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Title:
EVAPORATOR, SEAWATER DESALINATION APPARATUS INCLUDING THE EVAPORATOR AND METHOD OF SEAWATER EVAPORATION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090637
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide an evaporator that in a seawater desalination apparatus according to the evaporation method, realizes easy stable reduction of seawater to mist while avoiding troubles, such as nozzle clogging attributed to scale components of seawater, to thereby reduce maintenance cost for the seawater desalination apparatus. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] Seawater from a nozzle is fed to a turbine formed into a bladed wheel to thereby rapidly rotate the turbine. The blades of the rapidly rotated turbine collide with seawater droplets to thereby appropriately promote breakup of the liquid droplets, and the broken atomized water dropletsare dispersed into air by the centrifugal force generated by the rotation. The dispersed water droplets, while floating in the space of vacuum vessel (evaporation unit) of seawater desalination apparatus, evaporate by diffusion from the surface thereof.

Inventors:
YABE TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/060875
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
May 29, 2007
Export Citation:
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Assignee:
ELECTRA CO LTD (JP)
YABE TAKASHI (JP)
International Classes:
C02F1/00; B01D1/20
Foreign References:
JP2005330168A2005-12-02
JP2006280595A2006-10-19
JPH0952082A1997-02-25
JP2005185988A2005-07-14
Attorney, Agent or Firm:
MAYAMA INTERNATIONAL PATENT OFFICE (Den-entoshi Construction Bldg.5-9, Chuorinkan 4-chom, Yamato-shi Kanagawa, JP)
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Claims:
 羽根車として構成されるタービンと、海水を導入するためのノズルとを備え、前記ノズルから導入される海水の動圧によって前記タービンを回転させ、当該回転力によって前記海水を水滴化し空気中に放散することを特徴とする蒸発装置。
 前記タービンは、その回転軸に垂直な側壁面を有する、請求項1に記載の蒸発装置。
 前記海水の水滴の半径が0.1mm以下である、請求項1または2のいずれか1項に記載の蒸発装置。
 請求項1~3のいずれか1項に記載の蒸発装置を蒸発部に含む、蒸発法による海水淡水化装置。
 蒸発法による海水淡水化装置において海水を蒸発させる方法であって、
 羽根車として構成されるタービンに海水を導入し、該タービンを該海水の動圧によって回転させ、当該回転力によって前記海水を水滴化し空気中に放散させることを特徴とする方法。
Description:
蒸発装置及び該蒸発装置を含む 水淡水化装置ならびに海水を蒸発させる方

 本発明は、蒸発法による海水淡水化装置 蒸発装置に関し、より詳細には、海水を好 に微粒化することによって蒸発を促進する 発装置に関する。

 現在、海水の淡水化方法としては、逆浸 膜法および蒸発法が主に用いられている。 浸透膜法は、大量の海水を処理するのに向 ているが、淡水化の前処理として浸透膜の 詰まりを防止するために海水に含まれるス ール成分を除去する工程が必須であること また、浸透膜を数年毎に交換する必要があ ことから、設備・保守コストが大きいとい 問題があった。

 その点、蒸発法は、逆浸透膜法に比較す と設備・保守コストの面においては優れて り、特に従来から発電プラントのタービン 気などの既存の熱源を利用して海水を加熱 て減圧容器内で蒸気化したのち、これを減 蒸留する、いわゆる多段フラッシュ法が多 用いられてきた。しかしながら、水の蒸発 熱が大きいため、多段フラッシュ法におい は海水の蒸気化に多大なエネルギーを必要 する。したがって、近くに発電所など既存 熱源がない場合には、淡水化プラント自体 熱源を用意することが必要となり、莫大な 備・維持コストが必要となる。また、多段 ラッシュ法には、静圧上昇に起因する蒸発 制の影響により蒸発速度が遅いため淡水化 効率が低いという問題があった。

 この点につき、近年、蒸発抑制の問題を 避し、少ないエネルギーで急速により完全 蒸発を誘起することのできる蒸発法として スプレーフラッシュ法が検討されている。 7は、スプレーフラッシュ法を用いた従来の 海水淡水化装置100を示す。以下、図7を参照 ながら、スプレーフラッシュ法による淡水 の機構について簡単に説明する。最初に、 海水Wが配管102を経て減圧容器104内に導入さ る。導入された温海水Wは、配管102に複数配 設されたスプレーノズル106から噴射され、ミ ストとなって減圧容器104内に飛散する。ここ で減圧容器104内は、減圧排気ポンプ108によっ て温海水Wの水温に対する飽和蒸気圧以下に 圧されている。減圧容器104内に飛散した温 水Wは、ミストとなって微粒化しているため の蒸発面積が増加しており、温海水Wの温度 は、多段フラッシュ法における加温海水に比 べてかなり低いにもかかわらず急速な蒸発が 可能となる。なお、蒸発しきれず減圧容器104 の底部に落下して溜まった海水Wは、排出ポ プ109によって適宜減圧容器104外に排出され 。一方、ミストから発生した水蒸気は、図 しないミスト捕捉手段を経たのち、水蒸気 路110を通って凝縮器112に導入され、凝縮器11 2内に設けられた熱交換器114内を環流する冷 に潜熱を与え、復水して淡水となったのち 水回収タンク116に貯留される。

 以上、説明したように、スプレーフラッ ュ法を用いることによって海水の淡水化に ける海水の加熱エネルギーが大幅に節約さ る。近年、地球温暖化による異常気象の問 が指摘されており、これに伴って近未来に ける世界規模の水不足問題が憂慮されてい 。この問題に対応すべく世界規模で相当数 海水淡水化プラントを建設することが検討 れており、その際、当然にプラントの設備 ストならびにその稼働に必要なエネルギー 低減が必須課題となるため、設備コストな びにエネルギー消費が少ないスプレーフラ シュ法による淡水化の応用が有望視されて る。特開平9-52082号公報(特許文献1)および特 開2005―185988号公報(特許文献2)は、スプレー ラッシュ法を用いた海水淡水化装置を開示 る。特許文献1の海水淡水化装置においては 海水が減圧容器内において下向きに噴霧さ るところ、特許文献2の海水淡水化装置にお いては、スプレーノズルの噴射方向を上向き に配置して海水のミストの飛散距離を最大限 確保する構成を採用している。

 ここで、スプレーフラッシュ法においては 蒸発効率の向上のため海水のミストの液粒 できるだけ微細化することが求められる。 プレーフラッシュ法において、大きな液塊 生じさせることなく、海水の安定したミス 化を実現するためには、海水の噴射圧力や プレーノズルの形状など、種々の条件を正 に調整することが要求され、このことはシ テムの保守コストの増大を招く。また、海 のミストの液粒の微細化を企図してスプレ ノズルの径を微小化すると、海水中に含ま るスケール成分がスプレーノズルに詰まり すくなるという問題が生じ、さらにシステ の保守コストを増大させる虞が生じる。

特開平9-52082号公報

特開2005―185988号公報

 本発明は、上記従来技術における課題に みてなされたものであり、本発明は、蒸発 による海水淡水化装置において、海水中に まれるスケール成分に起因するノズルの目 まりなどのトラブルを回避しつつ、海水を 便に且つ安定したミスト化を実現すること よって、海水淡水化装置の保守コストを低 することを可能にする蒸発装置を提供する とを目的とする。

 本発明者は、海水を簡便かつ安定的にミ ト化する機構について鋭意検討した結果、 根車として構成されるタービンに対しノズ から海水を導入してタービンを高速回転さ るとともに、高速で回転する該タービンの 根と海水の液滴を高速で衝突させることに って液滴の分裂を促進し、また、分裂し微 化した水滴を、その回転に伴う遠心力によ て空気中に放散することで、海水の安定し ミスト化を実現しうる新規な機構を見出し 本発明に至ったのである。

 すなわち、本発明によれば、羽根車とし 構成されるタービンと、海水を導入するた のノズルとを備え、前記ノズルから導入さ る海水の動圧によって前記タービンを回転 せ、当該回転力によって前記海水を水滴化 空気中に放散することを特徴とする蒸発装 が提供される。本発明においては、前記タ ビンは、その回転軸に垂直な側壁面を有す ことができる。また、本発明においては、 記海水の水滴の半径を0.1mm以下とすること できる。さらに、本発明によれば、上記蒸 装置を蒸発部に含む、蒸発法による海水淡 化装置が提供される。

 さらに本発明によれば、蒸発法による海 淡水化装置において海水を蒸発させる方法 あって、羽根車として構成されるタービン 海水を導入し、該タービンを該海水の動圧 よって回転させ、当該回転力によって前記 水を水滴化し空気中に放散させることを特 とする方法が提供される。

 本発明によれば、蒸発法による海水淡水 装置において、海水中に含まれるスケール 分に起因するノズルの目詰まりなどのトラ ルの発生が好適に低減され、また、いたっ シンプルな機構によって海水の安定したミ ト化が実現されるため、装置の保守コスト 大幅に低減することができる。

本実施形態の蒸発装置10の主要部を示 図。 本実施形態の蒸発装置10が海水を微粒 する態様を示した図。 第2の実施形態である蒸発装置のタービ ン30を示す図。 タービン30の一部を拡大して示した概 図。 複数のタービン12が並設された蒸発装 40を示す図。 蒸発装置40を含む海水淡水化装置の減 容器50を示す図。 スプレーフラッシュ法を用いた従来の 水淡水化装置100を示す図。

符号の説明

10…蒸発装置、12…タービン、14…羽根、16 ノズル、18…タービン軸、20…タービン支持 部、30…タービン、32…側壁板、40…蒸発装置 、42…配管、50…減圧容器、100…海水淡水化 置、102…配管、104…減圧容器、106…スプレ ノズル、108…減圧排気ポンプ、109…排出ポ プ、110…水蒸気流路、112…凝縮器、114…熱 換器

 以下、本発明を図面に示した実施の形態 もって説明するが、本発明は、図面に示し 実施の形態に限定されるものではない。

 図1は、本発明の実施形態である蒸発装置 10の主要部を示す。蒸発装置10は、タービン12 と、タービン12の羽根14に海水Wを導入するノ ル16とを含んで構成される。タービン12は、 タービン軸18を支える図示しない軸受によっ 支持されており、タービン軸18の回転軸18a 中心に回転自在に構成されている。また、 ズル16は、回転軸18aに平行な平面として構成 される羽根14a~14dの上に海水Wが落下するよう 位置決めされる。このように位置決めされ 状態で、ノズル16から海水Wを導入すると、 根14aへの最初の衝突によって水滴が生成さ る。一方、海水Wの動圧によりタービン12は 図1中の矢印Rの方向に回転するため、羽根14 aへの最初に衝突で生成された水滴は次に羽 14bに衝突しさらに細かい水滴に分裂する。 らに加えて、タービン12が高速で回転するこ とによって分裂した水滴は、回転に伴って生 じる遠心力によって回転軸18aに対し略垂直な 方向Eに飛散し、これに伴う風圧の作用でさ に細かく分裂する。

 なお、本発明においては、タービン12の 質は耐久性および剛性の高いものを用いる とが好ましく、また海水Wの動圧によって容 に回転しうるよう軽い材料によって形成す ことが好ましい。また、図1には、海水Wが 直方向に自然落下してタービン12に導入され る実施の形態を示したが、本発明は、海水W 導入方向をこれに限定するものではなく、 えば、所望の噴射手段を用いてノズル16から 海水Wをタービン12の羽根14に対して所望の方 から噴射してタービン12を回転させるもの あってもよい。さらに、本発明においては 一つのタービン12に対して、複数のノズル16 ら海水Wを導入することもできる。以上、本 実施形態の蒸発装置10の物理的構成ならびに の海水微粒化機構について説明してきたが さらに、図2を参照しながら、本実施形態の 蒸発装置10の海水微粒化機構についてより詳 に説明する。

 図2は、本実施形態の蒸発装置10の海水微 化機構の理解を助けるために蒸発装置10が 水Wを微粒化する態様を示した図である。

 図2(a)は、まさにノズル16からタービン12 羽根14aに対して海水Wが矢印方向に導入され 直前の様子を示す。図2に示す実施形態にお いては、タービン12は、軸受を備えるタービ 支持部20、20によって減圧容器の底面Gから 持されている。一方、図2(b)は、導入された 水Wの動圧によってタービン12が高速で矢印 向に回転し、複数の羽根14との衝突衝撃な びに遠心力による飛散によって海水Wから微 な水滴群が好適に形成され減圧容器内を拡 する様子を示す。微小な水滴Mは、重力に従 って減圧容器の底面Gに落下するまでの間、 圧容器内を浮遊し、その間に各水滴Mの表面 らの拡散によって急速に蒸発が起こる。ま 、減圧容器内の空気は、タービン12の回転 よりかき回されるため乱流状態になってお 、水滴Mが長時間空中を漂うことになるので その間に蒸発量はさらに増加する。

 なお、本発明においては、従来のスプレ フラッシュ法のように海水Wをノズル16から 接噴霧させることを企図しておらず、水滴 微粒子化は上述したタービン12の回転機構 よって実現する構成としたため、ノズル16の 径を噴霧のために微細化する必要がない。す なわち、ノズル16から導入される海水Wの流量 は、タービン12を高速で回転させるための動 を生じさせるのに充分な流量であって、且 、上述した機構によって充分に細かく分裂 た水滴に変換されうる流量であることが好 しく、そのような流量を確保するために、 発明においては、ノズル16の径を、数mm~数cm とすることができる。このノズル径の大きさ は、従来のスプレーノズルのノズル径に比較 して格段に大きいものであり、本実施形態の 蒸発装置10を用いた海水淡水化装置は、従来 スプレーフラッシュ法において不可避であ た海水に含まれるスケール成分に起因する ズルの詰まりの問題を生じさせないことが 解されよう。

 図1および図2に示した実施形態において 、4つの羽根14を備えるタービン12を示したが 、本発明においては、羽根14の形状ならびに の数を図1および図2に示した実施形態に限 するものではない。すなわち、本発明にお るタービン12は、発電用水車のように回転運 動エネルギーを電気エネルギー等に変換して 使用することを目的とするものではなく、海 水Wの動圧を利用してタービン12を回転させ、 この回転力によって発生する羽根14と水滴の 突衝撃や遠心力による飛散などの作用を利 して水滴を好適に微粒子化する機構として 能するものであるので、当該機能に鑑みて 羽根14の形状ならびにその数などを設計す ことが望ましい。次に、上述した機能に鑑 た第2の実施形態について図3および図4を参 して以下説明する。

 図3は、本発明の第2の実施形態である蒸 装置のタービン30を示す。図3において先に 明したタービン12と共通する要素については 同じ符号を用いる。本実施形態のタービン30 、羽根14、タービン軸18の他に側壁板32L、32R を備えている。その他の構成については先に 説明した実施形態と同じである。次に、図4 参照して、タービン30を用いた蒸発装置にお ける海水微粒化機構を以下説明する。

 図4は、タービン30を用いた蒸発装置にお る海水微粒化機構を概念的に説明するため タービン30の一部を拡大して示した概念図 ある。本実施形態においては、図示しない ズル16からタービン30に導入された海水Wは、 羽根14aに衝突し、分裂して水滴(イ)となる。 に水滴(イ)は、側壁板32Rに衝突して分裂し 滴(ロ)となったあと、側壁板32Lに衝突して分 裂し水滴(ハ)となる。次に、水滴(ハ)は、羽 14bに衝突して分裂し水滴(ニ)となったあと、 さらに、側壁板32Lに衝突して分裂し水滴(ホ) なる。水滴(ホ)は、再び羽根14bに衝突して 裂し水滴(ヘ)となったあと遠心力によって飛 散する過程で風圧によってさらに分裂して微 小な水滴(ト)となって空気中に放散される。 上説明したように、タービン30は、側壁板32 L、32Rを備えることによって、水滴が羽根14と の衝突に加えて側壁板32L、32Rとの衝突の影響 を受けることによって水滴分裂による微粒化 が促進される。

 上述した説明においては、便宜上、単一 タービンを備える蒸発装置についてのみ図 して説明してきたが、本発明においては、 水淡水化装置における減圧容器に複数のタ ビンを配設することが淡水化効率の向上の から好ましいことはいうまでもない。図5は 、複数のタービン12が並設された本実施形態 蒸発装置40を示す。蒸発装置40においては、 並設された複数のタービン12がタービン支持 20、20によって図示しない海水淡水化装置の 蒸発部の減圧容器の上から吊下げ支持されて おり、タービン12は各々が独立して回転しう ように構成されている。また、配管42によ て減圧容器内に導入された海水Wは、複数の ービン12のそれぞれに対応して位置決めさ たノズル16から、タービン12の羽根14に落下 るように構成されている。なお、本発明に いては、減圧容器内における複数のタービ 12の配設態様は、図5に示した実施形態に限 されるものではないが、各タービンから飛 する水滴が互いにぶつからないように複数 タービンを配設することが好ましい。

 図6は、上述した蒸発装置40を含む海水淡 化装置の蒸発部の減圧容器50を示す。図6(a) 示すように、減圧容器50は、蒸発装置40から 飛散する水滴が蒸発するために充分な時間浮 遊しうるように、また、水滴が蒸発するため に必要な落下速度に達するように、水滴の拡 散空間の高さhについて設計することが好ま い。また、図6(b)に示すように、減圧容器50 、蒸発装置40から飛散する水滴が減圧容器50 内壁に衝突しないように、水滴の拡散空間 幅wについて設計することが好ましい。

 以上、蒸発装置が減圧容器内に設けられ 態様に基づいて本発明を説明してきたが、 発明の蒸発装置が設けられる海水淡水化装 の蒸発部は、減圧容器に限定されるもので なく、密閉された容器であればよい。すな ち、本発明の蒸発装置は、減圧蒸留に限ら 、大気圧下において海水を自然蒸発させ、 れを蒸留する海水淡水化装置に用いること できる。

 以下、本発明の蒸発装置について、実施 を用いてより具体的に説明を行うが、本発 は、以下に示す実施例に限定されるもので ない。

(動作実験)
 本実施例の蒸発装置について動作実験を行 た。40mm×30mm×1mmの8個の羽根を備える直径80m mの羽根車を作製しタービンとした。ノズル 2.5mmのノズルから3.67l/minの流量の水を上記タ ービンの羽根に対し上から導入した。このと きタービンの回転数は1905rpmであった。上述 た条件において本実施例の蒸発装置が動作 る様子を高速度カメラで撮影したところ、 ービンから放散するほぼ全ての水滴の半径 0.1mm以下となっている事が確認された。

(検証)
 上述した実験結果を受け、本発明の蒸発装 の実施可能性について以下検証する。水の 面から拡散によって蒸発する水の量Nは、空 気の密度をρ、水の拡散係数をD、飽和水蒸気 圧をω、水の粘性係数をμ、水滴の半径をRと ると、下記式(1)によって与えられる。なお 下記式(1)において、Reはレイノルズ数を示 。

 レイノルズ数Reは、下記式(2)によって求 られる。なお、下記式(2)において、Uは水滴 速度を示す。

 ここで、半径Rの水滴の質量のうち、単位 時間当たりに蒸発する割合Cは、下記式(3)に って求められる。

 上記式(3)において、ρ=1.3kg/m 3 、D=2.6×10 -5 m 2 /sec、20℃におけるω=0.03、μ=1.7×10 -5 Pa・secとすると、半径0.1mm、落下速度10m/secの 滴の質量のうち、単位時間当たりに蒸発す 割合Cは、1.0/secとなる。ここで、CがUの平方 根に比例し、Rの1.5乗に逆比例することから 飛散する水滴の半径が0.1mm以下のとき、その 水滴のうち毎秒100%が蒸発することになる。 お、水の自由落下距離が5mあれば水の落下距 離速度10m/secを得ることができるため、上述 た実施例が示すタービンを蒸発部の底面か 5m以上の高さに設置することによって、本発 明の蒸発装置が充分に実施可能であることが 示された。

 以上、説明したように、本発明によれば 蒸発法による海水淡水化装置において、海 中に含まれるスケール成分に起因するノズ の目詰まりなどのトラブルを回避し、且つ 海水の安定したミスト化を実現することに って、海水淡水化装置の保守コストを低減 ることを可能にする蒸発装置が提供される 本発明の蒸発装置を採用した海水淡水化装 の普及によって、海水淡水化プラントの建 コスト、稼働コスト、保守コストの低減化 図られることが期待される。近年、近未来 おける世界規模の水不足問題が憂慮され、 の早急な対応策が求められているが、本発 を用いた造水プラントを海岸近傍に設置し 場合、得られた淡水を実際に水が必要とさ る内陸部までパイプライン等で輸送せざる 得ず、そうなると、水の輸送コストの問題 常に生じることになる。そこで、本発明者 、例えば以下のようなモデルを提案する。 なわち、スエズ運河のような水路をつくっ 水が必要とされる内陸部まで海水を引き込 、その水路の沿岸に本発明を用いた造水プ ントを多数設置するというものである。