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Patent Searching and Data


Title:
EDGE REPLACEMENT-TYPE CUTTING CHIP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/051046
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides an edge replacement-type cutting chip comprising a base material and a covering layer provided on the base material. The edge replacement-type cutting chip is characterized in that the covering layer comprises a plurality of layers including at least a TiCN layer, compression residual stress is applied to at least one of the plurality of layers, the TiCN layer is a layer composed mainly of TiCN, has a maximum peak intensity in a (422) face as measured by X-ray diffractometry and has a second maximum peak intensity in a (311) face, and the peak intensity ratio of the peak intensity I (422) of the (422) face to the peak intensity I (311) of the (311) face, that is, I(422)/I(311), is not less than 1.1 and not more than 10.

Inventors:
IMAMURA, Shinya (1-1 Koyakita 1-chome, Itami-sh, Hyogo 16, 6640016, JP)
今村 晋也 (〒16 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友電工ハードメタル株式会社内 Hyogo, 6640016, JP)
OMORI, Naoya (1-1 Koyakita 1-chome, Itami-sh, Hyogo 16, 6640016, JP)
大森 直也 (〒16 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友電工ハードメタル株式会社内 Hyogo, 6640016, JP)
OKADA, Yoshio (1-1 Koyakita 1-chome, Itami-sh, Hyogo 16, 6640016, JP)
Application Number:
JP2008/068277
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
October 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO ELECTRIC HARDMETAL CORP. (1-1 Koyakita 1-chome, Itami-shi Hyogo, 16, 6640016, JP)
住友電工ハードメタル株式会社 (〒16 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 Hyogo, 6640016, JP)
IMAMURA, Shinya (1-1 Koyakita 1-chome, Itami-sh, Hyogo 16, 6640016, JP)
今村 晋也 (〒16 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友電工ハードメタル株式会社内 Hyogo, 6640016, JP)
OMORI, Naoya (1-1 Koyakita 1-chome, Itami-sh, Hyogo 16, 6640016, JP)
大森 直也 (〒16 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友電工ハードメタル株式会社内 Hyogo, 6640016, JP)
International Classes:
B23B27/14; B23B51/00; B23C5/16; C23C16/30
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (Fukami Patent Office, Nakanoshima Central Tower 22nd Floor, 2-7, Nakanoshima 2-chome, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, 5300005, JP)
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Claims:
 基材と該基材上に形成された被覆層とを備える刃先交換型切削チップであって、
 前記被覆層は、TiCN層を少なくとも含む複数の層からなり、その複数の層のうち少なくとも1層は圧縮残留応力が付与されており、
 前記TiCN層は、TiCNを主体とする層であり、X線回折において(422)面に最高ピーク強度を有するとともに(311)面に第2のピーク強度を有し、かつ(422)面のピーク強度I(422)と(311)面のピーク強度I(311)とのピーク強度比I(422)/I(311)が1.1以上10以下である、刃先交換型切削チップ。
 前記TiCN層は、(220)面の配向性指数TC(220)が1以下である請求の範囲1記載の刃先交換型切削チップ。
 前記被覆層は、前記TiCN層とともに最表面層とアルミナ層とを含み、
 前記最表面層は、Tiの炭化物、窒化物および炭窒化物のいずれかを主成分とする前記被覆層の表面を構成する層であり、
 前記アルミナ層は、前記最表面層と前記TiCN層との間に位置するAl 2 O 3 を主体とする層であり、
 前記最表面層、前記アルミナ層、および前記TiCN層のうちの少なくとも1層は、0.05GPa以上2GPa以下の圧縮残留応力が付与されている請求の範囲1記載の刃先交換型切削チップ。
 前記最表面層は、Tiの窒化物で構成される請求の範囲3記載の刃先交換型切削チップ。
 前記アルミナ層は、κ型の結晶構造を有するAl 2 O 3 を主体とする層である請求の範囲3記載の刃先交換型切削チップ。
 前記被覆層は、前記アルミナ層の直下にTiB x N y (式中、xおよびyはそれぞれ原子比を示し、0.001≦x/(x+y)≦0.04である)で構成されるTiBN層を含む請求の範囲3記載の刃先交換型切削チップ。
 前記最表面層は、0.05μm以上1μm以下の厚みを有する請求の範囲3記載の刃先交換型切削チップ。
 前記アルミナ層は、0.05μm以上2μm以下の厚みを有する請求の範囲3記載の刃先交換型切削チップ。
 前記被覆層は、さらに周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、Al、およびSiからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素および硼素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化合物によって構成される硬質層を1層以上含む請求の範囲1記載の刃先交換型切削チップ。
 前記被覆層は、化学蒸着法により形成されたものである請求の範囲1記載の刃先交換型切削チップ。
 前記被覆層は、Tiの窒化物で構成され、かつ厚みが0.05μm以上1μm以下である最下層を含む請求の範囲1記載の刃先交換型切削チップ。
 前記基材は、超硬合金、サーメット、高速度鋼、セラミックス、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体、または窒化硅素焼結体のいずれかにより構成される請求の範囲1記載の刃先交換型切削チップ。
Description:
刃先交換型切削チップ

 本発明は、刃先交換型切削チップに関す 。

 従来より、着脱自在に工具に取り付けて 削材を切削加工する刃先交換型切削チップ 知られている。このような刃先交換型切削 ップは耐摩耗性や靭性を向上させることを 的として、超硬合金やサーメットからなる 材上に化学蒸着法または物理蒸着法により セラミックスなどの硬質被膜を被覆層とし 形成する構成のものが多数提案されている

 一般に化学蒸着法により形成された被覆 は基材との熱膨張係数の相違により、コー ィング後において熱応力に起因する引張り 留応力が存在し、それにより耐欠損性が低 することも知られている。

 これに対して、特開平07-100701号公報(特許 文献1)および特開平11-256336号公報(特許文献2) はそのような被覆層の1種として知られるTiC N層の結晶配向性を制御することにより、耐 損性に優れるものとした被覆切削工具が開 されている。しかし、単に被覆層の結晶配 性を制御するだけでは、引張り残留応力が 在するため、十分な耐欠損性を得ることは きない。

 一方、特開平04-300104号公報(特許文献3)には 化学蒸着法または物理蒸着法で被覆層を形 した後、アルミナ製のボールを圧縮空気で 突させるショットピーニングを施し、被覆 中の引張り残留応力または圧縮残留応力を9 kgf/mm 2 (88MPa)以下とすることで耐欠損性を向上させ 表面被覆切削工具が開示されている。しか 、近年著しく進んでいる高能率加工に対し このような応力レベルでは耐欠損性は十分 はなく、さらに圧縮残留応力を付与する必 がある。

 また、特開昭64-031972号公報(特許文献4)には 化学蒸着法で被膜を形成した後、できるだ 強い衝撃力でショットピーニングを施し、 材および/または被膜が50kgf/mm 2 (490MPa)以上の圧縮応力を付与する高靭性被覆 料が開示されている。しかし、被膜全体に たり、高い圧縮応力が存在する場合、被膜 体が自己破壊を起こし、耐摩耗性を低下さ る問題がある。また、被膜と基材の密着性 低下するため、被膜が剥離しやすくなる問 があった。

特開平07-100701号公報

特開平11-256336号公報

特開平04-300104号公報

特開昭64-031972号公報

 本発明は、上述のような問題点に鑑みな れたものであって、その目的とするところ 耐摩耗性および耐欠損性を両立させるとと に、基材と被覆層との密着性にも優れた刃 交換型切削チップを提供することにある。

 本発明者らは、化学蒸着法により被覆層 形成した刃先交換型切削チップの耐摩耗性 よび耐欠損性を向上させる手法を検討して たところ、被覆層の1層としてTiCNを主体と るTiCN層を形成し、そのTiCN層の結晶配向性を 制御するとともに被覆層のいずれか1層に圧 残留応力を付与すれば、耐摩耗性、耐欠損 を両立させるとともに、基材と被覆層との 着性にも優れるという知見を得、この知見 基づいてさらに検討を重ねることによりつ に本発明を完成させるに至ったものである

 すなわち、本発明の刃先交換型切削チッ は、基材と該基材上に形成された被覆層と 備えるものであって、該被覆層は、TiCN層を 少なくとも含む複数の層からなり、その複数 の層のうち少なくとも1層は圧縮残留応力が 与されており、該TiCN層は、TiCNを主体とする 層であり、X線回折において(422)面に最高ピー ク強度を有するとともに(311)面に第2のピーク 強度を有し、かつ(422)面のピーク強度I(422)と( 311)面のピーク強度I(311)とのピーク強度比I(422 )/I(311)が1.1以上10以下であることを特徴とす 。

 上記TiCN層は、(220)面の配向性指数TC(220)が1 下であることが好ましい。また、上記被覆 は、上記TiCN層とともに最表面層とアルミナ とを含み、該最表面層は、Tiの炭化物、窒 物および炭窒化物のいずれかを主成分とす 上記被覆層の表面を構成する層であり、該 ルミナ層は、該最表面層と上記TiCN層との間 位置するAl 2 O 3 を主体とする層であり、上記最表面層、上記 アルミナ層、および上記TiCN層のうちの少な とも1層は、0.05GPa以上2GPa以下の圧縮残留応 が付与されていることが好ましい。

 ここで、上記最表面層は、Tiの窒化物で構 されることが好ましく、上記アルミナ層は κ型の結晶構造を有するAl 2 O 3 を主体とする層であることが好ましい。

 また、上記被覆層は、上記アルミナ層の直 にTiB x N y (式中、xおよびyはそれぞれ原子比を示し、0.0 01≦x/(x+y)≦0.04である)で構成されるTiBN層を含 むことが好ましい。また、上記最表面層は、 0.05μm以上1μm以下の厚みを有することが好ま い。

 また、上記アルミナ層は、0.05μm以上2μm 下の厚みを有することが好ましく、上記被 層は、さらに周期律表のIVa族元素(Ti、Zr、Hf )、Va族元素(V、Nb、Ta等)、VIa族元素(Cr、Mo、W 等)、Al、およびSiからなる群より選ばれる少 くとも1種の元素と、炭素、窒素、酸素およ び硼素からなる群より選ばれる少なくとも1 の元素とからなる化合物によって構成され 硬質層を1層以上含むことが好ましい。

 また、上記被覆層は、化学蒸着法により 成されたものであることが好ましく、Tiの 化物で構成され、かつ厚みが0.05μm以上1μm以 下である最下層を含むことが好ましい。また 、上記基材は、超硬合金、サーメット、高速 度鋼、セラミックス、立方晶型窒化硼素焼結 体、ダイヤモンド焼結体、または窒化硅素焼 結体のいずれかにより構成されることが好ま しい。

 本発明の刃先交換型切削チップは、上記 構成を有することにより、耐摩耗性および 欠損性を両立させるとともに、基材と被覆 との密着性にも優れたものである。

 以下、本発明についてさらに詳細に説明す 。
 <刃先交換型切削チップ>
 本発明の刃先交換型切削チップは、基材と 基材上に形成された被覆層とを備えるもの ある。このような基本構成を備える限り、 の形状は特に限定されず従来公知のあらゆ 形状を有し得る。

 このような本発明の刃先交換型切削チッ は、たとえばドリル加工用、エンドミル加 用、フライス加工用、旋削加工用、メタル ー加工用、歯切工具加工用、リーマ加工用 タップ加工用、またはクランクシャフトの ンミーリング加工用等の用途に適用するこ が可能である。

 <基材>
 本発明の刃先交換型切削チップの基材とし は、この種の基材として知られる従来公知 ものを特に限定なく使用することができる たとえば、超硬合金(たとえばWC基超硬合金 WCの他、Coおよび/またはNiを含み、あるいは さらにTi、Ta、Nb、Zr、Hf、Cr、V等の炭化物、 化物、炭窒化物等を添加したものも含む)、 ーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするも )、高速度鋼、セラミックス(炭化チタン、炭 化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化 アルミニウム、およびこれらの混合体など) 立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼 体、または窒化硅素焼結体等をこのような 材の例として挙げることができる。このよ な基材として超硬合金を使用する場合、そ ような超硬合金は、組織中に遊離炭素やε相 と呼ばれる異常相を含んでいても本発明の効 果は示される。

 なお、これらの基材は、その表面が改質 れたものであっても差し支えない。たとえ 、超硬合金の場合はその表面に脱β層が形 されていたり、サーメットの場合には表面 化層が形成されていても良く、このように 面が改質されていても本発明の効果は示さ る。

 <被覆層>
 本発明の被覆層は、特定の結晶配向性を有 るTiCN層を少なくとも含む複数の層からなり 、その複数の層のうち少なくとも1層は圧縮 留応力が付与されていることを特徴とする このように特定の結晶配向性を有するTiCN層 備えることにより、せん断変形に対する強 が非常に強くなり、以って耐欠損性に優れ ものとなる。しかも、耐欠損性の向上と同 に耐摩耗性も高められ、したがって耐摩耗 と耐欠損性の両者をバランス良く向上させ ことができる。さらに、被覆層を構成する 数の層のうち少なくとも1層に圧縮残留応力 が付与されたことにより、切削時の衝撃で被 覆層表面に発生したクラックが被覆層全体に 伝播するのが抑えられ、耐欠損性がさらに向 上したものとなる。一方、このように圧縮残 留応力が付与された層より内側の層(すなわ 当該層より基材側に位置する各層)において 引張り残留応力が残存するようにすれば、 覆層の自己破壊が発生することなく優れた 摩耗性を示すとともに基材との密着性にも れたものとなる。このようにして、本発明 被覆層は、上記の特性が相乗的に作用する とにより耐摩耗性と耐欠損性とを高度に両 させたとともに、基材との密着性にも優れ ものである。

 ここで、上記圧縮残留応力とは、被覆層 に残留する内部応力(固有ひずみ)であって 一般に「-」(マイナス)の数値(単位:本発明で は「GPa」を使う)で表される応力をいう。た し、本発明においては、引張り残留応力と 比する場合等を除き、特に断らない場合は のマイナスの符号を省略して表すものとす 。このため、特に数値を使わずに圧縮残留 力の大小を表現する場合は、上記数値の絶 値が大きくなる程、圧縮残留応力が大きい 表現し、また上記数値の絶対値が小さくな 程、圧縮残留応力が小さいと表現するもの する。これに対して引張残留応力とは、こ も被覆層中に残留する内部応力(固有ひずみ) であって、一般に「+」(プラス)の数値(単位: 発明では「GPa」を使う)で表される応力をい う。

 なお、このような圧縮残留応力または引張 残留応力は、X線応力測定装置を用いたsin 2 ψ法により測定することができ、刃先交換型 削チップのすくい面または逃げ面等の平坦 に位置する任意の点3点(これらの各点は当 部位の応力を代表できるように互いに0.5mm以 上の距離を離して選択することが好ましい) 上の応力を該sin 2 ψ法により測定し、その平均値を求めること より測定することができる。

 このようなX線を用いたsin 2 ψ法は、多結晶材料の残留応力の測定方法と て広く用いられているものであり、たとえ 「X線応力測定法」(日本材料学会、1981年株 会社養賢堂発行)の54~67頁に詳細に説明され いる方法を用いれば良い。なお、上記のよ な残留応力の測定は、放射光を用いて測定 ることもできる。この場合は被覆層の厚み 向での残留応力分布を求めることができる いうメリットがある。

 なお、このような本発明の被覆層は、0.1 m以上30μm以下、好ましくは1μm以上20μm以下 厚みを有していることが好適である。また 本発明の被覆層は、基材の全面を覆うよう して形成されていてもよいし、基材の一部 覆うようにして形成されていてもよい。

 <TiCN層>
 本発明の被覆層は、TiCN層を少なくとも含む ものである。このTiCN層は、TiCNを主体とする であり、X線回折において(422)面に最高ピー 強度を有するとともに(311)面に第2のピーク 度を有し、かつ(422)面のピーク強度I(422)と(3 11)面のピーク強度I(311)とのピーク強度比I(422) /I(311)が1.1以上10以下であることを特徴とする 。

 ピーク強度比I(422)/I(311)を上記範囲とする ことにより特に優れた耐欠損性を得ることが できる。これは、TiCNの1次すべり面である(220 )面に対し、(422)面および(311)面がそれぞれ約3 0°、約31°の角度を持ち、これらの面の配向 が高ければ高い程切削時のせん断変形に対 る強度が非常に強くなるためではないかと 測される。特に(422)面が最高ピークでありか つピーク強度比I(422)/I(311)が1.1以上10以下の場 合に、特に耐欠損性と耐摩耗性のバランスに 優れることが明らかとなった。しかも、この 場合、後述のような被覆層表面に対するブラ スト処理の衝撃にも十分耐えることが可能と なり、被覆層の破壊を防ぐとともに十分な圧 縮残留応力を付与することが可能となったも のである。上記ピーク強度比I(422)/I(311)のよ 好ましい範囲は4以上10以下であり、さらに ましくは5以上10以下である。

 このようなTiCN層は、さらに(220)面の配向 指数TC(220)が1以下であることが好ましい。 こで、配向性指数TC(hkl)とは、以下の式(I)で 義されるものである。

 式(I)中、I(hkl)は測定された(hkl)面のピーク 度(回折強度)を示し、I 0 (hkl)はJCPDSファイル(Joint Committee on Powder Diff raction Standards(粉末X線回折標準)ファイル;32-13 83(TiC)、38-1420(TiN))による(hkl)面を構成するTiC TiNの粉末回折強度の平均値であり、(hkl)は(11 1)、(200)、(220)、(311)、(331)、(420)、(422)、(511) 8面を示す。

 この(220)面の配向性を弱くすること(すな ち配向性指数TC(220)を小さくすること)で、 らにTiCN層の耐欠損性を向上させることが可 となり、また後述のブラスト処理による圧 残留応力付与後も被覆層が破壊することな 、良好な被膜形態を保つことが可能となる め、耐欠損性と耐摩耗性のバランスに優れ ものとなる。このような配向性指数TC(220)は より好ましくは0.5以下であり、さらに好まし くは0.3以下である。

 このようなTiCN層は、TiCNを主体とするも であるが、ここでTiCNを主体とするとは、TiCN を90質量%以上含むことを意味し、好ましくは 不可避不純物を除きTiCNのみにより構成され ことを意味する。

 このようなTiCN(Tiの炭窒化物)に含まれる 元素間の原子比は、従来公知のあらゆる原 比が含まれ、その原子比は特に限定される のではないが、たとえばTiとCNとの原子比は CNの合計を1とした場合にTiが0.8~1.4とするこ が好ましく、CとNの原子比は、Cを1とした場 合にNが0.8~1.2とすることが好ましい。

 このようなTiCN層は、MT-CVD(medium temperature CV D)法で形成されることが好ましく、これによ 特に良好な耐欠損性と耐摩耗性が示される ここで、MT-CVD法とは、通常の化学蒸着法(CVD 法)が約950~1050℃で成膜が行なわれることが多 いのに対して、約830~950℃という比較的低温 行なう化学蒸着法をいう。そして、このよ なMT-CVD法により、特に0.5体積%以下の少量のC H 3 CNを用いて成膜する(およびこのTiCN層の直下 後述のような最下層を形成する場合はその 下層を850℃以下の低温で形成する)という条 を採用することにより上述のような結晶配 性を有するTiCN層を形成することができる。

 なお、TiCN層は、0.1μm以上15μm以下の厚み 有することが好ましく、さらに好ましくは 限が12μmであり下限が0.5μmである。その厚 が15μmを超えると耐欠損性が低下するため好 ましくない場合があり、0.1μm未満では上述の ような優れた効果が示されない場合がある。

 <最表面層およびアルミナ層>
 本発明の被覆層は、上記TiCN層とともに最表 面層とアルミナ層とを含むことが好ましい。

 ここで、最表面層は、Tiの炭化物、窒化 および炭窒化物のいずれかを主成分とする 覆層の表面を構成する層である。Tiの炭化物 、窒化物および炭窒化物のいずれかを主成分 とするとは、Tiの炭化物、窒化物および炭窒 物のいずれかを90質量%以上含むことを意味 、好ましくは不可避不純物を除きTiの炭化 、窒化物および炭窒化物のいずれかのみに り構成されることを意味する。また、Tiの炭 化物、窒化物および炭窒化物のそれぞれにお いて、TiとTi以外の元素(すなわちC、N、およ CN)との質量比は、Tiが50質量%以上とすること が好ましい。

 そして、Tiの炭化物、窒化物および炭窒 物のいずれかのうち、特に好ましくはTiの窒 化物(すなわちTiNで表される化合物)である。T iNはこれらの化合物のうちで色彩が最も明瞭( 金色を呈する)であるため、切削使用後の切 チップのコーナー識別が容易であるという 点がある。

 なお、本発明において化合物をTiN等の化 式で表す場合、原子比を特に限定しない場 は従来公知のあらゆる原子比を含むものと 、必ずしも化学量論的範囲のもののみに限 されるものではない。たとえば単に「TiCN」 と記す場合、「Ti」と「C」と「N」の原子比 50:25:25の場合のみに限られず、また「TiN」と 記す場合も「Ti」と「N」の原子比は50:50の場 のみに限られない。これらの原子比として 従来公知のあらゆる原子比が含まれるもの する。

 本発明の最表面層は、0.05μm以上1μm以下 厚みを有することが好ましい。さらにその みの上限は0.8μm、より好ましくは0.6μmであ 、その下限は0.1μm、より好ましくは0.2μmで る。その厚みが0.05μm未満の場合、圧縮残留 力が付与される場合その効果が十分ではな 、耐欠損性向上にあまり効果がなく、1μmを 越えると最表面層の内側に位置する層との密 着性が低下する場合がある。

 一方、上記アルミナ層は、上記最表面層と 記TiCN層との間に位置するAl 2 O 3 を主体とする層である。このようなアルミナ 層は、高速切削時の酸化摩耗に対して良好な 性能が示され、耐摩耗性の向上に資するもの となる。ここで、Al 2 O 3 を主体とするとは、Al 2 O 3 を90質量%以上含むことを意味し、好ましくは 不可避不純物を除きAl 2 O 3 のみにより構成されることを意味する。

 このようなアルミナ層は、κ型の結晶構造 有するAl 2 O 3 (以下κ-Al 2 O 3 と記すこともある)を主体とする層であるこ が望ましい。一般に高速切削においてはα型 の結晶構造を有するAl 2 O 3 (以下α-Al 2 O 3 と記すこともある)が耐摩耗性に優れる点で 利であるが、後述のように圧縮残留応力を 与するためのブラスト処理を施した場合、 理と同時にアルミナ層自体が破壊され、最 面層等とともに剥離することがある。これ 対して、κ-Al 2 O 3 であればブラスト処理を施しても破壊が起こ らず、最表面層等とともに剥離することを防 止することができるため好ましい。なお、こ のような結晶構造は、X線回折により確認す ことができる。

 このようなアルミナ層は、0.05μm以上2μm 下の厚みを有することが好ましく、さらに ましくは上限が1.5μmであり下限が0.5μmであ 。その厚みが2μmを超えると耐欠損性が低下 るため好ましくない場合があり、0.05μm未満 では十分な耐摩耗性が示されない場合がある 。

 <圧縮残留応力>
 本発明の被覆層は、上記の通り複数の層か なりその複数の層のうち少なくとも1層に圧 縮残留応力が付与されていることが好ましい が、特に上記最表面層、上記アルミナ層、お よび上記TiCN層のうちの少なくとも1層に、0.05 GPa以上2GPa以下の圧縮残留応力が付与されて ることが好ましい。付与される圧縮残留応 は、さらに好ましくは0.1GPa以上2GPa以下であ 。なお、このような圧縮残留応力の上限値 より好ましくは1.8GPa以下である。

 付与される圧縮残留応力が0.05GPa未満の場 合、耐欠損性向上に効果がない場合があり、 2GPaを超えると当該層よりも内側に形成され 層との応力差により密着性が低下し、切削 始初期に剥離してしまうため耐欠損性が低 する場合がある。

 <TiBN層>
 本発明の被覆層は、上記アルミナ層の直下( アルミナ層に接する基材側の位置)にTiB x N y (式中、xおよびyはそれぞれ原子比を示し、0.0 01≦x/(x+y)≦0.04である)で構成されるTiBN層を含 むことが好ましい。このようなTiBN層は、そ 表面が非常に細かな針状組織となるため、 ルミナ層と優れた密着性を示す。

 後述のように被覆層表面に圧縮残留応力 付与するためにブラスト処理などを施す場 、アルミナ層が剥離したり脱落する問題が るが、このようなTiBN層をアルミナ層の直下 に形成させることによりこのような問題を解 消することができる。上記式中、xおよびyは 特に好ましくは0.003≦x/(x+y)≦0.02である。こ れによりアルミナ層との間で特に良好な密着 力が得られる。また、TiとBNとの原子比は、BN の合計を1とした場合にTiが0.8~1.5とすること 好ましい。

 なお、このようなTiBN層は、本発明の被覆 層を構成する他の層に含まれる元素(特にTiBN と接する層に含まれる元素)を含むことがで きる。このようなTiBN層は、0.05μm以上1μm以下 の厚みを有することが好ましく、さらに好ま しくは上限が0.8μmであり下限が0.1μmである。 その厚みが1μmを超えると耐摩耗性が低下す ため好ましくない場合があり、0.05μm未満で アルミナ層との間で十分な密着性が示され い場合がある。

 なお、このようなTiBN層は、0.05GPa以上2GPa 下の圧縮残留応力が付与されていることが ましい。これにより、上記アルミナ層と後 のTiCN層との密着性が向上するからである。

 <硬質層>
 本発明の被覆層は、さらに周期律表のIVa族 素、Va族元素、VIa族元素、Al、およびSiから る群より選ばれる少なくとも1種の元素と、 炭素、窒素、酸素および硼素からなる群より 選ばれる少なくとも1種の元素とからなる化 物によって構成される硬質層を1層以上含む とが好ましい。このような硬質層は、本発 の被覆層中最表面層を除く任意の位置に形 することができる。たとえば、最表面層と ルミナ層との間、アルミナ層(TiBN層)とTiCN層 との間、あるいはTiCN層と基材(最下層)との間 等に形成することができる。なお、当該硬質 層が、最表面層とアルミナ層との間や、アル ミナ層(TiBN層)とTiCN層との間に存する場合、 該硬質層には0.05GPa以上2GPa以下の圧縮残留応 力が付与されていることが好ましい。これに より、各層間の密着性を向上させることがで きるからである。

 このような硬質層を構成する化合物として 、たとえばTiC、TiN、TiCN、TiNO、TiCNO、TiB 2 、TiO 2 、TiBN、TiBNO、TiCBN、TiCrCN、ZrC、ZrO 2 、HfC、HfN、TiAlN、AlCrN、CrN、VN、TiSiN、TiSiCN、A lTiCrN、TiAlCN、ZrCN、ZrCNO、AlN、AlCN、ZrN、TiZrN、 TiAlC、NbC、NbN、NbCN、Mo 2 C、WC、W 2 C等を挙げることができる。

 このような硬質層は、1層当り0.1μm以上15 m以下の厚みを有していることが好ましい。

 <最下層>
 本発明の被覆層は、Tiの窒化物で構成され かつ厚みが0.05μm以上1μm以下である最下層( 材と接する層)を含むことが好ましい。この うなTiの窒化物(TiN)で構成される最下層は基 材との密着性が高く、後述のように被覆層の 少なくとも1層に圧縮残留応力を付与するた に被覆層表面にブラスト処理を施した場合 も被覆層全体が剥離することを防止するこ ができる。また、本発明のように被覆層の なくとも1層に圧縮残留応力が付与された場 であってもこのような最下層を形成するこ により、切削に耐え得る十分な密着性が得 れるという優れた効果が示される。

 このような最下層の厚みは、好ましくはそ 下限が0.1μmである。
 <製造方法>
 本発明の被覆層は、化学蒸着法(CVD法)によ 形成されたものであることが好ましい。こ により、後述のブラスト処理を施すまでは 覆層の各層は引張り残留応力を有したもの なり、基材との密着性が非常に高いものと る。しかも本発明では、このような化学蒸 法により形成した被覆層の表面からブラス 処理を施すことにより、被覆層の少なくと 1層に圧縮残留応力が付与されたものとなる 、被覆層の各層を化学蒸着法により形成す と密着性と耐欠損性のバランスが特に優れ ものとなる。

 このような化学蒸着法としては、従来公 の方法を特に限定することなく使用するこ ができ、条件等が限定されることはない。 とえば、850~1050℃程度の成膜温度を採用す ことができ、使用するガスとしてもアセト トリル等のニトリル系のガス等従来公知の スを特に限定することなく使用することが きる。

 また、被覆層の少なくとも1層に圧縮残留 応力を付与する方法としては、たとえばブラ スト処理を利用すればよく、鋼球などの金属 粉末やアルミナなどのセラミックス粉末を直 接または水などの溶媒と混合したものを被覆 層の表面に衝突させることにより実施するこ とができる。その衝突等の具体的条件は、被 覆層の構成や付与する圧縮残留応力の大きさ 等により適宜調節することができるが、衝突 が弱すぎると圧縮残留応力が付与されないこ ととなるので適度な強さで衝突させることが 好ましい。より好ましい具体的条件としては 、吐出圧(上記のような金属粉末やセラミッ ス粉末を衝突させる際の媒体となる圧縮空 等の圧力)を0.08MPa以上0.3MPa以下、衝突時間を 3秒以上20秒以下、照射距離(上記粉末の吐出 (ノズル先端)から被照射物までの距離)を20mm 上50mm以下とする条件を挙げることができる 。このような条件のブラスト処理を被覆層の 表面に施すことにより、被覆層を構成する複 数の層のうち少なくとも1層に0.05GPa以上2GPa以 下の圧縮残留応力を付与することができる。

 <実施例>
 以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に 明するが、本発明はこれらに限定されるも ではない。

 1.5質量%のTaC、1.0質量%のNbC、9.0質量%のCo よび残部WCからなる組成(ただし不可避不純 を含む)の超硬合金製切削チップ(形状:住友 工ハードメタル(株)製CNMG120408N-UX)を基材とし 、公知の熱CVD法により表1に記載した被覆層 各層(表1中、左に記載したものから順に基材 上に形成した)を該基材上に形成することに り刃先交換型切削チップを作製した。

 たとえば、表1中実施例1は、基材上から順 0.2μmのTiN(最下層)、6.5μmのTiCN(MT-CVD法により 成、TiCN層)を形成した後、0.4μmのTiBN(TiBN層) 1.0μmのκ-Al 2 O 3 (アルミナ層)、0.7μmのTiN(最表面層)を成膜し 。

 なお、基材直上の上記TiN層(すなわち最下層 )は以下の条件で形成した。すなわち、TiCl 4 :2.0体積%、N 2 :50体積%、H 2 :残部からなる反応ガスを用い、圧力6.7kPa、 度840℃とした。

 また、上記TiCN層は以下の条件のMT-CVD法で形 成した。すなわち、TiCl 4 :2.0体積%、CH 3 CN:0.5体積%、N 2 :50体積%、H 2 :残部からなる反応ガスを用い、圧力6.7kPa、 度840℃とした。このように特に最下層を850 以下の低温で形成するとともにTiCN層を0.5体 %以下の少量のCH 3 CNで成膜することにより、TiCN層を本発明で所 望される特定の結晶配向性を有するように制 御して成膜することができる。

 また、上記TiBN層は以下の条件で形成した。 すなわち、TiCl 4 :2.0体積%、BCl 3 :0.01体積%、N 2 :10.0体積%、H 2 :残部からなる反応ガスを用い、圧力4.0kPa、 度930℃とした。このように特に圧力が2.0~4.2k Paであればアルミナ層との密着性が高く好ま い。

 また、κ-Al 2 O 3 (アルミナ層)の成膜条件は以下の条件とした AlCl 3 :5.0体積%、CO 2 :2.0体積%、H 2 :残部からなる反応ガスを用い、圧力6.0kPa、 度1000℃とした。

 なお、このようにして成膜した被覆層の総 みを表1の「合計膜厚」の欄に記載した。表 1中、被覆層の最も右側に記載されているTiを 構成中に含むものが最表面層であり(ただし 施例24および25ではZrを含む層が被覆層の表 に形成されている)、κ-Al 2 O 3 またはα-Al 2 O 3 の表記はアルミナ層を示す。また、TiBNの表 はTiBN層であり、TiCNの表記はTiCN層であり、 れ以外の化合物の表記は、最下層(最も左側 記載されているTiN)または硬質層を示す。す なわち、表1中の被覆層の欄において、各層 各表記の化合物によって構成されることを す。

 さらに上記のように被覆層形成後、切削 ップを60rpmで回転させながら刃先稜線部に して45°の方向からすくい面および逃げ面に 等に、平均粒径50μmのアルミナ製ボールを0. 1MPaの圧縮空気で5秒間、照射距離を30mmとして 衝突させるブラスト処理を施し、被覆層の少 なくとも1層に圧縮残留応力を付与すること より本発明の刃先交換型切削チップを作製 た。なお、TiCN層よりも内側(基材側)の被覆 各層は、引張り残留応力を有している。

 被覆層に付与した圧縮残留応力の応力測定 、上記したX線応力測定装置を用いたsin 2 ψ法により求め、その結果を表1に示した。た とえば、実施例1の刃先交換型切削チップのTi CN層には0.6GPaの圧縮残留応力が付与され、ア ミナ層には0.8GPaの圧縮残留応力が付与され 最表面層には0.9GPaの圧縮残留応力が付与さ ていることを示す。なお、表1中、圧縮残留 応力は数値に「マイナス」の符号を付し、「 プラス」の符号を付した引張り残留応力と区 別している。

 また、上記TiBN層を構成するTiB x N y のxおよびyは、EPMA(Electron Probe Micro Analysis) より求めx/(x+y)の値を表1に記載した。実施例 1のx/(x+y)は0.004であった。

 さらに、X線回折装置(RIGAKU社製;「RINT2400 )を用いてTiCN層をX線回折することにより、(4 22)面に最高ピーク強度を有するとともに(311) に第2のピーク強度を有することを確認し、 かつ(422)面のピーク強度I(422)と(311)面のピー 強度I(311)とのピーク強度比I(422)/I(311)を測定 、表1(「TiCN層のI(422)/I(311)」の欄)に示した 同様に、(220)面の配向性指数TC(220)を測定し 表1(「TiCN層のTC(220)」の欄)に示した。

 以上、実施例1について記載したが、これ と同様にして実施例2~25および比較例1~7の刃 交換型切削チップを作製し、表1に示した。 お、比較例1は、実施例1において被覆層の 面にブラスト処理を施さないことにより最 面層、アルミナ層、およびTiCN層が引張り残 応力を有したものとした。比較例2は、実施 例1においてピーク強度比I(422)/I(311)が1.1未満 構成とした。比較例3は、実施例1において 表面層を形成せず、アルミナ層およびTiCN層 引張り残留応力を有するものとした。比較 4は、実施例1においてピーク強度比I(422)/I(31 1)が1.1未満であり、かつ配向性指数TC(220)が1 超える構成とした。比較例5は、実施例1にお いてピーク強度比I(422)/I(311)が10を超える構成 とした。比較例6は、最表面層、アルミナ層 およびTiCN層が引張り残留応力を有するもの し、比較例7は、最表面層、アルミナ層、お よびTiCN層が引張り残留応力を有し、かつ最 層を形成しない構成としたものである。

 なお、実施例の各刃先交換型切削チップ 、いずれもTiCN層をX線回折することにより (422)面に最高ピーク強度を有するとともに(31 1)面に第2のピーク強度を有することを確認し た。

 そして、これらの刃先交換型切削チップ( 実施例1~25および比較例1~7)について以下の条 で切削試験を実施した。

 <耐欠損性試験>
 被削材:SCM440(6本溝入り)、切削速度:150m/min. 送り量:0.2mm/rev.、切込み量:1.5mm、および乾式 の条件で行なった。評価は、20切れ刃を20秒 切削した場合の破損数(破損した切れ刃の数) から破損率を求めた。すなわち破損率(%)=(破 数/20)×100とした。この結果を表2に示す。破 損率が低いもの程耐欠損性に優れていること を示す。表2より明らかなように、実施例の 先交換型切削チップは比較例の刃先交換型 削チップに比し耐欠損性が大幅に向上する とが確認された。

 <限界送り試験>
 被削材:S45C、切削速度:200m/min.、切込み量:1.8 mm、および乾式とし、送り量を0.2mm/rev.から0.0 1mm/rev.ずつ上げていき、切れ刃が欠損する時 送り量を限界送り量として測定した。この 果を表2に示す。限界送り量が大きな数値に なる程切削能率に優れていることを示す。表 2より明らかなように、実施例の刃先交換型 削チップは比較例の刃先交換型切削チップ 比し限界送り量が大幅に向上し、高能率加 が可能となることが確認された。

 <耐摩耗性試験>
 被削材:SCr420H、切削速度:300m/min.、送り量:0.2 mm/rev.、切込み量:2.0mm、および湿式(水溶性切 油)の条件で行なった。評価は、15分切削後 チップ逃げ面側の平均摩耗量Vb(mm)を測定し (この数値が小さくなる程、耐摩耗性に優れ ることを示す)。また、被削材の外径を測定 、設定値に対する加工精度を測定した(その 対値が小さくなる程、加工精度に優れるこ を示す)。さらに切削試験後の刃先交換型切 削チップに対して、走査電子顕微鏡(SEM)によ 損傷形態の観察を行なった(表2中、Al 2 O 3 とはアルミナ層を示す)。また、切削試験後 刃先交換型切削チップに対して、肉眼によ コーナーの明瞭性を確認した。これらの結 を表2に示す。

 表2より明らかなように、実施例の刃先交 換型切削チップは比較例の刃先交換型切削チ ップに比し耐摩耗性が大幅に向上すると同時 に、非常に高い加工精度が得られることも確 認された。また、SEM観察の結果、実施例の刃 先交換型切削チップは比較例の刃先交換型切 削チップに比しチップの損傷形態も良好であ り、安定して長寿命を達成することおよび基 材と被覆層との密着性が良好であることが確 認できた。また、特に最表面層としてTiNから なる層を形成した場合は使用コーナーの識別 が非常に明瞭であることも確認できた。

 以上の通り、本発明の刃先交換型切削チ プは、耐摩耗性および耐欠損性を両立させ とともに、基材と被覆層との密着性にも優 たものであることが確認できた。

 以上のように本発明の実施の形態および 施例について説明を行なったが、上述の各 施の形態および実施例の構成を適宜組み合 せることも当初から予定している。

 今回開示された実施の形態および実施例 すべての点で例示であって制限的なもので ないと考えられるべきである。本発明の範 は上記した説明ではなくて請求の範囲によ て示され、請求の範囲と均等の意味および 囲内でのすべての変更が含まれることが意 される。