株式会社明電舎 (〒32 東京都品川区大崎2丁目1番1号 Tokyo, 1410032, JP)
| 筒状の絶縁性部材の両端をそれぞれ導電性部材により閉塞して形成した容器を備え、その容器内の両導電性部材間に静電容量が形成された電力用コンデンサから成る電気機器であって、 前記絶縁性部材の側壁の縦断面形状がアーチ状であることを特徴とする電力用電気機器。 |
| 前記容器は真空容器であって、その真空容器内の一方の導電性部材側に固定電極を配置し、 前記の真空容器内の他方の導電性部材側で固定電極との間に静電容量を形成するように可動電極を配置し、 前記の可動電極を移動し固定電極に対する可動電極の位置を変化させることにより、前記の静電容量を変化させることが可能なことを特徴とする請求項1記載の電力用電気機器。 |
| 筒状の絶縁性部材の両端をそれぞれ導電性部材により閉塞して形成した容器を備え、その容器内の両導電性部材間の電気的距離を変化させることにより、両導電性部材間を電気的に開閉できる開閉器から成る電気機器であって、 前記絶縁性部材の側壁の縦断面形状がアーチ状であることを特徴とする電力用電気機器。 |
| 前記容器は真空容器であって、その真空容器内の一方の導電性部材側に固定電極を配置し、真空容器内の他方の導電性部材側に可動電極を配置し、 前記の可動電極を移動し固定電極に対する可動電極の位置を変化させることにより、前記可動電極と固定電極との間を電気的に開閉できることを特徴とする請求項3記載の電力用電気機器。 |
| 前記筒状の絶縁性部材の側壁の内径および外径のそれぞれが、絶縁性部材の軸方向の両端側から中央部に近づくに連れて大きくなるようにし、前記側壁の内周面および外周面の各縦断面形状をそれぞれアーチ状にしたことを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の電力用電気機器。 |
| 前記筒状の絶縁性部材の側壁の内径および外径のそれぞれが、絶縁性部材の軸方向の両端側から中央部に近づくに連れて小さくなるようにし、前記側壁の内周面および外周面の各縦断面形状をそれぞれアーチ状にしたことを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の電力用電気機器。 |
| 前記絶縁性部材は、セラミック材料から成ることを特徴とする請求項1~6のうち何れかに記載の電力用電気機器。 |
本発明は、電力用電気機器に関するもの あって、例えば種々の電力用コンデンサ(可 変型真空コンデンサ,固定型真空コンデンサ, 体コンデンサ,油入りコンデンサ,セラミッ コンデンサ,オイルコンデンサ等),電力用開 器(真空バルブ,油入り開閉器等)等に適用で るものである。
電力用コンデンサや電力用開閉器等の電 用電気機器は種々の設備に適用されており 近年においては種々の高周波機器や大電力 器等にも適用されている。例えば、真空コ デンサにおいては半導体設備の高周波電源, 大電力発振回路等の高周波機器におけるイン ピーダンス調整に適用され、真空バルブにお いては大電力機器の遮断,投入(開閉)に適用さ れている。
電力用電気機器の主な構成としては、筒 の絶縁性部材(単に円筒状の絶縁性部材)の 端をそれぞれ金属材料等の導電性部材によ 閉塞して成る容器を備えたものが知られて る。例えば、電力用コンデンサの場合には 記容器内における両導電性部材間に静電容 が形成されるように構成され、電力用開閉 の場合には両導電性部材間の電気的距離を 化させて電気的に開閉できるように構成さ る(例えば、特許文献1)。
図7は、一般的な真空コンデンサ(同軸円 電極型)の一例を示す概略説明図である。図7 において、符号1は真空容器を示すものであ 、該真空容器1は、筒状の絶縁性部材(例えば 、セラミック材料から成る部材;以下、絶縁 と称する)2と、該絶縁筒2の一端側と他端側 に設けられた導電性部材(例えば、銅等の金 から成る部材)2a,2bと、を主な構成としてい 。
前記導電性部材2a,2bは、それぞれ例えば 示するように、絶縁筒2の一端側と他端側と 設けられた金属筒3,4と、前記絶縁筒2および 前記金属筒3,4を閉塞するように設けられたフ ランジ(可動電極側,固定電極側のフランジ;以 下、可動側フランジ,固定側フランジと称す )5,6と、によって構成してもよい。また、可 側フランジ5および固定側フランジ6は外部 子を兼ねても良い。
符号7は、内径の異なる複数の筒状の電極 部材から成るものであって、各電極部材が同 心円状に所定間隔を隔てて前記固定側フラン ジ6の内側(真空容器1の内側)に設けられて成 固定電極を示すものである。符号8は、前記 固定電極7と同様に内径が異なる複数の筒状 の電極部材を同心円状に一定間隔を隔てて構 成され、それら各電極部材が固定電極7と非 触状態で該固定電極7に挿出入(固定電極7の 電極部材間に挿出入して互いに交叉)できる うに真空容器1内側に設けられた可動電極を 示すものである。
符号9は可動導体を示すものであり、前記 真空容器1の軸方向に可動し可動電極8を支持 る可動側支持板9aと、該可動側支持板9aの背 面(前記可動電極8が取付けられていない面)か ら延設(立設)された可動ロッド9bと、から構 される。その可動ロッド9bは、可動側フラン ジ5に設けられた軸受部10により摺動自在に支 持されている。
符号11は、真空コンデンサの通電路の一 として、軟質金属性で例えば蛇腹状のベロ ズを示すものであり、真空容器1内における 定電極7,可動電極8,ベローズ11で囲まれた空 (以下、真空室と称する)を気密(真空状態に きるように気密)に保持しながら、可動電極 8,可動導体9が真空容器1の軸方向へ移動でき ように構成され、例えば図示するように一 側の縁は該可動導体9に接合され他端側の縁 軸受10に接合される。
前記の可動導体9を軸方向に移動させ固定 電極7に対して可動電極8を挿出入(互いの各電 極部材が交叉するように挿出入)することに り、対向電極間の面積(固定電極7と可動電極 8との交叉面積)が変化する。これにより、両 極7,8にそれぞれ異なる極性の電圧が印加さ た際には、該両電極7,8間に生じる静電容量 値が連続的に加減され、インピーダンス調 が行われるものとされている。
このような真空コンデンサを用いた場合 高周波機器に対する高周波電流に関しては 前記可動側フランジ5から前記ベローズ11お び対向電極間の静電容量を介して、固定側 ランジ6より流れる。近年、高周波機器に使 用される負荷は大きくなっており、それに伴 い高周波電流が増加し、大きな電流の流れを 頻繁に加減できるものが求められている。
前記の絶縁筒においては、所望の絶縁耐 圧特性が得られる構成にする必要があるこ から、例えば絶縁筒の軸方向の長さを長く( 単に、両導電性部材間における空間的な最短 距離(以下、空間距離と称する)を長く)したり 、側壁の厚さを厚くすることにより、絶縁耐 電圧特性を高めることが考えられている。
しかしながら、前記のような電力用コン ンサや電力用開閉器等においては、その動 時に電気的発熱が起こり、その発熱は適用 器の規模の大きさ等に伴って高くなり無視 きない程度になり得る。このような電気的 熱によって絶縁筒内の温度が上昇すると、 絶縁筒の絶縁耐電圧特性が低下してしまう 特に、絶縁筒においては導電性部材よりも 電率が低いことから、例えば前記のように に絶縁筒の軸方向の長さを長く(単に、両導 電性部材間の空間距離を長く)したり、側壁 厚さを厚くした構成の場合には、絶縁筒内 温度がより上昇し易くなってしまう。
一方、前記の絶縁筒の軸方向の長さを短 (単に、両導電性部材間の空間距離を短く) ると、例えば分流電流が大きくなってしま 、該絶縁筒での電気的発熱が起こり得る。 た、側壁の厚さを薄くする手法も考えられ が、該絶縁筒は種々の応力に耐えられる構 (耐応力性の高い構成;例えば、曲げ,撓み,ヒ 割れ等に耐えられる構成)にする必要がある ため、該手法においては限界がある。
以上示したようなことから、電力用コンデ
サや電力用開閉器等の電力用電気機器にお
て、その動作時の電気的発熱等を考慮して
熱性を高めると共に、分流電流等を考慮し
絶縁耐電圧特性を高めることが要求される
本発明の一つの観点によれば、筒状の絶 性部材(絶縁筒)の両端をそれぞれ導電性部 により閉塞して形成した容器を備え、その 器内の両導電性部材間に静電容量が形成さ た電力用コンデンサから成る電気機器であ て、前記絶縁性部材の側壁の断面形状がア チ状であることを特徴とするものである。
また、本発明の別の観点によれば、前記 器は真空容器であって、その真空容器内の 方の導電性部材側に固定電極を配置し、前 の真空容器内の他方の導電性部材側で固定 極との間に静電容量を形成するように可動 極を配置し、前記の可動電極を移動し固定 極に対する可動電極の位置を変化させるこ により、前記の静電容量を変化させること 可能なことを特徴とする。
また、本発明の別の観点によれば、筒状 絶縁性部材の両端をそれぞれ導電性部材に り閉塞して形成した容器を備え、その容器 の両導電性部材間の電気的距離を変化させ ことにより、両導電性部材間を電気的に開 できる開閉器から成る電気機器であって、 記絶縁性部材の側壁の断面形状がアーチ状 あることを特徴とする。
また、本発明の別の観点によれば、前記 器は真空容器であって、その真空容器内の 方の導電性部材側に固定電極を配置し、真 容器内の他方の導電性部材側に可動電極を 置し、前記の可動電極を移動し固定電極に する可動電極の位置を変化させることによ 、前記可動電極と固定電極との間を電気的 開閉できることを特徴とする。
また、本発明の別の観点によれば、前記 状の絶縁性部材の側壁の内径および外径の れぞれが、絶縁性部材の軸方向の両端側か 中央部に近づくに連れて大きくなるように 、前記側壁の内周面および外周面の各縦断 形状をそれぞれアーチ状にしたことを特徴 する。
また、本発明の別の観点によれば、前記 状の絶縁性部材の側壁の内径および外径の れぞれが、絶縁性部材の軸方向の両端側か 中央部に近づくに連れて小さくなるように 、前記側壁の内周面および外周面の各縦断 形状をそれぞれアーチ状にしたことを特徴 する。
また、本発明の別の観点によれば、前記 縁性部材は、セラミック材料から成ること 特徴とする。
以上のような観点によれば、絶縁筒のア チ状の面(以下、アーチ面と称する)におい 、単なる円筒状の絶縁筒と比較して、沿面 離(両導電性部材間における絶縁筒表面に沿 た最短距離)が長くなると共に、該アーチ面 において表面積が大きくなる。すなわち、絶 縁筒の軸方向の長さ(両導電性部材間の空間 離)を長くすることなく、沿面距離を長くす ことができる。また、前記のアーチ面にお て表面積が大きくなり、側壁外周面側のア チ面では放熱し易くなり、側壁内周面側の ーチ面では吸熱し易くなる。
また、真空容器を備えた構成において、 縁筒側壁の内径および外径のそれぞれが、 縁性部材の軸方向の両端側から中央部に近 くに連れて大きくなるようにし、前記側壁 内周面および外周面の各縦断面形状をそれ れアーチ状にした場合には、絶縁筒の外周 から内周側方向への応力に対する耐応力性 高まる。例えば、真空容器を構成する場合 は、単なる円筒状の絶縁筒と比較して、該 空容器内の真空による応力に対する耐応力 が高まる。すなわち、前記のように耐応力 が高い場合には、絶縁筒の側壁の厚さを薄 しても十分な機械的強度が得られ易く、該 さを薄くすることにより絶縁筒の熱伝導性 高くなる。
さらに、絶縁筒側壁の内径および外径の れぞれが、絶縁性部材の軸方向の両端側か 中央部に近づくに連れて小さくなるように 、前記側壁の内周面および外周面の各縦断 形状をそれぞれアーチ状にした場合には、 縁筒の内周側から外周側方向への応力に対 る耐応力性が高まる。
本実施形態は、絶縁筒の両端をそれぞれ 電性部材により閉塞して成る容器を備えた 力用コンデンサや電力用開閉器等の電力用 気機器であって、前記絶縁筒の側壁の断面 状をアーチ状にしたものである。
例えば、従来においては、単なる円筒状 絶縁筒を構成した電力用電気機器において 流電流等に対する絶縁耐電圧特性を高める めに、単に絶縁筒の軸方向の長さ(空間距離 )を長くしたり側壁の厚さを厚くする手法が られていたが、本実施形態によれば沿面距 が長くなるため、前記のように空間距離や 壁厚さを大きく設定しなくとも絶縁耐電圧 性を高めることができる。
[実施例1]
図1は、本実施の形態における電力用電気機
器から成る真空コンデンサ(可変型真空コン
ンサ)の一例を示す概略説明図であり、図7同
様に、絶縁筒(絶縁性部材;セラミック材料等
絶縁材料から成る筒状の部材)2の一端側と
端側とに導電性部材(例えば、銅等の金属か
成る部材)2a,2bを設けて成る真空容器1を主な
構成としている。導電性部材2a,2bにおいては
それぞれ絶縁筒2の一端側と他端側とに設け
られた金属筒3,4と、前記絶縁筒2および前記
属筒3,4を閉塞するように設けられ外部端子
兼ねた可動側フランジ5,固定側フランジ6と
によって構成されている。
真空容器1内においては、内径の異なる複 数の筒状の電極部材から成る固定電極が前記 固定側フランジ6の内側(真空容器1の内側)に けられ、前記の固定電極7と同様に内径が異 る複数の筒状の電極部材を同心円状に一定 隔を隔てて構成された可動電極8が前記固定 電極7と非接触状態で挿出入(固定電極7の各電 極部材間に挿出入して互いに交叉)できるよ に設けられている。
また、可動電極8は、前記真空容器1の軸 向に可動し可動電極8を支持する可動側支持 9aと、該可動側支持板9aの背面(前記可動電 8が取付けられていない面)から真空容器1外 向(可動側フランジ5側方向)に延設(立設)され た可動ロッド9bと、から構成される可動導体9 により支持されている。前記の可動ロッド9b 、可動フランジ5側の一端側に雄ネジ部(後 の絶縁操作部材に螺合可能なもの)9cが形成 れ、真空容器1に設けられた(図中では可動側 フランジ5を突出するように固設された)軸受 (図中では、真空容器1外側において回転ト クを低減するためのスラストベアリング14を 備えた支持体)10に貫装される。
さらに、ベローズ(図中では、可動側フラ ンジ5と可動支持板9aとの間に接合(例えば、 空高温ろう付けにより接合)されたベローズ) 11により、可動電極8及び固定電極7側に真空 15を形成し、可動導体9側に大気室16を形成し ている。ベローズ11には、耐久性(機械的強度 等),導電性等を有するものが用いられ、例え リン青銅から成るものやSUS部材に銅を被覆 て成るものが挙げられる。
符号13は、前記可動ロッド9bを真空容器1 軸方向に移動させ、真空コンデンサにおけ 静電容量を調整して絶縁操作するための筒 部材(以下、絶縁操作部材と称する)を示すも のであり、軸受部10の一端側(図中ではスラス トベアリング14側)にて回動自在に支持される 。この絶縁操作部材13内の中央部には段差部1 3bが形成され、その段差部13bから一端側には 径(他端側よりも小径)の雌ネジ部13aが形成 れる。また、前記の雌ネジ部13aには前記可 ロッド9bの雄ネジ部が螺合され、他端側は真 空コンデンサの駆動源(モータ等;図示省略)が 連結(例えば、絶縁手段を介して連結)される
前記の駆動源により絶縁操作部材13を回 (例えば図示矢印Rの回転方向に回動)するこ により、雌ネジ部13aの形状に応じて可動導 9が旋回しながら軸方向に移動し、対向電極 の面積(固定電極7と可動電極8との交叉面積) が変化する。前記の可動ロッド9bは、図示す ように胴体部が軸受部10に貫装されている め、可動導体9の移動の際の該可動導体9の揺 動が抑えられる。また、可動導体9に例えば トッパーネジ(内径が雌ネジ部13aよりも大き 座面12bを有するネジ)12bを取り付けておくこ とにより、可動導体9の移動範囲を制限(例え 、対向電極同士の接触防止)することができ る。
本実施例1の絶縁筒2においては、側壁の 面形状がアーチ状であり、より具体的には ーチ面(本実施例1では外周面,内周面)の直径 それぞれ両端側から中央部に近づくに連れ 大きくなるようにしたものが適用される。 のような形状の絶縁筒により、該絶縁筒の 面距離は、単なる円筒状の絶縁筒と比較し 長くなる。
例えば、図2に示す樽状の絶縁筒のように、 絶縁筒端部20Aから絶縁筒中央部20Bに近づくに 連れて、絶縁筒内周面の直径がW1(端部内周面 直径)からW2(中央部内周面直径)に順次増すよ にし、外周面の直径においても同様に順次 すようにして、湾曲部20を形成している。 た、本実施例1のような構成の場合には、真 容器内の真空による応力に耐えられる構成( 耐応力性の高い構成;例えば、曲げ,撓み,ヒビ 割れ等に耐えられる構成)となり、その構成 よる効果の程度(例えば、中央部内周面直径W 2と端部内周面直径W1との差)に応じて、絶縁 2の機械的強度を損なうことなく前記絶縁筒2 の側壁の厚さT A を薄くできると共に、沿面距離L A を長くすることができる。
この結果、例えば図7の場合と比較して、空 間距離を長くすることなく、絶縁筒2の沿面 離が長くなり、その沿面距離の長さに応じ 分流電流を抑制でき、真空コンデンサの絶 耐電圧が向上すると共に電流容量が増加す 。また、側壁の厚さT A が薄く内周面のアーチ面が湾曲(真空容器外 方向に湾曲)しているため該真空容器1の容積 が増加し、絶縁筒2で発生し得る発生熱の放 効率が高くなる。さらに、絶縁筒の側壁(本 施例1では内径および外径のそれぞれ)が、 縁性部材の軸方向の両端側から中央部に近 くに連れて大きくなるようにし、前記側壁 内周面および外周面の各縦断面形状がそれ れアーチ状であるため、十分な耐応力性が られる。
ここで、絶縁筒2での発生熱について検討す る。例えば図3に示すように、一般的な高周 機器等に適用されている従来の絶縁筒(以下 従来絶縁筒と称する)21の側壁の厚さをT B とすると、単に厚みT B を薄くすれば該従来絶縁筒21は破損し易くな てしまう。一方、本実施例1のような絶縁筒 2の構成によれば、従来絶縁筒21と同様の耐応 力性を得る場合、該絶縁筒2の厚さT A をT B の3~4割減とする(薄くする)ことができ、沿面 離L A をL B の1~2割増とする(長くする)ことができる。
換言すると、本実施例1の絶縁筒2によれば 従来絶縁筒21の各寸法を10とした場合、該絶 筒2の厚みT A を7~6に減少することができ、沿面距離L A を11~12に増すことができる。同軸円筒電極型 静電容量Cにおいては、計算式「C=2π×ε 0 ×ε r ×(対向距離)×Log e (b/a)」(ただし、ε 0 は真空誘電率,ε r は材料の比誘電率,aは最内周側電極の半径,b 最外周側電極の半径)によって算出すること できることから、「ε 0 ×ε r =1」と仮定すると、前記の指標値により絶縁 2や従来絶縁筒21の静電容量Cの算出を試みる 場合には、次の式を適用できる。
C=ε 0
・ε 1
T/L
なお、式中のε 0
は真空中の誘電率,ε 1
は絶縁筒の比誘電率,T(T A
またはT B
)は絶縁筒の厚さ,L(L A
またはL B
)は絶縁筒の沿面距離を示すものとする。前
の式においてε 0
・ε 1
=1とし、従来絶縁筒21の各指標値T B
=10,L B
=10を代入すると、従来絶縁筒21の静電容量Cは
1(F)となる。これに対して、本実施例の絶縁
2の各指標値T A
=7,L A
=12を代入すると、絶縁筒2の静電容量Cは0.58(F)
となる。
次に、絶縁筒2や従来絶縁筒21を流れる分 電流Iの算出を試みる場合には、絶縁筒の静 電容量をC,電極の静電容量をC1,電極に印加さ る電流をI1とすれば次に式が適用できる。
I=(全体の電流)×((絶縁筒静電容量C)/((絶縁筒
静電容量C)+(電極静電容量C1)))=(I+I1)×C/(C+C1)
ここで、C1=1およびI1=1とすると、従来絶縁
21に流れる分流電流Iは1(A)となり、絶縁筒2の
分流電流Iは0.58(A)となる。
なお、本実施例の真空コンデンサのように 固定電極7に対して非接触状態で可動電極8 移動することにより、該移動に伴う衝撃力 少なくなり、絶縁筒2の側壁厚さT A が薄くても破損し難くなる。また、可動導体 9を軸受部10内にて滑らかに移動させることに より、衝撃力がより少なくなり、絶縁筒2の さT A が薄くても破損し難くなる。
[実施例2]
図4の符号30は、本実施の形態における電力
電気機器から成る真空コンデンサ(固定型真
空コンデンサ)の他例を示すものであり、実
例1同様に、絶縁筒(絶縁性部材;セラミック
料等の絶縁材料から成る筒状の部材)2の一端
側と他端側とに導電性部材(例えば、銅等の
属から成る部材)2a,2bを設けて成る真空容器1
主な構成とし、前記絶縁筒2においては側壁
の直径(本実施例2では内径および外径のそれ
れ)が絶縁性部材の軸方向の両端側から中央
部に近づくに連れて大きくなるようにし、前
記側壁の内周面および外周面の各縦断面形状
をそれぞれアーチ状にしたもの(図中では樽
の絶縁筒)が適用される。
本実施例2では、導電性部材2a,2bの内側(真 空容器1の内側)にそれぞれ固定電極7a,7b(それ れ陽極または陰極)が設けられている。これ ら固定電極7a,7bは、それぞれ内径が異なる複 の筒状の電極部材を同心円状に一定間隔を てて構成されたものであり、互いに非接触 態で交叉し静電容量を形成するように対向 置されている。なお、符号31は、例えば固 電極7a,7bを位置決めするためのセンターピン (セラミックセンターピン等)であるが、該セ ターピン31を省いた構造でも十分実施でき 。
本実施例2のように固定型真空コンデンサ であっても、絶縁筒の側壁の断面形状がアー チ状であり、より具体的には側壁の内径およ び外径のそれぞれが絶縁性部材の軸方向の両 端側から中央部に近づくに連れて大きくなる ようにし、前記側壁の内周面および外周面の 各縦断面形状をそれぞれアーチ状にしたもの が適用される。このような形状の絶縁筒によ り、該絶縁筒の沿面距離は、単なる円筒状の 絶縁筒と比較して沿面距離が長くなる。
例えば、図2に示す樽状の絶縁筒2のよう 、絶縁筒端部20Aから絶縁筒中央部20Bに近づ に連れて、絶縁筒内周面の直径がW1(端部内 面直径)からW2(中央部内周面直径)に順次増す ようにし、外周面の直径においても同様に順 次増すようにして、湾曲部20を形成している すなわち、本実施例2のような構成において 、前述の実施例1と同様の作用効果を奏する
[実施例3]
図5の符号40は、本実施の形態における電力
電気機器から成る真空バルブの一例を示す
のであり、実施例1同様に、絶縁筒(絶縁性
材;セラミック材料等の絶縁材料から成る筒
の部材)2の一端側と他端側とに導電性部材(
えば、銅等の金属から成る部材)2a,2bを設け
成る真空容器1を主な構成とし、前記絶縁筒
2においては側壁の直径(本実施例3では内径お
よび外径のそれぞれ)が絶縁性部材の軸方向
両端側から中央部に近づくに連れて大きく
るようにし、前記側壁の内週面および外周
の各縦断面形状をそれぞれアーチ状にした
の(図中では樽状の絶縁筒)が適用される。
本実施例3では、該真空容器1内に一対の 定電極7および可動電極8が配置され、これら の各電極背面から真空容器1外に突出するよ にロッド41A,41Bがそれぞれ延設(図中では真空 容器1の軸方向に延設)される。また、可動電 側ロッド41Aと前記可動側フランジ5との間に は、該真空容器1内を気密(真空)にすると共に 該可動電極側ロッド41Aを可動にするためのベ ローズ11が設けられる。例えば、前記可動電 ロッド41Aを移動(図中では真空容器1の軸方 に移動)することにより可動電極8と固定電極 7とを接離することができ、真空バルブによ 電力の遮断,投入(開閉)操作を行うことがで る。
本実施例3のように真空バルブであっても 、絶縁筒の側壁の断面形状がアーチ状であり 、より具体的には内径および外径のそれぞれ が、絶縁性部材の軸方向の両端側から中央部 に近づくに連れて大きくなるようにし、前記 側壁の内周面および外周面の各縦断面形状を それぞれアーチ状にしたものを適用したこと により、前述の実施例1と同様な作用効果を する。例えば、前記のように真空バルブに いて電力の投入および遮断を行う際には電 的発熱が起こるが、本実施例3のような構成 よれば、真空容器の容積の増加に伴って冷 効果が増し、発生熱を効率よく放出して低 させることができる。
以上示した実施例1~3から明らかなように 絶縁筒の両端をそれぞれ導電性部材により 塞して成る真空容器を備えた電力用コンデ サや電力用開閉器等の電力用電気機器にお て、前記絶縁筒の側壁の縦断面形状をアー 状にしたものを適用することにより、アー 面において沿面距離が長くなると共に、該 ーチ面において表面積が大きくなることか 、該電力用電気機器の動作時の電気的発熱 に対する放熱性が向上する共に、分流電流 に対する絶縁耐電圧特性が向上することを 明した。
なお、実施例1~3では、絶縁筒側壁の内径 よび外径のそれぞれが、絶縁性部材の軸方 の両端側から中央部に近づくに連れて大き なるようにし、前記側壁の内周面および外 面の各縦断面形状をそれぞれアーチ状にし 具体例を説明したが、図6に示す絶縁筒のよ うに、アーチ面の直径が両端側から中央部に 近づくに連れて小さくなるようにした構成や 、アーチ面の頂点(側壁の内径および外径が 番大きい場所または一番小さい場所)が中央 よりも両端部のいずれか一方側にずれてい 構成や、真空容器内が真空状態でない構成( 例えば、油入りコンデンサ,固体コンデンサ, イルコンデンサ,セラミックコンデンサ,油 り遮断機等)であっても、該実施例1~3同様の 用効果が得られる。
以上のように、本発明の実施例によれば 例えば高周波機器や大電力機器等に適用さ る電力用コンデンサや電力用開閉器等の電 用電気機器において、その動作時の電気的 熱等に対する放熱性が高められる共に、分 電流等に対する絶縁耐電圧特性が高められ ことは明らかである。
以上、本発明において、記載された具体 に対してのみ詳細に説明したが、本発明の 術思想の範囲で多彩な変形および修正が可 であることは、当業者にとって明白なこと あり、このような変形および修正が特許請 の範囲に属することは当然のことである。
