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Title:
ELECTROLYTIC SOLUTION FOR PRODUCING ELECTROLYTIC COPPER FOIL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116432
Kind Code:
A1
Abstract:
An electrolytic copper solution for producing an electrolytic copper foil is provided which can improve elongation properties while reducing the profile of the rough surface. The electrolytic solution for electrolytic-copper foil production is a sulfuric-acid-acidified aqueous copper sulfate solution containing: bromide ions derived from bromine, an inorganic acid thereof, an inorganic salt thereof, or a mixture of these; a glue; and chloride ions.

Inventors:
HANABUSA MIKIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054566
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 10, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON MINING CO (JP)
HANABUSA MIKIO (JP)
International Classes:
C25D3/38; C25D1/00; C25D1/04
Domestic Patent References:
WO2004059040A12004-07-15
Foreign References:
JP2004137588A2004-05-13
JP2009041096A2009-02-26
Attorney, Agent or Firm:
AXIS Patent Internationl (JP)
Axis international patent business corporation (JP)
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Claims:
 電解銅箔製造用の電解液としての、臭化物イオンと、膠と、塩化物イオンとを含有する硫酸酸性硫酸銅水溶液。
 臭化物イオンの濃度が0.25~200mg/Lである請求項1記載の硫酸酸性硫酸銅水溶液。
 臭化物イオンが臭素、その無機酸、その無機塩、又はこれらの混合物に由来する請求項1又は2記載の硫酸酸性硫酸銅水溶液。
 臭化物イオンがアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩に由来する請求項3記載の硫酸酸性硫酸銅水溶液。
 電解液中の塩化物イオンの濃度が2.5~200mg/Lである請求項1~4何れか一項記載の硫酸酸性硫酸銅水溶液。
 電解液中の膠の濃度が1~10mg/Lである請求項1~5何れか一項記載の硫酸酸性硫酸銅水溶液。
 請求項1~6何れか一項記載の硫酸酸性硫酸銅水溶液を電解液として用い、銅を陰極上に電着させる工程と、
 電着した銅を陰極から剥ぎ取る工程と、
を含む電解銅箔の製造方法。
 電解液の温度45~70℃、電流密度30~150A/m 2 で銅を陰極上に電着させる請求項7記載の製造方法。
 請求項7又は8記載の電解銅箔の製造方法を用いて電解銅箔を得る工程と、
 該銅箔の粗面側を絶縁基板に対向させて、該銅箔を絶縁基板に積層する工程と、
を含む銅張積層板の製造方法。
 Brを含有する電解銅箔。
 請求項1~6何れか一項記載の硫酸酸性硫酸銅水溶液を電解液として用い、銅を陰極上に電着させる工程と、
 電着した銅を陰極から剥ぎ取る工程と、
を含む請求項10記載の電解銅箔の製造方法。
Description:
電解銅箔製造用の電解液

 本発明は電解銅箔の製造に使用される銅 解液に関する。また、本発明は電解銅箔の 造方法に関する。更に、本発明は銅張積層 の製造方法に関する。

 プリント回路板は、各種電子機器を作動 せる上で欠かせない部品であるが、一般に のような製造工程を経て製造される。まず 合成樹脂ボード、フィルム等の絶縁基材に 着剤を介して或いは接着剤を使用せずに高 高圧下で銅箔を積層接着して銅張積層板を 造する。次に、目的とする回路を形成する く必要な回路を印刷した後、不要部を除去 るエッチング処理を施す。最後に、所要の 子部品を半田付けして、種々のプリント回 板とする。

 銅箔には電解銅箔と圧延銅箔とがあるが プリント回路板用に使用される銅箔は、そ 接着強度等の観点から、大部分が電解銅箔 ある。電解銅箔は、電気銅又はそれと同等 純度を有する電線スクラップを原料とし、 れを硫酸銅水溶液中に溶解させて電解浴を 製し、浴中に浸漬されるカソードとしての 転ドラムの周面に電解反応により連続的に を電着させ、所定の厚さとなった電着物を 転ドラムから剥離し、生箔を製造すること 基本とする。その後、プリント回路板用銅 に対する品質要求に応じて、樹脂基材と接 される面(粗面)と非接着面(光沢面)とでそれ ぞれに多くのトリート処理(表面処理)がなさ る。

 近年の電子機器の小型化、高性能化ニー の増大に伴い搭載部品の高密度実装化や信 の高周波化が進展し、プリント回路板に対 て導体パターンの微細化(ファインピッチ化 )や高周波対応等が求められている。そのた 、プリント回路板に使用される銅箔につい 、そのようなプリント回路板の高性能化に えることのできる特性が求められる。具体 には、ピンホールがないこと、寸法安定性 観点から抗張力が高いこと、クラック防止 観点から伸び率が高いことが要求され、そ て、上述したような導体パターンの微細化( ァインピッチ化)や高周波対応等に対応する ために、特に粗面のロープロファイル化が要 求される。

 粗面のロープロファイル化は、膠を電解 に添加することで達成されることが知られ いる。膠はピンホールの防止や回転ドラム 保護する点でも有用である。ところが、膠 添加量を増加させていくと、高温での伸び 低下するという問題がある。そのため、膠 よって与えられるロープロファイル化やピ ホールの防止といった利点を生かしながら 高温での伸び特性を向上させることが望ま る。

 この点に関し、例えば、特公昭49-31415号 報にはポリアルキレングリコール又は膠質 の内何れか1種又は両種と、更に塩素イオン5 ~100mg/Lとを添加した酸性銅電鍍液を電解液と て使用することで、硬さ及び靱性に優れ、 ンホールの少ない銅箔が得られることが記 されている。塩素イオンは電着結晶の微細 を促進し、微小ピンホールの発生を防止す 役割を果たすとされている。

 特開平8-53789号公報には、チオ尿素に特定 量の高分子多糖類と膠を加えた三元系添加剤 の組み合わせが、ロープロファイル化され、 常温及び高温における伸び率が高く、そして 抗張力が高い電解銅箔を得る上で有効である とし、「添加剤として、0.05~2.0重量ppmのチオ 素もしくはその誘導体;0.08~12重量ppmの高分 多糖類;及び分子量10,000以下であって0.03~4.0 量ppmの膠を含有する電解液を用いることを 徴とする電解銅箔の製造方法」が記載され いる。

 また、特開平7-278866号公報には、電解液中 膠濃度を慣行的に使用されてきた量である2~ 10ppmより少なく、具体的には0.5ppm以下にする とが有効であり、これによって電解銅箔の 温伸びが大幅に改善することが記載されて る。また、塩化物イオンを20~100ppm添加しな れば銅箔の基本的特性が一定とならないこ が記載されている。

特公昭49-31415号公報

特開平8-53789号公報

特開平7-278866号公報

 特開平8-53789号公報ではチオ尿素の添加を 必要としているが、当該公報でも指摘されて いるようにチオ尿素はその効果及び弊害が大 きく、精密に添加量を制御する必要がある。 また、有機物であるチオ尿素が分解した場合 、種々の分解物が存在し、これらの分解物が 銅箔特性に与える影響も種々であり、安定し た特性を得るのが困難になっている。

 特開平7-278866号公報では膠濃度を低くし 結果、高温での伸びが改善されたが、ドラ ライフが短くなるという問題がある。すな ち、膠は初期の核発生を均一化する効果が るが、膠濃度が小さいとその効果が少なく る。膠濃度を下げた状態でドラムを使用し けると、ドラム表面の抵抗バラツキが大き なる。ドラム表面の抵抗バラツキが大きく るにつれて初期の核発生の不均一が顕著と り、クラック状の欠陥となって、箔にピン ールが生じる。

 また、本発明者の検討結果によれば、膠 塩化物イオンの系では、高温での伸び特性 表面粗さにいずれもが十分な特性とはいえ い。

 そこで、本発明は、膠の濃度を下げなく も伸び特性を向上させることのできる別の 解銅箔製造用の銅電解液を提供することを 題とする。また、本発明は伸び特性に優れ 電解銅箔の製造方法を提供することを別の 題とする。本発明はそのような銅電銅箔を えた銅張積層板の製造方法を提供すること 更に別の課題とする。

 本発明者は上記課題を解決すべく、鋭意 討したところ、銅電解液中に臭化物イオン 塩化物イオンが共存する場合に、常温及び 温の伸びが改善することを見出した。その め、電解銅箔製造用の銅電解液において、 化物イオンを供給することのできる臭素化 物と塩化物イオンを供給することのできる 素化合物を添加することにより、伸び特性 改善を図ることが可能となる。

 従って、本発明は一側面において、電解 箔製造用の電解液としての、臭化物イオン 、膠と、塩化物イオンとを含有する硫酸酸 硫酸銅水溶液である。

 本発明に係る電解液は一実施形態におい 、電解液中の臭化物イオンの濃度が0.25~200mg /L(ppm)である。

 本発明に係る電解液は別の一実施形態に いて、臭化物イオンが臭素、その無機酸、 の無機塩、又はこれらの混合物に由来する

 本発明に係る電解液は更に別の一実施形 において、電解液中の臭化物イオンがアル リ金属塩およびアルカリ土類金属塩に由来 る。

 本発明に係る電解液は一実施形態におい 、電解液中の塩化物イオンの濃度が2.5~200mg/ Lである。

 本発明に係る電解液は一実施形態におい 、電解液中の膠の濃度が1~10mg/Lである。

 また、本発明は別の一側面において、上記 硫酸酸性硫酸銅水溶液を電解液として用い 銅を陰極上に電着させる工程と、
 電着した銅を陰極から剥ぎ取る工程と、
を含む電解銅箔の製造方法である。

 本発明に係る電解銅箔の製造方法は一実施 態において、電解液の温度45~70℃、電流密 30~150A/dm 2 、で銅を陰極上に電着させる。

 また、本発明は更に別の一側面において、 記の電解銅箔の製造方法を用いて電解銅箔 得る工程と、
 該銅箔の粗面側を絶縁基板に対向させて、 銅箔を絶縁基板に積層する工程と、
を含む銅張積層板の製造方法である。

 また、本発明は更に別の一側面において Brを含有する電解銅箔である。

 また、本発明は更に別の一側面において、 記の硫酸酸性硫酸銅水溶液を電解液として い、銅を陰極上に電着させる工程と、
 電着した銅を陰極から剥ぎ取る工程と、
を含むBrを含有する電解銅箔の製造方法であ 。

 本発明によれば、粗面がロープロファイ であり、且つ高い伸び特性を有する電解銅 を製造することができる。

1.電解液
(1)硫酸酸性硫酸銅水溶液
 本発明において、電解銅箔を製造するため 使用する電解液は硫酸酸性の硫酸銅水溶液 ある。電解銅箔を製造するための電解液と て硫酸酸性硫酸銅水溶液を使用することは 知であり、特に説明を要しないが、一般にC uSO 4 ・5H 2 OとH 2 SO 4 を主成分とし、一般にはCu:60~110g/L、H 2 SO 4 :50~150g/L、典型的にはCu:80~120g/L、H 2 SO 4 :80~105g/Lを含有する。

(2)臭化物イオン
 本発明に係る電解液は臭化物イオンを含有 、その供給源は臭素、その無機酸、その無 塩、又はこれらの混合物である。塩化物イ ンの不在下で臭化物イオンを膠を含む電解 に含有させても塩化物イオンを含有させた 合と同様に、高温での伸び特性、表面粗さ 何れも十分な特性が得られないが、臭化物 オンが膠と塩化物イオンを含有する電解液 に含まれることで、得られる電解銅箔の伸 及び表面粗さが改善する。すなわち、臭化 イオン単独では伸び率や表面粗さへの改善 果はほとんどないが、臭化物イオンと塩化 イオンとが電解液中で共存することによっ 、伸び率および表面粗さが改善することと う相乗効果が現れるのである。
 また、本発明では臭化物イオンを臭素、そ 無機酸、その無機塩、又はこれらの混合物 ら供給しているので、有機物のように分解 る心配はなく、安定した特性が得られると う点でも有利である。

 臭素は液体臭素や臭素水の形態で電解液に 給することができる。臭素の無機酸として 臭化水素酸(HBr)のほか、臭素酸(HBrO 3 )や亜臭素酸(HBrO 2 )のような臭素のオキソ酸が挙げられ、これ は水溶液として供給することができる。臭 の無機塩としては、臭化ナトリウム(NaBr)、 化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr 2 )、臭化マグネシウム(MgBr 2 )のようなアルカリ金属塩及びアルカリ土類 属塩が挙げられる。上記オキソ酸のアルカ 金属塩又はアルカリ土類金属塩でもよい。 化物イオンの供給源は安定性、取り扱いの 易の観点からアルカリ金属塩、アルカリ土 金属塩とするのが好ましい。

 前述したように、これまで塩化物イオン 含有する電解液は知られていたが、塩化物 オンはピンホールの防止の役割を果たすも であった。一方、本発明に使用する臭素は 素と同じハロゲンであるが、伸び特性の改 、更には表面粗さの低減という異質な効果 奏するのである。臭素は抗張力に対する悪 響もほとんどない。

 電解液に添加する臭化物イオン濃度は低す ると表面粗さを低減する効果が少ない。臭 物イオン濃度が高くても改善の効果は十分 られるが、ある程度の効果で一定となって まう。従って、電解液中の臭化物イオン(Br - )濃度は、0.25~200mg/Lとするのが好ましく、10~20 0mg/Lとするのがより好ましく、50~100mg/Lとする のが最も好ましい。

 添加した臭化物イオンは最終的に電解銅 に取り込まれ得ることが分かっており、本 明に係る電解銅箔の一実施態様において、 られた電解銅箔はBrを含有する。

(3)膠
 上述したように、膠には粗面のロープロフ イル化、ピンホールの防止、回転ドラムの 護といった利点を有する。一般に、電解液 に添加される膠は0.1~20mg/Lの濃度範囲である 。粗面のロープロファイル化、ピンホールの 防止、回転ドラムの保護といった膠による利 点を十分に享受する観点から、電解液中の膠 濃度は、0.25~10mg/Lとするのが好ましく、2.0~5.0 mg/Lとするのがより好ましい。

 本発明に使用する膠は、典型的にはゼラ ンを主成分とする分子量が500~250000程度のも のであり、例えば獣・魚類の骨・皮・腱・腸 などから加水分解により製造することができ る。低分子側の膠は、酵素、酸又はアルカリ で一般的な膠を分解することで得ることがで きる。本発明において使用する膠は、ドラム の保護の観点から、数平均分子量1000~75000の のが好ましく、数平均分子量2000~50000のもの より好ましい。

(4)塩化物イオン
 本発明に係る電解液は塩化物イオンを含有 る。塩化物イオンは電着結晶の結晶方位を 化させ、山形の表面形状を形成することで 面粗さを粗くするが、ピンホールの発生を 止する効果がある。塩化物イオンの供給源 しては特に制限はないが、塩酸(HCl)のほか 塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩 化カルシウム(CaCl 2 )、塩化マグネシウム(MgCl 2 )のような無機塩の形態で添加することがで る。塩素水の形態で添加することもできる これらの中でも取り扱いの容易の観点から 希塩酸の形態で塩化物イオンを供給するの 好ましい。

 塩化物イオンは電解液中での濃度が低す るとその効果が十分に得られないが、逆に すぎると表面形状が荒れて、異常析出が発 しやすい。従って、電解液中での塩化物イ ンの濃度は、2.5~200mg/Lとするのが好ましく 10~100mg/Lとするのがより好ましく、25~75mg/Lと るのが最も好ましい。

(5)その他の添加物
 一般に、電解銅箔を製造するために、使用 る電解液には各種の添加剤を添加すること 、得られる電解銅箔の特性向上を図ってい が、本発明に係る電解液にはBr - による特性向上効果を妨害したり、打ち消し たりしてしまう添加剤は添加しないのが好ま しい。例えば、リン酸系化合物、アミン化合 物、有機硫黄化合物(例:チオ尿素)なども添加 剤として知られているが、このような添加剤 を本発明に係る電解液に添加すると、高温で の機械特性を低下させるといった悪影響を与 えるため、本発明に係る電解液には含有させ ないのが好ましい。但し、高分子多糖類、ポ リエチレングリコールのような添加剤はBr添 による特性向上効果に悪影響を及ぼさない 及ぼしたとしても軽微であるので、適宜使 可能である。

2.電解銅箔の製造
 電解銅箔は、本発明に係る電解液を用い、 法に従って製造することができる。すなわ 、上記の硫酸酸性硫酸銅水溶液を電解液と て用い、銅を陰極上に電着させ、電着した を陰極から剥ぎ取ることにより製造するこ ができる。より具体的には、表面を研磨し 回転する金属製陰極ドラムと、該陰極ドラ のほぼ下半分の位置に配置した該陰極ドラ の周囲を囲む不溶性金属アノード(陽極)を 用し、前記陰極ドラムとアノードとの間に 解液を流動させるとともに、これらの間に 位を与えて陰極ドラム上に銅を電着させ、 定厚みになったところで該陰極ドラムから 着した銅を引き剥がして連続的に銅箔を製 することができる。銅箔の厚みとしては特 制限はないが、ファインピッチ用の銅箔で れば18μm以下とするのが一般的である。この ようにして得た銅箔には更に表面処理工程及 び切断工程を経て銅箔製品となる。表面処理 工程では粗化処理、耐熱層形成及び/又は防 層形成等を行うのが一般的である。

 但し、本発明に係る電解液中に含まれる臭 物イオンの効果を最大限に発揮するために 一定の電解条件下で電解銅箔を電着させる が好ましい。
 まず、好ましい電解液の温度は40~75℃、よ 好ましくは45~70℃である。電解液の温度が低 すぎるとやけめっきになりやすく、正常な銅 箔が得られない。逆に高すぎると膠の分解が 速く、分解物の蓄積が多くなり、機械特性の 低下が生じやすくなる。
 また、好ましい電流密度は30~150A/dm 2 、より好ましくは60~130A/dm 2 である。電流密度が低すぎると生産スピード が遅くなり、生産性が低下する。逆に高すぎ るとやけめっきになり、正常な銅箔が得られ ない。

3.銅張積層板の製造
 上記のように製造された銅箔製品を用いて 常法に従って銅張積層板を製造することが きる。具体的には、該銅箔の粗面側を絶縁 板に対向させて、該銅箔を絶縁基板に積層 ることで銅張積層板を製造することができ 。

 銅箔と絶縁基板を接着させる方法として 、例えば、加熱加圧する方法、接着剤を用 る方法、絶縁基板となるポリマーの前駆体 溶剤に分散して塗布したのちに加熱重合反 させるもの等がある。

 銅箔が積層される絶縁基板はプリント回 板(PCB)に適用可能な特性を有するものであ ば特に制限を受けないが、例えば、リジッ PCB用に紙基材フェノール樹脂、紙基材エポ シ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガ ス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布 ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガ ス布基材エポキシ樹脂等を使用し、FPC用に リエステルフィルムやポリイミドフィルム を使用する事ができる。

 銅張積層板を常法によって加工すること 、各種のプリント配線板、更にはプリント 路板を形成することができる。

 以下、本発明及びその利点をより理解す ために実施例を紹介するが、本発明はこれ の実施例に限定されるものではない。

試験例1(Br - の濃度変化による影響)
 Cu:90g/L、H 2 SO 4 :80g/Lの硫酸酸性硫酸銅水溶液に膠(数平均分 量20000)、臭化カリウム及び塩酸を添加して 解液を調製し、クロム製陰極ドラム(外径0.64 m)上に、厚さ18μmの電解銅箔を連続製造した

 電解液中の膠、臭化物イオン及び塩化物イ ンの電解液中の濃度は以下の方法で測定し 。各例について、測定結果を表1に示す。
<膠>
 CVS分析装置(北斗電工社製)
 既知の膠濃度に対して、CVS法(cyclic voltammetr ic stripping method)にて測定した銅が電解液中 溶解することにより発生するクーロン量か 検量線を作成し、実際の電解液にてCVSを測 した値を比較することにより、膠濃度を決 した。
<臭化物イオン>
 イオンクロマトグラフ(DIONEX社製、型式ICS-20 00)
<塩化物イオン>
 イオンクロマトグラフ(DIONEX社製、型式ICS-20 00)

 得られた電解銅箔の粗面側の表面粗さRa、Rt 及びRz(μm)は、JISB0601に準じて小坂研究所社製 型式SE-3Cを用いて測定し、室温抗張力(kgf/mm 2 )、室温伸び(%)、高温抗張力(kgf/mm 2 )、高温伸び(%)、はIPC-TM650に準じて島津製作 社製型式AGS-H-500Nを用いて測定した。各例に いて、測定結果を表1に示す。

 ドラムライフは以下のように評価した。 さ18μm箔を連続的に製箔し、6時間毎に周期 なピンホールの有無を調べ、周期的なピン ールが5個以上になったときをドラムライフ とした。

試験例2(膠の濃度変化による影響)
 試験例1のNo.2を基準にして、電解液中の膠 度を変化させたときの電解銅箔の特性変化 調べた。結果を表2に示す。

試験例3(塩化物イオン変化による 響)
 電解液中の塩化物イオン濃度を変化させた きの電解銅箔の特性変化を調べた。結果を 3に示す。

考察
 表1より、Cl - を含有する電解液にBr - を添加することで、ドラムライフや表面粗さ に悪影響を与えることなく、室温及び高温で の伸び率が改善していくことが分かる。また 、Br濃度を増加させるにつれて伸び率も上昇 、概ね100mg/Lで効果が飽和していることがわ かる。
 表2より、膠の濃度を適正化することで、ド ラムライフ及び得られる銅箔の特性向上が可 能であることが分かる。
 表3より、添加するCl - はかなり低濃度でよいことがわかる。No.21とN o.22を比べることにより、Br - 単独添加ではあまり効果が見られないことが わかる。

電解銅箔中のBrの有無
 No.1,5,7で得られた電解銅箔について、TOF-SIMS (日立ハイテクトレーディング社型式TOF-SIMS I V)により銅箔にBrが含まれるか調べた。その 果、何れの電解銅箔からも10 5 オーダー(ion counts)のBr強度が検出された。