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Title:
EXTRACTANT FOR RARE METAL OR PLATINUM-GROUP METAL AND METHOD OF EXTRACTING RARE METAL OR PLATINUM-GROUP METAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/139638
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide an extractant for rare metals or platinum-group metals which has a completely new structure unlike conventional extractants for rare metals or platinum-group metals and has excellent extraction performance; and a method of extracting a rare metal/platinum-group metal with the extractant. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] The extractant for rare metals or platinum-group metals is a solution obtained by dissolving a cyclic phenol sulfide represented by the general formula (1) in Chemical formula (1). A solution containing some of rare metals or platinum-group metals dissolved therein is brought into contact with the sulfide solution. The rare metals or platinum-group metals migrate to the cyclic phenol sulfide solution. Thus, the rare metals or platinum-group metals are extracted.

Inventors:
KONDO YOSHIHIKO (JP)
SHIBAYAMA ATSUSHI (JP)
HAMADA FUMIO (JP)
YAMADA MANABU (JP)
AKAMA MITSUHIRO (JP)
IMAI TAKANORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/061464
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
June 06, 2007
Export Citation:
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Assignee:
NAT UNIVERSITY CORP AKITA UNIV (JP)
KONDO YOSHIHIKO (JP)
SHIBAYAMA ATSUSHI (JP)
HAMADA FUMIO (JP)
YAMADA MANABU (JP)
AKAMA MITSUHIRO (JP)
IMAI TAKANORI (JP)
International Classes:
C09K3/00; B01D11/04
Foreign References:
JPH11179104A1999-07-06
JP2000107505A2000-04-18
JP2002069261A2002-03-08
Other References:
KYRS M. ET AL.: "Synergistic solvent extraction of Eu, Sr and Cs into chlorobenzene solutions of the three conformers of tetrathiocalixarene and dicarbolide", JOURNAL OF RADIOANALYTICAL AND NUCLEAR CHEMISTRY, vol. 258, no. 3, 2003, pages 497 - 509, XP003024627
KATSU T. ET AL.: "Ethylammonium-selective membrane electrode using p-ter-butylcalix[6]arene derivatives", ANALYTICAL SCIENCE, vol. 18, no. 4, 2002, pages 473 - 476, XP003024628
Attorney, Agent or Firm:
KUMAGAI, Shigeru (21, JP)
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Claims:
一般式(1)
 (式中、Xはカルボン酸基であり、Yは炭化水素基であり、Zはスルフィド基、スルフィニル基、またはスルホニル基であり、nは6である。)で表される環状フェノール硫化物を含有するレアメタル、白金族系金属抽出剤。
 請求項1に記載されたレアメタル、白金族系金属抽出剤によりレアメタル、白金族系金属を選択的に抽出することを特徴とするレアメタル、白金族系金属抽出方法。
Description:
レアメタル、白金族系金属抽出 及びレアメタル、白金族系金属抽出方法

 本発明は、工場からの不良品、廃棄物、 水等からレアメタルなど有用金属を回収す 新規なレアメタル、白金族系金属抽出剤及 レアメタル、白金族系金属抽出方法に関す 。

 日本では、レアメタル及び白金系金属、 えばコバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ロジウ (Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリ ウム(Ir)、白金(Pt)、チタン(Ti)、バナジウム(V )、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)イット ウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、銀(Ag )、カドミニウム(Cd)、ランタン(La)、セリウム (Ce)、ネオジウム(Nd)、ユーロピウム(Eu)、テル ビウム(Tb)、金(Au)、水銀(Hg)、ウラン(U)などは 、触媒をはじめとして、水素貯蔵合金、電池 、磁石など用途は多岐に渡っている。これら 金属のほとんどは輸入に頼っており、資源の 安定的な供給、環境保護の観点から、これら レアメタル及び白金系金属のリサイクルが重 要な課題となっている。

 現在、工場からの不良品、廃棄物、廃水等 ら効率的なレアメタルなど有用金属の回収 法として、廃棄されたものを酸処理などの 水溶液とし、そこからレアメタルなどを抽 する溶媒抽出法がある。その溶媒抽出の抽 剤として様々な抽出剤が販売され、利用さ ている。しかし、この処理のときに産出さ る水溶液は様々なpH・濃度条件であり、ま 、様々な金属種類が混在している。このよ な条件の水溶液から選択的に金属を抽出す ことは、現状では多段階的且つ様々な抽出 を複合して使用するなど、多くの時間や多 なコストが必要である。

特開平11-179104号公報

特開平11-199581号公報

特開2000-107505号公報

特開2000-178271号公報

特開2001-149884号公報 Chem. Lett., 6, 2001.  Talanta 62, 337, 2004

 本発明が解決しようとする課題は、従来 レアメタル、白金系金属抽出剤にない全く しい構造を有し、優れた抽出性能を有する アメタル、白金系金属抽出剤及びそれを用 たレアメタル、白金系金属抽出方法を提供 ることにある。

 本発明者らは、先に基本骨格にフェノー 骨格を4以上有する、環状フェノール硫化物 の様々な誘導体を合成し、その金属イオンに 関するセンシング能力、及び金属分離回収剤 として有用であることを見出した(特開平11― 199581号公報、特開2000―178271号公報)。 本発 者は前記環状フェノール硫化物群が様々な アメタル、白金系金属を含有する溶液から 択的な金属の抽出が行えるものと考え、鋭 検討を重ねた結果、前記環状フェノール硫 物が様々な金属種を含有している溶液から 択的に特定の金属種を抽出することを見出 、本発明を完成するに至った。また、本発 は上記のレアメタル、白金系金属抽出剤に りレアメタル、白金系金属を選択的に抽出 ることを特徴とするレアメタル、白金系金 抽出方法を提供するものである。

 本発明におけるレアメタル、白金系金属抽 剤は、工場からの不良品、廃棄物、廃水等 ら、多段階的且つ様々な抽出剤を複合して 用することなく、選択的にレアメタルなど 有用金属を回収することができる。
 本発明におけるレアメタル、白金系金属抽 剤は、効率良く、工場等からの廃液中に含 れているレアメタルや白金族系金属を効率 く抽出することができ、尚且つ土壌や海水 からのレアメタルなどの有用な金属の回収 利用できる。

 本発明におけるレアメタル、白金系金属 出剤は、化1の一般式(1)

の環状フェノール硫化物を溶解させた溶液に 数種のレアメタル、白金系金属が溶解した溶 液を接触させることにより、レアメタル、白 金系金属が環状フェノール硫化物溶液に移行 し、レアメタル、白金系金属が抽出される。
 環状フェノール硫化物溶液に使用する溶媒 レアメタル、白金系金属溶液に使用する溶 は、お互い溶けにくい溶媒が使用される。 れらの溶媒の好適な組合せとしては、環状 ェノール硫化物溶液の溶媒が非水溶性の溶 であり、レアメタル、白金系金属溶液の溶 が水である組合せである。
 この組合せによると、環状フェノール硫化 を非水溶性の溶媒に溶解させた溶液を、レ メタル、白金系金属が溶解した水溶液に接 させ、水溶液中のレアメタル、白金系金属 抽出することができる。
 溶媒に対する化1の一般式(1)で表される環状 フェノール硫化物の濃度は前記環状フェノー ル硫化物それぞれの溶解度によって上限が限 定される以外は特に制限は無い。

 被抽出溶媒に溶解しているレアメタル、白 系金属の濃度は特に制限無く、通常は1000ppm が望ましい。
 レアメタル、白金系金属水溶液のpHは特に 限は無いが、好ましくはpHが1~11である。
 抽出温度は使用する溶媒の沸点以下であれ 特に制限は無い。通常室温付近で行えばよ 。
 抽出操作は前記環状フェノール硫化物を溶 させた溶液とレアメタル、白金系金属が溶 した溶液を振とう、攪拌などにより互いに 触させることにより行われる。
 振とう、攪拌の条件は特に制限は無いが、 とうは通常毎分60~200回程度行えばよい。

 次に、本発明を実施例により、さらに詳 に説明する。但し、本発明はこれらの例に って何ら限定されるものでない。

 (製造例1)
 1000mL三口フラスコにp-tert-butylphenol300g(2.0mol) ジフェニルエーテル64.0ml、エチレングリコ ル56.0mL(1.0mol)を入れ、窒素下加熱攪拌し、60 ℃に達したら、酸化カルシウム28.0g(0.5mol)を 入し、約20分で120℃まで昇温させ2時間反応 せた。
 反応後、エチレングリコール、生成した水 減圧溜去し、その時に同時に溜去してしま たジフェニルエーテルを追加後、窒素下加 攪拌し、100℃に達したら硫黄95.9g(3.0 mol)を 量加え、230℃まで昇温させて3時間反応させ た。
 反応終了後、放冷し温度が110℃に達したら ルエン250mLを徐々に加えて、反応液の粘性 下げていき、4Nの硫酸500mL中に反応液を注ぎ エンチした。
 析出した硫酸カルシウムを濾過し、濾液を 和硫酸ナトリウム水溶液にて洗浄後、濃縮 、80℃に加温しておく。
 別に準備しておいた酢酸1Lを80℃に加温して おき、そこに濃縮した反応液を注ぎ、約1時 80℃で攪拌後、室温で一晩放置した。
 析出した沈殿を蒸留水にて洗浄後、未洗浄 酢酸を除くため、大量のクロロホルムに溶 させ、硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した。
 その後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥さ 、濃縮し、一晩減圧乾燥させ、化2の環状フ ェノール硫化物中間体オリゴマ-を得た。

 (製造例2)
 製造例1で得られた環状フェノール硫化物中 間体オリゴマ- 30 g、ジフェニルエーテル64.0 mL、水酸化ナトリウム3.99g、酢酸1.62gをこの順 に500mLの三口フラスコに入れ窒素下加熱攪拌 、100℃で硫黄2.14gを全量加え約1時間で230℃ で昇温させ、4時間反応させた。
 反応終了後、放冷し2Nの硫酸(100mL)を反応液 注ぎクエンチし、n-へプタン(100mL)を加え約1 0分間攪拌した。
 その後、無水硫酸ナトリウム水溶液で硫酸 洗浄し水層と有機層に分け、有機層内のジ ェニルエーテルを減圧溜去し、アセトンを えて沈殿を析出させた。
 析出した沈殿を濾取し減圧乾燥後、化3の環 状フェノール硫化物の粗結晶を得た。粗結晶 をクロロホルムに溶解させて再結晶化により 生成を行う。

 (製造例3)
 製造例2得られた化合物 1077.13mg,(1mmol)、炭 セシウム2935.71mg,(9mmol)を500mLの2口フラスコに 入れ、窒素雰囲気にし、アセトン(100mL)を加 攪拌する。
 その後、ブロモ酢酸エチル1335μL,(12mmol)を加 え加熱撹拌し、リフラックスで3時間反応さ る。
 反応終了後、濃縮しアセトンを留去する。
 その後、未反応のブロモ酢酸エチルを除く めに、60℃で数時間減圧乾燥させる。
 その後、クロロホルム(約100mL)に溶解させ、 副生成物の塩を除くために、硫酸ナトリウム 水溶液にて3回洗浄する。
 得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥さ 濃縮し、減圧下で十分乾燥させ粗生成物を る。得られた粗生成物をエタノールからの 結晶により精製を行い、化4の目的物を得た 。

 (製造例4)
 製造例1得られた化合物1081.93mg,(1mmol)、炭酸 リウム1246.38mg,(9mmol)を500mLの2口フラスコに れ、窒素雰囲気下で攪拌し、アセトン(100mL) 加える。
 その後、ブロモ酢酸メチル1245μL,(12mmol)を加 え加熱撹拌し、還流状態で24時間反応させる
 反応終了後、濃縮しアセトンを留去する。 の後、未反応のブロモ酢酸メチルを除くた に、60℃で数時間減圧乾燥させる。
 その後、クロロホルム(約100mL)に溶解させ、 副生成物の塩を除くために、硫酸ナトリウム 水溶液にて3回洗浄する。得られた有機層を 酸ナトリウムで乾燥させ濃縮し、減圧下で 分乾燥させ粗生成物を得る。
 得られた組成生物をエタノールからの再結 により精製を行い、化5の目的物を得た。

 (製造例5)
 製造例3で得られた化合物(1.00g,0.63mmol)、水 化ナトリウム(1.10g,27.5mmol)、エタノールと水 混合溶媒(250mL,3:2)を2口フラスコに入れ、24 間加熱還流した。
 反応終了後、放熱し氷浴下で反応溶液がpH=1 となるように4N-H 2 SO 4 (100mL)を注ぎ入れ、クエンチした。
 その後、析出した沈殿物を吸引ろ過により 取した。続いて同時に析出した硫酸ナトリ ムを除くために、アセトンに溶解させ再び 過し精製を行う。

 製造例3、4、5で得られた環状フェノール硫 物誘導体によるレアメタル、白金族系金属 出実験を行った。
 抽出実験は上記環状フェノール硫化物をそ ぞれクロロホルムに溶解させ2.92mMとした有 相50mLとレアメタル、白金族系金属として自 動車触媒製造時により回収された白金族金属 を塩酸、過酸化水素水の混合溶液に浸出させ たPGM(Platinum-Group Metals)溶液( Rh 264.3 ppm, Pd  737.8 ppm, Pt 434.1 ppm, Zr 198.2 ppm, Ce >3840. 5 ppm, Ba 2118.2 ppm, Al 2272.5 ppm, La 666.9 ppm,  Y 36.3 ppm )を準備し、それを蒸留水にて50 に希釈したPGM溶液(pH:0.8)50 mLを準備した。
 準備した有機相と金属水溶液を200 mLの分液 ロートに入れ、30分間浸透攪拌した。
 その後、水層中の金属濃度をICP発光分析装 により分析し、その得られた結果をもとに 出率( E% )を下記数1の式にて求めた。

 環状フェノール硫化物誘導体と水溶液中の 属濃度はモル濃度比1:1とした。
 ただし、C 0 : 抽出前の水層中の金属濃度(ppm)、C : 抽出 の水層中の金属濃度(ppm)抽出結果を図1に示 。

 この結果から、蒸留水にて50倍に希釈し 場合では、製造例5で得られたカルボン酸付 化合物は製造例3、4のエステル体付加化合 と比較してPd(74%)、Zr(90%)に対して選択的に高 い抽出能力を示した。カルボン酸付加化合物 ではPd、Zr以外の金属種についてはほとんど 出されなかった。

 製造例3で示したエチルエステル付加化合物 は特にPd(24%)、Zr(44%)に対して選択的に高い抽 能力を示した。
 製造例5で示したメチルエステル付加化合物 は特にPd(31%)、Zr(55%)に対して選択的に高い抽 能力を示した。

 製造例3、4、5で得られた環状フェノール硫 物誘導体によるレアメタル、白金族系金属 出実験を行った。
 抽出実験は前記環状フェノール硫化物をそ ぞれクロロホルムに溶解させ2.92mMとした有 相50mLとレアメタル、白金族系金属として自 動車触媒製造時により回収された白金族金属 を塩酸、過酸化水素水の混合溶液に浸出させ たPGM (Platinum-Group Metals)溶液( Rh 264.3 ppm, Pd  737.8 ppm, Pt 434.1 ppm, Zr 198.2 ppm, Ce >384 0.5 ppm, Ba 2118.2 ppm, Al 2272.5 ppm, La 666.9 pp m, Y 36.3 ppm )を準備し、それを塩酸にて50倍 に希釈したPGM溶液 50 mLを準備した。
 準備した有機相と金属水溶液を200 mLの分液 ロートに入れ、30分間浸透攪拌した。
 その後、水層中の金属濃度をICP発光分析装 により分析し、その得られた結果をもとに 出率( E% )を下記数2の式にて求めた。

 環状フェノール硫化物誘導体と水溶液中の 属濃度はモル濃度比1:1とした。
 ただし、C 0   : 抽出前の水層中の金属濃度(ppm)、C : 抽出後 水層中の金属濃度(ppm)抽出結果を図2に示す

 この結果より、塩酸にて50倍に希釈した 合(pH:―1.0)では、製造例5で得られたカルボ 酸付加化合物は全ての金属種においてほと ど抽出されなかった。

 製造例3、4、5で得られた環状フェノール硫 物誘導体によるレアメタル、白金族系金属 出実験を行った。
 抽出実験は上記環状フェノール硫化物をそ ぞれクロロホルムに溶解させ2.92mMとした有 相50mLとレアメタル、白金族系金属として各 種金属( Rh, Pd, Pt, Zr, Ce, Ba, Al, La, Y)標準 溶液(100ppm)を塩酸にて10倍に希釈した溶液50 m Lを準備した。
 準備した有機相と金属水溶液を200 mLの分液 ロートに入れ、30分間浸透攪拌した。
 その後、水層中の金属濃度をICP発光分析装 により分析し、その得られた結果をもとに 出率( E% )を下記数3の式にて求めた。

 環状フェノール硫化物誘導体と水溶液中の 属濃度はモル濃度比1:1とした。
 ただし、C 0   : 抽出前の水層中の金属濃度(ppm)、C : 抽出後 水層中の金属濃度(ppm)抽出結果を図3に示す

 この結果より、塩酸にて10倍に希釈した 合では、製造例5で得られたカルボン酸付加 合物はBaに対して50%の抽出能力を示した。 の他の金属種に関してはほとんど抽出能力 認められなかった。

 本発明の金属抽出剤は効率良く、工場等 らの廃液中に含まれているレアメタルや白 族系金属を効率良く抽出することができ、 且つ土壌や海水中からのレアメタルなどの 用な金属の回収に利用できる。

実施例2の抽出率(E%)を示すグラフ図で る。 実施例3の抽出率(E%)を示すグラフ図で る。 実施例4の抽出率(E%)を示すグラフ図で る。