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Patent Searching and Data


Title:
EXHAUST GAS TREATING APPARATUS AND TREATING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/031454
Kind Code:
A1
Abstract:
An exhaust gas treating apparatus comprises an adsorption column (20) including an adsorptive layer packed with an adsorbent and a heat transfer flow channel for heat transfer on the adsorptive layer. The adsorption step of introducing an exhaust gas from engine (10) in the adsorptive layer of the adsorption column to thereby effect adsorption of the NOx-containing components to be treated in the exhaust gas on the adsorbent, the desorption step of not only introducing the exhaust gas in the heat transfer flow channel of the adsorption column to thereby heat the adsorptive layer but also introducing a desorption gas in the heated adsorptive layer to thereby desorb the components from the adsorbent and the cooling step of introducing a cooling gas in the adsorptive layer of the adsorption column to thereby cool the adsorptive layer and introducing the cooling gas having passed through the adsorptive layer in an air inlet of the engine are carried out in a switch-over fashion. Accordingly, the exhaust gas can be treated with less energy consumption without performing wet treatment.

Inventors:
YOSHIDA KEIICHIRO
OKUBO MASAAKI
Application Number:
PCT/JP2008/065441
Publication Date:
March 12, 2009
Filing Date:
August 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV OSAKA PREFECT PUBLIC CORP (JP)
JAPAN SCIENCE & TECH AGENCY (JP)
YOSHIDA KEIICHIRO
OKUBO MASAAKI
International Classes:
F01N3/24; F01N3/08
Domestic Patent References:
WO2005037412A12005-04-28
Foreign References:
JPH07139343A1995-05-30
JPH0771230A1995-03-14
Other References:
See also references of EP 2166205A4
Attorney, Agent or Firm:
IKEUCHI SATO & PARTNER PATENT ATTORNEYS (OAP TOWER8-30, Tenmabashi 1-chome,Kita-k, Osaka-shi Osaka 26, JP)
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Claims:
 吸着剤が充填された吸着層と、前記吸着層に対して熱伝達を行う伝熱流路とを有する吸着塔を備え、エンジンから排出される排ガスを処理する排ガス処理装置であって、
 前記排ガスを前記吸着塔の前記吸着層に導入して前記排ガス中のNO X を含む被処理成分を前記吸着剤に吸着させる吸着工程と、
 前記排ガスを前記吸着塔の前記伝熱流路に導入して前記吸着層を加熱するとともに、脱着用ガスを加熱された前記吸着層に導入して前記吸着剤から前記被処理成分を脱着させる脱着工程と、
 冷却用ガスを前記吸着塔の前記吸着層に導入して前記吸着層を冷却し、前記吸着層を通過した前記冷却用ガスを前記エンジンの吸気口に導入する冷却工程と
 を切り替えて行うことを特徴とする排ガス処理装置。
 前記吸着層と前記伝熱流路とが互いに独立している請求項1に記載の排ガス処理装置。
 前記冷却工程において、前記排ガスの少なくとも一部を前記冷却用ガスとして前記吸着層に導入する請求項1又は2に記載の排ガス処理装置。
 前記脱着工程において前記吸着剤から脱着した前記被処理成分を含む前記脱着用ガスに対してプラズマ処理を行うプラズマリアクタを更に備える請求項1~3のいずれかに記載の排ガス処理装置。
 前記プラズマリアクタが、沿面放電を発生する沿面放電素子を含む請求項4に記載の排ガス処理装置。
 前記沿面放電素子の前記沿面放電が発生する面に沿って前記脱着用ガスが流れるように前記脱着用ガスの流路を規制するガス流路規制形状が前記プラズマリアクタに設けられている請求項5に記載の排ガス処理装置。
 前記脱着用ガスが酸素濃度10vol%以下の低酸素ガスである請求項4~6のいずれかに記載の排ガス処理装置。
 前記低酸素ガスが、前記脱着工程において前記伝熱流路を通過した前記排ガスの少なくとも一部である請求項7に記載の排ガス処理装置。
 前記脱着工程において、前記吸着層を通過した前記脱着用ガスの一部を再度前記吸着層に導入する請求項1~8のいずれかに記載の排ガス処理装置。
 前記脱着工程において前記吸着剤から脱着した前記被処理成分を含む前記脱着用ガスを前記エンジンの吸気口に導入する請求項1~3のいずれかに記載の排ガス処理装置。
 前記脱着用ガスが、前記脱着工程において前記伝熱流路を通過した前記排ガスの少なくとも一部である請求項10に記載の排ガス処理装置。
 前記吸着工程において前記吸着層を通過する前記排ガスを除湿するための除湿剤を更に備える請求項1~11のいずれかに記載の排ガス処理装置。
 前記吸着塔を複数備え、前記吸着工程、前記脱着工程、及び前記冷却工程からなる3工程を行うごとに前記3工程を行う吸着塔を切り替える請求項1~12のいずれかに記載の排ガス処理装置。
 前記複数の吸着塔のうちの1つの吸着塔を用いて前記吸着工程、前記脱着工程、及び前記冷却工程からなる3工程を行い、これと並行して前記複数の吸着塔のうちの他の1つの吸着塔の前記吸着剤に前記排ガス中のNO X を含む被処理成分を吸着させる請求項13に記載の排ガス処理装置。
 エンジンの排気口から排出される排ガスを処理する排ガス処理装置であって、
 吸着剤が充填された吸着層、及び前記吸着層に対して熱伝達を行う伝熱流路を有する吸着塔と、
 前記排気口から排出された前記排ガスを前記吸着塔の前記吸着層に導入するための排気口-吸着層間排ガス流路と、
 前記排気口から排出された前記排ガスを前記吸着塔の前記伝熱流路に導入するための排気口-伝熱流路間排ガス流路と、
 脱着用ガスを前記吸着層に導入するための脱着用ガス流路と、
 冷却用ガスを前記吸着層に導入するための冷却用ガス流路と、
 前記吸着層を通過した前記冷却用ガスを前記エンジンの吸気口に導入する吸着層-吸気口間冷却用ガス流路と
 を備えることを特徴とする排ガス処理装置。
 前記吸着層と前記伝熱流路とが互いに独立している請求項15に記載の排ガス処理装置。
 前記冷却用ガスが、前記排気口から排出された前記排ガスを含む請求項15又は16に記載の排ガス処理装置。
 前記吸着層を通過した前記脱着用ガスに対してプラズマ処理を行うプラズマリアクタを更に備える請求項15~17のいずれかに記載の排ガス処理装置。
 前記吸着層を通過した前記脱着用ガスの一部を前記吸着層に導入するための脱着用ガス循環流路を更に備える請求項15~18のいずれかに記載の排ガス処理装置。
 前記吸着層を通過した前記脱着用ガスを前記エンジンの吸気口に導入するための吸着層-吸気口間脱着用ガス流路を更に備える請求項15~18のいずれかに記載の排ガス処理装置。
 請求項15~20のいずれかに記載の排ガス処理装置を用いてエンジンの排気口から排出される排ガスを処理する排ガスの処理方法であって、
 前記排気口-吸着層間排ガス流路を開き、且つ、前記排気口-伝熱流路間排ガス流路、前記脱着用ガス流路、前記冷却用ガス流路、及び、前記吸着層-吸気口間冷却用ガス流路を閉じる吸着工程と、
 前記排気口-伝熱流路間排ガス流路及び前記脱着用ガス流路を開き、且つ、前記排気口-吸着層間排ガス流路、前記冷却用ガス流路、及び、前記吸着層-吸気口間冷却用ガス流路を閉じる脱着工程と、
 前記冷却用ガス流路及び前記吸着層-吸気口間冷却用ガス流路を開き、且つ、前記排気口-吸着層間排ガス流路、前記排気口-伝熱流路間排ガス流路、及び、前記脱着用ガス流路を閉じる冷却工程と
 を切り替えて行うことを特徴とする排ガスの処理方法。
Description:
排ガスの処理装置及び処理方法

 本発明は内燃機関などのエンジンから排出 れる排ガスの処理装置及び処理方法に関す 。特に、NO X を含む排ガスの処理装置及び処理方法に関す る。

 内燃機関、ボイラ、ガスタービン等のエン ンの排気系から排出される排ガスに対する 制強化に伴い、燃料の組成改善、排ガスの ンジンへの再循環、燃焼自体の改善等のエ ジン側の改良がなされる一方で、上記エン ンから排出される排ガス中の窒素酸化物(NO X )等の有害成分を除去処理することが行われ いる。

 特許文献1には、排ガスに低温非平衡プラズ マを作用させて排ガス中のNO X をNO 2 に酸化させ、次いで排ガスを還元剤溶液中に 導入して排ガス中のNO 2 を除去する方法が記載されている。

 また、特許文献2には、排ガスを第1プラズ リアクタに導入して排ガス中のNO X を含む被処理成分を第1プラズマリアクタ内 吸着剤に吸着させ、次いで、低酸素濃度の 素ガスを第1プラズマリアクタに導入し放電 発生させて該窒素ガスの非熱プラズマを吸 剤に印加して被処理成分を吸着剤から脱着 せ吸着剤を再生し、脱着した被処理成分を む窒素ガスを第2プラズマリアクタに導入し て非熱プラズマを印加してNO X をN 2 に還元する方法が記載されている。

特開2000-117049号公報

国際公開第2005/037412号パンフレット

 しかしながら、上記特許文献1の方法では 、排ガスを継続的に処理するためには還元剤 溶液を随時補充する必要がある。従って、排 ガス処理機能を維持管理するための手間が大 きいという課題がある。また、還元剤溶液を 用いた湿式処理が必要であるので、例えば自 動車等の移動体にこの方法を適用することは 現実的には困難である。

 また、上記特許文献2の方法では、NO X の還元のみならず、第1プラズマリアクタ内 吸着剤の再生にも非熱プラズマを用いる。 って、非熱プラズマを発生させるためのエ ルギー消費量が大きいという課題がある。

 本発明は、上記の従来の課題を解決し、 式処理を行うことなく、少ないエネルギー 費量で排ガスを処理することができる排ガ の処理装置及び処理方法を提供することを 的とする。

 本発明の第1の排ガス処理装置は、吸着剤が 充填された吸着層と、前記吸着層に対して熱 伝達を行う伝熱流路とを有する吸着塔を備え 、エンジンから排出される排ガスを処理する 排ガス処理装置であって、前記排ガスを前記 吸着塔の前記吸着層に導入して前記排ガス中 のNO X を含む被処理成分を前記吸着剤に吸着させる 吸着工程と、前記排ガスを前記吸着塔の前記 伝熱流路に導入して前記吸着層を加熱すると ともに、脱着用ガスを加熱された前記吸着層 に導入して前記吸着剤から前記被処理成分を 脱着させる脱着工程と、冷却用ガスを前記吸 着塔の前記吸着層に導入して前記吸着層を冷 却し、前記吸着層を通過した前記冷却用ガス を前記エンジンの吸気口に導入する冷却工程 とを切り替えて行うことを特徴とする。

 本発明の第2の排ガス処理装置は、エンジ ンの排気口から排出される排ガスを処理する 排ガス処理装置であって、吸着剤が充填され た吸着層、及び前記吸着層に対して熱伝達を 行う伝熱流路を有する吸着塔と、前記排気口 から排出された前記排ガスを前記吸着塔の前 記吸着層に導入するための排気口-吸着層間 ガス流路と、前記排気口から排出された前 排ガスを前記吸着塔の前記伝熱流路に導入 るための排気口-伝熱流路間排ガス流路と、 着用ガスを前記吸着層に導入するための脱 用ガス流路と、冷却用ガスを前記吸着層に 入するための冷却用ガス流路と、前記吸着 を通過した前記冷却用ガスを前記エンジン 吸気口に導入する吸着層-吸気口間冷却用ガ ス流路とを備えることを特徴とする。

 本発明の排ガスの処理方法は、上記の本 明の第2の排ガス処理装置を用いてエンジン の排気口から排出される排ガスを処理する排 ガスの処理方法であって、前記排気口-吸着 間排ガス流路を開き、且つ、前記排気口-伝 流路間排ガス流路、前記脱着用ガス流路、 記冷却用ガス流路、及び、前記吸着層-吸気 口間冷却用ガス流路を閉じる吸着工程と、前 記排気口-伝熱流路間排ガス流路及び前記脱 用ガス流路を開き、且つ、前記排気口-吸着 間排ガス流路、前記冷却用ガス流路、及び 前記吸着層-吸気口間冷却用ガス流路を閉じ る脱着工程と、前記冷却用ガス流路及び前記 吸着層-吸気口間冷却用ガス流路を開き、且 、前記排気口-吸着層間排ガス流路、前記排 口-伝熱流路間排ガス流路、及び、前記脱着 用ガス流路を閉じる冷却工程とを切り替えて 行うことを特徴とする。

 本発明の第1のプラズマ処理装置では、冷却 工程において吸着層を通過した冷却用ガスを エンジンの吸気口に導入する。また、本発明 の第2のプラズマ処理装置は、吸着層を通過 た冷却用ガスをエンジンの吸気口に導入す 吸着層-吸気口間冷却用ガス流路を備える。 れにより、冷却用ガスとともにエンジンに 入するNO X の少なくとも一部がエンジンで分解される。 従って、吸着層を通過した冷却用ガスをエン ジンの吸気口に導入しない場合に比べて、少 ないエネルギー消費量でNO X の総排出量を低減することができる。

 また、本発明の第1のプラズマ処理装置では 、吸着剤からNO X を含む被処理成分を脱着させて吸着剤を再生 するために、排ガスの熱エネルギーを使用す る。また、本発明の第2のプラズマ処理装置 、エンジンの排気口から排出された排ガス 吸着塔の伝熱流路に導入するための排気口- 熱流路間排ガス流路を備える。従って、こ ら点でも、エネルギー消費量を低減するこ ができる。

 更に、排ガス中のNO X を含む被処理成分の処理に湿式工程を用いな いので、維持管理が簡単であり、自動車等の 移動体への適用が容易である。

図1Aは、本発明の実施の形態1に係る排 ガス処理装置の吸着工程でのガスの流れを示 す図である。 図1Bは、本発明の実施の形態1に係る排 ガス処理装置の脱着工程でのガスの流れを示 す図である。 図1Cは、本発明の実施の形態1に係る排 ガス処理装置の冷却工程でのガスの流れを示 す図である。 図2は、実施の形態1~4に係る排ガス処理 装置の各工程でのガスの流れを示す図におけ る各種記号の意味を示した図である。 図3Aは、本発明の実施の形態2に係る排 ガス処理装置の吸着工程でのガスの流れを示 す図である。 図3Bは、本発明の実施の形態2に係る排 ガス処理装置の脱着工程でのガスの流れを示 す図である。 図3Cは、本発明の実施の形態3に係る排 ガス処理装置の冷却工程でのガスの流れを示 す図である。 図4Aは、本発明の実施の形態3に係る排 ガス処理装置の第1吸着塔についての脱着工 でのガスの流れを示す図である。 図4Bは、本発明の実施の形態3に係る排 ガス処理装置の第1吸着塔についての冷却工 でのガスの流れを示す図である。 図4Cは、本発明の実施の形態3に係る排 ガス処理装置の第1吸着塔についての吸着工 でのガスの流れを示す図である。 図5Aは、本発明の実施の形態4に係る排 ガス処理装置の第1吸着塔についての脱着工 でのガスの流れを示す図である。 図5Bは、本発明の実施の形態4に係る排 ガス処理装置の第1吸着塔についての冷却工 でのガスの流れを示す図である。 図5Cは、本発明の実施の形態4に係る排 ガス処理装置の第1吸着塔についての吸着工 でのガスの流れを示す図である。 図6Aは、本発明に係る排ガス処理装置 用いられる一実施形態に係る吸着塔の側面 である。 図6Bは、図6Aの矢印6Bの方向から見た吸 着塔の透視図である。 図6Cは、図6Aの矢印6Cの方向から見た吸 着塔の透視図である。 図7Aは、プラズマリアクタに使用され 沿面放電素子の側面図である。 図7Bは、図7Aの7B-7B線に沿った矢視断面 図である。 図8Aは、沿面放電素子の埋設電極に印 される電圧波形の一例を示した図である。 図8Bは、沿面放電素子の埋設電極に印 される電圧波形の別の例を示した図である 図9Aは、本発明に係る排ガス処理装置 用いられる一実施形態に係るプラズマリア タの側面断面図である。 図9Bは、図9Aの9B-9B線に沿った矢視断面 図である。 図10Aは、本発明に係る排ガス処理装 に用いられる別の実施形態に係るプラズマ アクタの部分拡大側面断面図である。 図10Bは、図10Aに示したプラズマリア タの部分拡大平面断面図である。 図11は、実施例1におけるNO X の質量流量の測定結果を示した図である。 図12は、実施例2におけるNO X の質量流量の測定結果を示した図である。

 本発明においてエンジンとは、燃料の燃 により発生する熱エネルギーを動力に変換 る機械、装置を意味し、内燃機関及び外燃 関のいずれであっても良い。中でも、ディ ゼルエンジンが好ましい。

 NO X とは、例えばNO、NO 2 、N 2 O、N 2 O 5 などの窒素酸化物を意味する。被処理成分は 、このような窒素酸化物の他に、SO 2 ,SO 3 等の硫黄酸化物(SO X )、トルエン,ベンゼン,キシレン等の揮発性有 機化合物(VOCs)、ダイオキシン類,ハロゲン化 香族物質,高縮合度芳香族炭化水素等の環境 染物質、炭化水素、CO、CO 2 、水蒸気(H 2 O)等を含んでいても良い。

 本発明では、吸着工程においてこのよう 被処理成分を吸着剤に吸着(吸収ともいう) せ、脱着工程において吸着剤を加熱し被処 成分を脱着(脱離ともいう)させ、冷却工程に おいて吸着層を通過した冷却用ガスをエンジ ンの吸気口に導入する。

 吸着剤が充填された吸着層と、吸着層内 吸着剤を加熱する伝熱流路とは互いに独立 ていることが好ましい。これにより、脱着 程において、吸着剤を加熱するための排ガ と、加熱された吸着剤から脱着された被処 成分を搬送する脱着用ガスとを分離するこ ができるので、吸着剤から被処理成分を効 良く脱着させることができる。

 前記冷却工程において、前記排ガスの少な とも一部を前記冷却用ガスとして前記吸着 に導入することが好ましい。これにより、 わゆる排気ガス循環(Exhaust Gas Recirculation) 構成され、エンジンの吸気中の酸素濃度が 下するので、燃焼温度が低下し、NO X の生成量を更に低減することができる。

 本発明の第1の排ガス処理装置は、前記脱着 工程において前記吸着剤から脱着した前記被 処理成分を含む前記脱着用ガスに対してプラ ズマ処理を行うプラズマリアクタを更に備え ることが好ましい。これにより、吸着剤から 脱着したNO X を含む被処理成分を処理することができ、被 処理成分の系外への放出量を更に低減するこ とができる。

 前記プラズマリアクタが、沿面放電を発 する沿面放電素子を含んでいても良い。こ により、被処理成分に対して効率よくプラ マを印加することができる。

 この場合、前記沿面放電素子の前記沿面 電が発生する面に沿って前記脱着用ガスが れるように前記脱着用ガスの流路を規制す ガス流路規制形状が前記プラズマリアクタ 設けられていることが好ましい。これによ 、プラズマ発生領域に脱着用ガスを確実に 過させることができるので、被処理成分の 実な処理が可能になる。

 また、前記脱着用ガスが酸素濃度10vol%以下 低酸素ガスであることが好ましい。このよ な低酸素ガス雰囲気でプラズマ処理を行う とにより、NO X の除去率を向上させることができる。

 前記低酸素ガスが、前記脱着工程におい 前記伝熱流路を通過した前記排ガスの少な とも一部であることが好ましい。これによ 、低酸素ガスとして例えば窒素ガスを別途 意する必要がなく、排ガスを有効に利用で 、小型且つ低コストの排ガス処理装置を実 できる。

 前記脱着工程において、前記吸着層を通 した前記脱着用ガスの一部を再度前記吸着 に導入しても良い。これにより、限られた の脱着用ガスを用いて吸着剤から被処理成 を効率的に脱着させることができる。

 前記脱着工程において前記吸着剤から脱着 た前記被処理成分を含む前記脱着用ガスを 記エンジンの吸気口に導入することが好ま い。これにより、吸着剤から脱着したNO X を含む被処理成分をエンジン内で処理するこ とができ、被処理成分の系外への放出量を更 に低減することができる。しかも、上述した プラズマリアクタが不要である。

 この場合、前記脱着用ガスが、前記脱着工 において前記伝熱流路を通過した前記排ガ の少なくとも一部であることが好ましい。 れにより、いわゆる排気ガス循環(Exhaust Gas  Recirculation)が構成され、エンジンの吸気中 酸素濃度が低下するので、燃焼温度が低下 、NO X の生成量を更に低減することができる。

 本発明の第1の排ガス処理装置は、前記吸 着工程において前記吸着層を通過する前記排 ガスを除湿するための除湿剤を更に備えるこ とが好ましい。これにより、吸着剤の吸着能 力を向上させることができる。

 本発明の第1の排ガス処理装置が前記吸着 塔を複数備え、前記吸着工程、前記脱着工程 、及び前記冷却工程からなる3工程を行うご に前記3工程を行う吸着塔を切り替えても良 。これにより、複数の吸着塔を用いて被処 成分の効率よい処理が可能になる。

 この場合、前記複数の吸着塔のうちの1つの 吸着塔を用いて前記吸着工程、前記脱着工程 、及び前記冷却工程からなる3工程を行い、 れと並行して前記複数の吸着塔のうちの他 1つの吸着塔の前記吸着剤に前記排ガス中のN O X を含む被処理成分を吸着させることが好まし い。これにより、被処理成分の系外への放出 量を少なくすることができる。

 本発明の第2の排ガス処理装置において、前 記冷却用ガスが、前記排気口から排出された 前記排ガスを含むことが好ましい。これによ り、いわゆる排気ガス循環(Exhaust Gas Recircula tion)が構成され、エンジンの吸気中の酸素濃 が低下するので、燃焼温度が低下し、NO X の生成量を更に低減することができる。

 本発明の第2の排ガス処理装置が、前記吸着 層を通過した前記脱着用ガスに対してプラズ マ処理を行うプラズマリアクタを更に備える ことが好ましい。これにより、吸着剤から脱 着したNO X を含む被処理成分を処理することができ、被 処理成分の系外への放出量を更に低減するこ とができる。

 本発明の第2の排ガス処理装置が、前記吸 着層を通過した前記脱着用ガスの一部を前記 吸着層に導入するための脱着用ガス循環流路 を更に備えることが好ましい。これにより、 限られた量の脱着用ガスを用いて吸着剤から 被処理成分を効率的に脱着させることができ る。

 本発明の第2の排ガス処理装置が、前記吸着 層を通過した前記脱着用ガスを前記エンジン の吸気口に導入するための吸着層-吸気口間 着用ガス流路を更に備えることが好ましい これにより、吸着剤から脱着したNO X を含む被処理成分をエンジン内で処理するこ とができ、被処理成分の系外への放出量を更 に低減することができる。しかも、上述した プラズマリアクタが不要である。

 以下、本発明を具体例を示しながらより 細に説明する。但し、本発明は以下の具体 に限定されないことは言うまでもない。

 (実施の形態1)
 図1A、図1B、図1Cは、それぞれ、本発明の実 の形態1に係る排ガス処理装置の吸着工程、 脱着工程、冷却工程でのガスの流れを示す図 である。図1A~図1Cに示した記号の意味を図2に 示す。図2に示すように、実線はガスが流通 ている流路(配管)、破線はガスが流通してい ない流路(配管)を示す。白抜きのバルブ(開閉 弁)記号は開いたバルブを示し、黒塗りのバ ブ(開閉弁)記号は閉じたバルブを示す。

 本実施の形態1の排ガス処理装置は、吸着 剤が充填された吸着層及び前記吸着層に対し て熱伝達を行う伝熱流路を有する吸着塔20と 排気口-吸着層間排ガス流路と、排気口-伝 流路間排ガス流路と、脱着用ガス流路と、 却用ガス流路と、吸着層-吸気口間冷却用ガ 流路と、脱着用ガス循環流路とを備える。

 排気口-吸着層間排ガス流路は、エンジン 10の排気口10eから排出された排ガスを吸着塔2 0の吸着層に導入する流路であって、本実施 形態1では、図1Aに実線で示されているよう 、エンジン10の排気口10eからバルブ72、DPF(Die sel Particulate Filter)40、ラジエータ50、三方弁7 0をこの順に通過し吸着塔20に至る流路が該当 する。

 排気口-伝熱流路間排ガス流路は、エンジ ン10の排気口10eから排出された排ガスを吸着 20の伝熱流路に導入する流路であって、本 施の形態1では、図1Bに実線で示されている うに、エンジン10の排気口10eからバルブ73を り、吸着塔20の伝熱流路に至る流路が該当 る。

 脱着用ガス流路は、脱着用ガス92を吸着 20の吸着層に導入する流路であって、本実施 の形態1では、図1Bに実線で示されているよう に、バルブ74から吸着塔20の吸着層に至る流 が該当する。

 冷却用ガス流路は、冷却用ガス93を吸着 20の吸着層に導入する流路であって、本実施 の形態1では、図1Cに実線で示されているよう に、バルブ75から吸着塔20の吸着層に至る流 が該当する。

 吸着層-吸気口間冷却用ガス流路は、吸着 塔20の吸着層を通過した冷却用ガスをエンジ 10の吸気口10iに導入する流路であって、本 施の形態1では、図1Cに実線で示されている うに、吸着塔20の吸着層からバルブ77を通過 てエンジン10の吸気口10iに至る流路が該当 る。

 脱着用ガス循環流路は、吸着塔20の吸着 を通過した脱着用ガスの一部を吸着層に導 する流路であって、本実施の形態1では、図1 Bに実線で示されているように、吸着塔20の吸 着層の脱着用ガス出口からバルブ61、送風機6 0を通り吸着塔20の吸着層の脱着用ガス入口に 至る流路が該当する。

 本実施の形態の排ガス処理装置は、図1A 吸着工程、図1Bの脱着工程、図1Cの冷却工程 この順に行う繰り返し単位を繰り返して行 。

 吸着工程では、吸着塔20の吸着剤が、エン ン10から排出される排ガス中に含まれるNO X を含む被処理成分を吸着する。吸着工程での ガスの流れを図1Aを用いて説明する。エンジ 10は、バルブ71を通じて大気91を吸入し、NO X を含む被処理成分を含む排ガスを排出する。 排ガスは、バルブ72を通り、DPF40で排ガス中 粒子状物質(例えば、すす)が除去された後、 ラジエータ50で冷却され、三方弁70を通過し 着塔20の吸着層を通過する。吸着層には吸着 剤が充填されており、排ガスが吸着剤の隙間 を通過する際に、吸着剤は排ガス中に含まれ たNO X を含む被処理成分を吸着する。被処理成分が 吸着された排ガスは、バルブ75を通過して大 中に放出される。

 脱着工程では、上記の吸着工程で吸着塔20 吸着剤に吸着された被処理成分を吸着剤か 脱着させて、吸着剤を再生する。被処理成 を脱着させるために、被処理成分を吸着し 吸着剤を排ガスの熱を利用して加熱する。 着工程でのガスの流れを図1Bを用いて説明す る。エンジン10は、バルブ71を通じて大気91を 吸入し、NO X を含む被処理成分を含む排ガスを排出する。 排ガスは、バルブ73を通り、吸着塔20の伝熱 路を通過する。排ガスが伝熱流路を通過す 際、排ガスの熱エネルギーが吸着塔20内の吸 着層の吸着剤に伝達される。その結果、吸着 塔20内の吸着剤は加熱され、一方、排ガスは 却される。冷却された排ガスは、DPF40で排 ス中の粒子状物質(例えば、すす)が除去され た後、ラジエータ50で更に冷却され、三方弁7 0を通過し、大気中に放出される。一方、脱 用ガス92がバルブ74を通過し、吸着塔20の吸 層を通過する。吸着層内の吸着剤は排ガス より加熱されているので、吸着剤に吸着さ ていた被処理成分が脱着されて脱着用ガス とともに吸着塔20外に運び出される。被処理 成分を含む脱着用ガスの一部は、バルブ61及 送風機60を通過して吸着塔20の吸着層に再度 流入し、残りは、バルブ76を通過してプラズ リアクタ30に流入する。プラズマリアクタ30 は、脱着用ガスに対してプラズマ処理を行い 、脱着用ガスに含まれる被処理成分であるNO X をN 2 に還元する。その後、還元されたN 2 を含む脱着用ガスは大気中に放出される。

 冷却工程では、上記の脱着工程で加熱され 吸着塔20の吸着剤を、被処理成分を吸着可 な温度にまで冷却する。冷却工程でのガス 流れを図1Cを用いて説明する。冷却用ガス93 しての大量の大気が、バルブ75を通過して 吸着塔20の吸着層を通過する。吸着塔20内の 着剤は、吸着層を通過する大気により急速 冷却される。吸着塔20を通過した大気は、 ルブ77を通過してエンジン10の吸気口10iに流 する。エンジン10は、バルブ71を通過した大 気91と吸着塔20を通過した大気とを吸入し、NO X を含む被処理成分を含む排ガスを排出する。 排ガスは、バルブ72を通り、DPF40で排ガス中 粒子状物質(例えば、すす)が除去された後、 ラジエータ50で冷却され、三方弁70を通過し 大気中に放出される。

 以上のように、本実施の形態によれば、冷 工程において吸着塔20の吸着層を通過した 気をエンジン10の吸気口10iに導入する。冷却 工程の初期では、吸着剤はまだ高温であるの で、吸着層を通過した大気は被処理成分であ るNO X を含むことがある。この場合、エンジン10に 入する吸気にはNO X が含まれることになる。吸気中のNO X の一部はエンジン10により分解される。従っ 、吸着層を通過した大気をエンジン10の吸 口10iに流入させない場合に比べて、少ない ネルギー消費量でNO X の系外への総排出量を低減することができる 。また、吸着剤から被処理成分を脱着させて 吸着剤を再生するために排ガスの熱エネルギ ーを使用するので、この点でもエネルギー消 費量を低減することができる。更に、被処理 成分の処理に湿式工程を含まないので、処理 液の維持管理などに関する従来の問題は発生 しない。

 上記の実施の形態は一例であり、本発明 これに限定されず、種々の変更が可能であ 。

 上記の脱着工程(図1B)では、吸着塔20の吸着 を通過した脱着用ガスに対して、プラズマ アクタ30でプラズマ処理を行ったが、本発 はこれに限定されない。例えば、吸着工程 脱着工程、及び冷却工程からなる繰り返し 位を繰り返して行う場合において、プラズ 処理を行う脱着工程と行わない脱着工程と 混在していても良い。特に、運転開始直後 は、吸着塔20の吸着層を通過した脱着用ガス に含まれるNO X の量は相対的に少ない場合がある。このよう な場合は、プラズマ処理を省略することがで きる。あるいは、プラズマリアクタ30を省略 、プラズマ処理を全く行わなくても良い。 ラズマ処理を省略すれば、これに要するエ ルギーを削減することができる。また、プ ズマリアクタ30を省略すれば、更に装置の 型化と低コスト化が可能になる。

 上記の脱着工程(図1B)では、吸着塔20の吸 層を通過した脱着用ガスの一部をバルブ61 び送風機60を通過して吸着塔20の吸着層に再 流入させた。これは、バルブ74を通過して 給される限られた量の脱着用ガスを用いて 吸着層を通過する脱着用ガスの流量を増大 せるためである。これにより、脱着工程に する時間を短くすることができる。吸着層 再度流入させる脱着用ガスの量(流量)は送風 機60の風速を変えることにより調整できる。 し、本発明では、バルブ61及び送風機60を含 む脱着用ガス循環流路を省略しても良い。

 上記の冷却工程(図1C)では、エンジン10に 、吸着塔20の吸着層を通過した大気に加え 、バルブ71を通過した大気を流入させた。こ れは、バルブ71を閉じた場合に、エンジン10 よる吸気系の圧力損失が大きくなりすぎな ようにするためである。但し、本発明はこ に限定されず、冷却工程では、バルブ71を閉 じて吸着塔20の吸着層を通過した大気のみを 入させても良い。

 上記の冷却工程(図1C)において、吸着塔20の 着層に導入される冷却用ガス93として大気 用いたが、本発明はこれに限定されず、例 ばラジエータ50で冷却された排ガスの少なく とも一部を用いても良い。これにより、冷却 された排ガスが吸着塔20の吸着層を通過した エンジン10の吸気口10iに流入する。従って いわゆる排気ガス循環(Exhaust Gas Recirculation) が構成され、エンジン10の吸気中の酸素濃度 低下する。その結果、燃焼温度が低下し、 ガス中のNO X 含有量を更に低下させることができる。

 図1A~図1Cの配管図は一例であって、本発 はこれに限定されない。例えば、三方弁を ルブで置き換えたり、逆にバルブを三方弁 置き換えたりしても良い。また、バルブや 方弁の位置を変更しても良い。例えば、バ ブ73の位置を吸着塔20の伝熱流路とDPF40との の流路上に変更しても良い。これにより、 ルブ73に要求される耐熱性の程度を低下させ ることができる。

 (実施の形態2)
 図3A、図3B、図3Cは、それぞれ、本発明の実 の形態2に係る排ガス処理装置の吸着工程、 脱着工程、冷却工程でのガスの流れを示す図 である。図3A~図3Cに示した記号の意味は図2に 示した通りである。図1A~図1Cと同一の部材に 同一の符号を付して、それらの説明を省略 る。

 本実施の形態2は、送風機60、プラズマリ クタ30が省略されている点、及び、三方弁70 とバルブ77とを結び、バルブ61及び吸着塔20を 通らない経路上にバルブ79が設けられている 、で実施の形態1と異なる。

 本実施の形態2の排ガス処理装置は、吸着 剤が充填された吸着層及び前記吸着層に対し て熱伝達を行う伝熱流路を有する吸着塔20と 排気口-吸着層間排ガス流路と、排気口-伝 流路間排ガス流路と、脱着用ガス流路と、 却用ガス流路と、吸着層-吸気口間冷却用ガ 流路と、吸着層-吸気口間脱着用ガス流路と を備える。

 排気口-吸着層間排ガス流路は、エンジン 10の排気口10eから排出された排ガスを吸着塔2 0の吸着層に導入する流路であって、本実施 形態2では、図3Aに実線で示されているよう 、エンジン10の排気口10eからバルブ72、DPF(Die sel Particulate Filter)40、ラジエータ50、三方弁7 0、バルブ79をこの順に通過し吸着塔20に至る 路が該当する。

 排気口-伝熱流路間排ガス流路は、エンジ ン10の排気口10eから排出された排ガスを吸着 20の伝熱流路に導入する流路であって、本 施の形態2では、図3Bに実線で示されている うに、エンジン10の排気口10eからバルブ73を り、吸着塔20の伝熱流路に至る流路が該当 る。

 脱着用ガス流路は、吸着塔20の伝熱流路 通過した排ガスを脱着用ガスとして吸着塔20 の吸着層に導入する流路であって、本実施の 形態2では、図3Bに実線で示されているように 、バルブ61から吸着塔20の吸着層に至る流路 該当する。

 冷却用ガス流路は、冷却用ガス93を吸着 20の吸着層に導入する流路であって、本実施 の形態2では、図3Cに実線で示されているよう に、バルブ75から吸着塔20の吸着層に至る流 が該当する。

 吸着層-吸気口間冷却用ガス流路は、吸着 塔20の吸着層を通過した冷却用ガスをエンジ 10の吸気口10iに導入する流路であって、本 施の形態2では、図3Cに実線で示されている うに、吸着塔20の吸着層からバルブ77を通過 てエンジン10の吸気口10iに至る流路が該当 る。

 吸着層-吸気口間脱着用ガス流路は、吸着 塔20の吸着層を通過した脱着用ガスをエンジ 10の吸気口10iに導入する流路であって、本 施の形態2では、図3Bに実線で示されている うに、吸着塔20の吸着層からバルブ77を通過 てエンジン10の吸気口10iに至る流路が該当 る。

 本実施の形態の排ガス処理装置は、図3A 吸着工程、図3Bの脱着工程、図3Cの冷却工程 この順に行う繰り返し単位を繰り返して行 。

 吸着工程(図3A)では、バルブ79を開き、実 の形態1の吸着工程(図1A)と同様の処理が行 れる。従って、詳細な説明を省略する。

 脱着工程(図3B)では、上記の吸着工程で吸着 塔20の吸着剤に吸着された被処理成分を吸着 から脱着させて、吸着剤を再生する。被処 成分を脱着させるために、被処理成分を吸 した吸着剤を排ガスの熱を利用して加熱す 。脱着工程でのガスの流れを説明する。エ ジン10は、その排気口10eからNO X を含む被処理成分を含む排ガスを排出する。 排ガスは、バルブ73を通り、吸着塔20の伝熱 路を通過する。排ガスが伝熱流路を通過す 際、排ガスの熱エネルギーが吸着塔20内の吸 着層の吸着剤に伝達される。その結果、吸着 塔20内の吸着剤は加熱され、一方、排ガスは 却される。冷却された排ガスは、DPF40で排 ス中の粒子状物質(例えば、すす)が除去され た後、ラジエータ50で更に冷却され、三方弁7 0を通過し、その一部はバルブ76を通過し大気 中に放出され、残りはバルブ61を通過する。 ルブ61を通過した排ガスは、吸着塔20の吸着 層に流入する。吸着層内の吸着剤は伝熱流路 を通過した排ガスにより加熱されているので 、吸着剤に吸着されていた被処理成分が脱着 されて排ガスととともに吸着塔20外に運び出 れる。被処理成分を含む排ガスは、バルブ7 7を通過してエンジン10の吸気口10iに流入する 。エンジン10は、バルブ71を通過した大気91と 吸着塔20を通過した被処理成分を含む排ガス を吸入する。

 冷却工程(図3C)では、実施の形態1の冷却 程(図1C)と同様の処理が行われる。従って、 細な説明を省略する。冷却工程において、 ルブ79は開いていても閉じていても良い。

 以上のように、本実施の形態2は、脱着工 程において実施の形態1と異なる。具体的に 、以下の2点で異なる。

 第1に、吸着塔20の吸着剤から脱着された被 理成分であるNO X を含むガスはエンジン10の吸気口10iに導入さ る。エンジン10に導入されたNO X の少なくとも一部はエンジン10により分解さ る。実施の形態1では、脱着工程において吸 着塔20の吸着剤から脱着されたNO X を分解するためにはプラズマリアクタ30を用 てプラズマ処理を行う必要がある。これに して、本実施の形態2では、エンジン10を用 てNO X の少なくとも一部を分解することができる。 従って、脱着工程においてプラズマ処理を行 わなくてもNO X の系外への排出量を低減することができると ともに、プラズマ処理に要するエネルギーを 削減することができる。よって、本実施の形 態2では、NO X の系外への排出量の低減と、プラズマリアク タ30の省略による消費エネルギーの削減及び 置の小型化・低コスト化とを両立すること できる。

 第2に、吸着塔20の吸着層に導入される脱着 ガスとして、エンジン10の排ガスを用いて る。そして、吸着層を通過した排ガスをエ ジン10の吸気口10iに導入する。これにより、 いわゆる排気ガス循環(Exhaust Gas Recirculation) 構成され、エンジン10の吸気中の酸素濃度 低下する。その結果、燃焼温度が低下し、 ガス中のNO X 含有量を更に低下させることができる。

 本実施の形態2の脱着工程において、実施 の形態1と同様に、脱着用ガスとして排ガス 外の気体を用いることも可能である。

 本実施の形態2は、上記以外は実施の形態 1と同じであり、実施の形態1と同様の効果を する。また、実施の形態1で説明した種々の 変更例は、本実施の形態2にもそのまま、あ いは自明の修正を加えて適用することがで 、その場合は実施の形態1と同様の効果を奏 る。

 (実施の形態3)
 本発明の実施の形態3に係る排ガス処理装置 は、吸着塔を2つ有する点で、吸着塔を1つの 有する実施の形態1に係る排ガス処理装置と 異なる。

 本実施の形態の排ガス処理装置は、脱着 程、冷却工程、吸着工程からなる3工程を行 うごとにこの3工程を行う吸着塔を切り替え 。即ち、2つの吸着塔のうちの一方(第1吸着 )について脱着工程、冷却工程、吸着工程を い、次いで、他方(第2吸着塔)について脱着 程、冷却工程、吸着工程を行う。以下、こ を繰り返す。図4A、図4B、図4Cは、それぞれ 本発明の実施の形態3に係る排ガス処理装置 において、第1吸着塔についての脱着工程、 却工程、吸着工程でのガスの流れを示す図 ある。図4A~図4Cに示した記号の意味は図2に した通りである。図4A~図4Cにおいて、図1A~図 1C、図3A~図3Cと同一の部材には同一の符号を して、それらの説明を省略する。第1吸着塔 び第2吸着塔のいずれかのみに対応する部材 については、図1A~図1C、図3A~図3C中のこれと 一の部材に付された符号に添字「a」又は「b 」を付して区別している。第2吸着塔につい の脱着工程、冷却工程、吸着工程でのガス 流れは、図4A、図4B、図4Cと対称であるので 示を省略する。

 第1吸着塔20aについての脱着工程では、第1 着塔20aの吸着剤に吸着された被処理成分を 着剤から脱着させて、第1吸着塔20aの吸着剤 再生する。被処理成分を脱着させるために 被処理成分を吸着した吸着剤を排ガスの熱 利用して加熱する。一方、第2吸着塔20bは、 エンジン10からの排ガス中の被処理成分を吸 する。脱着工程でのガスの流れを図4Aを用 て説明する。エンジン10は、バルブ71を通じ 大気91を吸入し、NO X を含む被処理成分を含む排ガスを排出する。 排ガスは、バルブ73aを通り、第1吸着塔20aの 熱流路を通過する。排ガスが伝熱流路を通 する際、排ガスの熱エネルギーが第1吸着塔2 0a内の吸着層の吸着剤に伝達される。その結 、第1吸着塔20a内の吸着剤は加熱され、一方 、排ガスは冷却される。冷却された排ガスは 、DPF40で排ガス中の粒子状物質(例えば、すす )が除去された後、ラジエータ50で更に冷却さ れ、三方弁70を通過し、第2吸着塔20bの吸着層 を通過する。吸着層には吸着剤が充填されて おり、排ガスが吸着剤の隙間を通過する際に 、吸着剤は排ガス中に含まれたNO X を含む被処理成分を吸着する。第2吸着塔20b 通過し被処理成分が吸着された排ガスは、 ルブ78bを通過して大気中に放出される。一 、脱着用ガス92がバルブ74aを通過し、第1吸 塔20aの吸着層を通過する。第1吸着塔20aの吸 層内の吸着剤は排ガスにより加熱されてい ので、吸着剤に吸着されていた被処理成分 脱着されて脱着用ガスととともに第1吸着塔 20a外に運び出される。被処理成分を含む脱着 用ガスの一部は、バルブ61a及び送風機60aを通 過して第1吸着塔20aの吸着層に再度流入し、 りは、バルブ76aを通過してプラズマリアク 30に流入する。プラズマリアクタ30は、脱着 ガスに対してプラズマ処理を行い、脱着用 スに含まれる被処理成分であるNO X をN 2 に還元する。その後、還元されたN 2 を含む脱着用ガスは大気中に放出される。

 第1吸着塔20aについての冷却工程では、上記 の脱着工程で加熱された第1吸着塔20aの吸着 を、被処理成分を吸着可能な温度にまで冷 する。一方、第2吸着塔20bは、エンジン10か の排ガス中の被処理成分を吸着する。冷却 程でのガスの流れを図4Bを用いて説明する。 冷却用ガス93としての大量の大気が、バルブ7 8aを通過して、第1吸着塔20aの吸着層を通過す る。第1吸着塔20a内の吸着剤は、吸着層を通 する大気により急速に冷却される。第1吸着 20aを通過した大気は、バルブ77aを通過して ンジン10の吸気口10iに流入する。エンジン10 は、バルブ71を通過した大気と第1吸着塔20aを 通過した大気91とを吸入し、NO X を含む被処理成分を含む排ガスを排出する。 排ガスは、バルブ72を通り、DPF40で排ガス中 粒子状物質(例えば、すす)が除去された後、 ラジエータ50で冷却され、三方弁70を通過し 第2吸着塔20bの吸着層を通過する。排ガスが 2吸着塔20bの吸着層を通過する際に、吸着層 内の吸着剤は排ガス中に含まれたNO X を含む被処理成分を吸着する。第2吸着塔20b 通過し被処理成分が吸着された排ガスは、 ルブ78bを通過して大気中に放出される。

 第1吸着塔20aについての吸着工程では、第1 着塔20a及び第2吸着塔20bが、エンジン10から 出される排ガス中に含まれるNO X を含む被処理成分を吸着する。吸着工程での ガスの流れを図4Cを用いて説明する。エンジ 10は、バルブ71を通じて大気91を吸入し、NO X を含む被処理成分を含む排ガスを排出する。 排ガスは、バルブ72を通り、DPF40で排ガス中 粒子状物質(例えば、すす)が除去された後、 ラジエータ50で冷却され、三方弁70を通過し 2吸着塔20bの吸着層を通過する。排ガスが第2 吸着塔20bの吸着層を通過する際に、吸着層内 の吸着剤は排ガス中に含まれたNO X を含む被処理成分を吸着する。第2吸着塔20b 通過した排ガスは、バルブ75bを通過し第1吸 塔20aの吸着層を通過する。この吸着層にも 着剤が充填されており、排ガスが吸着剤の 間を通過する際に、吸着剤は排ガス中に含 れたNO X を含む被処理成分を吸着する。このように、 第2吸着塔20b、第1吸着塔20aで被処理成分を吸 された排ガスは、バルブ78aを通過して大気 に放出される。

 その後、第2吸着塔20bについての脱着工程 、冷却工程、吸着工程を行う。第2吸着塔20b ついての脱着工程、冷却工程、吸着工程で ガスの流れは、上記の説明を、図4A~図4Cに示 した部材の符号の添字「a」と「b」とを入れ えて読めば良い。上記の第1吸着塔20aについ ての脱着工程、冷却工程、吸着工程において 第2吸着塔20bの吸着剤に吸着された被処理成 は第2吸着塔20bについての脱着工程により脱 され、第2吸着塔20bの吸着剤は再生される。 以下、第1吸着塔20aと第2吸着塔20bとを交互に り替えて、それぞれについて脱着工程、冷 工程、吸着工程を行う。

 以上のように、本実施の形態によれば、実 の形態1と同様に、冷却工程において吸着塔 の吸着層を通過した大気をエンジン10の吸気 10iに導入する。冷却工程の初期では、吸着 はまだ高温であるので、吸着層を通過した 気は被処理成分であるNO X を含むことがある。この場合、エンジン10に 入する吸気にはNO X が含まれることになる。吸気中のNO X の一部はエンジン10により分解される。従っ 、吸着層を通過した大気をエンジン10の吸 口10iに流入させない場合に比べて、NO X の系外への総排出量を低減することができる 。また、吸着剤から被処理成分を脱着させて 吸着剤を再生するために排ガスの熱エネルギ ーを使用するので、この点でもエネルギー消 費量を低減することができる。更に、被処理 成分の処理に湿式工程を含まないので、処理 液の維持管理などに関する従来の問題は発生 しない。

 また、実施の形態1と異なり、本実施の形 態では、2つの吸着塔のうちの一方の吸着塔 ついて脱着工程、冷却工程、吸着工程を行 ている間、他方の吸着塔は常に排ガス中に まれた被処理成分を吸着している。従って 実施の形態1に比べて、被処理成分の系外へ 総排出量を少なくすることができる。

 上記の実施の形態は一例であり、本発明 これに限定されず、種々の変更が可能であ 。

 例えば、上記の第1吸着塔20aについての脱着 工程(図4A)において、プラズマリアクタ30を通 過した脱着用ガスを大気中に放出するのでは なく、第2吸着塔20bの吸着層に流入させても い。これにより、プラズマリアクタ30におい て還元されなかったNO X を第2吸着塔20bの吸着剤に吸着させることが きるので、NO X の大気中への放出量を低減することができる 。第2吸着塔20bについての脱着工程において 同様である。

 上記の第1吸着塔20aについての脱着工程(図4A )では、吸着塔20aの吸着層を通過した脱着用 スに対して、プラズマリアクタ30でプラズマ 処理を行ったが、本発明はこれに限定されな い。例えば、吸着工程、脱着工程、及び冷却 工程からなる繰り返し単位を繰り返して行う 場合において、プラズマ処理を行う脱着工程 と行わない脱着工程とが混在していても良い 。特に、運転開始直後では、吸着塔20の吸着 を通過した脱着用ガスに含まれるNO X の量は相対的に少ない場合がある。このよう な場合は、プラズマ処理を省略することがで きる。第2吸着塔20bについての脱着工程にお ても同様である。あるいは、プラズマリア タ30を省略し、プラズマ処理を全く行わなく ても良い。プラズマ処理を省略すれば、これ に要するエネルギーを削減することができる 。また、プラズマリアクタ30を省略すれば、 に装置の小型化と低コスト化が可能になる

 上記の第1吸着塔20aについての脱着工程( 4A)では、第1吸着塔20aの吸着層を通過した脱 用ガスの一部をバルブ61a及び送風機60aを通 して第1吸着塔20aの吸着層に再度流入させた 。これは、バルブ74aを通過して供給される限 られた量の脱着用ガスを用いて、吸着層を通 過する脱着用ガスの流量を増大させるためで ある。これにより、脱着工程に要する時間を 短くすることができる。吸着層に再度流入さ せる脱着用ガスの量(流量)は送風機60aの風速 変えることにより調整できる。但し、本発 では、バルブ61a及び送風機60aを含む脱着用 ス循環流路を省略しても良い。第2吸着塔20b についての脱着工程においても同様である。

 上記の第1吸着塔20aについての冷却工程( 4B)では、エンジン10には、第1吸着塔20aの吸 層を通過した大気に加えて、バルブ71を通過 した大気を流入させた。これは、バルブ71を じた場合に、エンジン10による吸気系の圧 損失が大きくなりすぎないようにするため ある。但し、本発明はこれに限定されず、 却工程では、バルブ71を閉じて第1吸着塔20a 吸着層を通過した大気のみを流入させても い。第2吸着塔20bについての冷却工程におい も同様である。

 上記の第1吸着塔20aについての冷却工程(図4B )において、第1吸着塔20aの吸着層に導入され 冷却用ガス93として大気を用いたが、本発 はこれに限定されず、例えばラジエータ50で 冷却され第2吸着塔20bを通過した浄化された ガスの少なくとも一部を用いても良い。こ により、冷却された排ガスが第1吸着塔20aの 着層を通過した後エンジン10の吸気口10iに 入する。従って、いわゆる排気ガス循環(Exha ust Gas Recirculation)が構成され、エンジン10の 気中の酸素濃度が低下する。その結果、燃 温度が低下し、排ガス中のNO X 含有量を更に低下させることができる。第2 着塔20bについての冷却工程においても同様 ある。

 上記の実施の形態では、脱着工程、冷却 程、吸着工程をこの順に行うごとに吸着塔 切り替えたが、本発明はこれに限定されず 例えば、吸着工程、脱着工程、冷却工程を の順に行うごとに吸着塔を切り替えても良 。

 図4A~図4Cの配管図は一例であって、本発 はこれに限定されない。例えば、三方弁を ルブで置き換えたり、逆にバルブを三方弁 置き換えたりしても良い。また、バルブや 方弁の位置を変更しても良い。例えば、バ ブ73a,73bの位置を吸着塔20a,20bの伝熱流路とDPF 40との間の流路上に変更しても良い。これに り、バルブ73a,73bに要求される耐熱性の程度 を低下させることができる。

 排ガス処理装置が3以上の吸着塔を有して いても良い。

 (実施の形態4)
 本発明の実施の形態4に係る排ガス処理装置 は、吸着塔を2つ有する点で実施の形態3に係 排ガス処理装置と共通する。但し、脱着工 に関して、本実施の形態4は実施の形態2と じである点で、実施の形態1と同じである実 の形態3と異なる。

 本実施の形態4の排ガス処理装置は、実施 の形態3のそれと同様に、脱着工程、冷却工 、吸着工程からなる3工程を行うごとにこの3 工程を行う吸着塔を切り替える。図5A、図5B 図5Cは、それぞれ、本発明の実施の形態4に る排ガス処理装置において、第1吸着塔につ ての脱着工程、冷却工程、吸着工程でのガ の流れを示す図である。図5A~図5Cに示した 号の意味は図2に示した通りである。図5A~図5 Cにおいて、図3A~図3C、図4A~図4Cと同一の部材 は同一の符号を付して、それらの説明を省 する。第2吸着塔についての脱着工程、冷却 工程、吸着工程でのガスの流れは、図5A、図5 B、図5Cと対称であるので図示を省略する。

 本実施の形態3は、送風機60a,60b、プラズ リアクタ30が省略されている点、及び、三方 弁70とバルブ77a,77bとを結び、バルブ61a,61b及 吸着塔20a,20bを通らない経路上にバルブ79a,79b が設けられている点、で実施の形態3と異な 。

 第1吸着塔20aについての脱着工程(図5A)では 第1吸着塔20aの吸着剤に吸着された被処理成 を吸着剤から脱着させて、第1吸着塔20aの吸 着剤を再生する。被処理成分を脱着させるた めに、被処理成分を吸着した吸着剤を排ガス の熱を利用して加熱する。一方、第2吸着塔20 bは、エンジン10からの排ガス中の被処理成分 を吸着する。脱着工程でのガスの流れを説明 する。エンジン10は、その排気口10eからNO X を含む被処理成分を含む排ガスを排出する。 排ガスは、バルブ73aを通り、第1吸着塔20aの 熱流路を通過する。排ガスが伝熱流路を通 する際、排ガスの熱エネルギーが第1吸着塔2 0a内の吸着層の吸着剤に伝達される。その結 、第1吸着塔20a内の吸着剤は加熱され、一方 、排ガスは冷却される。冷却された排ガスは 、DPF40で排ガス中の粒子状物質(例えば、すす )が除去された後、ラジエータ50で更に冷却さ れ、三方弁70、バルブ79bを通過し、第2吸着塔 20bの吸着層を通過する。吸着層には吸着剤が 充填されており、排ガスが吸着剤の隙間を通 過する際に、吸着剤は排ガス中に含まれたNO X を含む被処理成分を吸着する。第2吸着塔20b 通過し被処理成分が吸着された排ガスは、 ルブ75bを通過し、その一部はバルブ76aを通 し大気中に放出され、残りはバルブ61aを通 し、第1吸着塔20aの吸着層に流入する。吸着 内の吸着剤は伝熱流路を通過した排ガスに り加熱されているので、吸着剤に吸着され いた被処理成分が脱着されて排ガスととと に第1吸着塔20a外に運び出される。被処理成 分を含む排ガスは、バルブ77aを通過してエン ジン10の吸気口10iに流入する。エンジン10は バルブ71を通過した大気91と吸着塔20を通過 た被処理成分を含む排ガスとを吸入する。

 第1吸着塔20aについての冷却工程(図5B)で 、図4Bで説明したのと同様の処理が行われる 。従って、詳細な説明を省略する。このとき 、バルブ79aは開いていても閉じていても良い 。バルブ79bは開かれる。

 第1吸着塔20aについての吸着工程(図5C)で 、バルブ79A,79bを開き図4Cで説明したのと同 の処理が行われる。従って、詳細な説明を 略する。

 第2吸着塔20bについての脱着工程、冷却工 程、吸着工程でのガスの流れは、上記の説明 を、部材の符号の添字「a」と「b」とを入れ えて読めば良い。

 本実施の形態4は、上記以外は実施の形態 3と同じであり、実施の形態3と同様の効果を する。更に、脱着工程は実施の形態2と同じ であるので、実施の形態2と同様の効果をも する。

 実施の形態2で説明したように、脱着工程 において、脱着用ガスとして排ガス以外の気 体を用いることも可能である。

 また、実施の形態2,3で説明した種々の変 例は、本実施の形態4にもそのまま、あるい は自明の修正を加えて適用することができ、 その場合は実施の形態2,3と同様の効果を奏す る。

 (吸着塔)
 本発明の排ガス処理装置に用いられる吸着 20,20a,20bの一実施形態を説明する。図6Aは吸 塔20,20a,20bの側面図、図6Bは図6Aの矢印6Bの方 向から見た吸着塔20,20a,20bの透視図、図6Cは図 6Aの矢印6Cの方向から見た吸着塔20,20a,20bの透 図である。

 吸着塔20,20a,20bは、略四角錐体形状の第1 び第2ダクト21,22と中空四角柱形状の本体25と を備える。本体25の一端のフランジ25aが第1ダ クト21のフランジ21aと接続され、本体25の他 のフランジ25bが第2ダクト22のフランジ22aと 続されて、本体25とこれを挟む第1及び第2ダ ト21,22とが一体化されている。第1ダクト21 び第2ダクト22は、それぞれ排ガス処理装置 配管と接続される第1接続口21b及び第2接続口 22bを備える。

 本体25の両端近傍の対角位置に第3及び第4 ダクト23,24が形成されている。第3ダクト23及 第4ダクト24は、それぞれ排ガス処理装置の 管と接続される第3接続口23b及び第4接続口24 bを備える。

 本体25内には、吸着剤26aが充填された複 の吸着層26と、複数の伝熱流路27とが交互に 置されている。複数の吸着層26は、第1及び 2ダクト21,22を介して第1及び第2接続口21b,22b 接続されている。また、複数の伝熱流路27 、第3及び第4ダクト23,24を介して第3及び第4 続口23b,24bと接続されている。吸着剤26aが吸 層26から外にこぼれ出ないように、フラン 25aとフランジ21aとの間及びフランジ25bとフ ンジ22aとの間には金属メッシュ(図示せず)が 挟み込まれている。

 図6A~図6Cにおいて、実線は脱着工程におい 吸着層26内の吸着剤26aを加熱するための高温 の排ガスG E の流れを示し、破線は脱着工程において吸着 剤26aから脱着された被処理成分を吸着塔20,20a ,20b外に運び出す脱着用ガスG N の流れを示している。高温の排ガスG E は、第3接続口23bから流入し、第3ダクト23内 おいて複数の流れに分岐され、本体25内の複 数の伝熱流路27内を流れ、第4ダクト24内にお て1つの流れにまとめられて第4接続口24bか 流出する。一方、脱着用ガスG N は、第1接続口21bから流入し、第1ダクト21内 おいて複数の流れに分岐され、本体25内の複 数の吸着層26内を流れ、第2ダクト22内におい 1つの流れにまとめられて第2接続口22bから 出する。高温の排ガスG E により吸着剤26aが加熱されることにより吸着 剤26aに吸着していたNO X を含む被処理成分が脱着される。脱着された 被処理成分は、脱着用ガスG N とともに吸着塔20,20a,20b外に運び出される。 ガスG E と脱着用ガスG N とは、吸着層26と伝熱流路27との間の隔壁28に より分離され、混じり合うことはない。伝熱 流路27から吸着層26内の吸着剤26aへの熱伝達 容易になるように、吸着層26内には両側の隔 壁28と接する波板状の伝熱フィン29が設けら ている。伝熱フィン29は吸着剤26a内に埋め込 まれている。

 吸着工程では、排ガスは、脱着工程での脱 用ガスG N の流れとは逆に、第2接続口22bから流入し、 体25内の複数の吸着層26内を流れ、第1接続口 21bから流出する。このとき、伝熱流路27内に ガスは流れない。

 冷却工程では、冷却用ガスは、脱着工程で 脱着用ガスG N の流れと同様に、第1接続口21bから流入し、 体25内の複数の吸着層26内を流れ、第2接続口 22bから流出する。このとき、伝熱流路27内に ガスは流れない。

 上記のように、吸着工程での排ガスと脱着 程での排ガスG E とが本体25内を同じ向きに(フランジ25b側から フランジ25a側に)流れることが好ましい。更 、脱着工程では、図6A及び図6Bに示すように 本体25内で排ガスG E と脱着用ガスG N とが対向流となることが好ましい。これは以 下の理由による。吸着工程では、排ガス中の NO X を含む被処理成分は本体25内の上流側(フラン ジ25b側)ほどより多く吸着される。従って、 着工程では、加熱用の排ガスG E を、吸着工程での排ガスと同じ向きに流すこ とにより、被処理成分がより多く吸着された 側(フランジ25b側)を脱着工程においてより高 することができるので、熱エネルギーを有 に使って被処理成分を効率よく脱着させる とができる。一方、脱着工程において、脱 用ガスG N を加熱用の排ガスG E と同じ向きに(フランジ25b側からフランジ25a に)流すと、被処理成分がより多く吸着され 上流側(フランジ25b側)で脱着された被処理 分が下流側で吸着剤に再吸着されやすくな 。これは、吸着剤の被処理成分に対する吸 力は、吸着剤の被処理成分の吸着量に反比 すること、及び、下流側は、吸着工程にお て被処理成分の吸着量が少ないことによる 従って、吸着工程及び脱着工程での排ガス び脱着用ガスは上記の向きに流れるのが好 しい。但し、吸着塔20,20a,20bの大きさ、構成 配置場所などによってはガスの流れの向き 上記以外の向きであっても良い。

 吸着剤26aとしては、特に制限はなく、NO X を含む被処理成分の吸着及び脱着を行うこと ができる公知の材料を適宜選択して使用する ことができる。例えば、Mn-Cu複合酸化物のペ ットにルテニウム酸カリウムを1wt%担持させ たもの、モレキュラシーブ13X等を用いること ができる。

 図6A~図6Cに示した吸着塔20,20a,20bの構成は 例に過ぎず、本発明はこれに限定されず、 宜変更することができる。

 例えば、吸着層と伝熱流路とを交互に配 するのではなく、伝熱流路が、吸着層内に 没された1本または複数本の金属管であって も良い。伝熱流路を吸着層内に埋没する場合 、伝熱面積を大きくするため、伝熱流路とし て扁平な管を用いることが望ましい。扁平な 管は、適当な径の円筒状の金属管を圧縮した り、凹面をなす2枚の金属短冊を向き合わせ 接合したりして製作することができる。

 一般にNO X に対する吸着剤の吸着能力は湿度が低いほど 向上するので、除湿剤を吸着剤に混合したり 、あるいは吸着剤に対して吸着工程での排ガ スの流れの上流側に除湿剤を配置したりして も良い。除湿剤としては、特に制限はないが 、例えばシリカゲル、モレキュラシーブ5A、3 A、13Xなどを用いることができる。

 (プラズマリアクタ)
 本発明の排ガス処理装置に用いられるプラ マリアクタ30の一実施形態を説明する。

 図7Aは、プラズマリアクタ30に使用される 沿面放電素子80の側面図、図7Bは図7Aの7B-7B線 沿った矢視断面図である。一端が閉じられ 中空円筒形状を有しセラミックスからなる 筒81の外周面にプラズマを発生するための 結金属製の放電電極82が所定のパターンで形 成されている。放電電極82の形成領域は外筒8 1のほぼ半周にわたっている。外筒81の外周壁 内に、放電電極82と対向するように埋設電極8 3が埋め込まれている。例えば放電電極82を接 地し(電位0)、埋設電極83に交番電圧を印加す と、外筒81の外周面に沿ってプラズマが発 する。交番電圧としては、例えば図8Aに示す ような約12.5kHz,3.8kVの交流電圧を用いること できる。あるいは、図8Bに示すようなパルス 状電圧であっても良い。1本の沿面放電素子80 の放電電力は例えば約12Wである。外筒81内に 銅棒87が挿入されており、外筒81外に露出し た銅棒87の一端には放熱のためのラジエータ( 放熱フィン)84が設けられている。外筒81と銅 87との間の隙間には熱伝導性ペースト85が充 填されている。これにより、加熱による電極 接点の溶融を防止できる。外筒81の開口端近 には、沿面放電素子80を取り付けるための ランジ86が形成されている。このような沿面 放電素子80としては(株)増田研究所製のOC-002 用いることが出来る。

 図9Aは、プラズマリアクタ30の側面断面図 、図9Bは図9Aの9B-9B線に沿った矢視断面図であ る。プラズマリアクタ30は、上述の複数本の 面放電素子80と、これを収納する本体31とを 備える。本体31は、アルミニウムを切削加工 て製造されており、その長手方向の一端の 1接続口32と、他端の第2接続口33と、第1接続 口32及び第2接続口33の間のガス流路34と、ガ 流路34と第1,第2接続口32,33との間に設けられ 、ガスの流路幅を変化させる第1,第2ガス拡 部35,36とを有する。ガス流路34上に沿面放電 素子80の外筒81を収納する円筒面を有する複 の素子収納部37が形成されている。沿面放電 素子80は、その外筒81上に形成された放電電 82が第1接続口32側を向くように設置されてい る。

 脱着工程において、NO X を含む被処理成分を含む脱着用ガスは、第1 続口32に流入し、第1ガス拡散部35で沿面放電 素子80の長手方向に拡散され、ガス流路34に 入し、素子収納部37では沿面放電素子80の外 面の近傍を流れ、第2ガス拡散部36で集束さ 、第2接続口33から流出する。このとき、沿 放電素子80が発生するプラズマにより、脱 用ガスに含まれるNO X がN 2 に還元される。沿面放電素子80の外筒81の外 面と素子収納部37の内周面との間の隙間dは1m m程度に設定されていることが好ましい。こ により、プラズマ発生領域を通過するガス が最大となり、高いNO X 還元性能が得られることを実験により確認し ている。隣り合う沿面放電素子80の間隔Lは0 上であれば良く、特に制限はない。

 本発明においてプラズマリアクタ30の構 は上記に限定されず、種々の変更が可能で る。

 例えば、図9A、図9Bに示した複数のプラズ マリアクタ30を直列又は並列に接続して用い も良い。

 脱着用ガスを、第2接続口33に流入させ、 1接続口32から流出させても良い。

 沿面放電素子80の放電電極82は、外筒81の 周にわたって形成されていても良い。

 図9A、図9Bに示したプラズマリアクタ30では 沿面放電素子80の沿面放電が発生する面(即 、外筒81の外周面)に沿って脱着用ガスが流 るように脱着用ガスの流路を規制するガス 路規制形状として素子収納部37を、本体31の ガス流路34上に切削加工により形成したが、 発明はこれに限定されない。例えば、図10A び図10Bに示すように、ガス流路規制部材38 本体31とは別に本体31に設けても良い。ガス 路規制部材38は、半円筒形状を有し、周方 の中央部分に沿面放電素子80の長手方向と平 行なスリット39が形成されている。ガス流路 制部材38の内周面は、沿面放電素子80の外筒 81の外周面と略一定間隔で離間するような円 面である。この円筒面が、脱着用ガスG N が沿面放電素子80の外筒81の外周面に沿って れるように脱着用ガスG N の流路を規制するガス流路規制形状として機 能する。ガス流路規制部材38は、沿面放電素 80に対して脱着用ガスG N の流れの上流側に、一定厚さに形成されたガ ス流路34上に設置される。沿面放電素子80は その外筒81上に形成された放電電極82がスリ ト39側を向くように設置される。NO X を含む被処理成分を含む脱着用ガスG N は、ガス流路規制部材38のスリット39を通過 、沿面放電素子80の外周面の近傍を流れる。

 図10A及び図10Bにおいて、ガス流路規制部材3 8を半円筒形状ではなく、沿面放電素子80の全 周囲を取り囲む円筒形状とし、中心軸に対し て対称位置に一対のスリットを形成しても良 い。この場合、脱着用ガスG N は、一方のスリットからガス流路規制部材内 に流入し、沿面放電素子80の外周面の近傍を れ、他方のスリットから流出する。

 (脱着用ガス)
 脱着工程において吸着塔の吸着層に導入さ る脱着用ガスとしては、特に制限はなく、 えば大気を使用することができる。但し、 着工程においてプラズマ処理を行う場合に 、脱着用ガスは、酸素濃度が10vol%以下の低 素ガスであることが好ましい。このような 酸素ガスとして、例えば純度99.99vol%の窒素 スや、酸素濃度10vol%以下で酸素ガスを混合 た窒素ガスを使用することができる。本発 者らは、脱着用ガスとして酸素濃度を種々 変えた窒素ガスを用い、プラズマ処理後の 着用ガス中のNO X の残存率を実験により測定した。その結果、 NO X の残存率は、酸素濃度が0vol%のときほぼ0%(即 、NO X 除去率がほぼ100%)であるが、酸素濃度が増加 るにしたがって増大し、酸素濃度が多いほ プラズマ処理によってNO X がNO 2 、HNO 3 、N 2 O 5 、N 2 O等に変換される割合が大きくなることを確 した。特に酸素濃度が10vol%を超えるとプラ マ処理によりNOの大部分がNO 2 等に変換され、排ガス処理として不十分であ った。

 酸素濃度10vol%以下の低酸素ガスとして、 純度窒素ガスや特別に調整した高濃度窒素 スではなく、実施の形態2の脱着工程(図3B) び実施の形態4の脱着工程(図5A)で説明したよ うに、エンジンからの排ガスを用いることも できる。これにより、酸素濃度10vol%以下の低 酸素ガスとして、例えば高純度窒素ガスを別 に用意しておく必要がなくなるので、このた めのガスボンベ等が不要になり、装置を小型 化することができる。また、運転コストを低 減することができる。エンジン10の仕様や運 状況等によってはエンジン10からの排ガス そのまま酸素濃度10vol%以下の低酸素ガスと て使用してもよいが、酸素濃度10vol%以下の 望の低酸素濃度の排ガスを得るために、必 に応じて周知の手法を採用しても良い。例 ば、エンジン10の燃焼筒内への燃料噴射のタ イミングを適切に制御することにより、排ガ ス中の酸素濃度を低下させることが可能であ る。

 なお、実施の形態2の脱着工程(図3B)及び実 の形態4の脱着工程(図5A)で説明したように、 脱着工程において、吸着層を通過した、被処 理成分であるNO X を含む脱着用ガスをエンジン10の吸気口10iに 入しても良い。これにより、エンジン10を いてNO X の一部を分解することができる。このように NO X の分解をエンジン10を用いて行う場合には、 着用ガスは、酸素濃度が10vol%以下の低酸素 スである必要はなく、例えば大気であって よい。従って、低酸素ガスを特別に用意し おく必要がなくなるので、このためのガス ンベ等が不要になる。この場合に、吸着塔2 0の吸着層に導入される脱着用ガスとしてエ ジン10の排ガスを用いると、いわゆる排気ガ ス循環(Exhaust Gas Recirculation)が構成され、燃 温度が低下し、排ガス中のNO X 含有量を更に低下させることができる。

 (実施例1)
 実施の形態1で説明した図1A~図1Cの動作を行 排ガス処理装置を用いて、ディーゼルエン ンから排出される排ガス中のNO X を処理した実施例を示す。

 エンジン10として排気量2×10 -4 m 3 (200cc)のディーゼルエンジン(ヤンマーディー ル(株)製YDG200VS)を用いた。吸着塔20として、 9層の伝熱流路27と10層の吸着層26とを交互に り合わせて配置した図6A~図6Cに示した吸着塔 20を用いた。各吸着層26には波板状の伝熱フ ン29を設け、かさ体積3×10 -3 m 3 (3L)の吸着剤ペレットを充填した。吸着剤26a して、Mn-Cu複合酸化物のペレットにルテニウ ム酸カリウムを1wt%担持させて調製した。プ ズマリアクタ30として、12本の沿面放電素子8 0を一平面上に並べた図9A及び図9Bに示した構 を有するものを使用した。沿面放電素子80 して(株)増田研究所製のOC-002を用いた。並列 接続した12本の沿面放電素子80に、合計放電 力が120Wになるように、図8Bに示すパルス状 電圧を印加した。

 60分の吸着工程(図1A)、20分の脱着工程(図1B) 及び20分の冷却工程(図1C)からなる繰り返し 位を繰り返して行った。吸着工程において ンジン10からの排ガスの流量は300×10 -3 Nm 3 /minであった。脱着工程において、脱着用ガ としてバルブ74から純度99.99vol%の窒素ガスを 流量5.2×10 -3 Nm 3 /minで導入し、吸着塔20の吸着層を通過した脱 着用ガスの一部を流量35×10 -3 Nm 3 /minで送風機60を用いて吸着層に再度流入させ た。冷却工程において、冷却用ガスとしてバ ルブ75から大気を流量150×10 -3 Nm 3 /minで導入した。ここで、単位「Nm 3 /min」は、標準状態(0℃、大気圧)での体積流 を表す。エンジン10の負荷は1kWとした。プラ ズマリアクタ30を動作させる脱着工程と動作 せない脱着工程とを混在させた。

 吸着工程では、図1Aに示すように、エンジ 10の排気口10eとDPF40との間の流路上の地点A及 び吸着塔20より下流の流路上の地点Bでガス中 のNO X の濃度(ppm)を測定した。

 脱着工程では、図1Bに示すように、プラズ リアクタ30より下流の流路上の地点Cでガス のNO X の濃度(ppm)を測定した。

 冷却工程では、図1Cに示すように、エンジ 10の排気口10eとDPF40との間の流路上の地点A及 び吸着塔20とエンジン10の吸気口10iとの間の 路上の地点Dでガス中のNO X の濃度(ppm)を測定した。

 各地点でのNO X の濃度の測定には(株)堀場製作所製ポータブ ガス分析計PG-235を使用した。測定したNO X 濃度からNO X の質量流量を求めた。

 第N回目及び第N+1回目の繰り返し単位を行っ た、運転開始から2732分~2932分の200分間の各地 点のNO X の質量流量の測定結果を図11に示す。横軸は 過時間であり、縦軸はNO X の質量流量のNO 2 の質量流量への換算量である。質量流量は環 境への負荷を直接的に表している。例えばNO X 質量流量が10g(NO 2 )/hは、排気量200ccのエンジン(排気ガス流量300 ×10 -3 Nm 3 /min)では280ppmのNO X 濃度に相当する。第N回目の脱着工程ではプ ズマリアクタ30を動作させず、第N+1回目の脱 着工程ではプラズマリアクタ30を動作させた

 図11より、第N回目の吸着工程(「吸着(N)」) び第N+1回目の吸着工程(「吸着(N+1)」)におい 、吸着塔20より下流の地点Bでは、エンジン1 0の排気口10e近傍の地点Aよりも、NO X の質量流量が大幅に低減されており、吸着塔 20により安定してNO X の除去が行われていることがわかる。

 第N回目の吸着工程及び第N+1回目の吸着工程 の60分間にエンジン10の排気口10e近傍の地点A 通過したNO 2 換算量を1/3倍(=20分/60分)したNO 2 換算量AA N ,AA N+1 は、それぞれ3.11g(NO 2 )、3.01g(NO 2 )であった。また、第N回目の冷却工程(「冷却 (N)」)及び第N+1回目の冷却工程(「冷却(N+1)」) 20分間にエンジン10の排気口10e近傍の地点A 通過したNO 2 換算量AC N ,AC N+1 は、それぞれ3.66g(NO 2 )、3.41g(NO 2 )であった。一方、第N回目の冷却工程(「冷却 (N)」)及び第N+1回目の冷却工程(「冷却(N+1)」) 20分間にエンジン10の吸気口10iに流入した( ち、地点Dを通過した)NO 2 換算量D N ,D N+1 は、それぞれ1.18g(NO 2 )、1.83g(NO 2 )であった。

 これより、AA N <AC N 、AA N+1 <AC N+1 であった。即ち、冷却工程において、吸着塔 20の吸着層を通過した冷却用ガスをエンジン1 0の吸気口10iに導入することにより、エンジ 10からの排ガス中のNO 2 換算量は増えた。これは、吸着塔20の吸着層 通過した冷却用ガスがNO X を含み、この冷却用ガスがエンジン10の吸気 10iに流入したからである。

 ところが、AC N -AA N <D N 、AC N+1 -AA N+1 <D N+1 であった。即ち、冷却工程において、NO X を含む冷却用ガスをエンジン10の吸気口10iに 入することによる、エンジン10からの排ガ 中のNO 2 換算量の増加分は、エンジン10の吸気口10iに 入したNO 2 換算量に比べて少なかった。これは、上述し たように、吸気中のNO X がエンジン10により分解されたためである。

 プラズマリアクタ30より下流の地点CでのNO X の質量流量は、プラズマリアクタ30を動作さ ていない第N回目の脱着工程(「脱着(N)」)に べて、プラズマリアクタ30を動作させた第N+ 1回目の脱着工程(「脱着(N+1)」)では大幅に減 し、大気中へNO X がほとんど放出されていないことがわかる。 プラズマ処理装置に対して外部から与えたエ ネルギーは、プラズマを発生させるためにプ ラズマリアクタ30で消費した120Wのみであった 。これのエンジン負荷に対する割合は、(120W 20分)/{1kW×(20分+20分+60分)}×100%=2.4%である。こ のように、脱着工程においてプラズマリアク タ30を動作させたとしても、極めて少ないエ ルギー消費量でNO X を処理することができた。

 (実施例2)
 実施の形態2で説明した図3A~図3Cの動作を行 排ガス処理装置を用いて、ディーゼルエン ンから排出される排ガス中のNO X を処理した実施例を示す。

 エンジン10として排気量2.19×10 -4 m 3 (219cc)のディーゼルエンジン(ヤンマーディー ル(株)製YDG-200VS-6E)を用いた。吸着塔20とし 、9層の伝熱流路27と10層の吸着層26とを交互 隣り合わせて配置した図6A~図6Cに示した吸 塔20を用いた。各吸着層26には波板状の伝熱 ィン29を設け、かさ体積2×10 -3 m 3 (2L)の吸着剤ペレットを充填した。吸着剤26a して、Mn-Cu複合酸化物のペレットにルテニウ ム酸カリウムを1wt%担持させて調製した。

 40分の吸着工程(図3A)、15分の脱着工程(図3B) 及び10分の冷却工程(図3C)からなる繰り返し 位を繰り返して行った。脱着工程において ンジン10からの排ガスの流量は300×10 -3 Nm 3 /minであった。このうち、270×10 -3 Nm 3 /minを大気中に放出し、残りの30×10 -3 Nm 3 /minをバルブ61、吸着塔20の吸着層、バルブ77 順に通過させエンジン10の吸気口10iに導入し た。エンジン10の吸気口10iには、これに加え バルブ71を通過した280×10 -3 Nm 3 /minの大気を導入した。冷却工程において、 却用ガスとしてバルブ75から大気を流量150×1 0 -3 Nm 3 /minで導入した。ここで、単位「Nm 3 /min」は、標準状態(0℃、大気圧)での体積流 を表す。エンジン10の負荷は1kWとした。

 図3A~図3Cに示すように、エンジン10の排気口 10eとバルブ72,73との間の流路上の地点Aでガス 中のNO X の濃度(ppm)を測定した。

 更に、吸着工程では、上記地点Aに加えて、 図3Aに示すように吸着塔20の吸着層より下流 流路上の地点Bでガス中のNO X の濃度(ppm)を測定した。

 脱着工程及び冷却工程では、上記地点Aに加 えて、図3B、図3Cに示すように、吸着塔20の吸 着層とエンジン10の吸気口10iとの間の流路上 地点Dでガス中のNO X の濃度(ppm)を測定した。

 各地点でのNO X の濃度の測定には(株)堀場製作所製ポータブ ガス分析計PG-235を使用した。測定したNO X 濃度からNO X の質量流量を求めた。

 運転開始から3409分~3474分の65分間の第M回目 繰り返し単位での各地点のNO X の質量流量の測定結果を図12に示す。横軸は 過時間であり、縦軸はNO X の質量流量のNO 2 の質量流量への換算量である。

 図12より、第M回目の吸着工程(「吸着(M)」) おいて、吸着塔20より下流の地点Bでは、エ ジン10の排気口10e近傍の地点Aよりも、NO X の質量流量が大幅に低減されており、吸着塔 20により安定してNO X の除去が行われていることがわかる。

 第M回目の脱着工程(「脱着(M)」)の15分間に 点Dで測定されるエンジン10の吸気口10iに流 したNO 2 換算量D M は2.11g(NO 2 )であった。一方、第M回目の脱着工程(「脱着 (M)」)の15分間に地点Aで測定されるエンジン10 の排気口10eから排出されたNO 2 換算量A M は2.36g(NO 2 )であった。第M回目の吸着工程(「吸着(M)」) 40分間に地点Aで測定されるエンジン10の排気 口10eから排出されたNO 2 換算量を15/40倍した15分あたりのNO 2 換算量AA M は1.86g(NO 2 )であった。

 これより、AA M <A M であった。即ち、脱着工程において、吸着塔 20の吸着層を通過した排ガスをエンジン10の 気口10iに導入することにより、エンジン10か らの排ガス中のNO 2 換算量は増えた。これは、吸着塔20の吸着層 通過した排ガスがNO X を含み、この排ガスがエンジン10の吸気口10i 流入したからである。

 ところが、A M -AA M <D M であった。即ち、脱着工程において、吸着塔 20の吸着層を通過したNO X を含む排ガスをエンジン10の吸気口10iに導入 ることによる、エンジン10からの排ガス中 NO 2 換算量の増加分は、エンジン10の吸気口10iに 入したNO 2 換算量に比べて少なかった。これは、上述し たように、吸気中のNO X がエンジン10により分解されたためである。 着工程において吸着塔20の吸着層を通過し 排ガスをエンジン10の吸気口10iに導入するこ とにより低減されたNO X の排出量は、2.11-(2.36-1.86)=1.61g(NO 2 )であった。このように、プラズマリアクタ 用いなくても、系外へのNO X の排出量を低減することができた。

 以上に説明した実施の形態及び実施例は いずれもあくまでも本発明の技術的内容を らかにする意図のものであって、本発明は のような具体例にのみ限定して解釈される のではなく、その発明の精神と請求の範囲 記載する範囲内でいろいろと変更して実施 ることができ、本発明を広義に解釈すべき ある。

 本発明の利用分野は特に制限はなく、NO X を含む排ガスの処理装置として広範囲に利用 することができる。