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Title:
FABRIC, FILM MATERIAL FOR TENTS AND METHOD OF PRODUCING RECYCLED PAPER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116648
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are a fabric which can be easily reused and has a high strength, a film material for tents, and a method of producing a recycled paper. A fabric (1) comprises a base fabric (11) consisting of a woven fabric in which at least either warp or woof contains kenaf fiber. When the woven fabric constituting the base fabric (11) is measured at a temperature of 20oC under a relative humidity of 65%, the kenaf fiber content of the total woven fabric is 15% by weight or more but not more than 55% by weight based on the total woven fabric, the kenaf fiber content of the warp is not more than 55% by weight based on the total warp and the kenaf fiber content of the woof is not more than 55% by weight based on the total woof. The fabric (1) comprising the base fabric (11) as described above is suitable as a film material for tents.

Inventors:
SAITO, Takamichi (421 Keyakidai, Eiheiji-cho Yoshida-gu, Fukui 23, 91012, JP)
齊藤 隆通 (〒23 福井県吉田郡永平寺町けやき台421番地 Fukui, 91012, JP)
Application Number:
JP2009/055530
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 19, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TAIYO KOGYO CORPORATION (4-8-4, Kikawahigashi Yodogawa-ku, Osaka-sh, Osaka 12, 53200, JP)
太陽工業株式会社 (〒12 大阪府大阪市淀川区木川東4丁目8番4号 Osaka, 53200, JP)
SAITO, Takamichi (421 Keyakidai, Eiheiji-cho Yoshida-gu, Fukui 23, 91012, JP)
International Classes:
D03D15/00; B32B5/02; E04H15/32; D21H11/14
Attorney, Agent or Firm:
SAIKYO, Keiichiro (Shikishima Building, 2-6 Bingomachi 3-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 51, 54100, JP)
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Claims:
 経糸および緯糸の少なくとも一方がケナフ繊維を含む織物であって、温度20℃、相対湿度65%で測定したときの織物全量中のケナフ繊維の割合が織物全量の15重量%以上55重量%以下であり、経糸中のケナフ繊維の割合が経糸全量の55重量%以下であり、緯糸中のケナフ繊維の割合が緯糸全量の55重量%以下である織物から成る基布を含むことを特徴とする布帛。
 基布の厚み方向一表面部に積層され、難燃剤を含有する難燃剤層を含むことを特徴とする請求項1に記載の布帛。
 難燃剤層と基布との間に介在し、難燃剤層と基布とを接着する接着層を含むことを特徴とする請求項2に記載の布帛。
 経糸および緯糸の少なくとも一方は、フィラメント糸を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の布帛。
 経糸および緯糸の少なくとも一方は、ポリエステル繊維を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の布帛。
 請求項1~5のいずれか1つに記載の布帛から成ることを特徴とするテント用膜材。
 複数の膜部材が接合されて成るテント用膜材であって、
 前記膜部材は、請求項1~5のいずれか1つに記載の布帛から成ることを特徴とするテント用膜材。
 請求項6または7に記載のテント用膜材を小片化し、
 小片化したテント用膜材を水とともに撹拌することによってパルプを生成し、
 生成したパルプを水中に拡散させて、抄紙して乾燥させることを特徴とする再生紙製造方法。
Description:
布帛、テント用膜材および再生 製造方法

 本発明は、たとえばドーム型野球場の屋 のようなテントに用いられる布帛、テント 膜材および再生紙製造方法に関する。

 ドーム型野球場の屋根のようなテントには 各種合成繊維糸から成る基布に樹脂を被覆 た布帛が用いられる(たとえば、特開2003-1476 85号公報および特開2003-171847号公報参照)。合 繊維糸から成る基布を含む布帛は、再利用 ることが困難であるので、劣化して使用で ない状態になると、産業廃棄物として廃棄 れる。
 省資源化および環境保護に資する観点から 使用後に再利用可能な布帛が求められる。 のような布帛として、ケナフ繊維を含む繊 糸の織物から成るテント生地がある(たとえ ば、特表2002-31243号公報参照)。
 テントに用いられる布帛には、再利用可能 だけでなく、高い強度を有することが求め れる。特表2002-31243号公報に開示のケナフ繊 維を含む繊維糸は、合成繊維を含む繊維糸に 比べて強度が低いので、ケナフ繊維を含む繊 維糸を用いると、合成繊維を含む繊維糸を用 いる場合に比べて、布帛としての強度が低下 する場合がある。特表2002-31243号公報に開示 テント生地には、強度の観点から、改良の 地がある。

 本発明の目的は、容易に再利用することが 能であるとともに、高い強度を有する布帛 テント用膜材および再生紙製造方法を提供 ることである。
 本発明は、経糸および緯糸の少なくとも一 がケナフ繊維を含む織物であって、温度20 、相対湿度65%で測定したときの織物全量中 ケナフ繊維の割合が織物全量の15重量%以上55 重量%以下であり、経糸中のケナフ繊維の割 が経糸全量の55重量%以下であり、緯糸中の ナフ繊維の割合が緯糸全量の55重量%以下で る織物から成る基布を含むことを特徴とす 布帛である。
 また本発明は、基布の厚み方向一表面部に 層され、難燃剤を含有する難燃剤層を含む とを特徴とする。
 また本発明は、難燃剤層と基布との間に介 し、難燃剤層と基布とを接着する接着層を むことを特徴とする。
 また本発明は、経糸および緯糸の少なくと 一方は、フィラメント糸を含むことを特徴 する。
 また本発明は、経糸および緯糸の少なくと 一方は、ポリエステル繊維を含むことを特 とする。
 また本発明は、前記本発明の布帛から成る とを特徴とするテント用膜材である。
 また本発明は、複数の膜部材が接合されて るテント用膜材であって、
 前記膜部材は、前記本発明の布帛から成る とを特徴とするテント用膜材である。
 また本発明は、前記本発明のテント用膜材 小片化し、
 小片化したテント用膜材を水とともに撹拌 ることによってパルプを生成し、
 生成したパルプを水中に拡散させて、抄紙 て乾燥させることを特徴とする再生紙製造 法である。

 本発明の目的、特色、および利点は、下記 詳細な説明と図面とからより明確になるで ろう。
本発明の実施の第1形態の布帛1を示す 面図である。 基布11の構成を示す平面図である。 経糸21を含む仮想平面における断面図 ある。 ケナフ糸23を含む仮想平面における断 図である。 非ケナフ糸24を含む仮想平面における 面図である。 テント用膜材の一例であるテント用膜 50を示す平面図である。 図6に示す切断面線S7-S7から見た断面図 ある。 試験片60に対する接合部引張強さ試験 様子を示す図である。 試験片60に対する接合部引張強さ試験 様子を示す図である。

 以下図面を参考にして本発明の好適な実施 態を詳細に説明する。
 図1は、本発明の実施の第1形態の布帛1を示 断面図である。布帛1は、基布11と、パッド 17と、プライマ層12,13と、コート層14,15と、 汚層16とを含む。布帛1は、複数、本実施形 では2つのプライマ層、すなわち表側プライ マ層12,13を含む。布帛1は、複数、本実施形態 では2つのコート層、すなわち表側コート層14 および裏側コート層15を含む。本実施形態で 、布帛1は、厚み方向一方Z1側が表側であり 厚み方向他方Z2側が裏側である。パッド層17 およびコート層14,15は、難燃剤層に相当する
 図2は基布11の構成を示す平面図であり、図3 は基布11にパッド層17が形成された状態にお る厚み方向Zおよび経方向Yに平行な仮想平面 における断面図であり、図4および図5は基布1 1にパッド層17が形成された状態における厚み 方向Zおよび緯方向Xに平行な仮想平面におけ 断面図である。図3は、経糸21を含む仮想平 における断面図であり、図2に示す切断面線 S3-S3から見た断面図に相当する。図4は、ケナ フ糸23を含む仮想平面における断面図であり 図2に示す切断面線S4-S4から見た断面図に相 する。図5は、非ケナフ糸24を含む仮想平面 おける断面図であり、図2に示す切断面線S5- S5から見た断面図に相当する。
 基布11は、織物から成り、経糸21と緯糸22と 一定の規則に従って交錯させて織られる。 布11は、本実施形態では平織、より詳細に 、経畦織の織物から成り、経糸21と緯糸22と 一定の本数毎に交錯する組織を有する。複 の緯糸22が、経糸21の延在方向Yに配列され 複数の経糸21が、緯糸22の延在方向Xに配列さ れる。以下、基布における経糸の延在方向Y 「布帛の経方向Y」といい、緯糸の延在方向X を「布帛の緯方向X」という。経糸21の全重量 と緯糸22の全重量との比は、特に制限される のではなく、たとえば4:6(経糸21:緯糸22)であ る。
 基布11を構成する織物は、経糸21および緯糸 22の少なくとも一方がケナフ繊維を含む。つ り、基布11を構成する織物は、経糸21および 緯糸22の少なくとも一方が、ケナフ繊維を含 ケナフ糸23を含む。図3~図4では、ケナフ糸23 を、右下がりの斜線を含むハッチングを付し て示す。「ケナフ繊維」とは、アオイ科植物 であるケナフから得られる繊維質のことであ る。本実施形態では、ケナフ繊維として、ケ ナフから得られる靭皮繊維を用いる。ケナフ 繊維としては、原産地を問わず、各種のもの を使用することができる。
 基布11を構成する織物において、織物全量 のケナフ繊維の割合は、織物全量の15重量% 上55重量%以下である。ケナフ繊維は、本実 形態では緯糸22のみに含まれ、経糸21には含 れない。ケナフ繊維は、緯糸22の全重量に して、55重量%以下の割合で、緯糸22に含まれ る。すなわち緯糸22中のケナフ繊維の割合は 緯糸22全量の55重量%以下である。本発明の の実施形態では、ケナフ繊維は、経糸21およ び緯糸22の両方に含まれてもよく、経糸21の に含まれてもよい。ケナフ繊維が経糸21に含 まれる場合、経糸21中のケナフ繊維の割合は 経糸21全量の55重量%以下に選ばれる。
 「ケナフ繊維の割合」は、温度20℃、相対 度65%で測定したときの値である。経糸21およ び緯糸22におけるケナフ繊維の割合は、基布1 1を経糸21と緯糸22とに分けて、経糸21および 糸22をそれぞれ繊維毎にばらばらにして、経 糸21および緯糸22について、それぞれ糸の全 量とケナフ繊維の重量とを測定した値から められる。また織物全量中のケナフ繊維の 合は、前述のようにして測定した経糸21およ び緯糸22の全重量の合計とケナフ繊維の重量 合計とから求められる。
 ケナフ糸23は、本実施形態ではケナフ繊維 みから成り、ケナフ糸23におけるケナフ繊維 の含有率は100重量%である。本発明の他の実 形態では、ケナフ糸23は、ケナフ繊維以外の 繊維を含んでもよい。すなわちケナフ糸23は ケナフ繊維とケナフ繊維以外の繊維との混 糸であってもよい。ケナフ繊維以外の繊維 しては、たとえば、黄麻(別名ジュート)お び綿などのセルロース系繊維などの、ケナ 繊維以外の天然繊維、レーヨンなどの再生 維、ポリエステル繊維などの合成繊維が挙 られる。これらの中でも、天然繊維が好ま い。ケナフ糸23がケナフ繊維以外の繊維を含 む混紡糸である場合、ケナフ糸23におけるケ フ繊維の含有率は、10重量%以上90重量%以下 あることが好ましいが、特にケナフ繊維以 の繊維が合成繊維である場合、ケナフ繊維 含有率は15重量%以上55重量%以下であること 好ましい。ケナフ糸23におけるケナフ繊維 含有率は、織物中の経糸21および緯糸22の割 、ならびに経糸21中のケナフ糸23の割合およ び緯糸21中のケナフ糸23の割合を考慮して、 物全量中のケナフ繊維の割合、経糸21中のケ ナフ繊維の割合および緯糸22中のケナフ繊維 割合が、前述の範囲内になるように選ばれ 。「ケナフ糸におけるケナフ繊維の含有率 は、温度20℃、相対湿度65%で測定される重 から求められる値である。
 ケナフ繊維は、短繊維(以下「ステープル」 ということがある)であり、ケナフ糸23は、ス テープルを紡績して得られるスパン糸(以下 紡績糸」ともいう)である。ケナフ糸23がケ フ繊維のみから成る場合、ケナフ糸23は、ケ ナフ繊維を紡績することによって得られる。 ケナフ糸23がケナフ繊維以外の繊維を含む場 、ケナフ糸23は、ケナフ繊維とそれ以外の 維とを混合して紡績することによって得ら る。
 具体的に述べると、ケナフ糸23は、たとえ 、原料のケナフを水に浸漬して靭皮を分離 、分離した靭皮を乾燥して靭皮繊維を得、 られた靭皮繊維を適当な長さ、たとえば50mm 度に切断して、紡績機にかけて紡績するこ によって得ることができる。ケナフ糸23が 紡糸である場合には、ケナフの靭皮繊維に の繊維を混合しながら紡績機にて紡績する とによって、ケナフ糸23を得ることができる 。
 ケナフ糸23は、前述のように経糸21および緯 糸22の少なくとも一方に含まれる。本実施形 では、ケナフ糸23は、緯糸22のみに含まれ、 経糸21には含まれない。本発明の他の実施形 では、ケナフ糸23は、経糸21および緯糸22の 方に含まれてもよく、経糸21のみに含まれ もよい。ケナフ糸23としては、たとえば、ジ ュート番手で7番手の単糸が用いられる。
 本実施形態において緯糸22は、ケナフ糸23と 、ケナフ繊維を含まない非ケナフ糸24とによ て構成される。本発明の他の実施形態では 緯糸22は、ケナフ糸23のみによって構成され てもよい。緯糸22のうち、ケナフ糸23を除く 余の糸、すなわち非ケナフ糸24は、ポリエス テル繊維を含むポリエステル糸を含む。ポリ エステル糸は、本実施形態では、長繊維(以 「フィラメント」ということがある)を集束 て得られるフィラメント糸である。したが て非ケナフ糸24は、フィラメント糸を含む 図3~図5では、非ケナフ糸24を、左下がりの斜 線を含むハッチングで示す。
 ポリエステル糸は、本実施形態ではポリエ テル繊維のみから成り、ポリエステル糸に けるポリエステル繊維の含有率は100重量%で ある。本実施形態においてポリエステル糸は 、高強度ポリエステルから成る高強度ポリエ ステル糸である。ポリエステル糸としては、 たとえばデシテックス表示で1620デシテック のポリエステル糸、より詳細には1620デシテ クス-フィラメント数192本のポリエステル糸 が用いられる。本発明の他の実施の形態では 、ポリエステル糸は、ポリエステル繊維以外 の繊維を含んでもよい。ポリエステル繊維以 外の繊維としては、たとえば、黄麻(別名ジ ート)および綿などのセルロース系繊維など 、ケナフ繊維以外の天然繊維、レーヨンな の再生繊維、ポリアミド繊維などの合成繊 が挙げられる。
 本実施形態では、全ての非ケナフ糸24が、 リエステル糸である。本発明の他の実施形 では、非ケナフ糸24は、ポリエステル糸以外 の糸を含んでもよい。ポリエステル糸以外の 糸としては、たとえば、ポリアミド繊維から 成るポリアミド糸、ポリエチレン繊維から成 るポリエチレン糸、ポリプロピレン繊維から 成るポリプロピレン糸などが挙げられる。
 緯糸22は、1本のケナフ糸23と2本の非ケナフ 24とが、布帛1の経方向Yの一方Y1側から他方Y 2側に向かって、非ケナフ糸24、非ケナフ糸24 ケナフ糸23の順に配列された構成単位Aを含 、この構成単位Aが、経方向Yに繰返し配列 れて構成される。これによってケナフ糸23が 、布帛1の経方向Yに等間隔に配置される。
 このように本実施形態では、緯糸22は、同 構成単位が経方向Yに繰返し配列された構成 あるが、本発明の他の実施形態では、これ 限定されず、たとえば互いに異なる2つの構 成単位が経方向Yに交互に配列された構成で ってもよく、ケナフ糸23と非ケナフ糸24とが ンダムに配列された構成であってもよい。
 構成単位Aとしては、たとえば本実施形態の ように、m本のケナフ糸23およびn本の非ケナ 糸24をこの順に経方向Yに配列させて、1つの 成単位としてもよく、h本のケナフ糸23、i本 の非ケナフ糸24、j本のケナフ糸23およびk本の 非ケナフ糸24をこの順に経方向Yに配列させて 、1つの構成単位としてもよい。
 経糸21は、本実施形態ではケナフ糸を含ま 、非ケナフ糸によって構成される。図3~図5 は、経糸21を、緯糸22中の非ケナフ糸24を示 ハッチングよりも広い間隔で左下がりの斜 を配置したハッチングで示す。非ケナフ糸 しては、たとえば、前述のポリエステル糸 ポリアミド糸、ポリエチレン糸、ポリプロ レン糸などが挙げられる。これらの非ケナ 糸は、1種が単独で用いられてもよく、2種以 上が併用されてもよい。
 本実施形態では、全ての経糸21が、ポリエ テル糸である。ポリエステル糸は、他の非 ナフ糸に比べて強度が高く、ポリエステル を用いることによって、強度の高い基布11を 実現することができるので、前述の非ケナフ 糸の中でも、ポリエステル糸を用いることが 好ましい。本実施形態においてポリエステル 糸は、高強度ポリエステルから成る高強度ポ リエステル糸である。ポリエステル糸として は、たとえばデシテックス表示で1620デシテ クスのポリエステル糸、より詳細には1620デ テックス-フィラメント数192本のポリエステ ル糸が用いられる。本発明の他の実施形態で は、経糸21は、ポリエステル糸以外の糸を含 でもよい。ポリエステル糸と併用される、 リエステル糸以外の糸としては、たとえば 前述のポリアミド繊維から成るポリアミド 、ポリエチレン繊維から成るポリエチレン 、ポリプロピレン繊維から成るポリプロピ ン糸などが挙げられる。
 このように基布11を構成する織物において 経糸21および緯糸22の少なくとも一方は、フ ラメント糸であるポリエステル糸を含む。 実施形態では、経糸21および緯糸22の両方が 、フィラメント糸であるポリエステル糸を含 む。また基布11を構成する織物において、経 21および緯糸22の少なくとも一方は、ポリエ ステル繊維を含む。本実施の形態では、経糸 21および緯糸22の両方が、ポリエステル繊維 含む。
 本実施形態において基布11を構成する織物 、前述のように経畦織組織を有する。経畦 組織は、変化平織組織とも呼ばれ、経糸21と 緯糸22とが1本毎に交錯する平織組織を変化さ せた組織である。基布11を構成する織物は、 り詳細には、経糸21と緯糸22とが1本毎に交 する平織組織を、経糸21の1本分だけ、経方 Yに拡大させた経畦織組織を有する。したが て経方向Yにおいて経糸21は、1本のケナフ糸 23と2本の非ケナフ糸24とを交互に浮き沈みす 。たとえば厚み方向一方Z1側から見て、第1 経糸21aがケナフ糸23の上に浮き、非ケナフ 24の下に沈む場合、第1の経糸21に隣接する第 2の経糸21bは、ケナフ糸23の下に沈み、非ケナ フ糸24の上に浮く。
 基布11には、パッド層材料が付着しており この基布11に付着したパッド層材料によって 、パッド層17が構成される。パッド層17は、 述するようにパッド層材料を基布11に塗布し た後、乾燥させることによって形成される。 パッド層材料には、溶剤として水を含む水性 材料が用いられる。
 ケナフ繊維は吸水性を有するので、基布11 構成する経糸21および緯糸21,22のうち、ケナ 糸23は吸水性を有する。したがってケナフ 23を構成するケナフ繊維の内部にはパッド層 材料が浸み込む。またパッド層材料は、毛細 管現象によって、ケナフ糸23中のケナフ繊維 ケナフ繊維との間の空隙、およびケナフ繊 と他の繊維との間の空隙に入り込む。この うにケナフ糸23の内部にはパッド層材料が み込む。
 またポリエステル糸21,24は、たとえば1620デ テックス-フィラメント数192本のフィラメン ト糸であり、フィラメント状の複数のポリエ ステル繊維で構成される。パッド層材料は、 1本1本のポリエステル繊維の内部には浸み込 ないが、毛細管現象によって、ポリエステ 繊維とポリエステル繊維との空隙には入り む。つまりポリエステル糸21,24を構成する リエステル繊維自体は吸水性を有しないが ポリエステル糸21,24は毛細管現象により、見 掛け吸水性を有する。したがってポリエステ ル糸21,24の内部にもパッド層材料が浸み込む
 このように、基布11を構成する経糸21および 緯糸22は吸水性を有するので、基布11に塗布 れるパッド層材料は、その少なくとも一部 が基布11に含浸される。基布11に塗布された ッド層材料のうち、基布11に浸み込んだパ ド層材料は、基布11を構成する各糸21,22と一 化し、基布11に浸み込み切れなかったパッ 層材料の少なくとも一部は、基布11の表面部 、より詳細には基布11を構成する各糸21,22の 面部に残る。パッド層17は、各糸21,22のパッ 層材料が浸み込んだ部分と、浸み込み切れ に各糸21,22の表面部に残ったパッド層材料 ら成る層とを含んで構成される。
 図1,図3~図5では、理解を容易にするために パッド層17が基布11の表面部全体を覆うよう 記載しているが、実際にはパッド層17は、 布11の表面部全体を覆っているわけではなく 、基布11は、その一部分が露出している。前 のように、パッド層材料は、ケナフ糸23を 成するケナフ繊維に含浸されるので、ケナ 糸23の部分では、パッド層材料が浸み込んだ 部分のケナフ糸23がパッド層17の一部分を構 しており、ケナフ糸23が露出する部分が生じ ている。このケナフ糸23が露出した部分が、 布11の露出する部分であり、前述の図1に示 表側プライマ層12および裏側プライマ層13に 接する部分となる。本発明の他の形態では、 パッド層17は、基布11を構成する各糸21,22の全 体を覆うように形成されてもよい。
 パッド層17は、難燃剤および撥水剤を含有 る。パッド層17を設けることによって、布帛 1に難燃性および撥水性を付与することがで る。またパッド層17の材料として、難燃剤と 撥水剤とを併用することによって、撥水剤の みを用いる場合に比べて、布帛1を切断した きの切断面からの水の浸み込みをより確実 防ぐことができる。撥水剤としては、たと ばフッ素系撥水剤が挙げられる。難燃剤と ては、たとえばリン酸グアニジン系難燃剤 ポリリン酸系難燃剤、リン酸エステル系難 剤などのリン系難燃剤が挙げられる。本実 形態では、リン酸グアニジン系難燃剤が用 られる。リン酸グアニジン系難燃剤として 、たとえばリン酸グアニジンと水との混合 が挙げられる。このリン酸グアニジン系難 剤中のリン酸グアニジンの含有率は、たと ば40~50重量%である。リン酸グアニジン系難 剤は、ケナフ糸23およびポリエステル糸21,24 両方に効果があるので、本実施形態の布帛1 には好適である。リン酸グアニジン系難燃剤 を用いることによって、ケナフ糸23およびポ エステル糸21,24の両方の燃焼を抑制するこ ができる。
 本実施形態で用いられるリン酸グアニジン 難燃剤は、溶剤として水を含む水性難燃剤 ある。ケナフ糸23は吸水性を有するので、 性難燃剤を用いることによって、ケナフ糸23 に難燃剤を含浸させて、より確実に難燃性を 付与することができる。難燃剤は、基布11を 成する糸21,22の種類に応じて適宜選択して いられる。難燃剤としては、防炎剤として 販されているものを用いてもよい。
 パッド層17は、たとえば、難燃剤および撥 剤を含むパッド層材料を基布11に塗布して乾 燥させることによって形成される。具体的に 述べると、パッド層17は、たとえばパッド層 料が貯留される塗布槽に基布11を浸漬して パッド層材料を基布11に塗布して乾燥させる ことによって形成される。またパッド層材料 は、スプレーで基布11に吹付けることによっ 、基布11に塗布されてもよい。
 図1に戻って、表側プライマ層12および表側 ート層14は、この順に基布11の厚み方向一表 面部、すなわち厚み方向Zの一方Z1側の表面部 に積層される。表側プライマ層12は、基布11 厚み方向一方Z1側において、基布11の露出す 部分およびパッド層17の表面部に設けられ 基布11と表側コート層14との間に介在する。 側プライマ層13および裏側コート層15は、こ の順に基布11の厚み方向他表面部、すなわち み方向Zの他方Z2側の表面部に積層される。 側プライマ層13は、基布11の厚み方向他方Z2 おいて、基布11の露出する部分およびパッ 層17の表面部に設けられ、基布11と裏側コー 層15との間に介在する。
 表側プライマ層12および裏側プライマ層13は 、プライマ樹脂材料によって形成される。表 側プライマ層12および裏側プライマ層13は、 述するようにプライマ樹脂材料を塗布した 、乾燥させることによって形成される。こ とき基布11に塗布されるプライマ樹脂材料は 、その一部分が基布11に含浸される。表側プ イマ層12および裏側プライマ層13は、基布11 プライマ樹脂材料が浸み込んだ部分と、基 11に浸み込み切れずに基布11またはパッド層 17の表面部に残ったプライマ樹脂材料から成 層とを含んで構成される。
 表側プライマ層12は、基布11と表側コート層 14とを接着させる接着層として機能する。し がって表側プライマ層12には、基布11との密 着性と、表側コート層14との密着性との両方 求められる。この両方の密着性を考慮する 、表側プライマ層12を形成するプライマ樹 材料は、プライマ樹脂としてウレタン樹脂 含むウレタン樹脂材料が好ましい。ウレタ 樹脂は、熱可塑性樹脂であって、熱融着す ことが可能であり、ハロゲン原子を含まな 非ハロゲン系材料であるので、好適である ウレタン樹脂材料におけるウレタン樹脂の 形分濃度は、一液型ウレタン樹脂の場合、 とえば10重量%以上40重量以下であり、一例を 挙げると25重量%である。本実施形態では、一 液型ウレタン樹脂が用いられる。
 ウレタン樹脂材料の中でも、プライマ樹脂 してポリカーボネート系ウレタン樹脂を含 ポリカーボネート系ウレタン樹脂材料が好 しい。ポリカーボネート系ウレタン樹脂は 耐候性が高いので、耐久性に優れる布帛1を 実現することができる。特に、布帛1を後述 るように、屋外で使用されるテント用膜材 して用いる場合には、ポリカーボネート系 レタン樹脂を用いることが好ましい。
 ポリカーボネート系ウレタン樹脂材料は、 体的にはポリカーボネート系ウレタン樹脂 、希釈溶剤とを含む。希釈溶剤としては、 とえばメチルエチルケトン(略称MEK)、N,N-ジ チルホルムアミド(略称DMF)、トルエン(略称T OL)、イソプロピルアルコール(略称IPA)が挙げ れる。これらの中でもMEKが好ましい。すな ちポリカーボネート系ウレタン樹脂材料と ては、ポリカーボネート系ウレタン樹脂と 希釈溶剤としてMEKとを含むものが好ましい 本実施形態では、MEKを含むポリカーボネー 系ウレタン樹脂材料が用いられる。MEKを含 ポリカーボネート系ウレタン樹脂材料を用 ることによって、基布11との接着性に優れ 表側プライマ層12を実現することができる。 これは、ポリカーボネート系ウレタン樹脂材 料にMEKが入っていることによって、ポリカー ボネート系ウレタン樹脂材料と基布11との相 が良くなり、ポリカーボネート系ウレタン 脂材料が基布11と強固に絡み合うことがで るためであると推察される。MEKを含むポリ ーボネート系ウレタン樹脂材料において、 釈溶剤中のMEKの割合は、たとえば40~100重量% あり、好ましくは40~60重量%である。
 表側プライマ層12を構成するウレタン樹脂 料は、温度25℃における粘度が1000mPa・s以上2 00000mPa・s以下であることが好ましく、また100 %モジュラスが10kg/cm 2 以上300kg/cm 2 以下であることが好ましい。100%モジュラス 、引張試験機を用いて測定される。具体的 は、先ずウレタン樹脂の皮膜を作製する。 いで、作製した皮膜を引張試験機で引っ張 、元の倍の長さになった時点での負荷荷重 断面積(厚み×巾)で割った値を求める。この が100%モジュラスである。裏側プライマ層13 、表側プライマ層12と同様の材料を用いて 同様にして形成することができる。
 表側プライマ層12および裏側プライマ層13に 用いられるウレタン樹脂材料は、温度25℃に ける粘度が、たとえば12000~18000mPa・sであり 100%モジュラスが、たとえば100~110kg/cm 2 であり、伸度が、たとえば220~280%である。樹 材料の伸度は、以下のようにして測定され 。先ず5mm巾の樹脂フィルムを作製する。そ 後、引張試験機で引張り、切れたときの長 を求め、下記式から算出する。
   伸度(%)=(切れたときの長さ-初期の長さ)/ 期の長さ×100
 表側コート層14は、コート樹脂材料と難燃 とを含有するコート層材料によって形成さ る。難燃剤としては、パッド層17に用いられ る難燃剤と同様の難燃剤を用いることができ 、具体的にはリン酸グアニジン系難燃剤、ポ リリン酸系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤 などのリン系難燃剤およびアンチモン系難燃 剤が挙げられる。本実施形態では、ポリリン 酸系難燃剤が用いられる。ポリリン酸系難燃 剤は、ポリリン酸類を含む。ポリリン酸類は 、ポリリン酸およびその誘導体を含む。ポリ リン酸類としては、たとえばポリリン酸アン モニウム、ポリリン酸アミド、ポリリン酸グ アニジンが挙げられ、これらの中でも、ポリ リン酸アンモニウムが好ましい。ポリリン酸 系難燃剤としては、ポリリン酸類をそのまま 用いてもよく、ポリリン酸類を溶剤に分散さ せて分散液として用いてもよい。
 コート樹脂材料としては、ウレタン樹脂材 および塩化ビニル樹脂材料などを用いるこ ができる。ウレタン樹脂材料または塩化ビ ル樹脂材料のいずれを用いる場合であって 、表側プライマ層12に用いるプライマ樹脂 料を適宜選択することにより表側コート層14 の密着性を確保することができる。たとえば 、コート樹脂材料としてウレタン樹脂材料を 用いた場合は、プライマ樹脂材料としてポリ カーボネート系ウレタン樹脂が好ましく、コ ート樹脂材料として塩化ビニル樹脂材料を用 いた場合は、プライマ樹脂材料としてエステ ル系ウレタン樹脂が好ましい。表側プライマ 層12との密着性の観点からは、コート樹脂材 としてウレタン樹脂を含むウレタン樹脂材 を用いることが好ましい。コート樹脂材料 ウレタン樹脂材料を用いることによって、 側プライマ層12に強固に密着したコート樹 層14を実現することができる。またウレタン 樹脂および塩化ビニル樹脂は、熱可塑性樹脂 であって、熱融着することが可能である。な おウレタン樹脂はハロゲン原子を含まない非 ハロゲン系材料であるので、好適である。ウ レタン樹脂材料におけるウレタン樹脂の固形 分濃度は、一液型ウレタン樹脂の場合、たと えば10重量%以上40重量以下であり、一例を挙 ると25重量%である。本実施形態では、一液 ウレタン樹脂が用いられる。
 ウレタン樹脂材料の中でも、コート樹脂と てポリカーボネート系ウレタン樹脂を含む リカーボネート系ウレタン樹脂材料が好ま い。ポリカーボネート系ウレタン樹脂は、 候性が高いので、耐久性に優れる布帛1を実 現することができる。特に、布帛1を後述す ように、屋外で使用されるテント用膜材と て用いる場合には、ポリカーボネート系ウ タン樹脂を用いることが好ましい。
 ポリカーボネート系ウレタン樹脂材料は、 体的にはポリカーボネート系ウレタン樹脂 、希釈溶剤とを含む。希釈溶剤としては、 とえばメチルエチルケトン(略称MEK)、N,N-ジ チルホルムアミド(略称DMF)、トルエン(略称T OL)、イソプロピルアルコール(略称IPA)が挙げ れる。本実施形態では、溶剤としてDMFを含 ポリカーボネート系ウレタン樹脂材料が用 られる。表側コート層14を構成するウレタ 樹脂材料は、粘度が1000mPa・s以上200000mPa・s 下であることが好ましく、また100%モジュラ が10kg/cm 2 以上300kg/cm 2 以下であることが好ましい。裏側コート層15 、表側コート層14と同様に構成される。表 コート層14および裏側コート層15に用いられ ウレタン樹脂材料は、温度25℃における粘 が、たとえば20000~30000mPa・sであり、100%モジ ラスが、たとえば50~60kg/であり、伸度が、 とえば300~350%である。
 防汚層16は、防汚材料によって形成される 防汚材料としては、たとえばフッ素化合物 アクリルウレタン樹脂、光触媒酸化チタン どが挙げられる。防汚層16を設けることによ って、布帛1の汚れを可及的に防ぐことがで る。用語「フッ素化合物」は、フッ素系樹 を含む。
 本実施形態の布帛1は、以下のようにして製 造される。まずパッド層材料が貯留される塗 布槽に基布11を浸漬した後、乾燥させ、さら 加熱することによって、パッド層17を形成 る。乾燥は、たとえば、パッド層材料が付 した基布11を乾燥機に一定の速度、たとえば 10m/minで通すことによって行われる。乾燥さ るときの加熱温度(以下「乾燥温度」という とがある)は、たとえば100℃以上150℃以下で ある。乾燥後の加熱(以下「キュア」という とがある)は、たとえば、乾燥後の基布11を 熱装置に一定の速度、たとえば20m/minで通す とによって行われる。キュアするときの加 温度(以下「キュア温度」ということがある )は、たとえば160℃以上200℃以下である。キ アは、撥水剤の機能を発揮させるために行 れる。パッド層17の付着量は、たとえば40g/m 2 以上60g/m 2 以下である。
 次いで、パッド層17が形成された基布11(以 「基布11A」ということがある)の厚み方向一 Z1側の表面部に、表側プライマ層12となるプ ライマ樹脂材料を塗布した後、乾燥させるこ とによって、表側プライマ層12を形成する。 ライマ樹脂材料は、本実施形態ではナイフ ータを用いて、ナイフコーティングによっ 塗布される。プライマ樹脂材料は、基布11A 一定の速度で搬送しながら、塗布される。 布11Aの搬送速度は、たとえば10m/minである。 表側プライマ層12の塗布量は、たとえば20g/m 2 以上60g/m 2 以下である。
 プライマ樹脂材料の塗布後の乾燥は、複数 乾燥室が連続して並んだ乾燥装置、たとえ 、3つの乾燥室が連続して並んだ3連式の乾 装置を用いて行われる。3つの乾燥室は、基 11Aの搬送方向上流側から下流側へ向かって 第1乾燥室、第2乾燥室、第3乾燥室の順に並 で配置される。各乾燥室では、熱風を吹付 ることによって乾燥を行なう。たとえば、 1乾燥室、第2乾燥室および第3乾燥室におけ 熱風の温度はそれぞれ、60~150℃の範囲で適 選ばれる。各乾燥室における熱風の温度(以 下「熱風温度」という)は、本実施形態では 第1乾燥室、第2乾燥室、第3乾燥室の順に高 なるように選ばれる。たとえば、第1乾燥室 熱風温度が80℃に選ばれ、第2乾燥室の熱風 度が110℃に選ばれ、第3乾燥室の熱風温度が 130℃に選ばれる。本発明の他の実施形態では 、第1乾燥室、第2乾燥室および第3乾燥室の熱 風温度は、等しくてもよい。各乾燥室におけ る熱風の風量(以下「熱風風量」という)は、 実施形態では、第1乾燥室の熱風風量が相対 的に小さく選ばれ、第2および第3乾燥室の熱 風量が相対的に大きく選ばれる。これによ て短時間に基布11Aを乾燥させることができ 。
 このようにして表側プライマ層12が形成さ た基布11(以下「基布11B」ということがある) 厚み方向他方Z2側の表面部に、表側プライ 層12と同様にして、裏側プライマ層13となる ライマ樹脂材料を塗布した後、乾燥させ、 側プライマ層13を形成する。裏側プライマ 13を形成するときの基布11Bの搬送速度、乾燥 装置の各乾燥室における熱風温度および熱風 風量は、表側プライマ層12を形成するときと 様に選ばれる。裏側プライマ層13の塗布量 、たとえば20g/m 2 以上60g/m 2 以下である。
 このようにして裏側プライマ層13が形成さ た基布11(以下「基布11C」ということがある) 厚み方向一方Z1側の表面部、すなわち表側 ライマ層12の厚み方向一方Z1側の表面部に、 側コート層14となるコート層材料を塗布し 後、乾燥させることによって、表側コート 14を形成する。コート層材料は、本実施形態 ではコンマコータを用いて、コンマコーティ ングによって塗布される。コート層材料は、 基布11Cを一定の速度で搬送しながら、塗布さ れる。基布11Cの搬送速度は、たとえば3m/minで ある。表側コート層14の塗布量は、たとえば1 50g/m 2 以上250g/m 2 以下である。
 コート層材料の塗布後の乾燥は、プライマ 脂材料の乾燥に用いられるのと同様に複数 乾燥室が連続して並んだ乾燥装置、たとえ 3連式の乾燥装置を用いて行われる。各乾燥 室における熱風温度は、本実施形態ではプラ イマ樹脂材料を乾燥するときと同様に、基布 11Cの搬送方向上流側から下流側に向かって高 くなるように、具体的には第1乾燥室、第2乾 室、第3乾燥室の順に高くなるように選ばれ る。本発明の他の実施形態では、第1乾燥室 第2乾燥室および第3乾燥室の熱風温度は、等 しくてもよい。コート層材料の塗布後の乾燥 では、各乾燥室における熱風風量は、基布11C の搬送方向上流側から下流側に向かって小さ くなるように、具体的には、第1乾燥室の熱 風量が相対的に大きく選ばれ、第2および第3 乾燥室の熱風風量が相対的に小さく選ばれる 。これによって突沸の発生を抑え、乾燥後の 表側コート層14への気泡の発生を抑えること できる。各乾燥室の熱風風量は、基布11Cの 送方向上流側から下流側に向かって小さく るように選ばれればよく、たとえば第2乾燥 室の熱風風量と第3乾燥室の熱風風量とは同 でもよい。
 このようにして表側コート層14が形成され 基布11(以下「基布11D」ということがある)の み方向他方Z2側の表面部、すなわち裏側プ イマ層13の厚み方向他方Z2側の表面部に、裏 コート層15となるコート層材料を塗布した 、乾燥させることによって、裏側コート層15 を形成する。裏側コート層15を形成するとき コート層材料の塗布および乾燥は、表側コ ト層14を形成するときと同様にして行われ 。裏側コート層15の塗布量は、たとえば80g/m 2 以上120g/m 2 以下である。裏側コート層15の塗布量は、表 コート層14の塗布量よりも小さい値に選ば る。
 このようにして裏側コート層15が形成され 基布11(以下「基布11E」ということがある)を ニップ装置の一対のニップロール間に通す とによってニップ処理する。一対のニップ ールは、加熱部を内包する剛体ロールであ 加熱ロールと、加熱ロールに弾発的に当接 る弾性体ロールである加圧ロールとを含む 基布11Eは、その厚み方向一方Z1側の表面部 すなわち表側コート層14の厚み方向Z1側の表 部が、加熱ロールに接するように、一対の ップロール間に送給される。基布11Eの搬送 度は、たとえば3m/minである。加熱ロールの 熱温度は、表側コート層14を形成するコー 層材料に含まれるコート樹脂材料の軟化温 付近に選ばれ、本実施形態では、160℃以上20 0℃以下である。一対のニップロールによる 圧力は、たとえば4kg/cm 2 である。この加圧力4kg/cm 2 は、線圧では24.5kg/cmに相当する。
 コート樹脂材料の軟化温度は、以下のよう して求められる。降下式フローテスタ(商品 名:CFT-500D、株式会社島津製作所製)を用い、 料1gに対し、内径1mm、長さ1mmのノズルから押 出されるようにプランジャーで1.96MPaの荷重 与えながら、昇温速度毎分6℃で試料を加熱 、フローテスタのプランジャー降下量(流れ 量)-温度曲線を求め、得られたS字曲線の高さ をhとし、ノズルから試料が半分流出したと の温度として、hの2分の1(h/2)に対応する温度 を求める。この温度を軟化温度とする。
 このようにして表側コート層14をニップ処 した後、基布11Eを、その厚み方向他方Z2側の 表面部、すなわち裏側コート層15の厚み方向 方Z2側の表面部が加熱ロールに接するよう 配置して、ニップ装置の一対のニップロー 間に送給し、ニップ処理する。基布11Eの厚 方向他方Z2側の表面部に対するニップ処理は 、基布11Eの厚み方向一方Z1側の表面部に対す ニップ処理と同様にして行われる。
 このようにしてニップ処理が行われた基布1 1Eの厚み方向一方Z1側の表面部、すなわち表 コート層14の厚み方向一方Z1側の表面部に、 汚材料を塗布して、乾燥させることによっ 、防汚層16を形成する。防汚材料は、本実 形態では基布11Eを一定の速度で搬送しなが 、ナイフコーティングによって塗布される 基布11Eの搬送速度は、たとえば15m/minである 防汚層16の塗布量は、たとえば0.5g/m 2 以上10g/m 2 以下である。
 防汚材料の塗布後の乾燥は、プライマ樹脂 料の乾燥に用いられるのと同様の3連式の乾 燥装置を用いて行われる。各乾燥室における 熱風温度は、基布11Eの搬送方向上流側から下 流側に向かって高くなるように選ばれ、具体 的には、第1乾燥室が相対的に低く、第2およ 第3乾燥室が相対的に高く選ばれる。たとえ ば第1乾燥室の熱風温度は120℃に選ばれ、第2 よび第3乾燥室の熱風温度は130℃に選ばれる 。本発明の他の実施形態では、第1乾燥室、 2乾燥室および第3乾燥室の熱風温度は、等し くてもよい。各乾燥室における熱風風量は、 基布11Eの搬送方向上流側から下流側に向かっ て大きくなるように、具体的には、第1乾燥 が相対的に小さく、第2および第3乾燥室が相 対的に大きく選ばれる。このようにして防汚 層16が形成されて、布帛1が得られる。
 以上のように本実施形態では、基布11に塗 形成される各層、すなわちプライマ層12,13、 コート層14,15および防汚層16は、各層の材料 、ナイフコーティングまたはコンマコーテ ングによって基布11に塗布することによって 形成される。各層の材料を基布11に形成する 法としては、ナイフコーティングおよびコ マコーティング以外に、たとえば、ディッ コーティング、両面ラミネート、フィルム に成形した各層を、接着剤を用いて貼付け 方法がある。
 なお、表側コート層14および裏側コート層15 の形成は、上記のようにコート層材料を塗布 した後、乾燥させる方法に限らず、たとえば 難燃剤を含むコート層材料をシート状に成型 した樹脂シートを予め作製しておき、プライ マ層が形成された基布11Eに対して、熱ロール でプレスする方法でも可能である。
 本実施形態では、プライマ層12,13を形成す 前に、基布11にパッド層17を形成するので、 ライマ層12,13、コート層14,15および防汚層16 ディップコーティングで形成することは困 である。またプライマ層12,13の塗布量は、 とえば20g/m 2 以上60g/m 2 以下であり、表側コート層14の塗布量は、た えば150g/m 2 以上250g/m 2 以下であり、裏側コート層15の塗布量は、た えば80g/m 2 以上120g/m 2 以下である。
 このようにプライマ層12,13およびコート層14 ,15は、プライマ層材料またはコート層材料が 多量に塗布されて形成される。ディップコー ティングの場合、各層の材料が貯留される槽 に被塗布物を浸漬した後、被塗布物を絞って 溶剤を除去するので、数g/m 2 程度しか、塗布することができない。したが ってディップコーティングを用いて本実施形 態のプライマ層12,13およびコート層14,15を形 することは困難である。
 これに対し、ナイフコーティングおよびコ マコーティングでは、被塗布物に前述のよ な多量の材料を塗布して形成される層を容 に、また生産性良く形成することができる で、本実施形態の布帛1の製造には、ナイフ コーティングおよびコンマコーティングが好 適である。本実施形態のようにナイフコーテ ィングまたはコンマコーティングを用いるこ とによって、プライマ層12,13、コート層14,15 よび防汚層16を容易に、また生産性良く形成 することができる。
 また本実施形態では、コート層材料の塗布 の乾燥における乾燥装置の各乾燥室の熱風 度は、基布11Cの搬送方向上流側から下流側 向かって高くなるように、具体的には第1乾 燥室、第2乾燥室、第3乾燥室の順に高くなる うに選ばれる。また各乾燥室の熱風風量は 基布11Cの搬送方向上流側から下流側に向か て小さくなるように、具体的には第1乾燥室 が相対的に大きく、第2および第3乾燥室が相 的に小さくなるように選ばれる。これによ て、コート層14,15への気泡の発生を抑える とができる。
 気泡の発生原因としては、樹脂が急激に温 られて突沸が発生することが挙げられる。 風によって乾燥させる場合、層は表面から 燥していくが、突沸によって層内部の未乾 の部分の溶剤が急激に蒸発すると、表面の 膜を突き破り、気泡が発生する。この現象 、乾燥させようとする層の反対側に厚塗り 層がある場合に顕著に見られる。
 本実施形態では、突沸による気泡の発生を えるために、基布11Cの搬送方向上流側の乾 室では、熱風温度をたとえば80℃と相対的 低くするとともに、熱風風量を相対的に大 くして、層の内部から溶剤を蒸発させ、さ に基布11Cの搬送方向下流側に進むにつれて 徐々に熱風温度を上げて熱風風量を抑える とによって、突沸の発生を少なくしている これによってコート層14,15への気泡の発生を 抑えることができる。
 また本実施形態では、コート層14,15を形成 た後、コート層14,15をニップ処理する。ニッ プ処理することによって、コート層材料およ び先に形成されたプライマ層12,13を基布11Eに 浸させて、コート層材料と基布11Eとの密着 を向上させることができる。またコート層1 4,15の表面の凹凸を無くし、滑らかな表面に ることができる。またコート層14,15の塗布量 がたとえば150g/m 2 以上と多い場合であっても、ニップ処理する ことによって、コート層14,15の厚み寸法を小 くし、繊維構造物としての厚み寸法、すな ち布帛の厚み寸法を小さくすることができ 。たとえばニップ処理前の布帛の厚み寸法 1000μmである場合、ニップ処理によって、布 帛の厚み寸法を900μm程度に小さくすることが できる。
 本実施形態の布帛1は、たとえばドーム型野 球場などの各種競技場の屋根、運動会などに 用いられる小型テントの屋根、付帯設備およ び博覧会展示場などの屋根および壁などに用 いられるテント用膜材として好適である。特 に、本実施形態の布帛1は、テント用膜材の1 であるC種膜として好適である。「C種膜」 は、基布を除いた残余の部分の重さ、すな ち基布に積層される層の重さ、たとえば基 に積層される層が樹脂から成る場合には樹 の重さが、400g/m 2 以上である膜のことである。
 C種膜として用いられる従来の布帛としては 、基布を塩化ビニル樹脂で被覆加工したもの が知られている。この従来の布帛には、難燃 剤としてハロゲン系難燃剤が用いられている 。布帛1として、基布11を被覆する被覆樹脂に ウレタン樹脂を用い、難燃剤にリン系難燃剤 を用いた場合は、被覆樹脂に塩化ビニル樹脂 を用い、また難燃剤としてハロゲン系難燃剤 を用いる従来の布帛に比べて、環境への負荷 が小さいので特に好ましい。
 また本実施形態の布帛1は、基布11として、 糸22がケナフ繊維を含み、織物全量中のケ フ繊維の割合が、基布11を構成する織物の全 量の15重量%以上55重量%以下である織物から成 る基布11を含むので、たとえば紙として容易 再利用することが可能である。
 したがって本実施形態では、環境への負荷 小さく、かつ容易に再利用することができ とともに、C種膜として好適な布帛1を実現 ることができる。またケナフは、生長が早 、地球温暖化の一因となる二酸化炭素をよ 多く吸収する、すなわち炭酸ガスの固定能 優れているので、環境保全植物として注目 れている。このようなケナフから得られる ナフ繊維を用いた布帛1をテント用膜材とし 使用することによって、地球温暖化を間接 に抑制し、環境浄化に貢献することができ 。
 前述のように本実施形態では、布帛1を構成 する基布11において、ケナフ繊維は、基布11 構成する織物全量の15重量%以上55重量%以下 割合で基布11に含まれる。またケナフ繊維は 、緯糸22のみに含まれ、緯糸22中のケナフ繊 の割合は、緯糸22の全量の55重量%以下である 。
 布帛1をC種膜として用いる場合、布帛1には 経方向Yおよび緯方向Xともに、引張強さが20 00N/3cm以上であることが求められる。ケナフ 23は、スパン糸であり、たとえばポリエステ ルから成るフィラメント糸(以下「ポリエス ルフィラメント糸」ということがある)など フィラメント糸に比べて、引張強さが非常 小さい。たとえばポリエステルフィラメン 糸のデシテックス表示で1620デシテックスの 糸の引張強さは、約110N/1本であるが、ケナフ 糸23のジュート番手で7番単糸の引張強さは、 約20N/1本である。したがって、基布11に占め ケナフ糸23の比率、すなわち基布11を構成す 織物全量に対するケナフ糸23の割合が増え ほど、同じ密度でポリエステル糸100%で形成 れた基布に比べて、基布11の引張強さが小 くなって、布帛1の引張強さが小さくなり、 要な引張強さを確保できない。具体的には 織物全量中のケナフ繊維の割合が織物全量 55重量%を超えると、布帛1全体としての強度 、すなわち緯方向Xおよび経方向Yの引張強さ 充分に確保できない。
 特に緯糸22中のケナフ繊維の割合が緯糸22の 全量の55重量%を超えると、布帛1の緯方向Xの 張強さが充分に得られず、引張強さが2000N/3 cm未満になるおそれがある。緯糸22中のケナ 繊維の割合を緯糸22の全量の55重量%以下にす ることによって、布帛1の緯方向Xの引張強さ 確保することができる。また本実施形態で 、ケナフ繊維は経糸21には含まれないので 経糸21中のケナフ繊維の割合は、経糸21の全 の55重量%以下、具体的には0重量%である。 たがって布帛1の経方向Yの引張強さを確保す ることができる。
 織物全量中のケナフ繊維の割合が織物全量 15重量%未満であると、布帛1を紙として再利 用しようとした場合、紙状に形成することが 困難となるので、布帛1を再利用することは 難である。
 前述のように織物全量中のケナフ繊維の割 を織物全量の15重量%以上55重量%以下とする とによって、布帛1を容易に再利用すること ができる。たとえば布帛1を紙として再利用 ることができる。また織物全量中のケナフ 維の割合を織物全量の15重量%以上55重量%以 にするとともに、緯糸22中のケナフ繊維の割 合を緯糸22の全量の55重量%以下とし、経糸21 のケナフ繊維の割合を経糸21の全量の55重量% 以下にすることによって、経方向Yおよび緯 向Xのいずれにも充分な強度を有し、かつ布 1全体としても高い強度を有する布帛1を実 することができる。
 本実施形態とは異なるが、ケナフ糸23が、 ナフ繊維以外の繊維を含む混紡糸である場 、ケナフ糸23におけるケナフ繊維の含有率は 、10重量%以上90重量%以下であることが好まし い。特にケナフ繊維以外の繊維が合成繊維で あるときには、15重量%以上55重量%以下である ことが好ましい。このような範囲にケナフ糸 23中のケナフ繊維の含有率を選ぶことによっ 、布帛1を容易に再利用することができる。
 また本実施形態では、布帛1は、難燃剤を含 有する難燃剤層として、パッド層17およびコ ト層14,15を含む。このように難燃剤層を設 ることによって、難燃性に優れる布帛1を実 することができる。
 また本実施形態では、パッド層17と、コー 層14,15とは、互いに異なる難燃剤を含有する 。このように難燃剤には、2種類以上の難燃 を用いることが好ましい。これは、基布11を 構成するケナフ糸23とケナフ糸23を除く残余 糸、すなわちポリエステル糸21,24とでは、燃 焼機構が異なるためである。
 ポリエステル糸21,24を構成するポリエステ 繊維は、炎の熱で熱溶融して燃える。ポリ ステル繊維の場合、熱溶融を促進させて炎 燃え広がらないようにすることによって、 燃性を確保する。
 これに対し、ケナフ糸23を構成するケナフ 維は、炭化して燃える。ケナフ繊維の場合 炭化膨張を促進させて炎が燃え広がらない うにすることによって、難燃性を確保する
 このようにケナフ糸23とポリエステル糸24と では、燃焼機構が異なるので、1種類の難燃 を用いるだけでは、布帛1の難燃性が充分に 保できないおそれがある。たとえば、ポリ ステル糸のみで織られた織物から成る生地 場合、難燃剤としてリン酸エステル系難燃 を含む樹脂をコーティングすると難燃性に 果があったが、同じ難燃剤を含む樹脂を本 施形態の布帛1にコーティングしても、効果 は見られなかった。
 本実施形態のように互いに異なる2種類の難 燃剤を含有する難燃剤層17,14,15を設けること よって、1種類の難燃剤を用いる場合に比べ て、ケナフ糸23およびポリエステル糸21,24の 焼をより確実に抑えることができる。した って、前述のように高い強度を有するとと に、難燃性に優れる布帛1を実現することが きる。
 本実施形態では、難燃剤層17,14,15は、複数 層によって構成され、各層に含有される難 剤は異なるが、難燃剤層は、1つの層で構成 れてもよい。この場合、難燃剤層には、2種 類の難燃剤が含有されることが好ましい。
 また本実施形態では、コート層14,15と基布11 との間には、接着層であるプライマ層12,13が まれる。コート層14,15と基布11との間にプラ イマ層12,13がない場合、コート層14,15に含有 れる難燃剤の影響で、コート層14,15と基布11 の密着強度が充分に得られず、コート層14,1 5と基布11との接合強度が充分に得られないお それがある。前述のようにコート層14,15と基 11との間にプライマ層12,13を設けることによ って、コート層14,15と基布11との接合強度を 分なものとし、基布11からのコート層14,15の 離を防ぐことができる。また基布11を構成 る織物には、短繊維であるケナフ繊維が含 れるので、ケナフ繊維とプライマ層12,13との 絡み合いによって、基布11を構成する織物が ナフ繊維を含まない場合に比べて、基布11 プライマ層12,13との接着性を高めることがで きる。これによって、基布11とコート層14,15 の接合強度を高めることができるので、コ ト層14,15の剥離をより確実に防ぐことができ る。したがって、強度および難燃性に優れる とともに、耐久性に優れる布帛1を実現する とができる。
 また本実施形態では、基布11を構成する織 の経糸21および緯糸22は、フィラメント糸を む。具体的には、経糸21および緯糸22のうち 、ケナフ糸23を除く残余の糸である非ケナフ 21,24は、フィラメント糸である。フィラメ ト糸は、スパン糸に比べて、強度が高い。 たがってフィラメント糸を含む織物で基布11 を構成することによって、フィラメント糸を 含まない織物で基布11を構成する場合に比べ 、一層強度の高い布帛1を実現することがで きる。
 このように基布11がフィラメント糸を含む とによって布帛1の強度を高めることができ が、プライマ層12,13に含まれる樹脂たとえ ポリカーボネート系ウレタン樹脂は、フィ メント糸、特にフィラメント状のポリエス ル繊維を含むポリエステル糸に対しては、 パン糸に対する場合と比べて、比較的接着 にくい。
 本実施形態では、基布11を構成する織物に 、スパン糸であるケナフ糸23が含まれるので 、スパン糸であるケナフ糸23とプライマ層12,1 3との絡み合いによって、スパン糸を含まな 基布11にプライマ層12,13を設ける場合に比べ 、基布11とプライマ層12,13との接着性を高め ることができる。具体的に述べると、本実施 形態では、スパン状のケナフ糸23が基布11に まれるので、プライマ層12,13を構成するポリ カーボネート系のウレタン樹脂がケナフ糸に 絡まり、これによって接着性が発揮される。
 これは、フィラメント糸とスパン糸との違 による。つまり、フィラメント糸、たとえ フィラメント状のポリエステル糸は、表面 凹凸がほとんどないが、スパン糸であるケ フ糸は、表面に凹凸があるので、プライマ 12,13を構成する樹脂、特にポリカーボネー 系のウレタン樹脂が絡まり易く、強固な接 力が発揮される。したがって、本実施形態 ように基布11にスパン糸であるケナフ糸23を ませることによって、基布11とプライマ層12 ,13との接着性を高めて、基布11とコート層14,1 5との剥離をより確実に防ぐことができるの 、耐久性に一層優れる布帛1を実現すること できる。
 また本実施形態では、基布11を構成する織 の経糸21および緯糸22は、ポリエステル繊維 含む。具体的には、経糸21および緯糸22のう ち、ケナフ糸23を除く残余の糸である非ケナ 糸21,24は、ポリエステル糸から成る。ポリ ステル繊維は、他の合成繊維、たとえばポ アミド繊維に比べて、強度が高く、また耐 性に優れ、劣化しにくいので、ポリエステ 糸は、他の合成繊維を含む糸、たとえばポ アミド繊維を含む糸に比べて、強度が高く また耐光性に優れ、劣化しにくい。したが てポリエステル繊維を含む織物、より詳細 はポリエステル糸を含む織物で基布11を構成 することによって、強度が高く、劣化しにく い布帛1を実現することができる。
 また本実施形態では、緯糸22は、1本のケナ 糸23と2本の非ケナフ糸24とが、布帛1の経方 Yの一方Y1側から他方Y2側に向かって、非ケ フ糸24、非ケナフ糸24、ケナフ糸23の順に配 された構成単位Aを含む。
 前述のように本実施形態において、ケナフ 23は、ケナフ繊維のみから成り、非ケナフ 24は、ポリエステル繊維のみから成るポリエ ステル糸である。ケナフ繊維100重量%のケナ 糸1本の重量は、ポリエステル繊維100重量%の ポリエステル糸2本分の重量とほぼ等しいの 、本実施形態では、1本のケナフ糸23の重量 2本の非ケナフ糸24の合計重量とは、ほぼ等 い。
 この場合に、本実施形態と異なって、各構 単位において、非ケナフ糸24の本数がケナ 糸23の本数の2倍になっておらず、たとえば 構成単位が1本のケナフ糸23と1本の非ケナフ 24とを含んでいると、ケナフ糸23の混率、す なわち緯糸22中のケナフ糸23の割合が大きく り過ぎて、緯糸22中のケナフ繊維の割合が緯 糸22の全量の55重量%を超えてしまい、基布11 強度が充分に得られない。
 したがって各構成単位は、本実施形態のよ に非ケナフ糸24の本数がケナフ糸23の本数の 2倍になっている、つまりm本のケナフ糸23と2m 本の非ケナフ糸24とを含むことが好ましい。 のようにm本のケナフ糸23と2m本の非ケナフ 24とを含む構成単位を繰返し配置して緯糸22 構成することによって、緯糸22中のケナフ 維の割合を55重量%以下にし、基布11の強度を 充分なものとすることができる。ケナフ糸23 ケナフ繊維以外の繊維を含む場合、非ケナ 糸24がポリエステル繊維以外の繊維を含む リエステル糸である場合、および非ケナフ 24がポリエステル糸以外の糸から成る場合に は、各構成単位に含まれるケナフ糸23および ケナフ糸24の本数は、ケナフ糸23と非ケナフ 糸24との重量比、およびケナフ糸23中のケナ 繊維の割合に基づいて、緯糸22中のケナフ繊 維の割合が緯糸22の全量の55重量%以下になる うに選ばれる。
 また本実施形態では、図2に示すように基布 11を構成する織物は、経糸21が1本のケナフ糸2 3と2本の非ケナフ糸24とを交互に浮き沈みす ように構成される。これによって、経方向Y 並ぶ各構成単位Aにおいて、ケナフ糸23を基 11の厚み方向Zに関して同じ側に露出させる とができる。たとえば第1の経糸21aに交差す るケナフ糸23は、厚み方向他方Z2側に露出し 第1の経糸21aに隣接する第2の経糸21bに交差す るケナフ糸23は、厚み方向一方Z1側に露出す 。
 これに対し、基布11を構成する織物が、経 21と緯糸22とを1本毎に交錯させた平織組織か ら成る単純平織で構成される場合、経方向Y おいて隣接する2つの構成単位Aに含まれる2 のケナフ糸23は、基布11の厚み方向Zに関して 、互いに反対側に露出する。したがって厚み 方向一方Z1側から見て、経方向Yにおけるケナ フ糸23の露出頻度は、基布11が経畦織で構成 れる場合に比べて小さい。
 本実施形態では、ケナフ糸23は、基布11の厚 み方向Zに関して同じ側に露出するので、厚 方向一方Z1側から見て、経方向Yにおけるケ フ糸23の露出頻度は、基布11が単純平織で構 される場合に比べて大きい。前述のように ケナフ糸23はスパン糸であり、スパン糸は 面に凹凸を有するので、フィラメント糸に べて、プライマ層12,13を構成する樹脂が絡ま り易く、樹脂との接着性に優れる。したがっ て基布11を経畦織で構成して、経方向Yにおけ るケナフ糸23の露出頻度を大きくすることに って、単純平織で構成される場合に比べて 基布11とプライマ層12,13に含まれる樹脂との 接着性を向上させることができる。
 また基布11を構成する織物が単純平織で構 されると、基布11の凹凸が多くなり、パッド 層17などをコーティングしたときに気泡が含 れ易く、品位低下や接着強度低下を起こす それがある。この点からも、基布11は、本 施形態のように経畦織で構成されることが ましい。
 本実施形態の布帛1は、適宜の形状および寸 法に裁断されて、種々の用途に用いられ、た とえばテント用膜材として用いられる。裁断 された布帛1は、そのままテント用膜材とし 用いられてもよく、たとえば図6に示すよう 複数枚が接合されてテント用膜材として用 られてもよい。
 図6は、テント用膜材の一例であるテント用 膜材50を示す平面図である。図7は、図6に示 切断面線S7-S7から見た断面図である。テント 用膜材50は、複数の膜部材51を含み、複数の 部材51、本実施形態では2枚の膜部材51が接合 されて成る。各膜部材51は、前述の図1に示す 本実施形態の布帛1から成る。互いに接合さ る2つの膜部材51、すなわち第1膜部材53およ 第2膜部材54は、一方の膜部材51である第1膜 材53の緯方向Xにおける一端部、すなわち緯 向一方X1側の端部と、他方の膜部材51である 2膜部材54の緯方向Xにおける他端部、すなわ ち緯方向他方X2側の端部とが、経方向Y全体に わたって接合される。2つの膜部材51同士の接 合部分52の緯方向Xにおける幅寸法(以下「接 幅」という)W1は、たとえば40mmである。
 テント用膜材50は、たとえば膜部材51同士を 熱風融着させることによって製造される。具 体的には、第1膜部材53の緯方向一方X1側の端 と、第2膜部材54の緯方向他方X2側の端部と 重ねて、重ねた部分の第1膜部材53と第2膜部 54との間に熱風機で熱風を通して、第1およ 第2膜部材53,54の表面を溶かすとともに、厚 方向一方Z1側から荷重をかけて接合してい ことによって、テント用膜材50が製造される 。膜部材51の接合は、たとえば、ライスター 製の熱風機を用い、熱風機の設定温度を600 以下の範囲内で、200~600℃程度の熱風が噴射 されるように設定し、接合速度をたとえば2.0 m/minとし、接合幅4cm当たりの線圧をたとえば1 2kgf(約117.6N)として行われる。
 テント用膜材50は、前述のように容易に再 用可能であり、かつ強度が高い本実施形態 布帛1から成る複数の膜部材51が接合されて る。したがって、容易に再利用することが き、かつ強度の高いテント用膜材50を実現す ることができる。また本実施形態の布帛1に まれる基布11は、前述のようにスパン糸であ るケナフ糸23を含む織物で構成され、この基 11の厚み方向両表面部にプライマ層12,13を介 してコート層14,15が設けられているので、ス ン糸を含まない基布11にプライマ層12,13を介 してコート層14,15が設けられる場合に比べて 基布11とプライマ層12,13との接合強度を高め ることができ、基布11からのコート層14,15の 離をより確実に防ぐことができる。したが て、膜部材51が接合される接合部分52におい 、基布11からコート層14,15が剥離することを 防ぐことができるので、膜部材51同士の接合 度を高めることができる。したがって耐久 に優れるテント用膜材50を実現することが きる。
 本実施形態の布帛1および布帛1から成る膜 材51を含むテント用膜材50は、長期間使用さ て劣化したり、または一部が破断したりし 使用できなくなった後には、これを回収し 、たとえば紙に再生することが可能である
 テント用膜材50を紙に再生する場合、テン 用膜材50を小片化し、小片化したテント用膜 材50を水とともに撹拌することによってパル を生成し、生成したパルプを水中に拡散さ て、抄紙して乾燥させることによって、再 紙が製造される。具体的に述べると、たと ば、テント用膜材50を適当な大きさに裁断 て小片とし、この小片をパルプ抄紙機に投 して水と共に撹拌する。パルプ抄紙機に備 る2枚のグラインダが回転することによって ント用膜材50の小片同士が擦られてパルプ なる。得られたパルプを水中に入れて拡散 せ、抄紙機を用いて漉くことによって紙漉 を行なった後、アイロンなどで乾燥すると 紙(以下「再生紙」という)が得られる。布帛 1も同様にして紙として再生することができ 。再生紙は、手漉きによって抄紙されても い。
 本実施形態の布帛1およびテント用膜材50は 織物全量の15重量%以上55重量%以下の割合で ナフ繊維を含む織物から成る基布を含むの 、前述のように、基布11を被覆していた樹 と、基布11を構成する織物の繊維とを分離す ることなく、また薬品を使用することなく、 水のみで再生紙にすることができる。したが って容易に再生することができ、また再生す るときの環境への負荷が小さい。また布帛1 たはテント用膜材50から得られるパルプは、 木材資源に変わる紙の原料として多くの利用 方法がある。
 布帛1およびテント用膜材50には、基布11の リエステル糸24を構成するポリエステル繊維 および基布11を被覆していた樹脂が入ってい ので、テント用膜材50から得られたパルプ みで再生紙を製造すると、「もさもさ」と た質感の紙になる。表面がより滑らかな再 紙を得るためには、テント用膜材50から得ら れたパルプ(以下「ケナフパルプ」という)に 古紙から得られるパルプ(以下「古紙パルプ 」という)または新しいパルプを混合して、 生紙を製造することが好ましい。たとえば テント用膜材50から得られるケナフパルプに 対して、ケナフパルプの全重量の30重量%の古 紙パルプを混合して、再生紙を製造すると、 紙らしくなって、表面がより滑らかになり、 実使用に好適な再生紙が得られる。
 以上に述べた本実施形態では、ケナフ糸23 、基布11を構成する織物の緯糸22に含まれる 、これに限定されず、経糸21に含まれても く、経糸21および緯糸22の両方に含まれても い。このようにケナフ糸23は、経糸21および 緯糸22の両方に含まれてもよいが、いずれか 方のみに含まれる方が好ましい。すなわち ナフ繊維は、経糸21および緯糸22のいずれか 一方のみに含まれることが好ましい。ケナフ 繊維は、他の天然繊維および合成繊維に比べ て、繊維自体が太いので、ケナフ糸23は、他 天然繊維または合成繊維から成る繊維糸に べて太い。ケナフ繊維を経糸21および緯糸22 の両方に含ませる、すなわちケナフ繊維を含 むケナフ糸23を経糸21および緯糸22の両方に含 ませると、基布11が厚くなり過ぎ、また経糸2 1に含まれるケナフ糸23と緯糸22に含まれるケ フ糸23とが交わる部分が突出してしまうの 、コーティングに不向きであり、プライマ 12,13、コート層14,15および防汚層16を一定の 厚で形成することが困難になる。したがっ ケナフ糸23、より詳細にはケナフ繊維は、経 糸21および緯糸22のいずれか一方に含まれる とが好ましい。
 ケナフ繊維が経糸21に含まれる場合、ケナ 繊維が緯糸22に含まれる場合と同様に、経糸 21中のケナフ繊維の割合は、経糸21の全量の55 重量%以下に選ばれる。これによって、布帛1 経方向Yの引張強さを確保することができる 。またケナフ繊維が経糸21および緯糸22の両 に含まれる場合、経糸21の全重量に対する経 糸21に含まれるケナフ繊維の全重量の割合、 よび緯糸22の全重量に対する緯糸22に含まれ るケナフ繊維の全重量の割合は、いずれも55 量%以下であり、基布11を構成する織物の全 量に対するケナフ繊維の全重量、すなわち 糸21に含まれるケナフ繊維および緯糸22に含 まれるケナフ繊維の合計重量の割合は、15重 %以上55重量%以下に選ばれる。これによって 経方向Yおよび緯方向Xのいずれにも充分な強 を有し、かつ布帛1全体としても高い強度を 有する布帛1を実現することができる。
 また本実施形態では、基布11を構成する織 の組織は、平織であるが、これに限定され 、他の組織、たとえば綾織または朱子織で ってもよい。

 以下のようにして布帛およびテント用膜材 製造し、得られた布帛およびテント用膜材 ついて、以下に示す試験を実施し、C種膜と しての基準を満足するか否かを評価した。C 膜には、表1に示す特性が求められる。表1に おいて、コーティング材の質量とは、布帛の うち、基布を除く層の合計質量である。
 [布帛、基布およびコーティング材の質量]
 布帛、基布およびコーティング材の質量は 日本工業規格(略称JIS)K6404に規定される測定 方法に従って測定した。
 [引張強さ]
 引張強さは、布帛について、JIS L1096に規定 される試験方法に従って評価した。
 [破断伸び率]
 破断伸び率は、布帛について、JIS L1096に規 定される試験方法に従って評価した。
 [接合部引張強さ]
 接合部引張強さは、テント用膜材について JIS L1096に規定される試験方法に従って評価 した。試験片としては、前述の図6に示すテ ト用膜材50を、緯方向Xにおける長さ寸法W2が 300mmであり、経方向Yにおける幅寸法W3が30mmで ある長方形状に裁断した試験片60を用いた。
 図8Aおよび図8Bは、試験片60に対する接合部 張強さ試験の様子を示す図である。図8Aは 試験片60を厚み方向一方Z側から見た平面図 あり、図8Bは、試験片60を経方向Yの一方側か ら見た側面図である。接合部引張強さ試験は 、図8Aおよび図8Bに示すように、試験片60を構 成する第1膜部材53の緯方向他方X2側の端部61 よび第2膜部材54の緯方向一方X1側の端部62を れぞれチャックで挟んで行なう。チャック の間隔を200mmとし、引張速度を200mm/minとし 。
 [高温時接合部引張強さ]
 高温時接合部引張強さは、テント用膜材に いて、JIS L1096に規定される試験方法に準じ て評価した。試験温度は65℃とした。
 [接合部耐剥離強さ]
 接合部耐剥離強さは、テント用膜材につい 、JIS K6404に規定される試験方法に従って評 価した。
 [接合部耐引張クリープ性]
 接合部耐引張クリープ性は、テント用膜材 ついて、JIS K6859に規定される試験方法に準 じて評価した。試験温度は65℃とし、負荷時 を24時間とし、荷重を引張強さの10分の1(1/10 )とした。
 [耐水性]
 耐水性は、布帛について、JIS L1092に規定さ れる試験方法に従って評価した。
 [耐もみ性]
 耐もみ性は、布帛について、JIS K6404-6に規 される試験方法に従って評価した。
 [耐寒性]
 耐寒性は、布帛について、JIS M7102に規定さ れる試験方法に従って評価した。
 [防炎試験]
 防炎試験は、JIS A1322に規定されるメッケル バーナー法に従って行なった。
 C種膜の認定には防炎試験はないが、テント 用膜材として使用する場合、飛び火試験にお いて基準を満足する必要があるので、本評価 では防炎試験を行っている。メッケルバーナ ー法は、飛び火試験の強条件を想定して実施 している。実際の飛び火試験は、布帛の表面 のみに実施されるので、本評価では、布帛の 表面のみに防炎試験を行なった。
 本防炎試験では、防炎2級の基準を満足する か否かを評価した。防炎2級には、表2に示す 性が求められる。
 (実施例1)
 以下のようにして、図1に示す布帛1を製造 た。基布11は平織の織物とし、緯糸22のみに ナフ糸23を用いた。経糸21および緯糸22の非 ナフ糸24には、ポリエステル繊維のみから り、デシテックス表示で1620デシテックスの リエステルフィラメント糸を用い、緯糸22 うち、ケナフ糸23には、ケナフ繊維のみから 成り、ジュート番手で7番単糸のケナフ糸23を 用いた。緯糸22は、前述の図2に示すように、 1本のケナフ糸23と2本の非ケナフ糸24とが、布 帛1の経方向Yの一方Y1側から他方Y2側に向かっ て、非ケナフ糸24、非ケナフ糸24、ケナフ糸23 の順に配列される構成単位Aが、経方向Yに繰 し配列される構成とした。基布11の質量は 349g/m 2 であった。この基布11において、基布11を構 する織物全量中のケナフ繊維の割合は、織 全量の33重量%であり、緯糸22中のケナフ繊維 の割合は、緯糸22の全量の52重量%であった。
 基布11を、パッド層材料が貯留される塗布 に浸漬した後、乾燥させ、さらに加熱して ュアし、パッド層17を形成した。パッド層材 料には、フッ素系撥水剤(固形分20%)3重量%、 ン酸グアニジン系難燃剤(リン酸グアニジン4 7重量%水溶液)40重量%およびイソプロピルアル コール(略称IPA)2重量%を含み、残部が水であ パッド層材料を用いた。乾燥温度を130℃と 、乾燥装置への基布11の搬送速度を10m/minと た。またキュア温度を180℃とし、加熱装置 の基布11の搬送速度を20m/minとし、加熱装置 おける設定幅、すなわち加熱に供する基布11 の幅を130cmとした。パッド層17の重量、すな ちパッド層17の付着量は、50g/m 2 とした。
 次いで、パッド層17が形成された基布11Aの み方向一方Z1側の表面部に、プライマ樹脂材 料をナイフコーティングで塗布した後、乾燥 させ、表側プライマ層12を形成した。プライ 樹脂材料には、ポリカーボネート系ウレタ 樹脂材料(ポリカーボネート系ウレタン樹脂 溶液、固形分量25重量%、希釈溶剤:DMF/TOL/MEK=30 /20/50、100%モジュラス100kg/cm 2 )を用いた。ナイフコーティングに用いたナ フコータのナイフ丸刃深度は1.0mmとした。乾 燥装置には、3連式の乾燥装置を用いた。塗 装置および乾燥装置における基布11Aの搬送 度を10m/minとした。熱風温度は、第1乾燥室を 70℃とし、第2乾燥室を110℃とし、第3乾燥室 130℃とした。熱風風量は、第1乾燥室よりも 2および第3乾燥室の方を大きくし、第2乾燥 と第3乾燥室とは同一とした。具体的には、 第1乾燥室の熱風風量を低とし、第2および第3 乾燥室の熱風風量を高とした。表側プライマ 層12の重量、すなわち表側プライマ層12の塗 量は、40g/m 2 とした。
 次いで、表側プライマ層12が形成された基 11Bの厚み方向他方Z2側の表面部に、表側プラ イマ層12と同様にして裏側プライマ層13を形 した。プライマ樹脂材料には、表側プライ 層12と同じポリカーボネート系ウレタン樹脂 材料を用いた。塗布装置および乾燥装置にお ける基布11の搬送速度、ならびに乾燥装置の 乾燥室における熱風温度および熱風風量は それぞれ表側プライマ層12を形成するとき 同一とした。裏側プライマ層13の重量、すな わち裏側プライマ層13の塗布量は、40g/m 2 とした。
 次いで、裏側プライマ層13が形成された基 11Cの厚み方向一方Z1側の表面部に、以下に示 す組成のコート層材料をコンマコーティング で塗布した後、乾燥させ、表側コート層14を 成した。以下において「部」は、特に断ら い限り、「重量部」を示す。
 〔コート層材料〕
  ポリカーボネート系ウレタン樹脂材料   :100部
  難燃剤                 :20部
  白色顔料                :5部
  架橋剤                 :4部
  防かび剤                :0.2部
  IPA                 :8部
  TOL                 :8部
 ポリカーボネート系ウレタン樹脂材料には ポリカーボネート系ウレタン樹脂の固形分 25重量%、希釈溶剤:DMF、100%モジュラス55kg/cm 2 のポリカーボネート系ウレタン樹脂溶液を用 いた。ポリカーボネート系ウレタン樹脂材料 に含まれるポリカーボネート系ウレタン樹脂 の軟化温度は150℃である。難燃剤には、ポリ リン酸系難燃剤(ポリリン酸アンモニウム100% )を用いた。
 コンマコーティングに用いたコンマコータ コンマと搬送ロールとの隙間(以下「クリア ランス」という)を1500μmとし、表側コート層1 4の重量、すなわち表側コート層14の塗布量を 200g/m 2 とした。乾燥装置には、3連式の乾燥装置を いた。塗布装置および乾燥装置における基 11Aの搬送速度を3m/minとした。熱風温度は、 1乾燥室を70℃とし、第2乾燥室を110℃とし、 3乾燥室を130℃とした。熱風風量は、第1乾 室の方を第2および第3乾燥室よりも大きくし 、第2乾燥室と第3乾燥室とは同一とした。具 的には、第1乾燥室の熱風風量を高とし、第 2および第3乾燥室の熱風風量を低とした。
 次いで、表側コート層14が形成された基布11 Dの厚み方向他方Z2側の表面部に、表側コート 層14と同様にして裏側コート層15を形成した コート層材料には、表側コート層14と同じも のを用いた。塗布装置および乾燥装置におけ る基布11の搬送速度、ならびに乾燥装置の各 燥室における熱風温度および熱風風量は、 れぞれ表側コート層14を形成するときと同 とした。コンマコーティングに用いたコン コータのクリアランスを1100μmとし、裏側コ ト層15の重量、すなわち裏側コート層15の塗 布量を125g/m 2 とした。
 次いで、裏側コート層15が形成された基布11 Eをニップ装置に送給し、表側コート層14、裏 側コート層15の順に、それぞれニップ処理し 。ニップ処理における基布11Eの搬送速度を3 m/minとし、加熱ロールの加熱温度を180℃とし 一対のニップロールによる加圧力を4kg/cm 2 (線圧で24.5kg/cm)とした。
 ニップ処理後の基布11Eの厚み方向一方Z1側 表面部に、防汚材料をナイフコーティング 塗布した後、乾燥させ、防汚層16を形成した 。防汚材料には、アクリルウレタン系樹脂を 用いた。ナイフコーティングに用いたナイフ コータのナイフ丸刃深度は1.0mmとした。乾燥 置には、3連式の乾燥装置を用いた。塗布装 置および乾燥装置における基布11Eの搬送速度 を15m/minとした。熱風温度は、第1乾燥室を120 とし、第2乾燥室を130℃とし、第3乾燥室を13 0℃とした。熱風風量は、第1~第3乾燥室のい れも同一とし、具体的には高とした。防汚 16の重量、すなわち防汚層16の塗布量は、5g/m 2 とした。
 以上のようにして布帛1を製造した。得られ た布帛1の重量は、809g/m 2 であった。この布帛1におけるコーティング 数は、表側プライマ層12、裏側プライマ層13 表側コート層14、裏側コート層15および防汚 層16の5回である。この布帛1において、コー ィング材の質量は、460g/m 2 であった。
 得られた布帛1を膜部材51として用い、図6に 示すように膜部材51同士を熱風融着させて、 ント用膜材50を製造した。熱風融着は、熱 機(ライスター社製)を用いて、熱風機の温度 を(600℃)に設定し、接合速度を2.0m/minとし、 合部分に接合幅4cm当たり12kgf(約117.6N)の線圧 与えて行なった。接合部分の接合幅W1は、40 mmとした。
 (実施例2)
 基布11において、緯糸22中のケナフ糸23の本 と非ケナフ糸24の本数との比を、ケナフ糸23 :非ケナフ糸24=15本:18本に変更すること以外は 、実施例1と同様にして、布帛1およびテント 膜材50を製造した。用いた基布11の質量は354 g/m 2 であった。この基布11において、基布11を構 する織物全量中のケナフ繊維の割合は、織 全量の35重量%であり、緯糸22中のケナフ繊維 の割合は、緯糸22の全量の55重量%であった。 た、得られた布帛1の質量は814g/m 2 であり、この布帛1におけるコーティング材 質量は460g/m 2 であった。
 (比較例1)
 基布11において、緯糸22中のケナフ糸23の本 と非ケナフ糸24の本数との比を、ケナフ糸23 :非ケナフ糸24=16本:17本に変更すること以外は 、実施例1と同様にして、布帛およびテント 膜材を製造した。用いた基布11の質量は358g/m 2 であった。この基布11において、基布11を構 する織物全量中のケナフ繊維の割合は、織 全量の37重量%であり、緯糸22中のケナフ繊維 の割合は、緯糸22の全量の58重量%であった。 た、得られた布帛の質量は818g/m 2 であり、この布帛におけるコーティング材の 質量は460g/m 2 であった。
 (比較例2)
 基布11において、緯糸22中のケナフ糸23の本 と非ケナフ糸24の本数との比を、ケナフ糸23 :非ケナフ糸24=17本:16本に変更すること以外は 、実施例1と同様にして、布帛およびテント 膜材を製造した。用いた基布11の質量は363g/m 2 であった。この基布11において、基布11を構 する織物全量中のケナフ繊維の割合は、織 全量の39重量%であり、緯糸22中のケナフ繊維 の割合は、緯糸22の全量の61重量%であった。 た、得られた布帛の質量は823g/m 2 であり、この布帛におけるコーティング材の 質量は460g/m 2 であった。
 〔評価1〕
 以上のようにして製造した実施例1,2および 較例1,2の布帛について、経方向および緯方 の引張強さ(N/3cm)をそれぞれ評価した。評価 結果を表3に示す。
 表3に示す結果から、実施例1,2のように、織 物全量中のケナフ繊維の割合を織物全量の55 量%以下とし、緯糸中のケナフ繊維の割合を 緯糸全量の55重量%以下とし、経糸中のケナフ 繊維の割合を経糸全量の55重量%以下とするこ とによって、経方向Yおよび緯方向Xのいずれ も充分な引張強さを有し、布帛全体として 高い引張強さを有する布帛が得られること 判った。
 これに対し、織物全量中のケナフ繊維の割 が織物全量の55重量%を超える比較例1,2では ケナフ糸を含む緯方向において、引張強さ 2000N/3cm未満となり、充分な引張強さが得ら なかった。
 (実施例3)
 基布11において、緯糸22中のケナフ糸23の本 と非ケナフ糸24の本数との比を、ケナフ糸23 :非ケナフ糸24=1本:2本に変更し、パッド層17の 付着量を50g/m 2 に変更し、表側プライマ層12および裏側プラ マ層13の塗布量をそれぞれ40g/m 2 に変更し、表側コート層14の塗布量を200g/m 2 に変更し、裏側コート層15の塗布量を90g/m 2 に変更すること以外は、実施例1と同様にし 、布帛1およびテント用膜材50を製造した。
 用いた基布11の質量は330g/m 2 であった。この基布11において、基布11を構 する織物全量中のケナフ繊維の割合は、織 全量の27重量%であり、緯糸22中のケナフ繊維 の割合は、緯糸22の全量の42重量%であった。 た、得られた布帛1の質量は740g/m 2 であり、この布帛1におけるコーティング材 質量は410g/m 2 であった。
 (実施例4)
 表側コート層14および裏側コート層15をニッ プ処理しないこと以外は、実施例3と同様に て布帛1およびテント用膜材50を製造した。 られた布帛1の質量は740g/m 2 であり、この布帛1におけるコーティング材 質量は410g/m 2 であった。
 (実施例5)
 裏側コート層15の形成後であってニップ処 前に、表側コート層14の表面部に表側コート 層14と同様にして第2表側コート層を形成し、 裏側コート層15の表面部に表側コート層14と 様にして第2裏側コート層を形成する以外は 実施例3と同様にして布帛1およびテント用 材50を製造した。得られた布帛の質量は796g/m 2 であり、この布帛1におけるコーティング材 質量は463g/m 2 であった。この布帛におけるコーティング回 数は、表側プライマ層12、裏側プライマ層13 表側コート層14、裏側コート層15、第2表側コ ート層、第2裏側コート層および防汚層16の7 である。つまり本実施例では、コート層の ーティング回数を、実施例3の2回から4回に やしている。
 (実施例6)
 表側コート層14を形成する前に、表側プラ マ層12の厚み方向一方Z1側の表面部に表側ベ スコート層を形成し、裏側プライマ層13の み方向他方Z2側の表面部に裏側ベースコート 層を形成し、表側プライマ層12および裏側プ イマ層13のプライマ樹脂材料として、ポリ ーボネート系ウレタン樹脂材料(ポリカーボ ート系ウレタン樹脂溶液、固形分量25質量% 希釈溶剤:DMF、100%モジュラス55kg/cm 2 )を用いること以外は、実施例5と同様にして 帛1およびテント用膜材50を製造した。表側 ースコート層および裏側ベースコート層は 表側コート層14および裏側コート層15と同様 にして形成した。表側ベースコート層および 裏側ベースコート層の重量は80g/m 2 とし、表側コート層14の重量は120g/m 2 とし、裏側コート層15の重量は100g/m 2 とした。本実施例の布帛におけるコーティン グ回数は、表側プライマ層12、裏側プライマ 13、表側ベースコート層、裏側ベースコー 層、表側コート層14、裏側コート層15、第2表 側コート層、第2裏側コート層および防汚層16 の9回である。
 (実施例7)
 表側プライマ層12および裏側プライマ層13の プライマ樹脂材料として、コート層材料に用 いたものと同じポリカーボネート系ウレタン 樹脂材料を用いること以外は、実施例3と同 にして布帛1およびテント用膜材50を製造し 。得られた布帛1の質量は761g/m 2 であり、この布帛1におけるコーティング材 質量は431g/m 2 であった。
 (実施例8)
 表側プライマ層12および裏側プライマ層13の プライマ樹脂材料として、ポリカーボネート 系ウレタン樹脂材料(ポリカーボネート系ウ タン樹脂溶液、固形分量25重量%、希釈溶剤:D MF、100%モジュラス55kg/cm 2 )を用い、表側コート層14および裏側コート層 15を乾燥させるときの乾燥装置のすべての乾 室における熱風温度を130℃としたこと以外 、実施例3と同様にして布帛1およびテント 膜材50を製造した。得られた布帛1の質量は81 4g/m 2 であり、この布帛1におけるコーティング材 質量は484g/m 2 であった。
 (実施例9)
 表側コート層14および裏側コート層15のコー ト層材料として、ポリリン酸系難燃剤に代え て、リン酸エステル系難燃剤を含むコート層 材料を用い、防汚層16を形成しないこと以外 、実施例3と同様にして布帛1およびテント 膜材50を製造した。本実施例の布帛における コーティング回数は、表側プライマ層12、裏 プライマ層13、表側コート層14および裏側コ ート層15の4回である。得られた布帛1の質量 802g/m 2 であり、この布帛1におけるコーティング材 質量は472g/m 2 であった。
 〔評価2〕
 以上のようにして製造した実施例3~9の布帛 ついて、防炎試験を実施した。防炎試験は 各布帛について、3回ずつ行なった。結果を 表4に示す。表4において「-」は、試験を実施 しなかったことを意味する。表4には、3回の 炎試験の結果を列記する。実施例7,8につい は、後述する接合部耐引張クリープ性の評 において、はがれが見られたので、防炎試 は1回のみ行なった。実施例9については、 方向の評価において、残炎時間が5秒以上で 炭化長が無限大という結果になったので、 方向の評価については行わなかった。
 表4に示す結果から、実施例1~8のように、表 側コート層14および裏側コート層15の難燃剤 してポリリン酸系難燃剤を用いることによ て、他の難燃剤、たとえば実施例9のように ン酸エステル系難燃剤を用いる場合に比べ 、難燃性に優れる布帛が得られることが判 た。
 〔評価3〕
 実施例3~8の布帛について、経方向および緯 向の引張強さ(N/3cm)および破断伸び率(%)をそ れぞれ評価した。また実施例3~8のテント用膜 材について、経方向および緯方向の接合部引 張強さ(N/3cm)、高温時接合部引張強さ(N/3cm)、 合部耐剥離強さ(N/2cm)および接合部耐引張ク リープ性をそれぞれ評価した。評価結果を表 5に示す。表5において「-」は、評価を行わな かったことを意味する。表5中の()内の数値は 、引張強さに対する保持率(%)を示し、[]内の 値は、接合部引張強さに対する保持率(%)を す。
 表5に示す結果から、実施例3~7のように、各 乾燥室の熱風温度を基布の搬送方向上流側か ら下流側に向かって高くし、各乾燥室の熱風 風量を基布の搬送方向上流側から下流側に向 かって小さくすることによって、接合部引張 強さ、高温時接合部引張強さ、および接合部 耐剥離強さに優れるテント用膜材が得られる ことが判った。これは、コート層14,15への気 の発生を抑えることができ、これによって 部材同士の接着強度が向上したためである 考えられる。
 また実施例3~5のように、プライマ層の材料 して、前述の100%モジュラス100kg/cm 2 、希釈溶剤:DMF/TOL/MEK=30/20/50のポリカーボネー ト系ウレタン樹脂材料を用いることによって 、接合部耐引張クリープ性に優れるテント用 膜材が得られることが判った。
 また実施例3,5のように、コート層を形成し 後にニップ処理することによって、接合部 引張クリープ性に特に優れるテント用膜材 得られることが判った。これは、ニップ処 によって、コート層材料および先に形成さ たプライマ層を基布に含浸させて、コート 材料と基布との密着性を向上させることが きるためであると考えられる。
 〔評価4〕
 実施例3~5の布帛について、耐水性をそれぞ 評価した。また実施例3,5の布帛の経方向お び緯方向について、耐もみ性および耐寒性 それぞれ評価した。結果を表6に示す。実施 例4については、前述の接合部耐引張クリー 性の評価において、はがれが見られたので 耐もみ性および耐寒性については評価を行 なかった。表6において「-」は、評価を行わ なかったことを意味する。
 表6の結果から、実施例5のように、コート のコーティング回数を増やすことによって 布帛の耐もみ性および耐寒性を向上させる とができることが判った。
 (実施例10)
 基布11において、表側プライマ層12および裏 側プライマ層13のプライマ樹脂材料として接 加工用ウレタン樹脂材料(エステル系ウレタ ン樹脂溶液、固形分量19重量%、希釈溶剤:TOL/M EK=30/70)を用い、表側プライマ層12および裏側 ライマ層13の塗布量をそれぞれ30g/m 2 に変更し、難燃剤(三酸化アンチモン)を含有 る塩化ビニル樹脂シート(厚さ200μm、質量249 g/m 2 )を、130℃に加熱した熱ロールでプレスして 側コート層14および裏側コート層15を形成し こと以外は、実施例1と同様にして、布帛1 よびテント用膜材50を製造した。得られた布 帛1の質量は828g/m 2 であり、この布帛1におけるコーティング材 質量は498g/m 2 であった。
 〔評価5〕
 実施例10の布帛について、経方向および緯 向の引張強さ(N/3cm)および破断伸び率(%)をそ ぞれ評価した。また実施例10のテント用膜 について、緯方向の接合部引張強さ(N/3cm)、 方向の接合部耐剥離強さ(N/2cm)および緯方向 の接合部耐引張クリープ性をそれぞれ評価し た。さらに、実施例10の布帛について、耐水 、経方向および緯方向の耐もみ性および耐 性をそれぞれ評価した。評価結果を表7に示 す。表7中の()内の数値は、引張強さに対する 保持率(%)を示す。
 (比較例3)
 基布として、ポリエステル繊維のみから成 、デシテックス表示で1100デシテックスのポ リエステルスパン糸を用いて織られた平織の 生地を用い、基布の厚み方向一方側の表面部 に、実施例1と同様にしてコート層材料をコ マコーティングで塗布して乾燥させ、表側 ート層を形成した。コート層材料には、実 例1のコート層材料に用いたものと同じポリ ーボネート系ウレタン樹脂材料100重量部と リン酸エステル系難燃剤25重量部との混合 を用いた。
 次いで、基布の厚み方向他方側の表面部に コート層材料をシート状に形成したものを ミネートし、裏側コート層を形成した。コ ト層材料には、表側コート層14と同じもの 用いた。このようにして布帛を製造した。
 得られた布帛について、前述のようにして 張強さを測定したところ、経方向1920N/3cm、 方向1640N/3cmであった。またJIS A1322に規定さ れる試験方法に従って防炎試験を実施したと ころ、残炎時間0秒、炭化長5.2cmであり、防炎 2級を満足する結果となった。防炎試験にお る加熱時間は、2分間とした。
 (実施例11)
 基布11において、緯糸22中のケナフ糸23の本 と非ケナフ糸24の本数との比を、ケナフ糸23 :非ケナフ糸24=6本:27本に変更すること以外は 実施例1と同様にして、布帛1およびテント 膜材50を製造した。用いた基布11の質量は314g /m 2 であった。この基布11において、基布11を構 する織物全量中のケナフ繊維の割合は、織 全量の15重量%であり、緯糸22中のケナフ繊維 の割合は、緯糸22の全量の24重量%であった。 た、得られた布帛1の質量は774g/m 2 であり、この布帛1におけるコーティング材 質量は460g/m 2 であった。
 (比較例4)
 基布11において、緯糸22中のケナフ糸23の本 と非ケナフ糸24の本数との比を、ケナフ糸23 :非ケナフ糸24=4本:29本に変更すること以外は 実施例1と同様にして、布帛およびテント用 膜材を製造した。用いた基布11の質量は305g/m 2 であった。この基布11において、基布11を構 する織物全量中のケナフ繊維の割合は、織 全量の10重量%であり、緯糸22中のケナフ繊維 の割合は、緯糸22の全量の17重量%であった。 た、得られた布帛の質量は765g/m 2 であり、この布帛におけるコーティング材の 質量は460g/m 2 であった。
 〔評価6〕
 実施例1で得られたテント用膜材を、粉砕機 を用いておおよそ2cmの大きさに切断した。次 にパルプ化機械に水を入れながら、小片化し たテント用膜材を投入し、室温下にて高速回 転で粉砕および擦過し、パルプを調製した。 ここでは特にコート層などのコーティング材 と基布の繊維との分離は行っておらず、全て が混在したパルプが得られた。次に、このパ ルプを水中に入れて拡散させ、手漉きによっ て抄紙を試みたところ、紙状に形成すること ができた。このようにして抄紙したものをア イロンで乾燥させて、紙を得た。得られた紙 、すなわち再生紙に対して、インクジェット プリンタで画像を印刷したところ、明瞭な画 像を印刷することできた。このことから、実 施例1で得られたテント用膜材は、インクジ ットプリンタで明瞭な画像を印刷可能な程 の平滑な表面を有する紙に再生できること 判った。
 同様にして、実施例2~11で得られたテント用 膜材について、再生紙の製造を試みたところ 、実施例1と同様に、インクジェットプリン で明瞭な画像を印刷可能な程度の平滑な表 を有する紙(再生紙)が得られた。
 比較例4で得られたテント用膜材についても 、同様にして再生紙の製造を試みたが、紙状 に形成することができなかった。
 以上の結果を表8に示す。表8では、紙とし 再生可能な場合を「○」と記載し、紙とし 再生不可能な場合を「×」と記載する。
 本発明は、その精神または主要な特徴から 脱することなく、他のいろいろな形態で実 できる。したがって、前述の実施形態はあ ゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範 は特許請求の範囲に示すものであって、明 書本文には何ら拘束されない。さらに、特 請求の範囲に属する変形や変更は全て本発 の範囲内のものである。

 本発明によれば、布帛を構成する基布は、 糸および緯糸の少なくとも一方がケナフ繊 を含む織物から成る。この織物において、 度20℃、相対湿度65%で測定したときの織物 量中のケナフ繊維の割合(以下、単に「織物 量中のケナフ繊維の割合」という)は、織物 全量の15重量%以上55重量%以下であり、温度20 、相対湿度65%で測定したときの経糸中のケ フ繊維の割合(以下、単に「経糸中のケナフ 繊維の割合」という)は、経糸全量の55重量% 下であり、温度20℃、相対湿度65%で測定した ときの緯糸中のケナフ繊維の割合(以下、単 「緯糸中のケナフ繊維の割合」という)は、 糸全量の55重量%以下である。織物全量中の ナフ繊維の割合が織物全量の15重量%未満で ると、布帛を紙として再利用しようとした 合、紙状に形成することが困難となるので 布帛を再利用することは困難である。織物 量中のケナフ繊維の割合が織物全量の55重 %を超えると、布帛全体としての強度が充分 確保できない。また経糸中のケナフ繊維の 合が経糸全量の55重量%を超えると、布帛の 方向の強度が充分に得られず、緯糸中のケ フ繊維の割合が緯糸全量の55重量%を超える 、布帛の緯方向の強度が充分に得られない
 前述のように織物全量中のケナフ繊維の割 を織物全量の15重量%以上55重量%以下とし、 糸中のケナフ繊維の割合を経糸全量の55重 %以下とし、緯糸中のケナフ繊維の割合を緯 全量の55重量%以下とすることによって、布 を容易に再利用することができる。たとえ 布帛を紙として再利用することができる。 た経方向および緯方向のいずれにも充分な 度を有し、かつ布帛全体としても高い強度 有する布帛を実現することができる。
 また本発明によれば、布帛は、基布の厚み 向一表面部に積層され、難燃剤を含有する 燃剤層を含む。これによって、難燃性に優 る布帛を実現することができる。
 また本発明によれば、難燃剤層と基布との には、接着層が含まれる。難燃剤層と基布 の間に接着層がない場合、難燃剤層に含有 れる難燃剤の影響で、難燃剤層と基布との 着強度が充分に得られず、難燃剤層と基布 の接合強度が充分に得られないおそれがあ 。前述のように難燃剤層と基布との間に接 層を設けることによって、難燃剤層と基布 の接合強度を充分なものとし、難燃剤層の 離を防ぐことができる。また基布を構成す 織物には、短繊維であるケナフ繊維が含ま るので、ケナフ繊維と接着層との絡み合い よって、基布を構成する織物がケナフ繊維 含まない場合に比べて、基布と接着層との 着性を高めることができる。これによって 基布と難燃剤層との接合強度を高めること できるので、難燃剤層の剥離をより確実に ぐことができる。したがって、強度および 燃性に優れるとともに、耐久性に優れる布 を実現することができる。
 また本発明によれば、基布を構成する織物 経糸および緯糸の少なくとも一方は、フィ メント糸を含む。フィラメント糸は、スパ 糸に比べて、強度が高い。したがってフィ メント糸を含む織物で基布を構成すること よって、一層強度の高い布帛を実現するこ ができる。
 また本発明によれば、基布を構成する織物 経糸および緯糸の少なくとも一方は、ポリ ステル繊維を含む。ポリエステル繊維は、 の合成繊維、たとえばポリアミド繊維に比 て、強度が高く、また耐光性に優れ、劣化 にくい。したがってポリエステル繊維を含 織物で基布を構成することによって、強度 高く、劣化しにくい布帛を実現することが きる。
 また本発明によれば、テント用膜材は、前 本発明の布帛から成る。本発明の布帛は、 述のように容易に再利用可能であり、かつ 度が高いので、テント用膜材が本発明の布 から成ることによって、容易に再利用する とができ、かつ強度の高いテント用膜材を ることができる。
 また本発明によれば、テント用膜材は、前 本発明の布帛から成る複数の膜部材が接合 れて成る。本発明の布帛は、前述のように 易に再利用可能であり、かつ強度が高いの 、本発明の布帛から成る複数の膜部材を接 することによって、容易に再利用すること でき、かつ強度の高いテント用膜材を得る とができる。また本発明の布帛に含まれる 布は、前述のように短繊維であるケナフ繊 を含む織物で構成されるので、たとえば基 の厚み方向一表面部に接着層を介して難燃 層が設けられる場合、ケナフ繊維を含まな 織物から成る基布に接着層を介して難燃剤 が設けられる場合に比べて、基布と難燃剤 との接合強度を高めることができ、難燃剤 の剥離をより確実に防ぐことができる。こ によって、膜部材が接合される接合部分に いて、基布から難燃剤層が剥離することを ぐことができるので、膜部材同士の接合強 を高めることができる。したがって耐久性 優れるテント用膜材を実現することができ 。
 また本発明によれば、本発明のテント用膜 を小片化し、小片化したテント用膜材を水 ともに撹拌することによってパルプを生成 、生成したパルプを水中に拡散させて、抄 して乾燥させることによって、再生紙が製 される。本発明のテント用膜材を構成する 発明の布帛は、織物全量の15重量%以上55重 %以下の割合でケナフ繊維を含む織物から成 基布を含むので、薬品を使用することなく 水のみで再生紙にすることができる。した って容易に再生することができ、また再生 るときの環境への負荷が小さい。