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Patent Searching and Data


Title:
ENCLOSED COMPRESSOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/096220
Kind Code:
A1
Abstract:
An enclosed compressor having first and second compressors arranged at the upper and lower portions in an enclosed housing, with the first compressor at the lower part being a rotary compressor. The enclosed compressor is simplified in structure and reduced in cost by reducing the number of parts which construct an oil supply pump and a lower muffler chamber and adapting the parts to be easily worked. In an enclosed compressor (1) having first and second compressors (2, 3) arranged at the upper and lower portions in an enclosed housing (10) with the first compressor (2) at the lower portion being a rotary compressor, a lower bearing (23) of the rotary compressor (2) supports the lower end of a rotating shaft (7) on the center side of the lower bearing, has a bearing boss (50) having at the lower end surface thereof a cylinder chamber (55) of the oil supply pump (14), and is formed in a double-tube shape having an outer tube (51) located on the outer peripheral side of the bearing boss (50) so as to surround the bearing boss. A lid (58) is mounted to the lower end surface of the lower bearing (23) to define the cylinder chamber (55) and the lower muffler chamber (28) of the rotary compressor (2).

Inventors:
SATO HAJIME (JP)
KIMATA YOSIYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050322
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
January 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI HEAVY IND LTD (JP)
SATO HAJIME (JP)
KIMATA YOSIYUKI (JP)
International Classes:
F04C29/02; F04C23/00; F04C29/06
Foreign References:
JP2002250292A2002-09-06
JPH109175A1998-01-13
JPH09151866A1997-06-10
JPH07103167A1995-04-18
JP2000087892A2000-03-28
JPH08200223A1996-08-06
JPH0272383U1990-06-01
JPH0367094A1991-03-22
JPH0587074A1993-04-06
JP2006083842A2006-03-30
JP2007177624A2007-07-12
Other References:
See also references of EP 2253849A4
Attorney, Agent or Firm:
FUJITA, Takaharu et al. (3-1 Minatomirai 3-chome,Nishi-ku, Yokohama-sh, Kanagawa 12, JP)
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Claims:
 密閉ハウジング内の下部および上部に配設された第1および第2圧縮機と、該第1および第2圧縮機間に配設された電動モータと、該電動モータにより駆動され、両端部がそれぞれ前記第1および第2圧縮機に連結された回転軸と、該回転軸の下端部に設けられ、前記第2圧縮機に密閉ハウジング内に充填された潤滑油を給油する給油ポンプとを備え、前記第1圧縮機がロータリ圧縮機により構成された密閉型圧縮機において、
 前記ロータリ圧縮機の下部軸受が、中心側に前記回転軸の下端部を支持し、下端面に前記給油ポンプのシリンダ室が設けられた軸受ボス部を備え、その外周側に前記軸受ボス部を包囲する外筒を備えた二重筒型形状とされるとともに、前記下部軸受の下端面に蓋部材を装着することにより前記シリンダ室と前記ロータリ圧縮機の下部マフラ室とが区画形成されている密閉型圧縮機。
 前記軸受ボス部の下端面と前記外筒の下端面とを同一平面上に形成し、該下端面を平板状の前記蓋部材により蓋って前記シリンダ室および前記下部マフラ室を区画形成している請求項1に記載の密閉型圧縮機。
 前記給油ポンプを、前記回転軸の下端部に装着され、前記シリンダ室内で回動されるロータと、前記シリンダ室に連通される吸入口および吐出口とを備え、前記潤滑油を前記回転軸に穿設されている給油孔に送出する容積形ポンプにより構成した請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
 前記下部マフラ室に圧縮ガスを吐き出す吐出ポートおよび吐出弁を、前記回転軸の軸芯を挟んで前記給油ポンプの前記吸入口および前記吐出口とは反対側に配設した請求項3に記載の密閉型圧縮機。
 
Description:
密閉型圧縮機

 本発明は、密閉ハウジング内の下部およ 上部にそれぞれ電動モータによって駆動さ る第1圧縮機および第2圧縮機が配設された 閉型圧縮機に関するものである。

 密閉ハウジング内の中央部位に電動モー を設置し、その下部および上部に電動モー に連結されたクランク軸を介して回転駆動 れる第1圧縮機および第2圧縮機を配設した 成の密閉型圧縮機としては、特許文献1に示 ものが提案されている。この特許文献1に示 された密閉型圧縮機は、電動モータの下部に 第1圧縮機を構成する低段側ロータリ圧縮機 上部に第2圧縮機を構成する高段側スクロー 圧縮機を配設した密閉型の多段圧縮機であ 、低段側ロータリ圧縮機で圧縮した中間圧 冷媒ガスを密閉ハウジング内に吐き出し、 の冷媒ガスを高段側スクロール圧縮機に吸 して高圧まで圧縮した後、圧縮機の外部へ 送出するように構成されている。このよう 、密閉ハウジング内の上部に第2圧縮機を配 設している密閉型圧縮機では、第2圧縮機の 動部位を潤滑するために、クランク軸の下 部に給油ポンプを設け、この給油ポンプに って密閉ハウジングの底部に充填されてい 潤滑油を第2圧縮機に給油することが不可欠 なる。

 一方、密閉ハウジングの下部にロータリ 縮機を配設して構成された密閉型圧縮機に いて、下部軸受側に下部マフラ室を設けた のが多数提案されている。下部軸受側に下 マフラ室を設けた密閉型圧縮機としては、 許文献2,3に示されているように、2気筒ロー タリ圧縮機(ツインロータリとも云う。)が多 。しかし、これに限らずに、単気筒ロータ 圧縮機にあって、吐出時の圧損を低減する とを目的に上下の軸受にそれぞれマフラ室 設け、上下2箇所から圧縮ガスを吐出するよ うに構成としたものが知られている。

特開平5-87074号公報

特開2006-83842号公報

特開2007-177624号公報

 しかしながら、密閉ハウジング内の下部 よび上部にそれぞれ第1圧縮機および第2圧 機を配設した密閉型圧縮機において、下部 配設される第1圧縮機がロータリ圧縮機とさ たものでは、下部軸受の周りに吐出弁およ 下部マフラ室と、第2圧縮機への給油ポンプ とを設けた場合に、下部軸受周りの構成が複 雑化するとともに、加工工数、組み立て工数 の増加およびコストアップは避けられなかっ た。また、下部軸受に対して下部マフラ室の 構成部材を取り付ける取り付け代の確保が必 要となることから、その分下部マフラ室の容 積が小さくなり、吐出マフラの機能が低下し てしまうという問題を有している。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たものであって、密閉ハウジング内の下部 よび上部にそれぞれ第1および第2圧縮機が 設され、下部の第1圧縮機がロータリ圧縮機 された密閉型圧縮機において、給油ポンプ よび下部マフラ室を構成する部品点数の削 と部品加工の容易化を図り、構成のシンプ 化およびコストダウンを実現することがで る密閉型圧縮機を提供することを目的とす 。

 上記課題を解決するために、本発明の密閉 圧縮機は、以下の手段を採用する。
 すなわち、本発明の一態様にかかる密閉型 縮機は、密閉ハウジング内の下部および上 に配設された第1および第2圧縮機と、該第1 よび第2圧縮機間に配設された電動モータと 、該電動モータにより駆動され、両端部がそ れぞれ前記第1および第2圧縮機に連結された 転軸と、該回転軸の下端部に設けられ、前 第2圧縮機に密閉ハウジング内に充填された 潤滑油を給油する給油ポンプとを備え、前記 第1圧縮機がロータリ圧縮機により構成され 密閉型圧縮機において、前記ロータリ圧縮 の下部軸受が、中心側に前記回転軸の下端 を支持し、下端面に前記給油ポンプのシリ ダ室が設けられた軸受ボス部を備え、その 周側に前記軸受ボス部を包囲する外筒を備 た二重筒型形状とされるとともに、前記下 軸受の下端面に蓋部材を装着することによ 前記シリンダ室と前記ロータリ圧縮機の下 マフラ室とが区画形成されている。

 上記態様によれば、下部軸受が回転軸の 端部を支持し、下端面に給油ポンプのシリ ダ室が設けられた軸受ボス部と、その外周 包囲する外筒とを備えた二重筒型形状とさ るとともに、この下部軸受の下端面に蓋部 を装着することによりシリンダ室と下部マ ラ室とが区画形成されている。このため、 重筒型形状とした下部軸受を利用して給油 ンプのシリンダ室とロータリ圧縮機の下部 フラ室の双方を区画形成することができる これによって、部品点数の削減と部品加工 容易化を図り、構成のシンプル化およびコ トダウンを実現することができる。また、 部マフラ室を二重筒型形状とされた下部軸 の外筒によりシンプルに構成することがで るため、下部マフラ室の取り付け代を不要 してその有効容積を最大限確保することが きる。

 本発明の一態様に係る密閉型圧縮機は、 記の密閉型圧縮機において、前記軸受ボス の下端面と前記外筒の下端面とを同一平面 に形成し、該下端面を平板状の前記蓋部材 より蓋って前記シリンダ室および前記下部 フラ室を区画形成している。

 上記態様によれば、軸受ボス部の下端面 外筒の下端面とを同一平面上に形成し、そ 下端面を平板状の蓋部材により蓋ってシリ ダ室および下部マフラ室を区画形成してい 。したがって、軸受ボス部および外筒の下 面の加工、ならびに下端面に装着される平 状の蓋部材の平面加工をそれぞれ一工程で 工することが可能となる。このため、下部 受および蓋部材の加工工数を低減し、生産 の向上およびコストダウンを図ることがで る。

 本発明のの一態様に係る密閉型圧縮機は 上述のいずれかの密閉型圧縮機において、 記給油ポンプを、前記回転軸の下端部に装 され、前記シリンダ室内で回動されるロー と、前記シリンダ室に連通される吸入口お び吐出口とを備え、前記潤滑油を前記回転 に穿設されている給油孔に送出する容積形 ンプにより構成されている。

 上記態様によれば、給油ポンプを、回転 の下端部に装着され、シリンダ室内で回動 れるロータと、そのシリンダ室に連通され 吸入口および吐出口とを備え、潤滑油を回 軸に穿設されている給油孔に送出する容積 ポンプにより構成している。このため、下 軸受および回転軸の下端部を利用して最小 の構成部品により、第2圧縮機に潤滑油を給 油する容積形の給油ポンプを設けることがで きる。従って、下部マフラ室および容積形の 給油ポンプを共に最小限の部品点数でシンプ ルにかつ安価に構成することができる。

 本発明の一態様に係る密閉型圧縮機は、 記の密閉型圧縮機において、前記下部マフ 室に圧縮ガスを吐き出す吐出ポートおよび 出弁を、前記回転軸の軸芯を挟んで前記給 ポンプの前記吸入口および前記吐出口とは 対側に配設している。

 上記態様によれば、下部マフラ室に圧縮 スを吐き出す吐出ポートおよび吐出弁を、 転軸の軸芯を挟んで給油ポンプの吸入口お び吐出口とは反対側に配設している。した って、下部マフラ室内の吐出ポートおよび 出弁が配設される側のスペースを、給油ポ プの吸入口および吐出口が配設される側の ペースよりも広くすることができる。この め、一般に細長いリード弁が使用される吐 弁を設置し易くすることができ、下部軸受 大きくすることなく、コンパクト化したま 給油ポンプおよび吐出弁を収容設置するこ ができる。

 本発明によると、二重筒型形状とした下 軸受を用いることにより給油ポンプのシリ ダ室とロータリ圧縮機の下部マフラ室の双 を区画形成することができる。このため、 品点数の削減と部品加工の容易化を図り、 成のシンプル化およびコストダウンを実現 ることができる。下部マフラ室を二重筒型 状とされた下部軸受の外筒によりシンプル 構成することができるため、下部マフラ室 取り付け代を不要としてその有効容積を最 限確保することができる。

本発明の一実施形態に係る密閉型圧縮 の縦断面図である。 図1に示す密閉型圧縮機の主要部の拡大 縦断面図である。 図2に示す密閉型圧縮機の下部軸受を下 方から見た平面視図である。 図3に示す下部軸受のa-a断面相当図であ る。 図2に示す密閉型圧縮機の給油ポンプ部 の横断面図である。

符号の説明

1 密閉型圧縮機
2 第1圧縮機(2気筒ロータリ圧縮機)
3 第2圧縮機(スクロール圧縮機)
4 電動モータ
7 回転軸(クランク軸)
10 密閉ハウジング
14 給油ポンプ
16 給油孔
23 下部軸受
28 下部マフラ室
50 軸受ボス部
51 外筒
52 吐出ポート
53 吐出弁
55 シリンダ室
58 蓋部材
60 ロータ
62 吸入口
64 吐出口

 以下に、本発明にかかる一実施形態につい 、図1ないし図5を参照して説明する。
 図1には、本発明の一実施形態に係る密閉型 圧縮機1の縦断面図が示されている。本実施 態では、便宜上、密閉ハウジング10の下部に 第1圧縮機2を構成する低段側2気筒ロータリ圧 縮機を配設し、上部に第2圧縮機3を構成する 段側スクロール圧縮機を配設した密閉型多 圧縮機を例に本発明の密閉型圧縮機1につい て説明するが、本発明は、これに限られるも のではなく、第1圧縮機2が単気筒ロータリ圧 機であってもよく、さらに第2圧縮機3はス ロール圧縮機である必要はなく、他形式の 縮機であってもよい。

 密閉型圧縮機(密閉型多段圧縮機)1は、密 ハウジング10を備えている。密閉ハウジン 10は、円筒状のセンターハウジング10Aと、セ ンターハウジング10Aの上部に全周溶接により 設けられた環状のベアリングブラケット11と センターハウジング10Aの下部を密閉する下 ハウジング10Bと、ベアリングブラケット11 上部に全周溶接により設けられ、センター ウジング10Aの上部を密閉する上部ハウジン 10Cとから構成されている。

 センターハウジング10A内の略中央部には ステータ5とロータ6とから構成される電動 ータ4が固定設置されている。ロータ6には、 回転軸(クランク軸)7が一体に結合されている 。この電動モータ4の下部には、第1圧縮機2を 構成する低段側2気筒ロータリ圧縮機2が設置 れている。この2気筒ロータリ圧縮機2は、 リンダ室20A,20Bを備え、センターハウジング1 0A内に固定設置されるシリンダ本体21A,21Bと、 シリンダ本体21Aの上部およびシリンダ本体21B の下部に固定設置され、シリンダ室20Aの上部 およびシリンダ室20Bの下部を密閉する上部軸 受22および下部軸受23と、シリンダ本体21Aと リンダ本体21Bとの間に介在された中間仕切 板24と、回転軸7のクランク部7A,7Bに嵌合され 、シリンダ室20A,20Bの内周面を回動するロー 25A,25Bと、シリンダ室20A,20B内を吸入側と吐出 側とに仕切る図示省略のブレードおよびブレ ード押えバネ等とを備えた構成とされている 。

 上記2気筒ロータリ圧縮機2は、吸入管26A,2 6Bを介してシリンダ室20A,20B内に低圧の冷媒ガ ス(作動ガス)を吸入し、この冷媒ガスをロー 25A,25Bの回動により中間圧まで圧縮した後、 上部軸受22および下部軸受23を利用して上下 形成されている上部マフラ室27および下部マ フラ室28内に吐出し、上部マフラ室27内で合 した後、センターハウジング10A内に吐き出 ように構成されている。この中間圧冷媒ガ は、電動モータ4のロータ6に設けられている ガス通路孔(図示省略)等を流通して電動モー 4の上部空間に導かれ、さらに第2圧縮機3を 成する高段側スクロール圧縮機3へと吸入さ れて2段圧縮されるようになっている。

 第2圧縮機3を構成する高段側スクロール 縮機3は、上部ハウジング10C内に設けられて る。スクロール圧縮機3は、回転軸(クラン 軸)7を支持する軸受30が設けられ、ベアリン ブラケット11の上面にボルト12を介して固定 設置されるベアリングケース31(フレーム部材 または支持部材とも云う。)と、それぞれ端 32A,33A上に立設される渦巻き状ラップ32B,33Bを 備え、渦巻き状ラップ32B,33B同士を噛み合わ てベアリングケース31上に組み付けることに より一対の圧縮室34を構成する固定スクロー 部材32および旋回スクロール部材33とを備え ている。

 スクロール圧縮機3は、さらに旋回スクロ ール部材33と回転軸7の偏心ピン7Cとをドライ ブッシュ13を介して結合し、旋回スクロー 部材33を公転旋回駆動する旋回ボス部33Cと、 旋回スクロール部材33とベアリングケース31 の間に設けられ、旋回スクロール部材33を自 転を阻止して公転旋回させる自転阻止機構35 、固定スクロール部材32の背面側に設けら 、吐出ポート32Cを開閉する吐出リード弁36と 、固定スクロール部材32の背面側に吐出リー 弁36を包囲するように固定設置され、油分 室37を形成するディスチャージカバー38と、 ィスチャージカバー38の中心部に接続され 圧縮された高圧ガスを外部に吐き出す吐出 39と、油分離室37内に設置され、圧縮ガスか 油を遠心分離する油分離機構40とを備えた 成とされている。

 上記のスクロール圧縮機3は、2気筒ロー リ圧縮機2により圧縮されて密閉ハウジング1 0に吐き出された中間圧の冷媒ガスを圧縮室34 内に吸入し、この中間圧冷媒ガスを旋回スク ロール部材33の公転旋回駆動による圧縮動作 よって更に高圧状態に圧縮した後、吐出リ ド弁36を介してディスチャージカバー38内の 油分離室37に吐き出すように構成されている この高温高圧冷媒ガスは、油分離室37内で 分離機構40によりガス中の油が分離された後 、吐出管39を介して密閉型圧縮機1の外部、す なわち冷凍サイクル側へと送出されるように なっている。

 回転軸(クランク軸)7の最下端部と低段側 ータリ圧縮機2の下部軸受23との間には、容 形の給油ポンプ14が組み込まれている。こ 給油ポンプ14は、密閉ハウジング10の底部に 填されている潤滑油15を汲み上げ、回転軸7 に設けられている給油孔16を経て2気筒ロー リ圧縮機2およびスクロール圧縮機3の軸受 等の所要潤滑箇所に潤滑油15を強制給油する ように構成されている。

 給油ポンプ14により給油され、スクロー 圧縮機3を潤滑した油、および上記の油分離 構40によって分離された油は、それぞれ固 スクロール部材32およびベアリングケース31 設けられている油落し孔41,42,43を経てベア ングブラケット11に接続されている油排出パ イプ44から密閉ハウジング10の底部へと流下 れるようになっている。なお、油分離機構40 からの油落し孔41には、図示省略の減圧機構 介装されているものとする。

 本実施形態では、上記した下部軸受23、下 マフラ室28および給油ポンプ14が以下のとお 構成されている。
 下部軸受23は、図2ないし図4に示されるよう に、中心部位に回転軸(クランク軸)7の軸端を 支持する軸受ボス部50が設けられ、その外周 軸受ボス部50を包囲するように下方が開放 れている外筒51が設けられた二重筒型形状と されている。この下部軸受23の軸受ボス部50 外筒51との間に形成される環状の空間が下部 マフラ室28とされるように構成されている。

 下部軸受23には、シリンダ室20Bと下部マ ラ室28とを連通する吐出ポート52が穿設され おり、この吐出ポート52の下部マフラ室28側 には、板バネ状のリード弁により構成される 吐出弁53が設置されている。下部軸受23は、 数本のボルト54によってシリンダ本体21Bに固 定設置されるようになっている。軸受ボス部 50の下端面には、給油ポンプ14を構成する軸 向に所定寸法を有するシリンダ室55が回転軸 7と同心円状に形成されている。シリンダ室54 には、放射方向に延伸するブレード溝55Aが設 けられている。

 下部軸受23における軸受ボス部50の下端面 と外筒51の下端面とは、同一平面上に形成さ ており、その下端面に薄いプレート部材56 板厚の厚いプレート押え部材57とからなる平 板状の蓋部材58がボルト59を介して固定設置 れている。これによって下部マフラ室28とシ リンダ室55とが共通の平板状蓋部材58により われて密閉された構成とされている。

 蓋部材58により区画形成されたシリンダ 55内には、図5に示されるように、回転軸7の 端に設けられた偏心部7Dに装着され、回転 7の回転に伴いシリンダ室55の内周面を回動 れるロータ60が収容されている。ロータ60の 周には、シリンダ室55のブレード溝55Aに摺 自在に嵌合されるブレード60Aが一体に設け れ、シリンダ室55内を潤滑油の吸い込み側と 吐き出し側とに仕切っている。このシリンダ 室55の潤滑油吸い込み側には、密閉ハウジン 10の底部に充填された潤滑油15中に垂下され る吸入パイプ61に連通されている吸入口62が 口されるとともに、潤滑油吐き出し側には 蓋部材58に設けられている油路63を介して回 軸7中に設けられている給油孔16に連通され 吐出口64が開口されている。

 これによって、2気筒ロータリ圧縮機2お びスクロール圧縮機3に潤滑油15を強制給油 る給油ポンプ14が構成されている。なお、油 路63は、蓋部材58を構成するプレート部材56と プレート押え部材57との合わせ面に吐出口64 よび給油孔16と連通するように設けられてい る。下部軸受23に設けられる吐出ポート52と 軸受ボス部50に設けられる給油ポンプ14を構 する吸入口62、吐出口64およびブレード溝55A とは、回転軸7の軸芯を挟んで互いに反対側 配設されている(図3参照)。つまり、吸入口62 、吐出口64およびブレード溝55Aを設けるため 軸受ボス部50の外径が大きくなり、外筒51と の間の放射方向スペースが狭くなるのに対し て、回転軸7の軸芯を挟んで反対側の吐出ポ ト52を設ける側の軸受ボス部50と外筒51との のスペースを広くすることができる。この め、リード弁により構成される吐出弁53の設 置スペースを十分に確保することができる。

 以上に説明の構成により、本実施形態によ ば、以下の作用効果を奏する。
 吸入管26A,26Bを介して第1圧縮機2を構成する2 気筒ロータリ圧縮機2のシリンダ室20A,20Bに吸 された低温低圧の冷媒ガスは、ロータ25A,25B の回動により中間圧まで圧縮された後、上部 マフラ室27および下部マフラ室28内に吐き出 れ、脈動が減衰される。この中間圧冷媒ガ は、上部マフラ室27内で合流された後、電動 モータ4の下部空間内に吐き出され、そこか 電動モータ4のロータ6に設けられているガス 通路孔(図示省略)等を流通して電動モータ4の 上部空間に流動される。

 電動モータ4の上部空間に流動された中間 圧冷媒ガスは、センターハウジング10Aの中心 領域からベアリングケース31の外面とベアリ グブラケット11の上面との間に形成されて る図示省略の吸入ガス流路を経て固定スク ール部材32および旋回スクロール部材33間に 成される圧縮室34内へと吸入される。この 間圧冷媒ガスは、旋回スクロール部材33が公 転旋回駆動されることによる圧縮動作によっ て高温高圧状態に2段圧縮された後、吐出ポ ト32Cから吐出リード弁36を介してディスチャ ージカバー38内に吐き出される。

 上記の2段圧縮過程において、給油ポンプ 14により給油されて2気筒ロータリ圧縮機2の 滑に供された潤滑油15の一部は、冷媒ガス中 に溶け込み、中間圧冷媒ガスと共にセンター ハウジング10A内に吐き出される。さらに、こ の中間圧冷媒ガスには、スクロール圧縮機3 給油孔16を介して給油され、スクロール圧縮 機3を潤滑した後、油落し孔43および42、油排 パイプ44を経て密閉ハウジング10内の底部へ と流下される潤滑油15の一部が溶け込む。こ して潤滑油15が溶解された中間圧冷媒ガス 、油を含んだままスクロール圧縮機3に吸入 れて圧縮され、高温高圧ガスとなって油と に吐出ポート32Cから吐き出される。

 この油を含む高温高圧の圧縮ガスは、デ スチャージカバー38内の油分離室37に設けら れている遠心式油分離機構40で油が遠心分離 れた後、ディスチャージカバー38の中心部 接続されている吐出管39より冷凍サイクル側 へと吐き出される。これによって、冷凍サイ クル側に循環される潤滑油15の油循環率(OCR) 低減し、システム効率を向上させるととも 、密閉型圧縮機1での潤滑油不足の発生を解 している。油分離室37で分離された油は、 落し孔41内で減圧機構により低圧に減圧され た後、油落し孔42、油排出パイプ44を経て密 ハウジング10内の底部へと流下させる。

 上述の密閉型圧縮機1にあって、2気筒ロ タリ圧縮機2の下部シリンダ室20Bで圧縮され 中間圧冷媒ガスが吐き出される下部マフラ 28と、2気筒ロータリ圧縮機2およびスクロー ル圧縮機3に潤滑油15を給油する給油ポンプ14 シリンダ室55とが設けられる下部軸受23を二 重筒型形状とし、その中心部位に形成される 軸受ボス部50の下端面にシリンダ室55を設け とともに、該軸受ボス部50とその外周を包囲 するように形成された外筒51との間に環状の 部マフラ室28を設けている。そして、軸受 ス部50と外筒51との下端面を同一平面とし、 の下端面を共通の平板状蓋部材58により蓋 ことによって、下部マフラ室28およびシリン ダ室55を区画形成している。

 このため、二重筒型形状とした下部軸受23 平板状蓋部材58とにより下部マフラ室28とシ ンダ室55との双方を区画形成することがで る。これによって、下部マフラ室28および給 油ポンプ14の構成部品数を削減し、構成のシ プル化およびコストダウンを実現すること できる。
 軸受ボス部50および外筒51の下端面の加工、 ならびにその下端面に装着される平板状の蓋 部材58の平面加工をそれぞれ一工程で加工す ことが可能となるため、下部軸受23および 部材58(プレート部材56およびプレート押え部 材57)の加工工数を低減し、生産性の向上およ びコストダウンを図ることができる。

 下部マフラ室28を二重筒型形状とされた 部軸受23の外筒51によりシンプルに構成する とができるため、別部品とされた下部マフ 部品を取り付ける場合の取り付け代を不要 することができる。これによって、下部マ ラ室28の有効容積を最大限確保することが き、吐出脈動の低減効果を高めることがで る。

 回転軸7の下端に設けられた偏心部7Dに装 され、シリンダ室55内で回動されるロータ60 と、このシリンダ室55に連通される吸入口62 よび吐出口64とを設けることによって、回転 軸7に穿設されている給油孔16に潤滑油15を送 する容積形の給油ポンプ14を構成している め、下部軸受23および回転軸7の下端部を利 した最小限の構成部品で密閉ハウジング10内 の上部に配設される第2圧縮機(スクロール圧 機)3への給油ポンプ14を構成することができ る。これにより、下部マフラ室28および容積 の給油ポンプ14を共に最小限の部品点数で ンプルにかつ安価に構成することができる

 下部マフラ室28内に下部シリンダ室20Bで 縮された中間圧の圧縮ガスを吐き出す吐出 ート52および吐出弁53を、回転軸7の軸芯を挟 んで給油ポンプ14の吸入口62および吐出口64と は反対側に配設している。このため、下部マ フラ室28内の吐出ポート52および吐出弁53が配 設される側のスペースを、給油ポンプ14の吸 口62および吐出口63が配設される側のスペー スよりも広くすることができる。これによっ て、一般に細長いリード弁が使用される吐出 弁53を設置し易くすることができ、下部軸受2 3を大きくすることなく、コンパクト化した ま給油ポンプ14および吐出弁53を収容するこ ができる。

 なお、本発明は、上記実施形態にかかる発 に限定されるものではなく、その要旨を逸 しない範囲において、適宜変形が可能であ 。例えば、本発明の密閉型圧縮機1は、作動 ガスとしてR410A等のHFC冷媒を使用するものに らず、CO2冷媒やその他の冷媒を使用するも にも同様に適用することができる。特に、 度の高いCO2冷媒を使用した場合には、密閉 ウジング10の下部に配設される第1圧縮機2を 単気筒ロータリ圧縮機としてもよい。この場 合でも、下部軸受23に下部マフラ室28を設け ことは、吐出時の圧損を低減する上で有効 ある。
 また、給油ポンプ14としては、上記実施形 のものに限らず、他形式の容積形ポンプを いてもよいことはもちろんである。