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Title:
ELECTRICALLY STIMULATING OUTFIT, AND ELECTRICALLY STIMULATING SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072437
Kind Code:
A1
Abstract:
This aims to provide an electrically stimulating outfit which is easily fitted on a human body and which can give electric stimulations of high effects. The electrically stimulating outfit comprises electrodes (11, 12, 21, 22 and 23) for transmitting electric signals outputted from an electric-signal outputting device (80), to a human body, and spats (30) having those electrodes mounted thereon and fitted on the lower half of the human body. In the fitted state of the spats (30), the electrodes (11 and 12) are arranged in directions along the muscular fibers of the front side of the human body, and the electrodes (21, 22 and 23) are arranged in directions along the muscular fibers of the back side of the human body.

Inventors:
MORITANI TOSHIO (JP)
FUJII TAKAKO (JP)
KAMIYA SHOHEI (JP)
AKIMOTO RYUJI (JP)
HOSOKI KATSU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071614
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
November 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
WACOAL CORP (JP)
HOMER ION LAB CO LTD (JP)
MORITANI TOSHIO (JP)
FUJII TAKAKO (JP)
KAMIYA SHOHEI (JP)
AKIMOTO RYUJI (JP)
HOSOKI KATSU (JP)
International Classes:
A61N1/04; A61N1/32
Foreign References:
JP2000316988A2000-11-21
JPH07535A1995-01-06
JP2003144556A2003-05-20
JP2003180845A2003-07-02
JP2006175166A2006-07-06
JPH1015081A1998-01-20
JPH0417864A1992-01-22
Attorney, Agent or Firm:
MIZUNO, Katsufumi et al. (2-3 Marunouchi 2-chom, Chiyoda-ku Tokyo 05, JP)
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Claims:
 電気信号出力装置から出力される電気信号を人体に伝達して電気刺激を付与する電極群と、
 前記電極群が装着され、人体の下半身に着用される衣類形状の電極装着部材と、
を有する電気刺激用装着具であって、
 前記電極装着部材の着用状態において、
 前記電極群は、筋肉の筋線維に沿った方向に並んで配置される一対の電極を含むことを特徴とする電気刺激用装着具。
 前記電極群は、人体の正面側に配置される前側電極ユニットと、人体の背面側に配置される背側電極ユニットとからなり、
 前記前側電極ユニットは、大腿四頭筋の起始部に対応した位置に配置される第1の前側電極と、大腿四頭筋の停止部に対応した位置に配置され、前記第1の前側電極とは極性が異なる第2の前側電極とからなり、
 前記背側電極ユニットは、人体の前後方向視における大殿筋及びハムストリングの境界部分に対応した位置に配置される第1の背側電極と、ハムストリングのうち大殿筋よりも下方に位置する部分に対応した位置に配置され、前記第1の背側電極とは極性が異なる第2の背側電極と、を有することを特徴とする請求項1に記載の電気刺激用装着具。
 前記背側電極ユニットは、大殿筋の起始部に対応した位置に配置され、前記第1の背側電極とは極性が異なる第3の背側電極を含むことを特徴とする請求項2に記載の電気刺激用装着具。
 前記第1、第2及び第3の背側電極の電極面積をそれぞれS1、S2及びS3としたときに、
  0.6S1<S2+S3<1.4S1
なる条件を満足することを特徴とする請求項3に記載の電気刺激用装着具。
 前記電極装着部材には、前記電極群を収容する収容部と、該電極装着部材の外面に形成され、前記電極群を前記収容部に組み込むための組み込みスリットと、を有することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の電気刺激用装着具。
 前記電気信号出力装置から出力される電気信号の周波数が4~20Hzであることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の電気刺激用装着具。
 請求項6に記載の電気刺激用装着具と、
 該電気刺激用装着具の前記電極群に接続される前記電気信号出力装置と、
を有することを特徴とする電気刺激システム。
 前記電気刺激出力装置に接続され、前記電極群とは異なる、別の電極群を有することを特徴とする請求項7に記載の電気刺激システム。
 前記電気信号出力装置は、4~20HZの周波数域に属するパルス状の電気信号を1秒間連続的に出力する刺激ステップと、前記電気信号を1秒間出力しない刺激停止ステップとを交互に繰り返す第1の出力モードと、
 4~20HZの周波数域に属するパルス状の電気信号を5秒間連続的に出力する刺激ステップと、前記電気信号を2秒間出力しない刺激停止ステップとを交互に繰り返す第2の出力モードと、
 4~20HZの周波数域に属するパルス状の電気信号を連続的に出力する刺激ステップのみからなる第3の出力モードと、のうち少なくとも一つの出力モードを有することを特徴とする請求項7又は8に記載の電気刺激システム。
 前記第1~第3の出力モードの間で出力モードを切り替える切替部を有することを特徴とする請求項9に記載の電気刺激システム。
 前記電気信号の周波数を4~20HZの間で調節するための調整手段を有することを特徴とする請求項9又は10に記載の電気刺激システム。
 前記電極装着部材は、防水機能のある電極載置部と保水性のある導電部とを有し、前記電極載置部と前記導電部との間に前記電極を配置したことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の電気刺激用装着具。
 前記電極装着部材は、防水機能のある電極載置部と保水性のある導電部とを有し、前記電極載置部と前記導電部との間に前記電極を配置したことを特徴とする請求項7乃至11のうちいずれか一つに記載の電気刺激システム。
Description:
電気刺激用装着具及び電気刺激 ステム

 本発明は、電気信号出力装置から出力さ る電流を人体に伝達して電気刺激を付与す 電気刺激用装着具に関する。

 糖尿病、肥満病、高血圧症など生活習慣 を改善及び予防する方法として、適度な運 を日常生活に取り入れることによる生活習 改善が提案されている。

 運動の中でも、特に有酸素運動は、エネ ギ消費による抗糖尿病効果をはじめ、糖代 や血清脂質の改善、インスリン感受性の向 、降圧効果、呼吸循環機能改善など様々な 理学的変化を惹起することから、生活習慣 の予防・改善に加え、中高齢者の健康増進 動プログラムの中核をなしている。

 しかしながら、慢性的な運動不足、過度 肥満、整形外科的疾患などのために、有酸 運動を十分に行えない人々が多数存在する さらに、糖尿病性合併症、心血管系合併症 どの臓器障害により、運動制限されている 者も多く認められる。

 医学、スポーツなどの業界では、筋肉増強 失禁の管理、脊椎奇形の管理、痙縮の管理 どのために、骨格筋収縮を誘発する電気筋 刺激(以下、EMSという)が知られており、具 的には、粘着パットから出力される電気信 に基づき筋肉を緊張及び弛緩させる筋肉刺 方法が従来技術として提案されている(特許 献1など参照)。

特開2005-205223号公報

特開2000-237331号公報

特開2000-237332号公報

特開2002-200178号公報

  しかしながら、従来の電気刺激装置で 、筋肉の筋繊維に対して直交する方向に一 の電極を配置することにより、筋肉運動を 発していたため、効果が不十分であった。

 また、粘着式の電極パットを刺激部位に 着することにより電気刺激を付与していた め、使用者周辺の障害物に電極パットが当 して、位置ずれを起こすおそれがあった。 らに、着用した衣服を一旦脱いでからでな と、電極パットを貼着できない場合もあり 使用者の負担が大きかった。特に、運動能 の低下した障害者が使用する場合には、障 者を介護する介護者の負担も大きくなるた 、簡易な方法で電極を配置できる電気刺激 置が求められている。

 そこで、本願発明は、人体への取り付け 容易で、効果の高い電気刺激を付与するこ が可能な電気刺激用装着具を提供すること 目的とする。

 上記課題を解決するために、本願発明の 気刺激用装着具は、(1)電気信号出力装置か 出力される電気信号を人体に伝達して電気 激を付与する電極群と、前記電極群が装着 れ、人体の下半身に着用される衣類形状の 極装着部材と、を有する電気刺激用装着具 あって、前記電極装着部材の着用状態にお て、前記電極群は、筋肉の筋線維に沿った 向に並んで配置される一対の電極を含むこ を特徴とする。

 (2)(1)の構成において、前記電極群は、人 の正面側に配置される前側電極ユニットと 人体の背面側に配置される背側電極ユニッ とからなり、前記前側電極ユニットは、大 四頭筋の起始部に対応した位置に配置され 第1の前側電極と、大腿四頭筋の停止部に対 応した位置に配置され、前記第1の前側電極 は極性が異なる第2の前側電極とからなり、 記背側電極ユニットは、人体の前後方向視 おける大殿筋及びハムストリングの境界部 に対応した位置に配置される第1の背側電極 と、ハムストリングのうち大殿筋よりも下方 に位置する部分に対応した位置に配置され、 前記第1の背側電極とは極性が異なる第2の背 電極と、を有することを特徴とする。

 (3)(2)の構成において、前記背側電極ユニ トは、大殿筋の起始部に対応した位置に配 され、前記第1の背側電極とは極性が異なる 第3の背側電極を含むことを特徴とする。

 (2)、(3)の構成は、筋肉の筋線維に沿った 向に電極を配置する電極配置の一例であり 本発明はこれに限定されるものではない。

 (4)(3)の構成において、前記第1、第2及び 3の背側電極の電極面積をそれぞれS1、S2及び S3としたときに、0.6S1<S2+S3<1.4S1なる条件 満足するように構成するとよい。これによ 、電気刺激の際に、使用者に加わる痛みを くす(軽減)することができる。

 (5)(1)~(4)の構成において、前記電極装着部 材には、前記電極群を収容する収容部と、該 電極装着部材の外面に形成され、前記電極群 を前記収容部に組み込むための組み込みスリ ットと、を形成してもよい。これにより、電 極装着部材を着用した状態において、電極の 組み込みを行うことができる。その結果、使 用者、使用者を介護する介護者の負担を大幅 に軽減することができる。

 (6)(1)~(5)の構成において、前記電気信号出 力装置から出力される電気信号の周波数を4~2 0Hzに設定することができる。

 (7)(6)に記載の電気刺激用装着具と、該電 刺激用装着具の前記電極群に接続される前 電気信号出力装置と、を有することを特徴 する電気刺激システム。

 (8)(7)の構成において、前記電気刺激出力 置に接続され、前記電極群とは異なる、別 電極群を設けることもできる。これら別の 極群は、たとえば、前脛骨筋に対応した位 に設けることができる。

 (9)(7)又は(8)の構成において、前記電気信 出力装置は、4~20HZの周波数域に属するパル 状の電気信号を1秒間連続的に出力する刺激 ステップと、前記電気信号を1秒間出力しな 刺激停止ステップとを交互に繰り返す第1の 力モードと、4~20HZの周波数域に属するパル 状の電気信号を5秒間連続的に出力する刺激 ステップと、前記電気信号を2秒間出力しな 刺激停止ステップとを交互に繰り返す第2の 力モードと、4~20HZの周波数域に属するパル 状の電気信号を連続的に出力する刺激ステ プのみからなる第3の出力モードと、のうち 少なくとも一つの出力モードを有するように 構成することもできる。

 (10)(9)の構成において、前記第1~第3の出力 モードの間で出力モードを切り替える切替部 を設けるとよい。

 (11)(9)又は(10)の構成において、前記電気 号の周波数を4~20HZの間で調節するための調 手段を設けることができる。

 (12)(1)~(6)の構成において、前記電極装着 材は、防水機能のある電極載置部と保水性 ある導電部とを有し、前記電極載置部と前 導電部との間に前記電極を配置することが きる。

 (13)(7)~(11)の構成において、前記電極装着 材は、防水機能のある電極載置部と保水性 ある導電部とを有し、前記電極載置部と前 導電部との間に前記電極を配置することが きる。

 本発明によれば、人体への取り付けが容 で、効果の高い電気刺激を付与することが きる。

 本発明は、人体に電気刺激を付与する電 群を下半身に着用される衣類形状の電極装 部材に装着することを特徴としている。こ により、人体に電極を貼着する貼着作業が 略化され、使用者や使用者を介護する介護 の負担を大幅に軽減することができる。ま 、電極群は電気刺激用装着具に保持される め、電極群の位置ずれを防止できる。

 電極装着部材が着用されると、一対の電 は筋肉の筋線維に沿った方向に配置される これにより、より効果的な筋肉運動を誘発 ることができる。

 (実施形態1)
 本実施形態では、筋線維に沿った方向に一 の電極を配置する例として、図1に図示する 構成を採用した。図1(A)は人体の正面図であ 、図1(B)は人体の背面図である。

 11、12、21、22、23はそれぞれ電極を示して おり、電極11は人体の大腿四頭筋の起始部(大 腿骨の付け根部分)に対応した位置に配置さ ている。ここで、「対応した位置」とは、 1に図示するように、人体の前後方向視にお て、電極11と大腿四頭筋の起始部とがオー ーラップしていることを意味する。

 電極12は人体の大腿四頭筋の停止部に対 した位置に配置されている。「対応した位 」とは、図1に図示するように、人体の前後 向視において、電極12と大腿四頭筋の停止 とがオーバーラップしていることを意味す 。

 電極21は人体の大殿筋及びハムストリン の境界部分に対応した位置に配置されてい 。「対応した位置」とは、人体の前後方向 において、電極21と該境界部分とがオーバー ラップしていることを意味する。なお、ハム ストリングは、大殿筋の下方に位置する大腿 二頭筋、半腱様筋及び半膜様筋からなる筋肉 群の総称である。

 電極22は人体の大殿筋の起始部に対応し 位置に配置されている。「対応した位置」 は、人体の前後方向視において、電極22と大 殿筋の起始部とがオーバーラップしているこ とを意味する。

 電極23は電極21よりも下方のハムストリン グに対応した位置に配置されている。「対応 した位置」とは、人体の前後方向視において 、電極23とハムストリングとがオーバーラッ していることを意味する。

 これらの電極11~23を個々に人体に貼り付 る方法では、位置決め作業が煩雑化して、 極の位置ずれにより所望の電気刺激を付与 きなくなるおそれがある。そこで、本実施 態では、これらの電極をスパッツ型の電気 激用装着具に装着させ、スパッツを着用す だけで電気刺激を付与できる構成にしてい 。

 以下、電極11を第1の前側電極11、電極12を 第2の前側電極12、電極21を第1の背側電極21、 極22を第3の背側電極22、電極23を第2の背側 極23という。ここで、第1の前側電極11は正極 であり、第2の前側電極12は負極である。また 、第1の背側電極21は正極であり、第2の背側 極23は負極であり、第3の背側電極22は負極で ある。

 図2は、電気刺激用装着具の正面図であり 、図3は当該電気刺激用装着具の背面図であ 。電気刺激用装着具としてのスパッツ30にお いて、スパッツ正面部30aの裏面(スパッツ30の 裏側の面)には、第1の前側電極収容部110及び 2の前側電極収容部120が設けられており、第 1の前側電極収容部110には第1の前側電極11が 容されており、第2の前側電極収容部120には 2の前側電極12が収容されている。

 スパッツ30の着用状態において、第1の前 電極収容部110は、大腿四頭筋の起始部(大腿 骨の付け根部分)に対応した位置に第1の前側 極11を位置決めしており、第2の前側電極収 部120は、大腿四頭筋の停止部に対応した位 に第2の前側電極12を位置決めしている。

 このように、第1の前側電極11及び第2の前 側電極12を、人体の前面側において上下に並 で配設することにより、筋肉の筋線維の方 に沿って電気刺激を与えることができる。 れにより、筋線維に直交する方向に電気刺 を付与する従来の刺激方式よりも、効果の い電気刺激を付与することができる。なお この裏付けデータを実施例に示している。

 図4は、スパッツ30の裏側に設けられた第1 の前側電極収容部110の収容構造を示した第1 前側電極収容部110の平面図である。ただし 第1の前側電極11を投影して図示しており、 線は縫い目を示している。電極載置部110aは 帯状に形成されており、第1の前側電極11よ も平面寸法が大きく形成されており、裏側( 肌側)に撥水加工を施したスパッツ30に対して 縫着されている。電極載置部110aには、防水 地を用いることができる。

 帯状導電部110bの外縁部は、電極載置部110 aに対して縫着されており、帯状導電部110bの 縁部よりも内側の領域に第1の前側電極11を 容する収容領域が形成されている。帯状導 部110bの中央には、当該収容領域に第1の前 電極11を組み込むための組み込み開口部110c 形成されている。組み込み開口部110cから当 収容領域に組み込まれた第1の前側電極11は 電極載置部110a及び帯状導電部110bに挟持さ た状態で位置決めされる。

 図2を参照して、第1の前側電極11に接続さ れた導電線61は、スパッツ30の上部に形成さ た引出口30cから引き出されて、後述する電 信号出力装置80に電気的及び機械的に接続さ れる。帯状導電部110bは、保水性生地により 成されており、水などの液体を含浸させる とができる。本実施例では、保水性の高い ット素材を用いているが、織物、不織布な を用いることもできる。このように、帯状 電部110bに液体を含浸させることにより、電 から出力される電流を人体に通電させやす することができる。

 スパッツ30の着用状態において、帯状導 部110bは人体の大腿骨の付け根部分に対応し 位置に接触しており、帯状導電部110bに水な どの液体を含浸させた状態で第1の前側電極11 に通電すると、帯状導電部110bを介して人体 電気刺激を与えることができる。

 なお、第2の前側電極収容部120の収容構造 については、第1の前側電極収容部110と同様 あるため説明を省略する。

 図3を参照して、電気刺激用装着具として のスパッツ30において、スパッツ背面部30bの 面(スパッツ30の裏側の面)には、第1の背側 極収容部210、第3の背側電極収容部220及び第2 の背側電極収容部230が設けられており、第1 背側電極収容部210には、第1の背側電極21が 容されており、第3の背側電極収容部220には 第3の背側電極22が収容されており、第2の背 側電極収容部230には第2の背側電極23が収容さ れている。第1の背側電極収容部210、第3の背 電極収容部220及び第2の背側電極収容部230の 収容構造については、第1の前側電極収容部11 0と同様であるため説明を省略する。

 ここで、第1の背側電極21の電極面積をS1 第3の背側電極22の電極面積をS3及び第2の背 電極23の電極面積をS2としたときに、その面 比は、好ましくは0.6S1<S2+S3<1.4S1であり より好ましくは0.8S1<S2+S3<1.2S1である。面 積比を0.6S1<S2+S3<1.4S1に設定することによ 、電流密度のバラツキが抑制され、0.8S1<S 2+S3<1.2S1に設定することにより、電流密度 バラツキがより効果的に抑制される。これ より、電気刺激時に使用者に加わる痛みを くす(軽減する)ことができる。

 スパッツ30の下端部には、帯状のサイズ 節部30dが形成されており、このサイズ調節 30dは、スパッツ背面部30bに設けられた面フ スナー部30eに着脱可能に装着される。した って、面ファスナー部30eにおけるサイズ調 部30dの装着位置を変えることにより、簡単 サイズの調整を行うことができる。

 30fは、通常のスパッツにも形成された一 的なスリットであるため、詳細な説明を省 する。また、本実施形態では、縫着という 段を用いて電極載置部110a及び帯状導電部110 bを取り付けているが、接着や溶着(融着)等に より取り付けてもよい。

 上述の構成によれば、スパッツ30を着用 るのみで、上述した所望の刺激部位に電極11 、12、21、22、23を配置することができる。こ により、電極の位置決め作業を簡素化する とができる。また、電極載置部及び帯状導 部に挟まれた状態で電極は保持されるため 電極に外力が加わった際に、電極の位置ず を効果的に防止することができる。

 また、スパッツ30と電極11、12、21、22、23 間に防水生地からなる電極載置部110aを介在 させているため、保水性生地の帯状導電部110 bに含侵された液体がスパッツ30の表面に染み 出でるのを防止できる。さらに、スパッツ30 裏側(肌側)に撥水加工を施すことにより、 パッツ表面に液体が染み出ることをより効 的に防止できる。

 次に、図5を参照しながら、電極11、12、21 、22、23に出力される電気信号を生成する電 信号出力装置の構成について説明する。図5 、電気信号出力装置の回路構成を図示した ロック図である。

 電気信号出力装置80は、電気信号出力装 80全体の制御を司る制御回路83と、電源とし の電源回路82と、制御回路83の制御信号に基 づいて低周波のパルス信号を出力する低周波 出力ドライバ88と、所定周波数のクロック信 を制御回路83に供給する発振子85と、動作モ ード選択スイッチ84と、リセット信号を制御 路83に供給するリセット回路86とを備えてい る。

 低周波出力用ドライバ88から出力された 号は、出力調整用メインボリューム89におい て無段階調整され、増幅回路87に出力される 増幅回路87は、右脚用の電極11、12に接続さ た第1の増幅回路87A、右脚用の電極21、22に 続された第2の増幅回路87B、右脚用の電極21 23に接続された第3の増幅回路87C、左脚用の 極11、12に接続された第4の増幅回路87D、左脚 用の電極21、22に接続された第5の増幅回路87E び左脚用の電極21、23に接続された第6の増 回路87Fから構成され、低周波出力用ドライ 88から出力された信号を増幅する。

 第1~第6の出力調整サブボリューム89A~Fを 作することにより、第1~第6の増幅回路87A~Fか ら出力された増幅信号を4~20Hzの間で無段階調 整することができる。

 制御回路83は、電源回路82によるDC5Vの電 及び発振子85で励起される例えば8MHzのクロ ク信号に基づいて駆動され、低周波出力用 ライバ88に対して制御信号を出力する。

 低周波出力用ドライバ88は、電源回路82か ら供給される電圧及び制御回路83からの制御 号に基づいて、低周波のパルス信号を出力 る。

 動作モード選択スイッチ84を操作するこ により、第1の出力モード、第2の出力モード 及び第3の出力モードを選択することができ 。

 図6Aは第1の出力モードの出力パターンを しており、この出力パターンでは、周波数 4~20Hzの方形信号を連続的に1秒間出力した後 に、1秒間出力を禁止する刺激パターンを繰 返し行う。

 図6Bは、第2の出力モードの出力パターン 示しており、この出力パターンでは、周波 が4~20HZの方形信号を連続的に5秒間出力した 後に、2秒間出力を禁止する刺激パターンを り返し行う。

 図6Cは第3の出力モードの出力パターンを しており、この出力パターンでは、周波数 4~20Hzの方形信号を連続的に出力している(つ まり、出力を禁止する時間がない)。

(変形例)
 第1の前側電極11、第2の前側電極12、第1の背 側電極21、第3の背側電極22及び第2の背側電極 23の極性を反対にしてもよい。この場合、上 実施形態と同様の効果を得ることができる
(実施形態1の実施例)
 発明例1では、実施形態1のスパッツ30を健常 者に着用させ、図6Cの第3の出力モードで電気 刺激を行った。比較例1では、大腿四頭筋に 極を配置して、大腿二頭筋に負極を配置し 、同様に図6Cの第3の出力モードで健常者に 気刺激を行った。これらの発明例1及び比較 1における酸素摂取量を測定した。

 
 比較例1では約2.5倍しか酸素摂取量が増加し なかったが、発明例1では約6.3倍も酸素摂取 が増加した。したがって、筋線維に直交す 方向に電気刺激を付与する従来の刺激方式 りも、筋線維に沿った方向に電気刺激を付 する本発明の刺激方式のが、代謝促進に有 であるということがわかった。

 刺激周波数を変化させて、図6Cの第3の出 モードで健常者に電気刺激を行った。その 果を図7及び図8に示す。図7(A)~(C)はそれぞれ 、2Hz、4Hz、8Hzの周波数で電気刺激を行った場 合の実験結果を示しており、下側のグラフが パルス信号(刺激)の出力タイミングを示して り、上側のグラフがパルス刺激に対する筋 の張力を示している。

 図7(A)では、N回目(Nは1以上の整数(以下同 ))のパルス刺激に対する筋収縮が終了した に、N+1回目のパルス刺激が開始され、その 果、N回目のパルス刺激とN+1回目のパルス刺 とによる筋収縮が融合しなかった。

 これに対して、図7(B)及び図7(C)では、N回 のパルス刺激に対する筋収縮が終了する前( つまり、張力が0になる前)に、N+1回目のパル 刺激が開始され、その結果、N回目のパルス 刺激とN+1回目のパルス刺激とによる筋収縮が 融合した。これらの結果から、電気刺激の周 波数の下限値を4Hzに設定することにより、筋 収縮の融合により張力(収縮力)が維持されて 代謝が亢進することがわかった。

 図8に図示するように、50Hz、80Hzの周波数 電気刺激を行うと、強縮が起こり、血流の 下により筋疲労が促進されるため、代謝亢 への刺激が時間とともに大きく減少して、 縮力が弱くなり持続性がなくなることがわ った。これらの結果から、4~20Hzの周波数で 気刺激を行うことにより、代謝を効果的に 進できることが証明された。

(実施形態2)
 本実施形態では、筋線維に沿った方向に電 を配置する例として、図9に図示する構成を 採用した。図9(A)は人体の正面図であり、図9( B)は人体の背面図である。

 図9(A)を参照して、第1の前側電極151は正 であり、人体の大腿四頭筋の起始部(大腿骨 付け根部分)に対応した位置に配置されてい る。ここで、「対応した位置」とは、図9に 示するように、人体の前後方向視において 第1の前側電極151と大腿四頭筋の起始部とが ーバーラップしていることを意味する。

 第2の前側電極152は負極であり、人体の大 腿四頭筋の停止部に対応した位置に配置され ている。ここで、「対応した位置」とは、図 9に図示するように、人体の前後方向視にお て、第2の前側電極152と大腿四頭筋の停止部 がオーバーラップしていることを意味する なお、第1及び第2の前側電極151、152の極性 反対にしてもよい。

 図9(B)を参照して、第1の背側電極161は正 であり、人体の大殿筋及びハムストリング 境界部分に対応した位置に配置されている ここで、「対応した位置」とは、図9に図示 るように、人体の前後方向視において、第1 の背側電極161と前記境界部分とがオーバーラ ップしていることを意味する。

 第2の背側電極162は負極であり、人体のハ ムストリングのうち大殿筋よりも下方に位置 する部分に対応した位置に配置されている。 ここで、「対応した位置」とは、図9に図示 るように、人体の前後方向視において、第2 背側電極162と前記部分とがオーバーラップ ていることを意味する。なお、第1及び第2 背側電極161、162の極性を反対にしてもよい

 これらの第1及び第2の正側電極151、152、 1及び第2の背側電極161、162は、図10及び図11 図示する短パンツに組み込むことができる 図10は短パンツの正面図であり、図11は短パ ツの背面図である。

 図10に図示するように、第1の前側電極151 短パンツ100の前側に形成された第1の前側電 極収容部171に収容されており、第2の前側電 152は短パンツ100の前側に形成された第2の前 電極収容部172に収容されている。

 短パンツ100を着用した状態において、第1 の前側電極収容部171は、大腿四頭筋の起始部 に対応した位置に第1の前側電極151を位置決 しており、第2の前側電極収容部172は、大腿 頭筋の停止部に対応した位置に第2の前側電 極152を位置決めしている。

 このように、第1及び第2の前側電極151、15 2を配置することにより、筋肉の筋線維の方 に沿って電気刺激を付与することができる これにより、筋線維に直交する方向に通電 る刺激方法よりも、効果の高い電気刺激を 与することができる。なお、その裏付けデ タを後述する実施に示している。

 図11に図示するように、第1の背側電極161 短パンツ100の背側に形成された第1の背側電 極収容部181に収容されており、第2の背側電 162は短パンツ100の背側に形成された第2の背 電極収容部182に収容されている。

 短パンツ100の着用状態において、第1の背 側電極収容部181は、人体の大殿筋及びハムス トリングの境界部分に対応した位置に第1の 側電極161を位置決めしており、第2の背側電 収容部182は、人体のハムストリングのうち 殿筋よりも下方に位置する部分に対応した 置に第2の背側電極162を位置決めしている。

 図12は、短パンツ100の背面側から視た第1 前側電極収容部171の概略図である。網状の ート部材101の周縁部は、短パンツ100の背面 地に貼り着されている。シート部材101の周 部に包囲された、シート部材101と短パンツ1 00の背面生地との間の空間に第1の前側電極収 容部171が形成される。第1の前側電極151は、 の第1の前側電極収容部171に収容される。

 図10を参照して、短パンツ100の外面には リット102が形成されている。このスリット10 2は、第1の前側電極収容部171に連通しており このスリット102から第1の前側電極収容部171 の内部に第1の前側電極151を滑り込ませるこ により、組み込み作業が完了する。なお、 の電極収容部も同じ構成であるため、説明 繰り返さない。

 このように、本実施形態の構成によれば 短パンツ100を着用した状態において、短パ ツ100の外部から第1の前側電極151を組み込む ことができる。これにより、着用者が短パン ツ100を脱ぐことなく、簡単に電極の組み込み 作業が完了し、使用者及び使用者を介護する 介護者の負担を大きく軽減することができる 。

 電気信号出力装置の構成及び出力パター については、実施形態1と同様であるため説 明を繰り返さない。

(実施形態2の実施例) 本実施形態2の電極配置 で電気刺激を行った。刺激モードとして、第 2の出力モードを選択した。10名の前十字靱帯 再建術後の患者を対象として、5名の患者に 気刺激を与え、残りの5名の患者には電気刺 を与えなかった。電気刺激は、1日1回20分間 、週5回行った。実施期間は4週間とした。刺 周波数は20Hzに設定した。大腿直筋(以下RFと いう)、中間広筋(以下VIという)、外側広筋(以 下VLという)、ヒラメ筋(以下SOという)を測定 位として、超音波による筋厚測定を行った なお、病院で定められたリハビリプログラ にしたがい、全患者に膝可動域トレーニン 、下肢筋肉トレーニングを課した。その結 を、表2~5に示す。各表の縦軸は筋厚測定値 横軸は実施期間を示している。表2はRFの筋 であり、実線が電気刺激を与えた患者、破 が電気刺激を与えなかった患者の筋厚を示 ている。
 
 表3はVIの筋厚であり、実線が電気刺激を与 た患者、破線が電気刺激を与えなかった患 の筋厚を示している。
 
 表4はVLの筋厚であり、実線が電気刺激を与 た患者、破線が電気刺激を与えなかった患 の筋厚を示している。
 
 表5はSOの筋厚であり、実線が電気刺激を与 た患者、破線が電気刺激を与えなかった患 の筋厚を示している。
 
 これらの結果からわかるように、実施形態2 の電極配置で電気刺激を付与することにより 、筋肉の厚みをより大きくすることができた 。

 以上説明したように、筋線維に沿った方 に電極を配置することにより、代謝促進、 肥大を図ることができる。

(変形例)
 上記実施形態1及び2において、電極をさら 増加させることもできる。図13は変形例の電 極の配置図であり、(A)が人体の正面図、(B)が 人体の背面図である。図13(A)を参照して、電 153、154は前脛骨筋に対応した位置に配置さ ており、一対の電極を構成している。電極1 53は、正極であってもよいし、負極であって よい。

 図13(B)を参照して、電極163、164は下腿三 筋に対応した位置に配置されており、一対 電極を構成している。電極163は、正極して ってもよいし、負極であってもよい。

 これらの電極153、154、163、164は、スパッ 30、短パンツ100に装着されることなく、独 して設けられている。また、これらの電極15 3、154、163、164は電気信号出力装置80に対して 電気的及び機械的に接続されている。

 上述の実施例では、第2の出力モード、第 3の出力モードを用いたが、第1の出力モード 用いることもできる。また、パルス状の電 刺激を付与することができれば、第1乃至第 3の出力モード以外の他の出力モードを用い こともできる。

電極の配置を示した配置図であり、(A) 人体の正面図、(B)が人体の背面図である。 スパッツの正面図である。 スパッツの背面図である。 電極の収容構造を示す電極収容部の平 図である。 電気信号出力装置のブロック図である 電気信号の波形を示す波形図であり、( A)が第1の出力モードにおける波形図、(B)が第 2の出力モードにおける波形図、(C)が第3の出 モードにおける波形図である。 周波数と代謝促進との関係を示す実験 ータである。 周波数と代謝促進との関係を示す実験 ータである。 実施形態2の電極の配置を示した配置図 であり、(A)が人体の正面図、(B)が人体の背面 図である。 短パンツの正面図である。 短パンツの背面図である。 第1の前側電極収容部の概略図である 変形例の電極の配置を示した配置図で あり、(A)が人体の正面図、(B)が人体の背面図 である。

符号の説明

11 第1の前側電極
12 第2の前側電極
21 第1の背側電極
22 第3の背側電極
23 第2の背側電極
30 スパッツ
30a スパッツ正面
30b スパッツ背面
80 電気信号出力装置
82 電池
83 制御回路
84 動作モード選択スイッチ
85 発振子
86 リセット回路
87 昇圧回路
88 低周波出力用ドライバ
89 出力調整用ボリューム
110 第1の前側電極収容部
120 第2の前側電極収容部
210 第1の背側電極収容部
220 第3の背側電極収容部
230 第2の背側電極収容部