Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
ELECTROSTATIC ATOMIZER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/132848
Kind Code:
A1
Abstract:
An electrostatic atomizer (10) includes a container part (15) for reserving a liquid containing a component useful for a human body, a nozzle part (20) communicated with the inside of the container part (15), and an electric field generation part (31) which generates an electric field at the tip of the nozzle part (20) when voltage is applied. By forming the electric field at the tip of the nozzle part (20) by the electric field generation part (31), the liquid is atomized from the tip of the nozzle part (20). The direction of the nozzle part (20) is variable.

Inventors:
OBATA KOUEI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/001078
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 24, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
OBATA KOUEI (JP)
International Classes:
A61H33/12; A45D44/22; A61F9/007; A61M11/00; B05B5/057; B05B15/68
Foreign References:
JPS62142110A1987-06-25
JPH10234676A1998-09-08
JPH0652941U1994-07-19
JP2006231237A2006-09-07
Other References:
See also references of EP 2140851A4
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA, Hiroshi et al. (5-7 Hommachi 2-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 53, JP)
Download PDF:
Claims:
 液体を貯留する容器部(15)と、
 上記容器部(15)内に連通するノズル部(20)と、
 電圧が印加されることによって上記ノズル部(20)の先端部に電界を形成する電界形成部(31)とを備え、
 上記電界形成部(31)によって上記ノズル部(20)の先端部に電界を形成することによって該ノズル部(20)の先端から液体を噴霧する静電噴霧装置であって、
 上記容器部(15)には、人体に有用な成分を含んだ液体が貯留されており、
 上記ノズル部(20)の先端の向きが可変になっていることを特徴とする静電噴霧装置。
 請求項1において、
 使用者の位置を検出する位置検出手段(42,43)と、
 上記位置検出手段(42,43)が検出した使用者の位置に上記ノズル部(20)の先端が向くように該ノズル部(20)を動かす向き調節手段(41,44)とを備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
 請求項2において、
 上記位置検出手段(42,43)は、使用者の顔面の位置を検出し、
 上記向き調節手段(41,44)は、上記位置検出手段(42,43)が検出した使用者の顔面の位置に上記ノズル部(20)の先端が向くように該ノズル部(20)を動かすことを特徴とする静電噴霧装置。
 請求項1において、
 使用者の位置を検出する処理をパーソナルコンピュータ(16)に行わせるための処理用手段(33)と、
 上記パーソナルコンピュータ(16)から取得した使用者の位置に上記ノズル部(20)の先端が向くように該ノズル部(20)を動かす向き調節手段(26,41)とを備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
 請求項1において、
 上記容器部(15)が設けられた本体部(11)を備え、
 上記ノズル部(20)は、その先端の向きが可変となるように上記本体部(11)に対して可動に取り付けられていることを特徴とする静電噴霧装置。
 請求項1において、
 上記ノズル部(20)が取り付けられたノズル取付部(11)を備える一方、
 上記ノズル部(20)の先端の向きが可変となるように上記ノズル取付部(11)を可動に支持する可動支持部(32)を備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
Description:
静電噴霧装置

 本発明は、ノズル部の先端部に電界を形 することによってノズル部の先端から液体 噴霧する静電噴霧装置に関するものである

 従来より、電気流体力学(EHD:Electro Hydrodyn amics)により液体を霧化して噴霧する静電噴霧 装置が知られている。この種の静電噴霧装置 は、ノズル部の先端部に電界を形成し、その 電界の不平等性を用いてノズル部の先端の液 体を霧化して噴霧するように構成されている 。この種の静電噴霧装置が特許文献1に開示 れている。

 具体的に、特許文献1の静電噴霧装置は、溶 液タンクと噴霧ノズルとリング電極とを備え ている。溶液タンクには、例えばアミノ酸の 一種であるテアニンの水溶液が貯留されてい る。噴霧ノズルは、溶液タンクの内部空間に 連通している。リング電極は、噴霧ノズルか ら電気的に絶縁されている。この静電噴霧装 置では、電源をオンにすると、リング電極と 噴霧ノズルとの間に電位差が与えられ、噴霧 ノズルの先端部に電界が形成されることによ って、噴霧ノズルの先端から液体が噴霧され る。

特開2006-231237号公報

 ところで、人間に対して液滴を供給する めの従来の静電噴霧装置では、ノズル部の きを変えることができなかった。このため 使用中に使用者の位置が変化すると、静電 霧装置そのものを動かさない限り、ノズル の向きを使用者に合わせることができない 例えば静電噴霧装置を固定する場合には、 電噴霧装置を動かすことは、使用者にとっ は手間である。ノズル部が使用者の方を向 ていない状態では、噴霧した液滴を効率的 使用者に到達させることができない。

 本発明は、かかる点に鑑みてなされたも であり、その目的は、ノズル部の先端部に 界を形成することによってノズル部の先端 ら液体を噴霧する静電噴霧装置において、 易にノズル部の向きを使用者に合わせるこ ができるようにすることにある。

 第1の発明は、液体を貯留する容器部(15) 、上記容器部(15)内に連通するノズル部(20)と 、電圧が印加されることによって上記ノズル 部(20)の先端部に電界を形成する電界形成部(3 1)とを備え、上記電界形成部(31)によって上記 ノズル部(20)の先端部に電界を形成すること よって該ノズル部(20)の先端から液体を噴霧 る静電噴霧装置(10)を対象とする。そして、 この静電噴霧装置(10)は、上記容器部(15)には 人体に有用な成分を含んだ液体が貯留され おり、上記ノズル部(20)の先端の向きが可変 になっている。

 第2の発明は、上記第1の発明において、 用者の位置を検出する位置検出手段(42,43)と 上記位置検出手段(42,43)が検出した使用者の 位置に上記ノズル部(20)の先端が向くように ノズル部(20)を動かす向き調節手段(41,44)とを 備えている。

 第3の発明は、上記第2の発明において、 記位置検出手段(42,43)が、使用者の顔面の位 を検出し、上記向き調節手段(41,44)が、上記 位置検出手段(42,43)が検出した使用者の顔面 位置に上記ノズル部(20)の先端が向くように ノズル部(20)を動かす。

 第4の発明は、上記第1の発明において、 用者の位置を検出する処理をパーソナルコ ピュータ(16)に行わせるための処理用手段(33) と、上記パーソナルコンピュータ(16)から取 した使用者の位置に上記ノズル部(20)の先端 向くように該ノズル部(20)を動かす向き調節 手段(26,41)とを備えている。

 第5の発明は、上記第1の発明において、 記容器部(15)が設けられた本体部(11)を備え、 上記ノズル部(20)は、その先端の向きが可変 なるように上記本体部(11)に対して可動に取 付けられている。

 第6の発明は、上記第1の発明において、 記ノズル部(20)が取り付けられたノズル取付 (11)を備える一方、上記ノズル部(20)の向き 変更することができるように上記ノズル取 部(11)を可動に支持する可動支持部(32)を備え ている。

   -作用-
 第1の発明では、人体に有用な成分を含んだ 液体を噴霧する静電噴霧装置(10)が、ノズル (20)の向きが可変に構成されている。ノズル (20)の向きは、手動で又は自動で調節される 。このため、静電噴霧装置(10)の使用中に使 者の位置が変化しても、使用者の位置に応 てノズル部(20)の向きを調節することが可能 ある。

 第2の発明では、位置検出手段(42,43)が、 用者の位置を検出する。そして、向き調節 段(41,44)が、位置検出手段(42,43)が検出した使 用者の位置にノズル部(20)の先端が向くよう ノズル部(20)を動かす。この第2の発明では、 ノズル部(20)の先端が使用者を向くようにノ ル部(20)の向きが自動的に調節される。

 第3の発明では、位置検出手段(42,43)が、 用者の顔面の位置を検出する。そして、ノ ル部(20)が、位置検出手段(42,43)が検出した使 用者の顔面の位置にノズル部(20)の先端が向 ように、向き調節手段(41,44)によって動かさ る。

 第4の発明では、使用者の位置を検出する 処理が、パーソナルコンピュータ(16)で行わ る。静電噴霧装置(10)は、通信可能になって り、例えば接続用のコードを介してパーソ ルコンピュータ(16)に接続された状態で使用 される。そして、向き調節手段(26,41)は、パ ソナルコンピュータ(16)から取得した使用者 位置にノズル部(20)の先端が向くようにノズ ル部(20)を動かす。この第4の発明では、ノズ 部(20)の先端が使用者を向くようにノズル部 (20)の向きが自動的に調節される。

 第5の発明では、ノズル部(20)が、容器部(1 5)が設けられた本体部(11)に対して可動に取り 付けられている。ノズル部(20)の向きは、ノ ル部(20)自体を動かすことによって調節され 。

 第6の発明では、ノズル部(20)が取り付け れたノズル取付部(11)が、可動支持部(32)によ って可動に支持されている。ノズル部(20)の きは、ノズル取付部(11)を動かすことによっ 調節される。

 本発明によれば、ノズル部(20)の向きを可 変に静電噴霧装置(10)を構成しているので、 電噴霧装置(10)の使用中に使用者の位置が変 しても、使用者の位置に応じてノズル部(20) の向きを調節することが可能である。このた め、ノズル部(20)の向きを調節するのに、静 噴霧装置(10)自体を動かす必要がない。静電 霧装置(10)自体を動かすには、静電噴霧装置 (10)の取り付け及び取り外しの作業が必要に る場合もある。従って、ノズル部(20)の向き 調節することによって、比較的容易にノズ 部(20)の向きを使用者に合わせることが可能 になる。

 また、上記第2、第4の各発明では、ノズ 部(20)の先端が使用者を向くようにノズル部( 20)の向きが自動的に調節されるようにしてい る。このため、使用者はノズル部(20)の向き 調節する必要がない。従って、使用者がノ ル部(20)の向きを調節しなくても、噴霧した 滴を効率的に使用者に到達させることがで る。

 また、上記第3の発明では、ノズル部(20) 先端が使用者の顔面を向くようにノズル部(2 0)の向きが自動的に調節されるようにしてい 。このため、噴霧する液体として例えば化 用の液体のような顔面に対して有用な液体 用いる場合に、使用者がノズル部(20)の向き を調節しなくても、噴霧した液滴を効率的に 使用者の顔面に到達させることが可能である 。

 また、上記第4の発明では、使用者の位置 を検出する処理が、パーソナルコンピュータ (16)で行われる。このため、静電噴霧装置(10) 使用者の位置を検出するための構成を備え 必要がないので、静電噴霧装置(10)の構成を 簡素化することができる。

図1は、本発明の実施形態1に係る静電 霧装置の概略構成図である。 図2は、本発明の実施形態1に係る静電 霧装置の正面図である。 図3は、本発明の実施形態1に係る静電 霧装置の利用状態を示すための模式図であ 。 図4は、本発明の実施形態1の変形例に る静電噴霧装置の概略構成図である。 図5は、本発明の実施形態2に係る静電 霧装置の概略構成図である。 図6は、本発明の実施形態2の変形例に る静電噴霧装置の概略構成図である。

符号の説明

 10 静電噴霧装置
 11 ケーシング(本体部、ノズル取付部)
 15 容器部
 16 パーソナルコンピュータ
 20 ノズル部(噴霧ノズル)
 31 電界形成部
 32 可動支持部
 33 プログラム(処理用手段)
 41 駆動部(向き調節手段)
 42 撮影部(位置検出手段)
 43 位置算出部(位置検出手段)
 44 動作制御部(向き調節手段)

 以下、本発明の実施形態を図面に基づい 詳細に説明する。

 《発明の実施形態1》
 本発明の実施形態1について説明する。本実 施形態1は、本発明に係る静電噴霧装置(10)で る。この静電噴霧装置(10)は、化粧用の液体 を使用者の顔面に供給するためのものである 。この静電噴霧装置(10)は、電界による吸引 のみで使用者に液滴を到達させることがで る位置に設置された状態で使用される。

 この静電噴霧装置(10)は、図1に示すよう 、前面側が丸みを帯びた箱状のケーシング(1 1)を備えている。ケーシング(11)は、本体部を 構成しており、直方体状の主要部(11a)と、主 部(11a)の前面側の前面部(11b)とを備えている 。主要部(11a)の側面と前面部(11b)の側面とは 一になっている。前面部(11b)の前面は、主要 部(11a)の前面側の上端から下端に亘って延び 弧面状に形成されている。図2に示すように 、前面部(11b)には、幅方向の中央部に溝部(12) が形成されている。溝部(12)は、前面部(11b)の 上端から下端まで形成されている。

 ケーシング(11)には、容器部(15)と噴霧ノ ル(20)と液搬送部(22)と電源部(25)と運転制御 (26)とが設けられている。容器部(15)と液搬送 部(22)と電源部(25)と運転制御部(26)は、主要部 (11a)に収容されている。また、噴霧ノズル(20) は、前面部(11b)に設けられている。

 容器部(15)は、噴霧する液体を貯留するため ものである。容器部(15)は、円筒状に形成さ ている。容器部(15)の一端には接続チューブ( 13)を接続するための貫通孔が形成され、容器 部(15)の他端には後述する液搬送部(22)のロッ を挿入するための貫通孔が形成されている 容器部(15)には、人体に有用な液体として、 保湿成分や抗酸化成分を含んだ化粧用の液体 (例えばヒアルロン酸を含む溶液)が貯留され いる。この化粧用の液体は、電気抵抗率が1 .0×10 4 ωcm以上1.0×10 7 ωcm以下の範囲の値になるように濃度が調整 れている。

 噴霧ノズル(20)は、液体を噴霧するための ノズル部(20)であって、ステンレス製の円管 して構成されている。噴霧ノズル(20)には、 径が0.2mmのものが用いられている。噴霧ノ ル(20)の先端部(20a)は、先端ほど外径が小さ なるように形成されている。先端部(20a)の外 周面は、頂角が20度の円錐面になっている。 霧ノズル(20)は、接続チューブ(13)を介して 器部(15)の内部に連通している。

 噴霧ノズル(20)は、ケーシング(11)の前面 (11b)の溝部(12)に設けられている。噴霧ノズ (20)は、基端側に嵌め込まれたピン部材(30)に よって前面部(11b)に回動自在に支持されてい 。噴霧ノズル(20)は、その先端の向きが可変 となるように、本体部であるケーシング(11) 対して可動に取り付けられている。

 また、噴霧ノズル(20)には、噴霧ノズル(20 )の向きを調節するための調節レバー(14)が連 されている。調節レバー(14)は、ピン部材(30 )よりも先端側に連結されている。調節レバ (14)は、噴霧ノズル(20)から側方に延びて前面 部(11b)の側面から突出している。なお、調節 バー(14)は、絶縁性の材料で構成されている 。静電噴霧装置(10)の使用者(P)は、調節レバ (14)を上下に動かすことによって噴霧ノズル( 20)の上下方向の向き、すなわち噴霧ノズル(20 )の角度を調節することができる。

 液搬送部(22)は、いわゆるシリンジポンプ である。液搬送部(22)は、容器部(15)内を加圧 るためのピストン部(23)と、ピストン部(23) 移動させるためのモータ部(24)とを備えてい 。ピストン部(23)は、円板状に形成されてお り、外周が容器部(15)の内周面に密着する状 で容器部(15)内に設けられている。容器部(15) 内は、ピストン部(23)よりも前面側が液体で たされている。ピストン部(23)の背面は、ロ ドを介してモータ部(24)に接続されている。

 液搬送部(22)では、モータ部(24)が駆動す と、ピストン部(23)が少しずつ前方に移動す 。ピストン部(23)が前方に移動すると、容器 部(15)内の液体が押し出されて噴霧ノズル(20) 供給される。液搬送部(22)は、例えば毎秒1.5 μLの液体を噴霧ノズル(20)に供給するように 成されている。液搬送部(22)が噴霧ノズル(20) に供給する液体の量は、噴霧ノズル(20)にお る液体の噴霧量に等しくなる。なお、液搬 部(22)は、噴霧ノズル(20)への液体の供給量が 毎秒0.1μL以上毎秒1.5μL以下の値になるように 構成されていればよい。

 電源部(25)は、電源プラグを有する電源コ ード(29)に接続されている。電源部(25)は、電 プラグがコンセントに差し込まれた状態で 源コード(29)を通じて供給される電力を、モ ータ部(24)及び運転制御部(26)に供給するよう 構成されている。また、電源部(25)は、電源 コード(29)から供給された電流の電圧(100V)を 例えば6kVの高電圧に変換して噴霧ノズル(20) 印加するように構成されている。なお、電 部(25)は、電源コード(29)から供給された電 の電圧を、5kV以上11kV以下の値に電圧を変換 るように構成されていればよい。

 運転制御部(26)は、静電噴霧装置(10)の運 を制御するための部分である。運転制御部(2 6)は、静電噴霧装置(10)の電源がON状態に設定 れると、液搬送部(22)のモータ部(24)を駆動 せると共に、噴霧ノズル(20)に電圧を印加す ように電源部(25)に指令を出すように構成さ れている。

  -運転動作-
 本実施形態1の静電噴霧装置(10)の運転動作 ついて説明する。この静電噴霧装置(10)は、 3に示すように、例えばパーソナルコンピュ ータ(16)のディスプレイ(18)の上に設置された 態で使用される。なお、ケーシング(11)に、 ディスプレイ(18)に固定するための固定部材 設けてもよい。また、静電噴霧装置(10)はパ ソナルコンピュータ(16)の本体(17)に設置し 状態で使用してもよい。

 静電噴霧装置(10)の電源がON状態に設定さ ると、電源部(25)によって噴霧ノズル(20)に 圧が印加されて噴霧ノズル(20)の先端部に電 が形成されると共に、液搬送部(22)のモータ 部(24)が駆動する。この実施形態1では、噴霧 ズル(20)自らが電界形成部(31)を構成してい 。

 モータ部(24)が駆動すると、ピストン部(23 )が容器部(15)内を少しずつ前方に移動し、容 部(15)内の液体が押し出されて噴霧ノズル(20 )に供給される。噴霧ノズル(20)には、毎秒1.5 Lの液体が供給される。噴霧ノズル(20)の先端 には電界が形成されているので、噴霧ノズル (20)内の液体が分極し、噴霧ノズル(20)の先端 気液界面近傍に+(プラス)の電荷が集まる。 して、噴霧ノズル(20)の先端では、気液界面 が引き延ばされて円錐状となり、この円錐状 となった気液界面の頂部から一部の水溶液が 引きちぎられて液滴化する。噴霧ノズル(20) らは、容器部(15)からの供給量に等しい量(毎 秒1.5μL)の液体が噴霧される。

 この実施形態1の印加電圧の大きさ、及び 液体の電気抵抗率であれば、噴霧ノズル(20) ら飛散する液滴の大きさは、概ね50μmから200 μmの範囲の大きさになる。噴霧ノズル(20)か 飛散した液体は、噴霧ノズル(20)の先端から4 0から60cm程度離れた使用者(P)に向かって飛散 、使用者(P)の顔面に付着する。

 この実施形態1では、調節レバー(14)によ て手動で噴霧ノズル(20)の角度を調節可能に っている。使用者(P)は、調節レバー(14)を操 作することによって自身の顔面の高さに合わ せて噴霧ノズル(20)の角度を調節することが きる。使用者(P)は、高電圧が印加される噴 ノズル(20)に接触することなく噴霧ノズル(20) の角度を調節することができる。

  -実施形態1の効果-
 本実施形態1によれば、噴霧ノズル(20)の向 を可変に静電噴霧装置(10)を構成しているの 、静電噴霧装置(10)の使用中に使用者の位置 が変化しても、使用者の位置に応じて噴霧ノ ズル(20)の向きを調節することが可能である このため、噴霧ノズル(20)の向きを調節する に、静電噴霧装置(10)自体を動かす必要がな い。静電噴霧装置(10)自体を動かすには、静 噴霧装置(10)の取り付け及び取り外しの作業 必要になる場合もある。従って、噴霧ノズ (20)の向きを調節することによって、比較的 容易に噴霧ノズル(20)の向きを使用者に合わ ることが可能になる。

  -実施形態1の変形例-
 実施形態1の変形例について説明する。この 変形例の静電噴霧装置(10)は、図4に示すよう 、ケーシング(11)と、ケーシング(11)を可動 支持する支持部材(35)を備えている。ケーシ グ(11)はノズル取付部を構成し、支持部材(35 )は可動支持部(32)を構成している。

 具体的に、ケーシング(11)は、直方体状の 主要部(11a)と、主要部(11a)の下面側の下面部(1 1c)とを備えている。主要部(11a)の側面と下面 (11c)の側面とは面一になっている。下面部(1 1c)の下面は、主要部(11a)の前側の下端から後 の下端に亘って延びる弧面状に形成されて る。なお、この変形例では、噴霧ノズル(20) が主要部(11a)に固定されている。

 支持部材(35)は、ケーシング(11)の下側に けられている。支持部材(35)の上面には、ケ シング(11)の下面部(11c)を嵌め込むための窪 部(36)が形成されている。窪み部(36)は、弧 状に形成されている。窪み部(36)の直径は、 ーシング(11)の下面部(11c)の下面の直径と概 等しくなっている。

 ケーシング(11)は、下面部(11c)が窪み部(36) に嵌り込んだ状態で支持部材(35)に載せられ いる。ケーシング(11)は、窪み部(36)の周方向 に沿って回動自在になっている。ケーシング (11)を回動させると、噴霧ノズル(20)の上下方 の向き、すなわち噴霧ノズル(20)の角度が変 化する。この変形例では、使用者(P)が手動で ケーシング(11)を回動させることによって、 用者(P)の顔面の高さに合わせて噴霧ノズル(2 0)の角度を調節することができる。

 《発明の実施形態2》
 本発明の実施形態2について説明する。本実 施形態2は、本発明に係る静電噴霧装置(10)で る。この静電噴霧装置(10)は、上記実施形態 1と同様に、化粧用の液体を使用者の顔面に 給するためのものであり、電界による吸引 のみで使用者に液滴を到達させることがで る位置に設置された状態で使用される。

 この静電噴霧装置(10)は、噴霧ノズル(20) 向きを自動で調節する機能を備えている。 電噴霧装置(10)は、上記実施形態1の変形例の 静電噴霧装置の構成に加えて、図5に示すよ に、駆動部(41)と撮影部(42)と位置算出部(43) 動作制御部(44)とを備えている。位置算出部( 43)と動作制御部(44)とは、運転制御部(26)に設 られている。撮影部(42)と位置算出部(43)と 、位置検出手段を構成している。駆動部(41) 動作制御部(44)とは、向き調節手段を構成し ている。

 駆動部(41)は、駆動モータ(41a)と、駆動モ タ(41a)のシャフトに連結された歯車(41b)とを 備えている。駆動部(41)は、ケーシング(11)の 面部(11c)の下部に設けられている。駆動モ タ(41a)は下面部(11c)に固定されている。駆動 (41)は、歯車(41b)の歯の部分のみが下面部(11c )の下面から突出するように設けられている

 支持部材(35)の窪み部(36)には、駆動部(41) 歯車(41b)と噛み合う凹凸状の噛合部(36a)が形 成されている。ケーシング(11)は、駆動部(41) 歯車(41b)が噛合部(36a)に噛み合う状態で支持 部材(35)に載せられている。駆動モータ(41a)が 駆動すると、歯車(41b)が噛合部(36a)に噛み合 ながら回転して、ケーシング(11)が窪み部(36) の周方向に沿って回動する。

 撮影部(42)は、CCDカメラとして構成されて いる。撮影部(42)は、ケーシング(11)の主要部( 11a)の前面に設けられている。撮影部(42)は、 の光軸が噴霧ノズル(20)の向きに一致するよ うに設けられている。

 位置算出部(43)は、撮影部(42)に接続され いる。位置算出部(43)には、撮影部(42)が撮影 した画像データが入力される。位置算出部(43 )は、顔画像抽出用のアルゴリズムを用いて 画像データに人間の顔面が含まれていれば 間の顔面を抽出することができるように構 されている。顔画像抽出用のアルゴリズム 、例えば画像データに対して特徴点を抽出 て、その特徴点に基づいてパターンマッチ グを行うことによって人間の顔面を認識す ように構成されている。

 また、位置算出部(43)は、画像データに人 間の顔面が含まれている場合に画像データに おける顔面の位置を検出するように構成され ている。

 動作制御部(44)は、位置算出部(43)が検出 た画像データにおける顔面の位置に基づい 駆動モータ(41a)を制御することによって、噴 霧ノズル(20)の先端が使用者の顔面の中心を くように噴霧ノズル(20)の向きを調節するよ に構成されている。

 具体的に、動作制御部(44)には、画像デー タにおける顔面の位置に対応する噴霧ノズル (20)の向きの調節量が、予めデータベースと て記憶されている。動作制御部(44)は、位置 出部(43)が画像データにおける顔面の位置を 検出すると、その画像データにおける顔面の 位置に対応する噴霧ノズル(20)の向きの調節 を、上記データベースから読み出す。そし 、動作制御部(44)は、上記噴霧ノズル(20)の向 きの調節量に基づく駆動モータ(41a)の操作量 駆動モータ(41a)に出力するように構成され いる。駆動モータ(41a)の操作量としては、駆 動モータ(41a)の回転方向及び回転角度が出力 れる。駆動モータ(41a)が上記操作量に従っ 駆動すると、噴霧ノズル(20)の先端が使用者 顔面の中心を向くように噴霧ノズル(20)の向 きが調節される。

 この実施形態2の静電噴霧装置(10)では、 霧ノズル(20)の向きを調節するための向き調 動作が、所定の時間間隔(例えば10秒間隔)で 行われる。

 向き調節動作では、まず撮影部(42)が、静 電噴霧装置(10)の前面を撮影する。次に、位 算出部(43)が、撮影部(42)が撮影した画像デー タを解析し、画像データに人間の顔面が含ま れている場合に画像データにおける顔面の位 置を検出する。次に、位置算出部(43)は、画 データにおける顔面の位置に対応する噴霧 ズル(20)の向きの調節量を上記データベース ら読み出し、その噴霧ノズル(20)の向きの調 節量に基づく駆動モータ(41a)の操作量を駆動 ータ(41a)に出力する。これにより、駆動モ タ(41a)が入力された操作量に従って駆動し、 噴霧ノズル(20)の向きが使用者の顔面を向く うに調節される。

  -実施形態2の効果-
 本実施形態2では、噴霧ノズル(20)の先端が 用者の顔面を向くように噴霧ノズル(20)の向 が自動的に調節される。このため、使用者 噴霧ノズル(20)の向きを調節する必要がない 。従って、使用者が噴霧ノズル(20)の向きを 節しなくても、噴霧した液滴を効率的に使 者の顔面に到達させることができる。

  -実施形態2の変形例-
 実施形態2の変形例について説明する。この 変形例は、上記実施形態2における噴霧ノズ (20)の向きの調節量を決定するまでの処理を 静電噴霧装置(10)が接続されるパーソナルコ ンピュータ(16)に行わせるものである。この 形例の静電噴霧装置(10)は、パーソナルコン ュータ(16)に対して所定の位置(例えばディ プレイ(18)の上面の中央部)に設置された状態 で使用される。なお、この静電噴霧装置(10) は、上記実施形態2とは異なり、撮影部(42)と 位置算出部(43)と動作制御部(44)とが設けられ いない。

 この静電噴霧装置(10)が接続されるパーソ ナルコンピュータ(16)は、図6に示すように、C CDカメラ(42)を備えている。また、このパーソ ナルコンピュータ(16)には、CCDカメラ(42)の画 データに基づいて使用者の顔面の位置を検 して、その検出した顔面の位置に基づいて 霧ノズル(20)の向きを調節量を決定する処理 をパーソナルコンピュータ(16)に行わせるた のプログラム(33)が、処理用手段としてイン トールされている。プログラム(33)は、顔面 抽出処理と位置算出処理と調節量決定処理と データ出力処理とを、パーソナルコンピュー タ(16)に行わせるように構成されている。な 、パーソナルコンピュータ(16)には、CCDカメ (42)と噴霧ノズル(20)との位置関係が入力さ ている。

 顔面抽出処理は、CCDカメラ(42)の画像デー タを取り込み、その画像データに人間の顔面 が含まれているか否かを判断する処理である 。この顔面抽出処理には、上述の顔画像抽出 用のアルゴリズムが用いられている。

 位置算出処理は、顔面抽出処理で画像デ タに人間の顔面が含まれていた場合に、画 データにおける顔面の位置を検出する処理 ある。

 調節量決定処理は、位置算出処理で検出 れた画像データにおける顔面の位置に基づ て、噴霧ノズル(20)の向きの調節量を決定す る処理である。なお、このプログラム(33)は 記実施形態2のデータべースを備えており、 の操作量決定処理にはこのデータベースが いられる。

 データ出力処理は、調節量決定処理で決 した噴霧ノズル(20)の向きの調節量に基づく 駆動モータ(41a)の操作量を、静電噴霧装置(10) に出力する処理である。駆動モータ(41a)の操 量は、噴霧ノズル(20)の向きが上記調節量だ け変化するときの駆動モータ(41a)の回転方向 び回転角度である。

 静電噴霧装置(10)の運転制御部(26)は、接 コード(28)を介して、パーソナルコンピュー (16)と通信可能に構成されている。静電噴霧 装置(10)には、パーソナルコンピュータ(16)の 続端子(例えばUSBポート)に接続された接続 ード(28)(例えばUSBコード)を接続するための 続端子(38)が設けられている。接続端子(38)は 、運転制御部(26)に接続されている。なお、 転制御部(26)は、無線によってパーソナルコ ピュータ(16)と通信可能に構成されていても よい。

 運転制御部(26)は、駆動モータ(41a)の操作 をパーソナルコンピュータ(16)から受信して 、受信した操作量を駆動モータ(41a)に出力す ように構成されている。この変形例では、 動モータ(41a)が入力された操作量に従って 動し、噴霧ノズル(20)の向きが使用者の顔面 向くように調節される。運転制御部(26)と駆 動部(41)とは、パーソナルコンピュータ(16)か 取得した使用者の顔面の位置に噴霧ノズル( 20)の先端が向くように噴霧ノズル(20)を動か 向き調節手段を構成している。

 この変形例では、使用者の顔面の位置の 出と、その顔面の位置に基づく駆動モータ( 41a)の操作量の決定とが、パーソナルコンピ ータ(16)で行われる。このため、静電噴霧装 (10)が上記実施形態2の撮影部(42)と位置算出 (43)と動作制御部(44)とを備える必要がない で、静電噴霧装置(10)の構成を簡素化するこ ができる。

 《その他の実施形態》
 上記実施形態については、以下のような構 としてもよい。

 上記実施形態について、噴霧する液体と て点眼用の液体を用いていもよい。この場 、静電噴霧装置(10)はドライアイを緩和させ るために用いられる。静電噴霧装置(10)は、 に含まれる有用な物質が眼球に付着した液 と共に流れないように、噴霧ノズル(20)から 噴霧量が毎秒0.1μL以上1.0μL以下の範囲の値 なるように構成されている。

 また、上記実施形態について、噴霧する 体が、のど粘膜の保護成分を含む溶液であ てもよい。

 また、上記実施形態について、静電噴霧 置(10)は、噴霧ノズル(20)の向きを上下方向 けでなく水平方向にも調節可能に構成され いてもよい。実施形態1の変形例の静電噴霧 置(10)であれば、駆動モータ(41a)の下面部(11c )と支持部材(35)の窪み部(36)とを球面状に形成 する。また、実施形態2の静電噴霧装置(10)で れば、ケーシング(11)を水平方向に回転させ るための駆動部を設ける。

 また、上記実施形態について、静電噴霧 置(10)は、噴霧ノズル(20)の向きを水平方向 だけ調節可能に構成されていてもよい。

 また、上記実施形態について、静電噴霧 置(10)が、パーソナルコンピュータ(16)から 力を得るために、パーソナルコンピュータ(1 6)の本体(17)おける電力を供給可能な接続端子 (例えば、USBポート、IEEE1394)に接続可能に構 されていてもよい。この場合、使用者はコ セントを準備する必要がないので、静電噴 装置(10)の使いやすさを向上させることがで る。

 また、上記実施形態について、電界形成 (31)が、2つの電極から構成されていてもよ 。この場合、2つの電極のうち一方が噴霧ノ ル(20)内の液体に接触し、他方が噴霧ノズル (20)内の液体から絶縁される。電源部(25)によ てこれらの電極間に電位差が与えられると 噴霧ノズル(20)の先端部に電界が形成される 。

 また、上記実施形態2について、パーソナ ルコンピュータ(16)の使用者がパーソナルコ ピュータ(16)を介して噴霧ノズル(20)の向きを 調節することができるように、静電噴霧装置 (10)が構成されていてもよい。具体的に、静 噴霧装置(10)は、上記実施形態2の変形例と同 様に、パーソナルコンピュータ(16)と通信可 に構成されている。また、パーソナルコン ュータ(16)には、例えばキーボードの操作に じて噴霧ノズル(20)の向きを調節するための 信号を静電噴霧装置(10)に出力するためのプ グラム(33)がインストールされている。パー ナルコンピュータ(16)の使用者が、例えばキ ーボードのカーソルキーを押すと、そのカー ソルキーの方向に噴霧ノズル(20)の向きが調 される。

 また、上記実施形態2について、静電噴霧 装置(10)が、噴霧ノズル(20)の向きを調節する めのリモコンを備えていてもよい。

 なお、以上の実施形態は、本質的に好ま い例示であって、本発明、その適用物、あ いはその用途の範囲を制限することを意図 るものではない。

 以上説明したように、本発明は、ノズル の先端部に電界を形成することによってノ ル部の先端から液体を噴霧する静電噴霧装 について有用である。