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Title:
EGR CONTROLLER FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/120553
Kind Code:
A1
Abstract:
The quantity of EGR gas recirculated by a low-pressure EGR device is more accurately controlled. An EGR controller for internal combustion engine has an exhaust purification means (22) provided in the exhaust passage of the engine, a low-pressure EGR passage (41) for recirculating exhaust gas from the exhaust passage in the downstream of the exhaust gas purification means to the intake passage of the engine, a low-pressure EGR control valve (42) provided in the low-pressure EGR passage and controlling the quantity of exhaust gas to be recirculated, a restriction valve (43) provided in the exhaust passage connected to the low-pressure EGR passage or the intake passage connected to the low-pressure EGR passage, pressure detection means (44) for detecting the pressure between the restriction valve and the low-pressure EGR control valve, and control means (1) for controlling, based on the detected pressure, the restriction valve to form a pressure difference within a predetermined range between the upstream and downstream portions of the low-pressure EGR control valve.

Inventors:
UENO MASAKI (JP)
NAKAJIMA KOICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054669
Publication Date:
October 09, 2008
Filing Date:
March 13, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HONDA MOTOR CO LTD (JP)
UENO MASAKI (JP)
NAKAJIMA KOICHI (JP)
International Classes:
F02D21/08; F02D9/02; F02D9/04; F02D41/04; F02M25/07
Foreign References:
JP2006336547A2006-12-14
JPH08170540A1996-07-02
JPH0211858A1990-01-16
JP2005055952A2005-03-03
JPH1162662A1999-03-05
JPH10266866A1998-10-06
JP2004150319A2004-05-27
JP2005127247A2005-05-19
JP2000064883A2000-02-29
JP2005127247A2005-05-19
JP2004150319A2004-05-27
JP2002021625A2002-01-23
DE102006038863A12007-03-08
Other References:
See also references of EP 2128407A4
Attorney, Agent or Firm:
OKADA, FUSHIMI AND HIRANO, PC (2-7 Kudan-minami 3-chome, Chiyoda-k, Tokyo 74, JP)
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Claims:
 内燃機関のEGR制御装置であって、
 前記内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化手段と、
 前記排気浄化手段の下流の排気通路から、排気を、前記内燃機関の吸気通路に還流する低圧EGR通路と、
 前記低圧EGR通路に設けられ、前記還流する排気の量を制御する低圧EGR制御弁と、
 前記低圧EGR通路が接続された排気通路または該低圧EGR通路が接続された吸気通路に設けられた絞り弁と、
 前記絞り弁および前記低圧EGR制御弁の間の圧力を検出する圧力検出手段と、
 前記低圧EGR制御弁の上流および下流の間に、所定範囲内の圧力差が形成されるように、前記検出された圧力に基づいて前記絞り弁を制御する制御手段と、
 を備える、内燃機関のEGR制御装置。
 前記絞り弁が前記吸気通路に設けられる場合には、前記圧力検出手段は、前記低圧EGR制御弁の下流の圧力を検出し、前記制御手段は、該下流の圧力が、該低圧EGR制御弁の上流の圧力に対して所定値以下の圧力差が形成されるよう、前記絞り弁を制御し、
 前記絞り弁が前記排気通路に設けられる場合には、前記圧力検出手段は、前記低圧EGR制御弁の上流の圧力を検出し、前記制御手段は、該上流の圧力が、該低圧EGR制御弁の下流の圧力に対して所定値以上の圧力差が形成されるよう、前記絞り弁を制御する、
 請求項1に記載の内燃機関のEGR制御装置。
 内燃機関のEGR制御装置であって、
 前記内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化手段と、
 前記排気浄化手段の下流の排気通路から、排気を、前記内燃機関の吸気通路に還流する低圧EGR通路と、
 前記低圧EGR通路に設けられ、前記還流する排気の量を制御する低圧EGR制御弁と、
 前記低圧EGR通路が接続された排気通路または該低圧EGR通路が接続された吸気通路に設けられた絞り弁と、
 前記低圧EGR制御弁の上流および下流の間に、所定範囲内の圧力差が形成されるように、現在の吸気量または排気量を表す運転状態パラメータの値に基づいて前記絞り弁を制御する制御手段と、を備える、
 内燃機関のEGR制御装置。
 前記制御手段は、前記運転状態パラメータの値が増加するに従って前記絞り弁の開度が大きくなるよう、該絞り弁を制御する、
 請求項3に記載の内燃機関のEGR制御装置。
 前記所定範囲は、前記低圧EGR制御弁の上流および下流のうち前記絞り弁が設けられた側の圧力の変化に対し、該低圧EGR制御弁を介して還流される排気の量の変化が少ない圧力差領域内に設定される、
 請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関のEGR制御装置。
 前記所定範囲は、前記絞り弁のポンプ損失が所定値以下になる圧力差領域内に設定される、
 請求項1から5のいずれかに記載の内燃機関のEGR制御装置。
 内燃機関のEGRを制御するための方法であって、
 低圧EGR通路を介して、前記内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化手段の下流から、排気を、前記内燃機関の吸気通路に還流するステップと、
 前記低圧EGR通路に設けられた低圧EGR制御弁により、前記還流する排気の量を制御するステップと、
 前記低圧EGR通路が接続された排気通路または該低圧EGR通路が接続された吸気通路に設けられた絞り弁と、前記低圧EGR制御弁との間の圧力を検出するステップと、
 前記低圧EGR制御弁の上流および下流の間に、所定範囲内の圧力差が形成されるように、前記検出された圧力に基づいて前記絞り弁を制御するステップと、
 を含む、方法。
 前記絞り弁が前記吸気通路に設けられる場合には、前記検出するステップは、前記低圧EGR制御弁の下流の圧力を検出し、前記絞り弁を制御するステップは、該下流の圧力が、該低圧EGR制御弁の上流の圧力に対して所定値以下の圧力差が形成されるよう、前記絞り弁を制御し、
 前記絞り弁が前記排気通路に設けられる場合には、前記検出するステップは、前記低圧EGR制御弁の上流の圧力を検出し、前記絞り弁を制御するステップは、該上流の圧力が、該低圧EGR制御弁の下流の圧力に対して所定値以上の圧力差が形成されるよう、前記絞り弁を制御する、
 請求項7に記載の方法。
 内燃機関のEGRを制御するための方法であって、
 低圧EGR通路を介して、前記内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化手段の下流から、排気を、前記内燃機関の吸気通路に還流するステップと、
 前記低圧EGR通路に設けられた低圧EGR制御弁により、前記還流する排気の量を制御するステップと、
 前記低圧EGR制御弁の上流および下流の間に、所定範囲内の圧力差が形成されるように、現在の吸気量または排気量を表す運転状態パラメータの値に基づいて、前記低圧EGR通路が接続された排気通路または該低圧EGR通路が接続された吸気通路に設けられた絞り弁を制御するステップと、
 を含む、方法。
 前記絞り弁を制御するステップは、前記運転状態パラメータの値が増加するに従って前記絞り弁の開度が大きくなるよう、該絞り弁を制御する、
 請求項9に記載の方法。
 前記所定範囲は、前記低圧EGR制御弁の上流および下流のうち前記絞り弁が設けられた側の圧力の変化に対し、該低圧EGR制御弁を介して還流される排気の量の変化が少ない圧力差領域内に設定される、
 請求項7から10のいずれかに記載の方法。
 前記所定範囲は、前記絞り弁のポンプ損失が所定値以下になる圧力差領域内に設定される、
 請求項7から11のいずれかに記載の方法。
Description:
内燃機関のEGR制御装置

 この発明は、内燃機関のEGRを制御する装 に関する。

  従来、内燃機関において、排気の一部 吸気側に戻し、該戻した排気(EGRガス)で燃焼 を行うことにより、燃焼温度を下げてNOx(窒 酸化物)の発生を低減するEGR装置(高圧EGR装置 )が提案されている。さらに、特開2005-127247号 公報および特開2004-150319号公報のように、高 EGR装置と併用して、低圧EGR装置を設けるこ が提案されている。これにより、吸気側に す排気の温度をさらに低下させることがで るので、燃焼温度が低下し、よってNOxの発 量をより低減することができる。

  特開2002-21625号公報には、このような低 EGR装置において、過給機のタービン下流の 気管とコンプレッサ上流の吸気管との間を 続するEGR通路上に、該通路を通るEGRガスの を制御するためのEGRバルブを設けると共に 排気管における該EGR通路の分岐個所よりも 流に背圧バルブを設けることが記載されて る。この背圧バルブにより、該分岐個所に ける圧力を増減し、これによってEGR率を調 する。

 低圧EGR装置によって還流されるEGRガスの は、該EGRガスが通る通路に設けられて該EGR スの量を制御するEGR制御弁の前後(上流およ び下流)の圧力差に従って変化する。したが て、所望の量のEGRガスを還流させるために 該圧力差を制御するのが望ましい。

 上記の従来技術では、EGR通路が排気管に 続する個所よりも下流に背圧バルブを設け ことが記載されているが、この背圧バルブ 制御手法は何ら示唆されていない。

 したがって、本願発明は、低圧EGR装置に り還流されるEGRガスの量をより正確に制御 ることができるよう、EGR制御弁の前後の圧 差を制御する手法を提案することを目的と る。

 本願発明の一つの側面によると、内燃機 のEGR制御装置は、内燃機関の排気通路に設 られた排気浄化手段(22)と、該排気浄化手段 の下流の排気通路から、排気を、内燃機関の 吸気通路に還流する低圧EGR通路(41)と、該低 EGR通路に設けられ、還流する排気の量を制 する低圧EGR制御弁(42)と、低圧EGR通路が接続 れた排気通路または低圧EGR通路が接続され 吸気通路に設けられた絞り弁(43)と、絞り弁 および低圧EGR制御弁の間の圧力を検出する圧 力検出手段(44)と、低圧EGR制御弁の上流およ 下流の間に、所定範囲内の圧力差が形成さ るように、前記検出された圧力に基づいて 記絞り弁を制御する制御手段(1)と、を備え 。

 この発明によれば、低圧EGR制御弁の前後 所定範囲内の圧力差が形成されるように、 出された圧力に基づいて絞り弁を制御する で(フィードバック制御)、低圧EGR制御弁の 後に所望の圧力差を形成することができ、 れにより、所望の量の排気を安定的に還流 せることができる。

 この発明の一実施形態によれば、絞り弁 吸気通路に設けられる場合には(図1)、圧力 出手段(44)は、低圧EGR制御弁の下流の圧力(P1 )を検出し、制御手段は、該下流の圧力が、 圧EGR制御弁の上流の圧力(P0)に対して所定値 下の圧力差が形成されるよう、絞り弁を制 する。絞り弁が排気通路に設けられる場合 は(図8)、圧力検出手段(44)は、低圧EGR制御弁 の上流の圧力(P4)を検出し、制御手段は、該 流の圧力が、低圧EGR制御弁の下流の圧力(P0) 対して所定値以上の圧力差が形成されるよ 、絞り弁を制御する。こうして、絞り弁が 気側に設けられる場合と排気側に設けられ 形態のいずれにおいても、所望の圧力差が 圧EGR制御弁の前後に形成されるようにする

 この発明の他の側面によれば、内燃機関 EGR制御装置は、内燃機関の排気通路に設け れた排気浄化手段と、排気浄化手段の下流 排気通路から、排気を、内燃機関の吸気通 に還流する低圧EGR通路(41)と、低圧EGR通路に 設けられ、還流する排気の量を制御する低圧 EGR制御弁(42)と、低圧EGR通路が接続された排 通路または該低圧EGR通路が接続された吸気 路に設けられた絞り弁(43)と、低圧EGR制御弁 上流および下流の間に、所定範囲内の圧力 が形成されるように、現在の吸気量または 気量を表す運転状態パラメータの値に基づ て絞り弁を制御する制御手段(1)と、を備え 。

 この発明によれば、低圧EGR制御弁の前後 所定範囲内の圧力差が形成されるように、 在の吸気量または排気量を表す運転状態パ メータの値に基づいて絞り弁を制御するの (フィードフォワード制御)、低圧EGR制御弁 前後に所望の圧力差を形成することができ これにより、所望の量の排気を還流させる とができる。

 本願発明の一実施形態によれば、運転状 パラメータの値が増加するに従って絞り弁 開度が大きくなるよう、絞り弁は制御され 。これにより、吸気量または排気量が変動 ても、低圧EGR制御弁の前後に所望の圧力差 形成することができる。

 本願発明の一実施形態によれば、上記所 範囲は、低圧EGR制御弁の上流および下流の ち絞り弁が設けられた側の圧力の変化に対 、低圧EGR制御弁を介して還流される排気の の変化が少ない圧力差領域内(122)に設定さ る。

 この発明によれば、圧力変化に対しEGR流 の変化が少ない圧力差領域内に所定範囲が 定されるので、EGR流量が急変するのを防止 つつ、制御手段によって所望のEGR流量を維 することができる。

 本願発明の一実施形態によれば、上記所 範囲は、絞り弁のポンプ損失が所定値以下 なる圧力差領域内(127)に設定される。

 この発明によれば、ポンプ損失が抑制さ るような圧力差領域内に所定範囲が設定さ るので、絞り弁を作動させることによりポ プ損失が増大するのを防止することができ 。

この発明の第1の実施形態に従う、低圧 EGR装置および高圧EGR装置を備える内燃機関お よびその制御装置を概略的に示す図。 低圧EGR装置によるEGR率の再現性の問題 説明するための図。 この発明の一実施例に従う、EGR制御弁 前後の圧力の比に対するEGR流量の変化を示 図。 この発明の一実施例に従う、(a)圧力差 対するEGR流量の変化、および(b)圧力差に対 るポンプ仕事の割合を示す図。 この発明の第1の実施形態に従う、絞り 弁のフィードバック制御を介して低圧EGR制御 弁を制御するプロセスのフロー。 この発明の第1の実施形態に従う、絞り 弁のフィードフォワード制御を介して低圧EGR 制御弁を制御するプロセスのフロー。 この発明の第1の実施形態に従う、運転 状態パラメータに基づく絞り弁の目標開度を 示すマップ。 この発明の第2の実施形態に従う、低圧 EGR装置および高圧EGR装置を備える内燃機関お よびその制御装置を概略的に示す図。 この発明の第2の実施形態に従う、絞り 弁のフィードバック制御を介して低圧EGR制御 弁を制御するプロセスのフロー。 この発明の第2の実施形態に従う、絞 弁のフィードフォワード制御を介して低圧EG R制御弁を制御するプロセスのフロー。 この発明の第1の実施形態に従う、絞 弁のフィードバック制御およびフィードフ ワード制御を介して低圧EGR制御弁を制御す プロセスのフロー。

 次に図面を参照してこの発明の実施の形 を説明する。

 [第1の実施形態]
 図1は、この発明の第1の実施形態に従う、 燃機関(以下、エンジンと呼ぶ)およびその制 御装置の概略的な構成図である。

 電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)1 は、中央演算処理装置(CPU)およびメモリを備 るコンピュータである。メモリには、車両 様々な制御を実現するためのコンピュータ プログラムおよび該プログラムの実施に必 なデータ(マップを含む)を格納することが きる。ECU1は、車両の各部から送られてくる ータを受け取って演算を行い、車両の各部 制御するための制御信号を生成する。

 エンジン2は、この実施例では、ディーゼ ルエンジンである。エンジン2は、たとえば4 筒を備えており、図には、そのうちの1つの 気筒のみが示されている。

 エンジン2には、吸気バルブ3を介して吸 管4が連結されると共に、排気バルブ5を介し て排気管6が連結されている。燃料噴射弁7が ピストン8の上部に形成された燃焼室9に臨 ように取り付けられている。燃料噴射弁7は コモンレール(図示せず)を介して、高圧ポ プおよび燃料タンク(図示せず)に接続されて いる。高圧ポンプは、燃料タンク内の燃料を 昇圧した後、コモンレールを介して燃料噴射 弁7に送り、燃料噴射弁7は、受取った燃料を 焼室9内に噴射する。燃料噴射弁7の噴射時 および噴射時期は、ECU1からの制御信号に従 て制御される。

 過給装置10が設けられており、過給装置10 は、吸気管4に連通する吸気通路15に設けられ た回転自在のコンプレッサ11と、排気管6に連 通する排気通路16に設けられた回転自在のタ ビン12と、これらを連結するシャフト13を備 えている。タービン12は、排ガス(排気)の運 エネルギーにより回転駆動され、タービン12 の回転駆動により、コンプレッサ11が回転駆 され、吸気の圧縮を行う。

 タービン12は、複数の回動自在な可変ベ ン(2つのみ図示している)14を有しており、ECU 1からの制御信号に従って可変ベーン14の開度 (ベーン開度と呼ばれる)を変更する。ベーン 度を変更することにより、タービン12の回 数を変更することができる。可変ベーン開 を閉じるほど、タービンの回転数が上昇し 過給圧が増加する。

 コンプレッサ11の上流の吸気通路15には、 エアフローセンサ17およびエアクリーナ18が けられ、コンプレッサ11の下流には、水冷式 のインタークーラ19が設けられている。エア ローセンサ17は、エアクリーナ18でフィルタ リングされて吸気通路15に導入される空気の (吸入空気量)を検出し、この検出信号はECU1 送られる。インタークーラ19は、過給装置10 の過給動作により吸入空気の温度が上昇した ときなどに、吸入空気を冷却する。

 インタークーラ19の下流には、スロット 弁20が設けられている。スロットル弁20には クチュエータが接続されており、アクチュ ータは、ECU1からの制御信号に従ってスロッ トル弁20の開度を制御する。

 スロットル弁20の下流には、吸気管4の圧 を検出する吸気管圧力センサ21が設けられ おり、この検出値はECU1に送られる。

 タービン12の下流の排気通路16には、排ガ ス中の未燃HC(炭化水素)などの固形微粒子(パ ティキュレート)を捕集するフィルタ(DPFと ばれる)22および排ガス中のNOxを吸着する触 装置(LNCと呼ばれる)23が設けられており、こ らの装置で排ガスを浄化する。代替的に、 ガスを浄化する手段として、他の装置(触媒 、フィルタ等)を設けてもよい。

 コンプレッサ11およびスロットル弁20の下 流の吸気管とタービン12の上流の排気管との には、高圧EGR通路31が接続されている。高 EGR通路31を介して、エンジン2の排ガスの一 が吸気管3にEGRガスとして還流される。

 高圧EGR通路31には、高圧EGR制御弁32が設け られている。高圧EGR制御弁32の開度を、ECU1か らの制御信号によって制御することにより、 高圧EGR通路31を介して吸気管4に還流されるEGR ガスの量を制御することができる。また、高 圧EGR通路31には、EGRクーラ33が設けられてお 、排気管6からの高温のEGRガスは、EGRクーラ3 3により冷却されて吸気管4に還流される。

 コンプレッサ11の上流の吸気通路とター ン12およびDPF22の下流の排気通路6との間には 、低圧EGR通路41が接続されている。低圧EGR通 41を介して、エンジン2の排ガスの一部が吸 通路15にEGRガスとして還流される。代替的 、低圧EGR通路41の排気側は、触媒装置23の下 に接続してもよい。

 低圧EGR通路41には、低圧EGR制御弁42が設け られている。低圧EGR制御弁32の開度を、ECU1か らの制御信号によって制御することにより、 低圧EGR通路41を介して吸気通路15に還流され EGRガスの量(EGR量)を制御することができる。

 こうして、高圧EGR通路31だけでなく低圧EG R通路41を介したEGRガスの還流をも行うことに より、燃焼室5内の燃焼温度をより低下させ ことができ、排ガス中のNOxをより低減する とができる。

 低圧EGR通路41が、スロットル弁20およびコ ンプレッサ11の上流の吸気通路とタービン12 よびDPF22の下流の排気通路との間に接続され ているので、低圧EGR通路41上に設けられた低 EGR制御弁42の前後(上流と下流)の圧力差は非 常に小さい。したがって、絞り弁を設けて圧 力差を生じさせることで、低圧EGR通路41を流 るEGRガスの吸気通路15への還流を促進させ 。

 この第1の実施形態では、絞り弁43は、低 EGR通路41が吸気通路15に接続する個所の上流 に設けられる。絞り弁43の開度を調整するこ により、絞り弁43の下流に所定の圧力を形 し、これにより、低圧EGR制御弁42の上流と下 流との間に所望の圧力差を生じさせることが できる。

 絞り弁43にはアクチュエータ(図示せず)が 接続されており、ECU1からの制御信号に従っ 、該アクチュエータにより絞り弁43の開度が 制御される。圧力センサ44が、絞り弁43と低 EGR制御弁42の間に設けられており、低圧EGR制 御弁42の下流(絞り弁43の上流)の圧力を検出す る。この検出信号はECU1に送られる。

 また、ECU1には、大気圧を検出する大気圧 (PA)センサ51が接続されている。また、エンジ ン2のクランク軸(図示せず)の回転に従ってク ランクパルスを送出するクランク角センサ52 ECU1に接続されている。ECU1は、クランクパ スに基づいて、エンジン2の回転数(NE)を算出 することができる。

 ECU1は、各種センサからの検出信号に応じ て、メモリに記憶されたプログラムおよびデ ータ(マップを含む)に従い、エンジン2の運転 状態を検出すると共に、燃料噴射量、燃料噴 射時期、EGR量、吸入空気量、過給圧等を制御 する。

 ここで、図2~図4を参照して、本願発明に う絞り弁制御の技術的意義について説明す 。図2を参照すると、エンジンの回転数およ び出力トルクが一定の条件下で、図1に示す うな低圧EGR制御弁42の開度に対するEGR率(EGR /EGR量+新気の量)をシミュレーションした結 を示す。図1のような絞り弁43による圧力調 は行われていない。符号101および102は、1回 と2回目のシミュレーション(ケース1、2)に けるEGR率を示す。領域103に示されているよ に、低圧EGR制御弁を所定の開度に制御した きに、EGR率がケース1と2とでばらついており 、再現性が無い。

 ここで、該シミュレーションにおける吸 量(図1のエアフローセンサ17により検出する ことができる)について観察した。符号104は ース1における吸気量を示し、符号105はケー 2における吸気量を示す。ケース1とケース2 の吸気量の差に従い、EGR率もケース1とケー ス2とで差が生じていることがわかる。これ 、吸気量の変動により、低圧EGR制御弁42の前 後の圧力差が変動してしまうからである。し たがって、このようなEGR率の再現性の無さを 防止するため、絞り弁43によって低圧EGR制御 42の前後の圧力差を制御するのが望ましい

 ここで、図3を参照し、低圧EGR制御弁42の 後の圧力差について考察する。図3は、一般 的なEGR制御弁の前後の圧力比(Pr=P/P0)に対する EGR流量のシミュレーション結果を表す。ここ で、圧力Pは、EGR制御弁の下流の圧力を示し 圧力P0は、該EGR制御弁の上流の圧力を示す。 なお、図1に示すような絞り弁43による圧力調 整は行われていないとする。

 低圧EGR通路41は、図1からも明らかなよう 、その下流が大気に近い吸気通路15に接続 れ、その上流が大気に近い排気通路16に接続 されている。したがって、低圧EGR制御弁42の 後の圧力差は小さい。すなわち、圧力比Pr 、ほぼ1に近い値をとる。低圧EGR制御弁42の 力比Prは符号110に示される領域に存在し、こ の領域では、符号114に示されるように、圧力 比Prの変化に対するEGR流量の変化が大きい。 方、比較のため高圧EGR制御弁32について述 ると、高圧EGR通路31は、エンジンのシリンダ に連結された吸気管4と排気管6との間に接続 れているので、高圧EGR制御弁32の前後の圧 差は高い。圧力比Prは、約0.6付近の値をとり 、符号111に示される領域に存在する。この領 域では、符号113に示されるように、圧力比Pr 変化に対するEGR流量の変化が小さい。この うに、低圧EGR制御弁42については、その前 の圧力差の変化に対するEGR流量の変化が大 い。

 図2を参照して述べたように、低圧EGR制御 弁42の圧力差を絞り弁43によって制御するの 望ましいが、符号110に示すような領域では 絞り弁43による制御を行っても、所望のEGR流 量を安定的に実現するのは困難なおそれがあ る。

 そこで、本願発明の一実施形態では、絞 弁43によって制御対象とする圧力差の領域 して、圧力変化に対するEGR流量の変化が小 い領域を選択する。図4を参照すると、(a)は 低圧EGR制御弁42の前後の圧力差δpに対するEG R流量の変化をシミュレーションした結果の 例を示す。ここで、“EGR流量の変化”は、( 圧EGR制御弁42の下流の圧力P[kPa]が(P+1)[kPa]に えた時のEGR流量)/低圧EGR制御弁42の下流の圧 力がP[kPa]である時のEGR流量)、で算出される すなわち、圧力差δpのそれぞれについて、 とえば吸気量変動によって低圧EGR制御弁42の 下流の圧力Pが1[kPa]増えた時に、どれくらいEG R流量が変化するか、を表している。

 図から明らかなように、約5[kPa]より低い 力差δpの領域120では、符号121に示されるよ に、圧力変化に対するEGR流量の変化が大き 。約6kPaより大きい圧力差δpの領域122では、 符号123に示されるように、圧力変化に対する EGR流量の変化が10%より小さい。このように、 絞り弁43によって低圧EGR制御弁42の前後の圧 差を、例えば約6kPa以上の圧力差領域122内に めるようにすれば、EGR流量のばらつきを大 く低減することができる。たとえば、圧力 δpが10kPaで、EGR流量の変化は約5%である。

 したがって、本願発明の一実施形態では 領域122内に収まる圧力差が低圧EGR制御弁42 前後に形成されるように、絞り弁43を制御す る。これにより、圧力変化によってEGR流量が 大きくばらつくのを防止することができる。

 より好ましい実施形態では、絞り弁43の ンプ損失を減らすよう、絞り弁43を制御する 。ここで図4の(b)を参照すると、低圧EGR制御 42の前後の圧力差δpに対する、ポンプ仕事の 正味仕事に対する割合を示す。エンジン2は ピストン(図1)に接続されたクランクシャフ を回転することにより出力(仕事)を生成して いる。絞り弁43が空気を絞る際に生成される ンプ仕事は、該エンジン出力に対する損失( いわゆる、ポンプ損失と呼ばれる)となる。 味仕事は、該エンジンが生成する出力から 該ポンプ仕事等の損失を差し引くことによ 得られる。

 図に示されるように、圧力差δpが大きく るほど、絞り弁43のポンプ仕事は大きくな 。これは、圧力差δpが大きいほど、絞り弁43 が作動するのに要する仕事が大きくなるから である。このポンプ仕事は、エンジンの負荷 によっても異なる。符号125で示すように、エ ンジンが全負荷である時、圧力差δpが約10kPa おいて、ポンプ仕事の割合は約1.5%である。 符号126で示すように、エンジンが1/2負荷(中 荷であり、典型的には、通常の走行で平均 た負荷を示す)である時、圧力差δpが約10kPa おけるポンプ仕事の割合は約3%である。ポン プ仕事の割合は低い方が好ましく、例えば約 3%以下に抑制するのが好ましい。

 図4(a)を参照して説明した領域122のうち、 図4(b)に示されるポンプ仕事の割合が小さく るように、圧力差領域を選択するのが好ま い。一例では、6~10kPaの圧力差領域127が選択 れる。この領域127内に収まるように低圧EGR 御弁42の圧力差を絞り弁43で制御すれば、EGR 流量を大きく変動させることなく、また、ポ ンプ仕事を抑制することができる。

 以上のように、本願発明は、低圧EGR制御 の前後の圧力差が所定範囲内に収まるよう り弁43を制御することを目的とする。より ましくは、該所定範囲は、低圧EGR制御弁の 流の圧力の変化に対するEGR流量の変化が小 いよう選択された圧力差領域122である。さ に好ましくは、該所定範囲は、絞り弁43のポ ンプ損失が低減される圧力差領域127である。

 以下、絞り弁43の制御を介して低圧EGR制 弁42の前後に所望の圧力差を形成するための 具体的な手法を説明する。

 [第1の実施形態に従う第1の例]
 図1に示す、絞り弁43が吸気側に設けられた 1の実施形態に従う、絞り弁43および低圧EGR 御弁42を制御する手法について説明する。

 図5は、フィードバック制御による絞り弁 43の制御を介して、低圧EGR制御弁42を制御す プロセスのフローチャートである。該プロ スは、ECU1のCPUによって、所定の時間間隔で 行される。

 ステップS1において、圧力センサ44(図1)の 検出値に基づいて、低圧EGR制御弁42の下流の 圧力P1を、P1_actとして検出する。ステップS2 において、低圧EGR制御弁42の下流の圧力の目 値P1_cmdを決定する。目標値P1_cmdは、所望の 力差が生成されるように設定される。

 低圧EGR制御弁42の上流が排気通路16に接続 されているので、低圧EGR制御弁42の上流の圧 は、ほぼ大気圧と考えることができる。し がって、低圧EGR制御弁の下流の目標値P1_cmd 、大気圧P0から所望の圧力差を減算した値(P 0-所望の圧力差)に設定される。これにより、 低圧EGR制御弁42の上流の圧力はP0であり、下 の圧力は(P0-所望の圧力差)となり、よって該 所望の圧力差が、低圧EGR制御弁42の前後で生 される。ここで、大気圧P0は、大気圧セン 51(図1)から検出されることができる。

 代替的に、低圧制御弁42の上流に第2の圧 センサを設け、上記P0として、該第2の圧力 ンサの検出値を用いてもよい。

 上記の所望の圧力差は、図4の(a)を参照し て説明したように、圧力変化に対するEGR流量 の変化が小さい圧力差領域122内に収まるよう 設定されるのが好ましい。さらに好ましくは 、図4の(b)を参照して説明したように、絞り 43のポンプ損失を抑制するような圧力差領域 127内に設定されるのが好ましい。この実施例 では、所望の圧力差は10kPaに設定される。こ により、EGR流量の変化を約5%に抑制するこ ができると共に、ポンプ損失を約3%に抑制す ることができる。

 ステップS3において、実圧力P1_actと目標圧 P1_cmdとの差errP1を算出する。ステップS4にお て、以下の式に示すように、差errP1をゼロ 収束させるように所定のPI制御を実行し、絞 り弁43の目標開度θ LPL_TH を算出する。ここで、KP TH はP(比例)項ゲインであり、KI TH はI(積分)項ゲインであり、それぞれ、シミュ レーション等を介して予め決められた値に設 定される。

 算出された目標開度θ LPL_TH になるよう、絞り弁43は制御信号を介して制 される。こうして、所望の圧力差が生成さ るように、絞り弁43の開度が制御される。 お、この実施例ではPI制御を用いているが、 他の制御手法を用いて差errP1を収束させても い。

 ステップS5~S8は、低圧EGR制御弁42を制御す るプロセスである。ステップS5において、エ フローセンサ17(図1)の検出値から、新気の 入空気量をQair_actとして検出する。ステップ S6において、エンジン2の運転状態に基づいて 、新気の吸入空気量の目標値を決定する。た とえば、検出されたエンジン回転数NE(クラン ク角センサ52の出力から検出されることがで る)およびエンジン負荷(たとえば、吸気管 力センサ21から検出されることができる)に づいて所定のマップ(ECU1のメモリに記憶する ことができる)を参照することにより、該目 値を決定することができる。

 ステップS7において、新気の吸入空気量の 値Qair_actと目標値Qair_cmdの差errを算出する。 テップS8において、以下の式に示すように 差errをゼロに収束させるよう所定のPI制御を 実行し、低圧EGR制御弁42の開度θ LPL_EGR を算出する。ここで、KP EGR はP(比例)項ゲインであり、KI EGR はI(積分)項ゲインであり、それぞれ、シミュ レーション等を介して予め決められた値に設 定される。

 こうして、算出された開度θ LPL_EGR になるよう、低圧EGR制御弁42は制御信号を介 て制御される。なお、この実施例ではPI制 を用いているが、他の制御手法を用いて差er rを収束させてもよい。

 このように、絞り弁43のフィードバック 御を介して低圧EGR制御弁42の前後の圧力差を 制御することにより、低圧EGR制御弁42によるE GR率を制御することが可能となる。さらに、 り弁43のフィードバック制御を介して、低 EGR制御弁42の前後の圧力差が、圧力変化に対 するEGR流量の変化が小さい圧力差領域内に収 まるよう制御されるので、EGR流量が大きくば らつくことを防止することができる。さらに 、低圧EGR制御弁42の前後の圧力差が、絞り弁4 3のポンプ損失が抑制される圧力差領域内に まるよう制御されるので、絞り弁43を作動さ せることによるポンプ損失を抑制することが できる。

 [第1の実施形態に従う第2の例]
 図6は、フィードフォワード制御による絞り 弁43の制御を介して、低圧EGR制御弁42を制御 るプロセスのフローチャートである。該プ セスは、ECU1のCPUによって、所定の時間間隔 実行される。

 ステップS11において、エンジンの吸気量 たは排気量を表す運転状態パラメータを、x として検出する。たとえば、このような運転 状態パラメータとして、エアフローセンサ17( 図1)の検出値Qair_actを用いることができる。 替的に、エンジン回転数NEと吸気管圧力PB、 ンジン回転数NEと出力トルク、エンジン回 数NEとエンジン負荷等を、吸気量または排気 量を表す運転状態パラメータとして用いても よい。

 ステップS12において、運転状態パラメータx に基づいて所定のマップ(ECU1のメモリに記憶 れることができる)を参照し、絞り弁43の目 開度θ LPL_TH を求める。

 ここで、図7を参照すると、マップの一例 が示されている。該マップは、運転状態パラ メータx(この例では、吸気量Qair_act)が大きく るほど、絞り弁43の開度が大きくなるよう 定されている。絞り弁43の開度が一定である とき、絞り弁43の前後の圧力差は、吸気量Qair _actが大きくなるほど、大きくなる。したが て、所望の圧力差を維持するために、吸気 Qair_actが大きくなるほど、絞り弁43の開度を きくする。

 好ましくは、該マップは、図4の(a)および(b) を参照して説明した圧力差領域122または127内 に収まるような圧力差を生成するよう、絞り 弁43の目標開度θ LPL_TH は定義されている。たとえば、シミュレーシ ョン等を介して、圧力差10kPaを維持するため 絞り弁43の開度を吸気量に対して求め、こ を、該マップに規定することができる。

 排気量を上記の運転状態パラメータとし 用いる場合も、同様のマップが定義される すなわち、排気量は、吸気量が大きくなる ど大きくなるので、該マップは、排気量が きくなるほど、絞り弁43の開度が大きくな ように定義される。

 こうして、求めた目標開度θ LPL_TH になるよう、絞り弁43は制御信号を介して制 され、これにより、所望の圧力差を低圧EGR 御弁42の前後に生成する。

 ステップS15~S18は、低圧EGR制御弁42を制御 るプロセスであり、これは、図5のステップ S5~S8と同じであるので、説明を省略する。

 [第2の実施形態]
 図8は、この発明の第2の実施形態に従う、 燃機関(以下、エンジンと呼ぶ)およびその制 御装置の概略的な構成図である。図1と異な 点のみを説明する。

 この第2の実施形態では、絞り弁43が、低 EGR通路41が排気通路16に接続する個所の下流 に設けられる。絞り弁43の開度を調整するこ により、絞り弁43の上流に所定の圧力を形 し、これにより、低圧EGR制御弁42の上流と下 流との間に所望の圧力差を生じさせることが できる。

 絞り弁43にはアクチュエータ(図示せず)が 接続されており、ECU1からの制御信号に従っ 、該アクチュエータにより絞り弁43の開度が 制御される。圧力センサ44が、絞り弁43と低 EGR制御弁42の間に設けられており、低圧EGR制 御弁42の上流(絞り弁43の下流)の圧力を検出す る。この検出信号はECU1に送られる。

 第2の実施形態にも、図4を参照して説明 たことは基本的にあてはまる。すなわち、 り弁43は、低圧EGR制御弁42の前後の圧力差が 定範囲内に収まるよう制御される。より好 しくは、該所定範囲が、低圧EGR制御弁42の 流の圧力の変化に対するEGR流量の変化が小 い圧力差領域122である(図4の(a))。さらに好 しくは、該所定範囲は、絞り弁43のポンプ損 失が抑制される圧力差領域127である(図4の(b)) 。

 [第2の実施形態に従う第1の例]
 図8に示す絞り弁43が排気気側に設けられた 2の実施形態に従う、該絞り弁43および低圧E GR制御弁42を制御する手法について説明する

 図9は、フィードバック制御による絞り弁 43の制御を介して、低圧EGR制御弁42を制御す プロセスのフローチャートである。該プロ スは、ECU1のCPUによって、所定の時間間隔で 行される。

 ステップS21において、圧力センサ44(図8) 検出値に基づいて、低圧EGR制御弁42の上流の 実圧力P4を、P4_actとして検出する。ステップS 22において、低圧EGR制御弁42の上流の圧力の 標値P4_cmdを決定する。目標値P4_cmdは、所望 圧力差が生成されるように設定される。

 低圧EGR制御弁42の下流が吸気通路15に接続 されているので、低圧EGR制御弁42の下流の圧 は、ほぼ大気圧P0と考えることができる。 たがって、低圧EGR制御弁の上流の圧力の目 値P4_cmdは、大気圧P0に所望の圧力差を加算し た値(P0+所望の圧力差)に設定される。これに り、低圧EGR制御弁42の下流の圧力はP0であり 、上流の圧力は(P0+所望の圧力差)となり、よ て該所望の圧力差が、低圧EGR制御弁42の前 で生成される。ここで、大気圧P0は、大気圧 センサ51(図8)から検出されることができる。

 代替的に、低圧制御弁42の下流に第2の圧 センサを設け、上記P0として、該第2の圧力 ンサの検出値を用いてもよい。

 上記の所望の圧力差は、図4の(a)を参照し て説明したように、圧力変化に対するEGR流量 の変化が小さい圧力差領域122内に収まるよう 設定されるのが好ましい。さらに好ましくは 、図4の(b)を参照して説明したように、絞り 43のポンプ損失を抑制するような圧力差領域 127内に設定されるのが好ましい。この実施例 では、所望の圧力差は10kPaに設定される。こ により、EGR流量の変化を約5%に抑制するこ ができると共に、ポンプ損失を約3%に抑制す ることができる。

 ステップS23において、実圧力P4_actと目標圧 P4_cmdとの差errP4を算出する。ステップS24に いて、以下の式に示すように、差errP4をゼロ に収束させるよう所定のPI制御を実行し、絞 弁43の目標開度θ LPL_TH を算出する。ここで、KP TH はP(比例)項ゲインであり、KI TH はI(積分)項ゲインであり、それぞれ、シミュ レーション等を介して予め決められた値に設 定される。

 算出された目標開度θ LPL_TH になるよう、絞り弁43は制御信号を介して制 される。こうして、所望の圧力差が生成さ るように、絞り弁43の開度が制御される。 お、この実施例ではPI制御を用いているが、 他の制御手法を用いて差errP4を収束させても い。

 ステップS25~S28は、低圧EGR制御弁42を制御 るプロセスであり、図5のステップS5~S8と同 であるので、説明を省略する。

 [第2の実施形態に従う第2の例]
 図10は、フィードフォワード制御による絞 弁43の制御を介して、低圧EGR制御弁42を制御 るプロセスのフローチャートである。該プ セスは、ECU1のCPUによって、所定の時間間隔 で実行される。

 ステップS31において、エンジンの吸気量 たは排気量を表す運転状態パラメータを、x として検出する。たとえば、このような運転 状態パラメータとして、エアフローセンサ17( 図8)の検出値Qair_actを用いることができる。 替的に、エンジン回転数NEと吸気管圧力PB、 ンジン回転数NEと出力トルク、エンジン回 数NEとエンジン負荷等を、吸気量または排気 量を表す運転状態パラメータとして用いても よい。

 ステップS32において、運転状態パラメータx に基づいて所定のマップ(ECU1のメモリに記憶 れることができる)を参照し、絞り弁43の目 開度θ LPL_TH を求める。この所定のマップは、図7に示さ るマップと同じマップを用いることができ 図7を参照して説明したことが同様にあては る。すなわち、該マップでは、吸気量Qair_ac tが大きくなるほど、絞り弁43の目標開度は大 きくされる。該マップは、図4の(a)および(b) 参照して説明した圧力差領域122または127内 収まるような圧力差を生成するよう、絞り の目標開度θ LPL_TH は定義されている。排気量を上記運転パラメ ータとして用いる場合も、同様のマップが定 義される。

 こうして、求めた目標開度θ LPL_TH になるよう、絞り弁43は制御信号を介して制 され、これにより、所望の圧力差を低圧EGR 御弁42の前後に生成する。

 ステップS35~S38は、低圧EGR制御弁42を制御 るプロセスであり、これは、図9のステップ S25~S28と同じであるので、説明を省略する。

 [第1の実施形態に従う第3の例]
 図11は、図1に示す第1の実施形態に従う、フ ィードフォワード制御およびフィードバック 制御の両方を用いて絞り弁43の開度を制御し この制御を介して低圧EGR制御弁42を制御す プロセスのフローチャートである。該プロ スは、ECU1のCPUによって、所定の時間間隔で 行される。両方の制御を用いると、フィー フォワード制御により、運転状態パラメー xの変動(外乱)による影響を抑制するよう絞 弁43の開度を修正できると共に、フィード ック制御によって、該外乱に対してロバス に絞り弁43の開度を目標開度に収束させるこ とができるので、絞り弁43の制御精度を向上 せることができる。

 ステップS41およびS42は、フィードフォワー 項を算出するプロセスであり、図6のステッ プS11およびS12と同様である。すなわち、吸気 量または排気量に基づく運転状態パラメータ (この実施例では、エアフローセンサ17により 検出された吸気量Qair_act)をxとして検出し、 吸気量Qair_actに基づいて図7のようなマップ 参照し、絞り弁43の開度θ LPL_TH を、フィードフォワード項θ LPLP_TH_ff として算出する。

 ステップS43~S46は、フィードバック項を算出 するプロセスであり、図5のステップS1~S4と同 様である。すなわち、圧力センサ44の検出値P 1_actと目標値P1_cmdとの差errP1が収束するようPI 制御を実行して、絞り弁43の開度θ LPL_TH を、フィードバック項θ LPL_TH_fb として算出する。ステップS47において、フィ ードフォワード項およびフィードバック項を 加算して、絞り弁43の目標開度θ LPL_TH を算出する。

 算出された目標開度θ LPL_TH になるよう、絞り弁43は制御信号を介して制 される。こうして、所望の圧力差が生成さ るように、絞り弁43の開度が制御される。 お、この実施例ではPI制御を用いているが、 他の制御手法を用いて差errP1を収束させても い。

 ステップS55~S58は、図5のステップS5~S8と同 様であるので、説明を省略する。

 なお、フィードフォワード制御およびフ ードバック制御の併用は、排気側に絞り弁4 3を設ける第2の実施形態(図8)にも同様に適用 能である。

 上記実施形態は、ディーゼルエンジンを に説明したが、本願発明は、他のエンジン( たとえば、通常のガソリンエンジン)にも適 可能である。

 上記実施形態では、スロットル弁20によ 、エンジン2に吸入される空気量を制御する 、代替的に、スロットル弁20に代えて、吸 バルブ3のリフト量により、エンジン2に吸入 される空気量を制御してもよい。また、本願 発明は、過給装置10を設けない形態にも適用 能である。スロットル弁20および過給装置10 が設けられない場合には、低圧EGR通路41の吸 側は、高圧EGR通路31が吸気管に接続する箇 よりも上流に接続される。低圧EGR通路41の排 気側は、排気浄化手段(上記実施形態では、DP F22または触媒装置23)の下流に接続される。

 上記実施形態は、汎用の(例えば、船外機 等の)内燃機関に適用可能である。




 
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