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Title:
ENGINE BALANCER DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/118992
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an engine balancer device which can reduce the number of parts and the engine size. A balancer weight includes: a primary balancer (201) rotated at the same speed as a crank shaft (105) and in the inverse direction; and a coupling balancer which suppresses the moment force generated by a reciprocal weight of an engine (17). The coupling balancer is integrally arranged with a passive gear (177) which transmits the rotation of the crank shaft (105) to the primary balancer (201).

Inventors:
KOYANAGI MASASHI (JP)
OZAKI YOSHINOBU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/000621
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
February 17, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HONDA MOTOR CO LTD (JP)
KOYANAGI MASASHI (JP)
OZAKI YOSHINOBU (JP)
International Classes:
F16F15/26; F02B77/00
Foreign References:
JP2005016511A2005-01-20
JP2006057651A2006-03-02
JPH0249422B21990-10-30
Attorney, Agent or Firm:
KUSHIBUCHI, Masayuki et al. (JP)
Masayuki Kushibuchi (JP)
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Claims:
 エンジンのクランクシャフトに同期して回転するバランサウエイトを設け、このバランサウエイトによりエンジンの往復重量による振動を防止するように成した慣性力バランサを備えたエンジンのバランサ装置において、
 前記バランサウエイトは、前記クランクシャフトと同速でかつ逆方向に回転させられる1次バランサと、前記エンジンの往復重量によって生ずるモーメント力を抑制するカップリングバランサとを有し、前記カップリングバランサは、前記クランクシャフトの回転を前記1次バランサに伝達する被動歯車に一体に設けられることを特徴とするエンジンのバランサ装置。
 前記エンジンは前後方向に所定角度を隔てて設けたシリンダをV型に配置してエンジン後方に変速装置を一体に設けた自動二輪車用エンジンであり、前記1次バランサは、前記クランクシャフトの前後方向に振り分け配置された2軸1次バランサであり、前記カップリングバランサは、後方に設けた前記1次バランサの被動歯車に設けられることを特徴とする請求項1記載のエンジンのバランサ装置。
 前記被動歯車が設けられるバランサシャフトには、当該シャフトの回転を前記エンジンのメインシャフトに伝達する駆動歯車が設けられ、前記カップリングバランサは、前記クランクシャフトの回転を前記1次バランサに伝達する被動歯車と、前記駆動歯車とに各々一体に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンのバランサ装置。
 エンジンのクランクシャフトに同期して回転するバランサウエイトを設け、このバランサウエイトによりエンジンの往復重量による振動を防止するように成した慣性力バランサを備えたエンジンのバランサ装置において、
 前記バランサウエイトは、前記クランクシャフトと同速でかつ逆方向に回転させられる1次バランサと、前記エンジンの往復重量によって生ずるモーメント力を抑制するカップリングバランサとを有し、前記1次バランサは、前記クランクシャフトの回転をメインシャフトに伝達する中間シャフト上に形成され、前記カップリングバランサは、前記中間シャフトの回転を前記メインシャフトに伝達する駆動歯車に一体に設けられることを特徴とするエンジンのバランサ装置。
Description:
エンジンのバランサ装置

 本発明は、エンジンのバランサ装置に関 る。

 シリンダ(気筒)内でピストンが往復動作す エンジンでは、ピストンの往復動作に伴い1 慣性力が発生し、この1次慣性力がエンジン 振動の原因となる。この種のエンジンには、 シリンダがV型に配置されたいわゆるV型エン ンがあり、V型エンジンは、シリンダの挟み 角度が90度であれば、各シリンダのピストン 往復動作に伴って発生する1次慣性力が互い に打ち消し合ってエンジン振動が少なくなる 。
 一方、シリンダの挟み角度が90度よりも小 いか、或いは、大きい場合には、1次慣性力 そのまま残ってしまう。これを回避するた 、1次慣性力をキャンセルするための1次バ ンサを備えた自動二輪車用エンジンが提供 れている(例えば、特許文献1及び2参照)。

特開2005-16511号公報

特公平2-49422号公報

 ところで、1次バランサを採用した場合でも 、ピストンシリンダー軸のオフセット並びに エンジンの重心がセンターに設定することが 困難なため発生するモーメント力が残り、こ のモーメント力を原因としたエンジン振動な どが残ってしまう。これをキャンセルするた めに、カップリングバランサ用ウエイトを備 えたバランサシャフトを設けることが考えら れる。
 しかし、バランサシャフトを追加すると、 の分、部品点数の増加及びエンジンの大型 を招いてしまい、自動車用エンジンに比し 軽量化かつコンパクト化がより要求される 動二輪車用エンジンには望ましくない。

 本発明は、上述した事情を鑑みてなされ ものであり、部品点数の増加及びエンジン 大型化を回避可能なエンジンのバランサ装 を提供することを目的としている。

 上述した課題を解決するため、本発明は、 ンジンのクランクシャフトに同期して回転 るバランサウエイトを設け、このバランサ エイトによりエンジンの往復重量による振 を防止するように成した慣性力バランサを えたエンジンのバランサ装置において、前 バランサウエイトは、前記クランクシャフ と同速でかつ逆方向に回転させられる1次バ ランサと、前記エンジンの往復重量によって 生ずるモーメント力を抑制するカップリング バランサとを有し、前記カップリングバラン サは、前記クランクシャフトの回転を前記1 バランサに伝達する被動歯車に一体に設け れることを特徴とする。
 この発明によれば、バランサウエイトは、 ランクシャフトと同速でかつ逆方向に回転 せられる1次バランサと、エンジンの往復重 量によって生ずるモーメント力を抑制するカ ップリングバランサとを有し、カップリング バランサは、クランクシャフトの回転を1次 ランサに伝達する被動歯車に一体に設けた とにより、1次バランサとカップリングバラ サのバランサシャフトを兼用でき、部品点 の増加及びエンジンの大型化を回避するこ ができる。また、上記カップリングバラン によってピストンシリンダー軸のオフセッ 並びにエンジンの重心がセンターに設定す ことが困難なため発生するモーメント力を 減することができる。

 また、前記エンジンは前後方向に所定角 を隔てて設けたシリンダをV型に配置してエ ンジン後方に変速装置を一体に設けた自動二 輪車用エンジンであり、前記1次バランサは 前記クランクシャフトの前後方向に振り分 配置された2軸1次バランサであり、前記カッ プリングバランサは、後方に設けた前記1次 ランサの被動歯車に設けられるようにして よい。この構成によれば、カップリングバ ンサは、後方に設けた1次バランサの被動歯 に設けられるので、エンジンの重心に近い 置にモーメントバランサとして機能するカ プリングバランサを配置でき、車体の取り しを容易にすることができる。

 また、前記被動歯車が設けられるバランサ ャフトには、当該シャフトの回転を前記エ ジンのメインシャフトに伝達する駆動歯車 設けられ、前記カップリングバランサは、 記クランクシャフトの回転を前記1次バラン サに伝達する被動歯車と、前記駆動歯車とに 各々一体に設けられるようにしてもよい。こ の構成によれば、バランサシャフトに設けら れる被動歯車と駆動歯車とにカップリングバ ランサが設けられるので、エンジン各部のレ イアウトの自由度が増す。
 また、本発明は、エンジンのクランクシャ トに同期して回転するバランサウエイトを け、このバランサウエイトによりエンジン 往復重量による振動を防止するように成し 慣性力バランサを備えたエンジンのバラン 装置において、前記バランサウエイトは、 記クランクシャフトと同速でかつ逆方向に 転させられる1次バランサと、前記エンジン の往復重量によって生ずるモーメント力を抑 制するカップリングバランサとを有し、前記 1次バランサは、前記クランクシャフトの回 をメインシャフトに伝達する中間シャフト に形成され、前記カップリングバランサは 前記中間シャフトの回転を前記メインシャ トに伝達する駆動歯車に一体に設けられる とを特徴とする。この発明によれば、中間 ャフトを1次バランサ及びカップリングバラ サのバランサシャフトとして兼用でき、部 点数の増加及びエンジンの大型化を回避す ことができる。また、上記カップリングバ ンサによってピストンシリンダー軸のオフ ット並びにエンジンの重心がセンターに設 することが困難なために発生するモーメン 力を低減することができる。

 本発明では、バランサウエイトは、クラン シャフトと同速でかつ逆方向に回転させら る1次バランサと、エンジンの往復重量によ って生ずるモーメント力を抑制するカップリ ングバランサとを有し、カップリングバラン サは、クランクシャフトの回転を1次バラン に伝達する被動歯車に一体に設けられるの 、部品点数の増加及びエンジンの大型化を 避することができる。
 また、カップリングバランサは、後方に設 た1次バランサの被動歯車に設けられるので 、エンジンの重心に近い位置にモーメントバ ランサとして機能するカップリングバランサ を配置でき、車体の取り回しを容易にするこ とができる。
 また、バランサシャフトに設けられる被動 車と駆動歯車とにカップリングバランサが けられるので、エンジン各部のレイアウト 自由度が増す。
 また、1次バランサは、クランクシャフトの 回転をメインシャフトに伝達する中間シャフ ト上に形成され、カップリングバランサは、 中間シャフトの回転をメインシャフトに伝達 する駆動歯車に一体に設けられるので、部品 点数の増加及びエンジンの大型化を回避する ことができる。

図1は、本発明の実施形態に係る自動二 輪車の側面図である。 図2は、エンジンの内部構造を側方から 見た図である。 図3は、エンジンの内部構造を略後方か ら見た断面図である。 図4(A)は前側バランサシャフトを周辺構 成と共に示す図、図4(B)は前側バランサシャ トを周辺構成と共に側方から見た図である 図5(A)は中間側被動歯車の平面図、図5(B )は中間側被動歯車の側面図である。 図6は、図5(A)のVI-VI断面を示す図である 。 図7(A)は中間側駆動歯車の側面図であり 、(B)は中間側駆動歯車の平面図である。 図8は、図7(B)のVIII-VIII断面を示す図で る。

符号の説明

 10 自動二輪車
 17 エンジン
 105 クランクシャフト
 110A 前バンク(シリンダ)
 110B 後バンク(シリンダ)
 121 中間シャフト(バランサシャフト)
 123 メインシャフト
 125 カウンタシャフト
 128 ドライブシャフト
 136 ピストン
 175 クランク側駆動歯車
 177 中間側被動歯車(被動歯車)
 177X、182X 肉抜き部
 181 オイルポンプ用駆動スプロケット
 182 中間側駆動歯車(駆動歯車)
 191 メイン側被動歯車
 193 クラッチ機構
 196 変速装置
 201、206 バランサウエイト(1次バランサ)
 207 被動歯車

 以下、本発明の一実施形態を添付した図面 参照して説明する。なお、説明中、前後左 及び上下といった方向の記載は、車体に対 てのものとする。
 図1は本発明の実施形態に係るクルーザタイ プの自動二輪車の側面図である。
 この自動二輪車10は、車体フレーム11と、車 体フレーム11の前端部に取り付けられたヘッ パイプ12に回動自在に支持された左右一対 フロントフォーク13と、フロントフォーク13 上端部を支持するトップブリッジ14に取り けられた操舵用のハンドル15と、フロントフ ォーク13に回転自在に支持された前輪16と、 体フレーム11に支持されたエンジン17と、エ ジン17に排気管18A、18Bを介して連結された 気マフラー19A、19Bと、車体フレーム11の後下 部のピボット20に上下に揺動自在に支持され リアスイングアーム21と、このリアスイン アーム21の後端部に回転自在に支持された後 輪22とを備え、リアスイングアーム21と車体 レーム11との間にリアクッション23が配設さ る。

 車体フレーム11は、ヘッドパイプ12から後 下がりに延びるメインフレーム25と、メイン レーム25の後部に連結される左右一対のピ ットプレート(センターフレームとも言う)26 、ヘッドパイプ12から下方に延びた後に屈 して延びてピボットプレート26に連結される ダウンチューブ27とを備えている。このメイ フレーム25を跨ぐように燃料タンク28が支持 され、メインフレーム25後方が後輪22上方ま 延びてリアフェンダ29が支持され、このリア フェンダ29上方から燃料タンク28までの間に ート30が支持される。なお、図1中、符号31は ダウンチューブ27に支持されたラジエータ、 号32はフロントフェンダ、符号33はサイドカ バー、符号34はヘッドライト、符号35はテー ライト、符号36は乗員用ステップである。

 このメインフレーム25、ピボットプレー 26及びダウンチューブ27によって囲まれる空 にはエンジン17が支持される。このエンジ 17は、シリンダ(気筒)がV字状に前後にバンク した前後V型の2気筒水冷式4サイクルエンジン である。このエンジン17は、車体に対してク ンクシャフト105が左右水平方向に指向する うに複数のエンジンブラケット37(図1では一 部のみを図示)を介して車体フレーム11に支持 される。このエンジン17の動力は後輪22左側 配設されたドライブシャフト(不図示)を介し て後輪22に伝達される。

 このエンジン17は、シリンダを各々構成 る前バンク110Aと後バンク110Bとの挟み角度( ンク角度とも言う)が90度より小さい角度(例 ば、52度)で形成されている。この前バンク1 10Aと後バンク110Bによって形成されるV字状の 間には、エンジン吸気系を構成するエアク ーナ41とスロットルボディ42が配設される。 スロットルボディ42には、燃料タンク28内の 料を噴射するインジェクタが取り付けられ エアクリーナ41で浄化された空気に燃料を混 合して前バンク110A及び後バンク110Bに供給す 。また、各バンク110A、110Bには、エンジン 気系を構成する排気管18A、18Bが接続され、 排気管18A、18Bが車体右側を通ってその後端 排気マフラー19A、19Bが各々接続され、これ 排気管18A、18B及び排気マフラー19A、19Bを介 て排気ガスが排出される。

 図2はエンジン17の内部構造を側方から見た であり、図3はエンジン17の内部構造を後方 ら見た断面図である。このエンジン17の前 ンク110A及び後バンク110Bは同構造であり、図 2中、前バンク110Aはピストン周辺を示し、後 ンク110Bはカムチェーン周辺を示している。 また、図2において、符号121は中間シャフト( 側バランサシャフト)を示し、符号123はメイ ンシャフトを示し、符号125はカウンタシャフ トを示している。
 クランクシャフト105を含むこれらシャフト1 21、123、125は、車体前後方向及び上下方向に らして互いに平行に配置され、これらシャ トを支持するクランクケース17C内には、ク ンクシャフト105の回転を、中間シャフト121 メインシャフト123及びカウンタシャフト125 順に伝達する歯車伝達機構が構成されてい 。なお、図3は、前バンク110A、クランクシ フト105、中間シャフト121、メインシャフト12 3及びカウンタシャフト125を各々直線で結ぶ 断面で切断した断面図に対応している。

 図2に示すように、このエンジン17のクラ クケース17C上面には、前側シリンダブロッ 131A及び後側シリンダブロック131Bが車体前 に所定の挟み角度をなすように配置され、 れらシリンダブロック131A、131Bの上面に前側 シリンダヘッド132A、後側シリンダヘッド132B 各々結合され、さらに各シリンダヘッド132A 、132Bの上面にはヘッドカバー133A、133Bが各々 装着されて前バンク110A及び後バンク110Bが構 される。

 各シリンダブロック131A、131Bには、シリン ボア135が各々形成され、各シリンダボア135 はそれぞれピストン136が摺動自在に挿入さ 、各ピストン136は、コンロッド137を介して ランクシャフト105のクランクピン(図3参照)10 5Aに連結される。図3に示すように、このクラ ンクピン105Aは、クランクシャフト105に一体 設けられた左右一対のクランクウェブ105B、1 05Bに対し、クランクシャフト105の軸中心から 偏心した位置に設けられる。このため、ピス トン136が移動する際に、その移動力がコンロ ッド137を介してクランクピン105Aに作用して ランクシャフト105を回転させる。
 また、各シリンダヘッド132A、132Bの下面に 、ピストン136上方に形成される燃焼室の天 を構成する燃焼凹部141が形成され、各燃焼 部141には、2つの点火プラグ142、143がその先 を臨ませて配置される。また、各燃焼凹部1 41には、図2に示すように、シリンダヘッド132 A、132Bに形成された吸気ポート145及び排気ポ ト146を燃焼室内に連通するための開口部145A 、145Bが各々設けられる。

 このシリンダヘッド132A、132Bには、吸気 ート145の開口部145Aを開閉する吸気弁147と、 気ポート146の開口部146Aを開閉する排気弁148 とが配置される。吸気弁147及び排気弁148は、 弁ばね149、149で各ポートを閉じる方向に各々 付勢されている。各弁体147、148を駆動する動 弁機構150は、吸気弁147及び排気弁148の間に回 転自在に支持されたカムシャフト151と、この カムシャフト151に設けられたカムで各々揺動 される吸気側と排気側のロッカアーム156、157 とを備える。各ロッカアーム156、157の一端は 吸気弁147及び排気弁148の上部に当接し、各ロ ッカアーム156、157の揺動によって吸気弁147及 び排気弁148が押動される。

 図3に示すように、カムシャフト151の一端側 には被動スプロケット158が固定されると共に 、クランクシャフト105の一端側には駆動スプ ロケット159が固定される。これらスプロケッ ト158、159間にはカムチェーン160が巻回され、 上記スプロケット158、159及びカムチェーン160 が、各バンク110A、110Bの一端側に形成された ムチェーン室161に収容される。
 この駆動スプロケット159から被動スプロケ ト158への減速比は1/2に設定され、クランク ャフト105が回転すると、クランクシャフト1 05と一体に駆動スプロケット159が回転し、カ チェーン160を介して被動スプロケット158が ランクシャフト105の半分の回転速度で回転 て、被動スプロケット158と一体に回転する ムシャフト151のカムプロフィールに従って 気弁147及び排気弁148が吸気ポート145及び排 ポート146を各々開閉させる。

 図3に示すように、クランクシャフト105の左 端部には発電機163が設けられる。発電機163は 、クランクシャフト105に固定されるロータ165 と、ロータ165内に固定配置されるステータ166 とで構成され、発電機カバー167の内側の発電 機収容室168に収容される。ステータ166は発電 機カバー167に固定される。ロータ165には、1 向クラッチ169が連結され、1方向クラッチ169 は、始動モータの駆動歯車170が連結される
 クランクシャフト105の右端部には、上記駆 スプロケット159の外側(車体右側)に駆動歯 (以下、クランク側駆動歯車という)175が固定 される。このクランク側駆動歯車175は、皿ば ね式のトルクダンパ176を介してクランクシャ フト105に連結され、中間シャフト121に設けら れた被動歯車(以下、中間側被動歯車という)1 77と噛み合い、クランクシャフト105の回転を 速で中間シャフト121に伝達し、クランクシ フト105と同速かつ逆向きで中間シャフト121 回転させる。

 図2に示すように、中間シャフト121は、クラ ンクシャフト105の後側下方かつメインシャフ ト123の前側下方に左右一対の軸受122、122を介 して支持されている。図3に示すように、こ 中間シャフト121の右端部は、右側の軸受122 りも突出してクランクケース17Cの右側壁近 まで延出する。この右端部には、オイルポ プ用駆動スプロケット181と、上記中間側被 歯車177と、この被動歯車177より小径の駆動 車(以下、中間側駆動歯車という)182とが順に 取り付けられている。
 オイルポンプ用駆動スプロケット181は、図2 に示すように、中間シャフト121の後側であっ て、メインシャフト123下方に配置されたオイ ルポンプ184の駆動軸185に固定された被動スプ ロケット186に伝動チェーン187を介して該中間 シャフト121の回転力を伝達し、オイルポンプ 184を駆動させる。

 また、中間側駆動歯車182は、メインシャ ト123に相対回転自在に設けられた被動歯車( 以下、メイン側被動歯車という)191に噛み合 、中間シャフト121の回転を減速してクラッ 機構193を介してメインシャフト123に伝達す 。すなわち、中間側駆動歯車182及びメイン 被動歯車191の減速比によって、クランクシ フト105からメインシャフト123までの減速比 つまり、エンジン17の1次減速比が設定され 。

 メインシャフト123は、クランクシャフト105 後側上方に左右一対の軸受124、124を介して 持され、このメインシャフト123の貫通孔123A をクラッチ作動軸193Aが貫通する。このクラ チ作動軸193Aの右端にはクラッチ機構193を構 する多板クラッチ193Bが設けられ、この多板 クラッチ193Bのクラッチハウジング193Cがメイ 側被動歯車191に噛み合い、この多板クラッ 193Bの係合を介して中間シャフト121の回転が メインシャフト123に伝達される。
 メインシャフト123の略後方には、カウンタ ャフト125が左右一対の軸受126、126を介して 持される。メインシャフト123とカウンタシ フト125には、変速歯車群195が跨って配置さ 、これらによって変速装置196が構成される 詳述すると、メインシャフト123には、6速分 の駆動歯車195Aが設けられ、カウンタシャフ 125には6速分の被動歯車195Bが設けられ、各駆 動歯車195A及び被動歯車195Bは、対応する変速 同士で互いに噛み合い、それぞれ各変速段 対応する変速歯車対を構成する。なお、各 速歯車対は、1速から6速の順に減速比が小 くなる(高速ギヤとなる)。

 カウンタシャフト125の左端部には駆動傘 車125Aが一体的に設けられ、この駆動傘歯車 125Aは、車体の前後方向に延びるドライブシ フト128の前端に一体に設けられた被動傘歯 128Aに噛み合う。これによって、カウンタシ フト125の回転がドライブシャフト128に伝達 れる。

 次に上記エンジン17のバランサ構造を説明 る。
 このエンジン17は、クランクシャフト105の 後に1次バランサを振り分け配置した2軸1次 ランサを備えている。詳述すると、図2に示 ように、クランクシャフト105後方に平行配 される中間シャフト121に1次バランサとして 機能する後側バランサウエイト201が設けられ る。つまり、中間シャフト121は、クランクシ ャフト105の回転をメインシャフト123に伝達す る伝達シャフトとして機能するだけでなく、 2軸1次バランサの後側バランサシャフトとし も機能する。

 また、クランクシャフト105前方には、クラ クシャフト105と平行に前側バランサシャフ 205が配置される。ここで、図4(A)(B)は前側バ ランサシャフト205を示している。これら図に 示すように、この前側バランサシャフト205に ついても、中間シャフト121と同様に、1次バ ンサとして機能するバランサウエイト206が けられると共に、クランクシャフト105に噛 合う被動歯車207が設けられ、クランクシャ ト105と同速かつ逆向きで回転可能に構成さ る。
 このバランサウエイト206は、図4(A)に示すよ うに、前側バランサシャフト205にスプライン 嵌合して前側バランサシャフト205に設けた拡 径部205Aに当接して位置決めされ、その状態 前側バランサシャフト205に金属製の筒部材20 8を圧入することによって固定される。なお このウエイト取付構造は、中間シャフト(後 バランサシャフト)121も同じである。

 また、このエンジン17では、中間シャフト12 1に設けられるバランサウエイト201と、前側 ランサシャフト205に設けられるバランサウ イト206とが略異なる重さであり、図2に示す うに、中間シャフト121に設けられるバラン ウエイト201の方が小さく、軽く形成されて り、これは以下の理由による。
 このエンジン17では、中間シャフト121に設 られる比較的大径の中間側被動歯車177、つ り、クランクシャフト105の回転を1次バラン (バランサウエイト201)に伝達する被動歯車17 7が、その重心位置を歯車177の回転中心から 心したバランサ構造に形成されると共に、 間シャフト121に設けられる比較的小径の中 側駆動歯車182、つまり、中間シャフト121の 転をメインシャフト123に伝達する駆動歯車18 2についても、その重心位置を歯車182の回転 心から偏心したバランサ構造に形成される 具体的には、中間側被動歯車177は、エンジ 17の重心X(図2参照)に対して生じるモーメン 力を抑制するカップリングバランサとして 能するバランサ構造とされ、中間側駆動歯 182は、上記カップリングバランサ或いは他 バランサとして機能するバランサ構造とさ る。

 より具体的に説明すると、図5(A)(B)に示す ように、中間側被動歯車177には、中間シャフ ト121に挿通される挿通部177Aと外周歯車部177B の間の中間部分に、肉厚が薄い(幅狭の)肉 き部177Xが部分的に設けられる。この肉抜き 177Xは、該歯車177の回転中心LAを中心とした 径方向に沿って略180度の範囲に設けられ、 6に図5(A)のVI-VI断面を示すように、残りの領 域が、肉抜き部177Xに比して肉厚の基準肉厚 177Yとされている。このため、この中間側被 歯車177は、図5(A)中、矢印α方向に重心位置 偏心する。

 また、図7(A)(B)に示すように、中間側駆動歯 車182についても、中間シャフト121に挿通され る挿通部182Aと外周歯車部182Bとの間の中間部 に、肉厚が薄い(幅狭の)肉抜き部182Xが部分 に設けられる。この肉抜き部182Xについても 、上記と同様に、該歯車182の回転中心LBを中 とした半径方向に沿って略180度の範囲に設 られ、図8に図7(B)のVIII-VIII断面を示すよう 、残りの領域が、肉抜き部182Xに比して肉厚 基準肉厚部182Yとされている。このため、こ の中間側駆動歯車182は、図6(B)中、矢印β方向 に重心位置が偏心する。これら肉抜き部177X び182Xは、歯車成型時に一体的に設けてもよ し、切削加工で設けてもよい。
 エンジン17の振動源は、ピストン136が往復 ることで発生する慣性力と燃焼からくる振 があり、かかる振動成分には、エンジンの 心X周りのモーメント力として作用するもの ある。そこで、このエンジン17では、エン ン17の往復重量によって生じる重心X周りの ーメント力を主として抑制するように、中 側被動歯車177及び中間側駆動歯車182の各肉 き部177X及び182Xの位相角度及び距離(回転中 LA、LBからの距離)が設定される。より具体的 には、ピストンシリンダー軸のオフセット並 びにエンジン17の重心がセンターに設定する とが困難なため発生するモーメント力を低 するように、各肉抜き部177X及び182Xの位相 度及び距離が設定される。この場合、本実 形態では、図2に示すように、各肉抜き部177X 、182Xの位相を同位相にしたレイアウトとさ ている。

 このようにして中間側被動歯車177及び中間 駆動歯車182に、カップリングバランサとし 機能する肉抜き部177X、182Xを一体に設けた 合、上記中間側被動歯車177及び中間側駆動 車182によって1次バランサへの寄与分が生じ 。
 このため、本実施形態では、上記寄与分を 慮して中間シャフト121に設けるバランサウ イト201を形成しており、具体的には、必要 される1次ウエイト(バランサウエイト206と じウエイト)に対し、上記寄与分を減らした ランサウエイト201とされる。すなわち、中 シャフト121のバランサウエイト201と中間側 動歯車177と中間側駆動歯車182とによって、 切な1次バランサを確保しつつ、カップリン グバランサが構成されるようにしている。
 なお、カップリングバランサの必要量など よっては、中間側駆動歯車182には肉抜き部1 82Xを設けずに中間側被動歯車177だけに肉抜き 部177Xを設けて、中間側被動歯車177だけをバ ンサ構造としてもよい。

 以上説明したように、本実施の形態によれ 、クランクシャフト105と同速でかつ逆方向 回転させられる2軸1次バランサを備えるの 、シリンダの挟み角度が90度でないエンジン 17の1次慣性力を低減してエンジン17の1次振動 を低減することができる。
 しかも、本実施形態では、クランクシャフ 105の回転を1次バランサに伝達する中間側被 動歯車177に、エンジン17の往復重量によって じるモーメント力を抑制するカップリング ランサを一体に設けたので、1次振動に加え て、カップリング振動についても低減するこ とができ、ピストンシリンダー軸のオフセッ ト並びにエンジン17の重心がセンターに設定 ることが困難なため発生するモーメント力 低減することが可能になる。
 この場合、中間シャフト121を1次バランサ及 びカップリングバランサのバランサシャフト として兼用するので、カップリングバランサ 専用のバランサ及びバランサシャフトを設け る場合に比して、部品点数の低減が可能であ り、このため、エンジン17の小型化及び軽量 が可能になる。また、中間シャフトに専用 カップリングバランサを設ける場合に比し 、中間シャフト121に作用する荷重ストレス 軽減される。

 さらに、本実施形態では、中間シャフト121 設けられた中間側駆動歯車182、つまり、中 シャフト121の回転をエンジン17のメインシ フト123に伝達する駆動歯車182もバランサ構 としたので、中間側被動歯車177のバランサ 造と合わせて目的のエンジン振動をより精 良く低減することができると共に、エンジ 各部のレイアウトの自由度が向上する。
 また、中間側被動歯車177及び中間側駆動歯 182をバランサ構造としたので、従来の2軸1 バランサ付きエンジンから小変更でカップ ング振動を低減したエンジンを得ることが き、また、エンジン17の重心Xに近い位置に ーメントバランサとして機能するカップリ グバランサを配置でき、車体の取り回しを 易にすることができる。
 本実施形態のバランサ構造によって、エン ン振動に含まれる様々な振動のうち個別の 動に振動対策を行うことが可能である。例 ば、通常エンジン17の慣性力に埋もれてし う燃焼からくる小エネルギー振動より大き 振動を低減して燃焼感が感じられるエンジ キャラクタに調整し、又は、乗員に伝わり すい振動要素、若しくは、振動強度が比較 高い振動要素への大幅な個別対策削減が可 である。

 以上、一実施形態に基づいて本発明を説明 たが、本発明はこれに限定されるものでな 、種々の設計変形を行うことができる。例 ば、上記実施形態では、V型2気筒エンジン バランサ構造に本発明を適用する場合を説 したが、これに限らない。例えば、単気筒1 1次バランサ構造においては、エンジン重心 、クランクセンタ及び1次バランサの作用点 れがカップリング振動として複雑に作用す 場合があるが、このカップリング振動を低 する場合にも本発明を適用可能である。ま 、3気筒エンジンのカップリングバランサ構 などにも本発明を適用可能である。
 また、上述の実施形態では、体感振動で比 的問題となる1次振動成分に対するバランサ を設ける場合について説明したが、これに限 らず、2次振動成分等に対するバランサ構造 も本発明を適用可能である。この場合、ク ンクシャフト105の2倍の回転速度で回転する 車に2次振動キャンセル用のバランサを一体 的に設ける構造などを適用すればよい。
 また、上述の実施形態では、自動二輪車用 ンジンのバランサ装置に本発明を適用する 合を説明したが、これに限らず、ATV(不整地 走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両 の他の車両用エンジンのバランサ装置にも 用することができる。