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Title:
ELECTROMAGNETIC-WAVE SHIELDING FASTENER, AND ELECTROMAGNETIC-WAVE SHIELDING ELEMENT USING THE FASTENER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/093678
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an electromagnetic-wave shielding fastener, which comprises one fastener tape (2) having many one-side fastener elements (4) fixed thereon, the other fastener tape (3) having many other-side fastener elements (5) fixed thereon for meshing with the one-side fastener elements (4), and a slider for engaging and disengaging the one and other fastener elements (4 and 5) with each other. The one and other fastener tapes (2 and 3) are molded into sheet shapes of a material containing a substance capable of shielding the electromagnetic waves. The one and other fastener elements (4 and 5) have one and other rising faces (4e and 5e) formed thereon. When the one and other fastener elements (4 and 5) are meshed by the slider, one-side intermediate portions (2c and 3c) of the one and other fastener tapes (2 and 3) are clamped and forced to contact by the one and other rising faces (4e and 5e).

Inventors:
TANAKA TOSHIAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/051048
Publication Date:
July 30, 2009
Filing Date:
January 23, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MATSUYAMA KEORI CO LTD (JP)
TANAKA TOSHIAKI (JP)
International Classes:
A44B19/08; A44B19/24; D02G3/12; D02G3/26; D02G3/44; D03D1/00; D03D15/68; H05K9/00
Foreign References:
JPS63191696U1988-12-09
US2032858A1936-03-03
JPS4915548A1974-02-12
JP2007319253A2007-12-13
JP2006149824A2006-06-15
Attorney, Agent or Firm:
INABA, Tamiyasu (Sakae 2-chomeNaka-ku, Nagoya-sh, Aichi 08, JP)
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Claims:
 一方のファスナーエレメントが多数固定されてなる一方のファスナーテープと、
 上記一方のファスナーエレメントに噛合される他方のファスナーエレメントが多数固定されてなる他方のファスナーテープと、
 上記一方のファスナーエレメントと他方のファスナーエレメントとを噛合離間させるスライダーと、を備えた電磁波シールド用ファスナーであって、
 上記一方及び他方のファスナーテープは、何れも電磁波をシールド可能な素材を含む材料によりシート状に成形されてなり、
 上記一方のファスナーエレメントには一方の起立面が、上記他方のファスナーエレメントには他方の起立面が、それぞれ形成され、
 上記スライダーにより上記一方及び他方のファスナーエレメントが噛合された際、上記一方及び他方のファスナーテープの一側側中途部が、上記一方の起立面と他方の起立面とにより挟持され圧接されてなることを特徴とする電磁波シールド用ファスナー。
 それぞれ内部に一方の磁石が埋設されてなる一方のファスナーエレメントが多数固定されてなる一方のファスナーテープと、
 それぞれ内部に他方の磁石が埋設されてなり、上記一方のファスナーエレメントに磁着される他方のファスナーエレメントが多数固定されてなる他方のファスナーテープと、を備えた電磁波シールド用ファスナーであって、
 上記一方及び他方のファスナーテープは、何れも電磁波をシールド可能な素材を含む材料によりシート状に成形されてなり、
 上記一方のファスナーエレメントには一方の起立面が、上記他方のファスナーエレメントには他方の起立面が、それぞれ形成され、
 上記一方及び他方のファスナーエレメントが磁着された際、上記一方及び他方のファスナーテープの一側側中途部が、上記一方の起立面と他方の起立面とにより挟持され圧接されてなることを特徴とする電磁波シールド用ファスナー。
 前記一方及び他方のファスナーテープは金属繊維又は金属線からなる織布であることを特徴とする請求項1又は2記載の電磁波シールド用ファスナー。
 前記請求項1,2又は3記載の何れかの電磁波シールド用ファスナーを構成する一方のファスナーテープと他方のファスナーテープとの他側側には、電磁波をシールド可能な金属素材によりシート状又は板状の電磁波シールド材が固定されてなり、該一方及び他方のファスナーテープの素材と、上記電磁波シールド材の素材とは共通の金属を含むことを特徴とする電磁波シールド用ファスナーを用いた電磁波シールド体。
 前記一方及び他方のファスナーテープの素材と、上記電磁波シールド材の素材とは同一の金属であることを特徴とする請求項4記載の電磁波シールド用ファスナーを用いた電磁波シールド体。
 前記一方のファスナーテープに固定された電磁波シールド材の一側側と、前記他方のファスナーテープに固定された電磁波シールド材の一側側とは、前記スライダーにより前記一方及び他方のファスナーエレメントが噛合された際、又は、前記一方及び他方のファスナーエレメントが磁着された際、接触されてなることを特徴とする請求項3,4又は5記載の何れかの電磁波シールド用ファスナーを用いた電磁波シールド体。
Description:
電磁波シールド用ファスナー及 このファスナーを用いた電磁波シールド体

 本発明は、電磁波シールド材による電磁 のシールド特性を損なうことなく該電磁波 ールド材を着脱自在又は開閉自在とする際 用いられる電磁波シールド用ファスナー及 この電磁波シールド用ファスナーを用いた 磁波シールド体に関するものである。

 近年、IT(情報技術)の発達によって、パー ソナルコンピュータ(以下、パソコンという )を始めとするIT機器やOA機器が急速に普及し 、通常の家庭環境や職場環境においても、こ れらIT機器やOA機器から放射される電磁波が 体にもたらす悪影響が問題とされるように ってきた。また逆に高圧線等の大電力線か 放射される電磁波がかかるIT機器やOA機器に たらす悪影響も問題となる等、汎用性の高 電磁波シールド体に対する社会の需要は急 に増大している。そこで、こうした社会の 要に対応してこれまで電磁波をシールドす 材料ないしこうした電磁波をシールドする ート状のシールド体が各社により開発され 施されている。

 ところで、こうしたシート状の電磁波シー ド材は、単独で使用されたりIT機器やOA機器 に単体で装着されたりする場合もあるが、他 方、こうした電磁波シールド材が連続するよ う複数枚繋ぎ合わせたり連結したりすること により、所定の構造物となす場合においては 、ファスナーにより該電磁波シールド材を連 結させる場合が多い(特許文献1参照)。また、 該ファスナーが配置された部位による電磁波 のシールド特性を向上させるために、特定の ファスナーも提案されている(特許文献2,3参 )。すなわち、電磁波シールド材の用途によ ては、該電磁波シールド材を単独で使用す ことができず、複数枚の電磁波シールド材 連結して使用する場合には、ファスナーを 用する場合が多いが、このファスナーによ 連結部分に問題がある場合には、使用する 磁波シールド材のシールド特性が如何に優 たものであったとしても、全体のシールド 性は劣ることとなることから、これまで幾 かのファスナーが提案されている。

特開平8-8578号

特開昭58-164290号

特開2004-16688号

 しかしながら、上記特許文献1に開示され たファスナーでは、該ファスナーが配置され た電磁波シールド材の連結部においては、重 なり部が形成されるとしても、物理的に相互 の電磁波シールド材が接触されることは保障 できず、電磁波のシールド性能は劣る。また 、上記特許文献2に開示されたファスナーで 、導電性を有するファスナーエレメントと 磁波の遮蔽部材とを電気的に接続したもの あるが、隣り合うファスナーエレメント同 の導通性の信頼性はなく、やはりこのファ ナーを用いて連結された電磁波シールド材 電磁波シールド性能は劣る。換言すれば、 来の各電磁波シールド用ファスナーでは、 ファスナーを介して互いに連結される電磁 シールド材の電磁波シールド性能が良好で るとしても、該従来のファスナー全体の形 ないし構造が原因となって、該ファスナー 用いた電磁波シールド体全体の電磁波シー ド性能を著しく低減させている。

 そこで、本発明は、上述した従来の電磁 シールド用ファスナー及びこのファスナー 用いた電磁波シールド体が有する課題を解 するために提案されたものであって、電磁 シールド材の電磁波シールド性能を損なう となく、各々の電磁波シールド材を連結す ことができる新規な電磁波シールド用ファ ナー及びこのファスナーを用いた電磁波シ ルド体を提供することを目的とするもので る。

 本発明は、上記の課題を解決するために 案されたものであって、第1の発明(請求項1 載の発明)は、電磁波シールド用ファスナー であって、一方のファスナーエレメントが多 数固定されてなる一方のファスナーテープと 、上記一方のファスナーエレメントに噛合さ れる他方のファスナーエレメントが多数固定 されてなる他方のファスナーテープと、上記 一方のファスナーエレメントと他方のファス ナーエレメントとを噛合離間させるスライダ ーと、を備えた電磁波シールド用ファスナー であって、上記一方及び他方のファスナーテ ープは、何れも電磁波をシールド可能な素材 を含む材料によりシート状に成形されてなり 、上記一方のファスナーエレメントには一方 の起立面が、上記他方のファスナーエレメン トには他方の起立面が、それぞれ形成され、 上記スライダーにより上記一方及び他方のフ ァスナーエレメントが噛合された際、上記一 方及び他方のファスナーテープの一側側中途 部が、上記一方の起立面と他方の起立面とに より挟持され圧接されてなることを特徴とす るものである。

 ここで上記第1の発明を構成する一方及び 他方のファスナーテープは、何れも電磁波を シールド可能な素材を含む材料によりシート 状に成形されてなるものであれば、その性状 は特に限定されない。上記電磁波をシールド 可能な素材としては、例えば、金、銀、銅、 アルミニウム、タングステン、鉄又はこれら の合金などの金属繊維や金属線を挙げること ができる。また、こうした金属繊維や金属線 を用いる場合であっても、それぞれの金属繊 維や金属線は、電磁波をシールド可能な金属 単体で成形されている必要はなく、例えばポ リプロピレンなどの樹脂やガラス繊維等の無 機質繊維に上記金属が接着され又は蒸着され た線状体であっても良い。また、上記第1の 明を構成するファスナーエレメント及びス イダーは、それぞれ特に素材・材質が限定 れるものではなく、金属素材や樹脂素材の 料を使用しても良い。なお、ファスナーエ メント及びスライダーの素材・材質として 脂を用いた場合には、小型のファスナーと ることが可能であり、このようにファスナ エレメントの素材として樹脂を用い且つ小 に成形した場合には、ファスナーテープの 接状態はより強固となる。

 また、この第1の発明では、スライダーに より上記一方及び他方のファスナーエレメン トが噛合された際、上記一方及び他方のファ スナーテープの一側側中途部は、上記一方の 起立面と他方の起立面とにより挟持され圧接 されてなることを要する。すなわち、この第 1の発明では、互いに離間した(一方のファス ーテープに固定された)一方のファスナーエ レメントと(他方のファスナーテープに固定 れた)他方のファスナーエレメントとが、上 スライダーにより噛合されると、それまで 間していた上記一方及び他方のファスナー ープの一側側中途部は、上記一方の起立面 他方の起立面とにより挟持され、この結果 該上記一方及び他方のファスナーテープの 側側中途部は圧接される。

 また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、 それぞれ内部に一方の磁石が埋設されてなる 一方のファスナーエレメントが多数固定され てなる一方のファスナーテープと、それぞれ 内部に他方の磁石が埋設されてなり、上記一 方のファスナーエレメントに磁着される他方 のファスナーエレメントが多数固定されてな る他方のファスナーテープと、を備えた電磁 波シールド用ファスナーであって、上記一方 及び他方のファスナーテープは、何れも電磁 波をシールド可能な素材を含む材料によりシ ート状に成形されてなり、上記一方のファス ナーエレメントには一方の起立面が、上記他 方のファスナーエレメントには他方の起立面 が、それぞれ形成され、上記一方及び他方の ファスナーエレメントが磁着された際、上記 一方及び他方のファスナーテープの一側側中 途部が、上記一方の起立面と他方の起立面と により挟持され圧接されてなることを特徴と するものである。

 ここで上記第2の発明を構成する一方及び 他方のファスナーテープは、何れも電磁波を シールド可能な素材を含む材料によりシート 状に成形されてなるものであれば、その性状 は特に限定されない。上記電磁波をシールド 可能な素材としては、例えば、金、銀、銅、 アルミニウム、タングステン、鉄又はこれら の合金などの金属繊維や金属線を挙げること ができる。また、こうした金属繊維や金属線 を用いる場合であっても、それぞれの金属繊 維や金属線は、電磁波をシールド可能な金属 単体で成形されている必要はなく、例えばポ リプロピレンなどの樹脂やガラス繊維等の無 機質繊維に上記金属が接着され又は蒸着され た線状体であっても良い。

 また、この第2の発明では、上記一方及び 他方のファスナーエレメントが磁着された際 、上記一方及び他方のファスナーテープの一 側側中途部は、上記一方の起立面と他方の起 立面とにより挟持され圧接されてなることを 要する。すなわち、この第2の発明では、互 に離間した(一方のファスナーテープに固定 れた)一方のファスナーエレメントと(他方 ファスナーテープに固定された)他方のファ ナーエレメントとが、磁着されると、それ で離間していた上記一方及び他方のファス ーテープの一側側中途部は、上記一方の起 面と他方の起立面とにより挟持され、この 果、該上記一方及び他方のファスナーテー の一側側中途部は圧接される。

 すなわち、この発明は、電磁波シールド ファスナーであって、一方のファスナーエ メントが多数固定されてなる一方のファス ーテープと、上記一方のファスナーエレメ トに噛合又は磁着される他方のファスナー レメントが多数固定されてなる他方のファ ナーテープと、を少なくとも備えた電磁波 ールド用ファスナーであって、上記一方及 他方のファスナーテープは、何れも電磁波 シールド可能な素材を含む材料によりシー 状に成形されてなり、上記一方のファスナ エレメントには一方の起立面が、上記他方 ファスナーエレメントには他方の起立面が それぞれ形成され、上記一方及び他方のフ スナーエレメントが噛合又は磁着された際 上記一方及び他方のファスナーテープの一 側中途部が、上記一方の起立面と他方の起 面とにより挟持され圧接されてなることを 徴とするものである。

 また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、 上記第1又は2の発明において、前記一方及び 方のファスナーテープは金属繊維又は金属 からなる織布であることを特徴とするもの ある。

 この第3の発明では、一方及び他方のファ スナーテープは金属繊維又は金属線からなる 織布であることを要し、この金属繊維又は金 属線としては、前述したとおり、金、銀、銅 、アルミニウム、タングステン、鉄又はこれ らの合金などを挙げることができる。それぞ れの金属繊維や金属線は、電磁波をシールド 可能な金属単体で成形されている必要はなく 、例えばポリプロピレンなどの樹脂やガラス 繊維等の無機質繊維に上記金属が接着され又 は蒸着された線状体であっても良い。

 また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、 電磁波シールド用ファスナーを用いた電磁波 シールド体に係るものであって、前記第1の 明(請求項1)、第2の発明(請求項2)又は第3の発 明(請求項3記載)の何れかの電磁波シールド用 ファスナーを構成する一方のファスナーテー プと他方のファスナーテープとの他側側には 、電磁波をシールド可能な金属素材によりシ ート状又は板状の電磁波シールド材が固定さ れてなり、該一方及び他方のファスナーテー プの素材と、上記電磁波シールド材の素材と は共通の金属を含むことを特徴とするもので ある。

 なお、この第4の発明では、一方及び他方 のファスナーテープの素材と、上記電磁波シ ールド材の素材とは共通の金属を含むことを 要する。ここで、「共通の金属を含む」とは 、ファスナーテープの素材と電磁波シールド 材の素材とがそれぞれ同一の金属である場合 は言うまでもなく、例えば、ファスナーテー プの素材が銅からなる金属繊維又は金属線で あり、電磁波シールド材の素材が銅とニッケ ルの合金である場合のように、ファスナーテ ープの素材である金属元素と、電磁波シール ド材の素材である金属元素とが共通する場合 も含むことを言う。

 また、第5の発明(請求項5記載の発明)は、 上記第4の発明において、前記一方及び他方 ファスナーテープの素材と、上記電磁波シ ルド材の素材とは同一の金属であることを 徴とするものである。

 また、第6の発明(請求項6記載の発明)は、 上記第3,4又は5の発明において、前記一方の ァスナーテープに固定された電磁波シール 材の一側側と、前記他方のファスナーテー に固定された電磁波シールド材の一側側と 、前記スライダーにより前記一方及び他方 ファスナーエレメントが噛合された際、又 、前記一方及び他方のファスナーエレメン が磁着された際、接触されてなることを特 とするものである。

 第1の発明(請求項1記載の発明)では、上記 一方及び他方のファスナーテープの一側側中 途部は直接圧接され、ファスナーエレメント を介さずに挟持されていることから、該ファ スナーの形状ないし構造が原因となって電磁 波シールド体全体のシールド性能が劣る結果 となる事態を有効に防止することができる。 また、この発明では、ファスナーエレメント の素材は全く電磁波のシールド性能には影響 しないことから、該ファスナーエレメントの 素材・材質は特に限定されず、したがって、 例えば樹脂を素材・材質とすることも可能と なる。このように、樹脂をファスナーエレメ ントの素材・材質とした場合には、製造コス トを低減できるばかりか、ファスナーエレメ ントの形状・大きさを極めて小型とすること も可能となり、こうした小型のファスナーを 用いることにより、金属により成形されたフ ァスナーエレメントを使用する場合に比べて 圧接密度が高くなり、電磁波シールド性能を より一層向上させることが可能となる。

 また、第2の発明(請求項2記載の発明)では 、上記一方及び他方のファスナーテープの一 側側中途部は直接圧接され、ファスナーエレ メントを介さずに挟持されていることから、 該ファスナーの形状ないし構造が原因となっ て電磁波シールド体全体のシールド性能が劣 る結果となる事態を有効に防止することがで きる。また、この発明では、ファスナーエレ メントの素材は全く電磁波のシールド性能に は影響しないことから、該ファスナーエレメ ントの素材・材質は特に限定されず、したが って、例えば樹脂を素材・材質とすることも 可能となる。このように、樹脂をファスナー エレメントの素材・材質とした場合には、製 造コストを低減できるばかりか、ファスナー エレメントの形状・大きさを極めて小型とす ることも可能となり、こうした小型のファス ナーを用いることにより、金属により成形さ れたファスナーエレメントを使用する場合に 比べて圧接密度が高くなり、電磁波シールド 性能をより一層向上させることが可能となる 。

 また、第3の発明(請求項3記載の発明)では 、一方及び他方のファスナーテープは金属繊 維又は金属線からなる織布であることから、 より電磁波シールド性能を向上させることが できる。

 また、第4の発明(請求項4記載の発明)では 、一方及び他方のファスナーテープの素材と 、上記電磁波シールド材の素材とは共通の金 属を含むことから、より電磁波シールド性能 を向上させることができる。

 また、第5の発明(請求項5記載の発明)では 、前記一方及び他方のファスナーテープの素 材と、上記電磁波シールド材の素材とは同一 の金属であることから、より一層電磁波シー ルド性能を向上させることができるとともに 、上記一方及び他方のファスナーテープと電 磁波シールド材とを溶接により固定すること ができ、製造コストを安価なものとすること ができる。

 この第6の発明では、前記一方のファスナ ーテープに固定された電磁波シールド材の一 側側と、前記他方のファスナーテープに固定 された電磁波シールド材の一側側とは、前記 一方及び他方のファスナーエレメントが噛合 又は磁着された際、接触されてなることから 、よりシールド性能を向上することができる 。特に、この第6の発明によれば、シールド ァスナーを構成するシールドテープの素材 、シールド材単体のシールド性能よりも劣 シールド性能であるものにも使用できる。 言すれば、この第6の発明により、上記ファ ナーテープの素材が限定されることなくそ 自由度を広げることができ、さらに、シー ドすべき周波数帯域に応じて、例えば、上 シールド材は特定の周波数帯域に係る電磁 をシールドし、上記ファスナーテープはそ 周波数帯域に含まれない周波数帯域の電磁 をシールドする素材により構成することも 能となる。また、この発明によれば、シー ドすべき周波数帯域が特定されている場合 その帯域をシールドする素材のシールド材 選択してシールド体として構成するが、こ 場合、どのようなシールド材を使用した場 でも常に同じファスナーテープを使用する とができる。特に、シールド材を構成する 属と、ファスナーテープを構成する金属と 共通した金属を含む場合には、よりシール 性能を向上することができる。例えば、シ ルド材がアルミニウムであり、ファスナー ープがアルミニウムと亜鉛との複合繊維で る場合には、シールド性能をさらに向上さ ることが可能である。

本発明の第1の実施の形態に係る電磁波 シールド用ファスナー及び電磁波シールド材 を示し、(a)は一方側の平面図、(b)は他方側の 平面図である。 図1(b)に示す開部のA-A矢視断面図である 。 図1(b)に示す閉部のB-B矢視断面図である 。 図1(b)に示す閉部の拡大図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電磁波 シールド用ファスナー及び電磁波シールド材 の電磁波シールド効果を示す線図である。 比較例のシールド材の電磁波シールド 果を示す線図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、(a)一 方及び他方のファスナーテープが離間され、 (b)は接続された状態を示す平面図である。 図7(a)に示すC-C矢視断面図である。 図7(b)に示すD-D矢視断面図である。

符号の説明

 1 電磁波シールド用ファスナー
 2,3 ファスナーテープ
 2a,3a 肉厚部
 2b,3b 基部
 2c,3c 圧接部
 2d,3d テープ本体部
 4,5 ファスナーエレメント
 4a,5a 切欠き
 4b,5b 拡幅凹溝
 4e,5e 起立面
 4h,5h 噛合部
 6 スライダー
 10 電磁波シールド体
 11 電磁波シールド材
 12,13 開口部

 以下、本発明を実施するための第1の実施 の形態に係る電磁波シールド用ファスナー1 びこの電磁波シールド用ファスナー1を用い 電磁波シールド体10と、第2の実施の形態に る電磁波シールド用ファスナー20及びこの 磁波シールド用ファスナー20を用いた電磁波 シールド体30とについて、図面を参照しなが 詳細に説明する。

 第1の実施の形態に係る電磁波シールド用 ファスナー1は、図1に示すように、一方のフ スナーエレメント4が多数固定されてなる一 方のファスナーテープ2と、上記一方のファ ナーエレメント4に噛合される他方のファス ーエレメント5が多数固定されてなる他方の ファスナーテープ3と、上記一方のファスナ エレメント4と他方のファスナーエレメント5 とを噛合離間させるスライダー6とにより構 されている。そして、上記一方及び他方の ァスナーテープ2,3には、一方及び他方のフ スナーエレメント4,5を交互に配置するとと に、これらファスナーエレメント4,5の相互 間に上記スライダー6を介在させて移動する とにより、該ファスナーエレメント4,5を噛 させ又は離間させるものである。

 上記一方及び他方のファスナーテープ2,3 、図1に示すように、所定の幅を有する長尺 シート状に形成された織物であって、それぞ れの一側に固定された一方及び他方のファス ナーエレメント4,5が噛合する(図1(b)の下半部 示す状態)ことにより接続されるとともに、 該一方及び他方のファスナーエレメント4,5が 離間する(図1(b)の上半部に示す状態)ことによ り分離される。これら一方及び他方のファス ナーテープ2,3の素材は、電磁波をシールド可 能な金属線であって、直径が50μmの表面に錫 っきされた錫めっき銅線である。この錫め き銅線は、複数本の水溶性ポリエステル繊 の束を中心にしてZ撚り及びS撚り(2本撚り) れて混合糸とされる。この混合糸は、織機 より混合糸織物として織られた後、この混 糸織物を約60℃の温水中に浸して上記水溶性 ポリエステル繊維を溶解させることにより、 織物としての一方及び他方のファスナーテー プ2,3は、上記錫めっき銅線のみによる織物と される。

 そして、上記一方及び他方のファスナー ープ2,3のそれぞれの一側には、図2に示すよ うに、他の部位よりも太い上記錫めっき銅線 の経糸により織られ、後述する一方及び他方 のファスナーエレメント4,5の切欠き4a,5aの幅 りも大きな厚みの肉厚部2a,3aが形成され、 肉厚部2a,3aが、上記エレメント4,5の拡幅凹溝 4b,5bに挿入されることにより該エレメント4,5 上記一方及び他方のファスナーテープ2,3の 側に固定される。また、一方及び他方のフ スナーテープ2,3の上記肉厚部2a,3aと連続す 中途部には、上記エレメント4,5の切欠き4a,5a に挿入可能な基部2b,3bが形成され、これら基 2b,3bと連続する中途部には、上記エレメン 4,5の起立面4e,5eと接触可能に折曲された圧接 部(本発明の一側側中途部)2c,3cが形成されて る。これら圧接部2c,3cと連続する他側には、 上記エレメント4,5の上面4f,5fと接触可能に折 されたテープ本体部2d,3dが形成されている

 なお、一方及び他方のファスナーテープ2 ,3の素材は、上記錫めっき銅線に限定される のではなく、電磁波をシールド可能な素材 含む材料によりシート状に成形されてなる のであれば、その性状は特に限定されない 上記電磁波をシールド可能な素材としては 例えば、金、銀、銅、アルミニウム、タン ステン、鉄又はこれらの合金等や、これら 表面に亜鉛、錫等をめっきした金属繊維又 金属線を挙げることができる。また、こう た金属繊維や金属線を用いる場合であって 、それぞれの金属繊維や金属線は、電磁波 シールド可能な金属単体で成形されている 要はなく、例えばポリプロピレンなどの樹 やガラス繊維等の無機質繊維に上記金属素 が接着され又は蒸着された線状体であって 良い。

 次に、上記一方及び他方のファスナーエ メント4,5は、図2に示すように、断面が角型 形状の対称形に樹脂成形された略中央部の水 平方向に、上記一方及び他方のファスナーテ ープ2,3を挿入可能な幅の切欠き4a,5aが形成さ 、一方のファスナーエレメント4は、切欠き 4aの上方側を構成する上半体4cと、下方側を 成する下半体4dとにより一体的に成形されて いる。また、他方のファスナーエレメント5 、切欠き5aの上方側を構成する上半体5cと、 方側を構成する下半体5dとにより一体的に 形されている。また、切欠き4a,5aの最奥部と 連通するそれぞれの部位には、これら切欠き 4a,5aの幅よりも拡幅されるとともに、該切欠 4a,5aとの境に段差を有する拡幅凹溝4b,5bが、 上記一方及び他方のファスナーテープ2,3の肉 厚部2a,3aを挿入して固定可能にそれぞれ形成 れている。

 また、上記一方及び他方のファスナーエ メント4,5の上半体4c,5cには、上記切欠き4a,5a のそれぞれの開口部(符号は省略する)から上 に起立した起立面4e,5eと、これら起立面4e,5e とそれぞれ直交する上面4f,5fとがそれぞれ形 され、一方の起立面4eと他方の起立面5eとは 交互に食い違うように対向して等間隔に配置 されている(図4参照)。また、上記一方及び他 方のファスナーエレメント4,5の下半体4d,5dに 、図2に示す各起立面4e,5eよりも突出した噛 部4h,5hがそれぞれ形成されている。これら 合部4h,5hには、図4に示すように、一方の噛 部4hの両側に突出した凸部4i及び他方の噛合 5hの両側に突出した凸部5iと、隣接する他方 の凸部5iと噛合可能に一方の凸部4iと連続し 窪んだ一方の凹部4j及び隣接する一方の凸部 4iと噛合可能に他方の凸部5iと連続して窪ん 他方の凹部5jとがそれぞれ形成されている。

 そして、一方及び他方のファスナーエレ ント4,5は、図2に示すように、これらファス ナーエレメント4,5の拡幅凹溝4b,5bが、上述し 一方及び他方のファスナーテープ2,3の一側 形成された肉厚部2a,3aに射出成形法により 入されているとともに、図4に示すように、 方のファスナーエレメント4と他方のファス ナーエレメント5とが交互に食い違うように 向して等間隔に多数配置されている。した って、一方及び他方のファスナーエレメン 4,5は、拡幅凹溝4b,5bが一方及び他方のファス ナーテープ2,3の肉厚部2a,3aに挿入されている とから、該ファスナーエレメント4,5が噛合 れた状態において離間する方向に力が作用 ても、該ファスナーエレメント4,5が上記フ スナーテープ2,3から脱落することが防止さ る。

 また、上記一方及び他方のファスナーエ メント4,5の拡幅凹溝4b,5bに肉厚部2a,3aが挿入 された一方及び他方のファスナーテープ2,3は 、図2に示すように、肉厚部2a,3aと連続する基 部2b,3bが切欠き4a,5a内に挿入され、これら基 2b,3bに対して折曲された圧接部2c,3cが起立面4 e,5eに接触され、これら圧接部2c,3cに対して折 曲されたテープ本体部2d,3dが上面4f,5fに接触 ている。なお、これらファスナーテープ2,3 ファスナーエレメント4,5との図2に示す各部 の位置関係は、図1に示すスライダー6の図 しない案内部にファスナーエレメント4,5の 合部4h,5hが係合されていることにより維持さ れている。また、一方ファスナーテープ2の 接部2cと、他方のファスナーテープ3の圧接 3cとの合計の厚みは、一方のファスナーエレ メント4の起立面4eと、他方のファスナーエレ メント5の起立面5eとが最も接近した状態(図3 照)における距離よりも厚く形成されている 。

 そして、一方及び他方のファスナーテー 2,3を接続するには、一方及び他方のファス ーエレメント4,5の相互の間に介在されたス イダー6を把持片7により移動させて(図1参照 )、図2に示す噛合部4h,5hを接近させることに り接続される。すなわち、これら噛合部4h,5h の接近により、図4に示す一方のファスナー レメント4の凸部4iが他方のファスナーエレ ント5の凹部5jに噛合されるとともに、他方 ファスナーエレメント5の凸部5iが一方のフ スナーエレメント4の凹部4jに噛合される。 れらの歯合により、図3に示すように、一方 び他方のファスナーテープ2,3の圧接部2c,3c 、上記ファスナーエレメント4,5の起立面4e,5e により挟持されて圧接されるので、該ファス ナーテープ2,3のテープ本体部2d,3dが実質的に 面化された状態で接続される。

 すなわち、一方及び他方のファスナーテ プ2,3は、一方及び他方のファスナーエレメ ト4,5が噛合された状態において、テープ本 部2d,3dが実質的に一面化され、一方及び他 のファスナーエレメント4,5を介さずに挟持 れていることから、電磁波シールド用ファ ナー1のシールド性能を向上させることがで る。また、一方及び他方のファスナーエレ ント4,5及びスライダー6の素材は、電磁波を シールド可能な素材であることを必要条件と はしないものである。例えば、ファスナーエ レメント4,5の素材を樹脂により構成した場合 には、該ファスナーエレメント4,5を小型に成 形することができることから、一方のファス ナーエレメント4と他方のファスナーエレメ ト5とが交互に食い違うように対向する間隔 小さくなるので、一方及び他方のファスナ エレメント4,5により一方及び他方のファス ーテープ2,3が圧接される圧接状態がより強 となる。

 次に、上記電磁波シールド用ファスナー1 を用いた電磁波シールド体10について説明す 。この実施の形態に係る電磁波シールド体1 0は、図1に示す電磁波シールド材11により図 しない袋状に成形され、この袋状に成形さ た電磁波シールド材11の開口部12,13を開閉自 に該開口部12,13に上記電磁波シールド用フ スナー1が固定されてなり、外部からの電磁 を遮蔽するものである。この電磁波シール 体10を構成する電磁波シールド材11の素材は 、電磁波をシールド可能な金属線であって、 直径が50μmの表面に錫めっきされた錫めっき 線である。この錫めっき銅線は、複数本の 溶性ポリエステル繊維の束を中心にしてZ撚 り及びS撚り(2本撚り)されて混合糸とされる この混合糸は、織機により混合糸織物とし 織られた後、この混合糸織物を約60℃の温水 中に浸して上記水溶性ポリエステル繊維を溶 解させることにより、織物としての電磁波シ ールド材11は、上記錫めっき銅線のみによる 物とされる。すなわち、この実施の形態で 、この電磁波シールド材11は、上記一方及 他方のファスナーテープ2,3と全く同じ素材 らなる。なお、電磁波シールド材11の素材は 、必ずしも、一方及び他方のファスナーテー プ2,3と同一にする必要はなく、例えば、一方 及び他方のファスナーテープ2,3が錫めっき銅 線の場合に、電磁波シールド材11をアルミニ ムにしても良く、一方及び他方のファスナ テープ2,3が亜鉛めっきアルミニウム線の場 に、電磁波シールド材11をアルミニウムに ても良い。但し、アルミニウムと銅のとの み合わせにおいては、電磁波が透過し易い で好ましくない。

 また、上記電磁波シールド用ファスナー1 は、一方のファスナーテープ2のテープ本体 2dが電磁波シールド材11の一方側の開口部12 溶接されるとともに、他方のファスナーテ プ3のテープ本体部3dが電磁波シールド材11の 他方側の開口部13に溶接されることにより固 されている。この電磁波シールド材11の一 及び他方の開口部12,13の各端部12a,13a(図2参照 )は、図3に示すように、一方及び他方のファ ナーエレメント4,5が噛合された状態におい 互いが接触可能に、一方及び他方のファス ーテープ2,3に溶接されている。そして、上 電磁波シールド体10は、その電磁波シール 材11と、一方及び他方のファスナーテープ2,3 とが、錫めっき銅線の同一の金属素材である ことから、より電磁波シールド性能を向上さ せることが可能となり、また、溶接により上 記電磁波シールド材11の開口部12,13と、上記 方及び他方のファスナーテープ2,3とを固定 ることができ、電磁波シールド体10を短時間 で製造することが可能となる。また、電磁波 シールド材11の一方及び他方の開口部12,13は それぞれの端部12a,13aが、一方及び他方のフ スナーエレメント4,5が噛合された状態にお て接触することから、よりシールド性能を 上することができる。

 次に、上記電磁波シールド体10の電磁波シ ルド効果について、図5及び図6を参照して説 明する。これら各図に示す電磁波シールド効 果SE(dB)は、被試験体である電磁波シールド材 11の一方の面に図示しない信号発生器から送 アンテナを介して電磁波E 0 (V/m)を入射し、この入射電磁波E 0 に対して上記電磁波シールド材11の他方の面 に透過した電磁波E 1 (V/m)を図示しない受信アンテナにより受信し 電磁波の強度測定器により測定し、次式に り求めたものである。
 電磁波シールド効果SE(dB)=20logE 0 /E 1

 本実施の形態に係る電磁波シールド体10 電磁波シールド効果SEの測定は、電磁波シー ルド材11の開口部12,13を電磁波シールド用フ スナー1により閉塞し、0~1000MHzまでの周波数 電磁波を外部から入射(発信)し、この電磁 シールド用ファスナー1及びその近傍の電磁 シールド材11を透過した電磁波をKEC法によ 測定したものである。その測定結果は、図5 示すとおりであって、代表的な測定値を抜 すると、電磁波の周波数が200MHzにおいて約7 0dB、500MHzにおいて約63dB、800MHzにおいて約62dB ある。また、図6は、上記電磁波シールド体 10に対する比較例の測定結果であって、この 較例の測定は、0~1000MHzまでの周波数の電磁 を外部から入射(発信)し、上記電磁波シー ド材11と同一の金属素材(錫めっき銅線)によ 織られた無垢の状態(ファスナーを使用しな い状態)の図示しないシールド材を透過した 磁波をMIL規格に基づき測定したものである この比較例の電磁波シールド効果SEは、図6 示すとおりであって、代表的な測定値を抜 すると、電磁波の周波数が200MHzにおいて約67 dB、500MHzにおいて約76dB、800MHzにおいて約75dB ある。

 そして、上記測定に基づく電磁波シール 体10の電磁波シールド効果SEは、ファスナー を使用しない比較例のシールド材とほぼ同一 である。すなわち、これは電磁波シールド用 ファスナー1の構成によるものであって、図3 示すように、一方及び他方のファスナーエ メント4,5が噛合された際には、一方及び他 のファスナーテープ2,3の圧接部2c,3cが、該 方及び他方のファスナーエレメント4,5の起 面4e,5eにより挟持されて圧接されるので、上 記ファスナーテープ2,3のテープ本体部2d,3dが 質的に一面化された状態で接続され、一方 び他方のファスナーエレメント4,5を介さず 挟持されていることから、上記比較例のシ ルド材とほぼ同一の電磁波シールド効果が られるものである。

 また、上記電磁波シールド効果SEの値に する電磁波のシールド率は、電磁波シール 効果SEが20dBにおいて90%、電磁波シールド効 SEが40dBにおいて99%、電磁波シールド効果SEが 60dBにおいて99.9%であり、この点、上記電磁波 シールド体10においては、図5に示すように、 周波数が異なってもおよそ60dB~70dBの範囲内に おいて電磁波シールド効果SEが推移している とが判明した。よって、電磁波シールド材1 1の開口部12,13に上記電磁波シールド用ファス ナー1を用いることにより広範囲な周波数帯 おいて電磁波を十分に遮蔽することができ 。なお、図5に示す電磁波シールド効果SEの 定値の波形が、図6に示す測定値の波形より うねりが大きく表れているのは、上記電磁 シールド体10が袋状に成形されているため が生じ、この皺の影響によるものである。

 次に、第2の実施の形態について説明する 。この形態に係る電磁波シールド用ファスナ ー20は、上記第1の実施の形態に対して、一方 及び他方のファスナーエレメント24,25及び開 具26が相違し、一方及び他方のファスナー ープ2,3は同一の構成であることから、同一 構成については同一の符号を付して詳細な 明は省略する。この電磁波シールド用ファ ナー20は、図7に示すように、一方及び他方 ファスナーテープ2,3に一方及び他方のファ ナーエレメント24,25をそれぞれ交互に配置す るとともに、これらファスナーエレメント24, 25の端部に開き具26が配置され、上記ファス ーエレメント24,25を磁着させ又は離間させる ものである。

 上記ファスナーエレメント24,25は、図2及 図3に示すように、断面が角型形状の対称形 に樹脂成形された略中央部の水平方向に、上 記一方及び他方のファスナーテープ2,3を挿入 可能な幅の切欠き24a,25aが形成され、切欠き24 a,25aの上方側を構成する上半体24c,25cと、下方 側を構成する下半体24d,25dとにより一体的に 形されている。また、切欠き24a,25aの最奥部 連通するそれぞれの部位には、これら切欠 24a,25aの幅よりも拡幅されるとともに、該切 欠き24a,25aとの境に段差を有する拡幅凹溝24b,2 5bが、上記一方及び他方のファスナーテープ2 ,3の肉厚部2a,3aを挿入して固定可能にそれぞ 形成されている。

 また、上記一方及び他方のファスナーエ メント24,25の上半体24c,25cには、上記切欠き2 4a,25aのそれぞれの開口部(符号は省略する)か 上方に起立した起立面24e,25eと、これら起立 面24e,25eとそれぞれ直交する上面24f,25fとがそ ぞれ形成され、一方の起立面24eと他方の起 面25eとは交互に食い違うように対向して等 隔に配置されている(図7(b)参照)。また、上 一方及び他方のファスナーエレメント24,25 下半体24d,25dには、図8に示す各起立面24e,25e りも突出した磁着部24h,25hがそれぞれ形成さ ている。これら磁着部24h,25hには、磁石22,23 埋設され、これら磁石22,23の磁極は、図7(b) 示すように、隣接するファスナーエレメン 24とファスナーエレメント25とが磁着可能に 、図示上側にN極、下側にS極がそれぞれ配置 れている。なお、磁石22,23は、上半体24c,25c 起立面24e,25e近傍に埋設することもできる。

 また、上記一方及び他方のファスナーエ メント24,25の端部には、図7に示すように、 き具26が固定され、この開き具26は、一方は 図示しない凹溝を備えた保持部材27及びこの 持部材27に連設された摺接板29を備え、他方 は前記凹溝と係合可能な図示しない凸部を備 えた差込み部材28及びこの差込み部材28に連 され前記摺接板29と図示しない係合部を中心 に回動可能な摺接板30をそれぞれ備えている そして、この電磁波シールド用ファスナー2 0は、一方及び他方の摺接板29,30を重ね合わせ て図示しない係合部を係合して回動させ、保 持部材27に差込み部材28を差し込むとともに 一方及び他方のファスナーエレメント24,25を 磁着させることにより一方及び他方のファス ナーテープ2,3が接続される。

 次に、上記電磁波シールド用ファスナー2 0を用いた電磁波シールド体40について説明す る。この電磁波シールド体40は、上記第1の実 施の形態に対して、電磁波シールド用ファス ナー20が相違し、電磁波シールド材11は素材 び形状(袋状)が同一であることから、同一の 構成については同一の符号を付して詳細な説 明は省略する。この電磁波シールド体40は、 7に示す電磁波シールド材11の開口部12,13を 閉自在に該開口部12,13に上記電磁波シールド 用ファスナー20が固定されてなり、外部から 電磁波を遮蔽するものである。また、上記 磁波シールド用ファスナー20は、一方のフ スナーテープ2のテープ本体部2dが電磁波シ ルド材11の一方側の開口部12に溶接されると もに、他方のファスナーテープ3のテープ本 体部3dが電磁波シールド材11の他方側の開口 13に溶接されることにより固定されている。 この電磁波シールド材11の一方及び他方の開 部12,13の各端部12a,13a(図8参照)は、図9に示す ように、一方及び他方のファスナーエレメン ト24,24が磁着された状態において互いが接触 能に、一方及び他方のファスナーテープ2,3 溶接されている。

 そして、上記電磁波シールド体40は、電 波シールド材11と、一方及び他方のファスナ ーテープ2,3とが、錫めっき銅線の同一の金属 素材であることから、より電磁波シールド性 能を向上させることが可能となる。また、電 磁波シールド材11の一方及び他方の開口部12,1 3は、それぞれの端部12a,13aが、一方及び他方 ファスナーエレメント24,24が磁着された状 において接触することから、よりシールド 能を向上することができる。また、この電 波シールド体40の電磁波シールド効果は、電 磁波シールド材11と、一方及び他方のファス ーテープ2,3とが、上記第1の実施の形態と同 一の金属素材であることから、図5に示す電 波シールド効果SEと同様の効果を得ることが できる。

 本発明に係る電磁波シールド用ファスナ は、電磁波シールド材により種々の形態に 成された電磁波シールド体に用いることが きるが、特に、電磁波の影響を受ける機器 覆うことによって、効果的に電磁波を遮蔽 ることができる。