TAMURA ATSUSHI (JP)
HIROTA ISAO (JP)
SASAKI SUSUMU (JP)
TAMURA ATSUSHI (JP)
HIROTA ISAO (JP)
JPH09328021A | 1997-12-22 | |||
JPH08210471A | 1996-08-20 | |||
JP2542423B2 | 1996-10-09 | |||
JPH10194003A | 1998-07-28 | |||
JP2006253400A | 2006-09-21 |
異なる軸線上に配置された2つのギヤの噛み合いを介して駆動力伝達可能に連動構成されたギヤ入力回転部材及びギヤ出力回転部材と、 前記ギヤ出力回転部材の両端側に連結され摩擦多板クラッチの締結により駆動力出力調整を行う左右一対のクラッチ出力調整機構部と、 を備えた駆動力分配伝達装置において、 前記異なる軸線上に配置された2つのギヤを、密閉状に区画されたギヤ室に収容すると共に、前記各摩擦多板クラッチを、密閉状に区画された左右一対のクラッチ室にそれぞれ収容し、 前記ギヤ室及び左右一対のクラッチ室の独立の3室の潤滑空間に、潤滑オイルをそれぞれ封入した、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項1記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記クラッチ室は、相対回転の無い二部材間に介設されたシール部材を備えて密閉された、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項1又は2記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記ギヤ入力回転部材及びギヤ出力回転部材を回転自在に支持すると共に前記ギヤ室を形成するギヤ・キャリヤと、 前記ギヤ・キャリヤに取り付けられて前記左右一対のクラッチ室を形成するクラッチ・キャリヤと、 を備えたことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項3記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記クラッチ出力調整機構部は、前記ギヤ出力回転部材に結合されたクラッチ入力回転部材と前記クラッチ・キャリヤに回転自在に支持され伝達駆動力を出力するためのクラッチ出力回転部材とを備えて該クラッチ入出力回転部材間に前記摩擦多板クラッチが介設され、 前記ギヤ・キャリヤ及びクラッチ・キャリヤ間、ギヤ・キャリヤ及びギヤ出力回転部材間、ギヤ出力回転部材及びクラッチ入力回転部材間、クラッチ・キャリヤ及びクラッチ出力回転部材間のそれぞれにシール部材を介設した、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項4記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記クラッチ・キャリヤは、軸方向の内端部に前記ギヤ・キャリヤに取り付けるためのキャリヤ取付嵌合部を備えると共に、軸方向の外端部に内径側に突出した軸支持部を備え、 前記クラッチ入力回転部材に、前記ギヤ出力回転部材への軸方向移動により着脱自在に連動結合させる結合シャフト部を設け、 前記クラッチ出力回転部材の一端側に、前記クラッチ入力回転部材を軸受けにより回転自在に連繋支持させると共に、前記クラッチ出力回転部材の他端側を、前記軸支持部に軸受けを介して回転自在に支持させた、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項5記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記摩擦多板クラッチに隣接して配置されると共に前記クラッチ出力回転部材の外周に回転係合しつつ軸方向押圧移動可能に設けられ前記摩擦多板クラッチを締結するためのプレッシャー・プレートと、 前記プレッシャー・プレートに、カム機構を介して軸方向に対向配置されると共に、前記クラッチ出力回転部材の外周に相対回転可能に支持されたカム・リングと、 前記クラッチ入力回転部材とカム・リングとの間に設けられたパイロット・クラッチと、 前記クラッチ・キャリヤに固定され前記パイロット・クラッチを締結操作する操作源と、 を備えたことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項6記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記クラッチ入力回転部材及びクラッチ出力回転部材に、前記摩擦多板クラッチの内外周両側を開放して潤滑オイルを内周側から外周側のクラッチ・キャリヤの内周面側へ流通させる第1,第2の連通部を設け、 前記クラッチ入力回転部材に、前記結合シャフト部と前記摩擦多板クラッチとの間で軸方向に貫通する第3の連通部を設けた、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項3~7の何れかに記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記クラッチ出力回転部材は、中空に形成されて外端から車軸を挿入して連動結合させるクラッチ出力中空軸を備え、 前記クラッチ出力中空軸の内端部外周に、前記クラッチ入力回転部材を軸受けを介して回転自在に連繋支持し、 前記クラッチ出力中空軸の内端部内周に、前記クラッチ室の密閉状態を維持させる閉止部材を取り付けた、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項6又は7記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記クラッチ出力回転部材は、中空に形成されて外端から車軸を挿入して連動結合させるクラッチ出力中空軸とこのクラッチ出力中空軸の外周にスプライン係合するクラッチ・ハブとからなり、 前記クラッチ出力中空軸の外周に、前記クラッチ・ハブの軸方向移動を規制して前記カム機構のカムスラスト力を受ける止め部材を設けた、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項6,7又は9の何れかに記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記操作源は、パイロット・クラッチを挟んでアーマチャに対し対向配置され非磁性部を備えたロータに隣接配置されると共に前記クラッチ・キャリヤに固定支持され前記ロータの非磁性部の周囲からアーマチャに渡る磁束ループを形成するための電磁石であり、 前記ロータに、前記電磁石よりも内径側で軸方向に貫通する第4の連通部を設け、前記クラッチ・キャリヤと前記電磁石との間に、前記クラッチ・キャリヤの内周面側から電磁石の背後を通り電磁石の内径側でクラッチ室に連通する第5の連通部を設けた、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項1記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記ギヤ入力回転部材及びギヤ出力回転部材を回転自在に支持するギヤ・キャリヤと、 前記ギヤ・キャリヤに取り付けられて前記クラッチ出力調整機構部を内包するクラッチ・キャリヤとを備え、 前記クラッチ出力調整機構部は、前記ギヤ出力回転部材に結合されたクラッチ入力回転部材と該クラッチ入力回転部材との間に前記摩擦多板クラッチが配置されたクラッチ出力回転部材とを備え、 前記左右一対のクラッチ室は、前記クラッチ入力回転部材と前記クラッチ出力回転部材との間で区画形成された、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項11記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記クラッチ入力回転部材の一端は、前記ギヤ・キャリヤに支持されると共に他端は、前記クラッチ・キャリヤに支持され、 前記クラッチ出力回転部材の両端は、前記クラッチ入力回転部材に支持された、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項11記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記各クラッチ室の周囲に、前記ギヤ・キャリヤとギヤ出力回転部材とクラッチ・キャリヤとクラッチ出力回転部材との間で密閉状に区画形成された包囲空間を設け、 前記両包囲空間を連通させた、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項11記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記ギヤ・キャリヤは、前記ギヤ出力回転部材を支持すると共に前記前記ギヤ室を前記クラッチ・キャリヤ内から区画する出力側支持壁を備え、 前記出力側支持壁に、前記クラッチ・キャリヤ内を前記ギヤ室に連通させる開口を設けた、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項11記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記各クラッチ室の周囲に、前記ギヤ・キャリヤとギヤ出力回転部材とクラッチ・キャリヤとによりクラッチ出力回転部材との間で密閉状に区画形成された包囲空間を設け、 前記包囲空間に、前記クラッチ室を冷却するための冷媒を収容した、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項1~15の何れかに記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記ギヤ室と左右一対のクラッチ室とに、異なる種類の潤滑オイルを封入した、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項1~16の何れかに記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記一対のクラッチ出力調整機構部は、前記ギヤ出力回転部材と一体回転可能に連結するクラッチ入力回転部材と、該クラッチ入力回転部材に同心的に回転自在に支持されて前記車軸が一体回転可能に連結されるクラッチ出力回転部材と、前記クラッチ入出力回転部材間に配置される前記摩擦多板クラッチと、該摩擦多板クラッチの締結力を操作するアクチュエータと、前記クラッチ入出力回転部材によって区画され前記摩擦多板クラッチが収容されるクラッチ収容空間を封止するシール部材と、前記クラッチ収容空間に収容され前記摩擦多板クラッチを潤滑する潤滑オイルとからなる、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項17記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記クラッチ入力回転部材は、一端及び他端の両隔壁部と、該両隔壁部を連結して前駆摩擦多板クラッチを内周側に収容する円筒部と、前記一端の隔壁部に前記摩擦多板クラッチに対し軸方向反対側に延設され前記ギヤ出力回転部材に形成された中空状のギヤ出力結合部に軸方向に挿入連結される結合シャフト部とを備え、 前記クラッチ出力回転部材は、前記クラッチ入力回転部材の前記一端の隔壁部と他端の隔壁部とのそれぞれの内周側で前記クラッチ収容空間内に配置された支持部材を介して支持されると共に前記クラッチ収容空間外に設けられて前記車軸を挿入連結する中空状のクラッチ出力結合部が形成された、 ことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
請求項17又は18記載の駆動力分配伝達装置であって、 前記クラッチ出力調整機構部は、前記車軸方向への移動を規制されるように前記キャリヤに支持される移動規制部材を備えた、 を備えたことを特徴とする駆動力分配伝達装置。 |
本発明は、入力された駆動力を分配して 力可能な自動車等の駆動力分配伝達装置に する。
従来、入力された駆動力を分配して出力 能な自動車等の駆動力分配伝達装置として 二つの調節クラッチを備えた差動装置が知 れている。
この差動装置は、入力された駆動力を異 る軸線上に配置された2つのギヤの一例であ るハイポイド・ギヤの噛み合いによりギヤ出 力部材に伝達し、このギヤ出力部材から二つ の調節クラッチの締結調節により駆動力を分 配出力する構造となっている。
この差動装置が、例えば4輪駆動車の2次 動ラインに取り付けられ、二つの調節クラ チによる駆動力の出力調整によりエンジン らの駆動力を左右車輪へ分配出力できるよ になっている。
しかし、かかる差動装置は、ハイポイド ギヤの潤滑空間と調節クラッチの潤滑空間 が連通しており、車両旋回走行時に潤滑オ ルが一方の調節クラッチ側へ偏り、他方の 節クラッチなどの摺動部の潤滑不足を来た 恐れがあり、信頼性の低下を招いていた。
解決しようとする問題点は、旋回走行時 に潤滑オイルが偏り、摺動部の潤滑不足を たす恐れがあり、信頼性の低下を招く恐れ あった点である。
本発明は、旋回走行時等でも潤滑オイル 偏りを抑制して摺動部の潤滑を円滑に行わ ることにより信頼性を向上するため、異な 軸線上に配置された2つのギヤの噛み合いを 介して駆動力伝達可能に連動構成されたギヤ 入力回転部材及びギヤ出力回転部材と、前記 ギヤ出力回転部材の両端に結合され摩擦多板 クラッチの締結により駆動力出力調整を行う 左右一対のクラッチ出力調整機構部とを備え た駆動力分配伝達装置において、前記異なる 軸線上に配置された2つのギヤを、密閉状に 画されたギヤ室に収容すると共に、前記各 擦多板クラッチを、密閉状に区画された左 一対のクラッチ室にそれぞれ収容し、前記 ヤ室及び左右一対のクラッチ室の独立の3室 潤滑空間に、潤滑オイルをそれぞれ封入し ことを最も主要な特徴とする。
本発明は、異なる軸線上に配置された2つ のギヤの噛み合いを介して駆動力伝達可能に 連動構成されたギヤ入力回転部材及びギヤ出 力回転部材と、前記ギヤ出力回転部材の両端 に結合され摩擦多板クラッチの締結により駆 動力出力調整を行う左右一対のクラッチ出力 調整機構部とを備えた駆動力分配伝達装置に おいて、前記異なる軸線上に配置された2つ ギヤを、密閉状に区画されたギヤ室に収容 ると共に、前記各摩擦多板クラッチを、密 状に区画された左右一対のクラッチ室にそ ぞれ収容し、前記ギヤ室及び左右一対のク ッチ室の独立の3室の潤滑空間に、潤滑オイ をそれぞれ封入したため、車両旋回走行時 あってもギヤ室及び左右一対のクラッチ室 それぞれに封入された潤滑オイルの存在を 持させることができ、オイルがギヤ室及び 右一対のクラッチ室に渡って左右に偏り移 することが無く、各室に適正量のオイルを えることで摺動部の潤滑を円滑に行わせて 滑の信頼性を向上すると共に、回転部材に る撹拌抵抗を抑制し、駆動力ロスを抑制す ことができる。
旋回走行時等でも潤滑オイルの偏りを抑 して摺動部の潤滑を円滑に行わせることに り信頼性を向上するという目的を、独立の3 室の潤滑空間にそれぞれ潤滑オイルを封入し て実現した。
[4輪駆動車] 図1は、本発明の実施例1に係 り、駆動力分配伝達装置の配置を示し、横置 きフロントエンジン、フロントドライブベー ス(FFベース)の四輪駆動車のスケルトン平面 である。
図1のように、駆動力分配伝達装置1は、 輪車軸3,5間に介設されている。駆動力分配 達装置1の入力側には、ユニバーサル・ジョ ント7を介してプロペラ・シャフト9が連動 合され、前記後輪車軸3,5は、駆動力分配伝 装置1の出力側に連動結合されている。
後輪車軸3,5には、左右の後輪11,13が連動 合され、プロペラ・シャフト9には、ユニバ サル・ジョイント15を介して、トランスフ 17の出力軸19が結合されている。
出力軸19の直交ギヤ21は、伝動軸23の直交 ヤ25に噛み合っている。伝動軸23のヘリカル ・ギヤ27は、ヘリカル・ギヤ29に噛み合って る。ヘリカル・ギヤ29は、中空伝動軸35に設 られ、この中空伝動軸35は、フロント・デ ァレンシャル装置31のデフ・ケース33に一体 転するように連結して設けられている。
フロント・デファレンシャル装置31のリ グ・ギヤ36には、エンジン37から電動モータ3 9、トランスミッション41を介して駆動力が入 力されるようになっている。フロント・デフ ァレンシャル装置31には、左右の前輪車軸45,4 7を介して、左右の前輪49,51が連動結合されて いる。
従って、エンジン37から電動モータ39、ト ランスミッション41を介してフロント・デフ レンシャル装置31のリング・ギヤ36に駆動力 が入力される。リング・ギヤ36から、一方で 、前輪車軸45,47を介して左右の前輪49,51へ駆 動力伝達が行われ、他方では、デフ・ケース 33、中空伝動軸35、ヘリカル・ギヤ29,27、伝動 軸23、直交ギヤ25,21を介して出力軸19へ駆動力 伝達が行われる。
出力軸19からは、ユニバーサル・ジョイ ト15、プロペラ・シャフト9、ユニバーサル ジョイント7を介して駆動力分配伝達装置1へ 駆動力が入力される。
従って、駆動力分配伝達装置1が駆動力調 整伝達状態であるとき、駆動力分配伝達装置 1へ入力された駆動力が駆動力出力調整によ 左右の後輪車軸3,5を介して左右の後輪11,13へ 伝達され、前輪49,51、後輪11,13によって、4輪 動状態で走行することができる。駆動力分 伝達装置1が、駆動力調整伝達状態にないと きには、前輪49,51による2輪駆動状態で走行す ることができる。
なお、駆動力伝達装置1は、エンジン37から
駆動力をプロペラシャフと9を介して伝動さ
れるから、エンジン37や電動モータ39とは別
電動モータなどの単独の駆動源によって駆
されるようにしても良い。
[駆動力分配伝達装置]
駆動力分配伝達装置1の詳細は図2のように
っている。図2は、駆動力分配伝達装置1の横
断面図である。
図2のように、駆動力分配伝達装置1は、ギ
入力回転部材53及びギヤ出力回転部材55と、
右一対のクラッチ出力調整機構部57,59とを
えている。
[ギヤ入出力回転部材]
ギヤ入力回転部材53及びギヤ出力回転部材55
は、ギヤ・キャリヤ61に回転自在に支持され
いる。クラッチ出力調整機構部57,59は、ク
ッチ・キャリヤ63に支持され、このクラッチ
・キャリヤ63は、ギヤ・キャリヤ61に取り付
られている。
ギヤ・キャリヤ61は、ギヤ・キャリヤ本 62とギヤ・キャリヤカバー64とからなってい 。このギヤ・キャリヤ61は、ギヤ入力回転 材53及びギヤ出力回転部材55を回転自在に支 すると共にギヤ室56を形成するものであり 入力側支持筒65及び出力側支持壁67,69を備え いる。出力側支持壁67,69は、内周が段付き に形成され、一方の出力側支持壁67は、ギヤ ・キャリヤカバー64に形成され、締結フラン 71及び取付嵌合部73を備えてギヤ・キャリヤ 本体62に対し着脱可能に分割構成されている
取付嵌合部73は、ギヤ・キャリヤ61の取付 嵌合口75に嵌合して取り付けられ、締結フラ ジ71が、ボルト77によりギヤ・キャリヤ本体 62の締結結合部79に着脱自在に締結固定され いる。取付嵌合部73及び取付嵌合口75間には オー・リングなどのシール部材81が介設さ ている。
出力側支持壁67,69の軸方向左右外側には 凹部80,82が設けられている。凹部80,82は、ギ 室56側へ凹むように形成されている。凹部80 ,82の外周側には、キャリヤ結合部83,84が出力 支持壁67,69に対し一体に設けられている。 ャリヤ結合部83,84は、キャリヤ取付嵌合口86, 88を備えている。キャリヤ結合部83,84の内周 90,92は、テーパー状に傾斜形成されている。
入力側支持筒65及び出力側支持壁67,69間に は、前記ギヤ室56が密閉状に区画形成され、 ヤ室56に連通するドレン孔87に、ドレン・プ ラグ89及び図外のフィラー・プラグ孔にフィ ー・プラグが取り付けられている。
本実施例では、ギヤ入力回転部材53及び ヤ出力回転部材55は、ドライブ・ピニオン・ ギヤ91及びリング・ギヤ93の噛み合いを介し 駆動力伝達可能に連動構成されている。ド イブ・ピニオン・ギヤ91及びリング・ギヤ93 、異なる軸線上に配置された2つのギヤであ るハイポイド・ギヤ組で構成されている。
なお、異なる軸線上に配置された2つのギ ヤの例としては、ベベル・ギヤ組、平行ギヤ 組、ウォーム・ギヤ組なども含まれ、各ギヤ のねじれ角の有無又は度合いは、必要により 適宜決定されるものである。
ギヤ入力回転部材53は、中実のドライブ ピニオン・シャフトであり、前記ドライブ ピニオン・ギヤ91を一体に備えてギヤ・キャ リヤ61の入力側支持筒65に、テーパー・ロー ー・ベアリング95,97を介して回転自在に支持 されている。ギヤ入力回転部材53には、前記 ニバーサル・ジョイント7への結合フランジ 部材99が取り付けられている。結合フランジ 材99の外周面と入力側支持筒65の端部内周面 との間には、シール部材101が介設されている 。結合フランジ部材99には、シール部材101の 側でダスト・カバー103が取り付けられてい 。
ギヤ出力回転部材55は、中空軸であり、 周部の中間部に、ギヤ取付フランジ105が設 られ、同両端部に軸支持用の段付き状のセ タリング部107,109が設けられている。ギヤ出 回転部材55には、前記センタリング部107,109 内周側において出力インナー・スプライン1 11,113が設けられている。
ギヤ出力回転部材55は、ギヤ取付フラン 105に前記リング・ギヤ93がボルト115により締 結固定され、センタリング部107,109が、ギヤ キャリヤ61の出力側支持壁67,69にテーパー・ ーラー・ベアリング117,119により回転自在に 支持されている。
テーパー・ローラー・ベアリング117,119は 、出力側支持壁67,69にシム120,122を介してがた つき無く位置決められている。
テーパー・ローラー・ベアリング117,119の 軸方向外側において出力側支持壁67,69とギヤ 力回転部材55の両端部との間に、シール部 121,123が介設されている。シール部材121,123は 、前記凹部80,82の内周側に位置している。
ギヤ室56は、シール部材81,101,121,123によりギ
ヤ・キャリヤ61内に密閉状に区画され、内部
潤滑オイルとしてギヤ・オイルが封入され
いる。ギヤ・オイルは、クラッチ出力調整
構部57,59の潤滑オイルとは種類が異なって
り、相対的に粘度の高いものが使用されて
る。
[クラッチ出力調整機構部]
左右一対のクラッチ出力調整機構部57,59は
左右対称構造に形成されている。このクラ
チ出力調整機構部57,59は、前記ギヤ出力回転
部材55の両端部に結合され摩擦多板クラッチ
締結により駆動力出力調整を行う。
図3は、クラッチ出力調整機構部59の拡大 面図である。
以下、図3によりクラッチ出力調整機構部 59について説明し、クラッチ出力調整機構部5 7については対応する構成部分に同符号を付 、重複説明を省略する。
クラッチ出力調整機構部59を支持するク ッチ・キャリヤ63は、ギヤ・キャリヤ61に取 付けられ、左右一対のクラッチ室125を形成 るものである。
クラッチ・キャリヤ63は、軸方向の内端 (図3左端部)にキャリヤ取付嵌合部127とキャ ヤ締結フランジ129とを備え、外端部(図3右端 部)に内径側に突出した軸支持部130を備えて る。
クラッチ・キャリヤ63の内周面132は、軸 向外端側へテーパー状に傾斜形成され、跳 上げられた潤滑オイルを軸方向外端側方向 移動ガイドするようになっている。
左右一対のクラッチ室125は、相対回転の い二部材間に介設された後述するシール部 を備えて密閉されている。このクラッチ室1 25には、前記ギヤ室56のギヤ・オイルよりも 度が低く、且つ冬場など低温時でも柔らか 異なる種類の潤滑オイルとしてクラッチ・ イルが封入されている。但し、クラッチ室12 5にもギヤ・オイルと同様な潤滑オイルを封 することもできる。
キャリヤ取付嵌合部127は、ギヤ・キャリ 61のキャリヤ取付嵌合口88(86)に嵌合して取 付けられ、キャリヤ締結フランジ129が、ボ ト131によりギヤ・キャリヤ61のキャリヤ結合 部84(83)に着脱自在に締結固定されている。キ ャリヤ取付嵌合部127及びキャリヤ取付嵌合口 88(86)間には、オー・リングなどのシール部材 133が介設されている。キャリヤ取付嵌合部127 及びキャリヤ取付嵌合口88(86)間に相対回転は なく、相対回転の無い二部材間にシール部材 133を介設した構成となっている。
クラッチ出力調整機構部59は、クラッチ 力回転部材135及びクラッチ出力回転部材137 備え、摩擦多板クラッチで構成されたメイ ・クラッチ139がクラッチ入出力回転部材135,1 37間に介設されている。
クラッチ入力回転部材135は、結合シャフ 部141の外周側にクラッチ・ハウジング部143 溶接などにより一体的に結合したものであ 。結合シャフト部141は、ギヤ出力回転部材5 5に軸方向移動により着脱自在に連動結合さ るものであり、この結合シャフト部141には 一端部外周にクラッチ入力スプライン145が けられ、他端部に段付き状の軸連繋支持部14 7が設けられている。
クラッチ・ハウジング部143は、クラッチ インナー・スプライン149を形成したハウジ グ周壁部150を備えると共に一端部にハウジ グ縦壁部151を備えている。ハウジング縦壁 151には、ハウジング凹部152が形成されてい 。ハウジング凹部152は、ギヤ・キャリヤ61 出力側支持壁67,69側への突出形状に形成され ている。この突出形状によりハウジング凹部 152は、前記クラッチ・ハブ157側へ向いた構成 となっている。
ハウジング縦壁部151は、ギヤ・キャリヤ6 1の凹部82(80)に左右軸方向に一部入り込んで る。ハウジング縦壁部151の突出形状により ラッチ・ハウジング部143のクラッチ・イン ー・スプライン149の長さを限られたスペー で維持することができる。
ハウジング周壁部150は、結合シャフト部1 41の軸連繋支持部147を包囲するように外周側 位置して形成され、このハウジング周壁部1 50に、クラッチ・インナー・スプライン149の 歯などにより第2の連通部としてスリット状 の貫通窓144が設けられている。貫通窓144は、 メイン・クラッチ139の外側を開放してクラッ チ・オイルを内側から外側のクラッチ・キャ リヤ63の内周面132側へ流通させることができ 。
クラッチ・ハウジング部143のハウジング 壁部151には、結合シャフト部141とメイン・ ラッチ139との間で第3の連通部としてハウジ ング油孔146が左右軸方向へ貫通形成されてい る。
このクラッチ入力回転部材135は、結合シ フト部141がギヤ出力回転部材55の端部に嵌 し、クラッチ入力スプライン145がギヤ出力 転部材55の出力インナー・スプライン113(111) スプライン係合している。
従って、ギヤ出力回転部材55及びクラッ 入力回転部材135の結合を行う出力インナー スプライン113(111)及びクラッチ入力スプライ ン145をテーパー・ローラー・ベアリング119(11 7)の内周側に配置することができ、径方向の ペースを有効に活用し、軸方向のコンパク 化を図ることができる。
ギヤ出力回転部材55及びクラッチ入力回 部材135の結合シャフト部141間には、オー・ ングなどのシール部材153が介設されている ギヤ出力回転部材55及び結合シャフト部141間 に相対回転はなく、相対回転の無い二部材間 にシール部材153を介設した構成となっている 。なお、本実施例のようにオー・リングなど のシール部材を設けずにギヤ出力回転部材55 内周面と結合シャフト部141の外周面との間 圧入などによる直接的な密封(封止)構造を すか、これらの部材間に液状ガスケットな のシール材を介在させても良い。また、一 のシール部材153を、中空のギヤ出力回転部 55に対して結合シャフト141の外周に配置しな がら軸方向左右から挿入するので、組付上の 理由から、ギヤ出力回転部材の中間部に圧力 開放孔を設けておいても良い。
クラッチ出力回転部材137は、クラッチ出 中空軸155及びクラッチ・ハブ157により形成 れている。
クラッチ出力中空軸155は、外周面にハブ 合スプライン159を備え、端部に段付き状の ンタリング部161,163を備えている。クラッチ 出力中空軸155は、中空に形成され、その内周 には、車軸結合インナー・スプライン165が形 成され、外端から後輪車軸3,5を挿入して車軸 結合インナー・スプライン165に連動結合させ るものである。このクラッチ出力中空軸155の 内端部内周には、閉止部材である閉止プラグ 167が取り付けられ、クラッチ室125の密閉状態 を維持させる構成となっている。なお、閉止 部材は、閉止プラグ167のように別体形成する もののほかに、クラッチ出力中空軸に閉止壁 を一体形成しても良い。
クラッチ・ハブ157は、外周にクラッチ・ プライン169を備え、内周にハブ・インナー スプライン171を備えている。ハブ・インナ ・スプライン171の端部側には、リング位置 め凹部173が形成されている。クラッチ・ハ 157には、径方向の中間部から外周に抜ける 1の連通部としてスリット状のハブ貫通部170 が設けられている。このハブ貫通部170は、ク ラッチ・ハブ157のクラッチ・スプライン169の 部分においては、欠歯等により構成されてい る。ハブ貫通部170は、メイン・クラッチ139の 内側を開放してクラッチ・オイルを内側から メイン・クラッチ139の内周側へ流通させる。
このクラッチ・ハブ157は、ハブ・インナ ・スプライン171がクラッチ出力中空軸155の ブ結合スプライン159にスプライン結合され ハブ結合スプライン159に取り付けられた止 部材としてのスナップ・リング175により軸 向内端側への移動が規制されている。スナ プ・リング175には、クラッチ・ハブ157のリ グ位置決め凹部173が外周側に僅かな隙間を って嵌合し、スナップ・リング175の外周側 の広がりが規制されて脱落防止が図られて る。
この取り付け状態で、クラッチ・スプラ ン169を備えたクラッチ・ハブ157の外周側は クラッチ・ハウジング部143のハウジング縦 部151に近接し、クラッチ・ハブ157の端部が 前記ハウジング凹部152内に臨んでいる。
従って、クラッチ・ハブ157及びハウジン 縦壁部151間の軸方向でのオーバーラップに り、クラッチ・スプライン169を クラッチ インナー・スプライン149に合わせて長く形 することができる。
従って、クラッチ・ハウジング部143及び ラッチ・ハブ157間に介設するメイン・クラ チ139のプレート枚数を維持し、或いは増設 ながら、左右軸方向にコンパクトに形成す ことができる。このため、左右車軸3,5の取 角度を減少させ、左右車軸のジョイント部 駆動ロス減による発熱抑制やジョイント部 耐久性低下抑制或いは向上を可能とする。
クラッチ出力中空軸155の一端側(クラッチ 出力回転部材137の一端側)であるセンタリン 部161は、軸受けであるボール・ベアリング17 7を介し、クラッチ入力回転部材135の軸連繋 持部147に回転自在に連繋支持されている。 ール・ベアリング177は、シム178及びスナッ ・リング(或いはワッシャ)180により軸連繋支 持部147及びセンタリング部161にがたつき無く 位置決められている。
このクラッチ入力回転部材135とクラッチ 力回転部材137とのボール・ベアリング177に る連繋支持は、クラッチ・ハウジング部143 ハウジング周壁部150内周側で行われる。こ ため、周方向のスペースを有効に活用して 方向のコンパクト化を図ることができる。 れにより、クラッチ出力回転部材137に結合 る後輪車軸3,5の取付角度を減少させること でき、左右車軸のジョイント部の駆動ロス による発熱抑制やジョイント部の耐久性低 抑制或いは向上を可能とする。
クラッチ出力中空軸155の他端側(クラッチ 出力回転部材137の他端側)のセンタリング部16 3は、軸受けであるボール・ベアリング179を し、クラッチ・キャリヤ63の軸支持部130に回 転自在に支持されている。ボール・ベアリン グ179の軸方向外側においてクラッチ・キャリ ヤ63とクラッチ出力回転部材137のクラッチ出 中空軸155との間にシール部材181が介設され いる。
メイン・クラッチ139は、アウター・プレ ト183及びインナー・プレート185のそれぞれ 数枚からなり、アウター・プレート183にペ パー材やカーボン・シートを貼り付けた薄 、カーボン・コーティングの薄板等を用い インナー・プレート185にペーパー材を有し いスチールの厚板を用いている。
メイン・クラッチ139の端部には、受圧プ ート187が配置されている。受圧プレート187 、リング位置決め凹部189を備え、且つクラ チ・ハブ157にスプライン係合している。
この受圧プレート187は、クラッチ・ハブ1 57に取り付けられたスナップ・リング191によ 軸方向への移動が規制されている。スナッ ・リング191には、クラッチ・ハブ157のリン 位置決め凹部189が外周に僅かの隙間をもっ 嵌合し、スナップ・リング191の外周側への がりが規制されて脱落防止が図られている
この受圧プレート187に対し、前記メイン クラッチ139のペーパー材やカーボン・シー を貼り付けた薄板、カーボン・コーティン の薄板等を用いたアウター・プレート183が 接配置されている。
クラッチ出力調整機構部59は、前記メイ ・クラッチ139の他、パイロット・クラッチ19 3、ボール・カム195、カム・リング197、プレ シャー・プレート199、リターン・スプリン 201、アーマチャ203、ロータ205、パイロット クラッチ193の操作源である電磁石207を備え いる。
パイロット・クラッチ193は、クラッチ・ ウジング部143とカム・リング197との間に配 されている。パイロット・クラッチ193のア ター・プレートは、クラッチ・ハウジング 143のクラッチ・インナー・スプライン149に プライン係合し、同インナー・プレートは カム・リング197のリング・スプライン209に プライン係合している。パイロット・クラ チ193のアウター・プレート及びインナー・ レートには、非磁性部となる孔210が形成さ ている。
カム・リング197は、クラッチ出力中空軸1 55の外周に相対回転可能に支持され、カム機 であるボール・カム195は、プレッシャー・ レート199とカム・リング197との間に形成さ ている。カム・リング197とプレッシャー・ レート199とは、ボール・カム195を介して軸 向に対向配置された構成となっている。
プレッシャー・プレート199は、メイン・ ラッチ139に隣接して配置されると共に、ク ッチ出力中空軸155のハブ結合スプライン159 スプライン係合し、クラッチ出力中空軸155 外周に回転係合しつつ軸方向押圧移動可能 設けられている。このプレッシャー・プレ ト199は、ボール・カム195のカムスラスト力 受けてメイン・クラッチ139側へ押圧移動す 。
このプレッシャー・プレート199に対し、 イン・クラッチ139のペーパー材等の無い厚 を用いたインナー・プレート185が隣接配置 れている。プレッシャー・プレート199は、 ンナー・プレート185に対して摺動しないか ペーパー材等のない厚板を用いることで、 ーパー材等の省略を図ることができる。
リターン・スプリング201は、皿ばねで構 され、クラッチ・ハブ157とプレッシャー・ レート199との間に介設されている。プレッ ャー・プレート199は、リターン・スプリン 201によりメイン・クラッチ139の締結解除方 に付勢されている。
カム・リング197とロータ205との間には、 ラスト・ベアリング213が配置されている。 ラスト・ベアリング213は、ボール・カム195 カム反力を受けると共に、カム・リング197 ロータ205との間の相対回転を吸収する。
ロータ205は、非磁性部215を備え、クラッ 出力中空軸155の外周に回転自在に支持され いる。また、ロータ205には、電磁石207より 内径側で左右軸方向に貫通する第4の連通部 としてロータ油孔218が設けられている。この ロータ205は、クラッチ出力中空軸155に取り付 けられた止め部材としてのスナップ・リング 219により軸方向への移動が規制されている。
アーマチャ203はリング状に形成されてお 、プレッシャー・プレート199とパイロット クラッチ193との間に配置されパイロット・ ラッチ193を挟んでロータ205に対向している 軸方向移動自在に配置され、クラッチ・ハ ジング部143のクラッチ・インナー・スプラ ン149にスプライン係合している。
電磁石207は、クラッチ・キャリヤ63に固定
持され、電磁石207のコア221とロータ205との
には適度なエアギャップが形成されている
このエアギャップ、ロータ205、パイロット
クラッチ193、アーマチャ203によって電磁石20
7の磁路が構成される。電磁石207を通電制御
ると非磁性部215、非磁性部となる孔210の周
からアーマチャ203に渡る磁束ループが形成
れる。
[3室の潤滑空間]
上記のように、ドライブ・ピニオン・ギヤ9
1及びリング・ギヤ93を、密閉状に区画された
ギヤ室56に収容すると共に、メイン・クラッ
139を含むクラッチ出力調整機構部57,59の主
部を、密閉状に区画された左右一対のクラ
チ室125にそれぞれ収容し、前記ギヤ室56及び
左右一対のクラッチ室125の独立の3室の潤滑
間にそれぞれ潤滑オイルを封入した。
独立の3室には、前記のようにギヤ・キャリ
ヤ61及びクラッチ・キャリヤ63間のシール部
133、ギヤ・キャリヤ61及びギヤ出力回転部材
55間のシール部材123、ギヤ出力回転部材55及
クラッチ入力回転部材135間のシール部材153
クラッチ・キャリヤ63及びクラッチ出力回転
部材137間のシール部材181のように、複数のシ
ール部材が介設され、このシール部材の介設
により独立の3室が密閉状に区画されている
[その他関連構造]
図4は、クラッチ出力調整機構部の側面図、
図5は、ブリーザー組み付け部の拡大断面図
図6は、ドレン・プラグ組み付け部の拡大断
図、図7は、油溝部の拡大断面図、図8は、
グネット回り止め部の拡大断面図、図9は、
ネクタ組み付け部の拡大断面図である。
図4のように、フィラー・プラグ230は、ク ラッチ・キャリヤ63の外周の一部に設けられ フィラー・プラグ230の取付孔の鉛直方向下 は、封入されるオイル・レベル(オイル量) 規定している。
図3,図4,図5のように、クラッチ・キャリ 63は、エア抜きのためのブリーザー孔223を備 え、このブリーザー孔223に、ブリーザー・パ イプ225が取り付けられている。
図3,図4,図6のように、クラッチ・キャリ 63は、オイル抜きのためのドレン孔227を備え 、このドレン孔227に、ドレン・プラグ229が取 り付けられている。
図3,図7のように、クラッチ・キャリヤ63 電磁石207との間に、クラッチ・キャリヤ63の 内周面132側から電磁石207の背後を通り電磁石 207の内径側でクラッチ室125に連通する第5の 通部として上下方向の油道231が設けられて る。油道231は、複数形成することもできる クラッチ・キャリヤ63の内周面132により軸方 向外側(図3右側)へ移動ガイドされたクラッチ ・オイルは、油道231により電磁石207の外周か ら背後を通って内周側に至り、ボール・ベア リング179の軸方向左右側へ移動可能となる。
図3,図4,図8のように、電磁石207は、クラ チ・キャリヤ63に側面周方向3カ所でボルト23 3により締結固定されている。電磁石207のコ 221背面とクラッチ・キャリヤ63の内側面との 間には、オー・リング等のシール部材235が介 設されている。
図3,図4,図9のように、クラッチ・キャリヤ63
には、コネクタ貫通孔237が設けられ、電磁石
207のコネクタ部239がコネクタ貫通孔237からク
ラッチ・キャリヤ63外へ突出し、外部接続可
となっている。電磁石207のコア221背面とク
ッチ・キャリヤ63の内側面との間には、オ
・リング等のシール部材241が介設されてい
。
[クラッチ出力調整機構部のサブ・アッセン
リ]
ギヤ・キャリヤ61側は、出力側支持壁67,69と
ギヤ出力回転部材55との間のシール部材123の
在により、ギヤ室56にギヤ・オイルを封入
て独立させることができる。
これに対し、クラッチ出力調整機構部57,5 9は、上記構成であり、カップリングとして 3のようにサブ・アッセンブリすることがで る。
アッセンブリの形態について再度説明す と、クラッチ・キャリヤ63は、軸方向の内 部に前記ギヤ・キャリヤ61に取り付けるため のキャリヤ取付嵌合部127及びキャリヤ締結フ ランジ129を備えると共に、同外端部に内径側 に突出した軸支持部130を備えている。
クラッチ入力回転部材135は、前記ギヤ出 回転部材55への軸方向移動によりスプライ 係合を介して着脱自在に連動結合させる結 シャフト部141を備えている。
クラッチ入力回転部材135の連繋支持部147 、クラッチ出力回転部材137のクラッチ出力 空軸155の一端側にボール・ベアリング177を して回転自在に連繋支持され、クラッチ出 中空軸155の他端側が、軸支持部130にボール ベアリング179を介して回転自在に支持され 。
電磁石207は、ロータ205に隣接してクラッ ・キャリヤ63に固定支持される。
ロータ205及びクラッチ・ハブ157は、スナ プ・リング219,175によりクラッチ出力中空軸 155の外周に位置決められる。
サブ・アッセンブリされたクラッチ出力 整機構部57,59は、クラッチ入力回転部材135 結合シャフト部141を、ギヤ出力回転部材55の 端部から挿入して出力インナー・スプライン 111,113にクラッチ入力スプライン145をスプラ ン係合させる。
同時に、クラッチ・キャリヤ63のキャリ 取付嵌合部127をギヤ・キャリヤ61のキャリヤ 取付嵌合口86,88にシール部材133を介在させて 合させる。
次いで、キャリヤ締結フランジ129を、ボ ト131によりギヤ・キャリヤ61のキャリヤ結 部84(83)に締結固定し、サブ・アッセンブリ たクラッチ出力調整機構部57,59の組み付けを 完了させることができる。
このクラッチ出力調整機構部57,59に対し 、後輪車軸3,5をクラッチ出力中空軸155の外 部から挿入し、車軸結合インナー・スプラ ン165にスプライン係合させることになる。
後輪車軸3,5を結合させた車軸結合インナー
スプライン165部は、グリス潤滑が行われる
このグリス潤滑部に外部から水、埃等が侵
しないように車軸結合インナー・スプライ
165部の軸方向外端側(図2左右外端側)におい
クラッチ出力中空軸155及び後輪車軸3,5間に
ー・リング等を介設することが望ましい。
[メイン・クラッチの締結制御]
メイン・クラッチ139の締結制御は、電磁石2
07の通電制御により行われる。
各種センサーによって検知した路面状態 車両の発進、加速、旋回のような走行条件 び操舵条件などに応じて、コントローラが 磁石207の通電制御を行う。
電磁石207が励磁されると、上記の磁束ル プによってアーマチャ203が吸引され、ロー 205との間でパイロット・クラッチ193を締結 、パイロット・トルクを発生させる。パイ ット・トルクが発生すると、パイロット・ ラッチ193によってクラッチ・ハウジング部1 43に連結されたカム・リング197が共に回転し うとする。
これに対し、プレッシャー・プレート199 、クラッチ出力中空軸155を介し後輪車軸3,5 に係合しているため、カム・リング197及び レッシャー・プレート199間に相対回転が起 ると、ボール・カム195の働きによりカム・ ング197及びプレッシャー・プレート199が軸 向へ離間するようにスラスト力を受ける。
このスラスト力は、一方においてスラス ・ベアリング213及びロータ205を介してスナ プ・リング219に入力され、他方においてプ ッシャー・プレート199、メイン・クラッチ1 39、スナップ・リング191、クラッチ・ハブ157 介してスナップ・リング175に入力される。
両スナップ・リング219,175への入力は、共 にクラッチ出力中空軸155に入力され、その結 果メイン・クラッチ139がプレッシャー・プレ ート199及び受圧プレート187間で締結調整され る。このようにカムスラスト力をクラッチ出 力中空軸155で確実に受けることができる。
電磁石207の通電制御が無くなるとボール・
ム195のカムスラスト力が無くなり、クラッ
・ハブ157及びプレッシャー・プレート199間
のリターン・スプリング201の付勢力により
レッシャー・プレート199がメイン・クラッ
139から離間するように移動する。このプレ
シャー・プレート199の離間移動によりメイ
・クラッチ139の締結制御が解除される。
[駆動力伝達]
クラッチ出力調整機構部57,59が、電磁石207
通電制御により締結調整されると、プロペ
・シャフト9側からギヤ入力回転部材53に入
された駆動力が、ドライブ・ピニオン・ギ
91、リング・ギヤ93、ギヤ出力回転部材55を
して左右のクラッチ出力調整機構部57,59のク
ラッチ入力回転部材135へ入力される。
クラッチ入力回転部材135への入力は、ク ッチ・ハウジング部143、メイン・クラッチ1 39、クラッチ・ハブ157へと伝達され、クラッ 出力回転部材137から出力される。
クラッチ出力調整機構部57,59のクラッチ 力回転部材137から出力された駆動力は、左 後輪車軸3,5を介して後輪11,13へ伝達される。
従って、前後輪49,51,11,13の4輪駆動状態で 行することができる。このとき、走行条件 び操舵条件によりメイン・クラッチ139が締 調整され、左右後輪11,13の適度な差動回転 整から差動ロックまで自由に制御すること できる。
このような制御により、ヨー・コントロ ルなどによる操舵性、走行性、悪路走行で 走破性等を向上させることができる。
クラッチ出力調整機構部57,59が駆動力出 状態に無ければ前輪49,51による2輪駆動状態 走行することができる。
駆動力伝達時に、後輪車軸3,5側から軸方向
入力される突き上げ力は、クラッチ出力中
軸155に伝達される。クラッチ出力中空軸155
らは、センタリング部161、ボール・ベアリ
グ177、軸連繋支持部147を介してクラッチ入
回転部材135へと伝達され、このクラッチ入
回転部材135からギヤ出力回転部材55に入力
れる。ギヤ出力回転部材55に入力された突き
上げ力は、テーパー・ローラー・ベアリング
117,119を介して出力側支持壁67,69に入力され、
強度のあるギヤ・キャリヤ61により確実に受
ることができる。
[潤滑]
潤滑オイルは、ギヤ室56及び左右のクラッ
室125に回転軸心のレベルまで充填されてい
。
ギヤ室56では、リング・ギヤ93の回転によ りギヤ・オイルが跳ね上げられ、ドライブ・ ピニオン・ギヤ91及びリング・ギヤ93間の噛 部及びテーパー・ローラー・ベアリング95,97 の潤滑が行われる。
クラッチ室125では、クラッチ入出力回転 材135,137等の回転によりクラッチ・オイルが 跳ね上げられる。
跳ね上げられたクラッチ・オイルは、ク ッチ・ハブ157のハブ貫通部170を通って外周 へ移動し、メイン・クラッチ139等を潤滑し がらクラッチ・ハウジング部143の貫通窓144 通り、キャリヤ結合部83,84の内周面90,92及び クラッチ・キャリヤ63の内周面132側へと移動 る。
内周面90,92,132側へ移動したクラッチ・オ ルは、一方の内周面132の傾斜により軸方向 側方向(図3右側方向)へ移動ガイドされ、他 の内周面90,92の傾斜により軸方向内側方向( 3の左側方向)へ移動ガイドされる。
内周面132で移動ガイドされたクラッチ・ イルは、電磁石207周囲の油道231(図7)を通り ボール・ベアリング179の軸方向左右側へ移 する。ロータ205の背後へ移動したクラッチ オイルは、ロータ205のロータ油孔218からカ ・リング197側へさらに移動する。
このようなクラッチ・オイルの移動によ ボール・ベアリング179、シール部材181周辺, ロータ205及びクラッチ出力中空軸155間、スラ スト・ベアリング213、パイロット・クラッチ 193、ボール・カム195等を十分に潤滑すること ができる。
内周面90,92で移動がイドされたクラッチ オイルは、ギヤ・キャリヤ61の出力側支持壁 67,69とクラッチ・ハウジング部143との間に至 、ハウジング油孔146からクラッチ・ハウジ グ部143内側へ戻る。
クラッチ・オイルの移動ガイドは、内周 90,92,132等にガイド用の樋を設けて行う構成 することもできる。ガイド用の樋は、クラ チ・オイルに作用する回転力と重力とを考 し、クラッチ・オイルを集中して受けられ 箇所に設けることが望ましい。
このようなクラッチ・オイルの流れ移動 よりメイン・クラッチ139やパイロット・ク ッチ193の摺動による温度上昇を抑制するこ ができる。
特に、旋回走行時や左右傾斜走行時等に いて車体が左右に傾斜しても、或いは大き 左右Gを受ける場合でも、左右一対の独立し たクラッチ室125及び中央のギヤ室56間で潤滑 イルの移動はなく、潤滑オイルが1室に片寄 ることなく、独立した3室の潤滑空間に封入 た潤滑オイルをそれぞれ保持させることが きる。
パイロット・クラッチ193の操作源は、電磁
に限られるものではなく、油圧シリンダ・
ストン、電動モータなども含まれる。これ
の操作源は、クラッチ・キャリヤ63に一体
に固定することでクラッチの締結操作を確
に行うことができる。
[実施例1の効果]
本発明実施例1は、ドライブ・ピニオン・ギ
ヤ91及びリング・ギヤ93の噛み合いを介して
動力伝達可能に連動構成されたギヤ入力回
部材53及びギヤ出力回転部材55と、前記ギヤ
力回転部材55の両端側に連結されメイン・
ラッチ139の締結により駆動力出力調整を行
左右一対のクラッチ出力調整機構部57,59とを
備えた駆動力分配伝達装置1において、前記
ライブ・ピニオン・ギヤ91及びリング・ギヤ
93を、密閉状に区画されたギヤ室56に収容す
と共に、前記各メイン・クラッチ139を、密
状に区画された左右一対のクラッチ室125に
れぞれ収容し、前記ギヤ室56及び左右一対の
クラッチ室125の独立の3室の潤滑空間にギヤ
オイルとクラッチ・オイルとをそれぞれ封
した。
このため、車両旋回走行時であってもギ 室56には封入したギヤ・オイルの存在を、 右一対のクラッチ室125には封入したクラッ ・オイルの存在をそれぞれ適正に維持させ ことができ、メイン・クラッチ139等の摺動 の潤滑を円滑に行わせることにより信頼性 向上することができる。そして、潤滑に必 な適正量のオイルを与えることにより、回 部材によるオイルの撹拌抵抗を抑制して駆 ロスを抑え、燃費を向上させることができ 。
3室の潤滑空間は、相対回転の無い二部材 間に介設されたシール部材133,153を備えた。
このため、シール部材133,153の耐久性を向 上させることができる。
クラッチ・キャリヤ63は、軸方向の内端 に前記ギヤ・キャリヤ61に取り付けるための キャリヤ取付嵌合部127を備えると共に、軸方 向の外端部に内径側に突出した軸支持部130を 備え、前記クラッチ入力回転部材135に、前記 ギヤ出力回転部材55への軸方向移動により着 自在に連動結合させる結合シャフト部141を け、前記クラッチ出力回転部材137の一端側 連繋支持部147に、前記クラッチ入力回転部 135をボール・ベアリング177を介して回転自 に連繋支持させると共に、前記クラッチ出 回転部材の他端側を、前記軸支持部130にボ ル・ベアリング179を介して回転自在に支持 せた。
このため、クラッチ・キャリヤ63側にク ッチ入出力回転部材135,137、メイン・クラッ 139等をサブ・アッセンブリし、このサブ・ ッセンブリした所謂クラッチパックとして クラッチ出力調整機構部57,59を、クラッチ キャリヤ63のキャリヤ取付嵌合部127及び結合 シャフト部141により、ギヤ・キャリヤ61及び ヤ出力回転部材55へ容易に取り付けること できる。
メイン・クラッチ139に隣接して配置され と共に前記クラッチ出力中空軸155の外周に 転係合しつつ軸方向押圧移動可能に設けら 前記メイン・クラッチ139を締結するための レッシャー・プレート199と、前記プレッシ ー・プレート199に、ボール・カム195を介し 軸方向に対向配置されると共に、前記クラ チ出力中空軸155の外周に相対回転可能に支 されたカム・リング197と、前記クラッチ・ ウジング部141とカム・リング197との間に設 られたパイロット・クラッチ193と、前記パ ロット・クラッチ193を挟んで対向配置され アーマチャ203及び非磁性部215を備えたロー 205と、前記ロータ205に隣接配置されると共 前記クラッチ・キャリヤ63に固定支持され 記ロータ205の非磁性部215の周囲からアーマ ャ203に渡る磁束ループを形成するための電 石207とを備えた。
このため、メイン・クラッチ139を締結す ための機能部品を含めてクラッチ・キャリ 63側にクラッチパックとすることができ、 り付けをさらに容易にすることができる。
クラッチ入力回転部材135のクラッチ・ハ ジング部143及びクラッチ出力回転部材137の ラッチ・ハブ157に、前記メイン・クラッチ 内外周両側を開放してクラッチ・オイルを 周側から外周側のクラッチ・キャリヤ63の 周面132側へ流通させるハブ貫通部170、貫通 144を設け、前記クラッチ入力回転部材135の ウジング縦壁部151に、前記結合シャフト部14 1と前記メイン・クラッチ139との間で軸方向 貫通するハウジング油孔146を設けた。
このため、回転時に跳ね上げられるクラ チ・オイルの流通路を、ハブ貫通部170、貫 窓144、ハウジング油孔146によって形成する とができ、メイン・クラッチ139等の摺動部 部を確実に潤滑させることができる。
クラッチ出力回転部材137は、中空に形成 れて外端から後輪車軸3,5を挿入して連動結 させるクラッチ出力中空軸155を備え、前記 ラッチ出力中空軸155の内端部外周に、前記 ラッチ入力回転部材135の連繋支持部147をボ ル・ベアリング177を介して回転自在に連繋 持し、前記クラッチ出力中空軸155の内端部 周に、前記クラッチ室125の密閉状態を維持 せる閉止プラグ167を取り付けた。
従って、クラッチパックとしたクラッチ 力調整機構部57,59のクラッチ室125を確実に 閉することができる。
クラッチ出力回転部材137は、中空に形成 れて外端から車軸を挿入して連動結合させ クラッチ出力中空軸155とこのクラッチ出力 空軸155の外周にスプライン係合するクラッ ・ハブ157とからなり、前記クラッチ出力中 軸155の外周に、前記クラッチ・ハブ157の軸 向移動を規制して前記ボール・カム195のカ スラスト力を受けるスナップ・リング175,219 を設けた。
このため、両スナップ・リング175,219への 入力であるカムスラスト力を、共にクラッチ 出力中空軸155に入力させることができ、メイ ン・クラッチ139をプレッシャー・プレート199 及び受圧プレート187間で確実に締結調整させ ることができる。
ロータ205に、前記電磁石207よりも内径側 軸方向に貫通するロータ油孔218を設け、前 クラッチ・キャリヤ63と前記電磁石207との に、前記クラッチ・キャリヤ63の内周面132側 から電磁石207の背後を通り電磁石207の内径側 でクラッチ室125に連通する油道231を設けた。
このため、このため、回転時に跳ね上げ れるクラッチ・オイルの流通路を、ハブ貫 部170、貫通窓144、ハウジング油孔146、ロー 油孔218、油道231によって形成することがで 、メイン・クラッチ139等の摺動部各部をよ 確実に潤滑させることができる。
ギヤ室56と左右一対のクラッチ室125とに 異なる種類の潤滑オイルとして相対的に粘 の高いギヤ・オイルと相対的に粘度が低く 温時でも柔らかいクラッチ・オイルとを分 て封入した。
このため、冬場など低温時においてメイ ・クラッチ139及びパイロット・クラッチ193 の所謂引きずりトルクを抑制し、不用意な 動力伝達、締結等を防止することができる
図10,図11は、本発明の実施例2に係り、図1 0は、駆動力分配伝達装置の横断面図、図11は 、クラッチ出力調整機構部の拡大断面図であ る。なお、基本的な構造は、実施例1と同様 あり、同一又は対応する構成部分には、同 号又は同符号にAを付し、重複した説明は省 する。必要な場合は実施例1に付記された符 号とその構成形状や機能を参酌する。なお、 図1の車両スケルトン図についても同様に参 する。
本実施例の駆動力分配伝達装置1Aは、左右一
のクラッチ出力調整機構部57A,59Aを、シール
ド・カップリングとして構成したものであり
、左右一対のクラッチ室125Aが、クラッチ入
回転部材135Aとクラッチ出力回転部材137Aとの
間に密閉状に区画形成されている。
[クラッチ出力調整機構部]
前記左右一対のクラッチ出力調整機構部57A,
59Aは、左右対称構造に形成されている。この
クラッチ出力調整機構部57A,59Aは、前記ギヤ
力回転部材55の両端部に結合され摩擦多板ク
ラッチであるメイン・クラッチ139Aの締結に
り駆動力出力調整を行う。
以下、図11によりクラッチ出力調整機構 59Aについて説明し、クラッチ出力調整機構 57Aについては対応する構成部分に同符号を し、重複説明を省略する。
クラッチ出力調整機構部59Aが内包されて るクラッチ・キャリヤ63Aは、ギヤ・キャリ 61に取り付けられ、前記クラッチ室125Aの周 に、前記ギヤ・キャリヤ61とギヤ出力回転 材55とクラッチ・キャリヤ63Aとクラッチ出力 回転部材137Aとの間で密閉状に区画形成され 包囲空間243が設けられている。
前記包囲空間243には、前記クラッチ室125A を冷却するための冷媒、例えば一般的なクー ラント液、オイル、空気などの冷却用気体等 が収容されている。
前記クラッチ室125Aには、前記ギヤ室56の ヤ・オイルよりも粘度が低く、且つ冬場な 低温時でも柔らかい異なる種類の潤滑オイ としてクラッチ・オイルが封入されている 但し、クラッチ室125Aにもギヤ・オイルと同 様な潤滑オイルを封入することもできる。
前記クラッチ出力調整機構部59Aには、摩 多板クラッチで構成されたメイン・クラッ 139Aがクラッチ入出力回転部材135A,137A間に介 設されている。
クラッチ入力回転部材135Aは、結合シャフ ト部141Aの端部外周側にクラッチ・ハウジン 部143Aを一体に形成したものである。クラッ ・ハウジング部143Aのハウジング縦壁部151A は、軸連繋支持部147Aが突設され、軸連繋支 部147Aの内周側には、ボール・ベアリング161 の外周で軸方向に貫通する油溝147Aaが設けら ている。また、ハウジング縦壁部151Aには、 オイル注入孔245が形成され、スチール・ボー ル247で閉止されている。クラッチ室125A内へ 潤滑オイルの注入は、オイル注入孔245から われている。
クラッチ・ハウジング部143Aには、ロータ 205Aが螺合結合され、ナット249により緩み止 が行われている。クラッチ・ハウジング部14 3Aとロータ205Aとの間には、クラッチ室125Aを 閉状とするためのシール部材251が介設され いる。しかし、クラッチ・ハウジング部143A ロータ205Aとの間には、熔接や接着などの他 の固定手段を用いることもできる。
前記クラッチ入力回転部材135Aの一端であ る結合シャフト部141Aは、前記ギヤ出力回転 材55及びテーパー・ローラー・ベアリング119 を介してギヤ・キャリヤ61の出力側支持壁69 支持されると共に他端であるロータ205Aは、 ール・ベアリング179A及び電磁石207Aのコア22 1Aを介して前記クラッチ・キャリヤ63Aの支持 130Aに支持されている。
前記クラッチ出力回転部材137Aは、クラッ チ出力中空軸部155A及びクラッチ・ハブ157Aが 体に形成されたものであり、センタリング 161A,163Aを備えている。
クラッチ出力回転部材137Aは、中空に形成 され、クラッチ出力中空軸部155A側の内周に 、車軸結合インナー・スプライン165が形成 れている。このクラッチ出力中空軸部155A側 外端から後輪車軸5(3)を挿入して車軸結合イ ンナー・スプライン165に連動結合させるもの である。
クラッチ出力回転部材137Aのクラッチ・ハ ブ157Aには、外周にクラッチ・スプライン169A 形成されている。クラッチ・ハブ157A側内端 部内周には、閉止部材である閉止プラグ167が 取り付けられ、クラッチ室125Aの密閉状態を 持させる構成となっている。なお、クラッ ・ハブ157Aにおける密閉手段としては、別部 の閉止プラグ167に代えて、クラッチ・ハブ1 57の内周に設ける一体の隔壁にすることもで る。
クラッチ出力回転部材137Aの一方のセンタ リング部161Aは、軸受けであるボール・ベア ング177を介し、クラッチ入力回転部材135Aの 連繋支持部147Aに回転自在に連繋支持されて いる。ボール・ベアリング177は、シム178及び スナップ・リング(或いはワッシャ)180により 連繋支持部147A及びセンタリング部161Aにが つき無く位置決められている。
クラッチ出力回転部材137Aの他方のセンタ リング部163Aは、軸受けであるニードル・ベ リング253を介し、ロータ205Aの内周に相対回 自在に支持されている。従って、クラッチ 力回転部材137Aの両端は、前記クラッチ入力 回転部材135Aに支持された構成となっている
前記ニードル・ベアリング253の軸方向外 位置でロータ205A及びクラッチ出力中空軸155 A間に、クラッチ室125Aを密閉状とするためのX リングなどのシール部材255が介設されている 。従って、前記のように左右一対のクラッチ 室125Aが、クラッチ入力回転部材135Aとクラッ 出力回転部材137Aとの間にシール部材251,255 閉止プラグ167を介して密閉状に区画形成さ たものである。
駆動力伝達装置1A側に向いた車軸5からの 動は、車軸5及びクラッチ出力回転部材137A の当接面158とボール・ベアリング177とクラ チ入力回転部材135A及びギヤ出力回転部材55 の当接面160とによって規制される。このた 、移動に伴う過大な入力を受けた場合も、 ーパー・ローラー・ベアリング117(119)からギ ヤ・キャリヤ61に力を伝達することで支える とができる。また、クラッチ入力回転部材1 35Aは、一端側が電磁石221Aを介してクラッチ キャリヤ63Aに当接し、他端側は、当接面160 介してギヤ出力回転部材55に当接することで 軸方向両方向の位置決めが的確に行われてい る。
メイン・クラッチ139Aは、アウター・プレ ート183A及びインナー・プレート185Aのそれぞ 複数枚からなり、アウター・プレート183Aに ペーパー材を有しないスチールの厚板を用い 、インナー・プレート185Aにペーパー材やカ ボン・シートを貼り付けた薄板、カーボン コーティングの薄板等を用いている。
メイン・クラッチ139Aの端部は、アウター ・プレート183Aがクラッチ・ハウジング部143A ハウジング縦壁部151Aに当接して受けられる 構成となっている。
クラッチ出力調整機構部59Aは、前記メイン
クラッチ139Aの他、パイロット・クラッチ193
A、ボール・カム195A、カム・リング197A、プレ
ッシャー・プレート199A、アーマチャ203A、前
ロータ205A及びパイロット・クラッチ193Aの
作源である前記電磁石207Aを備えている。
[3室の潤滑空間]
上記のように、ドライブ・ピニオン・ギヤ9
1及びリング・ギヤ93を、密閉状に区画された
ギヤ室56に収容すると共に、メイン・クラッ
139Aを含むシールド・カップリングとしての
クラッチ出力調整機構部57A,59Aを、密閉状に
画された左右一対の包囲空間243内にそれぞ
収容し、前記ギヤ室56及び左右一対のクラッ
チ室125Aの独立の3室の潤滑空間にそれぞれ潤
オイルを封入した。
独立の3室には、ギヤ・キャリヤ61及びギヤ
力回転部材55間のシール部材123、クラッチ
ハウジング部143A及びロータ205A間のシール部
材251、クラッチ出力回転部材137A及びロータ20
5A間のシール部材255、クラッチ入力回転部材1
35A及びクラッチ出力回転部材137A間の閉止プ
グ167のように、複数のシール部材が介設さ
、これらシール部材123,251,255,167の介設によ
独立の3室が密閉状に区画されている。
[クラッチ出力調整機構部のサブ・アッセン
リ]
ギヤ・キャリヤ61側は、出力側支持壁67,69と
ギヤ出力回転部材55との間のシール部材123の
在により、ギヤ室56にギヤ・オイルを封入
て独立させることができる。
これに対し、クラッチ出力調整機構部57A, 59Aは、上記構成であり、シールド・カップリ ングとして図11のようにサブ・アッセンブリ ることができる。
アッセンブリの形態について簡単に説明 ると、クラッチ・キャリヤ63Aは、軸方向の 端部に前記ギヤ・キャリヤ61に取り付ける めのキャリヤ取付嵌合部127及びキャリヤ締 フランジ129を備えると共に、同外端部に内 側に突出した支持部130Aを備えている。
クラッチ入力回転部材135Aは、前記ギヤ出 力回転部材55への軸方向移動によりスプライ 係合を介して着脱自在に連動結合させる結 シャフト部141Aを備えている。
クラッチ入力回転部材135Aの連繋支持部147 Aに、クラッチ出力回転部材137Aの一端側がボ ル・ベアリング177を介して回転自在に連繋 持され、クラッチ出力回転部材137Aの他端側 が、ロータ205Aにニードル・ベアリング253を して回転自在に支持される。
電磁石207Aは、ボール・ベアリング179Aを してロータ205Aに結合され、クラッチ・キャ ヤ63Aに固定支持される。
サブ・アッセンブリされたクラッチ出力 整機構部57A,59Aは、クラッチ入力回転部材135 Aの結合シャフト部141Aを、ギヤ出力回転部材5 5の端部から挿入して出力インナー・スプラ ン111,113にクラッチ入力スプライン145をスプ イン係合させる。
同時に、クラッチ・キャリヤ63Aのキャリ 取付嵌合部127をギヤ・キャリヤ61のキャリ 取付嵌合口86,88にシール部材133を介在させて 嵌合させる。
次いで、キャリヤ締結フランジ129を、ボ ト131によりギヤ・キャリヤ61のキャリヤ結 部83,84に締結固定し、サブ・アッセンブリし たクラッチ出力調整機構部57A,59Aの組み付け 完了させることができる。
このクラッチ出力調整機構部57A,59Aに対して
、後輪車軸3,5をクラッチ出力中空軸155Aの外
部から挿入し、車軸結合インナー・スプラ
ン165にスプライン係合させることになる。
[メイン・クラッチの締結制御]
メイン・クラッチ139Aの締結制御は、電磁石
207Aの通電制御により行われる。
各種センサーによって検知した路面状態 車両の発進、加速、旋回のような走行条件 び操舵条件などに応じて、コントローラが 磁石207Aの通電制御を行う。
電磁石207Aが励磁されると、アーマチャ203 Aが吸引され、ロータ205Aとの間でパイロット クラッチ193Aを締結し、パイロット・トルク を発生させる。パイロット・トルクが発生す ると、パイロット・クラッチ193Aによってク ッチ・ハウジング部143Aに連結されたカム・ ング197Aが共に回転しようとする。
これに対し、プレッシャー・プレート199A は、クラッチ・ハブ157Aを介し後輪車軸3,5側 係合しているため、カム・リング197A及びプ ッシャー・プレート199A間に相対回転が起こ ると、ボール・カム195Aの働きによりカム・ ング197A及びプレッシャー・プレート199Aが軸 方向へ離間するようにスラスト力を受ける。
このスラスト力は、一方においてスラス ・ベアリング213を介してロータ205Aに入力さ れ、他方においてプレッシャー・プレート199 A、メイン・クラッチ139Aを介してハウジング 壁部151Aに入力される。
従って、カムスラスト力はクラッチ・ハ ジング部143Aにより受けられ、その結果メイ ン・クラッチ139Aがプレッシャー・プレート19 9A及びハウジング縦壁部151A間で締結調整され る。
電磁石207Aの通電制御が無くなるとボール・
カム195Aのカムスラスト力が無くなり、メイ
・クラッチ139Aの締結制御が解除される。
[潤滑]
潤滑オイルは、ギヤ室56内の下方でリング
ギヤ93の歯幅方向全体が浸るようなレベルま
で、及び左右のクラッチ室125Aに回転軸心を
えるレベルまで充填されている。
ギヤ室56では、リング・ギヤ93の回転によ りギヤ・オイルが跳ね上げられ、ドライブ・ ピニオン・ギヤ91及びリング・ギヤ93間の噛 部及びテーパー・ローラー・ベアリング95,97 の潤滑が行われる。
クラッチ室125Aでは、クラッチ入出力回転 部材135A,137A間に封入されたクラッチ・オイル により各部が潤滑される。
メイン・クラッチ139Aの摺動などによりク ラッチ出力調整機構部57A,59Aが発熱したとき 、クラッチ室125A内のオイルの熱がクラッチ ハウジング部143Aを介して包囲空間243内のク ーラント液、オイル、空気などの冷却用気体 等に逃がされる。クーラント液、オイル、空 気などの冷却用気体等に逃がされた熱は、ク ラッチ・キャリヤ63A等を介して外部へ放熱さ れる。
従って、クラッチ出力調整機構部57A,59Aの 温度上昇を抑制し、適切なクラッチ出力調整 を行わせることができる。
なお、クラッチ出力調整機構部57A,59Aの温度
は、例えば、包囲空間内に熱電対などの温度
センサーを配置することにより上述した潤滑
オイル、気体の温度を測定し、或いはギヤ・
キャリヤ61Aやクラッチ・キャリヤ63Aに配置し
た温度センサーにより温度を測定することで
推定センシングすることが可能であり、検出
された温度に基づき左右一対のクラッチ出力
調整機構57A、59Aのトルク伝達特性をオンデマ
ンドで締結制御することができる。
[実施例2の効果]
本実施例においても、実施例1と同様に、旋
回走行時等において車体が左右に傾斜しても
、左右一対の独立したクラッチ室125A及び中
のギヤ室56間で潤滑オイルの移動はなく、潤
滑オイルが1室に片寄ることなく、独立した3
の潤滑空間に封入した潤滑オイルをそれぞ
保持させることができる。
しかも、メイン・クラッチ139A、パイロッ ト・クラッチ193A等の潤滑に必要なオイルの 量は少量でよく、重量及び撹拌抵抗を抑制 ることができる。
さらに、車両の左右旋回時にオイルが慣 力を受けてもオイルの左右方向への移動範 と移動量とが小さく押さえられ、車両の加 、減速方向においては、メイン・クラッチ1 39A、パイロット・クラッチ193Aの周回状の少 くとも一部が常時潤滑オイルに浸ることに り、左右のメイン・クラッチ139A、パイロッ ・クラッチ193Aの潤滑効果を高めることがで きる。
また、前記クラッチ入力回転部材135Aの一 端は、前記ギヤ・キャリヤ61に支持されると に他端は、前記クラッチ・キャリヤ63Aに支 され、前記クラッチ出力回転部材137Aの両端 は、前記クラッチ入力回転部材135Aに支持さ た。
このため、左右一対のクラッチ出力調整 構57A,59Aの支持を確実に行い、車両走行時に 左右車輪がそれぞれに路面から異なったギャ ップの振動を受けたとき左右一対のクラッチ 出力調整機構57A,59Aへの振動の伝播を抑制し 耐久性を向上させることができる。
また、本発明の実施例2は、駆動力が入力 されると共にドライブ・ピニオン・ギヤ91が けられたギヤ入力回転部材53と、前記ドラ ブ・ピニオン・ギヤ91と噛合うリング・ギヤ 93が設けられ駆動力を出力するギヤ出力回転 材55と、前記ギヤ入力回転部材53及び前記ギ ヤ出力回転部材55を収容支持するギヤ・キャ ヤ61と、前記ギヤ出力回転部材55の両端側に 各々連結され左右の後輪車軸3,5に駆動力を分 配して伝達可能な一対のクラッチ出力調整機 構部57A,59Aとを備えた駆動力分配伝達装置1Aに おいて、前記一対のクラッチ出力調整機構部 57A,59Aは、前記ギヤ出力回転部材55と一体回転 可能に連結するクラッチ入力回転部材135Aと 該クラッチ入力回転部材135Aに軸方向移動が 制され且つクラッチ入力回転部材135Aに同心 的に回転自在に支持されて前記後輪車軸3,5が 一体回転可能に連結されるクラッチ出力回転 部材137Aと、前記クラッチ入出力回転部材135A, 137A間に配置されるメイン・クラッチ139Aと、 メイン・クラッチ139Aの締結力を操作する電 磁石207Aと、前記クラッチ入出力回転部材135A, 137Aによって区画され前記メイン・クラッチ13 9Aが収容されるクラッチ室(クラッチ収容空間 )125Aを封止する閉止プラグ167及びシール部材2 51,255と、前記クラッチ室125Aに収容され前記 イン・クラッチ139Aを潤滑するクラッチ・オ ルとからなる。
従って、クラッチ出力調整機構部57A,59Aを ギヤ・キャリヤ61内に封入されたギヤ・オイ にて潤滑することがないので、ギヤ・キャ ヤ61の形状が複雑化することがなく、また 来技術のような複雑な取り込み手段を設け ことがなく、左右のクラッチ139Aを適切に潤 することができる。
また、それぞれのクラッチ出力調整機構 57A,59Aにおいて必要なオイル量が少量で済む ので、装置重量を低減することができる。
さらに、両クラッチ調整機構部57A,59Aの潤 滑(及び冷却)機能がいずれも同等に安定して われることにより、メイン・クラッチ139Aの 締結特性が組付け時と変わることがないか少 ないので、左右の後輪の駆動力分配制御が同 等且つ適切に行われ、車両の旋回姿勢制御を 的確に行うことができる。
その上、装置1全体を組付ける前に、一対 のクラッチ出力調整機構部57A,59Aは各々を単 のサブアッセンブリィ状態で組み立てて性 測定することができるので、個々のクラッ 出力調整機構部57A,59Aの特性を測定した結果 、同等のクラッチ特性を持つ2つのクラッチ 出力調整機構部57A,59Aを一対として組合せて 体装置1Aに組付けることもでき、製品歩留ま りを向上させることができる。
前記クラッチ入力回転部材135Aは、一端及 び他端のハウジング縦壁部151A及びロータ205A 、該ハウジング縦壁部151A及びロータ205Aを 結して前メイン・クラッチ139Aを内周側に収 するハウジング周壁部150Aと、前記ハウジン グ縦壁部151Aに前記メイン・クラッチ139Aに対 軸方向反対側に延設され前記ギヤ出力回転 材55に形成された中空状のギヤ出力結合部11 4,116に軸方向に挿入連結される結合シャフト 141Aとを備え、前記クラッチ出力回転部材137 Aは、前記クラッチ入力回転部材135Aの前記ハ ジング縦壁部151A及びロータ205Aのそれぞれ 内周側で前記クラッチ室125A内に配置された ール・ベアリング177及びニードル・ベアリ グ253を介して支持されると共に前記クラッ 室125A外に設けられて前記後輪車軸3,5を挿入 連結する中空状のクラッチ出力結合部166が形 成された。
このため、ギヤ出力結合部114,116と結合シ ャフト部141Aとの連結、クラッチ出力結合部16 6と後輪車軸3,5との連結とが、共にクラッチ 容空間125Aの確保に干渉することなく行われ 装置の組み付けが容易である。
前記クラッチ出力調整機構部57A,59Aは、前 記後輪車軸3,5方向への移動を規制されるよう に前記ギヤ・キャリヤ61に支持されるクラッ ・ハウジング143Aを備えた。
このため、クラッチ出力調整機構部57A,59A の位置を安定させることができる。
クラッチ・キャリヤ63Aの傾斜壁257は、包 空間243Aを拡大し、冷却効果を高めることが できる。
図12,図13は、本発明の実施例3に係り、図1 2は、駆動力分配伝達装置の横断面図、図13は 、クラッチ出力調整機構部の拡大断面図であ る。なお、基本的な構造は、実施例2と同様 あり、同一又は対応する構成部分には、同 号又は同符号にBを付し、或いは同符号のAを Bに代えて付し、重複した説明は省略する。
本実施例の駆動力分配伝達装置1Bは、左 の包囲空間243Bを連通させたものである。
具体的には、ギヤ・キャリヤ61Bの後端に 外壁61Ba、61Bbが閉断面状に設けられ、内外 61Ba、61Bb間に連通路255を設けて左右の包囲空 間243Bを連通させている。連通路255は、外壁61 Bbに沿って上下に渡り形成されている。
ギヤ・キャリヤ61Bに設けられた左右のク ッチ・キャリヤ63Bを結合するためのキャリ 結合部84(83)は、外壁61Bbに渡るように形成さ れている。このキャリヤ結合部84(83)に結合す るために、クラッチ・キャリヤ63Bには、後方 へ拡大した傾斜壁257が形成されている。
従って、本実施例においても、実施例2と 同様にメイン・クラッチ139Bの摺動などによ クラッチ出力調整機構部57B,59Bが発熱したと は、クラッチ室125B内のクラッチ・オイルの 熱がクラッチ・ハウジング部143Bを介して包 空間243B内のクーラント液、オイル、空気な の冷却用気体等に逃がされる。
しかも、左右の包囲空間243Bを連通路255に より連通させたので、包囲空間243Bを拡大す ことができ、左右何れかのクラッチ室125Bが 温した場合にも、冷媒を介し左右のクラッ 室125B間で熱の分散を行わせることができる 。
特に、冷媒として代替フロンなどを用い と、昇温したクラッチ室125B側周囲の包囲空 間243Bで冷媒が蒸発して熱を奪い、この蒸気 他方の低温側の包囲空間243B側へ連通路255を して移動し、低温側で凝縮して熱を放出す といったヒート・ポンプ・サイクルを行わ ることができ、より確実な冷却を行わせる とができる。
クラッチ・キャリヤ63Bの傾斜壁257は、包 空間243Bを拡大し、冷却効果を高めることが できる。
図14,図15は、本発明の実施例4に係り、図1 4は、駆動力分配伝達装置の横断面図、図15は 、クラッチ出力調整機構部の拡大断面図であ る。なお、基本的な構造は、実施例2と同様 あり、同一又は対応する構成部分には、同 号又は同符号にCを付し、重複した説明は省 する。
本実施例の駆動力分配伝達装置1Cは、左 の包囲空間243Cをギヤ室56に連通させたもの ある。
具体的には、出力側支持壁67,69に、開口25 9を設けてクラッチ・キャリヤ63C内をギヤ室56 に連通させた。
潤滑オイルは、ギヤ室56及び包囲空間243C 左右のクラッチ室125Cとに回転軸心のレベル まで充填されている。
従って、ギヤ室56内の潤滑オイルをクラッ
入力回転部材135Cのクラッチ・ハウジング部1
43Cに接触させることができ、左右一対のクラ
ッチ出力調整機構部57C,59Cの冷却を行い、ク
ッチ特性を安定させることができる。同時
、ギヤ室56内の潤滑オイル自体の昇温を抑制
して、潤滑オイルの劣化を防止し、入出力ギ
ヤの噛合部の表面への潤滑オイルの浸透を適
正に行うことができる。
[その他]
前記メイン・クラッチ139の締結力を操作す
アクチュエータは、クラッチ断続制御する
のであれば良く、既存のアクチュエータを
いることができる。
前記クラッチ出力調整機構部57,59は、実 例のようにギヤ・キャリヤ61A~61C及びクラッ ・キャリヤ63A~61C間に収容又は位置規制され なくともよく、クラッチ出力調整機構部自体 が大気側に露出配置されていてもよい。
アクチュエータである電磁石207A~207Cは、 ラッチ・キャリヤ63A~63Cのような位置決め部 材を設けて固定せずに、例えばギヤ・キャリ ヤ61に直接固定されてもよい。この場合、電 石207A~207Cの軸方向配置位置は、ギヤ・キャ ヤ61A~63Cとメイン・クラッチ139A~139Cとの間に 設定されるのが最も適切である。
前記ギヤ出力回転部材55~55Cにクラッチ・ ブを連結し、車軸にクラッチ・ハウジング 連結しても良い。
車軸と駆動力分配伝達装置1~1Cとの間に等 速ジョイントなどの連結機構を介す場合には 、クラッチ出力回転部材137~137Cとジョイント 構とを一体(一部材、複数部材を一体化する を問わないが)に形成することで、機能部品 軸方向のコンパクト化が可能である。
実施例においては、車軸はクラッチ出 回転部材137A~137Cの中空のクラッチ出力結合 166に挿入連結されるが、クラッチ出力回転 材137A~137Cと車軸とを一体に形成することに り、部品点数を削減し、コンパクト化や重 低減に寄与することにもなる。
1,1A,1B,1C 駆動力分配伝達装置
53 ギヤ入力回転部材
55 ギヤ出力回転部材
56 ギヤ室
57,57A,57B,57C,59,59A,59B,59C, クラッチ出力調整
機構
61,61B,61C ギヤ・キャリヤ
63,63A,63B,63C クラッチ・キャリヤ
91 ドライブ・ピニオン・ギヤ(異なる軸線
上に配置された2つのギヤ)
93 リング・ギヤ(異なる軸線上に配置され
た2つのギヤ)
125,125A,125B,125C クラッチ室
121,123,133,181,251,255 シール部材
127 キャリヤ取付嵌合部
130 軸支持部
130A,130B,130C 支持部
133,153 相対回転の無い二部材間に介設さ
れたシール部材
135,135A,135B,135C クラッチ入力回転部材
137,137A,137B,137C クラッチ出力回転部材
139,139A,139B,139C メイン・クラッチ(摩擦多
板クラッチ)
141,141A,141B,141C 結合シャフト部
144 貫通窓(第2の連通部)
146 ハウジング油孔(第3の連通部)
155,155A,155B,155C クラッチ出力中空軸(クラ
ッチ出力回転部材)
157 クラッチ・ハブ(クラッチ出力回転部
)
157A,157B,157C クラッチ・ハブ
167 閉止プラグ(閉止部材)
170 ハブ貫通部(第1の連通部)
175,219 スナップ・リング(止め部材)
177,179,179A,179B,179C ボール・ベアリング(軸
け)
193,193A,193B,193C パイロット・クラッチ
197,197A,197B,197C カム・リング
199,199A,199B,199C プレッシャー・プレート
203,203A,203B,203C アーマチャ
205,205A,205B,205C ロータ
207,207A,207B,207C 電磁石(操作源)
215 非磁性部
218 ロータ油孔(第4の連通部)
231 油道(第5の連通部)
243,243B,243C 包囲空間
255 連通路
259 開口
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