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Title:
ELECTRIC STORAGE DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/034674
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an electric storage device, in which a control unit (33) decides that an arbitrary temperature detecting unit (25) is normal, when the estimated temperature (Tc) of a storage unit (23) having the arbitrary temperature detecting unit (25) becomes substantially equal to the temperature output of the arbitrary temperature detecting unit (25), in case the temperature output of the arbitrary temperature detecting unit (25) indicates an abnormal value and then restores the range of a normal value. Even if the temperature output temporarily becomes abnormal, therefore, the control unit (33) can decide that state by itself so that it can again continue the temperature detection of the storage unit (23), thereby to acquire a high reliability.

Inventors:
OSHIDA SYUJI
Application Number:
PCT/JP2008/002036
Publication Date:
March 19, 2009
Filing Date:
July 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
OSHIDA SYUJI
International Classes:
G01K7/24; G01K13/00; H01G2/14; H01M10/48
Foreign References:
JP2005287091A2005-10-13
JPH1062266A1998-03-06
JPS63153422A1988-06-25
JP2001196102A2001-07-19
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Fumio et al. (1006 Oaza Kadoma, Kadoma-sh, Osaka 01, JP)
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Claims:
複数の蓄電部と、
前記蓄電部にそれぞれ設けた温度検出部と、
前記温度検出部に接続された制御部とを備え、
前記制御部は、任意の前記温度検出部の温度出力が異常値を示した後、正常値の範囲に戻った場合に、
前記任意の温度検出部を設けた前記蓄電部の推定温度が、前記任意の温度検出部の温度出力と実質的に等しくなったときに、前記任意の温度検出部が正常であると判断するようにした蓄電装置。
前記推定温度は、前記任意の温度検出部を設けた前記蓄電部と隣り合う他の前記蓄電部に設けた他の前記温度検出部の温度出力の平均値とした請求項1に記載の蓄電装置。
複数の前記蓄電部における直列接続部分の一部にそれぞれ電流検出部を設け、
前記推定温度は、前記任意の温度検出部を設けた前記蓄電部の内部抵抗値と、前記電流検出部から求めた電流の二乗の時間積分値との積を前記蓄電部の熱容量で除した値に、前記任意の温度検出部を設けた前記蓄電部と隣り合う他の前記蓄電部に設けた前記温度検出部の温度出力の平均値を加算して求めるようにした請求項1に記載の蓄電装置。
前記推定温度と、前記任意の温度検出部の温度出力が前記異常値を示す直前の前回温度出力とを平均した値を、前記推定温度として更新するようにした請求項1に記載の蓄電装置。
前記異常値を示した前記任意の温度検出部の温度出力が前記正常値の範囲に戻ってから既定時間以上に渡り、前記制御部により前記任意の温度検出部が正常であると判断されなければ、前記前回温度出力による前記推定温度の更新を禁止するようにした請求項4に記載の蓄電装置。
複数の前記蓄電部における直列接続部分の一部にそれぞれ電流検出部を設け、
前記異常値を示した前記任意の温度検出部を設けた前記蓄電部における、内部抵抗値と、前記電流検出部から求めた電流の二乗の時間積分値との積を前記蓄電部の熱容量で除して求められる温度変化が既定値を超えれば、前記前回温度出力による前記推定温度の更新を禁止するようにした請求項4に記載の蓄電装置。
Description:
蓄電装置

 本発明は、複数の蓄電部から電力を負荷 供給する蓄電装置に関するものである。

 近年、環境への配慮から駆動の全て、あ いは一部をモータで行う、いわゆる電気自 車やハイブリッド自動車が普及しつつある これらの自動車(以下、「車両」という)は ータの駆動電力がバッテリ(二次電池)から供 給されている。この場合、バッテリの必要個 数を低減するために昇圧コンバータと組み合 わせて使用されているが、それでも200個以上 のバッテリが必要となる。

 また、バッテリは急速かつ大電流の充放 による特性変化や劣化が起こるため、特に 加速時にモータへ供給する電流を制限して る。その結果、十分な加速が得られない場 があった。このような課題に対し、急速放 が可能なキャパシタをバッテリと併用した 両も考案されている。これにより、急加速 にキャパシタの電力がモータに供給される め、バッテリのみの場合より急峻な加速が 能となる。

 この場合、モータを駆動できるだけの電 をキャパシタで得るには、例えば必要電圧 約750Vであるとすると、1個当たりの定格電 が2.5Vのキャパシタを用いた場合、300個を直 に接続する必要がある。また、必要な容量 得るために並列接続を組み合わせることも る。

 このように、電気自動車やハイブリッド 動車に使用されるバッテリやキャパシタ(以 下、両者を総称して「蓄電素子」という)は れぞれ数百個オーダーが必要となる。この うな蓄電素子への充放電を繰り返すと、そ 温度が上昇するが、それぞれの蓄電素子の 部抵抗や設置環境等によりそれぞれの蓄電 子の温度にばらつきが発生する。これを考 せず充放電を繰り返すと、温度の高い蓄電 子の劣化が他に比べ速く進行する可能性が る。その結果、数百個オーダーの蓄電素子 蓄電装置全体として充放電する所望の性能 得られなくなることがある。

 そこで、蓄電素子のそれぞれに、または 数の蓄電素子毎に温度検出部を設け、温度 出部より得られた複数の温度出力から最大 、最小値、および平均値等を求める。この うにして特定の蓄電素子だけができるだけ 温状態にならないように充放電を制御する 電装置の構成が考えられる。

 このような蓄電装置では温度管理が可能 なるので、蓄電装置全体の長寿命化を図る とができる。しかしながら、温度検出部が 数個になる程、いずれかの温度検出部が短 する、または断線する等により異常となる 能性が高くなる。また、車両の振動により 記異常が回復する可能性もある。さらに、 イズ等の影響で一時的に異常出力となる場 もある。このように、温度検出部が異常と った時、および異常状態から正常状態に復 した時の動作について、例えば下記特許文 1の方法が提案されている。なお、特許文献 1は光メモリ装置の温度検出部が異常になっ 場合の動作を示している。

 このような光メモリ装置の温度制御動作 フローチャートを図6に示す。ここで、光メ モリ装置は温度検出手段が内蔵されており、 温度検出手段の値によって光源出力を制御し 、データの書き込みや消去などの動作を行う ものである。

 図6のフローチャートが実行されると、ま ず温度検出部の出力が読み込まれる(ステッ S1)。次に、その出力が正常か否かを判断す (ステップS2)。正常であれば(ステップS2のYes) 、温度検出部の出力に対応した光源出力が設 定される(ステップS3)。

 一方、温度検出部の出力が異常である場 は(ステップS2のNo)、ホストコンピュータを して異常を警告する(ステップS4)とともに、 温度検出部の出力によらない光源出力を設定 する(ステップS5)。この光源出力はあらゆる 度範囲でも光メモリの書き込みや消去など 動作が可能な値に固定される。これにより 温度検出部が異常になったときであっても 光メモリ装置の動作を継続できる。

 この光メモリ装置は図6には示していない が、一度異常が起こると、警告に基づきリセ ット操作を行うまでは、たとえ温度検出部の 出力が正常な範囲に復帰しても、温度検出部 によらない制御が継続される。これにより、 温度検出部の出力が正常な範囲を示していて も実際の温度とは誤差が大きい場合に、間違 った光源出力を設定してしまうという可能性 を低減できる。

 上記の光メモリ装置によると、確かに温 検出部が異常から復帰しても間違った光源 力を設定してしまう可能性が低いので高信 性が得られる。しかしながら、このような 度検出部の異常時の動作を車両用の蓄電装 に適用すると、以下のような課題が生じる

 従来の温度検出部の異常時の動作では、一 異常と判断されれば修理等を行ってリセッ 操作を行わないと、ノイズ等の一時的な影 ですぐに温度検出部の出力が正常に戻って 、この温度検出部の出力を無視し続けるこ になる。従って、車両に適用した場合、温 検出部が正常であるにもかかわらず車両を 理してリセット操作を行わなければならな 。さらに、リセット操作を行うまでの間は 異常と判断された温度検出部近傍の蓄電素 における温度が劣化促進温度に至っていて 、それを知ることができず劣化を防止する 応をすることができないので、蓄電装置の 頼性が低下するという課題があった。

特開平5-73949号公報

 本発明は、前記従来の課題を解決するも で、リセット操作を行うことなく温度検出 が正しく復帰したことを知ることができる 頼性の高い蓄電装置を提供するものである

 すなわち、本発明の蓄電装置は、複数の 電部と、上記蓄電部にそれぞれ設けた温度 出部と、上記温度検出部に接続された制御 とを備え、上記制御部は、任意の上記温度 出部の温度出力が異常値を示した後、正常 の範囲に戻った場合に、上記任意の温度検 部を設けた上記蓄電部の推定温度(Tc)が、上 記任意の温度検出部の温度出力と実質的に等 しくなったときに、上記任意の温度検出部が 正常であると判断するようにしたものである 。

 本発明の蓄電装置によれば、温度検出部 異常があった蓄電部の推定温度(Tc)を求め、 異常があった温度検出部の実際の温度出力と 実質的に等しくなっていれば温度検出部が正 常と判断する。従って、ノイズ等の影響で一 時的に温度出力が異常となっても、その状態 を自ら判断し、リセット操作を行うことなく 再び温度検出部の出力を使用することができ る。このことにより、蓄電部の温度検出を継 続でき、高信頼性が得られるという効果を奏 する。

図1は本発明の実施の形態における蓄電 装置のブロック回路図である。 図2は本発明の実施の形態における蓄電 装置の温度検出フローチャートである。 図3は本発明の実施の形態における蓄電 装置の異常温度検出部の復帰判断フローチャ ートである。 図4は本発明の実施の形態における蓄電 装置の推定温度計算フローチャートである。 図5は本発明の実施の形態における蓄電 装置の他の推定温度計算フローチャートであ る。 図6は従来の光メモリ装置の温度制御動 作のフローチャートである。

符号の説明

11  蓄電装置
15  主電源
17  負荷
19  充電回路
21  電流検出部
23  蓄電部
25  温度検出部
27  切替スイッチ
29  第1ダイオード
31  第2ダイオード
33  制御部

 以下、本発明を実施するための最良の形 について図面を参照しながら説明する。

 (実施の形態)
 図1は、本発明の実施の形態における蓄電装 置のブロック回路図である。図2は、本発明 実施の形態における蓄電装置の温度検出フ ーチャートである。図3は、本発明の実施の 態における蓄電装置の異常温度検出部の復 判断フローチャートである。図4は、本発明 の実施の形態における蓄電装置の推定温度計 算フローチャートである。図5は、本発明の 施の形態における蓄電装置の他の推定温度 算フローチャートである。なお、図1におい 太い実線は電力系配線を、細い実線は信号 配線をそれぞれ示す。また、本実施の形態 はバッテリの電力だけでなく、キャパシタ 蓄電素子として用いた蓄電装置の電力も併 て車両駆動用モータに供給するハイブリッ 車の例について述べる。

 図1において、蓄電装置11は主電源15と負 17との間に接続されている。主電源15はバッ リと発電機からなり、この発電機はエンジ 駆動により電力を発生するだけでなく、車 制動時の制動エネルギーを電気エネルギー して回収する動作も行う。従って、発電機 電力はバッテリと蓄電装置11の両方に充電 れる。また、負荷17は車両駆動用のモータで ある。

 蓄電装置11は次の構成を有する。まず、 電源15の出力には充電回路19が接続されてい 。充電回路19は、後述する蓄電部23の電圧Vc 検出しながら、定電流、または定電圧で設 電圧まで充電する機能を有する。さらに、 電源15の電圧Vb、および蓄電部23の電圧Vcを 力する機能も有する。

 充電回路19の出力には、複数の電流検出 21を介して複数の蓄電部23が接続されている 電流検出部21は複数の蓄電部23における直列 接続部分の一部にそれぞれ設けられており、 低抵抗値の抵抗器の両端電圧から、あるいは 非接触のホール素子等から電流を検出する。 また、蓄電部23は1個、あるいは複数の蓄電素 子からなり、本実施の形態では蓄電素子とし て電気二重層キャパシタを用いた。なお、蓄 電部23が複数の蓄電素子を有する場合は、そ らを直列、並列、または直並列接続したモ ュール構成となる。

 複数の蓄電部23は負荷17が必要とする電力 仕様に応じて、直列、並列、または直並列接 続されている。図1の構成では、蓄電部23をm 直列に接続したものをn列に並列に配置した を示す。従って、m×n個の蓄電部23がマトリ クス状に配置されており、蓄電部23の直列 続部分の一部に設けられた電流検出部21はn 有する構成となっている。なお、以下の説 で複数の電流検出部21や蓄電部23を区別する 合は、図1において各電流検出部21や各蓄電 23の上部に記載された番号を用いる。すな ち、例えば2m+1と記載された蓄電部23につい は、「(2m+1)番目の蓄電部23」と呼ぶ。

 複数の蓄電部23には、その近傍の環境温 を検出するための温度検出部25がそれぞれに 設けられている。従って、温度検出部25の数 も蓄電部23と同数のm×n個となる。なお、温 検出部25には、温度に対する抵抗値変化が きい特性を有するサーミスタを用いた。

 充電回路19の出力には、さらに切替スイ チ27と第1ダイオード29が直列に接続されてい る。切替スイッチ27は外部からオンオフ制御 きる構成のもので、ここではFETを用いた。 た、第1ダイオード29はアノードが切替スイ チ27に、カソードが負荷17にそれぞれ接続さ れている。

 なお、主電源15と負荷17との間にも第2ダ オード31が接続されている。第2ダイオード31 はアノードが主電源15に、カソードが負荷17 それぞれ接続されている。従って、第1ダイ ード29と第2ダイオード31により主電源15から の電力と蓄電装置11からの電力が互いに逆流 ることを防止している。

 充電回路19、電流検出部21、温度検出部25 および切替スイッチ27は信号系配線で制御 33にも接続されている。制御部33はマイクロ ンピュータと周辺回路から構成されており 蓄電装置11の全体の動作を制御している。 なわち、制御部33は充電回路19の出力から主 源15の電圧Vbと蓄電部23の全体の電圧Vcを、 電流検出部21から電流出力I1~Inを、さらに各 度検出部25から各蓄電部23の温度出力T1~Tmnを それぞれ読み込む。ここで、全体の電圧Vcはm ×n個の蓄電部23の全体から生じる電圧である

 また、制御部33は充電回路19に充電制御信 号Ccontを送信することで充電回路19の制御を うとともに、切替スイッチ27に切替スイッチ オンオフ信号Sofを送信することで切替スイッ チ27のオンオフ制御を行う。また、図示して ないが、制御部33は車両側制御部と互いに 信する機能を有している。

 次に、このような蓄電装置11について、 ず基本的な動作を説明する。

 通常の車両走行時にはエンジンの動力に り車両が駆動されているが、車両を停止す ためにブレーキが操作されると、主電源15 発電機により制動エネルギーを電気エネル ーとして回収する。これにより、主電源15の 電圧Vbが上昇するが、この変化を充電回路19 より検出する。その結果、制御部33は発電さ れた電力を蓄電部23に蓄えるように充電回路1 9を制御する。こうして、制動時の急激な発 量の増加を、急速充電が可能な電気二重層 ャパシタからなる蓄電部23で効率よく回収し ている。なお、この時は切替スイッチ27がオ であるので、充電回路19や蓄電部23の電力が 負荷17に供給されることはない。また、蓄電 23の全体の電圧Vcが満充電電圧に至れば、充 電回路19は蓄電部23への充電を停止する。

 次に、車両が再び走行を始める、または 加速を行う場合について説明する。これら 場合は、滑らかな加速を得るために、エン ンに加え、トルクの大きいモータからなる 荷17も駆動する。この時、特にモータの動 始めは大電力を消費するので、急速放電に 優れる電気二重層キャパシタの特性を活か 、蓄電部23の電力を負荷17に供給するように 制御部33は切替スイッチ27をオンにする。具 体的には切替スイッチ27に切替スイッチオン フ信号Sofを送信する。これにより、切替ス ッチ27がオンになり、蓄電部23が第1ダイオ ド29のアノードに接続されるので蓄電部23か 負荷17に大電力を供給することができる。 の時、バッテリの電力は急速に供給されな ので、蓄電部23の全体の電圧Vcが主電源15の 圧Vbより大きくなる。従って、第1ダイオー 29がオンに、第2ダイオード31がオフになるの で、蓄電部23から主電源15への電力供給が起 らず、負荷17にのみ効率よく供給される。

 その後、蓄電部23に蓄えた電力が減るに って電圧Vcが低下していき、やがて主電源15 電圧Vbより低くなる。その結果、第1ダイオ ド29はオフに、第2ダイオード31がオンにな 、主電源15のバッテリから負荷17に引き続き 力が供給される。この時、モータは既に蓄 部23によって駆動を開始しているので、駆 初期の大電力を必要としない。従って、バ テリの電力でも十分駆動することができる また、第1ダイオード29はオフに、第2ダイオ ド31がオンになることで、主電源15のバッテ リから蓄電部23に電力が供給されることはな 、負荷17にのみ効率よく供給される。制御 33は、この時の電圧Vb、Vcの変化を充電回路19 により検出し、主電源15から負荷17に電力が 給されるようになれば切替スイッチ27をオフ にする。

 以上の動作を繰り返すことにより、車両 動時に蓄電部23を充電し、車両加速時に蓄 部23の電力で負荷17を駆動するので、大電力 消費する負荷17の初期駆動を、制動により た電気エネルギーで賄うことができ、極め 高効率なハイブリッド車を構成することが きる。

 次に、このようなハイブリッド車に用い れる蓄電装置11における各蓄電部23の温度検 出時の動作を図2のフローチャートを用いて 明する。なお、制御部33はメインルーチン( 示せず)から必要に応じて様々なサブルーチ を実行することにより全体の動作を行うソ トウエア構成としている。したがって、図2 に示すフローチャートをサブルーチンの形態 で示した。以後同様に、全てのフローチャー トをサブルーチンの形態で示す。

 メインルーチンが各蓄電部23の温度を検 する時は、図2のサブルーチンを実行する。 し、図2のサブルーチンは任意の蓄電部23を 定した状態で実行することにより、その蓄 部23の温度を検出するので、実行前に何番 の蓄電部23の温度を検出するのかを指定しな ければならない。そこで、メインルーチンで は変数x、yを用いて、変数yを1からmまで可変 つつ変数xを1からnまで可変することにより (mx-m+y)番目の蓄電部23を順次指定するように している。以下、任意の蓄電部23とは、(mx-m+y )番目の蓄電部23のことであると定義する。ま た、以後の説明において、変数x、yの範囲は 記の通りである。

 メインルーチンで(mx-m+y)の値を決定した 態で図2のサブルーチンが実行されると、ま 制御部33は(mx-m+y)番目の蓄電部23に設けられ (mx-m+y)番目の温度検出部25の温度出力T(mx-m+y) を読み込む(ステップ番号S11)。なお、T(mx-m+y) 配列変数であり、T(1)からT(mn)までの領域を する。従って、変数x、yを順次可変しなが 図2のサブルーチンを繰り返し実行すること より、全ての温度検出部25の温度出力が上 配列に記憶される。

 次に、制御部33は(mx-m+y)番目の温度検出部 25の異常フラグF(mx-m+y)の値が0であるか否かを 判断する(S13)。ここで、異常フラグF(mx-m+y)は( mx-m+y)番目の温度検出部25の前回出力が異常値 であったか否かを示すフラグで、0の時は正 値、1の時は異常値であったことを意味する なお、異常フラグF(mx-m+y)も温度出力T(mx-m+y) 同様に配列変数であり、F(1)からF(mn)までの 域を有する。また、一度異常フラグF(mx-m+y) 1になり、(mx-m+y)番目の温度検出部25が異常 あると判断されれば、図3(後述する)に示す 常値の温度検出部25の復帰判断サブルーチン で正常に戻ったと判断されるまでは、異常フ ラグF(mx-m+y)は1のままとなる。従って、S13に いて、もし異常フラグF(mx-m+y)が0でなければ( S13のNoの判断時)、温度検出部25が異常のまま あるので、そのまま図2のサブルーチンを終 了し、メインルーチンに戻る。なお、メイン ルーチンでは温度出力T(mx-m+y)の値を使用する 時に、異常フラグF(mx-m+y)が0であるか否かを 断し、F(mx-m+y)が1の場合は温度出力T(mx-m+y)の を使用しないようにしている。従って、S11 異常値をT(mx-m+y)として記憶したとしても、 の値が使用されることはない。

 ここでS13に戻り、異常フラグF(mx-m+y)が0で あれば(S13のYesの判断時)、S11で読み込んだ温 出力T(mx-m+y)が正常範囲であるか否かを判断 る(S15)。なお、正常範囲とは、蓄電装置11の 取り得る環境温度範囲のことを意味し、本実 施の形態では、例えば-30℃から60℃とした。

 もし、温度出力T(mx-m+y)が正常範囲になけ ば(S15のNoの判断時)、温度検出部25が断線、 絡等の動作の異常を起こしているか、ある は外部からのノイズの影響により正常範囲 超えている可能性がある。いずれにしても 温度出力T(mx-m+y)が異常であるので、制御部3 3は異常フラグF(mx-m+y)に1を代入して(mx-m+y)番 の温度検出部25が異常であることを示す(S17) その後、図2のフローチャートを終了してメ インルーチンに戻る。

 なお、S17に示したように、フローチャー で処理動作を表す長方形の中に書かれたF(mx -m+y)=1という式表現は、右辺の値を左辺に代 するという意味であると定義する。以下、 てのフローチャートにおいて処理動作を行 際の式表現は全て右辺の値を左辺に代入す ことを示す。

 ここで図2のフローチャートのS15に戻り、 温度出力T(mx-m+y)が正常範囲であれば(S15のYes 判断時)、S11で読み込んだ温度出力T(mx-m+y)を 回温度出力T0(mx-m+y)に代入する(S19)。ここで 前回温度出力T0(mx-m+y)は温度検出部25が異常 を示す直前の温度出力のことであり、S19の 点では温度出力T(mx-m+y)が正常範囲なので、 回温度出力T0(mx-m+y)を更新していることにな る。なお、前回温度出力T0(mx-m+y)も温度出力T( mx-m+y)と同様に、T0(1)からT0(mn)までの配列変数 である。S19の後は、図2のフローチャートを 了してメインルーチンに戻る。

 このような動作を繰り返すことにより、 ての温度検出部25の温度出力T(1)からT(mn)ま の値を読み込むとともに、異常値であれば 常フラグF(mx-m+y)を1にして、正常値であれば 回温度出力T0(mx-m+y)を更新して正常値として いる。メインルーチンはこのようにして読み 込んだ温度出力T(1)からT(mn)までの内、異常フ ラグF(mx-m+y)が0のものを用いて、最大値、最 値、平均値等を求めることにより蓄電部23の 過昇温を抑制するように充放電制御を行って いる。

 次に、異常がある温度検出部25の復帰判 動作について図3のフローチャートを用いて 明する。

 メインルーチンは、例えば既定時間毎(本 実施の形態では、例えば5秒毎としている)に 3のサブルーチンを実行して異常がある温度 検出部25の復帰判断を行うことにより、でき だけ多くの温度出力T(mx-m+y)を用いて高精度 過昇温を抑制する制御を行っている。この 、変数x、yを順次可変して図3のサブルーチ を繰り返し実行するようにしている。これ より図3のサブルーチンが実行されると、ま ず制御部33は異常フラグF(mx-m+y)が0であるか否 かを判断する(S31)。もし、異常フラグF(mx-m+y) 0であれば(S31のYesの判断時)、(mx-m+y)番目の 度検出部25は正常であるので、異常復帰判断 を行う必要がない。そこで、そのまま図3の ブルーチンを終了してメインルーチンに戻 。

 一方、異常フラグF(mx-m+y)が1であれば(S31 Noの判断時)、(mx-m+y)番目の温度検出部25の温 出力T(mx-m+y)を読み込み(S33)、それが正常範 であるか否かを判断する(S35)。なお、正常範 囲はS15で説明したものと同じである。もし、 温度出力T(mx-m+y)が正常範囲でなければ(S35のNo の判断時)、(mx-m+y)番目の温度検出部25は現在 異常状態のままであるので、異常復帰判断 行うことができない。従って、そのまま図3 のサブルーチンを終了してメインルーチンに 戻る。

 一方、温度出力T(mx-m+y)が正常範囲であれ (S35のYesの判断時)、異常フラグF(mx-m+y)が1で るので、(mx-m+y)番目の温度検出部25は過去に 異常値を示していたが、現在は正常値の範囲 に戻っていることになる。しかし、温度出力 T(mx-m+y)が正常範囲にあるものの、例えば(mx-m+ y)番目の温度検出部25のリード線が蓄電部23の 筐体等に接触することによって、たまたま正 常範囲に入っている場合等が想定される。こ のような場合が想定されるため、(mx-m+y)番目 温度検出部25が設けられた蓄電部23における 推定温度Tcを求め、温度出力T(mx-m+y)が推定温 Tcと実質的に等しくなっていれば(mx-m+y番目) の温度検出部25が正常であると判断するよう している。

 その具体的な動作を以下に説明する。こ で、実質的に等しいとは、温度出力T(mx-m+y) 推定温度Tcの計測、計算誤差範囲内で等し という意味であると定義する。すなわち、 測などの測定誤差の範囲で温度出力T(mx-m+y) 推定温度Tcとが物理的に等しいと判断できる ことを意味する。

 まず、制御部33は正常戻りフラグM(mx-m+y) 0であるか否かを判断する(S37)。ここで、正 戻りフラグM(mx-m+y)とは、(mx-m+y)番目の温度検 出部25が異常になった後、初めて温度出力T(mx -m+y)が正常値の範囲に入った場合には0を示し 、2回以上続けて温度出力T(mx-m+y)が正常値の 囲に入った場合には1を示す変数である。な 、正常戻りフラグM(mx-m+y)もM(1)からM(mn)まで 配列変数である。

 もし、正常戻りフラグM(mx-m+y)が0であれば (S37のYesの判断時)、異常後、初めて温度出力T (mx-m+y)が正常範囲に入ったということがわか 。そして、正常戻りフラグM(mx-m+y)に1を代入 する。これにより、次回図3のサブルーチン 実行された時も温度出力T(mx-m+y)が正常範囲 入っていれば、初めてではないということ わかる。また、これと同時に異常時間カウ タA(mx-m+y)を0にクリアする(以上、S39)。ここ 、異常時間カウンタA(mx-m+y)は(mx-m+y)番目の温 度検出部25が異常になった後、初めて温度出 T(mx-m+y)が正常値の範囲に入ってからの経過 間をカウントする変数で、A(1)からA(mn)まで 配列変数である。S39の後は後述するS43にジ ンプする。

 ここでS37に戻り、正常戻りフラグM(mx-m+y) 1であれば(S37のNoの判断時)、温度出力T(mx-m+y )が正常範囲に入って2回以上、図3のサブルー チンが実行されていることになるので、異常 時間カウンタA(mx-m+y)に5を加えて更新する(S41) 。ここで、5を加えるのは前記したように図3 サブルーチンが5秒毎に実行されるためであ る。

 次に、制御部33は(mx-m+y)番目の蓄電部23に ける推定温度Tcを計算するサブルーチンを 行する(S43)。このサブルーチンの詳細につい て図4を用いて説明する。

 図4のサブルーチンが実行されると、制御 部33は(mx-m+y)番目の温度検出部25を設けた蓄電 部23と隣り合う他の蓄電部23に設けた他の温 検出部25の温度出力の平均値Tsを求める(S51) この動作をわかりやすくするために、例え 図1において(m+2)番目の蓄電部23に注目して説 明する。

 今、(m+2)番目の温度検出部25の温度出力が 異常値から正常値に戻ったので、図4のサブ ーチンが実行されているとする。ここで、(m +2)番目の蓄電部23に対して隣り合う他の蓄電 23は、図1より(m+2)番目の蓄電部23の上下左右 の蓄電部23に相当する。すなわち、2番目、(m+ 1)番目、(m+3)番目、および(2m+2)番目の蓄電部23 である。従って、これら4つの蓄電部23に設け られた温度検出部25の温度出力T(2)、T(m+1)、T(m +3)、およびT(2m+2)を平均して平均値Tsを求める 。

 基本的にはこのようにして平均値Tsを求 るのであるが、例えば1番目の蓄電部23に対 て隣り合う他の蓄電部23は、上側と左側の蓄 電部が存在しないので、ここでは2番目と(m+1) 番目の2つの蓄電部23が隣り合う他の蓄電部23 相当する。同様に、2番目の蓄電部23に対し 隣り合う他の蓄電部23は、左側の蓄電部が 在しないので、ここでは1番目、3番目、およ び(m+2)番目の3つの蓄電部23が隣り合う他の蓄 部23に相当する。

 また、図4のフローチャートでは省略して いるが、隣り合う蓄電部23の温度検出部25も 度出力が異常値であった場合は、平均値Tsの 計算から除外するようにしている。さらに、 全ての隣り合う蓄電部23の温度検出部25が異 出力であった場合は、平均値Tsが計算できな いが、例えば3個もの温度検出部25が同時に異 常となれば、蓄電装置11の修理が必要となる この場合は制御部33が車両側制御部(図示せ )に対し蓄電装置11の故障を警告するととも 、修理されるまで蓄電装置11の動作を禁止 るようにしている。

 ここで図4に戻り、S51で平均値Tsを求めた は、平均値Tsを(mx-m+y)番目の温度検出部25の 定温度Tcとして代入する(S53)。その後、異常 時間カウンタA(mx-m+y)が既定時間以上経過した か否かを判断する(S55)。ここで、既定時間は のような意味を持つ。推定温度Tcの計算に いて、異常が発生してから上記既定時間が 過するまでは前回温度出力T0(mx-m+y)の値を加 するようにしている。これにより、異常発 後から既定時間までは異常発生の直前の温 から大きく変化することはないと想定され ため、前回温度出力T0(mx-m+y)の値を加味して いるが、既定時間以上経過すると温度が変化 している可能性があるので、前回温度出力T0( mx-m+y)の値を加味すると推定温度Tcの誤差がか えって大きくなると想定される。そこで、既 定時間以上が経過すると前回温度出力T0(mx-m+y )による推定温度Tcの更新を禁止するようにし ている。なお、推定温度Tcに対する具体的な 回温度出力T0(mx-m+y)の加味の方法は後述する 。また、既定時間は蓄電装置11の使用環境に り温度が変化する可能性がある時間として 本実施の形態では、例えば15秒とした。

 ここでS55に戻り、もし異常時間カウンタA (mx-m+y)が既定時間以上であれば(S55のYesの判断 時)、蓄電装置11の温度が変化している可能性 があるので、そのまま図4のサブルーチンを 了し、図3のS45に戻る。これにより、推定温 Tcは平均値Tsと等しくなり、前回温度出力T0( mx-m+y)による推定温度Tcの更新を禁止したこと になる。

 一方、異常時間カウンタA(mx-m+y)が既定時 未満であれば(S55のNoの判断時)、制御部33は 電部23への急速充放電に伴う急激な温度変 δTが発生しているか否かを判断し、もし温 変化δTが既定値を超えれば、S55でYesの場合 同様に前回温度出力T0(mx-m+y)による推定温度T cの更新を禁止するようにしている。

 そこで、温度変化δTを求めるために、ま x番目の電流検出手段21から電流出力Ixを積 時間分読み込み続ける(S57)。ここで、積分時 間は例えば2秒とした。従って、S57では2秒間 渡って電流出力Ixを読み込むことになる。

 ここで、積分時間を2秒とした理由につい て説明する。図3と図4のサブルーチンはm×n個 の蓄電部23に対してそれぞれ実行されるので m×n回繰り返し実行されることになる。この 動作は5秒毎に実行されるので、どんなに遅 とも5秒以内にはm×n回の繰り返し動作を終了 しなければならない。

 ここで、図3および図4のサブルーチンに ける各動作のマイクロコンピュータによる 行時間は、S57における積分時間分の電流出 Ixの読み込み以外は極めて高速であるため、 電流出力Ixの読み込み時間に比べて無視でき とする。さらに、上述したように異常のあ 温度検出部25が3個以上の場合は、制御部33 ら車両側制御部に蓄電装置11の異常信号を送 信するとともに、制御装置11の動作を禁止す ので、図4のサブルーチンは多くても2回ま しか実行されない。従って、1回当たりの積 時間は余裕をみて2秒とした。これにより、 最も実行時間がかかる場合(2個の温度検出部2 5が異常の場合)でも、図3と図4のサブルーチ をm×n回繰り返し実行終了するまでに約4秒か かることとなり、5秒以内に十分終了するこ ができる。

 次に、温度変化δTを計算する(S59)。δTは、 常値を示した(mx-m+y)番目の温度検出部25を設 た蓄電部23における、内部抵抗値Rと、電流 出手段21から求めた電流Ixの二乗の時間積分 値∫Ix 2 dtとの積を蓄電部23の熱容量Nで除した値とし 求められる。すなわち、δT=R・∫Ix 2 dt/Nを計算している。なお、各蓄電部23の内部 抵抗値Rと熱容量Nはあらかじめ測定して制御 33のメモリに記憶してある。

 次に、こうして求めた温度変化δTと既定 を比較する(S61)。ここで、既定値は以下の うにして決定している。蓄電部23に許容最大 電流で充放電を行った時の温度上昇を求める と、本実施の形態の例では1.5℃/分であった これは0.05℃/2秒に相当するので、2秒間の積 時間の間に0.05℃の温度変化があれば許容最 大電流による充放電が行われていることにな る。従って、既定値を0.05℃とした。すなわ 、もし温度変化δTが既定値を超えれば(S61のY esの判断時)、蓄電部23は急速充放電により急 に温度が変化しているので、前回温度出力T 0(mx-m+y)による推定温度Tcの更新を行えば、推 温度Tcの誤差が大きくなる可能性がある。 こで、この場合は更新を禁止して、そのま 図4のサブルーチンを終了し、図3のS45に戻る 。

 一方、温度変化δTが既定値以下であれば( S61のNoの判断時)、蓄電部23への充放電が行わ ていないか、行われていても大きく温度が 化することのない電流値であると想定され ので、ここで初めて前回温度出力T0(mx-m+y)を 加味した推定温度Tcを求める。具体的には、S 53で求めた推定温度Tcと、温度検出部25の温度 出力が異常値を示す直前の前回温度出力T0(mx- m+y)とを平均した値を、推定温度Tcとして更新 する(S63)。その後、図4のサブルーチンを終了 し、図3のS45に戻る。

 以上の図4の動作をまとめると、次のように なる。推定温度Tcは、(mx-m+y)番目の温度検出 25を設けた蓄電部23と隣り合う他の蓄電部23 設けた他の温度検出部25の温度出力の平均値 Tsとして一旦決定する。次に、異常値を示し (mx-m+y)番目の温度検出部25の温度出力T(mx-m+y) が正常値の範囲に戻ってから既定時間(15秒) 上に渡り、制御部33により(mx-m+y)番目の温度 出部25が正常であると判断されない場合が じたとする。または、異常値を示した(mx-m+y) 番目の温度検出部25を設けた蓄電部23におけ 温度変化δT(=R・∫Ix 2 dt/N)が既定値(0.05℃)を超える場合が生じたと る。このような場合には、推定温度Tcを平 値Tsとして決定する。上記以外の場合は、一 旦決定した推定温度Tcと、(mx-m+y)番目の温度 出部25の温度出力T(mx-m+y)が異常値を示す直前 の前回温度出力T0(mx-m+y)とを平均した値を、 定温度Tcとして更新する。具体的には、{Tc+T0 (mx-m+y)}/2をTcに代入する。これにより、長時 に渡る環境温度変化や急速充放電による急 な蓄電部23の温度変化がない場合は前回温度 出力T0(mx-m+y)を加味して推定温度Tcの精度を高 めることができ、上記温度変化がある場合は 前回温度出力T0(mx-m+y)を加味しないことによ 、かえって推定温度Tcの精度が低下すること を防ぐことができる。

 ここで、図3のS43に戻って、推定温度Tcを 算した後は、(mx-m+y)番目の蓄電部23の温度出 力T(mx-m+y)と推定温度Tcを比較する(S45)。もし 両者が実質的に等しくなければ(S45のNoの判 時)、温度出力T(mx-m+y)が正常範囲にはあるも の、推定温度Tcからずれていることになる 従って、上述したように(mx-m+y)番目の温度検 出部25のリード線が蓄電部23の筐体等に接触 て、たまたま温度出力T(mx-m+y)が正常範囲に っているか、あるいは(mx-m+y)番目の温度検出 部25が断線や短絡を起こしかけていて、たま ま温度出力T(mx-m+y)が正常範囲に入っている 態にある等が考えられる。ゆえに、制御部3 3は(mx-m+y)番目の温度検出部25の異常が継続し いると判断し、そのまま図3のサブルーチン を終了してメインルーチンに戻る。

 一方、温度出力T(mx-m+y)と推定温度Tcが実 的に等しければ(S45のYesの判断時)、ノイズや 振動等により一時的に温度出力T(mx-m+y)が異常 になったものの、正常値に戻ったと考えられ るので、以後、(mx-m+y)番目の温度検出部25が 常であると判断する。これに伴って、(mx-m+y) 番目の異常フラグF(mx-m+y)を0にクリアすると もに、正常戻りフラグM(mx-m+y)も0にクリアす (S47)。これにより、両フラグにおいて(mx-m+y) 番目の温度検出部25が正常であることを示す とになる。その後、図3のサブルーチンを終 了してメインルーチンに戻る。これにより、 メインルーチンは異常としていた(mx-m+y)番目 温度検出部25の温度出力T(mx-m+y)も含めて温 の最大値、最小値、平均値等を求めること より蓄電部23の過昇温を抑制するように充放 電制御を行う。

 以上の構成、動作により、制御部33は温 検出部25に異常があった蓄電部23の推定温度T cを求め、異常があった温度検出部25の実際の 温度出力T(mx-m+y)と実質的に等しくなれば温度 検出部25が正常と判断する。したがって、ノ ズ等の影響で一時的に温度出力が異常とな てもリセット操作を行うことなく再び蓄電 23の温度検出を継続できる。これにより、 電部23が劣化促進温度に至ったか否かをタイ ムリーに知ることができ、劣化促進温度に至 っていれば温度を下げるように蓄電部23の充 電等を制御することができるので、信頼性 高い蓄電装置11を実現できる。

 なお、本実施の形態では図4のサブルーチ ンに示すように、基本的には推定温度Tcを隣 合う他の蓄電部23に設けた温度検出部25の温 度出力平均値Tsとして求めているが、これは 常値を示す温度検出部25が設けられた蓄電 23の充放電による発熱の影響が含まれていな い。従って、蓄電装置11への充放電がほとん 行われない車両停車時や定速走行時等では 度出力平均値Tsのみから推定温度Tcを求めて も大きな誤差にはならないが、制動時や加速 時等の充放電が急速に行われる場合では、蓄 電部23自身の発熱を加味した推定温度Tcの計 を行う方が望ましい。このような場合の推 温度Tcを計算するサブルーチンを図5に示す なお、図5のサブルーチンは図4のサブルーチ ンと置き換えられるように作成されているの で、図3のS43で推定温度Tcを計算する際に、図 5のサブルーチンを実行することになる。

 図5のサブルーチンが実行されると、まず 平均値Tsを求める(S71)。この動作は図4のS51と じであるので、詳細な説明を省略する。

 次に、制御部33は電流出力Ixを積分時間分 に渡って読み込み(S75)、充放電による(mx-m+y) 目の蓄電部23の温度変化δTを計算する(S77)。 れらの動作も図4のS57、S59とそれぞれ同じで あるので、詳細な説明を省略する。

 その後、平均値Tsと温度変化δTを加算し 推定温度Tcを計算する(S79)。従って、得られ 推定温度Tcは、平均値Tsだけでなく(mx-m+y)番 の蓄電部23の温度変化δTも加味されている とになる。

 次に、異常時間カウンタA(mx-m+y)と既定時 を比較し(S81)、A(mx-m+y)が既定時間以上であ ば(S81のYesの判断時)、図5のサブルーチンを 了する。この動作は図4のS55と同じであるの 詳細な説明を省略する。

 異常時間カウンタA(mx-m+y)が既定時間未満 あれば(S81のNoの判断時)、温度変化δTと既定 値を比較し(S83)、δTが既定値を超えていれば( S83のYesの判断時)、図5のサブルーチンを終了 る。この動作は図4のS61と同じであるので詳 細な説明を省略する。

 温度変化δTが既定値以下であれば(S83のNo 判断時)、前回温度出力T0(mx-m+y)を加味した 定温度Tcとする。この動作は図4のS63と同じ あるので詳細な説明を省略する。従って、 4と同様に(mx-m+y)番目の温度検出部25が異常に なってから既定時間が経過しておらず、(mx-m+ y)番目の蓄電部23も急速充放電がなされてい ければ、S79で求めた推定温度Tcと前回温度出 力T0(mx-m+y)の平均を推定温度Tcとして更新する ことになる。その後、図5のサブルーチンを 了する。

 以上に説明した図5の動作と図4の動作との いをまとめると、次のようになる。推定温 Tcは、(mx-m+y)番目の温度検出部25を設けた蓄 部23の内部抵抗値Rと、x番目の電流検出手段2 1から求めた電流Ixの二乗の時間積分値∫Ix 2 dtとの積を蓄電部23の熱容量Nで除した値に、( mx-m+y)番目の温度検出部25を設けた蓄電部23と り合う他の蓄電部23に設けた温度検出部25の 温度出力の平均値Tsを加算して求めている。 のような動作により、蓄電部23の発熱の影 を加味した推定温度Tcを計算することができ る。

 なお、図4のサブルーチンと図5のサブル チンのいずれか一方を用いて推定温度Tcを計 算するようにしてもよいが、車両の状態、す なわち車両停止時や定速走行中等の蓄電装置 11への充放電がほとんど行われていない間は 4のサブルーチンを、制動時や加速時等の急 速充放電が行われている間は図5のサブルー ンを、それぞれ実行するようにしてもよい この場合は図3のS43の時点で車両の状態を車 側制御部から読み込んで、それに応じてい れかのサブルーチンを実行する動作を追加 ればよい。

 また、本実施の形態では蓄電部23に用い 蓄電素子として電気二重層キャパシタを用 た例を示したが、これは電気化学キャパシ 等の他のキャパシタや、二次電池であって よい。

 また、本実施の形態において蓄電装置11 ハイブリッド車に適用した場合について述 たが、それらに限らずアイドリングストッ 、電動パワーステアリング、車両制動シス ム、電動過給器等の各システムにおける蓄 装置や、非常用電源等の蓄電装置にも適用 能である。

 本発明にかかる蓄電装置は、異常のあっ 温度検出部が正常に戻ったか否かを自ら判 し、正常であれば再び温度検出部の出力を 用するので、特に多数の温度検出部を設け 構成の蓄電装置等として有用である。




 
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