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Title:
ELECTRONIC COMPONENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/125656
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an electronic component incorporating a coil which takes an inductance value dependent on the magnitude of a current and can limit rapid decrease in the inductance value due to magnetic saturation. A laminate (12) is formed by laminating a plurality of magnetic layers (16). Coil electrodes (18) are interconnected in the laminate (12) to constitute a coil (L). A non-magnetic layer (20) is so provided as to cross the coil (L). A magnetic layer (22) is formed in a region outside a region where the coil (L) is formed when viewed from the direction of lamination. The structure of the non-magnetic layer (22) more upward than the non-magnetic layer (20) in the direction of lamination is different from the structure of the non-magnetic layer (22) more downward than the non-magnetic layer (20) in the direction of lamination.

Inventors:
AKAZAWA TEPPEI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055113
Publication Date:
October 15, 2009
Filing Date:
March 17, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
AKAZAWA TEPPEI (JP)
International Classes:
H01F17/00; H01F17/04; H01F41/04
Foreign References:
JP2001044036A2001-02-16
JPH0714716A1995-01-17
JPH07201569A1995-08-04
JP2005150137A2005-06-09
Attorney, Agent or Firm:
MORISHITA, Takekazu et al. (JP)
Takeichi Morishita (JP)
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Claims:
 複数の第1の絶縁層が積層されてなる積層体と、
 前記積層体内において互いに接続されることによりコイルを構成している複数のコイル電極と、
 前記コイルを横切るように設けられ、前記第1の絶縁層よりも低い透磁率を有している第2の絶縁層と、
 積層方向から見たときに、前記コイルが形成されている領域よりも外側の領域に形成され、前記第1の絶縁層よりも低い透磁率を有している第3の絶縁層と、
 を備え、
 前記第2の絶縁層よりも積層方向の上側における前記第3の絶縁層の構造と、該第2の絶縁層よりも積層方向の下側における前記第3の絶縁層の構造とは、異なっていること、
 を特徴とする電子部品。
 前記第3の絶縁層は、積層方向から見たときに、前記コイル電極と重なっている領域及び前記コイルが形成されている領域よりも外側の領域に形成されていること、
 を特徴とする請求の範囲第1項に記載の電子部品。
 前記コイルにおいて前記第1の絶縁層よりも積層方向の上側に位置する部分の直流重畳特性は、該コイルにおいて該第1の絶縁層よりも積層方向の下側に位置する部分の直流重畳特性と異なっていること、
 を特徴とする請求の範囲第1項又は請求の範囲第2項のいずれかに記載の電子部品。
 前記第2の絶縁層及び前記第3の絶縁層は、非磁性体層であること、
 を特徴とする請求の範囲第1項ないし請求の範囲第3項のいずれかに記載の電子部品。
 前記第1の絶縁層よりも積層方向の上側には、前記第3の絶縁層が設けられておらず、
 前記第1の絶縁層よりも積層方向の下側には、前記第3の絶縁層が設けられていること、
 を特徴とする請求の範囲第1項ないし請求の範囲第4項のいずれかに記載の電子部品。
Description:
電子部品

 本発明は、電子部品に関し、コイルを内 している積層型の電子部品に関する。

 コイルを内蔵している従来の電子部品と ては、例えば、特許文献1に記載の積層型イ ンダクタンス素子が知られている。該積層型 インダクタンス素子は、内部導体からなる螺 旋状の導体のコイルと、該コイルのコイル軸 と直交するように設けられた第1の非磁性体 と、内部導体間に設けられている第2の非磁 体層とにより構成されている。

 前記積層型インダクタンス素子によれば コイルを横切るように第1の非磁性体層が設 けられているので、コイルが開磁路構造をと るようになる。その結果、積層型インダクタ ンス素子の電流が大きくなっても、磁気飽和 によるインダクタンスの急激な低下が発生し にくくなる。すなわち、積層インダクタンス 素子の直流重畳特性が向上する。

 ところで、DC-DCコンバータでは、低出力 流領域と高出力電流領域において、コイル 要求されるインダクタンス値が異なる場合 ある。より詳細には、DC-DCコンバータに用い られるコイルを内蔵した電子部品では、低出 力電流領域において相対的に大きなインダク タンス値が得られると共に、高出力電流領域 において相対的に小さなインダクタンス値が 得られるような直流重畳特性が要求される。

 しかしながら、特許文献1に記載の積層型イ ンダクタンス素子は、電流が増加しても略一 定のインダクタンス値を保っているので、前 記のようなDC-DCコンバータに適した直流重畳 性を得ることは困難である。

特開2007-214424号公報

 そこで、本発明の目的は、電流の大きさ 応じて異なるインダクタンス値をとると共 、磁気飽和によるインダクタンス値の急激 低下を抑制できるコイルを内蔵した電子部 を提供することである。

 本発明の一形態である電子部品は、複数 第1の絶縁層が積層されてなる積層体と、前 記積層体内において互いに接続されることに よりコイルを構成している複数のコイル電極 と、前記コイルを横切るように設けられ、前 記第1の絶縁層よりも低い透磁率を有してい 第2の絶縁層と、積層方向から見たときに、 記コイルが形成されている領域よりも外側 領域に形成され、前記第1の絶縁層よりも低 い透磁率を有している第3の絶縁層と、を備 、前記第2の絶縁層よりも積層方向の上側に ける前記第3の絶縁層の構造と、該第2の絶 層よりも積層方向の下側における前記第3の 縁層の構造とは、異なっていること、を特 とする。

 発明によれば、第1の絶縁層よりも低い透 磁率を有している第2の絶縁層がコイルを横 るように設けられているので、電子部品の 流重畳特性が向上する。また、本発明によ ば、第2の絶縁層よりも積層方向の上側にお る第3の絶縁層の構造と、該第2の絶縁層よ も積層方向の下側における第3の絶縁層の構 とが異なっているので、電流の大きさに応 て異なるインダクタンス値を得ることが可 となる。

図1(a)は、本発明の一実施形態に係る電 子部品の外観斜視図である。図1(b)は、前記 子部品のA-Aにおける断面構造図である。図1( c)は、前記電子部品のB-Bにおける断面構造図 ある。図1(d)は、前記電子部品のC-Cにおける 断面構造図である。 図1に示す電子部品の等価回路図である 。 図1に示す電子部品の直流重畳特性を示 したグラフである。 図4(a)は、第1の変形例に係る電子部品 断面構造図である。図4(b)は、前記電子部品 D-Dにおける断面構造図である。 第2の変形例に係る電子部品の断面構造 図である。 電子部品の製造工程を示す平面図及び 面構造図である。 電子部品の製造工程を示す平面図及び 面構造図である。 電子部品の製造工程を示す平面図及び 面構造図である。 電子部品の製造工程を示す平面図及び 面構造図である。

符号の説明

 10a,10b,10c 電子部品
 12 積層体
 14a,14b 外部電極
 16a~16i 磁性体層
 18a~18g コイル電極
 20,22,22a,22b,22c 非磁性体層
 L,L1,L2 コイル

 以下に、本発明の一実施形態に係る電子 品について説明する。図1(a)は、電子部品10a の外観斜視図である。図1(b)は、電子部品10a A-Aにおける断面構造図である。図1(c)は、電 部品10aのB-Bにおける断面構造図である。図1 (d)は、電子部品10aのC-Cにおける断面構造図で ある。以下では、電子部品10aの形成時に、絶 縁層が積層される方向を積層方向と定義する 。図1(c)及び図1(d)では、電子部品10aのコイル 極18a~18gを点線で示してある。また、図1(b) は、各層の境界線が点線により示されてい が、実際には、視認できるような境界線が 在しない場合も存在する。

(電子部品の構成)
 電子部品10aは、図1(a)に示すように、内部に コイルを含む直方体状の積層体12と、積層体1 2の対向する側面に形成される2つの外部電極1 4a,14bとを備えている。

 積層体12は、以下に説明するように、複 のコイル電極と複数の磁性体層とが積層さ て構成されている。積層体12は、図1(b)に示 ように、強磁性のフェライト(例えば、Ni-Zn-C uフェライト又はNi-Znフェライト等)からなる 数の絶縁層(磁性体層16a~16i)、及び、磁性体 16a~16iよりも低い透磁率を有する材料からな 絶縁層(非磁性体層20,22)が積層されることに より構成される。本実施形態において、磁性 体層16a~16iよりも低い透磁率を有する材料か なる絶縁層(非磁性体層20,22)の透磁率は1であ る。

 磁性体層16a,16b,16d~16i及び非磁性体層20は 長方形状を有する層である。非磁性体層22は 、図1(c)に示すように、中央部分が長方形に りぬかれた枠形状を有する層である。磁性 層16cは、図1(c)に示すように、非磁性体層22 長方形にくりぬかれた中央部分に一致する 状の層である。

 磁性体層16a,16b、非磁性体層22、磁性体層1 6d、非磁性体層20、磁性体層16e,16fの主面上に それぞれ、積層体12内において互いに接続 れることによりコイルLを構成するコイル電 18a~18gが形成される。そして、図1(b)に示す うに、磁性体層16g,16a,16b,16c、非磁性体層22、 磁性体層16d、非磁性体層20、磁性体層16e,16f,16 h,16iの順に下から積層されている。以下では 個別の磁性体層16a~16i及びコイル電極18a~18g 指す場合には、参照符号の後ろにアルファ ットを付し、これらを総称する場合には、 照符号の後ろのアルファベットを省略する

 各コイル電極18は、Agからなる導電性材料 からなり、「コ」字状を有する。これにより 、一つのコイル電極18が3/4巻き分に相当する イルLの一部分を構成する。なお、コイル電 極18は、Pd,Au,Pt等を主成分とする貴金属やこ らの合金などの導電性材料からなっていて よい。また、コイル電極18は、3/4巻きに限ら ない。

 また、複数のコイル電極18は、互いに接 されることにより、螺旋状のコイルLを構成 る。積層方向において最も下側及び最も上 に形成されたコイル電極18a,18gはそれぞれ、 外部電極14a,14bに接続されている。

 更に、複数のコイル電極18は、図1(c)に示 ように、積層方向上側から見たときに、互 に重なり合って、「ロ」字状を形成してい 。非磁性体層22は、積層方向から見たとき 、コイル電極18に囲まれた領域α(図1(c)の「 」字状の内部)よりも外側に形成されている すなわち、非磁性体層22は、図1(b)に示すよ に、コイル電極18b,18cと積層方向に重なる領 域に形成されていると共に、図1(c)に示すよ に、コイル電極18が形成されている領域より も外側の領域(いわゆる、サイドギャップ)に 成されている。また、積層方向における位 が非磁性体層22と同じであって、かつ、領 α内には、磁性体層16cが形成されている。

 また、非磁性体層20は、図1(d)に示すよう 、コイルLを積層方向に垂直な方向に横切る ように、積層方向に垂直な断面の全面に渡っ て形成されている。非磁性体層20,22が図1(b)に 示す構造をとることにより、非磁性体層20よ も積層方向の上側における非磁性体層22の 造と、非磁性体層20よりも積層方向の下側に おける非磁性体層22の構造とが異なっている より詳細には、非磁性体層20よりも積層方 の上側には、非磁性体層22が設けられておら ず、非磁性体層20よりも積層方向の下側には 非磁性体層22が設けられている。なお、本 施形態において、非磁性体層22の構造とは、 非磁性体層22の位置、形状及び数を指す。

 以上のように構成された磁性体層16、コ ル電極18及び非磁性体層20,22を積層方向に重 て積層体12を形成し、外部電極14a,14bを形成 ると、電子部品10aが得られる。

(効果)
 電子部品10aによれば、以下に説明するよう 、直流重畳特性を向上させることができる 具体的には、電子部品10aでは、非磁性体層2 0が設けられている。これにより、コイルLが 磁路型コイルとなる。その結果、電子部品1 0aにおいて磁気飽和が発生することが抑制さ 、電子部品10aの直流重畳特性が向上する。

 また、電子部品10aによれば、以下に図面 参照しながら説明するように、電流の大き に応じて異なるインダクタンス値を得るこ が可能となる。図2は、電子部品10aの等価回 路図である。図3は、電子部品10aの直流重畳 性を示したグラフである。縦軸はインダク ンスを示し、横軸は電流を示す。

 図1(b)に示すように、非磁性体層20は、コ ルLの積層方向の中央近傍において、該コイ ルLを横切るように形成されている。このよ な構成を有するコイルLは、図2に示すように 、コイルL1とコイルL2とが直列接続されたも とみなすことができる。コイルL1は、非磁性 体層20よりも下側に位置するコイル電極18a~18d からなるコイルである。一方コイルL2は、非 性体層22よりも上側に位置するコイル電極18 e~18gからなるコイルである。

 前記コイルLは、図1(b)に示すように非磁 体層22が設けられているので、開磁路型コイ ルを構成している。それ故、コイルL1に相対 に大きな電流が流れるまで、図3の点線に示 すように、コイルL1のインダクタンス値の急 な低下が発生しない。一方、前記コイルL2 、図1(b)に示すように非磁性体層22が設けら ていないので、閉磁路型コイルを構成して る。それ故、コイルL2に相対的に小さな電流 が流れただけで、図3の一点鎖線に示すよう 、コイルL2のインダクタンス値が急激に低下 する。すなわち、電子部品10aでは、非磁性体 層20よりも積層方向の上側における非磁性体 22の構造と、非磁性体層20よりも積層方向の 下側における非磁性体層22の構造とを異なら ることにより、コイルL1の直流重畳特性と イルL2の直流重畳特性とを異ならせている。

 ここで、コイルL1とコイルL2とが直列接続 されたコイルLのインダクタンス値は、コイ L1のインダクタンス値とコイルL2のインダク ンス値との合計であらわされる。すなわち コイルLの直流重畳特性は、図3の点線と一 鎖線とを加算して得られる曲線となる。そ 結果、コイルLの直流重畳特性は、図3の実線 に示すように、電流の増加に伴って階段状に インダクタンスが減少するようになる。より 詳細には、コイルLでは、相対的に小さな電 がコイルLに流れた場合には、相対的に大き インダクタンス値が得られ、相対的に大き 電流がコイルLに流れた場合には、相対的に 小さなインダクタンス値が得られる。DC-DCコ バータに用いられるコイルでは、低出力電 領域において相対的に大きなインダクタン 値が要求されると共に、高出力電流領域に いて相対的に小さなインダクタンス値が要 される。それ故、電子部品10aをDC-DCコンバ タに適用することが可能となる。

(変形例)
 本発明の一実施形態に係る電子部品の構造 、電子部品10aの構造のみに限らない。より 体的には、非磁性体層20,22は、図1に示した 造に限らない。非磁性体層20,22は、コイルL1 の直流重畳特性とコイルL2の直流重畳特性と 異なるような構造を有していればよい。以 に、コイルL1の直流重畳特性とコイルL2の直 流重畳特性とを異ならせるための非磁性体層 20,22の構造について、図面を参照しながら説 する。図4(a)は、第1の変形例に係る電子部 10bの断面構造図である。図4(b)は、電子部品1 0aのD-Dにおける断面構造図である。図5は、第 2の変形例に係る電子部品10cの断面構造図で る。

 図1(b)及び図1(c)に示す電子部品10aでは、 磁性体層22は、「ロ」字状を有している。一 方、図4(a)及び図4(b)に示す電子部品10bでは、 磁性体層22は、「コ」字状を有している。 のような構造を有する非磁性体層22であって も、非磁性体層20よりも積層方向の上側にお る非磁性体層22の構造と、非磁性体層20より も積層方向の下側における非磁性体層22の構 とが異なる。その結果、コイルL1の直流重 特性とコイルL2の直流重畳特性とを異ならせ ることができる。

 また、図1(b)及び図1(c)に示す電子部品10a は、非磁性体層22は、非磁性体層20よりも積 方向の下側に1層分だけ設けられている。一 方、図5に示す電子部品10cでは、非磁性体層20 の積層方向の上側には、1層分の非磁性体層22 cが設けられ、非磁性体層20の積層方向の下側 には、2層分の非磁性体層22a,22bが設けられて る。このような構造を有する非磁性体層22a, 22b,22cであっても、非磁性体層20よりも積層方 向の上側における非磁性体層22の構造と、非 性体層20よりも積層方向の下側における非 性体層22の構造とが異なる。その結果、コイ ルL1の直流重畳特性とコイルL2の直流重畳特 とを異ならせることができる。

(積層型電子部品の製造方法)
 以下に、電子部品10a~10cの製造方法の一例と して、電子部品10aの製造方法について説明す る。図6ないし図9は、電子部品10aの製造工程 示す平面図及び断面構造図である。電子部 10aの製造の際には、実際には、複数の電子 品10aが同時に作製される。ただし、以下に 明する製造方法では、説明の簡略化のため 、1個分の電子部品10aの製造方法について説 明する。

 図6ないし図9におけるセラミックグリー シート116a,116g,116h,116iは、図1における磁性体 層16a,16g,16h,16iの未焼成の状態の層あるいはシ ートを指す。以下、セラミックグリーンシー ト116a,116g,116h,116iを総称する場合には、参照 号の後ろのアルファベットを省略し、個別 セラミックグリーンシート116を指す場合に 、参照符号の後ろにアルファベットを付す

 セラミックグリーンシート116は、以下のよ にして作製される。酸化第二鉄(Fe 2 O 3 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)、及び、 化銅(CuO)をそれぞれ所定の比率で秤量した れぞれの材料を原材料としてボールミルに 入し、湿式調合を行う。得られた混合物を 燥してから粉砕し、得られた粉末を750℃で1 間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミ にて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕し フェライトセラミック粉末を得る。

 このフェライトセラミック粉末に対して 合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可 剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで 合を行い、その後、減圧により脱泡を行う 得られたセラミックスラリーをドクターブ ード法により、シート状に形成して乾燥さ 、所望の膜厚(例えば、35μm)のセラミックグ ーンシート116を作製する。

 まず、図6(a)に示すように、作製したセラ ミックグリーンシート116aを一枚準備する。 に、このセラミックグリーンシート116aの上 、図6(b)に示すように、導電性ペーストをス クリーン印刷法やフォトリソグラフィ法など の方法で塗布することにより、コイル電極18a を形成する。コイル電極18aは、Ag,Pd,Cu,Auやこ らの合金などにより、「コ」字状となるよ に形成される。

 次に、セラミックグリーンシート116a上に は、図6(c)に示すように、フェライトのペー トをスクリーン印刷法により印刷すること より、磁性体層16bとなる印刷層116bを形成す 。このフェライトのペーストは、セラミッ グリーンシート116aと同じ材料により構成さ れる。この際、コイル電極18aの端部の内、外 部電極14aに接続されない方の端部が、印刷層 116bから露出するように、該印刷層116bは形成 れる。これにより、コイル電極18aとコイル 極18bとの接続部分を形成している。

 次に、この印刷層116bの上に、図6(d)に示 ように、導電性ペーストをスクリーン印刷 やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布 ることにより、「コ」字状のコイル電極18b 形成する。コイル電極18bは、コイル電極18a 印刷層116bから露出した部分に一端が位置す ように形成される。これにより、コイル電 18aとコイル電極18bとが接続される。

 次に、セラミックグリーンシート116b上には 、図6(e)に示すように、非磁性材料のペース をスクリーン印刷法により印刷することに り、非磁性体層22となる印刷層122を形成する 。この非磁性材料のペーストは、酸化第二鉄 (Fe 2 O 3 )、酸化亜鉛(ZnO)、及び、酸化銅(CuO)をそれぞ 所定の比率で混合して得られる。印刷層122 、積層方向から見たときに、図1(c)に示すよ うに、範囲αを取り囲むように形成される。 たがって、該印刷層122は、「ロ」字状に形 される。更に、コイル電極18bの端部の内、 イル電極18aに接続されない方の端部が、印 層122から露出するように、該印刷層122は形 される。これにより、コイル電極18bとコイ 電極18cとの接続部分を形成している。

 次に、セラミックグリーンシート116bの領 域α上には、図7(a)に示すように、フェライト のペーストをスクリーン印刷法により印刷す ることにより、透磁率層16cとなる印刷層116c 形成する。このフェライトのペーストは、 ラミックグリーンシート116aと同じ材料によ 構成される。

 次に、印刷層122の上に、図7(b)に示すよう に、導電性ペーストをスクリーン印刷法やフ ォトリソグラフィ法などの方法で塗布するこ とにより、「コ」字状のコイル電極18cを形成 する。コイル電極18cは、コイル電極18bが印刷 層122から露出した部分に一端が位置するよう に形成される。これにより、コイル電極18bと コイル電極18cとが接続される。

 次に、印刷層116c,122上に、図7(c)に示すよ に、フェライトのペーストをスクリーン印 法により印刷することにより、磁性体層16d なる印刷層116dを形成する。このフェライト のペーストは、セラミックグリーンシート116 aと同じ材料により構成される。この際、コ ル電極18cの端部の内、コイル電極18bに接続 れない方の端部が、印刷層116dから露出する うに、該印刷層116dは形成される。これによ り、コイル電極18cとコイル電極18dとの接続部 分を形成している。

 次に、この印刷層116dの上に、図7(d)に示 ように、導電性ペーストをスクリーン印刷 やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布 ることにより、「コ」字状のコイル電極18d 形成する。コイル電極18dは、コイル電極18c 印刷層116dから露出した部分に一端が位置す ように形成される。これにより、コイル電 18cとコイル電極18dとが接続される。

 次に、印刷層116d上には、図7(e)に示すよ に、非磁性材料のペーストをスクリーン印 法により印刷することにより、非磁性体層20 となる印刷層120を形成する。この非磁性材料 のペーストは、印刷層122と同じ材料により構 成される。この際、コイル電極18dの端部の内 、コイル電極18cに接続されない方の端部が、 印刷層120から露出するように、該印刷層120は 形成される。これにより、コイル電極18dとコ イル電極18eとの接続部分を形成している。

 次に、この印刷層120の上に、図8(a)に示す ように、導電性ペーストをスクリーン印刷法 やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布す ることにより、「コ」字状のコイル電極18eを 形成する。コイル電極18eは、コイル電極18dが 印刷層120から露出した部分に一端が位置する ように形成される。これにより、コイル電極 18dとコイル電極18eとが接続される。

 次に、印刷層120上には、図8(b)に示すよう に、フェライトのペーストをスクリーン印刷 法により印刷することにより、磁性体層16eと なる印刷層116eを形成する。このフェライト ペーストは、セラミックグリーンシート116a 同じ材料により構成される。この際、コイ 電極18eの端部の内、コイル電極18dに接続さ ない方の端部が、印刷層116eから露出するよ うに、該印刷層116eは形成される。これによ 、コイル電極18dとコイル電極18eとの接続部 を形成している。

 次に、この印刷層116eの上に、図8(c)に示 ように、導電性ペーストをスクリーン印刷 やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布 ることにより、「コ」字状のコイル電極18f 形成する。コイル電極18fは、コイル電極18e 印刷層116eから露出した部分に一端が位置す ように形成される。これにより、コイル電 18eとコイル電極18fとが接続される。

 次に、印刷層116e上には、図8(d)に示すよ に、フェライトのペーストをスクリーン印 法により印刷することにより、磁性体層16f なる印刷層116fを形成する。このフェライト ペーストは、セラミックグリーンシート116a と同じ材料により構成される。この際、コイ ル電極18fの端部の内、コイル電極18eに接続さ れない方の端部が、印刷層116fから露出する うに、該印刷層116fは形成される。これによ 、コイル電極18fとコイル電極18gとの接続部 を形成している。

 次に、この印刷層116fの上に、図8(e)に示 ように、導電性ペーストをスクリーン印刷 やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布 ることにより、「コ」字状のコイル電極18g 形成する。コイル電極18gは、コイル電極18f 印刷層116fから露出した部分に一端が位置す ように形成される。これにより、コイル電 18fとコイル電極18gとが接続される。

 次に、図6(a)~図8(e)の工程を経て得られた 層体の下に、図9に示すように、1層分のセ ミックグリーンシート116gをシート積層法に り積層及び圧着すると共に、該積層体の上 、2層分のセラミックグリーンシート116h,116i をシート積層法により積層及び圧着する。こ れにより、図1(b)に示すような断面構造を有 る、未焼成の積層体12を得る。未焼成の積層 体12には、脱バインダー処理及び焼成がなさ る。焼成温度は、例えば、900℃である。こ により、焼成された積層体12が得られる。

 次に、積層体12の表面には、例えば、浸 法等の方法により主成分が銀である電極ペ ストが塗布及び焼き付けされることにより 外部電極14a,14bが形成される。外部電極14a,14b は、図1(a)に示すように、積層体12の左右の端 面に形成される。

 最後に、外部電極14の表面に、Niめっき/Sn めっきを施す。以上の工程を経て、図1に示 ような電子部品10aが完成する。

 なお、以上の製造方法によれば、印刷法 シート積層法とが組み合わされて電子部品1 0aが作製されたが、該電子部品10aの製造方法 これに限らない。例えば、印刷法、あるい シート積層法のみを用いてもよい。更には 転写方式により電子部品10aが製造されても い。この場合、予め、フィルム上に磁性体 16、コイル電極18、非磁性体層20,22を積層し 層を複数作製しておく。そして、作製した れらの層を次々と転写して積層していくこ により、積層体12を作製する。

 以上のように、本発明は、電子部品に有 であり、特に、電流の大きさに応じて異な インダクタンス値をとると共に、磁気飽和 よるインダクタンス値の急激な低下を抑制 きる点において優れている。