆動力伝達経路2 0を介してタイヤ30に駆動力として伝達される 作業車両1に適用される。

作業車両1の駆動力伝達経路20には、タイヤ 30に伝達される駆動力Fが変更自在の駆動力可 変手段40が設けられている。

タイヤスリップ検出手段50では、タイヤス ップが発生したことが検出される。

駆動力計測手段60では、タイヤスリップ検 手段50でタイヤスリップが検出された場合 、タイヤスリップ検出時点の駆動力F0が計測 される。

 駆動力制御手段70では、駆動力がタイヤ リップ検出時点の駆動力F0未満になるように 、駆動力可変手段40が制御される。

 この駆動力制御手段70による駆動力制御 、図11に例示される処理手順にて行われる。

 第1発明の作用効果は、図2、図3を用いて 明される。

 図2(a)は、第1発明における作業中の駆動 の時間変化を例示したものであり、図2(b)は 駆動力可変手段40がモジュレーションクラ チ40である場合のクラッチ圧の時間変化を例 示したものであり、図2(c)は、比較例として 来技術における作業中の駆動力の時間変化 例示したものである。

 図3(a)は、第1発明における作業中の左右 イヤの回転数の時間変化を例示したもので り、図3(b)は、比較例として従来技術におけ 作業中の左右タイヤの回転数の時間変化を 示したものである。

 本発明の場合には、タイヤスリップが発 したことが検出されると、以後は、駆動力F がタイヤスリップ検出時点の駆動力F0未満に るように、駆動力可変手段40が制御される これにより駆動力Fは、駆動力F0未満に抑制 れる(図2(a))。このため一度はタイヤスリッ が発生するものの、以後、作業中の全期間 わたりタイヤスリップの発生を防ぐことが きる(図3(a))。

 これに対して従来技術(特許文献1)の場合 は、タイヤスリップが発生したことが検出 れると、モジュレーションクラッチ圧を低 させてモジュレーションクラッチの係合度 いを弱めてタイヤに伝達される駆動力を低 させることで、一旦タイヤスリップは抑制 れる。一旦タイヤスリップは抑制されるも の、タイヤスリップ抑制後は、タイヤに伝 される駆動力や動摩擦力とは無関係に、左 の駆動輪の回転数差に応じてモジュレーシ ンクラッチ圧が徐々に高められるのみであ 。このため、モジュレーションクラッチ圧 昇中に再度タイヤスリップを引き起こして まう。以後、モジュレーションクラッチ圧 低下によるタイヤスリップの抑制と、モジ レーションクラッチ圧の上昇によるタイヤ リップ発生とが交互に繰り返される(図2(c))

このため従来技術では、一時的にタイヤス リップが抑制されているとはいえ、掘削作業 が行なわれている全期間にわたり、タイヤス リップが繰り返し発生することになる(図3(b)) 。

このように第1発明によれば、掘削作業時 どのタイヤスリップが生じるおそれのある 況下でタイヤスリップを繰り返し発生させ いようにすることができる。このため、タ ヤスリップによる作業効率の低下という問 、タイヤ損傷による耐久性低下およびユー のタイヤ交換費用負担大という従来発生し いた問題が解決される。

第2発明は、第1発明と同様に、図1に示すよ うに、作業機2が備えられ、エンジン10の動力 が駆動力伝達経路20を介してタイヤ30に駆動 として伝達される作業車両1に適用される。

第1発明と同様に、駆動力可変手段40、タイ ヤスリップ検出手段50、駆動力計測手段60が けられている。

図12(a)に示すように、第1のタイヤスリップ 防止制御手段71aでは、タイヤスリップ検出手 段50でタイヤスリップが検出された場合に、 イヤスリップを抑制するように駆動力を低 させ、タイヤスリップ抑制後に、タイヤス ップ検出時点の駆動力F0未満の範囲で駆動 Fを復帰させるように、駆動力可変手段40が 御される。

この第1のタイヤスリップ防止制御手段71a よる第1のタイヤスリップ防止制御は、図4に 例示される処理手順にて行われる。

 第2発明の作用効果は、図2(c)、図3、図5を 用いて説明される。

図5(a)は、第2発明における作業中の駆動力 時間変化を例示したものであり、図5(b)は、 駆動力可変手段40がモジュレーションクラッ 40である場合のクラッチ圧の時間変化を例 したものであり、図2(c)は、比較例として従 技術における作業中の駆動力の時間変化を 示したものである。

 図3(a)は、第2発明における作業中の左右 イヤの回転数の時間変化を例示したもので り、図3(b)は、比較例として従来技術におけ 作業中の左右タイヤの回転数の時間変化を 示したものである。

本発明の場合には、タイヤスリップが発生 したことが検出されると、タイヤスリップを 抑制するように駆動力が低下される。そして タイヤスリップ抑制後に、タイヤスリップ検 出時点の駆動力F0未満の範囲で駆動力Fが復帰 される(図5)。このため一度はタイヤスリップ が発生するものの、以後、第1のタイヤスリ プ防止制御が行なわれている限り、タイヤ リップの発生を防ぐことができる(図3(a))。

 これに対して従来技術(特許文献1)の場合 は、タイヤスリップが発生したことが検出 れると、モジュレーションクラッチ圧を低 させてモジュレーションクラッチの係合度 いを弱めてタイヤに伝達される駆動力を低 させることで、一旦タイヤスリップは抑制 れる。一旦タイヤスリップは抑制されるも の、タイヤスリップ抑制後にモジュレーシ ンクラッチ圧を元の状態まで復帰させると 、タイヤに伝達される駆動力や動摩擦力と 無関係に、左右の駆動輪の回転数差に応じ モジュレーションクラッチ圧が徐々に高め れるのみである。このため、モジュレーシ ンクラッチ圧上昇中に再度タイヤスリップ 引き起こしてしまう。以後、モジュレーシ ンクラッチ圧の低下によるタイヤスリップ 抑制と、モジュレーションクラッチ圧の上 によるタイヤスリップ発生とが交互に繰り される(図2(c))。

このため従来技術では、一時的にタイヤス リップが抑制されているとはいえ、モジュレ ーションクラッチ圧を復帰させている期間に わたり、タイヤスリップが繰り返し発生する ことになる(図3(b))。

このように第2発明によれば、第1のタイヤ リップ防止制御が行なわれている間、タイ スリップを繰り返し発生させないようにす ことができる。このため、タイヤスリップ よる作業効率の低下という問題、タイヤ損 による耐久性低下およびユーザのタイヤ交 費用負担大という従来発生していた問題が 決される。

 さらに、予めオペレータにより駆動力が 定されているような場合では、路面状況等 変化に対応できない。それと異なり、路面 況等の変化に応じた適切な駆動力をタイヤ 伝達させることができる。

第3発明は、第1発明と同様に、図1に示すよ うに、作業機2が備えられ、エンジン10の動力 が駆動力伝達経路20を介してタイヤ30に駆動 として伝達される作業車両1に適用される。

第1発明と同様に、駆動力可変手段40、タイ ヤスリップ検出手段50、駆動力計測手段60が けられている。

図12(b)に示す第2のタイヤスリップ防止制御 手段71bでは、タイヤスリップ検出手段50でタ ヤスリップが検出された場合に、タイヤス ップを抑制するように駆動力を低下させ、 イヤスリップ抑制後に、駆動力Fを復帰させ るように、駆動力可変手段40が制御される。 の制御を第2のスリップ防止制御という。

この第2のタイヤスリップ防止制御手段71b よる第2のタイヤスリップ防止制御は、図6(a) に例示される処理手順にて行われる。図4の のと異なり、タイヤスリップ検出時点の駆 力F0未満の範囲で駆動力Fを復帰させる制御 行なわれない。

フォワード制御手段72では、第2のタイヤス リップ防止制御終了後に、タイヤスリップ検 出時点の駆動力F0未満になるように、駆動力 変手段40が制御される。

このフォワード制御手段72によるフォワー 制御は、図6(b)に例示される処理手順で行わ れる。

 第3発明の作用効果は、図7を用いて説明 れる。

図7(a)は、第3発明における作業中の駆動力 時間変化を例示したものであり、図7(b)は、 駆動力可変手段40がモジュレーションクラッ 40である場合のクラッチ圧の時間変化を例 したものであり、図7(c)は、比較例として従 技術における作業中の駆動力の時間変化を 示したものである。

 本発明の場合には、タイヤスリップが発 したことが検出されると、第2のタイヤスリ ップ防止制御が開始され、タイヤスリップを 抑制するように駆動力が低下される。ここで 、タイヤスリップを確実に抑制するために、 モジュレーションクラッチ圧が強制的に極め て低い値に急激に低下されて駆動力Fが急激 低下する。したがって作業車両1に乗車して るオペレータに操作上の違和感やオペレー および車体にショックを与える。そしてタ ヤスリップ抑制後に、モジュレーションク ッチ圧が高められて駆動力Fが復帰され、第 2のタイヤスリップ防止制御が終了する。第2 タイヤスリップ防止制御は、たとえばモジ レーションクラッチ圧が完全な係合状態と る大きさまで上昇した時点で終了する(図7(a )、(b))。

第2のタイヤスリップ防止制御終了後に、 ォワード制御が開始される。フォワード制 が開始されると、以後、タイヤスリップ検 時点の駆動力F0未満になるように、駆動力可 変手段40が制御される。ここで、オペレータ 再度、アクセルペダルを踏込む等して駆動 Fを上昇させようとしたとする。しかし、フ ォワード制御開始以後は、駆動力Fがタイヤ リップ検出時点の駆動力F0未満に抑制されて いるため、タイヤスリップにいたる駆動力ま で到達せずタイヤスリップの発生を未然に防 ぐことができる。したがって以後、再度、タ イヤスリップの検出を起点にしてタイヤスリ ップ防止制御に移行することが回避される。 このため、タイヤスリップ防止制御が再度開 始されて、上述したタイヤスリップを抑制す る制御が再度なされて、駆動力Fが大きく落 込むことを回避できる。この結果、オペレ タに操作上の違和感やオペレータおよび車 にショックを与えることがない。

 これに対して従来技術(特許文献1)の場合 は、タイヤスリップが発生したことが検出 れると、タイヤスリップ防止制御が開始さ 、タイヤスリップを抑制するように駆動力 低下される。ここで、タイヤスリップを確 に抑制するために、モジュレーションクラ チ圧が強制的に極めて低い値に急激に低下 れて駆動力Fが急激に低下する。したがって 作業車両1に乗車しているオペレータに操作 の違和感やオペレータおよび車体にショッ を与える。そしてタイヤスリップ抑制後に モジュレーションクラッチ圧が高められて 動力Fが復帰され、タイヤスリップ防止制御 終了する。タイヤスリップ防止制御は、た えばモジュレーションクラッチ圧が完全な 合状態となる大きさまで上昇した時点で終 する(図7(c))。

タイヤスリップ防止制御終了後には、本発 明と異なり、フォワード制御は実行されない 。このためオペレータが再度、アクセルペダ ルを踏込む等して駆動力Fを上昇させようと ると、駆動力Fがタイヤスリップを引き起こ 限界の駆動力を超えるため、再度タイヤス ップが発生する。したがって以後、再度、 イヤスリップの検出を起点にしてタイヤス ップ防止制御が開始されて、上述したタイ スリップを抑制する制御がなされ、これに り駆動力Fが大きく落ち込む。この結果、オ ペレータに操作上の違和感やオペレータおよ び車体にショックを再度与えることとなる。

 このように第3発明によれば、フォワード 制御を行なうようにしているため、少なくと もフォワード制御が行なわれている期間は、 タイヤスリップが確実に抑制される。

 しかも、フォワード制御が行なわれるこ で、再度タイヤスリップ防止制御に移行す ことを未然に防ぐことができる。このため タイヤスリップ防止制御が再度行なわれ、 びオペレータに操作上の違和感やオペレー および車体にショックを与えることが回避 れる。

 さらに、予めオペレータにより駆動力が 定されているような場合では、路面状況等 変化に対応できない。それと異なり、路面 況等の変化に応じた適切な駆動力をタイヤ 伝達させることができる。

第4発明は、第2発明の構成と第3発明の構成 とを組み合わせた発明であり、図12(b)に示す 1のタイヤスリップ防止制御手段71aでは、タ イヤスリップ検出手段50でタイヤスリップが 出された場合に、タイヤスリップを抑制す ように駆動力を低下させ、タイヤスリップ 制後に、タイヤスリップ検出時点の駆動力F 0未満の範囲で駆動力Fを復帰させるように、 動力可変手段40が制御される。

この第1のタイヤスリップ防止制御手段71a よるタイヤスリップ防止制御は、図8(a)に例 される処理手順にて行われる。

フォワード制御手段72では、第1のタイヤス リップ防止制御終了後に、タイヤスリップ検 出時点の駆動力F0未満になるように、駆動力 変手段40が制御される。

このフォワード制御手段72によるフォワー 制御は、図8(b)に例示される処理手順で行わ れる。

 第4発明の作用効果は、図3、図9を用いて 明される。

図9(a)は、第3発明における作業中の駆動力 時間変化を例示したものであり、図9(b)は、 駆動力可変手段40がモジュレーションクラッ 40である場合のクラッチ圧の時間変化を例 したものであり、図9(c)は、比較例として従 技術における作業中の駆動力の時間変化を 示したものである。

第4発明によれば、第2発明と同様に、第1の タイヤスリップ防止制御が行なわれている間 、タイヤスリップを繰り返し発生させないよ うにすることができる(図3(a))。このため、タ イヤスリップによる作業効率の低下という問 題、タイヤ損傷による耐久性低下およびユー ザのタイヤ交換費用負担大という従来発生し ていた問題が解決される。

また、第4発明によれば、第3発明と同様に フォワード制御を行なうようにしているた 、第1のタイヤスリップ防止制御が終了した 以降の期間についても、タイヤスリップが確 実に抑制される(図9(a)、(b))。

 しかも、フォワード制御が行なわれるこ で、再度タイヤスリップ防止制御に移行す ことを未然に防ぐことができる。このため タイヤスリップ防止制御が再度行なわれ、 びオペレータに操作上の違和感やオペレー および車体にショックを与えることが回避 れる。

さらに、予めオペレータにより駆動力が設 定されているような場合では、路面状況等の 変化に対応できない。それと異なり、路面状 況等の変化に応じた適切な駆動力をタイヤに 伝達させることができる。

第5発明では、図1に示すように、モジュレ ションクラッチが駆動力可変手段40を構成 、たとえばモジュレーションクラッチが油 クラッチである場合にはモジュレーション ラッチ圧を調整して入力側と出力側の係合 合いを変更することで、タイヤ30に伝達され る駆動力Fが変更される。

第1発明または第2発明または第3発明または 第4発明の駆動力制御手段70または第1または 2のタイヤスリップ防止制御手段71aまたは71b またはフォワード制御手段72は、タイヤス ップ検出時点の駆動力F0未満になるように、 たとえばモジュレーションクラッチ圧を調整 してモジュレーションクラッチ40の係合度合 を制御する。

第6発明では、図10に示すように静流体駆動 式トランスミッション(HST;Hydrostatic Transmission )80が駆動力伝達経路20に設けられている。静 体駆動式トランスミッション80は、エンジ 10の出力軸21に連結される油圧ポンプ81と、 イヤ30に連結される油圧モータ82と、油圧ポ プ81と油圧モータ82とを連通する閉回路83と 含んで構成されている。

容量可変手段が、駆動力可変手段40を構成 、静流体駆動式トランスミッション80の油 ポンプ81および/または油圧モータ82のたとえ ば斜板角を調整して容量を変更することで、 タイヤ30に伝達される駆動力Fが変更される。

第1発明または第2発明または第3発明または 第4発明の駆動力制御手段70または第1または 2のタイヤスリップ防止制御手段71aまたは71b またはフォワード制御手段72は、タイヤス ップ検出時点の駆動力F0未満になるように、 たとえば斜板角を調整して油圧ポンプ81およ /または油圧モータ82の容量を制御する。

さて、上述の第3発明または第4発明におけ フォワード制御手段72によるフォワード制 の実行中に、路面の状態が変動するなどし 、タイヤスリップが発生することがある。 のような場合には、タイヤスリップを引き こす限界の駆動力が低下している場合であ 、再度タイヤスリップ防止制御に移行して イヤスリップを確実に抑制するとともにタ ヤスリップ検出時点の駆動力を更新するこ が望ましい。

そこで、第7発明では、フォワード制御手段72 による制御の実行中に、タイヤスリップ検出 手段50でタイヤスリップが検出された場合に 、タイヤスリップ防止制御を優先して行う く、フォワード制御手段72による制御を中 するとともに、タイヤスリップ防止制御手 71による制御に移行される。この結果、更新 されたタイヤスリップ検出時点の駆動力F0に づきタイヤスリップ防止制御が行なわれて タイヤスリップが確実に抑制される。タイ スリップ防止制御が終了してフォワード制 が再開されると、更新されたタイヤスリッ 検出時点の駆動力F0未満に駆動力が制限さ てタイヤスリップが抑制される。このよう 本発明によれば、路面状況などの変動に柔 に対処できる。 
さて、掘削作業を想定すると、作業機2であ ブーム2aが上げ方向に操作されたり、バケッ ト2bがチルト方向に操作されたりした場合に 、タイヤ30の路面への垂直抗力が増大して イヤ30と路面との間で摩擦が大きくなりタイ ヤスリップが発生しにくくなる。したがって 、このような場合には、駆動力を制限してタ イヤスリップに対処する必要性がなくむしろ 作業機の作業性を向上させるためにフォワー ド制御を終了させて駆動力を制限した状態を 解除することが望ましい。

また作業機2が特定の方向に操作されるこ は、オペレータが掘削作業を一旦終了した との意思の表れである。また、作業車両1の 行方向が逆方向に操作されたときは、作業 2が地山等から遠ざかる場合であり、一回の 掘削を終えたことを意味する。一回の掘削を 終えると、タイヤスリップが発生しにくくな る。また今回の掘削時と次回の掘削時とでは 路面の状態が異なる。したがって、このよう な場合には、駆動力を制限してタイヤスリッ プに対処する必要性がなく、むしろ、次回の 掘削開始に備えるためにフォワード制御を終 了させて駆動力を制限した状態を解除するこ とが望ましい。

そこで、第8発明では、上述の第3発明また 第4発明におけるフォワード制御手段72によ フォワード制御の実行中に、作業機2が特定 の方向に操作された場合または作業車両1の 行方向が逆方向に操作された場合には、フ ワード制御手段72による制御を終了させるよ うにする。

第8発明によれば、不必要に駆動力を制限 た状態を解除でき、次回の掘削開始に備え ことができる。

さて、ホイールローダなどの掘削作業用の 作業機2、たとえばブーム2aとバケット2bから る作業機2を備えた作業車両1は、作業機2を いて掘削作業を行う。前述のごとく、掘削 業時にはタイヤ30に伝達される駆動力が増 することからタイヤスリップが発生しやす 。第9発明では、第1発明または第2発明また 第3発明または第4発明において駆動力制御手 段70による制御または第1または第2のタイヤ リップ防止制御手段71aまたは71bによるタイ スリップ防止制御またはフォワード制御手 72によるフォワード制御が、掘削作業中に行 なわれる。このため掘削作業中にタイヤスリ ップが繰り返し発生することを回避できる。

第10発明では、掘削作業中に、第1発明と同 様にして、タイヤスリップ検出時点の駆動力 F0未満になるように、駆動力Fが制御される。

第10発明によれば、掘削作業中にタイヤス ップ検出時点の駆動力F0未満になるように 駆動力Fが制御されるため、掘削作業中にタ ヤスリップが繰り返し発生することを回避 きる。

以下、図面を参照して本発明の実施の形態 について説明する。

以下、第1の車両構成例で行われる各種制 、つまり第1の制御、第2の制御、第3の制御 第4の制御について説明する。

本発明において最も好ましい実施の形態( ストモード)は、第1の車両構成例と後述する 第1の制御の組み合わせである。以下では、 1の車両構成例について第1の制御、第2の制 、第3の制御、第4の制御の順序で説明する。

また後述するように第2の車両構成例と各 御を組み合わせた実施も可能である。

(第1の車両構成例)
図1(a)は、実施形態の作業車両の構成を示す ロックであり、ホイールローダの構成を、 発明に係る部分について示している。

図1(b)は、作業車両の外観を示す図であり ホイールローダの外観を、本発明に係る部 について示している。

同図1(b)に示すように、作業車両1の車体1a 前方には、掘削作業用の作業機2が設けられ いる。作業機2は、車体1aに回動自在に連結 れたブーム2aと、ブーム2aに回動自在に連結 されたバケット2bとからなる。作業車両1の運 転席には、作業機用の操作レバー4が設けら ている。作業機用操作レバー4の操作に応じ ブーム2aは、ブーム上げ方向またはブーム げ方向に作動する。また、作業機用の操作 バー4の操作に応じてバケット2bは、掘削方 またはチルト方向に作動する。

図1(a)に示すように、エンジン10の動力は、 走行用の駆動力伝達経路20を介してタイヤ30 駆動力として伝達される。また、エンジン10 の動力は、作業機用の駆動力伝達経路90を介 て作業機2に伝達される。なお、左タイヤを 30L、右タイヤを30Rとする。

作業車両1の駆動力伝達経路20には、タイヤ 30に伝達される駆動力Fが変更自在の駆動力可 変手段としてのモジュレーションクラッチ40 設けられている。

コントローラ3は、タイヤスリップ検出手 50と、駆動力計測手段60と、駆動力制御手段7 0とを含んで構成されている。

走行用の駆動力伝達経路20は、エンジン10 出力軸21、トランスファー22、モジュレーシ ンクラッチ40、トルクコンバータ23、トラン スミッション24、アクスル25を含んで構成さ ている。

他方の作業機用の駆動力伝達経路90は、エ ジン10の出力軸21、トランスファー22、油圧 路91を含んで構成されている。油圧回路91は 、油圧駆動源としての油圧ポンプ、油圧ポン プから吐出された圧油の方向および流量を切 り換えるための方向流量制御弁、方向流量制 御弁を通過した圧油が供給されることで駆動 される油圧アクチュエータとしての油圧シリ ンダを含んで構成されている。油圧シリンダ には、作業機2、つまりブーム2a、バケット2b 機械的に連結されている。

すなわち、エンジン10の出力軸21は、トラ スファー22に連結されている。トランスファ ー22は、モジュレーションクラッチ40の入力 40aに連結されているとともに、油圧回路91内 の図示しない油圧ポンプに連結されている。

モジュレーションクラッチ40の出力軸40bは トルクコンバータ23に連結されている。モ ュレーションクラッチ40は、入力軸40a側と出 力軸40b側の係合度合いを変更して、エンジン 10からトランスファー22を介してトルクコン ータ23に伝達される動力を変化させるために 設けられている。モジュレーションクラッチ 40は、たとえば湿式多板の油圧クラッチで構 されている。

モジュレーションクラッチ40に供給、排出 れる圧油の油圧、つまりモジュレーション ラッチ圧の大きさを変化させることで、モ ュレーションクラッチ40の入力側と出力側 摩擦係合力が制御される。これによりモジ レーションクラッチ40が接続動作(係合動作) 、ないしは切断動作(非係合動作)する。モ ュレーションクラッチ40は、コントローラ3 駆動力制御手段70によって制御される。コン トローラ3の駆動力制御手段70では、モジュレ ーションクラッチ圧を所望の大きさにするた めの目標電流が生成され、目標電流に対応す る電流指令が出力される。この結果、電流指 令に応じてモジュレーションクラッチ圧が変 更され、駆動力Fが変更される。

トルクコンバータ23の出力軸は、トランス ッション24の入力軸に連結されている。ト ンスミッション24は、前進走行段に対応する 前進クラッチ、後進走行段に対応する後進ク ラッチ、各速度段に対応する速度段クラッチ 、つまりたとえば1速速度段、2速速度段、3速 速度段にそれぞれ対応する1速クラッチ、2速 ラッチ、3速クラッチを有している。各クラ ッチは、たとえば湿式多板の油圧クラッチで 構成されている。

トランスミッション24の各クラッチに供給 排出される圧油の油圧の大きさを変化させ ことで、各クラッチの入力側と出力側の摩 係合力が制御される。これによりトランス ッション24の各クラッチが接続動作(係合動 )し、ないしは切断動作(非係合動作)する。 ランスミッション24の各クラッチは、図示 ないトランスミッションコントローラによ て制御される。

 図1(b)に示されるように、作業車両1の運 席には、操作位置に応じて、前進走行段(前 クラッチ)あるいは後進走行段(後進クラッ )を選択する前後進選択操作レバー5が設けら れている。

 前後進選択操作レバー5の操作位置(前進 置「F」、後進位置「R」)に応じて、トラン ミッションコントローラは、対応する前進 ラッチないしは後進クラッチを選択的に係 動作させる。これにより、作業車両1は、前 走行ないしは後進走行する。

 また、作業車両1の運転席には、操作位置 に応じて、速度段の変速範囲を選択するシフ トレンジレバー(図示せず)が設けられている

シフトレンジレバーの操作位置に応じて、 トランスミッションコントローラは、各速度 段クラッチを選択的に係合動作させる。これ により、作業車両1は、選択された速度段で 進走行ないしは後進走行する。

トランスミッション24の出力軸は、アクス 25の入力軸に連結されている。アクスル25は 、ディファレンシャルギア、ファイナルギア を含んで構成されている。

アクスル25の出力軸は、駆動輪に連結され いる。駆動輪にはタイヤ30が装着されてい 。

一方、油圧回路91の油圧ポンプの容量、方 流量制御弁の方向および流量は、図示しな 油圧コントローラによって制御される。作 機用操作レバー4の操作に応じて、油圧コン トローラは、方向流量制御弁の方向および流 量を制御して、ブーム2aを、ブーム上げ方向 たはブーム下げ方向に作動させる。また、 業機用操作レバー4の操作に応じて、油圧コ ントローラは、方向流量制御弁の方向および 流量を制御して、バケット2bを、掘削方向ま はチルト方向に作動させる。

図1(b)に示すように、作業車両1の運転席に 、アクセルペダル6が設けられている。アク セルペダル6は、オペレータによって踏み込 操作され、アクセルペダル6の踏み込み操作 、つまりスロットル量を示す信号が、図示 ないエンジンコントローラに入力される。

 エンジンコントローラでは、スロットル に応じた指令信号をガバナに出力し、スロ トル量に応じた目標回転数が得られるよう 、エンジン10を制御する。

 すなわち、エンジン10は、ディーゼルエ ジンであり、エンジン出力の制御は、シリ ダ内に噴射する燃料量を調整することで行 れる。この調整は、エンジン10の燃料噴射ポ ンプに付設したガバナを制御することで行わ れる。ガバナとしては、一般的にオールスピ ード制御方式のガバナが用いられ、スロット ル量に応じた目標回転数となるように、負荷 に応じてエンジン回転数と燃料噴射量とを調 整する。すなわち、ガバナは目標回転数と実 際のエンジン回転数との偏差がなくなるよう に燃料噴射量を増減する。

エンジン10の出力(トルク)の一部は、エン ン10の出力軸21、トランスファー22、モジュ ーションクラッチ40、トルクコンバータ23、 ランスミッション24、アクスル25を介してタ イヤ30に駆動力Fとして伝達される。

 また、エンジン10の出力(トルク)の残りは 、エンジン10の出力軸21、トランスファー22を 介して、油圧回路91の油圧ポンプに伝達され 。これにより油圧ポンプが駆動され、油圧 ンプから吐出された圧油が方向流量制御を して、油圧シリンダに供給され、作業機2が 作動される。

この第1の車両構成例によれば、モジュレ ションクラッチ40のクラッチ圧を調整して入 力軸40a側と出力軸40b側の係合度合いを変更す ることで、タイヤ30に伝達される駆動力Fを変 更することができる。

すなわち、コントローラ3のタイヤスリッ 検出手段50では、車体各部のセンサで検出さ れた信号に基づいて、タイヤスリップが発生 したことが検出される。

タイヤスリップ発生検出の条件を以下に例 示する。

(タイヤスリップ発生検出の条件)
 下記の条件1、条件2、条件3の少なくともい れかの条件が成立したことをもってタイヤ リップが発生したと判定する。

・ 条件1:(1)かつ(2)
・ 条件2:(3)かつ(4)かつ(5)
・ 条件3:(3)かつ(4)かつ(6)かつ(7)
上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)は、以下の とおりである。

(1) 車速が6.0km/h以下
(2) 左右のタイヤ30L、30Rの速度差が4.0km/h以上
(3) 駆動力Fが60ton以上
(4) 車速が4.5km/h以下
(5) 左右のタイヤ30L、30Rの速度差が2.5km/h以上
(6) 左右のタイヤ30L、30Rの速度差が1.5km/h以上
(7) 左右のタイヤ30L、30Rの積分速度差が12.0km/ h以上
 
なお、上記において、車速および駆動力は、 タイヤタイプ、タイヤ補正値を考慮した計算 値とする。また、上記(1)、(4)は、掘削作業時 の低速状態を想定した値を例示しており、上 記(3)は掘削作業時の駆動力を例示している。

上記(7)において、左右のタイヤ30L、30Rの積 分速度差とは、たとえば過去11データの左右 タイヤ30L、30Rの速度差の和の絶対値のこと ある。また、駆動力Fが60ton未満、あるいは 速が4.5km/hよりも大きい、あるいは左右のタ イヤ30L、30Rの速度差が1.5km/h未満のときは、 右のタイヤ30L、30Rの積分速度差を0とする。

コントローラ3の駆動力計測手段60では、タ イヤスリップ検出手段50でタイヤスリップが 出された場合に、タイヤスリップ検出時点 駆動力F0が計測される。

駆動力Fは、以下のような手順1)、2)、3)に 求めることができる。

(駆動力計算)
1) トルクコンバータ23の入力軸の回転数Ntin トルクコンバータ23の出力軸の
回転数Ntoutに基づいて速度比eを計算する。

速度比eは、下記式より求められる。

e=Ntout/Ntin
トルクコンバータ入力軸回転数Ntinは、トラ スミッション24の出力軸の回転数Ntmoutと各速 度段の減速比Gsとに基づき下記式より求めら る。

Ntin=Ntmout×Gs
トルクコンバータ出力軸回転数Ntoutは、下記 ごとくモジュレーションクラッチ40の出力 40bの回転数Nmcoutに等しい。

Ntout=Nmcout
2) 速度比eからマップを用いて各トルクコン ータ性能に関する固有の係数である、プラ マリトルク係数Pkを求める。

ここで、速度比eとプライマリトルク係数Pk との間には一定の関係があり予めマップとし て記憶されているものとする。

トルクコンバータ入力軸回転数Ntinおよび ライマリトルク係数Pkを用いて下記式のごと くトルクコンバータ23の入力トルクTinを算出 る。

 Tin=Pk×(Ntin)^2×10^(-6)
 なお、上記式において( )^は、べき乗を意 する。

3)駆動力F[kgf]を下記式のごとく、プライマ トルク係数Pk、トルク伝達効率et、トランス ミッション減速比Gs、アクスル25の減速比Ga、 タイヤ30の有効半径trから下記式のごとく計 する。

 F=Tin×et×Gs×Ga/tr
ここで、トルク比etは、速度比eからマップを 用いて求めることができる。速度比eとトル 比etとの間には一定の関係があり予めマップ として記憶されているものとする。また、ア クスル減速比Gaは、ディファレンシャルギア 減速比とファイナルギアの減速比の積とし 求めることができる。また、タイヤ有効半 trは、既知の値(単位は[m])
である。

以上のような手順にて、タイヤスリップ検 出時点の駆動力F0が計測されると、コントロ ラ3の駆動力制御手段70は、駆動力Fがタイヤ スリップ検出時点の駆動力F0未満になるよう 、駆動力可変手段としてのモジュレーショ クラッチ40を制御する。

 以下、本発明の制御について説明する。 こで、本明細書で使用される用語について 単に説明する。本発明の「駆動力の制御」 、大きくは、「タイヤスリップ防止制御」 「フォワード制御」に分類される。更に「 イヤスリップ防止制御」は、「タイヤスリ プ抑制制御」と「復帰制御」を含む制御の 味で使用する。また「タイヤスリップ防止 御」は、「第1のタイヤスリップ防止制御」 と「第2のタイヤスリップ防止制御」とに分 される。また「復帰制御」は、「従来復帰 御」と「本発明復帰制御」とに分類される

(第1の制御)
さて、ホイールローダなどの作業車両1は、 述したように掘削作業用の作業機2、つまり ーム2aとバケット2bからなる作業機2を備え いる。このような作業車両1は、作業機2を用 いて掘削作業を行う。前述のごとく、掘削作 業時にはタイヤ30に伝達される駆動力が増大 ることからタイヤスリップが発生しやすい そこで、本実施例では、駆動力制御手段70 よる制御を、掘削作業中に行わせるように る。これにより掘削作業中にタイヤスリッ が繰り返し発生することを回避することが きる。以下、作業車両1が、モジュレーショ クラッチ40を備えた第1の車両構成例の車両 あると想定して説明する。

まず第1の制御について説明する。第1の制 については、作業車両1が掘削用の作業機2 備え、モジュレーションクラッチ40を備えた 第1の車両構成例の車両であると想定して説 する。

 図12(b)は、第1の制御に適用されるコント ーラ3の構成を示している。コントローラ3 、駆動力制御手段70としてのタイヤスリップ 防止制御手段71とフォワード制御手段72を備 ている。タイヤスリップ防止制御手段71は、 第1のタイヤスリップ防止制御手段71aを含ん 構成されている。

第1のタイヤスリップ防止制御手段71aでは タイヤスリップ検出手段50でタイヤスリップ が検出された場合に、タイヤスリップを抑制 するように駆動力を低下させ、タイヤスリッ プ抑制後に、タイヤスリップ検出時点の駆動 力F0未満の範囲で駆動力Fを復帰させるように 、駆動力可変手段としてのモジュレーション クラッチ40が制御される。これを第1のタイヤ スリップ防止制御というものとする。

この第1のタイヤスリップ防止制御手段71a よる第1のタイヤスリップ防止制御は、図8(a) に例示されるように、後述する第2の制御の 4と同様の処理手順にて行われる。

フォワード制御手段72では、第1のタイヤス リップ防止制御終了後に、タイヤスリップ検 出時点の駆動力F0未満になるように、駆動力 変手段としてのモジュレーションクラッチ4 0が制御される。

このフォワード制御手段72によるフォワー 制御は、図8(b)に例示されるように、後述す る第3の制御の図6(b)と同様の処理手順で行わ る。

すなわち、作業車両10が掘削作業を開始す と、タイヤスリップ検出手段50では、タイ スリップが発生したことが検出される(ステ プ201)。

タイヤスリップ検出手段50でタイヤスリッ が検出されると、第1のタイヤスリップ防止 制御手段71aでは、タイヤスリップを抑制する ように駆動力を低下させる制御、つまりタイ ヤスリップ抑制制御が行われる(ステップ202)

タイヤスリップが抑制されると、第1のタ ヤスリップ防止制御手段71aでは、タイヤス ップ検出時点の駆動力F0未満の範囲で駆動力 Fを復帰させるように、駆動力可変手段とし のモジュレーションクラッチ40が制御される (復帰制御;ステップ203)。この復帰制御は、後 述する「本発明復帰制御」である。

上記復帰制御は、一定の条件で制御終了す る(ステップ204)。

 ただし、ステップ204の復帰制御終了前に タイヤスリップが検出されると(ステップ205 の判断YES)、手順はステップ202に戻り、再度 タイヤスリップ抑制制御が行われる。また ステップ204の復帰制御終了前に、タイヤス ップが検出されなければ(ステップ205の判断N O)、手順はステップ203に戻り、再度、復帰制 が行われる。

フォワード制御手段72では、第1のタイヤス リップ防止制御が終了すると、タイヤスリッ プ検出時点の駆動力F0未満になるように、駆 力可変手段としてのモジュレーションクラ チ40が制御される(フォワード制御;ステップ 401)。

つぎに、フォワード制御中断の条件が成立 したか否か、つまりタイヤスリップ検出手段 50でタイヤスリップが発生したか否かが判断 れる(ステップ402)。

タイヤスリップ発生が検出されていない場 合には(ステップ402の判断NO)、つぎのステッ 403にて、フォワード制御終了の条件が成立 たか否かが判断される(ステップ403)。

タイヤスリップ発生が検出されておらず、 フォワード制御終了の条件が成立していない 場合(ステップ403の判断NO)には、そのままフ ワード制御を続行する。

しかし、タイヤスリップ発生が検出された 場合には(ステップ402の判断YES)、フォワード 御を一時中断した上で、ステップ202に戻り 1のタイヤスリップ防止制御に移行する。

また、フォワード制御終了の条件が成立し ている場合には(ステップ403の判断YES)、フォ ード制御を終了させる(ステップ404)。

ここで、上述したタイヤスリップ抑制制御 、復帰制御(本発明復帰制御)、復帰制御(本発 明復帰制御)の終了の条件、フォワード制御 フォワード制御中断の条件、フォワード制 終了の条件について詳述する。

(タイヤスリップ抑制制御)

 図13(a)、(b)は、タイヤスリップ検出時点の 動力F0[kgf]と、このスリップ検出時点の駆動 F0に対応するモジュレーションクラッチ圧[k g/cm^2]との対応関係を表、グラフにて例示し いる。

図13に示される対応関係は、駆動力F0が検出 れたときに、確実にタイヤスリップを抑制 ることができるものとして実験、シミュレ ションにより検証されたものである。      
図13に示される対応関係は、コントローラ3内 に記憶されておかれる。

図14(a)、(b)は、モジュレーションクラッチ [kg/cm^2]と目標電流[mA]との対応関係を表、グ ラフにて例示している。

モジュレーションクラッチ圧が最小値0.0kg/ cm^2で目標電流が最小値150mAとなっているとき モジュレーションクラッチ40は、完全に非係 状態となっており、モジュレーションクラ チ圧が最大値25.0kg/cm^2で目標電流が最大値70 0mAとなっているときモジュレーションクラッ チ40は、完全に係合する。

タイヤスリップ防止制御手段71では、図13 図14にしたがい、モジュレーションクラッチ 圧をタイヤスリップ検出時点の駆動力F0未満 所定の駆動力に対応する大きさにするため 目標電流が生成され、目標電流に対応する 流指令が出力される。この場合の駆動力は たとえば、タイヤスリップを抑制するのに 分に低下したと考えられる駆動力に設定さ る。出力された電流指令に応じてモジュレ ションクラッチ圧が変更され、駆動力Fが低 下される。

タイヤスリップ抑制制御が終了する条件を 以下に例示する。

 下記の条件11、条件12、条件13の少なくと いずれかの条件が成立したことをもってタ ヤスリップ抑制制御を終了させ、つぎの復 制御へ移行させる。

・条件11:タイヤスリップ検出後0.3sec以降に作 業機2が特定の方向、つまりブーム2aがブーム 上げ方向に操作されたか、バケット2bがチル 方向に操作されたこと
・条件12:タイヤスリップ検出後1.0sec経過した こと
・条件13:駆動力Fが12.0ton以下に低下したこと
 すなわち、タイヤスリップが確実に抑制さ たか、掘削作業を終え、もはやタイヤスリ プを抑制する必要がないと判断された時点 、タイヤスリップ抑制制御は終了する。

(復帰制御(本発明復帰制御))
図15は、左右のタイヤの速度差[km/h](横軸)と 現在の駆動力F[kgf](縦軸)と、目標電流の増減 指令(電流指令)との対応関係を制御マップで 示したものである。

図15に示される制御マップは、タイヤスリ プ検出時点の駆動力F0未満の範囲で駆動力F 復帰させて、モジュレーションクラッチ40 完全な係合状態にすることができるものと て実験、シミュレーションにより検証され ものである。図15に示される制御マップは、 コントローラ3内に記憶されておかれる。

すなわち、
・左右のタイヤ30L、30Rの速度差が1.5km/h未満 なっているとき、
モジュレーションクラッチ圧を高めるために 目標電流値を、単位時間10msec当りに10mAづつ 加させる(以下、電流増加指令)。

ただし、現在の駆動力Fがタイヤスリップ 出時点の駆動力F0の90%未満になっているとき のみ、この電流増加指令を出力する(以下、 帰時の第1の駆動力制限制御)。

・左右のタイヤ30L、30Rの速度差が1.5km/h以上 なっているとき、
モジュレーションクラッチ圧を低くするため に目標電流値を、単位時間10msec当りに10mAづ 減少させる(以下、電流減少指令)。

・現在の駆動力Fがタイヤスリップ検出時点 駆動力F0の95%以上になっているとき、
モジュレーションクラッチ圧を低くするため に目標電流値を、単位時間10msec当りに10mAづ 減少させる(以下、復帰時の第2の駆動力制限 制御)。

以上のように左右タイヤの速度差が小さく タイヤスリップが発生するおそれがない限り 、かつ現在の駆動力Fがタイヤスリップ検出 点の駆動力F0よりも低い一定範囲に収まって いる限り、モジュレーションクラッチ圧が高 められる。

(復帰制御(本発明復帰制御)の終了条件)

 図14にしたがい、目標電流が最大値700mAとな り、モジュレーションクラッチ圧が最大値25. 0kg/cm^2に到達すると、モジュレーションクラ チ40は、完全に係合する。この時点で制御 了となる。

(フォワード制御)
 フォワード制御は、前述の復帰時の第1の駆 動力制限制御、復帰時の第2の駆動力制限制 と同内容の制御内容である。すなわち、
・現在の駆動力Fがタイヤスリップ検出時点 駆動力F0の90%未満になっているときには、モ ジュレーションクラッチ圧を高めるために目 標電流値を、単位時間10msec当りに10mAづつ増 させる電流増加指令を出力する。

・ 現在の駆動力Fがタイヤスリップ検出時 点の駆動力F0の95%以上になっているときには モジュレーションクラッチ圧を低くするた に目標電流値を、単位時間10msec当りに10mAづ つ減少させる電流減少指令を出力する。



 ただし、電流値は、150mA~700mAの範囲、つま モジュレーションクラッチ圧で0から25.0kg/cm^ 2(完全非係合状態から完全係合状態までの範 )で増減される。

以上のように、現在の駆動力Fがタイヤス ップ検出時点の駆動力F0よりも低い一定範囲 に収まるようにモジュレーションクラッチ圧 が制御される。

(フォワード制御中断の条件)
さて、上述のフォワード制御の実行中に、路 面の状態が変動するなどして、タイヤスリッ プが発生することがある。このような場合に は、タイヤスリップを引き起こす限界の駆動 力が低下している場合であり、再度第1のタ ヤスリップ防止制御に移行してタイヤスリ プを確実に抑制するとともにタイヤスリッ 検出時点の駆動力F0を更新することが望まし い。

そこで、第1の制御では、フォワード制御 実行中に、タイヤスリップ検出手段50でタイ ヤスリップが検出された場合には(ステップ40 2の判断YES)、第1のタイヤスリップ防止制御を 優先して行うべく、フォワード制御手段72に る制御を中断するとともに、ステップ202に り第1のタイヤスリップ防止制御に移行され る。

この結果、タイヤスリップ検出時点の駆動力 F0が更新され、更新された駆動力F0に基づき 1のタイヤスリップ防止制御が行なわれる。 1のタイヤスリップ防止制御を終えてフォワ ード制御が再開されると、更新されたタイヤ スリップ検出時点の駆動力F0未満に駆動力が 限されてタイヤスリップが抑制される。こ ように第1の制御によれば、路面状況などの 変動に柔軟に対処できる。 
(フォワード制御終了の条件)
さて、掘削作業を想定すると、作業機用操作 レバー4によって作業機2であるブーム2aが上 方向に操作されたり、バケット2bがチルト方 向に操作されたりした場合には、タイヤ30の 面への垂直抗力が増大してタイヤ30と路面 の間で摩擦が大きくなりタイヤスリップが 生しにくくなる。したがって、このような 合には、駆動力を制限してタイヤスリップ 対処する必要性がなくむしろ作業機の作業 を向上させるためにフォワード制御を終了 せて駆動力を制限した状態を解除すること 望ましい。

また、前後進選択操作レバー5によって作 機2が特定の方向に操作されることは、オペ ータが掘削作業を一旦終了したいとの意思 表れである。また、作業車両1の進行方向が 逆方向に操作されたとき、たとえば作業車両 1が前進方向Fから後進方向Rに切換操作された ときは、作業機2が地山等から遠ざかる場合 あり、一回の掘削を終えたことを意味する 一回の掘削を終えると、タイヤスリップが 生しにくくなる。また今回の掘削時と次回 掘削時とでは路面の状態が異なる。したが て、このような場合には、駆動力を制限し タイヤスリップに対処する必要性がなく、 しろ、次回の掘削開始に備えるためにフォ ード制御を終了させて駆動力を制限した状 を解除することが望ましい。

そこで、第1の制御では、フォワード制御 実行中に、作業機2が特定の方向に操作され 場合または作業車両1の進行方向が逆方向に 操作された場合には(ステップ403の判断YES)、 ォワード制御を終了させるようにする(ステ ップ404)。

第1の制御によれば、不必要に駆動力を制 した状態を解除でき、次回の掘削開始に備 ることができる。

なお、フォワード制御の終了の条件が成立 した時点で、スリップ検出時点の駆動力F0が セットされる。リセット時には、フォワー 制御が働かないように大きな数値が設定さ る。

第1の制御の作用効果は、図3、図9を用いて 説明される。

図9(a)は、第1の制御における掘削作業中の 動力Fの時間変化を例示したものであり、図 9(b)は、駆動力可変手段40がモジュレーション クラッチ40である場合のクラッチ圧の時間変 を例示したものであり、図9(c)は、比較例と して従来技術における掘削作業中の駆動力F 時間変化を例示したものである。

図3(a)は、第1の制御(後述する第2の制御に いても同じ)における掘削作業中の左右タイ 30L、30Rの回転数の時間変化を例示したもの あり、図3(b)は、比較例として従来技術にお ける掘削作業中の左右タイヤ30L、30Rの回転数 の時間変化を例示したものである。

第1の制御の場合には、タイヤスリップが 生したことが検出されると、タイヤスリッ を抑制するように駆動力Fが低下される。そ てタイヤスリップ抑制後に、タイヤスリッ 検出時点の駆動力F0未満の範囲で駆動力Fが 帰される(図9)。このため一度はタイヤスリ プが発生し、それに応じて駆動力Fが大きく 低下するものの、以後、第1のタイヤスリッ 防止制御が行なわれている限り、タイヤス ップの発生を防ぐことができる(図3(a))。

 これに対して従来技術(特許文献1)の場合 は、タイヤスリップが発生したことが検出 れると、モジュレーションクラッチ圧を低 させてモジュレーションクラッチ40の係合 合いを弱めてタイヤ30に伝達される駆動力F 低下させることで、一旦タイヤスリップは 制される。一旦タイヤスリップは抑制され ものの、タイヤスリップ抑制後にモジュレ ションクラッチ圧を元の状態まで復帰させ ときは、タイヤ30に伝達される駆動力や動摩 擦力とは無関係に、左右の駆動輪の回転数差 に応じてモジュレーションクラッチ圧が徐々 に高められるのみである。このため、モジュ レーションクラッチ圧上昇中に再度タイヤス リップを引き起こしてしまう。以後、モジュ レーションクラッチ圧の低下によるタイヤス リップの抑制と、モジュレーションクラッチ 圧の上昇によるタイヤスリップ発生とが交互 に繰り返される(図9(c))。

このため従来技術では、一時的にタイヤス リップが抑制されているとはいえ、モジュレ ーションクラッチ圧を復帰させている期間に わたり、タイヤスリップが繰り返し発生する ことになる(図3(b))。

このように第1の制御によれば、後述する 2の制御と同様に、第1のタイヤスリップ防止 制御が行なわれている間、タイヤスリップを 繰り返し発生させないようにすることができ る(図3(a))。このため、タイヤスリップによる 作業効率の低下という問題、タイヤ損傷によ る耐久性低下およびユーザのタイヤ交換費用 負担大という従来発生していた問題が解決さ れる。

また、予めオペレータにより駆動力が設定 されている場合と異なり、その路面状況に応 じた適切な駆動力を伝達させることができる 。

図16に、第1のタイヤスリップ防止制御とフ ォワード制御の状態変化の例を示す。図16に いて、横軸は時間軸であり、縦軸のオンは 御実行中を意味し、縦軸のオフは制御中断 いしは制御終了を意味する。

 同図16に示すように、時刻τ0でタイヤス ップが検出されると、検出された時点の駆 力F0が計測され、計測された駆動力F0が記憶 れるとともに、第1のタイヤスリップ防止制 御が開始されオンとなる。

時刻τ1でタイヤスリップ防止制御が終了し オフとなると、フォワード制御が開始されて オンとなる。

 フォワード制御実行中の時刻τ2でタイヤ リップが再度検出されると、その時点の駆 力F0´が計測される。そして前回記憶してお かれたタイヤスリップ時点の駆動力F0が今回 度検出された駆動力F0´によって置き換えら れ更新される。

 同時刻τ2でフォワード制御は一時中断さ てオフとなるとともに、第1のタイヤスリッ プ防止制御が開始されてオンとなる。再開さ れた第1のタイヤスリップ防止制御は、更新 れた駆動力F0´に基づき行われる。

時刻τ3で第1のタイヤスリップ防止制御が 了しオフとなると、フォワード制御が再開 れてオンとなる。

時刻τ4でオペレータが作業機2を操作する どしてフォワード制御終了の条件が成立す と、フォワード制御が終了する。

なお、図16において、「第1のタイヤスリッ プ防止制御」とした部分は、後述の第3の制 において、「第2のタイヤスリップ防止制御 と置き換えて、上述したのと同様の制御が なわれる。

 更に第1の制御によれば、つぎのような作 用効果が得られる。

第1の制御の場合には、タイヤスリップが 生したことが検出されると、第1のタイヤス ップ防止制御が開始され、タイヤスリップ 抑制するように駆動力Fが低下される(タイ スリップ抑制制御;ステップ202)。ここで、タ イヤスリップを確実に抑制するために、図13 示すように、モジュレーションクラッチ圧 強制的に極めて低い値に急激に低下されて 動力Fが急激に低下する。したがって作業車 両1に乗車しているオペレータに操作上の違 感やオペレータおよび作業車両1の車体1aに ョックを与える。そしてタイヤスリップ抑 後に、モジュレーションクラッチ圧が高め れて駆動力Fが復帰され、第1のタイヤスリッ プ防止制御が終了する。第1のタイヤスリッ 防止制御は、たとえばモジュレーションク ッチ圧が完全係合状態に対応する所定圧力MA X(25.0kg/cm^2)まで上昇した時点で終了する(図9(a )、(b))。

第1のタイヤスリップ防止制御終了後に、 ォワード制御が開始される。フォワード制 が開始されると、以後、タイヤスリップ検 時点の駆動力F0未満になるように、駆動力可 変手段としてのモジュレーションクラッチ40 制御される。ここで、オペレータが再度、 クセルペダルを踏込む等して駆動力Fを上昇 させようとしたとする。しかし、フォワード 制御開始以後は、駆動力Fがタイヤスリップ 出時点の駆動力F0未満に抑制されているため 、タイヤスリップにいたる駆動力まで到達せ ずタイヤスリップの発生を未然に防ぐことが できる。したがって以後、再度、タイヤスリ ップの検出を起点にしてタイヤスリップ防止 制御に移行することが回避できる。このため 、タイヤスリップ防止制御が再度開始されて 、上述したタイヤスリップ抑制制御(ステッ 202)がなされることで駆動力Fが大きく落ち込 むことを回避できる。この結果、オペレータ に操作上の違和感やオペレータおよび車体1a ショックを与えることがない。

 これに対して従来技術(特許文献1)の場合 は、タイヤスリップが発生したことが検出 れると、タイヤスリップ防止制御が開始さ 、タイヤスリップを抑制するように駆動力 低下される(タイヤスリップ抑制制御)。こ で、タイヤスリップを確実に抑制するため 、モジュレーションクラッチ圧が強制的に めて低い値に急激に低下されて駆動力Fが急 に低下する。したがって作業車両1に乗車し ているオペレータに操作上の違和感やオペレ ータおよび車体にショックを与える。そして タイヤスリップ抑制後に、駆動力Fが復帰さ 、タイヤスリップ防止制御が終了する。タ ヤスリップ防止制御は、たとえばモジュレ ションクラッチ圧が完全係合圧まで上昇し 時点で終了する(図9(c))。

また、タイヤスリップ防止制御終了後には 、第1の制御と異なり、フォワード制御は実 されない。このためオペレータが再度、ア セルペダルを踏込む等して駆動力Fを上昇さ ようとすると、駆動力Fがタイヤスリップを 引き起こす限界の駆動力を超えるため、再度 スリップが発生する。したがって以後、再度 、タイヤスリップの検出を起点にしてタイヤ スリップ防止制御が開始されて、上述したタ イヤスリップ抑制制御がなされ、これにより 駆動力Fが大きく落ち込む。この結果、再度 わたりオペレータに操作上の違和感やオペ ータおよび車体1aにショックを与えることと なる。

 このように第1の制御によれば、フォワー ド制御を行なうようにしているため、少なく ともフォワード制御が行なわれている期間は 、タイヤスリップが確実に抑制される。

 しかも、フォワード制御が行なわれるこ で、再度タイヤスリップ防止制御に移行す ことを未然に防ぐことができる。このため タイヤスリップ防止制御(タイヤスリップ抑 制制御)が再度行なわれることで、再び、オ レータに操作上の違和感やオペレータおよ 車体1aにショックを与えることが回避される 。

 このように第1の制御によれば、後述する 第3の制御と同様に、フォワード制御を行な ようにしているため、第1のタイヤスリップ 止制御が終了した以降の期間についても、 イヤスリップが確実に抑制される(図9(a))。

 しかも、フォワード制御が行なわれるこ で、再度タイヤスリップ防止制御(タイヤス リップ抑制制御)に移行することを未然に防 ことができる。このため、タイヤスリップ 止制御(タイヤスリップ抑制制御)が再度行な われることで、再びオペレータに操作上の違 和感やオペレータおよび車体1aにショックを えることが回避される。

(第2の制御)
つぎに、第2の制御について説明する。

第2の制御は、上述した第1の制御からフォ ード制御を除いたものである。

以下では、第2の制御について、作業車両1 掘削用の作業機2を備え、モジュレーション クラッチ40を備えた第1の車両構成例の車両で あると想定して説明する。

 図12(a)は、第2の制御に適用されるコント ーラ3の構成を示している。コントローラ3 、駆動力制御手段70としてのタイヤスリップ 防止制御手段71を備えている。このタイヤス ップ防止制御手段71は、第1のタイヤスリッ 防止制御手段71aを含んで構成されている。

第1のタイヤスリップ防止制御手段71aでは タイヤスリップ検出手段50でタイヤスリップ が検出された場合に、タイヤスリップを抑制 するように駆動力を低下させ、タイヤスリッ プ抑制後に、タイヤスリップ検出時点の駆動 力F0未満の範囲で駆動力Fを復帰させるように 、駆動力可変手段としてのモジュレーション クラッチ40が制御される(第1のタイヤスリッ 防止制御)。

この第1のタイヤスリップ防止制御手段71a よる第1のタイヤスリップ防止制御は、図4に 例示される処理手順にて行われる。

すなわち、作業車両10が掘削作業を開始す と、タイヤスリップ検出手段50では、タイ スリップが発生したことが検出される(ステ プ201)。

タイヤスリップ検出手段50でタイヤスリッ が検出されると、第1のタイヤスリップ防止 制御手段71aでは、タイヤスリップを抑制する ように駆動力を低下させる制御(以下、タイ スリップ抑制制御という)が行われる(ステッ プ202)。

タイヤスリップが抑制されると、第1のタ ヤスリップ防止制御手段71aでは、タイヤス ップ検出時点の駆動力F0未満の範囲で駆動力 Fを復帰させるように、駆動力可変手段とし のモジュレーションクラッチ40が制御される (復帰制御(本発明復帰制御);ステップ203)。

上記復帰制御は、一定の条件で終了(以下 制御終了という)する(ステップ204)。

ただし、ステップ204の復帰制御終了前に、 タイヤスリップが検出されると(ステップ205 判断YES)、手順はステップ202に戻り、再度、 イヤスリップ抑制制御が行われる。また、 テップ204の復帰制御終了前に、タイヤスリ プが検出されなければ(ステップ205の判断NO) 、手順はステップ203に戻り、再度、復帰制御 が行われる。

上述のタイヤスリップ抑制制御の内容、復 帰制御(本発明復帰制御)の内容、復帰制御(本 発明復帰制御)の終了の条件についての詳細 内容は、第1の制御で説明したのと同様であ ので省略する。

 かかる第2の制御の作用効果は、図2(c)、 3、図5を用いて説明される。

図5(a)は、第2の制御における作業中の駆動 Fの時間変化を例示したものであり、図5(b) 、駆動力可変手段40がモジュレーションクラ ッチ40である場合のクラッチ圧の時間変化を 示したものであり、図2(c)は、比較例として 従来技術における掘削作業中の駆動力Fの時 変化を例示したものである。

 第2の制御の場合には、タイヤスリップが 発生したことが検出されると、タイヤスリッ プを抑制するように駆動力Fが低下される。 してタイヤスリップ抑制後に、タイヤスリ プ検出時点の駆動力F0未満の範囲で駆動力F 復帰される(図5)。このため一度はタイヤス ップが発生し、それに応じて駆動力Fが大き 低下するものの、以後、第1のタイヤスリッ プ防止制御が行なわれている限り、タイヤス リップの発生を防ぐことができる(図3(a))。

 これに対して従来技術(特許文献1)の場合 は、タイヤスリップが発生したことが検出 れると、モジュレーションクラッチ圧を低 させてモジュレーションクラッチ40の係合 合いを弱めてタイヤ30に伝達される駆動力F 低下させることで、一旦タイヤスリップは 制される。一旦タイヤスリップは抑制され ものの、タイヤスリップ抑制後にモジュレ ションクラッチ圧を元の状態まで復帰させ ときは、タイヤ30に伝達される駆動力や動摩 擦力とは無関係に、左右の駆動輪の回転数差 に応じてモジュレーションクラッチ圧が徐々 に高められるのみである。このため、モジュ レーションクラッチ圧上昇中に再度タイヤス リップを引き起こしてしまう。以後、モジュ レーションクラッチ圧の低下によるタイヤス リップの抑制と、モジュレーションクラッチ 圧の上昇によるタイヤスリップ発生とが交互 に繰り返される(図2(c))。

このため従来技術では、一時的にタイヤス リップが抑制されているとはいえ、モジュレ ーションクラッチ圧を復帰させている期間に わたり、タイヤスリップが繰り返し発生する ことになる(図3(b))。

このように第2の制御によれば、第1のタイ スリップ防止制御が行なわれている間、タ ヤスリップを繰り返し発生させないように ることができる。このため、タイヤスリッ による作業効率の低下という問題、タイヤ 傷による耐久性低下およびユーザのタイヤ 換費用負担大という従来発生していた問題 解決される。

(第3の制御)
つぎに第3の制御について説明する。

第3の制御は、前述の第1の制御において、 帰制御を、「本発明復帰制御」ではなく、 従来復帰制御」で行う制御のことである。

第3の制御についても、作業車両1が掘削用 作業機2を備え、モジュレーションクラッチ 40を備えた第1の車両構成例の車両であると想 定して説明する。

 図12(b)は、第3の制御に適用されるコント ーラ3の構成を示している。コントローラ3 、駆動力制御手段70としてのタイヤスリップ 防止制御手段71とフォワード制御手段72を備 ている。タイヤスリップ防止制御手段71は、 第2のタイヤスリップ防止制御手段71bを含ん 構成されている。

第2のタイヤスリップ防止制御手段71bでは タイヤスリップ検出手段50でタイヤスリップ が検出された場合に、タイヤスリップを抑制 するように駆動力Fを低下させ、タイヤスリ プ抑制後に、駆動力Fを復帰させるように、 動力可変手段としてのモジュレーションク ッチ40が制御される。これを第2のタイヤス ップ防止制御という。

第2のタイヤスリップ防止制御は、タイヤ リップ抑制制御と従来復帰制御とからなる 御である。

この第2のタイヤスリップ防止制御手段71b よる第2のタイヤスリップ防止制御は、図6(a) に例示される処理手順にて行われる。ただし 図4のものと異なり、タイヤスリップ検出時 の駆動力F0未満の範囲で駆動力Fを復帰させ 復帰制御(本発明復帰制御)(図4のステップ203) は行なわれない。従来技術と同様に左右のタ イヤの速度差に応じてモジュレーションクラ ッチ圧を高めていくのみである(従来復帰制 )。

フォワード制御手段72では、第2のタイヤス リップ防止制御終了後に、タイヤスリップ検 出時点の駆動力F0未満になるように、駆動力 変手段40が制御される。

このフォワード制御手段72によるフォワー 制御は、図6(b)に例示される処理手順で行わ れる。

すなわち、作業車両1が掘削作業を開始す と、タイヤスリップ検出手段50では、タイヤ スリップが発生したことが検出される(ステ プ301)。

タイヤスリップ検出手段50でタイヤスリッ が検出されると、第2のタイヤスリップ防止 制御手段71bでは、タイヤスリップを抑制する ように駆動力を低下させる制御、つまり前述 のタイヤスリップ抑制制御が行われる(ステ プ302)。

タイヤスリップが抑制されると、第2のタ ヤスリップ防止制御手段71bでは、駆動力Fを 帰させるように、つまり、駆動力可変手段 してのモジュレーションクラッチ40を完全 係合するように制御される(従来復帰制御;ス テップ303)。

上記従来復帰制御は、前述の制御終了の条件 が成立したときに、つまり本発明復帰制御と 同様に完全係合により終了する(ステップ304)  
ただし、ステップ304の従来復帰制御終了前に 、タイヤスリップが検出されると(ステップ30 5の判断YES)、手順はステップ302に戻り、再度 タイヤスリップ抑制制御が行われる。また ステップ304の従来復帰制御終了前に、タイ スリップが検出されなければ(ステップ305の 判断NO)、手順はステップ303に戻り、再度、従 来復帰制御が行われる。

上述のステップ303の従来復帰制御について 更に詳述する。

(従来復帰制御)
従来復帰制御は、前述の復帰制御から復帰時 の第1の駆動力制限制御、復帰時の第2の駆動 制限制御を取り除いたものであり、以下の うに、左右のタイヤ30L、30Rの速度差に応じ 電流増減指令が出力されてモジュレーショ クラッチ圧が制御される。

すなわち、
・左右のタイヤ30L、30Rの速度差が1.5km/h未満 なっているとき、
モジュレーションクラッチ圧を高めるために 目標電流値を、単位時間10msec当りに10mAづつ 加させる電流増加指令を出力する。

・左右のタイヤ30L、30Rの速度差が1.5km/h以上 なっているとき、
モジュレーションクラッチ圧を低くするため に目標電流値を、単位時間10msec当りに10mAづ 減少させる電流減少指令を出力する。

以上のように左右タイヤの速度差が小さく タイヤスリップを発生するおそれがない限り モジュレーションクラッチ圧が高められる。

上述の図6(a)に示される第2のタイヤスリッ 防止制御が終了すると、フォワード制御が なわれる。すなわち、フォワード制御手段7 2では、第2のタイヤスリップ防止制御が終了 ると、タイヤスリップ検出時点の駆動力F0 満になるように、駆動力可変手段としての ジュレーションクラッチ40が制御される(ス ップ401)。

つぎに、フォワード制御中断の条件が成立 したか否か、つまりタイヤスリップ検出手段 50でタイヤスリップが発生したか否かが判断 れる(ステップ402)。

タイヤスリップ発生が検出されていない場 合には(ステップ402の判断NO)、つぎのステッ 403にて、フォワード制御終了の条件が成立 たか否かが判断される(ステップ403)。

タイヤスリップ発生が検出されておらず、 フォワード制御終了の条件が成立していない 場合(ステップ403の判断NO)には、そのままフ ワード制御を続行する。

しかし、タイヤスリップ発生が検出された 場合には(ステップ402の判断YES)、フォワード 御を一時中断した上で、ステップ302に戻り 2のタイヤスリップ防止制御に移行する。

また、フォワード制御終了の条件が成立し ている場合には(ステップ403の判断YES)、フォ ード制御を終了させる(ステップ404)。

 上述のフォワード制御の内容、フォワー 制御中断の条件、フォワード制御終了の条 については、第1の制御で説明したのと同様 である。ただし、以下のとおり、制御中断に 関しては、「第1のタイヤスリップ防止制御 ではなく、「第2のタイヤスリップ防止制御 に移行する。

(フォワード制御中断の条件)
フォワード制御の実行中に、路面の状態が変 動するなどして、タイヤスリップが発生する ことがある。このような場合には、タイヤス リップを引き起こす限界の駆動力が低下して いる場合であり、再度第2のタイヤスリップ 止制御に移行してタイヤスリップを確実に 制するとともにタイヤスリップ検出時点の 動力F0を更新することが望ましい。


そこで、第3の制御では、フォワード制御の 行中に、タイヤスリップ検出手段50でタイヤ スリップが検出された場合には(ステップ402 判断YES)、第2のタイヤスリップ防止制御を優 先して行うべく、フォワード制御手段72によ 制御を中断するとともに、ステップ302に戻 第2のタイヤスリップ防止制御に移行される 。

この結果、タイヤスリップ検出時点の駆動力 F0が更新され、更新された駆動力F0に基づき 2のタイヤスリップ防止制御が行なわれる。 2のタイヤスリップ防止制御を終えてフォワ ード制御が再開されると、更新されたタイヤ スリップ検出時点の駆動力F0未満に駆動力が 限されてタイヤスリップが抑制される。こ ように第3の制御によれば、路面状況などの 変動に柔軟に対処できる。 
 第3の制御の作用効果は、図7を用いて説明 れる。

図7(a)は、第3の制御における掘削作業中の 動力Fの時間変化を例示したものであり、図 7(b)は、駆動力可変手段40がモジュレーション クラッチ40である場合のクラッチ圧の時間変 を例示したものであり、図7(c)は、比較例と して従来技術における掘削作業中の駆動力F 時間変化を例示したものである。

 第3の制御の場合には、タイヤスリップが 発生したことが検出されると、第2のタイヤ リップ防止制御が開始され、タイヤスリッ を抑制するように駆動力Fが低下される(タイ ヤスリップ抑制制御;ステップ302)。ここで、 イヤスリップを確実に抑制するために、図1 3に示すように、モジュレーションクラッチ が強制的に極めて低い値に急激に低下され 駆動力Fが急激に低下する。したがって作業 両1に乗車しているオペレータに操作上の違 和感やオペレータおよび作業車両1の車体1aに ショックを与える。そしてタイヤスリップ抑 制後に、モジュレーションクラッチ圧が高め られて駆動力Fが復帰され、第2のタイヤスリ プ防止制御が終了する。第2のタイヤスリッ プ防止制御は、たとえばモジュレーションク ラッチ圧が完全係合状態に対応する所定圧力 MAX(25.0kg/cm^2)まで上昇した時点で終了する(図7 (a)、(b))。

第2のタイヤスリップ防止制御終了後に、 ォワード制御が開始される。フォワード制 が開始されると、以後、タイヤスリップ検 時点の駆動力F0未満になるように、駆動力可 変手段としてのモジュレーションクラッチ40 制御される。ここで、オペレータが再度、 クセルペダルを踏込む等して駆動力Fを上昇 させようとしたとする。しかし、フォワード 制御開始以後は、駆動力Fがタイヤスリップ 出時点の駆動力F0未満に抑制されているため 、タイヤスリップにいたる駆動力まで到達せ ずタイヤスリップの発生を未然に防ぐことが できる。したがって以後、再度、タイヤスリ ップの検出を起点にしてタイヤスリップ防止 制御に移行することが回避できる。このため 、タイヤスリップ防止制御が再度開始されて 、上述したタイヤスリップ抑制制御(ステッ 302)がなされることで駆動力Fが大きく落ち込 むことを回避できる。この結果、オペレータ に操作上の違和感やオペレータおよび車体1a ショックを与えることがない。

 これに対して従来技術(特許文献1)の場合 は、タイヤスリップが発生したことが検出 れると、タイヤスリップ防止制御が開始さ 、タイヤスリップを抑制するように駆動力 低下される(タイヤスリップ抑制制御)。こ で、タイヤスリップを確実に抑制するため 、モジュレーションクラッチ圧が強制的に めて低い値に急激に低下されて駆動力Fが急 に低下する。したがって作業車両1に乗車し ているオペレータに操作上の違和感やオペレ ータおよび車体にショックを与える。そして タイヤスリップ抑制後に、駆動力Fが復帰さ 、タイヤスリップ防止制御が終了する。タ ヤスリップ防止制御は、たとえばモジュレ ションクラッチ圧が完全係合圧まで上昇し 時点で終了する(図7(c))。

タイヤスリップ防止制御終了後には、第3 制御と異なり、フォワード制御は実行され い。このためオペレータが再度、アクセル ダルを踏込む等して駆動力Fを上昇させよう すると、駆動力Fがタイヤスリップを引き起 こす限界の駆動力を超えるため、再度スリッ プが発生する。したがって以後、再度、タイ ヤスリップの検出を起点にしてタイヤスリッ プ防止制御が開始されて、上述したタイヤス リップ抑制制御がなされ、これにより駆動力 Fが大きく落ち込む。この結果、再度にわた オペレータに操作上の違和感やオペレータ よび車体1aにショックを与えることとなる。

 このように第3の制御によれば、フォワー ド制御を行なうようにしているため、少なく ともフォワード制御が行なわれている期間は 、タイヤスリップが確実に抑制される。

 しかも、フォワード制御が行なわれるこ で、再度タイヤスリップ防止制御に移行す ことを未然に防ぐことができる。このため タイヤスリップ防止制御(タイヤスリップ抑 制制御)が再度行なわれることで、再び、オ レータに操作上の違和感やオペレータおよ 車体1aにショックを与えることが回避される 。

なお、上述の第1の制御、第2の制御、第3の 制御では、モジュレーションクラッチ40を制 することで、駆動力Fを制限しているが、後 述する第2の車両構成例に示すように、容量 変手段40または/およびエンジン10の回転数を 制御することで、駆動力Fを制限してもよい また、閉回路83を流れる圧油の圧力を制御す ることで、駆動力Fを制限してもよい。

なお、また、上述の第1の制御、第2の制御 第3の制御では、掘削作業中に駆動力Fを制 する制御を行うようにしているが、他の作 中であってタイヤスリップが発生しやすい 況下で同様に駆動力Fを制限する制御を行う うにしてもよい。また、掘削用の作業機を えていない作業車両1に対しても同様に適用 することができる。

(第4の制御)

 図11は、第4の制御のフローチャートを示し いる。

 すなわち、作業車両10が掘削作業を開始 ると、タイヤスリップ検出手段50では、タイ ヤスリップが発生したことが検出される(ス ップ101)。

つぎに、駆動力計測手段60では、タイヤス ップ検出手段50でタイヤスリップが検出さ た場合に、タイヤスリップ検出時点の駆動 F0が計測される(ステップ102)。

 つぎに、駆動力制御手段70では、駆動力F タイヤスリップ検出時点の駆動力F0未満に るように、駆動力可変手段としてのモジュ ーションクラッチ40が制御される(ステップ10 3)。

かかる第4の制御による作用効果は、図2、 3を用いて説明される。

 図2(a)は、第4の制御における掘削作業中 駆動力Fの時間変化を例示したものであり、 動力可変手段40がモジュレーションクラッ 40である場合のクラッチ圧の時間変化を例示 したものであり、図2(c)は、比較例として、 来技術における掘削作業中の駆動力Fの時間 化を例示したものである。

 図3(a)は、第4の制御における作業中の左 のタイヤ30L、30Rの回転数の時間変化を例示 たものであり、図3(b)は、比較例として従来 術における掘削作業中の左右のタイヤ30L、3 0Rの回転数の時間変化を例示したものである

 第4の制御の場合には、タイヤスリップが 発生したことが検出されると、以後は、駆動 力Fがタイヤスリップ検出時点の駆動力F0未満 になるように、モジュレーションクラッチ40 制御される。このため、駆動力Fは、駆動力 F0未満に抑制される(図2(a)、(b))。このため一 はタイヤスリップが発生するものの、以後 掘削作業中の全期間にわたりタイヤスリッ の発生を防ぐことができる。なお、図3(a)は 、左右のタイヤ30L、30Rのうち片方のタイヤ30L でタイヤスリップが発生したことを示してい る。他方のタイヤ30Rの回転数はほぼ零となっ ている(図3(a))。

 これに対して従来技術(特許文献1)の場合 は、タイヤスリップが発生したことが検出 れると、モジュレーションクラッチ圧を低 させてモジュレーションクラッチ40の係合 合いを弱めてタイヤ30に伝達される駆動力F 低下させることで、一旦タイヤスリップは 制される。一旦タイヤスリップは抑制され ものの、タイヤスリップ抑制後は、タイヤ30 に伝達される駆動力や動摩擦力とは無関係に 、左右の駆動輪の回転数差に応じてモジュレ ーションクラッチ圧が徐々に高められるのみ である。このため、モジュレーションクラッ チ圧上昇中に再度タイヤスリップを引き起こ してしまう。以後、モジュレーションクラッ チ圧の低下によるタイヤスリップの抑制と、 モジュレーションクラッチ圧の上昇によるタ イヤスリップ発生とが交互に繰り返される( 2(c))。

このため従来技術では、一時的にタイヤス リップが抑制されているとはいえ、掘削作業 が行なわれている全期間にわたり、タイヤス リップが繰り返し発生することになる(図3(b)) 。

このように第4の制御によれば、掘削作業 などのタイヤスリップが生じるおそれのあ 状況下でタイヤスリップを繰り返し発生さ ないようにすることができる。このため、 イヤスリップによる作業効率の低下という 題、タイヤ損傷による耐久性低下およびユ ザのタイヤ交換費用負担大という従来発生 ていた問題が解決される。

 なお、上述した第1の車両構成例を前提と して第1の制御、第2の制御、第3の制御、第4 制御では、モジュレーションクラッチ40のク ラッチ圧を制御するものとして説明したが、 モジュレーションクラッチ40のクラッチ圧を 御する代わりに、トランスミッション24の ラッチの圧力を制御する実施も可能である

なお、駆動力Fの計測は、タイヤスリップ 検出された場合に実施してもよく、常時実 してもよい。

(第2の車両構成例)
 図1(a)では、走行用の駆動力伝達経路20に、 ジュレーションクラッチ40が設けられた車 構成を例示した。しかし、本発明は、図10に 示すように、駆動力伝達経路20に、静流体駆 式トランスミッション(HST;Hydrostatic Transmissi on)80が設けられた構成の作業車両1にも適用す ることができる。

 同図10に示すように、静流体駆動式トラ スミッション80は、エンジン10の出力軸21に 結される油圧ポンプ81と、タイヤ30に連結さ る油圧モータ82と、油圧ポンプ81と油圧モー タ82とを連通する閉回路83、つまり油圧の流 が閉じられた回路83とを含んで構成されてい る。

 油圧ポンプ81は、可変容量型で2方向流れ 1方向回転型の油圧ポンプである。

油圧モータ82は、可変容量型で2方向流れ、 2方向回転型の油圧モータである。

油圧モータ82の出力軸82aは、トランスファ 84に連結されている。トランスファー84は、 タイヤ30が装着された駆動輪に連結されてい 。

油圧ポンプ81の斜板は、ポンプ容量変更用 クチュエータ46に連結されている。

油圧モータ82の斜板は、モータ容量変更用 クチュエータ47に連結されている。

ポンプ容量変更用アクチュエータ46と、モ タ容量変更用アクチュエータ47とからなる 量可変手段は、駆動力可変手段40を構成して いる。

エンジン10の出力軸21には、容量変更用の 定容量型油圧ポンプ45が連結されている。ポ ンプ容量変更用アクチュエータ46と、モータ 量変更用アクチュエータ47は、HSTコントロ ラ48から出力される電気信号に応じて作動さ れる。

ポンプ容量変更用アクチュエータ46と、モ タ容量変更用アクチュエータ47にはそれぞ 固定容量型油圧ポンプ45から吐出された圧油 が流入される。ポンプ容量変更用アクチュエ ータ46とモータ容量変更用アクチュエータ47 それぞれ、HSTコントローラ48から出力される 制御電気信号に応じて作動される。これによ り油圧ポンプ81の斜板角、油圧モータ82の斜 角がそれぞれ調整され、油圧ポンプ81の容量 qp、油圧モータ82の容量qMがそれぞれ制御され る。なお、ここで、「容量」とは、ポンプお よびモータ共に一回転当りの吐出量(単位は とえばcc/rev)のことである。

HSTコントローラ48は、タイヤスリップ検出 段50と、駆動力計測手段60と、駆動力制御手 段70とを含んで構成されている。

エンジン10の出力軸21には、エンジン10の回 転数を検出するエンジン回転センサ7が設け れている。

油圧モータ82の出力軸82aには、油圧モータ8 2の出力軸82aの回転数を検出するモータ出力 回転センサ8が設けられている。

HSTコントローラ48には、アクセルペダル6の 踏み込み操作量であるスロットル量を示す信 号、エンジン回転数を示す信号、油圧モータ 出力軸回転数を示す信号が入力される。

HSTコントローラ48は、エンジン回転数の制 と、変速の制御と、駆動力の制御を行なう

HSTコントローラ48は、スロットル量の大き に応じて、エンジン回転数を増加するよう エンジン回転数を制御する。

HSTコントローラ48は、スロットル量の大きさ 応じて、油圧ポンプ81と油圧モータ82の変速 比
r=qp/qM
を自動的に変化させて、変速を行う。油圧ポ ンプ81の容量qpを大きくするか、油圧モータ82 の容量qMを小さくすることで、油圧モータ82 高回転、低トルクとなり、油圧ポンプ81と油 圧モータ82の変速比r(=qp/qM)が高くなり、シフ アップが行なわれる。また油圧ポンプ81の 量qpを小さくするか、油圧モータ82の容量qM 大きくすることで、油圧モータ82は低回転、 高トルクとなり、油圧ポンプ81と油圧モータ8 2の変速比r(=qp/qM)が低くなり、シフトダウン 行なわれる。

 変速比rは、アクセルペダルの踏込み操作 量、そのときのエンジン回転数や車速により 、最適な値になるように制御される。

 静流体駆動式トランスミッション(HST)80の 最適な制御されている減速比を変更すること で、タイヤ30に伝達される駆動力Fを変更する ことができる。たとえば、最適な変速比rと っている状態から、油圧ポンプ81の容量qpを さくすることによって、および/または油圧 モータ82の容量qMを大きくすることによって 駆動力を小さくすることができる。

 HSTコントローラ48のタイヤスリップ検出 段50では、油圧モータ出力軸回転数に基づい てタイヤスリップが発生したことが発生した ことが検出される。

 HSTコントローラ48の駆動力計測手段60では 、タイヤスリップ検出手段50でタイヤスリッ が検出された場合に、タイヤスリップ検出 点の駆動力F0が計測される。

 現在の駆動力Fは、トランスファー84やタ ヤ30の径などの機械的な伝達係数を定数と て、エンジン回転数、油圧ポンプ81の容量qp 油圧モータ82の容量qMに基づいて計算するこ とができる。なお、厳密には油圧機器の油圧 漏れや回路の油圧ロスも考慮しなければなら ないことはいうまでもない。

 以上のようにしてタイヤスリップ検出時 の駆動力F0が計測されると、HSTコントロー 48の駆動力制御手段70は、駆動力Fがタイヤス リップ検出時点の駆動力F0未満になるように 駆動力可変手段としての容量可変手段40を 御する。具体的には、油圧ポンプ81の容量qp 下げて、スリップが止まったならば、タイ スリップ検出時の駆動力F0未満の範囲で、 適な変速比rを近づけるように油圧ポンプ81 容量qpを上げていく制御を行なう。なお、油 圧ポンプ81でなく、油圧モータ82若しくは油 ポンプ81と油圧モータ82の両方を制御しても い。

 また、閉回路83を流れる圧油の圧力を調 することによって、駆動力Fを制御してもよ 。

 以上のような車両構成を前提として、コ トローラ3で第1の制御、第2の制御、第3の制 御、第4の制御を実施することができる。

また、上述した第1の車両構成例、第2の車 構成例では、油圧クラッチを備えたトラン ミッション24、静流体駆動式トランスミッ ョン(HST)80で変速を行うものとして説明した 、かかるトランスミッションの形式は一例 あり、作業車両では、油圧と機械駆動力な しは電気駆動力を併用したトランスミッシ ンの形態も知られている。

本発明は、あらゆる形態のトランスミッシ ョンに対して同様に適用することができる。

 また、以上の実施例では、作業車両とし ホイールローダを想定して説明したが、本 明は、モジュレーションクラッチなどの駆 力可変手段が設けられた作業車両であれば ホイール式ショベル、ブルドーザ、フォー リフトなどの他の作業車両にも同様にして 用することができる。

 明細書において例示されたスリップ発生 出の条件等や数値等により、請求の範囲が 定されるものではない。たとえば、全ての イヤの速度を計測し、いずれか1つだけが他 のタイヤと比較して高速になった場合をスリ ップ状態と判断してもよい。また、スリップ を抑制するために、クラッチを完全非係合状 態にして、タイヤに伝達する駆動力を低下さ せてもよい。

図1(a)は、実施形態の作業車両の構成を 示すブロックであり、ホイールローダの構成 を、本発明に係る部分について示した図で、 図1(b)は、作業車両の外観を示す図であり、 イールローダの外観を、本発明に係る部分 ついて示した図である。 図2(a)は、本発明における作業中の駆動 力の時間変化を例示した図であり、図2(b)は 駆動力可変手段がモジュレーションクラッ である場合のクラッチ圧の時間変化を例示 たものであり、図2(c)は比較例として従来技 における作業中の駆動力の時間変化を例示 た図である。 図3(a)は、本発明における作業中の左右 タイヤの回転数の時間変化を例示した図であ り、図3(b)は、比較例として従来技術におけ 作業中の左右タイヤの回転数の時間変化を 示した図である。 図4は、第2の制御を説明する図で、第1 タイヤスリップ防止制御の処理手順を示す ローチャートである。 図5(a)は、本発明における作業中の駆動 力の時間変化を例示したものであり、図5(b) 、駆動力可変手段がモジュレーションクラ チである場合のクラッチ圧の時間変化を例 したものであり、図5(c)は、比較例として従 技術における作業中の駆動力の時間変化を 示したものである。 図6は、第3の制御を説明する図で、図6( a)は第2のタイヤスリップ防止制御の処理手順 を示すフローチャートであり、図6(b)はフォ ード制御の処理手順を示すフローチャート ある。 図7(a)は、本発明における作業中の駆動 力の時間変化を例示したものであり、図7(b) 、駆動力可変手段がモジュレーションクラ チである場合のクラッチ圧の時間変化を例 したものであり、図7(c)は、比較例として従 技術における作業中の駆動力の時間変化を 示したものである。 図8は、第1の制御を説明する図で、図8( a)は第1のタイヤスリップ防止制御の処理順を 示すフローチャートであり、図8(b)はフォワ ド制御の処理手順を示すフローチャートで る。 図9(a)は、本発明における作業中の駆動 力の時間変化を例示したものであり、図9(b) 、駆動力可変手段がモジュレーションクラ チである場合のクラッチ圧の時間変化を例 したものであり、図9(c)は、比較例として従 技術における作業中の駆動力の時間変化を 示したものである。 図10は、静流体駆動式トランスミッシ ンを備えた作業車両の構成図である。 図11は、第4の制御のフローチャートを 示した図である。 図12(a)、(b)は、コントローラの構成を す図である。 図13(a)、(b)は、駆動力と、この駆動力 対応するモジュレーションクラッチ圧との 応関係を表、グラフにて例示した図である 図14(a)、(b)は、モジュレーションクラ チ圧と目標電流との対応関係を表、グラフ て例示した図である。 図15は、左右のタイヤの速度差(横軸) 、現在の駆動力(縦軸)と、目標電流の増減指 令(電流指令)との対応関係を制御マップで例 した図である。 図16は、第1、第2のタイヤスリップ防 制御とフォワード制御の状態変化例を示す である。