Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
EXPANSION STRUCTURE AND IMPACT ABSORPTION DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/016981
Kind Code:
A1
Abstract:
An expansion structure that, before being expanded, has a flat shape and can be placed in a narrow section and that can, when expanded from the flat shape into a three dimensional shape, effectively absorb collision energy. Also provided is an impact absorption device that, when a collision is not avoidable, causes the expansion structure placed at a colliding position to expand to thereby absorb collision energy, absorbing (easing) the impact. The expansion structure (10) has a flat shape. When a rotation section (40) of a second expansion section (16) is pushed from the rear side with a first expansion member (14) superposed on the second expansion member (16), the rotation section (40) rotates while moving and a connection beam (42) deflects due to elastic-plastic deformation. Similarly, in the expansion member (14), a connection beam (22) deflects as a rotation section (20) moves. When the rotation section (40) and the rotation section (20) move in the pressing direction up to a limit, a ratchet is locked to complete the expansion of the expansion structure (10). As a result, a three dimensional crossing structure (12) is formed, where the connection beam (22) and the connection beam (42) cross each other.

Inventors:
OMOTE RYUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063034
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
July 18, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TOYOTA CHUO KENKYUSHO KK (JP)
OMOTE RYUJI (JP)
International Classes:
F16F7/12; B60R21/34; B60R21/36; F16F7/00; G01M7/08
Foreign References:
JP2007137288A2007-06-07
US3015482A1962-01-02
JPS59146251U1984-09-29
JPS54115836A1979-09-08
JPH06156166A1994-06-03
JP2001240338A2001-09-04
JPH02253023A1990-10-11
JP2007510877A2007-04-26
JP2002528682A2002-09-03
Attorney, Agent or Firm:
NAKAJIMA, Jun et al. (NAKAJIMA & KATOSeventh Floor, HK-Shinjuku Bldg.,3-17, Shinjuku 4-chom, Shinjuku-ku Tokyo 22, JP)
Download PDF:
Claims:
 第1支持枠、前記第1支持枠の内側に配置された第1回転部、及び前記第1回転部が前記第1支持枠から離れる方向に移動するときに、前記第1回転部を第1方向に回転させるように、前記第1回転部と前記第1支持枠とを連結する複数の第1連結梁を備え、前記第1回転部が前記第1支持枠から離れた状態に展開可能な第1展開部材と、
 第2支持枠、前記第2支持枠の内側に配置された第2回転部、及び前記第2回転部が前記第2支持枠から離れる方向に移動するときに、前記第2回転部を前記第1方向とは逆方向の第2方向に回転させるように、前記第2回転部と前記第2支持枠とを連結すると共に、展開時に前記第1連結梁と干渉しないように設けられた複数の第2連結梁を備え、前記第1展開部材と重なるように配置され、前記第2回転部が前記第2支持枠から離れた状態に展開可能な第2展開部材と、
 前記第1展開部材及び前記第2展開部材が展開されて、前記第1回転部及び前記第2回転部が所定距離だけ移動したときに、前記第1回転部の前記第1方向とは逆方向の回転及び前記第2回転部の前記第2方向とは逆方向の回転を阻止するように、前記第1回転部及び前記第2回転部の各々対向する側に設けられた回転阻止部材と、 
 を含むことを特徴とする展開構造体。
 少なくとも前記第1連結梁及び前記第2連結梁の各々が、平板状の弾塑性体で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の展開構造体。
 前記第1展開部材の前記第1支持枠、前記第1回転部、及び前記複数の第1連結梁が、平板状の弾塑性体で一体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の展開構造体。
 前記第2展開部材の前記第2支持枠、前記第2回転部、及び前記複数の第2連結梁が、平板状の弾塑性体で一体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の展開構造体。
 前記回転阻止部材により逆方向の回転が阻止されたときに、前記第2回転部が前記第2支持枠から離れる方向に移動する距離が最大となるように、前記複数の第1連結梁及び前記複数の第2連結梁が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の展開構造体。
 前記複数の第1連結梁の各々が、前記第1支持枠の内周に沿って配置されたことを特徴とする請求項1に記載の展開構造体。
 前記第1支持枠の外周形状及び内周形状と前記第1回転部の外周形状とが互いに相似した三角形であると共に、前記内周形状が三角形である第1支持枠の内周の各辺に沿って、3本の前記第1連結梁の各々が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の展開構造体。
 前記3本の第1連結梁の各々は、一端が前記第1支持枠の1つの頂部付近で前記第1支持枠に連結されると共に、他端が前記第1支持枠の前記頂部に隣接する他の頂部付近で前記第1回転部に連結されたことを特徴とする請求項7に記載の展開構造体。
 前記第1回転部及び前記第2回転部のいずれか一方に回転軸を設けると共に他方に該回転軸を受ける軸受けを設けたことを特徴とする請求項1に記載の展開構造体。
 前記第1回転部と連結される前記第1連結梁の端部近傍に切り欠きを設けると共に、前記第2回転部と連結される前記第2連結梁の端部近傍に切り欠きを設けたことを特徴とする請求項1に記載の展開構造体。
 請求項1に記載の展開構造体が平面状に又は並列に複数配列された衝撃吸収部と、
 衝突物の衝突位置を特定するための情報を取得する情報取得手段と、
 前記複数配列された展開構造体の各々について個別に設けられ、前記展開構造体の前記第1回転部を前記第1回転部が前記第1支持枠から離れる方向に移動させて前記第1展開部材を展開させると共に、前記展開構造体の前記第2回転部を前記第2回転部が前記第2支持枠から離れる方向に移動させて前記第2展開部材を展開させる複数の展開駆動部と、
 前記情報取得手段で取得された情報に基づいて、衝突が検知された場合又は衝突が不可避であると予測された場合に、特定された衝突位置に設置された前記展開構造体の前記第1展開部材及び前記第2展開部材を展開させるように、前記複数の展開駆動部を制御する制御部と、
 を含むことを特徴とする衝撃吸収装置。
 前記展開駆動部は、エアバック装置を含むことを特徴とする請求項11に記載の衝撃吸収装置。
 前記展開駆動部は、気体または液体が封入された袋体を前記展開構造体に押し付けることにより、前記第1回転部及び前記第2回転部を移動させることを特徴とする請求項11に記載の衝撃吸収装置。
 固定配置された円周状の第1支持枠、前記第1支持枠の内側に配置された第1回転部、及び前記第1回転部が前記第1支持枠から離れる方向に移動するときに、前記第1回転部を第1方向に回転させるように、前記第1回転部と前記第1支持枠とを連結する複数の第1連結梁を備え、前記第1回転部が前記第1支持枠から離れた状態に展開可能な第1展開部材と、
 前記第1支持枠に対し回転可能に保持された円周状の第2支持枠、前記第2支持枠の内側に配置された第2回転部、及び前記第2回転部が前記第2支持枠から離れる方向に移動するときに、前記第2回転部を前記第1方向とは逆方向の第2方向に回転させるように、前記第2回転部と前記第2支持枠とを連結すると共に、展開時に前記第1連結梁と干渉しないように設けられた複数の第2連結梁を備え、前記第1展開部材と重なるように配置され、前記第2回転部が前記第2支持枠から離れた状態に展開可能な第2展開部材と、
 前記第2回転部の前記第2方向への回転に抵抗する力が働くように、前記第1回転部及び前記第2回転部の各々対向する側に設けられた回転抵抗部材と、
 前記第2支持枠を前記第1方向に回転させて前記第1展開部材及び前記第2展開部材の各々を展開させる展開駆動部と、
 を含む展開構造体。
 少なくとも前記第1連結梁及び前記第2連結梁の各々が、平板状の弾塑性体で形成された請求項14に記載の展開構造体。
 前記第1展開部材の前記第1支持枠、前記第1回転部、及び前記複数の第1連結梁が、平板状の弾塑性体で一体に形成された請求項14に記載の展開構造体。
 前記第2展開部材の前記第2支持枠、前記第2回転部、及び前記複数の第2連結梁が、平板状の弾塑性体で一体に形成された請求項14に記載の展開構造体。
 前記第2回転部が前記第2支持枠から離れる方向に移動する距離が最大となるように、前記複数の第1連結梁及び前記複数の第2連結梁が配置された請求項14に記載の展開構造体。
 前記展開駆動部が、前記第2支持枠に連結され且つ中心に凸状の回転軸を備えたディスク状の回転板と、前記回転軸の周りに前記回転板を回転駆動する駆動部と、を含んで構成された請求項14に記載の展開構造体。
 前記第2回転部が前記第2支持枠から離れる方向に移動する距離が最大となるときに、前記回転板の回転を停止させる回転停止手段を、更に備えた請求項19に記載の展開構造体。
 前記第1回転部と前記第1支持枠とが3本の第1連結梁で連結され、前記第2回転部と前記第2支持枠とが3本の第2連結梁で連結された請求項14に記載の展開構造体。
 前記回転抵抗部材は、前記第1回転部及び前記第2回転部の一方に設けられた凸部と、前記第1回転部及び前記第2回転部の他方に設けられた前記凸部と嵌合する凹部又は開口部と、で構成された請求項14に記載の展開構造体。
 前記第1回転部と連結される前記第1連結梁の端部近傍に切り欠きを設けると共に、前記第2回転部と連結される前記第2連結梁の端部近傍に切り欠きを設けた請求項14に記載の展開構造体。
 請求項14に記載の展開構造体が平面状に又は並列に複数配列された衝撃吸収部と、
 衝突物の衝突位置を特定するための情報を取得する情報取得手段と、
 前記情報取得手段で取得された情報に基づいて、衝突が検知された場合又は衝突が不可避であると予測された場合に、特定された衝突位置に設置された前記展開構造体の前記第1展開部材及び前記第2展開部材を展開させるように、前記複数の展開構造体の各々に対応する展開駆動部を各々制御する制御部と、
 を含む衝撃吸収装置。
Description:
展開構造体及び衝撃吸収装置

 本発明は、展開構造体及び衝撃吸収装置 係り、特に、平面から立体に展開可能な展 構造体と、衝突位置にある展開構造体を展 させて衝突による衝撃を吸収する衝撃吸収 置と、に関する。

 従来、車両の衝突安全構造では、車両の 成部材の変形により衝突エネルギーが吸収 れ、車両や乗員への衝撃力が緩和されてい 。例えば、前面衝突であれば、衝突時にフ ントボディが壊れて衝突エネルギーを吸収 、乗員への衝撃力が緩和される。このため 車両の構成部材については、衝突エネルギ を効率よく吸収するための構造が種々提案 れている(特許文献1)。

 例えば、特許文献1では、運動変換装置を 含む衝撃吸収緩衝装置が提案されている。運 動変換装置は、枝状配置要素からなる梁構造 を有しており、この梁構造で直線運動(衝撃) 回転運動に変換して、衝撃を吸収・緩衝し 衝撃吸収力を向上させている。

 また、最近では、歩行者の安全にも配慮 なされている。例えば、ショックアブソー の粘性抵抗を利用して衝突エネルギーを効 よく吸収し、車両や乗員だけではなく、衝 時に歩行者が受ける衝撃力を緩和する構造 種々提案されている(特許文献2、3)。

 例えば、特許文献2では、二段バンパ構造 を備えた車両用フロントバンパ装置が提案さ れている。二段バンパ構造は、通常バンパの 下側に低位バンパが設けられた構造である。 この低位バンパによって、衝突時に歩行者が ボンネットへ倒れ込むように仕向けられる。 特許文献2の車両用フロントバンパ装置は、 位バンパの位置調節手段と、ショックアブ ーバ(油圧シリンダなど)とを備えている。歩 行者衝突時には、ショックアブソーバの粘性 抵抗を調節すると共に低位バンパの位置を調 節して、歩行者の倒れ込みモーメントを最適 化している。

 また、特許文献3では、ショックアブソーバ でバンパを支持し、ショックアブソーバの弾 性力と減衰力とによりバンパに対する衝撃を 緩和する車両の衝撃緩和装置が提案されてい る。特許文献3の衝撃緩和装置は、ショック ブソーバを自動車用のサスペンションとし 実用化されている可変ダンパで構成し、歩 者との衝突時には、可変ダンパの減衰力を めてバンパを柔らかくしている。

特開2000-257688号公報

特開2003-260994号公報

特開平10-109605号公報

特表2002-528682号公報

 しかしながら、車両の構成部材に限らず 構成部材の変形により衝突エネルギーを吸 する衝撃吸収構造においては、衝突エネル ーを有効に吸収するためには、構成部材を 形させるための領域を予め確保しておかな ればならない、という問題がある。このた 、衝撃吸収構造を適用できる用途や範囲が 限され、狭小部には衝突エネルギーを有効 吸収する衝撃吸収構造を設置することがで ない。

 例えば、車両の衝突時に客室空間を保全 るためには、ボディの一部を変形領域とし 予め確保しておかなければならない。前面 突であれば、フロントボディが壊れて衝突 ネルギーを有効に吸収できるが、斜め方向 側面方向からの衝突では、薄いサイドボデ が壊れても、衝突エネルギーを十分に吸収 きれない可能性がある。また、特許文献1に 記載されたように、梁構造を長さ方向に多数 積み上げた構造のサイドメンバーを搭載して 、前面衝突に対する衝撃吸収力を向上させる ことはできるが、サイドボディと客室との隙 間は狭く、複雑な梁構造を収納することは難 しい。このため、斜め方向や側面方向からの 衝突には適用できない。

 また、特許文献2、3のように、ショック ブソーバ(油圧シリンダ等)の粘性抵抗を利用 して衝突エネルギーを吸収する衝突吸収構造 は、ショックアブソーバを配置するための領 域を予め確保しておかなければならない、と いう問題がある。ショックアブソーバの小型 化は困難であり、構成部材の変形より衝突エ ネルギーを吸収する衝撃吸収構造と同様に、 狭小部には設置することができない。また、 特定方向からの衝突には対応できるが、任意 方向からの衝突に対応することはできない。

 一方、特許文献4では、衝撃吸収構造の初 期形状をコンパクト化する試みとして、展開 型の衝撃吸収装置が提案されている。この衝 撃吸収装置では、機械的なアクチュエータ手 段により圧縮されたビームが展開して、エネ ルギー吸収構造体を形成する。このため、初 期形状が小さい寸法であるのにもかかわらず 、展開後は比較的長い「つぶれ長さ」を提供 することができる。

 確かに、展開後のエネルギー吸収構造体 比べると、初期形状はよりコンパクトであ 。しかしながら、アクチュエータ手段の構 は複雑でその小型化や軽量化は困難であり このアクチュエータ手段や圧縮されたビー を収納するための領域を、予め確保してお なければならない、という問題が依然とし 存在する。やはり、狭小部には設置するこ ができない。

 本発明は、上記問題を解決すべく成され ものであり、本発明の目的は、展開前は平 的で狭小部にも設置することができ、平面 ら立体に展開して衝突エネルギーを有効に 収することができる展開構造体を提供する とにある。また、本発明の他の目的は、衝 が不可避である場合に、衝突位置に配置さ た展開構造体を展開させて衝突エネルギー 吸収し、衝撃を吸収(緩和)することができ 衝撃吸収装置を提供することにある。

 本発明の第1の態様に係る展開構造体は、 第1支持枠、前記第1支持枠の内側に配置され 第1回転部、及び前記第1回転部が前記第1支 枠から離れる方向に移動するときに、前記 1回転部を第1方向に回転させるように、前 第1回転部と前記第1支持枠とを連結する複数 の第1連結梁を備え、前記第1回転部が前記第1 支持枠から離れた状態に展開可能な第1展開 材と、第2支持枠、前記第2支持枠の内側に配 置された第2回転部、及び前記第2回転部が前 第2支持枠から離れる方向に移動するときに 、前記第2回転部を前記第1方向とは逆方向の 2方向に回転させるように、前記第2回転部 前記第2支持枠とを連結すると共に、展開時 前記第1連結梁と干渉しないように設けられ た複数の第2連結梁を備え、前記第1展開部材 重なるように配置され、前記第2回転部が前 記第2支持枠から離れた状態に展開可能な第2 開部材と、前記第1展開部材及び前記第2展 部材が展開されて、前記第1回転部及び前記 2回転部が所定距離だけ移動したときに、前 記第1回転部の前記第1方向とは逆方向の回転 び前記第2回転部の前記第2方向とは逆方向 回転を阻止するように、前記第1回転部及び 記第2回転部の各々対向する側に設けられた 回転阻止部材と、を含んで構成されたことを 特徴としている。

 本発明の第2の態様に係る衝撃吸収装置は 、本発明の展開構造体が平面状に又は並列に 複数配列された衝撃吸収部と、衝突物の衝突 位置を特定するための情報を取得する情報取 得手段と、前記複数配列された展開構造体の 各々について個別に設けられ、前記展開構造 体の前記第1回転部を前記第1回転部が前記第1 支持枠から離れる方向に移動させて前記第1 開部材を展開させると共に、前記展開構造 の前記第2回転部を前記第2回転部が前記第2 持枠から離れる方向に移動させて前記第2展 部材を展開させる複数の展開駆動部と、前 情報取得手段で取得された情報に基づいて 衝突が検知された場合又は衝突が不可避で ると予測された場合に、特定された衝突位 に設置された前記展開構造体の前記第1展開 部材及び前記第2展開部材を展開させるよう 、前記複数の展開駆動部を制御する制御部 、を含んで構成されたことを特徴としてい 。

 本発明の第3の態様に係る展開構造体は、 固定配置された円周状の第1支持枠、前記第1 持枠の内側に配置された第1回転部、及び前 記第1回転部が前記第1支持枠から離れる方向 移動するときに、前記第1回転部を第1方向 回転させるように、前記第1回転部と前記第1 支持枠とを連結する複数の第1連結梁を備え 前記第1回転部が前記第1支持枠から離れた状 態に展開可能な第1展開部材と、前記第1支持 に対し回転可能に保持された円周状の第2支 持枠、前記第2支持枠の内側に配置された第2 転部、及び前記第2回転部が前記第2支持枠 ら離れる方向に移動するときに、前記第2回 部を前記第1方向とは逆方向の第2方向に回 させるように、前記第2回転部と前記第2支持 枠とを連結すると共に、展開時に前記第1連 梁と干渉しないように設けられた複数の第2 結梁を備え、前記第1展開部材と重なるよう に配置され、前記第2回転部が前記第2支持枠 ら離れた状態に展開可能な第2展開部材と、 前記第2回転部の前記第2方向への回転に抵抗 る力が働くように、前記第1回転部及び前記 第2回転部の各々対向する側に設けられた回 抵抗部材と、前記第2支持枠を前記第1方向に 回転させて前記第1展開部材及び前記第2展開 材の各々を展開させる展開駆動部と、を含 ことを特徴としている。

 本発明の第4の態様に係る衝撃吸収装置は 、請求項1に記載の展開構造体が平面状に又 並列に複数配列された衝撃吸収部と、衝突 の衝突位置を特定するための情報を取得す 情報取得手段と、前記情報取得手段で取得 れた情報に基づいて、衝突が検知された場 又は衝突が不可避であると予測された場合 、特定された衝突位置に設置された前記展 構造体の前記第1展開部材及び前記第2展開部 材を展開させるように、前記複数の展開構造 体の各々に対応する展開駆動部を各々制御す る制御部と、を含むことを特徴としている。

 本発明の第1の態様に係る展開構造体は、 展開前は平面的で狭小部にも設置することが でき、平面から立体に展開して衝突エネルギ ーを有効に吸収することができる、という効 果がある。

 また、本発明の第2の態様に係る衝撃吸収 装置は、本発明の第1の態様に係る展開構造 を用いているので、狭小部にも設置するこ ができ、衝突が不可避である場合に、衝突 置に配置された展開構造体を展開させて衝 エネルギーを吸収し、衝撃を吸収(緩和)する ことができる、という効果がある。

 本発明の第3の態様に係る展開構造体によ れば、展開前は平面的で狭小部にも設置する ことができ、一部の部材を回転駆動するとい う簡単な動作で平面から立体に展開して、衝 突エネルギーを有効に吸収することができる 、という効果がある。

 また、本発明の第4の態様に係る衝撃吸収 装置によれば、本発明の第3の態様に係る展 構造体を用いているので、狭小部にも設置 ることができ、衝突が不可避である場合に 衝突位置に配置された展開構造体を展開さ て衝突エネルギーを吸収し、衝撃を吸収(緩 )することができる、という効果がある。

本実施の形態に係る展開構造体の展開 の外観を示す斜視図である。 図1に示す展開構造体の展開後の外観を 示す斜視図である。 展開構造体の分解斜視図である。 第1展開部材の詳細構成を示す図であ 、第1展開部材を表面側から見たときの平面 である。 第1展開部材の詳細構成を示す図であ 、裏面側から見たときの斜視図である。 第2展開部材の詳細構成を示す図であ 、第2展開部材を表面側から見たときの平面 である。 第2展開部材の詳細構成を示す図であ 、表面側から見たときの斜視図である。 第1展開部材の回転部を表面側から見 ときの平面図である。 第2展開部材の回転部を表面側から見 ときの平面図である。 ラチェットがロックされる様子を示す 斜視図である。 ラチェットがロックされる様子を示す 斜視図である。 展開構造体の展開挙動を説明するため の平面図である。 展開構造体の展開挙動を説明するため の平面図である。 展開構造体の展開挙動を説明するため の平面図である。 展開構造体の展開挙動を説明するため の斜視図である。 展開構造体の展開挙動を説明するため の斜視図である。 展開構造体の展開挙動を説明するため の斜視図である。 検証実験に用いた展開構造体を構成す る第1展開部材の構成を示す設計図であり、 1展開部材を表面側から見た平面図である。 図9AのA-A断面図である。 検証実験に用いた展開構造体を構成 る第2展開部材の構成を示す設計図であり、 2展開部材を表面側から見た平面図である。 図10AのB-B断面図である。 衝突実験の方法を示す概略図である。 立体交差構造を取り付けていない台 が受ける加速度の変化を表すグラフである 立体交差構造を取り付けた台車が受 る加速度の変化を表すグラフである。 衝突実験を撮影した高速度ビデオカメ ラ画像である。 展開構造体を備えた衝撃吸収構造の分 解斜視図である。 エアバック装置の構造を示す断面図 ある。 エアバック装置が作動した状態を示 概略図である。 衝撃吸収構造が衝突エネルギーを吸 する動作を説明するための側面図である。 衝撃吸収構造が衝突エネルギーを吸 する動作を説明するための側面図である。 衝撃吸収構造が衝突エネルギーを吸 する動作を説明するための側面図である。 衝撃吸収構造が衝突エネルギーを吸 する動作を説明するための側面図である。 衝撃吸収構造の衝撃吸収動作の他の 例を説明するための側面図である。 衝撃吸収構造の衝撃吸収動作の他の 例を説明するための側面図である。 衝撃吸収構造の衝撃吸収動作の他の 例を説明するための側面図である。 衝撃吸収構造の配置例を示す平面図で ある。 衝撃吸収構造を車両に設置する場合の 設置部位を例示する斜視図である。 本発明の実施の形態に係る衝撃吸収装 置の構成を示すブロック図である。 制御部が行う作動ルーチンの一例を示 すフローチャートである。 加熱により自己変形する材料で展開 造体を形成した例を示す側面図である。 加熱により自己変形する材料で展開 造体を形成した例を示す側面図である。 電圧印加により自己変形する材料で 開構造体を形成した例を示す側面図である 電圧印加により自己変形する材料で 開構造体を形成した例を示す側面図である 平面視が円形の展開構造体の一例を 成する第1展開部材の平面図である。 平面視が円形の展開構造体の一例を 成する第2展開部材の平面図である。 平面視が円形の展開構造体の一例が 開して形成された立体交差構造の斜視図で る。 本実施の形態に係る展開構造体の展開 前の外観を示す斜視図である。 図25に示す展開構造体を表側(展開側) ら見た平面図である。 図25に示す展開構造体の分解斜視図で る。 上部プレートを表側から見た斜視図 ある。 上部プレートを裏側から見た斜視図 ある。 下部プレートを表側から見た斜視図 ある。 下部プレートを裏側から見た斜視図 ある。 展開途中の展開構造体の様子を示す 視図である。 限界位置まで展開させた展開構造体 様子を示す斜視図である。 上部プレートの展開挙動を表側から た平面図である。 下部プレートの展開挙動を表側から た平面図である。 第1の展開部材及び第2の展開部材の変 形例の一例を示す平面図である。 第1の展開部材及び第2の展開部材の変 形例の一例を示す平面図である。 第2の展開部材の変形例の一例を示す 面図である。 衝撃吸収の原理を説明する概略図で る。 衝撃吸収の原理を説明する概略図で る。 衝撃吸収の原理を説明する概略図で る。 展開構造体の配置例を示す平面図であ る。 展開構造体を車両に設置する場合の設 置部位を例示する斜視図である。 本発明の実施の形態に係る衝撃吸収装 置の構成を示すブロック図である。 制御部が行う作動ルーチンの一例を示 すフローチャートである。

 以下、図面を参照して本発明の実施の形 の一例を詳細に説明する。

― 第1の実施の形態 ―
<展開構造体>
 まず、本発明の実施の形態に係る展開構造 について説明する。
(展開前後の展開構造体の外観)
 図1は本実施の形態に係る展開構造体10の展 前の外観を示す斜視図である。図2は同じ展 開構造体10の展開後の外観を示す斜視図であ 。図1に示すように、展開前の展開構造体10 、平面視が略正三角形の平面的な形状を有 ている。この展開構造体10の中央部が裏面 から押圧されると、図2に示すように、平面 ら立体に展開して後述するラチェットがロ クされ、複数の梁が交差する立体交差構造1 2を形成する。この立体交差構造12に表面側か ら衝撃が加わると、複数の梁の各々が弾塑性 変形して、衝突エネルギーを吸収する。立体 交差構造12であるため、真正面からの衝突だ ではなく、斜め方向からの衝突においても 有効に衝突エネルギーを吸収することがで る。

(展開構造体の分解構造)
 図3は展開構造体10の分解斜視図である。展 構造体10は、平面視が略正三角形の平板状 第1展開部材14と、第1展開部材14と同じ大き で平面視が略正三角形の平板状の第2展開部 16と、で構成されている。第1展開部材14と 2展開部材16の各々は、金属や樹脂など弾塑 を有する板材(平板状の弾塑性体)で形成され ている。正三角形の各頂点に相当する縁部は 、角が削られて丸く形成されている。第1展 部材14は、その裏面側が第2展開部材16の表面 側と対向するように重ねられる。そして、第 1展開部材14の後述する支持枠18と、第2展開部 材16の後述する支持枠38とが接合される。こ により、展開構造体10が完成する。

 板材を構成する樹脂材料としては、ポリ チレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化 ニル(PVC)、ポリスチレン(PS)などの汎用樹脂 、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、 レフィン系熱可塑性エラストマー、スチレ 系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エ ストマーなどを用いることができる。また 繊維強化された複合材料や、金属と繊維材 と樹脂との結合構造体なども、材料として 適である。

 また、衝突時に梁がすぐ破断したのでは 衝撃の緩和が不十分となり、破断面が露出 る等の不具合を生じる。従って、破断しや い板材を使用する場合には、表面に補強布 補強テープを貼り付けるなど、第1展開部材 14と第2展開部材16の各々を補強部材により補 するが好ましい。補強により脆化や破断を 避しながら、弾塑性変形によって衝突エネ ギーを有効に吸収することができる。

(第1の展開部材)
 図4は第1展開部材14の詳細構成を示す図であ り、図4Aは第1展開部材14を表面側から見たと の平面図であり、図4Bは裏面側から見たと の斜視図である。第1展開部材14は、外周形 及び内周形状が略正三角形の支持枠18と、支 持枠18の内側に設けられた外周形状が略正三 形の回転部20と、支持枠18と回転部20とを連 する複数(この例では3本)の連結梁22と、を えている。支持枠18と連結梁22とは、各々、 定の幅に形成されている。以下では、支持 18の幅を「枠幅」、連結梁22の幅を「梁幅」 という。

 また、支持枠18、回転部20、及び複数の連 結梁22は、平板状の弾塑性体に所定形状の切 込み24を入れることで、平板状の弾塑性体 一体に形成されている。支持枠18、回転部20 及び連結梁22の厚さは、同じでもよいが、 なっていても良い。例えば、弾塑性変形を 易化するために、回転部20及び連結梁22を、 持枠18より薄く形成することが好ましい。

 切り込み24の各々は、いずれも同じ形状 あり、正三角形の中心軸に対し対称な位置 配置されている。本実施の形態では、第1展 部材14に対し、V字状の切り込み24が3つ形成 れている。切り込み24の幅は、支持枠18の枠 幅や連結梁22の梁幅に比べて狭く、略一定の である。以下では、切り込み24の幅を「切 み幅」という。

 切り込み24の各々は、正三角形の第1展開 材14の3つの頂点のいずれか1つを第1の頂点 して、第1の頂点の近傍から始まり、第1の頂 点とこれに隣接する第2の頂点とを結ぶ正三 形の一辺に平行に延び、第2の頂点の手前で れ曲がり、第2の頂点と第3の頂点とを結ぶ 三角形の一辺に平行に延び、第3の頂点の手 で終わる。

 3つの切り込み24が形成されることで、連 梁22が支持枠18と繋がる3箇所の繋ぎ部26を残 して、長尺状の3本の連結梁22が支持枠18から り離されると共に、連結梁22が回転部20と繋 がる3箇所の繋ぎ部28を残して、正三角形の回 転部20が連結梁22から切り離される。換言す ば、各々の連結梁22の一端は支持枠18に繋ぎ 26で繋がっており、各々の連結梁22の他端は 繋ぎ部28で回転部20に繋がっている。こうし 、回転部20は3本の連結梁22により支持枠18に 結されている。

 第1展開部材14では、連結梁22の長さがで るだけ長くなるように、切り込み24を入れる ことが好ましい。連結梁22が長くなるほど、 開時のストローク(回転部20が押圧方向へ移 する距離)が大きくなる。本実施の形態では 、支持枠18の内周のすぐ内側に、正三角形の 辺と平行に連結梁22の各々を配置すること 、連結梁22の長さが最も長くなるように設計 されている。連結梁22の長さ以外に、支持枠1 8の枠幅、連結梁22の梁幅、切り込み24の切込 幅、繋ぎ部26、28の幅などを考慮して、切り 込み24の形状を設計することが好ましい。

 例えば、切り込み24の始点は、支持枠18が 所定の枠幅を有するように、第1展開部材14の 第1の頂点を形成する2辺の各々から、枠幅分 け内側に在る位置とすることができる。切 込み24の折れ点(V字の頂点)は、連結梁22及び 繋ぎ部26が所定の梁幅を有するように、第2の 頂点と第3の頂点とを結ぶ正三角形の一辺か 、枠幅、梁幅、及び切り込み幅を足し合わ た分だけ内側に在る位置とすることができ 。切り込み24の終点は、回転部20と連結梁22 一端とが梁幅と同じ幅で繋がるように、第3 頂点と第1の頂点とを結ぶ正三角形の一辺か ら、枠幅、梁幅の2倍の幅、及び切り込み幅 2倍の幅を足し合わせた分だけ内側に在る位 とすることができる。

 本実施の形態では、3箇所の繋ぎ部28の各 は、3つの切り込み24の折れ点の近くに配置 れることになる。このため、各々の繋ぎ部2 8の縁部は、繋ぎ部28の移動を容易化するため に、角が削られて丸く形成されている。また 、各々の繋ぎ部28の縁部の連結梁22に近い側 は、繋ぎ部28での連結梁22の折れ曲げを容易 するために、V字状の切り欠き30が設けられ いる。

 回転部20の中央には、正三角形の回転部20 の中心点を通る垂線を軸とする貫通孔32が、 定の直径で円状に形成されている。回転部2 0の裏面側には、貫通孔32の周囲にラチェット 用の凹部34が形成されている。本実施の形態 は、貫通孔32を取り囲むように6個の凹部34 等間隔に形成されている。

 支持枠18の裏面側は、第2展開部材16の支 枠38と接合される。支持枠18の裏面側には、 合時の位置合わせを容易化するために、位 合せ用の凹部36が形成されている。本実施 形態では、三角形の第1展開部材14の各頂点 近傍に凹部36が形成され、支持枠18の裏面側 は3つの凹部36が形成されている。 

(第2の展開部材)
 図5は第2展開部材16の詳細構成を示す図であ り、図5Aは第2展開部材16を表面側から見たと の平面図であり、図5Bは表面側から見たと の斜視図である。第2展開部材16は、外周形 及び内周形状が略正三角形の支持枠38と、支 持枠38の内側に設けられた外周形状が略正三 形の回転部40と、支持枠38と回転部40とを連 する複数(この例では3本)の連結梁42と、を えている。支持枠38と連結梁42とは、各々、 定の幅に形成されている。本実施の形態で 、支持枠38の枠幅は、第1展開部材14の支持 18の枠幅と同じ幅とされ、連結梁42の梁幅は 第1展開部材14の連結梁22の梁幅と同じ幅と れている。

 また、支持枠38、回転部40、及び複数の連 結梁42は、平板状の弾塑性体に所定形状の切 込み44を入れることで、平板状の弾塑性体 一体に形成されている。支持枠38、回転部40 及び連結梁42の厚さは、同じでもよいが、 なっていても良い。第1展開部材14と同様に 弾塑性変形を容易化するために、回転部40及 び連結梁42を、支持枠38より薄く形成するこ が好ましい。

 切り込み44の各々は、いずれも同じ形状 あり、正三角形の中心軸に対し対称な位置 配置されている。本実施の形態では、第2展 部材16に対し、V字状の切り込み44が3つ形成 れている。切り込み44の幅は、支持枠18の枠 幅や連結梁22の梁幅に比べて太い部分と細い 分とがある。以下では、太い部分での切り み44の幅を「最大幅」といい、細い部分で 切り込み44の幅を「最小幅」という。

 切り込み44の各々は、正三角形の第2展開 材16の3つの頂点のいずれか1つを第1の頂点 して、第1の頂点の近傍から始まり、第1の頂 点とこれに隣接する第2の頂点とを結ぶ正三 形の一辺に平行に延び、第2の頂点の手前で れ曲がり、第2の頂点と第3の頂点とを結ぶ 三角形の一辺に平行に延び、第3の頂点の手 で終わる。第1展開部材14で、第1の頂点→第 2の頂点→第3の頂点を右回りに設定したとす と、第2展開部材16では、第1の頂点→第2の 点→第3の頂点は左回りに設定される。回転 40を、第1展開部材14の回転部20とは逆回りに 回転させるためである。

 3つの切り込み44が形成されることで、連 梁42が支持枠38と繋がる3箇所の繋ぎ部46を残 して、長尺状の3本の連結梁42が支持枠38から り離されると共に、連結梁42が回転部40と繋 がる3箇所の繋ぎ部48を残して、正三角形の回 転部40が連結梁42から切り離される。即ち、 々の連結梁42の一端は支持枠38に繋ぎ部46で がっており、各々の連結梁42の他端は回転部 40に繋ぎ部48で繋がっている。こうして、回 部40は3本の連結梁42により支持枠38に連結さ ている。本実施の形態では、繋ぎ部46の幅 、第1展開部材14の繋ぎ部26の幅と同じ幅であ り、繋ぎ部48の幅は、第1展開部材14の繋ぎ部2 8の幅と同じ幅である。

 また、第2展開部材16の連結梁42と第1展開 材14の連結梁22とが、第1展開部材14を第2展 部材16に重ね合わせた状態で、正三角形の同 じ辺に平行に配置されているとき、連結梁42 延びる方向(繋ぎ部46から繋ぎ部48に向う方 )は、連結梁22の延びる方向(繋ぎ部26から繋 部28に向う方向)とは、逆向きである(図3参照 )。これにより、第2展開部材16の回転部40は、 第1展開部材14の回転部20とは逆回りに回転す ことになる。

 第2展開部材16では、展開時に、連結梁42 第1展開部材14の回転部20や連結梁22とが互い 干渉せず、回転部40と第1展開部材14の連結 22とが互いに干渉しないように、切り込み44 入れる。これらの干渉が生じると、展開構 体10の展開が阻害される。また、第1展開部 14と同様に、連結梁42の長さができるだけ長 くなるように、切り込み44を入れることが好 しい。連結梁42が長くなるほど、展開時の トロークが大きくなる。本実施の形態では 支持枠38の内周から、梁幅と最小切込み幅の 2倍の幅とを足し合わせた分だけ内側に、正 角形の各辺と平行に連結梁42の各々を配置す ることで、連結梁42の長さが最も長くなるよ に設計されている。

 第1展開部材14と同様に、切り込み44の形 を適宜設計することが好ましい。例えば、 り込み44の始点は、支持枠38が所定の枠幅を するように、第2展開部材16の頂点を形成す 2辺の各々から、枠幅分だけ内側に在る位置 とすることができる。切り込み44は、始点か 最大幅まで拡がり、最大幅のまま正三角形 一辺に平行に延び、折れ点の手前で点に収 する。切り込み44の折れ点は、連結梁42が所 定の梁幅を有するように、第2展開部材16の正 三角形の一辺から、枠幅、切り込み44の最大 、及び梁幅を足し合わせた分だけ内側に在 位置とすることができる。切り込み44は、 れ点から終点まで最小幅で、第2展開部材16 正三角形の一辺に平行に延びる。切り込み44 の終点は、回転部40と連結梁42の一端とが梁 と同じ幅で連続するように、第2展開部材16 正三角形の一辺から、枠幅、切り込み44の最 大幅、梁幅の2倍の幅、及び切り込み44の最小 幅を足し合わせた分だけ内側に在る位置とす ることができる。

 第1展開部材14と同様に、各々の繋ぎ部48 縁部は、繋ぎ部48の移動を容易化するために 、角が削られて丸く形成されている。また、 各々の繋ぎ部48の縁部の連結梁42に近い側に 、繋ぎ部48での連結梁42の折れ曲げを容易化 るために、V字状の切り欠き50が設けられて る。

 回転部40の表面側の中央には、正三角形 回転部40の中心点を通る垂線を軸とする円柱 状の凸部52が、所定の直径で形成されている この円柱状の凸部52は、第1展開部材14を第2 開部材16に重ね合わせた状態で、第1展開部 14の貫通孔32に対し回転可能に嵌め込まれる (図3参照)。即ち、第2展開部材16の円柱状の凸 部52が「軸」であり、第1展開部材14の貫通孔3 2がこの「軸」を受ける「軸受け」として機 し、第1展開部材14の回転部20と第2展開部材16 の回転部40とは同軸で回転する。円柱状の凸 52の周囲には、ラチェット用の凸部54が形成 されている。本実施の形態では、円柱状の凸 部52を取り囲むように3個の凸部54が等間隔に 成されている。

 また、支持枠38の表面側は、第1展開部材1 4の支持枠18と接合される。支持枠38の表面側 は、接合時の位置合わせを容易化するため 、位置合せ用の凸部56が形成されている。 実施の形態では、支持枠38の表面側には、三 角形の第2展開部材16の各頂点の近傍に3つの 部56が形成されている。これら支持枠38の凸 56の各々を、第1展開部材14の支持枠18に設け られた凹部36に嵌め込むことで、支持枠38と 1展開部材14の支持枠18とが上手く重なるよう に、第1展開部材14と第2展開部材16とが位置合 せされる。

(ラチェット機構)
 展開構造体10は、平面から立体に展開して チェットがロックされ、複数の梁が交差す 立体交差構造12を形成する。ラチェットは動 作方向を一方に制限するために用いられる機 構である。ここで展開構造体10のラチェット 構について説明する。図6Aは第1展開部材14 回転部20を表面側から見たときの平面図であ り、図6Bは第2展開部材16の回転部40を表面側 ら見たときの平面図である。また、図6C及び 図6Dはラチェットがロックされる様子を示す 視図である。

 上述した通り、第1展開部材14の回転部20 裏面側には、貫通孔32を取り囲むようにラチ ェット用の凹部34が形成されている。回転部2 0は裏面側から押圧されると、回転軸Aに対し 左回りに回転する。回転部20の回転に伴い 部34も移動する。一方、第2展開部材16の回転 部40の表面側には、円柱状の凸部52を取り囲 ようにラチェット用の凸部54が形成されてい る。回転部40は裏面側から押圧されると、同 回転軸Aに対して右回りに回転する。回転部 40の回転に伴い凸部54も移動する。

 ラチェット用の凸部54は、図6Cに示すよう に、傾斜面を備えた「爪」状に形成されてい る。ラチェット用の凹部34は、凸部54と嵌合 るように、底部に傾斜面を備えた形状に形 されている。第1展開部材14が第2展開部材16 重ね合わされた状態で、回転部20及び回転部 40が裏面側から押圧されて、回転部40と回転 20とが互いに逆回りに回転する。このとき回 転部40の凸部54が、回転部20の凹部34に対し、 印A方向に相対的に移動する。

 回転部40の凸部54は、回転により回転部20 凹部34に嵌まり込む。凹部34に嵌まり込んだ 凸部54は、矢印A方向に相対的に移動する場合 には、凹部34の傾斜面に沿って凹部34から抜 出すことができる。一方、矢印A方向とは逆 矢印B方向に移動しようとしても、爪が引っ 掛かって凹部34からは抜け出せない。これに り、回転方向は一方向に制限される。

 回転部20は連結梁22により支持枠18に連結 れ、回転部40は連結梁42により支持枠38に連 されているので、回転部20及び回転部40が回 転軸Aに沿って移動し、各々の支持枠から離 るに従い、回転部を引き戻す方向、即ち、 圧による回転を止める方向に力が働くこと なる。しかしながら、上述した通り、回転 向は一方向に制限されているので、回転部 引き戻すことはできない。従って、回転部40 と回転部20とが所定角度まで回転した位置で 凸部54と凹部34とは互いに嵌合状態から抜け 出せなくなり、ラチェットがロックされる。

(展開挙動)
 図7A、図7B、図7Cは展開構造体10の展開挙動 説明するための平面図であり、図8A、図8B、 8Cは展開構造体10の展開挙動を説明するため の斜視図である。いずれの図も、第1展開部 14が第2展開部材16に重ね合わされた状態(展 構造体10)を、裏面側から見ている。

 図7A及び図8Aは展開前の展開構造体10の状 を示す。展開前の展開構造体10は、平面視 略正三角形の平面的な形状を有している。

 図7B及び図8Bは展開途中の状態を示す。第 1展開部材14を第2展開部材16に重ね合わせた状 態で、第2展開部材16の回転部40が裏面側から 圧されると、回転部40が回転軸Aに沿って押 された方向に移動しながら、回転軸Aの周り に回転する。裏面側から見ると、点線で図示 したように、回転部40は回転軸Aの周りに左回 りに回転する。更に、回転部40により第1展開 部材14の回転部20が裏面側から押圧されて、 転部20が回転軸Aに沿って押圧された方向に 動しながら、同軸で回転する。裏面側から ると、実線で図示したように、回転部20は回 転軸Aの周りに右回りに回転する。

 第2展開部材16では、回転部40の移動に伴 、弾塑性変形によって連結梁42の両端部が撓 み始める。特に、連結梁42が支持枠38に繋が 繋ぎ部46と、連結梁42が回転部40に繋がる繋 部48とが、弾塑性変形により湾曲する。第1 開部材14でも同様に、回転部20の移動に伴い 弾塑性変形によって連結梁22の両端部が撓 始める。特に、連結梁22が支持枠18に繋がる ぎ部26と、連結梁22が回転部20に繋がる繋ぎ 28とが、弾塑性変形により湾曲する。

 図7C及び図8Cは展開後(展開完了時)の状態 示す。回転部40と回転部20とが回転軸Aに沿 て押圧された方向に限界まで移動すると、 転部40と回転部20とが所定角度まで回転した 置でラチェットがロックされ、展開構造体1 0の展開が完了する。この例では、回転部40と 回転部20とが互いに約45度ずつ逆方向に回転 た位置で展開が完了している。これにより 連結梁22と連結梁42の複数の梁を有する立体 差構造12が形成される。この例では、3本の 結梁22と3本の連結梁42の合計6本の梁を有す 立体交差構造12が形成される。

 第2展開部材16では、回転部40の更なる移 に伴い、弾塑性変形により連結梁42が更に撓 む。特に、繋ぎ部46は大幅に湾曲し、繋ぎ部4 8は切り欠き50の近くで折れ曲がっている。第 1展開部材14でも同様に、回転部20の更なる移 に伴い、弾塑性変形により連結梁22が更に む。繋ぎ部26は大幅に湾曲し、繋ぎ部28は切 欠き30の近くで折れ曲がっている。

(展開時の衝撃吸収能力)
 上記の立体交差構造12の衝撃吸収能力を、 下に示す衝突実験により検証した。
 まず、立体交差構造12の試作品を作製した 図9は試作品を形成するのに用いた第1展開部 材14の設計図である。図9Aは第1展開部材14を 面側から見た平面図であり、図9Bは図9Aの対 軸に沿った断面図である。図10は試作品を 成するのに用いた第2展開部材16の設計図で る。図10Aは第2展開部材16を表面側から見た 面図であり、図10Bは図10Aの対称軸に沿った 面図である。

 記載された数値の単位は、いずれもmm(ミ メートル)である。概説すると、第1展開部 14及び第2展開部材16の各々は、外周形状が一 辺の長さが約9cmの正三角形である。支持枠の 厚さは3mmであり、回転部及び連結梁の厚さは 1mmである。第1展開部材14及び第2展開部材16は ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・ス レン樹脂)からなり、支持枠、回転部及び連 梁は一体に形成されている。図9に示す第1 開部材14と、図10に示す第2展開部材16とを重 合わせて、上記の展開構造体10を作製した この展開構造体10の中央部を裏面側から押圧 し、ラチェットがロックするまで展開して、 立体交差構造12の試作品を得た。立体交差構 12のストローク(展開距離)は約3.5cmだった。

 図11は衝突実験の方法を示す概略図であ 。試作された立体交差構造12を取り付けた台 車60を剛壁面62に衝突させて、台車が受ける 速度の変化を計測した。L字型の荷台64を備 た台車60を用い、試作された立体交差構造12 荷台64の背面66に取り付けた状態で、台車60 矢印C方向に1.7m/s(メートル/秒)の速度で移動 させ、剛壁面62に衝突させた。

 図12Aは立体交差構造12を取り付けていない 車60が受ける加速度の変化を表すグラフであ り、図12Bは立体交差構造12を取り付けた台車6 0が受ける加速度の変化を表すグラフである 縦軸は加速度を表し、その単位はGである。 お、1Gは9.80665m/s 2 に換算される。横軸は時間を表し、その単位 はms(ミリ秒)ある。

 図12Aに示すように、立体交差構造12を取 付けていない台車60では、衝突時に台車60が ける加速度が急激に変化(減速)した。衝突 ら僅か10msの間に、加速度が62Gも変化した。 れは台車が受けた衝撃の大きさを表す。一 、図12Bに示すように、立体交差構造12を取 付けた台車60では、衝突時に台車60が受ける 速度に急激な変化は見られず、加速度の最 値も低下した。衝突から40msの間に、加速度 は18Gしか変化しなかった。衝突エネルギーは ゆっくりと吸収され、台車60が受ける衝撃力 大幅に緩和されたのである。同様に、被衝 物(剛壁面62)が受ける反力も緩和される。

 図13は衝突実験を撮影した高速度ビデオ メラ画像である。画像は2ms間隔で撮影され ものである。開始は衝突時の画像である。 の後は、矢印の順に、衝突から2ms後の画像 衝突から4ms後の画像、衝突から6ms後の画像 衝突から8ms後の画像、衝突から10ms後の画像 衝突から12ms後の画像、衝突から14ms後の画 、衝突から16ms後の画像である。これらの画 から、衝突から16msまでの間に、試作された 立体交差構造12の複数の梁の各々が、中央部 で弾塑性変形して撓み、最終的には一部の が屈曲して、衝突エネルギーを吸収してい ことが分かる。

<衝撃吸収装置>
 次に、本発明の実施の形態に係る衝撃吸収 置の概略構成を説明する。この衝撃吸収装 では、衝突を検知したとき(衝突が不可避と 予測されたときを含む)に、上記の展開構造 10(図1等参照)を展開させて、複数の梁を有す る立体交差構造12を形成し、衝突エネルギー 吸収する「衝撃吸収構造」を用いる。まず この衝撃吸収構造について説明する。

(衝撃吸収構造) 
 図14は展開構造体10を備えた衝撃吸収構造70 分解斜視図である。衝撃吸収構造70は、第1 開部材14及び第2展開部材16からなる展開構 体10と、エアバックの作動により展開構造体 10の中央部を裏面側から押圧して、展開構造 10を展開させる展開駆動部72と、で構成され ている。展開駆動部72は、外周形状及び内周 状が第1展開部材14及び第2展開部材と同じ形 状(略正三角形)の支持枠74と、支持枠74の内側 に取付けられたエアバック装置76と、を備え いる。

 展開駆動部72は、エアバックが飛び出す 面側が第2展開部材16の裏面側と対向するよ に重ね合わされる。支持枠74の表面側には、 接合時の位置合わせを容易化するために、位 置合せ用の凸部78が形成されている。なお、 2展開部材16の裏面側の対応する位置には、 部78と嵌合する凹部(図示せず)が設けられて いる。そして、展開駆動部72の支持枠74と、 2展開部材16の支持枠38とが、位置合わせされ て接合される。これにより、衝撃吸収構造70 完成する。

 図15Aはエアバック装置76の構造を示す断 図であり、図15Bはエアバック装置76が作動し た状態を示す概略図である。エアバック装置 76は、ガスを瞬時に発生させるインフレータ8 0と、インフレータ80から送り込まれたガスに より瞬時に膨らむバック(袋体)82と、を備え いる。エアバック装置76が動作する前は、バ ック82は、第2展開部材16と展開駆動部72との に、折り畳まれて収納されている。衝突が 知されると、インフレータ80に駆動信号が入 力されて(点火電流がONになり)、バック82にガ スが送り込まれ、バック82が瞬時に膨張する

(衝撃吸収動作) 
 図16A、図16B、図16C、図16Dは衝撃吸収構造70 衝突エネルギーを吸収する動作を説明する めの側面図である。この側面図では衝撃吸 構造70を、正三角形の一辺の側から見ている 。

 図16Aは衝突が検知される前(展開前)の衝 吸収構造70の状態を示す。衝撃吸収構造70は 第1展開部材14、第2展開部材16、及び展開駆 部72をこの順に重ね合わせて構成されてお 、平面的な形状を有している。立体交差構 12が形成される第1展開部材14側が表面側であ り、展開駆動部72側が裏面側である。衝撃吸 構造70は、裏面側を設置面に向けて設置さ る。

 図16Bは衝突が検知された直後(展開完了時 )の衝撃吸収構造70の状態を示す。衝突が検知 されると、インフレータ80に駆動信号が入力 れて、バック82にガスが送り込まれ、バッ 82が瞬時に膨張する。膨張したバック82によ 、第1展開部材14の回転部20と、第2展開部材1 6の回転部40とが表面側に押圧される。回転部 20と回転部40とは、押圧された方向に移動し がら同軸で逆回りに回転する。回転部40と回 転部20の各々が所定角度まで回転した位置で ラチェットがロックされ、展開が完了する

 上述した通り、第1展開部材14の連結梁22 第2展開部材16の連結梁42とは、各々の両端部 が弾塑性変形により撓む。即ち、第1展開部 14の繋ぎ部26と、第2展開部材16の繋ぎ部46と 大幅に湾曲する。また、第1展開部材14の繋 部28は切り欠き30の近くで折れ曲がり、第2展 開部材16の繋ぎ部48は切り欠き50の近くで折れ 曲がる。これにより、連結梁22と連結梁42の 数の梁が交差する立体交差構造12が形成され る。

 図16Cは展開が完了した後(展開後)の衝撃 収構造70の状態を示す。展開が完了すると、 バック82からガスが抜け、バック82はしぼむ バック82がしぼんでも、ラチェットがロック されているので、立体交差構造12は維持され 。

 図16Dは荷重をかけた後の衝撃吸収構造70 状態を示す。衝撃吸収構造70の立体交差構造 12の上に重石84を載せて、衝撃吸収構造70に荷 重をかける。これは衝撃吸収構造70に衝突エ ルギーを与えたのと同じ状態である。第1展 開部材14の連結梁22と、第2展開部材16の連結 42とは弾塑性変形して、衝突エネルギーを吸 収する。

 衝突エネルギーを吸収する過程では、第1 展開部材14の連結梁22は、繋ぎ部26での湾曲が 緩和され、中央部分が弾塑性変形により撓み 始める。第2展開部材16の連結梁42でも同様に 繋ぎ部46での湾曲が緩和され、中央部分が 塑性変形により撓み始める。第2展開部材16 連結梁42が、第1展開部材14の連結梁22よりも い場合には、第2展開部材16は展開前の状態 戻ろうとする。このため、第1展開部材14の 結梁22が、更に弾塑性変形して、連結梁22の 中央部分又は繋ぎ部28で折れ曲がる。

 図17A、図17B、図17Cは衝撃吸収構造70の衝 吸収動作の他の一例を説明するための側面 である。図16A、図16B、図16C、図16Dに示した 撃吸収動作では、展開が完了した後にバッ 82をしぼませていたが、この衝撃吸収動作で は、展開後もバック82内のガス圧を保持し、 張したバック82も利用して、衝突エネルギ を吸収する。なお、図17Aは図16Aと同じ図で り、図17Bは図16Bと同じ図であるため、ここ は同じ符号を付して説明を省略する。

 図17Cは荷重をかけた後の衝撃吸収構造70 状態を示す。衝撃吸収構造70の立体交差構造 12の上に重石84を載せて、衝撃吸収構造70に荷 重をかける。第1展開部材14の連結梁22と第2展 開部材16の連結梁42とは、弾塑性変形して衝 エネルギーを吸収する。また、膨張したバ ク82は、バック82内のガスを放出又は移動さ ることで衝突エネルギーを吸収する。例え 、図示したように、膨張したバック82が平 く変形して、衝突エネルギーを吸収する。

 衝撃吸収構造70に大きな荷重がかかる場 には、膨張したバック82を併用することが好 適である。バック82を併用する場合には、バ ク82の素材として炭素繊維などの強化繊維 用いることにより、衝突物の特性に応じて ック内の内圧を変化させることができる。 体交差構造12の梁だけでは荷重を支えきれな いとき、即ち衝突エネルギーを吸収しきれな いときに、バック82の内圧を高めて衝突エネ ギーを吸収する。

 図18は衝撃吸収構造70の配置例を示す平面 図である。展開前の衝撃吸収構造70は、平面 な形状を有しているので、多数の衝撃吸収 造70を二次元状に配列して設置することが きる。上述した通り、第1展開部材14側が表 側であり、展開駆動部72側が裏面側である。 衝撃吸収構造70は、裏面側を設置面に向けて 置される。衝撃吸収構造70に含まれる展開 造体10は、図面では手前側に向って展開する 。本実施の形態では、衝撃吸収構造70は、平 視が略正三角形であるため、設置部位に隙 なく敷き詰めることができる。なお、ここ は、衝撃吸収構造70を平面的に配置する例 示したが、用途に応じて、衝撃吸収構造70を 並列に配置することもできる。

 図19は衝撃吸収構造70を車両に設置する場 合の設置部位を例示する斜視図である。衝突 物との衝突に備えて、フードパネル90、フロ トバンパ92、フロントサイドドア94、フロン トフェンダーパネル96、フロントピラー98な に設置することができる。コンパクトで平 的な形状を有している衝撃吸収構造70は、フ ードパネル90を構成するアウタパネルとイン パネルとの隙間や、フロントバンパ92のバ パカバーとバンパフレームとの間、フード ネル90とフロントフェンダーパネル96との隙 など、通常はクラッシュボックスを設置で ない狭く小さい部位にも設置することがで る。また、バック時の衝突に備えて、ラッ ージドアやリアバンパに設置してもよい。

(衝撃吸収装置)
 図20は本発明の実施の形態に係る衝撃吸収 置の構成を示すブロック図である。この衝 吸収装置は、車両に搭載されて使用される 本実施の形態に係る衝撃吸収装置100には、 開構造体10と、衝突物の衝突位置を特定する ための情報を取得する情報取得手段として設 置されたセンサ群102と、展開構造体10を裏面 から押圧して展開構造体10を展開させる展 駆動部72と、センサ群102から取得した情報に 基づいて、展開駆動部72が作動するように展 駆動部72を制御する制御部104と、が設けら ている。

 なお、展開構造体10と展開駆動部72とで、 上述した衝撃吸収構造70が構成される。衝撃 収構造70は、上述した通り、フードパネル90 、フロントバンパ92、フロントサイドドア94 フロントフェンダーパネル96、フロントピラ ー98など、衝突が予想される車両の様々な部 に多数設置されている。

 センサ群102としては、自車両の前方、側 及び後方を撮影するビデオカメラ102A、自車 両の前方、側方及び後方の熱画像を撮影する 赤外線カメラ102B、自車両の前方、側方及び 方の障害物(衝突物)を検出するレーダ102C、 車両への前方、側方及び後方からの衝突を 知する感圧センサ102Dが設けられている。レ ダ102Cは、レーザレーダでもよく、ミリ波レ ーダでもよい。ビデオカメラ102A、赤外線カ ラ102B、レーダ102C、及び感圧センサ102Dの各 で得られたデータは、制御部104に逐次入力 れる。

 制御部104には、衝突物が衝突する部位を 定する衝突部位推定手段106と、推定された 突部位において衝突物が衝突する範囲を推 する衝突範囲推定手段108と、が設けられて る。センサ群102から入力されたデータに基 いて、衝突が検知された場合又は衝突が不 避であると予測された場合に、推定された 突部位の推定された衝突範囲に設置された 撃吸収構造70の展開駆動部72を作動して、衝 突位置にある展開構造体10を展開させる。展 により複数の梁を有する立体交差構造12が 成され、立体交差構造12によって衝突エネル ギーを吸収する。

 図21は制御部104が行う作動ルーチンの一 を示すフローチャートである。まず、ステ プS10で、センサ群102から入力されたデータ 基づいて、衝突の危険性を検知する。例え 、レーダ102Cで得られたデータなどから、衝 物の接近の有無や衝突物の接近方向を検知 ることができる。衝突物の接近方向が分か ば、前面衝突か側面衝突かも判断すること でき、衝突物が衝突する部位を推定するこ ができる。次のステップS12で、センサ群102 ら入力されたデータに基づいて、衝突物の 状・重量・速度を予測する。衝突物の形状 重量・速度が分かれば、衝突物が衝突する 位だけでなく、衝突部位における具体的な 突の範囲を推定することができる。

 次に、ステップS14で、予測された衝突物 形状・重量・速度から、衝突を回避できる 否かを判断する。衝突は回避できると判断( 肯定判断)した場合には、そこでルーチンを 了する。一方、衝突は回避できないと判断( 定判断)した場合には、衝撃吸収構造70の展 構造体10を展開させるために、展開駆動部72 に駆動信号を出力して、ルーチンを終了する 。このように、必要な部位の展開構造体10を 開させるなど、衝突物の特性に応じて制御 作を行うことができる。

 以上説明したように、本実施の形態の展 構造体及び衝撃吸収構造は、展開前はコン クトで平面的な形状を有しているので、ク ッシュボックス等を設置できない狭く小さ 部位にも設置することができる。また、本 施の形態の展開構造体及び衝撃吸収構造は 平面視が略正三角形であるため、設置部位 隙間なく敷き詰めることができる。

 また、本実施の形態の展開構造体及び衝 吸収構造は、展開後は複数の梁を備えた立 交差構造を形成するので、表面側から衝突 よる衝撃が加わると、複数の梁の各々が弾 性変形して、衝突エネルギーを吸収するこ ができる。特に、立体交差構造であるため 真正面からの衝突だけではなく、斜め方向 らの衝突においても、有効に衝突エネルギ を吸収することができる。更に、用途に応 て立体交差構造中の梁の配置や本数を変え ことで、衝突エネルギー吸収量を調整する とができる。即ち、任意の剛性を持たせる とが可能である。

 また、本実施の形態の衝撃吸収装置は、 開構造体を含む衝撃吸収構造が、車両など 被衝突物に多数配置され、個別に駆動制御 れているので、衝突位置に配置された展開 造体を展開させて、衝突による衝撃を吸収 ることができる。即ち、必要な部位の展開 造体を展開させるなど、衝突物の特性に応 て制御動作を行うことができる。

 また、センサ群から入力されたデータに づいて、衝突物の有無を判断し、衝突物の 状・重量・速度などを計測して、衝突物が 突する部位だけでなく、衝突部位における 体的な衝突の範囲を推定することで、衝突 回避できない場合には、推定された衝突位 に配置された展開構造体を展開させて、衝 による衝撃を吸収することができる。

<変形例>
 以下、上記の実施の形態の変形例について 明する。

(展開駆動部の変形例)
 上記の実施の形態では、展開構造体を展開 せる展開駆動部にエアバック装置を用いる について説明したが、展開構造体を押圧す ことができればよく、押圧部材はエアバッ 装置には限定されない。エアキャップのよ に気体や液体が封入された袋体を、展開構 体に押し付けるようにしてもよい。

(展開駆動機構の変形例)
 上記の実施の形態では、押圧により展開構 体を展開させる例について説明したが、加 や電圧印加により自己変形する材料で展開 造体を形成し、自己変形により展開構造体 展開させることもできる。自己変形する材 としては、熱膨張率の異なる2種類の金属板 を合板したバイメタル、電界の作用により高 分子ゲル中の可動イオンの濃度分布が変化し て膨潤/収縮する高分子アクチュエータなど 用いることができる。

 図22A及び図22Bは、加熱により自己変形す 材料で展開構造体を形成した例である。図2 2Aに示すように、展開構造体10Aは、平板状の 1展開部材14Aと、第1展開部材14Aと同じ大き で平板状の第2展開部材16Aと、で構成されて る。第1展開部材14Aと第2展開部材16Aの各々 、加熱により自己変形する材料で形成され いる。

 展開構造体10Aは、材料以外は、展開構造 10と同じ構成である。即ち、第1展開部材14A 第1展開部材14と同じ構造であり、第2展開部 材16Aは第2展開部材16と同じ構造である。また 、第1展開部材14Aと第2展開部材16Aとは、重ね わせて使用される。

 展開構造体10Aには、展開構造体10Aを展開 せる展開駆動部としてヒータ72Aが取付けら ている。ヒータ72Aにより展開構造体10Aが加 されると、図22Bに示すように、第1展開部材 14Aと第2展開部材16Aの各々が自己変形して展 し、複数の梁を有する立体交差構造12Aを形 する。こうして形成された立体交差構造12A 、複数の梁の各々が弾塑性変形して、衝突 ネルギーを吸収する。

 図23A及び図23Bは、電圧印加により自己変 する材料で展開構造体を形成した例である 図23Aに示すように、展開構造体10Bは、平板 の第1展開部材14Bと、第1展開部材14Bと同じ きさで平板状の第2展開部材16Bと、で構成さ ている。第1展開部材14Bと第2展開部材16Bの 々は、電圧印加により自己変形する材料で 成されている。展開構造体10Bは、材料以外 、展開構造体10と同じ構成である。

 展開構造体10Bは、スイッチ72Bと電源72Cと 直列に接続された制御回路に接続されてい 。図23Bに示すように、スイッチ72Bがオンに ると、電源72Cにより展開構造体10Bに電圧が 加され、第1展開部材14Bと第2展開部材16Bの 々が自己変形して展開し、複数の梁を有す 立体交差構造12Bを形成する。こうして形成 れた立体交差構造12Bも、複数の梁の各々が 塑性変形して、衝突エネルギーを吸収する

(適用対象の変形例)
 上記の実施の形態では、フロントバンパ等 車両のボディに衝撃吸収構造を設置する例 ついて説明したが、コンパクトで平面的な 状を有している衝撃吸収構造は、狭く小さ 部位にも設置することができる。MEMS(Micro E lectro Mechanical Systems)デバイスとしての利用 可能である。即ち、微細空間における衝突 衝構造やアクチュエータとしての役割も果 すことができる。

(展開構造体の変形例)
 上記の実施の形態では、平面視が略正三角 の展開構造体を用い、立体交差構造では3本 の連結梁で1つの回転部を支持する構造例に いて説明したが、展開構造体の構造は、上 実施の形態の構造に限定される訳ではない 用途に応じて好適な形状を選択することが きる。立体交差構造中の連結梁の配置や本 を変えることで、衝突エネルギー吸収量を 整することができる。また、展開構造体を 成する第1展開部材と第2展開部材との間で、 平面視形状、回転部の形状、連結梁の形状・ 配置・本数が異なっていてもよい。

 平面視が正三角形の展開構造体は、平面 に隙間無く配列することができ、平面配列 容易性という観点からは最も好ましいが、 開構造体の平面視形状は、円(真円、楕円な ど)や、三角形以外の多角形(四角形、五角形 六角形、八角形など)とすることもできる。 また、3本の連結梁で回転部を支持する構造 、遊びになる梁がないので、安定感があり も好ましいが、回転部を支持する連結梁の 数は3本には限られない。2本でもよく、4本 上でもよい。連結梁の本数が増加すると、 塑性変形による衝突エネルギー吸収量が増 する。連結梁を長くすると、弾塑性変形に る衝突エネルギー吸収量が増加する。連結 の幅を広くすると、弾塑性変形による衝突 ネルギー吸収量が増加する。

 また、連結梁の幅は一定である必要はな 、1本の連結梁の長手方向において、梁幅が 変化していてもよい。更に、連結梁の断面形 状は矩形状である必要はなく、断面の長手方 向において厚さが変化していてもよい。

 図24は平面視が円形の展開構造体の例で る。第1展開部材は2本の連結梁を有し、第2 開部材16Cの連結梁42Cは4本の連結梁を有して る。図24Aは展開構造体を構成する第1展開部 材の平面図であり、図24Bは展開構造体を構成 する第2展開部材の平面図であり、図24Cは展 構造体が展開して形成された立体交差構造 斜視図である。

 図24Aに示すように、第1展開部材14Cは、外 周形状及び内周形状が円形の支持枠18Cと、支 持枠18Cの内側に設けられた外周形状が円形の 回転部20Cと、支持枠18Cと回転部20Cとを連結す る円弧状の2本の連結梁22Cと、を備えている 支持枠18C、回転部20C、及び2本の連結梁22Cは 平板状の弾塑性体に所定形状の切り込み24C 入れることで、平板状の弾塑性体に一体に 成されている。本例では、第1展開部材14Cに 対し、略C字状の切り込み24Cが2つ形成されて る。

 各々の連結梁22Cの一端は支持枠18Cに繋ぎ 26Cで繋がっており、各々の連結梁22Cの他端 繋ぎ部28Cで回転部20Cに繋がっている。こう て、回転部20Cは2本の連結梁22Cにより支持枠 18Cに連結されている。回転部20Cの中央には、 円の中心点を通る垂線を軸とする貫通孔32Cが 、所定の直径で円状に形成されている。また 、各々の繋ぎ部28Cの縁部の連結梁22Cに近い側 には、繋ぎ部28Cでの連結梁22Cの折れ曲げを容 易化するために、V字状の切り欠き30Cが設け れている。

 図24Bに示すように、第2展開部材16Cは、外 周形状及び内周形状が円形の支持枠38Cと、支 持枠38Cの内側に設けられた外周形状が円形の 回転部40Cと、支持枠38Cと回転部40Cとを連結す る円弧状の4本の連結梁42Cと、を備えている 支持枠38と連結梁42とは、各々、所定の幅に 成されている。支持枠38C、回転部40C、及び2 本の連結梁42Cは、平板状の弾塑性体に所定形 状の切り込み44Cを入れることで、平板状の弾 塑性体に一体に形成されている。本例では、 第1展開部材14Cに対し、部分的に太さが異な 略C字状の切り込み44Cが4つ形成されている。 回転部40Cと連結梁42Cとは、展開時に第1展開 材14Cの回転部20C及び連結梁22Cと干渉しない うに配置されている。

 各々の連結梁42Cの一端は支持枠38Cに繋ぎ 46Cで繋がっており、各々の連結梁42Cの他端 繋ぎ部48Cで回転部40Cに繋がっている。こう て、回転部40Cは4本の連結梁42Cにより支持枠 38Cに連結されている。回転部40Cの表面側の中 央には、円形の回転部40の中心点を通る垂線 軸とする円柱状の凸部52Cが、所定の直径で 成されている。また、各々の繋ぎ部48Cの縁 の連結梁42Cに近い側には、繋ぎ部48Cでの連 梁42Cの折れ曲げを容易化するために、V字状 の切り欠き50Cが設けられている。

 図24Cに示すように、第1展開部材14Cが第2 開部材16Cに重ね合わされる。第2展開部材16C 円柱状の凸部52Cが第1展開部材14Cの貫通孔32C に対し回転可能に嵌め込まれた状態で、第1 開部材14C及び第2展開部材16Cが展開されて、 数の梁が交差する立体交差構造12Cを形成す 。この例では、2本の連結梁22Cと4本の連結 42Cの合計6本の梁を有する立体交差構造12Cが 成される。展開構造体の平面視形状を円形 することで、支持枠の内径に沿って連結梁2 2Cと連結梁42Cとを長く形成することができ、 開時のストロークを大きくすることができ 。また、図1~図8に示す展開構造体と比べる 、連結梁42Cの本数が増えることで、弾塑性 形による衝突エネルギー吸収量が増加する

― 第2の実施の形態 ―
<展開構造体の概略構成>
 まず、本発明の実施の形態に係る展開構造 の概略構成について説明する。
 図25は本実施の形態に係る展開構造体の展 前の外観を示す斜視図である。図26は同じ展 開構造体を表側(展開側)から見た平面図であ 。図27は同じ展開構造体の分解斜視図であ 。

 図25、図26、図27に示すように、展開構造 110は、複数の部材から組み立てられた円盤 の構造体であり、表側から見たときの形状 略円形である。本実施の形態では、展開構 体110の展開前の大きさは、厚さが数センチ ートル(例えば2cm~4cm)程度であり、外径が十 センチメートル(例えば10cm~15cm)程度である なお、展開構造体の大きさは、用途に応じ 適宜変更することができる。

 展開構造体110は、第1展開部材としての上 部プレート112、第2展開部材としての下部プ ート114、下部プレート114を回転させる回転 レート116、回転プレート116を駆動するモー 120、及び上部プレート112をモータ120に固定 るリング状のモータブラケット118を備えて る。回転プレート116及びモータ120が、展開 動部として機能する。

 上記の展開構造体110では、モータ120の駆 により回転プレート116が回転する。回転プ ート116に取り付けられた下部プレート114は 回転プレート116と一緒に回転する。下部プ ート114の回転により、上部プレート112と下 プレート114とが、図30A及び図30Bに示すよう 、平面から立体に展開して、複数の梁が交 する立体交差構造111を形成する。衝突等に り、この立体交差構造111に表側から衝撃が わると、複数の梁の各々が弾塑性変形して 衝突エネルギーを吸収する。展開後の構造 立体交差構造111であるため、真正面からの 突だけではなく、斜め方向からの衝突にお ても、有効に衝突エネルギーを吸収するこ ができる。

 上部プレート112は、円筒部122、円筒部122 下端部に形成された所定幅のフランジ部124 及び円筒部122の上端部に形成された所定幅 フランジ部126を備えている。フランジ部124 円筒部122の半径方向外側に延在し、フラン 部126は円筒部122の半径方向内側に延在して る。これら円筒部122、フランジ部124及びフ ンジ部126が、第1展開部材の第1支持枠を構 する。なお、以下では、便宜上、フランジ 126を第1支持枠として説明する場合がある。

 フランジ部126と同じ平面内には、フラン 部126の内側に設けられた回転部128と、フラ ジ部126と回転部128とを連結する複数の連結 130と、が設けられている。回転部128には、 述する下部プレート114の表面側に設けられ 凸部146と嵌合する開口部132が設けられてい 。フランジ部124には、複数のネジ孔134が設 られている。本実施の形態では、円筒部122 フランジ部124、フランジ部126、回転部128、 び連結梁130は一体に形成されている。

 下部プレート114は、平板状に形成されて る。下部プレート114は、その外径が円筒部1 22の内径より小さいリング状の支持枠136、支 枠136の内側に設けられた回転部138、支持枠1 36と回転部138とを連結する複数の連結梁140、 び支持枠136を回転プレート116に取り付ける めのアーム部142を備えている。アーム部142 、支持枠136の内側で且つ回転部138及び連結 140の外側に設けられている。回転部138の表 側には、上部プレート112の開口部132に嵌め まれる凸部146が設けられている。アーム部1 42には、複数の貫通孔144が設けられている。 実施の形態では、支持枠136、回転部138、連 梁140、凸部146及びアーム部142は一体に形成 れている。

 回転プレート116は、下部プレート114の支 枠136の外径より小径の円板部148を備えてい 。円板部148の外周付近には、下部プレート1 14のアーム部142に設けられた複数の貫通孔144 対応する位置に、複数の貫通孔158が設けら ている。下部プレート114が回転プレート116 重ねられ、段部を有する回転伝達ピン178が 貫通孔158及び貫通孔144を挿通するように、 板部148の裏面側から差し込まれている。下 プレート114は、回転伝達ピン178により回転 レート116にピン留めされ、回転プレート116 共に回転可能とされている。

 回転プレート116の円板部148の裏面側には 円筒状の軸受け部150が設けられている。軸 け部150は、円板部148と同軸の貫通孔152を備 ている。モータ120は、円柱状のモータ支持 168と、回転軸171とを備えている。モータ120 しては、展開構造体110のコンパクト化を図 上で、超音波モータやMEMS(Micro Electro Mechani cal Systems:微小電気機械システム)技術を用い 小型モータを用いることが好ましい。

 軸受け部150の貫通孔152には、モータ120の 転軸171が嵌め込まれている。軸受け部150の 壁には、貫通孔154が設けられている。この 通孔154には、軸固定ピン156が差し込まれて る。軸固定ピン156により軸受け部150の軸方 の回転が抑止され、回転プレート116がモー 120により回転可能とされている。

 モータブラケット118は、その外径が上部 レート112のフランジ部124の外径と略同じ大 さのリング状の板状体である。モータブラ ット118の中央部には、その内径が回転プレ ト116の外径より大きい開口部160が、同軸状 設けられている。モータブラケット118の中 部分には、複数のネジ孔64が設けられてい 。また、モータブラケット118の外周付近に 、上部プレート112のフランジ部124に設けら た複数のネジ孔134に対応する位置に、複数 ネジ孔166が設けられている。

 円柱状のモータ支持体168の上端部には、 径方向外側に延在するフランジ部180が設け れている。フランジ部180は、モータ支持体1 68を表側から見たときに、平面視が略矩形状 なるように形成されている。フランジ部180 は、モータブラケット118に設けられた複数 ネジ孔164に対応する位置に、複数のネジ孔1 73が設けられている。

 モータブラケット118は、モータ120の回転 171と同軸となるようにモータ120上に載置さ ている。段部を有する締結ネジ176が、フラ ジ部180のネジ孔173及びモータブラケット118 ネジ孔164を挿通するように、フランジ部180 裏面側から差し込まれている。この締結ネ 176により、モータブラケット118がモータ120 にねじ留めされている。回転プレート116は モータブラケット118の開口部160内で回転す ように、モータ120に取り付けられている。

 また、モータブラケット118上には、外周 が揃えられて、上部プレート112が載置され いる。段部を有する締結ネジ174が、上部プ ート112のフランジ部124のネジ孔134及びモー ブラケット118のネジ孔166を挿通するように フランジ部124の表面側から差し込まれてい 。この締結ネジ174により、上部プレート112 モータブラケット118上にねじ留めされてい 。上部プレート112とモータブラケット118と 間には、上部プレート112の円筒部122の高さ 応じたキャビティが形成されている。下部 レート114は、このキャビティ内に回転可能 収納されている。

 円筒部122の高さは、下部プレート114の最 厚さよりも僅かに大きい程度である。上部 レート112の回転部128は、下部プレート114の 転部138に重ねられている。回転部138に設け れた凸部146は、回転部128に設けられた開口 132に嵌め込まれている。上部プレート112の 転部128は、展開に伴い所定方向に回転する 一方、下部プレート114の回転部138は、展開 伴い所定方向とは逆方向に回転しようとす が、凸部146が開口部132に嵌め込まれて、逆 向に回転できないように規制されている。 ち、凸部146及び開口部132からなる嵌合機構 、回転抵抗部材として機能する。回転抵抗 材として機能するために、凸部146の外周形 又は開口部132の内周形状は、三角形、四角 、五角形、六角形等の多角形状、十字形状 とすることが好ましい。

<展開部材の詳細構成>
 ここで、上部プレート112及び下部プレート1 14の展開構造について更に詳しく説明する。 28Aは上部プレート112を表側から見た斜視図 あり、図28Bは上部プレート112を裏側から見 斜視図である。また、図29Aは下部プレート1 14を表側から見た斜視図であり、図29Bは下部 レート114を裏側から見た斜視図である。

 上述した通り、上部プレート112は、円筒 122、フランジ部124、フランジ部126、回転部1 28、及び連結梁130を備えている。これら円筒 122、フランジ部124、フランジ部126、回転部1 28、及び連結梁130は、金属や樹脂など弾塑性 有する材料(弾塑性体)で一体に形成されて る。また、下部プレート114は、支持枠136、 転部138、連結梁140、凸部146及びアーム部142 備えている。これら支持枠136、回転部138、 結梁140、凸部146及びアーム部142は、弾塑性 で一体に形成されている。

 弾塑性を有する樹脂材料としては、ポリ チレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化 ニル(PVC)、ポリスチレン(PS)などの汎用樹脂 、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、 レフィン系熱可塑性エラストマー、スチレ 系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エ ストマーなどを用いることができる。また 繊維強化された複合材料や、金属と繊維材 と樹脂との結合構造体なども、材料として 適である。

 また、衝突時に梁がすぐ破断したのでは 衝撃の緩和が不十分となり、破断面が露出 る等の不具合を生じる。従って、破断しや い材料を使用する場合、破断しやすい箇所 ある場合には、表面に補強布や補強テープ 貼り付けるなど、上部プレート112と下部プ ート114の各々を補強部材により補強するこ が好ましい。補強により脆化や破断を回避 ながら、弾塑性変形によって衝突エネルギ を有効に吸収することができる。

(上部プレート)
 図28A及び図28Bに示すように、本実施の形態 は、上部プレート112は、展開構造として、 ング状のフランジ部126と、フランジ部126の 側に設けられた外周形状が略正三角形の回 部128と、フランジ部126と回転部128とを連結 る3本の連結梁130と、を備えている。また、 回転部128の中央部分には、正三角形の回転部 128の中心点を通る垂線を軸とする、六角形状 の開口部132が形成されている。

 フランジ部126、回転部128、及び連結梁130 厚さは、同じでもよいが、異なっていても い。例えば、弾塑性変形を容易化するため は、回転部128及び連結梁130を、フランジ部1 26より薄く形成することが好ましい。フラン 部126と連結梁130とは、各々、所定の幅に形 されている。以下では、フランジ部126の幅 「枠幅」、連結梁130の幅を「梁幅」という

 正三角形の回転部128には3つの頂点がある 。上部プレート112では、3つの頂点は、上部 レート112の表側から見て、第1の頂点→第2の 頂点→第3の頂点の順序で左回りに設定され いる。第1の連結梁130は、3つの頂点のいずれ か1つを第1の頂点として、その一端が第1の頂 点に連結され、第1の頂点とこの第1の頂点に 接する第2の頂点とを結ぶ正三角形の一辺に 平行に延在している。第2の連結梁130は、そ 一端が第2の頂点に連結され、第2の頂点と第 3の頂点とを結ぶ一辺に平行に延在している 第3の連結梁130は、その一端が第3の頂点に連 結され、第3の頂点と第1の頂点とを結ぶ一辺 平行に延在している。

 本実施の形態では、円板状の弾塑性体に し、鎌状の切り込み125が3箇所に形成されて いる。鎌状の切り込み125の各々は、同じ形状 であり、回転部128の中心点に対して対称な位 置に配置されている。鎌状の切り込み125が形 成されることで、連結梁130がフランジ部126と 繋がる3箇所の繋ぎ部127を残して、長尺状の3 の連結梁130がフランジ部126から切り離され と共に、連結梁130が回転部128と繋がる3箇所 の繋ぎ部129を残して、正三角形の回転部128が 連結梁130から切り離される。

 換言すれば、各々の連結梁130の一端はフ ンジ部126に繋ぎ部127で繋がっており、各々 連結梁130の他端は繋ぎ部129で回転部128に繋 っている。こうして、回転部128は3本の連結 梁130によりリング状のフランジ部126に連結さ れている。上述したように、3つの頂点を、 部プレート112の表側から見て、第1の頂点→ 2の頂点→第3の頂点の順序で左回りに設定 ることで、展開に伴って回転部128は左回り 回転することになる。また、回転部128は連 梁130によりフランジ部126に連結されている で、回転部128がフランジ部126から展開方向 離れるに従い、回転部128を引き戻す方向、 ち、回転を止める方向(回転部128を右回りに 転させる方向)に力が働くことになる。

 本実施の形態では、3箇所の繋ぎ部129の各 々は、鎌状の切り込み125の折れ点の近くに配 置されることになる。このため、各々の繋ぎ 部129の縁部は、繋ぎ部129の移動を容易化する ために、角が削られて丸く形成されている。 また、図32Aに示すように、各々の繋ぎ部129の 縁部の連結梁130に近い側には、V字状の切り き129Aを設けることが好ましい。V字状の切り 欠き129Aにより、回転部128を限界位置まで移 させたときに、繋ぎ部129が反らず、繋ぎ部12 9での連結梁130の折れ曲げが容易になる。

 上部プレート112においては、連結梁130の さができるだけ長くなるように、設計する とが好ましい。連結梁130が長くなるほど、 開時のストローク(回転部128が押圧方向へ移 動する距離)が大きくなる。本実施の形態で 、3本の連結梁130により形成される正三角形 、リング状のフランジ部126の内側に丁度配 されるように、3本の連結梁130の各々を配置 することで、連結梁130の長さが最も長くなる ように設計されている。なお、切り込み125の 形状は、連結梁130の長さ以外にも、フランジ 部126の枠幅、連結梁130の梁幅、切り込み125の 切込み幅、繋ぎ部127、129の幅などを考慮して 設計される。

(下部プレート)
 図29A及び図29Bに示すように、本実施の形態 は、下部プレート114は、展開構造として、 ング状の支持枠136と、支持枠136の内側に設 られた外周形状が略正三角形の回転部138と 支持枠136と回転部138とを連結する3本の連結 梁140と、支持枠136を回転プレート116に取り付 けるためのアーム部142と、を備えている。ま た、回転部138の表面側の中央部分には、正三 角形の回転部138の中心点を通る垂線を軸とす る、六角形状の凸部146が形成されている。

 支持枠136、回転部138、連結梁140、及びア ム部142の厚さは、同じでもよいが、異なっ いても良い。例えば、弾塑性変形を容易化 るためには、回転部138及び連結梁140を、支 枠136より薄く形成することが好ましい。ま 、下部プレート114を回転プレート116にしっ り取り付けるためには、アーム部142を、支 枠136と同じ厚さで形成することが好ましい 本実施の形態では、下部プレート114の裏側 面一に形成され、下部プレート114の表面側 は、回転部138及び連結梁140の高さが、支持 136及びアーム部142より低くなるように形成 れている。即ち、回転部138及び連結梁140が 支持枠136及びアーム部142より薄く形成され いる。

 支持枠136と連結梁140とは、各々、所定の に形成されている。本実施の形態では、支 枠136の枠幅は、上部プレート112のフランジ 126の枠幅と略同じ幅とされ、連結梁140の梁 は、上部プレート112の連結梁130の梁幅と略 じ幅とされている。

 正三角形の回転部138には3つの頂点がある 。下部プレート114では、3つの頂点は、下部 レート114の表側から見て、第1の頂点→第2の 頂点→第3の頂点の順序で右回りに設定され いる。第1の連結梁140は、3つの頂点のいずれ か1つを第1の頂点として、その一端が第1の頂 点に連結され、第1の頂点とこの第1の頂点に 接する第2の頂点とを結ぶ正三角形の一辺に 平行に延在している。第2の連結梁140は、そ 一端が第2の頂点に連結され、第2の頂点と第 3の頂点とを結ぶ一辺に平行に延在している 第3の連結梁140は、その一端が第3の頂点に連 結され、第3の頂点と第1の頂点とを結ぶ一辺 平行に延在している。

 本実施の形態では、円板状の弾塑性体に し、斧状の切り込み141が3箇所に形成されて いる。斧状の切り込み141の各々は、同じ形状 であり、回転部138の中心点に対して対称な位 置に配置されている。斧状の切り込み141が形 成されることで、連結梁140が支持枠136と繋が る3箇所の繋ぎ部143を残して、長尺状の3本の 結梁140が支持枠136から切り離されると共に 連結梁140が回転部138と繋がる3箇所の繋ぎ部 145を残して、正三角形の回転部138が連結梁140 から切り離される。

 換言すれば、各々の連結梁140の一端は支 枠136に繋ぎ部143で繋がっており、各々の連 梁140の他端は繋ぎ部145で回転部138に繋がっ いる。こうして、回転部138は3本の連結梁140 によりリング状の支持枠136に連結されている 。本実施の形態では、繋ぎ部43の幅は、上部 レート112の繋ぎ部127の幅と略同じ幅であり 繋ぎ部145の幅は、上部プレート112の繋ぎ部1 29の幅と略同じ幅である。

 本実施の形態では、3箇所の繋ぎ部145の各 々は、繋ぎ部145の移動を容易化するために、 その縁部の角が削られて丸く形成されている 。また、図32Bに示すように、各々の繋ぎ部145 の縁部の連結梁140に近い側には、V字状の切 欠き145Aを設けることが好ましい。V字状の切 り欠き145Aにより、回転部138を限界位置まで 動させたときに、繋ぎ部145が反らず、繋ぎ 145での連結梁140の折れ曲げが容易になる。

 上述した通り、正三角形の回転部138の3つ の頂点は、下部プレート114の表側から見て、 第1の頂点→第2の頂点→第3の頂点の順序で右 回りに設定されている。即ち、上部プレート 112と下部プレート114とが重ね合わされた状態 では、上部プレート112の連結梁130の延びる方 向(繋ぎ部129から繋ぎ部127に向う方向)は、下 プレート114の連結梁140の延びる方向(繋ぎ部 145から繋ぎ部143に向う方向)とは、逆向きで る。下部プレート114の支持枠136が固定され いれば、展開に伴い、回転部138は支持枠136 対し右回りに回転することになる。

 本実施の形態では、下部プレート114の支 枠136が、回転プレート116の回転に伴い左回 に回転する。回転プレート116は、上部プレ ト112の連結梁130と下部プレート114の連結梁1 40の両方に、圧縮荷重が作用する方向に回転 せる。下部プレート114の回転部138は、嵌合 構により、上部プレート112の回転部128と同 方向にしか回転できないように規制されて る。従って、下部プレート114の支持枠136が 回りに回転するに従い、連結梁140に圧縮荷 が作用して、回転が規制された回転部138が 持枠136から離れ、下部プレート114が展開す 。回転部138の移動により、上部プレート112 回転部128が押し上げられる。これにより、 部プレート112が、下部プレート114と共に展 する。

 なお、回転部138は連結梁140により支持枠1 36に連結されているので、回転部138が支持枠1 36から展開方向に離れるに従い、回転部138を き戻す方向、即ち、回転を止める方向(回転 部138を左回りに回転させる方向)に力が働く とになる。

 下部プレート114では、上部プレート112を ね合わせて展開した時に、回転部138と上部 レート112の連結梁130とが互いに干渉せず(即 ち、移動の邪魔にならず)、連結梁140と上部 レート112の回転部128や連結梁130とが互いに 渉しないように、回転部138及び連結梁140が 成されている。これらの干渉が生じると、 開構造体110の展開が阻害される。

 また、上部プレート112と同様に、下部プ ート114においても、連結梁140の長さができ だけ長くなるように、設計することが好ま い。連結梁140が長くなるほど、展開時のス ローク(回転部138が押圧方向へ移動する距離 )が大きくなる。本実施の形態では、回転部13 8を小さくすることで、連結梁140の長さが最 長くなるように設計されている

 また、本実施の形態では、円板状の弾塑 体に対し、扇状の切り込み147が3箇所に形成 されている。扇状の切り込み147の各々は、同 じ形状であり、回転部138の中心点に対して対 称な位置に配置されている。扇状の切り込み 147を形成することで、下部プレート114の支持 枠136には、3個のアーチ状のアーム部142が形 されている。回転プレート116の円板部148は 下部プレート114の支持枠136より小径である め、支持枠136の内側に迫り出すように、取 付け用のアーム部142が形成されている。こ らのアーム部142は、回転部138及び連結梁140 の干渉を生じないように、回転部138及び連 梁140の外側に配置されている。

 なお、切り込み141、切り込み147の形状は 連結梁130の長さ、フランジ部126の枠幅、連 梁130の梁幅、切り込み125の切込み幅、繋ぎ 127、129の幅、回転プレート116との位置関係 どを考慮して、適宜設計されている。

<展開構造体の展開動作>
 次に、上記の展開構造体110の展開動作につ て説明する。
 図30A及び図30Bは展開構造体の展開中の外観 示す斜視図である。図30Aは展開途中の展開 造体の様子を示す斜視図である。図30Bは限 位置まで展開させた展開構造体の様子を示 斜視図である。図31A及び図31Bは各展開部の 開挙動を説明するための平面図である。図3 1Aは上部プレート112の展開挙動を表側から見 平面図である。図31Bは下部プレート114の展 挙動を表側から見た平面図である。

 図31Bに示すように、衝突等が検知される 、モータ120(図示せず)の駆動により回転プ ート116が、矢印A方向(回転軸に対し左回り) 回転する。回転プレート116が回転すると、 転伝達ピン178により回転プレート116に取り けられた下部プレート114の支持枠136が、回 プレート116と共に矢印A方向に回転する。下 プレート114の回転部138は、その凸部146が上 プレート112の開口部132に嵌め込まれており 回転部138は上部プレート112の回転部128と同 方向にしか回転できないように規制されて る。

 図30Aに示すように、下部プレート114の支 枠136が左回りに回転するに従い、回転が規 された回転部138が支持枠136から離れるよう 移動し、下部プレート114が平面から立体に 開する。まず、下部プレート114では、回転 138の移動に伴い、弾塑性変形によって連結 140の両端部が撓み始める。特に、連結梁140 支持枠136に繋がる繋ぎ部143と、連結梁140が 転部138に繋がる繋ぎ部145とが、弾塑性変形 より湾曲する。

 また、回転部138の移動により、上部プレ ト112の回転部128が押し上げられる。これに り、上部プレート112も下部プレート114と共 、平面から立体に展開する。即ち、下部プ ート114が、回転プレートから伝達された回 力を、上部プレート112の回転部128を押し上 る上方向の力に変換して、上部プレート112 下部プレート114とが展開する。ここで回転 動が、直線運動に変換される。

 図31Aに示すように、回転部128は、フラン 部126から離れるように移動しながら、矢印B 方向(回転軸に対し左回り)に回転する。上部 レート112でも同様に、回転部128の移動に伴 、弾塑性変形によって連結梁130の両端部が み始める。特に、連結梁130がフランジ部126 繋がる繋ぎ部127と、連結梁130が回転部138に がる繋ぎ部129とが、弾塑性変形により湾曲 る。

 図30Bに示すように、下部プレート114では 回転部138の更なる移動に伴い、弾塑性変形 より連結梁140が更に撓む。特に、連結梁140 両端部で大幅に湾曲し、繋ぎ部145の近傍で れ曲がる。上部プレート112でも同様に、回 部128の更なる移動に伴い、弾塑性変形によ 連結梁130が更に撓む。連結梁130は両端部で 幅に湾曲し、繋ぎ部129の近傍で折れ曲がる

 電源を遮断する等してモータ120を停止す と、展開構造体110の展開が完了して、複数 梁が交差する立体交差構造111(展開構造)が 成される。この例では、3本の連結梁130と3本 の連結梁140の合計6本の梁を有する立体交差 造111が形成される。例えば、図30Bに示すよ に、回転部128及び回転部138を限界位置まで 動させて、展開構造体110の展開を完了させ 。又は、図30Aに示すように、回転部128及び 転部138を途中まで移動させて、展開構造体11 0の展開を完了させる。この場合には、回転 128及び回転部138の移動距離に応じて、立体 差構造111の衝撃吸収力を調節することがで る。

 モータ120の停止後も、モータ120の保持力 より、立体交差構造111が保持される。例え 、モータ120として超音波モータを用いた場 には、電源を遮断しても摩擦力により立体 差構造111が保持される。しかしながら、回 部128は連結梁130によりフランジ部126に連結 れ、回転部138は連結梁140により支持枠136に 結されているので、回転部128及び回転部138 各々の支持枠等から離れるに従い、回転部 引き戻す方向、即ち、回転プレート116を逆 転させる方向に力が働くことになる。

 従って、モータ120の保持力だけでは、展 構造を保持することが困難な場合もある。 のような場合には、回転プレート116の外周 とモータブラケット118との間に、ラチェッ 機構等、回転方向を一方向に制限する回転 止手段を設けてもよい。回転プレート116が 定角度まで回転した位置で、ラチェットを ックして展開構造体110の展開を完了し、展 構造を固定することができる。また、ラチ ット機構は、回転プレート116とモータ支持 168の上端部(又はフランジ部180)との間に、 けることもできる。

<衝撃吸収装置>
 次に、本発明の実施の形態に係る衝撃吸収 置の概略構成を説明する。衝撃吸収装置は 上記の展開構造体を含んで構成されている 図34A、図34B、図34Cは衝撃吸収の原理を説明 る概略図である。本実施の形態に係る衝撃 収装置では、衝突を検知したとき(衝突が不 可避と予測されたときを含む)に、上記の展 構造体110を展開させて、複数の梁を有する 体交差構造111を形成し、衝突エネルギーを 収する。

 図34Aは衝突が検知される前(展開前)の展 構造体110の状態を示す。展開前の展開構造 110では、上部プレート112とモータブラケッ 118との間には、キャビティが形成されてい 。下部プレート114は、その展開構造(回転部1 38と連結梁140)以外の部分が、回転プレート116 に取り付けられている。下部プレート114は、 上部プレート112が重ね合わされて、キャビテ ィ内に回転可能に収納されている。上部プレ ート112の回転部128と下部プレート114の回転部 138とは、共通の回転軸Rの周りに一緒に回転 るように嵌着されている。

 図34Bは衝突が検知された直後(展開時)の 開構造体110の状態を示す。衝突が検知され と、モータ120(図示せず)により回転プレート 116が回転軸Rの周りに回転する。下部プレー 114の支持枠136が、回転プレート116の回転に い回転する。上部プレート112の支持枠(フラ ジ部126)は固定配置されている。下部プレー ト114の回転部138は、上部プレート112の回転部 128と同じ方向にしか回転できないように規制 されている。下部プレート114の支持枠136が回 転することにより、上部プレート112の連結梁 130と下部プレート114の連結梁140の両方に圧縮 荷重が作用する。これにより、回転部138が支 持枠136から離れ、下部プレート114が展開する 。回転部138の移動により、上部プレート112の 回転部128が力FUPで押し上げられ、上部プレー ト112が下部プレート114と共に展開する。

 上述した通り、展開構造体110の展開に従 て、上部プレート112の連結梁130と下部プレ ト114の連結梁140とは、各々の両端部が弾塑 変形により撓む。即ち、上部プレート112の 結梁130は繋ぎ部127,129の近傍で湾曲し、下部 プレート114の連結梁140は繋ぎ部143、145の近傍 で湾曲する。また、展開限界では、上部プレ ート112の連結梁130は繋ぎ部129の近傍で折れ曲 がり、下部プレート114の連結梁140は繋ぎ部145 の近傍で折れ曲がる。これにより、連結梁130 と連結梁140からなる複数の梁が交差する立体 交差構造111が形成される。一旦、立体交差構 造111が形成されると、モータ120(図示せず)の 持力等により、立体交差構造111が維持され 。

 図34Cは衝突時の立体交差構造111の状態を す。立体交差構造111の上に重石Gを載せて、 立体交差構造111に荷重FDOWNをかける。これは 体交差構造111に衝突エネルギーを与えたの 同じ状態である。上部プレート112の連結梁1 30と下部プレート114の連結梁140とが、弾塑性 形して衝突エネルギーを吸収する。

 図示はしていないが、衝突エネルギーを 収する過程では、上部プレート112の連結梁1 30は、繋ぎ部127での湾曲が緩和され、中央部 が弾塑性変形により撓み始める。下部プレ ト114の連結梁140でも同様に、繋ぎ部143での 曲が緩和され、中央部分が弾塑性変形によ 撓み始める。下部プレート114の連結梁140が 上部プレート112の連結梁130よりも短い場合 は、下部プレート114は展開前の状態に戻ろ とする。このため、上部プレート112の連結 130が、更に弾塑性変形して、連結梁130の中 部分又は繋ぎ部129で折れ曲がる。

(衝撃吸収装置における展開構造体の配置例)
 図35は展開構造体110の配置例を示す平面図 ある。展開前の展開構造体110は、平面的な 状を有しているので、多数の展開構造体110 二次元状に配列して設置して、衝撃吸収構 170を形成することができる。上述した通り 展開構造体110においては、展開する上部プ ート112側が表側であり、モータ120側が裏側 ある(図25参照)。展開構造体110は、モータ120 設けられた裏側を、設置面に向けて設置さ る。展開構造体110は、図面では手前側に向 て展開する。

 本実施の形態では、展開構造体110は平面 が略円形であるため、1個の円の周囲に6個 円が並ぶ最密充填配列で、設置部位に配置 ることができる。なお、ここでは、展開構 体110を平面的に配置する例を示したが、用 に応じて、展開構造体110を並列に配置する ともできる。即ち、隣接する2個の展開構造 110の表側と裏側とが対向するように、複数 展開構造体110を配列することができる。

(車両の衝撃吸収装置の一例)
 図36は展開構造体110を車両に設置する場合 設置部位を例示する斜視図である。衝突物 の衝突に備えて、フードパネル190、フロン バンパ192、フロントサイドドア194、フロン フェンダーパネル196、フロントピラー198な に設置することができる。コンパクトで平 的な形状を有している展開構造体110は、フ ドパネル190を構成するアウタパネルとイン パネルとの隙間や、フロントバンパ192のバ パカバーとバンパフレームとの間、フード ネル190とフロントフェンダーパネル196との 間など、通常はクラッシュボックスを設置 きない狭く小さい部位にも設置することが きる。また、バック時の衝突に備えて、ラ ゲージドアやリアバンパに設置してもよい

 図37は本発明の実施の形態に係る衝撃吸 装置の構成を示すブロック図である。この 撃吸収装置は、車両に搭載されて使用され 。本実施の形態に係る衝撃吸収装置200には 複数の展開構造体110からなる衝撃吸収構造17 0と、衝突物の衝突位置を特定するための情 を取得する情報取得手段として設置された ンサ群202と、センサ群202から取得した情報 基づいて、衝撃吸収構造170の展開駆動部172 制御する制御部204と、が設けられている。

 複数の展開構造体110は、展開構造体110を 開させる展開駆動部172を各々備えている。 御部204は、複数の展開駆動部172を各々独立 制御する。なお、図面では、展開構造体110 展開駆動部172とを別々に図示しているが、 実施の形態では、展開構造体110を構成する 転プレート116及びモータ120が、展開駆動部1 72に相当する。

 展開駆動部172を備えた展開構造体110が平 状又は並列に配列されて、上述した衝撃吸 構造170が構成されている。衝撃吸収構造170 、上述した通り、フードパネル190、フロン バンパ192、フロントサイドドア194、フロン フェンダーパネル196、フロントピラー198な 、衝突が予想される車両の様々な部位に多 設置される。

 センサ群202としては、自車両の前方、側 及び後方を撮影するビデオカメラ202A、自車 両の前方、側方及び後方の熱画像を撮影する 赤外線カメラ202B、自車両の前方、側方及び 方の障害物(衝突物)を検出するレーダ202C、 車両への前方、側方及び後方からの衝突を 知する感圧センサ202Dが設けられている。レ ダ202Cは、レーザレーダでもよく、ミリ波レ ーダでもよい。ビデオカメラ202A、赤外線カ ラ202B、レーダ202C、及び感圧センサ202Dの各 で得られたデータは、制御部204に逐次入力 れる。

 制御部204には、衝突物が衝突する部位を 定する衝突部位推定手段206と、推定された 突部位において衝突物が衝突する範囲を推 する衝突範囲推定手段208と、が設けられて る。センサ群202から入力されたデータに基 いて、衝突が検知された場合又は衝突が不 避であると予測された場合に、推定された 突部位の推定された衝突範囲に設置された 撃吸収構造170の展開駆動部172を作動して、 突位置にある展開構造体110を展開させる。 開により複数の梁を有する立体交差構造111 形成され、立体交差構造111によって衝突エ ルギーを吸収する。

 図38は制御部204が行う作動ルーチンの一 を示すフローチャートである。まず、ステ プS20で、センサ群202から入力されたデータ 基づいて、衝突の危険性を検知する。例え 、レーダ202Cで得られたデータなどから、衝 物の接近の有無や衝突物の接近方向を検知 ることができる。衝突物の接近方向が分か ば、前面衝突か側面衝突かも判断すること でき、衝突物が衝突する部位を推定するこ ができる。次のステップS22で、センサ群202 ら入力されたデータに基づいて、衝突物の 状・重量・速度を予測する。衝突物の形状 重量・速度が分かれば、衝突物が衝突する 位だけでなく、衝突部位における具体的な 突の範囲を推定することができる。

 次に、ステップS24で、予測された衝突物 形状・重量・速度から、衝突を回避できる 否かを判断する。衝突は回避できると判断( 肯定判断)した場合には、そこでルーチンを 了する。一方、衝突は回避できないと判断( 定判断)した場合には、衝撃吸収構造170の展 開構造体110を展開させるために、展開駆動部 172に駆動信号を出力して、ルーチンを終了す る。このように、必要な部位の展開構造体110 を展開させるなど、衝突物の特性に応じて制 御動作を行うことができる。

 以上説明したように、本実施の形態の展 構造体は、小型モータで一部の部材を回転 動するという簡単な動作で、平面から立体 展開し、複数の梁を備えた立体交差構造を 成することができる。

 また、本実施の形態の展開構造体は、展 前はコンパクトで平面的な形状を有してい ので、クラッシュボックス等を設置できな 狭く小さい部位にも設置することができる また、本実施の形態の展開構造体は、平面 が略円形であるため、細密配列することが きる。

 また、本実施の形態の展開構造体は、展 後は複数の梁を備えた立体交差構造を形成 るので、表面側から衝突による衝撃が加わ と、複数の梁の各々が弾塑性変形して、衝 エネルギーを吸収することができる。特に 立体交差構造であるため、真正面からの衝 だけではなく、斜め方向からの衝突におい も、有効に衝突エネルギーを吸収すること できる。更に、用途に応じて立体交差構造 の梁の配置や本数を変えることで、衝突エ ルギー吸収量を調整することができる。即 、任意の剛性を持たせることが可能である

 また、本実施の形態の衝撃吸収装置は、 開構造体を含む衝撃吸収構造が、車両など 被衝突物に多数配置され、個別に駆動制御 れているので、衝突位置に配置された展開 造体を展開させて、衝突による衝撃を吸収 ることができる。即ち、必要な部位の展開 造体を展開させるなど、衝突物の特性に応 て制御動作を行うことができる。

 また、センサ群から入力されたデータに づいて、衝突物の有無を判断し、衝突物の 状・重量・速度などを計測して、衝突物が 突する部位だけでなく、衝突部位における 体的な衝突の範囲を推定することで、衝突 回避できない場合には、推定された衝突位 に配置された展開構造体を展開させて、衝 による衝撃を吸収することができる。

<変形例>
 以下、上記の実施の形態の変形例について 明する。

(産業上の利用分野)
 上記の実施の形態では、フロントバンパ等 車両のボディに展開構造体を設置して衝撃 収装置として使用する例について説明した 、コンパクトで平面的な形状を有している 開構造体は、狭く小さい部位にも設置する とができる。MEMS(Micro Electro Mechanical Systems )デバイスとしての利用も可能である。即ち 微細空間における衝突緩衝構造やアクチュ ータとしての役割も果たすことができる。 た、航空機やヘリコプター等の軽量化が要 される飛行機の底面部に展開構造体を設置 て、不時着時の衝撃吸収装置として使用す ことも可能である。更に、展開構造を工夫 ることで、宇宙空間で使用する展開構造体( ンテナや太陽電池パネル等)への応用も考え られる。

(展開構造体の変形例)
 上記の実施の形態では、平面視が略円形の 開構造体(展開構造体110)を用い、立体交差 造(立体交差構造111)では3本の連結梁で正三 形の回転部を支持する構造例について説明 たが、展開構造体の構造は、上記実施の形 の構造に限定される訳ではない。用途に応 て好適な形状を選択することができる。立 交差構造中の連結梁の配置や本数を変える とで、衝突エネルギー吸収量を調整するこ ができる。また、展開構造体を構成する第1 開部材と第2展開部材との間で、回転部の形 状、嵌合構造、連結梁の形状・配置・本数が 異なっていてもよい。

 例えば、3本の連結梁で回転部を支持する 構造は、遊びになる梁がないので、安定感が あり最も好ましいが、回転部を支持する連結 梁の本数は3本には限られない。2本でもよく 4本以上でもよい。連結梁の本数が増加する と、弾塑性変形による衝突エネルギー吸収量 が増加する。連結梁を長くすると、弾塑性変 形による衝突エネルギー吸収量が増加する。 連結梁の幅を広くすると、弾塑性変形による 衝突エネルギー吸収量が増加する。

 また、連結梁の幅は一定である必要はな 、1本の連結梁の長手方向において、梁幅が 変化していてもよい。更に、連結梁の断面形 状は矩形状である必要はなく、断面の長手方 向において厚さが変化していてもよい。

 また、回転部の形状は、回転軸の周りに 転可能な形状であればよく、正三角形には られない。回転部の平面視形状は、円(真円 、楕円など)や、三角形以外の多角形(四角形 五角形、六角形、八角形など)とすることも できる。

 同様に、第1展開部材と第2展開部材との の嵌合構造(回転抵抗部材)は、第1展開部材( 部プレート112)に設けた内周形状が六角形の 開口部と、第2展開部材(下部プレート114)に設 けた外周形状が六角形の凸部と、を嵌め合わ せるものには限定されない。互いに嵌合する 構造であれば他の形状でもよく、凹部と凸部 の組合せでもよい。また、第1展開部材側に 部を設け、第2展開部材側に凹部又は開口部 設けることもできる。

(展開部材の変形例)
 上記の実施の形態では、第1の展開部材(上 プレート112)及び第2の展開部材(下部プレー 114)として、図31A及び図31B等に示す展開部材 用いる例について説明したが、第1の展開部 材及び第2の展開部材の構造はこれには限定 れない。種々の変形例が可能である。

 図33に第2の展開部材の変形例の一例を示 。この例では、図33に示すように、第2の展 部材(下部プレート114B)では、アーム部を設 ずに、支持枠136を回転プレート116Bに取り付 けている。アーム部を省略することで、下部 プレート114Bを簡単な構造とすることができ 下部プレート114Bにおいて「連結梁」や「回 部」の配置(レイアウト)の自由度が増加す 。

 支持枠136には、複数の貫通孔144Bが設けら れている。回転プレート116Bは、下部プレー 114Bの支持枠136の外径と略同径の円板部148Bを 備えている。円板部148Bの外周付近には、下 プレート114Bの支持枠136に設けられた複数の 通孔144Bに対応する位置に、複数の貫通孔158 Bが設けられている。

 下部プレート114Bが回転プレート116Bに重 られ、段部を有する回転伝達ピン178が、貫 孔158B及び貫通孔144Bを挿通するように、円板 部148Bの裏面側から差し込まれている。下部 レート114Bは、回転伝達ピン178により回転プ ート116Bにピン留めされ、回転プレート116B 共に回転可能とされている。