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Patent Searching and Data


Title:
DYE-SENSITIZED PHOTOELECTRIC CONVERSION DEVICE MODULE AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME, PHOTOELECTRIC CONVERSION DEVICE MODULE AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME, AND ELECTRONIC DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/075267
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a dye-sensitized photoelectric conversion device module such as a dye-sensitized solar cell module, which has lightweight, thin and flexible structure, while achieving high power generation efficiency. Also disclosed is a method for manufacturing such a dye-sensitized photoelectric conversion device module. Specifically disclosed is a dye-sensitized photoelectric conversion device module having a plurality of dye-sensitized photoelectric conversion devices on a supporting base, wherein a thin-film glass substrate (1) having a thickness of not more than 0.2 mm is used as the supporting base, and resin protective films (9, 11) larger than the thin-film glass substrate (1) are bonded to at least one side of the dye-sensitized photoelectric conversion device module. The dye-sensitized photoelectric conversion devices are formed by sequentially arranging a dye-sensitized semiconductor layer (3), a porous insulating layer (4) and a counter electrode (5) on a transparent conductive layer (2) which is formed on the thin-film glass substrate (1). The dye-sensitized semiconductor layer (3) and the porous insulating layer (4) are impregnated with an electrolyte.

Inventors:
MOROOKA MASAHIRO (JP)
ORIHASHI MASAKI (JP)
TAKADA HARUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072340
Publication Date:
June 18, 2009
Filing Date:
December 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SONY CORP (JP)
MOROOKA MASAHIRO (JP)
ORIHASHI MASAKI (JP)
TAKADA HARUMI (JP)
International Classes:
H01M14/00; H01L31/04; H01L31/042
Domestic Patent References:
WO2004017452A12004-02-26
Foreign References:
JP2000031509A2000-01-28
JP2007053049A2007-03-01
JP2007055861A2007-03-08
JP2000195338A2000-07-14
JPH06291350A1994-10-18
JP2008186764A2008-08-14
Other References:
NATURE, vol. 353, 1991, pages 737 - 740
Attorney, Agent or Firm:
IWASAKI, Sachikuni et al. (Toranomon Kotohira Tower2-8, Toranomon 1-chome,Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 支持基材上に複数の色素増感光電変換素子を有する色素増感光電変換素子モジュールであって、
 上記支持基材として厚さが0.2mm以下の薄膜ガラス基板が用いられ、かつ、上記色素増感光電変換素子モジュールの少なくとも一方の面に上記薄膜ガラス基板の大きさ以上の大きさを有する樹脂系の保護フィルムが接着されている
 ことを特徴とする色素増感光電変換素子モジュール。
 上記保護フィルムによって上記薄膜ガラス基板の端面の少なくとも一部が覆われていることを特徴とする請求項1記載の色素増感光電変換素子モジュール。
 上記保護フィルムによって上記薄膜ガラス基板の少なくとも1辺以上の端面が覆われていることを特徴とする請求項2記載の色素増感光電変換素子モジュール。
 上記薄膜ガラス基板上の複数の領域にそれぞれ透明導電層を有し、上記透明導電層上に色素増感半導体層、多孔質絶縁層および対極が順次積層されて上記色素増感光電変換素子が構成され、上記色素増感光電変換素子モジュールの上記色素増感光電変換素子側の面に上記保護フィルムが接着されて上記色素増感光電変換素子が上記保護フィルムによって覆われていることを特徴とする請求項3記載の色素増感光電変換素子モジュール。
 互いに隣接する2つの上記色素増感光電変換素子の間の部分において、1つの色素増感光電変換素子の上記透明導電層ともう1つの色素増感光電変換素子の上記対極とが互いに電気的に接続されていることを特徴とする請求項4記載の色素増感光電変換素子モジュール。
 少なくとも上記色素増感半導体層および上記多孔質絶縁層に電解質が含浸されていることを特徴とする請求項5記載の色素増感光電変換素子モジュール。
 上記電解質が、イソシアネート基を少なくとも1つ以上有する化合物を含む電解質組成物からなることを特徴とする請求項6記載の色素増感光電変換素子モジュール。
 上記対極は金属または合金からなる箔の上記多孔質絶縁層側の片面に触媒層を有するもの、または、触媒能を有する材料からなる箔からなることを特徴とする請求項4記載の色素増感光電変換素子モジュール。
 支持基材上に複数の色素増感光電変換素子を有する色素増感光電変換素子モジュールの製造方法であって、
 上記支持基材として厚さが0.2mm以下の薄膜ガラス基板を用い、この薄膜ガラス基板上に上記複数の色素増感光電変換素子を形成して上記色素増感光電変換素子モジュールを形成する工程と、
 上記色素増感光電変換素子モジュールの少なくとも一方の面に上記薄膜ガラス基板の大きさ以上の大きさを有する樹脂系の保護フィルムを接着する工程とを有する
 ことを特徴とする色素増感光電変換素子モジュールの製造方法。
 色素増感光電変換素子モジュールを用いた電子機器において、
 上記色素増感光電変換素子モジュールが、
 支持基材上に複数の色素増感光電変換素子を有する色素増感光電変換素子モジュールであって、
 上記支持基材として厚さが0.2mm以下の薄膜ガラス基板が用いられ、かつ、上記色素増感光電変換素子モジュールの少なくとも一方の面に上記薄膜ガラス基板の大きさ以上の大きさを有する樹脂系の保護フィルムが接着されているものである
 ことを特徴とする電子機器。
 支持基材上に複数の光電変換素子を有する光電変換素子モジュールであって、
 上記支持基材として厚さが0.2mm以下の薄膜ガラス基板が用いられ、かつ、上記光電変換素子モジュールの少なくとも一方の面に上記薄膜ガラス基板の大きさ以上の大きさを有する樹脂系の保護フィルムが接着されている
 ことを特徴とする光電変換素子モジュール。
 支持基材上に複数の光電変換素子を有する光電変換素子モジュールの製造方法であって、
 上記支持基材として厚さが0.2mm以下の薄膜ガラス基板を用い、この薄膜ガラス基板上に上記複数の光電変換素子を形成して上記光電変換素子モジュールを形成する工程と、
 上記光電変換素子モジュールの少なくとも一方の面に上記薄膜ガラス基板の大きさ以上の大きさを有する樹脂系の保護フィルムを接着する工程とを有する
 ことを特徴とする光電変換素子モジュールの製造方法。
 光電変換素子モジュールを用いた電子機器において、
 上記光電変換素子モジュールが、
 支持基材上に複数の光電変換素子を有する光電変換素子モジュールであって、
 上記支持基材として厚さが0.2mm以下の薄膜ガラス基板が用いられ、かつ、上記光電変換素子モジュールの少なくとも一方の面に上記薄膜ガラス基板の大きさ以上の大きさを有する樹脂系の保護フィルムが接着されているものである
 ことを特徴とする電子機器。
Description:
色素増感光電変換素子モジュー およびその製造方法ならびに光電変換素子 ジュールおよびその製造方法ならびに電子 器

 この発明は、色素増感光電変換素子モジ ールおよびその製造方法ならびに光電変換 子モジュールおよびその製造方法ならびに 子機器に関し、例えば、色素を担持した半 体微粒子からなる色素増感半導体層を用い 色素増感太陽電池モジュールおよび各種の 子機器に適用して好適なものである。

 エネルギー源として石炭や石油などの化 燃料を使用する場合、その結果発生する二 化炭素のために、地球の温暖化をもたらす 言われている。また、原子力エネルギーを 用する場合には、放射線による汚染の危険 が伴う。環境問題が取り沙汰される現在、 れらのエネルギーに依存していくことは大 問題が多い。

 一方、太陽光を電気エネルギーに変換す 光電変換素子である太陽電池は太陽光をエ ルギー源としているため、地球環境に対す 影響が極めて少なく、より一層の普及が期 されている。

 太陽電池の材質としては様々なものがあ が、シリコンを用いたものが多数市販され おり、これらは大別して単結晶または多結 のシリコンを用いた結晶シリコン系太陽電 と、非晶質(アモルファス)シリコン系太陽 池とに分けられる。従来、太陽電池には、 結晶または多結晶のシリコン、すなわち結 シリコンが多く用いられてきた。

 しかしながら、結晶シリコン系太陽電池 は、光(太陽)エネルギーを電気エネルギー 変換する性能を表す光電変換効率が、アモ ファスシリコン系太陽電池に比べて高いも の、結晶成長に多くのエネルギーと時間と 要するため生産性が低く、コスト面で不利 あった。

 また、アモルファスシリコン系太陽電池 、結晶シリコン系太陽電池と比べて光吸収 が高く、基板の選択範囲が広い、大面積化 容易であるなどの特徴があるが、光電変換 率が結晶シリコン系太陽電池より低い。さ に、アモルファスシリコン系太陽電池は、 産性は結晶シリコン系太陽電池に比べて高 が、結晶シリコン系太陽電池と同様に製造 真空プロセスが必要であり、設備面での負 は未だに大きい。

 一方、太陽電池のより一層の低コスト化 向けて、シリコン系材料に代えて有機材料 用いた太陽電池が多く研究されてきた。し しながら、この太陽電池の光電変換効率は1 %以下と非常に低く、耐久性にも問題があっ 。

 こうした中で、色素によって増感された 導体微粒子を用いた安価な太陽電池が報告 れた(Nature,353,p.737-740,1991参照。)。この太陽 池は、増感色素にルテニウム錯体を用いて 光増感した酸化チタン多孔質薄膜を光電極 する湿式太陽電池、すなわち電気化学光電 である。この色素増感太陽電池の利点は、 価な酸化チタンを用いることができ、増感 素の光吸収が800nmまでの幅広い可視光波長 にわたっていること、光電変換の量子効率 高く、高いエネルギー変換効率を実現でき ことである。また、製造に真空プロセスが 要ないため、大型の設備なども必要ない。 らに、この色素増感太陽電池は「シースル 」、「フレキシブル」、「カラフル」など 従来のシリコン系太陽電池にはない意匠性 有するため、世界的に注目されるようにな てきた。

 近年、色素増感太陽電池モジュールを開 する動きが活発化してきている。この色素 感太陽電池モジュールの中でも特に、支持 材としてプラスチック基板を用いたフレキ ブル太陽電池モジュールの開発が活発に行 れている。 しかしながら、一般的な色素 感太陽電池モジュールの製造工程において 、色素増感半導体層に用いられる多孔質半 体層の形成のための焼成処理が必要である 、上述のように支持基材としてプラスチッ 基板を用いた場合は、プラスチック基板の 熱温度(ガラス転移温度)の関係で、焼成時の 加熱温度を150℃程度までしか上げることがで きない。このため、得られる多孔質半導体層 の結晶性や粒子間の結合状態が悪く、そのよ うな状態では電子伝導性が低いことから、プ ラスチック基板を用いた色素増感太陽電池モ ジュールの発電効率はガラス基板を用いたも のに対して半分以下と低くなってしまうのが 現状であった。

 そこで、この発明が解決しようとする課 は、軽量かつ薄型でフレキシブルに構成す ことができ、しかも高い発電効率を得るこ ができる色素増感太陽電池モジュールなど 色素増感光電変換素子モジュールおよびそ 製造方法ならびに上記の優れた色素増感光 変換素子モジュールを用いた電子機器を提 することである。

 この発明が解決しようとする課題は、よ 一般的には、軽量かつ薄型でフレキシブル 構成することができ、しかも高い発電効率 得ることができる、色素増感太陽電池モジ ールやシリコン系太陽電池モジュールなど 含む各種の太陽電池モジュールなどの光電 換素子モジュールおよびその製造方法なら に上記の優れた光電変換素子モジュールを いた電子機器を提供することである。

 上記課題を解決するために、第1の発明は、
 支持基材上に複数の色素増感光電変換素子 有する色素増感光電変換素子モジュールで って、
 上記支持基材として厚さが0.2mm以下の薄膜 ラス基板が用いられ、かつ、上記色素増感 電変換素子モジュールの少なくとも一方の に上記薄膜ガラス基板の大きさ以上の大き を有する樹脂系の保護フィルムが接着され いる
 ことを特徴とするものである。

 この第1の発明においては、支持基材とし て薄膜ガラス基板を用いていることにより、 色素増感半導体層に用いる多孔質半導体層の 形成時に例えば500℃程度の高い温度で焼成処 理を行うことが可能になるため、多孔質半導 体層の結晶性や粒子の結合状態が良好となり 、高い電子伝導性を得ることができることか ら、高い発電効率を得ることができる。また 、厚さが0.2mm以下の薄膜ガラス基板は、プラ チック基板と同様に、容易に曲げることが きてフレキシブルであるだけでなく、軽量 ある。薄膜ガラス基板は、厚さが小さいほ 曲がりやすくなり、軽量化にも繋がるが、 さが小さくなりすぎると機械的強度が低下 すぎるため、これらの観点から好ましい厚 が存在し、具体的には、0.01~0.2mmが好ましい 。この厚さが0.2mm以下の薄膜ガラス基板は、 り厚いガラス基板を研磨によって薄くする とにより作製してもよいし、最初からこの さに作製された薄膜ガラス基板を用いても い。この薄膜ガラス基板の材質は特に制限 れず、従来公知の各種のものを用いること でき、これらの中から適宜選択される。こ 薄膜ガラス基板は、必要に応じて、強化ガ ス化することにより機械的強度を増すこと 可能である。

 一方、厚さが0.2mm以下と薄い薄膜ガラス 板は、表面や端面に微小なクラックや傷な が存在すると、容易に割れが発生する場合 ある。すなわち、薄膜ガラス基板の機械的 度は、この薄膜ガラス基板の表面や端面の 滑性に依存しているといっても過言ではな 。そこで、薄膜ガラス基板の割れを防止し ひいては色素増感光電変換素子モジュール 破壊を防止するために、色素増感光電変換 子モジュールの少なくとも一方の面、望ま くは両面にこの薄膜ガラス基板の大きさ以 の大きさを有する樹脂系の保護フィルムを 着している。色素増感光電変換素子モジュ ルの少なくとも一方の面の全面をこの保護 ィルムによって覆うことにより、この色素 感光電変換素子モジュールの曲げに対する 械的強度の大幅な向上を図ることができ、 膜ガラス基板の割れを飛躍的に減少させる とが可能となり、ひいては色素増感光電変 素子モジュールの破壊を防止することが可 となる。曲げに対する色素増感光電変換素 モジュールの機械的強度のより一層の向上 図るために、この保護フィルムによって薄 ガラス基板の端面の少なくとも一部、好適 は可能な限り多くの部分を覆うことが望ま い。このため、色素増感光電変換素子モジ ールの一方の面にだけ保護フィルムを接着 る場合には、この保護フィルムを折り返す どして薄膜ガラス基板の端面を覆うことが ましく、色素増感光電変換素子モジュール 両面に保護フィルムを接着する場合には、 れらの保護フィルム同士を薄膜ガラス基板 らはみ出した部分で接合し、薄膜ガラス基 の端面を覆うことが好ましい。薄膜ガラス 板の端面の保護はこの薄膜ガラス基板の外 全体に対して行うことが好ましいが、薄膜 ラス基板が多角形であり、曲がる辺が1辺以 決まっている場合には、少なくともこの1辺 以上の端面を覆うようにすることが望ましい 。色素増感光電変換素子モジュールの光入射 側の面に接着する保護フィルムおよび接着剤 としては透明なものを用いる。

 この色素増感光電変換素子モジュールに いては、典型的には、薄膜ガラス基板上の 数の領域にそれぞれ透明導電層を有し、こ 透明導電層上に色素増感半導体層、多孔質 縁層および対極が順次積層されて色素増感 電変換素子が構成され、色素増感光電変換 子モジュールの色素増感光電変換素子側の に保護フィルムが接着されて色素増感光電 換素子がこの保護フィルムによって覆われ いる。薄膜ガラス基板上の複数の色素増感 電変換素子を互いに電気的に直列に接続す 場合には、互いに隣接する2つの色素増感光 電変換素子の間の部分において、1つの色素 感光電変換素子の透明導電層ともう1つの色 増感光電変換素子の対極とを互いに電気的 接続する。少なくとも色素増感半導体層お び多孔質絶縁層、典型的には、色素増感半 体層および多孔質絶縁層に加えて対極にも 解質が含浸される。薄膜ガラス基板上の複 の領域に形成する透明導電層は、色素増感 導体層、多孔質絶縁層および対極を積層す 前にパターニングしてもよいし、これらの 素増感半導体層、多孔質絶縁層および対極 積層した後にパターニングしてもよい。こ パターニングは、従来公知の各種のエッチ グ法、レーザスクライブ、物理的な研磨加 などによって行うことができる。

 薄膜ガラス基板上に形成する透明導電層の 面抵抗(シート抵抗)は、低いほど好ましい 具体的には、透明導電層の表面抵抗は500ω/ 以下が好ましく、100ω/□がさらに好ましい この透明導電層の材料としては公知のもの 使用可能であり、具体的には、インジウム- ズ複合酸化物(ITO)、フッ素ドープSnO (FTO)、アンチモンドープSnO (ATO)、SnO 、ZnO、インジウム-亜鉛複合酸化物(IZO)などが 挙げられるが、これらに限定されるものでは なく、また、これらを2種類以上組み合わせ 用いることもできる。また、この薄膜ガラ 基板上に透明導電層を形成した透明導電性 板の表面抵抗を低減し、集電効率を向上さ る目的で、この薄膜ガラス基板上に導電性 高い金属などやカーボンなどの導電材料か なる配線を別途設けてもよい。この配線に いる導電材料に特に制限はないが、耐食性 耐酸化性が高く、導電材料自体の漏れ電流 低いことが望ましい。

 色素増感半導体層は、典型的には、色素を 持した半導体微粒子からなる多孔質半導体 である。半導体微粒子の材料としては、シ コンに代表される元素半導体のほかに、各 の化合物半導体、ペロブスカイト構造を有 る化合物などを使用することができる。こ らの半導体は、光励起下で伝導帯電子がキ リアーとなり、アノード電流を与えるn型半 導体であることが好ましい。これらの半導体 は、具体的に例示すると、TiO 、ZnO、WO 、Nb O 、TiSrO 、SnO などであり、これらの中でもアナターゼ型の TiO が特に好ましい。半導体の種類はこれらに限 定されるものではなく、また、これらを2種 以上混合して用いることもできる。さらに 半導体微粒子は粒子状、チューブ状、棒状 ど必要に応じて様々な形態を取ることが可 である。

 半導体微粒子の粒径に特に制限はないが 一次粒子の平均粒径で1~200nmが好ましく、特 に好ましくは5~100nmである。また、この平均 径の半導体微粒子にこの平均粒径より大き 平均粒径の半導体微粒子を混合し、平均粒 の大きい半導体微粒子により入射光を散乱 せ、量子収率を向上させることも可能であ 。この場合、別途混合する半導体微粒子の 均粒径は20~500nmであることが好ましい。

 半導体微粒子からなる半導体層の作製方 に特に制限はないが、物性、利便性、製造 ストなどを考慮した場合には湿式製膜法が ましく、半導体微粒子の粉末あるいはゾル 水や有機溶媒などの溶媒に均一分散したペ ストを調製し、透明導電性基板上に塗布す 方法が好ましい。塗布は、その方法に特に 限はなく、公知の方法に従って行うことが き、例えば、ディップ法、スプレー法、ワ ヤーバー法、スピンコート法、ローラーコ ト法、ブレードコート法、グラビアコート 、また、湿式印刷方法としては、例えば、 版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版 スクリーン印刷など様々な方法により行う とができる。半導体微粒子の材料として結 酸化チタンを用いる場合、その結晶型はア ターゼ型が光触媒活性の点から好ましい。 ナターゼ型酸化チタンは市販の粉末、ゾル スラリーでもよいし、あるいは、酸化チタ アルコキシドを加水分解するなどの公知の 法によって所定の粒径のものを作ってもよ 。市販の粉末を使用する際には粒子の二次 集を解消することが好ましく、塗布液調製 に乳鉢やボールミルや超音波分散装置など 使用して粒子の分散を行うことが好ましい このとき、二次凝集が解かれた粒子が再度 集するのを防ぐため、アセチルアセトン、 酸、硝酸、界面活性剤、キレート剤などを 加することができる。また、増粘の目的で リエチレンオキシドやポリビニルアルコー などの高分子、セルロース系の増粘剤など 各種の増粘剤を添加することもできる。

 半導体微粒子からなる半導体層、言い換 ると半導体微粒子層は多くの増感色素を吸 することができるように、表面積の大きい のが好ましい。このため、半導体微粒子層 支持体上に塗設した状態での表面積は、投 面積に対して10倍以上であることが好まし 、100倍以上であることがより好ましい。こ 上限に特に制限はないが、通常1000倍程度で る。半導体微粒子層は一般に、その厚さが 大するほど単位投影面積当たりの担持色素 が増えるため光の捕獲率が高くなるが、注 した電子の拡散距離が増すため電荷再結合 よるロスも大きくなる。従って、半導体微 子層には好ましい厚さが存在するが、その さは一般的には0.1~100μmであり、1~50μmであ ことがより好ましく、3~30μmであることが特 好ましい。半導体微粒子層は支持体に塗布 た後に粒子同士を電子的にコンタクトさせ 膜強度の向上や基板との密着性を向上させ ために、焼成することが好ましい。焼成温 の範囲に特に制限はないが、温度を上げ過 ると基板の抵抗が高くなってしまい、溶融 ることもあるため、通常は40~700℃であり、 り好ましくは40~650℃である。また、焼成時 も特に制限はないが、通常は10分~10時間程 である。焼成後、半導体微粒子層の表面積 増大させたり、半導体微粒子間のネッキン を高めたりする目的で、例えば四塩化チタ 水溶液を用いた化学めっきや三塩化チタン 溶液を用いたネッキング処理や直径10nm以下 半導体超微粒子ゾルのディップ処理などを ってもよい。

 半導体層に担持させる色素としては、増 作用を示すものであれば特に制限はないが 例えば、ローダミンB、ローズベンガル、エ オシン、エリスロシンなどのキサンテン系色 素、メロシアニン、キノシアニン、クリプト シアニンなどのシアニン系色素、フェノサフ ラニン、カブリブルー、チオシン、メチレン ブルーなどの塩基性染料、クロロフィル、亜 鉛ポルフィリン、マグネシウムポルフィリン などのポルフィリン系化合物が挙げられ、そ の他のものとしてはアゾ色素、フタロシアニ ン化合物、クマリン系化合物、Ruビピリジン 化合物、Ruターピリジン錯化合物、アント キノン系色素、多環キノン系色素、スクア リウムなどが挙げられる。これらの中でも Ruビピリジン錯化合物は量子収率が高く特に 好ましい。ただし、増感色素はこれらのもの に限定されるものではなく、また、これらの 増感色素を2種類以上混合して用いてもよい

 色素の半導体層への吸着方法に特に制限 ないが、上記の増感色素を例えばアルコー 類、ニトリル類、ニトロメタン、ハロゲン 炭化水素、エーテル類、ジメチルスルホキ ド、アミド類、N-メチルピロリドン、1,3-ジ チルイミダゾリジノン、3-メチルオキサゾ ジノン、エステル類、炭酸エステル類、ケ ン類、炭化水素、水などの溶媒に溶解させ これに半導体層を浸漬させたり、色素溶液 半導体層上に塗布したりすることができる また、酸性度の高い色素を用いる場合には 色素分子同士の会合を低減する目的でデオ シコール酸などを添加してもよい。

 増感色素を吸着させた後に、過剰に吸着 た増感色素の除去を促進する目的で、アミ 類を用いて半導体電極の表面を処理しても い。アミン類の例としてはピリジン、4-tert- ブチルピリジン、ポリビニルピリジンなどが 挙げられ、これらが液体の場合はそのまま用 いてもよいし、有機溶媒に溶解して用いても よい。

 多孔質絶縁層の材料は導電性を持たない 料であれば特に制限はないが、特にZr、Al、 Ti、Si、Zn、WおよびNbからなる群より選ばれた 少なくとも1種以上の元素を含む酸化物、中 もジルコニア、アルミナ、チタニア、シリ などを用いるのが望ましく、典型的にはこ 酸化物の微粒子を用いる。この多孔質絶縁 の空孔率は10%以上であることが好ましい。 孔率の上限に制限はないが、この多孔質絶 層の物理的強度の観点から、通常は10~80%程 が好ましい。空孔率が10%以下であると、電 質の拡散に影響を及ぼし、色素増感光電変 素子モジュールの特性を著しく低下させて まう。また、この多孔質絶縁層の細孔径は1~ 1000nmが好ましい。細孔径が1nm未満であると、 電解質の拡散や色素の含浸に影響を及ぼし、 色素増感光電変換素子モジュールの特性を低 下させてしまう。さらに、細孔径が1000nmより 大きいと多孔質絶縁層中に対極の触媒粒子が 侵入するためショートする恐れが生じる。こ の多孔質絶縁層の製造方法に制限はないが、 上記酸化物粒子の焼結体であることが好まし い。

 対極の材料に特に制限はなく、触媒活性 有する物質自体が導電性を有していればそ まま用いることが可能であり、触媒自体が 電性を有しない場合には導電性物質と触媒 性を有する物質とを組み合わせて使用する とも可能である。対極は、具体的には、例 ば、Pt、Ru、IrおよびCからなる群より選ばれ た少なくとも一種以上の元素を含むことが好 ましく、中でもPtまたはCを含むことが好まし く、取り分けCを含む材料であるカーボンブ ックが安価であるため好ましい。

 対極は、金属または合金からなる箔の多 質絶縁層側の片面に触媒層を有するもの、 たは、触媒能を有する材料からなる箔によ 構成してもよい。このようにすることによ 対極を薄く構成することができるため、色 増感光電変換素子モジュールの薄型化およ 軽量化が可能である。また、対極を構成す 金属または合金からなる箔の材料および触 能を有する材料は選択の幅が広く、対極の 料面での制約がない。さらに、色素増感半 体層と対極とは多孔質絶縁層で隔てられて るため、色素増感半導体層の色素が対極に 着するのを防止することができ、特性の劣 が生じない。この対極を構成する金属また 合金からなる箔は、Ti、Ni、Cr、Fe、Nb、Ta、W 、CoおよびZrからなる群より選ばれた少なく も1種以上の元素を含む金属または合金から る箔を用いるのが好ましい。この金属また 合金からなる箔の多孔質絶縁層側の片面に ける触媒層、または、触媒能を有する材料 、Pt、Ru、IrおよびCからなる群より選ばれた 少なくとも1種以上の元素を含むことが好ま い。色素増感光電変換素子モジュールの薄 化の観点からは、対極の厚さ、すなわち金 または合金からなる箔と触媒層との厚さの 計または触媒能を有する材料からなる箔の さは0.1mm以下であることが好ましい。金属ま たは合金からなる箔の上に触媒層を担持させ るには、触媒または触媒の前駆体を含む溶液 を湿式コートする方法や、スパッタリング法 、真空蒸着法、化学気相成長(CVD)法などの乾 法などを用いることができる。この場合、 極と透明導電層とは、互いに直接接合して よいし、導電材料を介して接合してもよい 後者の場合、具体的には、対極と透明導電 とを例えば導電性接着剤または融点が300℃ 下の低融点金属または合金によって互いに 合する。導電性接着剤としては、市販の銀 カーボン、ニッケル、銅ペーストなどを使 可能であるほか、異方導電性接着剤やフィ ム状のものも使用可能である。また、透明 電層に接合可能なInやIn-Sn系はんだなどの各 種の低融点金属または合金も使用可能である 。また、対極と透明導電層との接合部が電解 質と直接接触する場合には、接合部を樹脂な どで保護して電解質との接触を防止するよう にしてもよい。

 保護フィルムの材質は樹脂系であれば特に 定されないが、好適には、高いガスバリア を有する材料が用いられ、具体的には、例 ば、酸素透過度が100(cc/m /day/atm)以下、水蒸気透過度が100(g/m /day)以下であるものが用いられる。この保護 ィルムとしては、例えば、食品の外装フィ ムなどに代表されるガスバリア性フィルム 用いられ、好適には、アルミニウム、シリ およびアルミナからなる群より選ばれた少 くとも1種以上のガスバリア性材料が積層さ れたガスバリア性フィルムなどが用いられる 。この保護フィルムは、好適には、適切な接 着剤を用いて、減圧下または不活性ガス雰囲 気中でシールされる。このような保護フィル ムを色素増感光電変換素子モジュールの色素 増感光電変換素子側の面や薄膜ガラス基板の 裏面側に設けることにより、色素増感光電変 換素子モジュールの内部に外部から酸素など のガスや水蒸気などが浸透するのを防止する ことができるので、光電変換効率などの特性 の劣化を抑えることができ、色素増感光電変 換素子モジュールの耐久性の向上を図ること ができる。保護フィルムの接着に用いる接着 層の材質は特に限定されないが、ガスバリア 性が高く、化学的に不活性で電気的に絶縁性 の材料を用いることが好ましく、具体的には 、樹脂、ガラスフリットなど、より具体的に は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、 シリコーン樹脂、アクリル樹脂などの各種の 紫外線(UV)硬化型樹脂、各種の熱硬化型樹脂 ホットメルト樹脂、低融点ガラスフリット どを用いることができる。この接着層は保 フィルムと一体化されていることが好まし が、これに限定されるものではない。

 電解質は、ヨウ素(I )と金属ヨウ化物もしくは有機ヨウ化物との み合わせ、臭素(Br )と金属臭化物あるいは有機臭化物との組み わせのほか、フェロシアン酸塩/フェリシア 酸塩やフェロセン/フェリシニウムイオンな どの金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキ ルチオール/アルキルジスルフィドなどのイ ウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン/ ノンなどを用いることができる。上記金属 合物のカチオンとしてはLi、Na、K、Mg、Ca、C sなど、上記有機化合物のカチオンとしては トラアルキルアンモニウム類、ピリジニウ 類、イミダゾリウム類などの4級アンモニウ 化合物が好ましいが、これらに限定される のではなく、また、これらを2種類以上混合 して用いることもできる。この中でも、I とLiI、NaIやイミダゾリウムヨーダイドなどの 4級アンモニウム化合物とを組み合わせた電 質が好ましい。電解質塩の濃度は溶媒に対 て0.05~5Mが好ましく、さらに好ましくは0.2~3M ある。I やBr の濃度は0.0005~1Mが好ましく、さらに好ましく は0.001~0.3Mである。また、開放電圧を向上さ る目的で4-tert-ブチルピリジンに代表される ミン系化合物からなる添加剤を加えてもよ 。

 上記電解質組成物を構成する溶媒として 、アルコール類、エーテル類、エステル類 炭酸エステル類、ラクトン類、カルボン酸 ステル類、リン酸トリエステル類、複素環 合物類、ニトリル類、ケトン類、アミド類 ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素、ジメ ルスルホキシド、スルフォラン、N-メチル ロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、3 -メチルオキサゾリジノン、炭化水素などが げられるが、これらに限定されるものでは く、また、これらを2種類以上混合して用い こともできる。さらに、溶媒としてテトラ ルキル系、ピリジニウム系、イミダゾリウ 系4級アンモニウム塩のイオン液体を用いる ことも可能である。

 色素増感光電変換素子の漏液、電解質の 発を低減する目的で、上記電解質組成物へ ル化剤、ポリマー、架橋モノマーなどを溶 させるほか、無機セラミック粒子を分散さ てゲル状電解質として使用することも可能 ある。ゲルマトリクスと電解質組成物との 率は、電解質組成物が多ければイオン導電 は高くなるが、機械的強度は低下し、逆に 解質組成物が少なすぎると機械的強度は大 いがイオン導電率は低下するため、電解質 成物はゲル状電解質の50~99wt%が望ましく、80 ~97wt%がより好ましい。また、上記電解質と可 塑剤とをポリマーに溶解させ、可塑剤を揮発 除去することで全固体型の色素増感光電変換 素子モジュールを実現することも可能である 。

 色素増感光電変換素子モジュールの製造 法は特に限定されないが、各層の厚さ、生 性、パターン精度などを考慮すると、色素 吸着させる前の半導体層、多孔質絶縁層、 極および接着層、さらには対極が触媒層を するものである場合にはこの触媒層は全て クリーン印刷やスプレー塗布などの湿式塗 法によって形成するのが好ましく、特にス リーン印刷によって形成するのが好ましい 色素を吸着させる前の半導体層および多孔 絶縁層は、それぞれの層を構成する粒子を むペーストの塗布、焼成によって形成する が好ましい。それぞれの空孔率はペースト バインダー成分と粒子の比によって決めら る。対極も同様にペーストの塗布、焼成に って形成するのが好ましいが、対極への色 吸着が特性に影響する場合は、半導体層お び多孔質絶縁層まで形成した段階で半導体 に色素を吸着させ、その後、多孔質絶縁層 に対極を形成してもよい。金属または合金 らなる箔の多孔質絶縁層側の片面に触媒層 有するものにより対極を構成する場合には この金属または合金からなる箔上の触媒層 多孔質絶縁層側へ向け、隣の色素増感光電 換素子の透明導電層と接合する。電解質を 色素増感光電変換素子の色素増感半導体層 多孔質絶縁層などに含浸させるための電解 の充填は、例えば、ディスペンサーや印刷 インクジェットなどの方法を用いて行うこ ができる。ただし、複数の色素増感光電変 素子が直列に接続された色素増感光電変換 子モジュールでは、電解質が流れ出すこと よって色素増感光電変換素子間がショート るため、各色素増感光電変換素子の色素増 半導体層や多孔質絶縁層などに含浸させる 以上の量の電解質を添加することは好まし ない。

 色素増感光電変換素子モジュールはその 途に応じて様々な形状で作製することが可 であり、その形状は特に限定されない。

 色素増感光電変換素子モジュールは、最 典型的には、色素増感太陽電池モジュール して構成される。ただし、色素増感光電変 素子モジュールは、色素増感太陽電池モジ ール以外のもの、例えば色素増感光センサ などであってもよい。

 第2の発明は、
 支持基材上に複数の色素増感光電変換素子 有する色素増感光電変換素子モジュールの 造方法であって、
 上記支持基材として厚さが0.2mm以下の薄膜 ラス基板を用い、この薄膜ガラス基板上に 記複数の色素増感光電変換素子を形成して 記色素増感光電変換素子モジュールを形成 る工程と、
 上記色素増感光電変換素子モジュールの少 くとも一方の面に上記薄膜ガラス基板の大 さ以上の大きさを有する樹脂系の保護フィ ムを接着する工程とを有する
 ことを特徴とするものである。

 この色素増感光電変換素子モジュールの 造方法においては、典型的には、透明導電 上に色素増感半導体層、多孔質絶縁層およ 対極を順次積層して色素増感光電変換素子 形成する際に、互いに隣接する2つの色素増 感光電変換素子の間の部分において1つの色 増感光電変換素子の透明導電層ともう1つの 素増感光電変換素子の対極とを互いに電気 に接続する。

 第2の発明においては、上記以外のことは 、その性質に反しない限り、第1の発明に関 して説明したことが成立する。

 第3の発明は、
 色素増感光電変換素子モジュールを用いた 子機器において、
 上記色素増感光電変換素子モジュールが、
 支持基材上に複数の色素増感光電変換素子 有する色素増感光電変換素子モジュールで って、
 上記支持基材として厚さが0.2mm以下の薄膜 ラス基板が用いられ、かつ、上記色素増感 電変換素子モジュールの少なくとも一方の に上記薄膜ガラス基板の大きさ以上の大き を有する樹脂系の保護フィルムが接着され いるものである
 ことを特徴とするものである。

 電子機器は、基本的にはどのようなもの あってもよく、携帯型のものと据え置き型 ものとの双方を含むが、具体例を挙げると 携帯電話、モバイル機器、ロボット、パー ナルコンピュータ、車載機器、各種家庭電 製品などである。この場合、色素増感光電 換素子モジュールは、例えばこれらの電子 器の電源として用いられる色素増感太陽電 モジュールである。

 第3の発明においては、上記以外のことは 、その性質に反しない限り、第1の発明に関 して説明したことが成立する。

 第4の発明は、
 支持基材上に複数の光電変換素子を有する 電変換素子モジュールであって、
 上記支持基材として厚さが0.2mm以下の薄膜 ラス基板が用いられ、かつ、上記光電変換 子モジュールの少なくとも一方の面に上記 膜ガラス基板の大きさ以上の大きさを有す 樹脂系の保護フィルムが接着されている
 ことを特徴とするものである。

 第5の発明は、
 支持基材上に複数の光電変換素子を有する 電変換素子モジュールの製造方法であって
 上記支持基材として厚さが0.2mm以下の薄膜 ラス基板を用い、この薄膜ガラス基板上に 記複数の光電変換素子を形成して上記光電 換素子モジュールを形成する工程と、
 上記光電変換素子モジュールの少なくとも 方の面に上記薄膜ガラス基板の大きさ以上 大きさを有する樹脂系の保護フィルムを接 する工程とを有する
 ことを特徴とするものである。

 第6の発明は、
 光電変換素子モジュールを用いた電子機器 おいて、
 上記光電変換素子モジュールが、
 支持基材上に複数の光電変換素子を有する 電変換素子モジュールであって、上記支持 材として厚さが0.2mm以下の薄膜ガラス基板 用いられ、かつ、上記光電変換素子モジュ ルの少なくとも一方の面に上記薄膜ガラス 板の大きさ以上の大きさを有する樹脂系の 護フィルムが接着されているものである
 ことを特徴とするものである。

 第4~第6の発明において、光電変換素子に 、色素増感太陽電池などの色素増感光電変 素子だけでなく、シリコン系太陽電池など 従来公知の光電変換素子も含まれる。

 第4~第6の発明においては、上記以外のこ は、その性質に反しない限り、第1~第3の発 に関連して説明したことが成立する。

 上述のように構成されたこの発明におい は、支持基材として用いられる厚さが0.2mm 下と薄い薄膜ガラス基板はフレキシブルか 軽量である。また、色素増感光電変換素子 ジュールまたは光電変換素子モジュールの なくとも一方の面に接着された、薄膜ガラ 基板の大きさ以上の大きさを有する樹脂系 保護フィルムにより、色素増感光電変換素 モジュールまたは光電変換素子モジュール 機械的強度の向上を図ることができる。加 て、この薄膜ガラス基板は500℃程度の温度 の加熱にも耐えられる。このため、色素増 光電変換素子では、色素増感半導体層に用 る多孔質半導体層の形成時に例えば500℃程 の高い温度で焼成処理を行うことが可能に るため、多孔質半導体層の結晶性や粒子の 合状態が良好となり、高い電子伝導性を得 ことができ、高い発電効率を得ることがで る。また、シリコン系光電変換素子では、 リコン膜の成膜や熱処理などのプロセスを50 0℃程度までの高い温度で行うことができる め、良質のシリコン膜を得ることができ、 い発電効率を得ることができる。

 この発明によれば、軽量かつ薄型でフレ シブルに構成することができ、しかも高い 電効率を得ることができる色素増感光電変 素子モジュールまたは光電変換素子モジュ ルを実現することができる。そして、この れた色素増感光電変換素子モジュールまた 光電変換素子モジュールを用いて高性能の 子機器を実現することができる。

図1は、この発明の第1の実施形態によ 色素増感光電変換素子モジュールの断面図 ある。 図2は、この発明の第1の実施形態によ 色素増感光電変換素子モジュールの要部の 大断面図である。 図3は、この発明の第1の実施形態によ 色素増感光電変換素子モジュールの平面図 ある。 図4は、この発明の第1の実施形態によ 色素増感光電変換素子モジュールの要部の 大平面図である。 図5は、この発明の第1の実施形態によ 色素増感光電変換素子モジュールの製造方 を説明するための断面図である。 図6は、この発明の第2の実施形態によ 色素増感光電変換素子モジュールの断面図 ある。 図7は、この発明の第3の実施形態によ 色素増感光電変換素子モジュールの要部の 大断面図である。

 以下、この発明の実施形態について図面 参照しながら説明する。なお、以下の実施 態においては、同一または対応する部分に 同一の符号を付す。

 図1~図3は、この発明の第1の実施形態によ る色素増感光電変換素子モジュールを示す。 ここで、図1はこの色素増感光電変換素子モ ュールの断面図、図2はこの色素増感光電変 素子モジュールの要部断面図、図3はこの色 素増感光電変換素子モジュールの平面図であ る。図1は図3のX-X線に沿っての断面図に相当 、図2は図3のX-X線に沿っての一部拡大断面 に相当する。

 図1~図3に示すように、この色素増感光電 換素子モジュールにおいては、絶縁性で透 な薄膜ガラス基板1上にストライプ状の透明 導電層2が複数、互いに平行に設けられてい 。この薄膜ガラス基板1の厚さは0.2mm以下、 適には0.01~0.2mmとする。各透明導電層2上には 、それぞれ透明導電層2と同一方向に延在す ストライプ状の色素増感半導体層3、多孔質 縁層4および対極5が順次積層されて色素増 光電変換素子が構成されている。少なくと 色素増感半導体層3および多孔質絶縁層4の全 体、典型的にはこれらの色素増感半導体層3 よび多孔質絶縁層4と対極5との全体に電解質 が含浸されている。この場合、色素増感半導 体層3の幅は透明導電層2よりも小さく、透明 電層2の長手方向の1辺に隣接する部分が露 している。多孔質絶縁層4の幅は色素増感半 体層3の幅よりも大きく、色素増感半導体層 3の全体を覆うように設けられている。多孔 絶縁層4の一端は色素増感半導体層3の一方の 側面に沿って延在して薄膜ガラス基板1と接 ており、他端は色素増感半導体層3の他方の 面に沿って延在して透明導電層2と接してい る。また、1つの色素増感光電変換素子の対 5の一端は隣接する色素増感光電変換素子の 明導電層2と接合されている。これによって 、複数の色素増感光電変換素子が互いに電気 的に直列に接続されている。図1および図3に いては、8個の色素増感光電変換素子が直列 に接続されている場合が図示されているが、 直列に接続する色素増感光電変換素子の数は 必要に応じて選ばれ、8個に限定されないこ は言うまでもない。これらの直列に接続さ た複数の色素増感光電変換素子の一端の色 増感光電変換素子が形成されている透明導 層2には取り出し電極6が接続されており、他 端の色素増感光電変換素子が形成されている 透明導電層2に隣接して形成され、この色素 感光電変換素子の対極5の一端が接続された 明導電層2には取り出し電極7が接続されて る。各色素増感光電変換素子の間の対極5と 孔質絶縁層4との間の部分および対極5の全 に接着層8が設けられており、この接着層8の 全面に薄膜ガラス基板1の大きさよりも大き 樹脂系の保護フィルム9が接着されている。 方、薄膜ガラス基板1の裏面の全体に接着層 10が設けられており、この接着層10の全面に 膜ガラス基板1の大きさよりも大きい樹脂系 保護フィルム11が接着されている。そして 保護フィルム9と保護フィルム11とは薄膜ガ ス基板1からはみ出した部分で互いに接合さ ており、これによって薄膜ガラス基板1の端 面も保護フィルム9によって覆われている。 入射面側に接着された保護フィルム11および 接着層10としては透明なものが用いられるが 保護フィルム9および接着層8としては透明 ものを用いてもよいし、そうでなくともよ 。図4に多孔質絶縁層4、対極5および接着層8 一部分(図3の一点鎖線で囲んだ部分)を拡大 た平面図を示す。

 色素増感半導体層3としては、半導体微粒子 層または多孔質半導体層に色素を担持させた ものが用いられる。保護フィルム9、11の少な くとも一方には、好適には、ガスバリア材料 からなる樹脂系のフィルムが用いられ、例え ば、酸素透過度が100(cc/m /day/atm)以下、水蒸気透過度が100(g/m /day)以下であるものが用いられる。また、光 射側の保護フィルム11としては、好適には 反射による入射光の光量の損失を抑えるた に、無反射(AR)フィルムが用いられる。

 薄膜ガラス基板1、透明導電層2、色素増 半導体層3、多孔質絶縁層4、対極5および接 層8、10は、すでに挙げたものの中から、必 に応じて選択されたものを用いることがで る。

 次に、この色素増感光電変換素子モジュ ルの製造方法について説明する。

 まず、図5のAに示すように、薄膜ガラス 板1を用意し、この薄膜ガラス基板1の全面に 透明導電層2を形成した後、この透明導電層2 エッチングによりストライプ状にパターニ グする。ここで、薄膜ガラス基板1として、 最初から厚さが0.2mm以下のものを用いてもよ し、厚さが0.2mmより大きいものを用いても い。後者の場合には、後に薄膜ガラス基板1 研磨などにより薄くして0.2mm以下の厚さと る。次に、各透明導電層2上に、半導体微粒 が分散されたペーストを所定のギャップに 布する。次に、薄膜ガラス基板1を所定温度 に加熱して半導体微粒子を焼結し、半導体微 粒子焼結体からなる多孔質半導体層を形成す る。

 次に、全面に多孔質絶縁層4を形成した後 、この多孔質絶縁層4をエッチングによりス ライプ状にパターニングする。次に、この 孔質絶縁層4の全面に対極5を形成し、この対 極5の一端を各透明導電層2と接合する。

 次に、半導体微粒子焼結体からなる多孔 半導体層、多孔質絶縁層4および対極5が形 された薄膜ガラス基板1を色素溶液に浸漬す などして多孔質半導体層を構成する半導体 粒子に増感用の色素を担持させ、色素増感 導体層3を形成する。

 次に、対極5側の表面に電解質を塗布し、 この電解質を少なくとも色素増感半導体層3 よび多孔質絶縁層4の全体、典型的にはこれ の色素増感半導体層3および多孔質絶縁層4 対極5との全体に含浸させる。

 次に、一端の色素増感光電変換素子が形 された透明導電層2および他端の色素増感光 電変換素子が形成された透明導電層2に隣接 て形成された透明導電層2にそれぞれ取り出 電極6、7を接合する。

 次に、図5のBに示すように、対極5側の表 に接着層8を介して保護フィルム9を接着す 。

 次に、薄膜ガラス基板1として厚さが0.2mm り大きいものを用いる場合には、薄膜ガラ 基板1を研磨などにより薄くして厚さを0.2mm 下にする。

 この後、薄膜ガラス基板1の裏面に接着層 10を介して保護フィルム11を接着し、薄膜ガ ス基板1からはみ出した部分でこの保護フィ ム11と保護フィルム9とを接合し、薄膜ガラ 基板1の端面を保護フィルム9により覆う。

 以上のようにして、図1~図3に示す色素増 光電変換素子モジュールが製造される。

 次に、この色素増感光電変換素子モジュ ルの動作について説明する。

 薄膜ガラス基板1側からこの薄膜ガラス基 板1を透過して入射した光は、色素増感半導 層3の色素を励起して電子を発生する。この 子は、速やかに色素から色素増感半導体層3 の半導体微粒子に渡される。一方、電子を失 った色素は、色素増感半導体層3および多孔 絶縁層4の全体に含浸された電解質のイオン ら電子を受け取り、電子を渡した分子は再 対極5の表面で電子を受け取る。この一連の 反応により、色素増感半導体層3と電気的に 続された透明導電層2と対極5との間に起電力 が発生する。こうして光電変換が行われる。 この場合、直列接続された複数の色素増感光 電変換素子の一端の色素増感光電変換素子の 透明導電層2に接続された取り出し電極6と他 の色素増感光電変換素子の透明導電層2に接 続された取り出し電極7との間に各色素増感 電変換素子の起電力の合計の起電力が発生 る。

 この第1の実施形態によれば、支持基材と して厚さが0.2mm以下、好適には0.01~0.2mmの薄膜 ガラス基板1が用いられ、色素増感光電変換 子側の全面および薄膜ガラス基板1の端面が 護フィルム9により覆われ、薄膜ガラス基板 1の裏面の全体が保護フィルム11により覆われ ているので、色素増感光電変換素子モジュー ルを軽量かつ薄型でフレキシブルに構成する ことができ、色素増感光電変換素子モジュー ルの機械的強度も十分に確保することができ る。また、支持基材として薄膜ガラス基板1 用いられているので、色素増感半導体層3に いられる多孔質半導体層の形成時の焼成処 を500℃程度の温度で行うことができ、それ よって多孔質半導体層の結晶性や粒子の結 状態を良好にすることができ、電子伝導性 良好にすることができる。このため、色素 感光電変換素子モジュールの発電効率を高 することができる。さらに、保護フィルム9 、11としてガスバリア材料からなるフィルム 用いることにより、外部から酸素などのガ や水蒸気などがモジュール内部に浸透する を防止することができ、光電変換効率など 特性の劣化を防止することができる。この め、長期間優れた特性を維持することがで る耐久性の高い色素増感光電変換素子モジ ールを実現することができる。また、色素 感半導体層3と対極5とは多孔質絶縁層4で隔 られているため、色素増感半導体層3の色素 が対極5に吸着するのを防止することができ 特性の劣化が生じないことから、Z型構造の 素増感太陽電池モジュールと同等の発電性 を有する色素増感光電変換素子モジュール 実現することができる。

 色素増感光電変換素子モジュールの実施 について説明する。

実施例1
 大きさが60mm×46mmで厚さが4mmのガラス基板上 にFTO膜が形成された日本板硝子製アモルファ ス太陽電池用FTOガラス基板(シート抵抗10ω/□ )を用意し、このFTO膜をエッチングによりパ ーニングして、間に0.5mm幅の隙間が形成され るように9本のストライプ状のパターンを形 した。その後、アセトン、アルコール、ア カリ系洗浄液、超純水を順に用いて超音波 浄を行い、十分に乾燥させた。

 このFTOガラス基板上の9本のFTO膜のうちの末 端の1本を除いた8本のFTO膜上にSolaronix 製酸 チタンペーストを幅5mm、長さ40mmのストライ 状で8本(総面積16cm )、スクリーン印刷機で塗布した。ペースト ガラス基板側より透明なTi-Nanoxide TSPペース を厚さ7μm、散乱粒子を含むTi-Nanoxide DSPを さ13μm順次積層させ、合計20μmの厚さの多孔 TiO 膜を得た。この多孔質TiO 膜を500℃で30分間電気炉で焼成し、放冷後、0 .1mol/LのTiCl 水溶液中に浸漬させ、70℃で30分間保持し、 分に純水およびエタノールで洗浄し、乾燥 、再び500℃で30分間電気炉で焼成した。こう してTiO 焼結体を作製した。

 次に、市販のTiO 粒子(粒径200nm)、テルピネオールおよびエチ セルロースを用いて調製したスクリーン印 用TiO ペーストを長さ41mm、幅5.5mm、厚さ10μmで上記T iO 焼結体上に塗布した。このTiO ペーストを乾燥させ、対極として市販のカー ボンブラックとグラファイト粒子、テルピネ オールおよびエチルセルロースを用いて調製 したスクリーン印刷用ペーストを長さ40mm、 6mm、厚さ30μmで上記TiO 層上に塗布し、このペーストを乾燥させた後 、450℃で30分間電気炉で焼成した。こうして 孔質絶縁層および多孔質の対極が形成され 。

 次に、0.5mMシス-ビス(イソチオシアナート)-N ,N-ビス(2,2' -ジピリジル-4,4' -ジカルボン酸)- ルテニウム(II)ジテトラブチルアンモニウム (N719色素)のtert-ブチルアルコール/アセトニ リル混合溶媒(体積比1:1)に室温下、48時間浸 させてTiO 焼結体に色素を担持させた。こうして色素を 担持させたTiO 焼結体をアセトニトリルで洗浄し、暗所で乾 燥させた。こうして色素増感TiO 焼結体を作製した。

 γ-ブチロラクトン3gにヨウ化ナトリウム(NaI) 0.045g、1-プロピル-2.3-ジメチルイミダゾリウ ヨーダイド1.11g、ヨウ素(I )0.11g、4-tert-ブチルピリジン0.081gを溶解させ 電解質組成物を調製した。

 次に、こうして調製した電解質組成物を ィスペンサーを用いて対極側の表面の全面 塗布し、この対極、多孔質絶縁層および色 増感半導体層の内部に含浸させ、これらの 極、多孔質絶縁層および色素増感半導体層 ら染み出した余分な電解質組成物はきれい 拭き取った。

 次に、FTOガラス基板の両端のFTO膜からな 透明導電層上に設けられた取り出し電極接 部分に大きさが60mm×3mmで厚さが30μmのチタ 箔を超音波はんだ法によって接合し、取り し電極6、7とした。

 次に、アルミニウムが蒸着されたガスバ アフィルムの貼り合わせ面に接着層として ットメルト樹脂を接合した保護フィルムを7 0mm×56mmのサイズに切り出し、これを色素増感 光電変換素子側の面に減圧下でホットプレス することにより、色素増感光電変換素子モジ ュールを得た。

 次に、こうして色素増感光電変換素子モ ュールを形成した厚さ4mmのガラス基板の裏 をラップ研磨および光学研磨により順次研 して厚さ0.1mmの薄膜ガラス基板とした。

 次に、色素増感光電変換素子モジュール 光入射側の面、すなわち薄膜ガラス基板の 面に70mm×56mmのサイズに切り出した旭硝子製 ARフィルム(商品名「アークトップ」)を貼り け、薄膜ガラス基板よりはみ出した部分で 色素増感光電変換素子側に接着した上記保 フィルムと熱圧着により接合し、薄膜ガラ 基板の端面を覆った。

 以上の工程により、目的とする色素増感 電変換素子モジュールを得た。この色素増 光電変換素子モジュールは、5mm×40mmの大き の色素増感光電変換素子が8本直列に接続さ れたものである。

実施例2
 強化ガラス処理した厚さ0.1mmの薄膜ガラス 板上に、実施例1のFTO膜と同様なパターンのI TO(厚さ450nm)/ATO(厚さ50nm)の透明導電層をスパ タリングにより形成したものを用い、薄膜 ラス基板の裏面研磨を行わなかったこと以 は実施例1と同様にして色素増感光電変換素 モジュールを作製した。

比較例1
 ガラス基板の裏面研磨を行わず、ガラス基 の厚さを0.4mmのままとしたこと以外は実施 1と同様にして色素増感光電変換素子モジュ ルを作製した。

比較例2
 薄膜ガラス基板の裏面に保護フィルムとし ARフィルムを形成せず、厚さ0.1mmの薄膜ガラ ス基板上に同じく厚さ0.1mmの薄膜ガラス基板 被せ、色素増感光電変換素子側の面にも保 フィルムを形成しなかったこと以外は実施 2と同様にして色素増感光電変換素子モジュ ールを作製した。

比較例3
 透明導電性基板としてポリエチレンナフタ ート(PEN)フィルム上にITO膜が蒸着されたプ スチックフィルム(シート抵抗20ω/□、大き が60mm×46mmで厚さが0.125mm)を用い、このITO膜 エッチングによりパターニングして、間に0. 5mm幅の隙間が形成されるように9本のストラ プ状のパターンを形成した。その後、アセ ン、アルコール、アルカリ系洗浄液、超純 を順に用いて超音波洗浄を行い、十分に乾 させた。

 このPEN/ITO基板の9本のITO膜のうちの末端の1 を除いた8本のITO膜上に、酸化チタンペース トとして低温成膜用酸化チタンペースト(ペ セルテクノロジー製)を用い、幅5mm、長さ40mm のストライプ状に8本(総面積16cm )、ドクターブレード法で塗布した。この膜 乾燥後、150℃で30分間ホットプレート上に保 持した。こうして多孔質TiO 層を作製した。

 次に、市販のTiO 粒子(粒径200nm)、テルピネオールおよびエチ セルロースを用いて調製したスクリーン印 用TiO ペーストを長さ41mm、幅5.5mm、厚さ10μmで上記 孔質TiO 層上に塗布した。このTiO ペーストを乾燥させ、対極として市販のカー ボンブラックとグラファイト粒子、テルピネ オールおよびエチルセルロースを用いて調製 したスクリーン印刷用ペーストを長さ40mm、 6mm、厚さ30μmで上記TiO 層上に塗布し、このペーストを乾燥させた後 、150℃で30分間ホットプレート上に保持した こうして多孔質絶縁層および多孔質の対極 形成された。

 次に、0.5mMシス-ビス(イソチオシアナート)-N ,N-ビス(2,2' -ジピリジル-4,4' -ジカルボン酸)- ルテニウム(II)ジテトラブチルアンモニウム (N719色素)のtert-ブチルアルコール/アセトニ リル混合溶媒(体積比1:1)に室温下、48時間浸 させて多孔質TiO 層に色素を担持させた。こうして色素を担持 させた多孔質TiO 層をアセトニトリルで洗浄し、暗所で乾燥さ せた。こうして色素増感多孔質TiO 層を作製した。

 γ-ブチロラクトン3gにヨウ化ナトリウム(NaI) 0.045g、1-プロピル-2.3-ジメチルイミダゾリウ ヨーダイド1.11g、ヨウ素(I )0.11g、4-tert-ブチルピリジン0.081gを溶解させ 電解質組成物を調製した。

 次に、こうして調製した電解質組成物を ィスペンサーを用いて対極側の表面の全面 塗布し、この対極、多孔質絶縁層および色 増感半導体層の内部に含浸させ、これらの 極、多孔質絶縁層および色素増感半導体層 ら染み出した余分な電解質組成物はきれい 拭き取った。

 次に、PEN/ITO基板の両端のITO膜からなる透 明導電層上に設けられた取り出し電極接合部 分に大きさが60mm×3mmで厚さが30μmのチタン箔 超音波はんだ法によって接合し、取り出し 極とした。

 次に、アルミニウムが蒸着されたガスバ アフィルムの貼り合わせ面に接着層として ットメルト樹脂を接合した保護フィルムを7 0mm×56mmのサイズに切り出し、これを色素増感 光電変換素子側の面に減圧下でホットプレス することにより、色素増感光電変換素子モジ ュールの色素増感光電変換素子側の表面を保 護フィルムにより完全に覆った。

 以上の工程により、目的とする色素増感 電変換素子モジュールを得た。この色素増 光電変換素子モジュールは、5mm×40mmの大き の色素増感光電変換素子が8本直列に接続さ れたものである。

 以上のように作製した実施例1、2および比 例1~3の色素増感光電変換素子モジュールに いて、AM1.5(1sun)の照射条件下における光電変 換効率を測定した。また、測定が終わった色 素増感光電変換素子モジュールの曲げ試験を 行い、割れが発生する直前の曲率半径を算出 した。その結果を表1に示す。

 表1から実施例1、2の色素増感光電変換素子 ジュールは光電変換効率が優れ、最小曲率 径が小さく、軽量であることが分かる。比 例1はガラス基板の厚さが4mmと厚いため、光 電変換効率は高いが、色素増感光電変換素子 モジュールは曲がらず、曲率半径は測定不可 であったほか、重量が極めて重い。比較例2 光電変換効率は高いが、実施例1、2に比べて 曲率半径が極めて大きい。比較例3は薄膜ガ ス基板を用いず、PEN/ITO基板を用いて色素増 光電変換素子モジュールを作製した例であ が、多孔質TiO 層の形成時に500℃の焼成工程を経ていないた め、光電変換効率は極めて低い。

 次に、この発明の第2の実施形態による色 素増感光電変換素子モジュールについて説明 する。

 図6に示すように、この色素増感光電変換 素子モジュールにおいては、薄膜ガラス基板 1の裏面に保護フィルム11が接着されておらず 、色素増感光電変換素子側の面に接着された 保護フィルム9が薄膜ガラス基板1の端面で折 返されて薄膜ガラス基板1の裏面に接合され ている。この色素増感光電変換素子モジュー ルのその他の構成は第1の実施形態による色 増感光電変換素子モジュールと同様である

 この色素増感光電変換素子モジュールの 造方法は、薄膜ガラス基板1の裏面に保護フ ィルム11を接着せず、保護フィルム9を薄膜ガ ラス基板1の端面で折り返すことを除いて、 1の実施形態による色素増感光電変換素子モ ュールの製造方法と同様である。

 この第2の実施形態によれば、第1の実施 態と同様な利点を得ることができる。

 色素増感光電変換素子モジュールの実施 について説明する。

実施例3
 薄膜ガラス基板の裏面にARフィルムを接着 ず、色素増感光電変換素子側の面に接着さ た保護フィルムを薄膜ガラス基板の端面で り返してこの薄膜ガラス基板の裏面に接合 たこと以外は実施例1と同様にして色素増感 電変換素子モジュールを作製した。

比較例4
 色素増感光電変換素子側の面に接着する保 フィルムの大きさを薄膜ガラス基板の大き (60mm×46mm)よりも小さい58mm×44mmとし、薄膜ガ ラス基板の端面が露出するようにこの保護フ ィルムを接着したこと以外は実施例3と同様 して色素増感光電変換素子モジュールを作 した。

 以上のように作製した実施例3および比較 例4の色素増感光電変換素子モジュールにお て、AM1.5(1sun)の照射条件下における光電変換 効率を測定した。また、測定が終わった色素 増感光電変換素子モジュールの曲げ試験を行 い、割れが発生する直前の曲率半径を算出し た。その結果を表1に示す。

 表1から実施例3の色素増感光電変換素子 ジュールは光電変換効率が優れ、最小曲率 径が小さく、軽量であることが分かる。比 例4は光電変換効率は高いが、保護フィルム 大きさが薄膜ガラス基板の大きさよりも小 く、薄膜ガラス基板の端面が保護フィルム よって覆われていないため、実施例3に比べ て曲率半径が大きい。

 次に、この発明の第3の実施形態による色 素増感光電変換素子モジュールについて説明 する。

 図7に示すように、この色素増感光電変換 素子モジュールにおいては、対極5は、Ti、Ni Cr、Fe、Nb、Ta、W、CoおよびZrからなる群より 選ばれた少なくとも1種以上の元素を含む金 または合金からなる箔の多孔質絶縁層4側の 面にPt、Ru、IrおよびCからなる群より選ばれ た少なくとも1種以上の元素を含む触媒層が けられたもの、または、Pt、Ru、IrおよびCか なる群より選ばれた少なくとも1種以上の元 素を含む材料からなる箔からなる。そして、 1つの色素増感光電変換素子の対極5の一端は 導電材料12を介して、隣接する色素増感光 変換素子の透明導電層2と接合されている。 の色素増感光電変換素子モジュールのその の構成は第1の実施形態による色素増感光電 変換素子モジュールと同様である。

 次に、この色素増感光電変換素子モジュ ルの製造方法について説明する。

 まず、第1の実施形態と同様に工程を進め て多孔質絶縁層4まで形成した後、各透明導 層2上の対極5の接合部に導電材料12を形成し 所定の形状の金属または合金からなる箔の 面に触媒層を有するか、触媒能を有する材 からなる箔からなる対極5を形成し、この導 電材料12と接合する。

 次に、第1の実施形態と同様にして取り出 し電極6、7を形成する。

 次に、各色素増感光電変換素子毎にあら じめ形成された注液口の部分を除いて、各 素増感光電変換素子の間の対極5と多孔質絶 縁層4との間の部分および対極5の全面に接着 8を形成する。

 次に、各色素増感光電変換素子毎にあら じめ形成された注液口から電解液を注液し 少なくとも色素増感半導体層3および多孔質 絶縁層4の全体、典型的にはこれらの色素増 半導体層3および多孔質絶縁層4と対極5との 体に電解質を含浸させる。

 この後、第1の実施形態と同様に保護フィ ルム9の接着以降の工程を進めて色素増感光 変換素子モジュールを製造する。

 この第3の実施形態によれば、第1の実施 態と同様な利点に加えて、次のような利点 得ることができる。すなわち、対極5は金属 たは合金からなる箔の上に触媒層を有する の、または、触媒能を有する材料からなる からなるものであるため対極5を薄く構成す ることができることにより、色素増感光電変 換素子モジュールの薄型化および軽量化が可 能である。また、対極5を構成する金属また 合金からなる箔および触媒層の材料または 媒能を有する材料は選択の幅が広く、対極 材料面での制約がない。さらに、色素増感 導体層3と対極5とは多孔質絶縁層4で隔てら ているため、色素増感半導体層3の色素が対 5に吸着するのを防止することができ、特性 の劣化が生じないことから、Z型構造の色素 感太陽電池モジュールと同等の発電性能を する色素増感光電変換素子モジュールを実 することができる。

 色素増感光電変換素子モジュールの実施 について説明する。

実施例4
 FTOガラス基板を用いて実施例1と同様に工程 を進めて色素増感TiO 焼結体を作製した後、異方導電性ペーストを 0.5mm幅でストライプ状の色素増感TiO 焼結体に平行になるように塗布して乾燥させ た。

 次に、厚さ0.05mmのチタン箔の片面に0.05mMの 化白金酸のイソプロピルアルコール(IPA)溶 をスプレーコートし、385℃にて焼成した対 を6mm×40mmの大きさに切り出し、塩化白金酸 スプレーした面を色素増感TiO 焼結体側に向け、位置合わせを行った後に、 上記の異方導電性ペーストと対極とを熱圧着 によって接合した。

 FTOガラス基板上に、注液用の直径1mmのパ ーンを残し、各色素増感光電変換素子を全 覆うようにスクリーン印刷にてUV硬化型接 剤を塗布した。塗布後、気泡が完全に抜け らコンベア式のUV露光機にてUV硬化型接着剤 紫外光を照射して硬化させた。

 次に、実施例1と同様に調製した電解質組成 物を上記のように準備された直径1mmの注液口 から減圧下で注入した後、0.4MPaの加圧下で30 間保持し、電解液を各色素増感光電変換素 内に完全に浸透させた。こうして、色素増 TiO 焼結体および多孔質絶縁層に電解質が含浸さ れた。

 次に、上記の電解液の注液口をUV硬化型 着剤により封止した後、実施例1と同様にし 、色素増感光電変換素子側に保護フィルム 接着するとともに、ガラス基板を研磨して さ0.1mmの薄膜ガラス基板としてからこの薄 ガラス基板の裏面に保護フィルムを接着し 薄膜ガラス基板からはみ出した部分でこれ の保護フィルムを接合し、色素増感光電変 素子モジュールを得た。

 次に、この発明の第4の実施形態による色 素増感光電変換素子モジュールについて説明 する。

 この色素増感光電変換素子モジュールに いては、第1の実施形態による色素増感光電 変換素子モジュールにおいて、電解質が、ヨ ウ素を含み、かつイソシアネート基(-NCO)を少 なくとも1つ有する化合物を含み、好適には らに、この化合物が同じ分子内にイソシア ート基以外に窒素含有官能基を少なくとも1 以上含み、あるいは、この化合物以外に窒 含有官能基を少なくとも1つ以上有する化合 物をさらに含む電解質組成物からなる。イソ シアネート基(-NCO)を少なくとも1つ以上有す 化合物に特に制限はないが、電解質の溶媒 電解質塩、その他の添加剤と相溶している とが好ましい。窒素含有官能基を少なくと 1つ以上有する化合物は、好適には、アミン 化合物であるが、これに限定されるもので ない。このアミン系化合物に特に制限はな が、電解質の溶媒や電解質塩、その他の添 剤と相溶していることが好ましい。このよ にイソシアネート基を少なくとも1つ以上有 する化合物に窒素含有官能基を共存させると 、特に色素増感光電変換素子モジュールの開 放電圧の増加に大きく寄与する。イソシアネ ート基を少なくとも1つ以上有する化合物は 具体的には、例えば、イソシアン酸フェニ 、イソシアン酸2-クロロエチル、イソシアン 酸m-クロロフェニル、イソシアン酸シクロヘ シル、イソシアン酸o-トリル、イソシアン p-トリル、イソシアン酸n-ヘキシル、2,4-ジイ ソシアン酸トリレン、ジイソシアン酸ヘキサ メチレン、4,4’-ジイソシアン酸メチレンジ ェニルなどであるが、これに限定されるも ではない。また、アミン系化合物は、具体 には、例えば、4-tert-ブチルピリジン、アニ ン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルベンズ ミダゾールなどであるが、これに限定され ものではない。

 上記以外のことは、第1の実施形態による 色素増感光電変換素子モジュールと同様であ る。

 この第4の実施形態によれば、第1の実施 態と同様な利点に加えて、電解質が、イソ アネート基を少なくとも1つ以上有する化合 を含む電解質組成物からなることにより、 絡電流および開放電圧の双方を増加させる とができ、これによって光電変換効率が極 て高い色素増感光電変換素子モジュールを ることができるという利点を得ることがで る。

 色素増感光電変換素子モジュールの実施 について説明する。

実施例5
 実施例1において、電解質組成物の調製に際 し、γ-ブチロラクトン3gにヨウ化ナトリウム( NaI)0.045g、1-プロピル-2.3-ジメチルイミダゾリ ムヨーダイド1.11g、ヨウ素(I )0.11g、4-tert-ブチルピリジン0.081gに加えてイ シアン酸フェニル0.071g(0.2mol/L)を溶解させる その他は実施例1と同様と同様にして色素増 感光電変換素子モジュールを得た。

 以上、この発明の実施形態および実施例 ついて具体的に説明したが、この発明は、 述の実施形態および実施例に限定されるも ではなく、この発明の技術的思想に基づく 種の変形が可能である。

 例えば、上述の実施形態および実施例に いて挙げた数値、構造、形状、材料、原料 プロセスなどはあくまでも例に過ぎず、必 に応じてこれらと異なる数値、構造、形状 材料、原料、プロセスなどを用いてもよい