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Title:
ECCENTRIC SPEED REDUCER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/110023
Kind Code:
A1
Abstract:
An eccentric speed reducer capable of improving an output torque without increasing a dimension of a casing in a radial direction. Over a peripheral side surface of a column (18), a first curved portion (38) and a second curved portion (39) having curved surfaces with different curvature radii are provided at a root section of the column (18) from which the column (18) continues to a base carrier (16). The first curved portion (38) is formed over a supporting-bore-facing surface (36) of the column (18), which faces to a rotary supporting bore (31). The second curved portion (39) is formed between the supporting-bore-facing surface (36) and an outer surface (42) which is being an outer side of the column (18) as viewed in the radial direction of the casing (14) as well as being positioned on the side facing to an inner periphery of the casing (14). The second curved portion (39) is formed to have a larger curvature radius than that of the first curved portion (38).

Inventors:
AKAMI TOSHIYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000426
Publication Date:
September 11, 2009
Filing Date:
March 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NABTESCO CORP (JP)
AKAMI TOSHIYA (JP)
International Classes:
F16H1/32
Foreign References:
JP2005330981A2005-12-02
JPS63103035U1988-07-04
JP2003083400A2003-03-19
JP2003083400A2003-03-19
Other References:
See also references of EP 2249061A4
Attorney, Agent or Firm:
ONEDEE IP PARTNERS (JP)
Patent business corporation Wang Dee IP partners (JP)
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Claims:
 内周に内歯が設けられたケースと、
 前記ケースに収納されるとともに、前記内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた外歯歯車と、
 前記外歯歯車に形成された孔を貫通するとともに前記ケースの内周に沿う周方向に沿って配置され、回転することで前記外歯歯車を偏心させて回転させる複数のクランク軸と、
 前記クランク軸の一端側を回転自在に支持する回転支持穴が設けられた基部キャリアと、
 前記クランク軸の他端側を回転自在に支持する端部キャリアと、
 前記ケースの内周に沿う周方向に沿って各前記クランク軸の間にそれぞれ配置されるとともに前記基部キャリアに一体的に形成され、前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する複数の支柱と、
 を備えている偏心型減速機であって、
 前記支柱の周囲側面には、当該支柱が前記基部キャリアに連続する根元部分において異なる曲率半径の曲面を形成して前記基部キャリアにそれぞれ連続するように設けられた第1曲部と第2曲部とが形成され、
 前記第1曲部は、前記支柱における前記回転支持穴に対向して配置された支持穴対向側面に形成され、
 前記第2曲部は、前記支柱において前記ケースの内周についての径方向における外側であるとともに前記ケースの内周に向く側に位置するよう配置された外側面と、前記支持穴対向側面と、の間に形成され、
 前記第2曲部は、曲率半径が前記第1曲部よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする、偏心型減速機。
 請求項1に記載の偏心型減速機であって、
 前記第1曲部が形成された前記支持穴対向側面は、前記回転支持穴に沿うように配置され、
 前記外側面は、前記ケースの内周に沿う周方向に沿うように配置され、
 前記第2曲部は、前記支柱において前記ケースの内周についての径方向における外側であるとともに前記ケースの内周に沿う周方向において張り出すように位置する張り出し部分に形成されていることを特徴とする、偏心型減速機。
 請求項2に記載の偏心型減速機であって、
 前記第2曲部は、前記張り出し部分において、当該張り出し部分に対向する前記回転支持穴の周縁に接して前記ケースの内周の中心を通る接線よりも当該回転支持穴側に形成されていることを特徴とする、偏心型減速機。
 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の偏心型減速機であって、
 前記外歯歯車には前記支柱が貫通する支柱用孔が形成され、当該外歯歯車において前記支柱用孔を介して前記支柱の前記第2曲部に対向する位置に切欠部が形成されていることを特徴とする、偏心型減速機。
Description:
偏心型減速機

 本発明は、クランク軸と、クランク軸が 転することで偏心して回転する外歯歯車と 外歯歯車の外歯と噛み合う内歯が設けられ ケースと、クランク軸を回転自在に支持す キャリアと、を備える偏心型減速機に関す 。

 各種産業用機械等においては、高い減速 を実現可能な減速機として偏心型減速機が いられる。このような偏心型減速機は、ク ンク軸と、クランク軸が回転することで偏 して回転する外歯歯車と、外歯歯車の外歯 噛み合う内歯が設けられたケースと、クラ ク軸を回転自在に支持するキャリアと、を えて構成されており、特許文献1に記載され たものが知られている。特許文献1に記載さ た偏心型減速機においては、複数のクラン 軸を回転自在に支持するキャリアが、各ク ンク軸の一端側を回転自在に支持する基部 ャリア(基台部)と他端側を回転自在に支持す る端部キャリア(端板部)とで構成されている そして、基部キャリアには、この基部キャ アから端部キャリアに向かって延びて基部 ャリアと端部キャリアとを連結する複数の 柱(柱部)が一体的に形成されている。

特開2003-83400号公報(第3頁、第1図、第2図)

 偏心型減速機においては、小型で高出力 達成できることが望ましく、ケースの径方 の外形寸法(ケースの内周についての径方向 におけるケースの外形寸法)を大きくするこ なく、出力トルクの向上を図ることが求め れている。そして、出力トルクの向上(高出 化)を図るためには、クランク軸を回転自在 に支持する基部キャリアと端部キャリアとを 連結する各支柱の強度の向上を図る必要があ る。しかしながら、各支柱はケースの内周の 内歯と噛み合う外歯が設けられた外歯歯車に 形成された孔を貫通するように配置されるた め、特許文献1に開示された構造に基づいて 支柱の強度を向上させるためには、各支柱 ケースの径方向におけるより外側に配置す ことが必要となる。このため、特許文献1に 載の偏心型減速機においては、ケースの径 向の寸法に依存して支柱の強度が制限され ケースの径方向の寸法を大きくすることな 出力トルクの向上を図ることが難しいとい 問題がある。

 本発明は、上記実情に鑑みることにより ケースの径方向の外形寸法を大きくするこ なく出力トルクの向上を図ることができる 心型減速機を提供することを目的とする。

 第1発明に係る偏心型減速機は、内周に内 歯が設けられたケースと、前記ケースに収納 されるとともに、前記内歯に噛み合う外歯が 外周に設けられた外歯歯車と、前記外歯歯車 に形成された孔を貫通するとともに前記ケー スの内周に沿う周方向に沿って配置され、回 転することで前記外歯歯車を偏心させて回転 させる複数のクランク軸と、前記クランク軸 の一端側を回転自在に支持する回転支持穴が 設けられた基部キャリアと、前記クランク軸 の他端側を回転自在に支持する端部キャリア と、前記ケースの内周に沿う周方向に沿って 各前記クランク軸の間にそれぞれ配置される とともに前記基部キャリアに一体的に形成さ れ、前記基部キャリアと前記端部キャリアと を連結する複数の支柱と、を備えている。そ して、第1発明に係る偏心型減速機は、前記 柱の周囲側面には、当該支柱が前記基部キ リアに連続する根元部分において異なる曲 半径の曲面を形成して前記基部キャリアに れぞれ連続するように設けられた第1曲部と 2曲部とが形成され、前記第1曲部は、前記 柱における前記回転支持穴に対向して配置 れた支持穴対向側面に形成され、前記第2曲 は、前記支柱において前記ケースの内周に いての径方向における外側であるとともに 記ケースの内周に向く側に位置するよう配 された外側面と、前記支持穴対向側面と、 間に形成され、前記第2曲部は、曲率半径が 前記第1曲部よりも大きくなるように形成さ ていることを特徴とする。

 この発明によると、支柱の側面において基 キャリアに連続する根元部分に第1曲部とこ の第1曲部よりも曲率半径が大きい第2曲部と 形成されている。そして、第1曲部が支持穴 対向側面に形成され、第2曲部が外側面と支 穴対向側面との間に形成されている。この め、ケースの周方向(ケースの内周に沿う周 向)に作用する力が作用し易い箇所、即ち、 支柱における外側面と支持穴対向側面との間 で基部キャリアに連続する根元部分に、曲率 半径の大きい第2曲部が形成されることにな 。一方、第2曲部に隣接し、支持穴対向側面 根元部分には曲率半径の小さい第1曲部が形 成されることになる。これにより、ケースの 周方向に作用する力については、第2曲部に 中し過ぎることが抑制され、第1曲部に対し も分散して作用させることができる。この め、ケースの周方向の荷重について、第1曲 部及び第2曲部の負担の差を低減でき、第1曲 と第2曲部とに効率よく分散して支持させる ことができる。そして、支柱の側面において 全体的に効率よく荷重が分散し易くなり、支 柱全体としての強度の向上が図られることに なる。
 従って、この発明によると、ケースの径方 の外形寸法を大きくすることなく出力トル の向上を図ることができる偏心型減速機を 供することができる。

 第2発明に係る偏心型減速機は、第1発明 偏心型減速機において、前記第1曲部が形成 れた前記支持穴対向側面は、前記回転支持 に沿うように配置され、前記外側面は、前 ケースの内周に沿う周方向に沿うように配 され、前記第2曲部は、前記支柱において前 記ケースの内周についての径方向における外 側であるとともに前記ケースの内周に沿う周 方向において張り出すように位置する張り出 し部分に形成されていることを特徴とする。

 この発明によると、曲率半径の大きい第2 曲部が、支柱においてケースの周方向に作用 する力がとくに作用し易い箇所である張り出 し部分に形成されている。このため、ケース の周方向に作用する力が作用し易い張り出し 部分の根元の部分に荷重が集中し過ぎること が抑制され、支柱においてより効率よく荷重 を分散して支持することができる。これによ り、支柱全体として、より効率よく強度の向 上を図ることができる。

 第3発明に係る偏心型減速機は、第2発明 偏心型減速機において、前記第2曲部は、前 張り出し部分において、当該張り出し部分 対向する前記回転支持穴の周縁に接して前 ケースの内周の中心を通る接線よりも当該 転支持穴側に形成されていることを特徴と る。

 この発明によると、第2曲部が、張り出し 部分において回転支持穴の周縁に接してケー スの内周の中心を通る接線よりも回転支持穴 側に形成されている。このため、ケースの周 方向に作用する力が非常に作用し易い箇所、 即ち、張り出し部分において上述の接線より も回転支持穴側で基部キャリアに連続する根 元部分に、曲率半径の大きい第2曲部が形成 れることになる。これにより、支柱におい さらに効率よく荷重を分散して支持するこ ができ、支柱全体として、さらに効率よく 度の向上を図ることができる。また、支柱 張り出し部分における前述の接線よりも回 支持穴側の部分は、もともとデッドスペー になっていた部分でありケースの径方向に 大化する部分でもないため、第2曲部の曲率 径が大きく設定されても、ケースの径方向 肥大化することなくスペースの有効活用も られることになる。

 第4発明に係る偏心型減速機は、第1発明 至第3発明のいずれかの偏心型減速機におい 、前記外歯歯車には前記支柱が貫通する支 用孔が形成され、当該外歯歯車において前 支柱用孔を介して前記支柱の前記第2曲部に 対向する位置に切欠部が形成されていること を特徴とする。

 この発明によると、外歯歯車において支 用孔を介して第2曲部に対向する位置に切欠 部が形成されるため、支柱と外歯歯車とが干 渉することなく、さらに第2曲部の曲率半径 大きく設定することができる。このため、 らに、第2曲部への荷重の集中を抑制して支 の側面にて全体的に効率よく荷重を分散で 、支柱全体としてのさらなる強度の向上を ることができる。また、外歯歯車において 2曲部に対向する部分という限られた一部分 に切欠部が形成されても、外歯歯車の強度へ の影響はほとんどなく、外歯歯車の強度も維 持されることになる。

 本発明によると、ケースの径方向の外形 法を大きくすることなく出力トルクの向上 図ることができる偏心型減速機を提供する とができる。

本発明の一実施の形態に係る偏心型減 機の断面図である。 図1のA-A線矢視断面図である。 図1に示す偏心型減速機における基部キ ャリア及び支柱を図1のB線矢視位置から見た である。 図3に示す支柱を拡大して示す図である 。 図3に示す基部キャリア、支柱、及び外 歯歯車を図3のC線矢視方向から見た図であっ 、D-D線矢視位置における一部切欠き断面を む図である。 図3に示す基部キャリア、支柱、及び外 歯歯車を図3のC線矢視方向から見た図であっ 、E-E線矢視位置における一部切欠き断面を む図である。 図3に示す基部キャリア、支柱、及び外 歯歯車を図6とは異なる作動状態で図3のC線矢 視方向から見た図であって、E-E線矢視位置に おける一部切欠き断面を含む図である。

符号の説明

 1    偏心型減速機
 13   クランク軸
 14   ケース
 15   外歯歯車
 16   基部キャリア
 17   端部キャリア
 18   支柱
 22   内歯
 23   外歯
 35   張り出し部側面
 36   支持穴対向側面
 37   張り出し部分
 38   第1曲部
 39   第2曲部
 42   外側面

 以下、本発明を実施するための形態につ て図面を参照しつつ説明する。尚、本発明 実施形態に係る偏心型減速機は、産業用ロ ットや種々の工作機械等の各種産業用機械 建設機械等において広く適用することがで る。尚、例えば、風車においては、近年、 レード(羽根)の直径が大きくなる傾向にあ ことから、風向きに合わせて風車を回転す ための首振り用の駆動装置であるヨー(Yow)駆 動装置として、寸法の大型化を抑制しつつ且 つ高出力仕様の(負荷容量の大きな)減速機が 求される状況にある。このため、本実施形 に係る偏心型減速機は、このような風車の ー駆動装置として用いられると好適である また、この例に限らず、クランク軸と、ク ンク軸が回転することで偏心して回転する 歯歯車と、外歯歯車の外歯と噛み合う内歯 設けられたケースと、クランク軸を回転自 に支持するキャリアと、を備える偏心型減 機に関して本発明を広く適用することがで る。

 図1は、本発明の一実施の形態に係る偏心 型減速機1を示す断面図である。偏心型減速 1は、例えば、風車のヨー駆動装置として用 られ、図1に示すように、上側に配置された モータ100から入力された回転を減速して伝達 して出力する。この偏心型減速機1は、入力 11、スパーギア12、クランク軸13、ケース14、 外歯歯車15、基部キャリア16、端部キャリア17 、支柱18、ピン部材(19、20)(図2参照)、ボルト 材21などを備えて構成されている。

 ケース14は、筒状の第1ケース部14aと第2ケ ース部14bとで構成されており、これらの縁部 同士がボルトで連結されている。そして、ケ ース14の内部には、入力軸11、スパーギア12、 クランク軸13、外歯歯車15、基部キャリア16の 一部、端部キャリア17などが収納されている このケース14は、出力側である一端側(第1ケ ース部14aの端部側)は開口形成され、入力側 ある他端側(第2ケース部14bの端部側)にはモ タ100が固定されている。また、図1及び図1の A-A線矢視断面図である図2に示すように、ケ ス14には、内周に内歯22が設けられている。 歯22は、後述する外歯歯車15に設けられた外 歯23と噛み合うピン状部材(丸棒状の部材)と て形成されている。各内歯22は、ケース14の 周において等間隔でケース14に嵌め込まれ 状態で配列されている。

 入力軸11は、モータ100のモータ出力軸100a らの回転駆動力が遊星歯車機構24を介して 力されてモータ100に連動するように設けら ている。即ち、ケース14の他端側に取り付け られたモータ100からケース14内に突出するモ タ出力軸100aに遊星歯車機構24の太陽ギア24a 連結されている。そして、太陽ギア24aに噛 合う複数の遊星歯車24bを回転自在に支持す とともに公転運動を行う遊星枠24cの内周部 に対して入力軸11がスプライン結合により 結されている。このようにして、モータ100 らの回転駆動力が遊星歯車機構24を介して減 速されて入力軸11へと伝達されるようになっ いる。また、入力軸11は、ケース14の内周に ついての径方向(以下、「ケース14の径方向」 という)における中心に配置されており、遊 枠24bとスプライン結合する他端側(モータ100 )とは反対側の一端側の外周にリングギア11a がスプライン結合されている。

 スパーギア12は、入力軸11の周囲にその周 方向に沿って複数(本実施形態では、3つ)配設 されている。そして、各スパーギア12は、入 軸11に結合されたリングギア11aに対して噛 合うようになっている。これにより、モー 100からの回転駆動力によって入力軸11が回転 することで、この回転に伴ってスパーギア12 回転駆動されるようになっている。

 クランク軸13は、モータ100側の端部にお てスパーギア12が固定されており、スパーギ ア12とともに回転することで後述する外歯歯 15を偏心させて回転させる部材として設け れている。そして、クランク軸13は、図1及 図2に示すように、外歯歯車15に形成された ランク軸用孔25を貫通するとともにケース14 内周に沿う周方向に沿って入力軸11と平行 複数(本実施形態では、3つ)配置されている 即ち、図2によく示すように、3つのクランク 軸13は、ケース14の内周の中心であるケース 心P(図2にて点で示す)を中心とする所定の円Q (図2にて二点鎖線で示す)の周方向に沿って配 置されている。

 また、各クランク軸13は、図1によく示す うに、第1カム部分13a、第2カム部分13b、第3 ム部分13c、第1軸部13d、及び第2軸部13eを備 て構成されており、第1軸部13d、第1カム部分 13a、第2カム部分13b、第3カム部分13c、第2軸部 13eの順番で直列に設けられている。そして、 第1~第3カム部分(13a~13c)は、軸方向と垂直な断 面が円形断面となるように形成されており、 それぞれの中心位置がクランク軸13の軸心(第 1軸部13d及び第2軸部13eの中心位置)に対して偏 心するように設けられている。また、第1軸 13dは後述する基部キャリア16に対してころ軸 受け27を介して回転自在に支持されており、 2軸部13eは後述する端部キャリア17に対して ろ軸受け28を介して回転自在に支持されて る。尚、各クランク軸13の第2軸部13eの端部 はスパーギア12がそれぞれスプライン結合に より取り付けられている。

 基部キャリア16は、図1によく示すように 出力側である一端側がケース14の開口から 出した状態で配置され、この一端側におい 出力ギア32が取り付けられている。また、基 部キャリア16は、他端側が支柱18、ピン部材(1 9、20)及びボルト部材21を介して端部キャリア 17と連結されてケース14内に収納されており この状態で偏心型減速機1における出力軸を 成している。そして、基部キャリア16及び 部キャリア17を備えて構成された出力軸は、 ケース14の内周に沿って配設された出力側の ろ軸受け29及びモータ100側の玉軸受け30を介 してケース14に対して回転自在に支持されて る。また、基部キャリア16には、各クラン 軸13の一端側をその第1軸部13dにてころ軸受 27を介して回転自在に支持する回転支持穴31 設けられている。尚、図2では、回転支持穴 31を破線で示している。

 また、基部キャリア16の他端側で連結さ る端部キャリア17は、円板状の部材として設 けられ、クランク軸13の第2軸部13eが貫通する 貫通孔が形成されている。この貫通孔におい て、端部キャリア17は、クランク軸13の他端 をその第2軸部13eにてころ軸受け28を介して 転自在に支持している。

 外歯歯車15は、図1及び図2に示すように、 平行に重ねられた状態でケース14内に収納さ る第1外歯歯車15a、第2外歯歯車15b、及び第3 歯歯車15cを備えて構成されている。第1~第3 歯歯車(15a~15c)にはそれぞれ、クランク軸13 貫通するクランク軸用孔25、及び、後述する 支柱18が貫通する支柱用孔26が形成されてい 。第1~第3外歯歯車(15a~15c)は、入力軸11の軸方 向と平行な方向において、各クランク軸用孔 25の位置が対応するとともに各支柱用孔26の 置が対応するように配置されている。クラ ク軸用孔25は、円形孔として形成され、各ク ランク軸13に対応して外歯歯車15の周方向に 等角度で3つ形成されている。このクランク 用孔25は、第1外歯歯車15aにおいては第1カム 部分13aを、第2外歯歯車15bにおいては第2カム 分13bを、第3外歯歯車15cにおいては第3カム 分13cを、それぞれニードル軸受け33を介して 保持している。支柱用孔26は、内周壁面が円 状の面で形成された三角形状断面の孔とし 形成され、各支柱18に対応して外歯歯車15の 周方向に均等角度で3つ形成されている。即 、支柱用孔26は、クランク軸用孔25と外歯歯 15の周方向において交互に形成されている この支柱用孔26には、支柱18がそれぞれ遊嵌 態で貫通している。また、後述するように 外歯歯車15には、支柱18の基部キャリア16に 続する根元部分における所定箇所に対向す 位置において、支柱用孔26の縁部分の一部 大きめの面取りが施されるように切り欠か た状態に形成されることで、切欠部34が形成 されている(図6参照)。

 尚、外歯歯車15及びクランク軸13が上述の ように配設されているため、入力軸11からス ーギア12を介して回転駆動力が伝達されて ランク軸13が回転すると、このクランク軸13 回転に伴い第1~第3カム部分(13a~13c)から外歯 車15に対して荷重が作用する。この荷重に り、外歯歯車15(第1外歯歯車15a、第2外歯歯車 15b、第3外歯歯車15c)が揺動することになる。

 また、第1外歯歯車15a、第2外歯歯車15b、 3外歯歯車15cのそれぞれの外周には、内歯22 噛み合う外歯23が設けられている。外歯歯車 15(15a~15c)の外歯23の歯数は、内歯22の歯数より も1個少なくなるように設けられている。こ ため、クランク軸13が回転するごとに、噛み 合う外歯23と内歯22との噛み合いがずれ、外 歯車15(第1外歯歯車15a、第2外歯歯車15b、第3 歯歯車15c)が偏心して揺動回転するようにな ている。

 次に、支柱18の構成について詳しく説明 る。図3は、基部キャリア16及び支柱18につい てピン部材(19、20)及びボルト部材21の断面図 ともに示す図であり、図1のB線矢視位置か 見た図である。図1乃至図3に示すように、支 柱18は、ケース14の内周に沿う周方向に沿っ (図2の円Qの周方向に沿って)各クランク軸13 間にそれぞれ配置されている。そして、支 18は、ケース14の内周に沿う周方向(以下、「 ケース14の周方向」という)に均等角度で複数 (本実施形態では、3つ)配置されており、それ ぞれ基部キャリア16と一体的に形成され、基 キャリア16の他端側(モータ100側)に向かって 突出するように設けられている。この支柱18 介して、基部キャリア16と端部キャリア17と が連結される。

 図1乃至図3に示すように、支柱18は、支柱 18の長手方向(支柱18が基部キャリア16から端 キャリア17に向かって延びる方向)と垂直な 面において曲率半径の大きい円弧状の側面 曲率半径の小さい円弧状の側面を介して連 することで周囲側面が形成された三角形状 面を有するように形成されている。尚、図4 、図3に示す支柱18のうちの1つのみを拡大し て示した図である。図4によく示すように、 柱18の周囲側面には、外側面42、張り出し部 面35、支持穴対向側面36等の側面が形成され ている。外側面42は、支柱18において、ケー 14の径方向における外側であるとともにケー ス14の内周に向く側(外歯歯車15を介して対向 る側)に位置するよう配置された側面として 設けられている(図2乃至図4参照)。また、こ 外側面42は、ケース14の周方向に沿うように 置されている。張り出し部側面35は、支柱18 において、ケース14の径方向における外側で るとともにケース14の周方向において張り すように位置する張り出し部分37における側 面として設けられている。この張り出し部側 面35は、支柱18の周囲側面において外側面42と 支持穴対向側面36との間に配置されている。 た、支持穴対向側面36は、支柱18における回 転支持穴31に対向して配置され、回転支持穴3 1に沿うように円弧状に配置された側面とし 設けられている(図3、図4参照)。

 図5及び図6は、それぞれ図3に示す基部キ リア16、支柱18、及び第1外歯歯車15aをC線矢 方向から見た図であって、支柱18を一部切 き断面として示す図である。図5及び図6にお いては、1つの支柱18のみが図示されて他の支 柱18の図示は省略されている。そして、図5に おいては、図示された支柱18はケース14の周 向に沿った断面であるD-D線矢視位置の断面 して図示されており、さらに、ボルト部材21 がボルト穴40に配置されていない状態が図示 れている。また、図6においては、図示され た支柱18はケース14の周方向に沿った断面で るE-E線矢視位置の断面として図示されてお 、さらに、ピン部材(19、20)がピン穴41に配置 されていない状態が図示されている。

 図4乃至図6に示すように、支柱18の周囲側 面には、支柱18が基部キャリア16に連続する 元部分において異なる曲率半径の曲面を形 して基部キャリア16にそれぞれ連続するよう に設けられた第1曲部38と第2曲部39とが形成さ れている。即ち、第1曲部38及び第2曲部39は、 支柱18の根元部分において支柱18の長手方向 平行な断面にて異なる曲率半径を構成する 面を形成して基部キャリア16にそれぞれ連続 するように設けられている。第1曲部38は、支 持穴対向側面36の根元部分に形成されている 一方、第2曲部39は、支柱18の周囲側面にお る外側面42と支持穴対向側面36との間に位置 る張り出し部側面35の根元部分に形成され いる。そして、第2曲部39は、張り出し部分37 において、この張り出し部分37に対向する回 支持穴31の周縁に接してケース中心Pを通る 線R(図3で破線で示す)よりも当該回転支持穴 31側に形成されている。

 また、第2曲部39は、曲率半径が第1曲部38 りも大きくなるように形成されており、例 ば、第1曲部38は15Rの曲率半径となるように( 曲率半径が15mmとなるように)形成され、第2曲 部39は25Rの曲率半径となるように(曲率半径が 25mmとなるように)形成されている。このよう 、第2曲部39の曲率半径が十分に大きな値と るように設定され、さらに、第1曲部38より 第2曲部39の曲率半径が大きくなるように設 されることで、ケース14の周方向に作用す 力を第1曲部38と第2曲部39とで効率よく分散 て支持することができる。尚、本実施形態 説明したように、第1曲部38の曲率半径の寸 の第2曲部39の曲率半径の寸法に対する比率 5分の3或いはその近傍の比率となるように設 定されることで、ケース14の周方向に作用す 荷重を第1曲部38と第2曲部39とで効率よく分 して支持することができるが、この比率以 に設定されてもケース14の周方向の荷重を 分に分散して支持することができる。

 また、図6に示すように、外歯歯車15にお る第1外歯歯車15aには、支柱用孔26を介して 柱18の第2曲部39に対向する位置に切欠部34が 形成されている。この切欠部34は、前述のよ に、支柱用孔26の縁部分の一部が平面状に は曲面状(例えば、円錐曲面の一部を成すよ な曲面状)に面取りが施されるように切り欠 かれた状態のような形状に形成されている。 図7は、図6に示す状態からクランク軸13の回 に伴って第1外歯歯車15aが揺動し、支柱用孔2 6の縁部分と第2曲部39とが接近した状態を示 図である。この図7に示すように、第1外歯歯 車15cに切欠部34が設けられていることで、第2 曲部39の曲率半径の寸法が大きく設定されて ても第2曲部39と外歯歯車15との干渉が発生 ることを防止することができる。

 図1乃至図3に示すように、ピン部材(19、20 )及びボルト部材21は、支柱18内にそれぞれの 方向における一部が配置されて基部キャリ 16と端部キャリア17とを連結する連結部材と して設けられている。ピン部材(19、20)は、一 端側が支柱18に形成された孔に対して、他端 が端部キャリア17に形成された孔に対して それぞれ嵌合状態で嵌め込まれている。一 、ボルト部材21は、端部キャリア17に形成さ た貫通孔をそのボルト軸部が貫通するとと にそのボルト頭部が端部キャリア17に対し 係止するように配置されている。そして、 のボルト部材21は、支柱18に形成されて内周 雌ネジ部分が設けられたボルト穴40に対し その先端側の雄ネジ部分で螺合することで 基部キャリア17と端部キャリア18とを結合す ように構成されている。

 上述した構成を備える偏心型減速機1は、 モータ出力軸100aが回転してモータ100からの 転駆動力が遊星歯車機構24を介して入力軸11 伝達されると、入力軸11が回転してリング ア11aと噛み合う複数のスパーギア12が回転す る。この各スパーギア12の回転とともに複数 クランク軸13が回転し、このクランク軸13と ともに第1カム部分13a、第2カム部分13b、及び 3カム部分13cが回転する。この回転に伴って 、前述のように、第1外歯歯車15a、第2外歯歯 15b、及び第3外歯歯車15cが内歯22と噛み合い ずらしながら偏心して回転する。そして、 1~第3外歯歯車(15a~15c)の偏心回転に伴って、 ードル軸受け33で回転保持されたクランク 13もケース中心Pを中心として公転運動を行 。これにより、第1曲部38及び第2曲部39が形 された支柱18で連結された基部キャリア16及 端部キャリア17を備えて構成されてクラン 軸13を回転自在に支持する出力軸が回転し、 大きなトルクが出力ギア32から出力されるこ になる。

 以上説明した偏心型減速機1によると、支 柱18の側面において基部キャリア16に連続す 根元部分に第1曲部38とこの第1曲部38よりも 率半径が大きい第2曲部39とが形成されてい 。そして、第1曲部38が支持穴対抗側面36に形 成され、第2曲部39が外側面42と支持穴対向側 36との間に形成されている。このため、ケ ス14の周方向に作用する力が作用し易い箇所 、即ち、支柱18における外側面42と支持穴対 側面36との間で基部キャリア16に連続する根 部分に、曲率半径の大きい第2曲部39が形成 れることになる。一方、第2曲部39に隣接し 支持穴対向側面36の根元部分には曲率半径 小さい第1曲部38が形成されることになる。 れにより、ケース14の周方向に作用する力に ついては、第2曲部39に集中し過ぎることが抑 制され、第1曲部38に対しても分散して作用さ せることができる。このため、ケース14の周 向の荷重について、第1曲部38及び第2曲部39 負担の差を低減でき、第1曲部38と第2曲部39 に効率よく分散して支持させることができ 。そして、支柱18の側面において全体的に 率よく荷重が分散し易くなり、支柱18全体と しての強度の向上が図られることになる。

 従って、本実施形態によると、ケース14 径方向の外形寸法を大きくすることなく出 トルクの向上を図ることができる偏心型減 機1を提供することができる。

 また、偏心型減速機1によると、曲率半径 の大きい第2曲部39が、支柱18においてケース1 4の周方向に作用する力がとくに作用し易い 所である張り出し部分37に形成されている。 このため、ケース14の周方向に作用する力が 用し易い張り出し部分37の根元の部分に荷 が集中し過ぎることが抑制され、支柱18にお いてより効率よく荷重を分散して支持するこ とができる。これにより、支柱18全体として より効率よく強度の向上を図ることができ 。

 また、偏心型減速機1によると、第2曲部39 が、張り出し部分37において回転支持穴31の 縁に接してケースの内周の中心を通る接線R りも回転支持穴31側に形成されている。こ ため、ケース14の周方向に作用する力が非常 に作用し易い箇所、即ち、張り出し部分37に いて上述の接線Rよりも回転支持穴31側で基 キャリア16に連続する根元部分に、曲率半 の大きい第2曲部39が形成されることになる これにより、支柱18においてさらに効率よく 荷重を分散して支持することができ、支柱18 体として、さらに効率よく強度の向上を図 ことができる。また、支柱18の張り出し部 37における上記接線Rよりも回転支持穴31側の 部分は、もともとデッドスペースになってい た部分でありケース14の径方向に肥大化する 分でもないため、第2曲部39の曲率半径が大 く設定されても、ケース14の径方向に肥大 することなくスペースの有効活用も図られ ことになる。

 また、偏心型減速機1によると、外歯歯車 15において支柱用孔26を介して第2曲部39に対 する位置に切欠部34が形成されているため、 支柱18と外歯歯車15とが干渉することなく、 らに第2曲部39の曲率半径を大きく設定する とができる。このため、さらに、第2曲部39 の荷重の集中を抑制して支柱18の側面にて全 体的に効率よく荷重を分散でき、支柱18全体 してのさらなる強度の向上を図ることがで る。また、外歯歯車15において第2曲部39に 向する部分という限られた一部分に切欠部34 が形成されても、外歯歯車15の強度への影響 ほとんどなく、外歯歯車15の強度も維持さ ることになる。

 以上、本発明の実施形態について説明し が、本発明は上述の実施の形態に限られる のではなく、請求の範囲に記載した限りに いて様々に変更して実施することができる のである。例えば、次のような変形例を実 することができる。

(1)本実施形態では、2つの構成要素が重ね れた外歯歯車を例にとって説明したが、こ 通りでなくてもよく、3つ以上の構成要素が ねられた外歯歯車であってもよい。この場 、クランク軸においても外歯歯車の構成要 の数に対応してカム部分を設ける構成とし 本発明を実施することができる。

(2)本実施形態では、クランク軸が3つ設け れる場合を例にとって説明したが、この通 でなくてもよく、クランク軸が4つ以上設け れるものであっても本発明を実施すること できる。

(3)本実施形態では、ケースの内周の内歯が ピン状部材として形成されているものを例に とって説明したが、この通りでなくてもよく 、例えば、ケースと一体に形成された内歯が 備えられているものであっても本発明を実施 することができる。

(4)本実施形態では、外歯歯車に切欠部が設 けられたものを説明したが、必ずしもこの通 りでなくてもよく、第2曲部の曲率半径が第1 部よりも大きくなるように形成されていれ 、本発明の効果を奏することができる。

(5)本実施形態では、第2曲部が、支柱の張 出し部分において、回転支持穴の周縁に接 てケースの中心を通る接線よりも回転支持 側に形成されている場合を例にとって説明 たが、この通りでなくてもよい。例えば、 柱の張り出し部分における上記接線よりも 転支持穴側と反対側に形成されていてもよ 。また、上記接線よりも回転支持穴側に位 している部分が設けられていないような支 における張り出し部分に第2曲部が形成され いてもよい。また、支持穴対向側面が平坦 形成されて回転支持穴に沿うように形成さ ておらず、張り出し部分が設けられていな ような支柱において、外側面と支持穴対向 面との間に第2曲部が形成されているもので あってもよい。また、外側面が平坦に形成さ れてケースの内周に沿う周方向に沿うように 形成されておらず、張り出し部分が設けられ ていないような支柱において、外側面と支持 穴対向側面との間に第2曲部が形成されてい ものであってもよい。

 本発明は、クランク軸と、クランク軸が 転することで偏心して回転する外歯歯車と 外歯歯車の外歯と噛み合う内歯が設けられ ケースと、クランク軸を回転自在に支持す キャリアと、を備える偏心型減速機として 広く適用することができるものである。




 
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