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Title:
EPOXY RESIN COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/038166
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an epoxy resin composition suitable for an insulating layer of a multilayer printed wiring board. This epoxy resin composition enables to obtain an insulating layer with excellent flame retardance, which insulating layer has a roughened surface exhibiting high adhesion to a plated conductor even though the roughness degree of the roughened surface after roughening treatment is relatively low. Specifically disclosed is an epoxy resin composition characterized by containing (A) an epoxy resin, (B) an epoxy curing agent, (C) a phenoxy resin and/or a polyvinyl acetal resin, and (D) a phosphorus-containing benzoxazine compound.

Inventors:
NAKAMURA SHIGEO (JP)
KAWAI KENJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/066965
Publication Date:
March 26, 2009
Filing Date:
September 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AJINOMOTO KK (JP)
NAKAMURA SHIGEO (JP)
KAWAI KENJI (JP)
International Classes:
C08J5/24; C08G59/40; C08L29/14; C08L63/00; C08L71/10; H05K3/38; H05K3/46
Domestic Patent References:
WO2008010429A12008-01-24
Foreign References:
JP2004528285A2004-09-16
JP2003011269A2003-01-15
JP2005272722A2005-10-06
JP2003012894A2003-01-15
JP2001181375A2001-07-03
JP2008037957A2008-02-21
Attorney, Agent or Firm:
TAKASHIMA, Hajime (1-1 Fushimimachi 4-chome, Chuo-ku,Osaka-sh, Osaka 44, JP)
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Claims:
(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ硬化剤、(C)フェノキシ樹脂及び/又はポリビニルアセタール樹脂、並びに(D)リン含有ベンゾオキサジン化合物を含有することを特徴とする、エポキシ樹脂組成物。
リン含有ベンゾオキサジン化合物が、下式(1)で表されるリン含有ベンゾオキサジン化合物である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
エポキシ硬化剤が、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤及び活性エステル系硬化剤から選択される1種以上からなるエポキシ硬化剤である、請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
エポキシ樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、成分(A)の含有量が10~50質量%、成分(C)の含有量が2~20質量%、および成分(D)の含有量が2~20質量%であり、エポキシ樹脂組成物中に存在する1のエポキシ基に対するエポキシ硬化剤の反応基の比率が1:0.5~1:1.1である、請求項1~3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
さらに無機充填材を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
エポキシ樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、無機充填材の含有量が10~60質量%である、請求項5記載のエポキシ樹脂組成物。
請求項1~6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物が支持フィルム上に層形成されている接着フィルム。
請求項1~6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物が繊維からなるシート状繊維基材中に含浸されていることを特徴とするプリプレグ。
請求項1~6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物により絶縁層が形成されている、多層プリント配線板。
内層回路基板上に絶縁層を形成する工程及び該絶縁層上に導体層を形成する工程を含む多層プリント配線板の製造方法であって、該絶縁層が、請求項1~6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を熱硬化して形成され、該導体層が、該絶縁層表面を粗化処理した粗化面にめっきにより形成されることを特徴とする、多層プリント配線板の製造方法。
内層回路基板上に絶縁層を形成する工程及び該絶縁層上に導体層を形成する工程を含む多層プリント配線板の製造方法であって、絶縁層形成工程、該絶縁層の粗面化工程、及び該粗面へのめっき工程を有し、絶縁層の形成工程が、請求項7記載の支持フィルム上に層形成されている接着フィルムを内層回路基板上にラミネートするステップと、エポキシ樹脂組成物を熱硬化するステップを有することを特徴とする、多層プリント配線板の製造方法。
内層回路基板上に絶縁層を形成する工程及び該絶縁層上に導体層を形成する工程を含む多層プリント配線板の製造方法であって、絶縁層が、請求項8記載のプリプレグを内層回路基板上にラミネートし、エポキシ樹脂組成物を熱硬化して形成され、該導体層が、該絶縁層表面を粗化処理した粗化面にめっきにより形成されることを特徴とする、多層プリント配線板の製造方法。
粗化処理が、アルカリ性過マンガン酸溶液を使用して行われる、請求項10~12のいずれか1項に記載の多層プリント配線板の製造方法。
Description:
エポキシ樹脂組成物

 本発明は、多層プリント配線板の絶縁層 成に好適な、エポキシ樹脂組成物に関する

 近年、電子機器の小型化、高性能化が進 、多層プリント配線板においては、ビルド ップ層が複層化され、配線の微細化及び高 度化も一層進んでいる。高密度の微細配線 形成するのに適した導体形成方法として、 縁層表面を粗化処理後、無電解めっきで導 層を形成するアディティブ法と、無電解め きと電解めっきで導体層を形成するセミア ィティブ法が知られている。これらの方法 おいては、絶縁層とめっき導体層との密着 は主に粗化処理によって形成された絶縁層 面の凹凸によって確保している。すなわち 絶縁層表面が凹凸を有することでめっき層 の間にアンカー効果が得られる。従って、 着力を高めるには、絶縁層表面の凹凸の程 (粗度)をより大きくすることが考えられる

 しかしながら、配線のさらなる高密度化 ためには絶縁層表面の粗度は小さいのが好 しい。即ち、無電解めっき、電解めっきに り導体層を形成後、フラッシュエッチング より薄膜のめっき層を取り除いて配線形成 完了させる際、絶縁層表面の粗度が大きい 、凹部に潜り込んだ導体層を取り除くため 長時間のフラッシュエッチングが必要とな 、フラッシュエッチングを長時間行うと、 の影響で微細配線が損傷または断線する危 性が高くなってしまう。従って、高信頼性 高密度配線を形成するためには、絶縁層表 には粗化処理後の粗度が小さくてもめっき 体との密着性に優れることが要求される。

 またさらに、多層プリント基板の絶縁材 は難燃性が必要とされ、特に近年は、環境 の配慮からノンハロゲン系の難燃剤が使用 れる傾向にある。ノンハロゲン系難燃剤の としては、リン系難燃剤が知られており、 えば特開2001-181375号公報には、リン含有エ キシ樹脂と、フェノール系硬化剤、特定の ェノキシ樹脂等を含むエポキシ樹脂組成物 、多層プリント配線板の絶縁層に使用した 合に、耐熱性、難燃性が高く、メッキによ 形成される導体層のピール強度に優れるこ が開示されている。しかしながら、同明細 の実施例に記載された粗化後絶縁層表面の 度は大きく、微細配線化に限界があった。

 また例えば特開2003-11269号公報には、フェ ノール性水酸基含有リン化合物を含有するエ ポキシ樹脂組成物が、銅箔付き絶縁材として 使用した場合に、絶縁性、耐熱性に優れるこ とが開示されている。しかしながら、本特許 文献においても、絶縁層として用いた場合に 、低粗度かつ高ピール強度が得られる樹脂組 成物は開示されておらず、またそのような課 題も提示されていない。

 本発明らは、上記のような事情に鑑みな れたもので、その解決しようとする課題は 多層プリント配線板の絶縁層としての使用 好適なエポキシ樹脂組成物であって、粗化 理後の粗化面の粗度が比較的小さいにもか わらず、該粗化面がめっき導体に対して高 密着力を示し、かつ難燃性に優れた絶縁層 達成し得るエポキシ樹脂組成物を提供する とである。

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭 研究した結果、エポキシ樹脂、エポキシ硬 剤、並びにフェノキシ樹脂及び/又はポリビ ニルアセタール樹脂と、リン含有ベンゾオキ サジン化合物を配合したエポキシ樹脂組成物 において、該エポキシ樹脂を硬化して得られ る硬化物を粗化処理すると、得られる粗化面 は粗度が比較的小さくてもめっき導体と高い 密着力で密着し得るものとなる上に、優れた 難燃性を有することを見出し、本発明を完成 するに至った。

 すなわち、本発明は以下の内容を含むもの ある。
[1](A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ硬化剤、(C)フ ェノキシ樹脂及び/又はポリビニルアセター 樹脂、並びに(D)リン含有ベンゾオキサジン 合物を含有することを特徴とする、エポキ 樹脂組成物。
[2]リン含有ベンゾオキサジン化合物が、下式 (1)で表されるリン含有ベンゾオキサジン化合 物である上記[1]記載のエポキシ樹脂組成物。

[3]エポキシ硬化剤が、フェノール系硬化剤、 ナフトール系硬化剤及び活性エステル系硬化 剤から選択される1種以上からなるエポキシ 化剤である、上記[1]又は[2]記載のエポキシ 脂組成物。
[4]エポキシ樹脂組成物の不揮発成分を100質量 %とした場合、成分(A)の含有量が10~50質量%、 分(C)の含有量が2~20質量%、および成分(D)の含 有量が2~20質量%であり、エポキシ樹脂組成物 に存在する1のエポキシ基に対するエポキシ 硬化剤の反応基の比率が1:0.5~1:1.1である、上 [1]~[3]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成 物。
[5]さらに無機充填材を含有する、上記[1]~[4] いずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
[6]エポキシ樹脂組成物の不揮発成分を100質量 %とした場合、無機充填材の含有量が10~60質量 %である、上記[5]記載のエポキシ樹脂組成物
[7]上記[1]~[6]のいずれかに記載のエポキシ樹 組成物が支持フィルム上に層形成されてい 接着フィルム。
[8]上記[1]~[6]のいずれかに記載のエポキシ樹 組成物が繊維からなるシート状繊維基材中 含浸されていることを特徴とするプリプレ 。
[9]上記[1]~[6]のいずれかに記載のエポキシ樹 組成物の硬化物により絶縁層が形成されて る、多層プリント配線板。
[10]内層回路基板上に絶縁層を形成する工程 び該絶縁層上に導体層を形成する工程を含 多層プリント配線板の製造方法であって、 絶縁層が、上記[1]~[6]のいずれかに記載のエ キシ樹脂組成物を熱硬化して形成され、該 体層が、該絶縁層表面を粗化処理した粗化 にめっきにより形成されることを特徴とす 、多層プリント配線板の製造方法。
[11]内層回路基板上に絶縁層を形成する工程 び該絶縁層上に導体層を形成する工程を含 多層プリント配線板の製造方法であって、 縁層形成工程、該絶縁層の粗面化工程、及 該粗面へのめっき工程を有し、絶縁層の形 工程が、上記[7]記載の支持フィルム上に層 成されている接着フィルムを内層回路基板 にラミネートするステップと、エポキシ樹 組成物を熱硬化するステップを有すること 特徴とする、多層プリント配線板の製造方 。
[12]内層回路基板上に絶縁層を形成する工程 び該絶縁層上に導体層を形成する工程を含 多層プリント配線板の製造方法であって、 縁層が、上記[8]記載のプリプレグを内層回 基板上にラミネートし、エポキシ樹脂組成 を熱硬化して形成され、該導体層が、該絶 層表面を粗化処理した粗化面にめっきによ 形成されることを特徴とする、多層プリン 配線板の製造方法。
[13]粗化処理が、アルカリ性過マンガン酸溶 を使用して行われる、上記[10]~[12]のいずれ に記載の多層プリント配線板の製造方法。

 本発明によれば、粗化処理後の粗化面の 度が比較的小さいにもかかわらず、めっき 形成される導体層との密着強度に優れ、優 た難燃性を有する絶縁層を、多層プリント 線板に導入することが可能となる。

[成分(A)のエポキシ樹脂]
 本発明における成分(A)のエポキシ樹脂は特 限定はされず、例えば、ビスフェノールA型 エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ 脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェ ールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチ -カテコール型エポキシ樹脂、ナフトール型 ポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、 リシジルアミン型エポキシ樹脂、クレゾー ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型 ポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂 式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、 ピロ環含有エポキシ樹脂、ハロゲン化エポ シ樹脂などが挙げられる。

 エポキシ樹脂は、これらの中でも、耐熱 、絶縁信頼性、金属膜との密着性の観点か 、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフト ール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ 樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ブタジエ ン構造を有するエポキシ樹脂が好ましい。具 体的には、例えば、液状ビスフェノールA型 ポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製 エピコート828EL」(「jER828EL」))、ナフタレン 2官能エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業( )製「HP4032」、「HP4032D])、ナフタレン型4官 エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 HP4700」)、ナフトール型エポキシ樹脂(東都化 成(株)製「ESN-475V」)、ブタジエン構造を有す エポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製「PB-3 600」)、ビフェニル構造を有するエポキシ樹 (日本化薬(株)製「NC3000H」、「NC3000L」、ジャ パンエポキシレジン(株)製「YX4000」)などが挙 げられる。

 エポキシ樹脂は1種を単独で用いても、2 以上を併用してもよいが、通常、1分子中に2 個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が 含有される。エポキシ樹脂組成物の不揮発成 分を100質量%とした場合に、少なくとも50質量 %以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有す るエポキシ樹脂であるのが好ましい。またさ らに、1分子中に2以上のエポキシ基を有し、 度20℃で液状の芳香族系エポキシ樹脂であ エポキシ樹脂、および1分子中に3以上エポキ シ基を有し、温度20℃で固体状の芳香族系エ キシ樹脂を含有する態様が好ましい。なお 本発明でいう芳香族系エポキシ樹脂とは、 の分子内に芳香環骨格を有するエポキシ樹 を意味する。またエポキシ当量(g/eq)は、エ キシ基1個当たりの分子量のことである。エ ポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂と固形 エポキシ樹脂を使用することで、エポキシ樹 脂組成物を接着フィルムの形態で使用する場 合に、十分な可撓性を示し、取扱い性に優れ た接着フィルムを形成できると同時に、エポ キシ樹脂組成物の硬化物の破断強度が向上し 、多層プリント配線板の耐久性が向上する。

 また、エポキシ樹脂として、液状エポキ 樹脂と固形エポキシ樹脂を併用する場合、 の配合割合(液状:固形)は質量比で1:0.3~1:2の 囲が好ましい。液状エポキシ樹脂の割合が かる範囲内であれば、エポキシ樹脂組成物 粘着性が高くなることもなく、接着フィル の形態で使用する場合に、真空ラミネート の脱気性が低下してボイドが発生しやすく ることもない。また真空ラミネート時に保 フィルムや支持フィルムの剥離性の低下や 硬化後の耐熱性が低下することもない。ま 、エポキシ樹脂組成物の硬化物において十 な破断強度が得られる。一方、固形エポキ 樹脂の割合がかかる範囲内であれば、接着 ィルムの形態で使用する場合に、十分な可 性が得られ、取り扱い性が良好であり、ラ ネートの際に十分な流動性が得られる。

 本発明のエポキシ樹脂組成物において、 ポキシ樹脂組成物の不揮発成分を100質量%と した場合、エポキシ樹脂の含有量は10~50質量% であるのが好ましく、より好ましくは20~40質 %であり、とりわけ好ましくは20~35質量%であ る。エポキシ樹脂(A)の含有量がこの範囲であ れば、樹脂組成物の硬化性が良好である。

[成分(B)のエポキシ硬化剤]
 本発明で使用するエポキシ硬化剤としては 本発明の効果を十分発揮する上で、フェノ ル系硬化剤、ナフトール系硬化剤及び活性 ステル系硬化剤から選択される1種以上から なるエポキシ硬化剤が好ましい。フェノール 系硬化剤、ナフトール系硬化剤としては、耐 熱性、耐水性の観点から、ノボラック構造を 有するフェノール系硬化剤やノボラック構造 を有するナフトール系硬化剤が特に好ましい 。かかるノボラック構造を有するフェノール 系硬化剤やノボラック構造を有するナフトー ル系硬化剤の市販品としては、例えば、MEH-77 00、MEH-7810、MEH-7851(明和化成(株)製)、NHN、CBN GPH(日本化薬(株)製)、SN170、SN180、SN190、SN475 SN485、SN495、SN375、SN395(東都化成(株)製)、LA705 2、LA7054(大日本インキ化学工業(株)製)等が挙 られる。活性エステル系硬化剤としては、E XB-9451、EXB-9460(大日本インキ化学工業(株)製) DC808(ジャパンエポキシレジン(株)製)、など 挙げられる。本発明において、硬化剤は1種 使用しても2種以上を併用してもよいが、特 に活性エステル系硬化剤は反応性に劣るため フェノール系硬化剤及び/又はナフトール系 化剤と併用するのが好ましい。

 本発明において、エポキシ樹脂組成物中 エポキシ硬化剤の量は、通常、エポキシ樹 組成物中に存在するエポキシ基の合計数に するエポキシ硬化剤の反応基の合計数の比 が、エポキシ基の合計数を1としたときに、 1:0.5~1:1.1となる量にするのが好ましく、当該 率が1:0.5~1:0.9となる量にするのがより好ま い。なおエポキシ樹脂組成物中に存在する ポキシ基の合計数とは、各エポキシ樹脂の 形分質量をエポキシ当量で除した値をすべ のエポキシ樹脂について合計した値であり エポキシ硬化剤の反応基(活性水酸基、活性 ステル基等)の合計数とは、各硬化剤の固形 分質量を反応基当量で除した値をすべての硬 化剤について合計した値である。硬化剤の含 有量をかかる好ましい範囲内にすることによ り、エポキシ樹脂組成物を硬化して得られる 硬化物の耐熱性が良好となる。

[成分(C)のフェノキシ樹脂及び/又はポリビニ アセタール樹脂]
 本発明では、フェノキシ樹脂及び/又はポリ ビニルアセタール樹脂は、接着フィルムに十 分な可撓性を付与すること、及び粗化性の調 整の目的で使用される。フェノキシ樹脂の具 体例としては東都化成(株)製FX280、FX293、ジャ パンエポキシレジン(株)製YX8100、YX6954、YL6974 が挙げられる。ポリビニルアセタール樹脂 特に限定されないが、ポリビニルブチラー 樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹 の具体例としては、電気化学工業(株)製、 化ブチラール4000-2、5000-A、6000-C、6000-EP、積 化学工業(株)製エスレックBHシリーズ、BXシ ーズ、KSシリーズ、BLシリーズ、BMシリーズ が挙げられる。

 当該ポリビニルアセタールはガラス転移 度が80℃以上のものが特に好ましい。ここ いう「ガラス転移温度」はJIS K 7197に記載 方法に従って決定される。なお、ガラス転 温度が分解温度よりも高く、実際にはガラ 転移温度が観測されない場合には、分解温 を本発明におけるガラス転移温度とみなす とができる。なお、分解温度とは、JIS K 712 0に記載の方法に従って測定したときの質量 少率が5%となる温度で定義される。

 本発明のエポキシ樹脂組成物において、 ポキシ樹脂組成物の不揮発成分を100質量%と した場合、当該フェノキシ樹脂及び/又はポ ビニルアセタール樹脂の含有量は2~20質量%の 範囲であることが好ましい。同範囲内にする ことにより、十分な可撓性が得られ、取り扱 い性も良好で、メッキにより形成された導体 層のピール強度が十分となる。また20質量%を 超えると、ラミネートの際の十分な流動性が 得られにくく、粗度が大きくなりすぎる傾向 がある。

[成分(D)のリン含有ベンゾオキサジン化合物]
 本発明で使用するリン含有ベンゾオキサジ 化合物としては、特に下式(1)で表されるリ 含有ベンゾオキサジン化合物が好ましい(WO/ 2008/010429参照)。

 本化合物はリンを含有しており、ハロゲン リーの難燃剤として機能する。また、エポ シ樹脂との反応性を有する。市販されてい ものとしては、昭和高分子(株)製のHF-BOZ06( (1)で表されるリン含有ベンゾオキサジン化 物のジオキソラン溶液)、HFB-2006M(式(1)で表さ れるリン含有ベンゾオキサジン化合物の1-メ キシ-2-プロパノール溶液)等が挙げられる。 本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポ キシ樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とし 場合、成分(D)の含有量が2~20質量%であるのが 好ましく、より好ましくは2~10質量%であり、 りわけ好ましくは3~6質量%である。成分(D)の 含有量を2~20質量%にすることにより、硬化物 難燃性と低吸湿性が向上する。

 本発明のエポキシ樹脂組成物は、熱膨張 を低下させる等の目的でさらに無機充填材 含有してもよい。無機充填材としては、例 ば、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タ ク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム 水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭 マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホ 素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウ 、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カル ウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビ マス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、 ルコン酸カルシウムなどが挙げられ、これ の中でも無定形シリカ、溶融シリカ、結晶 リカ、合成シリカ等のシリカが特に好適で る。シリカとしては球状のものが好ましい 無機充填材の平均粒径は1μm以下であるのが 好ましく、0.8μm以下がより好ましく、0.7μm以 下がとりわけ好ましい。平均粒径が1μmを超 る場合、メッキにより形成される導体層の ール強度が低下する傾向にある。なお、無 充填材の平均粒径が小さくなりすぎると、 ポキシ樹脂組成物を樹脂ワニスとした場合 、ワニスの粘度が上昇し、取り扱い性が低 する傾向にあるため、平均粒径は0.05μm以上 あるのが好ましい。なお、無機充填材は耐 性を向上させるため、エポキシシランカッ リング剤、アミノシランカップリング剤、 タネート系カップリング剤等の表面処理剤 表面処理してあるものが好ましい。

 上記無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散 理論に基づくレーザー回折・散乱法により 定することができる。具体的にはレーザー 折式粒度分布測定装置により、無機充填材 粒度分布を体積基準で作成し、そのメディ ン径を平均粒径とすることで測定すること できる。測定サンプルは、無機充填材を超 波により水中に分散させたものを好ましく 用することができる。レーザー回折式粒度 布測定装置としては、(株)堀場製作所製 LA-5 00等を使用することができる。

 当該無機充填材を配合する場合の、エポ シ樹脂組成物(不揮発成分100質量%)中の含有 は樹脂組成物に要求される特性によっても なるが、10~60質量%であるのが好ましく、15~5 0質量%がより好ましく、15~45質量%がとりわけ ましい。

 本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化物 機械強度を高める、応力緩和効果等の目的 固体状のゴム粒子を含有してもよい。本発 におけるゴム粒子は、エポキシ樹脂組成物 調製する際の有機溶媒にも溶解せず、エポ シ樹脂等の樹脂組成物中の成分とも相溶し いものである。従って、本発明におけるゴ 粒子はエポキシ樹脂組成物のワニス中では 散状態で存在する。このようなゴム粒子は 一般には、ゴム成分の分子量を有機溶剤や 脂に溶解しないレベルまで大きくし、粒子 とすることで調製される。ゴム粒子として 、例えば、コアシェル型ゴム粒子、架橋ア リルニトリルブタジエンゴム粒子、架橋ス レンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒 などが挙げられる。コアシェル型ゴム粒子 、粒子がコア層とシェル層を有するゴム粒 であり、例えば、外層のシェル層がガラス ポリマー、内層のコア層がゴム状ポリマー 構成される2層構造、または外層のシェル層 がガラス状ポリマー、中間層がゴム状ポリマ ー、コア層がガラス状ポリマーで構成される 3層構造のものなどが挙げられる。ガラス層 例えば、メタクリル酸メチルの重合物など 構成され、ゴム状ポリマー層は例えば、ブ ルアクリレート重合物(ブチルゴム)などで構 成される。コアシェル型ゴム粒子の具体例と しては、スタフィロイドAC3832、AC3816N、(ガン 化成(株)商品名)、メタブレンKW-4426(三菱レ ヨン(株)商品名)が挙げられる。アクリロニ リルブタジエンゴム(NBR)粒子の具体例として は、XER-91(平均粒径0.5μm、JSR(株)製)などが挙 られる。スチレンブタジエンゴム(SBR)粒子の 具体例としては、XSK-500(平均粒径0.5μm、JSR(株 )製)などが挙げられる。アクリルゴム粒子の 体例としては、メタブレンW300A(平均粒径0.1 m)、W450A(平均粒径0.5μm)(三菱レイヨン(株)製) 挙げることができる。

 配合するゴム粒子の平均粒径は0.005~1μmの 範囲が好ましく、0.2~0.6μmの範囲がより好ま い。本発明におけるゴム粒子の平均粒径は 動的光散乱法を用いて測定することが出来 。例えば、適当な有機溶剤にゴム粒子を超 波などにより均一に分散させ、FPRA-1000(大塚 子(株)製)を用いて、ゴム粒子の粒度分布を 量基準で作成し、そのメディアン径を平均 径とすることで測定することができる。

 当該ゴム粒子を配合する場合の、エポキ 樹脂組成物(不揮発分100質量%)中の含有量は 1~10質量%であるのが好ましく、2~5質量%がよ 好ましい。

 本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化時 を調整する等の目的で硬化促進剤を含有し もよい。硬化促進剤としては、例えば、有 ホスフィン化合物、イミダゾール化合物、 ミンアダクト化合物、3級アミン化合物など が挙げられる。有機ホスフィン化合物の具体 例としては、トリフェニルホスフィン(商品 TPP)、テトラフェニルホスホニウムテトラフ ニルボレート(商品名TPP-K)、トリフェニルホ スフィントリフェニルボラン(商品名TPP-S)、 リ-p-トリルホスフィン(TPTP-S)以上、北興化学 工業(株)製、などが挙げられる。イミダゾー 化合物の具体例としては、2-メチルイミダ ール(商品名キュアゾール2MZ)、2-エチル-4-メ ルイミダゾール(商品名2E4MZ)、2-ウンデシル ミダゾール(商品名C11Z)、1-シアノエチル-2- ンデシルイミダゾール(商品名C11Z-CN)、1-シア ノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメ リテイト(商品名C11Z-CNS)、2,4-ジアミノ-6-[2’- ンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリ ジン(商品名C11Z-A)、2MZ-OK、2,4-ジアミノ-6-[2 -メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリア ンイソシアヌル酸付加物(商品名2MA-OK、2-フ ニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール( 品名2PHZ)以上、四国化成工業(株)製、などが 挙げられる。アミンアダクト化合物の具体例 としては、ノバキュア(旭化成工業(株)商品名 )、フジキュア(富士化成工業(株)商品名)など 挙げられる。3級アミン化合物の具体例とし ては、DBU(1,8-diazabicyelo[5,4,0]undec-7-ene)などが挙 げられる。本発明のエポキシ樹脂組成物にお いて、硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂 組成物中に含まれるエポキシ樹脂とフェノー ル性硬化剤の総量を100質量%(不揮発分)とした 場合、通常0.1~5質量%の範囲で使用される。

 本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明 硬化を損なわない範囲で(D)成分以外の難燃 を含有しても良い。難燃剤としては、例え 、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン 合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、 属水酸化物等が挙げられる。

 本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明 効果が発揮される範囲で、上述した以外の の樹脂を含有しても良い。他の樹脂として 、シアネートエステル樹脂、ポリイミド樹 、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルス ホン樹脂、ポリスルホン樹脂等が挙げられ 。

 本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明 効果が発揮される範囲で、上述した以外の の樹脂添加剤を含有しても良い。樹脂添加 としては、例えばシリコンパウダー、ナイ ンパウダー、フッ素パウダー等の有機充填 、オルベン、ベントン等の増粘剤、シリコ ン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレ リング剤、イミダゾール系、チアゾール系 トリアゾール系、シランカップリング剤等 密着性付与剤、フタロシアニン・ブルー、 タロシアニン・グリーン、アイオジン・グ ーン、ジスアゾイエロー、カーボンブラッ 等の着色剤等を挙げることができる。

 本発明の樹脂組成物は、支持フィルム上 塗布し樹脂組成物層を形成させて多層プリ ト配線板用の接着フィルムとするか、また 繊維からなるシート状繊維基材中に該樹脂 成物を含浸させて多層プリント配線板の層 絶縁層用のプリプレグとすることができる 本発明の樹脂組成物は回路基板に塗布して 縁層を形成することもできるが、工業的に 、一般に、接着フィルムまたはプリプレグ 形態として絶縁層形成に用いられる。

 本発明の接着フィルムは、当業者に公知 方法、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶 した樹脂ワニスを調製し、支持フィルムを 持体として、この樹脂ワニスを塗布し、更 加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機 剤を乾燥させて樹脂組成物層を形成させる とにより製造することができる。

 有機溶剤としては、例えば、アセトン、 チルエチルケトン、シクロヘキサノン等の トン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソ ブアセテート、プロピレングリコールモノ チルエーテルアセテート、カルビトールア テート等の酢酸エステル類、セロソルブ、 チルカルビトール等のカルビトール類、ト エン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジ チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド N-メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を げることができる。有機溶剤は1種を使用し も2種以上を組み合わせて用いてもよい。

 乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組 物層への有機溶剤の含有割合が通常10質量% 下、好ましくは5質量%以下となるように乾 させる。乾燥条件は、簡単な実験により適 、好適な乾燥条件を設定することができる ワニス中の有機溶媒量によっても異なるが 例えば30~60質量%の有機溶剤を含むワニスを50 ~150℃で3~10分程度乾燥させることができる。

 接着フィルムにおいて形成される樹脂組 物層の厚さは、通常、導体層の厚さ以上と る。回路基板が有する導体層の厚さは通常5 ~70μmの範囲であるので、樹脂組成物層の厚さ は10~100μmの厚みを有するのが好ましい。樹脂 組成物層は、後述する保護フィルムで保護さ れていてもよい。保護フィルムで保護するこ とにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付 着やキズを防止することができる。

 本発明における支持フィルム及び保護フ ルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピ ン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィンの ィルム、ポリエチレンテレフタレート(以下 「PET」と略称することがある。)、ポリエチ ンナフタレート等のポリエステルのフィル 、ポリカーボネートフィルム、ポリイミド ィルム、更には離型紙や銅箔、アルミニウ 箔等の金属箔などを挙げることができる。 お、支持フィルム及び保護フィルムはマッ 処理、コロナ処理の他、離型処理を施して ってもよい。

 支持フィルムの厚さは特に限定されない 、通常10~150μmであり、好ましくは25~50μmの 囲で用いられる。また保護フィルムの厚さ 特に制限されないが、通常1~40μm、好ましく 10~30μmの範囲で用いられる。なお、後述す ように、接着フィルムの製造工程で支持体 して用いる支持フィルムを、樹脂組成物層 面を保護する保護フィルムとして使用する ともできる。

 本発明における支持フィルムは、回路基 にラミネートした後に、或いは加熱硬化す ことにより絶縁層を形成した後に、剥離さ る。接着フィルムを加熱硬化した後に支持 ィルムを剥離すれば、硬化工程でのゴミ等 付着を防ぐことができ、また硬化後の絶縁 の表面平滑性を向上させることができる。 化後に剥離する場合、通常、支持フィルム は予め離型処理が施される。なお、支持フ ルム上に形成される樹脂組成物層は、層の 積が支持フィルムの面積より小さくなるよ に形成するのが好ましい。また接着フィル は、ロール状に巻き取って、保存、貯蔵す ことができる。

 次に、本発明の接着フィルムを用いて本 明の多層プリント配線板を製造する方法に いて説明する。樹脂組成物層が保護フィル で保護されている場合はこれらを剥離した 、樹脂組成物層を回路基板に直接接するよ に、回路基板の片面又は両面にラミネート る。本発明の接着フィルムにおいては真空 ミネート法により減圧下で回路基板にラミ ートする方法が好適に用いられる。ラミネ トの方法はバッチ式であってもロールでの 続式であってもよい。またラミネートを行 前に接着フィルム及び回路基板を必要によ 加熱(プレヒート)しておいてもよい。

 ラミネートの条件は、圧着温度(ラミネート 温度)を好ましくは70~140℃、圧着圧力を好ま くは1~11kgf/cm 2 (9.8×10 4 ~107.9×10 4 N/m 2 )とし、空気圧が20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下で ミネートするのが好ましい。

 真空ラミネートは市販の真空ラミネータ を使用して行うことができる。市販の真空 ミネーターとしては、例えば、ニチゴー・ ートン(株)製 バキュームアップリケーター 、(株)名機製作所製 真空加圧式ラミネータ 、(株)日立インダストリイズ製 ロール式ド イコータ、日立エーアイーシー(株)製真空 ミネーター等を挙げることができる。

 本発明における内層回路基板とは、主と て、ガラスエポキシ、金属基板、ポリエス ル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、 硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基 の片面又は両面にパターン加工された導体 (回路)が形成されたものをいう。また導体層 と絶縁層が交互に層形成され、片面又は両面 がパターン加工された導体層(回路)となって る、多層プリント配線板を製造する際に、 らに絶縁層および導体層が形成されるべき 間製造物も本発明における内層回路基板に まれる。内層回路基板において、導体回路 表面は黒化処理等により予め粗化処理が施 れていた方が絶縁層の内層回路基板への密 性の観点から好ましい。

 このように接着フィルムを回路基板にラ ネートした後、支持フィルムを剥離する場 は剥離し、熱硬化することにより回路基板 絶縁層を形成することができる。加熱硬化 条件は150℃~220℃で20分~180分の範囲で選択さ れ、より好ましくは160℃~200℃で30~120分であ 。

 絶縁層を形成した後、硬化前に支持フィ ムを剥離しなかった場合は、ここで剥離す 。次に回路基板上に形成された絶縁層に穴 けを行いビアホール、スルーホールを形成 る。穴あけは例えば、ドリル、レーザー、 ラズマ等の公知の方法により、また必要に りこれらの方法を組み合わせて行うことが きるが、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等 レーザーによる穴あけがもっとも一般的な 法である。

 次いで、絶縁層表面に粗化処理を行う。 発明における粗化処理は通常、酸化剤を使 した湿式粗化方法で行うのが好ましい。酸 剤としては、過マンガン酸塩(過マンガン酸 カリウム、過マンガン酸ナトリウム等)、重 ロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸 が挙げられる。好ましくはビルトアップ工 による多層プリント配線板の製造における 縁層の粗化に汎用されている酸化剤である アルカリ性過マンガン酸溶液(例えば過マン ガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウムの 水酸化ナトリウム水溶液)を用いて粗化を行 のが好ましい。

 絶縁層表面を粗化処理した粗化面の粗度 、微細配線を形成する上で、Ra値で0.5μm以 であるのが好ましい。なお、Ra値とは、表面 粗さを表す数値の一種であり、算術平均粗さ と呼ばれるものであって、具体的には測定領 域内で変化する高さの絶対値を平均ラインで ある表面から測定して算術平均したものであ る。例えば、ビーコインスツルメンツ社製WYK O NT3300を用いて、VSIコンタクトモード、50倍 ンズにより測定範囲を121μm×92μmとして得ら れる数値により求めることができる。

 次に、粗化処理により凸凹のアンカーが 成された樹脂組成物層表面に、無電解メッ と電解メッキを組み合わせた方法で導体層 形成する。また導体層とは逆パターンのメ キレジストを形成し、無電解メッキのみで 体層を形成することもできる。なお導体層 成後、150~200℃で20~90分アニール(anneal)処理 ることにより、導体層のピール強度をさら 向上、安定化させることができる。導体層 ピール強度は、0.6kgf/cm以上であるのが好ま い。

 また、導体層をパターン加工し回路形成 る方法としては、例えば当業者に公知の、 ブトラクティブ法(全面に銅箔を張られた基 板から、不要な部分を取り除いて回路を形成 する方法)や、セミアディディブ法(絶縁体基 に回路パターンを後から付け加える方法)な どを用いることができる。

 本発明のプリプレグは、本発明の樹脂組 物を繊維からなるシート状繊維基材にホッ メルト法又はソルベント法により含浸させ 加熱により半硬化させることにより製造す ことができる。すなわち、本発明の樹脂組 物が繊維からなるシート状繊維基材に含浸 た状態となるプリプレグとすることができ 。

 繊維からなるシート状繊維基材としては 例えばガラスクロスやアラミド繊維等、プ プレグ用繊維として常用されているものを いることができる。

 ホットメルト法は、樹脂を有機溶剤に溶 することなく、樹脂を樹脂と剥離性の良い 工紙に一旦コーティングし、それをシート 繊維基材にラミネートする、あるいはダイ ーターにより直接塗工するなどして、プリ レグを製造する方法である。またソルベン 法は、接着フィルムと同様、樹脂を有機溶 に溶解した樹脂ワニスにシート状繊維基材 浸漬し、樹脂ワニスをシート状繊維基材に 浸させ、その後乾燥させる方法である。

 次に本発明のプリプレグを用いて本発明の 層プリント配線板を製造する方法について 明する。回路基板に本発明のプリプレグを1 枚あるいは必要により数枚重ね、離型フィル ムを介して金属プレートを挟み加圧・加熱条 件下でプレス積層する。圧力は好ましくは5~4 0kgf/cm 2 (49×10 4 ~392×10 4 N/m 2 )、好ましくは、温度は120~200℃で、時間は20~1 00分の範囲で成型するのが好ましい。また接 フィルムと同様に真空ラミネート法により 路基板にラミネートした後、加熱硬化する とによっても製造可能である。その後、前 の方法と同様、酸化剤により硬化したプリ レグ表面を粗化した後、導体層をメッキに り形成することで、多層プリント配線板を 造することができる。

 以下、実施例及び比較例を用いて本発明を り詳細に説明するが、これらは本発明をい なる意味においても制限するものではない なお、以下の記載において、「部」は「質 部」を意味する。
<実施例1>

 液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポ シ当量180、ジャパンエポキシレジン(株)製「 エピコート828EL」)30部と、ビフェニル型エポ シ樹脂(エポキシ当量291、日本化薬(株)製「N C3000H」)30部とをメチルエチルケトン(以下「ME K」と略称する。)15部、シクロヘキサノン15部 に撹拌しながら加熱溶解させた。そこへ、ナ フトール系硬化剤(東都化成(株)製「SN485」、 ェノール性水酸基当量215)の固形分50%のMEK溶 液100部、硬化触媒(四国化成工業(株)製、「2E4 MZ」)0.1部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、アミ シラン処理付「SO-C2」(株)アドマテックス製) 70部、ポリビニルブチラール樹脂溶液(ガラス 転移温度105℃、積水化学工業(株)製「KS-1」) 固形分15%のエタノールとトルエンの1:1溶液)2 0部、フェノキシ樹脂(分子量38,000、ジャパン ポキシレジン(株)製「YX6954」不揮発分30質量 %のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)20部、式(1 )で表されるリン含有ベンゾオキサジン(昭和 分子(株)製HF-BOZ06、固形分65%のジオキソラン 溶液)8部を混合し、高速回転ミキサーで均一 分散して、樹脂ワニスを作製した。次に、 かる樹脂ワニスをポリエチレンテレフタレ トフィルム(厚さ38μm)上に、乾燥後の樹脂厚 みが40μmとなるようにダイコーターにて塗布 、80~120℃(平均100℃)で6分間乾燥した(残留溶 媒量約2質量%)。次いで樹脂組成物の表面に厚 さ15μmのポリプロピレンフィルムを貼り合わ ながらロール状に巻き取った。ロール状の 着フィルムを幅507mmにスリット(slit)し、こ より507×336mmサイズのシート状の接着フィル を得た。
<実施例2>

 液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エ キシ当量180、ジャパンエポキシレジン(株)製 「エピコート828EL」)30部と、ビフェニル型エ キシ樹脂(エポキシ当量291、日本化薬(株)製 NC3000H」)30部とをMEK15部、シクロヘキサノン1 5部に撹拌しながら加熱溶解させた。そこへ ナフトール系硬化剤(東都化成(株)製「SN485」 、フェノール性水酸基当量215)の固形分50%のME K溶液80部、活性エステル系硬化剤(大日本イ キ化学工業(株)製「EXB9451」、活性基当量223 固形分が65質量%のトルエン溶液)15部、硬化 媒(四国化成工業(株)製、「2E4MZ」)0.1部、球 シリカ(平均粒径0.5μm、アミノシラン処理付 SO-C2」(株)アドマテックス製)70部、ポリビニ ルブチラール樹脂溶液(ガラス転移温度105℃ 積水化学工業(株)製「KS-1」)を固形分15%のエ ノールとトルエンの1:1溶液)20部、フェノキ 樹脂(分子量38,000、ジャパンエポキシレジン (株)製「YX6954」不揮発分30質量%のMEKとシクロ キサノンの1:1溶液)20部、式(1)で表されるリ 含有ベンゾオキサジン(昭和高分子(株)製HF-B OZ06、固形分65%のジオキソラン溶液)15部を混 し、高速回転ミキサーで均一に分散して、 脂ワニスを作製した。次に、かかる樹脂ワ スを使用し、実施例1と全く同様にして接着 ィルムを得た。

<比較例1>
 実施例1記載の樹脂ワニスにおいて、リン含 有ベンゾオキサジン(昭和高分子(株)製HF-BOZ06 固形分65%のジオキソラン溶液)8部を添加し い以外は、全く同様にして、接着フィルム 得た。

<比較例2>
 液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポ シ当量180、ジャパンエポキシレジン(株)製「 エピコート828EL」)30部と、リン含有エポキシ 脂(エポキシ当量306、東都化成(株)製「FX289 )30部とをMEK15部、シクロヘキサノン15部に撹 しながら加熱溶解させた。そこへ、ナフト ル系硬化剤(東都化成(株)製「SN-485」、フェ ール性水酸基当量215)の固形分50%のMEK溶液100 部、硬化触媒(四国化成工業(株)製、「2E4MZ」) 0.1部、球形シリカ(平均粒径0.5μm、アミノシ ン処理付「SO-C2」(株)アドマテックス製)70部 ポリビニルブチラール樹脂溶液(ガラス転移 温度105℃、積水化学工業(株)製「KS-1」)を固 分15%のエタノールとトルエンの1:1溶液)20部 フェノキシ樹脂(分子量38,000、ジャパンエポ シレジン(株)製「YX6954」不揮発分30質量%のME Kとシクロヘキサノンの1:1溶液)20部を混合し 高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂 ニスを作製した。次に、かかる樹脂ワニス 使用し、実施例1と全く同様にして接着フィ ムを得た。

<比較例3>
 実施例1記載の樹脂ワニスにおいて、リン含 有ベンゾオキサジン(昭和高分子(株)製HF-BOZ06 固形分65%のジオキソラン溶液)8部を、リン 難燃剤(三光(株)製HCA-HQ-HS)8部に変更する以外 は全く同様にして、接着フィルムを得た。

<ピール強度およびRa値測定用サンプルの調 製>
(1)積層板の下地処理
 内層回路を形成したガラス布基材エポキシ 脂両面銅張積層板[銅箔の厚さ18μm、基板厚 0.3mm、松下電工(株)製R5715ES]の両面を有機酸 エッチング剤(メック(株)製、CZ8100)に浸漬し て銅表面の粗化処理をおこなった。

(2)接着フィルムのラミネート
 実施例及び比較例で作成した接着フィルム 、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP-500(名 (株)商品名)を用いて、積層板の両面にラミ ートした。ラミネートは、30秒間減圧して 圧を13hPa以下とし、その後30秒間、100℃、圧 0.74MPaでプレスすることにより行った。

(3)樹脂組成物の硬化
 ラミネートされた接着フィルムからPETフィ ムを剥離し、180℃、30分の硬化条件で樹脂 成物を硬化した。

(4)粗化処理
 積層板を、膨潤液である、アトテックジャ ン(株)のジエチレングリコールモノブチル ーテル含有のスエリングディップ・セキュ ガンドPに浸漬し、次に粗化液として、アト ックジャパン(株)のコンセントレート・コ パクトP(KMnO 4 :60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液)に浸漬、最後に中和 として、アトテックジャパン(株)のリダク ョンショリューシン・セキュリガントPに40 で5分間浸漬した。粗化条件:膨潤液に60℃で5 分間浸漬、粗化液に80℃で20分間浸漬した。 の粗化処理後の積層板について、表面粗度(R a値)の測定を行った。

(5)セミアディティブ工法によるメッキ
 絶縁層表面に回路を形成するために、積層 を、PdCl 2 を含む無電解メッキ用溶液に浸漬し、次に無 電解銅メッキ液に浸漬した。150℃にて30分間 熱してアニール処理を行った後に、エッチ グレジストを形成し、エッチングによるパ ーン形成の後に、硫酸銅電解メッキを行い 30±5μmの厚さで導体層を形成した。次に、 ニール処理を180℃にて60分間行った。この積 層板についてメッキ銅のピール強度の測定を 行った。

<メッキ導体層の引き剥がし強さ(ピール強 )の測定>
 積層板の導体層に、幅10mm、長さ100mmの部分 切込みをいれ、この一端を剥がしてつかみ で掴み、室温中にて、50mm/分の速度で、積 板に対して略垂直方向に35mmを引き剥がした の荷重を測定した。

<粗化後の表面粗度(Ra値)の測定>
 非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメン ツ社製WYKO NT3300)を用いて、VSIコンタクトモ ド、50倍レンズにより測定範囲を121μm×92μm して得られる数値によりRa値を求めた。また 10点の平均粗度を求めることにより測定した

<難燃性試験用サンプルの調製>
(1)積層板の下地処理
 ガラス布基材エポキシ樹脂積層板[銅箔エッ チアウト品、基板厚み0.3mm、松下電工(株)製R5 715ES]の両面に実施例及び比較例で作成した接 着フィルムを、バッチ式真空加圧ラミネータ ーMVLP-500(名機(株)商品名)を用いて、積層板の 両面にラミネートした。ラミネートは、30秒 減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間 、100℃、圧力0.74Mpaでプレスすることにより った。ラミネートされた接着フィルムからPE Tフィルムを剥離した後、その上に同接着フ ルムを、同条件にてさらに2回ラミネートし 。

(2)樹脂組成物の硬化
 最後にラミネートされた接着フィルムからP ETフィルムを剥離し、180℃、90分の硬化条件 樹脂組成物を硬化させた。その後、UL難燃性 の試験用として12.7mm×127mmのサイズに切断し 端面をサンドペーパー(最初に#1200、その後 #2800)にて研磨し、基材厚み0.3mm、片側に絶縁 層120μmが積層された燃焼性試験用テストピー スを作製した。その後、UL耐炎性試験規格に って、94V0又は94V1の評価を行った。

 実施例及び比較例で得られた接着フィル を使用した評価サンプルのメッキ導体層の ール強度及び粗化後の表面粗度(Ra値)の結果 について下記の表1に記載した。表1から明ら なように、本発明におけるリン含有ベンゾ キサジン化合物を使用した実施例の評価サ プルは、低粗度かつ高ピール強度であり、 燃性はV0と優れていた。また、リン含有ベ ゾオキサジン化合物を使用しない比較例1の 合は、ピール強度は比較的高いものの、難 性に劣り、粗度も大きくなる結果となった さらに、本発明におけるリン含有ベンゾオ サジン化合物の代わりに別のリン含有化合 を使用した比較例2、3の場合、難燃性は同 で、ピール強度も比較的高いものの、その うに高いピール強度を得るためには、粗度 大きくなる結果となった。

 本発明の樹脂組成物、該樹脂組成物によ 調製される接着フィルムおよびプリプレグ 、多層プリント配線板、特にビルドアップ 式で製造される多層プリント配線板の層間 縁材料として好適に使用される。

 本出願は、日本で出願された特願2007-24580 1を基礎としており、その内容は本明細書に て包含されるものである。