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Title:
EXHAUST GAS PURIFYING APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/088027
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an exhaust gas purifying apparatus which comprises an oxidation catalyst wherein metal oxide fine particles having an average primary particle diameter of 1-400 nm are arranged on a catalyst metal support composed of at least one first metal selected from the group consisting of Ag, Pt, Rh, Pd, Ru, Ir, Os, Au and Cu. The metal oxide fine particles are composed of an oxide of a second metal of variable valence. This exhaust gas purifying apparatus is characterized in that a particulate matter in an exhaust gas is oxidized on the metal oxide fine particles.

Inventors:
KAYAMA TOMOYUKI (JP)
YAMAZAKI KIYOSHI (JP)
MATSUNAGA SHINICHI (JP)
SHINJOH HIROFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050547
Publication Date:
July 24, 2008
Filing Date:
January 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA CHUO KENKYUSHO KK (JP)
KAYAMA TOMOYUKI (JP)
YAMAZAKI KIYOSHI (JP)
MATSUNAGA SHINICHI (JP)
SHINJOH HIROFUMI (JP)
International Classes:
B01D53/86; B01D53/94; B01J23/63; B01J23/66; B01J23/68; B01J23/72; B01J23/89; B01J23/90; B01J37/08; B01J38/02; B22F1/16; F01N3/02; F01N3/10
Foreign References:
JP2006523528A2006-10-19
JP2004082000A2004-03-18
JP2002364338A2002-12-18
JP2006291779A2006-10-26
JP2007313443A2007-12-06
JPH01318715A1989-12-25
JP2004042021A2004-02-12
JP2006198563A2006-08-03
JP2005329318A2005-12-02
Other References:
APPLIED CATALYSIS B, vol. 50, 2004, pages 185 - 194
See also references of EP 2119491A4
Attorney, Agent or Firm:
NAGAHAMA, Noriaki (Muraki Bldg. 8th Floor 2-10-10, Yaes, Tokyo 28, JP)
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Claims:
Ag、Pt、Rh、Pd、Ru、Ir、Os、Au及びCuからなる群から選択される少なくとも一種である第一の金属からなる触媒金属担体上に、価数変動可能な第二の金属の酸化物からなる平均一次粒径が1~400nmの金属酸化物微粒子が配置されてなる酸化触媒を備えており、前記金属酸化物微粒子上で排ガス中の粒子状物質を酸化する排ガス浄化装置。
前記第一の金属が含酸素物質から酸素を遊離させ酸素活性種を生成する酸素活性種生成材であり、前記第二の金属の酸化物が前記酸素活性種を移動及び/又は貯蔵することが可能な酸素活性種移動材であり、前記酸化触媒が酸素活性種供給材として機能するものである請求項1に記載の排ガス浄化装置。
前記酸素活性種が吸着酸素種である請求項2に記載の排ガス浄化装置。
前記酸素活性種が分子状吸着酸素種である請求項3に記載の排ガス浄化装置。
前記触媒金属担体が3nm以上の厚さを有する膜状の触媒金属担体である請求項1に記載の排ガス浄化装置。
前記触媒金属担体が7nm以上の平均一次粒径を有する粒子状の触媒金属担体である請求項1に記載の排ガス浄化装置。
前記酸化触媒が、核となる前記第一の金属からなる粒子状の触媒金属担体と、前記触媒金属担体の周囲を覆っている前記第二の金属の酸化物からなる平均一次粒径が1~100nmの金属酸化物微粒子とからなる凝集体である請求項6に記載の排ガス浄化装置。
前記第二の金属の酸化物からなる層の厚さが10μm以下である請求項1に記載の排ガス浄化装置。
前記第一の金属がAgを含有している請求項1に記載の排ガス浄化装置。
前記第一の金属がAgである請求項9に記載の排ガス浄化装置。
前記第二の金属の酸化物が、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y、Zr、Fe、Ti、Al、Mg、Co、Ni、Mn、Cr、Mo、W、V、Zn及びSnの酸化物、これらの固溶体、並びにこれらの複合酸化物からなる群から選択される少なくとも一種である請求項1に記載の排ガス浄化装置。
前記第二の金属の酸化物がCeO 2 又はCeを含む複合酸化物であり、La、Nd、Pr、Sm、Y、Ca、Ti、Fe、Zr及びAlからなる群から選択される少なくとも一種を添加金属として更に含有している請求項11に記載の排ガス浄化装置。
大気中500℃で5時間焼成した後の前記金属酸化物微粒子の平均粒径が10~100nmである請求項1に記載の排ガス浄化装置。
酸素10容量%及び窒素90容量%からなる雰囲気中800℃で5時間焼成した後の前記金属酸化物微粒子の平均粒径が10~400nmである請求項1に記載の排ガス浄化装置。
強制再生処理が必要となる粒子状物質堆積量の第一の基準(A)と、第一の基準(A)よりも低い基準である粒子状物質堆積量の第二の基準(B)とに基づいて、
 求められた粒子状物質堆積量が第一の基準(A)と第二の基準(B)との間にある場合に、強制再生処理のための第一の再生処理温度よりも低い第二の再生処理温度で低温再生処理を施し、
 求められた粒子状物質堆積量が第一の基準(A)を超えた場合に、強制再生処理を施す、
ように前記排ガス浄化装置を制御する制御手段を更に備える請求項1に記載の排ガス浄化装置。
前記低温再生処理を施す際に、酸素活性種が連続的に生成される請求項15に記載の排ガス浄化装置。
前記強制再生処理を施した後に、前記触媒金属担体上に配置された前記金属酸化物微粒子により酸素活性種が貯蔵される請求項15に記載の排ガス浄化装置。
第二の再生処理温度として複数の温度条件が設定されており、求められた粒子状物質堆積量が第一の基準(A)と第二の基準(B)との間にある場合に、低温側の第二の再生処理温度で低温再生処理を施し、その後の粒子状物質堆積量が第二の基準(B)未満となった場合は低温再生処理を終了し、該粒子状物質堆積量が未だ第一の基準(A)と第二の基準(B)との間にある場合は、順次高温側の第二の再生処理温度に変更して低温再生処理を繰り返すように前記排ガス浄化装置を制御する請求項15に記載の排ガス浄化装置。
Description:
排ガス浄化装置

 本発明は、排ガス浄化装置に関し、より しくは、粒子状物質が含まれている排ガス 浄化するために好適に用いることが可能な ガス浄化装置に関する。

 ガソリンエンジンについては、排気の厳 い規制とそれに対処できる技術の進歩とに り、排気中の有害成分は確実に減少してい 。しかし、ディーゼルエンジンについては 排気中に粒子状物質(パティキュレート:炭 微粒子からなるスート、可溶性有機成分(SOF) 等、以下「PM」という)が含まれていることか ら、排気浄化のための技術的課題が多く残さ れている。

 そこで近年では、PM、なかでもスート成分 低温から酸化することのできる酸化触媒の 発が行われている。例えば、特開平1-318715号 公報(文献1)においては、排ガス中のNOをNO 2 に酸化させるための触媒を有するハニカム型 モノリス体と、前記排ガスを前記触媒に通し てNOをNO 2 に変換する装置と、前記装置から排出される NO 2 含有ガスを受けとるために下流側に配置され 且つ排ガス中のPMをNO 2 含有ガスで燃焼させるためのフィルターとを 備える排ガス浄化装置が開示されている。し かしながら、このような文献1に記載の排ガ 浄化装置においては、気相中の酸素のみを 化剤としてPMを酸化することができなかった 。

 また、特開2004-42021号公報(文献2)においては 、銀(Ag)及び/又はコバルト(Co)で安定化された セリア(CeO 2 )を有する触媒組成がDPFの再生中のすす酸化 促進することが開示され、Agとセリアのモル 比は4:1~1:4(CeとAgの合計量に対するAgの含有量( モル%)は20mol%~80mol%に相当)が好ましく、3:1~1:3( CeとAgの合計量に対するAgの含有量(モル%)は33m ol%~67mol%に相当)がより好ましいことが記載さ ている。そして、Agの含有量が75mol%でCeの含 有量が25mol%の混合物について活性度が最大で あったとされている。また、Agの含有量が25mo l%でCeの含有量が75mol%の混合物では、唯一の 化剤として酸素を用いてもすす酸化に関し 活性であり、この場合に気相中に活性酸素 を生成することができると示されている。 お、文献2に記載されている触媒の製造方法 、セルロース材料(Whatman(登録商標)フィルタ ペーパー540)に硝酸塩前駆体を含浸させ、室 で一晩乾燥させた後に600℃、2時間の条件で ルロースを燃やすことにより、約70~200Å程 に集中した多孔性と14~150m 2 /gの高比表面積を有する触媒組成を得る方法 ある。

 このような文献2における評価方法は大きく 2つあり、一つはディーゼルすすと触媒組成 へらによりloose-contactせしめたものを酸素10% 囲気等でTGAにより分解速度を測定する方法 あり、もう一つはDPFにより圧損バランス試 を行う方法である。そして、例えばAgの含 量が75mol%の触媒組成についてのTGA評価では NO 2 :1010ppm、O 2 :10%という好条件で且つ最良の触媒組成であ ても323℃における酸化速度は0.117hr -1 である。すなわち、NO 2 という強力な酸化剤が十分に存在する条件で あっても、1時間に酸化されるスートの割合 11.7%にすぎない。一方、圧損バランス試験に おいては、Ag-Ce系であるCPF-15では325℃付近で ぼPMを酸化できていることになっているが この試験結果は先の試験結果と矛盾してい ことから、実際の圧損バランス試験におい はスート成分のすり抜け等が生じていると 発明者らは考えており、文献2に記載の触媒 成、すなわち単純にAgと、CeO 2 又はCo及びCeO 2 とが存在するのみでは、スート等のPMを低温 十分に酸化することはできなかった。

 さらに、特開2006-198563号公報(文献3)におい は、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等の 素イオン伝導体セラミックス表面へ、白金 の電極材料及びCa 12 Al 14 O 33 等のアルミン酸カルシウム、酸化ニッケル等 の触媒材料を形成することによって化学反応 装置を構築することが開示されており、その アノードの表面で固体電解質を介して供給さ れる酸素イオンを利用して、
   C+2O 2- →CO 2 +4e -
の反応によりPMを直接酸化除去できることが 載されている。しかしながら、文献3に記載 の方法における酸素活性種はアノードで生成 するO 2- であり、O 2- はPM酸化にとってはさほど適した酸素活性種 はなく、スート等のPMを低温で十分に酸化 ることはできなかった。

 また、特開2005-329318号公報(文献4)において 、ディーゼルエンジンの排気通路に配設さ 、排気ガス中のPMを捕集するディーゼルパテ ィキュレートフィルタであって、フィルタ本 体の排気ガス流路の壁面に、上記PMを酸化燃 させるための触媒貴金属(RhとPtとの少なく も一方)と、Ce及びZrを有する複合酸化物粒子 とを含有するコート層が形成されているもの が開示されている。しかしながら、文献4に 載のディーゼルパティキュレートフィルタ ように三元触媒として用いられているCeO 2 の酸素吸蔵放出能を利用するだけでは、リッ チ雰囲気にならないと酸素が放出されず、PM 焼温度の低下に対して格別な効果はなく、 はりスート等のPMを低温で十分に酸化する とはできなかった。

 本発明は、上記従来技術の有する課題に みてなされたものであり、粒子状物質(PM)の 酸化に特に好ましい酸素活性種が生成される 構成を達成し、酸化触媒がおかれる条件下で 安定的に酸素活性種が供給されるようにする ことにより、内燃機関から排出される排ガス 中の粒子状物質をより低温の温度領域で効率 的に酸化することができ、粒子状物質が堆積 した場合においても比較的低温の再生処理で 十分に再生させることが可能な排ガス浄化装 置を提供することを目的とする。

 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭 研究を重ねた結果、Ag、Pt、Rh、Pd、Ru、Ir、O s、Au及びCuからなる群から選択される少なく も一種である第一の金属からなる触媒金属 体上に、価数変動可能な第二の金属の酸化 からなる平均一次粒径が1~400nmの金属酸化物 微粒子が配置されてなる酸化触媒を備えるこ とにより上記目的が達成されることを見出し 、本発明を完成するに至った。

 本発明の排ガス浄化装置は、Ag、Pt、Rh、P d、Ru、Ir、Os、Au及びCuからなる群から選択さ る少なくとも一種である第一の金属からな 触媒金属担体上に、価数変動可能な第二の 属の酸化物からなる平均一次粒径が1~400nmの 金属酸化物微粒子が配置されてなる酸化触媒 を備えており、前記金属酸化物微粒子上で排 ガス中の粒子状物質を酸化するものである。

 上記本発明の排ガス浄化装置においては 前記第一の金属が含酸素物質から酸素を遊 させ酸素活性種を生成する酸素活性種生成 であり、前記第二の金属の酸化物が前記酸 活性種を移動及び/又は貯蔵することが可能 な酸素活性種移動材であり、前記酸化触媒が 酸素活性種供給材として機能するものである ことが好ましい。

 さらに、前記酸素活性種としては、後述 る吸着酸素種が好ましく、分子状吸着酸素 が特に好ましい。

 また、本発明にかかる前記触媒金属担体 しては、(i)3nm以上の厚さを有する膜状の触 金属担体であっても、(ii)7nm以上の平均一次 粒径を有する粒子状の触媒金属担体であって もよい。(ii)の場合においては、前記酸化触 が、核となる前記第一の金属からなる粒子 の触媒金属担体と、前記触媒金属担体の周 を覆っている前記第二の金属の酸化物から る平均一次粒径が1~100nmの金属酸化物微粒子 からなる凝集体であることが特に好ましい

 さらに、本発明にかかる前記第二の金属 酸化物からなる層の厚さとしては、10μm以 であることが好ましい。

 また、本発明にかかる前記第一の金属が Agを含有していることが好ましく、Agを含有 する合金であることが更に好ましく、Agであ ことが特に好ましい。

 さらに、本発明にかかる前記第二の金属の 化物としては、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd 、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Y、Zr、Fe、Ti、Al Mg、Co、Ni、Mn、Cr、Mo、W、V、Zn及びSnの酸化 、これらの固溶体、並びにこれらの複合酸 物からなる群から選択される少なくとも一 であることが好ましく、中でも、前記第二 金属の酸化物がCeO 2 又はCeを含む複合酸化物であり、La、Nd、Pr、S m、Y、Ca、Ti、Fe、Zr、Al、Zn及びSnからなる群 ら選択される少なくとも一種を添加金属と て更に含有していることが特に好ましい。

 このような本発明の排ガス浄化装置にお ては、大気中500℃で5時間焼成した後の前記 金属酸化物微粒子の平均粒径が10~100nmである とが好ましく、また、酸素10容量%及び窒素9 0容量%からなる雰囲気中800℃で5時間焼成した 後の前記金属酸化物微粒子の平均粒径が10~400 nmであることが好ましい。

 上記本発明の排ガス浄化装置においては、 制再生処理が必要となる粒子状物質堆積量 第一の基準(A)と、第一の基準(A)よりも低い 準である粒子状物質堆積量の第二の基準(B) に基づいて、
 求められた粒子状物質堆積量が第一の基準( A)と第二の基準(B)との間にある場合に、強制 生処理のための第一の再生処理温度よりも い第二の再生処理温度で低温再生処理を施 、
 求められた粒子状物質堆積量が第一の基準( A)を超えた場合に、強制再生処理を施す、
ように前記排ガス浄化装置を制御する制御手 段を更に備えることが好ましい。

 このように前記制御手段を更に備える上 本発明の排ガス浄化装置においては、前記 温再生処理を施す際に酸素活性種が連続的 生成されることが好ましく、また、前記強 再生処理を施した後に前記触媒金属担体上 配置された前記金属酸化物微粒子により酸 活性種が貯蔵されることが好ましい。

 また、このように前記制御手段を更に備 る上記本発明の排ガス浄化装置においては 第二の再生処理温度として複数の温度条件 設定されており、求められた粒子状物質堆 量が第一の基準(A)と第二の基準(B)との間に る場合に、低温側の第二の再生処理温度で 温再生処理を施し、その後の粒子状物質堆 量が第二の基準(B)未満となった場合は低温 生処理を終了し、該粒子状物質堆積量が未 第一の基準(A)と第二の基準(B)との間にある 合は、順次高温側の第二の再生処理温度に 更して低温再生処理を繰り返すように前記 ガス浄化装置を制御することがより好まし 。

 なお、本発明の排ガス浄化装置の構成に って粒子状物質(PM)の酸化に特に好ましい酸 素活性種が生成される構成が達成され、酸化 触媒がおかれる条件下で安定的に酸素活性種 が供給されるようになる理由は必ずしも定か ではないが、本発明者らは以下のように推察 する。すなわち、従来技術では格子酸素を用 いた検討であっても高活性が達成されなかっ た要因として酸素活性種に着目した。格子酸 素は強力な酸化力があるにしても被酸化物へ の供給効率が問題となることから、格子酸素 及び気相酸素並びにこれらから生成する酸素 活性種の全てを含む広い意味での活性酸素種 を被酸化物へ供給しやすい構成として以下の 第1ステップから第5ステップに沿って推察し 。なお、格子酸素を利用するにしても、そ ものを直接利用することは従来技術のよう 効果がみられないことから、格子酸素及び 相酸素を直接利用するのではなく、「より 果的な酸素活性種」に変換した後に供給す 。

 <第1ステップ> 吸着酸素種の最大限の 用
 ここで「吸着酸素種」とは、酸素活性種の ち容易に放出されるものの総称であり、気 酸素、格子酸素等から生成することが可能 あり、昇温脱離試験(TPD)、同位体交換等に り検出することが可能である。なお、吸着 素種は吸蔵、吸収、吸着、付着している酸 活性種を含むものであるが、現象として容 に放出されやすいものであることから、こ では便宜上「吸着」という用語を使用する

 吸着酸素種としては、O 2 、O 2 - 、O 2 2- 、O - 、O 2- 等が例示される。一般論として、酸素は電子 受容性であるので高温になるほど後者の吸着 種が現れやすく、格子酸素への組み込みも起 こりやすくなる。また、O 3 - ⇔O - +O 2 の平衡で生成するO 3 - も存在すると考えられる。また、O 2 分子が若干負電荷を帯びた吸着酸素種も存在 するものと考えられる。さらに、分極したO 2 分子も存在し、貴金属上では解離吸着した酸 素も存在する。これらの吸着酸素種は必ずし も活性が高いものばかりではないが、前記の とおり酸素活性種の供給を優先することが有 利であると本発明者らは推察した。上記吸着 酸素種はO 2- を除き求電子性を有し、スートの電子を求め る反応機構も期待できる。

 <第2ステップ> 活性酸素種の生成
 先ず、排ガス浄化分野での活性酸素種生成 段(酸素活性種生成材)として想起されるの Ptに代表される貴金属である。多くの貴金属 上では、O 2 は解離吸着し、高活性な酸素活性種である原 子状酸素O ad を生成すると考えられる。被酸化物がHC、CO NO等の気体である場合にはその分子運動によ りある程度の衝突確率を得ることができ、貴 金属を介した電子の授受等を併用して酸素活 性種を効率的に供給できる。しかし、被酸化 物が固体である場合には供給効率が問題とな る。そこで、酸素活性種を固体状被酸化物へ の供給効率を高めることを主眼に活性酸素種 を鋭意検討したところ、「吸着酸素種」のう ち分子状吸着酸素種を用いることが特に好ま しいことを見出した。

 このような酸素活性種を生成するために 、解離吸着する酸素の割合を適度に調整す ことが必要となる。そのため、本発明にお てはAg、Pt、Rh、Pd、Ru、Ir、Os、Au及びCuから る群から選択される少なくとも一種の金属( 第1の金属)を用いることが必要となり、Agを 有する金属を用いることが特に好ましい。 お、第1の金属はメタルとしての性質を示す とが必須であり、そのためにはある程度大 な粒径を有することが好ましい。また、Ag 吸着酸素種を効率良く保持する機能も有す 。

 <第3ステップ> 吸着酸素種の移動及び/ は貯蔵
 吸着酸素種が生成してもすぐに被酸化物が れるわけではない。また、被酸化物が現れ ときには吸着酸素種の生成に必要となる酸 が不足することになる。そこで、吸着酸素 の移動手段だけでなく貯蔵手段を有するこ が好ましい。

 吸着酸素種においてO 2 以外のものは負電荷を有する。そして、吸着 酸素種は表面拡散(吸着種)と内部拡散(格子酸 素)により移動するが、吸着酸素種の移動の めには表面拡散が特に重要であるため、本 明においては価数変動可能な金属(第2の金属 )の酸化物を用いることが必要となる。さら 、吸着酸素種の効率的な生成という観点か は内部拡散も利用することが好ましく、吸 酸素種の貯蔵という観点からも塩基性材料 より好ましく、CeO 2 又はCeを含む複合酸化物が特に好ましい。

 <第4ステップ> 吸着酸素種の生成に好 しい金属と金属酸化物の役割
 吸着酸素種の生成に対する金属酸化物の役 としては、価数変動可能な金属の酸化物を いることにより、金属、金属酸化物、気相 素及び金属酸化物中の格子酸素との電荷の 受が容易になり、このような観点から気相 素と接触可能な金属-金属酸化物界面は多い ほどよい。そのため、金属酸化物からなる層 は緻密ではないことが好ましく、本発明にお いては平均一次粒径が1~400nmの金属酸化物微 子が用いられる。

 また、上記金属-金属酸化物界面に好まし い金属としては、気相酸素と接触可能な金属 や金属酸化物界面にはさらに効率的に電子が 供給されることが好ましいため、このような 観点から電気伝導度の高い金属が好ましく、 Ag、Cu、Auがより好ましく、Agが特に好ましい なお、電子の供給は、スート等の酸化時に 成した電子を金属-金属酸化物界面に供給す ればよく、また、電極上に金属酸化物をコー トして電源から金属に電子が供給されるよう にしてもよい。

 <第5ステップ> 被酸化物(粒子状物質)へ の吸着酸素種の供給サイト
 吸着酸素種の供給サイトが吸着酸素種の生 サイトと同一サイトである場合は連続的な 着酸素種の供給が困難になることから、本 明においては、吸着酸素種の供給サイトを 着酸素種の生成サイトとは分離し、吸着酸 種の移動及び/又は貯蔵サイトを供給サイト として利用する。したがって、本発明におい ては、吸着酸素種の生成サイトである前記第 一の金属からなる触媒金属担体上に、吸着酸 素種の移動及び/又は貯蔵サイトである前記 二の金属の酸化物からなる金属酸化物微粒 が配置されており、前記金属酸化物微粒子 で粒子状物質が酸化されるように構成され 。このように配置することにより、粒子状 質の酸化を行いながら吸着酸素種の生成を うことが可能となる。さらに、供給サイト 被酸化物との接触面に配置することにより 被酸化物との接触面全体を活性サイトとす ことが可能となる。

 また、吸着酸素種の供給サイトにおいて酸 活性種と粒子状物質との間で電子の授受が われることから、粒子状物質の酸化により 生した電子の受け取りを容易にすることが ましく、このような観点からも本発明にお ては価数変動可能な金属(第2の金属)の酸化 を用いることが必要となり、CeO 2 又はCeを含む複合酸化物が特に好ましい。

 なお、核となる前記第一の金属からなる 子状の触媒金属担体と、前記触媒金属担体 周囲を覆っている前記第二の金属の酸化物 らなる平均一次粒径が1~100nmの金属酸化物微 粒子とからなる凝集体を本発明にかかる酸化 触媒として用いると、第5ステップにかかる 着酸素種の供給サイトが多く、また第4ステ プにかかる金属-金属酸化物界面が多いため 、吸着酸素種が効率的に生成可能となり、さ らに電力の供給も不要となるため特に好まし い。

 本発明においては、以上の第1ステップか ら第5ステップを図1に示すような本発明にか る酸化触媒において実現することによって 子状物質をより低温で十分に酸化すること 可能となると本発明者らは推察する。本発 にかかる酸化触媒においては、図1に示すよ うに、前記第一の金属からなる触媒金属担体 1上に前記第二の金属の酸化物からなる金属 化物微粒子2が配置されてなる。そのため、 酸化物であるスート等の粒子状物質3は、触 媒金属担体1に直接接触するより金属酸化物 粒子2に接触する確率が大きい。

 そして、図1に示すように、含酸素物質が金 属酸化物微粒子2の空隙を通過し、触媒金属 体1の表面(触媒金属担体1と金属酸化物微粒 2との界面4)において比較的低温でも含酸素 質から酸素が遊離され、吸着酸素種(O * )が生成する。生成した吸着酸素種は、金属 化物微粒子2により貯蔵され、或いは粒子状 質を完全に酸化してCO 2 となる。また、別の酸化形態として、金属酸 化物微粒子2により粒子状物質3の表面に移動 れ、そこで表面酸化物が形成される場合も る。なお、このような表面酸化物のCとOの 合は、主にC=O、C=C及びC-Oに分類できること 知られている(Applied Catalysis B,50,185-194(2004)) 次いで、このようにして形成された表面酸 物が気相酸素により、或いは金属酸化物微 子2を介して移動してくる吸着酸素種により 酸化される。このようにして、粒子状物質3 周囲から酸化された部分が除去され、粒子 物質3は縮小していき、最終的に完全に酸化 れて粒子状物質3は消失する。そして、粒子 状物質の酸化時に生じた電子は、金属酸化物 微粒子2を介して触媒金属担体1に移動する。

 このような構成の酸化触媒を備える本発 の排ガス浄化装置においては、酸化時に供 サイトにおいて酸素不足となった場合であ ても、貯蔵されている吸着酸素種及びその 動により吸着酸素種が安定的に供給される さらに、生成サイトにおいて、酸素不足と らない限り吸着酸素種が連続的に生成され 。したがって、本発明の排ガス浄化装置に いては排ガス中の粒子状物質がより低温の 度領域で効率的に酸化されるようになり、 ガス浄化装置内に堆積した粒子状物質も低 で除去することができるため、比較的低温 再生処理で十分に再生させることが可能と る。

 なお、本発明において、含酸素物質として 、O 2 の他に、NO X 、SO X 、O 3 、過酸化物、超酸化物、カルボニル化合物、 アルコール化合物、エーテル化合物、ニトロ 化合物等の酸素原子を含有する化合物であっ て、スート等の粒子状物質を酸化する雰囲気 において気体となっているものを例示するこ とができる。

 本発明によれば、粒子状物質(PM)の酸化に 特に好ましい酸素活性種が生成される構成を 達成し、酸化触媒がおかれる条件下で安定的 に酸素活性種が供給されるようにすることに より、内燃機関から排出される排ガス中の粒 子状物質をより低温の温度領域で効率的に酸 化することができ、粒子状物質が堆積した場 合においても比較的低温の再生処理で十分に 再生させることが可能な排ガス浄化装置を提 供することが可能となる。

図1は、本発明にかかる酸化触媒の模式 断面図である。 図2は、本発明の排ガス浄化装置の好適 な一実施形態の模式断面図である。 図3は、本発明の排ガス浄化装置の好適 な他の実施形態の模式断面図である。 図4は、本発明の制御手段によって行わ れる制御の好適な一実施形態を示すフローチ ャートである。 図5は、本発明の制御手段によって行わ れる制御の好適な他の実施形態を示すフロー チャートである。 図6は、実施例1で得られたCeO 2 -Ag組成物の表面状態を示すSEM写真である。 図7は、実施例1で得られたCeO 2 -Ag組成物の粒度分布(累計)を示すグラフであ 。 図8は、実施例1で得られたCeO 2 -Ag組成物の細孔径分布を示すグラフである。 図9は、実施例1で得られたCeO 2 -Ag組成物の細孔径分布(累計)を示すグラフで る。 図10は、実施例1及び比較例1で得られ 排ガス浄化装置のPM酸化性能試験の結果を示 すグラフである。 図11は、実施例1~2の本発明の排ガス浄 装置のPM酸化性能試験の結果を示すグラフ ある。 図12は、実施例3で得られた排ガス浄化 装置と比較のための2LサイズのDPFのPM酸化性 試験の結果を示すグラフである。 図13は、PM堆積量1g/Lとした実施例1で得 られた排ガス浄化装置のPM酸化性能試験の結 を示すグラフである。 図14は、PM堆積量2g/Lとした実施例1で得 られた排ガス浄化装置のPM酸化性能試験の結 を示すグラフである。 図15は、PM堆積量5g/Lとした実施例1で得 られた排ガス浄化装置のPM酸化性能試験の結 を示すグラフである。 図16は、PM堆積量2g/Lとした実施例1で得 られた本発明の排ガス浄化装置の酸化速度測 定試験の結果を示すグラフである。 図17は、実施例1~2及び4で得られた排ガ ス浄化装置のスート酸化速度を測定した結果 を示すグラフである。 図18は、実施例1で得られた試料の 18 O/ 16 O同位体交換反応における分圧変化を測定し 結果を示すグラフである。 図19は、比較例3で得られた試料の 18 O/ 16 O同位体交換反応における分圧変化を測定し 結果を示すグラフである。 図20は、実施例1及び比較例2~4で得られた試料 の200℃~400℃におけるO 2 脱離量を測定した結果を示すグラフである。 図21は、ESR測定の結果を示すグラフで る。 図22は、実施例1、5、6で得られた排ガ 浄化装置のCO浄化率を測定した結果を示す ラフである。 図23は、実施例1、5、6で得られた排ガ 浄化装置のHC浄化率を測定した結果を示す ラフである。 図24は、実施例1、6で得られた排ガス 化装置のPM酸化性能試験の結果を示すグラフ である。

 以下、本発明をその好適な実施形態に即 て詳細に説明する。

 先ず、本発明の排ガス浄化装置について 明する。本発明の排ガス浄化装置は、Ag、Pt 、Rh、Pd、Ru、Ir、Os、Au及びCuからなる群から 択される少なくとも一種である第一の金属 らなる触媒金属担体上に、価数変動可能な 二の金属の酸化物からなる平均一次粒径が1 ~400nmの金属酸化物微粒子が配置されてなる酸 化触媒を備えており、前記金属酸化物微粒子 上で排ガス中の粒子状物質を酸化することを 特徴とするものである。

 本発明にかかる触媒金属担体を構成する 一の金属としては、含酸素物質から酸素を 離させ酸素活性種を効率良く生成する酸素 性種生成材(酸素遊離材)であることが好ま く、このような観点からAg、Pt、Rh、Pd、Ru、I r、Os、Au及びCuからなる群から選択される少 くとも一種が用いられ、中でもAgを含有して いるものが好ましく、Agを含有する合金が更 好ましく、Agであることが特に好ましい。 お、本発明にかかる前記第一の金属は、前 の金属を単独で用いたものであってもよい 、二種以上の金属からなる合金であっても い。また、本発明にかかる第一の金属がAg以 外の成分を含有する場合、Agの含有率が0.3質 %以上であることが好ましい。また、本発明 にかかる触媒金属担体の表面に、第一の金属 の酸化物層が形成されていてもよい。

 このような第一の金属の大きさは、電子 態がメタルとしての性質(例えば酸化物にな っていないこと)を維持できるようにある程 大きいことが好ましい。イオン化傾向が小 い金属ほど、金属が小さくてもメタルとし の性質を維持しやすい傾向にある。このよ に第一の金属がメタルとしての性質を維持 ることにより、吸着酸素種をより効率的に 成することが可能となる傾向にある。

 本発明にかかる触媒金属担体の形状は特 限定されず、膜状であっても粒子状であっ もよい。第一の金属(例えばAg)からなる触媒 金属担体が膜状の場合、その厚さは3nm以上で あることが好ましく、3~1000nmであることがよ 好ましい。触媒金属担体の厚さが前記下限 満では触媒活性が低下する傾向にあり、他 、前記上限を超えるとコスト低減の観点か 不都合となる傾向にある。

 また、第一の金属(例えばAg)からなる触媒 金属担体が粒子状である場合、その平均一次 粒径は7nm以上であることが好ましく、7~1000nm あることがより好ましく、15~500nmであるこ が特に好ましい。触媒金属担体の平均一次 径が前記下限未満では触媒活性が低下する 向にあり、他方、前記上限を超えるとコス 低減の観点から不都合となる傾向にある。 お、第一の金属からなる複数の粒子が接触 た状態で存在することにより触媒金属担体 形成されていてもよい。

 本発明にかかる金属酸化物微粒子を構成す 第二の金属としては、前記酸素活性種を移 及び/又は貯蔵することが可能な酸素活性種 移動材であることが好ましく、このような観 点から価数変動可能な金属が用いられる。こ のような第二の金属の酸化物としては、、La Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm Yb、Lu、Y、Zr、Fe、Ti、Al、Mg、Co、Ni、Mn、Cr Mo、W、V、Zn及びSnの酸化物、これらの固溶体 、並びにこれらの複合酸化物からなる群から 選択される少なくとも一種が好ましく、CeO 2 、Fe 2 O 3 、ZrO 2 、Y 2 O 3 、TiO 2 、Al 2 O 3 、MgO、Co 3 O 4 、Pr 2 O 3 、Nd 2 O 3 、ZnO、SnO 2 、MnO 2 、La 2 O 3 、Cr 2 O 3 、これらの固溶体、及びこれらの複合酸化物 からなる群から選択される少なくとも一種で あることがより好ましく、中でもCeO 2 及びCeを含む複合酸化物が特に好ましい。ま 、第二の金属の酸化物においては、酸素活 種を移動させるためにある程度の欠陥を有 るものが好ましい。

 第二の金属の酸化物がCeO 2 及びCeを含む複合酸化物の場合には、酸素活 種の移動度を高めると共にCeO 2 粒子又はCeを含む複合酸化物粒子の粗大化を り確実に防止するために、La、Nd、Pr、Sm、Y Ca、Ti、Fe、Zr、Al、Zn及びSnからなる群から 択される少なくとも一種(特に好ましくはLa び/又はNd)を添加金属として更に含有してい ことがより好ましい。なお、このような添 成分を含有する場合、Ceと添加成分の合計 に対して添加成分の含有量が1~30mol%程度が好 ましく、5~20mol%程度がより好ましい。

 このような第二の金属の酸化物からなる 属酸化物微粒子の平均一次粒径は、1~400nmで あることが必要であり、1~100nmであることが り好ましい。前記金属酸化物微粒子の平均 次粒径が1nm未満では、微粒子の空隙を含酸 物質が通過しにくくなり、触媒金属担体に ける活性酸素種の生成が阻害される。他方 前記金属酸化物微粒子の平均一次粒径が400nm を超えると、微粒子の空隙を粒子状物質が通 過し易くなり、金属酸化物微粒子と粒子状物 質の接触性が低下し、活性酸素種の粒子状物 質への供給が阻害される。

 また、第二の金属の酸化物からなる金属 化物微粒子は、大気中500℃で5時間焼成した 後の平均粒径が10~100nm(より好ましくは10~50nm) あることが好ましく、また、酸素10容量%及 窒素90容量%からなる雰囲気中800℃で5時間焼 成した後の平均粒径が10~400nm(より好ましくは 10~80nm)であることが好ましい。前記金属酸化 微粒子の上記平均粒径が上記下限未満では ート等の粒子状物質との接触が阻害される 向にあり、他方、上記上限を超えると微粒 の空隙を粒子状物質が通過し易くなり、金 酸化物微粒子と粒子状物質の接触性が低下 、活性酸素種の粒子状物質への供給が阻害 れる傾向にある。

 このように、前記第二の金属の酸化物微粒 からなる層は、微粒子の空隙をO 2 等の含酸素物質が通過して触媒金属担体に到 達可能な構造であることが必要である。この ような構造になっているか否かは、電子顕微 鏡により確認できるほか、前記第1の金属に する露出金属量測定(O 2 及びH 2 による酸化還元滴定)によっても確認可能で る。

 前記第二の金属の酸化物微粒子からなる層 厚さは、特に限定されないが、粒子状物質 の活性酸素種の効率的な供給の観点、及び 子状物質の酸化時に生じた電子の触媒金属 体への効率的な移動の観点から、10μm以下 あることが好ましく、400nm以下であることが より好ましく、100nm以下であることがさらに り好ましく、30nm以下であることが特に好ま しく、10nm以下であることがさらに特に好ま い。他方、前記第二の金属の酸化物微粒子 らなる層の厚さが1nm未満となると、粒子同 が成長して触媒金属担体とO 2 の接触が阻害されるとともに、活性酸素種の 貯蔵量が少なくなるため好ましくない。

 本発明の排ガス浄化装置は、前記第一の 属からなる触媒金属担体上に、前記第二の 属の酸化物からなる金属酸化物微粒子が配 されてなる酸化触媒を備えており、前記金 酸化物微粒子上で排ガス中の粒子状物質を 化するものである。このような本発明にか る酸化触媒は、前述のとおり酸素活性種供 材として機能するものであることが好まし 。また、本発明にかかる酸化触媒により供 される酸素活性種としては、前述のとおり 着酸素種が好ましく、分子状吸着酸素種が に好ましい。

 このような酸化触媒において、前記第二 金属からなる酸化物微粒子の表面に担持さ ている第三の金属超微粒子を更に備えてい もよい。かかる第三の金属超微粒子が存在 ると、価数変動可能な金属と吸着酸素種と 属超微粒子との間での電荷のやり取りによ さらに吸着酸素種が生成し、さらに被酸化 への吸着酸素種の供給が容易になる傾向に る。

 このような第三の金属超微粒子を構成す 第三の金属としては、Hのイオン化傾向より 小さいイオン化傾向を有するもの(例えば、Au ,Pt,Pd,Rh,Ru,Ag,Hg,Cu,Bi,Sb,Ir,Os)であることが好ま く、Agのイオン化傾向以下のイオン化傾向を 有するもの(貴金属:例えば、Au,Ag,Cu,Pt,Pd,Rh,Ru,I r,Os)であることがより好ましく、前記第一の 属と同一のものであることが特に好ましい また、第三の金属超微粒子が、1~1000個の原 からなることが好ましい。

 このような第三の金属超微粒子としては、F E-TEM観察によっても粒子として観察できない のが好ましく、Agの場合には孤立して存在 、価数変動可能な金属との間で電荷をやり りしてAg 2+ として検出されるものが例示される。

 また、本発明にかかる酸化触媒において 、HC、CO及びNOの酸化との両立を目的として 通常の含浸法等によりPt、Rh、Pd等の貴金属 更に担持していてもよい。

 また、本発明の排ガス浄化装置は、前記 化触媒を備えるものであればよく特に制限 れるものではないが、基材と、前記酸化触 とを備えるものがより好ましい。

 このような基材としては特に制限されず DPF基材、モノリス状基材、ハニカム状基材 ペレット状基材、プレート状基材、発泡状 ラミック基材等が好適に採用される。また このような基材の材質も特に制限されない 、コージエライト、炭化ケイ素、ムライト のセラミックスからなる基材や、クロム及 アルミニウムを含むステンレススチール等 金属からなる基材が好適に採用される。

 また、本発明の排ガス浄化装置において 、前記基材に付与する前記酸化触媒の量は に制限されず、対象とする内燃機関等に応 てその量を適宜調整することができるが、 材体積1リットルに対して酸化触媒の量が10~ 300g程度となる量が好ましい。なお、本発明 排ガス浄化装置としては、酸化触媒自身を レット化する等して用いることもできる。

 また、このような本発明の排ガス浄化装 においては、前記基材が1~300μmの細孔を有 るものであることが好ましい。

 また、このような基材としては、気孔率 30~70%(より好ましくは40~65%)であることが好 しい。ここにいう「気孔率」とは、基材内 の空洞部分の体積率をいう。また、このよ な気孔率が前記下限未満では、排ガス中の 子状物質により閉塞し易くなるとともに前 酸化触媒のコート層を形成しにくくなる傾 にあり、他方、前記上限を超えると、排ガ 中の粒子状物質を捕集しにくくなるととも 基材の強度が低下する傾向にある。

 このような本発明の排ガス浄化装置の構 例として、図2に記載のものが例示される。 図2に記載の排ガス浄化装置においては、セ ミックスからなる基材5の表面上に前記膜状 触媒金属担体1が形成され、さらにその表面 上に前記金属酸化物微粒子2が配置されてい 。なお、4は金属-金属酸化物界面である。

 このような触媒金属担体1を形成する方法 は特に限定されず、金属板、めっき、ペース ト、蒸着法(例えば、化学蒸着法、物理蒸着 、スパッタ蒸着法)等を用いることにより形 することができる。

 また、触媒金属担体1の表面上に金属酸化 物微粒子2の層を形成する方法も特に限定さ ず、金属酸化物微粒子又はその前駆体の分 液やゾルを用いて被覆(その後必要に応じて 成)する方法や、蒸着法(例えば、化学蒸着 、物理蒸着法、スパッタ蒸着法)等を用いる とにより形成することができる。

 例えば、以下のようにしてスパッタリング 膜装置を用い、厚さ0.35mmのSi基板上にAg及び CeO 2 からなる薄膜を形成することにより図2に記 の排ガス浄化装置を得ることができる。す わち、基板の法線に対して70゜の方向に純度 4NのAgターゲット材と、純度3NのCeO 2 ターゲット材をそれぞれ配置し、スパッタガ スとして10%のO 2 を含むArガスを用い、圧力が2.5×10 -3 Torr、投入電力がAgターゲットで16W、CeO 2 ターゲットで150Wとする。そして、先ずAgを蒸 着し、その後CeO 2 を蒸着することによりAg膜上にCeO 2 微粒子を配置させることができる。なお、蒸 着時間によりAgおよびCeO 2 を所望の厚さにすることは容易であり、例え ばAgの厚さを250nm、CeO 2 の厚さを10nmとすることができる。このよう 蒸着法では層が膜状に形成される傾向にあ ことから、界面と気相酸素との接触を確保 るため、金属酸化物微粒子層が緻密となる を防止するために適宜加熱して金属酸化物 凝集させることが好ましい。

 また、本発明の排ガス浄化装置の他の構 例として、図3に記載のものが例示される。 図3に記載の排ガス浄化装置においては、セ ミックスからなる基材5の表面上に、核とな 前記第一の金属からなる粒子状の触媒金属 体1と、前記触媒金属担体1の周囲を覆って る前記第二の金属の酸化物からなる平均一 粒径が1~100nmの金属酸化物微粒子2とからなる 凝集体(酸化触媒)が配置されている。なお、4 は金属-金属酸化物界面である。

 本発明にかかる酸化触媒としてこのよう 凝集体を用いると、前述のように吸着酸素 の供給サイトが多くなり、また金属-金属酸 化物界面が多いため、吸着酸素種が効率的に 生成可能となり、さらに電力の供給も不要と なるため特に好ましい。また、このような凝 集体を用いると、セラミック基材、特に1~300 mの細孔を有するDPF上への上記酸化触媒の形 が容易となる傾向にあり、好ましい。

 以下、本発明に有効なこのような凝集体 その製造方法について説明する。

 本発明にかかる凝集体における前記第一 金属からなる粒子の粒径は、特に限定され いが、大気中500℃で5時間焼成した後の平均 粒径が10~100nm(より好ましくは10~50nm)であるこ が好ましく、また、酸素10容量%及び窒素90 量%からなる雰囲気中800℃で5時間焼成した後 の平均粒径が10~400nm(より好ましくは10~80nm)で ることが好ましい。第一の金属粒子の平均 径が上記下限未満では酸素活性種生成材に り生成された酸素活性種の第二の金属酸化 微粒子への受け渡しが阻害される傾向にあ 、他方、上記上限を超えると第一の金属粒 が第二の金属酸化物微粒子によって覆われ くくなる傾向にある。

 また、このような凝集体においては、大 中500℃で5時間焼成した後、並びに、酸素10 量%及び窒素90容量%からなる雰囲気中800℃で 5時間焼成した後のいずれにおいても、前記 一の金属粒子の平均粒径が前記第二の金属 化物微粒子の平均粒径の1.3倍以上であるこ が好ましく、2.0倍以上であることがより好 しい。このような条件を満たさないと、第 の金属粒子の周囲が十分に第二の金属酸化 微粒子により覆われず、粒子状物質を酸化 る能力が低下する傾向にある。

 本発明にかかる凝集体は、前記の第一の 属粒子の周囲が上記の第二の金属酸化物微 子により覆われてなるものである。かかる 一の金属粒子と第二の金属酸化物微粒子と 比率は特に限定されないが、第一の金属粒 を構成する主たる金属と第二の金属酸化物 粒子を構成する主たる金属との比率(モル比 )が10:90~80:20であることが好ましく、30:70~60:40 あることがより好ましく、35:65~60:40である とが特に好ましい。第一の金属粒子の量が 記下限より少ないと、気相から遊離される 素活性種の量が低下して粒子状物質を酸化 る能力が低下する傾向にあり、他方、第二 金属酸化物微粒子の量が上記下限より少な と、粒子状物質に移動できる酸素活性種の が低下して粒子状物質を酸化する能力が低 する傾向にある。そして、上記の比率が35:65 ~60:40であると、第一の金属粒子の周囲を第二 の金属酸化物微粒子が覆い易く、且つ、それ らの凝集体を形成しない両成分の割合が低下 するため特に好ましい。

 このような本発明にかかる凝集体の平均 径は特に制限されないが、0.05~0.5μmである とが好ましく、0.07~0.2μmであることがより好 ましい。前記平均粒径が上記下限未満では含 酸素物質と第一の金属粒子との接触が阻害さ れる傾向にあり、他方、上記上限を超えると 第二の金属酸化物微粒子と粒子状物質との接 触が阻害される傾向にある。

 また、本発明にかかる凝集体は分散性が いことが好ましく、全凝集体のうちの60容 %以上のものが前記平均粒径±50%の範囲内の 径を有していることが好ましい。本発明に かる凝集体がこのように分散性が高いと、 子状物質を酸化する能力がより向上すると に、DPF等の担体により均一に担持させるこ が可能となる傾向にある。

 次に、本発明にかかる凝集体の製造方法に いて説明する。すなわち、本発明にかかる 集体の製造方法としては、
 第一の金属塩と第二の金属塩とを含有する 液から、第一の金属塩に由来する第一の金 粒子が第二の金属塩に由来する第二の金属 合物微粒子により覆われている凝集体前駆 を生成せしめる工程と、
 得られた凝集体前駆体を焼成することによ て、核となる第一の金属粒子と、前記第一 金属粒子の周囲を覆っている平均一次粒径 1~100nmの第二の金属酸化物微粒子とからなる 凝集体を得る工程と、
を含む方法が挙げられる。

 上記本発明にかかる第一の金属塩として 、前記第一の金属の塩であり、このような 一の金属塩としては、上記第一の金属の硝 塩、酢酸塩、塩化物、硫酸塩、亜硫酸塩、 機錯塩等の水溶性の塩が挙げられ、中でも 酸塩(例えば、硝酸銀)が好適に用いられる また、本発明にかかる第二の金属塩として 、前記第二の金属の塩であり、このような 二の金属塩としては、上記第二の金属の硝 塩、酢酸塩、塩化物、硫酸塩、亜硫酸塩、 機錯塩等の水溶性の塩が挙げられ、中でも 酸塩(例えば、硝酸セリウム)が好適に用いら れる。

 さらに、第一の金属塩と第二の金属塩と 含有する溶液を調製するための溶媒として 、特に制限されず、水、アルコール(例えば 、メタノール、エタノール、エチレングリコ ール等の単独又は混合系溶媒)等の各種溶媒 挙げられるが、水が特に好ましい。

 なお、第一の金属塩と第二の金属塩との 合量(仕込み量)は、得られる第一の金属粒 と第二の金属酸化物微粒子との比率と完全 は一致する必要はなく、得ようとする複合 料における第一の金属粒子と第二の金属酸 物微粒子との組み合わせや比率の好適条件 応じて第一の金属塩と第二の金属塩との組 合わせや配合量の条件が適宜設定される。 た、第二の金属塩に対して第一の金属塩が 剰に存在するようにすると、溶液中に生成 る第二の金属酸化物微粒子を全て凝集体の 部とさせ易くなる傾向にあり、凝集体以外 成分が溶液中に生成しないので好ましい。

 また、このような凝集体の製造方法にお ては、前記凝集体前駆体を生成せしめる工 において、pH調整剤の存在下で前記第二の 属化合物微粒子を生成せしめ、前記第二の 属化合物微粒子の還元作用によって前記第 の金属粒子を析出させることによって前記 集体前駆体を生成せしめることが好ましい

 酸化還元反応が起きるための要件は用いる 一の金属と第二の金属との電位で説明する とができるが、電位はpH依存性がある。一 的に、pHが大きくなるほど電位は低下する。 したがって、このような凝集体の製造方法に おいては、適宜pH調整剤を添加して酸化還元 応を制御することが好ましい。また、pH調 剤を添加することによって、活性化エネル ーも変化することから、酸化還元反応を最 条件にすることが可能である。このようなpH 調製剤としては、NaOH、KOH、NH 3 、HNO 3 、H 2 SO 4 が例示されるが、一般的な酸やアルカリを用 いれば足りる。

 なお、例えば、第一の金属がAgの場合に 、酸性側では電位が高いため、反応が早く 行し過ぎるため、粗大なAgが析出し易くなる 傾向があることから、塩基の存在下でアルカ リ性とすることが好ましい。その際、pH調整 としてNaOHを用いると沈殿が生じてしまうこ とから、アンモニアでアルカリ性とすること が好ましい。この場合には、アンモニアは後 述する錯化剤としても機能している。また、 このような塩基の濃度は特に限定されないが 、塩基としてアンモニアを用いる場合には一 般的には1~50%程度のアンモニア濃度を有する 液を用いることが好ましい。さらに、この 合における第二の金属化合物微粒子は、第 の金属の水酸化物であると考えられる。

 また、このような凝集体の製造方法にお ては、前記凝集体前駆体を生成せしめる工 において、錯化剤の存在下で前記第一の金 塩に由来する第一の金属化合物を生成せし 、前記第二の金属化合物微粒子の還元作用 よって前記第一の金属化合物を還元して前 第一の金属粒子を析出させることがより好 しい。

 酸化還元反応を最適な条件にするためには 上記のようにpH調整剤を添加することが好 しいが、その場合、特に金属塩はpHによって は沈殿物を生じることがある。そこで、錯化 剤を用いない場合に沈殿物が生成する条件で あっても、錯化剤を添加することにより、金 属塩の状態とすることができる。このように することにより、電位や活性化エネルギーも 変化するため、適宜条件を合わせることが可 能となる。例えば、CeO 2 -Ag系の場合には、Agを[Ag(NH 3 ) 2 ] + とすることが好ましい。このような錯化剤と しては、アンモニア、有機酸(グリコール酸 クエン酸、酒石酸等)のアルカリ塩、チオグ コール酸、ヒドラジン、トリエタノールア ン、エチレンジアミン、グリシン、ピリジ 、シアン化物が例示される。

 さらに、このような凝集体の製造方法にお ては、前記凝集体前駆体を生成せしめる工 において、温度調整することが好ましい。 応溶液の温度条件は、酸化還元反応を支配 る重要な因子である。溶媒が液体として機 している範囲で溶液の温度を適宜調整する とが好ましい。例えば、CeO 2 -Ag系の場合には、30℃以上とすることが好ま く、60℃以上とすることがより好ましい。 述する実施例のように、1~3気圧、100~150℃程 の条件とすると確実に反応を起こすことが きる傾向にあり、また反応時間を短縮でき ことから産業への応用上も好ましい。

 なお、前記凝集体前駆体を生成せしめる 程において、上記の金属塩溶液にpH調整剤 有溶液(例えば塩基性溶液)を添加・混合する いわゆる「沈殿法」であっても、pH調整剤含 溶液(例えば塩基性溶液)に上記の金属塩溶 を添加・混合するいわゆる「逆沈殿法」で ってもよい。この場合において、第一の金 塩、第二の金属塩の順、又はその逆の順序 逐次添加・混合してもよい。また、反応時 は特に限定されないが、好ましくは0.1~24時 程度、より好ましくは0.1~3時間程度かけて凝 集させることが好ましい。また、錯化剤を用 いる場合には、予め錯化剤により金属塩とし てから上記操作を行ってもよい。

 また、このような前記凝集体前駆体を生 せしめる工程における反応溶液中の固形分 度は特に制限されないが、1質量%~50質量%で ることが好ましく、10質量%~40質量%であるこ とがより好ましく、15~30質量%であることが更 に好ましい。固形分濃度が前記下限未満では 、凝集処理の促進効果が低下する傾向にあり 、他方、上記上限を超えると第一の金属粒子 を核とした凝集体を得ることが困難となる傾 向にある。

 このように凝集処理を行うことで、前述 ように第一の金属粒子が第二の金属化合物 粒子により覆われている凝集体前駆体が効 良く且つ確実に得られるようになる。

 さらに、このような凝集体前駆体の平均 径は特に制限されないが、0.05~0.5μmである とが好ましく、0.07~0.2μmであることがより好 ましい。また、かかる凝集体前駆体の分散性 が高いことが好ましく、全凝集体前駆体のう ちの60容量%以上のものが前記平均粒径±50%の 囲内の粒径を有していることが好ましい。 集体前駆体の分散性がこのように高いと、 られる本発明の複合材料の分散性が高くな 、DPF等の担体により均一に担持させること 可能となる傾向にある。

 そして、このような凝集処理によって得 れた凝集体前駆体を、必要に応じて洗浄し 後に、焼成することによって、前述の凝集 を得ることができる。かかる焼成の際の条 は特に限定されないが、一般的には酸化雰 気(例えば、空気)中において300~600℃で1~5時 程度かけて焼成することが好ましい。

 なお、本発明にかかる凝集体の製造方法 上述の方法に限定されるものではない。例 ば、前記第二の金属塩を含有する溶液中に 記第一の金属粒子を添加し、第一の金属粒 の表面に第二の金属化合物微粒子を担持せ めた後に焼成することによって、前述の凝 体を得ることができる。また、前記第一の 属粒子と前記第二の金属酸化物微粒子とを 力に混合することによって前述の凝集体を ることも可能である。

 このような凝集体を基材上に配置する方 は特に限定されず、例えば、以下に説明す 第一の凝集体分散液又は第二の凝集体分散 を基材に接触させた後に焼成する方法が好 に挙げられる。

 第一の凝集体分散液は、前記凝集体と、 散媒とを含有するものである。このような 一の凝集体分散液は、バインダーを更に含 していることが好ましい。ここで用いるバ ンダーとしては特に制限されず、例えばセ アゾル等が好適に用いられる。また、凝集 とバインダーとの混合比率も特に制限され 、凝集体とバインダーとの混合比率が重量 で99:1~80:20程度であることが好ましい。例え ば、バインダーを用いた場合であっても、超 音波処理により容易に分散性の高い分散液( ラリー)を得ることができる。

 また、第二の凝集体分散液は、上記凝集 の製造方法の過程で得られた凝集体前駆体 、分散媒とを含有するものである。このよ な第二の凝集体分散液においては、上述の 集体の製造過程で得られた凝集体前駆体を 有する溶液から、系中の残存イオンを50~99.9 %分離して得られた凝集体前駆体を含有して ることが好ましい。凝集する段階でもある 度の分散性はあるが、塩や錯化剤に起因す 残存イオンを除去することにより非常に分 性の高い分散液を得ることができるように る。

 ここで、前記第一及び第二の凝集体分散 を基材に接触させる方法は特に制限されな が、例えばDPF等のフィルタ基材の細孔内に り込ませる際には超音波をかけながら接触 せることが好ましい。また、この場合の焼 条件は、前述の焼成条件と同様の条件が好 しい。なお、第二の凝集体分散液を用いた 法によれば、粒子状物質を酸化できる成分 凝集体自身であるゆえ、それ自身がバイン ーの役割を果たし、より効果的な本発明の ガス浄化装置を提供できる傾向にある。

 次に、低温再生処理と強制再生処理とを 施する制御手段を備える本発明の排ガス浄 装置について説明する。

 すなわち、本発明の排ガス浄化装置におい は、強制再生処理が必要となるPM堆積量の 一の基準(A)と、第一の基準(A)よりも低い基 であるPM堆積量の第二の基準(B)とに基づいて 、
 求められたPM堆積量が第一の基準(A)と第二 基準(B)との間にある場合に、強制再生処理 ための第一の再生処理温度よりも低い第二 再生処理温度で低温再生処理を施し、
 求められたPM堆積量が第一の基準(A)を超え 場合に、強制再生処理を施す、
ように前記排ガス浄化装置を制御する制御手 段を更に備えることが好ましい。このような 制御手段を備えることによって、前記排ガス 浄化装置に堆積したPMを効率よく除去するこ ができ、排ガス浄化装置を再生させて連続 に使用することを可能とする。

 このような前記制御手段としては、例え エンジンコントロールユニット(ECU)が挙げ れる。このようなECUは、マイクロプロセッ 及びその動作に必要なROM、RAM等の周辺装置 組み合わせたコンピュータとして構成され いるものである。

 また、前述の第一の再生処理温度として 、600℃以上(より好ましくは600~650℃)の温度 あることが好ましい。また、第二の再生処 温度は、前記第一の再生処理温度よりも低 温度であり、200~500℃であることが好ましく 、250~400℃程度であることが好ましい。更に 「強制再生処理」とは、前記第一の再生処 温度による熱処理をいい、「低温再生処理 とは、前記第二の再生処理温度による熱処 をいう。なお、このような熱処理の時間は 再生処理を目的として排ガス温度を上昇さ る際に生じる燃費悪化を抑制するという観 から、不必要に長くすることは好ましくな 、1~10分程度とすることが好ましい。

 また、第一の基準(A)及び第二の基準(B)は 排ガス浄化装置の大きさ、形態、基剤の種 等に応じて適宜その値を設定することがで る。また、本発明においては、第一の基準( A)の方が第二の基準(B)よりも大きな値となる さらに、このような第二の基準(B)の好適な は、基材の種類等によって異なるものであ ことから特に制限されるものではないが、 えば、気孔率が65%の基材を用いた場合には 第二の基準(B)は基材1Lあたり1.5g/L以下であ ことが好ましく、1.0g/L以下であることがよ 好ましく、0.5g/L以下であることが更に好ま い。

 このようなPMの堆積量を測定する方法と ては特に制限されず、例えば、以下のよう 方法を採用できる。すなわち、このようなPM の堆積量を測定する方法としては、内燃機関 の運転状況及び排ガス浄化装置の使用履歴等 とPMの堆積量とに関するマップを予め作成し おき、そのマップに基づいてPMの堆積量を 出する方法、前記凝集体を排ガス管等に配 した場合には前記凝集体を配置した位置の 後の位置の排ガスの圧力差とPMの堆積量とに 関するマップを予め作成しておき、そのマッ プに基づいて圧力差を測定してPMの堆積量を 出する方法、圧力差を吸入空気量で補正す ことによりPM堆積量を算出する方法、及び それらの方法をすべて採用する方法等を適 採用することができる。なお、このようなPM の堆積量を測定においては、それに必要な各 種センサーを適宜用いてもよい。

 以下、このような制御手段を用いた場合 ついて、フローチャートを参照しながら説 する。図4は、このような制御の好適な一実 施形態を示すフローチャートである。図4に すステップ1ではコントロールユニットにお てPMの堆積量を算出し、ステップ2では、そ PMの堆積量が第二の基準(B)以上であるか否 を判断する。そして、PMの堆積量が第二の基 準(B)以上であればステップ3へ進み、PMの堆積 量が第二の基準(B)未満であれば再生処理を施 さずにそのまま終了する。そして、ステップ 3では、PM堆積量が第一の基準(A)を超えたか否 かを判断する。そして、PMの堆積量が第一の 準(A)以下である場合、すなわち、PMの堆積 が第一の基準(A)と第二の基準(B)との間にあ 場合には、ステップ4に進み低温再生処理が される。また、ステップ3でPMの堆積量が第 の基準(A)を超えたと判断された場合には、 テップ5に進み強制再生処理が施される。

 また、このような低温再生処理等を施す 合においては、第二の再生処理温度として 数の温度条件が設定し、求められたPM堆積 が第一の基準(A)と第二の基準(B)との間にあ 場合に、低温側の第二の再生処理温度で低 再生処理を施し、その後のPM堆積量が第二の 基準(B)未満となった場合は低温再生処理を終 了し、該PM堆積量が未だ第一の基準(A)と第二 基準(B)との間にある場合は、順次高温側の 二の再生処理温度に変更して低温再生処理 繰り返すように前記排ガス浄化装置を制御 ることがより好ましい。

 このようにして繰り返して低温再生処理 施すことで、強制再生処理を施すことなく より低温で排ガス浄化装置を再生すること 可能となり、強制再生処理を施す回数を大 に減らすことができるため、再生時の内燃 関の燃費の低下を低減することができ、更 は、基材を更に備える場合に、基材の溶損 割れ等を十分に抑制することができる。な 、低温再生処理を繰り返す際には、第一の 準(A)と第二の基準(B)との間にある場合に第 の再生処理温度を順次高温側に変更してい こととなるが、複数設定されている第二の 生処理温度のうちのより低い温度で再生処 を終了させることが好ましい。なお、この うな第二の再生処理温度として設定される 数の温度の条件は、特に制限されず、前述 ように200~500℃の温度範囲内にあることが好 ましく、基材の種類やPMの性状等によってPM 浄化するのに最適な温度に適宜設定するこ ができる。

 以下、このようにして繰り返して低温再生 理を施すように制御する場合の好適な例を フローチャートを参照しながら説明する。 5は、このような制御の好適な一実施形態を 示すフローチャートである。このような制御 を行う場合においては、先ず、コントロール ユニットにおいてPMの堆積量を算出し、PMの 積量が第一の基準(A)と第二の基準(B)との間 ある場合に、図5に示すステップ1に進む。こ のようなステップ1においては、低温再生処 の回数iが1であると認定する。次に、ステッ プ2に進み第二の再生処理温度をT i (iは低温再生処理の回数を示し、例えば、第 の再生処理温度がT 1 、T 2 、T 3 、T 4 と4段階に設定されていた場合であってi=1の 合にはT 1 が採用される。なお、温度は、T 1 <T 2 <T 3 <T 4 の関係にある。)に設定して昇温し、低温再 処理を施す。そして、低温再生処理後にス ップ3に進み、PMの堆積量Xi(iは低温再生処理 回数を示す)を算出する。その後、ステップ 4において、このようにして算出されたPMの堆 積量Xiが第二の基準(B)未満であるか否かを判 し、Xiが第二の基準(B)未満である場合には 温再生処理を終了する。そして、PMの堆積量 Xiが未だ第二の基準(B)以上である場合、すな ち、未だXiが第一の基準(A)と第二の基準(B) の間にある場合には、ステップ5に進み、そ までに施された低温再生処理の回数iと、第 二の再生処理温度として設定されている温度 の設定数e(例えば、第二の再生処理温度がT 1 、T 2 、T 3 、T 4 と4段階に設定されていた場合にはe=4となる) が同一であるか否かを判定し、i=eである場 には、低温再生処理を終了する。また、そ までに施された低温再生処理の回数iの値が 、第二の再生処理温度の設定数e未満である 合(e>iの場合)には、ステップ6に進み、低 再生処理の回数iをi+1回と認定して、再度ス ップ2に進み、i+1回目の低温再生処理を施す 。なお、このようなi+1回目の低温再生処理は 、i回目の処理よりも高い温度のT i+1 まで昇温する再生処理である。そして、この ような制御の下では、ステップ4又はステッ 5において終了条件を満たすものと判断され まで、ステップ2~6が順次繰り返され、繰り し低温再生処理が施される。

 なお、前記制御手段を更に備える上記本発 の排ガス浄化装置においては、前記低温再 処理を施す際に酸素活性種が連続的に生成 れることが好ましい。すなわち、前記低温 生処理を施す際に、酸素活性種が良好に供 可能となる温度「基準温度T 1 」以上にすることが好ましい。前述のとおり 酸素活性種の生成及び移動を行ってPMに効率 に酸素活性種を供給するためには特定の温 以上(例えば、後述するCeAg-La10の場合は250℃ 以上)に昇温することが好ましい。そのため PM堆積量が基準値を超えた場合には、先ず、 酸素活性種をPMに良好に供給するために「基 温度T 1 」以上とすることが好ましい。

 また、前記制御手段を更に備える上記本 明の排ガス浄化装置においては、前記強制 生処理を施した後に前記触媒金属担体上に 置された前記金属酸化物微粒子により酸素 性種が貯蔵されることが好ましい。すなわ 、後の低温再生処理のために、必要に応じ さらに高温まで昇温して強制再生処理を施 た後に酸素活性種を生成及び貯蔵しておく とが好ましい。なお、さらに高温にするこ は燃費悪化につながることから、上記の酸 活性種を良好に供給する目的で昇温する制 と兼ねることが好ましい。その際、堆積し いたPMをなるべく完全に除去しておけば生 した酸素活性種は直ちにPM酸化に使われるこ とがなく、より大量に貯蔵されることとなり 好ましい。

 また、本発明の排ガス浄化装置において 、前記凝集体を配置した前又は後の位置にN Ox浄化触媒を更に配置させてもよい。後の位 にNOx浄化触媒を配置することで、排ガス浄 の際に、前記凝集体によりPMが十分に除去 れた排ガスがNOx浄化触媒に接触するため、NO x浄化触媒がPMにより被毒劣化することが十分 に抑制される。

 また、NOx浄化の観点からは、NOxを還元可 な温度を保持するために前段にNOx浄化触媒 配置してもよい。この場合でもPMを十分に 化することが可能であるため、PM及びNOxの浄 化を両立することが可能である。

 なお、このような本発明の排ガス浄化装 は、内燃機関から排出される排ガスを接触 せることで、PMを含む排ガスを十分に浄化 ることができる。そして、このような排ガ 浄化装置により、気相中の酸素を酸化剤と ることが可能であり、より低温の温度領域 十分にPMを酸化することができ、PMが堆積し 場合においても比較的低温の再生処理で排 ス浄化装置を十分に再生させることが可能 なる。更に、本発明の排ガス浄化装置は、 記制御手段を更に備えた場合には、触媒活 の劣化を防止しながら、より長期間の使用 可能となる。

 以下、実施例及び比較例に基づいて本発 をより具体的に説明するが、本発明は以下 実施例に限定されるものではない。

 なお、Ce原料としては硝酸セリウム6水和 、Ag原料としては硝酸銀、La原料としては硝 酸ランタン6水和物をそれぞれ用いた。

 なお、硝酸塩溶液調製段階の(Ce+Ag)に対する Agのmol%を用いて得られた凝集体を表現した。 例えば、Agが60mol%となるように硝酸塩溶液を 製して得られた凝集体を「CeO 2 -Ag60」(又は「Ce-Ag60」)と表現した。また、硝 塩溶液調製段階のCeと添加成分の合計量に する添加成分のmol%を用いて得られた凝集体 表現した。例えば、Ce:Ag=40:60,Ce:La=90:10(Ce:Ag:L a=90:135:10)の仕込み比で調製して得られた凝集 体を「CeAg-La10」と表現した。

 (実施例1)
 Ceと添加成分の合計量に対する添加成分(La) 含有率(mol%)がLa10mol%となるようにCe、Ag及び 加成分を含有する硝酸塩溶液を調製するよ にして、以下のようにしてCeO 2 -Ag-La凝集体「CeAg-La10」(酸化触媒)をコートし DPFを得た。すなわち、先ず、50.46gのCe(NO 3 ) 3 ・6H 2 Oと、5.59gのLa(NO 3 ) 3 ・6H 2 Oと、29.62gのAgNO 3 とを120mLの水で溶解せしめた溶液を調製し、 に、25%アンモニア水38.21gを水100gに希釈した アンモニア水を調製した。そして、上記アン モニア水を撹拌しているところに前述のよう にして調製した溶液を投入し(逆沈殿)、10分 撹拌を継続した後、水の存在下、閉鎖系に いて2気圧の条件下にて120℃に加熱して2時間 の凝集処理を行って凝集体を調製した。

 次に、得られた凝集体を、テストピース イズ(35ml)のDPF(コージェライト製、気孔率65% 、平均細孔径30μm)に以下のコート方法で被覆 せしめて本発明の排ガス浄化装置を得た。す なわち、逆沈殿、凝集処理後の沈殿(凝集体) 遠心分離により回収し、水を加えることに って15質量%濃度のスラリーを得た。次いで そのスラリーをDPFの細孔内に入り込むよう 接触させた。その状態で吸引したのち大気 500℃で1時間の焼成を施しながら、担持量( 覆量)が150g/Lとなるまで繰り返した。この方 のメリットは、焼成時に沈殿自身が焼結し バインダーの役割を果たすため、スート酸 に有効な成分のみからなる被覆を形成する とができる。また、上記のスラリーの粒度 布を測定すると、約0.1μmの凝集体が安定に 散していたことから、DPFへの被覆が容易で ることが確認された。なお、上記のコート 法では超音波をかけずに接触させたが、超 波をかけながら行ってもよい。

 (実施例2)
 実施例1と同様にして得られた排ガス浄化装 置に対して、O 2 10%、N 2 90%からなる雰囲気中において800℃で5時間焼 する耐久試験を行い、耐久試験後の本発明 排ガス浄化装置を得た(「CeAg-La10 800℃耐久 は800℃aged」)。

 (実施例3)
 2LサイズのDPF(コージェライト製、気孔率65% 平均細孔径30μm)を用いたこと以外は実施例1 と同様にして本発明の排ガス浄化装置を得た (被覆量:150g/L)。

 (実施例4)
 凝集体を得る際にLa(NO 3 ) 3 を用いず、CeとAgの合計量に対するAgの含有率 (mol%)が60mol%となるようにCe及びAgを含有する 酸塩溶液を調製した以外は実施例1で採用し 凝集体の製造方法と同様の方法を採用して 集体を調製し、得られた凝集体を大気中500 で5時間焼成してCeO 2 -Ag凝集体「CeO 2 -Ag60」(酸化触媒)を得た。

 <Ag含有率の評価>
 得られたCeO 2 -Ag60におけるAgの含有率をICP発光分析法によ 分析したところ、50.2mol%であった。

 <CeO 2 粒子径及びAg粒子径の評価>
 得られたCeO 2 -Ag60におけるCeO 2 粒子径(平均一次粒径)及びAg粒子径(平均一次 径)をXRDにより求めたところ、CeO 2 粒子径は11nm、Ag粒子径は29nmであった。

 また、そのCeO 2 -Ag60を酸素10容量%及び窒素90容量%からなる雰 気中800℃で5時間焼成した後のものについて も同様の測定を行ったところ、CeO 2 粒子径は41nm、Ag粒子径は52nmであった。

 <SEM観察>
 得られたCeO 2 -Ag60の表面状態をSEM(走査型電子顕微鏡)によ 観察した。得られた結果を図6に示す。図6に 示した結果と、XRDより求めた粒子径と、TEMに よりCeO 2 が凝集した形態であると確認されたことを考 慮すると、約100nmオーダーで観察される凝集 はCeO 2 粒子及びAg粒子が一次凝集したものであり、 の凝集体は更に二次凝集して集合体(高次凝 集体)を形成していることが確認された。

 <粒度分布の測定>
 得られたCeO 2 -Ag60について、レーザ回折/散乱式粒度分布測 定装置(日機装社製、MT3300EX)を用いて粒度分 を測定した。得られた粒度分布の測定結果 、縦軸を累計(体積%)にして図7に示す。図7に 示した結果から明らかなとおり、得られたCeO 2 -Ag60における凝集体の平均粒径は約0.1μmであ 、0.1μm±50%以内である0.05~0.15μmに約80%の粒 が入ることが確認された。

 <細孔容積及び細孔径分布の評価>
 得られたCeO 2 -Ag60における細孔容積及び細孔径分布を水銀 ロシメータにより測定した。得られた結果 図8及び図9(図9は累積容積分布)に示す。そ 結果、全細孔の容積は0.21cc/g、0.01~1.0μmの細 径を有する細孔の容積は0.19cc/gであった。

 また、凝集体により形成される空隙細孔 範囲は0.06~0.18μmであり、その平均空隙細孔 は0.1μmであった。したがって、図9に示した 結果から、平均空隙細孔径±50%の範囲である0 .05~0.15μmの細孔径を有する空隙細孔の容積が 前記空隙細孔の全容積の80%を占めているこ が確認された。さらに、0.05~0.5μmの細孔径 有する細孔の容積が、全細孔の容積の85%を めていることも確認された。

 (実施例5)
 実施例1で得られたCeAg-La10をコートしたDPFに 白金ジニトロジアミンの水溶液を用いて担持 量が0.5g/Lとなるように含浸法によりPtを担持 しめてPt担持CeO 2 -Ag-La基材「CeLaAg-Pt0.5」を得た。

 (実施例6)
 実施例1で得られたCeAg-La10をコートしたDPFに 白金ジニトロジアミンの水溶液を用いて担持 量が2.0g/Lとなるように含浸法によりPtを担持 しめてPt担持CeO 2 -Ag-La基材「CeLaAg-Pt2」を得た。

 (比較例1)
 先ず、DPF(コージェライト製、気孔率65%、平 均細孔径30μm、直径14.38cm×長さ15.24cm)を、325ml の蒸留水中に125gのCe(NO 3 ) 3 ・6H 2 Oと、18gのZrO(NO 3 ) 2 と、6.4gのSm(NO 3 ) 3 ・6H 2 Oと、2.1gのY(NO 3 ) 3 ・6H 2 Oと、38.4gのクエン酸とを混合した溶液に含浸 し、105℃で乾燥した後、600℃で4時間焼成し 。

 次いで、325mlの蒸留水中に68.5gのAgNO 3 と、155gのCe(NO 3 ) 3 ・6H 2 Oと、8.5gのZrO(NO 3 ) 2 と、12.8gのSm(NO 3 ) 3 ・6H 2 Oと、3.0gのY(NO 3 ) 3 ・6H 2 Oとを混合した溶液を基材に含浸した後、室 で一晩乾燥し、更に、105℃で10時間乾燥した 後、600℃で4時間焼成した。

 そして、100mlの蒸留水中に69.6gのCe(NO 3 ) 3 ・6H 2 Oと、5.4gのCu(NO 3 ) 2 ・3H 2 Oと、0.51gのAgNO 3 及と、9gの尿素とを混合した溶液を、105℃に れたDPFに含浸し、80℃で乾燥した後、更に 650℃で4時間焼成して、比較のための排ガス 化装置を製造した。なお、前記排ガス浄化 置における基材表面の触媒層の組成は、Sm Zr及びYの添加により安定化されたセリアを つAg 0.5 Ce 0.5 であった。

 (比較例2)
 Agを用いないで金属成分としてCeのみを含有 する硝酸塩溶液を調製した以外は実施例4で 用した凝集体の製造方法と同様の方法を採 してCeO 2 粉末「CeO 2 」を得た。

 (比較例3)
 比較例2で得られたCeO 2 粉末に白金ジニトロジアミンの水溶液を用い て担持量が3.2wt%となるように含浸法によりPt 担持せしめ、500℃で焼成して比較のためのP t担持CeO 2 粉末「Pt/CeO 2 」を得た。

 (比較例4)
 市販のα-Al 2 O 3 粉末(昭和電工社製、商品名:UA-5205)に硝酸銀 水溶液を用いて担持量(Ag/(Ag+Al))が50mol%とな ように含浸法によりAgを担持せしめ、500℃で 焼成して比較のためのAg担持Al 2 O 3 粉末「Ag/Al 2 O 3 」を得た。

 (比較例5)
 実施例1で用いたDPFに、セリアゾル(多木化 社製、ニードラールU15)を用いて担持量(被覆 量)が30g/Lとなるように含浸法によりセリアを コートせしめた後、白金ジニトロジアミンの 水溶液を用いて担持量が0.5g/Lとなるように含 浸法によりPtを担持せしめ、500℃で焼成して 較のためのPt担持CeO 2 「Pt/CeO 2 」をコートしたDPFを得た。

 <PM酸化性能評価試験1>
 実施例1及び比較例1で得られた排ガス浄化 置を用いて、ディーゼルエンジンの排気中 おいて200℃で約2g/LのPMを堆積させ、その後50 0℃、N 2 雰囲気を15分間保持することにより未燃炭化 素成分を除去するようにし、更に、流量30L/ min、O 2 10%雰囲気において、昇温速度20℃/分で昇温さ せた。そして、このときのCO 2 ピークによりPM酸化性能を比較した。得られ 結果を図10に示す。なお、堆積させたPMの性 状をあわせるため、PMを堆積させる処理は同 に行った。

 図10に示すグラフからも明らかなように、 発明の排ガス浄化装置のCO 2 ピークが440℃付近にあり、比較のための排ガ ス浄化装置のCO 2 ピークが600℃付近にあることから、本発明の 排ガス浄化装置においては、比較的低温で十 分にPMを酸化して除去できることが確認され 。

 <PM酸化性能評価試験2>
 実施例1及び2で得られた本発明の排ガス浄 装置をそれぞれ用いた以外は、PM酸化性能評 価試験1と同様の方法を採用してPMを堆積させ 、CO 2 ピークによりPM酸化性能を測定した。得られ 結果を図11に示す。

 図11に示す結果からも明らかなように、 ず、実施例1で得られた本発明の排ガス浄化 置においては、3つのピークが見られること が確認された。このようなピークは、壁内で 捕集されているドライスートと、壁内で捕集 されている燃え難いスートと、壁外に堆積し ているスートにそれぞれ起因するものである と推察される。また、初期(実施例1)のものと 耐久試験後(実施例2)のものとで同様のピーク を示していることから、本発明の排ガス浄化 装置は耐久性が高いことが分かった。

 このように、実施例1で得られた本発明の排 ガス浄化装置においては、PMを酸化した際のC O 2 ピークが3つあることから、各ピーク温度(T2~T 4)と、後述するスート酸化速度の測定試験(図 12参照)により酸化性能が確認された温度TG(T1) とを前述の第二の再生処理温度として設定し て、前述のような低温再生処理を施すことで 、効率よく再生できることが確認された。

 <PM酸化性能評価試験3>
 実施例3で得られた排ガス浄化装置と、比較 のための2LサイズのDPF(コージェライト製、気 孔率65%、平均細孔径30μm)とを用い、それぞれ をエンジンからの配管中に設け、圧力変動を 測定することによりPM酸化性能を評価した。 お、エンジンは、2Lディーゼルエンジンを い、3000rpm、11.0kgmの運転条件で基材入り口の 圧力を測定した。基材入り口の排気温度は約 360℃であった。そして、安定した運転条件と なった時点で、ある時点からの圧力差の時間 変化を測定した。得られた結果を図12に示す

 図12に示した結果から明らかなとおり、DP F基材のみであるとPMが酸化しないことから圧 力は時間とともに単調に増加したのに対して 、本発明の排ガス浄化装置においては若干の 圧力変動は見られるものの、ほぼ一定の圧力 で推移した。この結果から、本発明の排ガス 浄化装置によればPMを連続的に酸化できてい ことが確認された。また、このような結果 ら、PMの堆積量と圧力とが比例する関係に ると考えられる。そのため、前述のような 御手段を採用する際に、PMの堆積量の測定方 法として圧力の変化を測定して、PMの堆積量 測定する方法を好適に採用できることが分 った。

 <PM酸化性能評価試験4>
 実施例1で得られた排ガス浄化装置を3つ用 て、それぞれにディーゼルエンジンの排気 において200℃でPMを堆積させ、その後500℃、 N 2 雰囲気を15分間保持することにより未燃炭化 素成分を除去するようにし、更に、流量30L/ min、O 2 10%雰囲気において、昇温速度20℃/分で昇温さ せた。なお、各排ガス浄化装置のPMの堆積量 それぞれ1g/L、2g/L、5g/Lとした。そして、こ ときのCO 2 ピークによりPM酸化性能を比較した。得られ 結果を図13(PM堆積量1g/L)、図14(PM堆積量2g/L) 図15(PM堆積量5g/L)に示す。なお、堆積させたP Mの性状をあわせるため、PMを堆積させる処理 は同時に行った。

 図13~15に示す結果からも明らかなように 本発明の排ガス浄化装置(実施例1)において 、より低温で再生処理を施すために、PM堆積 量がより少ない状態で低温再生処理を施すこ とが好ましいことが確認され、例えば、PMの 積量が1g/L以下である場合に低温再生処理を 施すことが好ましいことが分かった。

 <PM酸化速度の測定試験>
 実施例1で得られた本発明の排ガス浄化装置 を用い、ディーゼルエンジンの排気中におい て200℃でPMを2g/L堆積させ、その後500℃、N 2 雰囲気を15分間保持することにより未燃炭化 素成分を除去するようにし、更に、流量30L/ min、O 2 10%雰囲気において、各温度に10分間保持し、 定されるCO 2 の濃度からPMの酸化速度を求めた。得られた 果を図16に示す。

 図16に示す結果からも明らかなように、30 0℃程度で十分にPMを酸化することが可能であ ることが確認された。

 <スート酸化速度の測定試験>
 先ず、実施例1~2で得られたDPFにコート前の 集体を大気中500℃で5時間焼成したものと、 実施例4で得られた凝集体を用い、以下の混 方法でスート(カーボン組成99.9%以上)と混合 て測定用サンプルを作製した。なお、各凝 体とスートとの混合比は、重量比(g)で2:0.1 した。なお、実施例2で製造された凝集体に 、実施例2で採用した方法と同様の方法を採 用して耐久試験を施した。

 混合方法:スターラー(アズワン社製、MMPS- M1)とマグネット乳鉢(アズワン社製、MP-02)を い、スピード目盛り「3」の電動混合にて3分 間混合して均一混合物(測定用サンプル)を得 。

 次に、得られた測定用サンプル(実施例1~2及 び4)について、熱重量分析計「GC-MS5972A」(Hewle tt Packard社製)を用い、O 2 10%/Heバランス雰囲気において各測定温度で10 間温度を保持し、そのときの重量M 1 と全スート重量M 2 からスート酸化速度を算出した。なお、算出 法は、最初の重量M 1 の測定後に最終的に800℃まで昇温したときの 重量を元にスート重量M 2 を算出し、測定時間t(ここでは1/6時間)から次 式:
   スート酸化速度=(M 1 -M 2 )/{(M 1 +M 2 )×t/2}
により算出した。得られた結果を図17に示す

 図17に示した結果から明らかなとおり、 ずれの凝集体においても240℃付近からスー 酸化活性が認められた。また、初期の凝集 (実施例1)及び耐久試験後の凝集体(実施例2) 、ともにスート酸化活性が非常に高いこと 確認された。

 <低温で酸素活性種を生成することの実証 試験:同位体交換反応試験>
 実施例1で得られたDPFにコート前の凝集体(Ce Ag-La10)を大気中500℃で5時間焼成したものと、 比較例3で得られたPt担持CeO 2 粉末「Pt/CeO 2 」を用い、以下のようにして 18 O/ 16 O同位体交換反応における分圧変化を測定し 。すなわち、各試料を 16 O 2 雰囲気中450℃で30分維持した後、450℃で10分 空脱気し、さらに300℃で42.4Torrの 18 O 2 を導入し、 18 O/ 16 O同位体交換反応における分圧変化を測定し 。得られた結果を図18(実施例1)及び図19(比較 例3)に示す。

 比較例3で得られた試料の場合には、300℃で ほとんどスートを酸化できないのに対し、同 位体交換反応では 16 O 18 Oの生成が多いことから、解離吸着を経てい ものと本発明者らは推察した。

 これに対して、実施例1で得られた試料にお いては 16 O 18 Oよりも 16 O 2 の生成の多いことから、吸着酸素種が積極的 に生成されており、その結果スート酸化の促 進も達成されていることが確認された。また 、 16 O 2 の生成が多いことから、分子状の吸着酸素種 を多く生成しているものと本発明者らは推察 した。さらに、気相酸素だけではなく、格子 酸素も有効に利用できていることが確認され たことから、本発明の排ガス浄化装置におい ては単に気相酸素の吸着及び脱離ではなく、 CeO 2 とAgとの界面におけるCe、Ag、O 2 の電荷移動により酸素活性種が効率的に生成 されているものと本発明者らは推察した。

 したがって、この同位体交換反応試験に って、前述の再生処理温度T1が酸素活性種 良好に供給可能となる温度であることが実 された。

 <高温昇温による酸素活性種の生成と貯蔵 の確認試験:TPD試験>
 実施例1で得られたDPFにコート前の凝集体(Ce Ag-La10)を大気中500℃で5時間焼成したものと、 比較例2で得られたCeO 2 粉末「CeO 2 」と、比較例3で得られたPt担持CeO 2 粉末「Pt/CeO 2 」と、比較例4で得られたAg担持Al 2 O 3 粉末「Ag/Al 2 O 3 」を用い、以下のようにしてO 2 -TPDの200℃~400℃におけるO 2 脱離量を測定した。すなわち、各試料をO 2 気流中600℃で30分維持した後、室温まで冷却 、次いでHe気流中20℃/分で昇温して200℃~400 におけるO 2 脱離量を測定した。得られた結果を図20に示 。

 また、実施例1で得られたCeAg-La10をコートし たDPFと、比較例5で得られたPt/CeO 2 をコートしたDPFを用い、上記と同様にしてO 2 -TPDの200℃~400℃におけるO 2 脱離量を測定した。その結果、実施例1で得 れたDPFにおけるO 2 脱離量は31μmol/gであったのに対し、比較例5 得られたDPFにおけるO 2 脱離量は2.4μmol/gであった。

 なお、比較例で得られた試料においてはい れも酸素の脱離ピークがみられなかったの 対し、実施例1で得られた試料においては吸 着酸素種が生成されて貯蔵されていることが 確認された。したがって、本発明の排ガス浄 化装置においては高温昇温により生成された 酸素活性種が貯蔵され、低温での粒子状物質 の酸化に利用可能であることが確認された。 なお、O 2 脱離量とTGでの活性には非常によい相関があ 。

 <酸素活性種の同定試験:ESR試験>
 実施例1で得られた凝集体(CeAg-La10)を用いて 下のようにしてESR測定を行った。すなわち 試料をO 2 気流中600℃で30分維持した後、He気流中室温 で冷却し、次いで250℃でH 2 処理を施した後に250℃で封印し、20KでESR測定 を行った。得られた結果を図21に示す。

 図20に示したTPD試験による脱離量に比例す O 2 - シグナルが観察されたことから、本発明の排 ガス浄化装置において生成された吸着酸素種 は還元処理によりその一部がO 2 - となる性質を有することが確認された。

 したがって、前記のTPD試験及びESR試験に って、前述の再生処理温度T2~T4が(i)接触性 考慮してより強力に酸素活性種を供給でき 温度であること、(ii)低温での連続酸化のた に酸素活性種が生成される温度であること 実証された。このことから、上記のように 素活性種の供給を効率的に行いつつPM浄化 燃費向上とを両立するために、図4及び図5に 示すフローチャートのような制御を行うこと が有効であることが確認された。

 <CO及びHC浄化評価試験>
 実施例1で得られたCeO 2 -Ag-La凝集体をコートした基材「CeLaAg」と、実 施例5で得られたPt担持CeO 2 -Ag-La基材「CeLaAg-Pt0.5」と、実施例6で得られ Pt担持CeO 2 -Ag-La基材「CeLaAg-Pt2」を用いて以下のように てCO及びHCの浄化率を測定した。すなわち、 下の雰囲気及び昇温条件:
雰囲気:O 2 (10%)+CO(1%)+C 3 H 6 (1%C)+CO 2 (10%)+H 2 O(10%)
昇温条件:100~400℃、10℃/min、30L/min
の下でCO及びHCの濃度(vol%)を測定し、それら 浄化率を測定した。結果を図22(CO浄化率)及 図23(HC浄化率)に示す。

 これらの結果から、Ptを更に担持するこ により、HC及びCOに対する浄化温度が低減さ ることが確認された。

 <PM酸化性能評価試験5>
 実施例1で得られたCeO 2 -Ag-La凝集体をコートした基材「CeLaAg」と、実 施例6で得られたPt担持CeO 2 -Ag-La基材「CeLaAg-Pt2」をそれぞれ用いた以外 、PM酸化性能評価試験1と同様の方法を採用 てPMを堆積させ、CO 2 ピークによりPM酸化性能を測定した。得られ 結果を図24に示す。

 図22~図24に示した結果からも明らかなよ に、本発明の排ガス浄化装置においては、Pt を更に担持することにより、PM酸化性能を犠 にすることなく、HC及びCOに対する浄化温度 を低減できることが確認された。

 (実施例7~13)
 触媒金属担体として以下の金属粒子を用い 。
実施例7:Ir粒子、和光純薬工業社製、097-04811 45μm
実施例8:Ru粒子、和光純薬工業社製、183-01641 45μm
実施例9:Ag粒子、高純度化学研究所社製、AGE04 PB、約75~150μm
実施例10:Ag粒子、Vacuum Metallurgical社製、Lot27-4 2-1
実施例11:Ag粒子、日清エンジニアリング社製 Lot No.13607327
実施例12:Ag-Pd粒子、日清エンジニアリング社 、DBET=50nm、Lot No.13606C15A
実施例13:Cu粒子、高純度化学研究所社製、CUE0 8PB、約1μm。

 先ず、50.46gのCe(NO 3 ) 3 ・6H 2 Oと5.59gのLa(NO 3 ) 3 とを120mLの水で溶解せしめた溶液を調製した( Ce:La=9:1(mol比))。次いで、得られた溶液を撹拌 しているところに、溶液中の硝酸塩に対して アンモニアが等量となるようにアンモニア水 を投入し、撹拌してLa固溶CeO 2 の前駆体微粒子を得た。

 次に、得られた前駆体微粒子と前記触媒 属担体とを、担体を構成する金属とセリウ とのモル比が1:1となるように混合し、攪拌 た後に大気中500℃で5時間焼成して表1に示 本発明の排ガス浄化装置(酸化触媒である凝 体)を得た。

 実施例7~13で得られたいずれの酸化触媒に おいても、触媒金属担体の二次粒子が維持さ れており、その表面に平均一次粒径が約10nm ある金属酸化物微粒子が担持された構造と っていることが確認された。

 また、実施例7~13で得られたいずれの酸化 触媒においても、大気中500℃で焼成した後に 触媒金属担体を構成する金属がメタル状態に 維持されていることがXRDにより確認された。 なお、Cu粒子とPd粒子の表面にはそれらの酸 物が存在することも確認された。

 (比較例6)
 実施例7~13で用いたLa固溶CeO 2 の前駆体微粒子をそのまま大気中500℃で5時 焼成して得られたLa固溶CeO 2 微粒子のみを比較のために用いた。

 (実施例14~27)
 触媒金属担体として以下の金属粒子を用い 。
実施例14:Rh粒子、石福金属興業社製、Mタイプ 、0.5μm
実施例15:Ru粒子、和光純薬工業社製、183-01641 45μm
実施例16:Cu粒子、高純度化学研究所社製、CUE0 8PB、約1μm
実施例17:Ag粒子、Vacuum Metallurgical社製、Lot27-4 2-1
実施例18~27:Ag粒子、高純度化学研究所社製、A GE09PB、約1μm。

 また、金属酸化物微粒子として以下のもの 用いた。
実施例14~18:比較例6で得られたLa固溶CeO 2 微粒子
実施例19:Fe 2 O 3 微粒子、和光純薬工業社製
実施例20:Co 3 O 4 微粒子、高純度化学研究所社製
実施例21:ZnO微粒子、和光純薬工業社製
実施例22:SnO 2 微粒子、和光純薬工業社製
実施例23:TiO 2 微粒子、石原産業社製、TTO55A
実施例24:ZrO 2 微粒子、第一稀元素社製、RC100
実施例25:MnO 2 微粒子、和光純薬工業社製
実施例26:La 2 O 3 微粒子、和光純薬工業社製
実施例27:Cr 2 O 3 微粒子、和光純薬工業社製。

 先ず、1.0gの前記触媒金属担体と1.0gの前 金属酸化物微粒子とを、スターラー(アズワ 社製、MMPS-M1)とマグネット乳鉢(アズワン社 、MP-02)を用い、スピード目盛り「3」の電動 混合にて3分間混合した。さらに、得られた 一混合物をめのう乳鉢により強力に混合す ことによって表2に示す本発明の排ガス浄化 置(酸化触媒である凝集体)を得た。

 実施例14~27で得られたいずれの酸化触媒 おいても、触媒金属担体の二次粒子が維持 れており、その表面に平均一次粒径が1~400nm ある金属酸化物微粒子が担持された構造と っていることが確認された。

 (比較例7)
 Ag粒子(高純度化学研究所社製、AGE09PB、約1μ m)のみを比較のために用いた。

 (比較例8)
 比較のため、酸化触媒を用いなかった。

 <スート酸化性能評価試験>
 実施例4で得られたCeO 2 -Ag凝集体(CeO 2 -Ag60、酸化触媒)、実施例7~27で得られた酸化 媒、比較例6で得られたLa固溶CeO 2 微粒子、比較例7のAg粒子をそれぞれ以下の混 合方法でスート(カーボン組成99.9%以上)と混 して測定用サンプルを作製した。なお、酸 触媒とスートとの混合比は、重量比(g)で2:0.1 とした。また、比較例8に関してはスートの を用いて測定用サンプルを作製した。

 すなわち、先ず、スターラー(アズワン社 製、MMPS-M1)とマグネット乳鉢(アズワン社製、 MP-02)を用い、スピード目盛り「3」の電動混 にて3分間混合した。さらに、得られた均一 合物をめのう乳鉢により強力に混合するこ によって測定用サンプルを得た。

 次に、各測定用サンプルについて、TG-mass法 により昇温時のCO 2 ピーク温度を測定した。熱重量分析計は「TG8 120」(理学電機社製)を用いた。熱重量分析計 は「GC-MS5972A」(Hewlett Packard社製)が接続され 、熱重量分析計で発生したガス成分のマスス ペクトルを測定した。測定条件は、O 2 10%/Heバランス雰囲気において、20℃/分の昇温 速度で800℃まで昇温し、m/e=44成分をスート酸 化によって生じるCO 2 成分として測定した。得られた結果を表1及 表2に示す。

 表1及び表2に示した結果から明らかなとお 、実施例4、実施例7~13、実施例14~16、実施例1 7~27で得られた本発明の排ガス浄化装置(酸化 媒)はいずれも、金属酸化物微粒子(比較例6) や触媒金属担体(比較例7)に比べてCO 2 ピーク温度が低く、非常に高いスート酸化能 力を有していることが確認された。

 以上説明したように、本発明によれば、 子状物質(PM)の酸化に特に好ましい酸素活性 種が生成される構成が達成され、酸化触媒が おかれる条件下で安定的に酸素活性種が供給 されるようになる。そのため、本発明の排ガ ス浄化装置によれば、内燃機関から排出され る排ガス中の粒子状物質をより低温の温度領 域で効率的に酸化することができ、粒子状物 質が堆積した場合においても比較的低温の再 生処理で十分に再生させることが可能となる 。

 したがって、本発明の排ガス浄化装置は PM浄化性能に優れるため、大型トラックの ィーゼルエンジンから排出される排ガスを 化するための排ガス浄化装置等として特に 用である。