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Title:
ELECTRODE MEMBER FOR COLD CATHODE FLUORESCENT LAMP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128118
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides an electrode member for a cold cathode fluorescent lamp having excellent adhesion between a lead part and glass, and a process for producing the electrode member. An electrode member (10) comprises an electrode part (11), a lead part (12), and a glass part (13). The lead part (12) at least on its surface side is formed of an iron-containing metal, and the surface of the lead part (12) in its part covered with the glass part (13) is provided with an oxide film (12s). The oxide film (12s) contains FeO. The FeO-containing oxide film (12s) can easily realize a higher level of adhesion to the glass than the oxide film formed of Fe2O3 and Fe3O4. By virtue of this, in the electrode member (10), the lead part (12) and the glass part (13) can be adhered tightly to each other for satisfactory adhesion between constituent members present between the lead part (12) and the glass tube in the cold cathode fluorescent lamp.

Inventors:
HOSOE AKIHISA (JP)
INAZAWA SHINJI (JP)
YAMAZAKI KAZUO (JP)
TOKUDA TAKESHI (JP)
TOMINAGA TETSUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/001010
Publication Date:
October 22, 2009
Filing Date:
April 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO ELECTRIC INDUSTRIES (JP)
SUMIDEN FINE CONDUCTORS CO LTD (JP)
HOSOE AKIHISA (JP)
INAZAWA SHINJI (JP)
YAMAZAKI KAZUO (JP)
TOKUDA TAKESHI (JP)
TOMINAGA TETSUJI (JP)
International Classes:
H01J9/28; H01J61/36
Foreign References:
JPH11238489A1999-08-31
JPH043969A1992-01-08
JP2008130396A2008-06-05
JP2008130395A2008-06-05
Attorney, Agent or Firm:
YAMANO, HIROSHI (JP)
Hiroshi Yamano (JP)
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Claims:
 電極部と、電極部の端部に接続されるリード部とを有する冷陰極蛍光ランプ用電極部材であって、
 リード部は、
  少なくとも表面側が鉄含有金属から構成され、
  このリード部の表面の少なくとも一部に酸化膜を有しており、
 酸化膜は、FeOを含むことを特徴とする冷陰極蛍光ランプ用電極部材。
 酸化膜中のFeOの含有量は、体積比で1%以上であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の冷陰極蛍光ランプ用電極部材。
 電極部材は、更に、リード部の外周に接合されるガラス部を具え、
 リード部の表面においてガラス部で覆われる箇所に酸化膜を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の冷陰極蛍光ランプ用電極部材。
 電極部の端部にリード部を有する冷陰極蛍光ランプ用電極部材の製造方法であって、
 少なくとも表面側が鉄含有金属から構成されるリード部の外周を加熱し、リード部の表面に酸化膜を形成する酸化膜形成工程を具え、
 酸化膜形成工程は、酸化性工程と、非酸化性工程とを具え、
 酸化性工程は、酸化性雰囲気でリード部を加熱して酸化膜を形成し、非酸化性工程は、酸化性工程後に非酸化性雰囲気でリード部を加熱して、酸化膜中にFeOを生成することを特徴とする冷陰極蛍光ランプ用電極部材の製造方法。
 更に、リード部の外周に接合されるガラス部を有する電極部材を作製する場合、酸化膜が形成されたリード部の外周にガラスビーズを配置し、ガラスビーズを加熱して変形することでガラス部を形成すると共に、ガラス部をリード部に接合するガラス部形成工程を具えることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の冷陰極蛍光ランプ用電極部材の製造方法。
Description:
冷陰極蛍光ランプ用電極部材

 本発明は、冷陰極蛍光ランプの構成部材 利用される電極部材、及びこの電極部材の 造方法に関するものである。特に、リード とガラスとの密着性に優れる電極部材に関 るものである。

 冷陰極蛍光ランプは、複写機やイメージ キャナなどの原稿照射用光源、パソコンの 晶モニタや液晶テレビなどの液晶表示装置( 液晶ディスプレイ)のバックライト用光源と った種々の光源に利用されている。代表的 は、内壁面に蛍光体層を有する円筒状のガ ス管と、ガラス管の両端に配置される一対 電極とを具え、ガラス管内に希ガス及び水 が封入される(例えば、特許文献1参照)。

 電極は、カップ状(有底筒状)が代表的で り、底部にリード線が接合され、リード線 介して電圧が印加される。リード線は、例 ば、ガラス管内に固定されるインナーリー 線と、インナーリード線に接合され、ガラ 管外に配置されるアウターリード線とを具 る。インナーリード線の代表的な構成材料 は、ガラスの熱膨張係数に近いコバール(Fe,C o,Niの合金)が挙げられる。長寿命で高品質で ることが要求される蛍光ランプでは、イン ーリード線とガラス管とが密着し易いよう 、インナーリード線の外周にガラスビーズ 固定し、ガラスビーズとガラス管とを溶融 ることが行われている。これら電極、リー 線、ガラスビーズは、予め一体に接合して き、この一体化物をガラス管に固定する。

 従来、インナーリード線とガラスビーズ の密着性を高めるために、ガラスビーズを ンナーリード線に接合する前に、インナー ード線の外周に酸化膜を形成することが行 れている(特許文献1参照)。

特開平11-238489号公報

 しかし、従来の冷陰極蛍光ランプは、リー 線に酸化膜を形成していても、リード線と ラスとの密着が不十分である。
 特許文献1には、リード線に酸化膜を形成す ることで、リード線とガラスビーズとの濡れ 性を高め、ガラス管の気密性を高められるこ とが記載されている。しかし、従来の酸化膜 は、ガラスビーズとの密着が十分とは言えず 、接合強度の更なる向上が望まれる。リード 線とガラスビーズとが十分に密着していない と、リード線からガラス管までの間の構成部 材同士が密着できず、ガラス管の封止部分に 空隙ができる。この空隙からガラス管内のガ スが漏洩する恐れがある。ガスが漏洩すると 、例えば、発光に必要な紫外線が十分に放射 されなくなり、蛍光ランプの寿命が短くなる 。

 そこで、本発明の主目的は、リード部と ラスとの接合強度を向上することができる 極部材を提供することにある。また、本発 の他の目的は、この電極部材に適した製造 法を提供することにある。

 酸化膜は、大気といった酸素を含有する雰 気中で、リード線を加熱することで形成す ことができる。例えば、コバールからなる ード線を大気中で加熱して酸化膜を形成す と、この酸化膜は、酸素の含有量が高い酸 鉄、具体的には、三酸化二鉄(Fe 2 O 3 )と四酸化三鉄(Fe 3 O 4 )とで構成される。このような酸化鉄からな 酸化膜は、ガラスビーズやガラス管と十分 密着できないことがある。密着性を高める めに、例えば、酸化膜を厚くすることが考 られる。しかし、酸化膜が厚いと、酸化膜 体が脆くなって剥離し易くなる。また、酸 膜の熱膨張係数とガラスの熱膨張係数との が比較的大きいため、酸化膜が厚いと、ガ スとリード線との間に熱膨張係数が大きな 化膜が介在することになる。更に、リード に形成した酸化膜は、空隙を多く有してい 。これらの空隙は、ガラスビーズをリード に接合する際の加熱や電極部材によりガラ 管を封止する際の加熱により低減されるも の、酸化膜が厚いと、膜中に空隙が多く残 する。この残存する空隙によりガラス管内 ガスが漏れる恐れがある。

 そこで、本発明者らは、酸化膜を厚くせず 接合強度を向上する構成を検討した結果、 定の化合物を含有する酸化膜が好ましいと 知見を得た。具体的には、FeOを含有する酸 膜は、Fe 2 O 3 及びFe 3 O 4 からなる酸化膜と比較して、接合強度が向上 する。この理由は定かではないが、FeOを含有 した酸化膜は、ガラスとの濡れ性が向上する ためであると考えられる。そこで、本発明電 極部材は、FeOを含有する酸化膜を具える構成 とする。具体的には、本発明冷陰極蛍光ラン プ用電極部材は、電極部と、リード部とを有 する。リード部は、電極部の端部に接続され る。また、リード部は、少なくとも表面側が 鉄含有金属から構成される。このようなリー ド部の表面の少なくとも一部にFeOを含む酸化 膜を有する。

 本発明電極部材は、上記酸化膜を具える とで、リード部とガラスとを十分に密着で るため、ガラス管に本発明電極部材を配置 てガラス管の開口部を封止した際、リード からガラス管までの間の構成部材同士を十 に密着できる。従って、本発明電極部材を いて冷陰極蛍光ランプを形成した場合、こ 蛍光ランプは、ガラス管の封止部分からガ が漏洩することを抑制でき、ガラス管内に 分なガス(特に、水銀)が存在することで、 命が長くなる。また、このランプは、十分 ガス(同)が存在するため、高輝度を維持でき 、輝度の低下により寿命が短くなることも抑 制することができる。

 本発明電極部材は、以下の本発明製造方法 より製造することができる。本発明冷陰極 光ランプ用電極部材の製造方法は、電極部 端部にリード部を有する電極部材を製造す 方法であり、以下の酸化膜形成工程を具え 。
 [酸化膜形成工程] リード部の外周を加熱し 、リード部の表面に酸化膜を形成する。リー ド部は、少なくとも表面側が鉄含有金属から 構成されるものとする。そして、この工程は 、以下に示す雰囲気が異なる二工程を具える 。
  <酸化性工程> 酸化性雰囲気でリード を加熱して酸化膜を形成する。
  <非酸化性工程> 酸化性工程後に非酸 性雰囲気でリード部を加熱して、酸化膜中 FeOを生成する。

 上記本発明製造方法は、異なる雰囲気中 リード部を加熱することで、FeOを含有する 化膜を具える本発明電極部材を簡単に製造 きる。以下、本発明をより詳細に説明する

 本発明電極部材は、冷陰極蛍光ランプの 成材料に利用されるものであり、放電に利 される電極部と、電極部に電力を供給する ード部とを具える。特に、長寿命で高品質 あることが要求される冷陰極蛍光ランプに いられる電極部材は、上記電極部、リード に加えて、電極部を蛍光ランプのガラス管 固定する際に接着剤として機能すると共に ガラス管の封止部材となるガラス部を具え ことが好ましい。

 リード部は、例えば、インナーリード部 アウターリード部とを具えるものが利用で る。インナーリード部は、一端に電極部が 合されると共に、ガラス管の内部に固定さ る部分であり、アウターリード部は、イン ーリード部に接合されて、ガラス管の外部 露出される部分である。インナーリード部 アウターリード部とは、溶接などにより接 する。接合部分に溶接コブを設けた場合、 接コブを後述するガラスビーズのあたり止 として利用することで、ガラス部の位置ず を防止できる。

 アウターリード部は、例えば、ニッケル( Ni)からなる線材、MnNiといったニッケル合金 らなる線材、ジュメットからなる線材など 利用できる。これらの線材は、ニッケルメ キ層などのメッキ層を具えていてもよい。

 インナーリード部は、外周にガラス管や ラスビーズからなるガラス部といったガラ が接合されるため、熱膨張係数がガラスに い材料からなる線材が好適に利用できる。 た、インナーリード部は、導電性に優れる 料からなる線材が好適に利用できる。この うな特性を満たす材料として、鉄(Fe)含有金 属が挙げられる。特に、本発明電極部材は、 少なくとも表面側が鉄含有金属からなる線材 をインナーリード部に利用する。例えば、コ バールと呼ばれるFeにCo,Niを配合した合金(そ 他Si,Mnなどを含む)からなる線材、銅(Cu)から なる芯材と、その外周に設けられるコバール 層とを有する線材などが利用できる。インナ ーリード部の表面の少なくとも一部には、予 め酸化膜を形成する。より具体的には、イン ナーリード部の表面においてガラス管又はガ ラス部で覆われる箇所に酸化膜を形成する。 そのため、本発明電極部材がリード部の外周 に接合されるガラス部を有する場合、この電 極部材は、ガラス部とインナーリード部との 境界近傍に酸化膜が存在する。

 酸化膜は、リード部の構成元素が酸化して きた酸化物で構成される。インナーリード の少なくとも表面側が鉄含有金属から構成 れる場合、酸化膜は、実質的に酸化鉄で構 される。特に、大気中といった酸化性雰囲 下で酸化膜を形成した場合、この酸化膜は 三酸化二鉄(Fe 2 O 3 )と四酸化三鉄(Fe 3 O 4 )とで構成される。本発明電極部材は、後述 るように特定の条件により酸化膜を形成す ことで、Fe 2 O 3 及びFe 3 O 4 に加えて、一酸化鉄(FeO)を含有する酸化膜を える。FeOを含有する酸化膜は、Fe 2 O 3 及びFe 3 O 4 からなる酸化膜と比較して、ガラスとの密着 性に優れる傾向にあり、FeOの含有量が多いほ ど密着性が高くなり易い。特に、ガラス部の 有無に係わらず、電極部材に有する酸化膜全 体を100%とするとき、FeOの含有量は、体積比 1%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。

 リード部に形成した酸化膜は、ガラス部 リード部に接合する際の加熱や電極部材を ラス管に固定する際の加熱により、構成す 化合物の割合が変化する。具体的には、FeO 含有量は、上記加熱により低減する傾向に る。そこで、ガラス部を有する電極部材と る場合、ガラス部を形成した後の電極部材 おいて、酸化膜中のFeOの含有量が体積比で1 %以上となるように、ガラス部を形成する前 リード部において、酸化膜中のFeOの含有量 1体積%超となるように、リード部に酸化膜を 形成する。具体的には、リード部に具える酸 化膜中のFeOの含有量が体積比で10%以上、好ま しくは50%以上となるように酸化膜を形成する 。酸化膜中のFeOの有無や膜全体の酸化物種の 体積比率は、例えば、XRDで測定することがで きる。

 電極部材の酸化膜の厚さは、ガラス部の 無に係わらず、1μm以上10μm未満が好ましく 1μm以上7μm以下がより好ましい。電極部材 酸化膜の厚さが1μm未満であると、電極部材 ガラス管に固定する際の加熱により、酸化 の厚さが薄くなり易く、酸化膜が無くなる れがある。酸化膜が消失することで、リー 部の構成元素がガラス側に拡散し易く、後 するイオン拡散層が厚くなり易い。10μm超 あると、ガラス管に固定するための加熱を っても酸化膜中に多数の空隙が残存する恐 がある。酸化膜の厚さは、リード部の大き (直径)やガラス管の大きさ(内径)に応じて調 することができる。リード部の直径が0.4~1.2 mm程度の場合、電極部材の酸化膜の厚さは上 範囲が好ましい。リード部の直径がより大 い場合は、酸化膜の厚さを上記範囲よりも きくすることができる。

 但し、ガラス部を有する電極部材とする 合、リード部に形成した酸化膜は、ガラス 接合時の加熱により、酸化膜を構成する元 がガラス側に拡散して厚さが薄くなる。そ で、ガラス部を形成した後の電極部材の酸 膜の厚さが上記範囲(1~10μm)となるように、 ラス部を形成する前のリード部に形成する 化膜は、この範囲よりも厚く形成する。具 的には、6~20μm程度が好ましい。ガラス部形 成前の酸化膜の厚さは、適宜調整するとよく 、ガラス部形成後の酸化膜の厚さが上記範囲 を満たせばよい。

 FeOを含有する酸化膜は、二段階の加熱によ 形成することができる。一段階目の加熱は 酸化性雰囲気とし(酸化性工程)、酸素(O)と ード部の構成元素(Fe)とを結合させて、Fe 2 O 3 やFe 3 O 4 を形成する。この加熱には、バーナーや電気 炉を用いることができる。バーナーは、燃焼 用ガスの調整が容易であり、燃焼用ガスを適 切に調整することで、所望の厚さの酸化膜を 安定して形成できる。電気炉は、大量のリー ド部に対して一度に酸化膜を形成できるため 、電気炉を用いると、量産性に優れる。ガラ ス部を具える電極部材とするときにバーナー を利用する場合の条件は、加熱温度:900~1200℃ 、加熱時間:3~12秒、電気炉を利用する場合の 件は、加熱温度:650~1000℃、加熱時間:2~8分が 挙げられる。加熱温度が高いほど、或いは加 熱時間が長いほど酸化膜は厚くなる傾向にあ る。より好ましい条件は、バーナーを利用す る場合、加熱温度:950~1150℃、加熱時間:3~8秒 電気炉を利用する場合、加熱温度:700~850℃、 加熱時間:3~5分である。ガラス部を有しない 極部材とする場合は、上記加熱時間を短く るとよい。酸化性雰囲気は、酸素を含んで ればよく、例えば、大気雰囲気が挙げられ 。この酸化性工程は、酸化性雰囲気での加 であるため、酸素(O)とインナーリード部の 成材料中の鉄(Fe)とが結合し、Fe 2 O 3 やFe 3 O 4 といった酸素の結合量が多い酸化鉄が生成さ れ、FeOが生成されない。

 二段階目の加熱は、非酸化性雰囲気で行う( 非酸化性工程)。酸素が実質的に存在しない 囲気で加熱すると、酸化膜の厚さが実質的 増加せず、一段階目の加熱(酸化性工程)によ り形成された酸化膜中にリード部の構成元素 であるFeが拡散される。この拡散により酸化 中のFeの原子比率が高められて、膜中にFeO 生成することができる。この加熱は、非酸 性雰囲気で行うため、電気炉を用いること 好ましい。また、この加熱は、酸化膜を構 する化合物を変化させるのに必要なだけ行 とよく、具体的な条件は、加熱温度:900~1100 、加熱時間:3~5分が挙げられる。より好まし 条件は、加熱温度:950~1050℃、3.5~4.5分である 。非酸化性雰囲気は、酸素を実質的に含んで いなければよく、窒素(N 2 )やアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などの不活性ガ スからなる不活性雰囲気が挙げられる。上記 不活性ガスに水素などの還元性ガスを含有す る還元性雰囲気としてもよい。なお、上述し たようにこの加熱は、酸化膜の厚さがほとん ど変化しないため、一段階目の加熱で概ね所 望の厚さの酸化膜を形成しておく。

 電極部の形成材料は、例えば、ニッケル( 純Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)など 利用できる。純Niは、加工性や経済性に優れ る。WやMoは、純Niと比較して非常に高融点で り、電極部の消費や輝度の低下を低減でき 。その他、形成材料は、純Niに添加元素を 加してなるNi合金が利用できる。具体的には 、Ti,Hf,Zr,V,Fe,Nb,Mo,Mn,W,Sr,Ba,B,Th,Be,Si,Al,Y及び希 類元素(Yを除く)から選ばれる1種以上の元素 合計で0.001質量%以上5.0質量%以下含有し、残 部がNi及び不可避的不純物からなるNi合金が げられる。特に、Be,Si,Al,Y及び希土類元素(Y 除く)から選択される1種以上の元素を合計で 0.001質量%以上3.0質量%以下含有し、残部がNi及 び不可避的不純物からなるNi合金としてもよ 。このようなNi合金からなる電極部は、1.純 Niからなる電極よりも仕事関数が小さいため 電し易い、2.スパッタリングし難い(スパッ リング速度又はエッチングレートが小さい) 、3.アマルガムを形成し難い、4.酸化膜を形 し難いため、放電が阻害され難い、といっ 様々な利点を有する。特に、Yを含有するNi 金は、耐スパッタリング性を高められる。

 電極部の代表的な形状は、カップ状(有底 筒状)が挙げられる。カップ状の電極部は、 状材をプレス加工することで容易に形成で る。カップ状の電極部は、ホローカソード 果により、スパッタリングを抑制できる。

 ガラス部を具える電極部材とする場合、 ラス部は、筒状のガラスビーズを上記酸化 が形成されたリード部(インナーリード部) 外周に挿通配置して加熱し、変形すること 形成する。また、この加熱により、インナ リード部の外周にガラス部を接合する。ガ スビーズは、例えば、ホウケイ酸ガラスや ルミノシリケートガラスからなるものなど 利用できる。

 ガラス部の形成のための加熱により、リ ド部も加熱されて、リード部や酸化膜を構 する元素がガラス側に拡散して、ガラス部 成分とリード部の成分とが混合したイオン 散層がガラス部、特に、ガラス部において 化膜と接する側に生成される。イオン拡散 は、ガラス部の他の部分と熱膨張係数が異 るため、厚過ぎるとガラス部やガラス管(封 止部分近傍)の割れの原因となる。また、ガ ス管の封止のための加熱によっても、イオ 拡散層が生成される、或いは厚くなる。従 て、電極部材のイオン拡散層は、できるだ 薄いことが好ましく、厚さが15μm以下、特に 、12μm以下が好ましい。

 ガラス部の形成は、バーナーや電気炉を 用して行うとよい。例えば、還元性雰囲気 でガラスビーズを加熱して、変形及び接合 ると同時に、リード部においてガラス部で われない箇所(露出箇所)の酸化膜を還元す 方法が利用できる。ここで、リード部とガ ス部との接合強度を高めるためには、加熱 度を高温とする、或いは加熱時間を長くし 、ガラス部を十分に溶融して酸化膜に対す 濡れ性を高めることが効果的である。しか 、加熱温度が高い、或いは加熱時間が長い 、ガラスビーズがリード部の酸化膜に沿っ 伸びるように変形し、所望の形状となり難 。一方、加熱温度を低くする、或いは加熱 間を短くすると、ガラスビーズを所望の形 に変形し易いものの十分に接合できない。 こで、一度の加熱で変形と接合とを行うの はなく、後述するように二段階の加熱とす ことで、ガラスビーズを所望の形状に変形 きると共に、ガラスビーズとリード部とを 分に接合でき、かつイオン拡散層の厚膜化 防止できて好ましい。

 具体的には、以下の変形工程と接合工程と 具えるガラス部形成工程を行うことが好適 ある。
 [ガラス部形成工程] 酸化膜が形成されたリ ード部の外周にガラスビーズを配置し、ガラ スビーズを加熱して変形することでガラス部 を形成すると共に、ガラス部をリード部に接 合する。
 [変形工程] 非酸化性雰囲気中で、加熱温度 :700~800℃、加熱時間:3~5分
 [接合工程] 還元性雰囲気中で、加熱温度:90 0~1100℃、加熱時間:3~5分

 変形工程は、主としてガラスビーズの変 を行うための加熱工程である。非酸化性雰 気は、例えば、窒素やアルゴン、ヘリウム どの不活性ガスからなる不活性雰囲気が挙 られる。非酸化性雰囲気とすることから、 の加熱は、電気炉を用いて行うことが好ま い。また、電気炉は、一度に多くのガラス ーズを変形させることができ、電気炉を用 ると、量産性に優れる。より好ましい条件 、加熱温度:750~800℃、加熱時間:3.5~4分であ 。変形工程は、比較的低温としているため イオン拡散層がほとんど形成されない。

 接合工程は、主として変形したガラスビ ズとリード部とを接合するための加熱工程 ある。還元性雰囲気は、例えば、窒素やア ゴン、ヘリウムなどの不活性ガスに水素と った還元性ガスを含有した雰囲気が挙げら る。加熱は、電気炉を用いると、上記変形 程に連続して行える。より好ましい条件は 加熱温度:950~1000℃、加熱時間:3.5~4分である また、接合工程は、還元性雰囲気であるた 、バーナーを用いて加熱することができる この場合、加熱温度:1000~1200℃、加熱時間:5~ 10秒が好ましい。この接合工程では、イオン 散層が形成されるものの、上記条件で加熱 ることで、イオン拡散層の厚さを15μm以下 できる。また、この加熱により、酸化膜中 存在する空隙を低減することができる。更 、この加熱により、リード部においてガラ 部で覆われない箇所の酸化膜を還元して除 することができる。

 上述したリード部、電極部、任意でガラ 部を有する本発明電極部材は、冷陰極蛍光 ンプの構成部材に好適に利用できる。例え 、開口部を二つ有するガラス管と、本発明 極部材とを用いて冷陰極蛍光ランプを形成 るには、以下の手順が挙げられる。内壁面 蛍光体層を設けたガラス管を用意し、ガラ 管の一方の開口部に電極部材を挿入し、こ 開口部近傍にリード部(ガラス部)を配置す 。そして、ガラス管においてリード部との 触箇所(電極部材がガラス部を有する場合、 ラス管においてガラス部との接触箇所及び ラス部)を加熱してガラスを溶融し、開口部 を封止すると共に、電極部材を固定する。次 に、ガラス管の他方の開口部から真空引きし た後、ガラス管内に所定のガスを導入し、他 方の開口部に別の電極部材を挿入し、この開 口部近傍にリード部(ガラス部)を配置する。 して、ガラス管においてリード部との接触 所(電極部材がガラス部を有する場合、ガラ ス管においてガラス部との接触箇所及びガラ ス部)を加熱してガラスを溶融し、ガラス管 封止すると共に、電極部材をガラス管に固 する。以上の工程により、冷陰極蛍光ラン が得られる。ガラス管は、I字状で開口部を つ有するものが代表的であり、その他、ガ ス管は、L字状(開口部が二つ又は三つ)やT字 状(開口部が三つ)などがある。

 本発明冷陰極蛍光ランプ用電極部材は、 ード部とガラスとが十分に密着できる。そ ため、本発明電極部材を用いて冷陰極蛍光 ンプを形成した場合、リード線からガラス までの間の構成部材同士が十分に密着でき ガラス管において封止部分からのガス漏れ 防止できる。従って、本発明電極部材は、 光ランプの長寿命化に貢献できると期待さ る。

電極部材の概略構成を示す部分断面図 ある。 接合強度試験を説明する説明図である

符号の説明

 10 電極部材 11 電極部 12 リード部 12i  ンナーリード部
 12o アウターリード部 12s 酸化膜 13 ガラ 部
 100 代替部材 120 インナーリード部 130 ガ ラス部 200 治具

 酸化膜を構成する化合物が異なる電極部材 作製し、接合強度を調べた。
 [電極部材]
 図1は、電極部材の概略構成を示す部分断面 図である。作製した電極部材は、いずれも図 1に示す電極部材10と同様の構成である。電極 部材10は、カップ状の電極部11と、電極部11の 底部に接合されるリード部12と、リード部12 外周に接合されるガラス部13とを具える。リ ード部12は、冷陰極蛍光ランプのガラス管に 合されるインナーリード部12iと、管の外部 露出して配されるアウターリード部12oとか なる。インナーリード部12iは、その表面に いてガラス部13で覆われる箇所に酸化膜12s 具える。このような電極部材は、以下のよ に作製した。

 <実施例>
 1.電極部及びリード部の形成
 電極部11は、ニッケル板をプレス加工によ カップ状に形成した。リード部12は、コバー ル(Ni:28~30質量%、Co:16~18質量%、残部Fe)からな 線材(直径φ0.8mm)の一端面と、ニッケル合金(M nNi)からなる線材の一端面とを溶接して形成 た。コバール線材部分がインナーリード部12 iであり、ニッケル合金線材部分がアウター ード部12oである。両線材の接合部分には、 接コブ(図示せず)を形成した。得られたリー ド部12にバレル研磨、化学研磨などの表面処 を行った。このようなリード部を複数用意 た。

 2.酸化膜の形成
 インナーリード部12iの外周(溶接コブよりも インナーリード部側の外周)を加熱し、イン ーリード部12iの表面に酸化膜12sを形成した 加熱は、以下のように二段階に亘って行っ 。
 (1) 酸化性工程
 電気炉を用いて大気雰囲気で、加熱温度:800 ℃、加熱時間:4分で加熱した。
 (2) 非酸化性工程
 引き続いて電気炉を用いて窒素雰囲気で、 熱温度:980℃、加熱時間:4分で加熱した後、 却した。

 冷却後、リード部に形成した酸化膜を構成 る化合物の割合(体積比率)を調べた。測定 、XRDで行った。その結果、いずれのリード も、FeOが検出され、体積比で90%がFeOであり 残りがFe 3 O 4 及びFe 2 O 3 であった。

 また、リード部に形成した酸化膜の厚さ 調べたところ、2.8~3.7μmであった。酸化膜の 厚さは、顕微鏡写真を用いて測定した。更に 、酸化膜の状態を顕微鏡により確認したとこ ろ、空隙を多数有していた。

 次に、上記酸化膜を形成したインナーリー 部12iの外周にガラスビーズを挿通した。ガ スビーズは、SiO 2 を主成分とし、Na 2 Oなどを含むホウケイ酸ガラス(BFK)からなる中 空の円筒状体であり、端面に貫通孔を有する 。貫通孔は、インナーリード部12iの外径より も若干大きい。そのため、インナーリード部 12iにガラスビーズを挿通した際、ガラスビー ズの内周面とインナーリード部12iの外周面と の間に隙間が生じる。ガラスビーズは、イン ナーリード部12iに挿通した際、溶接コブによ り、インナーリード部12iの長手方向の所定位 置に容易に位置決めされる。

 3.電極部の接合
 インナーリード部12iの他端面(溶接コブが無 い側の面)に、カップ状の電極部11の底面をレ ーザー溶接で接合した。ガラスビーズの溶融 前(ガラス部形成前)に電極部11をリード部12に 接合することで、電極部を接合するときの加 熱により、インナーリード部12iが加熱されて 、酸化膜の構成元素がガラス側に拡散するこ とを抑制できる。電極部の接合は、後述する ガラスビーズの溶融後に行うこともできる。

 4.ガラス部の形成
 (1) 変形工程
 電極部11を接合し、ガラスビーズを配置し リード部12を電気炉に配置し、窒素雰囲気中 で加熱温度:800℃、加熱時間:4分で加熱して、 ガラスビーズを変形させると共に、酸化膜に 付着させた。具体的には、ガラスビーズは、 加熱により角部が丸まると共に、収縮するよ うに変形し、貫通孔の内周面が酸化膜に付着 する。この変形により、ガラスビーズからガ ラス部13を形成する。
 (2) 接合工程
 電気炉中に水素ガスを混入して、(窒素+水 )雰囲気とし(水素割合:16体積%)、この還元性 囲気中で加熱温度:980℃、加熱時間:4分で加 して、ガラス部13と酸化膜12sとを密着させ 。つまり、酸化膜12sの一部をガラス部13に拡 散させる。また、この加熱により、インナー リード部12iにおいて、ガラス部13で覆われず 露出した部分の酸化膜を還元して除去する

 上記1~4の工程により、電極部、リード部、 ラス部を有する電極部材を得た。このよう 電極部材を複数作製し、これら電極部材を 施例とする。実施例について、酸化膜を構 する化合物の割合をXRDにより調べたところ いずれの電極部材も体積比で1%以上のFeOを 有しており、残りがFe 3 O 4 及びFe 2 O 3 であった。

 また、実施例について、顕微鏡写真を用 て酸化膜の厚さを測定したところ、1.4~2.5μm であり、リード部に形成したときの酸化膜の 厚さよりも薄くなっていた。実施例の酸化膜 の状態を顕微鏡により確認したところ、空隙 が低減されていた。

 更に、実施例について、顕微鏡写真を用 てイオン拡散層の厚さを測定したところ、6 .2~7.2μmであり、15μm以下と非常に薄かった。

 <比較例>
 上記実施例と異なる条件で酸化膜を形成し 電極部材を作製した。この電極部材におい 酸化膜は、二段階の加熱を行わず、一段階 加熱で形成した。具体的な条件は、電気炉 用い、大気雰囲気で、加熱温度:800℃、加熱 時間:4分とした。酸化膜の形成以外の工程は 上記実施例と同様に行って電極部材を複数 製し、これらの電極部材を比較例とする。

 ガラス部形成後、比較例について、酸化膜 構成する化合物の割合をXRDにより調べたと ろ、いずれの電極部材もFeOが検出されず、F e 3 O 4 及びFe 2 O 3 のみが検出された。また、比較例の酸化膜の 厚さは、3~5μm、イオン拡散層の厚さは、6~7μm で15μm以下であった。

 <参考例>
 インナーリード部をW(タングステン)で作製 、ガラス部を設けた電極部材を作製した。 考例に用いたガラス部及びガラス管は、Wに 熱膨張係数が近いものとした。このような電 極部材を複数作製し、これらの電極部材を参 考例とする。

 [接合強度試験]
 実施例,比較例,参考例について、以下のよ にしてガラスとリード部との接合強度を調 た。接合強度は、図2に示すようにリード部 挿通可能で、ガラス部が挿通不可能な大き の貫通孔を設けた治具200に電極部材を固定 、アウターリード部を荷重を加えて引っ張 た際、ガラス部が破壊するときの力(N)を調 た。実施例は、ガラス部が破壊する前にア ターリード部が破断するため、インナーリ ド部120にガラス部130を形成した代替部材100 同様の条件で作製し、この代替部材100を用 て接合強度を調べた。その結果を表1に示す 。

 表1から、実施例は、ガラスとリード部と の接合強度に優れることがわかる。従って、 このような電極部材を用いて冷陰極蛍光ラン プを形成した場合、リード部からガラス管ま での間の構成部材が十分に密着することがで き、ガラス管の封止部分からガスが漏れるこ とを防止できると予想される。

 [曲げ試験]
 実施例,比較例について、インナーリード部 に曲げを加えて、ガラス部の割れ状態を調べ た。その結果、比較例は、リード部からガラ ス部の破片が脱落するように割れた。これに 対し、実施例は、リード部からガラス部が剥 がれて破片が脱落するように割れたりせず、 リード部に付着していて形が残っていたが、 ガラス部の径方向にひびが多数生じていた。 このことから、実施例は、ガラス部がリード 部の外周に沿って満遍なくが密着していると 考えられる。

 [耐久試験]
 実施例,比較例の電極部材を用いて、冷陰極 蛍光ランプを作製し、耐久試験を行った。冷 陰極蛍光ランプは、開口部を二つ有するI字 のガラス管を用い、各開口部に実施例の電 部材をそれぞれ配置してガラスを加熱し、 口部を封止すると共に、リード部を固定し 作製した(実施例ランプ)。ガラス管には、内 壁面に蛍光体層としてハロリン酸塩蛍光体層 を予め形成した。また、一方の開口部を封止 する際、真空引きした後、ガラス管内に水銀 とアルゴンとの混合ガスを導入した。比較例 の電極部材を用いた比較例ランプも同様にし て作製した。

 得られた実施例ランプ、比較例ランプに いて、耐久試験を行った。冷陰極蛍光ラン の輝度は、点灯開始(初期)から1000時間(初期 1000時間)で大きく劣化し、その後の劣化は小 い。そこで、初期の輝度の値を100%とし、100 0時間後の輝度が初期の輝度の80%以上であれ 、耐久性有りと評価する。その結果、実施 ランプは、93%であり、耐久性に問題ないこ が分かった。一方、比較例ランプは、65%で った。また、比較例ランプは、点灯中、ガ 漏れが検出されたのに対し、実施例ランプ 、ガス漏れが無かった。このことから、実 例ランプが耐久性有りとなったのは、リー 線からガラス管までの間の構成部材同士が 分に密着して、ガラス管内のガスが十分に 在したことが一因であると考えられる。ま 、耐久性に優れることから、実施例ランプ 、長寿命であると考えられる。

 なお、上述した実施例は、本発明の要旨 逸脱することなく、適宜変更することが可 であり、上述した構成に限定されるもので ない。

 本発明電極部材は、冷陰極蛍光ランプの構 部材に好適に利用できる。本発明電極部材 製造方法は、本発明電極部材の製造に好適 利用できる。本発明電極部材を用いた冷陰 蛍光ランプは、例えば、液晶ディスプレイ バックライト用光源、小型ディスプレイの ロントライト用光源、複写機やスキャナな の原稿照射用光源、複写機のイレイサー用 源といった種々の電気機器の光源として好 に利用できる。