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Patent Searching and Data


Title:
ELECTRET AND ELECTROSTATIC INDUCTION CONVERSION DEVICE COMPRISING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/114489
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are an electret having improved surface potential and an electrostatic induction conversion device comprising such an electret. Specifically disclosed is an electret obtained by spin coating a fluorine-containing polymer composition for coating over a copper substrate and firing the coated copper substrate. The fluorine-containing polymer composition for coating contains a fluorine-containing polymer having a ring structure in the main chain, a silane coupling agent, an aprotic fluorine-containing solvent, and a fluorine-containing alcohol as a protic fluorine-containing solvent.

Inventors:
SUZUKI YUJI (JP)
SAKANE YOSHIHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000359
Publication Date:
September 25, 2008
Filing Date:
February 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV TOKYO (JP)
ASAHI GLASS CO LTD (JP)
SUZUKI YUJI (JP)
SAKANE YOSHIHIKO (JP)
International Classes:
H01G7/02; C08F16/24; C08K5/5415; C08L27/12; C09D7/12; H04R19/01; C09D127/12
Domestic Patent References:
WO2000011093A12000-03-02
Foreign References:
JP2004128361A2004-04-22
JP2006180450A2006-07-06
JPH04189880A1992-07-08
JPH0418988A1992-01-23
US3481815A1969-12-02
Other References:
See also references of EP 2128878A4
Attorney, Agent or Firm:
ARIHARA, Motoji (2-12 Nakamachi 3-chome, Machida-sh, Tokyo 21, JP)
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Claims:
主鎖に環構造を有する含フッ素重合体とシランカップリング剤との混合物を含むことを特徴とするエレクトレット。
 請求の範囲第1項記載のエレクトレットにおいて、前記主鎖に環構造を有する含フッ素重合体は、末端基としてカルボキシ基を含むことを特徴とするエレクトレット。
 請求の範囲第1項または請求の範囲第2項記載のエレクトレットは、前記カルボキシ基に結合したシラン化合物を含むことを特徴とするエレクトレット。
 請求の範囲第1項から請求の範囲第3項のいずれか一項記載のエレクトレットにおいて、前記主鎖に環構造を有する含フッ素重合体は、主鎖に環構造を有する含フッ素脂肪族重合体であることを特徴とするエレクトレット。
 請求の範囲第1項から請求の範囲第4項のいずれか一項記載のエレクトレットにおいて、前記主鎖に環構造を有する含フッ素重合体は、主鎖にエーテル性酸素原子を含む環構造を有する含フッ素脂肪族重合体であることを特徴とするエレクトレット。
 請求の範囲第1項から請求の範囲第5項のいずれか一項記載のエレクトレットを備えることを特徴とする静電誘導型変換素子。
 
Description:
エレクトレット及びこれを備え 静電誘導型変換素子

 本発明は、エレクトレット及びこれを備 る静電誘導型変換素子の改良に関する。

 従来より、絶縁材料に電荷を注入したエ クトレットを使用した発電装置、マイクロ ォン等の静電誘導型変換素子が提案されて る。このようなエレクトレットの材料とし は、例えば、下記特許文献1に記載された含 フッ素重合体を使用することができる。

特開平4-189880号公報

 しかし、上記従来の含フッ素重合体では エレクトレットに注入される電荷の密度を くすることができず、表面電位が不十分で って、エレクトレットを使用した静電誘導 変換素子における電気エネルギと運動エネ ギとの変換効率を向上することができない いう問題があった。

 本発明は、上記従来の課題に鑑みなされ ものであり、その目的は、表面電位が向上 たエレクトレット及びこれを備える静電誘 型変換素子を提供することにある。

 上記目的を達成するために、請求の範囲 1項記載のエレクトレットの発明は、主鎖に 環構造を有する含フッ素重合体とシランカッ プリング剤との混合物を含むことを特徴とす る。

 請求の範囲第2項記載の発明は、請求の範 囲第1項記載のエレクトレットにおいて、前 主鎖に環構造を有する含フッ素重合体は、 端基としてカルボキシ基を含むことを特徴 する。

 請求の範囲第3項記載の発明は、請求の範 囲第1項または請求の範囲第2項記載のエレク レットが、前記カルボキシ基に結合したシ ン化合物を含むことを特徴とする。

 請求の範囲第4項記載の発明は、請求の範 囲第1項から請求の範囲第3項のいずれか一項 載のエレクトレットにおいて、前記主鎖に 構造を有する含フッ素重合体が、主鎖に環 造を有する含フッ素脂肪族重合体であるこ を特徴とする。

 請求の範囲第5項記載の発明は、請求の範 囲第1項から請求の範囲第4項のいずれか一項 載のエレクトレットにおいて、前記主鎖に 構造を有する含フッ素重合体が、主鎖にエ テル性酸素原子を含む環構造を有する含フ 素脂肪族重合体であることを特徴とする。

 請求の範囲第6項記載の静電誘導型変換素 子の発明は、請求の範囲第1項から請求の範 第5項のいずれか一項記載のエレクトレット 備えることを特徴とする。

 本発明によれば、表面電位が向上したエ クトレット及びこれを備える静電誘導型変 素子を提供することができる。

荷電試験で用いたコロナ荷電装置の概 図である。 表面電位の測定点の設定例を示す図で る。 エレクトレットA,Bに保持された電荷の 時変化の様子を示す図である。 エレクトレットC,Dに保持された電荷の 時変化の様子を示す図である。 熱安定性試験で用いた装置の概念図で る。 エレクトレットA,Bの熱安定性試験の結 を示す図である。 パターニングされた電極を示す図であ 。 振動発電試験の装置概念図である。

符号の説明

 10 銅基板、12 直流高圧電源装置、14 コ ナ針、16 グリッド、18 グリッド用電源、19  ホットプレート、20 対向電極、22 電流計 24 ベース電極、26 ガード電極、28 ガラス 板。

 以下、本発明を実施するための最良の形 (以下、実施形態という)を説明する。

 本実施形態においては、主鎖に環構造を する含フッ素重合体とシランカップリング との混合物を含む材料によりエレクトレッ が構成されていることを特徴としている。 た、上記主鎖に環構造を有する含フッ素重 体は、末端基としてカルボキシ基を含んで ることが好適であり、このカルボキシ基に シラン化合物が結合していてもよい。

 また、上記主鎖に環構造を有する含フッ 重合体は、主鎖に環構造を有する含フッ素 肪族重合体であることが好適であり、さら 主鎖にエーテル性酸素原子を含む環構造を する含フッ素脂肪族重合体であることが特 好適である。

 本実施形態にかかるエレクトレットは、 記主鎖に環構造を有する含フッ素重合体並 にシランカップリング剤、非プロトン性含 ッ素溶媒及びプロトン性含フッ素溶媒とし の含フッ素アルコールを必須成分とするコ ティング用含フッ素重合体組成物を製膜す ことにより得られる。この製膜は、例えば 上記コーティング用含フッ素重合体組成物 銅基板にスピンコートし、焼成することに り行う。

 上記本実施形態にかかるエレクトレット 、アクチュエータ、センサ等の、電気エネ ギと運動エネルギとを変換する静電誘導型 換素子として好適である。

 ここで、主鎖に環構造を有する含フッ素 合体は、溶媒に可溶な重合体であり、その 適な例として、含フッ素溶媒に可溶な主鎖 含フッ素脂肪族環構造を有する非晶質のパ フルオロ重合体が挙げられる。含フッ素重 体は非晶質のものが好ましいが、結晶化度 30%以下、好ましくは20%以下のものであれば 用できる。

 上記非晶質パーフルオロ重合体の具体例と ては、CF 2 =CFO(CF 2 ) n CF=CF 2 (n=1~3)の環化重合体、パーフルオロ(2,2-ジメチ ル-1,3-ジオキソール)、パーフルオロ(1,3-ジオ ソール)、パーフルオロ(4-メトキシ-1,3-ジオ ソール)等の単独重合体または共重合体が挙 げられる。これらの単量体の2種以上を用い 共重合体も好適である。また、テトラフル ロエチレン、クロロトリフルオロエチレン フッ化ビニリデン等のフルオロオレフィン の共重合体も好適である。なお、上記環化 合、単独重合及び共重合には、例えば特開 4-189880号公報等に開示された従来公知の方法 を適用できる。

 また、上記主鎖に環構造を有する含フッ 重合体を溶かす非プロトン性含フッ素溶媒 しては、以下の含フッ素化合物を例示でき 。

 パーフルオロベンゼン、ペンタフルオロ ンゼン、1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベン ン、1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン のポリフルオロ芳香族化合物、パーフルオ トリブチルアミン、パーフルオロトリプロ ルアミン等のポリフルオロトリアルキルア ン化合物、パーフルオロデカリン、パーフ オロシクロヘキサン、パーフルオロ(1,3,5-ト リメチルシクロヘキサン)等のポリフルオロ クロアルカン化合物、パーフルオロ(2-ブチ テトラヒドロフラン)等のポリフルオロ環状 ーテル化合物、フッ素含有低分子量ポリエ テルなど。

 パーフルオロヘキサン、パーフルオロオ タン、パーフルオロデカン、パーフルオロ デカン、パーフルオロ(2,7-ジメチルオクタ )、1,1,2-トリクロロ-1,2,2-トリフルオロエタン 、1,1,1-トリクロロ-2,2,2-トリフルオロエタン 1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパ 、1,1,1,3-テトラクロロ-2,2,3,3-テトラフルオロ プロパン、1,1,3,4-テトラクロロ-1,2,2,3,4,4-ヘキ サフルオロブタン、パーフルオロ(1,2-ジメチ ヘキサン)、パーフルオロ(1,3-ジメチルヘキ ン)、2H,3H-パーフルオロペンタン、1H-パーフ ルオロヘキサン、1H-パーフルオロオクタン、 1H-パーフルオロデカン、1H,1H,1H,2H,2H-パーフル オロヘキサン、1H,1H,1H,2H,2H-パーフルオロオク タン、1H,1H,1H,2H,2H-パーフルオロデカン、3H,4H- パーフルオロ-2-メチルペンタン、2H,3H-パーフ ルオロ-2-メチルペンタン、1H-1,1-ジクロロパ フルオロプロパン、1H-1,3-ジクロロパーフル ロプロパン等のポリフルオロアルカン化合 など。

 これらの非プロトン性含フッ素溶媒は単独 または混合して使用できる。また、これら 他にも広範な化合物を使用できる。例えば ハイドロフルオロエーテル(HFE)等の含フッ 溶媒が好適である。このような含フッ素溶 は、一般式R 1 -O-R 2 (R 1 はエーテル結合を有してもよい炭素数5~12の 鎖状または分岐状のポリフルオロアルキル であり、R 2 は炭素数1~5の直鎖状または分岐状のアルキル 基である。)で表される含フッ素溶媒である

 R 1 の炭素数が4以下であると含フッ素環構造含 重合体を溶解し難く、R 1 の炭素数が13以上の場合は工業的に入手困難 あるため、R 1 の炭素数は5~12の範囲から選定される。R 1 の炭素数は、6~10が好ましく、6~7および9~10が り好ましい。

 ポリフルオロアルキル基とは、アルキル の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換さ れた基であり、アルキル基の水素原子のすべ てがフッ素原子に置換されたパーフルオロア ルキル基、およびアルキル基の水素原子の2 以上がフッ素原子に置換されかつアルキル の水素原子の1個以上がフッ素原子以外のハ ゲン原子に置換された基を含むものである フッ素原子以外のハロゲン原子としては塩 原子が好ましい。

 ポリフルオロアルキル基としては、対応 るアルキル基の水素原子の数にして60%以上 フッ素原子に置換された基が好ましく、よ 好ましくは80%以上である。さらに好ましい リフルオロアルキル基はパーフルオロアル ル基である。

 R 1 がエーテル結合を有する場合、エーテル結合 の数が多すぎると溶解性を阻害するため、R 1 中のエーテル結合は1~3個が好ましく、1~2個が より好ましい。R 2 の炭素数が6以上であると含フッ素環構造含 重合体の溶解性を著しく阻害する。R 2 の好ましい例はメチル基またはエチル基であ る。

 含フッ素溶媒の分子量は、大きすぎると フッ素重合体組成物の粘度を上昇させるだ でなく、含フッ素環構造含有重合体の溶解 も低下するため、1000以下が好ましい。また 、含フッ素環構造含有重合体の溶解性を高め るために含フッ素溶媒のフッ素含有量は60~80 量%が好ましい。好ましい含フッ素溶媒とし て、下記のものが例示できる。

 F(CF 2 ) 5 OCH 3 、F(CF 2 ) 6 OCH 3 、F(CF 2 ) 7 OCH 3 、F(CF 2 ) 8 OCH 3 、F(CF 2 ) 9 OCH 3 、F(CF 2 ) 10 OCH 3 、H(CF 2 ) 6 OCH 3 、(CF 3 ) 2 CF(OCH 3 )CFCF 2 CF 3 、F(CF 2 ) 3 OCF(CF 3 )CF 2 OCH 3 、F(CF 2 ) 3 OCF(CF 3 )CF 2 OCF(CF 3 )CF 2 OCH 3 、F(CF 2 ) 8 OCH 2 CH 2 CH 3 、(CF 3 ) 2 CFCF 2 CF 2 OCH 3 、F(CF 2 ) 2 O(CF 2 ) 4 OCH 2 CH 3

 これらの含フッ素溶媒では、特に(CF 3 ) 2 CF(OCH 3 )CFCF 2 CF 3 が好適である。

 また、上記シランカップリング剤として 、従来より公知または周知のものを含めて 範囲にわたって、以下のものが例示できる

 トリメチルメトキシシラン、トリメチル トキシシラン、ジメチルビニルメトキシシ ン、ジメチルビニルエトキシシランなどの ノアルコキシシラン類。

 γ-クロロプロピルメチルジメトキシシラ 、γ-クロロプロピルメチルジエトキシシラ 、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラ 、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラ 、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルメ ルジメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ- アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ- グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシ シラン、γ-グリシジルオキシプロピルメチル ジエトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシ プロピルメチルジメトキシシラン、メチルジ メトキシシラン、メチルジエトキシシラン、 ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト キシシラン、メチルビニルジメトキシシラン 、メチルビニルジエトキシシラン、ジフェニ ルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシ シラン、3,3,3-トリフルオロプロピルメチルジ メトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデ フルオロオクチルメチルジメトキシシラン 3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフル オロデシルメチルジメトキシシランなどのジ アルコキシシラン類。

 γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、 -アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(β- ミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキ シラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピ ルトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピ ルトリメトキシシラン、γ-グリシジルオキシ プロピルトリメトキシシラン、γ-グリシジル オキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタ クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ ン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、 メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメ トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン 、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシ ラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8-トリデカフルオロ クチルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7 ,8,8,9,9,10,10,10-ヘプタデカフルオロデシルトリ メトキシシラン、テトラメトキシシラン、テ トラエトキシシランなどのトリまたはテトラ アルコキシシラン類。

 芳香族アミン構造を有するシランカップ ング剤である芳香族アミン系シランカップ ング剤(このシランカップリング剤を用いた 場合は、トリアルコキシ化合物であってもゲ ル化や増粘が起こりにくいということが見い 出された。このシランカップリング剤を用い るとアルコキシシランが縮合反応した後は炭 素数が2以上のアルキル基やアルキレン構造 持たない構造とすることができるため、耐 性を高めることができる。)。

 好ましい芳香族アミン系シランカップリン 剤は、一般式ArSi(OR )(OR 2 )(OR 3 )、ArSiR 4 (OR 1 )(OR 2 )またはArSiR 4 R 5 (OR 1 )[式中R 1 ~R 5 はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1~20のア キル基またはアリール基を表し、Arはp-、m- またはo-アミノフェニル基を表す。]で表さ る化合物である。以下に具体例を挙げる。

 アミノフェニルトリメトキシシラン、ア ノフェニルトリエトキシシラン、アミノフ ニルトリプロポキシシラン、アミノフェニ トリイソプロポキシシラン、アミノフェニ メチルジメトキシシラン、アミノフェニル チルジエトキシシラン、アミノフェニルメ ルジプロポキシシラン、アミノフェニルメ ルジイソプロポキシシラン、アミノフェニ フェニルジメトキシシラン、アミノフェニ フェニルジエトキシシラン、アミノフェニ フェニルジプロポキシシラン、アミノフェ ルフェニルジイソプロポキシシランなど。

 アミノ基の水素原子はアルキル基やアリ ル基で置換されていてもよい。たとえばN,N- ジメチルアミノフェニルトリアルコキシシラ ンやN,N-ジメチルアミノフェニルメチルジア コキシシランなどが挙げられる。この他に 、たとえば米国特許第3,481,815号明細書に記 されている芳香族アミン系シランカップリ グ剤などを使用できる。

 これらのシランカップリング剤は単独で たは組合せることもできる。また、その共 分加水分解物を使用することも好ましい。 らに、上記シランカップリング剤とテトラ トキシシラン、テトラエトキシシラン、テ ラプロポキシシラン等のテトラアルコキシ ランとの共部分加水分解物を使用すること 好ましい。このうちで、含フッ素重合体の 明性を損なうことなく、含フッ素重合体の 着性を向上させるものとして、アミノ基を するシランカップリング剤である、(γ-アミ ノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプ ロピルメチルジエトキシシラン、γ-アミノプ ロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピ ルメチルジメトキシシラン、N-(β-アミノエチ ル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N -(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチル メトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミ ノプロピルトリエトキシシラン、N-(β-アミノ エチル)-γ-アミノプロピルメチルジエトキシ ラン、アミノフェニルトリメトキシシラン アミノフェニルトリエトキシシラン、アミ フェニルメチルジメトキシシラン、アミノ ェニルメチルジエトキシシランなど)、また はエポキシ基を有するシランカップリング剤 である、(γ-グリシジルオキシプロピルトリ トキシシラン、γ-グリシジルオキシプロピ メチルジメトキシシラン、γ-グリシジルオ シプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシ ルオキシプロピルメチルジエトキシシラン ど)が特に好適なものとして例示される。よ 好ましくは、アミノ基を有するシランカッ リング剤である。

 予め主鎖末端または側鎖にカルボキシ基 導入された含フッ素重合体に対しては、特 アミノ基またはエポキシ基を有するアルコ シシラン類が有効であり、予め主鎖末端ま は側鎖にエステル基の導入された含フッ素 合体に対しては、特にアミノ基またはアミ フェニル基を有するアルコキシシラン類が 効である。

 上述した非プロトン性含フッ素溶媒中に いてはアミノ基またはエポキシ基を有する リアルコキシシラン類は同様の基を有する アルコキシシラン類に比べて本発明の液状 成物が経時的に粘度上昇したりゲル化した しやすい。また、トリアルコキシシラン類 ジアルコキシシラン類よりも含フッ素重合 の非プロトン性含フッ素溶媒溶液への溶解 も小さい。したがって、トリアルコキシシ ン類を用いる場合には、プロトン性含フッ 溶媒、特には含フッ素アルコールの添加が ましい。

 ジアルコキシシラン類の場合は、トリア コキシシラン類ほど溶解性は小さくないが 同様にプロトン性含フッ素溶媒、特には含 ッ素アルコールの添加により溶解性を高め れる。ジアルコキシシラン類の場合には、 状組成物の経時的な粘度上昇はトリアルコ シシラン類ほど顕著ではないため、含フッ アルコールなどのプロトン性含フッ素溶媒 必ずしも添加しなくてもよいが、添加した うが確実に粘度上昇を抑制できる。

 上述のように、含フッ素重合体溶液にプ トン性含フッ素溶媒を添加するとシランカ プリング剤の含フッ素重合体溶液への溶解 を増すことができる。さらに、シランカッ リング剤間の反応によると思われる粘度の 昇やゲル化を抑制できる。このようなプロ ン性含フッ素溶媒としては以下のものが例 される。

 トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3-ペンタ フルオロ-1-プロパノール、2-(パーフルオロブ チル)エタノール、2-(パーフルオロヘキシル) タノール、2-(パーフルオロオクチル)エタノ ール、2-(パーフルオロデシル)エタノール、2- (パーフルオロ-3-メチルブチル)エタノール、1 H,1H,3H-テトラフルオロ-1-プロパノール、1H,1H,5 H-オクタフルオロ-1-ペンタノール、1H,1H,7H-ド カフルオロ-1-ヘプタノール、1H,1H,9H-ヘキサ カフルオロ-1-ノナノール、2H-ヘキサフルオ -2-プロパノール、1H,1H,3H-ヘキサフルオロ-2- タノールなどの含フッ素アルコール。

 トリフルオロ酢酸、パーフルオロプロパ 酸、パーフルオロブタン酸、パーフルオロ ンタン酸、パーフルオロヘキサン酸、パー ルオロヘプタン酸、パーフルオロオクタン 、パーフルオロノナン酸、パーフルオロデ ン酸、3H-テトラフルオロプロパン酸、5H-オ タフルオロペンタン酸、7H-ドデカフルオロ プタン酸、9H-ヘキサデカフルオロノナン酸 どの含フッ素カルボン酸、これら含フッ素 ルボン酸のアミド、トリフルオロメタンス ホン酸、ヘプタデカフルオロオクタンスル ン酸などの含フッ素スルホン酸など。

 これらのプロトン性含フッ素溶媒は単独 または2種以上の混合物とすることもできる 。

 非プロトン性含フッ素溶媒とプロトン性 フッ素溶媒との混合物中の含フッ素重合体 度は、通常0.1~30重量%、好ましくは0.5~20重量 %である。シランカップリング剤の配合量は 含フッ素重合体100重量部当たり0.01~50重量部 好ましくは0.1~30重量部である。非プロトン 含フッ素溶媒とプロトン性含フッ素溶媒と 混合物中のプロトン性含フッ素溶媒の配合 は、0.01~50重量%、好ましくは0.1~30重量%であ 。

 以下に、上記実施形態の具体例を実施例と て説明する。なお、本発明は、以下の実施 に限定されるものではない。
実施例1.

 以下の手順により本実施例にかかるエレク レットを製造した。
(1)コーティング用含フッ素重合体組成物の製 造
 パーフルオロトリブチルアミンにパーフル ロポリブテニルビニルエーテルを13%の濃度 溶解させ、重合体溶液Bを得た。この重合体 溶液Bに溶解しているポリマーの圧縮成形フ ルムの赤外線吸収スペクトルを測定した結 、-COOH基に由来する1775、1810cm -1 の特性吸収が認められ、また溶解しているポ リマーのパーフルオロ(2-ブチルテトラヒドロ フラン)溶液で測定した固有粘度[η]は0.23であ った。

 なお、パーフルオロポリブテニルビニルエ テルは、パーフルオロブテニルビニルエー ル(CF 2 =CFOCF 2 CF 2 CF=CF 2 )を、ジイソプロピルパーオキシジカーボネ ト(((CH 3 ) 2 CHOCOO) 2 )を重合開始剤として環化重合し、開始剤由 の不安定末端を熱処理により-COFとした後、 水分解して-COOHとしたものである。

(2)シランカップリング剤との混合物の製造
 上記重合体溶液Bの84.6gに、2-(パーフルオロ キシル)エタノールを4.7gとパーフルオロト ブチルアミン10.6gを加え、さらに0.4gのγ-ア ノプロピルメチルジエトキシシランを加え 混合し、均一な重合体溶液Aを得た。

 また、上記重合体溶液Bの84.6gに、2-(パー ルオロヘキシル)エタノールを4.7gとパーフ オロトリブチルアミン10.6gを加え、さらに0.4 gのγ-アミノプロピルトリエトキシシランを えて混合し、均一な重合体溶液Cを得た。

 また、上記重合体溶液Bの84.6gに、N-(β-ア ノエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシ ランを0.4g加えて混合し、均一な重合体溶液D を得た。

(3)3cm角、厚さ350μmの銅基板に、上記重合体 溶液Aを1000rpmで20秒の条件でスピンコートし 100℃で10分間のプリベークをした後、1080rpm 20秒の条件でスピンコートを実施して100℃で 10分間のプリベークをする一連の積層膜形成 作を2回繰り返した後、100℃1時間、200℃1時 のポストベークをする事により15μm厚のコ ティング膜を得た。このコーティング膜に 施例2の手順により電荷を注入してエレクト ットAを得た。

 また、上記重合体溶液C、及び重合体溶液D 用いる以外は、上記と同様に、スピンコー 、プリベーク、スピンコート、プリベーク る一連の積層膜形成操作を2回繰り返した後 ポストベークをする事により15μm厚のコー ィング膜を得た。これらのコーティング膜 実施例2の手順により電荷を注入して、それ れエレクトレットC、及びエレクトレットD 得た。
比較例1.

 以下の手順により比較例としてのエレクト ットを製造した。
(1)3cm角、厚さ350μmの銅基板に、上記重合体溶 液Bを1000rpmで20秒の条件でスピンコートし、10 0℃で10分間のプリベークをした後、1850rpmで20 秒の条件でスピンコートを実施して100℃で10 間のプリベークをする一連の積層膜形成操 を2回繰り返した後、最後に100℃1時間、200 1時間のポストベークをする事により15μm厚 コーティング膜を得た。このコーティング に実施例2の手順により電荷を注入してエレ トレットBとする。
実施例2.

 上記エレクトレットA,B,C,Dについて、以下 の手順により荷電試験を行った。

 図1には、荷電試験で用いたコロナ荷電装 置の概念図が示される。図1において、銅基 (ベース電極)10上に重合体溶液A,B,C,Dをコーテ ィングして形成した膜にコロナ放電にて電荷 を注入することによりエレクトレットA,B,C,D した。電荷の注入は、銅基板10を電極として 、直流高圧電源装置12(HAR-20R5:松定プレシジョ ン製)により、コロナ針14と銅基板10間に-8kVの 高電圧をかけることにより行った。コロナ針 14から放電した負イオンはグリッド16で均一 された後、コーティング膜上に降り注ぎ、 荷が注入される。なお、グリッド16には、グ リッド用電源18から-600Vの電圧を印加してい 。また、コーティング膜は、ホットプレー 19によりガラス転移温度(Tg)以上に加熱し、 入された電荷の安定化を図る。

 本実施例では、大気雰囲気下で、各コー ィング膜のサンプルを温度120℃、荷電電圧- 8kV、荷電時間3分の条件でコロナ荷電を行っ 後、サンプルを常温に戻し、表面電位計(mode l279;モンローエレクトロニクス製)にて膜の中 心から3mm毎に格子状に9点の表面電位を測定 、その平均値を求めた。図2には、上記9点の 測定点の設定例が示される。

 また、各コーティング膜のサンプルは、2 0℃、65%RH(相対湿度)の条件下で保管し、経時 に電位測定を2500時間まで実施した。

 図3には、上記各コーティング膜(エレク レットA,B)に保持された電荷の経時変化の様 が示される。図3において、横軸が経過時間 であり、縦軸が表面電位である。エレクトレ ットに保持される電荷の密度が高いほど表面 電位も高くなる。

 図3からわかるように、アミノシランを混 合したエレクトレットAは、アミノシランを 合しない比較例のエレクトレットBに対して 荷密度、経時的安定性とも大きく向上した

 同様にして、図4からわかるように、エレ クトレットC,Dに関しても、電荷密度、経時安 定性ともに大きく向上した。

 表1に、各エレクトレットについて、表面電 位が経時変化した後、ほぼ一定になった後の 値を示す。表1からわかるように、エレクト ットA,C,Dは、いずれも経時変化後の表面電位 がエレクトレットBより高くなっている。
実施例3.

 上記エレクトレットA,B,C,Dについて、以下 の手順により熱安定性試験を行った。

 図5には、熱安定性試験で用いた装置の概 念図が示される。図5において、銅基板10上に 重合体溶液A,Bをコーティングして形成した膜 に、コロナ放電にて電荷を注入して形成した エレクトレットA,Bに対向して対向電極20を配 した。これにより、各エレクトレットA,Bと 向電極20とでキャパシタが形成されたこと なる。このため、各エレクトレットA,Bを加 したときに、膜中にトラップされた電荷が 安定となり、拡散などにより表面付近の電 が消滅すると、対向電極20に蓄えられた電荷 も減少する。従って、対向電極20から流れる 流値の大きさにより各エレクトレットA,Bの 安定性を測定することができる。

 そこで、図5の破線で示される部分の温度 を一定の速さ(1℃/分)で昇温し、各エレクト ットA,Bから放出される電荷量を、対向電極20 から流れる電流値iとして電流計22により測定 した。なお、電流計22には、微小電流計(Keithl ey製 Model6517A)を使用した。

 図6には、図5の装置により行った各エレ トレットA,Bの熱安定性試験の結果が示され 。図6からわかるように、アミノシランを混 したエレクトレットAは、アミノシランを混 合しない比較例のエレクトレットBに対して 安定性が向上していた。エレクトレットAの ーク位置の温度(185℃)が、エレクトレットB ピーク位置の温度(145℃)よりも高いことが 安定性が高いことを示している。

 上記と同様に、図5の装置によりエレクトレ ットC,Dの熱安定性試験を行った。エレクトレ ットC及びDのピーク位置の温度は、それぞれ1 76℃及び168℃であり、エレクトレットBに比較 して耐熱性に優れることがわかる。表2に各 レクトレットのピーク位置の温度を記載し 。
実施例4.(振動発電試験)

 厚さ0.7mmのパイレックス(登録商標)製ガラ ス基板28上に、Cr/Au/Cr(厚さ50/200/50nm)の順に蒸 により電極を形成後、フォトリソグラフィ より図7のようにパターニングを行なった。 電極のパターンは上面にエレクトレットを形 成するベース電極(幅150μm、ピッチ300μm)24と ード電極26とからなる。上記重合体溶液Aを 1000rpmで20秒の条件でスピンコートし、100℃ 10分間のプリベークをした後、1080rpmで20秒の 条件でスピンコートを実施して100℃で10分間 プリベークをする一連の積層膜形成操作を2 回繰り返した後、100℃1時間、200℃1時間のポ トベークをする事により16μm厚のコーティ グ膜(膜A)を得た。

 次に、この膜A上にCuを蒸着してフォトリソ ラフィによりパターニングしてメタルマス とし、100WのRFパワーで60~70分間O 2 プラズマで膜Aをドライエッチングした。以 のプロセスにより、ベース電極24上のみにパ ターニングされた重合体Aコーティング膜(膜E )を得た。この膜Eを実施例2に記載の方法でコ ロナ放電処理をして、表面電位-640Vのエレク レット膜(膜F)を得た。

 また、同様のプロセスにより同じく0.7um厚 パイレックス製ガラス基板上にパターニン されたCr/Au/Cr電極(対向電極A)を作成し、図8 ように膜Fと対向電極Aを30μmの間隔で配置し 、膜Fを固定し対向電極Aを20Hz、1.2mm幅で図 矢印方向に水平振動させることにより、最 0.698ミリワットの電気出力を得た。