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Patent Searching and Data


Title:
EPOXY RESIN COMPOSITION, PREPREG, LAMINATE, MULTILAYER PRINTED WIRING BOARD, SEMICONDUCTOR DEVICE, INSULATING RESIN SHEET, AND METHOD FOR MANUFACTURING MULTILAYER PRINTED WIRING BOARD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/126411
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an epoxy resin composition essentially containing (A) an epoxy resin having a structure represented by the general formula (1) below, (B) a curing agent, (C) an inorganic filler, and (D) a cyanate resin and/or a prepolymer thereof. [chemical formula 1] (1) (In the formula, Ar represents a fused-ring aromatic hydrocarbon group; r represents an integer not less than 1; X represents a hydrogen or an epoxy group (a glycidyl ether group); R1 represents one group selected from the group consisting of a hydrogen, a methyl group, an ethyl group, a propyl group, a butyl group, a phenyl group and a benzyl group; n represents an integer not less than 1; and p and q each represents an integer not less than 1, and p's and q's in respective repeating units may be the same as or different from one another.)

Inventors:
ENDO TADASUKE (JP)
TAKAHASHI AKIHITO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000914
Publication Date:
October 23, 2008
Filing Date:
April 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO BAKELITE CO (JP)
ENDO TADASUKE (JP)
TAKAHASHI AKIHITO (JP)
International Classes:
C08G59/20; B32B27/38
Domestic Patent References:
WO2005092945A12005-10-06
Foreign References:
JP2003213019A2003-07-30
JP2003268136A2003-09-25
JP2006274236A2006-10-12
Attorney, Agent or Firm:
HAYAMI, Shinji (9-2 Nishi-Gotanda 7-chom, Shinagawa-ku Tokyo 31, JP)
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Claims:
 下記一般式(1)で表される構造を有する(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機充填材および(D)シアネート樹脂および/またはそのプレポリマーを必須成分とするエポキシ樹脂組成物。
[式中 Arは縮合環芳香族炭化水素基を示し、rは1以上の整数である。Xは水素、またはエポキシ基(グリシジルエーテル基)を、R1は、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、およびベンジル基の中から選択される1種を表す。nは1以上の整数であり、p、qは1以上の整数であり、またp、qの値は、繰り返し単位毎に同一でも、異なっていてもよい。]
 前記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂の縮合環芳香族炭化水素基[Ar]は下記式(Ar1)~(Ar4)で表される構造よりなる群から選ばれる1種である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
[式中 R 2 は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、およびベンジル基の中から選択される1種を表す。]
 前記(C)無機充填材は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、焼成タルク、及びアルミナよりなる群から選ばれる少なくとも1種類以上である請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
 前記(A)エポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物全体の1重量%~20重量%である請求項1ないし3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
 請求項1乃至4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物において、
 最低溶融粘度が2×10 2 (Pa・s)以下であるエポキシ樹脂組成物。
 前記(C)無機充填材の含有量は、樹脂組成物全体の20重量%~85重量%である請求項1ないし5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
 請求項1乃至6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物において、
 前記(D)シアネート樹脂は、ノボラック型シアネート樹脂であるエポキシ樹脂組成物。
 前記(D)シアネート樹脂および/またはそのプレポリマーの含有量は、樹脂組成物全体の3重量%~46重量%である請求項1乃至7のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
 請求項1乃至8のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を基材に含浸させてなるプリプレグ。
 請求項9に記載のプリプレグを1枚以上積層してなる積層板。
 請求項9に記載のプリプレグないし、請求項10に記載の積層板を含んでなる多層プリント配線板。
 請求項11に記載の多層プリント配線板を含んでなる半導体装置。
(A)下記一般式(1)で表される構造を有するエポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機充填材、および(D)シアネート樹脂および/またはそのプレポリマーを必須成分とするエポキシ樹脂組成物からなる絶縁樹脂層をキャリアフィルム上、又は金属箔上に形成してなることを特徴とする絶縁樹脂シート。
[式中 Arは縮合環芳香族炭化水素基を示し、rは1以上の整数である。Xは水素、またはエポキシ基(グリシジルエーテル基)を、R1は、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、およびベンジル基の中から選択される1種を表す。nは1以上の整数であり、p、qは1以上の整数であり、またp、qの値は、繰り返し単位毎に同一でも、異なっていてもよい。]
 前記(A)一般式(1)で表される構造を含むエポキシ樹脂の縮合環芳香族炭化水素基[Ar]は、下記式(Ar1)~(Ar4)で表される構造よりなる群から選ばれる1種である請求項13に記載の絶縁樹脂シート。
[式中 R 2 は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、およびベンジル基の中から選択される1種を表す。]
 前記樹脂組成物は、さらにフェノキシ樹脂を含むものである請求項13または14に記載の絶縁樹脂シート。
 前記(A)一般式(1)で表される構造を有するエポキシ樹脂は、樹脂組成物全体の1重量%~20重量%である請求項13ないし15のいずれかに記載の絶縁樹脂シート。
 前記(C)無機充填材は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、焼成タルク、及びアルミナよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項13ないし16のいずれかに記載の絶縁樹脂シート。
 前記(C)無機充填材の含有量は、樹脂組成物の20~85重量%である請求項13ないし17のいずれかに記載の絶縁樹脂シート。
 前記請求項13ないし18のいずれかに記載の絶縁樹脂シートを、内層回路基板の内層回路パターンが形成された面に重ね合わせて積層する工程と、
前記絶縁樹脂シートの前記絶縁樹脂層に外層回路を形成する工程とを含む多層プリント配線板の製造方法。
 前記絶縁樹脂シートを、内層回路基板の内層回路パターンが形成された面に重ね合わせて積層する前記工程は、真空下で加熱加圧により積層する工程である請求項19に記載の多層プリント配線板の製造方法。
 請求項13ないし18のいずれかに記載の絶縁樹脂シートと、
前記絶縁樹脂シートが回路パターンが形成された面に重ねあわされた内層回路基板とを有する多層プリント配線板。
 請求項21に記載の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体装置。
下記一般式(1)で表される構造を有する(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機充填材、および(D)シアネート樹脂および/またはそのプレポリマーを必須成分とするシート用エポキシ樹脂組成物。
[式中 Arは縮合環芳香族炭化水素基を示し、rは1以上の整数である。Xは水素、またはエポキシ基(グリシジルエーテル基)を、R1は、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、およびベンジル基の中から選択される1種を表す。nは1以上の整数であり、p、qは1以上の整数であり、またp、qの値は、繰り返し単位毎に同一でも、異なっていてもよい。]
Description:
エポキシ樹脂組成物、プリプレ 、積層板、多層プリント配線板、半導体装 、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板の 造方法

 本発明は、エポキシ樹脂組成物、プリプ グ、積層板、多層プリント配線板、半導体 置、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板 製造方法に関する。

 近年の電子部品、電子機器等の多種多様化 小型・薄型化に伴って、それらに用いられ 多層プリント配線板も小型化、薄型化が図 れており、様々な構成のものが開発されて る。一般に多層プリント配線板は、両面金 箔張積層板にエッチングなどの方法で回路 成を行い、絶縁樹脂層を積層し、その絶縁 脂層表面に回路を形成し、さらに絶縁樹脂 を積層するといった方法で製造され、交互 回路と絶縁樹脂層とを積層することで製造 れる。
 両面金属箔張積層板は、一般にガラス布等 基材にエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の 硬化性樹脂等を浸漬含浸させたプリプレグ 呼ばれる絶縁層の両面に、もしくは、プリ レグを複数枚重ねた両面に、銅箔等の金属 を張り合わせて加熱、加圧することにより 構成される。
 多層プリント配線板の薄型化の傾向に伴い 両面金属箔張積層板のプリプレグを薄くし り、プリプレグを用いなかったりすること 検討されている。
 しかしながら、薄型の多層プリント配線板 用い半導体装置を製造した場合、半導体素 と多層プリント配線板との接続部に、線熱 張差による応力が生じ、半導体装置の信頼 に影響を及ぼすことがある。そのためプリ レグ、多層プリント配線板の絶縁樹脂層に いられる樹脂組成物は、低熱膨張化が要求 れる。樹脂組成物には、一般にエポキシ樹 が使用されるが、樹脂組成物の低膨張率化 、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物に無機充 材およびシアネート樹脂を添加するという 法がとられている。

特開2003-64198号公報

特開2002-305374号公報

特開2002-299834号公報

特開2003-128928号公報

特開2006-274236号公報

 ここで、無機充填材およびシアネート樹脂 使用することで、樹脂組成物の低熱線膨張 化を図ることはできる。しかしながら、プ プレグ等の絶縁樹脂層の表面に樹脂が流動 た跡と思われるスジが現れる外観不良が生 る。これは、無機充填材と樹脂成分との流 特性の違いや、エポキシ樹脂とシアネート 脂との相溶性の低さが原因と考えられ、樹 成分と無機充填材とが分離してしまうため じるものと推測される。
 なお、スジの発生を防止するために、樹脂 成物の粘度を高くすることが考えられるが この場合には、樹脂組成物の成形加工性が 下してしまうという新たな問題が発生する

 本発明は、線膨張係数を低くすることが き、外観不良が発生しにくく、成形加工性 優れたエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、 層板、多層プリント配線板、半導体装置、 縁樹脂シート、多層プリント配線板の製造 法を提供するものである。

このような目的は、下記[1]~[23]に記載の本発 により達成される。
[1]下記一般式(1)で表される構造を有する(A)エ ポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機充填材および (D)シアネート樹脂および/またはそのプレポ マーを必須成分とするエポキシ樹脂組成物
[式中 Arは縮合環芳香族炭化水素基を示し、r は1以上の整数である。Xは水素、またはエポ シ基(グリシジルエーテル基)を、R1は、水素 、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル 基、フェニル基、およびベンジル基の中から 選択される1種を表す。nは1以上の整数であり 、p、qは1以上の整数であり、またp、qの値は 繰り返し単位毎に同一でも、異なっていて よい。]
[2]前記一般式(1)の構造を含むエポキシ樹脂の 縮合環芳香族炭化水素基[Ar]は下記式(Ar1)~(Ar4) で表される構造よりなる群から選ばれる1種 ある[1]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[式中 R 2 は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピ ル基、ブチル基、フェニル基、およびベンジ ル基の中から選択される1種を表す。]

[3]前記(C)無機充填材は、水酸化マグネシウム 、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、焼 成タルク、及びアルミナよりなる群から選ば れる少なくとも1種類以上である[1]または[2] 記載のエポキシ樹脂組成物。
[4]前記(A)エポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成 物全体の1重量%~20重量%である[1]ないし[3]のい ずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
[5][1]乃至[4]のいずれかに記載のエポキシ樹脂 組成物において、最低溶融粘度が2×10 2 (Pa・s)以下であるエポキシ樹脂組成物。
[6]前記(C)無機充填材の含有量は、樹脂組成物 全体の20重量%~85重量%である[1]ないし[5]のい れかに記載のエポキシ樹脂組成物。
[7][1]乃至[6]のいずれかに記載のエポキシ樹脂 組成物において、
 前記(D)シアネート樹脂は、ノボラック型シ ネート樹脂であるエポキシ樹脂組成物。
[8]前記(D)シアネート樹脂および/またはその レポリマーの含有量は、樹脂組成物全体の3 量%~46重量%である[1]乃至[7]のいずれかに記 のエポキシ樹脂組成物。
[9][1]乃至[8]のいずれかに記載のエポキシ樹脂 組成物を基材に含浸させてなるプリプレグ。
[10][9]に記載のプリプレグを1枚以上積層して る積層板。
[11][9]に記載のプリプレグないし、[10]に記載 積層板を含んでなる多層プリント配線板。
[12][11]に記載の多層プリント配線板を含んで る半導体装置。

[13](A)下記一般式(1)で表される構造を含むエ キシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機充填材、およ (D)シアネート樹脂および/またはそのプレポ マーを必須成分とする樹脂組成物からなる 縁樹脂層をキャリアフィルム上、又は金属 上に形成してなることを特徴とする絶縁樹 シート。
[式中 Arは縮合環芳香族炭化水素基を示し、r は1以上の整数である。Xは水素、またはエポ シ基(グリシジルエーテル基)を、R1は、水素 、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル 基、フェニル基、およびベンジル基の中から 選択される1種を表す。nは1以上の整数であり 、p、qは1以上の整数であり、またp、qの値は 繰り返し単位毎に同一でも、異なっていて よい。]
[14]前記(A)下記一般式(1)の構造を含むエポキ 樹脂の縮合環芳香族炭化水素基[Ar]は、下記 (Ar1)~(Ar4)で表される構造よりなる群から選 れる1種である[13]に記載の絶縁樹脂シート。
[式中 R 2 は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピ ル基、ブチル基、フェニル基、およびベンジ ル基の中から選択される1種を表す。]
[15]前記樹脂組成物は、さらにフェノキシ樹 を含むものである[13]または[14]に記載の絶縁 樹脂シート。
[16]前記(A)のエポキシ樹脂は、樹脂組成物全 の1~20重量%である[13]ないし[15]のいずれかに 載の絶縁樹脂シート。
[17]前記(C)無機充填材は、水酸化マグネシウ 、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、 成タルク、及びアルミナよりなる群から選 れる少なくとも1種である[13]ないし[16]のい れかに記載の絶縁樹脂シート。
[18]前記(C)無機充填材の含有量は、樹脂組成 の20~85重量%である[13]ないし[17]のいずれかに 記載の絶縁樹脂シート。
[19][13]ないし[18]のいずれかに記載の絶縁樹脂 シートを、内層回路基板の内層回路パターン が形成された面に重ね合わせて積層する工程 と、
 前記絶縁樹脂シートの前記絶縁樹脂層に外 回路を形成する工程とを含む多層プリント 線板の製造方法。
[20]前記絶縁樹脂シートを、内層回路基板の 層回路パターンが形成された面に重ね合わ て積層する前記工程は、真空下で加熱加圧 より積層する工程である[19]に記載の多層プ ント配線板の製造方法。
[21][13]ないし[18]のいずれかに記載の絶縁樹脂 シートと、前記絶縁樹脂シートが回路パター ンが形成された面に重ねあわされた内層回路 基板とを有する多層プリント配線板。
[22][21]に記載の多層プリント配線板に半導体 子を搭載してなる半導体装置。

[23]下記一般式(1)で表される構造を含む(A)エ キシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機充填材、およ (D)シアネート樹脂および/またはそのプレポ マーを必須成分とするシート用エポキシ樹 組成物。
[式中 Arは縮合環芳香族炭化水素基を示し、r は1以上の整数である。Xは水素、またはエポ シ基(グリシジルエーテル基)を、R1は、水素 、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル 基、フェニル基、およびベンジル基の中から 選択される1種を表す。nは1以上の整数であり 、p、qは1以上の整数であり、またp、qの値は 繰り返し単位毎に同一でも、異なっていて よい。]

 本発明によれば、膨張係数を低くするこ ができ、外観不良が発生しにくく、成形加 性に優れた樹脂組成物等が提供される。

 上述した目的、およびその他の目的、特 および利点は、以下に述べる好適な実施の 態、およびそれに付随する以下の図面によ てさらに明らかになる。

本発明の第一実施形態に係る積層板を す図である。 本発明の第一実施形態に係る多層プリ ト配線板を示す図である。 半導体装置を示す図である。 本発明の第二実施形態にかかる絶縁樹 シートを示す図である。

 以下、本発明の実施形態を説明する。
(第一実施形態)
 本実施形態では、プリプレグに使用する樹 組成物の構成、プリプレグ等について説明 る。
 前記樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬 剤、(C)無機充填材および(D)シアネート樹脂 よび/またはそのプレポリマーを必須成分と する。
 前記樹脂組成物に用いる(A)エポキシ樹脂は 下記一般式(1)で示される構造を有する。

[式中 Arは縮合環芳香族炭化水素基を示し、r は1以上の整数である。Xは水素、またはエポ シ基(グリシジルエーテル基)を、R1は、水素 、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル 基、フェニル基、およびベンジル基の中から 選択される1種を表す。nは1以上の整数であり 、p、qは1以上の整数であり、またp、qの値は 繰り返し単位毎に同一でも、異なっていて よい。]

 (A)のエポキシ樹脂を使用することで、(A)の ポキシ樹脂と、(D)のシアネート樹脂との相 性が良好になるとともに、樹脂成分に対す (C)無機充填材の分散性が良好となり、樹脂 分と、(C)無機充填材とが分離しないように る。これにより、(D)のシアネート樹脂、(C) 無機充填材を使用することで、線膨張係数 低くすることができるとともに、プリプレ 等のシート状物を作製した際にスジむらが 生することを防止でき、表面を平滑化する とができる。
 これに加え、(A)エポキシ樹脂を用いること より、(C)無機充填材を含有しても、低溶融 度化できる。そのため、積層板等を製造す 際の、加工性に優れたものとなる。
 なお、(A)のエポキシ樹脂を使用せず、他の 造のエポキシ樹脂を使用した場合において 低溶融粘度化した場合には、プリプレグ等 ように、シート状に成形した際に、スジむ がより発生しやすいものとなってしまう。
 また、(A)のエポキシ樹脂は、式(1)で示され ものであってもよく、この場合には、Arは 合環芳香族炭化水素基を示し、rは1以上の整 数である。Xは水素、またはエポキシ基(グリ ジルエーテル基)を、R1は、水素、メチル基 エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニ 基、およびベンジル基の中から選択される1 種を表す。nは1以上の整数である。さらに、p 、qはそれぞれ0以上の整数であるが、p=q=0と ることはなく、(A)のエポキシ樹脂は、pが1以 上、qが1以上の繰り返し単位を少なくとも1つ 有する。

 前記縮合環芳香族炭化水素基[Ar]は、下記 式(Ar1)~(Ar4)で表される構造よりなる群から選 れる1種あることが好ましい。

[式中 R 2 は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピ ル基、ブチル基、フェニル基、およびベンジ ル基の中から選択される1種を表す。]
さらに好ましくは上記式(Ar1)であることが好 しく、特に好ましくは、上記式(Ar1)の中で R 2 が、メチル基の場合である。このようにする ことで、プレス成形した際に外観や埋め込み 性が良化し、成形性が良好になるという効果 がある。

 前記(A)エポキシ樹脂の含有量は、特に限定 れないが、前記樹脂組成物全体の1~20重量% 好ましく、なかでも、5重量%以下であること が特に好ましい。
 1重量%未満の場合には、無機充填材成分と 脂成分とが各々分離してしまう場合があり 20重量%を超える場合には、難燃性が低下す という問題が発生する可能性がある。

 前記樹脂組成物の(B)硬化剤は、特に限定 れないが、フェノール樹脂、硬化促進剤を いることが好ましい。フェノール樹脂と、 化促進剤とを併用してもよい。

 前記フェノール樹脂は、特に限定されな が、例えばフェノールノボラック樹脂、ク ゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノ ボラック樹脂、アリールアルキレン型ノボラ ック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、 未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、ア マニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾー ルフェノール樹脂等のレゾール型フェノール 樹脂が挙げられる。これらの中の1種類を単 で用いることもできるし、異なる重量平均 子量を有する2種類以上を併用したり、1種類 または2種類以上の前述した樹脂と、それら プレポリマーを併用したりすることもでき 。これらの中でも特に、アリールアルキレ 型フェノール樹脂が好ましい。これにより さらに吸湿半田耐熱性を向上させることが きる。

 前記硬化促進剤は、特に限定されないが、 えばナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビ アセチルアセトナートコバルト(II)、トリス アセチルアセトナートコバルト(III)等の有機 属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミ 、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級ア ン類、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイ ダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾー 、2-エチル-4-エチルイミダゾール、1-ベンジ ー2-メチルイミダゾール、1-ベンジルー2-フ ニルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾ ル、1-シアノエチルー2-エチルー4-メチルイ ダゾール、1-シアノエチルー2-ウンデシルイ ダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキ イミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシ ミダゾール、2,3-ジヒドロー1H-ピロロ(1,2-a) ンズイミダゾール等のイミダゾール類(イミ ゾール化合物)、フェノール、ビスフェノー ルA、ノニルフェノール等のフェノール化合 、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトル ンスルホン酸等の有機酸等、またはこの混 物が挙げられる。これらの中の誘導体も含 て1種類を単独で用いることもできるし、こ らの誘導体も含めて2種類以上を併用したり することもできる。
 これらの硬化促進剤のなかでも、特にイミ ゾール化合物が好ましい。これにより、樹 組成物をプリプレグとし、半導体装置に使 した場合の絶縁性、半田耐熱性を高めるこ ができる。
 前記イミダゾール化合物としては、例えば 1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジ ル-2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メ ルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダ ール、2,4-ジアミノ-6-〔2’-メチルイミダゾ ル-(1’)〕-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミ -6-(2’-ウンデシルイミダゾリル)-エチル-s-ト リアジン、2,4-ジアミノ-6-〔2’-エチル-4-メチ ルイミダゾリル-(1’)〕-エチル-s-トリアジン 2-フェニルー4,5-ジヒドロキシメチルイミダ ール、2-フェニル-4-メチルー5-ヒドロキシメ チルイミダゾールなどを挙げることができる 。

 これらの中でも、1-ベンジル-2-メチルイ ダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾー ル、及び、2-エチル-4-メチルイミダゾールが ましい。これらのイミダゾール化合物は、 脂成分に対し特に優れた相溶性を有するこ で、均一性の高い硬化物が得られる。

 前記樹脂組成物の(C)無機充填材は、特に限 されないが、例えばタルク、焼成タルク、 成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリ 、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム 炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等 炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグ シウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、 酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カル ウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜 、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウ 、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等 ホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素 窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物、チタン ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチ ン酸塩等を挙げることができる。これらの の1種類を単独で用いることもできるし、2 類以上を併用したりすることもできる。こ により、積層板を薄く(厚さ0.4mm以下)しても 分な強度を得ることができる。さらに、積 板の低熱膨張化を向上することもできる。
 これらの中でも特に、シリカが好ましく、 に球状溶融シリカが低熱膨張性に優れる点 好ましい。また、破砕状、球状のシリカが 在するが、プリプレグの絶縁樹脂層を形成 る樹脂組成物の溶融粘度を下げる点におい 、球状シリカが好ましい。

 前記(C)無機充填材の平均粒子径は、特に限 されないが、プリプレグを作製するにあた ては、0.005~10μmが好ましく、さらに好まし は0.01~5μmであり、特に好ましくは平均粒子 0.01~2μmの球状溶融シリカである。これによ 、無機充填材の充填性が向上する。無機充 材の粒径が0.005μm未満であるとワニスの粘度 が高くなるため、プリプレグ作製時の作業性 に影響を与える場合がある。特に0.01~2μmの球 状溶融シリカを用いた場合は、(A)エポキシ樹 脂との分散性が良く、プリプレグに用いた場 合、加工性に優れる。
 この平均粒子径は、例えば粒度分布計(HORIBA 製、LA-500)により測定することができる。

 また前記(C)無機充填材の粒度分布は、特 限定されないが、平均粒子径が単分散の無 充填材を用いることもできるし、平均粒子 が多分散の無機充填材を用いることができ 。さらに平均粒子径が単分散及び/または、 多分散の無機充填材を1種類使用したり、ま は2種類以上を併用したりすることもできる

 前記無機充填材の含有量は、特に限定さ ないが、樹脂組成物全体の20~85重量%である とがこのましく、さらには、プリプレグを 製するにあたっては30~80重量%が好ましく、 に35~70重量%が好ましい。含有量が20~85重量% であると、特に低熱膨張化、低吸水化する とができる。

 (D)のシアネート樹脂および/またはシアネー ト樹脂のプレポリマーは、前述したように、 樹脂組成物の線膨張係数を小さくすることが できる。さらに、プリプレグ等を、電気特性 (低誘電率、低誘電正接)、機械強度等に優れ ものとすることができる。
 ここで、シアネート樹脂および/またはシア ネート樹脂のプレポリマーは、例えばハロゲ ン化シアン化合物とフェノール類とを反応さ せ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマ ー化することにより得ることができる。具体 的には、ノボラック型シアネート樹脂、ビス フェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノ ルE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフ ノールF型シアネート樹脂等のビスフェノー ル型シアネート樹脂等を挙げることができる 。これらの中でもノボラック型シアネート樹 脂が好ましい。これにより、架橋密度増加に よる耐熱性向上と、樹脂組成物等の難燃性を 向上することができる。ノボラック型シアネ ート樹脂は、硬化反応後にトリアジン環を形 成するからである。さらに、ノボラック型シ アネート樹脂は、その構造上ベンゼン環の割 合が高く、炭化しやすいためと考えられる。 さらに、プリプレグを厚さ0.5mm以下にした場 であっても、プリプレグを硬化させて作製 た積層板に優れた剛性を付与することがで る。特に加熱時における剛性に優れるので 半導体素子実装時の信頼性に優れる。

 前記ノボラック型シアネート樹脂は、例 ば、以下の式(3)で示されるものを使用する とができる。

 前記式(3)で示されるノボラック型シアネ ト樹脂の平均繰り返し単位nは、特に限定さ れないが、1~10が好ましく、特に2~7が好まし 。平均繰り返し単位nが前記下限値未満であ とノボラック型シアネート樹脂は耐熱性が 下する場合がある。また、平均繰り返し単 nが前記上限値を超えると溶融粘度が高くな りすぎ、プリプレグの成形性が低下する場合 がある。

 前記シアネート樹脂の重量平均分子量は、 に限定されないが、重量平均分子量5.0×10 2 ~4.5×10 3 が好ましく、特に6.0×10 2 ~3.0×10 3 が好ましい。重量平均分子量が5.0×10 2 未満であるとプリプレグを作製した場合にタ ック性が生じ、プリプレグ同士が接触したと き互いに付着したり、樹脂の転写が生じたり する場合がある。また、重量平均分子量が4.5 ×10 3 を超えると反応が速くなりすぎ、特に積層板 に用いた場合、成形不良が生じることがある 。
 前記シアネート樹脂等の重量平均分子量は 例えばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグ ラフィー、標準物質:ポリスチレン換算)で測 することができる。

 また、前記シアネート樹脂は、特に限定 れないが、1種類を単独で用いることもでき るし、異なる重量平均分子量を有する2種類 上を併用したり、1種類または2種類以上のシ アネート樹脂と、それらのプレポリマーを併 用したりすることもできる。

 前記シアネート樹脂および/またはシアネー ト樹脂のプレポリマーの含有量は、特に限定 されないが、前記樹脂組成物全体の3~50重量% 好ましく、なかでも、3~46重量%が好ましく プリプレグを作製する場合等においては、 らに10~40重量%が好ましい。含有量が3重量%未 満であるとプリプレグ等の成型品を形成する のが困難となる場合があり、50重量%を超える とプリプレグ等の成型品の強度が低下する場 合がある。
 なお(A)のエポキシ樹脂を使用せず、他のエ キシ樹脂とシアネート樹脂とを併用した場 、樹脂組成物全体に対し、3重量%以上、シ ネート樹脂および/またはシアネート樹脂の レポリマーを含有させた場合において、ス むらの発生が顕著となることがわかってい 。

 前記樹脂組成物は、さらに前記(A)、(D)以外 熱硬化性樹脂(実質的にハロゲンを含まない )を併用することが好ましい。前記熱硬化性 脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ 脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビス フェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノー E型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキ シ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、 スフェノールZ型エポキシ樹脂等のビスフェ ール型エポキシ樹脂、フェノールノボラッ 型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエ キシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、 フェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラ キル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂 アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エ キシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、 ダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型 ポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素 )樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有 る樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマ イミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリル タレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオ サジン環を有する樹脂等が挙げられる。
 これらの中の1種類を単独で用いることもで きるし、2種類以上を併用したりすることも きる。

 前記樹脂組成物は、特に限定されないが、 ップリング剤を用いることが好ましい。前 カップリング剤は、前記熱硬化性樹脂と、 記無機充填材との界面の濡れ性を向上させ 。そして繊維基材に対して熱硬化性樹脂等 よび無機充填材を均一に定着させ、耐熱性 特に吸湿後の半田耐熱性を改良することが きる。
 前記カップリング剤は、特に限定されない 、具体的にはエポキシシランカップリング 、カチオニックシランカップリング剤、ア ノシランカップリング剤、チタネート系カ プリング剤およびシリコーンオイル型カッ リング剤の中から選ばれる1種以上のカップ リング剤を使用することが好ましい。これに より、無機充填材の界面との濡れ性を高くす ることができ、それによって耐熱性をより向 上させることできる。

 前記カップリング剤の添加量は、特に限 されないが、無機充填材100重量部に対して0 .05~3重量部が好ましく、特に0.1~2重量部が好 しい。含有量が0.05重量部未満であると無機 填材を十分に被覆できないため耐熱性を向 する効果が低下する場合があり、3重量部を 超えると反応に影響を与え、曲げ強度等が低 下する場合がある。

 前記樹脂組成物は、さらに樹脂組成物と導 層との密着性が向上するような成分を添加 ても良い。例えば、フェノキシ樹脂、ポリ ニルアルコール系樹脂、導体層を構成する 属との密着性を向上させるカップリング剤 が挙げられる。これらの中でも特に金属と 密着性に優れ、硬化反応速度に与える影響 少ないと言う点でフェノキシ樹脂を添加す ことが好ましい。前記フェノキシ樹脂は、 えばビスフェノール骨格を有するフェノキ 樹脂、ノボラック骨格を有するフェノキシ 脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹 、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂 が挙げられる。また、これらの骨格を複数 類有した構造のフェノキシ樹脂を用いるこ もできる。
 また、前記樹脂組成物には、必要に応じて 顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、紫外 吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イ ン捕捉剤等の上記成分以外の添加物を添加 ても良い。

 次に、プリプレグについて説明する。

 前述したエポキシ樹脂組成物を用いたプ プレグは、前記樹脂組成物を基材に含浸さ てなるものである。これにより、誘電特性 高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性 の各種特性に優れたプリント配線板を製造 るのに好適なプリプレグを得ることができ 。

 前記基材は、特に限定されないが、ガラ 織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材、 リアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂 維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のポリ ミド系樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、 香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリ ステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊 、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維等 主成分とする織布または不織布で構成され 合成繊維基材、クラフト紙、コットンリン ー紙、リンターとクラフトパルプの混抄紙 を主成分とする紙基材等の有機繊維基材等 挙げられる。これらの中でもガラス繊維基 が好ましい。これにより、プリプレグの強 が向上し、吸水率を下げることができ、ま 熱膨張係数を小さくすることができる。

 前記ガラス繊維基材を構成するガラスは 特に限定されないが、例えばEガラス、Cガ ス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、 Tガラス、Hガラス等が挙げられる。これらの でもEガラス、Tガラス、または、Sガラスが ましい。これにより、ガラス繊維基材の高 性化を達成することができ、熱膨張係数も さくすることができる。

 前記プリプレグを製造する方法は、特に 定されないが、例えば、前述したエポキシ 脂組成物を用いて樹脂ワニスを調製し、基 を樹脂ワニスに浸漬する方法が挙げられる

 さらには、プリプレグを製造する方法と ては、各種コーターにより塗布する方法、 プレーにより吹き付ける方法等が挙げられ 。これらの中でも、基材を樹脂ワニスに浸 する方法が好ましい。これにより、基材に する樹脂組成物の含浸性を向上することが きる。なお、基材を樹脂ワニスに浸漬する 合、通常の含浸塗布設備を使用することが きる。

 前記樹脂ワニスに用いられる溶媒は、前記 脂組成物中の樹脂成分に対して良好な溶解 を示すことが望ましいが、悪影響を及ぼさ い範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良 な溶解性を示す溶媒は、例えばアセトン、 チルエチルケトン、メチルイソブチルケト 、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、 トラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ ド、エチレングリコール、セルソルブ系、 ルビトール系等が挙げられる。
 前記樹脂ワニスの固形分は、特に限定され いが、前記樹脂組成物の固形分50~80重量%が ましく、特に60~78重量% が好ましい。これ より、樹脂ワニスの基材への含浸性を更に 上できる。前記基材に前記樹脂組成物を含 させる所定温度は、特に限定されないが、 えば90~220℃等で乾燥させることによりプリ レグを得ることが出来る。

 次に、積層板について説明する。図1を参照 して説明する。
 本実施形態の積層板2は、前記プリプレグ( 1では符号1に該当)を少なくとも1枚もしくは 数枚積層したものの、上下両面に、金属箔2 1を重ね、加熱、加圧することで得ることが きる。前記加熱する温度は、特に限定され いが、120~230℃が好ましく、特に150~210℃が好 ましい。また、前記加圧する圧力は、特に限 定されないが、1~5MPaが好ましく、特に2~4MPaが 好ましい。これにより、誘電特性、高温多湿 化での機械的、電気的接続信頼性に優れた積 層板2を得ることができる。

 前記金属箔21は、特に限定されないが、 えば銅及び銅系合金、アルミ及びアルミ系 金、銀及び銀系合金、金及び金系合金、亜 及び亜鉛系合金、ニッケル及びニッケル系 金、錫及び錫系合金、鉄および鉄系合金等 金属箔が挙げられる。

 次に、図2を参照して多層プリント配線板3 ついて説明する。
 前記上下面に銅箔(金属箔21)を有する両面銅 張積層板2を用意し、その両面に、エッチン 等により所定の導体回路(内層回路)21Aを形成 し、導体回路21Aを黒化処理等の粗化処理する ことにより内層回路基板2Aを作製する。
 次に内層回路基板2Aの上下面に、フィルム き若しくは金属箔付き絶縁樹脂シート、ま は前述したプリプレグを形成し、加熱加圧 形する。
 具体的には、前記フィルム付き若しくは金 箔付き絶縁樹脂シート、または本実施形態 プリプレグと内層回路基板2Aとを合わせて 真空加圧式ラミネーター装置などを用いて 空加熱加圧成形させる。その後、熱風乾燥 置等で加熱硬化させることにより内層回路 板2A上に絶縁層31を形成することができる。
  ここで加熱加圧成形する条件としては特 限定されないが、一例を挙げると、温度60~16 0℃、圧力0.2~3MPaで実施することができる。ま た、加熱硬化させる条件としては特に限定さ れないが、一例を挙げると、温度140~240℃、 間30~120分間で実施することができる。
  あるいは、前記フィルム付き若しくは金 箔付き絶縁樹脂シート、または本実施形態 プリプレグを内層回路基板2Aに重ね合わせ、 これを平板プレス装置などを用いて加熱加圧 成形することにより内層回路基板2A上に絶縁 31を形成することもできる。
 ここで加熱加圧成形する条件としては、特 限定されないが、一例を挙げると、温度140~ 240℃、圧力1~4MPaで実施することができる。

  上述した方法にて得られた基板は、絶 層表面を過マンガン酸塩、重クロム酸塩等 酸化剤などにより粗化処理した後、金属メ キにより新たな導電配線回路を形成するこ ができる。

 その後、前記絶縁層31を加熱することによ 硬化させる。硬化させる温度は、特に限定 れないが、例えば、100℃~250℃の範囲で硬化 せることができる。好ましくは150℃~200℃で 硬化させることである。
 次に、絶縁層31に、炭酸レーザー装置を用 て開口部を設け、電解銅めっきにより絶縁 表面に外層回路32形成を行い、外層回路32と 層回路21Aとの導通を図る。なお、外層回路3 2には、半導体素子を実装するための接続用 極部33を設ける。
 その後、最外層にソルダーレジストSを形成 し、露光・現像により半導体素子が実装でき るよう接続用電極部33を露出させ、ニッケル メッキ処理を施し、所定の大きさに切断し 多層プリント配線板3を得ることができる。

  次に、図3を参照して半導体装置4について 説明する。
 半導体装置4は、上述した方法にて製造され た多層プリント配線板3に半導体素子41を実装 し、製造することができる。半導体素子41の 装方法、封止方法は特に限定されない。例 ば、半導体素子41と多層プリント配線板3と 用い、フリップチップボンダーなどを用い 多層プリント配線板3上の接続用電極部33と 導体素子41の半田バンプBの位置合わせを行 。その後、IRリフロー装置、熱板、その他 熱装置を用いて半田バンプBを融点以上に加 し、多層プリント配線板3と半田バンプBと 溶融接合することにより接続する。そして 多層プリント配線板3と半導体素子41との間 液状封止樹脂(図示略)を充填し、硬化させる ことで半導体装置4を得ることができる。

(第二実施形態)
 以下、本発明の絶縁樹脂シート、多層プリ ト配線板、多層プリント配線板の製造方法 及び半導体装置について説明する。

 まず、絶縁樹脂シートについて説明する。
 絶縁樹脂シート5は、図4に示すように、(A) 記一般式(1)で表される構造を有するエポキ 樹脂(以下、(A)エポキシ樹脂という。)、(B)硬 化剤、(C)無機充填材、(D)シアネート樹脂およ び/またはそのプレポリマーを必須成分とす 絶縁樹脂層51をキャリアフィルム52A、又は金 属箔52B上に形成することにより得られる。
 (A)のエポキシ樹脂を使用することで、(A)の ポキシ樹脂と、(D)のシアネート樹脂との相 性が良好になるとともに、樹脂成分に対す (C)無機充填材の分散性が良好となり、樹脂 分と、(C)無機充填材とが分離しないように る。これにより、(D)のシアネート樹脂、(C) 無機充填材を使用することで、線膨張係数 低くすることができるとともに絶縁樹脂シ トを作製した際にスジむらが発生すること 防止でき、シート表面を平滑化することが きる。
 これにより、該絶縁樹脂シートにおいて、 細配線加工を要求される場合においても絶 樹脂シートを積層してなる絶縁樹脂層表面 均一に粗化することができる。これに加え 縁樹脂層と導体回路との密着性等が優れる いった成形性も良好となる。
 さらに(A)エポキシ樹脂を用いることにより (C)無機充填材を含有しても、低溶融粘度化 きる。そのため、積層板を製造する際の、 工性に優れたものとなる。
 なお、(A)のエポキシ樹脂を使用せず、他の 造のエポキシ樹脂を使用した場合において 低溶融粘度化した場合には、絶縁樹脂シー に、スジむらがより発生しやすいものとな てしまう。

[式中 Arは縮合環芳香族炭化水素基を示し、r は1以上の整数である。Xは水素、またはエポ シ基(グリシジルエーテル基)を、R1は、水素 、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル 基、フェニル基、およびベンジル基の中から 選択される1種を表す。nは1以上の整数であり 、p、qは1以上の整数であり、またp、qの値は 繰り返し単位毎に同一でも、異なっていて よい。]

 絶縁樹脂シート5に用いる前記(A)エポキシ樹 脂の縮合環芳香族炭化水素基[Ar]は、下記式(A r1)~(Ar4)で表される構造のいずれかであること が好ましい。さらに好ましくは式(Ar1)である とが好ましく、特に好ましくは、式(Ar1)の でもR 2 が、メチル基の場合である。このようにする ことで、プレス成形した際に外観や埋め込み 性が良化し、成形性が良好になるという効果 がある。

[式中 R 2 は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピ ル基、ブチル基、フェニル基、およびベンジ ル基の中から選択される1種を表す。]

 絶縁樹脂シート5に用いる前記(A)共重合体 エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されない が、前記絶縁樹脂層の1~20重量%が好ましく、 に絶縁樹脂シート5を作製するにあたっては 、5重量%以下が好ましい。含有量が前記1重量 %未満であると充填材成分と樹脂成分の分離 防止する効果が十分でなくなり、前記20重量 %を超えると難燃性が低下するという問題が 生する可能性がある。

 また、絶縁樹脂シート5の絶縁樹脂層51は (A)のエポキシ樹脂以外に、さらに他のエポ シ樹脂を含有してもよい。含有するエポキ 樹脂は、特に限定されないが、例えばフェ ールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾー ノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型 ポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、 フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリ ルアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹 、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペ タジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型 ポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂 フルオレン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹 などを挙げることができる。この中でも特 フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ク ゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラ ク型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ 脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂 アリールアルキレン型エポキシ樹脂が好ま い。これにより、耐熱性および難燃性を向 させることができる。

 絶縁樹脂シート5に用いる(B)硬化剤は、特 に限定されないが、例えばイミダゾール化合 物、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、 オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビス アセチルアセトナートコバルト(II)、トリス セチルアセトナートコバルト(III)等の有機金 属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン 、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミ 類、フェノール、ビスフェノールA、ノニル フェノール等のフェノール化合物、酢酸、安 息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン 酸等の有機酸、またはこの混合物が挙げられ る。硬化促進剤として、これらの中の誘導体 も含めて1種類を単独で用いることもできる 、これらの誘導体も含めて2種類以上を併用 たりすることもできる。

 これら硬化促進剤の中でも特にイミダゾー 化合物が好ましい。これにより、吸湿半田 熱性を向上させることができる。そして、 記イミダゾール化合物は、特に限定されな が、上記(A)エポキシ樹脂、及び前記以外の ポキシ樹脂との相溶性を有することが望ま い。
 ここで、相溶性を有するとは、イミダゾー 化合物を(A)エポキシ樹脂、及び前記以外の ポキシ樹脂と有機溶剤とともに混合した場 に、実質的に分子レベルまで溶解、または それに近い状態まで分散することができる うな性状を指すものである。

 絶縁樹脂シート5の絶縁樹脂層51に用いる樹 組成物は、このようなイミダゾール化合物 用いることにより、上記(A)エポキシ樹脂や の他のエポキシ樹脂の反応を効果的に促進 せることができ、また、イミダゾール化合 の配合量を少なくしても同等の特性を付与 ることができる。
 さらに、このようなイミダゾール化合物を いた樹脂組成物は、樹脂成分との間で微小 マトリックス単位から高い均一性で硬化さ ることができる。これにより、多層プリン 配線板に形成された絶縁樹脂層51の絶縁性 半田耐熱性を高めることができる。

 前記イミダゾール化合物としては、例え 、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベン ジル-2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4- チルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミ ゾール、2,4-ジアミノ-6-〔2’-メチルイミダ リル-(1’)〕-エチル-s-トリアジン、2,4-ジア ノ-6-(2’-ウンデシルイミダゾリル)-エチル-s- トリアジン、2,4-ジアミノ-6-〔2’-エチル-4-メ チルイミダゾリル-(1’)〕-エチル-s-トリアジ 、2-フェニルー4,5-ジヒドロキシメチルイミ ゾール、2-フェニル-4-メチルー5-ヒドロキシ メチルイミダゾールなどを挙げることができ る。

 これらの中でも、1-ベンジル-2-メチルイ ダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾー ル、及び、2-エチル-4-メチルイミダゾールが ましい。これらのイミダゾール化合物は、 に優れた相溶性を有することで、均一性の い硬化物が得られるとともに、絶縁樹脂層 面に微細かつ均一な粗化面を形成すること できるので、微細な導体回路を容易に形成 ることができるとともに、多層プリント配 板に高い耐熱性を発現させることができる

 (C)無機充填材は、特に限定されないが、 えばタルク、焼成タルク、焼成クレー、未 成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、 化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ ム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸 アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸 カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、 酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸 または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸 リウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カル ウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒 アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、 化炭素等の窒化物、チタン酸ストロンチウ 、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙 ることができる。これらの中の1種類を単独 で用いることもできるし、2種類以上を併用 ることもできる。これらの中でも特に、シ カが好ましく、溶融シリカが低熱膨張性に れる点で好ましい。また、破砕状、球状の リカが存在するが、絶縁樹脂層を形成する 脂組成物の溶融粘度を下げる点において、 状シリカが好ましい。

 前記(C)無機充填材の粒径は、絶縁樹脂シ ト5を作製するにあたっては、平均粒子径が 1.2μm以下であることが好ましく、さらに平均 粒径が0.01~1.0μmであることが好ましく、特に ましくは0.2~1.0μmである。平均粒径が0.01μm 満であると、樹脂組成物をワニスにした際 ワニスの粘度が高くなり、また、1.2μmを超 ると、樹脂組成物をワニスにした際のワニ 中に無機充填材の沈降等が起こりやすく、 ずれの場合も作業性が低下する場合がある

 前記(C)無機充填材の含有量は、絶縁樹脂 の20~85重量%であることが好ましく、さらに 絶縁樹脂シート5を作製するにあたっては、 好ましくは30~65重量%である。前記無機充填材 の含有量が前記下限値未満であると、高弾性 化、低熱膨脹化する効果が充分でない場合が ある。また、前記上限値を超えると、流動性 の低下により、この絶縁樹脂シートを用いて 多層プリント配線板を製造する際の成形性が 低下する場合がある。

 絶縁樹脂シート5に用いる樹脂組成物は、フ ェノキシ樹脂を含むことが好ましい。前記フ ェノキシ樹脂は、特に限定されないが、例え ば、ビスフェノールA骨格を有するフェノキ 樹脂、ビスフェノールF骨格を有するフェノ シ樹脂、ビスフェノールS骨格を有するフェ ノキシ樹脂、ビスフェノールM骨格を有する ェノキシ樹脂、ビスフェノールP骨格を有す フェノキシ樹脂、ビスフェノールZ骨格を有 するフェノキシ樹脂等ビスフェノール骨格を 有するフェノキシ樹脂、ノボラック骨格を有 するフェノキシ樹脂、アントラセン骨格を有 するフェノキシ樹脂、フルオレン骨格を有す るフェノキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨 格を有するフェノキシ樹脂、ノルボルネン骨 格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格 を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を 有するフェノキシ樹脂、アダマンタン骨格を 有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。
 またフェノキシ樹脂として、これら中の骨 を複数種類有した構造を用いることもでき し、それぞれの骨格の比率が異なるフェノ シ樹脂を用いることができる。さらに異な 骨格のフェノキシ樹脂を複数種類用いるこ もできるし、異なる重量平均分子量を有す フェノキシ樹脂を複数種類用いたり、それ のプレポリマーを併用したりすることもで る。

 これらの中でも、ビフェニル骨格とビスフ ノールS骨格とを有するフェノキシ樹脂を用 いることが好ましい。これにより、ビフェニ ル骨格が有する剛直性によりガラス転移温度 を高くすることができるとともに、ビスフェ ノールS骨格により、多層プリント配線板を 造する際のメッキ金属の付着性を向上させ ことができる。
 また、ビスフェノールA骨格とビスフェノー ルF骨格とを有するフェノキシ樹脂を用いる とも好ましい。これにより、多層プリント 線板の製造時に内層回路基板への密着性を 上させることができる。さらに、上記ビフ ニル骨格とビスフェノールS骨格とを有する ェノキシ樹脂と、ビスフェノールA骨格とビ スフェノールF骨格とを有するフェノキシ樹 とを併用してもよい。

 絶縁樹脂シート5に用いるフェノキシ樹脂 の含有量は、特に限定されないが、絶縁樹脂 層51の3~25重量%であることが好ましく、さら 好ましくは、5~20重量%である。フェノキシ樹 脂の含有量が、3重量%未満であると、フェノ シ樹脂を含有することで得られる絶縁樹脂 ートの製膜性の効果を十分に得られない場 があり、フェノキシ樹脂の含有量が、25重 %を超えるとワニス粘度の増大により他の樹 との溶解性が低下する場合がある。

 絶縁樹脂シート5の絶縁樹脂層51は、(D)シ ネート樹脂及び/又はそのプレポリマーを含 有する。

 前記シアネート樹脂及び/又はそのプレポ リマー樹脂としては、特に限定されないが、 例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノー ル類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方 法でプレポリマー化することにより得ること ができる。また、このようにして調製された 市販品を用いることもできる。

 前記のシアネート樹脂及び/又はそのプレ ポリマーを用いることにより、絶縁樹脂シー トの絶縁樹脂層の弾性率を向上させることが できる。また、シアネート樹脂(特にノボラ ク型シアネート樹脂)は、剛直な化学構造を するため、耐熱性に優れており、ガラス転 温度以上でも弾性率の低下が小さく、高温 おいても高弾性率を維持することができる さらに、硬化反応によって水酸基などの分 率の大きな官能基が生じないため、誘電特 においても優れたものとすることができる

 前記シアネート樹脂及び/又はそのプレポ リマーの中でも、下記一般式(3)で表されるノ ボラック型シアネート樹脂が好ましい。これ により、前記効果に加えて、絶縁樹脂シート の絶縁樹脂層のガラス転移温度をさらに高く することができるとともに、硬化後の絶縁樹 脂層の難燃性をより向上させることができる 。

 前記式(3)で示されるノボラック型シアネー 樹脂の平均繰り返し単位nは、特に限定され ないが、1~10が好ましく、特に2~7が好ましい 平均繰り返し単位nが前記下限値未満である ノボラック型シアネート樹脂は耐熱性が低 する場合がある。また、平均繰り返し単位n が前記上限値を超えると溶融粘度が高くなり すぎ、プリプレグの成形性が低下する場合が ある。

 前記シアネート樹脂の重量平均分子量は、 に限定されないが、重量平均分子量5.0×10 2 ~4.5×10 3 が好ましく、特に6.0×10 2 ~3.0×10 3 が好ましい。重量平均分子量が5.0×10 2 未満であるとプリプレグを作製した場合にタ ック性が生じ、プリプレグ同士が接触したと き互いに付着したり、樹脂の転写が生じたり する場合がある。また、重量平均分子量が4.5 ×10 3 を超えると反応が速くなりすぎ、特に積層板 に用いた場合、成形不良が生じることがある 。
 前記シアネート樹脂等の重量平均分子量は 例えばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグ ラフィー、標準物質:ポリスチレン換算)で測 することができる。

 前記シアネート樹脂及び/又はそのプレポリ マーの含有量は、特に限定されないが、樹脂 組成物の3~50重量%、さらには4~46重量%である とが好ましく、絶縁樹脂シート5を作製する あたっては、5重量%以上、さらに好ましく 10~40重量%である。
 これにより、内層回路基板の回路パターン 形成された面と絶縁樹脂シート5の絶縁樹脂 層51とを強固に接合することができる。

 また、絶縁樹脂シート5の樹脂組成物は、 樹脂の相溶性、安定性、作業性等の各種特性 向上のため、各種添加剤、例えば、レベリン グ剤、消泡剤、酸化防止剤、顔料、染料、消 泡剤、難燃剤、紫外線吸収剤、イオン捕捉剤 、非反応性希釈剤、反応性希釈剤、揺変性付 与剤、増粘剤等を適宜添加しても良い。

 絶縁樹脂シート5は、絶縁樹脂層51を形成 る前記樹脂組成物を、アセトン、メチルエ ルケトン、メチルイソブチルケトン、トル ン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタ 、シクロヘキサンシクロヘキサノン、テト ヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジ チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド エチレングリコール、セルソルブ系、カル トール系、アニソール等の有機溶剤中で、 音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速 転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断 散方式、および自転公転式分散方式などの 種混合機を用いて溶解、混合、撹拌して樹 ワニスを作製する。

 前記樹脂ワニス中の樹脂組成物の含有量 、特に限定されないが、45~85重量%が好まし 、特に55~75重量%が好ましい。

 次に前記樹脂ワニスを、各種塗工装置を用 て、フィルム52A上または金属箔52B上に塗工 た後、これを乾燥する。または、樹脂ワニ をスプレー装置によりフィルム若しくは金 箔に噴霧塗工した後、これを乾燥する。こ らの方法によりフィルム付きまたは金属箔 き絶縁樹脂シート5を作製することができる 。
 前記塗工装置は、特に限定されないが、例 ば、ロールコーター、バーコーター、ナイ コーター、グラビアコーター、ダイコータ 、コンマコーターおよびカーテンコーター どを用いることができる。これらの中でも ダイコーター、ナイフコーター、およびコ マコーターを用いる方法が好ましい。これ より、ボイドがなく、均一な絶縁樹脂層51 厚みを有する絶縁樹脂シート5を効率よく製 することができる。

 絶縁樹脂シート5は、前記樹脂組成物から なる絶縁樹脂層51をキャリアフィルム52A上ま は金属箔52B上に形成して作製される。前記 ャリアフィルム52Aは、キャリアフィルム52A に絶縁樹脂層51を形成するため、取扱いが 易であるものを選択することが好ましい。 た、絶縁樹脂シート5の絶縁樹脂層51を内層 路基板面に積層後、キャリアフィルム52Aを 離することから、内層回路基板に積層後、 離が容易であるものであることが好ましい したがって、前記キャリアフィルム52Aは、 えばポリエチレンテレフタレート、ポリブ レンテレフタレートなどのポリエステル樹 、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐 性を有した熱可塑性樹脂フィルムなどを用 ることが好ましい。これらキャリアフィル 52Aの中でも、ポリエステルで構成されるフ ルムが最も好ましい。これにより、絶縁樹 層から適度な強度で剥離することが容易と る。

 前記キャリアフィルム52Aの厚さは、特に 定されないが、1~100μmが好ましく、特に3~50 mが好ましい。キャリアフィルム52Aの厚さが 記範囲内であると、取扱いが容易で、また 縁樹脂層表面の平坦性に優れる。

 前記金属箔52Bは、前記キャリアフィルム5 2A同様、内層回路基板に絶縁樹脂シート5を積 層後、剥離して用いても良いし、また、金属 箔52Bをエッチングし導体回路として用いても 良い。前記金属箔52Bは、特に限定されないが 、例えば、銅及び/又は銅系合金、アルミ及 /又はアルミ系合金、鉄及び/又は鉄系合金、 銀及び/又は銀系合金、金及び金系合金、亜 及び亜鉛系合金、ニッケル及びニッケル系 金、錫及び錫系合金等の金属箔などを用い ことができる。

 前記金属箔52Bの厚さは、特に限定はされな が、0.1μm以上70μm以下であることが好まし 。さらには1μm以上35μ以下が好ましく、さら に好ましくは1.5μm以上18μm以下が好ましい。 記金属箔52Bの厚さが上記下限値未満である 、金属箔52Bの傷つき、ピンホールが発生し 金属箔52Bをエッチングし導体回路として用 て場合、回路パターン成形時のメッキバラ キ、回路断線、エッチング液やデスミア液 の薬液の染み込みなどが発生する怖れがあ 、前記上限値を超えると、金属箔52Bの厚み ラツキが大きくなったり、金属箔52Bの粗化 の表面粗さのバラツキが大きくなる場合が る。
 また、前記金属箔52Bは、キャリア箔付き極 金属箔を用いることもできる。キャリア箔 き極薄金属箔とは、剥離可能なキャリア箔 極薄金属箔とを張り合わせた金属箔である キャリア箔付き極薄金属箔を用いることで 記絶縁樹脂層の両面に極薄金属箔層を形成 きることから、例えば、セミアディティブ などで回路を形成する場合、無電解メッキ 行うことなく、極薄金属箔を直接給電層と て電解メッキすることで、回路を形成後、 薄銅箔をフラッシュエッチングすることが きる。キャリア箔付き極薄金属箔を用いる とによって、厚さ10μm以下の極薄金属箔で 、例えばプレス工程での極薄金属箔のハン リング性の低下や、極薄銅箔の割れや切れ 防ぐことができる。前記極薄金属箔の厚さ 、0.1μm以上10μm以下が好ましい。さらに、0.5 μm以上5μm以下が好ましく、さらに1μm以上3μm 以下が好ましい。前記極薄金属箔の厚さが前 記下限値未満であると、キャリア箔を剥離後 の極薄金属箔の傷つき、極薄金属箔のピンホ ールの発生、ピンホールの発生による回路パ ターン成形時のメッキバラツキ、回路配線の 断線、エッチング液やデスミア液等の薬液の 染み込みなどが発生する怖れがあり、前記上 限値を超えると、極薄金属箔の厚みバラツキ が大きくなったり、極薄金属箔の粗化面の表 面粗さのバラツキが大きくなる場合がある。
 通常、キャリア箔付き極薄金属箔は、プレ 成形後の積層板に回路パターン形成する前 キャリア箔を剥離する。

 次に、多層プリント配線板の製造方法につ て説明する。ここでは、図2を参照して説明 する。本実施形態では、符号31の絶縁層が、 縁樹脂シート5の絶縁樹脂層51に該当するこ となる。
 なお、内層回路基板2Aは第一実施形態と同 のものであってもよく、また、第一実施形 とは異なる材質で構成されたものであって よい。

 前述した絶縁樹脂シート5を用いた多層プリ ント配線板を製造する方法は、まず、コア基 板(例えばFR-4の両面銅箔)に回路パターン形成 を行った内層回路基板2Aを用意し、ドリル機 で開口して開口部を設けた後、無電解めっ により、開口部にメッキ処理を行い、内層 路基板の両面の導通を図る。そして、前記 箔をエッチングすることにより内層回路21A 形成する。
 なお、内層回路基板2Aの回路21Aは、例えば 黒化処理等の粗化処理したものを好適に用 ることができる。また開口部は、導体ペー ト、または樹脂ペーストで適宜埋めること できる。

 内層回路21Aの材質は、この製造方法に適 るものであれば、どのようなものでも良い 、内層回路の形成においてエッチングや剥 などの方法により除去可能であることが好 しく、前記エッチングにおいては、これに 用される薬液などに対し、耐薬品性を有す ものが好ましい。そのような内層回路の材 は、例えば、銅箔、銅板、銅合金板、42合 およびニッケル等が挙げられる。特に、銅 、銅板および銅合金板は、電解めっき品や 延品を選択できるだけでなく、様々な厚み ものを容易に入手できるため、内層回路と て使用するのに最も好ましい。

 次に、上述したキャリアフィルム52A上に絶 樹脂層51が形成された絶縁樹脂シート5を用 、多層プリント配線板を製造する方法につ て説明する。
 まず、内層回路21Aを絶縁樹脂シート5の絶縁 樹脂層51で覆うよう(内層回路21A側に絶縁樹脂 層51が位置し、内層回路21Aと絶縁樹脂層51と 当接するように)に積層する。絶縁樹脂シー 5の積層(ラミネート)方法は、特に限定され いが、真空プレス、常圧ラミネーター、お び真空下で加熱加圧するラミネーターを用 て積層する方法が好ましく、更に好ましく 、真空下で加熱加圧するラミネーターを用 る方法である。これにより微細配線回路で ってもボイドがなく回路間を絶縁樹脂層で め込むことができる。

 次に、形成した絶縁樹脂層51を加熱する とにより硬化させる。硬化させる温度は、 に限定されないが、100℃~250℃の範囲が好ま い。特に、150℃~200℃が好ましい。また、次 のレーザー照射および樹脂残渣の除去を容易 にするため半硬化状態にしておく場合もある 。また、一層目の絶縁樹脂層51を通常の加熱 度より低い温度で加熱により一部硬化(半硬 化)させ、絶縁樹脂層51上に、一層ないし複数 の絶縁樹脂層をさらに形成し半硬化の絶縁樹 脂層を実用上問題ない程度に再度加熱硬化さ せることにより絶縁樹脂層間および絶縁樹脂 層と回路との密着力を向上させることができ る。この場合の半硬化の温度は、80℃~200℃が 好ましく、100℃~180℃がより好ましい。尚、 に限定はされないが、次工程においてレー ーを照射し絶縁樹脂層にビアを形成する場 には、フィルム52Aの剥離はビアを形成する でも後でも良い。またフィルム52Aの剥離は 絶縁樹脂層51を形成後、加熱硬化の前、また は加熱硬化後のいずれに行っても特に問題は ない。

 次に、絶縁樹脂層51に、レーザーを照射し 、ビアを形成する。前記レーザーは、エキ マレーザー、UVレーザー、および炭酸ガスレ ーザー等が使用できる。前記レーザーによる 開口部の形成は、絶縁樹脂層51の材質が、感 性・非感光性に関係なく、微細なビアを容 に形成することができる。したがって、絶 樹脂層に微細な開口部を形成することが必 とされる場合に、特に好ましい。
 なお、レーザー照射後の樹脂残渣等は過マ ガン酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤などに り除去することが好ましい。また、平滑な 縁樹脂層51表面を同時に粗化することがで 、続く金属メッキにより形成する導電配線 路の密着性を上げることができる。絶縁樹 層51は、前記粗化工程において微細な凹凸形 状を均一に施すことができる。また、絶縁樹 脂層51表面の平滑性が高いため微細な配線回 を精度よく形成することができる。

 次に、外層回路32を形成する。外層回路32 の形成方法は、例えば、公知の方法であるセ ミアディティブ法などで形成することができ るが、本発明は何らこれらに限定されない。 次に、導体ポストを形成する。導体ポストの 形成方法としては、公知の方法である電解メ ッキ等で形成することができる。例えば、外 層回路32を電解メッキ用リードとして、銅電 メッキを行い、銅で充填し銅ポストを形成 ることができる。前記工程を繰り返すこと より、さらに多層にすることができる。尚 前記で絶縁樹脂層を半硬化状態にした場合 、後硬化(ポストキュア)を行う場合もある

 次に、ソルダーレジストSを形成する。ソ ルダーレジストSの形成方法は、特に限定さ ないが、例えば、ドライフィルムタイプの ルダーレジストSをラミネートし、露光、お び現像により形成する方法、または液状レ ストを印刷したものを露光、および現像に り形成する方法によりなされる。なお、接 用電極部は、金めっき、ニッケルメッキお び半田めっき等の金属皮膜で適宜被覆する とができる。このような方法により多層配 プリント板を製造することができる。

 次に、絶縁樹脂層51を金属箔52B上に形成 てなる絶縁樹脂シート5を用いて、多層プリ ト配線板3を製造する方法について説明する 。金属箔52Bを用いた絶縁樹脂シート5を内層 路基板2Aの内層回路21A面を絶縁樹脂層51で覆 ように積層する。金属箔付き絶縁樹脂シー 5の積層(ラミネート)方法は、前記キャリア ィルムの絶縁樹脂シートを積層した際と同 、特に限定されないが、真空プレス、常圧 ミネーター、および真空下で加熱加圧する ミネーターを用いて積層する方法が好まし 、更に好ましくは、真空下で加熱加圧する ミネーターを用い積層する方法である。こ により微細配線回路形成された内層回路基 2Aに対してもボイドなく絶縁樹脂層51を埋め 込むことができる。

 ここで絶縁樹脂層51にビアを形成する場 、特に限定はされないが、例えばコンフォ マルマスク工法のように、金属箔にビア形 位置となるところをエッチングし、エッチ グされた部分にレーザー照射してビアを形 する。レーザー照射後の樹脂残渣等は過マ ガン酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤などに り除去する。そして金属メッキにより絶縁 脂層間の接続を図り、エッチングにより外 回路(外層回路パターン)32形成を行う。また の他に、予め内層回路基板2Aに金属ポスト 形成し、そこに金属箔付き絶縁樹脂シート5 積層することで絶縁樹脂層51にビアを形成 る方法を用いることもできる。外層回路パ ーン32を形成後、さらに多層にする場合は、 絶縁樹脂シートを積層し、前記工程を繰り返 し、形成した外層回路が最外層となる場合は 、前記同様ソルダーレジストSを形成するこ により多層プリント配線板3を得ることがで る。

 次に、図3を参照して半導体装置4について 明する。
 上述した方法で得られた多層プリント配線 3に、半田バンプBを有する半導体素子41を実 装することにより半導体装置4を得ることが きる。前記半田バンプBは、錫、鉛、銀、銅 ビスマスなどからなる合金で構成されるこ が好ましい。半導体素子41と多層プリント 線板3との接続方法は、フリップチップボン ーなどを用いて基板上の接続用電極部33と 導体素子41の半田バンプBの位置合わせを行 。その後、IRリフロー装置、熱板、その他加 熱装置を用いて半田バンプBを融点以上に加 し、多層プリント配線板3と半田バンプBとを 溶融接合することにより接続する。尚、接続 信頼性を良くするため、あらかじめ多層プリ ント配線板3上の接続用電極部33に半田ペース ト等、比較的融点の低い金属の層を形成して おいても良い。この接合工程に先んじて、半 田バンプBおよび、または多層プリント配線 3上の接続用電極部33の表層にフラックスを 布することで、半導体素子41と多層プリント 配線板3との接続性が向上する。

 なお、本発明は前述の実施形態に限定さ るものではなく、本発明の目的を達成でき 範囲での変形、改良等は本発明に含まれる のである。

 次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例)
 以下、本発明を実施例及び比較例により説 するが、本発明はこれに限定されるもので ない。
(実施例1)
(1)樹脂ワニスの調製
(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレンジ メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 業社製、EXA-7320)13.9重量部、(B)硬化剤として フェニルジメチレン型フェノール樹脂(日本 化薬株式会社製、GPH-103)11.0重量部、(D)ノボラ ック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式 社製、プリマセットPT-30)24.8重量部、をメチ エチルケトンに溶解、分散させた。さらに (C)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマ テックス社製・「SO-25R」、平均粒径0.5μm)50.0 量部とカップリング剤(日本ユニカー社製、 A187)0.3重量部を添加して、高速攪拌装置を用 て10分間攪拌して、固形分50重量%の樹脂ワ スを調製した。

(2)プリプレグの作製
 上述の樹脂ワニスをガラス織布(厚さ94μm、 東紡績製、WEA-2116)に含浸し、150℃の加熱炉 2分間乾燥して、プリプレグ中のワニス固形 分が約50重量%のプリプレグを得た。

(3)積層板の作製
 上述のプリプレグを2枚重ね、両面に18μmの 箔を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で2時間加 加圧成形することによって、厚さ0.2mmの積層 板を得た。

(4)多層プリント配線板Aの作製
  前記で得られた両面銅張積層板の両面を ッチングにより回路形成し、内層回路基板 して用いた。前記内層回路基板の表裏に、 記で得られたプリプレグを重ね合わせ、こ を、真空加圧式ラミネーター装置を用いて 温度100℃、圧力1MPaにて真空加熱加圧成形さ た。これを、熱風乾燥装置にて170℃で60分 加熱し硬化させて、下記成形性評価用の多 プリント配線板Aを得た。

(5)多層プリント配線板Bの作製
 前記で多層プリント配線板の絶縁層に炭酸 ーザー装置を用いて開口部を設け、電解銅 っきにより絶縁層表面に外層回路形成を行 、外層回路と内層回路との導通を図った。 お、外層回路には、半導体素子を実装する めの接続用電極部を設けた。
その後、最外層にソルダーレジスト(太陽イ キ社製PSR4000/AUS308)を形成し、露光・現像に り半導体素子が実装できるよう接続用電極 を露出させ、ニッケル金メッキ処理を施し 50mm×50mmの大きさに切断し、多層プリント配 板Bを得た。

(実施例2)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレンジ メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 業社製、EXA-7320)14.0重量部、(B)硬化剤として ミダゾール化合物(四国化成工業社製・「2- ェニル-4-メチルイミダゾール」)0.1重量部、 (D)ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャ ン株式会社製、プリマセットPT-30)17.4重量部 フェノキシ樹脂としてビスフェノールA型エ ポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹 との共重合体であり、末端部はエポキシ基 有しているフェノキシ樹脂(ジャパンエポキ レジン社製・「エピコート4275」、重量平均 分子量6.0×10 4 )3.5重量部、をメチルエチルケトンに溶解、 散させた。さらに、無機充填材として球状 融シリカ(アドマテックス社製・「SO-25R」、 均粒径0.5μm)64.7重量部とカップリング剤(日 ユニカー社製、A187)0.3重量部を添加して、 速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、固形分 50重量%の樹脂ワニスを調製した。

(実施例3)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレンジ メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 業社製、EXA-7320)4.0重量部、(B)硬化剤として ミダゾール化合物(四国化成工業社製・「2- ェニル-4-メチルイミダゾール」)0.1重量部、( D)ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパ ン株式会社製、プリマセットPT-30)27.4重量部 フェノキシ樹脂としてビスフェノールA型エ キシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂 との共重合体であり、末端部はエポキシ基を 有しているフェノキシ樹脂(ジャパンエポキ レジン社製・「エピコート4275」、重量平均 子量6.0×10 4 )3.5重量部、をメチルエチルケトンに溶解、 散させた。さらに、無機充填材として球状 融シリカ(アドマテックス社製・「SO-25R、平 粒径0.5μm)64.7重量部とカップリング剤(日本 ニカー社製、A187)0.3重量部を添加して、高 攪拌装置を用いて10分間攪拌して、固形分50 量%の樹脂ワニスを調製した。

(実施例4)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレンジ メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 業社製、EXA-7320)42.0重量部、(B)硬化剤として ミダゾール化合物(四国化成工業社製・「2- ェニル-4-メチルイミダゾール」)0.1重量部、 (D)ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャ ン株式会社製、プリマセットPT-30)12.9重量部 フェノキシ樹脂としてビスフェノールA型エ ポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹 との共重合体であり、末端部はエポキシ基 有しているフェノキシ樹脂(ジャパンエポキ レジン社製・「エピコート4275」、重量平均 分子量6.0×10 4 )5.0重量部、をメチルエチルケトンに溶解、 散させた。さらに、(C)無機充填材として球 溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO-25R」 平均粒径0.5μm)39.8重量とカップリング剤(日 ユニカー社製、A187)0.2重量部を添加して、 速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、固形分 50重量%の樹脂ワニスを調製した。

(実施例5)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレンジ メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 業社製、EXA-7320)30.0重量部、(B)硬化剤として 化触媒(イミダゾール化合物(四国化成工業 製・「2-フェニル-4-メチルイミダゾール」))0 .1重量部、(D)ノボラック型シアネート樹脂(ロ ンザジャパン株式会社製、プリマセットPT-30) 24.8重量部、フェノキシ樹脂としてビスフェ ールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エ ポキシ樹脂との共重合体であり、末端部はエ ポキシ基を有しているフェノキシ樹脂(ジャ ンエポキシレジン社製・「エピコート4275」 重量平均分子量6.0×10 4 )15.0重量部、をメチルエチルケトンに溶解、 散させた。さらに、(C)無機充填材として球 溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO-25R」 、平均粒径0.5μm)30.0重量部とカップリング剤( 日本ユニカー社製、A187)0.1重量部を添加して 高速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、固 分50重量%の樹脂ワニスを調製した。

(実施例6)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレンジ メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 業社製、EXA-7320)10.5重量部、(B)硬化剤として 化触媒(イミダゾール化合物(四国化成工業 製・「2-フェニル-4-メチルイミダゾール」))0 .1重量%、(D)ノボラック型シアネート樹脂(ロ ザジャパン株式会社製、プリマセットPT-30)14 .0重量部、をメチルエチルケトンに溶解、分 させた。さらに、(C)無機充填材として球状 融シリカ(アドマテックス社製・「SO-25R」、 平均粒径0.5μm)75.0重量部とカップリング剤(日 本ユニカー社製、A187)0.4重量部を添加して、 速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、固形 50重量%の樹脂ワニスを調製した。

(実施例7)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレンジ メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 業社製、EXA-7320)21.5重量部、(B)硬化剤として ミダゾール化合物(四国化成工業社製・「2- ェニル-4-メチルイミダゾール」)0.1重量部、 (D)ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャ ン株式会社製、プリマセットPT-30)3.0重量部 をメチルエチルケトンに溶解、分散させた さらに、(C)無機充填材として球状溶融シリ (アドマテックス社製・「SO-25R」、平均粒径0 .5μm)75.0重量部とカップリング剤(日本ユニカ 社製、A187)0.4重量部を添加して、高速攪拌 置を用いて10分間攪拌して、固形分50重量%の 樹脂ワニスを調製した。

(実施例8)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレンジ メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 業社製、EXA-7320)23.8重量部、(B)硬化剤として 化触媒(イミダゾール化合物(四国化成工業 製・「2-フェニル-4-メチルイミダゾール」))0 .1重量部、(D)ノボラック型シアネート樹脂(ロ ンザジャパン株式会社製、プリマセットPT-30) 46.0重量部、をメチルエチルケトンに溶解、 散させた。さらに、(C)無機充填材として球 溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO-25R」 平均粒径0.5μm)30.0重量部とカップリング剤( 本ユニカー社製、A187)0.1重量部を添加して 高速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、固形 分50重量%の樹脂ワニスを調製した。

(実施例9)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレンジ メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 業社製、EXA-7320)13.9重量部、(B)硬化剤として フェニルジメチレン型フェノール樹脂(日本 化薬株式会社製、GPH-103)11.0重量部、(D)ノボラ ック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式 社製、プリマセットPT-30)24.8重量部、をメチ エチルケトンに溶解、分散させた。さらに (C)無機充填材として水酸化アルミニウム(昭 和電工社製、HP-350)50.0重量部とカップリング (日本ユニカー社製、A187)0.3重量部を添加し 、高速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、 形分50重量%の樹脂ワニスを調製した。

(実施例10)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレンジ メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 業社製、EXA-7320)13.9重量部、(B)硬化剤として フェニルジメチレン型フェノール樹脂(日本 化薬株式会社製、GPH-103)11.0重量部、(D)ノボラ ック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式 社製、プリマセットPT-30)24.8重量部、をメチ エチルケトンに溶解、分散させた。さらに (C)無機充填材として水酸化マグネシウム(協 和化学社製、キスマ5A)50.0重量とカップリン 剤(日本ユニカー社製、A187)0.3重量部を添加 て、高速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、 固形分50重量%の樹脂ワニスを調製した。

(実施例11)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
 (A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレン メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 工業社製、EXA-7320)13.9重量部、(B)硬化剤とし ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(日 化薬株式会社製、GPH-103)11.0重量部、(D)ノボ ック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式 会社製、プリマセットPT-30)24.8重量部、をメ ルエチルケトンに溶解、分散させた。さら 、(C)無機充填材として焼成タルク(富士タル 社製、ST-100)50.0重量部とカップリング剤(日 ユニカー社製、A187)0.3重量部を添加して、 速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、固形分 50重量%の樹脂ワニスを調製した。

(実施例12)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
 (A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレン メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 工業社製、EXA-7320)13.9重量部、(B)硬化剤とし ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(日 化薬株式会社製、GPH-103)11.0重量部、(D)ノボ ック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式 会社製、プリマセットPT-30)24.8重量部、をメ ルエチルケトンに溶解、分散させた。さら 、(C)無機充填材としてアルミナ(住友化学社 、C-301)50重量部とカップリング剤(日本ユニ ー社製、A187)0.3重量部を添加して、高速攪 装置を用いて10分間攪拌して、固形分50重量% の樹脂ワニスを調製した。

(実施例13)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
 (A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレン メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 工業社製、EXA-7320)23.8重量部、(B)硬化触媒と てイミダゾール化合物(四国化成工業社製・ 2-フェニル-4-メチルイミダゾール」)0.1重量% 、(D)ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジ パン株式会社製、プリマセットPT-30)46.0重量 、をメチルエチルケトンに溶解、分散させ 。さらに、(C)無機充填材として球状溶融シ カ(アドマテックス社製・「SO-25R」、平均粒 径0.5μm)30.0重量%とカップリング剤(日本ユニ ー社製、A187)0.1重量部を添加して、高速攪拌 装置を用いて10分間攪拌して、固形分50重量% 樹脂ワニスを調製した。

(実施例14)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレンジ メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 業社製、EXA-7320)3.0重量部、(B)硬化剤として 化触媒(イミダゾール化合物(四国化成工業社 製・「2-フェニル-4-メチルイミダゾール」))0. 1重量部、(D)ノボラック型シアネート樹脂(ロ ザジャパン株式会社製、プリマセットPT-30)1 7.4重量部、ビフェニルジメチレン型エポキシ 樹脂(日本化薬社製、NC-3000)11.0重量%、フェノ シ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹 脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との共 合体であり、末端部はエポキシ基を有して るフェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン 製・「エピコート4275」、重量平均分子量6.0 ×10 4 )3.5重量部をメチルエチルケトンに溶解、分 させた。さらに、(C)無機充填材として球状 融シリカ(アドマテックス社製・「SO-25R」、 均粒径0.5μm)64.7重量部とカップリング剤0.3 量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分 間攪拌して、固形分50重量%の樹脂ワニスを調 製した。

(実施例15)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレンジ メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 業社製、EXA-7320)50.0重量部、(B)硬化剤として 化触媒(イミダゾール化合物(四国化成工業 製・「2-フェニル-4-メチルイミダゾール」))0 .1重量部、(D)ノボラック型シアネート樹脂(ロ ンザジャパン株式会社製、プリマセットPT-30) 4.8重量部、フェノキシ樹脂としてビスフェノ ールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エ キシ樹脂との共重合体であり、末端部はエ キシ基を有しているフェノキシ樹脂(ジャパ ンエポキシレジン社製・「エピコート4275」 重量平均分子量6.0×10 4 )15.0重量部、をメチルエチルケトンに溶解、 散させた。さらに、(C)無機充填材として球 溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO-25R」 、平均粒径0.5μm)30.0重量部とカップリング剤0 .1重量部を添加して、高速攪拌装置を用いて1 0分間攪拌して、固形分50重量%の樹脂ワニス 調製した。

(比較例1)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパ 株式会社製、プリマセットPT-30)17.4重量部、 ポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型 ポキシ樹脂(日本化薬社製、NC-3000)14.0重量部 、フェノキシ樹脂としてビスフェノールA型 ポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹 との共重合体であり、末端部はエポキシ基 有しているフェノキシ樹脂(ジャパンエポキ シレジン社製・「エピコート4275」、重量平 分子量6.0×10 4 )3.5重量部、(B)硬化剤として硬化触媒(イミダ ール化合物(四国化成工業社製・「2-フェニ -4-メチルイミダゾール」))0.1重量部をメチ エチルケトンに溶解、分散させた。さらに (C)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマ ックス社製・「SO-25R」、平均粒径0.5μm)64.7 量部とカップリング剤(日本ユニカー社製、A 187)0.3重量部を添加して、高速攪拌装置を用 て10分間攪拌して、固形分50重量%の樹脂ワニ スを調製した。

(比較例2)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパ 株式会社製、プリマセットPT-30)12.3重量部、 ポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型 ポキシ樹脂(日本化薬社製、NC-3000H)9.9重量部 、フェノキシ樹脂としてビスフェノールA型 ポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹 との共重合体であり、末端部はエポキシ基 有しているフェノキシ樹脂(ジャパンエポキ シレジン社製・「エピコート4275」、重量平 分子量6.0×10 4 )2.4重量部、(B)硬化剤として硬化触媒(イミダ ール化合物(四国化成工業社製・「2-フェニ -4-メチルイミダゾール」))0.1重量部をメチ エチルケトンに溶解、分散させた。さらに (C)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマ ックス社製・「SO-25R」、平均粒径0.5μm)74.9 量部とカップリング剤(日本ユニカー社製、A 187)0.4重量部を添加して、高速攪拌装置を用 て10分間攪拌して、固形分50重量%の樹脂ワニ スを調製した。

(比較例3)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
 (A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレン メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 工業社製、EXA-7320)28.8重量部、(B)硬化剤とし 硬化触媒(イミダゾール化合物(四国化成工業 社製・「2-フェニル-4-メチルイミダゾール」) )0.8重量部をメチルエチルケトンに溶解、分 させた。さらに、(C)無機充填材として球状 融シリカ(アドマテックス社製・「SO-25R」、 均粒径0.5μm)70.0重量部とカップリング剤(日 ユニカー社製、A187)0.4重量部(を添加して、 速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、固形 50重量%の樹脂ワニスを調製した。

(比較例4)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例1と同様にプリプレグ、積層板、及び多層 リント配線板を作製した。
 (A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタレン メチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学 工業社製、EXA-7320)28.8重量部、(B)硬化剤とし 硬化触媒(イミダゾール化合物(四国化成工業 社製・「2-フェニル-4-メチルイミダゾール」) )0.8重量部をメチルエチルケトンに溶解、分 させた。さらに、(C)無機充填材として水酸 アルミニウム(昭和電工社製、HP-350)70.0重量 とカップリング剤(日本ユニカー社製、A187)0. 4重量部を添加して、高速攪拌装置を用いて10 分間攪拌して、固形分50重量%の樹脂ワニスを 調製した。

 各実施例および比較例で得られた樹脂組 物を用いて、以下の評価を行った。評価内 を項目と共に示す。得られた結果を表1に示 す。

1.熱膨張係数
厚さ0.2mmの積層板の銅箔を全面エッチングし 得られた積層板から4mm×20mmのテストピース 切り出し、TMAを用いて5℃/分の条件で、50℃ ~100℃での面方向の線膨張係数(平均線膨張係 )を測定し、予想通りの線膨張係数が得らた ことを確認した。

2.樹脂組成物の最低溶融粘度
得られたプリプレグを、粘弾性測定装置(ア トンパール社製、Physica MCRシリーズ)を用い 、昇温速度5℃/分で、周波数10Hzで測定した の、50℃~200℃における最低溶融粘度を測定 た。

3.積層板の成形性
得られた両面銅張り積層板を銅箔エッチング し、外観を観察し、無機成分と樹脂成分の分 離が見られるか否かを確認した。周辺部に見 られる無機成分と樹脂成分の分離由来のスジ の長さ平均が4mm未満のものを◎、4mm以上8mm未 満のものを○、8mm以上のものを×とした。

4.多層プリント配線板の成形性
得られた多層プリント配線板Aの中央部を切 出し、断面の観察を行った。埋め込み不十 であることによるボイドが1つ以上見られた 合は×、1つも確認できなかった場合は○と た。

5.半田耐熱性
得られた多層プリント配線板Bから50mm角にサ プルを切り出し、3/4エッチングし、PCT-2/121 理後、260℃の半田中に30秒浸漬させ、膨れ 有無を観察した。
6.難燃性
 UL-94規格に従い、積層板(厚さ1mm、プリプレ の両面に銅箔をプレス成形し、銅箔を両面 ッチングしたもの)のテストピースを垂直法 により測定した。
表1中V-0は、結果が良好であったものを示し いる。

 実施例1~15は、本発明の絶縁樹脂組成物を用 いたものであり評価全般にわたり良好であり 、積層板の銅箔エッチング後の成形不良もな く、良好な成形状態であった。一方、比較例 1は、メトキシナフタレンジメチレン型エポ シ樹脂を用いなかった例であるが、積層板 銅箔エッチング後の、周辺部が無機充填材 樹脂成分との分離が見られた。比較例2は、 融粘度の高い樹脂を用い、さらに処方も溶 粘度の高い例であるが、積層板の銅箔エッ ング後の外観において、無機成分と樹脂成 との分離は見られなかったものの、多層プ ント配線板の製造工程において内層回路を め込むことができず、成形不良があり、半 耐熱性試験において膨れが発生した。
 さらに、比較例3では、同程度の線膨張係数 である実施例11,12に比べ、最低溶融粘度が非 に高いものとなっている。そのため、実施 11,12に比べ、無機充填材を多く使用する必 があり、プレス成形を行う際の条件マージ が狭くなるという問題が発生した。
 同様に、比較例4においても、比較例3と同 の問題が発生した。

(実施例16)
1.絶縁樹脂シートの製造
 前記(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタ ンジメチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ 化学工業株式会社製、EXA-7320)35.0重量部、(B) 化剤として1-ベンジルー2-フェニルイミダゾ ル(四国化成工業社製、キュアゾール1B2PZ)0.2 重量部、フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシ ジン社製、jER4275)5.0重量部、ノボラック型シ アネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、 リマセットPT-30)20.0重量部、とを、メチルイ ブチルケトンに溶解、分散させた。さらに (C)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマ テックス社製・「SO-25R」、平均粒径0.5μm)39.6 量部とエポキシシランカップリング剤(GE東 シリコーン株式会社製、A-187)0.2重量部を高 撹拌装置を用いて10分間撹拌して、固形分50 重量%の樹脂ワニスを調製した。

 次に前記で得られた樹脂ワニスを、厚さ5 0μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィル ム(三菱ポリエステルフィルム社製、ダイア イルMRX-50)の片面に、コンマコーター装置を いて乾燥後の絶縁樹脂層が40μmとなるよう 塗工し、これを150℃の乾燥装置で10分間乾燥 して、絶縁樹脂シートを製造した。

2.多層プリント配線板Cの製造
 所定の内層回路パターンが表裏に形成され 内層回路基板に、前記で得られた絶縁樹脂 ートの絶縁樹脂層面を内側にして重ね合わ 、これを、真空加圧式ラミネーター装置を いて、温度100℃、圧力1MPaで真空加熱加圧成 形し、その後、熱風乾燥装置にて170℃で60分 加熱硬化を行い、多層プリント配線板Cを製 造した。
 なお、内層回路基板としては、下記の銅張 層板を使用した。
・絶縁樹脂層:ハロゲンフリー FR-4材、厚さ0. 4mm
・導体層:銅箔厚み18μm、L/S=120/180μm、クリア ンスホール1mmφ、3mmφ、スリット2mm

3.多層プリント配線板Dの製造
前記で得られた多層プリント配線板Cから基 を剥離し、炭酸レーザー装置を用いてφ60μm 開口部(ブラインド・ビアホール)を形成し 70℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、ス ェリングディップ セキュリガント P)に10分 間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウ 水溶液(アトテックジャパン社製、コンセン トレート コンパクト CP)に20分浸漬後、中和 して粗化処理を行った。次に脱脂、触媒付与 、活性化の工程を経た後、無電解銅メッキ皮 膜を約0.5μmの給電層を形成した。次にこの給 電層表面に、厚さ25μmの紫外線感光性ドライ ィルム(旭化成社製AQ-2558)をホットロールラ ネーターにより貼り合わせ、最小線幅/線間 が20/20μmのパターンが描画されたクロム蒸着 スク(トウワプロセス社製)を使用して、位 を合わせ、露光装置(ウシオ電機社製UX-1100SM- AJN01)にて露光、炭酸ソーダ水溶液にて現像し 、めっきレジストを形成した。

次に、給電層を電極として電解銅めっき(奥 製薬社製81-HL)を3A/dm 2 、30分間行って、厚さ約25μmの銅配線を形成 た。ここで2段階剥離機を用いて、前記めっ レジストを剥離した。各薬液は、1段階目の アルカリ水溶液層にはモノエタノールアミン 溶液(三菱ガス化学社製R-100)、2段階目の酸化 樹脂エッチング剤には過マンガン酸カリウ と水酸化ナトリウムを主成分とする水溶液( 日本マクダーミッド社製マキュダイザー9275 9276)、中和には酸性アミン水溶液(日本マク ーミッド社製マキュダイザー9279)をそれぞれ 用いた。

次に、給電層を過硫酸アンモニウム水溶液( ルテックス(株)製AD-485)に浸漬処理すること 、エッチング除去し、配線間の絶縁を確保 た。次に絶縁樹脂層を温度200℃時間60分で最 終硬化させ、最後に回路表面にソルダーレジ スト(太陽インキ社製PSR4000/AUS308)を形成し、 導体素子搭載するための接続用電極部等が 出するように、所定のマスクで露光し、現 、キュアを行い、回路上のソルダーレジス 層厚さが12μmとなるように形成した。
 次に、ソルダーレジスト層から露出した回 層上へ、無電解ニッケルめっき層3μmと、さ らにその上へ、無電解金めっき層0.1μmとから なるめっき層を形成し、多層プリント配線板 Dを得た。

4.半導体装置の製造
得られた多層プリント積層板Dを50mm×50mmサイ に切断し、厚さ0.75mm、15mm×15mmサイズの半導 体素子をフリップチップボンダー、リフロー 炉にて接合し、液状封止樹脂(住友ベークラ ト社製、CRP-4152S)を充填し、液状封止樹脂を 化させることで半導体装置を製造した。尚 液状封止樹脂の硬化条件は、温度150℃、120 の条件であった。

(実施例17)
 樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実 例16と同様に絶縁樹脂シート、多層プリン 配線板C、多層プリント配線板D及び半導体装 置を製造した。
 前記(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタ ンジメチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ 化学工業株式会社製、EXA-7320)3.0重量部、ビフ ェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬 式会社製、NC-3000)22.0重量部、(B)硬化剤とし 1-ベンジルー2-フェニルイミダゾール(四国化 成工業社製、キュアゾール1B2PZ)0.2重量部、フ ェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製 jER4275)10.0重量部、ノボラック型シアネート 脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセッ PT-30)25重量部とを、メチルイソブチルケト に溶解、分散させた。さらに、(C)無機充填 として球状溶融シリカ(アドマテックス社製 「SO-25R」、平均粒径0.5μm)39.6重量部とエポ シシランカップリング剤(GE東芝シリコーン 式会社製、A-187)0.2重量部を高速撹拌装置を いて10分間撹拌して、固形分50重量%の樹脂ワ ニスを調製した。

(実施例18)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例16と同様に絶縁樹脂シート、多層プリント 線板C、多層プリント配線板D及び半導体装 を製造した。
 前記(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタ ンジメチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ 化学工業株式会社製、EXA-7320)42.0重量部、(B) 化剤として1-ベンジルー2-フェニルイミダゾ ル(四国化成工業社製、キュアゾール1B2PZ)0.2 重量部、フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシ ジン社製、jER4275)8.0重量部、ノボラック型シ アネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、 リマセットPT-30)10.0重量部とを、メチルイソ チルケトンに溶解、分散させた。さらに、( C)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテ ックス社製・「SO-25R」、平均粒径0.5μm)39.6重 部とエポキシシランカップリング剤(GE東芝 リコーン株式会社製、A-187)0.2重量部を高速 拌装置を用いて10分間撹拌して、固形分50重 量%の樹脂ワニスを調製した。

(実施例19)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例16と同様に絶縁樹脂シート、多層プリント 線板C、多層プリント配線板D及び半導体装 を製造した。
 前記(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタ ンジメチレン型エポキシ樹脂として下記式 表されるエポキシ樹脂(大日本インキ化学工 業株式会社製、EXA-7320)2.0重量部、ビフェニル ジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬株式会 製、NC-3000)23.0重量部、(B)硬化剤として1-ベン ジルー2-フェニルイミダゾール(四国化成工業 社製、キュアゾール1B2PZ)0.2重量部、フェノキ シ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、jER4275) 10.0重量部、ノボラック型シアネート樹脂(ロ ザジャパン株式会社製、プリマセットPT-30)2 5.0重量部とを、メチルイソブチルケトンに溶 解、分散させた。さらに、(C)無機充填材とし て球状溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO -25R」、平均粒径0.5μm)39.6重量部とエポキシシ ランカップリング剤(GE東芝シリコーン株式会 社製、A-187)0.2重量部を高速撹拌装置を用いて 10分間撹拌して、固形分50重量%の樹脂ワニス 調製した。

(実施例20)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例16と同様に絶縁樹脂シート、多層プリント 線板C、多層プリント配線板D及び半導体装 を製造した。
 前記(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタ ンジメチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ 化学工業株式会社製、EXA-7320)45.0重量部、(B) 化剤として1-ベンジルー2-フェニルイミダゾ ル(四国化成工業社製、キュアゾール1B2PZ)0.2 重量部、フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシ ジン社製、jER4275)7.0重量部、ノボラック型シ アネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、 リマセットPT-30)8.0重量部とを、メチルイソ チルケトンに溶解、分散させた。さらに、(C )無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテ クス社製・「SO-25R」、平均粒径0.5μm)39.6重 部とエポキシシランカップリング剤(GE東芝 リコーン株式会社製、A-187)0.2重量部を高速 拌装置を用いて10分間撹拌して、固形分50重 %の樹脂ワニスを調製した。

(実施例21)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例16と同様に絶縁樹脂シート、多層プリント 線板C、多層プリント配線板D及び半導体装 を製造した。
 前記(A)エポキシ樹脂としてメトキシナフタ ンジメチレン型エポキシ樹脂(大日本インキ 化学工業株式会社製、EXA-7320)30.0重量部、(B) 化剤として1-ベンジルー2-フェニルイミダゾ ル(四国化成工業社製、キュアゾール1B2PZ)0.2 重量部、フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシ ジン社製、jER4275)15.0重量部、ノボラック型 アネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、 リマセットPT-30)15.0重量部とを、メチルイソ ブチルケトンに溶解、分散させた。さらに、 (C)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマ ックス社製・「SO-25R」、平均粒径0.5μm)39.6重 量部とエポキシシランカップリング剤(GE東芝 シリコーン株式会社製、A-187)0.2重量部を高速 撹拌装置を用いて10分間撹拌して、固形分50 量%の樹脂ワニスを調製した。

(比較例5)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例16と同様に絶縁樹脂シート、多層プリント 線板C、D及び半導体装置を製造した。
ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本 薬株式会社製、NC-3000)20.0重量部、(B)硬化促 剤として1-ベンジルー2-フェニルイミダゾー (四国化成工業社製、キュアゾール1B2PZ)0.2重 量部、フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレ ン社製、jER4275)15.0重量部、ノボラック型シ ネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プ マセットPT-30)25.0重量部とを、メチルイソブ チルケトンに溶解、分散させた。さらに、無 機充填材として球状溶融シリカ(アドマテッ ス社製・「SO-25R」、平均粒径0.5μm)39.6重量部 とエポキシシランカップリング剤(GE東芝シリ コーン株式会社製、A-187)0.2重量部を高速撹拌 装置を用いて10分間撹拌して、固形分50重量% 樹脂ワニスを調製した。

(比較例6)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例16と同様に絶縁樹脂シート、多層プリント 線板C,D及び半導体装置を製造した。
ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本 薬株式会社製、NC-3000)20.0重量部、(B)硬化促 剤として1-ベンジルー2-フェニルイミダゾー (四国化成工業社製、キュアゾール1B2PZ)0.2重 量部、ノボラック型シアネート樹脂(ロンザ ャパン株式会社製、プリマセットPT-30)40.0重 部とを、メチルイソブチルケトンに溶解、 散させた。さらに、無機充填材として球状 融シリカ(アドマテックス社製・「SO-25R」、 平均粒径0.5μm)39.6重量部とエポキシシランカ プリング剤(GE東芝シリコーン株式会社製、A -187)0.2重量部を高速撹拌装置を用いて10分間 拌して、固形分50重量%の樹脂ワニスを調製 た。

(比較例7)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例16と同様に絶縁樹脂シート、多層プリント 線板C,D及び半導体装置を製造した。
ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本 薬株式会社製、NC-3000)30.0重量部、(B)硬化促 剤として1-ベンジルー2-フェニルイミダゾー (四国化成工業社製、キュアゾール1B2PZ)0.2重 量部、フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレ ン社製、jER4275)2.0重量部、ノボラック型シア ネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プ マセットPT-30)28.0重量部とを、メチルイソブ ルケトンに溶解、分散させた。さらに、無 充填材として球状溶融シリカ(アドマテック ス社製・「SO-25R」、平均粒径0.5μm)39.6重量部 エポキシシランカップリング剤(GE東芝シリ ーン株式会社製、A-187)0.2重量部を高速撹拌 置を用いて10分間撹拌して、固形分50重量% 樹脂ワニスを調製した。

(比較例8)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例16と同様に絶縁樹脂シート、多層プリント 線板C,D及び半導体装置を製造した。
ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本 薬株式会社製、NC-3000)10.0重量部、硬化促進 として1-ベンジルー2-フェニルイミダゾール( 四国化成工業社製、キュアゾール1B2PZ)0.2重量 部、フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジ 社製、jER4275)5.0重量部、ノボラック型シアネ ート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリ セットPT-30)15.0重量部とを、メチルイソブチ ケトンに溶解、分散させた。さらに、無機 填材として球状溶融シリカ(アドマテックス 社製・「SO-25R」、平均粒径0.5μm)69.4重量部と ポキシシランカップリング剤(GE東芝シリコ ン株式会社製、A-187)0.4重量部を高速撹拌装 を用いて10分間撹拌して、固形分50重量%の 脂ワニスを調製した。

(比較例9)
樹脂ワニスを以下のようにした以外は、実施 例16と同様に絶縁樹脂シート、多層プリント 線板C,D及び半導体装置を製造した。
ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本 薬株式会社製、NC-3000、)59.6重量部、硬化促 剤として1-ベンジルー2-フェニルイミダゾー (四国化成工業社製、キュアゾール1B2PZ)0.4重 量部、フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレ ン社製、jER4275)20.0重量部、ノボラック型シ ネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プ マセットPT-30)20.0重量部とを、メチルイソブ チルケトンに溶解、分散させ、固形分50重量% の樹脂ワニスを調製した。

 実施例の絶縁樹脂シートの製造に用いた 脂組成物の配合組成、及び評価結果を表2に 、また比較例の樹脂組成物の配合組成、及び 評価結果を表3に示す。表中において、各配 量は「重量部」を示す。

評価方法は、以下の通りである。

(1)線膨張係数
  絶縁樹脂シート2枚の絶縁樹脂層側どうし 内側にして重ね合わせ、これを、真空プレ 装置を用いて圧力2MPa、温度200℃で2時間加 加圧成形を行った後、基材(PETフィルム)を剥 離除去して、樹脂硬化物を得た。得られた樹 脂硬化物から4mm×20mmの試験片を作製し、TMA( 機械的分析)装置(TAインスツルメント社製)を 用いて、10℃/分で昇温して測定した。
各符号は以下の通りである。
○ : 35ppm/℃未満(25℃‐100℃の範囲の線膨張 数(平均線膨張係数))
× : 35ppm/℃以上(25℃‐100℃の範囲の線膨張 数(平均線膨張係数))
(2)吸湿半田耐熱
多層プリント配線板Cから50mm×50mmに切り出し JIS C 6481に従い半面エッチングを行ってテ トピースを作成した。121℃のプレッシャー ッカーで2時間処理した後、260℃のはんだ槽 に銅箔面を下にして浮かべ、120秒後の外観異 常の有無を調べた。
○:異常なし
×:フクレあり

(3)成形ボイドの有無の観察
  多層プリント配線板Cの絶縁樹脂層を、目 にて成形ボイドの有無を観察した。
各符号は以下の通りである。
○:成形ボイドのないもの
×:成形ボイドが発生したもの
(4)成形性
 多層プリント配線板Cの絶縁樹脂層表面を、 目視にて無機成分と樹脂成分の分離由来のス ジが見られるか否かを確認した。
各符号は以下の通りである。
◎:スジの長さ平均が4mm未満のもの
○:4mm以上8mm未満のもの
×:8mm以上のもの
(5)表面粗さ(Ra)
 多層プリント配線板Dの製造工程における前 記粗化処理後基板において、非接触型三次元 光干渉式表面粗さ計により表面粗さ(Ra)を測 した。(日本ビーコ社製、WYKO NT1100)
各符号は以下の通りである。
○ : 0.7μm以下であるもの
× : 0.7μm以上であるもの
(6)クラック
 多層プリント配線板の粗化処理後基板表面 クラック(樹脂割れ)有無をSEM(走査型電子顕 鏡)にて観察し、またクラックがある場合は その深さをレーザー顕微鏡にて測定した。
○ : クラック 2μm未満であるもの
× : クラック 2μm以上であるもの
(7)めっきピール
  多層プリント配線板Dの製造工程において 多層プリント配線板の一部を抜き出し、絶 樹脂層に回路を形成後、回路と絶縁樹脂層 の間の引き剥がし強度をJIS  C-6481にもとづ いて測定した。
 ○:0.6kN/m以上であるもの
 ×:0.6kN/m未満であるもの

(8)熱衝撃試験
前記で製造した半導体装置をフロリナート中 で-55℃30分、125℃30分を1サイクルとして、1000 サイクル処理し、半導体装置にクラックが発 生していないか確認した。
○:異常なし
×:クラック発生

実施例16~21は、本発明の樹脂組成物を用いた のであり評価全般にわたり良好であり、粗 処理によって形成された表面凹凸の面内均 性も良好であった。従って、半導体装置の 衝撃試験等も良好な結果であったと推察す 。一方、比較例5~9は、メトキシナフタレン メチレン型エポキシ樹脂を用いない例であ が、比較例5~8については周辺部に無機充填 と樹脂成分との分離が見られ、粗化処理に って形成された表面凹凸の面内均一性も悪 した。よって半導体装置の熱衝撃試験の結 も好ましくなかったものと推察する。比較 9は無機充填材を用いない例であるが、粗化 処理による粗化が不十分になり、めっきピー ル測定において強度が低下し、また半導体装 置の熱衝撃試験の結果も好ましくなかった。
 なお、上記各実施例では、(D)のシアネート 脂として、ノボラック型シアネート樹脂を 用したが、他のシアネート樹脂を採用して 、同様の結果を得ることが可能である。