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Patent Searching and Data


Title:
FAT ABSORPTION INHIBITING COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/031603
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a composition which shows a favorable fat absorption inhibitory activity, is capable of being safely and easily taken continuously without side effects, and further is capable of preventing and/or improving conditions associated with excessive fat absorption such as obesity and hyperlipidemia. The invention relates to a fat absorption inhibiting composition containing, as an active ingredient, a component recovered as an insoluble substance by subjecting wheat germ to extraction using water at a temperature of 65˚C or lower and under an acidic condition of a pH value of 5.0 or lower, and subjecting the resulting extraction liquid to the following condition (1) and/or (2): (1) a condition of a pH value of 6.0 or higher, and (2) a condition of a temperature of 70˚C or higher.

Inventors:
KATAYANAGI YUKI (JP)
HIRAMOTO SHIGERU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065933
Publication Date:
March 12, 2009
Filing Date:
September 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NISSHIN PHARMA INC (JP)
KATAYANAGI YUKI (JP)
HIRAMOTO SHIGERU (JP)
International Classes:
A61K36/899; A21D2/38; A23L1/30; A61P3/04; A61P3/06
Foreign References:
JPH10218890A1998-08-18
JPH04300839A1992-10-23
Other References:
OSTLUND, RICHARD E. ET AL.: "Inhibition of cholesterol absorption by phytosterol-replete wheat germ compared with phytosterol-depleted wheat germ", AMERICAN JOURNAL OF CLINICAL NUTRITION, vol. 77, no. 6, 2003, pages 1385 - 1389
BOREL P. ET AL.: "Effect of wheat bran and wheat germ on the intestinal uptake of oleic acid monoolein, and cholesterol in the rat", J. NUTR. BIOCHEM., vol. 1, no. 1, 1990, pages 28 - 33
CARA L.,BOREL P. ET AL.: "Effects of increasing levels of raw or defeted wheat germ on liver,feces and plasma lipids and lipoproteins in the rat", NUTR. RES., vol. 11, no. 8, 1991, pages 907 - 916
LAIRON D. ET AL.: "Beneficial effect of wheat germ on circulating lipoproteins and tissue lipids in rats fed a high fat, cholesterol-containing diet", J. NUTR., vol. 117, no. 5, 1987, pages 838 - 845
Attorney, Agent or Firm:
HIRAKI, Yusuke et al. (3-20 Toranomon 4-chom, Minato-ku Tokyo 01, JP)
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Claims:
 小麦胚芽を65℃以下の温度およびpH5.0以下の酸性条件下で水を用いて抽出し、得られた抽出液を下記(1)および/または(2)の条件:
(1)pH6.0以上の条件
(2)温度70℃以上の条件
に付すことにより不溶物として回収される成分を有効成分として含有する、脂肪吸収抑制組成物。
 過剰な脂肪吸収に関連する状態を予防および/または改善するための、請求項1記載の組成物。
 過剰な脂肪吸収に関連する状態が肥満および/または高脂血症である、請求項2記載の組成物。
 リパーゼ阻害作用がないかまたは極めて低いことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。
Description:
脂肪吸収抑制組成物

 本発明は、リパーゼ阻害作用がないかま は極めて低い脂肪吸収抑制組成物に関する より詳細には、小麦胚芽の成分を有効成分 し、リパーゼ阻害作用がないためリパーゼ 害作用に基づく副作用がなく、安全で簡便 摂取ができる脂肪吸収抑制組成物に関する

 近年、運動不足および食生活の欧米化に い、肥満者の人口に占める割合は、増大し きており、肥満は現代社会における生活習 病の危険因子の1つになっている。糖尿病、 高脂血症、高血圧、インスリン抵抗性などの 上流には内臓脂肪の蓄積があることが指摘さ れ、肥満に加えて、高脂血、高血圧または高 血糖の2項目以上の併発は、メタボリックシ ドロームとよばれ、心血管疾患の高リスク と認識されている。肥満の主たる要因は消 量を超える脂肪の過剰吸収であるが、個人 が大きく、他に遺伝的素因、社会的要因、 庭環境など様々な因子が影響しており、十 な予防・改善方法はないのが現状である。 満に対する治療薬として、国内では、食欲 制剤のマジンドールが唯一承認されている 、重篤な肥満にしか適用がなく、耐性や依 性、口渇、便秘、胃部不快感、悪心・嘔吐 どの副作用が報告されている。また、外国 はリパーゼ阻害作用により腸管から脂肪吸 を抑制する作用を持つオルリスタットが肥 改善薬として市販されているが、放屁、脂 便、排便数の増加、軟便、下痢および腹痛 の副作用が報告され、排便が気になって外 もできなくなるなど著しくクオリティオブ イフ(QOL)を低下させるという問題がある。

 肥満の予防・改善のためには、適度な運 を継続すると共に、食事制限により摂取カ リーを減らすことが有効な手段ではあるも の、過剰な運動や食事制限はかえって身体 とっては有害であり、また、リバウンドの 題もあって、日常生活においての実行は困 である場合が多い。したがって、食事由来 脂肪が体内に吸収されることを安全かつ健 的に抑制することは、肥満および関連する 患の予防・治療のために極めて有用である 考えられる。

 医薬品ではない特定保健用食品として、 肪吸収を抑制するものも市販されており、 リパーゼ阻害により脂肪吸収を抑制するグ ビン蛋白分解物や、脂肪に比べて消化吸収 れにくい性質を持つジアシルグリセロール どが市販されている。さらに同様の目的で たな素材の探索も精力的に行われており、 えば、特許文献1には、脱脂米胚芽から抽出 されたリパーゼ阻害剤が開示されており、ま た特許文献2には、小麦胚芽由来の塩基性蛋 質を有効成分とするリパーゼ阻害剤が開示 れている。特許文献3には、ウーロン茶の主 るカテキン成分であるエピガロカテキンガ ートを酵素で重合させたウーロンテアニン レートを有効成分とするリパーゼ阻害剤が 示されている。

 しかしながら、上記のリパーゼ阻害剤は、 果が十分なものとはいえない上、オルリス ットと同様、リパーゼ阻害作用に基づく、 屁、脂肪便、排便数の増加、軟便、下痢お び腹痛等の副作用があるため、継続的に摂 することはできない。

特開平7-25779号公報

特開平4-400839号公報

特開2006-1909号公報

 本発明の課題は、良好な脂肪吸収抑制作 を示し、しかも副作用がなく安全で簡便に 続して摂取することができ、ひいては、過 な脂肪吸収に関連する状態、例えば、肥満 高脂血症を予防および/または改善すること ができる組成物を提供することである。

 本発明者らは、上記の問題点に鑑み、安 性の高い食経験のある植物抽出物の脂肪吸 抑制作用の検討を行い、リパーゼ阻害作用 極めて低いにもかかわらず、良好な脂肪吸 抑制作用を示す素材を見出し、本発明を完 させた。

 すなわち、本発明は、以下の発明を包含 る。

(I)小麦胚芽を65℃以下の温度およびpH5.0以下 酸性条件下で水を用いて抽出し、得られた 出液を下記(1)および/または(2)の条件:
(1)pH6.0以上の条件
(2)温度70℃以上の条件
に付すことにより不溶物として回収される成 分を有効成分として含有する、脂肪吸収抑制 組成物。

(II)過剰な脂肪吸収に関連する状態を予防 よび/または改善するための、(I)記載の組成 。

(III)過剰な脂肪吸収に関連する状態が肥満 よび/または高脂血症である、(II)記載の組 物。

(IV)リパーゼ阻害作用がないかまたは極め 低いことを特徴とする、(I)~(III)のいずれか 記載の組成物。

 本発明によれば、良好な脂肪吸収抑制作 を示し、しかもリパーゼ阻害剤のような放 、脂肪便、排便数の増加、軟便、下痢およ 腹痛等の副作用がなく、安全な脂肪吸収抑 組成物が提供される。本発明の脂肪吸収抑 組成物は、食経験のある小麦胚芽を原料と ているため、風味がよく簡便に継続して摂 することができる。さらに本発明の脂肪吸 抑制組成物は、過剰な脂肪吸収に関連する 態、例えば、肥満や高脂血症を予防および/ または改善するためにも使用できる。

 本明細書は、本願の優先権の基礎である 願2007-229060号の明細書および特許請求の範 に記載された内容を包含する。

 以下、本発明の好適な実施形態について 体的に説明する。

 本発明において、脂肪吸収抑制とは、摂 された脂肪が、腸管から吸収されて生体内 取り込まれることを抑制するか、または遅 させる作用をさす。また、血液中の脂肪や 肪酸の量を低下させ、脂肪摂取後の血液中 肪増加を抑制することも、脂肪吸収抑制に 含される。脂肪吸収抑制を評価する方法と ては、定量された脂肪を経口摂取するなど て腸管内に投与した後、血液中や便中の脂 量を測定する方法、体脂肪量を経時的に測 する方法、摘出腸管標本の粘膜側から漿膜 への脂肪の移行を測定する方法などが挙げ れる。

 本発明において、リパーゼ阻害作用とは 生体において主として膵臓から分泌される リパーゼのトリグリセリド分解作用を阻害 る作用をさす。食品中の脂肪分、すなわち リグリセリドはそのままでは生体に吸収さ ず、リパーゼによってモノアシルグリセロ ルと脂肪酸に加水分解されて吸収される。 のため、リパーゼ阻害作用を有する成分は 脂肪の体内吸収を抑制するが、吸収されな トリグリセリドが腸管内に多量に残される 果、これを投与された場合様々な副作用が れてQOLが低下する。被検物質のリパーゼ阻 作用を評価する方法としては、被検物質の 在下、リパーゼを基質のトリグリセリドと もにインキュベートし、分解されて遊離す 脂肪酸量を測定する方法、リパーゼを基質 トリグリセリドとインキュベートし、残存 るトリグリセリド量を測定する方法などが げられる。

 本発明において、リパーゼ阻害作用がな 、または極めて少ないとは、後述する試験 2と同様のリパーゼ阻害作用の測定方法にお いて、リパーゼ阻害率が20%以下、好ましくは 15%以下であるものをさす。

 本発明の脂肪吸収抑制組成物は、小麦胚芽 原料とし、特定の方法を用いて精製を行っ 得られる成分(以下、小麦胚芽精製物と称す る)を有効成分とする。ここで特定の方法と 、特開平10-218890号公報に記載された方法を として好適に用いることができる。具体的 は、A工程:小麦胚芽を65℃以下の温度およびp H5.0以下の酸性条件下に水を用いて抽出し、B 程:得られた抽出液を下記(1)および/または(2 )の条件:
(1)pH6.0以上の条件
(2)温度70℃以上の条件
に付すことにより不溶物を回収する方法であ る。

 以下、A工程およびB工程について詳述す 。

(A工程)
 本抽出工程において用いられる水は、pHお び温度が規定の範囲であれば、本工程の妨 とならない範囲において、NaClやKClなどの塩 イオン、微量金属などを含んでいてもよい 好適な水として、イオン交換水、蒸留水、 水、超純水、水道水および井戸水などを例 できる。pHを5.0以下に調節するために用い れる酸性物質としては、塩酸、硫酸および ン酸などの無機酸、酢酸、プロピオン酸、 酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸 マレイン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、ク ン酸および安息香酸などの有機酸、ならび 酸性水が挙げられるが、安全性の点からは 食用酸、例えば、クエン酸または乳酸を用 ることが好ましい。酸性水とは、水を希硫 や食塩のような電解質の存在のもとで電気 解すると陽極側に現れる水のことであり、 化水または陽極水とも言われる。

 抽出温度は、65℃以下、好ましくは15~65℃ の範囲、さらに好ましくは30~60℃、特に好ま くは45~55℃の範囲である。A工程における抽 は、65℃以下の温度およびpH5.0以下、好まし くはpH3.0~5.0の酸性条件下、通常5~20時間、好 しくは10~18時間かけて実施する。

 小麦胚芽は、そのままA工程に付すことも できるが、この小麦胚芽の形状には特に制限 がなく、粉末状物、破砕物および粒状物のい ずれであってもよいが、処理の容易さから粉 末状物が好ましい。小麦胚芽は市販品を用い てもよく、例えば、脱脂胚芽を例示すること ができる。

 またA工程の前処理として、澱粉、蛋白質 およびヘミセルロースなどを酵素分解する処 理を行ってもよい。澱粉の酵素分解処理とし てはアミラーゼ処理を、蛋白質の酵素分解処 理としてはプロテアーゼ処理を、そしてヘミ セルロースの酵素分解処理にはセルラーゼ処 理を例示できるが、これらに限定されない。 アミラーゼ処理、プロテアーゼ処理またはセ ルラーゼ処理等を行う場合は、これらの酵素 処理において採用される通常の条件下、すな わちこれら酵素の至適温度および至適pHの条 下で処理を行うことが好ましいが、これに 定されるものではない。

 A工程において、温度を70℃以上および/ま たはpH6.0以上にすると、本発明において有効 分とする目的成分は不溶物となり、沈殿す などして、抽出効率が低下するので、抽出 程の間の温度およびpH管理は厳密に行う必 がある。ただし、前述の油脂成分の除去、 素処理、または殺菌などを目的として、A工 の前後で温度を70℃以上にすることや、pHを 6.0以上にすることは構わない。また、B工程 適用する前に、抽出液中の不溶物や不純物 除去しておくのが好ましい。

(B工程)
 A工程で得られた抽出液を、(1)温度70℃以上 よび/または(2)pH6.0以上にすると、本発明に ける有効成分である目的成分が不溶物とな ので、これを液体と分離することで、簡便 本発明の脂肪吸収抑制組成物の有効成分を 製することができる。B工程において、(1)温 度70℃以上の条件、および(2)pH6.0以上の条件 ついては、いずれか片方の条件のみに付し もよいし、両方の条件に付してもよい。ま 、両方の条件に付す場合は、その順番は特 制限されず、また同時に両方の条件を満た ようにしてもよい。温度は、通常70~100℃、 ましくは80~95℃である。pHは、通常6.0~12.5、 ましくは6.5~10.0、より好ましくは7.0~9.0であ 。pH調整は、塩基性物質、例えば、水酸化ナ トリウムおよび水酸化カリウムなどを用いて 行うことができる。

 不溶物となった本発明の組成物を分離し 回収する方法としては、公知の方法を適用 ることができ、例えば、濾過、遠心分離、 ィルタープレスなどが挙げられる。また、 発明の脂肪吸収抑制組成物においては、上 不溶物をそのまま乾燥して用いてもよいが 必要に応じて有機溶媒や酸性溶液に溶解し 溶液状とした後、賦形剤、例えば、デキス リン、乳糖、デンプンなどとともに、公知 方法を用いて、例えば、凍結乾燥、スプレ ドライ、スプレークールおよびドラムドラ などを用いて乾燥して用いてもよい。

 本発明者らは、上記小麦胚芽精製物が脂 吸収抑制作用を有し、従って、過剰な脂肪 収に関連する状態を予防および/または改善 できることを見出した。すなわち、上記小麦 胚芽精製物を有効成分とする本発明の脂肪吸 収抑制組成物は、過剰な脂肪吸収に関連する 状態を予防および/または改善するための組 物として使用することができる。過剰な脂 吸収に関連する状態としては、例えば、肥 、高脂血症、糖尿病、高血圧およびメタボ ックシンドロームなどが挙げられる。本発 の脂肪吸収抑制組成物は、特に、肥満およ /または高脂血症の予防および/または改善に 特に好適に使用される。

 本発明の脂肪吸収抑制組成物は、脂肪吸 およびそれに続く脂肪蓄積によって引き起 される上記肥満、高脂血症、糖尿病、高血 およびメタボリックシンドロームなどの状 のうち、リパーゼ活性に起因しない状態、 るいはリパーゼ活性を阻害しても予防およ /または改善できない状態、リパーゼ活性を 阻害することが好ましくない状態を、予防お よび/または改善するために特に有効である また、本発明の脂肪吸収抑制組成物は、リ ーゼ阻害作用がないかまたは極めて低いこ から、リパーゼ阻害作用に基づく副作用、 えば、放屁、脂肪便、排便数の増加、軟便 下痢および腹痛等を生じない点で有利であ 。

 本発明において状態の予防には、その発 を抑えることおよび遅延させることが含ま 、再発に対する予防も含まれる。本発明に いて状態の改善には、治癒することおよび 行を抑えることが含まれる。

 本発明の組成物の投与対象は、好ましく 、哺乳動物である。本明細書において哺乳 物は、温血脊椎動物をさし、例えば、ヒト よびサルなどの霊長類、マウス、ラットお びウサギなどの齧歯類、イヌおよびネコな の愛玩動物、ならびにウシ、ウマおよびブ などの家畜が挙げられる。本発明の組成物 、霊長類、特にヒトへの投与に好適である

 上記小麦胚芽精製物を有効成分とする本 明の脂肪吸収抑制組成物は、特に制限され いが、例えば、医薬組成物および食品組成 として調製することができる。

 本発明の脂肪吸収抑制組成物をヒトに適 する場合、乾燥質量を基準として、上記小 胚芽精製物に換算して、成人1日当たり0.001~ 50gの範囲で適用される。該小麦胚芽精製物は 、小麦胚芽を原料としている安全性の高いも のであるため、その摂取量をさらに増やすこ ともできる。1日当たりの摂取量は、1回で摂 してもよいが、数回に分けて摂取してもよ 。

 本発明の脂肪吸収抑制組成物を医薬組成 として調製する場合、上記小麦胚芽精製物 そのまま単独で医薬組成物としてもよいが 通常、上記小麦胚芽精製物と好ましくは薬 的に許容される担体とを含む製剤として調 する。医薬組成物は、経口により、非経口 より、例えば、皮膚に、皮下に、静脈内に 動脈内に、筋肉内に、腹腔内に、および鼻 内に投与される。本発明の効果を阻害しな 限り、添加剤や、他の公知の脂肪吸収抑制 などを配合してもよい。

 医薬組成物の剤型としては、例えば、錠 、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤 ドライシロップ剤、液剤および懸濁剤など 経口剤、ならびに吸入剤および坐剤などの 腸製剤などが挙げられる。これらのうちで 、経口剤が好ましい。

 このような剤型の医薬組成物には、上述 た小麦胚芽精製物に、慣用される賦形剤、 壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、アル ール、水、水溶性高分子、甘味料、矯味剤 よび酸味料などの添加剤を剤型に応じて配 できる。なお、液剤および懸濁剤などの液 製剤は、服用直前に水または他の適当な媒 に溶解または懸濁する形であってもよく、 た錠剤および顆粒剤の場合には周知の方法 その表面をコーティングしてもよい。

 本発明に係る医薬組成物において、有効 分である小麦胚芽精製物の含有量は、その 型により異なるが、乾燥質量を基準として 通常は、0.001~99質量%の範囲内、好ましくは0 .01~80質量%の範囲内であり、上述した成人1日 たりの摂取量を摂取できるよう、1日当たり の投与量が管理できる形にすることが望まし い。

 本発明の脂肪吸収抑制組成物を食品組成 として調製する場合、その形態は特に制限 れず、健康食品、機能性食品および特定保 用食品などの他、上記小麦胚芽精製物を配 できるすべての食品が含まれる。具体的に 、特定保健用食品では、経管経腸栄養剤な の流動食、錠剤、錠菓、チュアブル錠、粉 、カプセル剤、顆粒剤などの各種製剤形態 することができ、これらは前述の医薬組成 と同様の方法で製造することができる。本 明に係る食品には飲料も包含され、飲料の 体例としては、栄養補助食品(ドリンク剤な ど)、茶飲料(緑茶、ウーロン茶および紅茶な )、清涼飲料、ゼリー飲料、スポーツ飲料、 乳飲料、炭酸飲料、果汁飲料、乳酸菌飲料、 発酵乳飲料、粉末飲料、ココア飲料、コーヒ ー飲料、精製水などが挙げられる。さらに、 本発明に係る食品は、スプレッド類(バター ジャム、ふりかけ、マーガリンなど)、マヨ ーズ、ショートニング、カスタードクリー 、ドレッシング類、パン類、米飯類、麺類 パスタ、味噌汁、豆腐、牛乳、ヨーグルト スープ、ソース、菓子(例えば、ビスケット 、クッキー、チョコレート、キャンディ、ケ ーキ、アイスクリーム、チューインガム、タ ブレット)などとして調製してもよい。

 本発明に係る食品は、有効成分である小 胚芽精製物のほかに、食品や飼料の製造に いられる他の食品素材、各種栄養素、各種 タミン、ミネラル、アミノ酸、各種油脂、 物繊維、種々の添加剤(例えば、呈味成分、 甘味料、有機酸などの酸味料、界面活性剤、 pH調整剤、安定剤、酸化防止剤、色素、フレ バー)などを配合して、常法に従って製造す ることができる。また、通常食されている食 品に小麦胚芽精製物を配合することにより、 本発明の脂肪吸収抑制組成物としての食品組 成物を製造してもよい。

 本発明の脂肪吸収抑制組成物を食品組成物 する場合、有効成分である小麦胚芽精製物 含有量は、食品の形態により異なるが、乾 質量を基準として、通常は、0.001~80質量%の 囲内、好ましくは0.01~50質量%の範囲内、よ 好ましくは20~50質量%の範囲内である。1日当 りの摂取量は、1回で摂取してもよいが、数 回に分けて摂取してもよい。上述した、成人 1日当たりの摂取量が飲食できるよう、1日当 りの摂取量が管理できる形にするのが好ま い。 
 本発明において食品には、ヒト用の食品の ならず、家畜および競走馬などの飼料、な びにペットフードなども包含される。飼料 、対象が動物であることを除いて、食品と ぼ等しいことから、本明細書における食品 関する記載は、飼料についても同様に当て めることができる。

 さらに本発明の脂肪吸収抑制組成物には 他の機能性成分として、上記したもの以外 、例えば、共役リノール酸、タウリン、グ タチオン、カルニチン、クレアチン、コエ ザイムQ、グルクロン酸、グルクロノラクト ン、トウガラシエキス、ショウガエキス、カ カオエキス、ガラナエキス、ガルシニアエキ ス、テアニン、γ-アミノ酪酸、カプサイシン 、カプシエイト、各種有機酸、フラボノイド 類、ポリフェノール類、カテキン類、キサン チン誘導体、フラクトオリゴ糖などの難消化 性オリゴ糖、ポリビニルピロリドン等を配合 してもよい。これら機能性成分の配合量は、 成分の種類と所望すべき摂取量に応じて適宜 決められるが、本発明の脂肪吸収抑制組成物 中、通常、0.01~70質量%の範囲内であり、好ま くは0.1~50質量%の範囲内である。

 以下、実施例に基づいて本発明をさらに 体的に説明するが、本発明はこれらの実施 に限定されるものではない。

(実施例1)脂肪吸収抑制組成物の製 造
 脱脂小麦胚芽(日清ファルマ(株)製)250kgに、 2000Lおよびクエン酸4kgを加え、pHを5.0に調整 し、撹拌して脱脂小麦胚芽を分散させた後、 澱粉分解酵素(液化酵素T:エイチビィアイ(株) )を1250g添加し、加温した。85℃の温度で10分 間保持した後、50℃まで冷却した。その後、 粉分解酵素(液化酵素T)1250g、蛋白分解酵素( ロテアーゼM:天野エンザイム(株)製)630gを添 した。これをpH5.0および50℃で14時間反応さ た(A工程)。混合物を90℃で10分間処理して酵 素を失活させた後、60℃まで冷却した。この 却工程によって、本発明の組成物は可溶化 れるので、遠心分離機により不溶物を除去 、上澄液に活性炭を添加して撹拌後、ケイ ウ土を濾過助剤として用いて濾過し、濾液 減圧濃縮した。得られた抽出物としての濃 液(Brix 35)を85℃に調整し、不溶物を形成さ た(B工程)。得られた不溶物を85℃に維持し がらフィルターを用いて濾集し、減圧下で 燥した。

 このようにして3.85kgの乾燥固体状の小麦 芽精製物を本発明組成物として得た。この 成物は白色で、ほとんど無味であり無臭で った。

(実施例2)脂肪吸収抑制組成物の製 造
 脱脂小麦胚芽(日清ファルマ(株)製)1500kg、イ オン交換水12000L、無水クエン酸131kg、澱粉分 酵素(液化酵素T:エイチビィアイ(株)製)15kgを 釜に入れ、攪拌して温度を85℃にし、10分間 散させた。次に50℃に冷却し、澱粉分解酵素 (液化酵素T:エイチビィアイ(株)製)15kg、蛋白 解酵素(プロテアーゼM:天野エンザイム(株)製 )3.6kgを添加した。これをpH4.0に調節して50℃ 14時間反応させた(A工程)。反応終了後90℃で1 0分間処理して酵素を失活した後、60℃に冷却 した。ここに活性炭を添加し、60℃で1時間不 溶物を吸着させた。混合液をフィルタープレ スで濾過し、濾液を35℃まで冷却した。得ら た抽出液としての濾液にNaOHを加えてpH9.0に 整し、不溶物を形成させた(B工程)。得られ 不溶物を遠心分離機で回収し、真空乾燥し 粉末を得た。この粉末を5倍質量の蒸留水に 懸濁し、攪拌しながら塩酸を加えてpH3.0に調 し、粉末を溶解させた。微量の不溶物を遠 分離により除去し、凍結乾燥により71.9kgの 燥固体状の小麦胚芽精製物を本発明組成物 して得た。この組成物はわずかに黄色で、 とんど無味無臭であった。得られた組成物 成分分析を行ったところ、糖質0.28質量%、 白質0.47質量%、脂質11.9質量%であった。

(実施例3)脂肪吸収抑制組成物の製 造
 実施例2の組成物50gをクロロホルム:メタノ ル=5:1(体積比)溶液に加え、2時間攪拌後、脱 綿を用いて濾液を得た。この濾液を乾固し 6.0gの無色の油状物を本発明組成物として得 た。

(実施例4)脂肪吸収抑制組成物の製 造
 脱脂小麦胚芽(日清ファルマ(株)製)1500kg、イ オン交換水12000L、無水クエン酸131kg、澱粉分 酵素(液化酵素T:エイチビィアイ(株)製)15kgを 釜に入れ、攪拌して温度を85℃にし、10分間 散させた。次に50℃に冷却し、澱粉分解酵素 (液化酵素T:エイチビィアイ(株)製)15kg、蛋白 解酵素(プロテアーゼM:天野エンザイム(株)製 )3.6kgを添加した。これをpH4.0に調節して50℃ 14時間反応させた(A工程)。反応終了後90℃で1 0分間処理して酵素を失活した後、60℃に冷却 した。ここに活性炭を添加し、60℃で1時間不 溶物を吸着させた。混合液をフィルタープレ スで濾過し、濾液を35℃まで冷却した。得ら た抽出液としての濾液にNaOHを加えてpH8.0に 整し、不溶物を形成させた(B工程)。得られ 不溶物を遠心分離機で回収し、クエン酸溶 (pH3.1)に溶解した。濾過して微量の不溶物を 除去した後、デキストリンを加えて噴霧乾燥 し、273kgの乾燥固体状の小麦胚芽精製物を本 明組成物として得た。

(実施例5)脂肪吸収抑制組成物の製 造
 脱脂小麦胚芽(日清製粉(株)製)12.5kgに水100L 加え、乳酸でpHを4.0に調整し、30℃で撹拌し がら4時間抽出した(A工程)。遠心分離機で不 溶物を除去した。得られた水溶液のpHをNaOHで 7.5に調整し、不溶物を形成させた(B工程)。得 られた不溶物を遠心分離機で回収し、ペース ト状の小麦胚芽精製物を本発明組成物として 得た。

(試験例1)脂肪吸収抑制活性の測定
 ラット(SD、雄性)にイントラリピッド20%(テ モ製)の10mL/kg体重を経口投与し、経時的に採 血して、脂肪が腸管から吸収されて血液中に 移行する量を計測する試験を行った。実施例 2、3および4の本発明組成物を1g/kg体重で強制 口投与し、同時にイントラリピッドを強制 口投与した。投与前および投与後2時間に尾 静脈より採血し、トリグリセライド測定キッ ト(和光純薬工業製)を用いて血液中の中性脂 量を測定した。本発明組成物を投与せず、 ントラリピッドのみ投与したものをコント ール群とし、1群10匹として試験を行った。 果は、イントラリピッド投与前の中性脂肪 、イントラリピッド投与後2時間の中性脂肪 量、5時間までのAUCで評価した。その結果を 1に示す。

 表1から、本発明組成物が顕著に血液中へ の中性脂肪の吸収を抑制することが分かる。

(試験例2)リパーゼ阻害作用の測定
 基質エマルション80μL(下記の緩衝液100mLに リーブオイル3.0gを加えて超音波処理したも )に、実施例2または3の本発明組成物の溶液1 0μL(最終濃度が0.01、0.1mg/mLになるようにそれ れ緩衝液で希釈した)、あるいは実施例4の 発明組成物の溶液10μL(最終濃度1mg/mL)を加え 37℃で10分間静置した。ここにリパーゼ溶液 10μL(リパーゼ(シグマ製)を1.0mg/mLになるよう 衝液で希釈した)を添加し、37℃で30分間酵素 反応させた。反応終了後、銅試薬0.5mL(100mL中 トリエタノールアミン0.45mol、酢酸0.05mol、 酸銅・5水和物3.8質量%、NaCl 20質量%を含有す る水溶液)を添加し、さらに抽出試薬1.5mL(ク ロホルム:n-ヘプタン:メタノール=49:49:1)を添 して30秒間よくミキシングした。これを遠 分離(3000rpm、10分間)して上清0.5mLをとり、こ に発色液を加えて480nmの吸光度を測定した 陽性対照として、小麦由来の塩基性蛋白質 リパーゼ阻害作用が知られている(特開平3-28 4627号参照)、ピューロチオニン(シグマ社製) 最終濃度0.1、1mg/mLを用いた。結果は、本発 組成物、リパーゼ溶液を緩衝液に置換した ランク、および本発明組成物溶液を緩衝液 置換したコントロールの吸光度を用いて、 記式1にしたがって算出した。その結果を表2 に示す。

緩衝液組成
タウロケノデオキシコール酸 1mmol/L
タウロコール酸ナトリウム 9mmol/L
コレステロール 0.1mmol/L
L-α-ホスファチジルコリン 0.8mg/mL
酢酸カルシウム 1mmol/L
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン 100mm ol/L
[式1]
阻害率(%)=[1-[本発明組成物の吸光度-ブランク の吸光度]/[コントロールの吸光度-ブランク 吸光度]]

 表2の結果から、本発明組成物が、全くリ パーゼ阻害活性を示さないことが分かる。従 って、本発明における小麦胚芽精製物が、従 来のリパーゼ阻害薬とは全く異なる成分であ ることが分かる。

(実施例6)錠剤の製造
 実施例1の脂肪吸収抑制組成物84g、結晶セル ロース(旭化成)10gおよびポリビニルピロリド (BASF)5gを混合し、これにエタノール30mLを添 して、湿式法により常法にしたがって顆粒 製造した。この顆粒を乾燥した後、ステア ン酸マグネシウム1.2gを加えて打錠用顆粒末 とし、打錠機を用いて打錠し、1錠が1gの錠剤 100個を製造した。

(実施例7)顆粒剤の製造
 実施例2の脂肪吸収抑制組成物100g、乳糖(DMV) 100gおよび結晶セルロース(旭化成)40gを混合し 、これにエタノール130mLを練合機に添加し、 常の方法により5分間練合した。練合終了後 、10メッシュで篩過し、乾燥機中にて50℃で 燥した。乾燥後、整粒し、顆粒剤240gを得た

(実施例8)パンの製造
 小麦粉(強力粉)166gとドライイースト2gを混 た。これとは別に、実施例1の脂肪吸収抑制 成物2g、砂糖25g、食塩3g、脱脂粉乳6gを温湯7 0gに溶かし、鶏卵1個を添加してよく混ぜた。 これを上記の小麦粉とドライイーストの混合 物に加え、よく手でこねた後、バター約40gを 加えてよくこね、20個のロールパン生地を作 た。次いで、これらのパン生地を発酵させ 後、表面に溶き卵を塗り、オーブンにて180 で約15分焼き、ロールパンを作成した。外 、味、食感ともに良好であった。

(実施例9)パスタ用ソースの製造
 パスタ用のミートソース一人前(150g)を鍋に れ、これに実施例2の脂肪吸収抑制組成物1g 加えて加温した。このソースをパウチへ充 した後、窒素置換を行いながらパウチを密 し、121℃で15分間殺菌を行って、パスタ用 ートソースを得た。

 本明細書中で引用した全ての刊行物、特 および特許出願をそのまま参考として本明 書中にとり入れるものとする。