三菱電機株式会社 (〒10 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 Tokyo, 10083, JP)
| 電気車と、前記電気車に電力を供給する電力供給装置とを含んで構成される電気鉄道システムにおいて、 前記電力供給装置は、 電源と、 前記電源に接続された架空導体部と、 を備え、 前記電気車は、 前記電気車の屋根上に設置され、前記架空導体部に接触可能な接触導体部を有し、外部からの指令に基づいて前記接触導体部の上昇動作および下降動作が可能な集電部と、 前記集電部に接続され、電力の供給経路である主回路の開閉を行う開閉部と、 前記開閉部に接続され、電力変換を行う電力変換装置と、 前記電力変換装置に接続され、電力の貯蔵を行う電力貯蔵装置と、 前記電力変換装置により駆動され、前記電気車を駆動する電動機と、 少なくとも前記開閉部を制御する制御部と、 を備えたことを特徴とする電気鉄道システム。 |
| 前記制御部は、前記架空導体部と前記接触導体部との接触状態の程度を示す物理量に基づいて、前記開閉部および前記電力変換装置のオンオフ制御を行う構成としたことを特徴とする請求項1に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記制御部による前記開閉部および前記電力変換装置に対するオンオフ制御は、前記電気車が停止している場合に限り実行されることを特徴とする請求項2に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記電気車は、 前記集電部の前記接触導体部を介して前記架空導体部から印加された電圧を検出する電圧検出器をさらに備え、 前記制御部は、前記電圧検出器により検出された電圧を前記物理量の一つとして前記開閉部および前記電力変換装置のオンオフ制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記電気車は、 前記集電部の前記接触導体部を介して前記架空導体部から印加された電圧を検出する電圧検出器をさらに備え、 前記制御部は、前記電圧検出器により検出された電圧に基づいて算出された電圧の変化率を前記物理量の一つとして前記開閉部および前記電力変換装置のオンオフ制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記制御部は、前記電圧の変化率が所定値以上である場合に、前記開閉部および前記電力変換装置をオフに制御することを特徴とする請求項5に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記電力変換装置が、入力側にリアクトルとコンデンサとを含む入力フィルタを備えた構成の場合に、 前記制御部は、前記リアクトルに印加された電圧を前記物理量の一つとして前記開閉部および前記電力変換装置のオンオフ制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記制御部は、前記リアクトルに印加された電圧の変化率を前記物理量の一つとして前記開閉部および前記電力変換装置のオンオフ制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記制御部は、前記リアクトルに印加された電圧の変化率が所定値以上である場合に、前記開閉部および前記電力変換装置をオフに制御することを特徴とする請求項8に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記集電部は、前記架空導体部と前記接触導体部とが接触しているか否かを検出する状態検出部を備え、 前記制御部は、前記状態検出部による検出信号を前記物理量の一つとして前記開閉部および前記電力変換装置のオンオフ制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記制御部は、前記状態検出部により検出された検出信号が、前記架空導体部と前記接触導体部とが接触していない旨を表す信号である場合に、前記開閉部および前記電力変換装置をオフに制御することを特徴とする請求項10に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記集電部は、前記接触導体部の温度を検出する温度検出部を備え、 前記制御部は、前記温度検出部により検出された検出信号を前記物理量の一つとして前記開閉部および前記電力変換装置のオンオフ制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記制御部は、前記温度検出部により検出された前記接触導体部の温度が所定値以上である場合に、前記開閉部および前記電力変換装置をオフに制御することを特徴とする請求項12に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記集電部は、前記架空導体部と、前記接触導体部とが接しているか否かを検出する状態検出部を備え、 前記接触導体部を降下させる指令を前記集電部へ入力したにも関わらず、前記状態検出部により検出された検出信号が、前記架空導体部と前記接触導体部とが接触した状態を継続している旨を表す信号である場合に、前記制御部は、前記電気車の走行を禁止するように制御することを特徴とする請求項1に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記制御部は、前記集電部の降下を指示する強制降下制御部と、該強制降下制御部の出力を遅延させる遅延回路とを備え、 前記集電部を上昇して該電気車の充電中に該電気車が動いた場合、前記制御部は前記開閉部および前記電力変換装置をオフに制御するとともに、遅れて該集電部を降下させることを特徴とする請求項1に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記集電部を上昇して前記電気車の充電中に該電気車が動いた場合、前記制御部は前記開閉部および前記電力変換装置をオフに制御するとともに、前記遅延回路にて設定した遅延時間の経過後に、前記集電部を降下させることを特徴とする請求項15に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記集電部は、前記接触導体部と前記架空導体部との接触部の位置を検出する位置検出器を備え、 前記架空導体部は、前記集電部からの押し上げ量が所定値以上の場合に、前記電源との間で電気的接続がとられるように構成されることを特徴とする請求項1~16の何れか1項に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記架空導体部は、該架空導体部と前記接触導体部とが複数個所で接触するように、並列して複数設けられたことを特徴とする請求項1~17に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記接触導体部は、該接触導体部と前記架空導体部とが複数個所で接触するように、前記集電部に複数設けられたことを特徴とする請求項1~18に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記電気車が走行中の場合と、停止中の場合とで選択的に使用できるように前記集電部を複数設けたことを特徴とする請求項1に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記電気車が停止中に使用する前記集電部の前記接触導体部と前記架空導体部との接触力は、前記電気車が走行中に使用する前記集電部の前記接触導体部と前記架空導体部との接触力よりも大きな値に設定したことを特徴とする請求項20に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記電気車が停止中に使用する前記集電部の前記接触導体部の材料は、前記電気車が走行中に使用する前記集電部の前記接触導体部の材料よりも、導電率の高い材料であることを特徴とする請求項20または21に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記電気車が停止中に使用する前記集電部の前記接触導体部の材料は、前記電気車が走行中に使用する前記集電部の前記接触導体部の材料よりも、溶融温度の高い材料であることを特徴とする請求項20~22の何れか1項に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記電気車が停止中に使用する前記集電部の前記接触導体部の材料は、前記電気車が走行中に使用する前記集電部の前記接触導体部の材料よりも、前記架空導体部に対する摩擦係数が大きな材料であることを特徴とする請求項20~23の何れか1項に記載の電気鉄道システム。 |
| 通常の電化区間と、急速充電用の区間とで異なる架空導体部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の電気鉄道システム。 |
| 前記電気車が停止中に使用する前記架空導体部の材料は、前記電気車が走行中に使用する前記架空導体部の材料よりも、断面積が大きく剛性の高い材料であることを特徴とする請求項25に記載の電気鉄道システム。 |
本発明は、電気車と、電気車に電力を供 する電力供給装置とを含んで構成される電 鉄道システムに関するものである。
一般に電気車は、架線からの電力を集電 で取り入れ、架線からの電力を使用して電 機を駆動して走行する構成である。
近年、二次電池や電気二重層キャパシタ の電力貯蔵素子の性能が向上してきている とから、これらを電気車に搭載し、電力貯 素子の電力を使用して電動機を駆動するシ テムの開発が進められている。
このようなシステムの種類としては、景 上の問題から、既設電化路線の一部区間か 架線を撤去し、あるいは既設電化路線の路 延長部分のみを架線レスとし、架線のある 間の走行時は架線からの電力を使用し、架 レス区間を走行する場合は電力貯蔵素子か の電力で走行する構成とした部分架線レス ステムや、全路線から架線を撤去して電力 蔵素子からの電力でのみ走行し、終端駅や 中停車駅にのみ、充電用の電源と架線を設 ておき、この架線から取り入れた電力で、 力貯蔵素子に充電を行う完全架線レスシス ム等が検討されている(例えば、特許文献1)
このような部分架線レスシステム、ある は完全架線レスシステムにおける、電気車 走行例を示す。架線のある区間では、電気 は、集電部であるパンタグラフを上昇させ 架空導体部である架線より電力を集電して 存の電気鉄道として走行し、架線の無い区 ではパンタグラフを降下させ、電力貯蔵素 の電力により走行する。電気車は、架線の い区間での走行で消費した電力を補うため 電気車が駅等に停車中の数十秒から数分の に、パンタグラフを上昇させ、充電用とし 設けられた架線から電力貯蔵素子への急速 電を行う。
上記のように、電力貯蔵素子への急速充 を短時間で行う場合には、パンタグラフか 取り入れる電力は通常走行時の電力よりも きくなるのが通常である。したがって、パ タグラフには大電流を通電することになる で、パンタグラフと架線との接触状態を良 に保つことが重要となる。
ここで、パンタグラフと架線との接触状 に異常がある場合を考える。たとえば、パ タグラフと架線との間の接触抵抗が増大し 場合には、パンタグラフと架線とが接して る接触部の温度が上昇して、当該部分の溶 を招く可能性がある。
また、積雪等の影響でパンタグラフが架 から離れた場合、パンタグラフと架線の間 アークが発生し、高温によりパンタグラフ 架線を損傷するおそれがあるほか、周囲の 器をも焼損するおそれがある。これらの理 により、パンタグラフと架線との接触状態 異常を速やかに検出し、充電を中止する等 処置を採ることの必要性が生じている。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので って、架線が無い区間における走行、停車 の電力貯蔵素子への充電、架線のある区間 おける走行の各モードに好適で、特に電気 が停車中における電力貯蔵素子への急速充 を、安定かつ安全に行うことのできる電気 道システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成する め、本発明にかかる電気鉄道システムは、 気車と、前記電気車に電力を供給する電力 給装置とを含んで構成される電気鉄道シス ムにおいて、前記電力供給装置は、電源と 前記電源に接続された架空導体部と、を備 、前記電気車は、前記電気車の屋根上に設 され、前記架空導体部に接触可能な接触導 部を有し、外部からの指令に基づいて前記 触導体部の上昇動作および下降動作が可能 集電部と、前記集電部に接続され、電力の 給経路である主回路の開閉を行う開閉部と 前記開閉部に接続され、電力変換を行う電 変換装置と、前記電力変換装置に接続され 電力の貯蔵を行う電力貯蔵装置と、前記電 変換装置により駆動され、前記電気車を駆 する電動機と、少なくとも前記開閉部を制 する制御部と、を備えることを特徴とする
本発明の電気鉄道システムによれば、架 が無い区間における走行、停車中の電力貯 素子への充電、架線のある区間における走 の各モードに好適で、特に電気車が停車中 おける電力貯蔵素子への急速充電を、安定 つ安全に行うことのできる電気鉄道システ を提供することができるという効果を奏す 。
1A,1B 架線
2A,2B パンタグラフ
3 車輪
4 レール
5 状態検出部
6 温度検出部
10 電気車
11 開閉部
12 電力変換装置
13 電力貯蔵装置
15 制御部
16 電動機
17 電圧検出器
20 パンタグラフ電圧異常判定部
21 リアクトル電圧異常判定部
22 温度判定部
23 昇降判定部
24 溶着判定部
25 論理反転回路
26 強制降下制御部
27 論理和回路
28 論理積回路
29 論理和回路
30 遅延回路
31 論理反転回路
32,33 論理積回路
40 リアクトル
41 コンデンサ
42 電圧検出器
50 駅
60 接触導体部
61 フレーム
62 機構部
70 電源
以下に本発明にかかる電気鉄道システム 実施の形態を図面に基づいて詳細に説明す 。なお、以下の実施の形態により、本発明 限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態における電気鉄
道システムの構成例を示す図である。図1に
すように、地上に設置された設備は、電気
10が走行するレール4と、駅50に設けられた急
速充電用の架空導体部である架線1Aと、通常
電化区間に設けられた架線1Bと、電気車10へ
の電源であり架線1Aおよび架線1Bに接続され
変電所70とを含んで構成される。
変電所70は、図1では単なる直流電圧源の 号で示しているが、一般には電力系統から 電した特別高圧交流を変圧器で降圧し、整 器で整流した直流600V~1500V程度の電圧を架線 1Aあるいは架線1Bに供給する構成としている なお、架線1Aおよび架線1Bは、それぞれ別の 電所(図示せず)から給電される構成として よい。
なお、架線1Bは、電気車10が走行しながら 集電するため、一般にはパンタグラフの追従 性を良くするために、銅を主体とした素材で 構成されたトロリー線を一定間隔で設けられ た支柱により、レール4上に支持する構成が られるが、架線1Aは、電気車10が停止した状 で集電することと、急速充電に伴う大電流 流れることから、断面積が大きく剛性の高 銅板を主体とした剛体架線を使用するのが 適である。
電気車10は、急速充電用の集電部である ンタグラフ2Aと、既存電化区間用の集電部で あるパンタグラフ2Bとを搭載している。電気 10の詳細な構成は、後述する。
区間Aは、通常の電化区間であり、電気車 10はパンタグラフ2Bを上昇させて架線1Bから電 力を受電し走行する。区間Bは、架線レス区 であり、電気車10はパンタグラフ2A、2Bを降 させて格納し、車載した電力貯蔵素子の電 により走行する。区間Cは、急速充電用架線 間であり、区間Bにおける走行で消費した電 力を、車載された電力貯蔵素子に充電するた めの区間である。区間Cは、ここでは駅や専 の充電区間を想定しており、何れも電気車10 は停止して、パンタグラフ2Aを上昇させて充 を行う。
図2は、本発明の実施の形態における電気 車10の構成例を示す図である。また、図3は、 本発明の実施の形態における電力変換装置12 構成例を示す図である。図2に示すように、 電気車10には、急速充電用のパンタグラフ2A 、既存電化区間集電用のパンタグラフ2Bとが 搭載され、選択的に上昇あるいは下降させる ことが可能な構成である。また、図2では、 パンタグラフは互いに電気的に接続されて るが、常時接続せずに必要に応じて接続を り替える構成としてもよい。
パンタグラフ2Aには、架線1Aと接触する接 触導体部60(後述する図4参照)の温度を計測す 温度検出部6、パンタグラフ2Aの昇降状態を 出する状態検出部5が設けられており、温度 検出部6からの温度検出信号TH、状態検出部5 らの状態検出信号PSは、それぞれ制御部15に 力される構成である。パンタグラフ2Aには 電力の供給経路である主回路を開閉するス ッチあるいは遮断器等で構成される開閉部11 が接続され、開閉部11の後段には電力変換装 12が配置される。
電力変換装置12は、図3に示すように、リ クトル40とコンデンサ41とからなる入力フィ ルタ回路と、リアクトル40の電圧を検出し、 アクトル電圧DVとして制御部15に出力する電 圧検出器42とを有し、入力フィルタ回路の後 にはDC/DCコンバータ回路およびインバータ 路が接続されている。なお、DC/DCコンバータ 回路およびインバータ回路は、公知技術で構 成されるものであり、ここでの詳細な説明は 省略する。また、DC/DCコンバータ回路および ンバータ回路の構成によって、本発明が限 されるものではない。
図2に戻り、電力変換装置12の出力は、電 貯蔵装置13および電動機16に接続されている 。
電力貯蔵装置13は、リチウムイオン電池 ニッケル水素電池等の二次電池群、あるい 電気二重層キャパシタ群等の電力貯蔵素子 内蔵され構成されており、パンタグラフ2Aあ るいはパンタグラフ2Bを介して受電した電力 より電力変換装置12を介して充電を行うと もに、貯蔵した電力を、電力変換装置12を介 して電動機16に供給し、車輪3を駆動するよう に構成されている。なお、電力貯蔵素子の種 類によって、本発明が限定されるものではな い。
パンタグラフ2Aの後段には、電圧検出器17 が設けられており、検出したパンタグラフ電 圧ESを制御部15に入力するように構成されて る。
制御部15は、外部よりパンタグラフ昇降 令PCが入力され、パンタグラフ2Aより、温度 出信号TH、状態検出信号PS、パンタグラフ電 圧ESが入力される。電力変換装置12より、リ クトル電圧検出値DVが入力される。また、制 御部15は、開閉部11に対してオンオフ信号KCを 、電力変換装置12に対して制御信号GCを、パ タグラフ2Aに対して強制降下信号PDをそれぞ 出力する。制御信号GCは、DC/DCコンバータ回 路、インバータ回路の電流を調整する電流指 令と、それぞれのオンオフ指令を含む信号で ある。なお、制御部15の詳細構成および動作 は追って説明する。
図4は、本発明の実施の形態におけるパン タグラフ2Aと架線1Aの構成例を示す図である 図4に示すように、集電部であるパンタグラ 2Aは、機構部62と、導体で構成されるフレー ム61と、フレーム61と電気的に接続されてい 接触導体部60と、状態検出部5と、温度検出 6と、を備えて構成される。
なお、パンタグラフ2Bについては、以下 差異を明示している点を除いてはパンタグ フ2Bと同様の構成である。
以下にパンタグラフ2Aの動作を説明する 外部から入力されるパンタグラフ昇降指令PC が上昇を指令した場合、機構部62は、ばね、 気圧、電動力等を利用してフレーム61を上 させ、フレーム61の頂上部に設けられた接触 導体部60を架線1Aに接触させ、電力を得る。 部から入力されるパンタグラフ昇降指令PCが 下降を指令した場合、機構部62はばね、空気 、電動力等を利用してフレーム61を下降さ 、フレーム61の頂上部に設けられた接触導体 部60と架線1Aとの接触を断つ。
また、制御部15からは強制降下信号PDが入 力される構成となっている。強制降下信号PD 入力された場合、機構部62は、ばね、空気 、電動力等を利用して、速やかにフレーム61 を下降させ、フレーム61の頂上部に設けられ 接触導体部60と架線1Aとの接触を断つ。
状態検出部5は、接触導体部60の昇降状態 検出するものであり、たとえば接触導体部6 0が架線1Aに到達し接触したと判断した場合に 、状態検出信号PSをオンとする。逆に、接触 体部60と架線1Aとの接触が断たれていると判 断した場合は、状態検出信号PSをオフとする 接触状態の判断は、接触導体部60と架線1Aと の位置関係を検出するか、接触圧力を検出す るか、等が考えられるが、手段には制約はな い。
なお、状態検出信号PSは、検出された接 導体部60の位置そのものを示す信号であって もよく、この場合は接触導体部60が架線1Aに 達したかあるいは接触が断たれたかの判別 、制御部15で実施する。
温度検出部6は、接触導体部60の温度を測 し、たとえば所定の設定値を超過した場合 温度検出信号THをオンとする。また接触導 部60の温度が所定の値以下となった場合に温 度検出信号THをオフとする。
なお、温度検出信号THは、検出された接 導体部60の温度そのものを示す信号であって もよく、この場合は所定の値以上であるか以 下であるかの判別は、制御部15で実施する。
ここで、パンタグラフ2Aとパンタグラフ2B との違いを説明する。パンタグラフ2Bに設置 れる接触導体部60の架線と接触する部分の 質は、銅と比較して架線との摩擦係数が小 いカーボン素材が使用される。しかし、パ タグラフ2Aに設置される接触導体部60の架線 接触する部分の材質は、導電率が高く、融 の高い銅合金等を使用するのが好適である
機構部62にも違いがある。パンタグラフ2A に設置された機構部62は、接触導体部60の押 げ力をパンタグラフ2Bのそれよりも大きく設 定してあり、接触導体部60と架線1Aとの接触 を、パンタグラフ2Bのそれよりも高く確保す るよう構成している。
上記構成とした理由を以下に示す。パン グラフ2Bは、上述したとおり、走行中に使 されるため、以下の点に配慮することが好 しい。つまり、パンタグラフ2Bは電気車10の 行中に接触導体部60と架線1Bを摺動しながら 集電を行うことになるので、架線1Bを磨耗さ ないことが重要となる。このため、接触導 部60の架線1Bと接する部位には摩擦係数の低 いカーボン素材を使用することが好ましい条 件となる。
なお、カーボン素材は銅と比較して電気 抗が大きく、電流の通電による損失が大き ため、架線1Bと接触導体部60との接触点の発 熱量は大きくなる。
しかしながら、電気車10は、走行しなが 集電を行うので、走行風による接触導体部60 の冷却が期待でき、また電気車10の移動に伴 常に発熱箇所が移動するので、発熱箇所が 一箇所に固定されることがなく、問題とは らない。
これに対して、パンタグラフ2Aは、上述 たとおり、停止中に使用されるため、以下 点に配慮することが好ましい。つまりパン グラフ2Aは、電気車10が停止中に架線1Aから 電を行うことになるので、架線1Aを磨耗させ てしまう心配はない。
しかしながら、急速充電中においては、 触導体部60と架線1Aとの接触点は固定される ため、接触点での発熱を最小限に抑える必要 があり、接触電気抵抗を最小化することが重 要となる。このため、導電性のよい銅合金を 使用する。また、万一接触点の温度が上昇し た場合においても、溶損に至らないように溶 融温度の高い銅合金を使用することが好まし い条件となる。
また、外部環境の影響により接触点の電 的接触の安定性が脅かされるといった懸念 ある。具体的には、冬季に接触導体部60の 部に積雪し、積雪の重量で接触導体部60の架 線1Aへの押し付け力が低下した場合や、架線1 Aと接触導体部60との接触点近傍が粉塵や鳥の 糞等で汚損していた場合、接触点での接触抵 抗が大きくなり発熱量が増大するといった懸 念がある。
このため、パンタグラフ2Aに設置された 構部62は、接触導体部60の押上げ力をパンタ ラフ2Bよりも大きく設定することが好まし 条件となる。接触導体部60と架線1Aとの接触 を、パンタグラフ2Bのそれよりも高くする とで、接触導体部60と架線1Aとの間の電気的 触をより確実にすることが可能となる。
なお、走行中に使用するパンタグラフ2B 、走行による摩擦により接触導体部60と架線 1Bとの間の異物は除去され、積雪の心配もな 。したがって、接触導体部60と架線1Bとの接 触圧をそれほど大きくしなくても電気的接触 の安定性の確保が可能となる。
もしパンタグラフ2Bにおいて、フレーム61 の押し上げ力を大きくした場合、架線1Bとの 擦力が大きくなり架線1Bの磨耗増加を招く か、架線1Bの上方への押し上げ量が増加する ことになり、架線1Bの上部に設けられた構造 (たとえば跨線橋)等への接触の懸念が生じ ため、架線1Bの張力を増加させる等の対策が 必要となる。このため、パンタグラフ2Bの接 導体部60の押し上げ力を大きくすることは あまり好ましくない。
つぎに、架線1Aについて説明する。架線1A は、図4のB図に示すように、電気車10の進行 向に並列に2本設けられ、それぞれが接触導 部60に接するように構成されている。なお 図4に示す2本に限定されず、2本以上の複数 設けてもよい。また、複数の架線1Aは、互い に電気的に接続され、変電所70からの電圧供 を受ける。
このように、複数の架線1Aが接触導体部60 と接するように構成することで、たとえば架 線1Aのうち1本にビニール等の異物が付着して いた場合等で、著しく電気的接触が悪化する 状況が発生しても、残りの架線1Aが接触導体 60と接することができ、安定した集電が可 となる。
なお、パンタグラフ2Aの接触導体部60を2 以上の複数本設ける(図4の図では2本を例示) とによっても、架線1Aとの接触を確実にす ことができ、安定した集電が可能となる。
また、電気車10にパンタグラフ2Aを複数台 設けて、複数台を互いに電気的に接続しても 同じ効果を得ることができる。ただし、パン タグラフ搭載数が増加して電気車10の重量が くなり、屋根上のスペースも要するといっ 不利点に配慮する必要がある。
さらに、図示は省略しているが、架線1A 、パンタグラフ2Aの押し上げ力により多少上 方へ持ち上がるようにしておき、一定量持ち 上がった場合にのみ、図示しない位置検出器 でこれを検出して、変電所70から架線1Aに電 を印加する構成としてもよい。このように 成すれば、接触導体部60と架線1Aとの間の接 力が確実に存在する場合にのみ、パンタグ フ2Aに電力を供給できる効果があり、より 定した集電が可能となる。
つぎに、制御部15の構成を説明する。図5 、本発明の実施の形態における制御部15の 成例を示す図である。
図5に示すように、制御部15は、パンタグ フ電圧ESを入力し、パンタグラフ電圧ESの異 常を判定して、その結果を判定信号ESDとして 出力するパンタグラフ電圧異常判定部20と、 アクトル電圧DVを入力し、リアクトル電圧DV の異常を判定して、その結果を判定信号DVDと して出力するリアクトル電圧異常判定部21と 接触導体部60の温度検出信号THを入力し、温 度の異常判定を行い、その結果を判定信号THD として出力する温度判定部22と、状態検出信 PSを入力し、パンタグラフ2Aの昇降状態を判 定して、その結果を判定信号PSDとして出力す る昇降判定部23と、パンタグラフ昇降指令PC 状態検出信号PSとを入力し、パンタグラフ2A 接触導体部60の溶着状況を判定して、その 果を判定信号MDDとして出力する溶着判定部24 と、これら判定信号ESD、DVD、THD、PSDの論理和 をとり、その結果ER0を出力する論理和回路27 、電気車10が停車中を示す停車信号STとER0と の論理積をとり、その結果ER1を出力する論理 積回路28と、停車信号STの論理反転をとり、 の結果STBを出力する論理反転回路25と、STBが オン(H)レベルとなった場合に、強制降下基本 信号PDSを出力する強制降下制御部26と、強制 下基本信号PDSを入力し、所定時間だけ遅延 せて強制降下信号PDを出力する遅延回路30と 、論理積回路28の出力ER1と、判定信号MDDと強 降下基本信号PDSとの論理和をとる論理和回 29と、論理和回路29の出力信号を論理反転さ せ、判定信号ERを出力する論理反転回路31と 判定信号ERと、別途生成された基本オンオフ 信号KC0との論理和をとり、オンオフ信号KCと て出力する論理積回路32と、判定信号ERと、 別途生成された基本制御信号GC0との論理和を とり、制御信号GCとして出力する論理積回路3 3と、を含んで構成される。
このように構成された制御部15の動作を 明する。パンタグラフ電圧異常判定部20では 、架線1Aと接触導体部60との接触状態の程度 示す物理量であるパンタグラフ電圧ESに基づ いて、架線1Aと接触導体部60との接触状態の 常判定を行う。
図6は、本発明の実施の形態におけるパン タグラフ電圧ESとその微分値の波形例を示す である。図6に示すように、架線1Aと接触導 部60との電気的接触が不良となった場合、 触抵抗が変化したり、アークが発生し、図6 に破線で示したとおり電圧が変動する。パ タグラフ電圧異常判定部20では、パンタグ フ電圧ESの微分値(変化率)を求め、これが判 値以内に存在するか、否かを監視する。パ タグラフ電圧ESの微分値(変化率)が判定値外 の値をとった場合、架線1Aと接触導体部60と 電気的接触が不良(異常)であると判断して判 定信号ESDをオン(Hレベル)とする。
なお、パンタグラフ電圧ESの微分値(変化 )に基づいて異常判定を行うほか、パンタグ ラフ電圧ESをハイパスフィルタに通し、接触 良状態に起因して発生する電圧変動成分(周 波数成分)を抽出して、これに基づいて異常 定を実施する構成としてもよい。
リアクトル電圧異常判定部21では、架線1A と接触導体部60との接触状態の程度を示す物 量であるリアクトル電圧DVに基づいて、架 1Aと接触導体部60との接触状態の異常判定を う。
図7は、本発明の実施の形態におけるリア クトル電圧DVの波形例を示す図である。図7に 示すように、架線1Aと接触導体部60との電気 接触が不良となった場合、接触抵抗が変化 たり、アークが発生し、図7中に破線で示し とおり電圧が変動する。リアクトル電圧異 判定部21ではリアクトル電圧DVが判定値以内 に存在するか、否かを監視する。リアクトル 電圧DVが判定値外の値をとった場合、架線1A 接触導体部60との電気的接触が不良(異常)で ると判断して判定信号DVDをオン(Hレベル)と る。
なお、パンタグラフ電圧異常判定部20で 処理と同様にリアクトル電圧DVの微分値(変 率)に基づいて、異常判定を行ってもよい。 たリアクトル電圧DVをハイパスフィルタに し、接触不良状態に起因して発生する電圧 動成分(周波数成分)を抽出して、これに基づ いて異常判定を実施する構成としてもよい。 パンタグラフ電圧異常判定部20と、リアクト 電圧異常判定部21は、少なくとも片方を備 る構成でもよい。
そのほかの構成として、図示しないが、 ーリエ変換等の手段でパンタグラフ電圧ES るいはリアクトル電圧DVに含まれる周波数の 分析を行い、予め明確にしておいたアークが 発生している状態で生じる周波数分布の特徴 との比較照合を行って、その結果により、パ ンタグラフ電圧異常判定部20あるいはリアク ル電圧異常判定部21において、架線1Aと接触 導体部60との電気的接触が不良(異常)である 判断して判定信号ESDあるいは判定信号DVDを ン(Hレベル)とする構成としても良い。
温度判定部22では、接触状態の程度を示 物理量である温度検出信号THが接触導体部60 過温度を示している場合に、判定信号THDを ン(Hレベル)とする。
昇降判定部23では、接触状態の程度を示 物理量である状態検出信号PSが接触導体部60 上昇位置が所定値以下であり、架線1Aに接 ていない状態を示している場合に、判定信 PSDをオン(Hレベル)とする。
論理和回路27では、上記の判定信号ESDとDV DとTHDとPSDとの論理和をとる。このように構 することで、架線1Aと接触導体部60との接触 態が異常である場合に発生しうる事象のう どれかが発生した場合に、架線1Aと接触導 部60との接触状態が異常であると判断して判 定信号ER0を出力する。
つぎに、論理積回路28にて、電気車10が停 車中であることを示す停車信号STとの論理積 とり、判定信号ER1を出力する。このように 成することで、電気車10が通常の電化区間 走行中における架線1Bとパンタグラフ2Bとの の離線や、電圧変動による不要な異常検出 回避し、電気車10が停車中である場合のみ 異常検出機能を有効とすることができる。
判定信号ER1がオン(Hレベル)となった場合 架線1Aと接触導体部60との間の電気的接触状 態に異常があるものと判断されるので、論理 和回路29、論理反転回路31を介して、判定信 ERを出力し、別途生成された基本オンオフ信 号KC0と基本制御信号GC0によらず、オンオフ信 号KCと制御信号GCとを強制的にオフとするこ で、電力変換装置12を停止させるとともに、 開閉部11をオフして主回路電流を遮断する。 のように構成することで、パンタグラフ2A 電流が流れないように保護し、異常範囲の 大を回避することが可能となる。
つぎに、溶着判定部24では、たとえば電 車10の急速充電が完了し、パンタグラフ昇降 指令PCが下降を指示しているにも関わらず、 態検出信号PSが接触導体部60と架線1Aとが接 た状態を継続している旨の信号を出力して る場合、接触導体部60と架線1Aとが溶着しパ ンタグラフ2Aの降下が不能であると判断して 定信号MDDをオン(Hレベル)とする。
判定信号MDDがオン(Hレベル)となった場合 架線1Aと接触導体部60との間で発生したアー ク等により、両者が溶着したと判断し、論理 和回路29、論理反転回路31を介して、判定信 ERを出力し、別途生成された基本オンオフ信 号KC0と基本制御信号GC0によらず、オンオフ信 号KCと制御信号GCとを強制的にオフとするこ で、電力変換装置12(特にインバータ回路)の 動を禁止して電動機16への通電を禁止する ともに、開閉部11をオフして主回路電流を遮 断する。このように構成することで、パンタ グラフ2Aが架線1Aと溶着した状態で電気車10が 起動し、パンタグラフ2Aを破壊することを回 し被害の拡大を回避することが可能となる なお、電動機16への通電を禁止し、かつ開 部11をオフして主回路を切断しても、電気車 10が移動することは好ましくない。このため 電気車の走行を禁止する処置を講ずること 好ましい。
つぎに、強制降下制御部26では、たとえ 電気車10がパンタグラフ2Aを上昇させて急速 電中に、電気車10のブレーキが緩む等して あるいは意図的に操作して電気車10が動いた 場合に、強制降下基本信号PDSをオン(Hレベル) とする。これにより、論理和回路29、論理反 回路31を介して、判定信号ERを出力し、別途 生成された基本オンオフ信号KC0と基本制御信 号GC0によらず、オンオフ信号KCと制御信号GC を強制的にオフとすることで、電力変換装 12をオフするとともに、開閉部11をオフして 回路電流を遮断する。
この後、遅延回路30にて設定した遅延時 が経過した後、強制降下信号PDが出力され、 パンタグラフ2Aを降下させる。ここで、遅延 路30の遅延時間は、開閉部11と電力変換装置 12とがオフ状態となるまでの時間以上に設定 ておく。このようにすることで、電気車10 区間Cを逸脱するまえにパンタグラフ2Aを降 格納することが可能となる。その結果、パ タグラフ2Aが架線1Aの存在しない場所で上昇 、上昇限界を超えて破損に至るといった状 を回避することが可能となる。
なお、遅延回路30で強制降下基本信号PDS オンタイミングから強制降下信号PDをオンす るまでの時間を確保することで、電力変換装 置12と開閉部11を停止させて主回路電流をゼ とした後にパンタグラフ2Aの降下が開始され るので、パンタグラフ2Aの接触導体部60と架 1Aの離線によって電流を遮断することがなく なり、パンタグラフ2Aと架線1Aとの間にアー が発生して溶損する事態を回避することが 能となる。
なお、遅延回路30を設けるほか、開閉部11 と電力変換装置12とからオンオフ状態を示す ィードバック信号(図示せず)を受けて、開 部11と電力変換装置12のオフを確認してから 制降下信号PDをオンするようにインターロ ク回路を構成しても同様の効果が得られる
また、架線1Aと接触導体部60との電気的接 触の異常を検出する方法としては、サーモビ ュア等(図示せず)により間接的に接触導体部6 0の温度を検出して、これに基づいて判定信 THDをオン(Hレベル)とする構成としてもよい 、架線1Aと接触導体部60との間に発生したア ク光を、図示しない光センサで検出し、検 値が所定以上である場合に、接触導体部60 温度が高温であるとして、判定信号THDをオ (Hレベル)とする構成としてもよい。
なお、実施の形態で示した構成では、停 中の急速充電時に使用するパンタグラフ2A 、走行中の架線集電に使用するパンタグラ 2Bとを電気車10に搭載する形態で説明したが パンタグラフ2Aとパンタグラフ2Bの両方の特 性を兼ね備えた別のパンタグラフと共用して もよい。この場合でも、本発明の実施の形態 に示した構成が適用できるのは言うまでもな い。
また、急速充電電流が少ない場合等では パンタグラフ2Aの代わりにパンタグラフ2Bで 代用してもよい。この場合でも、本発明の実 施の形態に示した構成が適用できるのは言う までもない。
以上のように構成したので、架線が無い 間における走行、停車中の電力貯蔵素子へ 充電、架線のある区間における走行の各モ ドに好適で、特に電気車が停車中にける電 貯蔵素子への急速充電を、安定して行うこ のできる電気鉄道システムを提供できる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発 の内容の一例を示すものであり、別の公知 技術と組み合わせることも可能であるし、 発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省 する等、変更して構成することも可能であ ことは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる電気鉄道 ステムは、電気車が停車中における電力貯 素子への急速充電を、安定かつ安全に行う とのできる発明として有用である。
