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Patent Searching and Data


Title:
ELECTROMAGNETIC BANDGAP STRUCTURE AND METHOD FOR MANUFACTURE THEREOF, FILTER ELEMENT AND FILTER ELEMENT-INCORPORATING PRINTED CIRCUIT BOARD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/131140
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an electromagnetic bandgap EBG structure comprising: a rigid substrate; a first conductive plane provided on this rigid substrate; a dielectric layer provided on this first conductive plane; a plurality of small conductive elements provided in a regular two-dimensional arrangement on this dielectric layer; an interlayer insulating layer provided on this plurality of small conductive elements; and a second conductive plane provided on this interlayer insulating layer, wherein: the plurality of small conductive elements are each connected to the second conductive plane by a plurality of conductors that pass through the interlayer insulating layer. A filter element and printed circuit board incorporating this filter element are manufactured using this EBG structure.

Inventors:
TAKEMURA KOICHI (JP)
ANDO NORIAKI (JP)
TSUKAGOSHI TSUNEO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057968
Publication Date:
October 29, 2009
Filing Date:
April 22, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NEC CORP (JP)
TAKEMURA KOICHI (JP)
ANDO NORIAKI (JP)
TSUKAGOSHI TSUNEO (JP)
International Classes:
H01P11/00; H01P7/00; H01Q15/14
Foreign References:
US20050029632A12005-02-10
US20070146102A12007-06-28
Other References:
"2005 IEEE/ACES International Conference on Wireless Communications and Applied Computational Electromagnetics", April 2005, IEEE, article S.SHAHPARNIA ET AL.: "Ultra-wideband miniaturized electromagnetic bandgap structures embedded in printed circuit boards: theory, modeling and experimental validation", pages: 791 - 796
MU-SHUI ZHANG ET AL.: "A Double-Surface Electromagnetic Bandgap Structure With One Surface Embedded in Power Plane for Ultra- Wideband SSN Suppression", IEEE MICROWAVE AND WIRELESS COMPONENTS LETTERS, vol. 17, no. 10, October 2007 (2007-10-01), pages 706 - 708
MU-SHUI ZHANG ET AL.: "A Power Plane With Wideband SSN Suppression Using a Multi-Via Electromagnetic Bandgap Structure", IEEE MICROWAVE AND WIRELESS COMPONENTS LETTERS, vol. 17, no. 4, April 2007 (2007-04-01), pages 307 - 309
Attorney, Agent or Firm:
KATO, Asamichi (JP)
Asamichi Kato (JP)
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Claims:
 リジッド基板と、該リジッド基板上に設けられた第1の導体プレーンと、該第1の導体プレーン上に設けられた誘電体層と、該誘電体層上に2次元的に規則的に配列して設けられた複数の導体小片と、該複数の導体小片上に設けられた層間絶縁層と、該層間絶縁層上に設けられた第2の導体プレーンと、を備え、
 前記複数の導体小片の各々と前記第2の導体プレーンとが前記層間絶縁層を貫通する複数の導体で接続されている、
ことを特徴とする電磁バンドギャップ構造。
 前記誘電体層の厚さが1μm以下である、請求項1記載の電磁バンドギャップ構造。
 前記誘電体層が、主成分として、Mg、Al、Si、Ti、Ta、Hf、及びZrから選ばれた少なくとも1つの元素の酸化物を含有する、請求項1又は2に記載の電磁バンドギャップ構造。
 前記誘電体層が、主成分として金属元素の複合酸化物を含有する、請求項1又は2に記載の電磁バンドギャップ構造。
 前記第1の導体プレーンが、前記リジッド基板側から、Ti、Ta、Cr、Tiの窒化物、Taの窒化物、及びCrの窒化物から選ばれた少なくとも1つの材料から構成される層を1以上設けた中間層と、該中間層の上に形成され、Pt、Pd、Ru、及びIrから選ばれた少なくとも1以上の元素から構成される層を1以上設けた高融点導電層と、を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の電磁バンドギャップ構造。
 前記リジッド基板が導体又は半導体から構成される、請求項1~5のいずれか1項に記載の電磁バンドギャップ構造。
 前記リジッド基板と前記第1の導体プレーンとが電気的に接続されている、請求項6に記載の電磁バンドギャップ構造。
 前記導体又は半導体が、Si、GaAs、ステンレス、タングステン、モリブデン、及びチタンから選ばれた少なくとも1つである、請求項6に記載の電磁バンドギャップ構造。
 前記リジッド基板が、ガラス、サファイア、石英、及びアルミナから選ばれた少なくとも1つの材料から構成される、請求項1~5のいずれか1項に記載の電磁バンドギャップ構造。
 前記リジッド基板の両面のうちの前記第1の導体プレーンが設けられていない側の面に設けられた裏面パッドと、該裏面パッドと電気的に接続されるとともに、前記リジッド基板を貫通して前記第1の導体プレーン又は前記第2の導体プレーンに接続された貫通電極と、を有する請求項1~9のいずれか1項に記載の電磁バンドギャップ構造。
 請求項1~10のいずれか1項に記載の電磁バンドギャップ構造と、該電磁バンドギャップ構造の第1の導体プレーンに接続する第1の外部接続端子と、前記バンドギャップ構造の第2の導体プレーンに接続する第2の外部接続端子と、を有する、ことを特徴とするフィルタ素子。
 前記第1の外部接続端子及び前記第2の外部接続端子が、それぞれが2以上存在する、請求項11に記載のフィルタ素子。
 前記フィルタ素子の面積が1cm 2 より小さい、請求項11又は12に記載のフィルタ素子。
 請求項11~13のいずれか1項に記載のフィルタ素子と、該フィルタ素子が埋め込まれたプリント基板と、を有し、
 前記フィルタ素子の第1の外部接続端子が前記プリント基板の電源プレーンに接続され、前記フィルタ素子の第2の外部接続端子が前記プリント基板のグラウンドプレーンに接続されるか、
 又は、前記フィルタ素子の第1の外部接続端子が前記プリント基板のグラウンドプレーンに接続され、前記フィルタ素子の第2の外部接続端子が前記プリント基板の電源プレーンに接続される、
ことを特徴とする、フィルタ素子内蔵プリント基板。
 リジッド基板上に第1の導体プレーンを形成する第1の導体プレーン形成工程と、
 前記第1の導体プレーン上に誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、
 前記誘電体層上に2次元的に規則的に配列して設けられた複数の導体小片を形成する導体小片形成工程と、
 前記複数の導体小片上に層間絶縁層を形成する層間絶縁層形成工程と、
 前記層間絶縁層上に設けられる第2の導体プレーンを形成し、前記層間絶縁層を貫通して前記複数の導体小片の各々と前記第2の導体プレーンとを接続する複数の導体を形成する第2の導体プレーン・導体形成工程と、
を有する、ことを特徴とする電磁バンドギャップ構造の製造方法。
 前記誘電体層形成工程において、前記誘電体層の厚さを1μm以下に形成する、請求項15に記載の電磁バンドギャップ構造の製造方法。
 前記誘電体層形成工程において、主成分として、Mg、Al、Si、Ti、Ta、Hf、及びZrから選ばれた少なくとも1つの元素の酸化物を用いて前記誘電体層を形成する、請求項15又は16に記載の電磁バンドギャップ構造の製造方法。
 前記誘電体層形成工程において、主成分として金属元素の複合酸化物を用いて前記誘電体層を形成する、請求項15又は16に記載の電磁バンドギャップ構造の製造方法。
 前記誘電体層形成工程において、前記誘電体層が、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法、エアロゾルデポジション法、及びスピン塗布法から選ばれた少なくとも1つの方法で形成される、請求項15~18のいずれか1項に記載の電磁バンドギャップ構造の製造方法。
 前記第1の導体プレーン形成工程が、前記リジッド基板側から、Ti、Ta、Cr、Tiの窒化物、Taの窒化物、及びCrの窒化物から選ばれた少なくとも1つの材料から構成される層を1以上設けた中間層を形成する中間層形成工程と、Pt、Pd、Ru、及びIrから選ばれた少なくとも1以上の元素から構成される層を1以上設けた高融点導電層を前記中間層の上に形成する高融点導電層形成工程と、を有する、請求項15~19のいずれか1項に記載の電磁バンドギャップ構造の製造方法。
 前記リジッド基板が導体又は半導体から構成される、請求項15~20のいずれか1項に記載の電磁バンドギャップ構造の製造方法。
 第1の導体プレーン形成工程において、前記リジッド基板と前記第1の導体プレーンとを電気的に接続する、請求項21に記載の電磁バンドギャップ構造の製造方法。
 前記導体又は半導体が、Si、GaAs、ステンレス、タングステン、モリブデン、及びチタンから選ばれた少なくとも1つである、請求項21に記載の電磁バンドギャップ構造の製造方法。
 前記リジッド基板が、ガラス、サファイア、石英、及びアルミナから選ばれた少なくとも1つの材料から構成される、請求項15~20のいずれか1項に記載の電磁バンドギャップ構造の製造方法。
 前記第1の導体プレーン形成工程において、前記リジッド基板上に高耐熱性樹脂を塗布した後に前記第1の導体プレーンを形成する、請求項15~24のいずれか1項に記載の電磁バンドギャップ構造の製造方法。
 前記第2の導体プレーン・導体形成工程の後に、前記リジッド基板を研削又はエッチングすることにより前記リジッド基板を薄くする又は除去するリジッド基板薄化・除去工程を、さらに有する、請求項15~25のいずれか1項に記載の電磁バンドギャップ構造の製造方法。
 前記リジッド基板薄化・除去工程において、前記電磁バンドギャップ構造の厚さが300μm以下となるように、前記リジッド基板を薄くする又は除去する、請求項26に記載の電磁バンドギャップ構造の製造方法。
 前記第1の導体プレーン形成工程の前に設けられ、前記リジッド基板に貫通ビアを設けるリジッド基板貫通ビア形成工程と、
 前記リジッド基板の両面のうちの前記第1の導体プレーンが設けられていない側の面に裏面パッドを設ける裏面パッド形成工程と、
を有する、請求項15~27のいずれか1項に記載の電磁バンドギャップ構造の製造方法。
Description:
電磁バンドギャップ構造及びそ 製造方法、フィルタ素子、フィルタ素子内 プリント基板

[関連出願の記載]
 本発明は、日本国特許出願:特願2008-111285号( 2008年4月22日出願)の優先権主張に基づくもの あり、同出願の全記載内容は引用をもって 書に組み込み記載されているものとする。
 本発明は、電磁バンドギャップ構造、フィ タ素子、フィルタ素子内蔵プリント基板、 び電磁バンドギャップ構造の製造方法に関 る。

 特定の周波数帯においてバンドギャップ 有する電磁バンドギャップ構造(以下、EBG構 造という場合がある。)は、誘電体又は導体 2次元的又は3次元的に規則的に配列し、特定 周波数帯の電磁波の伝播を抑制又は大きく減 衰させるようなバンドギャップとよばれる周 波数領域を形成するものである。近年、この EBG構造の特徴を利用した、アンテナやノイズ フィルタ等が提案されている。

 具体的なEBG構造として、特許文献1では、 表面電流を抑えたグランドプレーンを提供す ること等を課題としている。具体的には、上 面金属パッチがメッシュ内でプレートの上方 にそれと重なり合って設けられ、プレートか ら薄い誘電体スペーサで隔てられているグラ ンドプレーンメッシュが開示されている。よ り具体的には、導体プレーン上に、多角形平 板状の導体小片と導体柱により構成される画 鋲状の導体要素が周期的に配置され、各導体 要素が導体プレーンへ接続された構造が開示 されている。

 特許文献2、非特許文献1には、導体プレー 上に、多角形平板状の導体小片と導体柱に り構成される画鋲状の導体要素が周期的に 置され、各導体要素が導体プレーンへ接続 れており、さらに導体小片に対向して誘電 層を介して別の導体プレーンが積層した構 が開示されている。

特表2002-510886号公報(要約、第0003段落、 0039段落、図26)

米国特許出願公開第2005/0029632号明細書(FI G.1,2、第0053段落) S.D.Rodgers,“Electromagnetic-Bandgap Layers for B road-Band Suppression of TEM Modes in Power Planes” ,IEEE Trans. On Microwave Theory and Techniques,vol.53 ,No.8,August 2005,p.2495-2505

 なお、上記特許文献1、2及び非特許文献1の 開示内容はその引用をもって本書に繰込み 載する。以下の分析は、本発明によって与 られたものである。
 特許文献1で開示されているEBG構造は、導体 小片間のキャパシタンス(C)と、導体要素と導 体プレーンから構成されるインダクタンス(L) とが2次元的に配列した分布定数回路と考え ことができる。このようなEBG構造は1/√LC近 の周波数帯にバンドギャップを形成するた 、導体要素の形状や配列を適切に設計する とにより、所望の周波数帯の電磁波の伝播 抑制するフィルタ等の機能を発現させるこ ができる。

 特許文献2、非特許文献1は、簡単には導 小片と対向する導体プレーン間のキャパシ ンスや、導体要素と導体プレーンから構成 れるインダクタンスが2次元的に配列した分 定数回路と考えることができる。このよう EBG構造も、キャパシタンスやインダクタン に応じて特定の周波数帯にバンドギャップ 形成し、導体要素の形状や配列を適切に設 することにより、所望の周波数帯の電磁波 伝播を抑制するフィルタ等の機能を発現さ ることができる。

 こうしたEBG構造を、携帯電話、デジタル 電、情報機器等の適用分野へ拡大するため は、高密度実装を可能とするEBG構造の小型 が課題となる。また、バンドギャップの周 数帯を広範囲に制御できること、特に数GHz 下の周波数域で利用できることも課題とな 。ここで、EBG構造のバンドギャップが発現 る周波数は、キャパシタンスに着目すると キャパシタンスが大きいほど低周波側で発 する。このため、面積を増加させずにキャ シタンスを大きくするためには、電極間隔 小さくする、或いは比誘電率が大きな誘電 を用いることが重要となる。

 こうした傾向と合わせて、特許文献2、非 特許文献1において、帯域幅を広げるために 導体小片と対向する導体プレーンとの間の 隔(t2)、そこへ充填される誘電体の比誘電率( ε2)、導体小片と導体小片に接続される導体 レーンとの間の間隔(t1)、及びそこへ充填さ る誘電体の比誘電率(ε1)、の関係が、特許 献2にはt2<t1、ε2≧ε1となることが好まし ことが開示され、非特許文献1にはt2≪t1、ε2 ≫ε1となることが好ましいことが開示されて いる。

 しかしながら、特許文献1,2、非特許文献1で 紹介されているEBG構造は、バンドギャップの 発現は実現されるが、導体小片の大きさが数 mm□、EBG構造全体で数cm□のサイズが必要で り、電子機器へ実装することは困難である いう課題がある。これは、上記EBG構造が、 リント基板プロセス、材料で作製されてい ために、比誘電率は3~5程度、厚さも数10μm以 上の誘電体材料を使うことに起因している。 例えば、平行平板電極間に生じるキャパシタ ンスは、これらの材料を用いると1mm 2 あたり数pF程度にしかならない。

 実際に、非特許文献1には、数mm□の導体 片で構成されていることが記載されている また、特許文献2のFIG.1,2には、第2の導体プ ーン、層間絶縁層、2次元的に規則的に配列 して設けられた複数の導体小片、誘電体層、 及び第1の導体プレーンを有し、上記の複数 導体小片の各々と第2の導体プレーンとが層 絶縁層を貫通する複数の導体で接続されて るEBG構造が開示されている。しかしながら 本発明者等の検討によれば、こうした積層 番では、EBG構造の小型化を図ることができ いことが判明した。なぜなら、キャパシタ スを大きくしつつ小型化を達成する1つの方 法として、上述のとおり誘電体層の厚さを薄 くすることが必要となるところ、複数の導体 小片、誘電体層、及び第1の導体プレーンを の順に設けるEBG構造では、複数の導体小片 より形成される凹凸により誘電体層を薄く けることができないからである。

 このように、平行平板電極間のキャパシ ンスを増加させる、又は単位面積当たりの ャパシタンスを増加させて小型化するため は、電極間隔を小さくすることや、電極間 設ける誘電体層に誘電率が高い材料を用い ことが考えられる。これをEBG構造において 体的に説明すれば、複数の導体小片と対抗 て位置する第1の導体プレーンとの間隔を小 さくすること、複数の導体小片と第1の導体 レーンとの間に設ける誘電体層に誘電率の い材料を用いること、が有効となる。とこ が、こうしたEBG構造を実現する具体的な手 は未だ見出されておらず、EBG構造につき所 の小型化が達成できていないのが実情であ 。

 本発明の第1の目的は、上記問題を解決す るためになされたものである。より具体的に は、特定の周波数帯においてバンドギャップ を有し、小型・薄型のEBG構造を提供すること にある。

 本発明の第2の目的は、上記問題を解決す るためになされたものである。より具体的に は、特定の周波数帯においてバンドギャップ を有し、小型・薄型のEBG構造を用いたフィル タ素子を提供することにある。

 本発明の第3の目的は、上記問題を解決す るためになされたものである。より具体的に は、特定の周波数帯においてバンドギャップ を有し、小型・薄型のEBG構造を用いたフィル タ素子を内蔵するフィルタ素子内蔵プリント 基板を提供することにある。

 本発明の第4の目的は、上記問題を解決す るためになされたものである。より具体的に は、特定の周波数帯においてバンドギャップ を有し、小型・薄型のEBG構造を製造すること ができるEBG構造の製造方法を提供することに ある。

 本発明の第1の視点においてEBG構造は、リ ジッド基板と、該リジッド基板上に設けられ た第1の導体プレーンと、該第1の導体プレー 上に設けられた誘電体層と、該誘電体層上 2次元的に規則的に配列して設けられた複数 の導体小片と、該複数の導体小片上に設けら れた層間絶縁層と、該層間絶縁層上に設けら れた第2の導体プレーンと、を備え、前記複 の導体小片の各々と前記第2の導体プレーン が前記層間絶縁層を貫通する複数の導体で 続されている。

 本発明のEBG構造の好ましい態様において 、前記誘電体層の厚さが1μm以下である。

 本発明のEBG構造の好ましい態様において 、前記誘電体層が、主成分として、Mg、Al、 Si、Ti、Ta、Hf、及びZrから選ばれた少なくと 1つの元素の酸化物を含有する。

 本発明のEBG構造の好ましい態様において 、前記誘電体層が、主成分として金属元素 複合酸化物を含有する。

 本発明のEBG構造の好ましい態様において 、前記第1の導体プレーンが、前記リジッド 基板側から、Ti、Ta、Cr、Tiの窒化物、Taの窒 物、及びCrの窒化物から選ばれた少なくとも 1つの材料から構成される層を1以上設けた中 層と、該中間層の上に形成され、Pt、Pd、Ru 及びIrから選ばれた少なくとも1以上の元素 ら構成される層を1以上設けた高融点導電層 と、を有する。

 本発明のEBG構造の好ましい態様において 、前記リジッド基板が導体又は半導体から 成される。

 本発明のEBG構造の好ましい態様において 、前記リジッド基板と前記第1の導体プレー ンとが電気的に接続されている。

 本発明のEBG構造の好ましい態様において 、前記導体又は半導体が、Si、GaAs、ステン ス、タングステン、モリブデン、及びチタ から選ばれた少なくとも1つである。

 本発明のEBG構造の好ましい態様において 、前記リジッド基板が、ガラス、サファイ 、石英、及びアルミナから選ばれた少なく も1つの材料から構成される。

 本発明のEBG構造の好ましい態様は、前記 ジッド基板の両面のうちの前記第1の導体プ レーンが設けられていない側の面に設けられ た裏面パッドと、該裏面パッドと電気的に接 続されるとともに、前記リジッド基板を貫通 して前記第1の導体プレーン又は前記第2の導 プレーンに接続された貫通電極と、を有す 。

 本発明の第2の視点においてフィルタ素子 は、前記電磁バンドギャップ構造と、該電磁 バンドギャップ構造の第1の導体プレーンに 続する第1の外部接続端子と、前記バンドギ ップ構造の第2の導体プレーンに接続する第 2の外部接続端子と、を有する。

 本発明のフィルタ素子の好ましい態様に いては、前記第1の外部接続端子及び前記第 2の外部接続端子が、それぞれが2以上存在す 。

 本発明のフィルタ素子の好ましい態様にお ては、前記フィルタ素子の面積が1cm 2 より小さい。

 本発明の第3の視点においてフィルタ素子 内蔵プリント基板は、前記フィルタ素子と、 該フィルタ素子が埋め込まれたプリント基板 と、を有し、前記フィルタ素子の第1の外部 続端子が前記プリント基板の電源プレーン 接続され、前記フィルタ素子の第2の外部接 端子が前記プリント基板のグラウンドプレ ンに接続されるか、又は、前記フィルタ素 の第1の外部接続端子が前記プリント基板の グラウンドプレーンに接続され、前記フィル タ素子の第2の外部接続端子が前記プリント 板の電源プレーンに接続される。

 本発明の第4の視点においてEBG構造の製造 方法は、リジッド基板上に第1の導体プレー を形成する第1の導体プレーン形成工程と、 記第1の導体プレーン上に誘電体層を形成す る誘電体層形成工程と、前記誘電体層上に2 元的に規則的に配列して設けられた複数の 体小片を形成する導体小片形成工程と、前 複数の導体小片上に層間絶縁層を形成する 間絶縁層形成工程と、前記層間絶縁層上に けられる第2の導体プレーンを形成し、前記 間絶縁層を貫通して前記複数の導体小片の 々と前記第2の導体プレーンとを接続する複 数の導体を形成する第2の導体プレーン・導 形成工程と、を有する。

 本発明のEBG構造の製造方法の好ましい態 においては、前記誘電体層形成工程におい 、前記誘電体層の厚さを1μm以下に形成する 。

 本発明のEBG構造の製造方法の好ましい態 においては、前記誘電体層形成工程におい 、主成分として、Mg、Al、Si、Ti、Ta、Hf、及 Zrから選ばれた少なくとも1つの元素の酸化 を用いて前記誘電体層を形成する。

 本発明のEBG構造の製造方法の好ましい態 においては、前記誘電体層形成工程におい 、主成分として金属元素の複合酸化物を用 て前記誘電体層を形成する。

 本発明のEBG構造の製造方法の好ましい態 においては、前記誘電体層形成工程におい 、前記誘電体層が、スパッタ法、CVD法、ゾ ゲル法、エアロゾルデポジション法、及び ピン塗布法から選ばれた少なくとも1つの方 法で形成される。

 本発明のEBG構造の製造方法の好ましい態 においては、前記第1の導体プレーン形成工 程が、前記リジッド基板側から、Ti、Ta、Cr、 Tiの窒化物、Taの窒化物、及びCrの窒化物から 選ばれた少なくとも1つの材料から構成され 層を1以上設けた中間層を形成する中間層形 工程と、Pt、Pd、Ru、及びIrから選ばれた少 くとも1以上の元素から構成される層を1以上 設けた高融点導電層を前記中間層の上に形成 する高融点導電層形成工程と、を有する。

 本発明のEBG構造の製造方法の好ましい態 においては、前記リジッド基板が導体又は 導体から構成される。

 本発明のEBG構造の製造方法の好ましい態 においては、第1の導体プレーン形成工程に おいて、前記リジッド基板と前記第1の導体 レーンとを電気的に接続する。

 本発明のEBG構造の製造方法の好ましい態 においては、前記導体又は半導体が、Si、Ga As、ステンレス、タングステン、モリブデン 及びチタンから選ばれた少なくとも1つであ る。

 本発明のEBG構造の製造方法の好ましい態 においては、前記リジッド基板が、ガラス サファイア、石英、及びアルミナから選ば た少なくとも1つの材料から構成される。

 本発明のEBG構造の製造方法の好ましい態 においては、前記第1の導体プレーン形成工 程において、前記リジッド基板上に高耐熱性 樹脂を塗布した後に前記第1の導体プレーン 形成する。

 本発明のEBG構造の製造方法の好ましい態 においては、前記第2の導体プレーン・導体 形成工程の後に、前記リジッド基板を研削又 はエッチングすることにより前記リジッド基 板を薄くする又は除去するリジッド基板薄化 ・除去工程を、さらに有する。

 本発明のEBG構造の製造方法の好ましい態 においては、前記リジッド基板薄化・除去 程において、前記電磁バンドギャップ構造 厚さが300μm以下となるように、前記リジッ 基板を薄くする又は除去する。

 本発明のEBG構造の製造方法の好ましい態 は、前記第1の導体プレーン形成工程の前に 設けられ、前記リジッド基板に貫通ビアを設 けるリジッド基板貫通ビア形成工程と、前記 リジッド基板の両面のうちの前記第1の導体 レーンが設けられていない側の面に裏面パ ドを設ける裏面パッド形成工程と、を有す 。

 本発明の一視点によれば、特定の周波数 においてバンドギャップを有し、小型・薄 のEBG構造を提供することができる。より具 的には、誘電体層を薄化し、高誘電率化す ことで、第1の導体プレーンと複数の導体小 片との間の単位面積当たりのキャパシタンス を大幅に増加させられるので、電子部品とし て表面実装されたり、基板内蔵が可能な小型 で薄化されたEBG構造を提供することができる 。さらに、誘電体層を薄化し、高誘電率化す ることで、第1の導体プレーンと複数の導体 片との間のキャパシタンスを大幅に増加さ られるので、従来以上の低周波数帯にバン ギャップが制御されたEBG構造を提供するこ ができる。

 本発明の一視点によれば、特定の周波数 においてバンドギャップを有し、小型・薄 のEBG構造を用いたフィルタ素子を提供する とができる。

 本発明の一視点によれば、特定の周波数 においてバンドギャップを有し、小型・薄 のEBG構造を用いたフィルタ素子を内蔵する ィルタ素子内蔵プリント基板を提供するこ ができる。

 本発明の一視点によれば、特定の周波数 においてバンドギャップを有し、小型・薄 のEBG構造を製造することができるEBG構造の 造方法を提供することができる。

本発明のEBG構造の第1の実施例の模式的 な斜視図と断面図である。 図1のEBG構造を単純化した等価回路であ る。 本発明のEBG構造の製造方法の第1の実施 例を示す模式的な工程図である。 本発明のEBG構造の第2の実施例の模式的 な断面図である。 図4のEBG構造の製造方法(第2の実施例)を 示す模式的な工程図である。 本発明のEBG構造の第4の実施例を示す模 式的な斜視図である。 本発明のフィルタ素子の実施例の模式 な断面図である。 本発明のフィルタ素子内蔵プリント基 の実施例の模式的な断面図である。 本発明のEBG構造の製造方法の第4の実施 例を示す模式的な工程図である。 本発明のEBG構造の第5の実施例を示す 式的な断面図である。 図10のEBG構造の製造方法(第5の実施例) 示す模式的な工程図である。 本発明のEBG構造の第3の実施例を示す 式的な断面図である。 図12のEBG構造の製造方法(第3の実施例) 示す模式的な工程図である。

 以下、本発明の実施例につき説明するが 本発明は以下の実施例に限定されるもので なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお て任意に変形して実施することができる。

 (EBG構造、EBG構造の製造方法)
 図1は、本発明のEBG構造の第1の実施例の模 的な斜視図と断面図である。具体的には、 1(a)は、EBG構造1aの模式的な斜視図であり、 部構造がわかりやすいように、カバー層37、 第2の導体プレーン16の一部、及び層間絶縁層 15を省略して描いている。また、図1(b)は、EBG 構造1aの模式的な断面図である。図2は、図1 EBG構造を単純化した等価回路である。

 EBG構造1aは、リジッド基板11と、リジッド 基板11上に設けられた第1の導体プレーン12と 第1の導体プレーン12上に設けられた誘電体 13と、誘電体層13上に2次元的に規則的に配 して設けられた複数の導体小片14と、複数の 導体小片14上に設けられた層間絶縁層15と、 間絶縁層15上に設けられた第2の導体プレー 16と、を備え、複数の導体小片14の各々と第2 の導体プレーン16とが層間絶縁層15を貫通す 複数の導体17で接続されている。

 EBG構造1aにおいては、リジッド基板11を用 い、リジッド基板11上に、第1の導体プレーン 12、誘電体層13、複数の導体小片14、層間絶縁 層15、及び第2の導体プレーン16の積層構造を 用している。これにより、誘電体層13の薄 化が可能となり、EBG構造1aの小型化を実現す ることができる。なお、EBG構造1aは、第2の導 体プレーン16上にカバー層37をさらに設けて る。

 すなわち、EBG構造1aにおいて、キャパシ ンスを大きくし、単位面積当たりのキャパ タンスを増加させて小型化を図るためには 電極間隔を小さくすること、すなわち誘電 層13を薄く設けることが重要となる。この点 につき、本発明者等が検討したところ、誘電 体層を薄く設けるためには、独立したシート を積層する方法ではなく、誘電体層13を直接 布や堆積させる方法が有効であることが判 した。しかし、複数の導体小片、誘電体層 及び第1の導体プレーンをこの順に設けるEBG 構造では、複数の導体小片上に誘電体層を塗 布・堆積させることとなるが、この場合は、 導体小片の凹凸のために均一で薄い誘電体層 の形成が困難となるのである。そこで、EBG構 造1aにおいては、平坦性の高いリジッド基板1 1を採用し、リジッド基板11上に第1の導体プ ーン12を形成している。これにより、誘電体 層13を平坦な表面上へ堆積させることができ ので、誘電体層13を薄く形成することがで る。その結果、第1の導体プレーン12と、複 の導体小片14との間のキャパシタンスを増加 させることができ、より低周波域にバンドギ ャップを発現させることが可能となる。同様 に、単位面積当たりのキャパシタンスを増加 させることは導体小片14を小型化できること なるので、EBG構造1a全体の小型化が実現で る。

 EBG構造1aにおいては、上述のとおり、リ ッド基板11上に第1の導体プレーン12が形成さ れ、誘電体層13を介して2次元的に規則配列し た導体小片14が対向している。導体小片14の 々は導体17を介して第2の導体プレーン16と接 続された構造となっている。EBG構造1aにおい は、導体小片14と第1の導体プレーン12との で形成されるキャパシタンス要素21(図2参照) と、導体小片14、導体17、及び第2の導体プレ ン16の一部がインダクタンス要素22(図2参照) と、を形成しており、バンドギャップが生じ る周波数帯はこれらのキャパシタンス、イン ダクタンスによって制御することができる。 例えば、電源ノイズ抑制フィルタとしてEBG構 造1aを利用する場合、第1の導体プレーン12と 2の導体プレーン16それぞれを電源ライン、 ラウンドラインに接続する。キャパシタン とインダクタンスを適切な値になるような 状にすることで、所望の周波数帯のノイズ 抑制することが可能となる。

 EBG構造1aにおいては、上述のとおり、誘 体層13は平坦な第1の導体プレーン12上に形成 されるので、第1の導体プレーン12の厚さに関 係なく誘電体層13の厚さを薄くすることが可 となる。キャパシタンスの大きさは誘電体 13の厚さに反比例するので、例えば、50μmの 厚さの樹脂フィルムを使用した場合と比較し て、1μmの厚さの樹脂を塗布して形成すると 同じ面積ではキャパシタンスを50倍増加させ ることが可能となる。さらに、EBG構造に所望 される周波数帯域にバンドギャップを生じさ せるために同じキャパシタンスを得る場合で あれば、導体小片14を1/50に小型化することが 可能となる。このように、EBG構造1aを採用す ことによって誘電体層13の厚さを薄くする とができるが、EBG構造1aの小型化の観点から 、誘電体層13の厚さを1μm以下とすることが好 ましい。

 EBG構造1aにおいては、誘電体層13の材料、 リジッド基板11の材料等について詳細は説明 ていないが、後述する製造方法や第2の実施 例で説明する材料等を適宜用いることができ る。

 図3は、本発明のEBG構造の製造方法の第1 実施例を示す模式的な工程図である。EBG構 1bの製造方法は、リジッド基板11上に第1の導 体プレーン12を形成する第1の導体プレーン形 成工程と、第1の導体プレーン12上に誘電体層 13を形成する誘電体層形成工程と、誘電体層1 3上に2次元的に規則的に配列して設けられた 数の導体小片14を形成する導体小片形成工 と、複数の導体小片14上に層間絶縁層15を形 する層間絶縁層形成工程と、層間絶縁層15 に設けられる第2の導体プレーン16を形成し 層間絶縁層15を貫通して複数の導体小片14の 々と第2の導体プレーン16とを接続する複数 導体17を形成する第2の導体プレーン・導体 成工程と、を有する。

 第1の導体プレーン形成工程においては、 リジッド基板11としてホウケイ酸ガラス板を い、このホウケイ酸ガラス板上に、メッキ 地となるCu(300nm)/Ti(50nm)の積層膜をスパッタ ング法により成膜している。次いで、第1の 導体プレーン12として、5μmの厚さのCuを電解 ッキで形成し、さらにCuメッキ層表面にTiN(5 0nm)をスパッタリング法で成膜している。

 誘電体層形成工程においては、第1の導体 プレーン12上に、0.5μmの厚さのシリコン酸化 をプラズマCVD法で形成することにより、誘 体層13を形成している。ここで、図3では図 していないが、シリコン酸化膜は、第1の導 体プレーン12を外部回路と接続するために、 ソグラフィーでその一部を開口し第1の導体 プレーン12を露出させている。

 導体小片形成工程においては、まず、誘 体層13の全面に、スパッタリング法により ッキ下地となるCu(300nm)/TiN(50nm)の積層膜を成 した後に、導体小片14及び第1の導体プレー 12の引き出しパッド(図3では図示していない 。)を残してレジストを形成している。次い 、5μmの厚さのCuを電解メッキで成長させる そして、レジストを除去した後に、Cuメッキ が成長していないメッキ下地をウェットエッ チングで除去して、導体小片14及び第1の導体 プレーン12の引き出しパッド(図3では図示し いない。)が形成される。

 層間絶縁層形成工程においては、複数の 体小片14上に、感光性ポリイミド樹脂を塗 ・乾燥して厚さ15μmの膜を形成している。次 いで、導体17を形成するためのビア18をリソ ラフィーで開口して層間絶縁膜層15としてい る。

 第2の導体プレーン・導体形成工程におい ては、メッキ下地となるCu(300nm)/TiN(50nm)の積 膜を、層間絶縁膜層15の全面及びビア18内部 スパッタリング法により成膜する。次いで 電解メッキでCuを層間絶縁膜層15の表面の平 坦部に15μmの厚さになるように堆積させて、 2の導体プレーン16を形成すると同時に層間 縁層15のビア18をCuメッキで充填して導体17 形成する。

 最後に、外部接続パッド(図3では図示し いない。)を残してカバー層37を樹脂で形成 る。

 EBG構造1bにおいては、導体小片14の下層は パターン形成される必要がなく、リジッド基 板11上に形成された平坦性の高い第1の導体プ レーン12の表面上に誘電体層13を形成するこ が可能となり、第1の導体プレーン12よりも い誘電体層13を形成することが可能となる。 その結果、単位面積当たりのキャパシタンス を増加させて、導体小片14の面積を小型化す ことが可能となる。このように、本実施例 製造方法を採用することによって誘電体層1 3の厚さを薄くすることができるが、EBG構造1b の小型化の観点から、誘電体層形成工程にお いて誘電体層13の厚さを1μm以下に形成するこ とが好ましい。

 なお、EBG構造1bにおいては、誘電体層13は プラズマCVD法で作製しているが、他のCVD法や スパッタリング法、スピン塗布法等を用いて もよい。また、誘電体層13としてポリイミド の樹脂を塗布法などで形成することも可能 ある。これらの方法で形成された誘電体層1 3は、プリント基板のプロセスで利用される 電体よりもより薄く形成することが可能で る。また、シリコン酸化膜は、多くの樹脂 りも比誘電率が大きいので、単位面積当た のキャパシタンス増加に一層有利である。

 また、EBG構造1bにおいては、誘電体層13の 材料、誘電体層13の形成方法、及びリジッド 板11の材料等については、後述する第2の実 例で説明する材料、形成方法等も適宜用い ことができる。

 図4は、本発明のEBG構造の第2の実施例の 式的な断面図である。図5は、図4のEBG構造の 製造方法(第2の実施例)を示す模式的な工程図 である。具体的には、EBG構造1cは、誘電体層2 3を、比誘電率が数10以上の高誘電率を有する 金属酸化物で構成した高誘電率金属酸化物層 で形成している。

 EBG構造1cにおいては、リジッド基板21を用 い、リジッド基板21上に、第1の導体プレーン 22、誘電体層23、複数の導体小片24、層間絶縁 層25、及び第2の導体プレーン26の積層構造を 用している。そして、誘電体層23として高 電率金属酸化物層を用いている。これによ 、誘電体層24の薄型化が可能となり、EBG構造 1cの小型化を実現することができる。なお、E BG構造1cは、第2の導体プレーン26上にカバー 38をさらに設けている。

 EBG構造1cにおいて、キャパシタンスを大き し、単位面積当たりのキャパシタンスを増 させて小型化するためには、誘電体として 電率が高い材料を用いること、すなわち誘 体層23に比誘電率の高い材料を用いることが 重要となる。この点については、例えば、金 属酸化物では比誘電率が数10以上となる高誘 率材料が知られているが、本発明者等の検 によれば、このような高誘電率材料を誘電 層23として、第1の導体プレーン22及び複数 導体小片24の間に設けることは容易ではない ことがわかった。なぜなら、成膜性を考慮し て、上記の高誘電率材料を樹脂に分散させた シート状にして誘電体層を独立して積層する 場合は、樹脂と混合し成型することによって 実効的な比誘電率が減少するからである。ま た、第1の導体プレーン22上に、上記の高誘電 率材料を直接堆積させる場合には、プリント 基板の導体や樹脂の耐熱性が低いためにプロ セス温度を250℃程度までしか上げることがで きないために、誘電体層に欠陥が多く含まれ 比誘電率が減少する結果となるからである。 そこで、EBG構造1cにおいては、耐熱性ある第1 の導体プレーン22やリジッド基板21を採用し こうした耐熱性の高い基材の上に誘電体層23 を堆積させている。これにより、プロセス温 度の制約がなくなり高温で誘電体層23を形成 ることができるようになるので、薄くかつ 品質で比誘電率の高い誘電体層23を形成す ことが可能となる。その結果、誘電体層23を 薄くかつ高誘電率にできるために、第1の導 プレーン22と導体小片24との間のキャパシタ スを増加させることができ、より低周波域 バンドギャップを発現させることが可能と る。同様に、単位面積当たりのキャパシタ スを増加させることにより、導体小片24を 型化できることになるのでEBG構造1c全体の小 型化が実現できる。例えば、比誘電率120、膜 厚1μmのチタン酸ストロンチウムを誘電体層23 として用いると、プリント基板材料の約1000 となる1mm 2 あたり約1nFのキャパシタンスを得ることがで きる。

 EBG構造1cにおいては、リジッド基板21に耐 熱性の高い材料を用いている。こうした材料 としては、所定の耐熱性を有していれば特に 制限はないが、例えば、導体、半導体、及び 絶縁体のいずれかを挙げることができる。導 体又は半導体としては、Si、GaAs、ステンレス 、タングステン、モリブデン、及びチタンか ら選ばれた少なくとも1つを用いることが好 しい。また、絶縁体を用いる場合、リジッ 基板は、ガラス、サファイア、石英、及び ルミナから選ばれた少なくとも1つの材料か 構成されることが好ましい。こうした材料 うち、EBG構造1cのリジッド基板21としてSiウ ハーを用いている。

 EBG構造1cにおいては、第1の導体プレーン2 2は、それぞれ耐熱性を有する中間層32及び高 融点導電層33で形成されている。中間層は、T i、Ta、Cr、Tiの窒化物、Taの窒化物、及びCrの 化物から選ばれた少なくとも1つの材料から 構成される層を1以上設けたものとすること 好ましく、その一例として、EBG構造1cの中間 層32は、Ti(50nm)、TiN(50nm)、Mo(1000nm)、及びTi(50nm )の4層構造となっている。また、高融点導電 は、Pt、Pd、Ru、及びIrから選ばれた少なく も1以上の元素から構成される層を1以上設け たものとすることが好ましく、その一例とし て、EBG構造1cの高融点導電層33は、Pt(100nm)で 成されている。

 EBG構造1cにおいては、誘電体層23は高誘電 率金属酸化物層として形成されている。こう した誘電体層としては、主成分として、Mg、A l、Si、Ti、Ta、Hf、及びZrから選ばれた少なく も1つの元素の酸化物を含有するものや、主 成分として金属元素の複合酸化物を含有する ものを好ましく例示することができる。なお 、「主成分となる材料」とは、当該材料が誘 電体層中に50原子%以上の含有されるものをい う。こうした材料のうち、EBG構造1cの誘電体 23では、チタン酸ストロンチウム(厚さ100nm) 用いられている。

 次に、EBG構造1cの製造方法につき図5を参 しながら説明する。

 第1の導体プレーン形成工程においては、 リジッド基板21として、1ω・cmの比抵抗を有 る低抵抗Siウェハーを用い、このSiウェハー 表面の自然酸化膜を除去している。次いで 中間層形成工程として、リジッド基板21上 、下層から順に、中間層32として、Ti(50nm)、T iN(50nm)、Mo(1000nm)、Ti(50nm)の4層をスパッタリン グ法で形成している。さらに、高融点導電層 形成工程として、中間層32上に、高融点導体 33としてPt(100nm)をスパッタリング法で形成 ている。ここでは、一例として、リジッド 板21に低抵抗Siウェハーを用いているが、リ ッド基板の材料は、所定の耐熱性を有して れば特に制限はない。こうした材料として 、例えば、導体、半導体、及び絶縁体のい れかを挙げることができる。導体又は半導 としては、Si、GaAs、ステンレス、タングス ン、モリブデン、及びチタンから選ばれた なくとも1つを用いることが好ましい。また 、絶縁体を用いる場合、リジッド基板は、ガ ラス、サファイア、石英、及びアルミナから 選ばれた少なくとも1つの材料から構成され ことが好ましい。また、一例として、中間 32に上記の4層構造を用いたが、中間層は、Ti 、Ta、Cr、Tiの窒化物、Taの窒化物、及びCrの 化物から選ばれた少なくとも1つの材料から 成される層を1以上設けることが好ましい。 さらに、一例として、高融点導電層33としてP tの単層膜を用いているが、高融点導電層は Pt、Pd、Ru、及びIrから選ばれた少なくとも1 上の元素から構成される層を1以上設けるこ が好ましい。

 誘電体層形成工程においては、RFスパッタ ング法を用いて、堆積温度は450℃、スパッ リングの際の雰囲気は80%Ar+20%O 2 として、チタン酸ストロンチウムを100nmの厚 に体積させることにより、誘電体層23を形 している。ここでは、一例として、誘電体 23に複合酸化物としてのチタン酸ストロンチ ウムを用いているが、誘電体層は、主成分と して、Mg、Al、Si、Ti、Ta、Hf、及びZrから選ば た少なくとも1つの元素の酸化物を含有する か、主成分として金属元素の複合酸化物を含 有することが好ましい。なお、「主成分とな る材料」の意義については上記説明したとお りである。また、誘電体層形成工程において は、誘電体層23をスパッタ法(スパッタリング 法)で形成しているが、この他、CVD法、ゾル ル法、エアロゾルデポジション法、及びス ン塗布法を用いることも好ましい。

 導体小片形成工程においては、まず、チ ン酸ストロンチウムで形成された誘電体層2 3の上に、TiN(50nm)、Cu(300nm)を順にスパッタリ グ法で成膜した。次いで、リソグラフィー 所望の形状のレジストマスクを形成し、イ ンミリング法でCu/TiN層の不要部をドライエ チングで除去することで、2次元的に規則的 配列して設けられた複数の導体小片24を形 している。

 層間絶縁層形成工程においては、複数の 体小片24上に、感光性ポリイミド樹脂を塗 ・乾燥して厚さ10μmの膜を形成している。次 いで、導体27を形成するためのビア28をリソ ラフィーで形成して層間絶縁層25としている 。

 第2の導体プレーン・導体形成工程におい ては、メッキ下地となるCu(300nm)/Ti(50nm)積層膜 を、層間絶縁膜層25の全面及びビア28内部に パッタリング法により成膜している。次い 、電解メッキでCuを層間絶縁膜層25の表面の 坦部に15μmの厚さになるように堆積させて 第2の導体プレーン26を形成すると同時に層 絶縁層25のビア28をCuメッキで充填して導体27 を形成している。

 最後に、外部接続パッド(図3では図示し いない。)を残してカバー層38を樹脂で形成 る。

 EBG構造1cにおいては、誘電体層23の形成を 高温、酸素雰囲気のスパッタリング法で行う ことで、比誘電率が大きく、絶縁性がよく薄 膜化可能な誘電体層23を形成することが可能 なる。例えば、このような高温、酸素雰囲 でスパッタリング成膜されるチタン酸スト ンチウム薄膜は、比誘電率は200、絶縁破壊 圧10V以上の良好な絶縁特性が得られる。こ したチタン酸ストロンチウム薄膜を用いる とにより、厚さ50μmの樹脂フィルムを使う 合と比較して、単位面積あたりのキャパシ ンスを10000倍以上に増加させることができる 。そして、EBG構造に所望される周波数帯域に バンドギャップを生じさせるために同じキャ パシタンスを得る場合であれば、導体小片を 1/10000以下に大幅に小型化することが可能と る。

 誘電体層の材料としては、上述のとおり、 タン酸ストロンチウム以外の複合酸化物を いることもできる。こうした複合酸化物と ては、チタン酸バリウム、チタン酸鉛等化 式ABO 3 (A、Bは金属元素)で表されるペロブスカイト 酸化物、化学式A 2 B 2 O 7 (A、Bは金属元素)で表されるパイロクロア型 化物、SrBi 2 Ta 2 O 9 等のBi層状強誘電体、或いはこれらが構成成 として含まれた複合酸化物等も、薄膜状態 数10から数100の高誘電率が得られる。酸素 オンと周囲の金属イオンとの変位が、これ の複合酸化物の誘電率に寄与する割合が大 く、高温、酸素雰囲気で欠陥が少ない薄膜 形成できる。また、誘電体層の材料として 、上述のとおり、Mg、Al、Si、Ti、Ta、Hf、及 Zrの酸化物も、樹脂よりも比誘電率が大きく 、キャパシタンス増加や単位面積当たりのキ ャパシタンスを増加させて導体小片を小型化 することに有利である。これらの酸化物も良 好な絶縁性を得るためには、高温、酸素雰囲 気で形成されることが望ましい。さらに、誘 電体層の形成方法も、上述のとおり、スパッ タ法(スパッタリング法)以外でも、CVD法やゾ ゲル法で実施してもよい。これらの方法で 300℃以上の高温、酸素雰囲気での成膜や熱 理により良質な絶縁膜が得られる。

 誘電体層23の形成を高温、酸素雰囲気で実 するためには、第1の導体プレーン22を構成 る高融点導体層33や中間層32に所定の耐熱性 必要となる。EBG構造1cでは、高融点導体層33 にPtを用いているが、これは、誘電体層23の 成に必要な300~600℃の温度範囲において安定 、酸素雰囲気においても低誘電率の酸化物 を形成しないからである。上述のとおり、 融点導体層に用いる材料はPtに限られず、 定の耐熱性を有するという観点から、Pd、Ru Ir等を用いることもできる。Pd、Ru、Irは酸 雰囲気において酸化物が形成される場合が るが、これらの酸化物は導電体であり、キ パシタンス要素の実効的なキャパシタンス 低下させることがない。また、高融点導体 として、RuやIrの酸化物たるRuO 2 やIrO 2 等の導電性酸化物を用いてもよい。

 中間層32は、まず密着性の確保としての機 が求められる。EBG構造1cの場合、Ti層が密着 として機能する。密着層として用いる材料 しては、Ti以外にもTaやCr等を用いることも きる。また、EBG構造1cの場合、高温(具体的 は450℃)で誘電体層23を形成することになる 、この高温状態においてリジッド基板21の リコンが中間層32中へ拡散する。その結果、 誘電体層形成工程において、シリコンが、中 間層や高融点導体層(Ti、Mo、Pt層)中を拡散し Pt表面に析出してSiO 2 が形成される。SiO 2 の比誘電率は3.9であり、実効的な誘電率を低 下させ、キャパシタンスを減少させる。した がって、中間層32には拡散バリアとしての機 も求められるところ、拡散バリア層としてT iN層が機能する。拡散バリア層としては、TaN CrNを用いることもできる。

 リジッド基板21はSiウェハーを用いている が、上述のとおり、リジッド基板の材料とし ては、シリコン以外にもステンレス、タング ステン、モリブデン、チタン等の高誘電金属 を用いることも可能である。ただし、その構 成元素の拡散は低誘電率酸化物層や拡散によ る表面凹凸の増加を引き起こし、比誘電率が 大きく絶縁性が良好な誘電体層の形成が困難 になるので、シリコン以外の上記材料をリジ ッド基板に用いる場合にも、拡散バリア層は 必要となる。上述のとおり、拡散バリア層と しては、TiN以外にもTaN等でも同様な効果があ る。なお、リジッド基板として半導体や金属 を用いた場合、リジッド基板21と第1の導体プ レーン22とを電気的に接続することも好まし 。リジッド基板21と第1の導体プレーン22と 電気的に接続するためには、第1の導体プレ ン形成工程において、リジッド基板21と第1 導体プレーン22とを電気的に接続する作業 行えばよい。EBG構造1cの製造方法では、Siウ ハーの表面の自然酸化膜の除去が上記の作 に該当する。リジッド基板21と第1の導体プ ーン22とを電気的に接続すれば、中間層32、 高融点導体層33だけではなくリジッド基板21 身も、機能的には第1の導体プレーンとして 能するので、第1の導体プレーンの損失低減 に有利である。一方、リジッド基板21の材料 して、半導体や金属以外のガラス、サファ ア、石英、アルミナ等の安定な絶縁体を用 ることも可能である。この場合、第1の導体 プレーン22は中間層32と高融点導体層33が担う ことになるが、構成元素の拡散を考慮しなく てよいために、中間層32には上記の拡散バリ 層は必要なくなり、その構成が簡略化でき 利点がある。

 図12は、本発明のEBG構造の第3の実施例を す模式的な断面図である。図13は、図12のEBG 構造の製造方法(第3の実施例)を示す模式的な 工程図である。具体的には、図12は、本発明 EBG構造を作りこんだリジッド基板をインタ ポーザとした形態の断面図である。図13は そのインターポーザに形成したEBG構造の製 方法を示す工程図である。

 EBG構造1hは、リジッド基板125の両面のう の第1の導体プレーン124が設けられていない の面に設けられた裏面パッド130と、裏面パ ド130と電気的に接続されるとともに、リジ ド基板125を貫通して第1の導体プレーン124又 は第2の導体プレーン123に接続された貫通電 126a,126bと、を有する。具体的には、貫通電 126aはリジッド基板125を貫通して第1の導体プ レーン124と電気的に接続しており、貫通電極 126bはリジッド基板125を貫通して第2の導体プ ーン123に電気的に接続している。なお、第1 の導体プレーン124はグランドプレーンとして 設けられ、第2の導体プレーン123は電源プレ ンとして用いられている。また、裏面パッ 130は、裏面カバー膜127で保護されている。

 EBG構造1hは、以下の2点に構造上の特徴が る。第1に、図12に示すように、リジッド基 125上の第1の導体プレーン124等のEBG構造1hの 要素が形成された側だけではなく、こうし EBG構造の各要素が形成されていないリジッ 基板125の裏面に裏面パッド130を設けること より外部接続端子が設けられる点である。 して、第2に、図12に示すように、EBG構造の 要素(具体的には、第1の導体プレーン124及 第2の導体プレーン123)と、リジッド基板125の 裏面の裏面パッド130たる外部接続端子と、を 接続するために、リジッド基板125を貫通する 貫通電極126a,126bを有する点である。

 EBG構造1hは、インターポーザとして用い れる。インターポーザは、LSIを実装するチ プキャリアとして機能し、LSI121、122とプリ ト配線基板128との間に実装される。なお、 12においては、説明の便宜から、LSI121,122の 号線は省略している。EBG構造1hを用いること により、パッケージ内外の他のデバイスへの ノイズの伝播を、ノイズ発生源となるLSI121の 直ぐ近傍で遮断することが可能となる。また 、リジッド基板125を利用することでLSI121,122 近い熱膨張係数に制御することが可能とな ので、多ピン狭ピッチ(すなわちピンの数が く、ピン同士のピッチ間隔が狭い場合)で構 成されるLSIや、脆弱な層間絶縁膜で構成され るLSIを実装することも容易となる。

 EBG構造1hの製造方法は、第1の導体プレー 形成工程の前に設けられ、リジッド基板125 貫通ビア132を設けるリジッド基板貫通ビア 成工程と、リジッド基板125の両面のうちの 1の導体プレーン124が設けられていない側の 面に裏面パッド130を設ける裏面パッド形成工 程と、を有する。リジッド基板貫通ビア形成 工程及び裏面パッド形成工程以外は、図5で 明したEBG構造1cの製造方法を適宜用いること ができる。

 リジッド基板貫通ビア形成工程は、第1の 導体プレーン形成工程の前に設けられ、図13 示すように、あらかじめリジッド基板125に 通ビア132を形成する。具体的には、絶縁性 リジッド基板125にサンドブラストで貫通孔1 32を形成することによって行う。そして、第1 の導体プレーン形成工程において、貫通孔132 をメッキでCuを充填すると同時に、リジッド 板125の表面及び裏面にもCuを堆積させる。 通孔132に充填されたCuメッキ133は貫通電極126 a,126bとなる。また、リジッド基板125の表面に 形成されたCuメッキ133は、第1の導体プレーン 124になる。そして、リジッド基板125の裏面に 形成されたCuメッキ133は、後述する裏面パッ 形成工程において裏面パッド130に加工され 。

 次いで、誘電体層形成工程、導体小片形 工程、層間絶縁層形成工程、及び第2の導体 プレーン・導体形成工程を順次行い、リジッ ド基板125上に形成されたCuメッキ133(Cu層)を第 1の導体プレーン124とし、誘電体層等を積層 たのち所望の形状に加工する。具体的には 上述した方法でEBG構造の残りの要素を順次 成する。

 裏面パッド形成工程では、リジッド基板1 25の裏面のCu層たるCuメッキ133を裏面パット130 の形状に加工する。次いで、裏面カバー膜127 を形成することでEBG構造1hが得られる。なお 第2の導体プレーン123と接続される貫通電極 126b上の領域は、第1の導体プレーン124形成時 、第1の導体プレーン124と電気的に分離した 形状とする。

 図6は、本発明のEBG構造の第4の実施例を す模式的な斜視図である。EBG構造において 、バンドギャップ周波数帯の制御にはキャ シタンスだけではなくインダクタンスを増 させる手段を併用してもよいが、図6はこう たEBG構造を示す斜視図である。

 EBG構造1dにおいては、第2の導体プレーン4 6にインダクタンス要素(直線状インダクタ39) 明示的に付加している。具体的には、第2の 導体プレーン46上における導体47の近傍にお て、第2の導体プレーン46に切り欠き部が設 られており、導体47と第2の導体プレーン46と の間に直線状インダクタ39が接続されている 所望のインダクタンスを得るために、直線 だけではなくスパイラルインダクタでも同 の効果が得られる。直線状インダクタ39は 面凹凸の原因となり、その上層に配線層よ 厚さが薄くて良好な絶縁性を示す誘電体層 形成は困難になるが、EBG構造1dにおいては、 誘電体層43の形成後にインダクタ要素(直線状 インダクタ39)を形成するので誘電体層43の形 に影響はない。

 (フィルタ素子、プリント基板、これらへの 適用のためのEBG構造の製造方法)
 本発明を用いることで、これまでプリント 板上に数cm□の領域に形成されていたEBG構 の大幅な小型化の実現が可能となり、典型 には1cm□以下で実現が可能となる。そのた に、ディスクリート部品化して、電子機器 所望の位置に実装することが容易になる。 こで、以下では、本発明のEBG構造をフィル 素子及びフィルタ素子内蔵プリント基板に 用した実施例について説明する。具体的に 、電源ノイズ抑制フィルタ部品として、本 明のEBG構造を用いる場合について説明する

 図7は、本発明のフィルタ素子の実施例の 模式的な断面図である。具体的には、フィル タ素子2aでは、ディスクリート部品としてデ イス化する際の外部接続端子の構造が示さ ている。

 フィルタ素子2aは、EBG構造1eと、EBG構造1e 第1の導体プレーン52に接続する第1の外部接 続端子40と、EBG構造1eの第2の導体プレーン56 接続する第2の外部接続端子50と、を有する

 EBG構造1eは、リジッド基板51と、リジッド 基板51上に設けられた第1の導体プレーン52と 第1の導体プレーン52上に設けられた誘電体 53と、誘電体層53上に2次元的に規則的に配 して設けられた複数の導体小片54と、複数の 導体小片54上に設けられた層間絶縁層55と、 間絶縁層55上に設けられた第2の導体プレー 56と、を備えている。そして、複数の導体小 片54の各々と第2の導体プレーン56とが層間絶 層55を貫通する複数の導体57で接続されてい る。また、第1の導体プレーン52は、中間層34 び高融点導電層35の積層構造を有している

 フィルタ素子2aにおいては、リジッド基 51として絶縁体を用いており、誘電体層53、 体小片54、及び第2の導体プレーン56の一部 取り除き、第1の導体プレーン52の引き出し ッドが設けられている。そして、第1の導体 レーン52の引き出しパッドの一部が露出す ように、カバー層36に開口部が設けられてい る。これにより、第1の導体プレーン52に接続 する第1の外部接続端子40が形成される。一方 、第2の導体プレーン56の一部が露出するよう にカバー層36にもう一つの開口部が設けられ いる。これにより、第2の導体プレーン56に 続する第2の外部接続端子50が形成される。 お、フィルタ素子2aにおいては、第1の導体 レーン52の引き出し(第1の外部接続端子40)を 導体小片54が規則配列した領域に配置してい が、導体小片54が規則配列した領域の外部 設けてもよい。フィルタ素子2aでは、第1の 部接続端子40及び第2の外部接続端子50を形成 するそれぞれの外部接続パッドは、フィルタ 素子2aの片面に形成されており、表面実装が 能となる。

 フィルタ素子2aにおいては、第1の外部接 端子40及び第2の外部接続端子50は、それぞ 1つずつ設けられているが、第1の外部接続端 子及び第2の外部接続端子が、それぞれが2以 存在していてもよい。

 フィルタ素子2aは、EBG構造1eを用いている ので、フィルタ素子2aの面積が1cm2より小さく することができる。

 図8は、本発明のフィルタ素子内蔵プリン ト基板の実施例の模式的な断面図である。具 体的には、フィルタ素子内蔵プリント基板3 おいては、フィルタ素子2bたる電源ノイズ抑 制フィルタ部品を、プリント基板4の内部に 装して使用する形態を示している。

 フィルタ素子内蔵プリント基板3は、フィ ルタ素子2bと、フィルタ素子2bが埋め込まれ プリント基板4と、を有し、フィルタ素子2b 第1の外部接続端子がプリント基板4の電源プ レーン84に接続され、フィルタ素子2bの第2の 部接続端子がプリント基板4のグラウンドプ レーン85に接続されるか、又は、フィルタ素 2bの第1の外部接続端子がプリント基板4のグ ラウンドプレーン85に接続され、フィルタ素 2bの第2の外部接続端子がプリント基板4の電 源プレーン84に接続されている。

 フィルタ素子内蔵プリント基板3は、より 具体的には、2つの導体プレーンを、それぞ 電源プレーン84、グラウンドプレーン85に接 するよう内蔵している。内蔵プロセスはLSI チップ部品を内蔵する工程と同様に行うこ が可能である。フィルタ素子内蔵プリント 板3では、フィルタ素子2bを表面実装ではな 基板内蔵とすることで、プリント基板4の表 面には、ノイズの発生源となるデバイス81及 ノイズの影響を受けやすいデバイス82を実 することが可能となっている。これにより プリント基板4の配線で形成するよりも小型 が可能となる。なお、リジッド基板として 導体や金属を用いて、リジッド基板を機能 に第1の導体プレーンの一部とする場合は、 デバイスの上下に外部接続端子が配置するこ とになるので電源プレーン84とグラウンドプ ーン85の間に配置することが可能となる。

 図9は、本発明のEBG構造の製造方法の第4 実施例を示す模式的な工程図である。具体 には、本発明のEBG構造をプリント基板に内 するための適した形状にする製造方法を示 工程図である。

 EBG構造1fの製造方法は、図5で説明したEBG 造1cの製造方法をそのまま用い、第2の導体 レーン・導体形成工程の後にカバー層38を 脂で形成する工程までを行う。その後、リ ッド基板21を研削又はエッチングすることに よりリジッド基板21を薄くする又は除去する ジッド基板薄化・除去工程を、さらに行う EBG構造1fではリジッド基板薄化・除去工程 より、除去されたリジッド基板部分91の分だ けリジッド基板21が薄くなる。ただし、同工 終了後もリジッド基板21を残しており、リ ッド基板21を薄くするだけで除去することま では行っていない。

 リジッド基板薄化・除去工程においては EBG構造がリジッド基板21上にビルドアップ れた部分であるので、リジッド基板21を裏面 から研削又はエッチングで除去して薄化する 。

 リジッド基板薄化・除去工程において、E BG構造1fの厚さが300μm以下となるように、リ ッド基板21を薄くする又は除去することが好 ましい。全体の厚さが300μm以下にすると、部 品内蔵基板作製工程で、小型チップ部品と同 層に実装することが可能となり、特別な工程 を付加することなくフィルタ素子を内蔵でき るようになる。

 図10は、本発明のEBG構造の第5の実施例を す模式的な断面図である。図11は、図10のEBG 構造の製造方法(第5の実施例)を示す模式的な 工程図である。具体的には、図10は、本発明 EBG構造を、基板内蔵に有利な一層の薄型化 フレキシブル基板への内蔵に適したフィル 状部品とした形態の断面図である。図11は そのフィルム状部品に形成したEBG構造の製 方法を示す工程図である。

 EBG構造1gは、図11に示すように、リジッド 基板61と第1の導体プレーン62との間に高耐熱 脂としての高耐熱性樹脂層92を設け、最終 にリジッド基板61を除去する。これにより、 図10に示すように、高耐熱性樹脂層92がEBG構 1gの基板として機能する。そして、高耐熱性 樹脂層92がフレキシブル性を有するので、EBG 造1gをフィルム状部品とすることができる

 EBG構造1gは、図11に示すように、第1の導 プレーン形成工程において、リジッド基板61 上に高耐熱性樹脂を塗布した後に第1の導体 レーン62を形成すること、第2の導体プレー ・導体形成工程の後に、リジッド基板61を研 削又はエッチングすることによりリジッド基 板61を除去するリジッド基板薄化・除去工程 行うこと、以外は、上述したEBG構造の製造 法をそのまま利用することができる。具体 には、リジッド基板61上に、ポリイミド等 高耐熱樹脂を塗布した後に、第1の導体プレ ン62、誘電体層63等を順次積層する。最後に 、リジッド基板61をすべて研削又はエッチン で除去することで、底面が高耐熱性樹脂層9 2でカバーされたフィルム状のEBG構造1gが得ら れる。

 以上、本発明のEBG構造、フィルタ素子、 ィルタ素子内蔵プリント基板、及びEBG構造 製造方法について説明してきたが、本発明 上記実施例に限定されるものではなく、様 なバリエーションを採用することができる 具体的には、誘電体層は、層間絶縁膜層よ も比誘電率が大きいことが望ましい。誘電 層は膜厚1μm以下で、比誘電率が10以上、よ 好ましくは100以上の金属酸化物であること 望ましい。

 また、本発明のEBG構造の製造方法におい は、層間絶縁層のビアを導体で充填する工 と、第2の導体プレーンを形成する工程とは 、別の工程として行ってもよい。また、誘電 体層を形成する工程は、300℃以上に加熱した 状態で行ってもよい。

 特定の周波数帯においてバンドギャップ 有する本発明のEBG構造は、これを内包した ジュール基板、インターポーザ、又はプリ ト基板等へ表面実装や埋め込みが可能な小 且つ薄型の装置に適用することができる。

 本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠 において、さらにその基本的技術思想に基 いて、実施例ないし実施例の変更・調整が 能である。また、本発明の請求の範囲の枠 において種々の開示要素の多様な組み合わ ないし選択が可能である。すなわち、本発 は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想 したがって当業者であればなし得るであろ 各種変形、修正を含むことは勿論である。

 1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h EBG構造
 2a,2b フィルタ素子
 3 フィルタ素子内蔵プリント基板
 4 プリント基板
 11,21,51,61,125 リジッド基板
 12,22,52,62,124 第1の導体プレーン
 13,23,43,53,63 誘電体層
 14,24,54 導体小片
 15,25,55 層間絶縁層
 16,26,46,56,123 第2の導体プレーン
 17,27,47,57 導体
 18,28 ビア
 21 キャパシタンス要素
 22 インダクタンス要素
 32,34 中間層
 33,35 高融点導電層
 36,37,38 カバー層
 39 直線状インダクタ
 40 第1の外部接続端子
 50 第2の外部接続端子
 81 ノイズの発生源となるデバイス
 82 ノイズの影響を受けやすいデバイス
 84 電源プレーン
 85 グランドプレーン
 91 除去されたリジッド基板部分
 92 高耐熱性樹脂層
 121,122 LSI
 126a,126b 貫通電極
 127 裏面カバー膜
 128 プリント配線基板
 130 裏面パッド
 132 貫通ビア
 133 Cuメッキ
 S1~S9 工程ステップ