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Patent Searching and Data


Title:
DYE-SENSITIZED SOLAR CELL MODULE AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/114825
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a dye-sensitized solar cell module wherein at least two dye-sensitized solar cells are arranged on a same light-transmitting substrate through an inter-cell insulating layer, and one dye-sensitized solar cell and an adjacent dye-sensitized solar cell are connected in series through an connection layer. Each of the dye-sensitized solar cells is formed by arranging, on a light-transmitting substrate, a transparent conductive layer, a grid electrode, a photoelectric conversion layer which is obtained by having a porous semiconductor layer adsorb a dye and filled with a carrier transport material, and a counter electrode.

Inventors:
FUKUI, Atsushi (())
福井 篤 (())
FUKE, Nobuhiro (())
福家 信洋 (())
KOMIYA, Ryoichi (())
Application Number:
JP2008/055121
Publication Date:
September 25, 2008
Filing Date:
March 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHARP KABUSHIKI KAISHA (22-22, Nagaike-cho Abeno-ku, Osaka-sh, Osaka 22, 5458522, JP)
シャープ株式会社 (〒22 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 Osaka, 5458522, JP)
FUKUI, Atsushi (())
福井 篤 (())
FUKE, Nobuhiro (())
福家 信洋 (())
International Classes:
H01M14/00; H01L31/04; H01M2/22
Foreign References:
JP2006278112A2006-10-12
JP2003297158A2003-10-17
JP2006196330A2006-07-27
JP2007026713A2007-02-01
JP2004303463A2004-10-28
JP2006302907A2006-11-02
JP2006134870A2006-05-25
JP2664194B21997-10-15
JP2001357897A2001-12-26
JP2000285977A2000-10-13
Other References:
See also references of EP 2131441A4
Attorney, Agent or Firm:
NOGAWA, Shintaro (Nogawa Patent Office, Minamimorimachi Park Bldg.1-3, Nishitenma 5-chome, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 47, 5300047, JP)
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Claims:
 1つの色素増感太陽電池が、透光性基板上に透明導電層と、グリッド電極と、多孔性半導体層に色素を吸着させかつキャリア輸送材料を充填させた光電変換層と、対極とが積層されて形成され、かかる色素増感太陽電池の少なくとも2つ以上が、同一の透光性基板上にセル間絶縁層を介して配置され、かつ接続層を介して1つの色素増感太陽電池と隣接する色素増感太陽電池とが直列に接続されてなる色素増感太陽電池モジュール。
 前記色素増感太陽電池が、次式:
   I SC [mA]/X[cm]≧30[mA/cm]
(式中、I SC は1つの色素増感太陽電池の短絡時の発生電流[mA]であり;Xは色素増感太陽電池が直列に接続された方向に垂直な方向の多孔性半導体層の長さ[cm]である)
の関係を満たす請求項1に記載の色素増感太陽電池モジュール。
 前記グリッド電極が、前記接続層から延設される櫛型形状である請求項1に記載の色素増感太陽電池モジュール。
 前記色素増感太陽電池が、次式:
   0.001<(1/2n)I SC ・R・η<0.03
[式中、I SC は1つの色素増感太陽電池の短絡時の発生電流[mA]であり;Rは櫛型形状のグリッド電極1本当たりの抵抗値(ω)であり;ηは(1つの色素増感太陽電池における多孔性半導体層の面積)/(1つの色素増感太陽電池のアパチャー面積)であり;nは1つの色素増感太陽電池が有する櫛型形状のグリッド電極の本数である]
の関係を満たす請求項3に記載の色素増感太陽電池モジュール。
 前記櫛型形状のグリッド電極の長さLyが、2cm以上10cm以下である請求項4に記載の色素増感太陽電池モジュール。
 前記櫛型形状のグリッド電極間の距離(配置周期)Lxが、0.4cm以上1.5cm以下である請求項4に記載の色素増感太陽電池モジュール。
 前記櫛型形状のグリッド電極の幅Wが、0.1mm以上1mm以下である請求項4に記載の色素増感太陽電池モジュール。
 透光性基板上に透明導電層を形成する工程と、前記透明導電層上にグリッド電極を形成する工程と、前記グリッド電極を形成した前記透明導電層上に多孔性半導体層を形成する工程と、前記グリッド電極および多孔性半導体層を形成した透明導電層上に、隣接する色素増感太陽電池と電気的に絶縁するセル間絶縁層を形成する工程と、前記多孔性半導体層上に対極を形成する工程と、1つの色素増感太陽電池と隣接する色素増感太陽電池とを直列に接続する接続層を形成する工程と、前記多孔性半導体層に色素を吸着させる工程と、前記多孔性半導体層およびその空隙にキャリア輸送材料を充填させる工程を含む請求項1に記載の色素増感太陽電池モジュールの製造方法。
Description:
色素増感太陽電池モジュールお びその製造方法

 本発明は、色素増感太陽電池モジュール よびその製造方法に関する。

 化石燃料に代るエネルギー源として、太 光を電力に変換できる太陽電池が注目され いる。現在、結晶系シリコン基板を用いた 陽電池および薄膜シリコン太陽電池が一部 用化され始めている。しかし、前者はシリ ン基板の製造コストが高いという問題があ 、後者は多種の半導体製造用ガスや複雑な 置を用いる必要があるために製造コストが くなるという問題がある。このため、いず の太陽電池においても光電変換の高効率化 よる発電出力当たりのコストを低減する努 が続けられているが、上記の問題を解決す には到っていない。

 新しいタイプの太陽電池として、金属錯体 光誘起電子移動を応用した湿式太陽電池が 案されている(日本特許第2664194号公報:特許 献1参照)。
 この湿式太陽電池は、表面上に電極を形成 た2枚のガラス基板の電極間に、光増感色素 である金属錯体を吸着させて可視光領域に吸 収スペクトルをもたせた光電変換材料と電解 質材料とからなる光電変換層を挟持したもの である。この湿式太陽電池に光が照射される と、光電変換層で電子が発生し、発生した電 子が外部電気回路を通って電極に移動し、移 動した電子が電解質中のイオンにより対向す る電極に運ばれて光電変換層に戻る。このよ うな一連の電子の流れにより、電気エネルギ ーが取り出される。

 しかしながら、特許文献1に記載の色素増 感太陽電池の基本構造は、対向する透明導電 層付きガラス基板間に電解液を注入した形態 であり、小面積の太陽電池の試作は可能であ っても、1m角のような大面積の太陽電池への 用は困難である。つまり、1つの太陽電池の 面積を大きくすると、発生電流は面積に比例 して増加するが、電極部分に用いる透明導電 性膜の面内方向の電圧降下が増大し、ひいて は太陽電池としての内部直列抵抗が増大する 。その結果、光電変換時の電流電圧特性にお けるFF(フィルファクタ、曲線因子)、さらに 短絡電流が低下し、光電変換効率が低下す という問題が起こる。

 そこで、上記の問題を解決するために、隣 合う色素増感太陽電池(発電ユニット)の一 の対極と他方の導電層を、対極材料や導電 続層そのもので電気的に導通させ、複数個 発電ユニットを直列接続して集積化した色 増感太陽電池モジュールが提案されている 具体的には、背面電極である陽極と光電極( 極)とを透明導電材料間に位置するの中間層 を通じて接続した光起電力セル電池(日本特 平11-514787号公報:特許文献2)および対向電極 材と透明導電性部材とを導通手段を通じて 続した光電変換モジュール(日本特開2001-35789 7号公報:特許文献3)である。
 これらの色素増感太陽電池モジュールでは 取り出される電流は1つの発電ユニットの電 流と同等であるが、電圧は直列接続された発 電ユニットの数だけ昇圧される。

 また、透明導電層上に金属などの低抵抗材 を用いて線状や格子状の電極(金属リード) 敷設し、透明導電層の導電性を補った色素 感太陽電池モジュール(光電変換素子)が開示 されている(日本特開2000-285977号公報:特許文 4)。
 この色素増感太陽電池モジュールでは、大 流が得られるが、電圧は1つの発電ユニット の電圧と同等になる。

日本特許第2664194号公報

日本特開平11-514787号公報

日本特開2001-357897号公報

日本特開2000-285977号公報

 一般に集積化された色素増感太陽電池モ ュールでは、隣り合う色素増感太陽電池(「 単セル」または「発電ユニット」ともいう) 分割するための隔壁が必要である。このよ な隔壁が受光面と接する部分は発電面積ロ となるため、発電面積率(=色素増感太陽電池 モジュール中の多孔性半導体層の面積/色素 感太陽電池モジュールのアパチャー面積)を 上することが課題となっている。

 色素増感太陽電池モジュールの発電面積率 向上するためには、多孔性半導体層の直列 続方向の長さY(図1参照)を長くする必要があ る。しかし、色素増感太陽電池の単位面積あ たりの発生電流が15~25mA/cm 2 程度と大きい場合には、現状用いられている 透明導電層の抵抗値(シート抵抗値で8~15ω/□) では、Yが1cm以上になると太陽電池中の電圧 下が大きくなり、急激に性能、特にフィル ァクター(FF)が低下するという課題がある。

 したがって、本発明は、発電面積率を向 させかつ電圧降下を低減させた、高い変換 率を有する色素増感太陽電池モジュールお びその製造方法を提供することを課題とす 。

 本発明者らは、上記の課題を解決すべく 意研究を行った結果、透光性基板上に透明 電層、光電変換層および対極が積層されて る色素増感太陽電池の少なくとも2つ以上が 同一の透光性基板上にセル間絶縁層を介して 配置され、かつ接続層を介して1つの色素増 太陽電池と隣接する色素増感太陽電池とが 列に接続されてなる色素増感太陽電池モジ ールにおいて、透光性基板上にグリッド電 を配置することにより、発電面積率を向上 せかつ電圧降下を低減できることを見出し 本発明を完成するに到った。

 かくして、本発明によれば、1つの色素増 感太陽電池が、透光性基板上に透明導電層と 、グリッド電極と、多孔性半導体層に色素を 吸着させかつキャリア輸送材料を充填させた 光電変換層と、対極とが積層されて形成され 、かかる色素増感太陽電池の少なくとも2つ 上が、同一の透光性基板上にセル間絶縁層 介して配置され、かつ接続層を介して1つの 素増感太陽電池と隣接する色素増感太陽電 とが直列に接続されてなる色素増感太陽電 モジュールが提供される。

 また、本発明によれば、透光性基板上に 明導電層を形成する工程と、前記透明導電 上にグリッド電極を形成する工程と、前記 リッド電極を形成した前記透明導電層上に 孔性半導体層を形成する工程と、前記グリ ド電極および多孔性半導体層を形成した透 導電層上に、隣接する色素増感太陽電池と 気的に絶縁するセル間絶縁層を形成する工 と、前記多孔性半導体層上に対極を形成す 工程と、1つの色素増感太陽電池と隣接する 色素増感太陽電池とを直列に接続する接続層 を形成する工程と、前記多孔性半導体層に色 素を吸着させる工程と、前記多孔性半導体層 およびその空隙にキャリア輸送材料を充填さ せる工程を含む上記の色素増感太陽電池モジ ュールの製造方法が提供される。

 本発明によれば、発電面積率を向上させ つ電圧降下を低減させた、高い変換効率を する色素増感太陽電池モジュールおよびそ 製造方法を提供することができる。

 本発明の色素増感太陽電池モジュール(以 下、「モジュール」ともいう)は、1つの色素 感太陽電池が、透光性基板上に透明導電層 、グリッド電極と、多孔性半導体層に色素 吸着させかつキャリア輸送材料を充填させ 光電変換層と、対極とが積層されて形成さ 、かかる色素増感太陽電池の少なくとも2つ 以上が、同一の透光性基板上にセル間絶縁層 を介して配置され、かつ接続層を介して1つ 色素増感太陽電池と隣接する色素増感太陽 池とが直列に接続されてなることを特徴と る。

 課題において述べたように、本発明のモジ ールのような集積型モジュールにおいて、 電面積率を向上するためには、多孔性半導 層の直列接続方向の長さYを長くする必要が ある。しかし、1つの色素増感太陽電池が直 に接続された方向に垂直な方向の多孔性半 体層の長さX当たりの発生電流(=I SC /X)が大きい場合、すなわち収集される電流値 が大きい場合には、Yを長くすると性能が大 に低下することがある。そこで、FFの低下を 抑制するために、色素増感太陽電池の直列接 続方向(Y方向)にグリッド電極を設置するのが 好ましい(図1参照)。

 したがって、本発明のモジュールにおける 素増感太陽電池は、次式:
   I SC [mA]/X[cm]≧30[mA/cm]
(式中、I SC は1つの色素増感太陽電池の短絡時の発生電 [mA]であり;Xは色素増感太陽電池が直列に接 された方向に垂直な方向の多孔性半導体層 長さ[cm]である)
の関係を満たす場合に顕著な効果が得られる 。

 本発明のモジュールにおける色素増感太 電池のグリッド電極の形状は、特に限定さ ないが、グリッド電極が接続層から延設さ る櫛型形状であるのが好ましい。

 上記の櫛型形状の色素増感太陽電池は、次 :
   0.001<(1/2n)I SC ・R・η<0.03
[式中、I SC は1つの色素増感太陽電池の短絡時の発生電 [mA]であり;Rは櫛型形状のグリッド電極1本当 りの抵抗値(ω)であり;ηは(1つの色素増感太 電池における多孔性半導体層の面積)/(1つの 色素増感太陽電池のアパチャー面積)であり;n は1つの色素増感太陽電池が有する櫛型形状 グリッド電極の本数である]
の関係を満たすのが好ましい。
 ここで、nは1つの色素増感太陽電池に含ま るユニット数、すなわちグリッド電極間の 離(配置周期)Lx[cm]と多孔性半導体層の直列接 続方向の長さY[cm]とで囲まれる領域の数を表 。

 上記の((1/2n)I SC ・R・η)を「E」とする。
 このEはグリッド電極部における電圧降下量 を表し、Eが0.03を超えると、グリッド電極部 おける電圧降下が無視できなくなり性能が 下するので好ましくない。またEが0.001未満 あると、グリッド電極の幅Wが大きく、グリ ッド電極の抵抗値Rが小さくなり、受光面積 ηが減少して発生電流、ひいては性能が大幅 に低下するので好ましくない。

 本発明のモジュールは、受光面積率(または 発電面積率)と電圧降下量のトレードオフに り、色素増感太陽電池のグリッド電極の形 が接続層から延設される櫛型形状であり、 の条件を満たす場合により顕著な効果が得 れる。
 (1)色素増感太陽電池が直列に接続された方 における櫛型形状のグリッド電極の長さLy 2cm以上10cm以下、好ましくは2cm以上8cm以下で る場合
 (2)櫛型形状のグリッド電極間の距離(配置周 期)Lxが0.4cm以上1.5cm以下である場合
 (3)櫛型形状のグリッド電極の幅Wが0.1mm以上1 mm以下である場合
 (4)1つの色素増感太陽電池と隣接する色素増 感太陽電池との距離、すなわちそれらの色素 増感太陽電池における多孔性半導体層間の幅 が0.3mm以上3mm以下である場合

 本発明者らは、次のようにして電圧降下パ メータを導出した。
 図1のモジュールの1セルにおいて、
 多孔性半導体層の幅(直列接続方向に垂直な 方向の長さ)=X、
 多孔性半導体層の長さ(直列接続方向の長さ )=Y、
 グリッド電極間の距離(配置周期)=Lx、
 グリッド電極の長さ=Ly、
 グリッド電極の幅=W
であるから、1つの太陽電池の多孔性半導体 の面積=幅×長さ=XYである。
 ここで、Y=Lyの場合、1ユニット(=Lx×Ly)の半 の面積部分における電圧降下を考える。
 電流密度=J SC とすると、
 発生電流I(x,y)=J SC δxδyで表される。
 次に、(Lx/2)-(W/2)のエリアの発生電流を考え 。
 I(x,y)をx軸方向に積分し、y軸方向について
 I(y)=J SC ・(Lx-W)/2・y

 次に、電圧降下について考える。
 (A)抵抗=(比抵抗×長さ)/(幅×厚み)=(ρ/W・T H )δy
 (B)グリッド1本分は長さLyなので、R=(ρ・Ly)/( W・T H )
 (C)Lx・Lyを1ユニットとし、1セル中にn(個)の ニットがあるとすると、
    X・Y=n・Lx・Ly
 (D)1セルの発生電流をI SC とすると、I SC =J SC ・XYであるから、
    J SC =I SC /XY=I SC /(n・Lx・Ly)
 (E)面積率η=[(Lx-W)/2・Ly]/[Lx/2・Ly]
        =(Lx-W)/Lx
であるから、
 δV(y)=I(y)・R(y)
      =I(y)・ρ/(W・T H )・δy
 δV=(1/2n・I SC ・η・R・1/2
 上記は1ユニットの半分の面積当たりの電圧 降下量なので1ユニットでは2倍になる。
 したがって、電圧降下量は
 (1/2n・I SC ・η・R・1/2)×2=1/2n・I SC ・R・η
となる。

 本発明のモジュールの一例を、図面を用い 説明するが、この説明により本発明が限定 れるものではない。
 図1は、本発明のモジュールにおける(a)受光 面の概略平面図および(b)接続部分の概略断面 図である。このモジュールは、透光性基板1 に配置形成される、透明導電層2と、光電変 層3と、多孔性絶縁層4と、触媒層5と、導電 6と、グリッド電極7と、接続層8と、セル間 縁層9と、封止用基板10を主な構成とする。 電変換層3は、多孔性半導体層に色素を吸着 させかつキャリア輸送材料が充填されてなる 。また、XおよびYはそれぞれ光電変換層にお る多孔性半導体層の長さおよび幅を示し、L x、LyおよびWはそれぞれグリッド電極間の距 (配置周期)、グリッド電極の長さおよび幅を 示す。

(透光性基板1)
 透光性基板は、一般に太陽電池に使用可能 、かつ本発明の効果を発揮し得る材料であ ば特に限定されない。少なくとも後述する 感色素に実効的な感度を有する波長の光を 質的に透過させる材料であればよく、必ず もすべての波長領域の光に対して透過性を する必要はない。その厚さ0.2~5mm程度が好ま しい。
 このような材料としては、例えば、ソーダ 灰フロートガラス、溶融石英ガラス、結晶 英ガラスなどのガラス基板、透明ポリマー ートなどが挙げられる。

 透明ポリマーシートとしては、例えば、テ ラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレン レフタレート(PET)、ポリフェニレンスルファ イド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレ ート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、フェノキ シ樹脂、テフロン(登録商標)などが挙げられ 。
 これらの透明ポリマーシートは、フレキシ ルな太陽電池を製造する場合に有用であり またコスト面でも有利である。
 透明ポリマーシート上に加熱を伴って他の を形成する場合、例えば支持体上に250℃程 の加熱を伴って透明導電層を形成する場合 は、上記の透明ポリマーシートの中でも250 以上の耐熱性を有するテフロン(登録商標) 特に好ましい。

 また、完成した太陽電池を他の構造体に り付けるときに透光性基板を利用すること できる。すなわち、ガラス基板などの支持 の周辺部を、金属加工部品とねじを用いて の支持体に容易に取り付けることができる

(透明導電層2)
 透明導電層は、一般に太陽電池に使用可能 、かつ本発明の効果を発揮し得る材料であ ば特に限定されない。少なくとも後述する 感色素に実効的な感度を有する波長の光を 質的に透過させる材料であればよく、必ず もすべての波長領域の光に対して透過性を する必要はない。
 このような材料としては、例えば、インジ ム錫複合酸化物(ITO)、酸化錫(SnO 2 )、酸化錫にフッ素をドープしたもの(F-doped S nO 2 、FTO)、酸化亜鉛(ZnO)などが挙げられる。

 透明導電層は、スパッタ法、スプレー法な の公知の方法により透光性基板上に形成す ことができる。
 透明導電層の膜厚は0.02~5μm程度が好ましい その膜抵抗は低いほどよく、40ω/sq以下が好 ましい。
 本発明では、ソーダ石灰フロートガラスか なる透光性基板上に、FTOからなる透明導電 を積層した透光性導電基板が好適に用いら る。

(対極)
 対極は、導電層6のみからなるかまたは触媒 層5および導電層6からなる。すなわち、導電 自体が触媒機能を有する場合には触媒層は に必要はないが、導電層自体が触媒機能を さない場合には光電変換層4と導電層6との に触媒層5が設けられているのが好ましい。

(導電層6)
 導電層は、透明導電層の材料で形成されて てもよく、あるいは非光透過性の材料で形 されていてもよい。非光透過性の材料とし は、例えば、チタン、タングステン、金、 、銅、アルミニウム、ニッケルなどの金属 料が挙げられる。
 導電層は、スパッタ法、スプレー法などの 知の方法により形成することができる。
 導電層の膜厚は0.02~5μm程度が好ましい。そ 膜抵抗は低いほどよく、40ω/sq以下が好まし い。

(触媒層5)
 触媒層は、一般に太陽電池に使用可能で、 つ本発明の効果を発揮し得る材料であれば 特に限定されない。このような材料として 、白金(仕事関数:6.35eV)、カーボンブラック ケッチェンブラック、グラファイト、ガラ 炭素、アモルファス炭素、ハードカーボン ソフトカーボン、カーボンホイスカー、カ ボンナノチューブ、フラーレンなどカーボ (仕事関数4.7ev)などが挙げられ、例えば多孔 性半導体層に酸化チタン(電子親和力=伝導体 位:4.1eV)を用いる場合に好適に用いられる。

 触媒層が白金である場合には、スパッタ法 塩化白金酸の熱分解、電着、PVC法、蒸着法 どの公知の方法により形成することができ その膜厚は0.5~1000nm程度が好ましい。また、 その形状は、膜状ではなく、アイランド状( 状)で基板上に形成されていてもよい。
 触媒層がカーボンである場合には、カーボ を溶剤に分散してペースト状にしたものを クリーン印刷法などの塗布法により形成す ことができる。

(光電変換層3)
 光電変換層は、多孔性半導体層に色素を吸 させかつキャリア輸送材料が充填されてな 。

(多孔性半導体層)
 多孔性半導体層に用いられる半導体は、一 に太陽電池に使用可能で、かつ本発明の効 を発揮し得る材料であれば、特に限定され い。このような材料としては、例えば、酸 チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉄、酸 ニオブ、酸化セリウム、酸化タングステン チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウ 、硫化カドミウム、硫化鉛、硫化亜鉛、リ 化インジウム、銅-インジウム硫化物(CuInS 2 )、CuAlO 2 、SrCu 2 O 2 などの化合物またはこれらの組み合わせが挙 げられる。これらの中でも、安定性および安 全性の点から酸化チタンが特に好ましい。

 酸化チタンは、アナタース型酸化チタン ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、 タチタン酸、オルソチタン酸などの各種の 義の酸化チタンおよび水酸化チタン、含水 化チタンなどを包含し、これらは単独また 混合物として用いることができる。アナタ ゼ型とルチル型の2種類の結晶系は、その製 法や熱履歴によりいずれの形もとり得るが、 アナターゼ型が一般的である。特に本発明に おいては、アナターゼ型の含有率の高いもの が好ましく、その割合は80%以上が特に好まし い。

 半導体の結晶形態は、単結晶、多結晶のい れでもよいが、安定性、結晶成長の困難さ 製造コストなどの点から多結晶が好ましく 微粉末(ナノからマイクロスケール)の多結 微粒子半導体が特に好ましい。
 また、2種類以上の異なる粒径の半導体粒子 を混合して用いてもよい。粒径の大きい半導 体粒子(例えば、100~500nm)は入射光を散乱させ 光捕捉率の向上が期待でき、粒径の小さい 導体粒子(例えば、5nm~50nm)は、吸着点をより 多くして色素の吸着率の向上が期待できる。 半導体粒子の平均粒径の比率は10倍以上が好 しい。また、各粒子の材料は同一でも異な ていてもよく、半導体化合物の異なる場合 は、吸着作用の強い半導体を小粒径化する が特に好ましい。
 さらに、多孔性半導体層は、同一または異 る材料からなる多層構造であってもよい。

 最も好ましい半導体微粒子の形態である 化チタンは、各種文献などに記載されてい 方法に準じて製造することができる。また Degussa社が開発した塩化物の高温加水分解に よる方法も挙げられる。

(多孔性半導体層の形成方法)
 多孔性半導体層は、例えば、透明導電層2上 に半導体粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾 燥および/または焼成する方法により形成す ことができる。
 まず、例えば、エチレングリコールモノメ ルエーテルなどのグライム系溶剤、イソプ ピルアルコールなどのアルコール類、イソ ロピルアルコール/トルエンなどのアルコー ル系混合溶剤、水などの溶剤に半導体微粒子 を分散させて懸濁液を得る。このような懸濁 液の代わりに市販の酸化チタンペースト(Solar onix社製、Ti-nanoxide、D、T/SP、D/SP)を用いても い。

 次いで、例えば、ドクターブレード法、ス ージ法、スピンコート法、スクリーン印刷 など公知の方法により、得られた懸濁液を 明導電層2上に塗布し、乾燥および/または 成を経て多孔性半導体層を得る。乾燥およ 焼成の温度、時間、雰囲気などの条件は、 いる材料の種類や形態に応じて適宜設定す ばよい。焼成は、例えば大気下または不活 ガス雰囲気下、50~800℃程度の温度で10秒~12時 間程度が挙げられる。乾燥および焼成は、単 一の温度で1回のみまたは温度を変化させて2 以上行ってもよい。
 多孔性半導体層が多層構造である場合には 上記の工程を繰り返せばよい。

 多孔性半導体層の膜厚、多層構造である場 の合計膜厚は、0.1~100μm程度が好ましい。ま た、色素の吸着率を向上させるためには、多 孔性半導体層の表面積は大きいものが好まし く、例えば10~200m 2 /g程度が好ましい。

 透明導電層上に多孔性半導体層を形成し 後、半導体微粒子同士の電気的接続の向上 多孔性半導体層の表面積の向上、半導体微 子上の欠陥準位の低減を目的として、例え 多孔性半導体層が酸化チタン膜の場合には 四塩化チタン水溶液で多孔性半導体層を処 してもよい。

(色素)
 多孔性半導体層に吸着して光増感剤として 能する色素としては、種々の可視光領域お び/または赤外光領域に吸収をもつ有機色素 、金属錯体色素などが挙げられ、これらの色 素を1種または2種以上を選択的に用いること できる。
 有機色素としては、例えば、アゾ系色素、 ノン系色素、キノンイミン系色素、キナク ドン系色素、スクアリリウム系色素、シア ン系色素、メロシアニン系色素、トリフェ ルメタン系色素、キサンテン系色素、ポル ィリン系色素、ペリレン系色素、インジゴ 色素、ナフタロシアニン系色素などが挙げ れる。一般に有機色素の吸光係数は、遷移 属に分子が配位結合した形態をとる金属錯 色素に比べて大きい。

 金属錯体色素としては、Cu、Ni、Fe、Co、V、S n、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、M o、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ir、Pd、Os、Ga Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au Ac、Tc、Te、Rhなどの金属に分子が配位結合 た形態のものが挙げられ、これらの中でも フタロシアニン系色素、ルテニウム系色素 好ましく、ルテニウム系金属錯体色素が特 好ましい。
 特に、次式で表されるルテニウム系金属錯 色素、(1)Ruthenium535色素、(2)Ruthenium535-bisTBA色 素および(3)Ruthenium620-1H3TBA色素(それぞれ商品 、すべてSolaronix社製)が好ましい。

 また、多孔性半導体層に色素を強固に吸 させるためには、色素分子中にカルボキシ 基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、スル ン酸基、エステル基、メルカプト基、ホス ニル基などのインターロック基を有するも が好ましい。なお、インターロック基は、 起状態の色素と多孔性半導体層の伝導帯と 間の電子移動を容易にする電気的結合を提 するものである。

(色素吸着)
 色素は、例えば、色素を溶解した溶液(色素 溶液)に多孔性半導体層を浸漬する方法によ 、多孔性半導体層に吸着させることができ 。
 色素溶液の溶剤としては、用いる色素を溶 するものであればよく、具体的には、アル ール、トルエン、アセトニトリル、テトラ ドロフラン(THF)、クロロホルム、ジメチル ルムアミドなどが挙げられる。溶剤は精製 れたものが好ましく、色素の溶解性を向上 せるために溶解温度を上げるか、2種類以上 異なる溶剤の混合溶剤を用いてもよい。
 色素溶液中の色素濃度は、使用する色素、 剤の種類、色素吸着工程などの条件に応じ 設定すればよく、1×10 -5 モル/リットル以上が好ましい。

(キャリア輸送材料)
 光電変換層3は、透明導電層2およびグリッ 電極7と、対極(導電層6のみまたは触媒層5お び導電層6)との間に挟持され、キャリア輸 材料は、その挟持された領域の多孔質半導 層とその空隙に注入されることにより、多 質半導体層に充填される。
 キャリア輸送材料は、一般に太陽電池に使 可能で、かつ本発明の効果を発揮し得る材 であれば、特に限定されない。このような 料としては、例えば、酸化還元性電解質を む電解液(液体電解質)が挙げられる。

 酸化還元性電解質としては、例えば、I - /I 3- 系、Br 2- /Br 3- 系、Fe 2+ /Fe 3+ 系、キノン/ハイドロキノン系などの酸化還 種が挙げられる。
 具体的には、ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化 トリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化 ルシウム(CaI 2 )などの金属ヨウ化物とヨウ素(I 2 )の組み合わせ、テトラエチルアンモニウム イオダイド(TEAI)、テトラプロピルアンモニ ムアイオダイド(TPAI)、テトラブチルアンモ ウムアイオダイド(TBAI)、テトラヘキシルア モニウムアイオダイド(THAI)などのテトラア キルアンモニウム塩とヨウ素の組み合わせ および臭化リチウム(LiBr)、臭化ナトリウム(N aBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr 2 )などの金属臭化物と臭素の組み合わせが好 しく、これらの中でも、LiIとI 2 の組み合わせが特に好ましい。

 また、電解液の溶剤としては、プロピレ カーボネートなどのカーボネート化合物、 セトニトリルなどのニトリル化合物、エタ ールなどのアルコール類、水、非プロトン 性物質などが挙げられる。これらの中でも カーボネート化合物やニトリル化合物が特 好ましい。これらの溶剤は2種類以上を混合 して用いることもできる。

 上記の電解液には、必要に応じて添加剤を えてもよい。
 従来から用いられている添加剤としては、t -ブチルピリジン(TBP)などの含窒素芳香族化合 物、ジメチルプロピルイミダゾールアイオダ イド(DMPII)、メチルプロピルイミダゾールア オダイド(MPII)、エチルメチルイミダゾール イオダイド(EMII)、エチルイミダゾールアイ ダイド(EII)、ヘキシルメチルイミダゾールア イオダイド(HMII)などのイミダゾール塩が挙げ られる。
 電解液中の酸化還元性電解質の濃度は、0.00 1~1.5モル/リットルの範囲が好ましく、0.01~0.7 ル/リットルの範囲が特に好ましい。

(グリッド電極7)
 グリッド電極は、一般に太陽電池に使用可 で、かつ本発明の効果を発揮し得る材料で れば特に限定されない。このような材料と ては、金(2.2μω・cm)、銀(1.6μω・cm)、銅(1.7μ ω・cm)、アルミニウム(2.7μω・cm)、ニッケル(7 .0μω・cm)、チタン(47μω・cm)、タンタル(13.1μ ・cm)などが挙げられる。これらの中でも、 ャリア輸送材料(電解液)への耐腐食性を有す るニッケル、チタン、タンタルが特に好まし く、高伝導性を有する金、銀、銅、アルミニ ウムが特に好ましい。但し、グリッド電極が 電解液への耐腐食性を有さない材料で構成さ れている場合には、グリッド電極に酸化ケイ 素、酸化ジルコニウム、ルチル型酸化チタン などからなる保護絶縁層を形成するのが好ま しい。

 グリッド電極は、スパッタ法、スプレー法 スクリーン印刷法などの公知の方法により 上記のような形状で透明導電層上に形成す ことができる。
 グリッド電極の形状および寸法(Lx、Lyおよ W)は、前述のように本発明の関係式を満たす ように設定する。また、その膜厚は抵抗値を 考慮して設定すればよく、例えば、0.5μm~30μm 程度である。
 グリッド電極長さLyと多孔性半導体層の直 接続方向長さYは、透明導電層のシート抵抗 8~15ω/□の場合、次の関係式:
 Y[cm]-1.0[cm]<Ly[cm]≦Y[cm]
を満たすことが好ましい。LyはXとYで囲まれ 領域内での長さとする。

(接続層8)
 接続層は、隣接する色素増感太陽電池同士 電気的に接続する。
 接続層に用いられる材料としては、一般に 陽電池に使用可能で、かつ本発明の効果を 揮し得る材料であれば、特に限定されない このような材料としては、透明導電層およ 導電層に例示した材料が挙げられる。その 成方法およびその条件は、透明導電層や導 層に準ずる。

(多孔性絶縁層4)
 多孔性半導体層と対極との間には、これら 絶縁するための多孔性絶縁層4が設けられて いるのが好ましい。
 多孔性絶縁層に用いられる材料としては、 般に太陽電池に使用可能で、かつ本発明の 果を発揮し得る材料であれば、特に限定さ ない。このような材料としては、例えば、 化チタン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム 酸化ケイ素(シリカガラス、ソーダガラス) 酸化アルミニウム、チタン酸バリウムなど 化合物またはこれらの組み合わせが挙げら る。酸化チタンは平均粒径100nm以上の粒子状 のものが好ましく、酸化チタン以外は平均粒 径5~500nm、好ましくは10~300nmの粒子状のものが 好ましい。

(多孔性絶縁層の形成方法)
 多孔性絶縁層は、例えば、多孔性半導体層3 上に多孔性絶縁層形成用粒子を含有する懸濁 液を塗布し、乾燥および/または焼成する方 により形成することができる。
 まず、例えば、エチレングリコールモノメ ルエーテルなどのグライム系溶剤、イソプ ピルアルコールなどのアルコール類、イソ ロピルアルコール/トルエンなどのアルコー ル系混合溶剤、水などの溶剤に多孔性絶縁層 形成用粒子を分散させ、さらにエチルセルロ ース、ポリエチレングリコール(PEG)などの高 子化合物を混合してペーストを得る。
 次いで、例えば、ドクターブレード法、ス ージ法、スピンコート法、スクリーン印刷 など公知の方法により、得られたペースト 多孔性半導体層3上に塗布し、乾燥および/ たは焼成を経て多孔性絶縁層を得る。乾燥 よび焼成の温度、時間、雰囲気などの条件 、用いる材料の種類や形態に応じて適宜設 すればよい。
 多孔性絶縁層の膜厚は、1~10μm程度が好まし い。

(セル間絶縁層9)
 セル間絶縁層は、隣接する色素増感太陽電 同士を電気的に絶縁する。
 セル間絶縁層に用いられる材料としては、 般に太陽電池に使用可能で、かつ本発明の 果を発揮し得る材料であれば、特に限定さ ない。このような材料としては、多孔性絶 層と同様の材料が挙げられる。これらの材 の中でも、ルチル型の酸化チタンや色素が 着し難い酸化ケイ素が特に好ましい。
 その形成方法およびその条件は、多孔性半 体層や多孔性絶縁層に準ずる。

(封止用基板10と封止材)
 封止用基板としては、例えば、透光性また 非透光性のガラス基板が挙げられる。
 また、封止材は、透明性基板1と封止用基板 10との間の光電変換層にキャリア輸送材料を 填し、これを封止するものである。封止材 しては、有機高分子からなる樹脂、例えば 紫外線硬化性樹脂(スリーボンド社製の31X-10 1など)、熱硬化性樹脂(市販のエポキシ樹脂な ど)が挙げられる。

 本発明を作製例、実施例および比較例に りさらに具体的に説明するが、これらの作 例および実施例により本発明が限定される のではない。

(作製例1)
 図1に示すようなモジュールを作製した。
 図1は、本発明のモジュールにおける(a)受光 面の概略平面図および(b)接続部分の概略断面 図である。図中、1は透光性基板、2は透明導 層、3は光電変換層、4は多孔性絶縁層、5は 媒層、6は導電層、7はグリッド電極、8は接 層、9はセル間絶縁層、10は封止用基板であ 。光電変換層3は多孔性半導体層に色素を吸 着させかつキャリア輸送材料を充填させたも のである。また、XおよびYはそれぞれ光電変 層における多孔性半導体層の長さおよび幅 示し、Lx、LyおよびWはそれぞれグリッド電 間の距離(配置周期)、グリッド電極の長さお よび幅を示す。
 なお、作製例における膜厚の測定には、汎 測定機器(株式会社東京精密製、型番:サー コム1400A)を用いた。

 透光性基板1上に透明導電層2として膜厚約0. 5μmのSnO 2 膜が形成された市販のSnO 2 膜付きガラス基板(日本板硝子株式会社製、10 0mm×200mm×厚さ4mm)を用いた。

・グリッド電極の形成
 スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株 式会社製、型番:LS-34TVA)および所定形状のマ ク(スクリーン版)を用いて、SnO 2 膜付きガラス基板の透明導電層2上(図1(a)図番 7の位置)に、市販の銀ペースト(株式会社ノリ タケカンパニーリミテド製、型番:NP-4635P)を 布(印刷)した。次いで、塗膜を空気中150℃で 10分間予備乾燥し、空気中450℃で2時間焼成し て、膜厚15μmの銀電極からなるグリッド電極7 を得た。塗布においてグリッド電極間の距離 Lxを1cmに、グリッド電極の幅Wを0.4cm(400μm)に 定し、グリッド電極の長さLyが1cm、2cm、4cm、 5cm、8cm、10cm、12cmおよび15cmとなるように設定 した。各グリッド電極の長さにおけるグリッ ド電極1本当たりの抵抗値は、それぞれ2.67×10 -2 ω、5.33×10 -2 ω、1.07×10 -1 ω、1.32×10 -1 ω、2.10×10 -1 ω、2.61×10 -1 ω、3.10×10 -1 および4.15×10 -1 ωであった。また、グリッド電極の本数は、1 0本とした(X=10cm)。本例では、Y=Lyとした。

・保護絶縁層の形成
 スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株 式会社製、型番:LS-34TVA)および所定形状のマ ク(スクリーン版)を用いて、グリッド電極7 覆うように透明導電層2上に、市販のガラス リット(株式会社ノリタケカンパニーリミテ ド製)を塗布(印刷)した。次いで、塗膜を空気 中100℃で10分間予備乾燥し、空気中450℃で1時 間焼成して、幅1mm、膜厚20μmの保護絶縁層(図 示せず)を得た。

・多孔性半導体層の形成
 スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株 式会社製、型番:LS-34TVA)および所定形状のマ ク(スクリーン版)を用いて、グリッド電極7 よび保護絶縁層を形成した透明導電層2上(図 1(a)図番3の位置)に、市販の酸化チタンペース ト(Solaronix社製、商品名Ti-Nanoxide D/SP、平均粒 径13nm)を塗布し、室温にて1時間レベリングを 行った。次いで、塗膜を空気中80℃で20分間 備乾燥し、空気中450℃で1時間焼成して、膜 28μmの酸化チタン膜からなる多孔性半導体 を得た。

・セル間絶縁層(封止部)の形成
 スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株 式会社製、型番:LS-34TVA)および所定形状のマ ク(スクリーン版)を用いて、グリッド電極7 保護絶縁層および多孔性半導体層を形成し 透明導電層2上(図1(a)図番9の位置)に、市販の ガラスフリット(株式会社ノリタケカンパニ リミテド製)を塗布(印刷)した。次いで、塗 を空気中100℃で10分間予備乾燥し、空気中450 ℃で1時間焼成して、膜厚約25μmのセル間絶縁 層9を得た。

・多孔性絶縁層の形成
 スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株 式会社製、型番:LS-34TVA)および多孔性半導体 と同じマスク(スクリーン版)を用いて、多孔 性半導体層上に、酸化ジルコニウム微粒子( ーアイ化成株式会社製、粒径100nm)を含むペ ストを塗布し、室温にて1時間レベリングを った。次いで、塗膜を空気中80℃で20分間予 備乾燥し、空気中450℃で1時間焼成し、膜厚5 mの酸化ジルコニウム膜からなる多孔性絶縁 4を得た。
 ペーストは、酸化ジルコニウム微粒子およ 高分子化合物としてのエチルセルロースを 剤としてのテルピネオールに分散させるこ により調製した。

・触媒層の形成
 電子ビーム蒸着装置(アネルバ株式会社製、 型式:EVD-500A)および所定形状のマスクを用い 、多孔性絶縁層4上に蒸着速度0.1Å/Sで白金 蒸着して、膜厚約5nmの白金からなる触媒層5 得た。

・導電層の形成
 電子ビーム蒸着装置(アネルバ株式会社製、 型式:EVD-500A)および所定形状のマスクを用い 、次工程で形成する接続層8を介して隣接す 太陽電池のグリッド電極7と電気的に接続さ れるように、触媒層5および一部セル間絶縁 9上に蒸着速度0.1Å/Sでチタンを蒸着して、 厚約500μmのチタン膜からなる導電層6を得た

・接続層の形成
 電子ビーム蒸着装置(アネルバ株式会社製、 型式:EVD-500A)および所定形状のマスクを用い 、隣接する太陽電池のグリッド電極7と導電 6とが電気的に接続されるように、隣接する セル間絶縁層9間のグリッド電極7上に蒸着速 0.1Å/Sでチタンを蒸着して、チタン膜から る接続層8を得た。

・色素溶液の調製
 色素溶液は、次のルテニウム系金属錯体色 1~3をそれぞれ色素濃度4×10 -4 モル/リットルになるように、体積比1:1のア トニトリル(Aldrich Chemical Company製)/t-ブチル ルコール(Aldrich Chemical Company製)の混合溶剤 に溶解させることにより調製した。
 色素1:Solaronix社製、Ruthenium620-1H3TBA色素、前 式(3)
 色素2:Solaronix社製、Ruthenium535-bisTBA色素、前 式(2)
 色素3:株式会社林原生物化学研究所製、NKX23 11色素

・色素の吸着
 上記のようにして形成した積層体を予め調 しておいた色素溶液に40℃の温度条件で20時 間浸漬し、色素を積層体に吸着させた。その 後、積層体をエタノール(Aldrich Chemical Company 製)で洗浄し、約60℃で約5分間乾燥させた。

・電解液の調製
 キャリア輸送材料としての電解液(酸化還元 性電解質を含む電解液)は、溶剤としてのア トニトリルに、酸化還元種としての濃度0.1 ル/リットルのLiI(Aldrich Chemical Company製)およ び濃度0.01モル/リットルのI 2 (東京化成工業株式会社製)、添加剤としての 度0.5モル/リットルのt-ブチルピリジン(TBP、 Aldrich Chemical Company製)および濃度0.6モル/リ トルのジメチルプロピルイミダゾールアイ ダイド(DMPII、四国化成工業株式会社製)を溶 させることにより調製した。

・太陽電池モジュールの作製
 透光性基板1のセル間絶縁層9上に紫外線硬 樹脂(スリーボンド社製、型番:31X-101)を塗布 、別途用意した石英ガラスからなる封止用 板10(Corning社製、型番:7059、50mm×70mm×厚さ1.1m m)を貼り合せた。次いで、紫外線照射ランプ( EFD社製、商品名:Novacure)を用いて、塗布部分 紫外線を照射して樹脂を硬化させ、2枚の基 を固定した。
 予め封止用基板に設けておいた電解液注入 孔より、キャリア輸送材料として電解液を 入し、電解液注入用孔を封止することによ 光電変換層3を形成し、モジュールを完成し た。これらのモジュールは、グリッド電極の パターン(長さLy)8種、色素の3種からなる24種 あった。

 得られた太陽電池に1kW/m 2 の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照 して短絡電流(I SC )、開放電圧(V OC )およびFFを測定し、光電変換効率(単に「変 効率」ともいう)を求めた。短絡電流(I SC )をモジュールのアパチャーエリア(モジュー 内の数個の太陽電池(光電変換素子)の外枠 結んで囲むエリア)の面積Sで除したものに、 開放電圧(V OC )およびFFを乗じて「変換効率」を得た。
 得られた結果を表1に示す。なお、表1には 発明の関係式の数値「E」を示す。

 表1によれば、次のことがわかる。
(1)I SC /Xの値が30mA/cm以上の場合に変換効率が高くな る傾向のあること
(2)0.001<E<0.03の範囲で変換効率が高くなる 傾向のあること
(3)使用する色素により変換効率が最大となる グリッド電極の長さLy(=多孔性半導体層の直 接続方向の長さY)は異なるが、2cm以上10cm以 である場合に変換効率が高くなる傾向のあ こと

(作製例2)
 次のようにグリッド電極7を形成し、色素溶 液の色素として色素1のみを用いること以外 作製例1と同様にして、図1に示すようなモジ ュールを作製し評価した。
 グリッド電極の長さLy(=多孔性半導体層の直 列接続方向の長さY)を5cmに、グリッド電極の Wを0.4cm(400μm)に固定し、グリッド電極間の 離Lxを、0.2cm、0.4cm、0.5cm、0.8cm、1.0cm、1.2cm、 1.5cm、1.7cmとなるように設定した(それぞれX=2c m、4cm、5cm、8cm、10cm、12cm、15cm、17cm)。
 得られた結果を表2に示す。

 表2によれば、グリッド電極間の距離Lxが0 .4cm以上1.5cm以下である場合に変換効率が高く なる傾向のあることがわかる。

(作製例3)
 次のようにグリッド電極7を形成し、色素溶 液の色素として色素1のみを用いること以外 作製例1と同様にして、図1に示すようなモジ ュールを作製し評価した。
 グリッド電極間の距離Lxを1.0cmに、グリッド 電極の長さLy(=多孔性半導体層の直列接続方 の長さY)を5cmに固定し、グリッド電極の幅W 0.005cm、0.008cm、0.01cm、0.04cm、0.08cm、0.1cm、0.15 cm、0.18cmとなるように設定した。
 得られた結果を表3に示す。なお、表3には 発明の関係式の数値「E」を示す。

 表3によれば、グリッド電極の幅Wが0.1mm以 上1mm以下である場合に変換効率が高くなる傾 向のあることがわかる。

(実施例1~16および比較例1~8)
 表4に示すようなグリッド電極間の距離Lx、 リッド電極の長さLyおよびグリッド電極の Wに設定してグリッド電極7を形成し、色素溶 液の色素として表4に示す色素を用いること 外は作製例1と同様にして、図1に示すような モジュールを作製し評価した。

 本発明は、上記のように説明されるが、 様に多くの手段により自明に変形され得る そのような変形例は、本発明の趣旨及び範 から離れるものではなく、そのような当業 に自明である全ての変形例は、請求の範囲 範囲内に含まれることを意図されている。

本発明のモジュールにおける(a)受光面 概略平面図および(b)接続部分の概略断面図 ある。

符号の説明

  1 透光性基板
  2 透明導電層
  3 光電変換層
  4 多孔性絶縁層
  5 触媒層
  6 導電層
  7 グリッド電極
  8 接続層
  9 セル間絶縁層
 10 封止用基板
  X 光電変換層における多孔性半導体層の さ
  Y 光電変換層における多孔性半導体層の
 Lx グリッド電極間の距離(配置周期)
 Ly グリッド電極の長さ
  W グリッド電極の幅