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Title:
EASY-OPEN CAN COVER, METHOD FOR MANUFACTURING THE CAN COVER, BEVERAGE PRODUCT FILLED IN A CAN CONTAINER USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/005050
Kind Code:
A1
Abstract:
Intended is to provide an easy-open can cover, which is improved in a finger hooking property without deteriorating its stacking property, and a method for mass-producing the easy-open can cover conveniently. The easy-open can cover (1) is characterized in that an inclined face (23) is so formed in the direction from the center of a panel (3) to the tab tail (15) of a ring tab (7) as may be the deepest in the center of the panel (3), in that the lower face of the ring tab (7) abuts against or approaches along the inclined face (23), and in that the ring tab (7) has a dent (S) formed by a press-down treatment so that it is bent by the dent (S). The method for manufacturing the easy-open can cover (1) is characterized by having the step of pressing down a portion of the outer lance of the ring tab (7), after or simultaneously with the step of fixing the ring tab (7) on the panel (3).

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Inventors:
NISHIBE TADASHI (JP)
OKADA TAKAHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/061887
Publication Date:
January 08, 2009
Filing Date:
July 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KIRIN BREWERY (JP)
NISHIBE TADASHI (JP)
OKADA TAKAHIKO (JP)
International Classes:
B65D17/32; B21D51/44
Foreign References:
JP2002172445A2002-06-18
JPS56166231U1981-12-09
JP2002362553A2002-12-18
JP2002514993A2002-05-21
US7168586B22007-01-30
Attorney, Agent or Firm:
IMASHITA, Katsuhiro et al. (Setoguchi Bldg. 3rd fl. 12-5, Nishi-Shimbashi 2-chome, Minato-k, Tokyo 03, JP)
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Claims:
 パネルの上面に飲み口形状に刻設したスコアと、該スコアによって囲まれた開口片と、前記パネルの上面中央にリベットを介して固着されたリングタブを備え、該リングタブのノーズ部によって前記スコアを断裂しつつ、前記開口片を押し下げて開缶するイージーオープン缶蓋において、
 前記パネルの中央から前記リングタブのタブテールの方向に対して、前記パネルの中央が最凹部となるように傾斜面が形成され、前記リングタブの下面が前記傾斜面に当接若しくは沿って近接されており、前記リングタブはアウターランスに、上方からの押しつぶし加工によって形成された窪みを有し、該窪みによってリングタブが折り曲げられていることを特徴とするイージーオープン缶蓋。
 前記窪みを設けるアウターランスの範囲は、前記リベットから前記タブテールに向かう方向に対して直交するように前記リベットの外周に引いた2接線によって挟まれた範囲であることを特徴とする請求項1に記載のイージーオープン缶蓋。
 前記傾斜面と水平面とがなす角度が、1~3°であることを特徴とする請求項1又は2に記載のイージーオープン缶蓋。
 前記パネルの中央の最凹部の凹み量が0.1~0.5mmであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のイージーオープン缶蓋。
 パネルの上面に飲み口形状にスコアを刻設する工程と、前記パネルの上面にリングタブをパネルの中央のリベットを介して固着する工程とを有するイージーオープン缶蓋の製造方法において、
前記リングタブを前記パネルに固着する工程の後又は固着する工程と同時に、前記リングタブのアウターランスの一部に、上方から押しつぶし加工を施す工程を有することを特徴とするイージーオープン缶蓋の製造方法。
 前記押しつぶし加工を施す工程は、前記パネルの中央を押し下げることによって、前記パネルの中央から前記リングタブのタブテールの方向に対して、前記パネルの中央が最凹部となるように傾斜面を形成するとともに、前記リングタブのアウターランスの一部に窪みを形成し、該窪みによって前記リングタブが折り曲げられて、前記リングタブの下面が前記傾斜面に当接若しくは沿って近接するように、前記リングタブを加工することを特徴とする請求項5に記載のイージーオープン缶蓋の製造方法。
 請求項1、2,3又は4に記載のイージーオープン缶蓋で密封された缶容器に充填されていることを特徴とする飲料製品。
Description:
イージーオープン缶蓋及びその 蓋の製造方法並びにそれを用いた缶容器に 填されている飲料製品

 本発明は、缶容器を密閉するためのイー ーオープン機構を備えた缶蓋に関し、更に しくは、飲料用の缶容器のために好適な缶 及び缶蓋の製造方法並びにそれを用いた飲 製品に関する。

 飲料缶に代表される液体状の内容物を充 する缶容器には、イージーオープン機構と て開缶容易なリングタブを備えた缶蓋が多 用いられている。このリングタブを備えた ージーオープン缶蓋の一例を図1に正面図、 図2に縦断面図として示す。缶蓋1には、リン タブ7がリベット5によって取り付けられて る。このリングタブ7のタブテール15に指を けて引き上げることによって、リベット5の 傍が折れ曲がって支点となり、リングタブ7 のノーズ部13の先端が作用点となって、パネ 3の表面のスコア17(缶蓋開裂誘導のための切 り欠き線)に囲まれた部分であるスコアパネ 19を押し下げる。この結果、パネル3の表面 スコア17の形状に沿って開裂し、スコアパネ ル19は缶蓋1と離れることなく缶内部に押し入 れられて開缶する。このとき、飲み口が開口 することから、「開缶」を「開口」と呼ぶこ ともある。

 このようなイージーオープン缶蓋は、開 動作の開始時において、パネル3とリングタ ブ7のタブテール15の隙間に指を差し込んでリ ングタブ7を引き上げる操作が必要である。 の開缶動作の開始時において、スコア17を最 初に断裂するためにリングタブ7の引き上げ 大きな力を要するため、リングタブ7への指 掛かり易さ(以下、「指掛かり性」ともいう 。)を改善することが開缶性の向上のために 要となっている。指掛かり性を改善するた に、従来から図1及び図2に示すように、リン グタブ7のタブテール15の近傍のパネル3にフ ンガーデポス21と呼ばれる凹部を設けて、指 をタブテール15の下側に回り込ませることが きるようにする技術が公知となっている。 かしパネル3の表面のスペースの制約や缶蓋 の強度維持の面からフィンガーデポス21を指 サイズに合わせて十分に大きく形成できな ため、指掛かり性の改善は不十分であった そこで指掛かり性を向上するために以下の 法が提案されている。

 リングタブ7のタブテール15とパネル3の隙 間を拡げて指を掛かりやすくするために、タ ブテール15をパネル3より必要な量だけ浮き上 がらせる方法として、リングタブ7の下面に するパネル3の上面に突起を設ける方法やリ グタブ7をあらかじめ折り曲げておく方法が 開示されている(例えば、特許文献1を参照。) 。また、開缶動作の開始時に小さい力でリン グタブ7が所定量折れ曲がってタブテール15が 持ち上がるように、リングタブ7のアウター ンス11(リングタブのU字状切り込み部9の外側 部)にあらかじめ強度が弱い部分を設けるこ によって指を掛かりやすくする方法も開示 れている(例えば、特許文献2を参照。)。

実公平8-6746号公報

実開平3-111939号公報

 しかし指掛かりが十分に容易な隙間を確 するためリングタブのタブテールをパネル3 より大きく浮き上がらせると、缶蓋の製造工 程や缶容器への巻き締め工程において缶蓋を 重ねて搬送したり保管したりする際に、浮き 上がったタブテールが上側に重ねられた缶蓋 のパネルの裏面(缶の内面側)を接触し、缶蓋 士が互いに干渉することによってパネルの 面の塗装被膜を傷つけたり、缶蓋同士の重 りに隙間ができてスタック性が悪くなり搬 不良となる等の問題があり、指掛かり性を 分に改善することは困難である(以下、缶蓋 を積み重ねた際に、缶蓋のリングタブが上側 の缶蓋に接触せず安定して積み重ねられる特 性を「缶蓋の積み重ね性」ともいう。)。一 、リングタブが開缶時に折り曲がるように る指掛かり性の改善方法は、リングタブが 定の量だけ折り曲がるようにする加工が困 であり、またリングタブに必要な強度の確 することも困難である。

 そこで本発明は、イージーオープン缶蓋 おけるリングタブの指掛かり性の改善に関 る上記の問題を解決することを目的とする 具体的には、缶蓋の積み重ね性を損なわず リングタブの強度も維持しながら、缶蓋を き締めた後の缶容器として使用する際には リングタブのタブテールが缶蓋より十分に き上がることによって指掛かり性が改善さ るイージーオープン缶蓋を提供することを 的とする。さらに、本イージーオープン缶 の簡便で量産可能な製造方法を提供するこ を目的とする。また本イージーオープン缶 によって密封した缶容器を使用する開缶し すい飲料製品を提供することも目的とする

 図2に示すような従来の一般的なイージー オープン缶蓋1は、パネル3がほぼ水平に成形 れており、リベット5によって固着されたリ ングタブ7も平板上であることから、タブテ ル15はパネル3と当接若しくはパネル3に沿う うに近接している。従ってタブテール15と ネル3との隙間は極めて小さく、フィンガー ポス21を設けていても、ときには指の爪先 使用しなければならないほどタブテール15に 指を掛けることは困難である。発明者らは、 缶蓋を巻き締め後の缶容器内部が陽圧となる ような内容物を充填した缶容器(以下、「陽 缶」という。)では、図3に示すようにパネル 3が凸状に膨らむため、リングタブ7のリベッ 5とともに持ち上がり、タブテール15とパネ 3との隙間Xが拡がることに着目した。しか ビール、炭酸飲料等、一般に缶内が陽圧と る飲料の開缶時における通常の陽圧レベル は従来の缶蓋1のパネル3の膨らみは小さく、 タブテール15とパネル3との隙間の拡大は指掛 かり性を改善するには不十分であった。

 そこで本発明者らは鋭意開発を進めた結 、缶蓋のパネルの中央を凹ませてパネルに 斜を与え、さらにリングタブを上方からの しつぶし加工によって折り曲げた形状とし パネルの傾斜面に沿わせた缶蓋の構成にす と、缶蓋の積み重ね性に影響を与えること なく、缶蓋を巻き締めた後の缶容器として 用する際には缶容器の内容液の圧力によっ 缶蓋のパネルが凸状に上方に膨らみ、折り げられたリングタブがリベットとともに上 に持ち上がることによって、タブテールと ネルの間の間隔が従来よりも広くなること 見出し、本発明を完成させた。

 すなわち本発明に係るイージーオープン 蓋では、パネルの上面に飲み口形状に刻設 たスコアと、該スコアによって囲まれた開 片と、前記パネルの上面中央にリベットを して固着されたリングタブを備え、該リン タブのノーズ部によって前記スコアを断裂 つつ、前記開口片を押し下げて開缶するイ ジーオープン缶蓋において、前記パネルの 央から前記リングタブのタブテールの方向 対して、前記パネルの中央が最凹部となる うに傾斜面が形成され、前記リングタブの 面が前記傾斜面に当接若しくは沿って近接 れており、前記リングタブはアウターラン に、上方からの押しつぶし加工によって形 された窪みを有し、該窪みによってリング ブが折り曲げられていることを特徴とする

 本発明に係るイージーオープン缶蓋では 前記窪みを設けるアウターランスの範囲は 前記リベットからタブテールに向かう方向 対して直交するように前記リベットの外周 引いた2接線によって挟まれた範囲であるこ とが好ましい。窪みをアウターランスのこの 範囲に設けると窪みがパネルの傾斜面の中央 とほぼ一致するため、リングタブの折れ曲が りとパネルの傾斜面の位置がほぼ一致して、 リングタブをパネルに沿わせやすい。

 本発明に係るイージーオープン缶蓋では 前記パネルの傾斜面と水平面とがなす角度 1~3°であることが好ましい。この角度の範 であれば缶蓋の積み重ね性に問題が生じる それがなく、缶容器使用時に缶蓋のパネル 凸状に上方に膨らんだ際のタブテールとパ ルの間の隙間も十分広くすることができる

 本発明に係るイージーオープン缶蓋では 前記パネルの中央の最凹部の凹み量が0.1~0.5 mmであることが好ましい。この範囲の凹み量 あれば上記と同様に、缶蓋の積み重ね性に 障を与えるおそれがなく、缶容器使用時に 蓋のパネルが凸状に上方に膨らんだ際のタ テールとパネルの間の隙間も十分広くする とができる。

 本発明に係るイージーオープン缶蓋の製 方法では、パネルの上面に飲み口形状にス アを刻設する工程と、前記パネルの上面に ングタブを前記パネルの中央のリベットを して固着する工程とを有するイージーオー ン缶蓋の製造方法において、前記リングタ を前記パネルに固着する工程の後又は固着 る工程と同時に、前記リングタブのアウタ ランスの一部に、上方から押しつぶし加工 施す工程を有することを特徴とする。

 本発明に係るイージーオープン缶蓋の製 方法では、前記押しつぶし加工を施す工程 、前記パネルの中央を押し下げることによ て、前記パネルの中央から前記リングタブ タブテールの方向に対して、前記パネルの 央が最凹部となるように傾斜面を形成する もに、前記リングタブのアウターランスの 部に窪みを成形し、該窪みによって前記リ グタブが折り曲げられて、前記リングタブ 下面が前記傾斜面に当接若しくは沿って近 するように、前記リングタブを加工するこ が好ましい。一回の押しつぶし加工の工程 よってパネルを押し下げて傾斜を付けると もに、リングタブがパネルの傾斜面に沿っ 折れ曲がるため、本発明に係るイージーオ プン缶蓋の製造を簡便かつ効率よく実施す ことができる。

 本発明に係る飲料製品は、本発明に係る ージーオープン缶蓋で密封された缶容器に 填されていることを特徴とする。

 本発明のイージーオープン缶蓋は、缶蓋 積み重ね性を損なわず、リングタブの強度 維持しながら、缶蓋を巻き締めた後に缶容 として使用する際にはリングタブのタブテ ルが缶蓋より十分に浮き上がることによっ 、リングタブの指掛かり性を大きく改善す ことができる。さらに本発明のイージーオ プン缶蓋の製造方法は、本発明のイージー ープン缶蓋を簡便かつ効率的に量産するこ ができる。また本発明の飲料製品は、本イ ジーオープン缶蓋によって密封した缶容器 使用することによって開缶が容易である。

従来のイージーオープン缶蓋の概略正 図である。 図1におけるA-A’線縦断面図である。 従来のイージーオープン缶蓋を陽圧缶 巻き締めたときの状態を説明するための断 図である。 本発明の一実施形態のイージーオープ 缶蓋を陽圧缶に巻き締めたときの状態を説 するための断面図である。 本発明の一実施形態を示すイージーオ プン缶蓋の概略正面図である。 図5におけるB-B’線縦断面図である。 本発明の一実施形態を示すリングタブ 部分拡大正面図である。 図7におけるC方向から見た側面図であ 。 実施例及び比較例に係るタブテール浮 上がり量と缶内圧の関係を示すグラフであ 。●は実施例を示し、▲は比較例を示す。

符号の説明

1 缶蓋
3 パネル
5 リベット
7 リングタブ
9 U字切り込み部
11 アウターランス
13 ノーズ部
15 タブテール
17 スコア
19 スコアパネル
21 フィンガーデポス
23 傾斜面
S 窪み

 本実施形態に係るイージーオープン缶蓋 作用について説明する。本実施形態に係る ージーオープン缶蓋は図6に示すように、巻 き締める前はタブテール15とパネル3の間の隙 間は小さく、缶蓋の積み重ね性を損なわない 程度である。そして陽圧缶の密封に使用する と、図4に示すようにパネル3が凸状に膨らみ その膨らみの程度は従来のパネル3が傾斜し ていないイージーオープン缶蓋(図3を参照。) と同じである。このとき、リベット5に固着 れたリングタブ7もリベット5とともに持ち上 がり、タブテール15とパネル3との間に隙間が 拡がり間隔Xが形成される。本実施形態に係 リングタブ7は、缶蓋1の巻き締め前の形状で あるパネル3の傾斜面に沿って上方にく字に れ曲がっているため、間隔Xはパネル3の膨ら みの高さに加えてタブテール15の折れ曲がり 高さの合計となる。この結果、本発明に係 缶蓋1ではタブテール15とパネル3の間の間隔 Xを指掛かり性が大きく改善するレベルまで 分に広くすることができる。

 本発明の実施の形態を、図4~図8を参照し がら説明する。以下に説明する実施の形態 本発明の構成の例であり、本発明は、以下 実施の形態に制限されるものではなく、本 明の効果を奏する限り、種々の変形が可能 ある。なお、同一部材・同一部位には、同 符号を付した。

 本実施形態に係るイージーオープン缶蓋 正面図を図5に、縦断面図を図6(図5のB-B’線 上の断面図を示す。)に示す。本実施形態に るイージーオープン缶蓋1では、図1に示した ような液体用の缶容器に用いられるイージー オープン缶蓋とその主たる部品は変わるとこ ろがない。すなわち図5において、パネル3の 面中央にリベット5を介して固着されたリン グタブ7と、パネル3の上面に刻設されたスコ 17と、スコア17に囲まれた開口片19を備え、 ングタブ7のタブテール15に指を掛けてリン タブ7を引き上げると、リングタブ7のノー 部13によって開口片19が押し下げられ、スコ 17が断裂して開缶する構造になっている。 こで本実施形態に係るイージーオープン缶 では、図6に示した断面形状から明らかなよ に、パネル3の中央からリングタブ7のタブ ール15の方向に対して、パネル3の中央のリ ット5部分が最凹部となるように傾斜面23が 成され、リングタブ7の下面が傾斜面23に当 若しくは沿うように近接している。

 パネル3に形成された傾斜面23は、リング ブ7が傾斜面23に沿うことができる範囲にあ ばよく、図6ではパネル3が凹み始める起点 タブテール15近傍のフィンガーデポス21の端 とした形態を示した。なお図6では傾斜面23 浅底の円錐状をした形態を示したが、すり 状にパネルが凹んでいてもよい(不図示)。

 本実施形態のリングタブ7は、パネル3の 斜面23に沿っており、そのためにパネル3の 凹部に対応するリベット5の近傍を起点とし 、パネル3の傾斜角度とほぼ一致した角度で 傾斜して折れ曲がった形状をしている。

 本実施形態のタブテール15とパネル3との の間隔は、0~0.3mmの範囲であることが好まし い。タブテール15の浮き上がりが0.3mmより大 いと、缶蓋を重ねた際にタブテール15が上側 の缶蓋の裏面に接触し、缶蓋の積み重ね性が 損なわれる場合があるためである。

 本実施形態に係るイージーオープン缶蓋1 では、リングタブ7のアウターランス11の一部 に、上方からの押しつぶし加工によって形成 された窪みSを設け、リングタブ7が折り曲げ れている。図7に本実施形態に係るリングタ ブの部分拡大正面図を、図8に側面図(図7のC 向の側面図)を示す。上方からの押しつぶし 工によって窪みSをリングタブ7のアウター ンス11に設けると、アウターランス11は金属 板がカールされて断面が中空筒状をしてい ため、筒上側の側面が圧縮されることによ て窪みSを起点にリングタブ7が上方に折れ がる効果が生じ、リングタブ7を容易に所定 の量だけ折り曲げることができる。さらに しつぶし加工を制御することによって、リ グタブ7をパネル3の傾斜面に沿った角度αに 容易に折り曲げることができ、かつ、リング タブ7の曲げ強度を維持することが容易であ 。

 本実施形態に係る窪みSの形状は、リング タブ7の折り曲げが容易な楔状が好ましく、 の深さは0.05~0.1mmであることが望ましい。窪 の深さが0.05mmより小さいとリングタブ7の折 れ曲がりが不十分な場合があり、0.1mmより大 いと缶蓋の積み重ね性を損なう場合がある

 本実施形態に係る窪みSはアウターランス 11上であって、リベット5からタブテール15に かう方向に対して直交するようにリベット5 の外周に引いた2接線L1,L2によって挟まれた範 囲に設けてあることが好ましい。この範囲の アウターランス11に窪みSを設けると、図8に すようにリングタブ7の折れ曲がりの起点が ネル3の傾斜面23の最凹部(リベット5の箇所 ある。)とほぼ一致するため、リングタブ7の 折れ曲がりをパネル3の傾斜面23に沿わせるこ とが容易である。

 本実施形態に係るイージーオープン缶蓋1 では、パネル3の傾斜面と水平面とがなす角 が1~3°であることが好ましい。この角度が1° より小さいと、その傾斜角度に沿うようにし たリングタブ7の折れ曲がり量も小さくなる め、缶蓋1のパネル3が凸状に上方に膨らんだ 際のタブテール15とパネル3の間の隙間を十分 広くすることができない場合があり、この角 度が3°より大きいと、缶蓋の積み重ね性を損 なう場合がある。

 本実施形態に係るイージーオープン缶蓋 は、パネル3中央の最凹部の凹み量が0.1~0.5mm であることが好ましい。凹み量が0.1mmより小 いと上記と同様に、パネル3が凸状に上方に 膨らんだ際のタブテール15とパネル3の間の隙 間を十分に広くできない場合があり、凹み量 が0.5mmより大きいと缶蓋の積み重ね性を損な 場合がある。

 次に本実施形態に係るイージーオープン 蓋の製造工程について、代表例を説明する 本実施形態に係るイージーオープン缶蓋1の 製造方法は、パネル3に飲み口形状にスコア17 を刻設する工程と、リベット5によってリン タブ7をパネル3の中央に固着する工程とを有 する缶蓋の製造工程において、リングタブ7 パネル3に固着する工程の後、リングタブ7の アウターランス11の一部に、上方から押しつ し加工を施す工程を有する。押しつぶし加 をリングタブ7がパネル3に固着されている 態で行うことにより、リングタブ7の折り曲 角度αをパネル3の傾斜角度に近づけること 容易である。尚、押しつぶし加工を施す工 は、リングタブ7をパネル3に固着する工程 同時に行ってもよい。リベット加工と押し ぶし加工を一回のプレス工程で行うことが きる。

 押しつぶし加工は、リングタブ7のアウタ ーランス11に対してリングタブ7の折り曲げ強 度を損なわない程度の深さの窪みSを形成す ことができれば、どのような方法でもよい 、リングタブ7が上方に折れ曲がる効果をよ 生じさせるために楔状の凹みを形成する加 が望ましい。

 本実施形態に係るイージーオープン缶蓋1 の製造方法では、リングタブ7に押しつぶし 工を施す一工程において、同時にパネル3の 央を押し下げるとともに、リングタブ7のア ウターランス11に窪みSを設けて折り曲げるこ とが好ましい。すなわちリングタブ7のアウ ーランス11を押しつぶす工程によってパネル 3の中央が押し下げられ、リベット5からタブ ール15の方向に対して、パネル3の中央が最 部となるように傾斜面23を形成されるとも 、リングタブ7のアウターランス11の一部に みSが形成されてリングタブが折り曲げられ 。このときリングタブ7の下面が傾斜面23に 接若しくは沿って近接するように、リング ブ7を加工することが好ましい。一回の押し つぶし加工によってパネル3の押し下げとリ グタブ7の折り曲げを同時に行うと、リング ブ7はパネル3の傾斜面23に沿って折れ曲がり 、リングタブ7の折れ曲がり角度αはパネル3 傾斜角度に近づけることができるため、タ テール15の浮き上がり量は缶蓋の積み重ね性 を損なうことがなく、本実施形態に係るイー ジーオープン缶蓋の製造が簡便かつ効率よく 実施することができる。

 本実施形態に係るイージーオープン缶蓋 密封された缶容器は、缶製造時や充填巻き め工程で問題がなく、指掛かり性が改善さ て開缶しやすいため飲料製品の容器として 適に使用できる。

 実施例として、缶蓋の形状が図5及び図6 示す形状のイージーオープン缶蓋について 巻き締め後の指掛かり性を評価する指標と るタブテール浮き上がり量を調査した。

<タブテール浮き上がり量の調査方法>
 図3及び図4に示すように、タブテール15の下 面とフィンガーデポス21のタブテール15側の 部との間の間隔Xをタブテール浮き上がり量 して計測した。計測に当たって、缶内圧を0 MPaから0.5MPaまで0.05MPa刻みに変化させて、巻 締め後の缶蓋のタブテール浮き上がり量の 化を計測した。

(実施例)
 ビール用のアルミニウム合金製204径イージ オープン缶蓋を使用し、図5及び図6に示す うに、リングタブ7のアウターランス11の部 に楔状のプレスを使用した押しつぶし加工 よって窪みを設けるともに、パネル3の中央 最凹部としてフィンガーデポスの方向に2° 傾斜を施し、同時にリングタブ7はパネル3 傾斜面に沿うように折り曲げられた缶蓋を 用した。

(比較例)
 押しつぶし加工を施さず、パネルの傾斜及 リングタブの折り曲げのない以外は、実施 1と同様である。

<タブテール浮き上がり量の調査結果>
 実施例及び比較例に係るタブテール浮き上 り量と缶内圧の関係を示すグラフを図9に示 す(実施例を●、比較例を▲で示す。)。図9に 示すように内圧がない状態では、実施例は比 較例と同程度のタブテール浮き上がり量であ り、缶蓋の積み重ね性を損なわないレベルで あった。ついで缶内圧を上昇させると、実施 例では缶内圧が0.05MPa以上になるとタブテー 浮き上がり量が大きく増加し、指掛かり性 大きく改善された。一方比較例では、缶内 を高くした場合でもタブテール浮き上がり の増加は少なく、実施例と比較して指掛か 性の改善は殆ど認められなかった。

 上記の結果からわかるように、実施例は 較例に比べて、指掛かり性が大きく改善さ ており、かつ缶蓋の積み重ね性を損なわな ことが確認された。