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Patent Searching and Data


Title:
ETCHANT AND ETCHING PROCESS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026542
Kind Code:
A1
Abstract:
In a substrate to be etched wherein gold and a noble metal element having an ionization potential lower than that of gold are in contact with each other, the invention aims at etching the noble metal element selectively. (1) The invention relates to an etchant which is to be used for a substrate wherein gold and a noble metal having an ionization potential lower than that of gold are in contact with each other and enables selective etching of the noble metal element and which comprises iodine, an iodide salt and water and has a iodide salt/iodine molar concentration ratio of 9.5 or above; and (2) only in a case wherein gold and a noble metal element having an ionization potential lower than that of gold are in contact with each other, the noble metal can be selectively etched by using an etchant which comprises iodine, an iodide salt and water and has an adjusted iodide salt/iodine molar ratio, while the gold is little etched.

Inventors:
SAITOU NORIYUKI (JP)
ISHIKAWA MAKOTO (JP)
KATSUKI TAKANOBU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/066553
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 27, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI CHEM CORP (JP)
SAITOU NORIYUKI (JP)
ISHIKAWA MAKOTO (JP)
KATSUKI TAKANOBU (JP)
International Classes:
C23F1/30; C23F1/44; H01L21/308
Foreign References:
JP2003229420A2003-08-15
JP2003109949A2003-04-11
JPS63176483A1988-07-20
JPH03140476A1991-06-14
JPS5816074A1983-01-29
JPS5881973A1983-05-17
Attorney, Agent or Firm:
SHIGENO, Tsuyoshi (9F 5-10, Shinjuku 2-chome, Shinjuku-k, Tokyo 22, JP)
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Claims:
 金と金よりイオン化電位の低い貴金属元素とが互いに接触してなるエッチング対象物の金よりイオン化電位の低い貴金属元素を選択的にエッチングするためのエッチング液であって、ヨウ素、ヨウ化物塩及び水を含み、ヨウ素に対するヨウ化物塩のモル濃度比率が9.5以上であることを特徴とする、エッチング液。
 前記金よりイオン化電位の低い貴金属元素がパラジウムである、請求項1に記載のエッチング液。
 前記エッチング液のヨウ素に対するヨウ化物塩のモル濃度比率が15以下である、請求項1に記載のエッチング液。
 前記ヨウ化物塩がヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム及びヨウ化アンモニウムよりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載のエッチング液。
 前記エッチング液が更にアルコールを含む、請求項1に記載のエッチング液。
 前記アルコールが炭素数1~4のアルコールである、請求項5に記載のエッチング液。
 前記アルコールが1価のアルコールである、請求項5に記載のエッチング液。
 前記アルコールがメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びジエチレングリコールよりなる群から選ばれる1種以上である、請求項5に記載のエッチング液。
 ヨウ素、ヨウ化物塩及び水を含むエッチング液を用いる貴金属元素のエッチング方法であって、ヨウ素に対するヨウ化物塩濃度を調整することにより、金と金よりイオン化電位の低い貴金属元素とが互いに接触してなるエッチング対象物の金よりイオン化電位の低い貴金属元素を選択的にエッチングすることを特徴とするエッチング方法。
 金と金よりイオン化電位の低い貴金属元素とが互いに接触してなるエッチング対象物の金よりイオン化電位の低い貴金属元素を選択的にエッチングする方法であって、ヨウ素、ヨウ化物塩及び水を含み、ヨウ素に対するヨウ化物塩のモル濃度比率が9.5以上であるエッチング液を用いてエッチングを行うことを特徴とする、エッチング方法。
 前記金よりイオン化電位の低い貴金属元素がパラジウムである、請求項9又は10に記載のエッチング方法。
 前記エッチング液のヨウ素に対するヨウ化物塩のモル濃度比率が15以下である、請求項10に記載のエッチング方法。
 前記ヨウ化物塩がヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム及びヨウ化アンモニウムよりなる群から選ばれる1種以上である、請求項9又は10に記載のエッチング方法。
 前記エッチング液が更にアルコールを含む、請求項9又は10に記載のエッチング方法。
 前記アルコールが炭素数1~4のアルコールである、請求項14に記載のエッチング方法。
 前記アルコールが1価のアルコールである、請求項14に記載のエッチング方法。
 前記アルコールがメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びジエチレングリコールよりなる群から選ばれる1種以上である、請求項14に記載のエッチング方法。
Description:
エッチング液及びエッチング方 発明の分野

 本発明は、金と金よりイオン化電位の低 貴金属元素とが互いに接触してなるエッチ グ対象物に対して、金よりイオン化電位の い貴金属元素を選択的にエッチングするた のエッチング液及びエッチング方法に関す 。本発明は特に、金とパラジウムとが互い 接触してなるエッチング対象物の、パラジ ムを選択的にエッチングするためのエッチ グ液及びエッチング方法に関する。

発明の背景

 半導体又は液晶関連のデバイス分野及び の周辺分野においては、酸化されにくく、 らかいことから、金が電極または接点の材 として好適に用いられている。

 金製の電極又は接点を作製する場合、具 的には、金製バンプ等の厚膜を作製する場 は、メッキ法でバンプを作製するのが主流 ある。

 メッキ法により金製バンプを作製する場 、基板表面に導電性を与えるために、基板 面に金属製の下地膜(シードメタル)を形成 せてから、金をメッキする。シードメタル 陰極として、メッキ法により金製バンプを 成する場合、金メッキ後にバンプ隙間にあ シードメタルを除去する必要がある。ここ 、シードメタルをエッチングで除去する場 は、バンプの金もエッチング液に接するこ となる。

 従って、シードメタルとしても金を使用 ると、シードメタルをエッチングで除去す 際に、バンプの金の一部も溶けて、バンプ 形状が変化してしまう可能性がある。そし 、シードメタルとしては、シードメタルと の下地膜との組み合わせ、電気特性面等で れたものが求められつつある。

 ところで、金は、王水又はヨウ素/ヨウ化 物塩系の水溶液でエッチングすることができ る。しかしながら、王水系エッチング液は、 腐食性が激しく、事前に混合させることも難 しく、実用的ではない。そこで、金をエッチ ングする際には、ヨウ素とヨウ化カリウム等 のヨウ化物塩を混合した水溶性エッチング液 を用いるエッチング法が主流となりつつある (特許文献1参照)。

 パラジウム等の貴金属元素は、シリコン系 板上の下地膜として用いられるチタンとの 性がよい。また、「パラジウム等の貴金属 素/チタン下地膜/シリコン系基板」の積層 は、電気特性の点でも優れている。しかし がら、パラジウム等の貴金属元素もヨウ素/ ウ化物塩系の水溶性エッチング液でエッチ グされることが知られている(非特許文献1 照)。

特開昭49-123132号公報 30TH ELECTRONIC COMPONENTS CONFERENCE,pp.539-545 " ETCHING GOLD-PALLADIUM METALLIZATION ON HYBRID MICROCIR CUITS"

発明の概要

 本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされ ものである。
 即ち、本発明は、金とパラジウム等の貴金 元素とが互いに接触してなるエッチング対 物について、パラジウム等の貴金属元素の を選択的にエッチングするためのエッチン 液及びエッチング方法を提供することを目 とする。

 本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭 検討を行った。この結果、金と金よりイオ 化電位の低い貴金属元素が接触する場合に いて、ヨウ素/ヨウ化物塩系のエッチング液 において、ヨウ化物塩とヨウ素との比率を変 えることにより、意外にも、金よりイオン化 電位の低い貴金属元素のみを選択的にエッチ ングできる領域が存在することを見出し、本 発明に至った。
 本発明は以下を要旨とするものである。

 本発明のエッチング液は、金と金よりイ ン化電位の低い貴金属元素とが互いに接触 てなるエッチング対象物のパラジウムを選 的にエッチングするためのエッチング液で って、ヨウ素、ヨウ化物塩及び水を含み、 ウ素に対するヨウ化物塩のモル濃度比率が9 .5以上であることを特徴とする。

 本発明のエッチング方法は、ヨウ素、ヨ 化物塩及び水を含むエッチング液を用いる 金属元素のエッチング方法であって、ヨウ に対するヨウ化物塩濃度を調整することに り、金と金よりイオン化電位の低い貴金属 素とが互いに接触してなるエッチング対象 の金よりイオン化電位の低い貴金属元素を 択的にエッチングすることを特徴とする。

 また、本発明のエッチング方法は、金と よりイオン化電位の低い貴金属元素とが互 に接触してなるエッチング対象物の金より オン化電位の低い貴金属元素をエッチング る方法であって、ヨウ素、ヨウ化物塩及び を含み、ヨウ素に対するヨウ化物塩のモル 度比率が9.5以上であるエッチング液を用い エッチングを行うことを特徴とする。

実施例1~3及び比較例1、2、6の結果をま めて示すグラフである。 実施例1、4及び比較例1、2で用いた積層 膜のテストピースを示す斜視図である。 実施例2、3及び比較例6で用いた積層膜 テストピースを示す斜視図である。 比較例3~5の結果をまとめて示すグラフ ある。

詳細な説明

 本発明によれば、金と金よりイオン化電位 低い貴金属元素とが互いに接触してなるエ チング対象物の金よりイオン化電位の低い 金属元素を選択的にエッチングすることが きる。
 従って、本発明によれば、金よりイオン化 位の低い貴金属元素をシードメタルとして い、その上に金メッキすることにより、金 ッキ製バンプの形状を損なうことなく、金 りイオン化電位の低い貴金属元素製シード タルを選択的にエッチングすることが可能 ある。即ち、本発明の方法により、金より る電極又は接点を工業的に有利に作製する とが可能となる。また、バンプの金もヨウ /ヨウ化物塩系エッチング液を用いてエッチ ングすることができるため、バンプの金とシ ードメタルの金よりイオン化電位の低い貴金 属元素の両方を同種のエッチング液でエッチ ングできることから、薬液管理上も好ましい 。

 本発明の技術は、半導体又は液晶関連の バイス分野及びその周辺分野における「金 バンプとパラジウム製等のシードメタル」 限らず、金と金よりイオン化電位の低い貴 属元素とが接触している積層膜のような物 あれば、どのような物でもエッチング対象 なり得る。

 以下に本発明のエッチング液及びエッチ グ方法の実施の形態を詳細に説明する。

[本発明に係るエッチング機構]
<貴金属元素のヨウ素/ヨウ化物塩系エッチ グ液によるエッチング速度>
 本発明者らは、金と金よりイオン化電位の い貴金属元素とが互いに接触してなるエッ ング対象物における金よりイオン化電位の い貴金属元素の選択的エッチング液を開発 るに当たり、ヨウ素/ヨウ化物塩系エッチン グ液による金及びパラジウムのエッチング速 度について、検討を行った。具体的には、金 膜及びパラジウムの膜を、各々、ヨウ素/ヨ 化物塩のモル比が異なるヨウ素/ヨウ化物塩 エッチング液に浸漬し、そのエッチング速 を調べた。しかしながら、金及びパラジウ は、どちらも、エッチング液中のヨウ素/ヨ ウ化物塩のモル比が高くなると、エッチング 速度が上がり、金に対してパラジウムのエッ チング速度だけを上げる組成は見つけられな かった。

<金よりイオン化電位の低い貴金属元素の 択的エッチング機構>
 ところが、金とパラジウムの一部を接触さ た状態でヨウ素/ヨウ化物塩系エッチング液 でエッチングすると、意外なことに、エッチ ング液中のヨウ素/ヨウ化物塩のモル比が高 なるのに伴い、パラジウムのエッチング速 は上がるのに対し、金のエッチング速度は がった。

 この傾向は金とパラジウムとが接触した場 にのみ起こる現象で、特に、その接触面積 大きいほど顕著であった。
 金とパラジウムが接触した状態であると、 故、このような現象が起こるのかは不明で るが、本発明のエッチング液におけるエッ ング機構は、以下の様に推定される。

 一般に、エッチング機構は、エッチング対 物の酸化工程と、酸化により生成した酸化 の溶解工程との2つの要素で構成される。
パラジウムは、pH<1(王水)の領域では、カチ オンとして溶解する。一方、本発明のヨウ素 /ヨウ化物塩系エッチング液は、pH≧1である とから、パラジウムは、2価のアニオン(M 2 PdI 4 (M:1価のカチオン))として溶解していると推定 される。また、金もパラジウムと同様に、本 発明のエッチング液のpH領域では、アニオン( MAuI 2 (M:1価のカチオン))として溶解していると推定 される。

 一般的に、金属がアニオンとして溶解す 場合のエッチング速度は、酸化律速では無 、生成した酸化物の溶解律速であることが い。そして、エッチング液に塩を添加する 、エッチング速度が上がる場合があること 知られている。そこで、金もパラジウムも 単独で存在する場合は、アニオン溶解型で ッチングが進むために、エッチング液中の ウ化物塩/ヨウ素のモル比の上昇に伴い、エ ッチング速度が上がる傾向になったと推定さ れる。

 しかしながら、金とパラジウムとを接触 せた場合には、エッチング液中のヨウ化物 /ヨウ素のモル比の上昇に伴い、金のエッチ ング速度は下がる。従って、金とパラジウム とを接触させた場合には、上記の推定エッチ ング機構とは、全く異なる現象が起きると考 えられる。

 本発明者らは、これが電喰と呼ばれる現 の影響によるものと推定した。pH=0における 金のイオン化電位は、1.498Vである。また、pH= 0におけるパラジウムのイオン化電位は、0.987 Vである。即ち、金とパラジウムとでは、パ ジウムの方が金よりイオン化電位が低い。 こで、本発明者らは、金とパラジウムとが 触する系では、電喰作用により、パラジウ の方がエッチングされ易いと推定した。

 電喰とは、二種の異なる金属が同時に電解 溶液に接触したとき、金属間の電位差によ イオン化傾向の強い(イオン化電位が低い) 属から弱い(イオン化電位が高い)金属に電子 が移動し、電子を失ったイオン化傾向の強い (イオン化電位が低い)金属原子がイオンとし 溶液中に溶け出すことにより、金属が腐食 る現象をいう。即ち、イオン化電位の低い 属が酸化作用によりエッチングされると(酸 化雰囲気)、残った電子は、接触面を通じて オン化電位の高い金属に流れる。この結果 この電子を貰ったイオン化電位が高い金属 、還元雰囲気となり、エッチングが抑制さ る。ここで、エッチング液が水溶液系であ 場合は、通常、金の表面で、電子(e - )はH + と反応して、水素ガスを発生する。しかしな がら、本発明のエッチング液では、水素が発 生する電位より、ヨウ素がヨウ素イオンに還 元される電位の方が高いため、金の表面では 、ヨウ素が還元されてヨウ素イオンとなり(I 2 +2e - →2I - )、溶解反応が進んでいると推定される。

 電喰が目に見えるか否かは、エッチング よる電子の移動量の多寡で決まる。本発明 エッチング液の場合、ヨウ化物塩/ヨウ素の モル比が小さいと、パラジウムのエッチング 速度が小さく、電子の移動量が少ないために 、電喰が生じていても目視では確認し難い。 ところが、ヨウ化物塩/ヨウ素のモル比が高 なると、パラジウムのエッチング速度が大 くなり、残余電子の金への移動量も多くな 、金は還元雰囲気となって、エッチングが 制されるものと推定される。

 従って、金とパラジウムとが接触した系 ヨウ素/ヨウ化物塩系のエッチング液でエッ チングする場合、ヨウ化物塩/ヨウ素のモル が高い程、パラジウムのエッチング速度が きく、金のエッチング速度が小さくなって パラジウムの選択的なエッチングが達成で ると推定される。

 即ち、金とパラジウムとが接触している で、金に対するパラジウムの選択的なエッ ングを達成するためには、ヨウ素/ヨウ化物 塩系のエッチング液のヨウ化物塩/ヨウ素の ル比を制御することが極めて重要であると 定される。

[エッチング液]
 本発明のエッチング液は、ヨウ素、ヨウ化 塩及び水を含む。

<ヨウ素>
 本発明において、金、パラジウム等の金よ イオン化電位の低い貴金属元素(以下、単に 「貴金属元素」と称す場合がある。)をエッ ングする際の金、パラジウム等の酸化速度 、ヨウ素濃度に大きく依存している。通常 本発明のエッチング液中のヨウ素濃度が高 ほど、本発明のエッチング液による貴金属 素のエッチング速度は大きくなる。

 金に対して、パラジウム等の金よりイオ 化電位が低い貴金属元素の選択エッチング を出すためには、金よりイオン化電位が低 貴金属元素の本来のエッチング速度を、あ 程度確保する必要がある。この点から、本 明のエッチング液におけるヨウ素濃度は、 い方が好ましい。但し、ヨウ素濃度により ラジウム等の貴金属元素のエッチング速度 制御する際は、パラジウム等の貴金属元素 層のサイドエッチングの影響も考慮するの 好ましく、この点からは、ヨウ素濃度は、 い方が好ましい。また、ヨウ素濃度の設定 際しては、後述のヨウ化物塩濃度との関係 も含めた最適範囲を選ぶのが最も好ましい

 このような観点から、本発明のエッチン 液のヨウ素濃度は、下限が、通常1重量%、 ましくは2重量%で、上限が、通常10重量%、好 ましくは5重量%、更に好ましくは4重量%であ 。ヨウ素濃度が上記下限以上であると、酸 作用によるエッチング速度が大きい点で好 しく、また、上記上限以下であると、ヨウ 物塩/ヨウ素のモル比を大きくしやすく、金 対する選択エッチング性の点からも好まし 。

<ヨウ化物塩>
 本発明のエッチング液で用いるヨウ化物塩 しては、本発明のエッチング液においてカ オンとして作用するヨウ化物塩であればよ 。即ち、本発明のエッチング液で用いるヨ 化物塩は、本発明のエッチング液に溶解で るヨウ化物塩であれば特に制限はない。ヨ 化物塩の価数は、1価でも2価でも良い。ヨ 化物塩としては、具体的には、ヨウ化ナト ウム、ヨウ化カリウム及びヨウ化アンモニ ム等が挙げられる。これらのヨウ化物塩は1 を単独で用いても、2種以上を併用しても良 い。

 本発明のエッチング液は、そのヨウ化物 の濃度が高いほど、ヨウ素が溶解し易く、 ッチング後の残留ヨウ素量も少なくするこ ができるので好ましい。また、本発明のエ チング液は、そのヨウ化物塩の濃度が低い ど、ヨウ化物塩が溶解しやすく、エッチン 後の残留ヨウ化物塩の量も少なくすること できるので好ましい。そして、本発明のエ チング液におけるヨウ化物塩濃度は、上述 通り、ヨウ素に対するモル比が適当な値に るよう選択することが重要である。

 本発明のエッチング液のヨウ化物塩濃度 、下限が、通常1重量%、好ましくは5重量%、 上限が、通常40重量%、好ましくは30重量%であ るのが好ましい。また、本発明のエッチング 液におけるヨウ素とヨウ化物塩との合計濃度 は、下限が、通常2重量%、好ましくは7重量% 上限が、通常50重量%、好ましくは35重量%で るのが好ましい。ヨウ素とヨウ化物塩との 計濃度が上記下限以上であると、エッチン 速度が大きい点で好ましく、また、上記上 以下であると、エッチング液に接触させる (基板をエッチング液に浸けたり、取り出し りする際)のエッチング量が少ない点、及び 、経済性の点で好ましい。

<ヨウ化物塩/ヨウ素モル比>
 本発明のエッチング液においては、上述の り、金と金よりイオン化電位の低い貴金属 素とが互いに接触してなるエッチング対象 をエッチングする際に、金よりイオン化電 の低い貴金属元素を選択的にエッチングで るようヨウ化物塩濃度を調整することが極 て重要である。ヨウ化物塩/ヨウ素のモル比 は、具体的には、下限が好ましくは9.5であり 、更に好ましくは10.0であり、特に好ましく 11であり、上限が好ましくは15であり、更に ましくは13であり、特に好ましくは12である 。

 ヨウ化物塩/ヨウ素のモル比は、高い方が 「金のエッチング速度」より「金よりイオン 化電位の低い貴金属元素のエッチング速度」 が大きくなり、選択エッチング性が高まる点 で好ましい。一方、ヨウ化物塩/ヨウ素のモ 比が低い方が、エッチング液のヨウ素濃度 高い場合でもエッチング液のヨウ化物濃度 絶対値が飽和溶解度以下となりやすく、ま 、使用する薬品量から見た経済性の点でも 利である。特に、後述するように、本発明 エッチング液が更にアルコールを含み、ヨ 化物塩の溶解度が下がった場合は、アルコ ルを含まない場合に比べて、ヨウ化物塩/ヨ 素のモル比は、低めの方が好ましい。

 また、本発明のエッチング液のヨウ化物 /ヨウ素のモル比は小さいほど、上述の電喰 が起こりにくい。例えば、金製バンプの下の シードメタル層をエッチングする場合、ヨウ 化物塩/ヨウ素のモル比は小さい方が、サイ エッチングが起こりにくく、バンプの形状 維持しやすい。即ち、バンプが崩れる、バ プが倒れるといったことが無い。

 なお、ヨウ化物塩/ヨウ素のモル比の好適 な範囲は、エッチングしたい貴金属(金より オン化電位の低い貴金属)とエッチングした ない物質(金)の種類、形状(厚み等)、両者の 接触状態(接触面積等)、エッチング条件(エッ チング温度等)などに応じて変わる。そこで ヨウ化物塩/ヨウ素のモル比は、これらを考 した上で、適当な組成を選択する必要があ 。例えば、パラジウム上に金製バンプを作 する場合は、バンプの大きさ(面積)や間隔 変われば、金とパラジウムの面積比率や接 面積が変わる。金層とパラジウム層の接触 積が大きいほど、電子の移動が容易となり パラジウムの選択エッチング性が高まる傾 にあるため好ましい。

 ここで、ヨウ素/ヨウ化物塩水溶液に更に アルコールを加えると、ヨウ化カリウムの溶 解度は小さくなるため、ヨウ化カリウム/ヨ 素のモル比の上限値は低下する傾向にある 逆に、高温であるなど、ヨウ化カリウムの 解度が高い条件では、高いヨウ化カリウム/ ウ素のモル比も可能となる。

 特に、本発明のエッチング液を半導体又 液晶関連のデバイス分野での微細配線作製 どで使用する場合は、エッチング液中の不 物が少ないのが好ましい。そこで、本発明 エッチング液で用いる水は、高純度である のが好ましい。特に、導電性イオンが少な ものが好ましい。具体的には、比抵抗が1Mω ・cm以上の水が好ましい。比抵抗値10数Mω・cm 以上の超純水が特に好ましい。

<アルコール>
 本発明のエッチング液は、更にアルコール 含んでいることが好ましい。エッチング液 にアルコールが含まれていると、エッチン 液中のヨウ素の溶解性が高くなる。

 具体的には、ヨウ素の水に対する溶解度は 20℃で0.03g/100cm 3 (国際化学物質安全性カードのヨウ素の項(ICSC 番号0167))であるが、例えば、ここで、ヨウ化 カリウムが存在すると、ヨウ化カリウムがKI 3 となり、ヨウ素はI 3 - の状態で水に溶解し易くなる。
 また、オクタノールの水に対する分配係数( logPow=2.49:同上国際化学安全物質情報)の如く ヨウ素は、水よりアルコールに分配されや い。
 従って、ヨウ素系エッチング液にアルコー が含まれていると、エッチング液の表面張 が小さくなり、エッチング対象物に対する れ性が高くなり、エッチング対象物の形状 複雑な場合でも狭隙部までエッチング液が 透しやすくなる。

 アルコールとしては、水への溶解性が高 ものが好ましい。アルコールの価数は、1価 でも2価以上の多価でも良いが、ヨウ素との 応性から1価が好ましい。また、アルコール 炭素数は、1~4が好ましい。即ち、アルコー としては、炭素数1~4の1価のアルコール又は ジオールが好適である。アルコールの好適例 としては、メタノール、エタノール、プロパ ノール、エチレングリコール、プロピレング リコール、ジエチレングリコール及びグリコ ールエーテル類等が挙げられる。これらのア ルコールは1種を単独で用いても、2種以上を 用しても良い。

 本発明のエッチング液中のアルコールの好 な濃度は、エッチング対象物の表面にレジ トが存在するか否かによっても異なる。ア コールは、本発明のエッチング液での必須 分ではないので、その濃度の下限は、当然0 重量%であるが、アルコールを用いる場合の 限は、アルコールの配合効果が発現しやす ことから1重量%であるのが好ましい。
アルコール濃度の上限は、50重量%が好ましく 、35重量%が更に好ましく、20重量%が特に好ま しい。アルコール濃度が上記上限以下である と、上述の通り、ヨウ化物塩の溶解度が高く 、ヨウ化物塩/ヨウ素のモル比が高めやすい また、エッチング対象物の表面にレジスト 存在する場合でも、これを溶解させてしま 危険性が低い。エッチング対象物にレジス が存在しない場合は、レジストが存在する 合より、アルコール濃度の上限は高めでよ が、それでも、水より多く存在しないよう するのが好ましい。

<pH>
 本発明のエッチング液のpHは、ヨウ素、ヨ 化物塩及び水を含み、金と金よりイオン化 位の低い貴金属元素とが互いに接触してな エッチング対象物の金よりイオン化電位の い貴金属元素を選択的にエッチングできれ 特に制限は無い。本発明のエッチング液は 上述の好ましいヨウ化物塩/ヨウ素のモル比 すると、通常、pH5.0~6.0となる。

<その他の成分>
 本発明のエッチング液は、ヨウ素、ヨウ化 塩、水、アルコール以外の成分を、本発明 優れた効果を大幅に妨げない範囲であれば 含んでいても良い。本発明のエッチング液 含まれていてもよいその他の成分としては 例えば、上記のアルコール以外の有機溶剤 が挙げられる。

<エッチング対象物>
 本発明に係るエッチング対象物は、金と金 りイオン化電位の低い貴金属元素とが直接 触しているものである。

 一般的に、不純物を含むと金属は硬くな 。このため、半導体又は液晶デバイス分野 での電極や接点用には、純度の高い金属が いられる。即ち、エッチング対象物を構成 る金は、純度が高い方が好ましい。具体的 は、純度99.8重量%以上の純金が好ましい。

 貴金属元素とは、金、銀、白金、パラジウ 、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オ ミウムである。本発明に係るエッチング対 物を構成する金よりイオン化電位の低い貴 属元素は、ヨウ素/ヨウ化物塩水溶液系のエ ッチング液でエッチング可能な貴金属元素で ある。上記の貴金属元素の内、金よりイオン 化電位が低いのは、金以外の7種の貴金属元 である。この内、パラジウムが特に好まし 。
 本発明に係るエッチング対象物を構成する よりイオン化電位の低い貴金属元素は、純 ラジウム等の高純度貴金属が好ましい。具 的には、貴金属元素濃度が99.8重量%以上で るのが好ましい。

 また、本発明に係るエッチング対象物を 成する金よりイオン化電位の低い貴金属元 は、金属状態であるのが好ましい。

 本発明に係るエッチング対象物では、金 金よりイオン化電位の低い貴金属元素とが 直接接触」している。この金と金よりイオ 化電位の低い貴金属元素とが「直接接触」 ていることは、本発明の効果を得る上で極 て重要である。金と金よりイオン化電位の い貴金属元素との接触面積は、製造される バイスの構造により異なり、特に制限は無 が、接触面積が大きいほど本発明の効果が い。

 ガラス基板やシリコン基板等の基板上に 金属層を形成する場合は、基板上に、基板 貴金属層の両方に対して密着性のある下地 を設けた上に、貴金属層を形成してもよい この下地膜としては、一般的に、チタンタ グステン合金、チタン、クロム、ニッケル 属等が用いられることが多い。従来、金製 ンプに対する下地膜としては、金原子の移 溶解が少ないチタンタングステン合金が使 されていた。しかし、チタンタングステン 金は硬い。これに対し、下地膜の上に貴金 製のシード層を形成してから金製バンプを 成すると、下地膜が金層と接しない。そこ 、金原子の移動を考慮せずに、下地膜の種 を選択することが可能になるものである。 ードメタル層がある場合の下地膜としては 例えば、軟らかく、シリコンとの密着性も く、安価なチタンなどが挙げられる。

 本発明に係るエッチング対象物は、金及 金よりイオン化電位の低い貴金属元素が接 していれば、各層の形状や大きさは、特に 限されず、用途に応じて、適当な形状及び イズの積層体とすればよい。以下、半導体 は液晶デバイス分野等で金製の電極又は接 を作製する場合を例として、その好ましい 状を説明する。

 この場合、金層の厚さは、デバイスの種 等によっても異なるが、通常1~30μm程度であ る。金よりイオン化電位の低い貴金属元素層 の厚さは、デバイスの種類等によっても異な るが、通常10~500nm程度である。金よりイオン 電位の低い貴金属元素製の層は、金層をメ キ法により形成するためのシード層である そこで、導電性を十分に得る観点からは、 の厚さは上記下限値以上が好ましいが、厚 ほどコストがかかるため、経済的な観点か は薄い方が好ましい。チタン等の下地膜の さは、デバイスの種類等によっても異なる 、通常10~500nm程度である。上記下限値以上 あると、基板との絶縁性の点で好ましく、 た、上記上限以下であるとコスト面で好ま い。

<エッチング方法>
 本発明のエッチング方法は、ヨウ素、ヨウ 物塩及び水を含むエッチング液を用いる貴 属元素のエッチング方法であって、ヨウ素 対するヨウ化物塩濃度を調整することによ 、金と金よりイオン化電位の低い貴金属元 とが互いに接触してなるエッチング対象物 金よりイオン化電位の低い貴金属元素を選 的にエッチングすることを特徴としている 即ち、本発明のエッチング方法は、ヨウ素 ヨウ化物塩及び水を含むエッチング液を用 て、金と金よりイオン化電位の低い貴金属 素とが互いに接触してなるエッチング対象 の金よりイオン化電位の低い貴金属元素を 択的にエッチングできれば特に制限はない
 本発明のエッチング方法としては、上述の ましい液組成のエッチング液でエッチング るのが好ましい。

 エッチング方法としては、浸漬法、スプ ー法、スピン法等何れの方法でエッチング 行ってもよい。また、エッチングに用いる 置にも、特に制限はない。浸漬法でエッチ グする場合は、撹拌は、一般的には、ゆっ りとした上下浸漬遥動程度のもので十分で る。即ち、撹拌は、拡散律速領域を外せる 度に強く、エッチングの面内均一性が良好 なる程度の強さであるのが好ましい。

 エッチング処理時の温度についても、本 明のエッチング液が均一溶液状態になれば 特に制限はない。エッチング温度の下限は 通常10℃、好ましくは20℃で、上限は通常50 、好ましくは35℃、更に好ましくは25℃であ る。エッチング温度が上記上限以下であると 、金のエッチング速度が速くなりすぎず、エ ッチングの選択性の点で好ましい。

 エッチング時間は、所望量のエッチング 行えるように適宜決定されればよい。半導 又は液晶デバイス分野等で金製の電極又は 点を作製する場合を例とすると、エッチン 時間は、通常、2~10分程度である。

 本発明のエッチング液中に含まれるヨウ素 、酸化剤であるため、エッチング終了後は エッチング対象物上の残存ヨウ素を十分に 去するのが好ましい。溶存ヨウ素をリンス 浄する場合、ヨウ化カリウム等のヨウ素を 解できるヨウ化物塩水溶液又はアルコール 溶液にて洗浄した後に、水洗浄をするのが K + 、I 3 - 、I 2 等の残存物を低減できることから好ましい。

 なお、本発明のエッチング液によるエッ ング速度は、金よりイオン化電位の低い貴 属元素のエッチング速度が10mg/hr以上である のが好ましく、11mg/hr以上であるのが更に好 しく、25mg/hr以下であるのが好ましい。また 「金のエッチング速度」に対する「金より オン化電位の低い貴金属元素のエッチング 度」の比は、0.8以上であるのが好ましく、1 .0以上であるのが更に好ましく、1.2以上であ のが特に好ましい。そして、「金のエッチ グ速度」に対する「金よりイオン化電位の い貴金属元素のエッチング速度」の比は、 金」と「金よりイオン化電位の低い貴金属 素」とが接していなかった場合に比べて、2 .0倍以上となっているのが好ましく、2.5以上 あるのが更に好ましく、3.0以上であるのが に好ましく、4.0以上であるのが最も好まし 。

 以下に実施例及び比較例を挙げて本発明 より具体的に説明するが、本発明はその要 を超えない限り、以下の実施例に限定され ものではない。

 金膜としては、厚み0.10mmの金の平膜10cm四方 角(石福金属興業株式会社製。純度99.9重量%) 用いた。パラジウム膜としては、厚み0.10mm パラジウムの平膜10cm四方角(石福金属興業株 式会社製。純度99.9重量%)を用いた。
 単膜テスト用の試料としては、上記の各膜 1.00cm×1.00cmに切り取ったものをテストピー として用いた。

 積層膜テスト用の試料(接触面積小)とし は、上記金膜及びパラジウム膜を、各々、1. 00cm×1.00cmに切り取り、これを断面が「人」字 型となるように一体化させたテストピース3 用いた(図2参照)。即ち、金膜1の上部2.5mmを り返し、折り返した部分にパラジウム膜2を み込んで、両面から加圧して圧着させた。 側が合体した金膜1とパラジウム膜2の裾を げ、テストピース3を作製した。

 積層膜テスト用の試料(接触面積大)とし は、金膜を1.00cm×1.25cmに切り取ったものと、 パラジウム膜を1.00cm×1.00cmに切り取ったもの 、以下の手順で、断面が「μ」字型となる うに一体化させたテストピース6を用いた(図 3参照)。金膜4の上部2.5mmを折り返し、折り返 た部分にパラジウム膜2を挟み込み、両面か ら加圧して圧着させた。上側が合体した金膜 4とパラジウム膜2の裾を広げ、断面が「人」 型の積層体を作製した。パラジウム膜5の上 部2.5mmを折り返し、折り返した部分に金膜4の 折り返したのと逆側を挟み込んで、両面から 加圧して圧着させた。上側が合体した金膜4 パラジウム膜5の裾を広げ、断面が「μ」字 となるような形で一体化させたテストピー 6を作製した。

 テストピース3とテストピース6は、金膜 エッチング液に接する面積が実質的に同じ(1 .00cm×1.00cm)である。テストピース6では、金膜 1は、パラジウム膜と2点で接触している。ま 、テストピース6では、金膜とパラジウム膜 の接触面積がテストピース3の場合の2倍であ 。

 エッチング速度(mg/hr)は、金膜又はパラジ ウム膜の単位時間あたりの重量減少量から算 出した。具体的には、エッチング前/後の金 又はパラジウム膜の重量を精密天秤にて測 し、差分をエッチング量とした。なお、エ チング後の重量は、エッチング後に水洗、 燥後の重量とした。また、積層膜の場合の 膜の重量は、テストピースの圧着部分を外 て、測定した。

[実施例1]
 100cm 3 のビーカーに、ヨウ素3重量%、ヨウ化カリウ 23.6重量%(ヨウ化カリウム/ヨウ素モル比12)及 びn-プロパノール30.0重量%の水溶液(超純水を 用)よりなるエッチング液を50cm 3 入れた。25℃の恒温浴の中にビーカーごとセ トして、温度を安定化させた。

 このビーカー内のエッチング液をスター ーで撹拌した。その中に、テストピース3を 入れた。浸漬時間は、ストップウォッチを用 いて計測した。所定時間浸漬後に、テストピ ースを取り出し、超純水にてディップ法で5 間洗浄後、金膜とパラジウム膜に分けた後 各金属膜を常温でエアーブロー下で3分間乾 させた。重量変化からエッチング速度(mg/hr) を算出した。

 その結果、パラジウム膜のエッチング速 は、21.3mg/hrであり、金膜のエッチング速度 6.0mg/hrであった。金膜のエッチング速度よ 、パラジウム膜のエッチング速度が大きか た。即ち、後述の比較例3に対して、明らか 、パラジウムのエッチングが促進され、金 エッチングが抑制されていた。

[比較例1]
 エッチング液として、ヨウ素3重量%、ヨウ カリウム17.7重量%(ヨウ化カリウム/ヨウ素モ 比9)及びn-プロパノール30.0重量%の水溶液を いた以外は、実施例1と同様にして、エッチ ングを実施した。

 パラジウム膜のエッチング速度は、8mg/hr あり、金膜のエッチング速度は14.5mg/hrであ た。金膜のエッチング速度は、パラジウム のエッチング速度より大きかった。

[比較例2]
 エッチング液としてヨウ素3重量%、ヨウ化 リウム11.8重量%(ヨウ化カリウム/ヨウ素モル 6)及びn-プロパノール30.0重量%の水溶液を用 た以外は、実施例1と同様にして、エッチン グを実施した。

 パラジウム膜のエッチング速度は2.8mg/hr あり、金膜のエッチング速度は13.0mg/hrであ た。金膜のエッチング速度は、パラジウム のエッチング速度より大きかった。

[比較例3]
 テストピースとして、金膜とパラジウム膜 単膜を各々独立の状態で、エッチング液に れたこと以外は、実施例1と同様にしてエッ チングを実施した。

 パラジウム膜のエッチング速度は14.0mg/hr あり、金膜のエッチング速度は23.6mg/hrであ た。金膜のエッチング速度は、パラジウム のエッチング速度より大きかった。

[比較例4]
 比較例1と同じエッチング液を用いて、比較 例3と同じテストピースを用いて、エッチン を実施した。

 パラジウム膜のエッチング速度は8.2mg/hr あり、金膜のエッチング速度は24.3mg/hrであ た。金膜のエッチング速度は、パラジウム のエッチング速度より大きかった。

[比較例5]
 比較例2と同じエッチング液を用いて、比較 例3と同じテストピースを用いて、エッチン を実施した。

 パラジウム膜のエッチング速度は3.0mg/hr あり、金膜のエッチング速度は18.2mg/hrであ た。金膜のエッチング速度は、パラジウム のエッチング速度より大きかった。

[実施例2]
 テストピースとして、テストピース6を用い た以外は、実施例1と同様にしてエッチング 実施した。

 パラジウム膜2のエッチング速度は20.0mg/hr で、金膜4のエッチング速度は2.0mg/hrであった 。パラジウム膜のエッチング速度は、実施例 1と同程度であったが、金膜のエッチング速 は、実施例1よりかなり低下していた。即ち 金膜とパラジウム膜との接触面積が大きい 、金膜のエッチング速度が低下することが かった。

[実施例3]
 エッチング液として、ヨウ素3重量%、ヨウ カリウム19.7重量%(ヨウ化カリウム/ヨウ素モ 比10)及びn-プロパノール30.0重量%の水溶液を 用いた以外は、実施例2と同様にしてエッチ グ液を実施した。

 パラジウム膜2のエッチング速度は11.0mg/hr 、金膜4のエッチング速度は9.0mg/hrであった。 金膜のエッチング速度より、パラジウム膜の エッチング速度が大きかった。

[比較例6]
 比較例1と同じエッチング液を用い、実施例 2と同じテストピースを用いて、エッチング 実施した。

 パラジウム膜2のエッチング速度は8.0mg/hr 金膜4のエッチング速度は12.0mg/hrであった。 金膜のエッチング速度は、パラジウム膜のエ ッチング速度より大きかった。

[実施例4]
 エッチング液として、ヨウ素2.5重量%、ヨウ 化カリウム19.7重量%(ヨウ化カリウム/ヨウ素 ル比12)及びn-プロパノール30.0重量%の水溶液 用いた以外は、実施例1と同様にして、エッ チング液を実施した。

 パラジウム膜のエッチング速度は12.8mg/hr 金膜のエッチング速度は7.0mg/hrであった。 膜のエッチング速度より、パラジウム膜の ッチング速度が大きかった。

 以上の結果を、表1、図1及び図4にまとめ 示す。

 以上の結果から、次のことが分かる。
 エッチング液のヨウ素濃度とアルコール濃 を一定にした場合、ヨウ化物塩/ヨウ素のモ ル比を増大させると、パラジウムのエッチン グ速度は、金とパラジウムとが接触している かに関わらず、増大している。一方、金のエ ッチング速度は、金とパラジウムとが接触し ていない場合は、ヨウ化物塩/ヨウ素のモル の増大に伴い、増大するが、金とパラジウ とが接触している場合は、ヨウ化物塩/ヨウ のモル比の増大に伴い、減少する。

 即ち、金とパラジウムが接触している場 は、パラジウムのエッチング速度がある程 高くなると、パラジウムから金への接触面 通じての電子移動が多くなり、金が還元雰 気となって、金のエッチングが抑制された 推定される。

 本発明によれば、このように、金とパラ ウムとが接触し、且つ、パラジウムのエッ ング速度が大きい系で、パラジウムの選択 なエッチングを達成することができる。

 なお、現在、半導体又は液晶関連のデバ ス分野及びその周辺分野における「金製バ プ」は非常に小さく、金製バンプ間同士の 隔も狭い。このため、上記実施例の場合よ も、金とパラジウムとの接触面積が大きく パラジウムのエッチング深さも短い。従っ 、上記実施例より電喰の影響が出やすく、 り顕著な選択エッチング性が得られるもの 考えられる。

 本発明を特定の態様を用いて詳細に説明し が、本発明の意図と範囲を離れることなく 々な変更が可能であることは当業者に明ら である。
 なお、本出願は、2006年8月28日付で出願され た日本特許出願(特願2006-230701)に基づいてお 、その全体が引用により援用される。