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Title:
ELECTRIC PUMP ROTOR AND ELECTRIC PUMP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/152957
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an electric pump rotor having a light-weight magnet unit which can be easily manufactured. The magnet unit is a multi-pole anisotropic magnet formed in a ring shape in which N-poles and S-poles alternately appear in the circumferential direction. The inner circumferential portion of the magnet unit is formed in a polygonal shape having corners at magnetism concentration positions where magnetism is concentrated in the circumferential direction of the magnet unit.

Inventors:
ISHIGURO MOTOHISA (JP)
KAMIYA NAOKI (JP)
ARAKI TAKAHIRO (JP)
NAKAI KATSUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060275
Publication Date:
December 18, 2008
Filing Date:
June 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AISIN SEIKI (JP)
ISHIGURO MOTOHISA (JP)
KAMIYA NAOKI (JP)
ARAKI TAKAHIRO (JP)
NAKAI KATSUMI (JP)
International Classes:
H02K7/14; H02K1/27
Foreign References:
JP2007032370A2007-02-08
JP2004274859A2004-09-30
JP2005237047A2005-09-02
JP2007032370A2007-02-08
JP2005237047A2005-09-02
JP2003124019A2003-04-25
Other References:
See also references of EP 2124316A4
Attorney, Agent or Firm:
KITAMURA, Shuichiro (Nakanoshima 2-chome Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 リング状に形成されてN極とS極とが周方向に交互に現出するように極異方配向された磁石部を備えた電動ポンプ用ロータであって、
 前記磁石部の内周部が、前記磁石部の周方向において磁気が集中する磁気集中部位に角部を位置させた多角形に形成されている電動ポンプ用ロータ。
 前記磁石部が樹脂に磁粉を含む材料により形成されており、前記ロータは射出成形法によって樹脂により前記磁石部に内嵌して形成された回転部を更に備え、前記多角形の各角部が、前記磁石部の内方側を中心として前記多角形の2辺に連続する円弧状に形成されている請求項1に記載の電動ポンプ用ロータ。
 前記多角形が、その重心から各辺の中央部までの距離が5mmよりも大きくなるように形成してあり、前記多角形の各角部が、半径を5mm以下とする円弧状に形成されている請求項2に記載の電動ポンプ用ロータ。
 前記磁石部の内周部が、前記磁気集中部位の数と同数の角部を有する多角形に形成されている請求項1~3の何れか1項に記載の電動ポンプ用ロータ。
 前記磁気集中部位は、N極及びS極の磁石部の周方向における中央部に位置する請求項1~4の何れか1項に記載の電動ポンプ用ロータ。
 前記磁石部の外周部が、円形状に形成されている請求項1~5の何れか1項に記載の電動ポンプ用ロータ。
 前記回転部の外周部が、多角形に形成されている請求項1~6の何れか1項に記載の電動ポンプ用ロータ。
 流体を吸入する吸入口と、
 前記吸入口から吸入した流体を吐出する吐出口と、
 前記吸入口と前記吐出口とを連通する流体室と、
 リング状に形成されてN極とS極とが周方向に交互に現出するように極異方配向された磁石部及び前記磁石部と一体回転可能に前記流体室に設けられたインペラ部を備え、前記磁石部の内周部が前記磁石部の周方向において磁気が集中する磁気集中部位に角部を位置させた多角形に形成されているロータと、を備えた電動ポンプ。
Description:
電動ポンプ用ロータ及び電動ポ プ

 本発明は、リング状に形成されてN極とS とが周方向に交互に現出するように極異方 向された磁石部を設けた電動ポンプ用ロー に関する。

 上記のような電動ポンプ用ロータは、回 軸に外嵌するリング状の回転部とその回転 に外嵌するリング状の磁石部とから形成し あり、回転軸と一体的に回転するように設 られている。磁石部は、N極とS極とが周方 に交互に現出して磁気が外周部から入り外 部に抜ける円弧状になるように極異方配向 れている。

 従来の電動ポンプ用ロータでは、磁石部が その内周部及び外周部の夫々を円形とする 筒状に形成してある(例えば、特許文献1参 。)。
 そして、円筒状に形成した磁石部において その内周部が、N極とS極との中間部に対応 る円弧部分を内方側に膨出させた形状(湾曲 状又は平面形状)に形成してあるものもある (例えば、特許文献2参照。)。
 また、別の従来の電動ポンプ用ロータでは 内周部と外周部とを異なる半径の円弧状に 成した複数の永久磁石を設け、それら複数 永久磁石の夫々をその内周部を回転軸に接 させて周方向に並べることにより磁石部を 成している(例えば、特許文献3参照。)。

特開2007-32370号公報

特開2005-237047号公報

特開2003-124019号公報

 上記のような電動ポンプ用ロータでは、 引部である磁石部の容積割合がロータの全 積に対し多いと、電動ポンプ用ロータの軽 化及びコストの低減を図り難いものとなる 特に、電動ポンプ用ロータでは、磁石部の 料コストが占める割合が高く、磁石部の重 を低減することが求められており、吸引部( 磁石部)以外のロータの部分(例えば、軸受け 、インペラ部)を吸引部(磁石部)と異なる材 で形成する手法が提案されている。

 上記特許文献1に記載の電動ポンプ用ロー タは、磁石部を円筒状に形成しているので、 内径をより大きくして径方向において薄くす ることにより、磁石部の重量を低減できる。 しかしながら、径方向に薄くするとそれだけ 磁束量が低下してしまい、電動用ポンプ用ロ ータとして必要な磁気の強さを確保できなく なってしまう虞がある。したがって、上記特 許文献1に記載のものは、磁石部の重量を低 し難いものであった。

 上記特許文献2に記載の電動ポンプ用ロー タは、円筒状に形成した磁石部の内周部にお いて、N極とS極との中間部に対応する円弧部 を内方側に膨出させた形状としている。し がって、円筒状に形成した上記特許文献1に 記載の磁石部と比べると、その内方側に膨出 させた部分における径方向の厚みが増す。そ のために、上記特許文献2に記載のものは、 記特許文献1に記載のものよりも磁石部の重 が増加することになる。

 上記特許文献3に記載の電動ポンプ用ロー タは、複数の永久磁石を周方向に並べて磁石 部を形成しているので、永久磁石同士の間や 永久磁石と回転軸との間に隙間を設け易く、 特許文献1に記載のものと比べると、磁石部 重量を低減できる。しかしながら、複数の 久磁石を周方向に並べて磁石部を形成して るので、複数の永久磁石の夫々と回転軸と 固定する作業に加え、永久磁石同士を固定 る作業をも行わなければならない。しかも それらの固定作業の夫々について精度よく うことが求められる。したがって、上記特 文献3に記載のものは、磁石部を形成するの 難しく大きな労力を要するので、生産性が 化する。

 本発明は、上記の課題に鑑みてなされた のであり、その目的は、磁石部を容易に形 しながら、磁石部の重量を低減できる電動 ンプ用ロータを提供する点にある。

 上記目的を達成するための本発明に係る 動ポンプ用ロータの特徴構成は、リング状 形成されてN極とS極とが周方向に交互に現 するように極異方配向された磁石部を備え 電動ポンプ用ロータであって、前記磁石部 内周部が、前記磁石部の周方向において磁 が集中する磁気集中部位に角部を位置させ 多角形に形成されている点にある。

 磁石部は、N極とS極とが周方向に交互に現 するように極異方配向されているので、磁 の配向は、磁石部の外周部におけるN極から 方向に隣接する磁石部の外周部におけるS極 に向う円弧状となる。磁石部の周方向におい てN極及びS極の中心が磁気集中部位となり、 の磁気集中部位では、磁石部の内周部側で 束量が少なく、磁石部の外周部側で磁束量 多くなる。そこで、磁石部の内周部を、磁 集中部位において磁束量の少ない部分に角 を位置させた多角形とすることにより、磁 量の少ない部分を削ることができる。した って、磁束量の低下を抑えながら、磁石部 重量を低減することができる。磁石部の形 については、単に、内周部を磁気集中部位 角部を位置させた多角形に形成するだけで く、磁石部を容易に形成できる。
 このようにして、磁石部を容易に形成しな ら、磁石部の重量を低減できる電動ポンプ ロータを提供できるに至った。

 本発明は、前記磁石部が樹脂に磁粉を含 材料により形成されており、前記ロータは 出成形法によって樹脂により前記磁石部に 嵌して形成された回転部を更に備え、前記 角形の各角部が、前記磁石部の内方側を中 として前記多角形の2辺に連続する円弧状に 形成されていると好適である。

 このように、電動ポンプ用ロータの磁石部 び回転部の夫々を樹脂により形成する場合 樹脂の二色成形の射出成形法により電動ポ プ用ロータを形成でき、生産性の向上を図 ことができる。
 磁石部及び回転部の夫々を樹脂により形成 る場合、樹脂の溶着により磁石部と回転部 を固定することになり、その締結力が弱く る虞がある。そこで、磁石部の内周部を多 形とするとともに、磁石部に内嵌する回転 の外周部も多角形とすることにより、回転 の外周部と磁石部の内周部とが係合する。 たがって、その係合によって回転方向での 転部に対する磁石部の回り止めを行うこと でき、磁石部と回転部との締結力の低減を 制できる。

 磁石部の内周部を多角形とするとともに、 石部に内嵌する回転部の外周部も多角形と ると、回転部は、多角形の角部に対応する 所がその他の箇所よりも肉厚が厚くなる。 石部及び回転部を樹脂にて形成するので、 転部が多角形の角部に対応する箇所とその の箇所とで肉厚が大きく異なると、樹脂肉 の違いによる成形時の冷却速度の差異から 脂ひけの影響を受けて、回転部を精度よく ることが難しくなる。回転部の内周部を正 な円形に形成できなくなると、回転部が回 するときに、回転部の内周部と回転軸の外 部との間にガタが生じてしまう。その結果 音や振動が発生するだけでなく、回転軸の 磨耗の要因ともなりうる虞がある。
 そこで、本発明は、磁石部の内周部におい 多角形の各角部を多角形の2辺に連続する円 弧状としている。このようにして、磁石部及 び回転部を樹脂にて形成する場合に、回転部 が多角形の角部に対応する箇所とその他の箇 所とで肉厚が大きく異なり冷却条件に起因す るひけの発生を抑制している。したがって、 磁石部及び回転部を樹脂にて形成することに よる軽量化の利点を得ながら、磁石部及び回 転部を樹脂にて形成するが故の不都合の発生 を抑制している。

 本発明は、前記多角形が、その重心から 辺の中央部までの距離が5mmよりも大きくな ように形成してあり、前記多角形の各角部 、半径を5mm以下とする円弧状に形成されて ると好適である。

 多角形の各角部を、重心から各辺の中央 までの距離である5mm以下を半径とする円弧 に形成することにより、磁石部及び回転部 夫々が周方向において厚みが大きく異なる とを防止しながら、磁石部の重量を的確に 減することができ、さらに磁石部と回転部 の間の回り止め強度を確保することができ 。

 本発明は、前記磁石部の内周部が、前記 気集中部位の数と同数の角部を有する多角 に形成されていると好適である。

 磁気集中部位の夫々に角部が存在するの 、磁気集中部位の夫々において磁束量の少 い部分を削ることができる。したがって、 石部において削ることができる部分を極力 きくすることができ、磁束量の低下を抑え がら、磁石部の重量の低減をより効果的に ることができる。

 また、本発明は、前記磁気集中部位は、N 極及びS極の磁石部の周方向における中央部 位置すると好適である。また、本発明は、 記磁石部の外周部が、円形状に形成されて ると好適である。また、本発明は、前記回 部の外周部が、多角形に形成されていると 適である。

 また、上記目的を達成するための本発明 係る電動ポンプの特徴構成は流体を吸入す 吸入口と、前記吸入口から吸入した流体を 出する吐出口と、前記吸入口と前記吐出口 を連通する流体室と、リング状に形成され N極とS極とが周方向に交互に現出するよう 極異方配向された磁石部及び前記磁石部と 体回転可能に前記流体室に設けられたイン ラ部を備え、前記磁石部の内周部が前記磁 部の周方向において磁気が集中する磁気集 部位に角部を位置させた多角形に形成され いるロータと、を備えた点にある。

 磁石部の内周部を、磁気集中部位におい 磁束量の少ない部分に角部を位置させた多 形とすることにより、磁束量の少ない部分 削ることができる。したがって、磁束量の 下を抑えながら、磁石部の重量を低減する とができる。このように、磁石部の重量を 減できるので、このロータを備えた電動ポ プの重量についても低減することができる

は、流体ポンプの断面図である。 は、ロータの断面図である。 は、磁石部及び回転部の平面図である は、磁石部及び回転部の平面図である は、磁石部の平面図 は、本発明の磁石部と従来の磁石部と 夫々について、磁石重量と総磁束量との関 を示すグラフ は、本発明の磁石部と従来の磁石部と 較例の磁石部との夫々について、磁石重量 総磁束量との関係を示すグラフである。 は、円弧状とする各角部の半径を変化 せたときの磁石1g当りの磁束量と磁石部の 周部の真円度との夫々を示すグラフである は、円弧状とする各角部の半径を変化 せたときの回転部の肉厚比と磁石部の内周 の真円度との夫々を示すグラフである。

 本発明に係る電動ポンプ用ロータを流体ポ プに適応した実施形態を図面に基づいて説 する。
 この流体ポンプは、図1に示すように、ハウ ジング1の内部に吸入口2と吐出口3とに連通す る流体室4を備えている。流体室4の内部には 回転軸5と一体的に回転するインペラ部6が 置されている。流体ポンプは、インペラ部6 回転によって吸入口2から流体室4に吸入し 流体を吐出口3から吐出するように構成して る。

 ハウジング1は、例えば、3つの部材をボル 等により連結して形成されている。
 回転軸5は、ロータ7の中央部を挿通して、 の両端部の夫々をハウジング1に回転可能に 持してある。ロータ7は、回転軸5と一体的 回転するように設けてあり、このロータ7が 発明に係る電動ポンプ用ロータである。

 ロータ7は、図2に示すように、回転軸5に外 するリング状の回転部8と、その回転部8に 嵌するリング状の磁石部9と、インペラ部6と から構成されている。回転部8と磁石部9とイ ペラ部6とが一体的に形成されてロータ7が 成されている。
 ハウジング1の磁石部9に対向する位置には 磁界を発生させて回転軸5を回転させる駆動 イル10が設けられている。図示は省略する 、駆動コイル10は、インペラ部6の回転方向 設定角度(例えば、120度)を隔てて4つ配置さ ている。4つの駆動コイル10を順次ON/OFF制御 ることによって回転軸5を回転させている。

 以下、ロータ7について説明を加える。
 ロータ7は、樹脂に磁粉を含む材料により磁 石部9が形成され、その磁石部9に樹脂により 転部8及びインペラ部6が形成される。例え 極異方磁場を形成するように永久磁石を組 込んだ金型により磁石部9を射出成形し、そ 磁石部9を一方の金型に保持させて型を開き 、他方の金型を他の金型に変えて再度型閉じ することにより回転部8及びインペラ部6を射 形成する。このようにして、ロータ7は二色 成形により形成されている。

 磁石部9は、図3に示すように、N極とS極とが 周方向に交互に現出して磁気が外周部から入 り外周部に抜ける円弧状になるように極異方 配向(図中矢印)されている。
 磁石部9の外周部は、円形に形成されている 。磁石部9の内周部は、磁石部9の周方向にお て磁気が集中する磁気集中部位11に角部12を 位置させた四角形に形成されている。磁石部 9は、周方向に磁気集中部位11が4つ存在する うに極異方配向されているので、その内周 を磁気集中部位11の数と同数の角部12を有す 四角形としている。

 磁石部9において、磁気の配向は、磁石部 9の外周部におけるN極から周方向に隣接する 石部9の外周部におけるS極に向う円弧状と る。磁石部9の周方向においてN極及びS極の 心が磁気集中部位11となる。磁気集中部位11 は、磁石部9の内周部側で磁束量が少なく、 磁石部9の外周部側で磁束量が多くなる。そ で、磁石部9の内周部を、磁気集中部位11に いて磁束量の少ない部分に角部12を位置させ た四角形とすることにより、磁束量の少ない 部分を削ることができる。したがって、磁束 量の低下を抑えながら、磁石部9の重量を低 することができる。

 回転部8は、その外周部を磁石部9の内周部 合わせた多角形であり、その内周部が円形 に形成されている。回転部8の外周部と磁石 9の内周部とが係合することにより、回転方 向での回転部8に対する磁石部9の回り止めを うことができる。
 回転部8は、磁石部9の内周部における四角 の角部12に対応する箇所がその他の箇所より も肉厚が厚くなる。このとき、回転部8が、 石部9の内周部における四角形の角部12に対 する箇所とその他の箇所とで肉厚が大きく なると、樹脂肉厚の違いによる成形後の樹 ひけの影響を受け易くなる。具体的には、 部12付近では磁石部9の外周との距離が短く この角部12付近の樹脂は角部12の間に位置す 辺部の樹脂に比べて外部から早期に冷却さ るため、樹脂ひけの影響が大きくなる。こ 結果、この樹脂ひけが大きい程、回転部8の 内周部の真円度を悪化させることとなる。真 円度とは、円形部分の幾何学的円からの狂い の大きさをいい、円形部分を二つの同心の幾 何学的円で挟んだとき両円の間隔が最小とな る場合の両円の半径の差に応じた値である。

 そこで、本発明では、磁石部9の内周部を単 なる四角形に形成するのではなく、図4に示 ように、当該四角形の各角部12を、磁石部9 内方側を中心として四角形の2辺に接する円 状に形成している。このようにして、回転 8が、磁石部9の内周部における四角形の角 12に対応する箇所とその他の箇所とで肉厚が 大きく異なるのを抑制して、樹脂肉厚の違い による成形時の冷却条件に起因する樹脂ひけ の影響を受け難くしている。
 四角形の各角部12を円弧状に形成するに当 、四角形をその重心から各辺の中央部まで 距離が5mmよりも大きくなるように形成し、 角形の各角部12を半径を5mm以下とする円弧状 に形成してあると好適である。

 以下、本発明に係る電動ポンプ用ロータの 果について実験結果に基づいて説明する。
 図6は、本発明の磁石部(図中□)と従来の磁 部(図中○)との夫々について、磁石重量と 磁束量との関係を示す実験結果である。本 明の磁石部は、図5(a)に示すように、磁石部 内周部を磁気集中部位に角部を位置させた 角形としている。従来の磁石部は、図5(b)に 示すように、磁石部の内周部を円形に形成し ている。
 図6から、本発明の磁石部(図中□)は、従来 磁石部(図中○)に対して磁石重量当りでの 磁束量が増加していることがわかる。本発 の磁石部は、磁石重量を減らしても従来の 石部と同じだけの総磁束量を得ることがで る。したがって、磁束量の低下を抑えなが 、磁石部の重量を低減することができる。

 図7は、本発明の磁石部(図中△)と従来の磁 部(図中○)と比較例の磁石部(図中□)との夫 々について、磁石重量と総磁束量との関係を 示す実験結果である。図6における実験と同 に、本発明の磁石部は図5(a)に示すものとし 従来の磁石部は図5(b)に示すものとしている 。比較例の磁石部は、図5(c)に示すように、 石部の内周部を磁気集中部位とは異なる位 に角部を位置させた四角形としている。
 通常、磁石重量が減少するとそれに伴って 磁束量も減少することから、図7において、 従来の磁石部(図中○)について磁石重量を変 させたときの総磁束量を実線にて示す。図7 から、比較例の磁石部(図中□)は、磁石重量 りでの総磁束量が従来の磁石部(図中点線) ほとんど変らない。それに対して、本発明 磁石部(図中△)は、従来の磁石部(図中点線) 対して磁石重量当りでの総磁束量が増加し いることがわかる。したがって、磁石部の 周部を多角形にするだけでなく、磁石部の 周部を磁気集中部位に角部を位置させた多 形とすることにより、磁束量の低下を抑え がら、磁石部の重量を低減することができ 。

 本発明では、磁石部の内周部を四角形に ることに加え、その四角形の各角部を四角 の2辺に接する円弧状としている。そこで、 円弧状とする各角部の半径をどれぐらいにす ると好適であるかについて検討する。

 図8は、本発明の磁石部において、円弧状と する各角部の半径を変化させたときの磁石1g りの磁束量(図中◇)と磁石部の内周部の真 度(図中□)との夫々を示すグラフである。図 9は、本発明の磁石部において、円弧状とす 各角部の半径を変化させたときの回転部の 厚比(図中△)と磁石部の内周部の真円度(図 □)との夫々を示すグラフである。回転部の 厚比は、図3及び図4に示すように、角部12に 対応する箇所の肉厚aと角部12同士の間に対応 する箇所の肉厚bとの肉厚比(b/a)である。
 このときの本発明の磁石部は、外径の直径 26mm、内径の直径を16mm、軸心方向の長さ(高 )を13mmとした円筒状のものにおいて、その 周部を1辺15.6mmとする正方形としている。

 図8から明らかなように、角部12の半径を大 くすると、磁石部9において磁束の流れに対 し不効率な部分が増加するため磁石1g当りの 束量(Wb/g)が低下することがわかる。一方、 部12の半径を大きくすると、回転部8の内周 の真円度の値が小さくなり真円度が向上す 。これは角部12の半径を大きくすることが 回転部8において角部とそれ以外の部分との 出成形時の樹脂ひけの差を小さくすること 貢献していると考えられる。したがって、 転部8の内周部の真円度を向上させることに より、射出成形時の樹脂ひけの影響を受け難 くなると考えられる。
 図8及び図9に示すように、角部12の半径を5mm より大きくすると、回転部8の肉厚比が形状 起因して減少し、磁石部9と回転部8との相対 の回り止め強度が低下するのみで、回転部8 内周部の向上はあまり見られなくなること わかる。したがって、回転部8の内周部の真 度及び磁石部9と回転部8との相対の回り止 強度の両方を重視する場合、角部12の半径の 大きさは5mm程度が好適であることがわかる。 さらに、磁石部9と回転部8との相対の回り止 強度のみを重視する場合、角部12の半径の きさは5mm以下とすることが好適であるとい る。

 そこで、磁石部として、外径の直径を26mm 、内径の直径を16mm、軸心方向の長さ(高さ)を 13mmとした円筒状のものにおいて、その内周 を1辺15.6mmとする正方形に形成したものを製 した場合、各角部の半径を5mm程度又は5mm以 とすることにより、磁石部の重量の低減を りながら、回転方向での回転部に対する磁 部の回り止めを確実に行うようにしている このとき、磁石部の内周部は、1辺15.6mmとす る正方形に形成した四角形であるので、重心 から各辺の中央部までの距離を5mmよりも大き くなるように形成した四角形となる。このよ うにして、重心から各辺の中央部までの距離 を5mmよりも大きくなるように形成した四角形 において、四角形の各角部を半径5mm程度又は 5mm以下とする円弧状に形成すると好適なもの となる。

   〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、磁石部9の内周部を四 形にすることに加え、その四角形の各角部12 を円弧状としているが、磁石部9の内周部を 角形にするだけでもよい。

(2)上記実施形態では、磁石部9の内周部を 気集中部位11の数と同数の角部12を有する多 形としているが、磁気集中部位11の数より 少ない角部を有する多角形とすることもで る。

(3)上記実施形態では、本発明に係る電動ポ ンプ用ロータを流体ポンプに適応した例を示 したが、流体ポンプに限らず、その他各種の 電動ポンプに適応することができる。

 以上の如く、本発明は、リング状に形成 れてN極とS極とが周方向に交互に現出する うに極異方配向された磁石部を設け、磁石 を容易に形成できながら、磁石部の重量を 減できる各種の電動ポンプ用ロータに適応 能である。

 本発明は、各種の電動ポンプ用ロータ及 電動ポンプに適応可能である。