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Title:
ENGINE BENCH SYSTEM CONTROL SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069503
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an engine bench system including a test engine (1) coupled to a dynamo meter (2) by a coupling shaft (3) so as to execute axis torque control on the dynamo meter. A controller (5) is formed by an integration element having an integration coefficient (KI) in deviation (T12r to T12) of a dynamo meter axis torque instruction (T12r) from an axis torque detection value (T12), a differential element having a differential coefficient (KD) in the axis torque detection value (T12), and a proportional element having a proportion coefficient (KP) in the axis torque detection value (T12). The controller (5) subtracts the differential element and the proportion element from the integration element so as to obtain a torque control signal (T2). Thus, the engine bench system has a resonance suppression effect and can perform stable control even when the axis spring rigidity is greatly changed.

Inventors:
AKIYAMA TAKAO
SAWADA YOSHIMASA
KANKE MASAYASU
Application Number:
PCT/JP2008/070906
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
November 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MEIDENSHA ELECTRIC MFG CO LTD (JP)
AKIYAMA TAKAO
SAWADA YOSHIMASA
KANKE MASAYASU
International Classes:
G01M15/02
Foreign References:
JP2000039380A2000-02-08
JP2006300684A2006-11-02
JP2003207424A2003-07-25
Attorney, Agent or Firm:
HASHIMOTO, Takeshi et al. (Ekisaikai Bldg. 1-29, Akashi-cho,Chuo-k, Tokyo 44, JP)
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Claims:
 供試エンジンとダイナモメータを結合シャフトで結合し、ダイナモメータの軸トルク制御でエンジンの各種特性を測定するエンジンベンチシステムにおいて、
 ダイナモメータの軸トルク指令T12rと軸トルク検出値T12を基に、
  ただし、K I 、K D 、K P 、f 1 はパラメータ、sはラプラス演算子
の伝達関数を有してダイナモメータのトルク制御を行う制御器を備えたことを特徴とするエンジンベンチシステムの制御方式。
 前記パラメータ(K I 、K D 、K P 、f 1 )は、制御対象パラメータ推定値(Jl,K12,J2)と設定する制御特性パラメータ(a4,a3,a2,a1)を基に、
  ただし、J1はエンジン慣性モーメント、J2はダイナモメータ慣性モーメント、K12は結合シャフトのばね剛性、
に従った演算で決定する関数演算部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンベンチシステムの制御方式。
 前記制御特性パラメータ(a4,a3,a2,a1)は、二項係数型またはButterworth型に設定するパラメータ設定器を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンベンチシステムの制御方式。
 前記制御特性パラメータ(a4,a3,a2,a1)は、共振特性を持つ2慣性機械系の特性多項式と2次の低域通過フィルタの特性多項式の積の係数に設定するパラメータ演算部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンベンチシステムの制御方式。
 前記制御特性パラメータ(a4,a3,a2,a1)は、共振特性Aを持つ2慣性系の特性多項式と、共振特性Bを持つ2慣性系の特性多項式の積の係数に設定するパラメータ演算部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンベンチシステムの制御方式。
 前記軸トルク指令T12rの大きさにより変化するシステムの共振周波数をデータとしてもつT2fテーブルと、
 前記T2fテーブルから得る共振周波数ωcに対して、エンジン慣性モーメントJ1とダイナモメータ慣性モーメントJ2から、
に従った演算で前記ばね剛性K12を求め、このばね剛性K12を前記関数演算部に設定するばね剛性演算部とを備えたことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のエンジンベンチシステムの制御方式。
 前記軸トルク検出値T12の大きさにより変化するシステムの共振周波数をデータとしてもつT2fテーブルと、
 前記T2fテーブルから得る共振周波数ωcに対して、エンジン慣性モーメントJ1とダイナモメータ慣性モーメントJ2から、
に従った演算で前記ばね剛性K12を求め、このばね剛性K12を前記関数演算部に設定するばね剛性演算部とを備えたことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のエンジンベンチシステムの制御方式。
 前記軸トルク指令値T12rと、前記軸トルク検出値T12を高域通過フィルタに通した検出値とを加算した値の大きさにより変化するシステムの共振周波数をデータとしてもつT2fテーブルと、
 前記T2fテーブルから得る共振周波数ωcに対して、エンジン慣性モーメントJ1とダイナモメータ慣性モーメントJ2から、
に従った演算で前記ばね剛性K12を求め、このばね剛性K12を前記関数演算部に設定するばね剛性演算部とを備えたことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のエンジンベンチシステムの制御方式。
 前記T2fテーブルで求める共振周波数をゲインK(ただし、0<K<=l)倍して前記ばね剛性演算部の入力とする係数器を備えたことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のエンジンベンチシステムの制御方式。
Description:
エンジンベンチシステムの制御 式

 本発明は、供試エンジンに動力吸収体と てのダイナモメータを直結し、エンジンの 種特性を測定するエンジンベンチシステム 制御方式に係り、特にダイナモメータのト ク制御に関する。

 図13は、エンジンベンチシステムを示し もので、エンジンE/GとトランスミッションT/ Mを組み合わせ(ATあるいはMT、またMTの場合は ラッチ付)、結合シャフトを介してダイナモ メータDYと接続する。エンジンE/Gは、スロッ ルアクチェータACTによりスロットル開度を 御する。

 一方、ダイナモメータDYには、回転検出 PP、トルク検出器(ロードセル)LCを設け、こ ら各検出器の検出信号をもとにダイナモメ タDYの速度やトルクを制御する。この制御に は、コントローラ(動力計制御器)C(s)によりPID 制御される。同図にはトルク制御の場合を示 し、コントローラC(s)はトルクの設定入力と イナモメータDYのトルク検出値との偏差を演 算部でPID演算し、この演算結果でインバータ INVの出力を制御してダイナモメータDYのトル 制御を行う。

 このようなダイナモメータをPID制御する ンジンベンチシステムにおいて、エンジン 発生する脈動トルクによりシャフトの共振 壊を起こす恐れがある。これを防ぐために ダイナモメータとシャフトとエンジンの機 系の共振点をエンジンが発生する脈動トル の周波数以下に設定し、ダイナモメータをP ID制御する制御方式がある。しかし、機械系 振点をエンジン脈動トルク周波数以下に設 することは、高速応答の速度制御及び軸ト ク制御が非常に困難になってくる。

 上記のシャフトの共振抑制を図りながら 安定化および高速化したエンジンベンチシ テムの軸トルク制御方式として、ロバスト 御設計理論の1つであるμ設計法を用いた軸 ルク制御方式を本願出願人は既に提案して る(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。μ 計法は、構造化特異値μを用いて実システ がもつ各摂動の大きさを表すことができ、 許文献1ではコントローラの設計時にロバス 安定およびロバスト性能の条件として求め コントローラがもつ伝達関数として組み込 。

日本国の公開特許公報である特許第377528 4号公報

日本国の公開特許公報である特開2003-1213 07号公報

 μ設計法を用いた軸トルク制御方式では (1)制御対象のモデル化、(2)重み関数の決定 の大きくわけて2つの作業が必要となるが、 み関数の決定には試行錯誤を要する。

 また、特許文献2で提案する方式は、軸の ばね剛性の変動に対してある程度ロバスト性 を保証しているが、ばね剛性が大きく変化す る場合、例えば100Nm/rad程度から3000Nm/rad程度 でと大きく変化する場合には、μ設計法を基 とした安定な制御は困難である。

 本発明の目的は、共振抑制効果を持ち、 つ軸のばね剛性が大きく変化する場合にも 定制御ができるエンジンベンチシステムの 御方式を提供することにある。

 本発明の制御方式を原理的に説明する。 般に、エンジンベンチシステムの機械系構 は2慣性系以上の多慣性系機械系モデルとし て表現される。本発明は2慣性系で近似でき ようなエンジンベンチシステムを対象とし おり、図14に機械系モデルを示す。このモデ ルはエンジンに結合シャフトを介してダイナ モメータ(動力計)が直結されたものとする。

 図14の機械系モデルにおける各パーツの 理値を、J1:エンジン慣性モーメント、J2:動 計慣性モーメント、K12:結合シャフトばね剛 、T12:結合シャフト捩れトルク(軸トルク)、 1:エンジン角速度、ω2:動力計角速度、T2:動 計トルクとすると、ラプラス演算子をsとし 、エンジンベンチの運動方程式は、下記の (1)~(3)となる。

 本発明では、軸トルク指令値(T12の指令値) T12rと表して、動力計トルクT2を下記の式(4) 示す伝達関数を基に制御する。この(4)式で 、軸トルク指令値T12rと軸トルク検出値T12と 偏差(T12r-T12)を積分係数K I を有して積分演算する積分要素と、軸トルク 検出値T12を微分係数K D を有して微分演算して一次遅れ(時定数f 1 )で求める微分要素と、軸トルク検出値T12を 例係数K P を有して比例演算して一次遅れ(時定数f 1 )で求める比例要素とからなり、積分要素か 微分要素と比例要素を減算してトルク制御 号T2を得る。

 上記の式(1)~(3)の運動方程式で表現される制 御対象を式(4)のように制御すると、その閉ル ープ特性多項式は4次になり、その4次多項式 各係数は4つのパラメータ(K I ,K P ,K D ,f 1 )により任意に設定できる。式(1)~(4)の閉ルー 特性多項式を下記の式(5)とおく。

 式(1)~(4)の閉ループ特性多項式の係数と式(5) の係数を比較し、係数(K I ,K P ,K D ,f 1 )について解くことにより、式(4)の制御パラ ータ(K I ,K P ,K D ,f 1 )は、制御対象パラメータ推定値(Jl,K12,J2)と制 御特性パラメータ(a4,a3,a2,a1)から決定する事 できる。この関係は下記の式(6)~(9)のように 関数f(a4,a3,a2,a1,J1,K12,J2)として表現する。

 したがって、本発明は、エンジンベンチシ テムを2慣性系機械系モデルとして表現し、 この機械系モデルの運動方程式とコントロー ラの伝達関数による閉ループ特性多項式に4 多項式のものを得、コントローラの伝達関 の各係数は4つのパラメータ(K I ,K P ,K D ,f 1 )を適宜設定または決定することにより、従 のように重み関数の調整を不要にして容易 共振抑制効果を持つ制御ゲインを求めるも である。

 ここで、式(6)~(9)で使用する制御対象パラ メータ推定値(Jl,K12,J2)は実機の物理パラメー と完全に一致する事はありえないが、本発 によれば、実機のばね剛性K12rが式(6)~(9)式 使用しているK12と比較して、K12r>>K12と った場合においても安定な制御を得る。

 以上のことから、本発明は、以下の制御 式を特徴とする。

 (1)供試エンジンとダイナモメータを結合シ フトで結合し、ダイナモメータの軸トルク 御でエンジンの各種特性を測定するエンジ ベンチシステムにおいて、
 ダイナモメータの軸トルク指令T12rと軸トル ク検出値T12を基に、

  ただし、K I 、K D 、K P 、f 1 はパラメータ、sはラプラス演算子
の伝達関数を有してダイナモメータのトルク 制御を行う制御器を備えたことを特徴とする 。

 (2)前記パラメータ(K I 、K D 、K P 、f 1 )は、制御対象パラメータ推定値(Jl,K12,J2)と設 定する制御特性パラメータ(a4,a3,a2,a1)を基に

  ただし、J1はエンジン慣性モーメント、J2 ダイナモメータ慣性モーメント、K12は結合 ャフトのばね剛性、
に従った演算で決定する関数演算部を備えた ことを特徴とする。

 (3)前記制御特性パラメータ(a4,a3,a2,a1)は、 二項係数型またはButterworth型に設定するパラ ータ設定器を備えたことを特徴とする。

 (4)前記制御特性パラメータ(a4,a3,a2,a1)は、 共振特性を持つ2慣性機械系の特性多項式と2 の低域通過フィルタの特性多項式の積の係 に設定するパラメータ演算部を備えたこと 特徴とする。

 (5)前記制御特性パラメータ(a4,a3,a2,a1)は、 共振特性Aを持つ2慣性系の特性多項式と、共 特性Bを持つ2慣性系の特性多項式の積の係 に設定するパラメータ演算部を備えたこと 特徴とする。

 (6)前記軸トルク指令T12rの大きさにより変化 するシステムの共振周波数をデータとしても つT2fテーブルと、
 前記T2fテーブルから得る共振周波数ωcに対 て、エンジン慣性モーメントJ1とダイナモ ータ慣性モーメントJ2から、

に従った演算で前記ばね剛性K12を求め、こ のばね剛性K12を前記関数演算部に設定するば ね剛性演算部とを備えたことを特徴とする。

 (7)前記軸トルク検出値T12の大きさにより変 するシステムの共振周波数をデータとして つT2fテーブルと、
 前記T2fテーブルから得る共振周波数ωcに対 て、エンジン慣性モーメントJ1とダイナモ ータ慣性モーメントJ2から、

に従った演算で前記ばね剛性K12を求め、こ のばね剛性K12を前記関数演算部に設定するば ね剛性演算部とを備えたことを特徴とする。

 (8)前記軸トルク指令値T12rと、前記軸トルク 検出値T12を高域通過フィルタに通した検出値 とを加算した値の大きさにより変化するシス テムの共振周波数をデータとしてもつT2fテー ブルと、
 前記T2fテーブルから得る共振周波数ωcに対 て、エンジン慣性モーメントJ1とダイナモ ータ慣性モーメントJ2から、

に従った演算で前記ばね剛性K12を求め、こ のばね剛性K12を前記関数演算部に設定するば ね剛性演算部とを備えたことを特徴とする。

 (9)前記T2fテーブルで求める共振周波数を インK(ただし、0<K<=l)倍して前記ばね剛 演算部の入力とする係数器を備えたことを 徴とする。

本発明の実施形態1を示すダイナモメー タの要部制御回路図。

エンジンベンチシステムの特性例。

実施形態1による軸トルク制御特性図。

実施形態1によるステップ応答特性図。

本発明の実施形態2を示すダイナモメー タの要部制御回路図。

実施形態2による軸トルク制御特性図。

本発明の実施形態3を示すダイナモメー タの要部制御回路図。

実施形態3による軸トルク制御特性図。

本発明の実施形態4を示すダイナモメー タの要部制御回路図。

本発明の実施形態5を示すダイナモメ タの要部制御回路図。

本発明の実施形態6を示すダイナモメ タの要部制御回路図。

本発明の実施形態7を示すダイナモメ タの要部制御回路図。

エンジンベンチシステムの構成図。

エンジンベンチシステムの機械系モデ ル。

 (実施形態1)
 図1は、本実施形態のエンジンベンチシステ ムにおけるダイナモメータの要部制御回路を 示す。エンジン1とダイナモメータ2がシャフ 3で結合され、エンジン1の出力制御とダイ モメータ2のトルクをインバータ4で制御する システム構成において、コントローラ5は前 の(4)式の伝達関数を有し、軸トルク指令T12r 軸トルク検出値T12を基にした演算で、ダイ モメータ2のトルク制御信号T2を発生する。

 コントローラ5における制御パラメータ(K I ,K P ,K D ,f 1 )は、関数演算部6に設定する制御特性パラメ タ(a4,a3,a2,a1)と制御対象パラメータ推定値(Jl ,K12,J2)を基に前記の(6)~(9)式に従った演算で決 定する。

 本実施形態では、以下のように(4)式の係数( K I ,K P ,K D ,f 1 )を決定する。

 制御特性パラメータ(a4,a3,a2,a1)は、パラメー タ設定器として用意し、例えば二項係数型に するには、
 a4=1,a3=4,a2=6,a=4
と設定し、Butterworth型にするには、
 a4=1,a3=2.61312592975275,a2=3.41421356237309,a1=2.61312592 975275
とする。

 本実施形態によれば、2慣性系パラメータ J1,K12,J2から、(6)~(9)式により直接制御ゲイン 決定する方式であるので、従来の方法のよ に重み関数の調整を必要とせず、容易に共 抑制効果を持つ制御ゲインを求めることが きる。

 図2は図1のエンジンベンチシステムの特 例を示す。図2は、Jl=0.2,K12=1500,J2=0.7の場合の 、T2→T12のボード線図である。このように、 ンジンベンチシステムではある周波数に共 点(図2では約15Hz)をもち、また動力計トルク 制御信号T2から軸トルク検出T12までの定常ゲ ン(低域でのゲイン)も0dBにならない(図2では 、約-13dB)。

 図3は本実施形態における制御特性パラメー タ(a4,a3,a2,al)として、Butterworth型の上記の値を 設定し、(6)~(9)式で算出した(K I ,K P ,K D ,f 1 )を(4)式に従って適用した場合の軸トルク指 値(T12r)から軸トルク検出値(T12)のボード線図 である。

 このように、本実施形態によれば、共振 制され定常ゲインも0dBとなるように制御さ ている。また、従来の方法のように重み関 の調整を必要とせず、容易に共振抑制効果 持つ制御ゲインを求めることができる。

 図4は本実施形態による効果の別の例を示 す。図4は、実機械系ではK12=1500であるときに (4)式の制御ゲインの算出式(6)~(9)式でのK12を (A):K12=1500,(B):K12=750,(C):K12=150,(D):K12=15とした場 合の軸トルク指令値(T12r)から軸トルク検出値 (T12)のステップ応答の例である。

 このように、本実施形態では、制御ゲイ 算出のために(6)~(9)式で想定したばね剛性値 よりも実際の機械系のばね剛性値が大きい場 合においては、即応性は劣化するものの、安 定制御が可能となる。

 (実施形態2)
 図5は、本実施形態のダイナモメータの要部 制御回路を示し、機械系は省略して示す。本 実施形態では、以下のように(4)式の(K I ,K P ,K D ,f 1 )を決定するパラメータ演算部7を設ける。

 パラメータ演算部7は、制御特性パラメー タ(a4,a3,a2,a1)を、共振特性を持つ2慣性機械系 特性多項式と2次の低域通過フィルタの特性 多項式の積の係数に設定する。具体的には次 のように設定する。

 所望する共振特性を持つ2慣性系機械系の共 振周波数をωn、ダンピング係数をzとすると その特性多項式は(s/ωn) 2 +2×z×(s/ωn)+1である。また、2次の低域通過フ ルタの特性多項式をc2×s 2 +c1×s+1として、その積は((s/ωn) 2 +2×z×(s/ωn)+1)×(c2×s2+c1×s+l)であるので、
 a4=c2/ωn 2 ×ωr 4 ,a3=(c1/ωn 2 +2×c2×z/ωn)×ωr 3 ,a2=(c2+1/ωn 2 +2×c1×z/ωn)×ωr 2 ,a1=(c1+2×z/ωn)×ωr
 ただし、ωr=√(K12×(1/J1+1/J2))
とする。

 このような演算で求めた制御特性パラメー (a4,a3,a2,a1)は関数演算部6に設定され、前記(6 )~(9)式に従って、(4)式の制御パラメータ(K I ,K P ,K D ,f 1 )を決定する。

 図6は本実施形態において、低域通過フィル タ特性としてはButterworth型、機械共振特性は 御対象の機械共振周波数をもち、ダンピン 係数が0.1となるように設定した場合である すなわち、c2=1,cl=1.41421356237309,ωn=ωr,z=0.1と 定し、(6)~(9)式で算出した(K I ,K P ,K D ,f 1 )を(4)式に従って適用した場合の軸トルク指 値(T12r)から軸トルク検出値(T12)のボード線図 である。

 このように、本実施形態によれば、所望 る共振特性を持ち、なおかつ、定常ゲイン 0dBとなるように制御できる。また、本実施 態においても、図4に示した実施形態1の効 と同様に、制御ゲイン算出のために(6)~(9)式 想定したばね剛性値よりも実際の機械系の ね剛性値が大きい場合においても安定に制 が可能となる。

 (実施形態3)
 図7は、本実施形態のダイナモメータの要部 制御回路を示し、機械系は省略して示す。本 実施形態では、以下のように(4)式の(K I ,K P ,K D ,f 1 )を決定するパラメータ演算部8を設ける。

 パラメータ演算部8は、制御特性パラメー タ(a4,a3,a2,a1)を、共振特性Aを持つ2慣性系の特 性多項式と、共振特性Bを持つ2慣性系の特性 項式の積の係数に設定する。

 具体的には次のように設定する。共振特性A は共振周波数ωn1[rad/a]、ダンピング係数zl、 振特性Bは共振周波数ωn2[rad/a]、ダンピング 数z2とすると、それらの特性多項式の積は、 ((s/ωn1) 2 +2×z1×(s/ωn1)+1)×((s/ωn2) 2 +2×z2×(s/ωn2)+1)である。したがって、
 a4=1/(ωn1 2 ×ωn2 2 )×ωr 4
 a3=(2×z1/(ωn1×ωn2 2 )+2×z2/(ωn2×ωn2))×ωr   
 a2=(1/ωn1 2 +1/ωn2 2 +4×z1×z2/(ωn1×ωn2))×ωr 2
 a1=(2×z1/ωn1+2×z2/ωn2)×ωr
とする。

 このような演算で求めた制御特性パラメー (a4,a3,a2,a1)は関数演算部6に設定され、前記(6 )~(9)式に従って、(4)式の制御パラメータ(K I ,K P ,K D ,f 1 )を決定する。

 図8は本実施形態において、共振特性Aは制 対象機械共振周波数の0.5倍、ダンピング係 0、1、共振特性Bは制御対象機械共振周波数 2倍、ダンピング係数0.1となるように設定し 場合である。すなわち、ωn1=ωr×0.5,zl=0.1,ωn2 =ωr×2,z2=0.1と設定し、(6)~(9)式で算出した(K I ,K P ,K D ,f 1 )を(4)式に従って適用した場合の軸トルク指 値(T12r)から軸トルク検出値(T12)のボード線図 である。

 このように、本実施形態によれば、1つの 共振特性しか持たない制御対象機械系をあた かも2つの共振特性を持つように制御し、な かつ、定常ゲインが0dBとなるように制御で る。また、本実施形態においても、図8に示 た実施形態1と同様に、制御ゲイン算出のた めに(6)~(9)式で想定したばね剛性値よりも実 の機械系のばね剛性値が大きい場合におい も安定に制御が可能となる。

 (実施形態4)
 図9は、本実施形態のダイナモメータの要部 制御回路を示し、機械系は省略して示す。本 実施形態では、以下に示す演算要素によって (4)式の(K I ,K P ,K D ,f 1 )を決定する。

 本実施形態では、軸トルクの大きさによ 共振周波数が変化するような機械系(ばねが 非線形特性を持つ)場合に適用される。図14の 結合シャフト部にクラッチのような、非線形 ばね(ばね剛性値が捩れ角により変化するよ なばね)の場合には、以下のようにして軸ト ク制御系を構成する。

 あらかじめ何らかの手段で図1のシステム の捩れトルク値(軸トルク指令)の大きさによ 変化する共振周波数の関係をデータとして つテーブル(T2fテーブル)9を作成しておく。 らかの手段とは、非線形ばねの特性が判明 ている場合には計算により求められるし、 性がわかっていない場合には、捩れトルク ある値になっているときの共振周波数を実 してもよい。

 ばね剛性演算部10は、T2fテーブル9から求 た共振周波数ωc[rad/s]に対して、予め何らか の手段で得たエンジン慣性モーメントJ1とダ ナモメータ慣性モーメントJ2から以下の(10) に従った演算でばね剛性K12を求める。なお J1,J2は、各パーツの設計値から算出しても いし、なんらかの手段で測定した値でもよ 。

 パラメータ演算部11は、実施形態(1)~(3)の ずれかのパラメータ演算部に構成し、制御 性パラメータ(a4,a3,a2,a1)を設定する。

 関数演算部6は、ばね剛性K12と制御特性パラ メータ(a4,a3,a2,a1)から、制御パラメータ(K I ,K P ,K D ,f 1 )を求め、(4)式に従いトルク制御信号T2を制御 する。

 本実施形態ではT2fテーブルヘの入力信号を トルク指令値(T12r)とし、実機がもつばね剛 K12を求める。図2に示すボード線図の共振周 波数が軸トルクの大きさにより変化するシス テムにおいても、図9の構成にして、絶えず の共振周波数に適応した(4)式のゲインパラ ータ(K I ,K P ,K D ,f 1 )が選択されるため、共振周波数が変化する うな非線形なエンジンベンチシステムに対 ても実施形態(1)~実施形態(3)と同等の効果が られる。

 (実施形態5)
 図10は、本実施形態のダイナモメータの要 制御回路を示し、機械系は省略して示す。 実施形態では、実施形態(4)の回路構成にお て、T2fテーブル9への入力信号を軸トルク検 値(T12)とする。

 本実施形態においても、実施形態(4)と同 の効果が得られる。特に本実施形態におい は軸トルク指令値T12rではなく、軸トルク検 出値T12をT2fテーブル9への入力としているた 、T2fテーブルから出力される機械共振周波 がより実際の機械共振周波数に近くなる。 のため、(6)~(9)式で算出される制御パラメー が、実施形態(4)よりも、より機械特性に適 した値となり、結果的に実施形態1の効果に もなる即応性も保持された制御が可能となる 。

 (実施形態6)
 図11は、本実施形態のダイナモメータの要 制御回路を示し、機械系は省略して示す。 実施形態では、実施形態(4)の回路構成にお て、T2fテーブル9への入力信号を軸トルク指 値(T12r)と、軸トルク検出値(T12)を高域通過 ィルタ(HPF)12に通した検出値とを加算した値 する。

 本実施形態においても、実施形態(5)と同 の効果が得られる。

 (実施形態7)
 図12は、本実施形態のダイナモメータの要 制御回路を示し、機械系は省略して示す。 実施形態では、実施形態(4)のT2fテーブル9で める共振周波数ωcを係数器13を通してゲイ K(ただし、0<K<=l)倍し、この値を使って(1 0)式の演算を行う。なお、T2fテーブル9の入力 として、実施形態(5)または実施形態(6)の構成 とすることでもよい。

 本実施形態においては、挿入したゲインK (0<K<=1)は、制御ゲイン算出のために(6)~(9) 式で想定するばね剛性値K12を実際の機械系の ばね剛性よりも小さく見せかける効果を持つ ため、何らかの原因により、T2fテーブルから 出力される機械共振周波数推定値が実際の機 械共振周波数よりも高くなった場合において も、実施形態(4)~実施形態(6)において、実施 態(1)と同等の効果が得られる。

 以上のとおり、本発明によれば、エンジン ンチシステムを2慣性系機械系モデルとして 表現し、この機械系モデルの運動方程式とコ ントローラの伝達関数による閉ループ特性多 項式に4次多項式のものを得、コントローラ 伝達関数の各係数は4つのパラメータ(K I ,K P ,K D ,f 1 )を適宜設定または決定し、さらに機械モデ に現れる共振周波数を基にばね剛性K12を決 するようにしたため、共振抑制効果を持ち かつ軸のばね剛性が大きく変化する場合に 安定制御ができる。