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Title:
ELECTROPHOTOGRAPHIC PHOTORECEPTOR, METHOD FOR PRODUCTION THEREOF, AND IMAGE-FORMING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/017207
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an electrophotographic photoreceptor (10) which comprises a base material (18) and a photoconductive layer (19B). The photoconductive layer (19B) is formed on the base material (18), and comprises a non-single-crystal material mainly composed of silicon. In the photoconductive layer (19B), with regard to a characteristic energy E (eV) which has the relationship with a light absorption coefficient α (cm-1) represented by the following formula (1), the characteristic energy E1 (eV) for an exposure wavelength is larger than the characteristic energy E2 (eV) for a neutralization wavelength. [Formula (1)] α = C exp(hω/E) C: a constant hω: a photon energy h: a rationalized Planck's constant ω: the number of frequency

Inventors:
ISHII YOSHINOBU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063804
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
July 31, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KYOCERA CORP (JP)
ISHII YOSHINOBU (JP)
International Classes:
G03G5/08; C23C16/515; G03G13/04; G03G21/08
Domestic Patent References:
WO2006134781A12006-12-21
Foreign References:
JP2000187344A2000-07-04
JPH1184700A1999-03-26
JP2007179025A2007-07-12
JP2007171805A2007-07-05
JP2002108032A2002-04-10
JPS60168187A1985-08-31
Attorney, Agent or Firm:
SHIOTANI, Takashi (ShinmachiNishi-ku, Osaka-sh, Osaka 13, JP)
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Claims:
 基体と、該基体上に形成され且つシリコンを主体とする非単結晶材料を含んでなる光導電層と、を備え、
 前記光導電層は、光吸収係数α(cm -1 )との関係において下記数式1を満たす特性エネルギE(eV)に関し、露光波長に対する特性エネルギE1が除電波長に対する特性エネルギE2(eV)よりも大きいことを特徴とする、電子写真感光体。
 露光波長に対する特性エネルギE1は0.09eVより大きく0.16eV以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。
 露光波長に対する特性エネルギE1は0.1eV以上0.14eV以下である、請求項2に記載の電子写真感光体。
 除電波長に対する特性エネルギE2は0.09eV以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。
 除電波長に対する特性エネルギE2は0.07eV以下である、請求項4に記載の電子写真感光体。
 除電波長に対する特性エネルギE2は0.06eV以上である、請求項4に記載の電子写真感光体。
 前記非単結晶材料はアモルファスシリコンを主成分とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
 前記非単結晶材料は微結晶シリコンを含む、請求項1に記載の電子写真感光体。
 前記光導電層上に水素化アモルファスシリコンカーバイド(a-Si 1-X C X :H)を含んでなる表面層を更に備え、
 前記表面層は、前記X値が0を超えて0.8未満の第1層と、該第1層上に積層形成され且つ前記X値が0.95以上1.0未満の第2層とを含んでなる、請求項1に記載の電子写真感光体。
 前記光導電層上にアモルファスカーボンを含んでなる表面層を更に備える、請求項1に記載の電子写真感光体。
 請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法であって、
 反応室において第1導体に前記基体を支持させるステップと、
 前記反応室を反応ガス雰囲気とするステップと、
 前記第1導体と前記反応室において前記第1導体に離間して配置された第2導体との間にパルス状の直流電圧を印加するステップと、を含むことを特徴する、電子写真感光体の製造方法。
 請求項1に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を露光するための露光器と、前記電子写真感光体を除電するための除電器と、を備えることを特徴とする、画像形成装置。
 前記露光器から出射される露光光の波長は、前記除電器から出射される除電光の波長よりも短い、請求項12に記載の画像形成装置。
 前記露光光の波長は650nm以上780nm以下であり、前記除電光の波長は780nm以上である、請求項13に記載の画像形成装置。
Description:
電子写真感光体およびその製造 法、並びに画像形成装置

 本発明は、シリコンを主体とする非単結 材料を含んでなる光導電層を備えた電子写 感光体およびその製造方法、並びに画像形 装置に関するものである。

 紙などの記録媒体に画像を形成する方法 しては、電子写真方式がある。このような 子写真方式では、感光体に対して、帯電と 露光と、現像と、転写と、除電とを繰り返 ことによって記録媒体に画像が形成される 電子写真方式は、コピー機あるいはプリン などに採用されている。感光体としては、 体の表面に感光層を形成したものが使用さ ている。感光層としては、アモルファスシ コンからなる光導電層を備えたものが採用 れている。

 電子写真方式の画像形成では、先の印画 程における露光に起因する残像が後の印画 程時に影響を与える(ゴースト)などの光メ リが現れる場合があった。光メモリは、露 時に強い光が照射された部位に発生したフ トキャリアが感光層にトラップされ、後の 電時に影響を与えるために生じるものと考 られている。また、光メモリは、露光時に い光が照射されなかった部位の帯電を除去 るために除電光を照射する場合にも現れる 合がある。すなわち、露光光だけでなく除 光によって発生したフォトキャリアが感光 にトラップされ、後の帯電時に影響を与え しまう場合がある。特に、露光時における メモリの影響を低減するために、強い除電 を照射すると、この影響は更に顕著となる

 一般に、アモルファス半導体の光吸収ス クトルにおいて、吸収端から低エネルギ側 エネルギ変化に対して指数関数的に吸収が 化する領域が観測される。この領域は、指 関数裾(アーバックテイル)と呼ばれる領域 ある。この領域において光吸収係数αと入射 光の光子エネルギhωとの間には、下記数式1 成立する。なお、数式1におけるEは特性エネ ルギと呼ばれるものである。

 数式1において、両辺の自然対数をとると 、下記数式2が成立する。

 特性エネルギEの逆数(1/E)は、光吸収係数 の対数(lnα)を縦軸、光子エネルギ(hω)を横軸 としたときの傾きに相当するものである。光 吸収スペクトルは、指数関数裾の領域でほぼ 直線になる。この直線状の領域における特性 エネルギEの大きさは、バンドテイルに捕獲 れるキャリアの量と相関関係がある。例え 、特性エネルギEを小さく(1/Eを大きく)する とにより、バンドテイルに捕獲されるキャ アを少なくすることができ、露光時のメモ を低減できる(例えば特許文献1,2参照)。

 特許文献1には、光導電層の特性エネルギ Eを0.09eV以下に保つことによりメモリを低減 ることが開示されている。特許文献2には、 導電層を、特性エネルギEが50meV~65meVである 1層と、特性エネルギEが50meV~55meVである第2 とによって構成することによりメモリを低 することが開示されている。

 確かに、露光時および除電時のメモリを さくするには、特性エネルギEの小さい膜に 適切な露光量を与えるのが有効である。しか しながら、光導電層の特性エネルギEを小さ するためには、一般に、成膜レートが低く るか、あるいは大流量のガスが必要となり いずれも製造コストの点で問題が大きかっ 。

特開昭62-83470号公報

特許第3754751号公報

 本発明は、露光時および除電時のメモリ 小さく、製造コストに負担の少ない電写真 光体およびその製造方法、並びに画像形成 置を提供することを課題としている。

 本発明の一つの観点によれば、電子写真感 体は、基体および光導電層を備えている。 記光導電層は、基体上に形成され、且つ、 リコンを主体とする非単結晶材料を含んで る。また、前記光導電層は、光吸収係数α(c m -1 )との関係において下記数式1を満たす特性エ ルギE(eV)に関し、露光波長に対する特性エ ルギE1が除電波長に対する特性エネルギE2(eV) よりも大きい。

 本発明の他の観点によれば、電子写真感 体の製造方法は、上述の本発明に係る電子 真感光体の製造方法である。この製造方法 、反応室において第1導体に前記基体を支持 させるステップと、前記反応室を反応ガス雰 囲気とするステップと、前記第1導体と前記 応室において前記第1導体に離間して配置さ た第2導体との間にパルス状の直流電圧を印 加するステップと、を含む。

 本発明の更に他の観点によれば、画像形 装置は、上述の電子写真感光体と、前記電 写真感光体を露光するための露光器と、前 電子写真感光体を除電するための除電器と を備える。

 本発明の一形態に係る電子写真感光体に れば、感光層が露光波長に対して比較的大 い特性エネルギE1を持っていても、除電光 より残存キャリアが有効に発散される。し がって、このような電子写真感光体を備え 画像形成装置では、次の画像形成まで光メ リが残存するのを抑制することができる。 た、本発明の一形態に係る電子写真感光体 よびその製造方法によれば、感光層の成膜 度を高く、あるいは、使用する原料ガスの を少なくすることができるため、生産性を 上させることができる。

 本発明に係る画像形成装置1について、図 1ないし図4を参照しつつ説明する。

 画像形成装置1は、画像形成方式としてカ ールソン法を採用したものである。画像形成 装置1は、電子写真感光体10と、帯電器11と、 光器12と、現像器13と、転写器14と、定着器1 5と、クリーニング器16と、除電器17とを備え いる。

 帯電器11は、電子写真感光体10を正極性ま たは負極性に帯電する機能を有するものであ る。帯電電圧は、例えば200V以上1000V以下に設 定される。本実施形態において帯電器11は、 触型帯電器を採用して説明するが、これに えて、非接触型帯電器を採用してもよい。 触型帯電器は、電子写真感光体10を押圧す ように配置されており、例えば芯金を導電 ゴムおよびPVDF(ポリフッ化ビニリデン)によ て被覆することにより構成されている。非 触型帯電器は、電子写真感光体10とは離間し て配置されており、例えば放電ワイヤを有す る構成とされている。

 露光器12は、電子写真感光体10に静電潜像 を形成する機能を有するものである。具体的 には、露光器12は、画像信号に応じて特定波 (例えば650nm以上780nm以下)の露光光を電子写 感光体10に照射することにより、帯電状態 ある電子写真感光体10の露光光照射部分の電 位を減衰させて静電潜像を形成する。露光器 12としては、例えば複数のLED素子を配列させ なるLEDヘッドを採用することができる。

 もちろん、露光器12の光源としては、LED 子に代えてレーザ光を出射可能なものを使 することもできる。つまり、LEDヘッドなど 露光器12に代えて、ポリゴンミラーを含んで なる光学系、あるいは、原稿からの反射光を 通すレンズおよびミラーを含んでなる光学系 を採用することにより、複写機の構成の画像 形成装置とすることもできる。

 現像器13は、電子写真感光体10の静電潜像 を現像してトナー像を形成する機能を有する ものである。本実施形態における現像器13は 現像剤(トナー)TNを磁気的に保持する磁気ロ ーラ13Aを備えている。

 現像剤TNは、電子写真感光体10の表面上に 形成されるトナー像を構成するものであり、 現像器13において摩擦帯電させられる。現像 TNとしては、例えば、磁性キャリアおよび 縁性トナーを含んでなる二成分系現像剤と 磁性トナーを含んでなる一成分系現像剤と 挙げられる。

 磁気ローラ13Aは、電子写真感光体10の表 (現像領域)に現像剤を搬送する機能を有する ものである。磁気ローラ13Aは、現像器13にお て摩擦帯電した現像剤TNを一定の穂長に調 された磁気ブラシの形で搬送する。この搬 された現像剤TNは、電子写真感光体10の現像 域において、静電潜像との静電引力により 光体表面に付着してトナー像を形成する(静 電潜像を可視化する)。トナー像の帯電極性 、正規現像により画像形成が行われる場合 は、電子写真感光体10の表面の帯電極性と逆 極性とされ、反転現像により画像形成が行わ れる場合には、電子写真感光体10の表面の帯 極性と同極性とされる。

 なお、本実施形態において現像器13は、乾 現像方式を採用しているが、液体現像剤を いた湿式現像方式を採用してもよい。
 転写器14は、電子写真感光体10と転写器14と 間の転写領域に供給された記録媒体Pに、電 子写真感光体10のトナー像を転写する機能を するものである。本実施形態における転写 14は、転写用チャージャ14Aおよび分離用チ ージャ14Bを備えている。転写器14では、転写 用チャージャ14Aにおいて記録媒体Pの背面(非 録面)がトナー像とは逆極性に帯電され、こ の帯電電荷とトナー像との静電引力によって 、記録媒体P上にトナー像が転写される。ま 、転写器14では、トナー像の転写と同時的に 、分離用チャージャ14Bにおいて記録媒体Pの 面が交流帯電させられ、記録媒体Pが電子写 感光体10の表面から速やかに分離させられ 。

 転写器14としては、電子写真感光体10の回 転に従動し、且つ、電子写真感光体10とは微 間隙(通常0.5mm以下)を介して配置された転写 ローラを用いることも可能である。この転写 ローラは、例えば直流電源により、電子写真 感光体10上のトナー像を記録媒体P上に引きつ けるような転写電圧を印加するように構成さ れる。転写ローラを用いる場合には、分離用 チャージャ14Bのような転写分離装置は省略す ることもできる。

 定着器15は、記録媒体Pに転写されたトナ 像を記録媒体Pに定着させる機能を有するも のであり、一対の定着ローラ15A,15Bを備えて る。定着ローラ15A,15Bは、例えば金属ローラ にフッ素樹脂などで表面被覆したものとさ ている。定着器15では、一対の定着ローラ15 A,15Bの間を通過させる記録媒体Pに対して、熱 および圧力などを作用させることにより、記 録媒体Pにトナー像を定着させることができ 。

 クリーニング器16は、電子写真感光体10の 表面に残存するトナーを除去する機能を有す るものであり、クリーニングブレード16Aを備 えている。クリーニングブレード16Aは、電子 写真感光体10の表面から、残留トナーを掻き る機能を有するものである。クリーニング レード16Aは、例えばポリウレタン樹脂を主 分としたゴム材料などにより所望の弾性を する構造とされている。

 除電器17は、電子写真感光体10の表面電荷 を除去する機能を有するものであり、特定波 長(例えば780nm以上)の光を出射可能とされて る。除電器17は、例えばLEDなどの光源によっ て電子写真感光体10の表面における軸方向全 を光照射することにより、電子写真感光体1 0の表面電荷(残余の静電潜像)を除去するよう に構成されている。

 図2に示したように、電子写真感光体1は 基体18の外周面上に感光層19を形成したもの ある。

 基体18は、電子写真感光体1の支持母体とし の機能を有するものであり、少なくとも表 において導電性を有している。本実施形態 おける基体18の形状は円筒状であるが、こ には限られず、例えば無端ベルト状として よい。基体18は、金属材料あるいは該金属材 料を含む合金材料により、実質的に全体が導 電性を有するものとして形成されている。金 属材料としては、アルミニウム(Al)、ステン ス(SUS)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、鉄(Fe)、チタン(Ti) ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、ス (Sn)、金(Au)、および銀(Ag)などが挙げられる また、基体18は、絶縁体の表面に導電性膜を 被着した構成としてもよい。絶縁体の構成材 料としては、例えば、樹脂、ガラス、および セラミックスなどの絶縁材料が挙げられる。 導電性膜の構成材料としては、例えば、上述 の金属材料および合金材料と、ITO(Indium Tin O xide)およびSnO 2 などの透明導電性材料とが挙げられる。この ような構造の基体18としては、軽量化および コスト化の観点から、構成材料としてAl系 料を採用したものが好ましく、中でも全体 Al系材料を採用したものがより好ましい。Al 材料としては、Al-Mn系合金、Al-Mg系合金、お よびAl-Mg-Si系合金などが挙げられる。なお、A l系材料を採用してなる基体18は、該基体18の 周面上に形成される感光層19をa-Si系材料に り形成する場合に、基体18と感光層19との密 着性(ひいては信頼性)を高めるうえで好適で る。

 基体18における感光層19の形成面は、旋盤 などにより表面処理が施される。表面処理と しては、鏡面加工および線状溝加工などが挙 げられる。

 感光層19は、基体18の外周面18a上に形成さ れている。感光層19の厚みは、例えば15μm以 120μm以下に設定されている。感光層19の厚み を15μm以上にすると、長波長光吸収層などを けなくても記録画像における干渉縞を低減 ることができ、感光層19の厚みを120μm以下 すると、応力に起因して基体18から感光層19 剥がれてしまうのを適切に抑制することが きる。

 本実施形態において感光層19は、電荷注 阻止層19Aと、光導電層19Bと、表面層19Cとを 次積層形成したものである。

 電荷注入阻止層19Aは、基体18側からの電荷 光導電層19B側に注入されるのを阻止する機 を有するものである。電荷注入阻止層19Aは シリコンを主体とする非単結晶材料により 成されている。非単結晶材料とは、多結晶 微結晶、および非晶質のうちの少なくとも つの部分を含む材料を意味している。例え 、電荷注入阻止層19Aをアモルファスシリコ (a-Si)系材料により形成する場合、原料ガス しては、SiH 4 (シランガス)などのSi含有ガスと、B 2 H 6 などのドーパント含有ガスと、水素(H 2 )およびヘリウム(He)などの希釈ガスとを混合 てなる混合ガスなどが挙げられる。

 電荷注入阻止層19Aは、エネルギ障壁をよ 適切に形成する観点から、周期律表第13族 素(以下「第13族元素」と略す)および周期律 第15族元素(以下「第15族元素」と略す)の少 くとも一方を含んでいてもよい。また、電 注入阻止層19Aは、電気伝導度をより小さく る観点から、炭素(C)および酸素(O)などの元 を含んでいてもよい。電荷注入阻止層19Aに まれる第13族元素あるいは第15族元素は、該 電荷注入阻止層19A中に実質的に均一に分布さ れていてもよいし、層厚方向において不均一 に分布されている部位を有していてもよいが 、残留電荷の発生を低減する観点から実質的 に均一に分布されているのが好ましい。なお 、いずれの場合においても、面内方向におけ る特性の均一化を図る観点から、基体18の表 に平行な面内方向において実質的に均一に 布されているのが好ましい。

 電荷注入阻止層19A対して第13族元素およ 第15族元素を炭素(C)、酸素(O)などの元素とと もに含有させる場合には、第13族元素の含有 は0.1ppm以上20000ppm以下、第15族元素の含有量 は0.1ppm以上10000ppm以下となるように調整され 。また、電荷注入阻止層19Aに対して炭素(C) 酸素(O)などの元素を含有させない場合には 第13族元素は0.01ppm以上200ppm以下、第15族元 は0.01ppm以上100ppm以下となるように調整され 。なお、原料ガスにおける第13属元素ある は第15属元素の含有量を経時的に変化させる ことにより、これらの元素の濃度について層 厚方向にわたって勾配を設ける場合には、光 導電層19Bにおける第13族元素あるいは第15族 素の含有量は、光導電層19Bの全体における 均含有量が上記範囲内であればよい。

 第13族元素としては、硼素(B)、アルミニウ (Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウ (Tl)などが挙げられ、中でもCVD法による成膜 のドーピング濃度の制御容易性の観点から 素が特に好ましい。電荷注入阻止層19Aに第1 3族元素を導入するための原料としては、例 ば、B 2 H 6 、B 4 H 10 、B 5 H 9 、B 5 H 11 、B 6 H 10 、B 6 H 12 、およびB 6 H 14 などの水素化硼素と、BF 3 、BCl 3 、およびBBr 3 などのハロゲン化硼素と、AlCl 3 と、GaCl 3 と、Ga(CH 3 ) 3 と、InCl 3 と、TlCl 3 とが挙げられる。

 第15族元素としては、リン(P)、砒素(As)、ア チモン(Sb)、ビスマス(Bi)などが挙げられ、 でも電荷注入阻止層19Aを構成する非単結晶 料の主体であるシリコンとの原子径の差に 因する格子の歪みを低減する観点から、リ が特に好ましい。電荷注入阻止層19Aに第15族 元素を導入するための原料としては、例えば 、PH 3 およびP 2 H 4 などの水素化リンと、PF 3 、PF 5 、PCl 3 、PCl 5 、PBr 3 、PBr 5 、およびPI 3 などのハロゲン化リンと、AsH 3 と、AsF 3 と、AsCl 3 と、AsBr 3 と、AsF 5 と、SbH 3 と、SbF 3 と、SbF 5 と、SbCl 3 と、SbCl 5 と、BiH 3 と、BiCl 3 と、BiBr 3 とが挙げられる。

 電荷注入阻止層19Aには、炭素、酸素、お び窒素のうちの少なくとも1種の元素を添加 してもよい。この添加元素は、電荷注入阻止 層19A中に実質的に均一に分布されていてもよ いし、層厚方向において不均一に分布されて いる部位を有していてもよい。但し、分布濃 度が不均一である場合は、残留電荷の発生を 低減するとともに、密着性を向上する観点か ら、基体18側における添加元素の濃度が大き なるように含有させるのが好ましい。なお いずれの場合においても、面内方向におけ 特性の均一化を図る観点から、基体18の表 に平行な面内方向において実質的に均一に 布されているのが好ましい。

 電荷注入阻止層19Aの厚さは、所望の電子 真特性および経済的効果などの観点から、0 .1μm以上10μm以下に設定されている。電荷注 阻止層19Aの厚さが0.1μm未満であると、基体18 側からの電荷の注入を充分に阻止することが できない場合があり、電荷注入阻止層19Aの厚 さが10μmを超えると、残留電荷が発生してし う場合がある。

 光導電層19Bは、レーザ光などの光照射に ってキャリアを発生させる機能を有するも である。光導電層19Bは、シリコンを主体と る非単結晶材料により構成されている。光 電層19Bが微結晶シリコンを含んでなる場合 、暗導電率あるいは光導電率を高めること できるため、光導電層19Bの設計自由度を高 ることができる。このような微結晶シリコ は、成膜条件を変えることによって形成す ことができ、例えばグロー放電分解法を採 する場合、基体18の温度および直流パルス 力を高めに設定し、希釈ガス(例えば水素)の 流量を増すことによって形成することができ る。

 光導電層19Bは、特定波長における光吸収係 α(cm -1 )との関係において下記数式1を満たす特性エ ルギE(eV)に関し、露光波長に対する特性エ ルギE1が、除電波長に対する特性エネルギE2( eV)よりも大きくされている。

 光導電層19Bは、露光波長に対する特性エ ルギE1が、例えば0.09eVより大きく0.16eV以下 好ましくは0.10eV以上0.14eV以下とされている 光導電層19Bはさらに、除電波長に対する特 エネルギE2が、例えば0.09eV以下、好ましくは 0.07eV以下とされている。なお、光導電層19Bの 製膜条件、例えば使用する水素ガスの流量や 基板の温度を考慮した場合には、除電波長に 対する特性エネルギE2は0.06eV以上に設定する が好ましい。

 光導電層19Bは、シリコンの未結合手を補償 る観点から、水素およびハロゲン元素の少 くとも一方を含むのが好ましい。光導電層1 9Bが含有する水素およびハロゲン元素の総和 、シリコンと水素とハロゲン元素との総和 対して1原子%以上40原子%以下とされるのが ましい。光導電層19Bにシリコンを導入する めの原料としては、SiH 4 、Si 2 H 6 、Si 3 H 8 、Si 4 H 10 などの水素化珪素(シラン類)が挙げられ、中 もシリコンの供給効率あるいは取扱い容易 などの観点からSiH 4 およびSi 2 H 6 が特に好ましい。光導電層19Bにハロゲン元素 を導入するための原料としては、F 2 、BrF、ClF、ClF 3 、BrF 3 、BrF 5 、IF 3 、IF 7 、SiF 4 、およびSi 2 F 6 などが挙げられる。なお、光導電層19Bにシリ コンを導入するための原料は、必要に応じて H 2 およびHeの少なくとも一方により希釈しても い。光導電層19Bにおける水素あるいはハロ ン元素の含有量を制御するには、例えば、 体18の温度、光導電層19Bに各元素を導入す ための原料の供給量、あるいは放電電力な を調整すればよい。

 光導電層19Bは、暗導電率などの電気的特 あるいは光学的バンドギャップについて所 の特性を得るべく、第13族元素および第15族 元素の少なくとも一方を含んでいてもよい。 また、光導電層19Bは、上述の特性を調整すべ く、炭素(C)および酸素(O)などの元素を含んで いてもよい。光導電層19Bに含まれる第13族元 あるいは第15族元素は、該光導電層19B中に 質的に均一に分布されていてもよいし、層 方向において不均一に分布されている部位 有していてもよいが、光感度を高める観点 ら、基体18側の端部領域が表面層19C側(基体18 とは反対側)の端部領域より濃度が小さくな ように分布されているのが好ましい。なお いずれの場合においても、面内方向におけ 特性の均一化を図る観点から、基体18の表面 に平行な面内方向において実質的に均一に分 布されているのが好ましい。

 光導電層19Bに対して第13族元素および第15 族元素を炭素(C)、酸素(O)等の元素とともに含 有させる場合、あるいは、光導電層19Bに対し て炭素(C)、酸素(O)等の元素を含有させない場 合には、第13族元素は0.01ppm以上200ppm以下、第 15族元素は0.01ppm以上100ppm以下となるように調 整される。なお、原料ガスにおける第13属元 あるいは第15属元素の含有量を経時的に変 させることにより、これらの元素の濃度に いて層厚方向にわたって勾配を設ける場合 は、光導電層19Bにおける第13族元素あるいは 第15族元素の含有量は、光導電層19Bの全体に ける平均含有量が上記範囲内であればよい

 光導電層19Bには、炭素、酸素、および窒素 うちの少なくとも1種の元素を含有させても よい。光導電層19Bが含有する炭素と酸素と窒 素との総和は、これらの元素とシリコンとの 総和に対して1×10 -5 原子%以上2原子%以下とされるのが好ましい。

 光導電層19Bの厚さは、所望の電子写真特 および経済的効果などの観点から、5μm以上 100μm(好適には10μm以上80μm以下)に設定されて いる。光導電層19Bの厚さが5μm未満であると 帯電能あるいは光感度を充分に確保できな 場合があり、光導電層19Bの厚さが100μmを超 ると、不必要に形成時間が長くなり、製造 ストの増大に繋がってしまう場合がある。

 表面層19Cは、主として電子写真感光体10の 湿性、繰り返し使用特性、電気的耐圧性、 用環境特性、あるいは耐久性を高める機能 有するものである。表面層19Cは、シリコン よび炭素の少なくとも一方を主体とする非 結晶材料により構成されている。また、表 層19Cは、電子写真感光体10に照射されるレー ザ光などの光が不適切に吸収されることのな いように、照射される光に対して充分広い光 学バンドギャップを有している。さらに、表 面層19Cは、画像形成における静電潜像を保持 し得る抵抗値(一般的には10 11 ω・cm以上)を有するように構成されている。

 表面層19Cをa-SiC系により形成する場合、原 ガスとしては、SiH 4 (シランガス)などのSi含有ガスと、CH 4 などのC含有ガスとを混合してなる混合ガス 挙げられる。この原料ガスにおけるSiとCと 組成比については、連続的あるいは間欠的 変化させてもよい。例えば、Cの比率が高く るほど成膜速度が遅くなる傾向があるため 表面層19Cにおける光導電層19Bに近い部分に いてはC比率が低くなるようにしつつ、自由 表面側についてはC比率が高くなるように表 層19Cを形成してもよい。

 また、表面層19Cは、光導電層19B側(界面側) 位置し、水素化アモルファスシリコンカー イト(a-Si 1-x C x :H)におけるX値(炭素比率)が0を超えて0.8未満 第1SiC層と、該X値(炭素比率)が0.95以上1.0未満 の第2SiC層と積層してなる2層構造としてもよ 。第1SiC層の膜厚は、耐圧、残留電位、ある いは膜強度などの観点から、通常0.1μm以上2.0 μm以下、好適には0.2μm以上1.0μm以下、最適に は0.3μm以上0.8μm以下に設定される。第2SiC層 膜厚は、耐圧、残留電位、膜強度、あるい 寿命(耐摩耗性)などの観点から、通常0.01μm 上2μm以下、好適には0.02μm以上1.0μm以下、最 適には0.05μm以上0.8μm以下に設定される。

 一方、表面層19Cをa-C系材料により形成する 合、原料ガスとしては、C 2 H 2 (アセチレンガス)およびCH 4 (メタンガス)などのC含有ガスが挙げられる。 この場合における表面層19Cの膜厚は、通常0.1 μm以上2.0μm以下、好適には0.2μm以上1.0μm以下 、最適には0.3μm以上0.8μm以下に設定される。 このように、表面層19Cをa-C系材料により形成 する場合は、Si-O結合に比べてC-O結合の結合 ネルギが相対的に小さいため、表面層19Cをa- Si系材料により形成する場合に比べて、表面 19Cの表面が酸化するのをより確実に抑制す ことができる。つまり、表面層19Cをa-C系材 により形成する場合は、印刷時のコロナ放 により発生するオゾンなどに起因して、表 層19Cの表面が酸化されるのをより適切に抑 することができ、ひいては高温高湿環境下 どにおける画像流れの発生をより適切に抑 することができる。

 表面層19Cは、シリコンの未結合手を補償 る観点から、水素およびハロゲン元素の少 くとも一方を含むのが好ましい。表面層19C おける水素の含有量は、構成元素の総和に して1原子%以上70原子%以下(好適には1原子% 上45原子%以下)とされるのが好ましい。表面 19Cにおける水素の含有量が1原子%未満であ と、水素を含有させることによる効果を充 に得ることができない場合があり、表面層19 Cにおける水素の含有量が70原子%を超えると 表面層104の表面に光が照射される際に生じ 電荷のトラップを充分に抑制できない(ひい は残留電位に起因する画像不良の発生を充 に抑制できない)場合がある。

 表面層19Cの厚さは、耐久性あるいは残留 位などの観点から、0.2μm以上1.5μm以下(好適 には、0.5μm以上1μm以下)に設定されている。 面層19Cの厚さが0.2μm未満であると、耐刷に る画像キズあるいは画像濃度ムラの発生を 分に抑制できない場合があり、表面層19Cの さが1.5μmを超えると、残留電位に起因する 像不良の発生を適切に抑制できない場合が る。

 図3は、電子写真感光体10における電荷注 阻止層19A、光導電層19Bおよび表面層19Cを形 するプラズマCVD装置2の一例を示す模式図で ある。

 プラズマCVD装置2は、反応室20と、支持機 30と、直流電圧供給機構40と、温度制御機構 50と、回転機構60と、ガス供給機構70と、排気 機構80と、を備えている。

 反応室20は、基体18に対して堆積膜を形成 するための空間であり、円筒状電極21と、一 のプレート22,23と、絶縁部材24,25により規定 されている。

 円筒状電極21は、堆積膜の形成空間を規 するとともに、第1導体としての機能を有す ものである。本実施形態に係る円筒状電極2 1は、基体18と同様の導電性材料により構成さ れており、絶縁部材24,25を介して一対のプレ ト22,23に接合されている。本実施形態にお る円筒状電極21は、支持機構30に支持させた 体18と円筒状電極21との離間距離が10mm以上10 0mm以下となるように形成されている。これは 、基体18と円筒状電極21との距離が10mmよりも さくなると、基体18と円筒状電極21との間で 安定した放電を得難くなる場合があり、基体 18と円筒状電極21との距離が100mmよりも大きく なると、プラズマCVD装置2が必要以上に大き なってしまい単位設置面積当たりの生産性 低下する場合があるからである。

 円筒状電極21は、ガス導入口21aおよび複 のガス吹き出し孔21bを有しており、その一 において接地されている。円筒状電極21の接 地は必須の要件ではなく、後述の直流電源41 は別の基準電源に接続する構成としてもよ 。なお、円筒状電極21を直流電源41とは別の 基準電源に接続する場合、基準電源における 基準電圧は、例えば1500V以上1500V以下とされ 。

 ガス導入口21aは、洗浄ガスおよび原料ガ を反応室20に導入するための開口であり、 ス供給機構70に接続されている。

 複数のガス吹き出し孔21bは、円筒状電極2 1の内部に導入された洗浄ガスおよび原料ガ を基体18に向けて吹き出すための開口であり 、図の上下方向および周方向において等間隔 で配置されている。複数のガス吹き出し孔21b は、同一形状の円形に形成されており、その 孔径は例えば0.5mm以上2.0mm以下とされている なお、複数のガス吹き出し孔21bの孔径、形 および配置については、適宜変更可能であ 。

 プレート22は、反応室20の開放状態と閉塞 状態とを選択することが可能な構成とされて おり、プレート22を開閉することにより反応 20に対する後述の支持体31の出し入れが可能 とされている。プレート22は、基体18と同様 導電性材料により形成されているが、その 面側に防着板26が取り付けられている。これ により、プレート22に対して堆積膜が形成さ るのが防止されている。なお、防着板26は 基体18と同様の導電性材料により形成されて おり、プレート22に対して着脱自在とされて る。

 プレート23は、反応室20のベースとなるもの であり、基体18と同様の導電性材料により形 されている。プレート23と円筒状電極21との 間に介在する絶縁部材25は、円筒状電極21と レート23との間にアーク放電が発生するのを 抑制する機能を有するものである。このよう な絶縁部材25は、例えばガラス材料(ホウ珪酸 ガラス、ソーダガラス、耐熱ガラスなど)、 機絶縁材料(セラミックス、石英、サファイ など)、あるいは合成樹脂絶縁材料(フッ素 脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレ タレート、ポリエステル、ポリエチレン、 リプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド ビニロン、エポキシ、マイラー、PEEK材など) により形成することができるが、絶縁性を有 し、使用温度で充分な耐熱性があり、真空中 でガスの放出が小さい材料であれば特に限定 はない。ただし、絶縁部材25は、成膜体の内 応力および成膜時の温度上昇に伴って生じ バイメタル効果に起因する応力により反り 発生して使用できなくなるのを防止するた に、一定以上の厚みを有するものとして形 されている。例えば、絶縁部材25をフッ素 脂(熱膨張率3×10 -5 /K以上10×10 5 /K以下)により形成する場合には、絶縁部材25 厚みは10mm以上に設定される。このような範 囲に絶縁部材25の厚みを設定した場合には、 縁部材25と基体18に成膜される10μm以上30μm 下のa-Si膜との界面に発生する応力に起因す そり量が、水平方向(基体18の軸方向に略直 する半径方向)の長さ200mmに対して、水平方 における端部と中央部との軸方向における さの差で1mm以下とすることができ、絶縁部 25を繰り返し使用することが可能となる。

 プレート23および絶縁部材25には、ガス排 出口23A,25Aおよび圧力計27が設けられている。 ガス排出口23A,25Aは、反応室20の内部の気体を 排出する機能を有するものであり、排気機構 80に接続されている。圧力計27は、反応室20の 圧力をモニタリングする機能を有するもので あり、公知の種々のものを使用することがで きる。

 支持機構30は、基体18を支持するとともに 、第2導体としての機能を有するものである 支持機構30は、支持体31と、導電性支柱32と 絶縁材33とを含んで構成されている。本実施 形態における支持機構30は、2つの基体18を支 することができる長さ(寸法)に形成されて り、支持体31が導電性支柱32に対して着脱自 とされている。このような構成によると、 持した2つの基体18の表面に直接触れること く、反応室20に対して2つの基体18の出し入 を行なうことができる。

 支持体31は、フランジ部31aを有する中空 の部材であり、基体18と同様の導電性材料に より全体が導体として構成されている。

 導電性支柱32は、導板32aを有する筒状の 材であり、基体18と同様の導電性材料により 全体が導体として構成されている。導電性支 柱32は、その上端部において支持体31の内壁 に当接するように構成されている。

 絶縁材33は、導電性支柱32とプレート23と 間の電気的絶縁性を確保する機能を有する のであり、反応室20の略中央において導電 支柱32とプレート23との間に介在している。

 直流電圧供給機構40は、導電性支柱32に対 して直流電圧を供給する機構であり、直流電 源41および制御部42を有している。

 直流電源41は、導電性支柱32に対して印加 する直流電圧を発生させる機能を有するもの であり、導板32aを介して導電性支柱32に接続 れている。

 制御部42は、直流電源41の動作を制御する 機能を有するものであり、該直流電源41に接 されている。制御部42は、直流電源41の動作 を制御して、導電性支柱32を介して支持体31 パルス状の直流電圧(図4参照)を印加するこ ができるように構成されている。

 温度制御機構50は、基体18の温度を制御す る機能を有するものであり、セラミックパイ プ51およびヒータ52を有している。

 セラミックパイプ51は、絶縁性および熱 導性を確保する機能を有するものであり、 電性支柱32の内部に収容されている。

 ヒータ52は、基体18を加熱する機能を有す るものであり、導電性支柱32の内部に収容さ ている。基体18の温度制御は、例えば支持 31あるいは導電性支柱32に熱電対(図示せず) 取り付け、そのモニタ結果に基づいてヒー 52をオン/オフ制御することにより行われる 基体18の温度は、例えば200℃以上400℃以下の 範囲における所定温度に維持される。なお、 ヒータ52としては、例えばニクロム線および ートリッジヒータが挙げられる。

 回転機構60は、支持体31を回転させる機能 を有するものであり、回転モータ61と、回転 入端子62と、絶縁軸部材63と、絶縁平板64と 有している。回転機構60により支持機構30を 回転させて成膜を行う場合、支持体31ととも 基体18が回転させられるために、原料ガス 分解成分を基体18の外周に対して略均等に堆 積させるうえで好適である。

 回転モータ61は、基体18に回転力を付与す る機能を有するものである。回転モータ61は 例えば基体18を1rpm以上10rpm以下の一定の回 数で回転させるように動作制御される。回 モータ61としては、公知の種々のものを使用 することができる。

 回転導入端子62は、反応室20内を所定の真 空度に保ちながら回転力を伝達する機能を有 するものである。このような回転導入端子62 しては、回転軸を二重もしくは三重構造と てオイルシールあるいはメカニカルシール どの真空シール手段を用いることができる

 絶縁軸部材63および絶縁平板64は、支持機 構30とプレート22との間の絶縁状態を維持し つ、回転モータ61からの回転力を支持機構30 伝達する機能を有するものであり、例えば 縁部材25と同様の絶縁材料により形成され いる。ここで、絶縁軸部材63の外径は、成膜 時において、支持体31の外径(後述する上ダミ ー基体D3の内径)よりも小さくなるように設定 されている。より具体的には、成膜時におけ る基体18の温度が200℃以上400℃以下に設定さ る場合、絶縁軸部材63の外径は、支持体31の 外径(後述する上ダミー基体D3の内径)よりも0. 1mm以上5mm以下、好適には3mm程度大きくなるよ うに設定される。この条件を満たすために、 非成膜時(常温環境下(例えば10℃以上40℃以下 ))においては、絶縁軸部材63の外径と支持体31 の外径(後述する上ダミー基体D3の内径)との は、0.6mm以上5.5mm以下に設定される。

 絶縁平板64は、プレート22を取り外す際に 落下するゴミあるいは粉塵などの異物が基体 18へ付着するのを防止する機能を有するもの ある。絶縁平板64は、上ダミー基体D3の内径 より大きな外径を有する円板状に形成されて いる。絶縁平板64の直径は、基体18の直径の1. 5倍以上3.0倍以下とされ、例えば基体18として 直径が30mmのものを用いる場合には、絶縁平 64の直径は50mm程度とされる。このような絶 平板64を設けた場合には、基体18に付着した 物に起因する異常放電を抑制することがで るため、成膜欠陥の発生を抑制することが きる。これにより、電子写真感光体10を形 する際の歩留まりを向上させ、また電子写 感光体10を用いて画像形成する場合における 画像不良の発生を抑制することができる。

 ガス供給機構70は、複数の原料ガスタン 71,72,73,74と、複数の配管71A,72A,73A,74Aと、バル ブ71B,72B,73B,74B,71C,72C,73C,74Cと、複数のマスフ ーコントローラ71D,72D,73D,74Dとを含んでなり 配管75およびガス導入口21aを介して円筒状電 極21に接続されている。

 各原料ガスタンク71,72,73,74は、原料ガスが 填されたものである。原料ガスとしては、 えばSiH 4 、H 2 、B 2 H 6 、CH 4 、N 2 、あるいはNOが用いられる。

 バルブ71B,72B,73B,74B,71C,72C,73C,74Cおよびマス フローコントローラ71D,72D,73D,74Dは、反応室20 導入するガス成分の流量、組成およびガス を調整する機能を有するものである。なお ガス供給機構70においては、各原料ガスタ ク71,72,73,74に充填すべきガスの種類、あるい は複数の原料ガスタンク71,72,73,74の数は、基 18に形成すべき膜の種類あるいは組成に応 て適宜選択すればよい。

 排気機構80は、反応室20のガスをガス排出 口23A,25Aを介して外部に排出する機能を有す ものであり、メカニカルブースタポンプ81お よびロータリーポンプ82を有している。これ のポンプ81,82は、圧力計27でのモニタリング 結果により動作制御されるものである。すな わち、排気機構80では、圧力計27でのモニタ ング結果に基づいて、反応室20を所定の真空 状態に維持できるとともに、反応室20のガス を目的値に設定することができる。なお、 応室20の圧力は、例えば1.0Pa以上100Pa以下と れる。

 次に、プラズマCVD装置2を用いた堆積膜の 形成方法について、電子写真感光体10(図2参 )を作製する場合を例にとって説明する。

 まず、プラズマCVD装置2のプレート22を取 外した上で、複数の基体18(図面上は2つ)を 持させた支持機構30を、反応室20の内部にセ トし、再びプレート22を取り付ける。支持 構30における2つの基体18の支持は、支持体31 フランジ部31a上において、下ダミー基体D1 基体18、中間ダミー基体D2、基体18、および ダミー基体D3を順次積み上げる形で行われる 。各ダミー基体D1,D2,D3としては、例えば、全 が導電性を有する構成のもの、あるいは絶 体の表面に導電性膜を形成した構成のもの 挙げられるが、中でも基体18と同様の構成 ものが特に好ましい。下ダミー基体D1は、基 体18の高さ位置を調整する機能を有するもの ある。中間ダミー基体D2は、隣接する基体18 の端部間にアーク放電が発生するのを抑制す る機能を有するものである。中間ダミー基体 D2としては、その長さがアーク放電の発生を 分に抑制できる長さ(例えば1cm以上)に設定 れ、その外周面側角部が曲面加工(例えば曲 半径0.5mm以上)あるいは面取り加工(カットさ れた部分の軸方向の長さおよび深さ方向の長 さがそれぞれ0.5mm以上)が施されたものが採用 される。上ダミー基体D3は、支持体31に堆積 が形成されるのを抑制する機能を有するも である。上ダミー基体D3としては、その一部 が支持体31の最上部より上方に突出するよう 構成されたものが採用される。

 次いで、温度制御機構50により基体18を所定 温度に制御するとともに、排気機構80により 応室20を減圧する。基体18の温度制御は、ヒ ータ52を発熱させることにより所定温度近傍 で昇温させた後、ヒータ52をオンあるいは フすることによって所定温度に維持される 基体18の温度は、その表面に形成すべき膜の 種類および組成によって適宜設定されるが、 例えばa-Si系膜を形成する場合は250℃以上300 以下の範囲に設定される。一方、反応室20の 減圧は、圧力計27での反応室20の圧力をモニ リングしつつ、メカニカルブースタポンプ81 およびロータリーポンプ82の動作を制御する とにより、ガス排出口23A,25Aを介して反応室 20からガスを排出させることによって行なわ る。なお、反応室20の減圧は、例えば1×10 -3 Pa程度に至るまで行われる。

 次いで、基体18の温度を所定温度で維持 るとともに、反応室20を所定圧力まで減圧し た状態で、ガス供給機構70により反応室20に 料ガスを供給するとともに、円筒状電極21と 支持体31との間にパルス状の直流電圧を印加 る。これにより、円筒状電極21と支持体31( 体18)との間にグロー放電が発生して原料ガ が分解され、その分解成分が基体18の表面に 堆積されることとなる。排気機構80において 、圧力計27のモニタリングしつつ、メカニ ルブースタポンプ81およびロータリーポンプ 82の動作を制御することにより、反応室20の 力を所定範囲(例えば1.0Pa以上100Pa以下)に維 する。すなわち、反応室20の内部は、ガス供 給機構70におけるマスフローコントローラ71D, 72D,73D,74Dと排気機構80におけるポンプ81,82によ って圧力を所定範囲に維持する。反応室20へ 原料ガスの供給は、バルブ71B,72B,73B,74B,71C,72 C,73C,74Cの開閉状態を適宜制御しつつ、マスフ ローコントローラ71D,72D,73D,74Dを制御すること により、原料ガスタンク71,72,73,74の原料ガス 、所望の組成および流量で、配管71A,72A,73A,7 4A,75およびガス導入口21aを介して円筒状電極2 1の内部に導入することにより行なわれる。 筒状電極21の内部に導入された原料ガスは、 複数のガス吹き出し孔21bを介して基体18に向 て吹き出される。そして、バルブ71B,72B,73B,7 4B,71C,72C,73C,74Cおよびマスフローコントローラ 71D,72D,73D,74Dによって原料ガスの組成を適宜切 り替える。一方、円筒状電極21と支持体31と 間におけるパルス状直流電圧の印加は、円 状電極21が接地されている場合、-3000V以上-50 V以下(好適には-3000V以上-500V以下)の負のパル 状直流電位V1(図4参照)となるように行われ 円筒状電極21が基準電源(図示せず)に接続さ ている場合、基準電源により供給される電 V2を基準電位として、目的とする電位差δV( えば-3000V以上-50V以下)となるように行われ 。また、支持体31(基体18)に対して負のパル 状電圧(図4参照)を印加する場合、基準電源 より供給される電位V2は、例えば1500V以上1500 V以下に設定される。制御部42は、直流電圧の 周波数(1/T(sec))が300kHz以下に、duty比(T1/T)が20% 上90%以下となるように直流電源41を制御す 。本実施形態におけるduty比とは、図4に示し たようにパルス状の直流電圧の1周期T(基体18 円筒状電極21との間に電位差が生じた瞬間 ら、次に電位差が生じた瞬間までの時間)に ける電位差発生時間T1が占める時間割合と 義される。例えば、duty比20%とは、パルス状 電圧を印加する際の、1周期に占める電位差 発生時間が1周期全体の20%であることを意味 る。以上のようにして、基体18の表面には、 電荷注入阻止層19A、光導電層19B、および表面 層19Cが順次積層形成される。

 本発明者は、上述のようなパルス状直流 圧を利用したプラズマCVD法を採用する場合 おいて、理由は定かではないが成膜レート 調整することにより、露光波長(例えば650nm 上780nm以下)に対する特性エネルギE1が除電 長(例えば780nm以上)に対する特性エネルギE2 りも大きな光導電層19Bを形成することが可 であることを見出した。これは、成膜レー が低いと膜への物理的衝撃が小さくなり、 果として特性エネルギが小さくなるからで ると推測される。つまり、高波長のため深 まで光が到達する領域では特性エネルギを さく、低波長で深部まで光が到達し難い領 では特性エネルギを大きくなるように、成 レートを調整することにより、光導電層19B 有する電子写真感光体10を得ることができる 。

 その一方で、本発明者は、露光波長に対す 特性エネルギE1よりも、除電波長に対する 性エネルギE2のほうが、メモリ値に対して与 える影響が大きいことを見出した。
すなわち、上述のように、特性エネルギEの 数は、バンドテイルに捕獲されるキャリア 量と相関関係があり、指数関数裾と呼ばれ 領域では、特性エネルギEの逆数(1/E)が大き ほど、バンドテイルに捕獲されるキャリア 少なくすることができる。そのため、露光 長に対する特性エネルギE1を除電波長に対す る特性エネルギE2よりも大きくすれば(除電波 長に対する特性エネルギE2の逆数(1/E2)を露光 長に対する特性エネルギE2の逆数(1/E1)より 大きくすれば)、露光時に発生した残存キャ アを除電時に効率よく発散させることがで る。すなわち、光導電層19Bが露光波長に対 て比較的大きい特性エネルギE1を持ってい も、除電光により残存キャリアが発散され ため、次回の画像形成時までメモリが残存 るのを抑制することができる。

 また、電子写真感光体10は、露光波長に する特性エネルギE1を比較的高くできるため 、光導電層19Bの成膜速度を高くする、あるい は、使用する原料ガスの量を少なくすること ができる。したがって、電子写真感光体10は その生産性の面でも優れている。

 本実施例では、電子写真感光体における 導電層について、特性エネルギを評価した

(電子写真感光体の作製)
 電子写真感光体は、下記表1に示す条件で、 円筒状基体上に光導電層のみを形成すること によって作製した。

 円筒状基体としては、実質的にアルミニ ムからなる外径84mm、長さ360mmのものを採用 た。

 サンプル1,2,3について、光導電層は、図3 示したプラズマCVD装置2を用いて形成した。 直流電圧は、パルス周波数が30kHz、duty比が50% のパルス状直流電圧として、支持体が負極性 となるように印加した。また、光導電層の成 膜時において、円筒状基体の回転速度は10rpm 設定した。

 一方、サンプル4,5について、光導電層は 図3に示したプラズマCVD装置2の直流電源34に 代えて、高周波発振器を採用したものを用い て形成した。光導電層の成膜時において、高 周波周波数は13.56MHzとし、円筒状基体の回転 度は10rpmに設定した。

(特性エネルギの算出)
 特性エネルギEは、下記数式2に基づいて、 子エネルギ(hω)と光吸収係数(α)の対数(lnα) の傾き(1/E)の逆数として算出した。

 数式2において、Cは定数、hは有利化され プランク定数、ωは振動数である。

(光吸収係数の導出)
 光吸収係数は、紫外可視分光光度計を用い 測定した結果に基づいて導出した。具体的 は、ガラス基板上に約1μmの単層膜を形成す ることによりテストピースを作製した後、紫 外可視分光光度計(型番:UV-2400PC、株式会社島 製作所製)を用いて、作製したテストピース に照射した透過光の透過率(波長範囲:400nm~800n m)を測定した結果に基づいて、各電子写真感 体の光吸収係数を導出した。各テストピー における光吸収係数と波長との関係につい は、横軸を光子エネルギ(hω)、縦軸を吸光 数の対数(lnα)として図5ないし図9に示した。

 これらの図から分かるように、所望の成 レート調整をしつつ、パルス状直流電圧を 加して光導電層を形成したサンプル1,2,3で 、hωが大きくなるにつれてlnαが増加し、且 、傾きの異なる2つの直線が連続した形態と なった。すなわち、2つの直線の交点の前後 おいては、特性エネルギが異なっており、2 の直線の交点に相当する境界波長よりも波 が短い光に対する特性エネルギが、前記境 波長よりも波長が長い光に対する特性エネ ギに比べて大きくなった。2つの直線の交点 は、概ねhωが1.80eV前後であり、波長でいえば 690nm~700nm程度に相当する。

 これに対して、高周波電力を供給して光 電層を形成したサンプル4,5では、hωが大き なるにつれてlnαが一定の割合で増加する1 の直線状の形態となった。

 ここで、サンプル1,2,3,4,5の傾きの逆数で る特性エネルギを算出した結果について、 記表2に示した。

 本実施例では、電子写真感光体における 導電層について、露光光および除電光に対 る特性エネルギE1,E2がメモリ特性に与える 響について検討した。また、本実施例では 電子写真感光体の帯電電圧、および光導電 の成膜速度についても評価した。

(電子写真感光体の作製)
 電子写真感光体は、円筒状基体上に、電荷 入阻止層、光導電層、および表面層を順次 層することにより形成した。サンプル1,2,3,4 ,5について、電荷注入阻止層は下記表3に示す 条件で、光導電層は上記表1に示す条件で、 面層は下記表4に示す条件でそれぞれ形成し 。サンプル6については、光導電層を形成す るときの直流電圧を-580Vとした以外はサンプ 1と同一の条件で電荷注入阻止層、光導電層 、および表面層を順次積層形成した。

 サンプル1,2,3について、電荷注入阻止層 光導電層、および表面層は、図3に示したプ ズマCVD装置2を用いて形成した。直流電圧は 、パルス周波数が30kHz、duty比が50%のパルス状 直流電圧として、支持体が負極性となるよう に印加した。また、各層の成膜時において、 円筒状基体の回転速度は10rpmに設定した。

 一方、サンプル4,5について、電荷注入阻 層、光導電層、および表面層は、図3に示し たプラズマCVD装置2の直流電源34に代えて、高 周波発振器を採用したものを用いて形成した 。各層の成膜時において、高周波周波数は13. 56MHzとし、円筒状基体の回転速度は10rpmに設 した。

(メモリ特性)
 メモリ特性は、電子写真感光体を画像形成 置(型番:KM-8030、京セラミタ株式会社製)に組 み込んで画像を印刷したときに、電子写真感 光体の1回転目の画像が残って2回転目に現れ か否かを確認することにより評価した。画 形成装置において、露光波長は680nm(露光光 光子エネルギhωが1.82eV)、除電波長は780nm(除 電光の光子エネルギhωが1.59eV)に設定した。

 メモリ特性は、2回転目に1回転目の画像 視認不可能であった場合を「◎」、2回転目 1回転目の画像がわずかに視認可能なレベル で現れるものの実用上充分に許容される場合 を「○」、2回転目に1回転目の画像が視認可 なレベルで現れるものの実用上許容される 合を「△」、2回転目に1回転目の画像が充 に視認可能なレベルで現れ且つ実用上許容 きない場合を「×」として評価した。評価結 果については下記表5に示した。

(帯電電圧の評価)
 帯電電圧は、露光および除電を複数回繰り した後、定常状態(帯電電圧が安定した状態 )になったときの電圧として評価した。評価 果については表5に併せて示した。

(成膜速度の評価)
 成膜速度は、従来手法による成膜速度(例え ばサンプル5)を基準として、それと同等の成 速度を維持できているものを「○」、従来 比べて成膜速度が向上したものを「◎」、 来に比べて成膜速度が大きく低下したもの 「×」として評価した。

 表5から分かるように、サンプル1,2,6は、 モリ特性が良好で、帯電電圧も高く、成膜 度も良好であった。サンプル3は、サンプル 1,2に比べて若干メモリ特性が悪化したものの 実用上問題の生じる程度ではなく、また帯電 電圧が高く、成膜速度も非常に良好だった。

 サンプル4は、メモリ特性および帯電電圧 については問題なかったが、成膜速度が極め て低かった。サンプル5は、メモリ特性が不 分で、帯電特性も低下した。

 良好な結果が得られたサンプル1,2,3,6は、 パルス状直流電圧を印加して成膜するととも に、露光波長に対する特性エネルギE1が除電 長に対する特性エネルギE2よりも大きいも である。これに対して、良好な結果が得ら なかったサンプル4,5は、RF電力を供給して成 膜するとともに、露光波長に対する特性エネ ルギE1と除電波長に対する特性エネルギE2が 程度のものである。

 したがって、露光波長に対する特性エネ ギE1が除電波長に対する特性エネルギE2より も大きく、例えば露光波長に対する特性エネ ルギE1を0.1eV以上0.16eV以下の範囲とし、除電 長に対する特性エネルギE2を0.07eV以下の範囲 することにより、メモリ特性に実用上問題な く、帯電電圧が良好で、成膜速度を速くする ことができる。すなわち、サンプル1,2,3の電 写真感光体では、従来、メモリ特性が悪い される露光波長に対する特性エネルギE1が0. 1eV以上の光導電層を備えていても、十分実用 的なものとすることができ、比較的高い成膜 速度でも製造可能なため、生産性を向上させ ることができる。

 また、上述の特性エネルギを有する光導 層は、パルス状直流電圧を利用して形成す ことができ、このときの原料ガスの供給は 別多くする必要はなく、円筒状基体の加熱 度も特別高くする必要はかった。このよう 点からも、実用上問題のないメモリ特性を する電子写真感光体を、製造コスト的に有 に生産することが可能となる。

本発明の実施形態に係る画像形成装置 一例を説明するための断面図である。 本発明の実施形態に係る電子写真感光 の一例を示す断面図およびその要部拡大図 ある。 図2に示した電子写真感光体の感光層を 形成するためのプラズマCVD装置の一例を示す 縦断面図である。 図3に示したプラズマCVD装置における電 圧印加状態を説明するためのグラフである。 実施例2におけるサンプル1の光子エネ ギ(hω)と光吸収係数αとの関係を示すグラフ ある。 実施例2におけるサンプル2の光子エネ ギ(hω)と光吸収係数αとの関係を示すグラフ ある。 実施例2におけるサンプル3の光子エネ ギ(hω)と光吸収係数αとの関係を示すグラフ ある。 実施例2におけるサンプル4の光子エネ ギ(hω)と光吸収係数αとの関係を示すグラフ ある。 実施例2におけるサンプル5の光子エネ ギ(hω)と光吸収係数αとの関係を示すグラフ ある。

符号の説明

 1  画像形成装置
 10  電子写真感光体
 18  円筒状基体(基体)
 19B  光導電層
 3  支持体(第1導体)
 4  反応室
 40  円筒状電極(第2導体)