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Title:
DYE-SENSITIZED SOLAR CELL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/145140
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a dye-sensitized solar cell having a high open voltage and also durability even when stored at a high temperature.  The dye-sensitized solar cell sequentially has a porous n-type semiconductor electrode wherein a dye is adsorbed on the surface, a charge transfer layer and a counter electrode on a conductive base material.  The charge transfer layer contains a radical compound composed of N-oxyl derivatives.

Inventors:
NOJIMA TAKAHIKO (JP)
ISHIGE OSAMU (JP)
HATTORI TAKAMUNE (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059518
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 25, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA HOLDINGS INC (JP)
NOJIMA TAKAHIKO (JP)
ISHIGE OSAMU (JP)
HATTORI TAKAMUNE (JP)
International Classes:
H01M14/00; H01L31/04
Foreign References:
JP2004152613A2004-05-27
JP2009021212A2009-01-29
JP2003100360A2003-04-04
Other References:
ZHANG ZHIPAN ET AL.: "The 2,2,6,6- Tetramethyl-1-piperidinyloxy Radical : An Efficient, Iodine-Free Redox Mediator for Dye-Sensitized Solar Cells", ADV FUNCT MATER, vol. 18, no. 2, 24 January 2008 (2008-01-24), pages 341 - 346
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Claims:
導電性基材上に、色素が表面に吸着された多孔質n型半導体電極と電荷移動層と対向電極とを順次有する色素増感型太陽電池であって、該電荷移動層がN-オキシル誘導体からなるラジカル化合物を含有することを特徴とする色素増感型太陽電池。
前記N-オキシル誘導体がアザアダマンタンN-オキシル誘導体あるいはアザビシクロN-オキシル誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
前記アザビシクロN-オキシル誘導体が下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項2に記載の色素増感型太陽電池。

(式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は各々独立に水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、Xは環状構造を形成するのに必要な2個または3個の原子群を表す。)
前記電荷移動層が有機溶媒を含有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
前記有機溶媒が3-メトキシプロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートまたはγ-ブチロラクトンであることを特徴とする請求項4に記載の色素増感型太陽電池。
Description:
色素増感型太陽電池

 本発明は、電気化学的酸化反応または還 反応の少なくとも一方の過程で、ラジカル 合物を生成する有機化合物を含む電解質を 荷移動層に用いた色素増感型太陽電池に関 る。

 近年、化石燃料の燃焼や二酸化炭素発生 の増大により、地球温暖化をはじめとする 境・エネルギーの問題がますます深刻化し きている中、エネルギー源がクリーンで無 蔵、発電時の大気汚染物質や騒音を発生せ 、環境負荷の少ない発電システムとして、 陽エネルギーを効率よくエネルギー源とし 取り出す各種太陽電池の技術開発が盛んに われている。

 その中でも、色素増感型太陽電池は一般 な印刷プロセスを用いた大気圧下で簡易な 造プロセスで製造できる構成であることか 、素材・プロセス両面で大幅なコスト低減 期待され、単結晶シリコン系、多結晶シリ ン系、アモルファスシリコン系、CIGS系等に 続く次世代の太陽電池として注目を集めてい る。

 色素増感型太陽電池は半導体表面に吸着 せた色素分子が太陽光を吸収し、色素のLUMO (最低空軌道)から半導体のCB(伝導帯)へ電子注 入が起こることで、所謂分光増感を行う。色 素分子は半導体表面に吸着基を介して結合さ せるため、一般的には単分子層であるとされ る。即ち、太陽電池セルに入射した光を高い 効率で電子に変換させるためには、色素の光 吸収能を向上させる技術が必要である。

 それに対し大きなブレイクスルーを果た たのが、M.Gratzelらによる酸化チタンの微粒 からなる多孔質膜とRuビピリジン錯体色素 より形成された光電極を用いた、所謂Gratzel ルにある(例えば、非特許文献1参照)。

 この多孔質膜からなる半導体表面に光増 剤となる色素分子を単分子吸着させること 、光吸収により電子を励起し、半導体へと 子注入する役割を有す色素の吸着サイトと る半導体の比表面積を数千倍にまで高める とを可能にし、太陽電池セルに入射した太 光を効率よく電子に変換することができる

 色素が光エネルギーを吸収して電子を放出 、半導体のチタニアがその電子を受けて導 性基板へと引き渡す。一方、色素に残った ールは電解質中のヨウ素イオンを酸化し、I - がI 3 - へと変わり、この酸化されたI 3 - が対極で再び電子を受けて還元され、電子が 両極をサイクルすることによって発電するも のである。

 色素増感型太陽電池の開放電圧は、酸化物 導体のフェルミ準位と電解質中のレドック の酸化還元電位の差によって規定される。 電原理上は、色素のHOMO/LUMO、酸化物半導体 VB/CB、電解質中のレドックス準位について 各エネルギー準位を適切に設計することに り、開放電圧を変化させることが可能とな 。これまでの色素増感型太陽電池の電荷移 にはヨウ素レドックス(I - /I 3 - )が代表的に用いられる。

 しかしながら、ヨウ素は金属腐食性が高 、対極として一般的に用いられる白金も高 保存下では腐食してしまうことが知られて る。また、ヨウ素自体の昇華性、着色によ 透過光低下に起因する変換効率ロスなどの 点から、非ヨウ素系のレドックスや電解質 研究されている。

 上記の問題に対しては、ヨウ素レドック と同様のハロゲン系レドックスとして臭素 ドックスが検討されている(例えば、非特許 文献2、3参照)。臭素レドックスの酸化還元電 位は、ヨウ素レドックスよりもより貴(正)側 あるため、クマリン343やエオシンYといった HOMO/LUMOのエネルギー準位差が大きく、吸収領 域がより短波な有機色素では開放電圧の向上 が認められている。

 しかしながら、Ru錯体N719などのHOMO/LUMOの ネルギー準位差が比較的小さく、吸収領域 より長波な色素を用いた場合には、色素のH OMOに比較して臭素レドックスの酸化還元電位 が低すぎるために有効な電子注入が起こりに くく、変換効率が低下してしまう。

 無機系レドックスとしてはSCN - /(SCN) 2 なども検討されているが、ヨウ素レドックス よりも性能が劣る(例えば、非特許文献4参照) 。

 また、電気化学的酸化反応または還元反 の少なくとも一方の過程でラジカル化合物 生成するテトラメチルピペリジニルオキシ( TEMPO)の誘導体と、スパッタ法で形成したイン ジウム/スズ酸化物の緻密層からなる半導体 と電解質層からなる光電気化学デバイスが 案されている(例えば、特許文献1参照)が、 素増感太陽電池に関わる発明ではなく、色 増感型太陽電池における性能向上や耐久性 関わる性能向上は示唆されていない。

 一方、ホール輸送性を有する導電性高分 なども検討されているが、ヨウ素レドック よりも変換効率が劣り、未だ十分なもので なかった(例えば、特許文献2参照)。

特開2003-100360号公報

特開2003-264304号公報

Nature,353,24(1991),737 J.Phys.Chem.B,109,22449(2005) 2007年電気化学会秋季年会講演要旨集,236( 1N11) J.Phys.Chem.B,105,6867(2001)

 本発明は上述したような課題を解決する めのもので、その目的は、高い開放電圧を し、且つ高温保存下での耐久性を有する色 増感型太陽電池を提供することである。

 本発明の課題は、色素増感型太陽電池を 製するに当たり、特定のラジカル化合物を 有する電解質を使用することによって解決 れるに至った。具体的には下記構成により 成された。

 1.導電性基材上に、色素が表面に吸着さ た多孔質n型半導体電極と電荷移動層と対向 極とを順次有する色素増感型太陽電池であ て、該電荷移動層がN-オキシル誘導体から るラジカル化合物を含有することを特徴と る色素増感型太陽電池。

 2.前記N-オキシル誘導体がアザアダマンタ ンN-オキシル誘導体あるいはアザビシクロN- キシル誘導体であることを特徴とする前記1 記載の色素増感型太陽電池。

 3.前記アザビシクロN-オキシル誘導体が下 記一般式(1)で表されることを特徴とする前記 2に記載の色素増感型太陽電池。

(式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は各々独立に水素原子、脂肪族炭化水素基、 芳香族炭化水素基または複素環基を表し、X 環状構造を形成するのに必要な2個または3個 の原子群を表す。)
 4.前記電荷移動層が有機溶媒を含有するこ を特徴とする前記1~3のいずれか1項に記載の 素増感型太陽電池。

 5.前記有機溶媒が3-メトキシプロピオニト リル、エチレンカーボネート、プロピレンカ ーボネートまたはγ-ブチロラクトンであるこ とを特徴とする前記4に記載の色素増感型太 電池。

 本発明により、高い開放電圧を有し、且 高温保存下での耐久性を有する色素増感型 陽電池を提供することができる。

本発明の色素増感型太陽電池の基本構 を示す概略断面図である。

 以下、本発明を実施するための最良の形 について詳細に説明する。

 本発明者は、複合体電極を有する色素増 型太陽電池において、開放電圧、短絡電流 形状因子フィルファクター、光電変換効率 の課題に関し検討を進めた結果、ヨウ素レ ックスを用いた色素増感型太陽電池構成で 、光電変換効率は未だ十分に満足できるレ ルには到達していないことが認められた。

 本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を った結果、導電性基材上に、色素が表面に 着された多孔質n型半導体電極と電荷移動層 と対向電極とを順次有する色素増感型太陽電 池であって、該電荷移動層が本発明のラジカ ル化合物を含有することを特徴とする色素増 感型太陽電池により、高い開放電圧を実現で きるばかりでなく、高温保存時にも優れた安 定性を有すことを見出し、本発明に至った次 第である。

 以下、本発明に係るN-オキシル誘導体、 の製造方法及び色素増感型太陽電池の詳細 ついて説明する。

 《N-オキシル誘導体》
 N-オキシル(ニトロキシドラジカルとも呼ば る)とは、ヒドロキシルアミンの酸素-水素 合がラジカル的に開裂して生じた酸素中心 ジカルである。本発明においては、分子内 >N-O・構造を有する化合物を総称してN-オ シル誘導体と呼ぶ。

 N-オキシル誘導体は他のラジカル化合物 比較して安定なものが多く、結晶として取 出すことが可能である。N-オキシル誘導体と しては、TEMPO(2,2,6,6-テトラメチルピペリジニ -N-オキシル)をはじめ、各種置換基の置換し た誘導体が市販されている。

 一般にN-オキシル基のα位炭素に水素が置 換している場合、容易にヒドロキシアミンと ニトロンへ不均化してしまう。このため、TEM POのN-オキシル基α位に置換した4つのメチル は、安定ラジカルとして存在する上での重 な構造化学的要素である。

 N-オキシル誘導体を色素増感型太陽電池 酸化還元対として用いる場合、化合物自身 安定性は電池の耐久性を高める上で重要で る。このため、N-オキシル基のα位炭素に水 の全く置換していない化合物が好ましい。

 しかしながら、TEMPO誘導体では4つのメチ 基の立体障害によって反応性が落ちる場合 ある。このような活性低下を引き起こさな 点で、アザアダマンタンN-オキシル誘導体 あるいはアザビシクロN-オキシル誘導体が更 に好ましい。これらの化合物では、N-オキシ 基のα位炭素に水素原子が置換していても Bredt則によってニトロンへの異性化が阻まれ 、安定ラジカルとして存在が保障される。こ れら多環式のN-オキシル誘導体を色素増感型 陽電池の酸化還元対として用いた場合、TEMP O誘導体よりも高い耐久性が得られ好ましい

 これらのアザアダマンタンN-オキシル誘 体、あるいはアザビシクロN-オキシル誘導体 は、置換可能な位置で置換基を有していても よく、これらの置換基を連結基として2量体 3量体等の多量体を形成してもよく、ポリマ であってもよい。

 本発明において、最も好ましいN-オキシ 誘導体は、アザアダマンタンN-オキシル誘導 体、または前記一般式(1)で表されるアザビシ クロN-オキシル誘導体である。

 前記一般式(1)において、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は各々独立に水素原子、または脂肪族炭化水 素基、芳香族炭化水素基、複素環基を表し、 脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素 環基は置換基を有してもよい。Xは環状構造 形成するのに必要な2個もしくは3個の原子群 を表す。具体的には、CH 2 、CO、置換基を有するCが挙げられる。

 脂肪族炭化水素基には鎖状及び環状のも が包含され、鎖状のものには直鎖状のもの び分岐状のものが包含される。このような 肪族炭化水素基には、メチル、エチル、ビ ル、プロピル、イソプロピル、プロペニル ブチル、iso-ブチル、t-ブチル、ペンチル、 ソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、iso- ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキセニ ル、オクチル、iso-オクチル、シクロオクチ 、2,3-ジメチル-2-ブチル等が挙げられる。

 芳香族炭化水素基としては、フェニル基 ナフチル基等が挙げられ、複素環基として 、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリ 基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル 、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダ ニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基 ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾ ル基、モルフォリノ基等が挙げられる。

 これら置換基は更に置換基を有していて よい。それらの置換基には特に制限はなく 例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エ チル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブ ル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル 、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシ 基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基 (例えば、シクロプロピル基、シクロペンチ 基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例 えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、オ クテニル基等)、シクロアルケニル基(例えば 2-シクロペンテン-1-イル基、2-シクロヘキセ ン-1-イル基等)、アルキニル基(例えば、プロ ルギル基、エチニル基、トリメチルシリル チニル基等)、アリール基(例えば、フェニ 基、ナフチル基、p-トリル基、m-クロロフェ ル基、o-ヘキサデカノイルアミノフェニル 等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾ リル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、 フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリ ミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル 基、スルホラニル基、ピペリジニル基、ピラ ゾリル基、テトラゾリル基、モルフォリノ基 等)、複素環オキシ基(例えば、1-フェニルテ ラゾール-5-オキシ基、2-テトラヒドロピラニ ルオキシ基、ピリジルオキシ基、チアゾリル オキシ基、オキサゾリルオキシ基、イミダゾ リルオキシ基等)、ハロゲン原子(例えば、塩 原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子 )、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エ キシ基、プロピルオキシ基、t-ブトキシ基、 ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オク チルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シク アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキ 基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリール オキシ基(例えば、フェノキシ基、2-ナフチル オキシ基、2-メチルフェノキシ基、4-t-ブチル フェノキシ基、3-ニトロフェノキシ基、2-テ ラデカノイルアミノフェノキシ基等)、アル ルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチ オ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘ キシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチ オ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シ ロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基 )、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ 、1-ナフチルチオ基等)、複素環チオ基(例え 、ピリジルチオ基、チアゾリルチオ基、オ サゾリルチオ基、イミダゾリルチオ基、フ ルチオ基、ピロリルチオ基等)、アルコキシ カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル 、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボ ル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデ ルオキシカルボニル基等)、アリールオキシ ルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボ ニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、 ルファモイル基(例えば、アミノスルホニル 、メチルアミノスルホニル基、ジメチルア ノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル 、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘ シルアミノスルホニル基、オクチルアミノ ルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基 フェニルアミノスルホニル基、ナフチルア ノスルホニル基、2-ピリジルアミノスルホ ル基、モルフォリノスルホニル基、ピロリ ノスルホニル基等)、ウレイド基(例えば、メ チルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチ ルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、 オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、 フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、 2-ピリジルアミノウレイド基等)、アシル基( えば、アセチル基、エチルカルボニル基、 ロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル 、シクロヘキシルカルボニル基、オクチル ルボニル基、2-エチルヘキシルカルボニル基 、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニ ル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカル ボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、ホル ルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイ オキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾ ルオキシ基、p-メトキシフェニルカルボニ オキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブ ルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニ オキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、 ェニルカルボニルオキシ基等)、アシルアミ 基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイル アミノ基、ホルミルアミノ基、ピバロイルア ミノ基、ラウロイルアミノ基、3,4,5-トリ-n-オ クチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等 )、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニ 基、メチルアミノカルボニル基、ジメチル ミノカルボニル基、プロピルアミノカルボ ル基、ペンチルアミノカルボニル基、シク ヘキシルアミノカルボニル基、オクチルア ノカルボニル基、2-エチルヘキシルアミノ ルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基 フェニルアミノカルボニル基、ナフチルア ノカルボニル基、2-ピリジルアミノカルボニ ル基、モルフォリノカルボニル基、ピペラジ ノカルボニル基等)、アルカンスルフィニル またはアリールスルフィニル基(例えば、メ ンスルフィニル基、エタンスルフィニル基 ブタンスルフィニル基、シクロヘキサンス フィニル基、2-エチルヘキサンスルフィニ 基、ドデカンスルフィニル基、フェニルス フィニル基、ナフチルスルフィニル基、2-ピ リジルスルフィニル基等)、アルカンスルホ ル基またはアリールスルホニル基(例えば、 タンスルホニル基、エタンスルホニル基、 タンスルホニル基、シクロヘキサンスルホ ル基、2-エチルヘキサンスルホニル基、ド カンスルホニル基、フェニルスルホニル基 ナフチルスルホニル基、2-ピリジルスルホニ ル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、メチ アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミ 基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミ 基、2-エチルヘキシルアミノ基、ドデシル ミノ基、アニリノ基、N-メチルアニリノ基、 ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、2- リジルアミノ基等)、シリルオキシ基(例え 、トリメチルシリルオキシ基、tert-ブチルジ メチルシリルオキシ基等)、アミノカルボニ オキシ基(例えば、N,N-ジメチルカルバモイル オキシ基、N,N-ジエチルカルバモイルオキシ 、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N-ジ-n- クチルアミノカルボニルオキシ基、N-n-オク チルカルバモイルオキシ基等)、アルコキシ ルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボ ルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基 t-ブトキシカルボニルオキシ基、n-オクチル カルボニルオキシ基等)、アリールオキシカ ボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボ ルオキシ基、p-メトキシフェノキシカルボ ルオキシ基、p-n-ヘキサデシルオキシフェノ シカルボニルオキシ基等)、アルコキシカル ボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニ アミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t- ブトキシカルボニルアミノ基、n-オクタデシ オキシカルボニルアミノ基、N-メチル-メト シカルボニルアミノ基等)、アリールオキシ カルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカ ボニルアミノ基、p-クロロフェノキシカルボ ニルアミノ基、m-n-オクチルオキシフェノキ カルボニルアミノ基等)、スルファモイルア ノ基(例えば、スルファモイルアミノ基、N,N -ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N-n-オ チルアミノスルホニルアミノ基等)、メルカ プト基、アリールアゾ基(例えば、フェニル ゾ基、ナフチルアゾ基、p-クロロフェニルア ゾ基等)、複素環アゾ基(例えば、ピリジルア 基、チアゾリルアゾ基、オキサゾリルアゾ 、イミダゾリルアゾ基、フリルアゾ基、ピ リルアゾ基、5-エチルチオ-1,3,4-チアジアゾ ル-2-イルアゾ基等)、イミノ基(例えば、N-ス クシンイミド-1-イル基、N-フタルイミド-1-イ 基等)、ホスフィノ基(例えば、ジメチルホ フィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチ フェノキシホスフィノ基等)、ホスフィニル (例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキ シホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル 基等)、ホスフィニルオキシ基(例えば、ジフ ノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチル キシホスフィニルオキシ基等)、ホスフィニ ルアミノ基(例えば、ジメトキシホスフィニ アミノ基、ジメチルアミノホスフィニルア ノ基等)、シリル基(例えば、トリメチルシリ ル基、t-ブチルジメチルシリル基、フェニル メチルシリル基等)、シアノ基、ニトロ基、 ヒドロキシル基、スルホ基、カルボキシル基 等が挙げられる。

 一般式(1)で表される化合物は、これら置 基で連結された2量体、3量体等の多量体で ってもよく、また重合体であってもよい。

 以下に一般式(1)で表される化合物の具体 を示すが、本発明はこれら例示する化合物 のみ限定されるものではない。

 また、以下に本発明で用いられる、置換 を有してもよいアザアダマンタンN-オキシ 誘導体の具体例を示すが、本発明はこれら 示する化合物にのみ限定されるものではな 。

 《電荷移動層》
 本発明の色素増感型太陽電池を構成する電 移動層は、色素の酸化体に電子を補充する 能を有する電荷輸送材料を含有する層であ 。本発明で用いることのできる代表的な電 輸送材料の例としては、酸化還元対イオン 溶解した溶媒や酸化還元対イオンを含有す 常温溶融塩等の電解質、酸化還元対イオン 溶液をポリマーマトリクスや低分子ゲル化 等に含浸したゲル状の擬固体化電解質、更 は高分子固体電解質等が挙げられる。

 また、イオンが関わる電荷輸送材料の他 、固体中のキャリア移動が電気伝導に関わ 材料として、電子輸送材料や正孔(ホール) 送材料を挙げることもでき、これらは併用 ることも可能である。

 溶媒としては電気化学的に不活性で、粘 が低くイオン易動度を向上したり、もしく 誘電率が高く有効キャリア濃度を向上した して、優れたイオン伝導性を発現できる化 物であることが望ましい。

 具体的には、ジメチルカーボネート、ジ チルカーボネート、エチレンカーボネート プロピレンカーボネート等のカーボネート 合物、3-メチル-2-オキサゾリジノン等の複 環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル のエーテル化合物、エチレングリコールジ ルキルエーテル、プロピレングリコールジ ルキルエーテル、ポリエチレングリコール アルキルエーテル、ポリプロピレングリコ ルジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類 メタノール、エタノール、エチレングリコ ルモノアルキルエーテル、プロピレングリ ールモノアルキルエーテル、ポリエチレン リコールモノアルキルエーテル、ポリプロ レングリコールモノアルキルエーテル等の ルコール類、エチレングリコール、ジエチ ングリコール、トリエチレングリコール、 リエチレングリコール、プロピレングリコ ル、ポリプロピレングリコール、グリセリ 等の多価アルコール類、アセトニトリル、 ルタロジニトリル、プロピオニトリル、メ キシプロピオニトリル、メトキシアセトニ リル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物 更にテトラヒドロフラン、ジメチルスルホ シド、スルホラン、γ-ブチロラクトン等の プロトン極性物質等を用いることができる 3-メトキシプロピオニトリル、エチレンカー ボネート、プロピレンカーボネート、及びγ- ブチロラクトンのいずれかがより好ましい。

 溶媒としては、耐久性の観点から沸点が8 0℃以上のものが好ましく、100℃以上のもの より好ましく、120℃以上のものが更に好ま い。具体的には、3-メトキシプロピオニトリ ル(165℃)、エチレンカーボネート(243℃)、プ ピレンカーボネート(240℃)、γ-ブチロラクト ン(203℃)が挙げられる。

 好ましい電解質濃度は0.1~15モル/Lであり 更に好ましくは0.2~10モル/Lである。

 溶融塩電解質は光電変換効率と耐久性の 立という観点から好ましい。溶融塩電解質 しては、例えば、国際公開第95/18456号パン レット、特開平8-259543号、特開2001-357896号の 公報、電気化学、第65巻、11号、923頁(1997年) 等に記載されているピリジニウム塩、イミダ ゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の電解質を 挙げることができる。これらの溶融塩電解質 は常温で溶融状態であるものが好ましく、溶 媒を用いない方が好ましい。

 オリゴマー及びポリマー等のマトリクス 電解質あるいは電解質溶液を含有させたも や、ポリマー添加、低分子ゲル化剤やオイ ゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重 、ポリマーの架橋反応等の手法によりゲル (擬固体化)させて使用することもできる。

 ポリマー添加によりゲル化させる場合は 特にポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビ リデンを好ましく使用することができる。 イルゲル化剤添加によりゲル化させる場合 、好ましい化合物は分子構造中にアミド構 を有する化合物である。

 また、ポリマーの架橋反応により電解質 ゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を 有するポリマー及び架橋剤を併用すること 望ましい。この場合、好ましい架橋可能な 応性基は含窒素複素環(例えば、ピリジン環 、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾ ール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピ ペリジン環、ピペラジン環等)であり、好ま い架橋剤は窒素原子に対して求電子反応可 な試薬(例えば、ハロゲン化アルキル、ハロ ン化アラルキル、スルホン酸エステル、酸 水物、酸クロライド、イソシアネート等)で ある。電解質の濃度は通常0.01~99質量%で、好 しくは0.1~90質量%程度である。

 また、ゲル状電解質としては、電解質と金 酸化物粒子及び/または導電性粒子とを含む 電解質組成物を用いることもできる。金属酸 化物粒子としては、TiO 2 、SnO 2 、WO 3 、ZnO、ITO、BaTiO 3 、Nb 2 O 5 、In 2 O 3 、ZrO 2 、Ta 2 O 5 、La 2 O 3 、SrTiO 3 、Y 2 O 3 、Ho 2 O 3 、Bi 2 O 3 、CeO 2 、Al 2 O 3 からなる群から選択される1種または2種以上 混合物が挙げられる。これらは不純物がド プされたものや、複合酸化物等であっても い。導電性粒子としては、カーボンを主体 する物質からなるものが挙げられる。

 次に、高分子電解質としては、酸化還元 を溶解あるいは酸化還元種を構成する少な とも1つの物質と結合することができる固体 状の物質であり、例えば、ポリエチレンオキ シド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレ ンサクシネート、ポリ-β-プロピオラクトン ポリエチレンイミン、ポリアルキレンスル ィド等の高分子化合物またはそれらの架橋 、ポリホスファゼン、ポリシロキサン、ポ ビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリ ルキレンオキサイド等の高分子官能基にポ エーテルセグメントまたはオリゴアルキレ オキサイド構造を側鎖として付加したもの またはそれらの共重合体等が挙げられ、そ 中でも、特にオリゴアルキレンオキサイド 造を側鎖として有するものや、ポリエーテ セグメントを側鎖として有するものが好ま い。

 前記の固体中に酸化還元種を含有させる は、例えば、高分子化合物となるモノマー 酸化還元種との共存下で重合する方法、高 子化合物等の固体を必要に応じて溶媒に溶 し、次いで前記の酸化還元種を加える方法 を用いることができる。酸化還元種の含有 は、必要とするイオン伝導性能に応じて適 選定することができる。

 本発明では、溶融塩等のイオン伝導性電 質の代わりに、有機または無機あるいはこ 両者を組み合わせた固体の正孔輸送材料を 用することができる。

 有機正孔輸送材料としては、芳香族アミ 類やトリフェニレン誘導体類、更にポリア チレン及びその誘導体、ポリ(p-フェニレン) 及びその誘導体、ポリ(p-フェニレンビニレン )及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘 体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリト イジン及びその誘導体等の導電性高分子を ましく用いることができる。

 正孔(ホール)輸送材料には、ドーパントレ ルをコントロールするために、トリス(4-ブ モフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチ ネートのようなカチオンラジカルを含有す 化合物を添加したり、酸化物半導体表面の テンシャル制御(空間電荷層の補償)を行う めにLi[(CF 3 SO 2 ) 2 N]のような塩を添加しても構わない。

 無機正孔輸送材料としては、p型無機化合 物半導体を用いることができる。この目的の p型無機化合物半導体はバンドギャップが2eV 上であることが好ましく、更に2.5eV以上であ ることが好ましい。

 また、p型無機化合物半導体のイオン化ポ テンシャルは色素の正孔を還元できる条件か ら、色素吸着電極のイオン化ポテンシャルよ り小さいことが必要である。使用する色素に よって、p型無機化合物半導体のイオン化ポ ンシャルの好ましい範囲は異なってくるが 一般に4.5~5.5eVであることが好ましく、更に4. 7~5.3eVであることが好ましい。

 好ましいp型無機化合物半導体は一価の銅を 含む化合物半導体であり、CuI及びCuSCNが好ま く、CuIが最も好ましい。p型無機化合物半導 体を含有する電荷移動層の好ましいホール移 動度は1×10 -4 ~1×10 4 m 2 /V・secであり、更に好ましくは1×10 -3 ~1×10 3 cm 2 /V・secである。また、電荷輸送層の好ましい 電率は1×10 -8 ~1×10 2 S/cmであり、更に好ましくは1×10 -6 ~10S/cmである。

 本発明において、電荷移動層を多孔質n型 半導体電極と対向電極との間に形成する方法 としては特に限定されるものではないが、例 えば、多孔質n型半導体電極と対向電極とを 向配置してから両電極間に前述した電解質 各種電解質を充填して電荷移動層とする方 、多孔質n型半導体電極または対向電極の上 電解質や各種電解質を滴下あるいは塗布等 ることにより電荷移動層を形成した後、電 移動層の上に他方の電極を重ね合わせる方 等を用いることができる。

 また、多孔質n型半導体電極と対向電極と の間から電解質が漏れ出さないようにするた め、必要に応じて多孔質n型半導体電極と対 電極との隙間にフィルムや樹脂を用いて封 したり、多孔質n型半導体電極と電荷移動層 対向電極を適当なケースに収納したりする とも好ましい。

 前者の形成方法の場合、電荷移動層の充 方法として、浸漬等による毛管現象を利用 る常圧プロセス、または常圧より低い圧力 して間隙の気相を液相に置換する真空プロ スを利用できる。

 後者の形成方法の場合、塗布方法として マイクログラビアコーティング、ディップ ーティング、スクリーンコーティング、ス ンコーティング等を用いることができる。 式の電荷移動層においては未乾燥のまま対 を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置を施 ことになる。また、ゲル電解質の場合には 式で塗布して重合等の方法により固体化す 方法があり、その場合には、乾燥、固定化 た後に対極を付与することもできる。

 固体電解質や固体の正孔(ホール)輸送材 の場合には、真空蒸着法やCVD法等のドライ 膜処理で電荷移動層を形成し、その後対向 極を付与することもできる。具体的には、 空蒸着法、キャスト法、塗布法、スピンコ ト法、浸漬法、電解重合法、光電解重合法 の手法により電極内部に導入することがで 、必要に応じて基材を任意の温度に加熱し 溶媒を蒸発させる等により形成する。

 電荷移動層の厚さは10μm以下、より好まし は5μm以下、更に1μm以下であることが好まし い。また、電荷移動層の導電率は1×10 -10 S/cm以上であることが好ましく、1×10 -5 S/cm以上であることが更に好ましい。

 《色素増感型太陽電池》
 本発明の色素増感型太陽電池について、図1 を用いて説明する。

 図1は、本発明の色素増感型太陽電池の基本 構造を示す概略断面図である。本発明の色素 増感型太陽電池は、図1によって示される通 、導電性基材1、及び半導体の表面に色素3を 吸着させた多孔質n型半導体電極2、更に電荷 動層(「電解質層」と呼ぶこともある)4、及 対向電極5を有する構成である。なお、図1 おいて、e - は電子を表し、矢印は当該電子の流れを示す 。

 本発明の色素増感型太陽電池を構成する には、前記多孔質n型半導体電極、電荷移動 層及び対向電極をケース内に収納して封止す るか、あるいはそれら全体を樹脂封止するこ とが好ましい。

 本発明の色素増感型太陽電池に太陽光ま は太陽光と同等の電磁波を照射すると、半 体に吸着された色素3は、照射された太陽光 もしくは電磁波を吸収して励起する。励起に よって発生した電子は半導体に移動し、次い で導電性基材1を経由して対向電極5に移動し 、電荷移動層4のレドックス電解質を還元す る。

 一方、半導体に電子を移動させた色素3は 酸化体となっているが、対向電極5から電荷 動層4のレドックス電解質を経由して電子が 給されることにより、還元されて元の状態 戻り、同時に電荷移動層4のヨウ素レドック ス(本発明の場合は、本発明に係るラジカル 合物)は酸化されて、再び対向電極5から供給 される電子により還元されうる状態に戻る。 このようにして電子が流れ、本発明の色素増 感型太陽電池を構成することができる。

 《金属酸化物半導体層》
 本発明に係る金属酸化物半導体層について 明する。

 本発明に係る金属酸化物半導体層を構成 る金属酸化物としては、半導体に吸着した 素で光照射により発生した電子を受け取り これを導電性基材へ伝達する半導体なら特 限定はなく、公知の色素増感型太陽電池に 用される種々の金属酸化物を使用すること できる。

 具体的には、酸化チタン、酸化ジルコニ ム、酸化亜鉛、酸化バナジウム、酸化ニオ 、酸化タンタル、酸化タングステン等の各 金属酸化物半導体、チタン酸ストロンチウ 、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシ ム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム タンタル酸ストロンチウム等の各種複合金 酸化物半導体、酸化マグネシウム、酸化ス ロンチウム、酸化アルミニウム、酸化コバ ト、酸化ニッケル、酸化マンガン等の遷移 属酸化物、酸化セリウム、酸化ガドリニウ 、酸化サマリウム、酸化イッテルビウム等 ランタノイドの酸化物等の金属酸化物、シ カに代表される天然または合成の珪酸化合 等の無機絶縁体などを挙げることができる

 また、これらの材料を組み合わせて使用 ることもできる。更に金属酸化物粒子をコ シェル構造としたり、異なる金属元素をド ピングしたりしてもよく、任意の構造、組 の金属酸化物を適用することが可能である

 金属酸化物粒子の平均粒子径は10nm以上300 nm以下であることが好ましく、10nm以上100nm以 であることが更に好ましい。また、金属酸 物の形状も特に限定はなく、球状、針状ま は不定形結晶であってもよい。

 金属酸化物粒子の形成方法としては特に 定はなく、水熱反応法、ゾルゲル法/ゲルゾ ル法、コロイド化学合成法、塗布熱分解法、 噴霧熱分解法等の各種液相法、及び化学気相 析出法等の各種気相法を用いて形成すること ができる。

 次に、本発明に係る金属酸化物半導体層 作製方法を説明する。

 本発明の色素増感型太陽電池の金属酸化 半導体層の作製方法としては、公知の方法 適用することが可能であり、(1)金属酸化物 微粒子またはその前駆体を含有する懸濁液 導電性基材上に塗布し、乾燥及び焼成を行 て半導体層を形成する方法、(2)コロイド溶 中に導電性基材を浸漬して、電気泳動によ 金属酸化物半導体微粒子を導電性基材上に 着させる泳動電着法、(3)コロイド溶液や分 液に発泡剤を混合して塗布した後、焼結し 多孔質化する方法、(4)ポリマーマイクロビ ズを混合して塗布した後、このポリマーマ クロビーズを加熱処理や化学処理により除 して、空隙を形成させ多孔質化する方法等 適用することができる。

 上記の作製方法の中で特に塗布方法とし は、公知の方法を適用することが可能で、 クリーン印刷法、インクジェット法、ロー コート法、ドクターブレード法、スピンコ ト法、スプレー塗布法等を挙げることがで る。

 特に上記(1)の方法の場合、懸濁液中の金 酸化物微粒子の粒子径は微細であることが ましく、一次粒子として存在していること 好ましい。金属酸化物微粒子を含有する懸 液は、金属酸化物微粒子を溶媒中に分散さ ることによって調製され、溶媒としては、 属酸化物微粒子を分散し得るものであれば に制限はなく、水、有機溶媒、水と有機溶 との混合液が包含される。有機溶媒として 、メタノールやエタノール等のアルコール メチルエチルケトン、アセトン、アセチル セトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキ ン等の炭化水素等が用いられる。懸濁液中 は、必要に応じて界面活性剤や粘度調節剤( ポリエチレングリコール等の多価アルコール 等)を加えることができる。溶媒中の金属酸 物微粒子の濃度の範囲は0.1~70質量%が好まし 、0.1~30質量%が更に好ましい。

 上記のようにして得られた金属酸化物の ア微粒子を含有する懸濁液を導電性基材上 塗布し、乾燥等を行った後、空気中または 活性ガス中で焼成して、導電性基材上に金 酸化物半導体層が形成される。導電性基材 に懸濁液を塗布、乾燥して得られる半導体 は金属酸化物微粒子の集合体からなるもの 、その微粒子の粒子径は使用した金属酸化 微粒子の一次粒子径に対応するものである

 導電性基材上に形成された金属酸化物半 体層は、導電性基材との結合力や微粒子相 の結合力が弱く、機械的強度の弱いもので ることから、この金属酸化物微粒子集合体 を焼成処理して機械的強度を高め、基板に く固着した焼成物膜とすることが好ましい

 本発明においては、この金属酸化物半導 層はどのような構造を有していてもよいが 多孔質構造膜(空隙を有する、ポーラスな層 とも言う)であることが好ましい。ここで、 属酸化物半導体層の空隙率は0.1~20体積%であ ことが好ましく、5~20体積%であることが更 好ましい。なお、金属酸化物半導体層の空 率は誘電体の厚み方向に貫通性のある空隙 を意味し、水銀ポロシメーター(島津ポアラ ザー9220型)等の市販の装置を用いて測定す ことができる。金属酸化物半導体層の厚さ 少なくとも10nm以上であることが好ましく、1 00~10000nmであることが更に好ましい。

 焼成処理時、半導体層の実表面積を適切 調整し、上記の空隙率を有する半導体層を る観点から焼成温度は1000℃より低いことが 好ましく、200~800℃の範囲であることが更に ましい。

 本発明に係る金属酸化物半導体層では、 属酸化物中間層上に上述の通り金属酸化物 導体層を形成した後、電子伝導性を向上さ る目的で必要に応じて金属酸化物半導体膜 に金属酸化物による表面処理を施してもよ 。この表面処理の組成は、特に金属酸化物 粒子間の電子伝導性の観点から、金属酸化 半導体層を形成する金属酸化物と同種の組 を使用することが好ましい。

 この表面処理を施す方法としては、導電 基材上に金属酸化物半導体膜を形成した後 表面処理となる金属酸化物の前駆体を該半 体膜に塗布すること、もしくは該半導体膜 前駆体溶液に浸漬し、更に必要に応じて焼 処理を施すことにより、金属酸化物からな 表面処理を行うことができる。

 具体的には、酸化チタンの前駆体である 塩化チタン水溶液またはチタンアルコキシ を用いた電気化学的処理や、チタン酸アル リ金属やチタン酸アルカリ土類金属の前駆 を用いることによって表面処理を行うこと できる。この際の焼成温度や焼成時間は特 制限はなく、任意に制御することができる 、200℃以下であることが好ましい。

 《導電性基材》
 本発明で用いられる導電性基材としては、 素増感型太陽電池の導電性基材側を受光面 する場合には、導電性基材は実質的に透明 あることが好ましい。実質的に透明である は光の透過率が10%以上であることを意味し 50%以上であることが好ましく、80%以上であ ことが特に好ましい。

 導電性基材としては、それ自体が導電性 有する基材、またはその表面に導電層を有 る基材を利用することができる。後者の場 、基材としてはガラス板や、酸化チタンや ルミナ等のセラミックの研磨板、更に公知 種々のプラスチックシートを使用すること 可能であるが、コスト面や可撓性を考慮す とプラスチックシートを使用することが好 しい。

 プラスチックシートとしては、具体的に 、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチ ンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタ レート(PEN)、ポリフェニレンスルファイド(PPS )、シンジオタクチックポリステレン(SPS)、ポ リカーボネート(PC)、ポリアリレート(PA)、ポ エーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSF)、ポ リエーテルスルホン(PES)、環状ポリオレフィ 、フェノキシ樹脂、ブロム化フェノキシ等 挙げることができる。

 これらの基材上に設ける導電層に使用す 導電性材料としては、公知の種々の金属や 属酸化物等からなる無機系導電性材料、ポ マー系導電性材料、無機有機複合型の導電 材料、またはこれらを任意に混合した導電 材料等、あらゆるものを使用することがで る。

 無機系導電性材料として具体的には、白金 金、銀、銅、亜鉛、チタン、アルミニウム ロジウム、インジウム等の金属、導電性カ ボン、更にスズドープ酸化インジウム(ITO) 酸化スズ(SnO 2 )、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンド ープ酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛(ZnO 2 )等の金属酸化物を挙げることができる。

 ポリマー系導電性材料として具体的には 各種置換されていてもされていなくてもよ チオフェン、ピロール、フラン、アニリン を重合させてなる導電性ポリマーやポリア チレン等を挙げることができるが、導電性 高い観点からポリチオフェンが好ましく、 にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)が 好ましい。

 基材上に導電層を形成する方法としては 導電性材料に応じた公知の適切な方法を用 ることが可能で、例えば、ITO等の金属酸化 からなる導電層を形成する場合、スパッタ 、CVD法、SPD法(スプレー熱分解堆積法)、蒸 法等の薄膜形成法が挙げられる。また、ポ マー系導電性材料からなる導電層を形成す 場合は、公知の様々な塗布法により形成す ことが好ましい。

 導電層の膜厚は0.01~10μm程度が好ましく、0.0 5~5μm程度が更に好ましい。導電性基材として は表面抵抗が低いほどよく、具体的には50ω/c m 2 以下であることが好ましく、10ω/cm 2 以下であることが更に好ましい。

 また、導電性基材の集電効率を向上し更 導電性を上げるために、光透過率を著しく なわない範囲の面積率で、金、銀、銅、白 、アルミニウム、ニッケル、インジウム、 タン、タングステン等からなる金属配線層 前記導電層と併用してもよい。金属配線層 用いる場合、格子状、縞状、櫛状等のパタ ンとして、光が導電性基材を均一に透過す ように配設するとよい。金属配線層を併用 る場合、基材に蒸着、スパッタリング等で 置し、その上に前記導電層を設けるのが好 しい。

 《短絡防止層》
 本発明の色素増感太陽電池においては、前 した導電層と金属酸化物半導体電極との間 短絡防止層を設けることができる。これに り、電解質と金属酸化物半導体の短絡電流 低減することができる。特に電解質として 体のp型半導体を用いる場合は、この層を有 することが好ましい。

 短絡防止層としては、可視光を透過する 縁性物質で、伝導帯のエネルギー準位が金 酸化物半導体のそれに近い値を有するn型半 導体であれば特に制限はない。例えば、酸化 ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウ ム、炭酸カルシウム、ポリビニルアルコール 、ポリウレタン等が挙げられる。また、一般 的に光電変換材料に用いられるものでもよく 、例えば、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タ ングステン等が挙げられる。

 短絡防止層の形成方法としては、透明導 層の場合と同様に真空成膜プロセスや、液 コーティング法等により作製することがで る。真空成膜プロセスを用いる場合、透明 電層、短絡防止層、金属酸化物膜は、大気 放することなく真空下でインライン成膜が 能である。

 短絡防止層の膜厚は0.001~0.02μmが好ましい が、適宜調整することができる。

 《色素》
 本発明において、前述の図1に示した多孔質 n型半導体電極2の表面に吸着させる色素とし は、種々の可視光領域及び/または赤外光領 域に吸収を有し、金属酸化物半導体の伝導帯 より高い最低空準位を有する色素が好ましく 、公知の様々な色素を使用することができる 。

 例えば、アゾ系色素、キノン系色素、キ ンイミン系色素、キナクリドン系色素、ス アリリウム系色素、シアニン系色素、シア ジン系色素、メロシアニン系色素、トリフ ニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポ フィリン系色素、ペリレン系色素、インジ 系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロ アニン系色素、ローダミン系色素等が挙げ れる。

 なお、金属錯体色素も好ましく使用され その場合においては、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ir、Pd、Os、Ga、T b、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、A c、Tc、Te、Rh等の種々の金属を用いることが きる。

 上記の中で、シアニン色素、メロシアニ 色素、スクワリリウム色素等のポリメチン 素は好ましい態様の1つであり、具体的には 、特開平11-35836号、同11-67285号、同11-86916号、 同11-97725号、同11-158395号、同11-163378号、同11-2 14730号、同11-214731号、同11-238905号、特開2004-20 7224号、同2004-319202号の各公報、欧州特許第892 ,411号及び同911,841号等の各明細書に記載の色 を挙げることができる。

 更に金属錯体色素も好ましい態様の1つで あり、金属フタロシアニン色素、金属ポルフ ィリン色素またはルテニウム錯体色素が好ま しく、ルテニウム錯体色素がより好ましい。 ルテニウム錯体色素としては、例えば、米国 特許第4,927,721号、同4,684,537号、同5,084,365号、 同5,350,644号、同5,463,057号、同5,525,440号の各明 細書、特開平7-249790号、特表平10-504512号の各 報、国際公開第98/50393号パンフレット、特 2000-26487号、同2001-223037号、同2001-226607号、特 許第3430254号の各公報に記載の錯体色素を挙 ることができる。

 本発明に係る上記化合物は、例えば、エ ・エム・ハーマ著「シアニン・ダイズ・ア ド・リレーテッド・コンパウンズ」(1964,イ ター・サイエンス・パブリッシャーズ発刊) 、米国特許第2,454,629号、同2,493,748号の各明細 書、特開平6-301136号、同2003-203684号の各公報 に記載された方法を参考にして合成するこ ができる。

 これらの色素は吸光係数が大きく、且つ り返しの酸化還元に対して安定であること 好ましい。また、上記色素は金属酸化物半 体上に化学的に吸着することが好ましく、 ルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、 ミド基、アミノ基、カルボニル基、ホスフ ン基等の官能基を有することが好ましい。

 また、光電変換の波長域をできるだけ広 し、且つ変換効率を上げるため、2種類以上 の色素を併用または混合することもできる。 この場合、目的とする光源の波長域と強度分 布に合わせるように併用または混合する色素 とその割合を選ぶことができる。

 本発明において、金属酸化物半導体層に 素を吸着させる方法としては特に限定され 、公知の方法が用いることができる。例え 、色素を有機溶媒に溶解して色素溶液を調 し、得られた色素溶液に透明導電膜上の半 体層を浸漬する方法、または得られた色素 液を半導体層表面に塗布する方法等が挙げ れる。

 前者においては、ディップ法、ローラ法 エヤーナイフ法等が適用でき、後者におい は、ワイヤーバー法、アプリケーション法 スピン法、スプレー法、オフセット印刷法 スクリーン印刷法等が適用できる。なお、 素の吸着に先立って半導体層の表面を予め 圧処理や加熱処理等処理を施し、表面を活 化し膜中の気泡を除去する工程を有しても い。

 半導体層への増感効果を好ましく得る観 から、半導体膜を色素の溶液に浸漬する時 は3~48時間が好ましく、更に好ましくは4~24 間である。

 また、浸漬にあたり色素溶液は色素が分 しない限りにおいて、沸騰しない温度にま 加熱して用いてもよい。好ましい温度範囲 10~50℃、特に好ましくは15~35℃であるが、前 記の通り溶媒が前記温度範囲で沸騰する場合 はこの限りでない。

 また、半導体膜を浸漬した色素溶液に超 波照射を行うこともできる。超音波照射は 販の装置を用いることができ、また照射時 としては好ましくは30分~4時間であり、更に 好ましくは1~3時間である。

 色素溶液に用いる溶媒は色素を溶解する のであればよく、従来公知の溶媒を用いる とができる。また、当該溶媒は常法に従っ 精製された溶媒、また溶媒の使用に先立っ 、必要に応じて蒸留及び/または乾燥を行い 、より純度の高い溶媒であることが好ましく 、例えば、メタノール、エタノール、ブタノ ール、1種またはそれ以上の疎水性溶媒、非 ロトン性溶媒、疎水性、且つ非プロトン性 溶媒またはそれらの混合物が挙げられる。

 ここで、疎水性溶媒としては、例えば、 化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等 ハロゲン化脂肪族炭化水素;ヘキサン、シク ロヘキサン等の炭化水素;ベンゼン、トルエ 、キシレン等の芳香族炭化水素;クロロベン ン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香 炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香 酸エチル等のエステル類等、並びにそれらの 組み合わせた混合溶媒等が挙げられる。

 非プロトン性溶媒としては、例えば、ア トン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジ エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、 ジメトキシエタン等のエーテル類;アセトニ リル、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチ リン酸トリアミド等の窒素化合物類;二硫化 素、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物 ;ヘキサメチルホスホルアミド等のリン化合 物類、並びにそれらの組み合わせが挙げられ る。

 好ましく用いられる溶媒はメタノール、 タノール、n-プロパノール、ブタノール等 アルコール系溶媒、アセトン、メチルエチ ケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテ 、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロ ラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、 化メチレン、1,1,2-トリクロロエタン等のハ ゲン化炭化水素溶媒であり、特に好ましく メタノール、エタノール、アセトン、メチ エチルケトン、テトラヒドロフラン、塩化 チレンである。

 色素溶液中の色素の濃度は、使用する色素 溶媒の種類、色素吸着工程により適宜調整 ることができ、例えば、1×10 -5 モル/L以上、好ましくは5×10 -5 ~1×10 -2 モル/L程度が挙げられる。

 なお、色素の吸着量が少ないと増感効果 不十分になり、逆に吸着量が多いと酸化物 導体に吸着していない色素が浮遊して、こ が増感効果を減じ、光電変換効率の低下を たらす原因となるので好ましくない。上記 ことから、未吸着の色素を洗浄により速や に除去するのが好ましい。

 洗浄溶媒としては、色素の溶解性が比較 低く、且つ比較的乾燥しやすいアセトン等 溶媒が好ましい。また、洗浄は加熱状態で うのが好ましい。また、洗浄により余分な 素を除去した後、色素の吸着状態をより安 にするために酸化物半導体微粒子の表面を 機塩基性化合物で処理して、未反応色素の 去を促進させてもよい。有機塩基性化合物 しては、ピリジン、キノリン等の誘導体が げられる。これら化合物が液体の場合には のまま用いてもよいが、固体の場合には溶 、好ましくは色素溶液と同一の溶媒に溶解 て用いてもよい。

 色素を2種以上用いる場合は、混合する色 素の比率は特に限定はなく、それぞれの色素 より最適化し選択されるが、一般的に等モル ずつの混合から1つの色素につき10%モル程度 上使用するのが好ましい。

 色素を2種以上併用する場合の具体的方法 としては、混合溶解して吸着させても、色素 を半導体層に順次吸着させてもよい。併用す る色素を混合し溶解した溶液を用いて酸化物 半導体層に色素を吸着する場合、溶液中の色 素合計の濃度は1種類のみ担持する場合と同 でよい。色素を混合して使用する場合の溶 としては、前記したような溶媒が使用可能 ある。併用する色素それぞれについて溶液 調製し半導体層に吸着させる場合も、溶媒 しては前記したような溶媒が使用可能であ 、使用する各色素用の溶媒は同一でも異な ていてもよい。

 各色素について別々の溶液を調製し、各 液に順に浸漬して作製する場合は、半導体 に色素を吸着させる順序がどのようであっ も本発明の効果を得ることができる。また 各色素を単独で吸着させた半導体微粒子を 合することで作製してもよい。

 酸化物半導体微粒子の薄膜に色素を担持 る際、色素同士の会合を防ぐために包摂化 物の共存下、色素を担持することが効果的 ある。ここで包摂化合物としては、コール 等のステロイド系化合物、クラウンエーテ 、シクロデキストリン、カリックスアレン ポリエチレンオキサイド等が挙げられるが 好ましいものとしてはデオキシコール酸、 ヒドロデオキシコール酸、ケノデオキシコ ル酸、コール酸メチルエステル、コール酸 トリウム等のコール酸類、ポリエチレンオ サイド等が挙げられる。

 また、色素を担持させた後、4-t-ブチルピ リジン等のアミン化合物で半導体層表面を処 理してもよい。処理の方法は、例えば、アミ ンのエタノール溶液に色素を担持した半導体 微粒子薄膜の設けられた基板を浸す方法等が 採られる。

 《対向電極》
 本発明の色素増感型太陽電池を構成する対 電極は、前述した導電性基材と同様にそれ 体が導電性を有する基材の単層構造、また その表面に対極導電層を有する基材を利用 ることができる。後者の場合、対極導電層 用いる導電性材料、基材、更にその製造方 としては、前述した導電性基材1の場合と同 様で、公知の種々の材料及び方法を適用する ことができる。

 その中でも、I 3 - イオン等の酸化や他のレドックスイオンの還 元反応を十分な速さで行わせる触媒能を持っ たものを使用することが好ましく、具体的に は白金電極、導電材料表面に白金メッキや白 金蒸着を施したもの、ロジウム金属、ルテニ ウム金属、酸化ルテニウム、カーボン等が挙 げられる。

 また、前述と同様にコスト面や可撓性を 慮するとプラスチックシートを基材として 用し、導電性材料としてポリマー系材料を 布して使用することも好ましい態様の1つで ある。

 対極導電層の厚さは特に制限されないが 3nm~10μmが好ましい。対極導電層が金属であ 場合は、その厚さは好ましくは5μm以下であ り、更に好ましくは10nm~3μmの範囲である。対 向電極の表面抵抗は低い程よく、具体的には 表面抵抗の範囲としては50ω/□以下であるこ が好ましく、20ω/□以下であることがより ましく、10ω/□以下であることが更に好まし い。

 前述した導電性基材と対向電極のいずれ 一方、または両方から光を受光してよいの 、導電性基材と対向電極の少なくとも一方 実質的に透明であればよい。発電効率の向 の観点からは、導電性基材を透明にして光 導電性基材側から入射させるのが好ましい この場合、対向電極は光を反射する性質を するのが好ましい。このような対向電極と ては、金属または導電性の酸化物を蒸着し ガラスまたはプラスチック、あるいは金属 膜を使用できる。

 対向電極は、前述した電荷移動層上に直 導電性材料を塗布、メッキまたは蒸着(例え ば、PVD、CVD)するか、対極導電層を有する基 の導電層側または導電性基材単層を貼り付 ればよい。また、導電性基材の場合と同様 特に対向電極が透明の場合には、金属配線 を併用することも好ましい態様の1つである

 対極としては導電性を持っており、レド クス電解質の還元反応を触媒的に作用する のが好ましい。例えば、ガラス、もしくは 分子フィルムに白金、カーボン、ロジウム ルテニウム等を蒸着する方法、導電性微粒 を塗り付ける方法等を適用することができ 。

 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に 明するが、本発明はこれらに限定されるも ではない。

 実施例1
 《電解質L-01の調製》
 アセトニトリルを溶媒として、ヨウ化リチ ム、ヨウ素、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダ ゾリウムアイオダイド、t-ブチルピリジンと 、それぞれの濃度が0.1モル/L、0.05モル/L、0. 6モル/L、0.5モル/Lとなるように溶解したヨウ レドックスの電解質L-01を調製した。

 《色素増感型太陽電池SC-101の作製》
 透明導電性基材となる表面抵抗10ω/□のFTO ラス基板のFTO面に、TiO 2 ペースト(Solaronix製Ti-NanoxideT)をドライ膜厚10μ mとなるように室温で乾燥後、更に450℃で30分 間の焼結処理を行って、多孔性の金属酸化物 半導体層を形成した。

 次いで、アセトニトリル:t-ブタノール=1:1 溶液200質量部中に、Ru錯体色素N719を0.1質量部 溶解した色素溶液を調製し、上記金属酸化物 半導体層を基板ごと24時間浸漬した後、アセ ニトリル:t-ブタノール=1:1溶液で洗浄、乾燥 して、金属酸化物半導体層に色素を吸着させ た多孔質n型半導体電極を作製した。

 カソード電極としてITOガラス基材上に白 を真空蒸着し、電解質を注入するための穴 設けた。前記ガラス基板と前記カソード電 とを6.5mm角の穴を開けた25μm厚のシート状ス ペーサー兼封止材(Solaronix製、SX-1170-25)を用い て向き合うように張り合わせ、カソード電極 に設けた電解質注入穴から、電解質L-01を電 移動層として注入し、ホットボンドで穴を ぎ、上から前記封止材を用いてカバーガラ を貼り付け封止した。

 前記ガラス基板の受光面側に反射防止フ ルム(コニカミノルタオプト製ハードコート /反射防止タイプセルロース系フィルム)を張 合わせ、色素増感型太陽電池SC-101を作製し 。

 《電解質L-02の調製》
 アセトニトリルを溶媒として、臭化リチウ 、臭素、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリ ウムブロマイド、t-ブチルピリジンとを、そ ぞれの濃度が0.1モル/L、0.05モル/L、0.6モル/L 、0.5モル/Lとなるように溶解したヨウ素レド クスの電解質L-02を調製した。

 《電解質L-03の調製》
 アセトニトリル:t-ブタノール=1:1溶液中にTEM POを20質量%になるように溶解し、電解質L-03を 得た。

 《電解質L-04の調製》
 アセトニトリル:t-ブタノール=1:1溶液中に例 示化合物(RA-1)を20質量%になるように溶解し、 電解質L-04を得た。

 《電解質L-05の調製》
 3-メトキシプロピオニトリル中に例示化合 (RA-1)を20質量%になるように溶解し、電解質L- 05を得た。

 《電解質L-06の調製》
 3-メトキシプロピオニトリル中に例示化合 (RB-1)を20質量%になるように溶解し、電解質L- 06を得た。

 《電解質L-07の調製》
 3-メトキシプロピオニトリル中に例示化合 (RE-2)を20質量%になるように溶解し、電解質L- 07を得た。

 《電解質L-08の調製》
 3-メトキシプロピオニトリル中に例示化合 (RE-3)を20質量%になるように溶解し、電解質L- 08を得た。

 《電解質L-09の調製》
 プロピレンカーボネート中に例示化合物(RA- 1)を20質量%になるように溶解し、電解質L-09を 得た。

 《電解質L-10の調製》
 γ-ブチロラクトン中に例示化合物(RA-1)を20 量%になるように溶解し、電解質L-10を得た。

 《色素増感型太陽電池SC-102~110の作製》
 色素増感型太陽電池SC-101の作製において、 1に記載のように電解質と色素を変更した以 外は色素増感型太陽電池SC-101の作製と同様に 行い、色素増感型太陽電池SC-102~110を作製し 。

 《色素増感型太陽電池SC-111の作製》
 色素増感型太陽電池SC-101の作製において、 セトニトリル:t-ブタノール=1:1溶液200質量部 中に、Ru錯体色素N719を0.1質量部溶解した色素 溶液を用いる代わりに、アセトニトリル:t-ブ タノール=1:1溶液200質量部中に、有機色素D149 0.1質量部溶解した色素溶液を用いた以外は 同様にして色素増感型太陽電池SC-111を作製 た。

 《色素増感型太陽電池の光電変換特性評価
 上記で得られた色素増感型太陽電池SC-101~111 の各々に、ソーラーシミュレーター(JASCO(日 分光)製、低エネルギー分光感度測定装置CEP- 25)により100mW/m 2 の強度の光を照射した時の開放電圧Voc(V)を求 めて、表1に示した。値は、同じ構成及び作 方法の太陽電池3つずつ作製して評価した値 平均値とした。

 《色素増感型太陽電池の耐久性評価》
 上記で得られた色素増感型太陽電池SC-101~111 の各々を85℃、300時間保存して、開放電圧低 率(%)の耐久性評価を行った。

 表1から分かるように、本発明の電解質を 用いて作製した色素増感太陽電池SC-103~111で 、比較の色素増感型太陽電池SC-101、102に比 、開放電圧が改善され、更に耐久性評価に ける安定性が向上していることが分かる。 に、本発明のアザアダマンタンN-オキシル誘 導体、あるいはアザビシクロN-オキシル誘導 を用いた色素増感太陽電池SC-104~111が良好で あることが分かる。

 1 導電性基材
 11 基板
 12 導電層
 2 多孔質n型半導体電極
 3 色素
 4 電荷移動層
 5 対向電極
 51 基板
 52 対極導電層